JP2001062219A - 耐久性に優れるバグフィルター用ポリイミドフェルト - Google Patents

耐久性に優れるバグフィルター用ポリイミドフェルト

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JP2001062219A
JP2001062219A JP24360899A JP24360899A JP2001062219A JP 2001062219 A JP2001062219 A JP 2001062219A JP 24360899 A JP24360899 A JP 24360899A JP 24360899 A JP24360899 A JP 24360899A JP 2001062219 A JP2001062219 A JP 2001062219A
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polyimide
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filter
fiber
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Hirobumi Sugiyama
博文 杉山
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】酸性ガスや結露にたいする耐久性のみならず、
高温下での寸法安定性や屈曲疲労性に優れたバグフィル
ター用ポリイミドフェルトを得ることである。 【解決手段】支持層がガラス繊維からなり、ろ過層がポ
リイミド繊維を含むバグフィルター用フェルトであっ
て、該フェルトのN,N−ジメチルフォルムアミド(DM
F)、テトラヒドロフラン(THF)、臭化リチウム(L
iBr)及び燐酸(H3PO4)の混合溶液に対する溶解
度が90〜99.0%である耐久性に優れるバグフィル
ター用ポリイミドフェルト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリイミド繊維を
含むバグフィルター用フェルトに関するものである。詳
しくは、高温下でのバグフィルターの使用に関して、長
期にわたり耐久性に優れるバグフィルター用フェルトに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】石炭炊きボイラー、都市ゴミ焼却炉、産
業廃棄物焼却炉から排出される排ガス中には煤塵のみな
らずダイオキシン、重金属等の有害物質も含まれてお
り、大気汚染防止として各種排ガス集塵は非常に重要で
ある。かかる排ガスからのダストの分離捕集には集塵装
置が用いられ、集塵機内でのダイオキシンの再合成や捕
集効率の面からもバグフィルターの使用が有望視されて
いる。バグフィルターに用いられる耐熱性繊維として
は、ガラス、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイ
ド、ポリテトラフルオロエチレン、m−アラミドなどの
繊維が上げられる。ガラス繊維からなるろ布のほとんど
が織布であるが、織物としての空隙が存在するため、排
気濃度や高速でのろ過ができないなどの問題がある。ゆ
えに高捕集効率やろ過速度の面からもフェルトの使用が
望ましい。
【0003】各種焼却設備の排ガス集塵におけるバグフ
ィルターには、耐熱性はもちろん、焼却によって生じた
HCL、SOx、NOx、HFなどの酸性ガスに対して
も高い耐久性が要求される。バグフィルターを形成する
耐熱性繊維の中でもポリイミド繊維はポリフェニレンサ
ルファイドやm−アラミドに対し40℃ほど連続使用温
度に優れ、さらに耐酸性ガスに対しても高い耐久性を示
し、ランダムな繊維断面からもろ過性能に優れている。
しかし、耐熱性や耐酸性ガスに対する耐久性以外にも、
運転停止における結露に対しても高い耐久性が必要であ
り、一般的にはポリイミド繊維はガラス繊維と同様にア
ルカリ加水分解を受ける事が知られている。焼却設備の
運転方法としてはダイオキシンの抑制の面からも24時
間運転の全連が主流になっていくが、16時間/日の准
連、8時間/日の機械バッチ式などの間欠運転をする設
備もある。特に、間欠運転の設備は小設備でボイラーや
熱交換器をもたないものが多く、元々ゴミに含まれる水
分や、ガス冷却に用いられる水分により、集塵温度の2
00℃における水分率が40%を超えるものも存在す
る。燃焼ガス中に含まれるSOxには数%のSO3が含
まれており、水露点温度よりも高い温度で酸結露するこ
とが知られている。また、燃焼の結果生成するHCLの
脱塩のためにCa(OH)2を用いる設備が多く、脱塩の結果
生成したCaCl2に潮解性があるため、運転停止時の温度
が低い場合には水結露温度よりも高い温度域で潮解と脱
塩剤によりアルカリ加水分解を受ける可能性がある。ま
た、温度制御においても突発的な事故などによって一次
的ではあるが実使用温度よりも高い温度の影響を受ける
場合があり、このような影響下でも高い寸法安定性が要
求される。
【0004】そこで、耐薬品性が良好なポリイミド繊維
からなるバグフィルター用フェルトとしては、例えば、
特開平7−204466号公報ではポリイミド繊維不織
布に、溶融性フッ素樹脂、溶剤可溶性常温硬化フッ素樹
脂またはフッ素樹脂系エラストマーを被覆したものが検
討されている。また、特開平3−59156号公報のよ
うにポリイミド繊維からなるフェルトを高温プレスしポ
リイミド繊維自体を架橋させ耐薬品性などを向上させた
ポリイミドフェルトが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにポリイミド繊維から成る不織布にフッ素樹脂加工
を施すと、確かに耐加水分解性などの耐薬品性は上がる
傾向にあるがバグフィルター用フェルトが実使用で受け
る物理的疲労に対し、屈曲疲労によりクラック破損が起
こりやすいという問題がある。また、ポリイミド繊維は
ランダムな異形断面をしており比表面積が大きくろ過特
性に優れるが、樹脂加工によって凹部に樹脂が侵入し比
表面積を低下させる可能性がある。バグフィルター用フ
ェルトは通常、直径15cm、長さ6m程度の筒状で使
用され、格子状のゲージやリテーナーと呼ばれる金枠に
かぶせて使用される。特にエアーによりダスト払い落と
しを行うパルスジェットタイプのバグフィルターでは、
ろ布外側からのろ過と、ろ布内側からのパルスエアーに
より、ゲージを支点にして物理的な屈曲疲労を高温下で
受けることになる。上記のようにフッ素樹脂により被覆
されたフェルトでは、フェルト自体が樹脂加工により硬
くなり、より屈曲疲労に対してクラックが発生しやすい
状態になってしまうことが知られている。使用済みバグ
フィルター用フェルトの処分についても、フッ素系樹脂
を使用すると燃焼時にHFなどの有害ガスを発生するな
どの問題がある。また、ポリイミド繊維は架橋するタイ
プの繊維であるため、高温下での熱プレスなどにより十
分に架橋させることによって耐薬品性に優れるフェルト
を得ることができるが、樹脂加工と同様にフェルト自体
が硬くなりクラックが発生しやすくなるという問題があ
る。
【0006】本発明は、上記従来技術のポリイミド繊維
を含むバグフィルター用ろ布のもつ問題点に対し、耐酸
性ガスや結露における耐加水分解性などの耐薬品性、さ
らには高温下の寸法安定性や屈曲疲労性を向上した、耐
久性に優れるバグフィルター用ポリイミドフェルトを得
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、支持層
とろ過層が積層一体化されたフェルトにおいて、該支持
層がガラス繊維からなり、ろ過層がポリイミド繊維を含
むバグフィルター用フェルトを酸素雰囲気下で熱処理す
ることにより、特定の混合溶液に対する溶解度が90.
0〜99.0%である耐久性に優れるバグフィルター用
フェルトを提供するものである。
【0008】即ち、本発明は支持層がガラス繊維からな
りポリイミド繊維を含むバグフィルター用フェルトであ
って、ポリイミド繊維のN,N−ジメチルフォルムアミド
(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、臭化リチウ
ム(LiBr)及び燐酸(H3PO4)の混合溶液に対す
る溶解度が90〜99.0%であることを特徴とする耐
久性に優れるバグフィルター用ポリイミドフェルトであ
る。
【0009】そして具体的には、240℃、700時間
でのフリー状態での寸法変化率が1.0%以下であり、
さらに200℃下でのデマッター屈曲疲労試験におい
て、100万回の屈曲疲労でクラック発生がなく、フェ
ルトの強力保持率が80%以上であることを特徴とする
上記記載の耐久性に優れるバグフィルター用ポリイミド
フェルト、バグフィルター用フェルトが、支持層とろ過
層が積層一体化したフェルトであることを特徴とする上
記記載の耐久性に優れるバグフィルター用ポリイミドフ
ェルト、支持層がガラス繊維からなり、ろ過層がポリイ
ミド繊維単独、或いはポリフェニレンサルファイド、ポ
リテトラフルオロエチレン、m−アラミド、ガラス、ポ
リベンゾイミダゾールのいずれか1種類以上の繊維と積
層あるいは混綿されていることを特徴とする上記記載の
耐久性に優れるバグフィルター用ポリイミドフェルト、
支持層がシリコン処理、フッ素樹脂処理、シリコン・グ
ラファイト処理、シリコン・フッ素・グラファイト処
理、いずれか1種類の処理をされている上記記載の耐久
性に優れるバグフィルター用ポリイミドフェルトであ
る。
【0010】上記構成からなる本発明の耐久性に優れる
バグフィルター用ポリイミドフェルトは、ポリイミド繊
維にフッ素樹脂加工をしなくとも、実機バグフィルター
での排ガスや運転停止に伴なう結露に対して、高い耐久
性があり、さらに、高温下の寸法安定性や屈曲疲労性に
対しても長期にわたり優れた特性を示すことが可能とな
る。以下、本発明を詳述する。
【0011】ポリイミド繊維を含むバグフィルター用フ
ェルトで、ゴミの燃焼によって生成した酸性カ゛スや運転
停止に伴う結露に対しても耐久性が優れ、さらに高温下
での寸法安定性や屈曲疲労性にも優れるバグフィルター
用フェルトを得るには、支持層がガラス繊維からなりろ
過層のポリイミド繊維のDMF、THF、LiBr及び
3PO4の混合溶液に対する溶解度が90.0〜99.
0%の範囲とすることが肝要である。本発明において
は、フェルトの熱処理、等によりポリイミド繊維を含む
バグフィルター用フェルトの繊維表面のみを架橋するこ
とにより、結露に対する耐久性を向上させることがで
き、さらに、支持層にガラス繊維を用いることにより高
温下での寸法安定性や屈曲疲労性に対しても高い耐久性
を示すバグフィルター用フェルトを得ることができる。
【0012】本発明に係るポリイミドフェルトを製造す
る一手段として、紡糸、延伸、カット、等により得られ
たポリイミド短繊維をフェルト状にした公知の条件にて
製造されたポリイミドフェルトを、更に熱処理すること
により得ることができる。この熱処理条件は任意ではな
く、以下の条件下で実施することが肝要である。即ち、
大気中で200〜400℃の熱風処理を10秒〜24時
間行うことが望ましく、より好ましくは、280〜33
0℃で20〜600秒の熱処理を行うことが望ましい。
【0013】ポリイミドフェルトのDMF、THF、L
iBr及びH3PO4混合溶液に対する溶解度は、90.
0〜99.0%であることが好ましく、より好ましく
は、93.0〜97.0%である。90%未満では架橋
が進みすぎ耐薬品性は向上するものの、高温下での屈曲
疲労性に対してクラックが発生しやすくなってしまう。
99%を超えると十分な架橋が得られず耐薬品性向上の
効果が見られない。なお、溶解度は以下の方法により求
めた。DMF:1881ml、THF:20ml、Li
Br:5.2g、H3PO4:5.9gを混合し2日間室
温にて攪拌した。サンプルはポリイミド繊維のみを取り
出し正確に250.0mg、50mlメスフラスコに採
取し、その後上記混合溶液を加え50mlとし室温にて
48時間攪拌した。そして、black ribbon filter(Schl
eicher & Schuell GmbH社製,No.589/1)にて溶解液をろ
過し、残さをろ紙ごと120℃、24時間真空乾燥し、
サンプルの初期重量と残さの重量とから下記式にて溶解
度を求めた。なお、本発明でいう溶解度は上記溶解度試
験の4回の平均値をいう。 溶解度(%)=(サンプル初期重量250mg−残さ重
量mg)/サンプル初期重量250mg×100
【0014】本発明のポリイミド繊維を含むバグフィル
ター用フェルトは、支持体とろ過層が積層一体化された
フェルトであり、支持層がガラス繊維からなり、ダスト
ろ過は短繊維からなるろ過層にて行う。バグフィルター
用ろ布には自重やリテーナー、さらにダストの重量がか
かるため、ろ過層とは別に寸法安定性を得るために織編
物からなる支持層が必要であり、ろ過層と支持層が積層
一体化されたものが好ましい。更に、当該ろ過層はポリ
イミド繊維単独、あるいはポリフェニレンサルファイ
ド、ポリテトラフルオロエチレン、m−アラミド、ポリ
ベンゾイミダゾール、ガラスのいずれか1種類以上の繊
維から適時選ばれ、積層あるいは混綿されていることが
望ましい。ろ過層を形成する耐熱性繊維は0.1〜20
デニールの範囲で使用され、0.5〜5デニールが好ま
しく、繊維断面については丸型、三角、トライローバ
ル、ランダム等あるが特に限定されるものではない。ま
た、当該支持層はガラス繊維からなるマルチフィラメン
ト糸などで構成された織物として使用され、例えばシリ
コン処理、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹
脂処理、シリコン・グラファイト処理、シリコン・フッ
素・グラファイト処理と呼ばれるような水分散液への浸
漬と加熱を含む処理を行っても良い。ガラス繊維は、耐
熱性は高いが、高温下での水分の影響や結露によるアル
カリ加水分解を受ける。しかし、ガラス繊維は強度が非
常に高いため、熱、水分、アルカリによる低下を考慮し
ても絶対値としては十分に高い値を保持でき、コストも
非常に安いというのが特徴である。
【0015】本発明にかかわるフェルトの240℃、7
00時間でのフリー状態での寸法変化率が1.0%以下
である。さらに好ましくは0.5%以下である。例え
ば、ろ布の寸法変化が収縮方向に起こった場合、ろ布が
リテーナーを締めつける状態になり、ダストの払い落と
し性が悪くなったり、寸法変化が伸びの方向に発生した
場合は、ろ布自体が伸びダスト目詰まりを起こしたり、
払い落とし性が悪くなったりするため、寸法変化はより
小さいほうがこのましい。実使用では200℃程度の運
転になるため、繊維のガラス転移温度や融点、分解点は
より高いほうが好ましく、例えばガラス転移温度が13
0℃程度に存在するポリテトラフルオロエチレンでは実
使用での荷重負荷が小さいヨコ方向ではリテーナーへの
締め付けが起こり、荷重負荷が大きいろ布タテ方向では
伸びてしまうという問題が発生する。ダイオキシン類の
再合成の抑制の観点からバグフィルターでの連続使用温
度は200℃以下に設定されているが、通常の運転管理
でのバラツキ、あるいは突発的な事故等による温度上昇
を考慮し、240℃、700時間での寸法変化率を見
た。実際の都市ゴミ焼却炉では酸素濃度が12%前後で
あるが、この評価は空気循環によって行った。特にポリ
イミドやポリフェニレンサルファイド、m−アラミドな
どの有機繊維の酸化は自動酸化によって進行するた温度
のみならず酸素濃度は酸化を促進させる大きな要素とな
り、加速試験的な意味合いもあり空気雰囲気下で行っ
た。
【0016】本発明に係るフェルトの200℃雰囲気下
でのデマッター屈曲疲労試験において、ポリイミド繊維
を含むバグフィルター用フェルトのヨコ方向での100
万回の屈曲疲労でクラック発生がなく、フェルトの強力
保持率が70%以上、好ましくは80%以上であればよ
い。実機バグフィルターでは、ゲージ接触面あるいはゲ
ージ間の鋭角に屈曲されるところにタテ方向にクラック
が発生するため、実際のフェルトではヨコ方向での屈曲
疲労になる。このため本発明ではフェルトのヨコ方向で
の評価を実施し、さらに実機を想定して200℃雰囲気
下でする必要があった。屈曲回数については24時間運
転の全連を例にとってみると、ろ布1本に対し1時間に
3回のパルス間隔とすると、5年相当では約13万回に
なるが、本発明では100万回までの屈曲疲労にて評価
を行った。
【0017】以下本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。なお、本発明はこれら実施例のみに限定され
るものではない。
【0018】
【実施例】酸性ガスに対する耐久性は、表1のような温
度240℃、空気流量42(Nl/min)、流速1.8(m/mi
n)、240℃での水分率50vol%、HCL;570(pp
m)、SO2;450(ppm)にて図1の試験装置に各種フ
ェルトを500時間暴露させ、暴露後の引張強力によっ
て評価した。サンプルは30×30cmのサンプルを用意
し引張強力は縦方向で行った。縦方向の引張試験は、JI
S L 1096に従い、巾5cm、つかみ間隔20cm、引張
速度20(cm/min)でn=3で行った。用いた引張試験機は
東洋ボールドイン社製テンシロンRTM-500を使用した。
【0019】
【表1】
【0020】また、結露に対する耐久性評価は、SO3
による酸結露の影響と、脱塩剤(Ca(OH)2)に対する評
価の2つを行った。装置は図1のような試験装置を用
い、表2の条件にて200℃における水分率が32%と
45%での評価を行った。まず、30×30cmのサン
プルを用意し、空気42(NL/min)を供給し、水分率が3
2%あるいは45%になるように水蒸気を供給した。そ
して、70℃から200℃まで3時間で昇温、200℃
1時間保持、このあとサンプル暴露部を閉切り、200
℃から70℃まで8時間で降温、70℃12時間キープ
した。このサイクルを21回繰返し、暴露後の引張強力
によって評価した。
【0021】
【表2】
【0022】SO3結露テストでは、1%−SO2空気希
釈ガスを500℃にて触媒層(K2SO4-SiO2/V2O5、500℃)
に通し、約7%の転化率でSO3に酸化させ、5ppm
程度のSO3と66ppm程度のSO2を供給した。
【0023】脱塩剤Ca(OH)2によるアルカリ結露テスト
では、Ca(OH)2とCaCl2・2H2Oを用意し、これを1:1の
重量比で混合し、30×30cmのサンプル上に100
g均等に付与した。そして、水分率32%と45%にて
21回の結露の繰返しを行ない、暴露後の引張強力によ
って評価した。
【0024】240℃、700時間でのフリーでの寸法
変化率は高温オーブン(ヤマト科学社製DH−63)を
用いた。30×30cmのサンプルをぶら下げ、700
時間後の寸法変化率を測定した。
【0025】高温下での屈曲疲労試験は恒温曹つきデマ
ッター屈曲疲労試験機(テスター産業社製)を用いた。
フェルトはヨコ方向に巾2.5cm長さ12.5cmに
カットし、つかみ間隔7.5cmとし、屈曲された時の
つかみ間隔が1.9cmとなるように、ストローク5.
6cmにて行った。屈曲速度は300回/分であり、雰
囲気温度は200℃で行った。
【0026】(実施例1)バグフィルター用フェルトは
一般的なニードルパンチ加工工程により作成した。ろ過
層として用いたポリイミド繊維(Inspec Fibres社製、
P84)は、2デニール、51mmのランダムな異形断面をし
た短繊維であり、支持層には単糸直径6μからなるマル
チフィラメントガラス糸を平織りにし、目付が280(g
/m2)でシリコン・テフロングラファイト処理したものを
用い、NP工程によって積層一体化した。その後240
℃、35(kgf/cm2)のカレンダーロールにてプレスし、
さらに320℃×40sの熱風処理を行った。ろ過層を
形成するポリイミド繊維の溶解度は94.3%であっ
た。
【0027】(実施例2)実施例1と同様なろ過層と支
持層からなるフェルトを、実施例1と同様にカレンダー
ロールにて熱プレスし、300℃×120sの熱風処理
を行った。ろ過層を形成するポリイミド繊維の溶解度は
97.2%であった。
【0028】(比較例1)実施例1と同様に、ポリイミ
ド短繊維からなるろ過層とガラス繊維からなる支持層を
ニードルパンチ加工を行ない、実施例1と同様なカレン
ダーロール処理を行った。その後の熱風処理などの熱処
理は行わなかった。溶解度は99.7%であった。
【0029】(比較例2)実施例1と同様に、ポリイミ
ド短繊維からなるろ過層とガラス繊維からなる支持層を
ニードルパンチ工程によって積層一体化し、実施例1と
同様にカレンダー処理を行った。その後320℃×20
分の熱風処理を行ない、溶解度は83.9%であった。
【0030】(比較例3)実施例1と同様なポリイミド
繊維からなるろ過層と、960デニール480フィラメ
ントをタテ/ヨコ=12/12本平織りにした支持層を
ニードルパンチ工程によって積層一体化し実施例1と同
様なカレンダーロールによって熱プレスし、その後32
0℃×40sの熱風処理を行った。溶解度は95.3%
であった。
【0031】(比較例4)比較例3と同様なろ過層と支
持層がポリイミド繊維からなるフェルトをカレンダーロ
ールにて熱プレスした。そして、水分散タイプのフッ素
系撥水撥油剤(高松油脂社製、TKガードNA―99
6、ネオラックスR−500、キャタライザー22Bの
6;4;1の混合溶液)に該ろ布を浸漬し、トータル目
付が5wt%になるようにピックアップさせた。その
後、熱風ドライヤーにより140℃×120sの熱処理
を行い樹脂化させた。
【0032】上記実施例1,2、および比較例1〜4に
ついて、ガス試験、結露テスト結果、240℃下での寸
法変化および屈曲疲労試験結果を表2に示す。
【0033】
【表3】
【0034】以上のように、支持層がガラス繊維からな
りろ過層がポリイミド繊維を含むバグフィルター用フェ
ルトを熱処理し、ポリイミド繊維の溶解度が90〜99
%である実施例1,2はまずフェルト強力初期値におい
て非常に高い値を示した。一般的に市販されているPT
FE、m−アラミド、PPS、ポリイミドからなるフェ
ルト強力の3~6倍の高い値を示している。その結果、
酸性ガステストや結露テスト後の強力もポリイミド単独
からなる比較例3,4と比べても十分に高い値を示して
おり、絶対強力評価ではあるが非常に高い耐久性を示す
ことが分かった。また、240℃下での寸法安定性も良
好でデマッター屈曲疲労試験機による屈曲疲労において
もクラック発生がなく強力保持率も非常に高い事が分かり、
耐薬品性のみならず寸法安定性や屈曲疲労性に対しても
高い耐久性を示すことが確認できた。一方、熱処理をし
なかった比較例1では特にアルカリ結露試験において強
力の低下が大きく、比較例3、4のポリイミド単独より
なるフェルトよりも強力が小さくなってしまっている。
熱処理によって溶解度が大きく低下した比較例3とフェ
ルト全体を樹脂加工した比較例4では予想通りフェルト
が硬くなることによってクラックが発生した。寸法安定
性については支持層がポリイミドからなる比較例3,4
は寸法変化が大きいものとなっている。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、実機バグフィルターで
の排ガスや運転停止に伴なう結露に対して、高い耐久性
があり、さらに、高温下の寸法安定性や屈曲疲労性に対
しても長期にわたり優れた特性を示すバグフィルター用
フェルトを得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルターバグ用ろ過試験器の概要図。
【符号の説明】
1:サンプル暴露部、2:ガス吸収部、3:水蒸気、
4:1%SO2ガス、5:触媒、6:Air
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D019 AA01 BA04 BA13 BA17 BB03 BB10 BC12 BD01 BD10 CA04 DA01 DA04 DA06 4F100 AG00A AG00B AG00C AK17A AK18B AK18C AK47B AK47C AK49B AK57B AK57C AL06A BA02 BA03 BA07 BA10A BA10C BA15 DG01A DG01B DG01C DG12C DG15 DG18B GB56 JK01 JL04 YY00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持層とろ過層が積層一体化されたフェル
    トにおいて、該支持層がガラス繊維からなり、ろ過層が
    ポリイミド繊維を含むバグフィルター用フェルトであっ
    て、ポリイミド繊維のN,N−ジメチルフォルムアミド
    (DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、臭化リチウ
    ム(LiBr)及び燐酸(H3PO4)の混合溶液に対す
    る溶解度が90〜99.0%であることを特徴とする耐
    久性に優れるバグフィルター用ポリイミドフェルト。
  2. 【請求項2】240℃、700時間でのフリー状態での
    寸法変化率が1.0%以下であることを特徴とする請求
    項1記載のバグフィルター用ポリイミドフェルト。
  3. 【請求項3】200℃下でのデマッター屈曲疲労試験に
    おいて、100万回の屈曲疲労でクラック発生がなく、
    フェルトの強力保持率が70%以上であることを特徴と
    する請求項1記載の耐久性に優れるバグフィルター用ポ
    リイミドフェルト。
  4. 【請求項4】ろ過層が、ポリイミド繊維単独、或いはポ
    リフェニレンサルファイド、ポリテトラフルオロエチレ
    ン、m−アラミド、ガラス、ポリベンゾイミダゾールの
    いずれか1種類以上の繊維と積層あるいは混綿されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の耐久性に優れるバグ
    フィルター用ポリイミドフェルト。
  5. 【請求項5】支持層が、フッ素系樹脂、シリコングラフ
    ァイド処理、あるいはシリコン・フッ素グラファイト処
    理が施されたガラス繊維からなることを特徴とする請求
    項1記載の耐久性に優れるバグフィルター用ポリイミド
    フェルト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010525938A (ja) * 2007-05-02 2010-07-29 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー バグハウスフィルター及び媒体
KR20220045459A (ko) * 2020-10-05 2022-04-12 주식회사 휴비스 고내열 다층 필터여재

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