JP2001062879A - 大型スライドコア付き金型、それによる成形品及び成形方法 - Google Patents

大型スライドコア付き金型、それによる成形品及び成形方法

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JP2001062879A
JP2001062879A JP2000180499A JP2000180499A JP2001062879A JP 2001062879 A JP2001062879 A JP 2001062879A JP 2000180499 A JP2000180499 A JP 2000180499A JP 2000180499 A JP2000180499 A JP 2000180499A JP 2001062879 A JP2001062879 A JP 2001062879A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型のスライドコア引き抜き時に、真空が発
生しない成形品用射出成形金型を、加圧空気を使用せず
に、経済的に提供すること及びそれによる成形品を提供
すること。 【解決手段】 成形品を射出成形する金型において、金
型が外金型(10)、及び外金型(10)のキャビティ
内に突出する少なくとも一つの大型のスライドコア
(1)からなり、スライドコア(1)内に外部とスライ
ドコア先端部(9)とを通気させる連結孔(5)を設け
て、スライドコア引き抜き時に通気させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形品を射出成形
する大型スライドコア付き金型及びそれによる成形品に
関するものであり、詳しくは、外金型及び該外金型のキ
ャビティ内に突出する大型のスライドコアからなり、ス
ライドコアに外部とスライドコア先端部とを通気させる
連通孔を設けた金型及びそれによる成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、パイプとパイプ取り付け
部分を別々に成形して接着剤等で組み立てるよりも、一
体的に成形する方が強度上も、外観上も良いことから、
成形品の射出成形方法が知られている。このような成形
品を一体的に成形するには、内金型として、図4又は5
に示すようなスライドコア1が使用される。成形後に成
形品からスライドコア1を引き抜く時には、従来は、ス
ライドコア1の断面積が小さかったり、スライドコアの
スライド長さが短かったために、スライドコア先端部9
が真空状態になっても大して問題ではなく、スライドコ
アに大きな角度の傾斜(テーパー)を付けたり、製品が
変形しない程度に若干無理な力をかけて引き抜くことで
対処していた。
【0003】しかし、近年の機能部品の樹脂化により、
以前では考えられなかった様な断面積や長さを有する大
型のスライドコアを利用することが必要となっており、
これに応じて発生する大容積の真空部分に対処するに
は、スライドコア引き抜き用に過大な設備が必要になっ
たり、引き抜き時に真空により成形品が変形し易くなる
という問題が生じてきた。このため、スライドコア引き
抜き時にスライド先端部9に発生する大容積の真空に対
処する必要が出てきた。例えば、コアと成形品との間に
直接空気を圧入して、成形品の突き出しを容易にする技
術が知られているが、設備費がかかることや、突き出し
速度と加圧のタイミングの調節によっては成形品が変形
するという問題がある。さらに、大型のスライドコアで
は、成形品の形状を良好にしたり、成形品の固化を促進
させて成形サイクルを短縮するために、スライドコアの
加熱、冷却を効率よく行うことが要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、大型
のスライドコア引き抜き時に、真空が発生しない成形品
用射出成形金型を、コアと成形品との間に直接空気を圧
入することなく、経済的に提供すること及びそれによる
成形品を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、スライド
コア内部に、外部との連結孔(連通孔ともいう。)と水
冷用の穴を設け、射出成形時にはスライドコアを冷却
し、スライドコアを引き抜くときは連通孔を通じて外部
から大気が入り込み、真空状態が発生しないようにする
ことにより、スライドコアが大きくても引き抜きが可能
で、成形品が変形しないことを見い出し、本発明を完成
するに至った。
【0006】すなわち本発明の第1は、成形品を射出成
形する金型において、金型が外金型(10)、及び外金
型(10)のキャビティ内に突出する少なくとも一つの
大型のスライドコア(1)からなり、スライドコア
(1)内に外部とスライドコア先端部(9)とを通気さ
せる連結孔(5)を設けることを特徴とするスライドコ
ア付き成形用金型を提供する。本発明の第2は、少なく
とも一つのスライドコア(1)のスライド長さが100
mm以上であることを特徴とする本発明の第1に記載の
金型を提供する。本発明の第3は、スライドコア(1)
の断面積が100mm2以上であることを特徴とする本
発明の第1又は2に記載の金型を提供する。本発明の第
4は、スライドコア(1)が、スリーブ(3)、及び温
調手段(6)を内蔵するための温調用有底穴(4)を有
するコアピン(2)からなり、スリーブ(3)とコアピ
ン(2)の間に連結孔(5)を設けることを特徴とする
本発明の第1〜3のいずれかに記載のスライドコア付き
成形用金型を提供する。本発明の第5は、成形品がパイ
プ状部分およびその一部に設けられたパイプ状以外の形
状部分からなる成形品、又は円筒キャップ状部分および
その一部に設けられた円筒キャップ状以外の形状部分か
らなる成形品であることを特徴とする本発明の第1〜4
のいずれかに記載の金型を提供する。本発明の第6は、
スライドコア(1)の抜きテーパー角度が1度未満であ
ることを特徴とする本発明の第1〜5のいずれかに記載
の金型を提供する。本発明の第7は、二つのスライドコ
ア(1)及び(1’)を有し、両スライドコアーの断面
が異なることを特徴とする本発明の第1〜6のいずれか
に記載の金型を提供する。本発明の第8は、本発明の第
1〜7のいずれかに記載の金型を使用して得られた成形
品を提供する。本発明の第9は、本発明の第1〜7のい
ずれかに記載の金型を使用して、連結孔(5)に加圧流
体を通気させることを特徴とする成形方法を提供する。
本発明の第10は、連結孔(5)が突き当て部に設けら
れることを特徴とする本発明の第9に記載の成形方法を
提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】初めに、金型と得られる成形品の
概略について図を用いて説明する。図4は、パイプ状部
分21とその両端付近にパイプ状以外の部分22のよう
な異形部を有する成形品及びその成形に使用する金型の
例である(なお、本発明では必ずしも異形部を有する必
要はない)。外金型10のキャビティ内にスライドコア
1及び1’が両側より突き出され、スライドコア1及び
1’のそれぞれ先端部9及び9’は突き当たって、相互
に密着する。外金型10とスライドコア1及び1’の間
に樹脂が射出され、所定時間、保圧、冷却され、成形品
20が得られる。スライドコア1は、樹脂が充分冷却さ
れる前に成形品から両側に引き抜かれ、内部が中空のパ
イプ状になる。このままでは、引き抜かれるにつれて、
先端部9及び9’の間には真空が発生し、その容積が増
加するので、本発明では、図1〜3に示すように、スラ
イドコア1及び1’の少なくとも一方に、外部と先端部
9との間に連通孔5を設けることにより、先端部9及び
9’の間に大気が吸引され、真空が発生しない。なお、
スライドコア1の樹脂と接触する面は必ずしも鏡面仕上
げの必要はなく、アンカー効果を生じない程度の粗面で
あればよい。
【0008】図5は片側に異形部を有する円筒キャップ
状成形品及びその金型の例である。外金型10のキャビ
ティ内にスライドコア1が突き出される。外金型10と
スライドコア1の間に樹脂が射出され、所定時間、保
圧、冷却され、成形品20’が得られる。図4の場合と
同様に、スライドコア1は、引き抜かれるにつれて、先
端部9及び樹脂の間には真空が発生するので、本発明で
は、連通孔5を設けることにより、大気が吸引され、真
空が発生しない。なお、成形品は長さ方向に均一な肉厚
を持たなくてもよいし、端部にフランジ、ギア、カム、
プーリなどの形状を持つものでもよい。
【0009】次に、図1〜3により上記連通孔を含めて
スライドコアの詳細を説明する。図1は、スライドコア
の一例の斜視図であり、先端部9が平面状の例である。
スライドコアの内部には連通孔5が設けられ、連通孔5
の一端は先端部9の面状に開孔され、他端は外部に対し
て開孔されている。図2は、スライドコアの他の一例の
斜視図であり、先端部9が平面状の例である。スライド
コアはスリーブ3及びコアピン2からなり、スリーブ3
の内表面側もしくはコアピン2の外表面側に溝が設けら
れ、この溝が連通孔5の役割を果たす。図3は、スライ
ドコアのさらに他の一例の斜視図であり、スライドコア
1の先端部9の一部が突き出し部を有し、対向するスラ
イドコア1’の先端部9’の一部は窪んで、該突き出し
部と嵌合する(突き当て型スライドコアという。)。ス
ライドコア1はスリーブ3及びコアピン2からなり、ス
リーブ3の内表面側もしくはコアピン2の外表面側に溝
が設けられ、この溝が連通孔5の役割を果たす。上記図
1〜3においてコアピン2の内部には温調手段6(図示
せず)を内蔵するための温調用有底穴4を設けることが
できる。連通孔5は、スライドコア1’側に例示するよ
うに、温調用有底穴4’の内部を通じて先端部9’に対
して設けられてもよい。勿論、スライドコア1側におい
ても同様にできる。成形品がパイプ状をなす場合には、
スライドコア1の先端部9は図1に示すような平面で
も、図3に示すような嵌合部分を有するものでもよく、
円筒キャップ状をなす場合には、平面(図1)でも、曲
面(図示せず)でもよい。本発明では、少なくとも一つ
のスライドコア1の長さは100mm以上である。スラ
イドコア1の長さが100mm未満では連通孔5を設け
なくても、無理に引き抜くことができる。スライドコア
1の長さに上限はないが、実際にはスライドコア1をス
ライドさせる機構により制限を受けるが、200mm以
上でも可能であり、さらに500mm以上でも可能であ
り、特に1,000mm以上でも可能である。また、ス
ライドコア1の断面積は100mm2以上である。スラ
イドコア1の断面積が100mm2未満では連通孔5を
設けなくても、無理に引き抜くことができる。スライド
コア1の断面積に上限はないが、実際にはスライドコア
1をスライドさせる機構により制限を受けるが、200
mm2以上でも可能であり、さらに500mm2以上でも
可能であり、特に1,000mm2以上でも可能であ
る。
【0010】スライドコア1はスリーブ3及びコアピン
2からなるが、スリーブ3とコアピン2間の伝熱を良く
するために、例えばスリーブ3にコアピン2を冷間圧入
したり、または成形時の温度より高温度で焼きばめ(ス
リーブ3を加熱し、径を大きくしておいた所に冷たいコ
アピン2を圧入するので、スリーブ内径はコアピン外径
より等しいか僅かに大きくできるので、密着度が高いと
共に外れにくい。)を行なって、組み立てることができ
る。スリーブ3及び/又はコアピン2のはめ合い面に
は、ずれ防止のために小段差を設けてもよいし、両者が
螺旋状にはめ合うようにしてずれ防止を行ってもよい
し、両者を接着剤で接着して長期間使用できるようにし
てもよい。連通孔5は、例えばコアピン2の外表面を先
端部から根本まで溝状に切削して設けることが可能であ
る。溝の形状は、特に制限はなく、例えば半円形、U字
形、V字形等が挙げられる。先端部から根本まで設けら
れる溝はコアピンの長さ方向に直線状であっても螺旋状
であってもよい。連通孔5は1つでも2〜10のような
複数でもよく、複数の場合には対称形でも非対称形でも
構わないが、対称形に近い方が好ましい。
【0011】温調用有底穴4は、スライドコアの中に、
好ましくはコアピン2の中に設けられる。温調用有底穴
4には温調手段6が内蔵される。温調手段6としては、
冷熱媒体、冷熱媒体とバッフル板、冷熱媒体入りパイ
プ、ヒートパイプ、バチュラーチューブ、カートリッジ
ヒーター等の従来の温調手段が使用可能である。冷熱媒
体としては、水、蒸気、有機液体、無機溶液、気体、空
気等が挙げられる。温調用有底穴4に冷熱媒体を通過さ
せるために、同心円筒状等の管路を設けたりすることが
できる。冷熱媒体を使用する場合には、管路の中に連通
孔の一部を形成するようにパイプを設けることもできる
(図3のスライドコア1’側を参照。)。この場合に
は、連通孔を中心軸状に設けることができるので、パイ
プ状の側面への温度の不均一さが生じない。このような
温調手段6としては、バチュラーチューブ等が使用可能
である。
【0012】図3に示すような突き当て型スライドコア
の場合やスライドコアが金型に突き当たる構造の場合、
突き当て部に設けられた連通孔は突き当て時に塞がれる
ために、樹脂の連通孔への流入がなく、大きな径の連通
孔を設けることが可能である。スライドコア同士が突き
当たる場合には、連通孔は片側でよいが、両側に設けて
も構わない。スライドコア同士を突き当てる場合等、位
置決めの目的も含めて、図3のような、いんろう(印
籠)式の嵌合構造とすることができる。
【0013】図5に示すように、突き当てないスライド
コア(スライドコア先端部が樹脂で覆い被される)の場
合には、スライドコア先端部は例えば図1又は2に示す
ように平面であり、連通孔5の孔径が大きいと連通孔5
の中に樹脂が流れ込むために、樹脂と接する部分は適度
な断面積又は形状にする必要がある。例えばポリアセタ
ール樹脂の場合の連通孔5の有効断面積は直径φ0.0
2mm以下にすることが一般的である。連通孔5の途中
部分や外部側出口はより大きな径の連通孔を設ける事も
可能である。また連通孔5の途中から先端部9に向かっ
て、複数の開口部を持つように分岐させることも可能で
ある。このような連通孔を設けることにより、スライド
コア引き抜きの際に先端部に生じる真空の発生を防ぐ手
法は、スライドコア引き抜きテーパー角度が小さいほど
効果的である。特に角度が1度未満の場合は著しい効果
を発揮する。
【0014】本発明では、スライドコアーが複数、互い
の先端部が当接するように設けられていてもよい。例え
ば、二つのスライドコア(1)及び(1’)を有し、両
スライドコアーの外径が異なるようにしてもよい。この
場合、少なくとも一方のスライドコアーのスライド長さ
が100mm以上、断面積が100mm2以上、及び/
又は抜きテーパー角度が1度未満であったりすればよ
い。例えば、得られたパイプの一方側が断面積が100
mm2以上で、他方側がそれよりも大きかったり、小さ
かったりしてもよい。また、例えば、二つのスライドコ
ア(1)及び(1’)を有し、スライドコアーの断面が
円形、楕円形、扇形、正方形、長方形、多角形等で、一
方のスライドコアーの断面と他方の断面が異なっていて
もよい。断面形状が同一でないパイプの段差部分が生じ
るが、段差部分はスライドコアーに垂直に立ち上がって
も、傾斜を付けて立ち上がってもよく、両端側のパイプ
が所望の形状、強度等を満たして接続できればよい。
【0015】連結孔(5)を介して外部とスライドコア
先端部(9)とを通気させるには、空気に限らず、窒
素、二酸化炭素、水蒸気等のガス;液化ガス;水、有機
溶剤等の流体が使用できる。流体は好ましくは空気又は
水である。本発明で便宜上、上記流体を流す場合も通気
という。流体は好ましくは加圧される。加圧する際の圧
力は、大気圧又はそれを超えるものであり、成形品のス
ライド部の断面積、長さ、形状にもよるが、0.15〜
10MPaの加圧流体を好ましく使用することもでき
る。その場合、連結孔を突き当て部に設けることによ
り、成形のタイミングを特に気にすることなく変形のな
い成形品を安定して生産することができる。
【0016】本発明の金型で成形に使用できる材料は、
プラスチック、セラミック原料、金属粉末であり、好ま
しくはプラスチックである。上記プラスチックとして
は、好ましくは熱可塑性プラスチックである。熱可塑性
プラスチックとしては、射出成形用に使用できるもので
あれば制限はないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等のポリオレフィン;ポリスチレン;ポリ塩化ビ
ニル;ナイロン6、12、4−6、6−6、6−12等
のポリアミド類;ポリアセタール;ポリカーボネート;
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレート等の芳香族ポリエステ
ル;ポリヒドロキシカルボン酸(ポリ乳酸等)、ポリ脂
肪族カルボン酸−脂肪族ジオール、ポリカプロラクトン
等の脂肪族ポリエステル;ポリフェニレンエーテル;ポ
リフェニレンサルファイド;ポリイミド;ポリエーテル
ケトン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリスルフォ
ン;ポリウレタン;及びこれらのコポリマー類等が挙げ
られる。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。使用
したポリアセタール樹脂は、ポリプラスチックス株式会
社製、ジュラコンM90STM(メルトインデックスMI
=9g/10min、引張強度=61MPa、成形収縮
率2%)である。
【0018】[実施例1]大型スライドコア付き金型とし
て、図4に示すタイプで、φ30mm×L400mm、
肉厚3mmのパイプ形状を持つ成形品が得られる金型を
使用した。ここで、スライドコアは、図3に示すタイプ
のものであり、パイプ両端からそれぞれ200mmのス
ライド長さを有し、抜きテーパー角度30分とした。ま
た、スライドコアは、スリーブとコアピンからなり、コ
アピン外表面には1箇所に径0.5mmの半円形溝が直
線状に切削により設けられており、外気が入り込む連通
孔の役目をする。コアピン内部には、温調用有底穴が設
けられ、温調された冷却水を外部から循環させて、スラ
イドコアが40℃に維持できるようになっている。外部
金型も冷却水を循環させて所定の温度に維持できるよう
になっている。この金型で、成形用樹脂として前記無充
填ポリアセタールを用い、シリンダー温度を200℃、
金型温度を80℃に設定し、樹脂を金型内に充填した
後、70MPaで30秒保圧を行ない、30秒冷却工程
を経て、スライドコアを抜き、金型を開いて成形品を取
り出した。その結果、スライドコア引き抜きを含む成形
工程は良好に行なわれ、変形が少ない良好な成形品が得
られた。
【0019】[実施例2]大型スライドコア付き金型とし
て、図5に示すタイプで、φ30mm×L200mm、
肉厚3mmの円筒キャップ形状を持つ成形品が得られる
金型を使用した。ここで、スライドコアは、図1に示す
タイプのものであり、抜きテーパー角度30分とした。
また、スライドコアは、スリーブとコアピンからなり、
コアピン外表面には1箇所に直線状に径0.04mmの
半円形溝が切削により設けられており、連通孔の役目を
する。コアピン内部には、温調穴が設けられ、40℃に
温調された冷却水を循環して、スライドコアが冷却でき
るようになっている。この金型で、前記無充填ポリアセ
タールを用い、シリンダー温度を200℃、金型温度を
80℃に設定し、樹脂を金型内に充填した後、70MP
aで30秒保圧を行ない、30秒冷却工程を経て、スラ
イドコアを抜き、金型を開いて成形品を取り出した。そ
の結果スライドコア引き抜きを含む成形工程は良好に行
なわれ、変形が少ない良好な成形品が得られた。
【0020】[比較例1]スライドコアに連通孔が設けら
れていない以外は実施例1と同じ金型を用い、実施例1
と同じ樹脂を使用し、同じ成形条件で成形を行なった。
その結果、発生した真空部の容積が大きく、スライドコ
アを引き抜くことが出来ず、成形品の一部がへこんで、
良好な成形品は得られなかった。
【0021】[実施例3]スライドコアに冷却用温調手段
が設けられていない以外は実施例1と同じ金型を用い、
実施例1と同じ樹脂、条件で多数の成形品を連続的に生
産した。その結果、スライドコアが過熱するまでは、ス
ライドコア引き抜きを含む成形工程は良好に行なわれ
た。また、型開き時間を長くして、成形サイクルを長く
することにより長時間、連続的に生産することができ
た。
【0022】[実施例4]図6に示す異径の大型スライド
コアを使用した。一方側がφ30mm×L400mm、
肉厚3mmのパイプ形状を持ち、他方側がφ40mm×
L400mm、肉厚3mmのパイプ形状を持つ異径成形
品が得られる金型を使用した。段差部分の肉厚は3mm
である。スライドコアは両側共に、パイプ両端からそれ
ぞれ200mmのスライド長さを有し、抜きテーパー角
度30分とした。また、スライドコアは、スリーブとコ
アピンからなり、コアピン外表面には1箇所に径1.0
mmの半円形溝が直線状に切削により設けられており、
外気が入り込む連通孔の役目をする。コアピン内部に
は、温調用有底穴が設けられ、温調された冷却水を外部
から循環させて、スライドコアが40℃に維持できるよ
うになっている。外部金型も冷却水を循環させて所定の
温度に維持できるようになっている。この金型で、成形
用樹脂として前記無充填ポリアセタールを用い、シリン
ダー温度を200℃、金型温度を80℃に設定し、樹脂
を金型内に充填した後、70MPaで30秒保圧を行な
い、30秒冷却工程を経て、両端から別々にスライドコ
アを抜き、金型を開いて成形品を取り出した。その結
果、スライドコア引き抜きを含む成形工程は良好に行な
われ、変形が少ない良好な成形品が得られた。
【0023】[実施例5]スライドコアを抜く際に、連通
孔に5MPaの加圧空気を通気した以外は実施例3と同
様に行った。その結果、成形サイクルを大幅に長くする
ことなく、成形品の変形も生じることなく連続生産する
ことができた。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、スライドコア引き抜き
が容易になり、引き抜き部の長さが長いものや、断面積
の大きい大型の成形品、異断面形の成形品が容易に且つ
経済的に射出成形できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用するスライドコアの一例の斜視図
である。
【図2】本発明で使用するスライドコアの他の一例の斜
視図である。
【図3】本発明で使用するスライドコアの他の一例の斜
視図である。
【図4】両端に異形部を有するパイプ状成形品及びその
金型の一例の断面図である。
【図5】片側に異形部を有する円筒キャップ状成形品及
びその金型の一例の断面図である。
【図6】本発明で使用するスライドコアの更に他の一例
の斜視図である。
【符号の説明】
1,1’ スライドコア 2 コアピン 3 スリーブ 4,4’温調用有底穴 5,5’連結孔 6 温調手段 9、9’先端部 10 外金型 20,20’成形品 21 パイプ状部分 22 パイプ状以外の部分

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形品を射出成形する金型において、金
    型が外金型(10)、及び外金型(10)のキャビティ
    内に突出する少なくとも一つの大型のスライドコア
    (1)からなり、スライドコア(1)内に外部とスライ
    ドコア先端部(9)とを通気させる連結孔(5)を設け
    ることを特徴とするスライドコア付き成形用金型。
  2. 【請求項2】 少なくとも一つのスライドコア(1)の
    スライド長さが100mm以上であることを特徴とする
    請求項1に記載の金型。
  3. 【請求項3】 スライドコア(1)の断面積が100m
    2以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の金型。
  4. 【請求項4】 スライドコア(1)が、スリーブ
    (3)、及び温調手段(6)を内蔵するための温調用有
    底穴(4)を有するコアピン(2)からなり、スリーブ
    (3)とコアピン(2)の間に連結孔(5)を設けるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスライ
    ドコア付き成形用金型。
  5. 【請求項5】 成形品がパイプ状部分およびその一部に
    設けられたパイプ状以外の形状部分からなる成形品、又
    は円筒キャップ状部分およびその一部に設けられた円筒
    キャップ状以外の形状部分からなる成形品であることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の金型。
  6. 【請求項6】 スライドコア(1)の抜きテーパー角度
    が1度未満であることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れかに記載の金型。
  7. 【請求項7】 二つのスライドコア(1)及び(1’)
    を有し、両スライドコアーの断面が異なることを特徴と
    する請求項1〜6のいずれかに記載の金型。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の金型を
    使用して得られた成形品。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれかに記載の金型を
    使用して、連結孔(5)に加圧流体を通気させることを
    特徴とする成形方法。
  10. 【請求項10】 連結孔(5)が突き当て部に設けられ
    ることを特徴とする請求項9に記載の成形方法。
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