JP2001063292A - 下層付きで画像を転写する方法 - Google Patents

下層付きで画像を転写する方法

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JP2001063292A
JP2001063292A JP24078899A JP24078899A JP2001063292A JP 2001063292 A JP2001063292 A JP 2001063292A JP 24078899 A JP24078899 A JP 24078899A JP 24078899 A JP24078899 A JP 24078899A JP 2001063292 A JP2001063292 A JP 2001063292A
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Keiichi Nakatani
啓一 中谷
Masataka Yuki
昌隆 遊木
Shinjiro Iguchi
新次郎 井口
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SHINZEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 容易に除去できる下層付きの絵柄トナー層の
転写方法を提供する。 【構成】 絵柄トナー層をTg80℃以上のアクリル樹
脂層と圧着させ、アクリル樹脂層を下層にして、塗装面
に転写する。アクリル樹脂層がバリアー層となり絵柄ト
ナー層の顔料が塗装面内部へ移行しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子複写手段など
の画像形成装置により形成された絵柄トナー層などを転
写対象基材表面に転写するための転写方法に関する。更
に、詳しくは、下層付きで画像を転写する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、転写紙は離型性を有するシリコン
離型紙などに樹脂を塗布して製造され、例えば第1転写
紙にカラーコピーを撮り、金・銀あるいは他の色の顔料
を含んだ熱接着層を有する第2転写紙をそれぞれの表面
で貼り合わせ、第2転写紙の離型紙を剥離し、剥離面を
基材表面に熱接着する方法(平成8年特許願第1313
06号)(特願−1とする)が知られている。この方法
により、絵柄の背景を金・銀あるいは他の色に統一する
ことが可能になる。また、この逆で絵柄の上面を透明皮
膜で被覆できる。つまり第1および第2転写紙の転写層
が一体となった全面重層の転写であり、絵柄トナー層の
部分のみの重層の転写は不可能とされてきた。ところ
が、平成10年特許願第71574号(特願−2とす
る)で、親水性高分子層の転写層を有する第1転写紙に
絵柄トナー層を形成し、転写対象面に転写し、高沸点溶
剤含有低級アルコール溶液を吹きつけ、加温し、その絵
柄トナー層を膨潤させ、別に第2転写紙の下層に(メ
タ)アクリル樹脂層を有する転写紙の離型紙を剥離し、
そのアクリル樹脂層を膨潤した絵柄トナー層の上面に圧
着させ、絵柄トナー層の部分のみにアクリル樹脂層が接
着し、絵柄トナー部分のみをアクリル樹脂で被覆するこ
とができると主張されている。つまり特願−1では絵柄
トナー層のバックに全面的に(絵柄トナー層と転写対象
面の間に)金・銀含有の熱接着性樹脂層が入る。特願−
2では絵柄トナー層を溶剤と熱で膨潤させ、膨潤した絵
柄トナーの部分の上面のみを(メタ)アクリル樹脂で被
覆し、絵柄を紫外線や外気から保護することができる。
しかし、転写した外面から溶剤と熱で絵柄トナーの部分
を膨潤させ、粘着性を持たせ、上面をアクリル樹脂層を
粘着させることはできても、アクリル樹脂層を絵柄トナ
ーの下層に挿入することは不可能とされていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かくのごとく、絵柄ト
ナー層の上面のみを紫外線吸収剤などを含有する(メ
タ)アクリル樹脂層で被覆することができるが、芳香族
有機溶剤などで絵柄トナー層を洗い落とす場合に、転写
対象面が車やモターバイクのように塗装面の時、赤色や
黄色の顔料が塗装内部に移行し、赤色や黄色の顔料が容
易に除去できない場合が見られ、解決すべき問題として
残されていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
を解決すべく鋭意検討した結果、電子複写手段を含む画
像形成装置により形成される絵柄を転写対象の基材表面
に転写する方法において、第1発明として、離型性を有
するシート上に転写層として、親水性高分子層を有する
転写シート(A)に絵柄トナー層を形成し、別にガラス
転移点(Tg)が80℃以上の(メタ)アクリル樹脂層
を有する転写シート(B)を用意し、転写シート(A)
および転写シート(B)の両樹脂面を加熱圧着し、該シ
ート(B)の離型シートを剥離し、その剥離面を、必要
ならば沸点150℃以上の溶剤を含有する低級アルコー
ル溶液でぬらした転写対象面に貼りつけ、加温し、次い
で転写シート(A)の離型シートを剥離することによ
り、(メタ)アクリル樹脂の下層付きで絵柄トナー層を
転写する方法を。
【0005】第2発明として、離型性を有するシート上
に転写層として、軟化点70℃以上の遊離の官能基を有
しない、かつ低級アルコール類で軟化・溶解しない高分
子を有する転写シート(C)に絵柄トナー層を形成し、
別にガラス転移点(Tg)が80℃以上の(メタ)アク
リル樹脂層、またはガラス転移点が80℃以上になるよ
うに調合、または変性した(メタ)アクリル樹脂組成物
層を有する転写シート(B)を用意し、転写シート
(C)および転写シート(B)の両樹脂面を加熱圧着
し、該シート(B)の離型シートを剥離し、その剥離面
を、必要ならば沸点150℃以上の溶剤を含有する低級
アルコール溶液でぬらした転写対象面に貼りつけ、加温
し、次いで転写シート(C)の離型シートを剥離するこ
とにより、(メタ)アクリル樹脂の下層付きで絵柄トナ
ー層を転写する方法を。
【0006】第3発明として、第1発明および第2発明
の(メタ)アクリル樹脂の下層付きで絵柄トナー層を転
写し、引き続き、転写が完了した絵柄トナー層に、少な
くとも3重量%の沸点150℃以上の高沸点溶剤、ある
いは芳香族溶剤を含有する低級アルコール溶液を接触さ
せて、加温し、絵柄トナー層を膨潤させ、低級アルコー
ルを除去した後、別に下層としてアクリル樹脂層を有す
る転写シート(D)を用意し、転写シート(D)の離型
紙を剥離し、その剥離面を膨潤した絵柄トナー層に圧着
させ、絵柄トナー層を転写シート(D)のアクリル層で
被覆することを見いだし、本発明に到達した。即ち、本
発明は電子複写手段を含む画像形成装置により形成され
る絵柄を転写対象の基材表面に転写する方法において、
離型性を有するシート上に転写層として、親水性高分子
層を有する転写シート(A)または軟化点70℃以上の
遊離の官能基を有しない、かつ低級アルコール類で軟化
・溶解しない高分子を有する転写シート(C)に絵柄ト
ナー層を形成し、別にガラス転移点(Tg)が80℃以
上の(メタ)アクリル樹脂層、またはガラス転移点が8
0℃以上になるように調合、または変性したアクリル樹
脂組成物層を有する転写シート(B)を用意し、転写シ
ート(A)[または転写シート(C)]および転写シー
ト(B)の両樹脂面を加熱圧着し、該転写シート(B)
の離型シートを剥離し、その剥離面を、必要ならば沸点
150℃以上の溶剤を含有する低級アルコール溶液でぬ
らした転写対象面に貼りつけ、加温し、次いで転写シー
ト(A)[または転写シート(C)]の離型シートを剥
離し、ここで露出された絵柄トナー層に沸点150℃以
上の溶剤を含有する低級アルコール溶液をスプレイし、
加温し、該アクリル樹脂層と該絵柄トナー層のそれぞれ
の接着ならびに基材表面との接着を完全にする。次に、
第1発明および第2発明で転写できた下層付きで画像を
転写した工程に引き続き、高沸点溶剤含有低級アルコー
ル溶液と加温で膨潤させた絵柄トナー層を、アクリル樹
脂層を有する転写シート(D)を圧着させ、アクリル樹
脂層で被覆する転写方法である。(この第3発明では最
下層はTgが80℃以上のアクリル樹脂、最上層もアク
リル樹脂で、中間層に絵柄トナー層がサンドイッチされ
ている。)
【0007】本発明の方法の第1発明、第2発明および
第3発明(第3発明では絵柄下層)の特定のTgの(メ
タ)アクリル樹脂は絵柄トナーの部分のみに密着し、こ
の(メタ)アクリル樹脂層の上部を覆う絵柄トナー層に
含まれる赤色や黄色やその他の顔料の(アクリル樹脂層
以下の)塗装面への移行を阻止する。従って、芳香族溶
剤などでの絵柄層は、顔料の塗装面への移行がないの
で、芳香族溶剤含有布でこすることで容易に除去でき
る。またこのTg80℃以上の(メタ)アクリル樹脂は
絵柄トナー層への親和性が高いので、上記の特願−2の
ように、ベンジルアルコールのような高沸点溶剤を特に
必要としない場合が多い。更に、(メタ)アクリル樹脂
層と絵柄トナー層の接着も、両樹脂面を合わせて、ラミ
ネーター(例えば、FUJIPLA Inc.製のLA
MIPACKER LPD3206)を適当な温度と通
過時間に設定し、通過させるだけで、絵柄トナーの部分
のみアクリル樹脂と接着する。Tgが80℃以下の(メ
タ)アクリル樹脂の場合は、感覚的な表現であるが、柔
軟性に富み、脆さに乏しく、絵柄トナーの部分のみに限
定した接着は不可能で、絵柄トナー層を転写対象面へ転
写する時の加温で、このアクリル樹脂層は溶融し始め、
絵柄トナー層と一部混融状態となる。Tgが80℃以上
で物理的にパリパリした脆さを有する(メタ)アクリル
樹脂が好ましい。また、転写シート(B)の(メタ)ア
クリル樹脂層もしくは(メタ)アクリル樹脂組成物層に
無機充填剤、好ましくはシリカ微粉末を混入する理由も
同じように、樹脂層の皮膜の裂けやすさを出し、絵柄ト
ナーの部分のみに限定した接着を可能とするためであ
る。シリカ微粉末は(メタ)アクリル樹脂に対して2な
いし50重量%の範囲で使用される。
【0008】本発明の第1発明の転写シート(A)に使
用する親水性高分子としては各種澱粉、デキストリン、
ポリビニールアルコール(PVA)類、カルボキシメチ
ルセルローズなどのセルローズ誘導体、アルギン酸誘導
体、ポリオレフィン−不飽和カルボン酸無水物共重合物
の加水分解物(例えば、スチレン/無水マレイン酸共重
合物の加水開環物など)が挙げられる。これらの水溶性
高分子はいずれも使用することができるが、PVAとデ
キストリンの組み合わせが好ましく、低級アルコールを
含む溶剤類でぬらした転写対象面に転写する場合は、P
VAとデキストリンの皮膜は気化したこれらの溶剤が通
過するためには微細な通気孔を有するために好ましいと
考えられる。
【0009】本発明の第2発明の転写シート(C)の転
写層に使用される、軟化点70℃以上の遊離の官能基を
有しない、かつ低級アルコールで軟化・溶解しない高分
子としてはポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオ
レフィン類、およびこれらオレフィンモノマ−と酢酸ビ
ニルなどビニル化合物との共重合物[例えば、エチレン
・酢ビ共重合物(EVA)、エチレン・ビニルアルコー
ル共重合物(EVAL)など]、ポリ酢酸ビニルおよび
その誘導体、パラフィン、マイクロクリスタリンワック
ス、ポリブテン、石油樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエス
テル、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリ
カーボネート、ポリウレタン、ポリアクリル樹脂など、
更に可塑剤を加えた合成樹脂も包含し、軟化点にはこだ
わるが、その樹脂組成にはこだわらない。しかし、絵柄
トナー樹脂[各色の顔料とトナーバインダー樹脂(ビス
フェノールAのエチレンオキシド付加物とテレフタール
酸・トリメリット酸のポリエステルの混合物]が画像を
描いて、この絵柄が上記の樹脂上に乗っているだけの親
和性を有していなければならない。
【0010】本発明の第1発明および第2発明の下層、
第3発明の最下層の転写シート(B)に使用する(メ
タ)アクリル樹脂もしくは(メタ)アクリル樹脂組成物
としては、前述のごとく、ガラス転移点(Tg)が80
℃以上であることが好ましく、これらのポリメタクリル
酸樹脂の単量体のメタクリル酸エステルのアルコールの
化学構造の点から、直鎖アルコールの炭素鎖がC1 から
C10に長くなるとTgは105℃から−70℃に低下。
炭素鎖が分鎖する(枝分かれ)するほどアップする。ブ
チル基に限定:直鎖は20℃、第二級は60℃、第三級
は107℃。また、ジシクロペンテニル(メタ)アクリ
レート、イソボルニルアクリレート、トリス(2−アク
リロイルオキシエチル)イソシアヌレートなどがTg上
昇添加剤として知られている。Tgが80℃以下のアク
リル樹脂は転写対象面への転写の際に、溶融し始め、絵
柄トナー層との混融が始まるため、絵柄の精密部分の崩
れが見られるので避けるべきである。一方、第3発明の
転写シート(D)の(メタ)アクリル樹脂は最外層とし
て使用されるため、常に外気と接触していて、冷却され
るので、そのTgは特に制限されない。40℃以上、好
ましくは50℃以上のアクリル樹脂が使用される。
【0011】本発明の第1および第2発明の絵柄トナー
層の下層および第3発明の絵柄トナー層の下層に使用さ
れるTg80℃以上の(メタ)アクリル樹脂および第3
発明の絵柄トナー層の上層に使用される(メタ)アクリ
ル樹脂の原料として使用されるアクリルおよびメタクリ
ル系単量体としては、例えばメチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)ア
クリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アク
リレート;ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロ
ペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシク
ロペンタニルアクリレート、イソボルニルアクリレー
ト、ペンタまたはテトラメチルピペリジルメタクリレー
トなどのアクリルもしくはメタクリル酸と炭素数1〜2
0の1価アルコールのエステル化物;エチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン−,ポリプロ
ピレン−,またはネオペンチルグリコールなどのポリア
ルキレン−グリコール−ジ(メタ)アクリレート、1,
6−ヘキサンジ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパンジまたはトリ(メタ)アクリレート、アリル
(メタ)アクリレート、エチレン−またはプロピレン−
オキシド変性ビスフェノールAジメタクリレートなどの
アクリル酸もしくはメタクリル酸と炭素数2〜16の2
価以上のアルコールとを反応してなる1分子中に2個以
上の重合性二重結合を有する化合物;ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシ基含有(メ
タ)アクリル酸アルキル(C2 〜C16)などから選ばれ
た1種もしくは2種以上を使用することができる。
【0012】本発明に用いられるポリアクリル酸誘導体
としては上記のアクリル、メタクリル酸誘導体、それら
の重合物、それら以外に、アクリルアミド、メタクリル
アミド、アクリロニトリルなどの誘導体、それらの重合
体、共重合体が挙げられる。またこれらの誘導体とα,
β−不飽和カルボン酸のようなエチレン性不飽和結合を
有するモノマーとの共重合物も挙げられる。スチレン・
アクリル酸共重合体も使用できる、特に、スチレン・ア
クリル酸共重合体をアルカリ塩としてからアクリルアミ
ド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、上記アクリ
ルもしくはメタクリル酸エステル類をグラフト重合した
ものこれらのポリアクリル酸誘導体のなかで、アクリ
ル、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド、メタア
クリルアミドの重合体やトリス(2−アクリロイルオキ
シエチル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
【0013】本発明の転写シート(B)に使用する(メ
タ)アクリル樹脂もしくは(メタ)アクリル樹脂組成物
と併用する無機質の充填剤、セラミック微粉末として
は、これらを充填することによって(メタ)アクリル樹
脂の皮膜の絵柄トナー層の部分のみに接着し、絵柄トナ
ー層のない部分には(メタ)アクリル樹脂の皮膜が接着
しないように、接着部分と非接着部分の(メタ)アクリ
ル樹脂の皮膜の切断がスムーズに、かつ容易に行われる
ように、皮膜にある種のもろさ与えるために添加され
る。添加される無機質の無機充填剤、セラミック微粉末
の種類としては、市販の微粉末シリカや炭酸カルシウム
微粉末などが使用できるが、上記の目的には微粉末シリ
カが好ましい。微粉末シリカの粒度は1〜13μmの粒
度範囲が好ましく、特に好ましくは3〜7μmであり、
粒度の異なる2種類以上の微粉末シリカを併用しても良
い。
【0014】本発明の転写シート(A)もしくは転写シ
ート(C)と転写シート(B)の加熱圧着は前記のラミ
ネーターで行うことができる。同時に加熱・加圧ができ
る装置であれば良い。加熱は加熱時間との関連もある
が、40℃以上、好ましくは60℃以上、150℃以下
である。加圧は10kg/cm2 以下、好ましくは、3
kg/cm2 以下である。加熱圧着はこのラミネーター
を使用する以外に各種の機器を使用できる、ハンデイな
アイロンから熱プレス機まで、加熱温度と加圧がある程
度コントロールできれば良い。
【0015】本発明の転写シート(A)もしくは転写シ
ート(C)と転写シート(B)の加熱圧着後、転写シー
ト(B)の離型シートを剥離し、転写対象面に貼りつけ
る場合に、あらかじめ、必要ならば沸点150℃以上の
高沸点溶剤を含有する低級アルコール溶液で転写対象面
をぬらしておくことや加温しておくことが、転写シート
(B)の剥離面との接着に好ましい場合が多い。この場
合の高沸点溶剤としては、ヘキシレングリコール、N−
メチルピロリドン、ベンジルアルコール、シクロヘキサ
ノン、イソフォロンやベンゾニトリル、ジメチルフォル
ムアミド、ジメチルスルフォキシドなどの非プロトン系
溶剤が挙げられる。また低級アルコール類としてはメチ
ルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、ブチルアルコール類が挙げられる。高沸点溶剤の
含有量としては最低3重量%である。
【0016】本発明を要約すると、第1転写シートとし
て親水性高分子層(第1発明)を、または、軟化点70
℃以上の遊離の官能基を有しない、かつ低級アルコール
類で軟化・溶解しない高分子(第2発明)を有する転写
シート(AまたはC)に絵柄トナー層を形成し、別にガ
ラス転移点(Tg)が80℃以上の(メタ)アクリル樹
脂層を有する転写シート(B)を用意し、転写シート
(AまたはC)と転写シート(B)の樹脂面を合わせ、
加圧・加温して、貼り合わせ、転写シート(B)の離型
シートを剥離し、転写対象面に貼りつける。転写シート
(AまたはC)上の絵柄トナー層は転写シート(B)の
アクリル樹脂層を下層として転写され、絵柄層の顔料の
転写対象塗装面(層)への移行はこのアクリル樹脂層に
よって阻止される。更に、かくして転写された絵柄層は
高沸点溶剤含有低級アルコール溶液のスプレイと加温で
粘着化され、転写シート(D)のアクリル樹脂層で被覆
される(第3発明)。第1および第2発明では絵柄トナ
ー層の下層のみTg80℃のアクリル樹脂層が、第3発
明では絵柄トナー層の上層のみがアクリル樹脂層で被覆
される点が賞賛される。絵柄トナー層のない部分はアク
リル樹脂層がくっつかない。
【0017】以下、実施例をもって本発明を説明する
が、実施例によって本発明が限定されるものではない。
部は重量部を、%は重量%を表す。本発明の第1発明に
関する。(実施例1と実施例2) 実施例1[転写シート(A)−1の塗工液の配合処方] ポリビニールアルコール(ケン化度88%、固形分50%)*1 200部 ポリビニールアルコール(ケン化度95%、固形分20%)*2 200部 エマルジョン型シリコン消泡剤(有効成分19%) 40部 水溶性アクリル(有効成分27%) 4部 コーンスターチ(乾物)*3 4部 水 40部 分散剤(ポリカルボン酸ナトリウム塩、有効成分40%) 0.2部 微粉末シリカ 4部 レベリング剤(水系界面張力調整剤)*4 4部 カチオン系耐電防止剤*5 6部 注*1:カセゾール05、日華化学製 注*2:クラレポバールPVA110、クラレ製 注*3:この澱粉を次の水と加温してα化して使用した。 注*4:ダニエル社のダプロ77 注*5:オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、有効成分23%
【0018】 実施例2[転写シート(A)−2の塗工液の配合処方] ポリビニールアルコール(ケン化度88%、固形分50%)*1 180部 ポリビニールアルコール(ケン化度95%、固形分20%)*2 180部 エマルジョン型シリコン消泡剤(有効成分19%) 40部 水溶性アクリル(有効成分27%) 4部 黄色デキストリン(30%水溶液)*6 50部 分散剤(ポリカルボン酸ナトリウム塩、有効成分40%) 0.2部 微粉末シリカ 4部 レベリング剤(水系界面張力調整剤)*4 4部 カチオン系耐電防止剤*5 6部 注*1、2と4、5は上記と同じ 注*6:澱粉を鉱酸の存在下に加熱による乾式ばい焼して得たデキストリン、 日澱化学株式会社製
【0019】本発明の第1、第2および第3発明のすべ
てに関する。 実施例3[転写シート(B)の塗工液の配合処方] アクリル樹脂溶液(Tg85℃、樹脂分30%、酸価2)*7 100部 シリコン消泡剤(有効成分19%) 2部 微粉末シリカ 1部 トルエン 30部 注*7:アクリル樹脂溶液の溶剤はキシレン:セロアセ=90:10
【0020】本発明の第2発明に関する。 実施例4[転写シート(C)の塗工液の配合処方] エチレン酢ビコポリマー(EVA、酢ビ:10%、軟化点 75℃) 100部 シリコン消泡剤(有効成分19%) 2部 微粉末シリカ 1部
【0021】本発明の第3発明に関する。 実施例5[転写シート(D)の塗工液の配合処方] アクリル樹脂溶液(Tg57℃、樹脂分40%、酸価5)*8 100部 ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤*9 0.3部 ヒンダードアミン系光安定剤 *10 0.2部 BHT*11 0.1部 シリコン消泡剤(有効成分19%) 2部 微粉末シリカ 1部 トルエン 30部 注*8:アクリル樹脂溶液の溶剤はトルエン:IPA=80:20 注*9:2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル) −6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール] 注*10:1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとトリデカ ノールの1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸エステル 注*11:2,6−ジターシャリブチル−p−クレゾール
【0022】実施例6(転写紙の作成) 転写シート(A)−1および−2の塗工液はそれぞれの
配合処方の成分を秤量し、均一になるまで、混合・攪拌
して、均一溶液を作成し、坪料81gの市販のシリコン
離型紙にシルクスクリーン印刷により塗工し、シルクス
クリーン印刷用乾燥機を使用し、100±10℃で10
分間乾燥を行った。転写シート(B)と転写シート
(D)はそれぞれの配合処方の成分を秤量し、均一溶液
を作成し、上記のシリコン離型紙にシルクスクリーン印
刷により塗工し、シルクスクリーン印刷用乾燥機を使用
し、100±10℃で10分間乾燥を行った。転写シー
ト(C)は実施例3の配合処方の成分を秤量し、均一混
合物を上記の離型紙に0.2mmの厚みにTダイコータ
ーで塗工した。
【0023】本発明の第1発明に関する。(実施例7と
実施例8) 実施例7[下層付き画像の転写−1(転写シート(A)
−1の使用)] 転写シート(A)−1にミノルタ株式会社製ミノルタC
F910Lのフルカラーでカラーコピーを撮り、転写シ
ート(B)の樹脂面を張り合せ、前記のラミネーターを
70℃で0.5mm/分で通過させ、転写シート(B)
の離型紙を剥離し、剥離面をベンジルアルコール3%含
有イソプロピルアルコール溶液をスプレイして湿らせた
塗装面に密着させ、加温・加圧し、転写シート(A)の
離型紙を剥離し、下層にアクリル樹脂層付きの転写がで
きた。下層のアクリル樹脂層は絵柄トナー層の下部にの
み付着しており、絵柄トナー層中の顔料の塗装面への移
行はないものとみられる。即ち、転写終了後、50℃で
48時間熟成した上記の転写面の絵柄をトルエンを含浸
させた布で擦ると、容易に絵柄は除去することができ
た。一方、転写シート(B)なしで、直接転写シート
(A)−1の絵柄トナー層を転写した絵柄はトルエン含
浸布では除去しにくく、特に黄色と赤色の顔料が淡く残
留した。
【0024】実施例8[下層付き画像の転写−2(転写
シート(A)−2の使用)] 転写シート(A)−2を使用した以外は実施例7と同
じ。絵柄トナーは下層のアクリル樹脂層付きできれいに
転写ができた。50℃で48時間熟成後、トルエン含浸
布での絵柄の除去も問題なくできた。
【0025】本発明の第2発明に関する。 実施例9[下層付き画像の転写(転写シート(C)の使
用] 実施例4の転写シート(C)の塗工液の配合処方による
転写シート(C)に絵柄トナー層を撮り、転写シート
(B)の樹脂面を張り合せ、以下実施例7と同様に操作
し、転写を完了した。転写は十分満足できるものであ
り、熟成後の絵柄のトルエン含浸布による除去も満足す
べきものであった。
【0026】本発明の第3発明に関する。 実施例10(下層付きで上層をアクリル樹脂層で被覆し
た画像の転写) 塗装面に転写した(実施例7で転写した下層付き)画像
に3%ベンジルアルコール含有イソプロピルアルコール
溶液をスプレイし、遠赤外線で加熱すると、画像はベン
ジルアルコールの高沸点溶剤で膨潤し、粘着性を有する
塗膜となる。この粘着性絵柄に、[実施例5記載の(紫
外線吸収剤などを配合)配合処方の塗工液を塗工した転
写シート(D)の離型紙を剥離し]アクリル樹脂面を貼
り付け圧着し、転写シート(D)の離型紙を剥離する。
これで、下層付きで上層をアクリル樹脂層で被覆した画
像の転写が完成する。
【0027】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明:離型性を有するシート上に転写層と
して、親水性高分子層を有する転写シート(A)に絵柄
トナー層を形成し、Tgが80℃以上の(メタ)アクリ
ル樹脂層を有する転写シート(B)を用意し、転写シー
ト(A)および転写シート(B)の両樹脂面を加熱圧着
し、該シート(B)の離型シートを剥離し、その剥離面
を、必要ならば沸点150℃以上の溶剤を含有する低級
アルコール溶液でぬらした転写対象面に貼りつけ、加温
し、次いで転写シート(A)の離型シートを剥離するこ
とにより、(メタ)アクリル樹脂の下層付きで絵柄トナ
ー層を転写する方法。
【0028】
【図2】第2発明:離型性を有するシート上に転写層と
して、軟化点70℃以上の遊離の官能基を有しない、か
つ低級アルコール類で軟化・溶解しない高分子を有する
転写シート(C)に絵柄トナー層を形成し、別に上記の
転写シート(B)を用意し、転写シート(C)および転
写シート(B)の両樹脂面を加熱圧着し、該シート
(B)の離型シートを剥離し、その剥離面を、必要なら
ば沸点150℃以上の溶剤を含有する低級アルコール溶
液でぬらした転写対象面に貼りつけ、加温し、次いで転
写シート(C)の離型シートを剥離することにより、
(メタ)アクリル樹脂の下層付きで絵柄トナー層を転写
する方法。
【0029】
【図3】第3発明:第1発明および第2発明の(メタ)
アクリル樹脂の下層付きで絵柄トナー層を転写し、引き
続き、転写が完了した絵柄トナー層に、少なくとも3重
量%の沸点150℃以上の高沸点溶剤、あるいは芳香族
溶剤を含有する低級アルコール溶液を接触させて、加温
し、絵柄トナー層を膨潤させ、低級アルコールを除去し
た後、別に下層としてアクリル樹脂層を有する転写シー
ト(D)を用意し、転写シート(D)の離型紙を剥離
し、その剥離面を膨潤した絵柄トナー層に圧着させ、絵
柄トナー層を転写シート(D)のアクリル層で被覆する
こと。
【0030】
【符号の説明】
シートA:転写層として親水性高分子層を有する転写シ
ート シートB:Tg80℃以上の(メタ)アクリル樹脂層を
有する転写シート親水性ポリマー:親水性高分子層 Tg>80℃Ac:Tg80℃以上の(メタ)アクリル
樹脂層 絵柄:絵柄トナー層 基材:転写対象基材 シートC:転写層として軟化点70℃の遊離の官能基を
有しない、低級アルコール類で軟化・溶解しない高分子
層を有する転写シート シートD:アクリル樹脂層を有する転写シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B005 EB03 EB05 FB21 FB40 FC02Z FC08Z FD05Z FG08Z GC03 GD00 GD05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子複写手段を含む画像形成装置により
    形成される絵柄を転写対象の基材表面に転写する方法に
    おいて、離型性を有するシート上に転写層として、親水
    性高分子層を有する転写シート(A)に絵柄トナー層を
    形成し、別にガラス転移点(Tg)が80℃以上の(メ
    タ)アクリル樹脂層、またはガラス転移点が80℃以上
    になるように調合、または変性した(メタ)アクリル樹
    脂組成物層を有する転写シート(B)を用意し、転写シ
    ート(A)および転写シート(B)の両樹脂面を加熱圧
    着し、該シート(B)の離型シートを剥離し、その剥離
    面を、必要ならば沸点150℃以上の溶剤を含有する低
    級アルコール溶液でぬらした転写対象面に貼りつけ、次
    いで転写シート(A)の離型シートを剥離することを特
    徴とする転写方法。
  2. 【請求項2】 電子複写手段を含む画像形成装置により
    形成される絵柄を転写対象の基材表面に転写する方法に
    おいて、離型性を有するシート上に転写層として、軟化
    点70℃以上の遊離の官能基を有しない、かつ低級アル
    コールで軟化・溶解しない高分子を含有する転写シート
    (C)に絵柄トナー層を形成し、別にガラス転移点(T
    g)が80℃以上の(メタ)アクリル樹脂層、またはガ
    ラス転移点が80℃以上になるように調合、または変性
    した(メタ)アクリル樹脂組成物層を有する転写シート
    (B)を用意し、転写シート(C)および転写シート
    (B)の両樹脂面を加熱圧着し、該シート(B)の離型
    シートを剥離し、その剥離面を、必要ならば沸点150
    ℃以上の溶剤を含有する低級アルコール溶液でぬらした
    転写対象面に貼りつけ、次いで転写シート(C)の離型
    シートを剥離することを特徴とする転写方法。
  3. 【請求項3】 請求項1および請求項2において、転写
    シート(B)の(メタ)アクリル樹脂層または(メタ)
    アクリル樹脂組成物層の樹脂成分の少なくとも10重量
    %のアルキレンオキシド変性ビスフェノールAジメタク
    リレートあるいはアルキレンオキシド変性ビスフェノー
    ルAジアクリレートを含有することを特徴とする転写方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1および請求項2において、転写
    が完了した絵柄トナー層に、少なくとも3重量%の沸点
    150℃以上の高沸点溶剤、あるいは芳香族溶剤を含有
    する低級アルコール溶液を接触させて、加温し、絵柄ト
    ナー層を膨潤させ、低級アルコールを除去した後、別に
    アクリル樹脂層を有する転写シート(D)を用意し、転
    写シート(D)を膨潤した絵柄トナー層に圧着させ、絵
    柄トナー層を転写シート(D)のアクリル層で被覆する
    ことを特徴とする転写方法。
  5. 【請求項5】 請求項1および請求項2において、転写
    シート(B)の(メタ)アクリル樹脂層、あるいは(メ
    タ)アクリル樹脂組成物層が無機充填剤を含有すること
    を特徴とする転写方法。
  6. 【請求項6】 請求項4において、無機充填剤がセラミ
    ック微粉末であることを特徴とする転写方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005022211A1 (ja) * 2003-08-29 2005-03-10 Nippon Carbide Kogyo Kabushiki Kaisha 破壊層の設置された再帰反射シート
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