JP2001063214A - 感熱記録体 - Google Patents

感熱記録体

Info

Publication number
JP2001063214A
JP2001063214A JP24137899A JP24137899A JP2001063214A JP 2001063214 A JP2001063214 A JP 2001063214A JP 24137899 A JP24137899 A JP 24137899A JP 24137899 A JP24137899 A JP 24137899A JP 2001063214 A JP2001063214 A JP 2001063214A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
sensitive recording
polyvinyl alcohol
saponified polyvinyl
partially saponified
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24137899A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigetoshi Seki
重利 関
Koichi Ishida
恒一 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Paper Co Ltd filed Critical Oji Paper Co Ltd
Priority to JP24137899A priority Critical patent/JP2001063214A/ja
Publication of JP2001063214A publication Critical patent/JP2001063214A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 地肌カブリが少なく、表面光沢と記録濃度に
優れた感熱記録体を提供することにある。 【解決手段】 支持体上に、ロイコ染料および呈色剤を
含有する感熱記録層と電離放射線硬化性化合物に電離放
射線を照射して硬化された樹脂層とが順次隣接して有す
る感熱記録体において、上記の課題を解決するための一
つの手段として、本発明は、感熱記録層中に部分ケン化
ポリビニルアルコールを含有させるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロイコ染料と呈色
剤との発色反応を利用した感熱記録体に関し、表面光沢
と記録濃度に優れた電離放射線照射により硬化された樹
脂層を設けた感熱記録体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用
した感熱記録体はよく知られている。このような感熱記
録体は、比較的安価であり、また記録機器がコンパクト
で保守も容易なため、ファクシミリや各種計算機などの
記録媒体に使用されている。更に、小売店などのPOS(Po
int of sales)システム用の感熱記録用粘着シートや入
場券等のチケットにも使用されている。このような用途
の拡大に伴って、商品価値を高めるために表面光沢に優
れた感熱記録体が強く要望されている。感熱記録層と電
離放射線硬化性化合物に電離放射線を照射して硬化され
た樹脂層とが隣接して有する感熱記録体が、特公昭58
−35478公報、特開平6−344664公報、特開
平7−40658公報、特開平9−11632公報に記
載されているが、感熱記録層の耐地肌カブリ性、感熱記
録層と樹脂層との密着性、或いは樹脂層の表面光沢性に
問題がある。
【0003】また、特開昭57−69091公報、特開
昭59−26291公報等には、感熱記録層の耐地肌カ
ブリ性を改良するために感熱記録層と電離放射線硬化性
化合物に電離放射線を照射して硬化された樹脂層との間
にポリビニルアルコール等の水溶性樹脂を主成分とする
中間層を設けた感熱記録体は記載されているが、記録感
度が低下したり、製造工程が多くなりコスト高になる欠
点がある。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】本発明の課題は、地肌カブリが少なく、表
面光沢と記録濃度に優れた感熱記録体を提供することに
ある。
【課題を解決するための手段】支持体上に、ロイコ染料
および呈色剤を含有する感熱記録層と電離放射線硬化性
化合物に電離放射線を照射して硬化された樹脂層とが順
次隣接して有する感熱記録体において、上記の課題を解
決するための一つの手段として、本発明は、感熱記録層
中に部分ケン化ポリビニルアルコールを含有させるもの
である。
【発明の実施の形態】
【0005】本発明は、ロイコ染料および呈色剤を含有
する感熱記録層と電離放射線硬化性化合物に電離放射線
を照射して硬化された樹脂層とが順次隣接して有する感
熱記録体であり、かつ感熱記録層中に、特に接着剤とし
て感熱記録層中に部分ケン化ポリビニルアルコルを含有
させることを特徴とし、かかる部分ケン化ポリビニルア
ルコールの使用量としては特に限定されないが、感熱記
録層の全固形量に対して5〜40重量%程度、好ましく
は10〜35重量%程度である。
【0006】かかる部分ケン化ポリビニルアルコールの
使用量が5重量%未満になると耐地肌カブリ性と表面光
沢が低下したり、或いは感熱記録層と樹脂層との耐水密
着性が低下し、また40重量%を越えると記録感度が低
下する恐れがある。
【0007】部分ケン化ポリビニルアルコールのケン化
度は70%〜95%程度、好ましくは75%〜90%程
度である。これを超えた範囲では、表面光沢と高い記録
濃度が得られにくくなる。また、部分ケン化ポリビニル
アルコールの重合度としては、500〜3000程度、
好ましくは1000〜2500程度である。
【0008】部分ケン化ポリビニルアルコールの中で
も、耐水化剤との反応性を高めるために、0.1〜5モ
ル%程度変性された変性部分ケン化ポリビニルアルコー
ルが好ましい。かかる変性部分ケン化ポリビニルアルコ
ールの具体例としては、アセトアセチル変性部分ケン化
ポリビニルアルコール、ジアセトン変性部分ケン化ポリ
ビニルアルコール、ケイ素変性部分ケン化ポリビニルア
ルコール、カルボキシ変性部分ケン化ポリビニルアルコ
ール等が挙げられる。なかでも、アセトアセチル変性部
分ケン化ポリビニルアルコール、ケイ素変性部分ケン化
ポリビニルアルコールおよびカルボキシ変性ポリビニル
アルコールは、樹脂層の表面光沢および感熱記録層面側
の耐水性効果が高いため、最も好ましく用いられる。
【0009】かかる耐水化剤としては、グリオキザー
ル、ジアルデヒドデンプン等のアルデヒド基を有する化
合物、尿素―ホルマリンアルデヒド樹脂、メラミン−ホ
ルムアルデヒド樹脂、メチロール尿素、ケトン樹脂等の
メチロール基を有する化合物、ポリアミドエピクロルヒ
ドリン、グリセロールポリグリシジルエーテル等のエポ
キシ基を有する化合物、ホウ酸、ホウ砂、アジピン酸ジ
ヒドラジド、炭酸アンモニュウムジルコニウム等が挙げ
られる。なお、耐水化剤は感熱記録層、或いは支持体と
感熱記録層中との間の下塗り層中に添加される。
【0010】感熱記録層に含有されるロイコ染料および
呈色剤としては特に限定されないが、例えば下記のもの
が挙げられる。ロイコ染料の具体例としては、例えば
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2
−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニ
ル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミ
ノ−7−ジベンジルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオラン等
の青発色性染料、3−(N−エチル−N−p−トリル)
アミノ−7−N−メチルアニリノフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン等の緑発色性染
料、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフル
オラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、
ローダミン(o−クロロアニリノ)ラクタム、3−ジエ
チルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン等の赤発色性
染料、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル
−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブ
チル)アミノ−7−(o−フルオロフェニルアミノ)フ
ルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−
N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロ
ロ−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン等の黒発色性染料、
3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−
(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕
−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−p−
(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ−6−メチル
−7−クロロフルオラン、3−p−(p−クロロアニリ
ノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、
3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピ
ロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド等の近赤
外領域に吸収波長を有する染料等が挙げられる。勿論、
これらに限定されるものではなく、また二種以上を併用
することもできる。また、ロイコ染料の使用比率として
は感熱記録層に対して5〜35重量%程度である。
【0011】呈色剤のとしては、例えば4,4’−イソ
プロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリ
デンジフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−4−メチルペンタン、4−ヒドロキシ安息香酸
ベンジル、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−
ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホ
ン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スル
ホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホ
ン、2,2’−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルス
ルホニル)フェノキシ〕ジエチルエーテル、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン等
のフェノール性化合物、N−(p−トリルスルホニル)
カルバモイル酸−p−クミルフェニルエステル、N−
(p−トリルスルホニル)カルバモイル酸−p−ベンジ
ルオキシフェニルエステル、N−(o−トリル)−p−
トリルスルホアミド、4,4’−ビス(N−p−トリル
スルホニルアミノカボニルアミノ)ジフェニルメタン等
の分子内に−SO2NH−結合を有するもの、p−クロ
ロ安息香酸亜鉛、4−〔2−(p−メトキシフェノキ
シ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛、4−〔3−(p−
トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、
5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)ク
ミル〕サリチル酸等の芳香族カルボン酸の亜鉛塩等が挙
げられる。
【0012】ロイコ染料と呈色剤との割合は特に限定す
るものではないが、ロイコ染料1重量部に対して特定の
呈色剤は1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部程度
使用される。
【0013】感熱記録層中には、記録部の保存安定性を
より高めるための保存性改良剤や記録感度をより高める
ための増感剤を含有させることもできる。かかる保存性
改良剤の具体例としては、例えば2,2’−メチレンビ
ス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,
4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノ
ール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロ
キシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3
−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘ
キシルフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン等のヒンダー
ドフェノール化合物、4,4’−ジグリシジルオキシジ
フェニルスルホン、4−ベンジルオキシ−4’−(2−
メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、テレフ
タル酸ジグリシジル、クレゾールノボラック型エポキシ
樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物等が挙げら
れる。
【0014】増感剤の具体例としては、例えばステアリ
ン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、p−ベンジルオ
キシ安息香酸ベンジル、2−ナフチルベンジルエーテ
ル、m−ターフェニル、p−ベンジルビフェニル、p−
トリルビフェニルエーテル、ジ(4−メトキシフェノキ
シエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキ
シ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタ
ン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、
1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−
ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)
−2−(3−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチ
オフェニルベンジルエーテル、ジ(β−ビフェニルエト
キシ)ベンゼン、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエス
テル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、シュ
ウ酸ジベンジルエステル等が挙げられる。これらの保存
性改良剤および増感剤の使用量は特に限定されないが、
一般にロイコ染料1重量部に対して各々4重量部以下で
調節するのが望ましい。
【0015】感熱記録層は、水を分散媒体とし、ロイコ
染料、呈色剤、および必要により増感剤、保存性改良剤
等を共に、或いは別々にボールミル、アトライター、サ
ンドミルなどの攪拌・粉砕機により平均粒子径が2μm
以下となるように微粉砕した後、接着剤として部分ケン
化ポリビニルアルコールを添加して調製された感熱記録
層用塗液を上質紙(中性紙または酸性紙)、合成紙、透
明フイルム等の支持体上に塗布乾燥して形成される。
【0016】感熱記録層用塗液中には、接着剤として部
分ケン化ポリビニルアルコールが使用されるが、本発明
の所望の効果を損なわない限りにおいて、他の接着剤を
併用することもできる。かかる他の接着剤としては、例
えば酸化デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、メチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチ
ン、カゼイン、アラビアガム、完全ケン化ポリビニルア
ルコール、カルボキシ変性完全ケン化ポリビニルアルコ
ール、アセトアセチル変性完全ケン化ポリビニルアルコ
ール、ケイ素変性完全ケン化ポリビニルアルコール、ジ
イソブチレン・無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・
無水マレイン酸共重合体塩、エチレン・アクリル酸共重
合体塩、スチレン・アクリル酸共重合体塩、ポリウレタ
ン系ラテックス、スチレン・ブタジエン系ラテックス、
アクリル系ラテックス等が挙げられる。
【0017】更に、感熱記録層用塗液中には必要に応じ
て各種の助剤を添加することができ、例えばカオリン、
軽質(重質)炭酸カルシウム、焼成カオリン、酸化チタ
ン、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、無定形シ
リカ、尿素・ホルマリン樹脂フィラー等の顔料類、ジオ
クチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステル
ナトリウム、脂肪酸金属塩等の界面活性剤、ステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワック
ス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワッ
クス等のワックス類、および紫外線吸収剤、消泡剤、蛍
光染料、着色染料等が挙げられる。
【0018】感熱記録層用塗液の塗布量は乾燥重量で2
〜12g/m2程度、好ましくは3〜10g/m2程度で
ある。なお、感熱記録層表面の平滑性がベック平滑度で
300〜2000秒程度となるようにスーパーカレンダ
ーなどによる処理することにより、その上に形成される
樹脂層が薄くても、樹脂層の表面光沢が高い効果が得ら
れる。2000秒を越えると感熱記録層と樹脂層との密
着性が低下する恐れがあり、また300秒未満になると
記録画質が低下したり、或いは樹脂層の表面光沢度を高
くするのに樹脂層を少なくとも2.5μm以上にする必
要性がある場合がある。
【0019】さらに、記録感度と記録画質を高めるため
に支持体と感熱記録層の間に吸油性顔料または中空粒子
を主成分とした下塗り層を設けたりすることもできる。
【0020】感熱記録層は、例えばエアーナイフコーテ
ィング、バリバーブレードコーティング、ピュアーブレ
ードコーティング、ロッドブレードコーティング、ショ
ートドウェルコーティング、カーテンコーティング、ダ
イコーティング等の塗布方法により、紙(酸性紙、中性
紙)、プラスチックフィルム、合成紙、不織布、金属蒸
着物等の支持体の表面に下塗り層と感熱記録層用塗液を
順次塗布乾燥して形成される。
【0021】感熱記録層上に隣接する樹脂層は、電離放
射線硬化性化合物を主成分とする樹脂層用塗液を感熱記
録層の上に0.1〜6.0g/m2程度となるように塗
布後、X線、紫外線、電子線等の電離放射線の照射する
ことにより電離放射線硬化性化合物が重合し、硬化され
て形成される。
【0022】電離放射線硬化性化合物とは、X線、紫外
線、電子線等の電離放射線の照射により硬化反応し得る
二重結合を1個以上有するモノマーまたはプレポリマー
である。
【0023】かかるプレポリマーとしては、(a) 脂肪
族、脂環族、芳香脂肪族2〜6価の多価アルコールおよ
びポリアルキレングリコールのポリ(メタ)アクリレー
ト;(b) 脂肪族、脂環族、芳香脂肪族、芳香族2〜6価
の多価アルコールにアルキレンオキサイドを付加させた
形の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート;(c)
ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸エステ
ル;(d) ポリエステルポリ(メタ)アクリレート;(e)
エポキシポリ(メタ)アクリレート;(f) ポリウレタン
ポリ(メタ)アクリレート;(g) ポリアミドポリ(メ
タ)アクリレート;(h) ポリシロキサンポリ(メタ)ア
クリレート;(i) 側鎖および/または末端に(メタ)ア
クリロイルオキシ基を有するビニル系またはジエン系低
重合体;(j)前記(a) 〜(i) 記載のオリゴエステル(メ
タ)アクリレート変性物等が挙げられる。
【0024】また、モノマーとしては、(a) エチレン性
不飽和モノまたはポリカルボン酸等で代表されるカルボ
キシル基含有単量体;(b) エチレン性不飽和(メタ)ア
クリルアミドまたはアルキル置換(メタ)アクリルアミ
ドで代表されるアミド基含有単量体;(c) 脂肪族または
芳香族ビニルスルホン酸類で代表されるスルホン酸基含
有単量体;(d) エチレン性不飽和エーテル等で代表され
る水酸基含有単量体;(e) ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート−2−ビニルピリジン等のアミノ基含
有単量体;(f) 4級アンモニウム塩基含有単量体;(g)
エチレン性不飽和カルボン酸のアルキルエステル;(h)
(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有単量体;
(i) スチレン;(j) 酢酸ビニル、酢酸(メタ)アリル等
のエチレン性不飽和アルコールのエステル;(k) 活性水
素を含有する化合物のアルキレンオキシド付加重合体の
モノ(メタ)アクリレート類;(l) ポリカルボン酸と不
飽和アルコールとのポリエステルで代表されるエステル
基含有多官能単量体;(m) 活性水素を含有する化合物の
アルキレンオキシド付加重合体と(メタ)アクリル酸と
のポリエステルよりなる多官能単量体等が挙げられる。
なお、上記の如き電離放射線硬化性化合物を2種以上併
用してもよい。
【0025】なお、樹脂層用塗液中には、更に炭酸カル
シウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、
無定形シリカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タ
ルク、カオリン、クレー、焼成クレー、尿素・ホルマリ
ン樹脂フィラー、ベンゾグアナミン樹脂フィラー等の顔
料、レベリング剤、滑剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線
吸収剤等の添加剤を適宜添加することができる。
【0026】電離放射線として電子線を使用する場合、
照射する電子線の量は0.1〜15Mrad、より好ま
しくは0.5〜10Mrad程度が望ましい。因に、
0.1Mrad未満では樹脂層を充分に硬化させること
ができず、15Mradを越えるような過度の電子線照
射は感熱記録体の発色や変色を来す恐れがあり、さらに
支持体が紙の場合紙力の低下を引き起こす恐れがある。
なお、電子線の照射方式としては、例えばスキャンニン
グ方式、カーテンビーム方式、ブロードビーム方式等が
採用でき、照射する際の加速電圧は100〜300KV
程度が適当である。
【0027】紫外線を使用する場合には、樹脂層用塗液
中に、更に過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、ジ−te
rt−ブチルペルオキシド、2,2−アゾビスブチロニト
リル等の重合開始剤を添加する必要があり、その添加量
としては電離放射線硬化性化合物に対して0.2〜10
重量%、好ましくは0.5〜5重量%程度である。ま
た、紫外線照射用の光源としては、紫外線ランプ、キセ
ノンランプ、タングステンランプ等が用いられ、500
0〜8000μW/cm程度の強度を有する紫外線が好
ましく照射される。
【0028】その他の感熱記録体製造分野における各種
の公知技術が必要に応じて付加し得るものである。例え
ば、支持体の裏面に粘着剤を主成分とする粘着剤層、磁
気記録層、或いはインクジェット記録層を設けたりする
こともできる。
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論これらに限定されるものではない。な
お、例中の「部」および「%」は、特に断らない限りそ
れぞれ「重量部」、「重量%」を示す。
【0030】実施例1 下塗り層用塗液の調製 焼成クレー〔吸油量:90ml/100g、平均粒子径
2μm〕50部、固形濃度50%の球状中空粒子(壁膜
材:ポリスチレン、内径:0.6μm、外径:1.0μ
m)水分散体100部、固形濃度50%のスチレン・ブ
タジエン系ラテックス12部、ポリビニルアルコール
(ケン化度98mol%、重合度1000)の10%水
溶液100部および水80部からなる組成物を混合攪拌
して下塗り層用塗液を得た。
【0031】 A液調製 3−ジ−(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン10部、メチルセルロースの5%水溶液
5部および水25部からなる組成物をサンドミルで平均
粒子径が1.0μmになるまで粉砕してA液を得た。
【0032】 B液調製 4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスル
ホン30部、メチルセルロースの5%水溶液15部およ
び水75部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が
1.0μmになるまで粉砕してB液を得た。
【0033】 C液調製 1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン20部、メ
チルセルロースの5%水溶液10部および水50部から
なる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.0μmにな
るまで粉砕してC液を得た。
【0034】 感熱記録層用塗液の調製 A液40部、B液120部、C液80部、部分ケン化ポ
リビニルアルコール(商品名:PVA217 ケン化度
88mol% 重合度1700、クラレ社製)の10%
水溶液200部、グリオキザールの40%水溶液2部、
ポリアミドエピクロルヒドリンの20%水溶液15部、
平均粒子径0.5μmの軽質炭酸カルシウム15部を混
合攪拌して感熱記録層用塗液を得た。
【0035】 感熱記録体の作製 60g/m2の中性上質紙の一方の面に、下塗り層用塗
液および感熱層用塗液を乾燥後の塗布量がそれぞれ8g
/m2、6g/m2となるように塗布乾燥して下塗り層、
感熱記録層を順次形成した。(下塗り層、感熱記録層を
設けた後に、それぞれベック平滑度が200秒、500
秒となるようにスーパーカレンダー処理をした。) 次いで、感熱記録層上に電離放射線硬化性化合物(商品
名:UV-Tronic Hochglanzlack、SICPA Druckfarben Gmb
H社製)からなる樹脂層用塗液をグラビアコーターにて
2g/m2塗布した後、紫外線照射装置で硬化して樹脂
層を形成し、感熱記録体を得た。
【0036】実施例2 実施例1の感熱記録層用塗液調製において、部分ケン化
ポリビニルアルコール(商品名:PVA217 ケン化
度88mol% 重合度1700、クラレ社製)の10
%水溶液200部の代わりに、部分ケン化ポリビニルア
ルコール(商品名:PVA224 ケン化度88mol
% 重合度2400、クラレ社製)の8%水溶液120
部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を
得た。
【0037】実施例3 実施例1の感熱記録層用塗液調製において、部分ケン化
ポリビニルアルコール(商品名:PVA217 ケン化
度88mol% 重合度1700、クラレ社製)の10
%水溶液200部の代わりに、部分ケン化ポリビニルア
ルコール(商品名:PVA420 ケン化度79mol
% 重合度2000、クラレ社製)の10%水溶液20
0部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体
を得た。
【0038】実施例4 実施例1の感熱記録層用塗液調製において、部分ケン化
ポリビニルアルコール(商品名:PVA217 ケン化
度88mol% 重合度1700、クラレ社製)の10
%水溶液200部の代わりに、部分ケン化ポリビニルア
ルコール(商品名:PVA505 ケン化度72.5m
ol% 重合度500、クラレ社製)の20%水溶液2
00部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録
体を得た。
【0039】実施例5 実施例1の感熱記録層用塗液調製において、部分ケン化
ポリビニルアルコール(商品名:PVA217 ケン化
度88mol% 重合度1700、クラレ社製)の10
%水溶液200部の代わりに、部分ケン化ポリビニルア
ルコール(商品名:PVA210 ケン化度88mol
% 重合度1000、クラレ社製)の10%水溶液20
0部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体
を得た。
【0040】実施例6 実施例1の感熱記録層用塗液調製において、部分ケン化
ポリビニルアルコール(商品名:PVA217 ケン化
度88mol% 重合度1700、クラレ社製)の10
%水溶液200部の代わりに、アセトアセチル変性部分
ケン化ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマ
ーZ−320 ケン化度92mol% 重合度2000、
日本合成化学工業社製)の10%水溶液200部を用い
た以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0041】実施例7 実施例1の感熱記録層用塗液調製において、部分ケン化
ポリビニルアルコール(商品名:PVA217 ケン化
度88mol% 重合度1700、クラレ製)の10%
水溶液200部の代わりに、カルボシキ変性部分ケン化
ポリビニルアルコール(商品名:KL−318 ケン化
度88mol% 重合度1700、クラレ社製)の10
%水溶液200部を用いた以外は、実施例1と同様にし
て感熱記録体を得た。
【0042】実施例8 実施例1の感熱記録層用塗液調製において、部分ケン化
ポリビニルアルコール(商品名:PVA217 ケン化
度88mol% 重合度1700、クラレ社製)の10
%水溶液200部の代わりに、ケイ素変性部分ケン化ポ
リビニルアルコール(商品名:R−1230 ケン化度
90mol% 重合度1600、クラレ製)の10%水
溶液200部を用いた以外は、実施例1と同様にして感
熱記録体を得た。
【0043】実施例9 実施例1の感熱記録層用塗液調製において、部分ケン化
ポリビニルアルコール(商品名:PVA217 ケン化
度88mol% 重合度1700、クラレ社製)の10
%水溶液200部の代わりに、部分ケン化ポリビニルア
ルコール(商品名:PVA235 ケン化度88mol
% 重合度3500、クラレ社製)の8%水溶液50部
および完全ケン化ポリビニルアルコール(商品名:PV
A117 ケン化度98mol%以上 重合度1700、
クラレ社製)の10%水溶液160部を用いた以外は、
実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0044】実施例10 実施例1の感熱記録層用塗液調製において、部分ケン化
ポリビニルアルコール(商品名:PVA217 ケン化
度88mol% 重合度1700、クラレ社製)の10
%水溶液200部の代わりに、同水溶液400部を用い
た以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0045】実施例11 実施例1の感熱記録体の作製において、感熱記録層後の
ベック平滑度が250秒となるようにスーパーカレンダ
ー処理をした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体
を得た。
【0046】実施例12 実施例1の感熱記録体の作製において、感熱記録層後の
ベック平滑度が2000秒となるようにスーパーカレン
ダー処理をした以外は、実施例1と同様にして感熱記録
体を得た。
【0047】実施例13 実施例1の感熱記録体の作製において、感熱記録層上に
下記のように樹脂層を形成した以外は、実施例1と同様
にして感熱記録体を得た。感熱記録層上に、ポリエステ
ルポリアクリレートとポリウレタンポリアクリレートの
各プレポリマー混合物(商品名:78E204、モービ
ル石油社製)からなる樹脂層用塗液を2g/m2となる
ように塗布した後、エレクトロンカーテン型電子線照射
装置(CB:150型、ESI社製)で1.5Mrad
の照射し、硬化された樹脂層を有する感熱記録体を得
た。
【0048】比較例1 実施例1の感熱記録層用塗液調製において、部分ケン化
ポリビニルアルコール(商品名:PVA217 ケン化
度88mol% 重合度1700、クラレ社製)の10
%水溶液200部の代わりに、完全ケン化ポリビニルア
ルコール(商品名:PVA117 ケン化度98mol
%以上 重合度1700、クラレ社製)の10%水溶液
200部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記
録体を得た。
【0049】比較例2 実施例1の感熱記録層用塗液調製において、部分ケン化
ポリビニルアルコール(商品名:PVA217 ケン化
度88mol% 重合度1700、クラレ社製)の10
%水溶液200部の代わりに、完全ケン化ポリビニルア
ルコール(商品名:PVA124 ケン化度98mol
%以上 重合度2400、クラレ社製)の8%水溶液2
50部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録
体を得た。
【0050】比較例3 実施例1の感熱記録層用塗液調製において、部分ケン化
ポリビニルアルコール(商品名:PVA217 ケン化
度88mol% 重合度1700、クラレ社製)の10
%水溶液200部の代わりに、アセトアセチル変性完全
ケン化ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマ
ーZ−200 ケン化度99mol%以上重合度100
0、日本合成化学工業社製)の15%水溶液200部を
用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得
た。
【0051】比較例4 実施例1の感熱記録層用塗液調製において、部分ケン化
ポリビニルアルコール(商品名:PVA217 ケン化
度88mol% 重合度1700、クラレ社製)の10
%水溶液200部の代わりに、カルボシキ変性完全ケン
化ポリビニルアルコール(商品名:KL−118 ケン
化度97mol% 、クラレ社製)の10%水溶液20
0部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体
を得た。
【0052】かくして得られた感熱記録体について以下
の評価試験を行い、その結果を表1に示した。 〔評価〕 〔記録濃度〕各感熱記録体を感熱記録評価機(商品名:
TH−PMD、大倉電機社製)を用い、印加エネルギ
ー:0.45mJ/dotにて記録し、記録部の濃度を
マクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社
製)でビジュアルモードにて測定した。
【0053】〔耐地肌カブリ性〕各感熱記録体の未記録
部の地肌カブリの度合いをハンター白色度計にて測定し
た。値が大きい程、耐地肌カブリ性に優れている。
【0054】〔光沢度の測定〕各感熱記録体の樹脂層面
の光沢度をJIS P 8142に準じて測定する。
【0055】〔感熱記録層と樹脂層との耐水密着性〕各
感熱記録体を25℃の水に10秒間浸した後、指で樹脂
層面を10回擦って感熱記録層と樹脂層の密着の度合い
目視判定した。 ☆:感熱記録層と樹脂層との間が全く剥がれない。 ◎:感熱記録層と樹脂層との間が僅かに剥がれる。 ○:感熱記録層と樹脂層との間が少し剥がれる。 ×:感熱記録層と樹脂層との間がひどく剥がれる。
【0056】〔記録部の耐油性〕上記の記録濃度の評価
で記録された感熱記録体の記録部にオリーブ油を一滴垂
らし、1分後その部分を拭き取り、記録部の濃度をマク
ベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社製)
でビジュアルモードにて測定した。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】〔表1〕の結果から明らかなように、地
肌カフリが少なく、表面光沢と記録濃度に優れた効果を
有するものである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年3月9日(2000.3.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 感熱記録体
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロイコ染料と呈色
剤との発色反応を利用した感熱記録体に関し、表面光沢
と記録濃度に優れた電離放射線照射により硬化された樹
脂層を設けた感熱記録体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用
した感熱記録体はよく知られている。このような感熱記
録体は、比較的安価であり、また記録機器がコンパクト
で保守も容易なため、ファクシミリや各種計算機などの
記録媒体に使用されている。更に、小売店などのPOS(Po
int of sales)システム用の感熱記録用粘着シートや入
場券等のチケットにも使用されている。このような用途
の拡大に伴って、商品価値を高めるために表面光沢に優
れた感熱記録体が強く要望されている。感熱記録層と電
離放射線硬化性化合物に電離放射線を照射して硬化され
た樹脂層とが隣接して有する感熱記録体が、特公昭58
−35478公報、特開平6−344664公報、特開
平7−40658公報、特開平9−11632公報に記
載されているが、感熱記録層の耐地肌カブリ性、感熱記
録層と樹脂層との密着性、或いは樹脂層の表面光沢性に
問題がある。
【0003】また、特開昭57−69091公報、特開
昭59−26291公報等には、感熱記録層の耐地肌カ
ブリ性を改良するために感熱記録層と電離放射線硬化性
化合物に電離放射線を照射して硬化された樹脂層との間
にポリビニルアルコール等の水溶性樹脂を主成分とする
中間層を設けた感熱記録体は記載されているが、記録感
度が低下したり、製造工程が多くなりコスト高になる欠
点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、地肌
カブリが少なく、表面光沢と記録濃度に優れた感熱記録
体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】支持体上に、ロイコ染料
および呈色剤を含有する感熱記録層と電離放射線硬化性
化合物に電離放射線を照射して硬化された樹脂層とが順
次隣接して有する感熱記録体において、上記の課題を解
決するための一つの手段として、本発明は、感熱記録層
中に部分ケン化ポリビニルアルコールを含有させるもの
である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、ロイコ染料および呈色
剤を含有する感熱記録層と電離放射線硬化性化合物に電
離放射線を照射して硬化された樹脂層とが順次隣接して
有する感熱記録体であり、かつ感熱記録層中に、特に接
着剤として感熱記録層中に部分ケン化ポリビニルアルコ
ルを含有させることを特徴とし、かかる部分ケン化ポリ
ビニルアルコールの使用量としては特に限定されない
が、感熱記録層の全固形量に対して5〜40重量%程
度、好ましくは10〜35重量%程度である。
【0007】かかる部分ケン化ポリビニルアルコールの
使用量が5重量%未満になると耐地肌カブリ性と表面光
沢が低下したり、或いは感熱記録層と樹脂層との耐水密
着性が低下し、また40重量%を越えると記録感度が低
下する恐れがある。
【0008】部分ケン化ポリビニルアルコールのケン化
度は70%〜95%程度、好ましくは75%〜90%程
度である。これを超えた範囲では、表面光沢と高い記録
濃度が得られにくくなる。また、部分ケン化ポリビニル
アルコールの重合度としては、500〜3000程度、
好ましくは1000〜2500程度である。
【0009】部分ケン化ポリビニルアルコールの中で
も、耐水化剤との反応性を高めるために、0.1〜5モ
ル%程度変性された変性部分ケン化ポリビニルアルコー
ルが好ましい。かかる変性部分ケン化ポリビニルアルコ
ールの具体例としては、アセトアセチル変性部分ケン化
ポリビニルアルコール、ジアセトン変性部分ケン化ポリ
ビニルアルコール、ケイ素変性部分ケン化ポリビニルア
ルコール、カルボキシ変性部分ケン化ポリビニルアルコ
ール等が挙げられる。なかでも、アセトアセチル変性部
分ケン化ポリビニルアルコール、ケイ素変性部分ケン化
ポリビニルアルコールおよびカルボキシ変性ポリビニル
アルコールは、樹脂層の表面光沢および感熱記録層面側
の耐水性効果が高いため、最も好ましく用いられる。
【0010】かかる耐水化剤としては、グリオキザー
ル、ジアルデヒドデンプン等のアルデヒド基を有する化
合物、尿素―ホルマリンアルデヒド樹脂、メラミン−ホ
ルムアルデヒド樹脂、メチロール尿素、ケトン樹脂等の
メチロール基を有する化合物、ポリアミドエピクロルヒ
ドリン、グリセロールポリグリシジルエーテル等のエポ
キシ基を有する化合物、ホウ酸、ホウ砂、アジピン酸ジ
ヒドラジド、炭酸アンモニュウムジルコニウム等が挙げ
られる。なお、耐水化剤は感熱記録層、或いは支持体と
感熱記録層中との間の下塗り層中に添加される。
【0011】感熱記録層に含有されるロイコ染料および
呈色剤としては特に限定されないが、例えば下記のもの
が挙げられる。ロイコ染料の具体例としては、例えば
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2
−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニ
ル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミ
ノ−7−ジベンジルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオラン等
の青発色性染料、3−(N−エチル−N−p−トリル)
アミノ−7−N−メチルアニリノフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン等の緑発色性染
料、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフル
オラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、
ローダミン(o−クロロアニリノ)ラクタム、3−ジエ
チルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン等の赤発色性
染料、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル
−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブ
チル)アミノ−7−(o−フルオロフェニルアミノ)フ
ルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−
N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロ
ロ−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン等の黒発色性染料、
3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−
(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕
−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−p−
(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ−6−メチル
−7−クロロフルオラン、3−p−(p−クロロアニリ
ノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、
3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピ
ロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド等の近赤
外領域に吸収波長を有する染料等が挙げられる。勿論、
これらに限定されるものではなく、また二種以上を併用
することもできる。また、ロイコ染料の使用比率として
は感熱記録層に対して5〜35重量%程度である。
【0012】呈色剤のとしては、例えば4,4’−イソ
プロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリ
デンジフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−4−メチルペンタン、4−ヒドロキシ安息香酸
ベンジル、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−
ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホ
ン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スル
ホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホ
ン、2,2’−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルス
ルホニル)フェノキシ〕ジエチルエーテル、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン等
のフェノール性化合物、N−(p−トリルスルホニル)
カルバモイル酸−p−クミルフェニルエステル、N−
(p−トリルスルホニル)カルバモイル酸−p−ベンジ
ルオキシフェニルエステル、N−(o−トリル)−p−
トリルスルホアミド、4,4’−ビス(N−p−トリル
スルホニルアミノカボニルアミノ)ジフェニルメタン等
の分子内に−SO2NH−結合を有するもの、p−クロ
ロ安息香酸亜鉛、4−〔2−(p−メトキシフェノキ
シ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛、4−〔3−(p−
トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、
5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)ク
ミル〕サリチル酸等の芳香族カルボン酸の亜鉛塩等が挙
げられる。
【0013】ロイコ染料と呈色剤との割合は特に限定す
るものではないが、ロイコ染料1重量部に対して特定の
呈色剤は1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部程度
使用される。
【0014】感熱記録層中には、記録部の保存安定性を
より高めるための保存性改良剤や記録感度をより高める
ための増感剤を含有させることもできる。かかる保存性
改良剤の具体例としては、例えば2,2’−メチレンビ
ス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,
4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノ
ール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロ
キシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3
−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘ
キシルフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン等のヒンダー
ドフェノール化合物、4,4’−ジグリシジルオキシジ
フェニルスルホン、4−ベンジルオキシ−4’−(2−
メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、テレフ
タル酸ジグリシジル、クレゾールノボラック型エポキシ
樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物等が挙げら
れる。
【0015】増感剤の具体例としては、例えばステアリ
ン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、p−ベンジルオ
キシ安息香酸ベンジル、2−ナフチルベンジルエーテ
ル、m−ターフェニル、p−ベンジルビフェニル、p−
トリルビフェニルエーテル、ジ(4−メトキシフェノキ
シエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキ
シ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタ
ン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、
1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−
ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)
−2−(3−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチ
オフェニルベンジルエーテル、ジ(β−ビフェニルエト
キシ)ベンゼン、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエス
テル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、シュ
ウ酸ジベンジルエステル等が挙げられる。これらの保存
性改良剤および増感剤の使用量は特に限定されないが、
一般にロイコ染料1重量部に対して各々4重量部以下で
調節するのが望ましい。
【0016】感熱記録層は、水を分散媒体とし、ロイコ
染料、呈色剤、および必要により増感剤、保存性改良剤
等を共に、或いは別々にボールミル、アトライター、サ
ンドミルなどの攪拌・粉砕機により平均粒子径が2μm
以下となるように微粉砕した後、接着剤として部分ケン
化ポリビニルアルコールを添加して調製された感熱記録
層用塗液を上質紙(中性紙または酸性紙)、合成紙、透
明フイルム等の支持体上に塗布乾燥して形成される。
【0017】感熱記録層用塗液中には、接着剤として部
分ケン化ポリビニルアルコールが使用されるが、本発明
の所望の効果を損なわない限りにおいて、他の接着剤を
併用することもできる。かかる他の接着剤としては、例
えば酸化デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、メチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチ
ン、カゼイン、アラビアガム、完全ケン化ポリビニルア
ルコール、カルボキシ変性完全ケン化ポリビニルアルコ
ール、アセトアセチル変性完全ケン化ポリビニルアルコ
ール、ケイ素変性完全ケン化ポリビニルアルコール、ジ
イソブチレン・無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・
無水マレイン酸共重合体塩、エチレン・アクリル酸共重
合体塩、スチレン・アクリル酸共重合体塩、ポリウレタ
ン系ラテックス、スチレン・ブタジエン系ラテックス、
アクリル系ラテックス等が挙げられる。
【0018】更に、感熱記録層用塗液中には必要に応じ
て各種の助剤を添加することができ、例えばカオリン、
軽質(重質)炭酸カルシウム、焼成カオリン、酸化チタ
ン、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、無定形シ
リカ、尿素・ホルマリン樹脂フィラー等の顔料類、ジオ
クチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステル
ナトリウム、脂肪酸金属塩等の界面活性剤、ステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワック
ス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワッ
クス等のワックス類、および紫外線吸収剤、消泡剤、蛍
光染料、着色染料等が挙げられる。
【0019】感熱記録層用塗液の塗布量は乾燥重量で2
〜12g/m2程度、好ましくは3〜10g/m2程度で
ある。なお、感熱記録層表面の平滑性がベック平滑度で
300〜2000秒程度となるようにスーパーカレンダ
ーなどによる処理することにより、その上に形成される
樹脂層が薄くても、樹脂層の表面光沢が高い効果が得ら
れる。2000秒を越えると感熱記録層と樹脂層との密
着性が低下する恐れがあり、また300秒未満になると
記録画質が低下したり、或いは樹脂層の表面光沢度を高
くするのに樹脂層を少なくとも2.5μm以上にする必
要性がある場合がある。
【0020】さらに、記録感度と記録画質を高めるため
に支持体と感熱記録層の間に吸油性顔料または中空粒子
を主成分とした下塗り層を設けたりすることもできる。
【0021】感熱記録層は、例えばエアーナイフコーテ
ィング、バリバーブレードコーティング、ピュアーブレ
ードコーティング、ロッドブレードコーティング、ショ
ートドウェルコーティング、カーテンコーティング、ダ
イコーティング等の塗布方法により、紙(酸性紙、中性
紙)、プラスチックフィルム、合成紙、不織布、金属蒸
着物等の支持体の表面に下塗り層と感熱記録層用塗液を
順次塗布乾燥して形成される。
【0022】感熱記録層上に隣接する樹脂層は、電離放
射線硬化性化合物を主成分とする樹脂層用塗液を感熱記
録層の上に0.1〜6.0g/m2程度となるように塗
布後、X線、紫外線、電子線等の電離放射線の照射する
ことにより電離放射線硬化性化合物が重合し、硬化され
て形成される。
【0023】電離放射線硬化性化合物とは、X線、紫外
線、電子線等の電離放射線の照射により硬化反応し得る
二重結合を1個以上有するモノマーまたはプレポリマー
である。
【0024】かかるプレポリマーとしては、(a) 脂肪
族、脂環族、芳香脂肪族2〜6価の多価アルコールおよ
びポリアルキレングリコールのポリ(メタ)アクリレー
ト;(b) 脂肪族、脂環族、芳香脂肪族、芳香族2〜6価
の多価アルコールにアルキレンオキサイドを付加させた
形の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート;(c)
ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸エステ
ル;(d) ポリエステルポリ(メタ)アクリレート;(e)
エポキシポリ(メタ)アクリレート;(f) ポリウレタン
ポリ(メタ)アクリレート;(g) ポリアミドポリ(メ
タ)アクリレート;(h) ポリシロキサンポリ(メタ)ア
クリレート;(i) 側鎖および/または末端に(メタ)ア
クリロイルオキシ基を有するビニル系またはジエン系低
重合体;(j)前記(a) 〜(i) 記載のオリゴエステル(メ
タ)アクリレート変性物等が挙げられる。
【0025】また、モノマーとしては、(a) エチレン性
不飽和モノまたはポリカルボン酸等で代表されるカルボ
キシル基含有単量体;(b) エチレン性不飽和(メタ)ア
クリルアミドまたはアルキル置換(メタ)アクリルアミ
ドで代表されるアミド基含有単量体;(c) 脂肪族または
芳香族ビニルスルホン酸類で代表されるスルホン酸基含
有単量体;(d) エチレン性不飽和エーテル等で代表され
る水酸基含有単量体;(e) ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート−2−ビニルピリジン等のアミノ基含
有単量体;(f) 4級アンモニウム塩基含有単量体;(g)
エチレン性不飽和カルボン酸のアルキルエステル;(h)
(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有単量体;
(i) スチレン;(j) 酢酸ビニル、酢酸(メタ)アリル等
のエチレン性不飽和アルコールのエステル;(k) 活性水
素を含有する化合物のアルキレンオキシド付加重合体の
モノ(メタ)アクリレート類;(l) ポリカルボン酸と不
飽和アルコールとのポリエステルで代表されるエステル
基含有多官能単量体;(m) 活性水素を含有する化合物の
アルキレンオキシド付加重合体と(メタ)アクリル酸と
のポリエステルよりなる多官能単量体等が挙げられる。
なお、上記の如き電離放射線硬化性化合物を2種以上併
用してもよい。
【0026】なお、樹脂層用塗液中には、更に炭酸カル
シウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、
無定形シリカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タ
ルク、カオリン、クレー、焼成クレー、尿素・ホルマリ
ン樹脂フィラー、ベンゾグアナミン樹脂フィラー等の顔
料、レベリング剤、滑剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線
吸収剤等の添加剤を適宜添加することができる。
【0027】電離放射線として電子線を使用する場合、
照射する電子線の量は0.1〜15Mrad、より好ま
しくは0.5〜10Mrad程度が望ましい。因に、
0.1Mrad未満では樹脂層を充分に硬化させること
ができず、15Mradを越えるような過度の電子線照
射は感熱記録体の発色や変色を来す恐れがあり、さらに
支持体が紙の場合紙力の低下を引き起こす恐れがある。
なお、電子線の照射方式としては、例えばスキャンニン
グ方式、カーテンビーム方式、ブロードビーム方式等が
採用でき、照射する際の加速電圧は100〜300KV
程度が適当である。
【0028】紫外線を使用する場合には、樹脂層用塗液
中に、更に過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、ジ−te
rt−ブチルペルオキシド、2,2−アゾビスブチロニト
リル等の重合開始剤を添加する必要があり、その添加量
としては電離放射線硬化性化合物に対して0.2〜10
重量%、好ましくは0.5〜5重量%程度である。ま
た、紫外線照射用の光源としては、紫外線ランプ、キセ
ノンランプ、タングステンランプ等が用いられ、500
0〜8000μW/cm程度の強度を有する紫外線が好
ましく照射される。
【0029】その他の感熱記録体製造分野における各種
の公知技術が必要に応じて付加し得るものである。例え
ば、支持体の裏面に粘着剤を主成分とする粘着剤層、磁
気記録層、或いはインクジェット記録層を設けたりする
こともできる。
【0030】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論これらに限定されるものではない。な
お、例中の「部」および「%」は、特に断らない限りそ
れぞれ「重量部」、「重量%」を示す。
【0031】実施例1 下塗り層用塗液の調製 焼成クレー〔吸油量:90ml/100g、平均粒子径
2μm〕50部、固形濃度50%の球状中空粒子(壁膜
材:ポリスチレン、内径:0.6μm、外径:1.0μ
m)水分散体100部、固形濃度50%のスチレン・ブ
タジエン系ラテックス12部、ポリビニルアルコール
(ケン化度98mol%、重合度1000)の10%水
溶液100部および水80部からなる組成物を混合攪拌
して下塗り層用塗液を得た。
【0032】 A液調製 3−ジ−(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン10部、メチルセルロースの5%水溶液
5部および水25部からなる組成物をサンドミルで平均
粒子径が1.0μmになるまで粉砕してA液を得た。
【0033】 B液調製 4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスル
ホン30部、メチルセルロースの5%水溶液15部およ
び水75部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が
1.0μmになるまで粉砕してB液を得た。
【0034】 C液調製 1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン20部、メ
チルセルロースの5%水溶液10部および水50部から
なる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.0μmにな
るまで粉砕してC液を得た。
【0035】 感熱記録層用塗液の調製 A液40部、B液120部、C液80部、部分ケン化ポ
リビニルアルコール(商品名:PVA217 ケン化度
88mol% 重合度1700、クラレ社製)の10%
水溶液200部、グリオキザールの40%水溶液2部、
ポリアミドエピクロルヒドリンの20%水溶液15部、
平均粒子径0.5μmの軽質炭酸カルシウム15部を混
合攪拌して感熱記録層用塗液を得た。
【0036】 感熱記録体の作製 60g/m2の中性上質紙の一方の面に、下塗り層用塗
液および感熱層用塗液を乾燥後の塗布量がそれぞれ8g
/m2、6g/m2となるように塗布乾燥して下塗り層、
感熱記録層を順次形成した。(下塗り層、感熱記録層を
設けた後に、それぞれベック平滑度が200秒、500
秒となるようにスーパーカレンダー処理をした。) 次いで、感熱記録層上に電離放射線硬化性化合物(商品
名:UV-Tronic Hochglanzlack、SICPA Druckfarben Gmb
H社製)からなる樹脂層用塗液をグラビアコーターにて
2g/m2塗布した後、紫外線照射装置で硬化して樹脂
層を形成し、感熱記録体を得た。
【0037】実施例2 実施例1の感熱記録層用塗液調製において、部分ケン化
ポリビニルアルコール(商品名:PVA217 ケン化
度88mol% 重合度1700、クラレ社製)の10
%水溶液200部の代わりに、部分ケン化ポリビニルア
ルコール(商品名:PVA224 ケン化度88mol
% 重合度2400、クラレ社製)の8%水溶液120
部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を
得た。
【0038】実施例3 実施例1の感熱記録層用塗液調製において、部分ケン化
ポリビニルアルコール(商品名:PVA217 ケン化
度88mol% 重合度1700、クラレ社製)の10
%水溶液200部の代わりに、部分ケン化ポリビニルア
ルコール(商品名:PVA420 ケン化度79mol
% 重合度2000、クラレ社製)の10%水溶液20
0部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体
を得た。
【0039】実施例4 実施例1の感熱記録層用塗液調製において、部分ケン化
ポリビニルアルコール(商品名:PVA217 ケン化
度88mol% 重合度1700、クラレ社製)の10
%水溶液200部の代わりに、部分ケン化ポリビニルア
ルコール(商品名:PVA505 ケン化度72.5m
ol% 重合度500、クラレ社製)の20%水溶液2
00部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録
体を得た。
【0040】実施例5 実施例1の感熱記録層用塗液調製において、部分ケン化
ポリビニルアルコール(商品名:PVA217 ケン化
度88mol% 重合度1700、クラレ社製)の10
%水溶液200部の代わりに、部分ケン化ポリビニルア
ルコール(商品名:PVA210 ケン化度88mol
% 重合度1000、クラレ社製)の10%水溶液20
0部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体
を得た。
【0041】実施例6 実施例1の感熱記録層用塗液調製において、部分ケン化
ポリビニルアルコール(商品名:PVA217 ケン化
度88mol% 重合度1700、クラレ社製)の10
%水溶液200部の代わりに、アセトアセチル変性部分
ケン化ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマ
ーZ−320 ケン化度92mol% 重合度2000、
日本合成化学工業社製)の10%水溶液200部を用い
た以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0042】実施例7 実施例1の感熱記録層用塗液調製において、部分ケン化
ポリビニルアルコール(商品名:PVA217 ケン化
度88mol% 重合度1700、クラレ製)の10%
水溶液200部の代わりに、カルボシキ変性部分ケン化
ポリビニルアルコール(商品名:KL−318 ケン化
度88mol% 重合度1700、クラレ社製)の10
%水溶液200部を用いた以外は、実施例1と同様にし
て感熱記録体を得た。
【0043】実施例8 実施例1の感熱記録層用塗液調製において、部分ケン化
ポリビニルアルコール(商品名:PVA217 ケン化
度88mol% 重合度1700、クラレ社製)の10
%水溶液200部の代わりに、ケイ素変性部分ケン化ポ
リビニルアルコール(商品名:R−1230 ケン化度
90mol% 重合度1600、クラレ製)の10%水
溶液200部を用いた以外は、実施例1と同様にして感
熱記録体を得た。
【0044】実施例9 実施例1の感熱記録層用塗液調製において、部分ケン化
ポリビニルアルコール(商品名:PVA217 ケン化
度88mol% 重合度1700、クラレ社製)の10
%水溶液200部の代わりに、部分ケン化ポリビニルア
ルコール(商品名:PVA235 ケン化度88mol
% 重合度3500、クラレ社製)の8%水溶液50部
および完全ケン化ポリビニルアルコール(商品名:PV
A117 ケン化度98mol%以上 重合度1700、
クラレ社製)の10%水溶液160部を用いた以外は、
実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0045】実施例10 実施例1の感熱記録層用塗液調製において、部分ケン化
ポリビニルアルコール(商品名:PVA217 ケン化
度88mol% 重合度1700、クラレ社製)の10
%水溶液200部の代わりに、同水溶液400部を用い
た以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0046】実施例11 実施例1の感熱記録体の作製において、感熱記録層後の
ベック平滑度が250秒となるようにスーパーカレンダ
ー処理をした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体
を得た。
【0047】実施例12 実施例1の感熱記録体の作製において、感熱記録層後の
ベック平滑度が2000秒となるようにスーパーカレン
ダー処理をした以外は、実施例1と同様にして感熱記録
体を得た。
【0048】実施例13 実施例1の感熱記録体の作製において、感熱記録層上に
下記のように樹脂層を形成した以外は、実施例1と同様
にして感熱記録体を得た。感熱記録層上に、ポリエステ
ルポリアクリレートとポリウレタンポリアクリレートの
各プレポリマー混合物(商品名:78E204、モービ
ル石油社製)からなる樹脂層用塗液を2g/m2となる
ように塗布した後、エレクトロンカーテン型電子線照射
装置(CB:150型、ESI社製)で1.5Mrad
の照射し、硬化された樹脂層を有する感熱記録体を得
た。
【0049】比較例1 実施例1の感熱記録層用塗液調製において、部分ケン化
ポリビニルアルコール(商品名:PVA217 ケン化
度88mol% 重合度1700、クラレ社製)の10
%水溶液200部の代わりに、完全ケン化ポリビニルア
ルコール(商品名:PVA117 ケン化度98mol
%以上 重合度1700、クラレ社製)の10%水溶液
200部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記
録体を得た。
【0050】比較例2 実施例1の感熱記録層用塗液調製において、部分ケン化
ポリビニルアルコール(商品名:PVA217 ケン化
度88mol% 重合度1700、クラレ社製)の10
%水溶液200部の代わりに、完全ケン化ポリビニルア
ルコール(商品名:PVA124 ケン化度98mol
%以上 重合度2400、クラレ社製)の8%水溶液2
50部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録
体を得た。
【0051】比較例3 実施例1の感熱記録層用塗液調製において、部分ケン化
ポリビニルアルコール(商品名:PVA217 ケン化
度88mol% 重合度1700、クラレ社製)の10
%水溶液200部の代わりに、アセトアセチル変性完全
ケン化ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマ
ーZ−200 ケン化度99mol%以上重合度100
0、日本合成化学工業社製)の15%水溶液200部を
用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得
た。
【0052】比較例4 実施例1の感熱記録層用塗液調製において、部分ケン化
ポリビニルアルコール(商品名:PVA217 ケン化
度88mol% 重合度1700、クラレ社製)の10
%水溶液200部の代わりに、カルボシキ変性完全ケン
化ポリビニルアルコール(商品名:KL−118 ケン
化度97mol% 、クラレ社製)の10%水溶液20
0部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体
を得た。
【0053】かくして得られた感熱記録体について以下
の評価試験を行い、その結果を表1に示した。 〔評価〕 〔記録濃度〕各感熱記録体を感熱記録評価機(商品名:
TH−PMD、大倉電機社製)を用い、印加エネルギ
ー:0.45mJ/dotにて記録し、記録部の濃度を
マクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社
製)でビジュアルモードにて測定した。
【0054】〔耐地肌カブリ性〕各感熱記録体の未記録
部の地肌カブリの度合いをハンター白色度計にて測定し
た。値が大きい程、耐地肌カブリ性に優れている。
【0055】〔光沢度の測定〕各感熱記録体の樹脂層面
の光沢度をJIS P 8142に準じて測定する。
【0056】〔感熱記録層と樹脂層との耐水密着性〕各
感熱記録体を25℃の水に10秒間浸した後、指で樹脂
層面を10回擦って感熱記録層と樹脂層の密着の度合い
目視判定した。 ☆:感熱記録層と樹脂層との間が全く剥がれない。 ◎:感熱記録層と樹脂層との間が僅かに剥がれる。 ○:感熱記録層と樹脂層との間が少し剥がれる。 ×:感熱記録層と樹脂層との間がひどく剥がれる。
【0057】〔記録部の耐油性〕上記の記録濃度の評価
で記録された感熱記録体の記録部にオリーブ油を一滴垂
らし、1分後その部分を拭き取り、記録部の濃度をマク
ベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社製)
でビジュアルモードにて測定した。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】〔表1〕の結果から明らかなように、地
肌カフリが少なく、表面光沢と記録濃度に優れた効果を
有するものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、ロイコ染料および呈色剤を
    含有する感熱記録層と電離放射線硬化性化合物に電離放
    射線を照射して硬化された樹脂層とが順次隣接して有す
    る感熱記録体において、感熱記録層中に部分ケン化ポリ
    ビニルアルコールが含有されたことを特徴とする感熱記
    録体。
  2. 【請求項2】 部分ケン化ポリビニルアルコールのケン
    化度が、70%〜95%である請求項1記載の感熱記録
    体。
  3. 【請求項3】 部分ケン化ポリビニルアルコールが感熱
    記録層の全固形量に対して10〜35重量%含有する請
    求項1または2記載の感熱記録体。
  4. 【請求項4】 部分ケン化ポリビニルアルコールが、ア
    セトアセチル変性部分ケン化ポリビニルアルコール、ケ
    イ素変性部分ケン化ポリビニルアルコール、ジアセトン
    変性部分ケン化ポリビニルアルコール、およびカルボキ
    シ変性部分ケン化ポリビニルアルコールから選ばれる少
    なくとも一種類である請求項1〜3のいずれか一項に記
    載の感熱記録体。
JP24137899A 1999-08-27 1999-08-27 感熱記録体 Pending JP2001063214A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24137899A JP2001063214A (ja) 1999-08-27 1999-08-27 感熱記録体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24137899A JP2001063214A (ja) 1999-08-27 1999-08-27 感熱記録体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001063214A true JP2001063214A (ja) 2001-03-13

Family

ID=17073404

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24137899A Pending JP2001063214A (ja) 1999-08-27 1999-08-27 感熱記録体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001063214A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7094731B2 (en) 2001-06-26 2006-08-22 Fuji Photo Film Co., Ltd. Recording material

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7094731B2 (en) 2001-06-26 2006-08-22 Fuji Photo Film Co., Ltd. Recording material

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5025029B2 (ja) 感熱記録体
JP2001191643A (ja) 感熱記録体
JP2000289333A (ja) 感熱記録体
JP4651106B2 (ja) 感熱記録体
JP4666375B2 (ja) 感熱記録体の製造方法
JP5110800B2 (ja) 感熱記録体及び感熱記録体ラベル
JP2002316482A (ja) 感熱記録体
JP2001063214A (ja) 感熱記録体
JPH09127871A (ja) 感熱記録ラベル
JP2004106435A (ja) 感熱記録体
JP2001253169A (ja) 感熱記録体の製造方法
JPH10166730A (ja) 感熱記録用粘着ラベル
JPH10315621A (ja) 感熱記録用粘着ラベル
JPH11208121A (ja) 感熱記録体
JP2000289334A (ja) 感熱記録体
JPH11216950A (ja) 帳票用感熱記録体
JP3879841B2 (ja) 感熱記録体
JPH07290822A (ja) 感熱記録体
JP2001080219A (ja) 感熱記録体
JP2008006744A (ja) 感熱記録体
JP2002120460A (ja) 感熱記録体
JP2000071617A (ja) 感熱記録体およびその製造方法
JP2008229925A (ja) 感熱記録体
JP2006248033A (ja) 感熱記録体
JP2002160458A (ja) 感熱記録体