JP2001061193A - スピーカシステム - Google Patents

スピーカシステム

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JP2001061193A
JP2001061193A JP11234012A JP23401299A JP2001061193A JP 2001061193 A JP2001061193 A JP 2001061193A JP 11234012 A JP11234012 A JP 11234012A JP 23401299 A JP23401299 A JP 23401299A JP 2001061193 A JP2001061193 A JP 2001061193A
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Kazuki Nagoya
一樹 名古屋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量,高剛性,高内部損失の振動板を有する
フルレンジスピーカユニットの良さを生かしつつ、低音
再生能力を改善することが可能なスピーカシステムを実
現する。 【解決手段】 フルレンジスピーカユニット1を用いて
バスレフポート2を備えた第1のスピーカシステムA
と、前記第1のスピーカシステムの後面部を前面バッフ
ルとして使用し、該前面バッフルに低音用スピーカユニ
ット5が取り付けられておりバスレフポート6を備えた
第2のスピーカシステムBと、を備えたことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明はスピーカシステムに
関し、さらに詳しくは、フルレンジスピーカユニットの
音像定位の良さを生かしつつ、低音再生能力を改善する
ことが可能なスピーカシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】図3は一般的なスピーカシステムの断面
構成を示す説明図である。ここでは、低音用スピーカユ
ニット(ウーハー)9,中音用スピーカユニット(スコ
ーカ)10,高音用スピーカユニット(ツィータ)11
からなる3個のスピーカユニットがエンクロージャ13
に取り付けられたもの(3ウェイスピーカシステム)を
示している。
【0003】また、比較的小型のスピーカシステムで
は、バスレフポート12が設けられており、該バスレフ
ポートのチューニングによって低音を増強するものがあ
る。なお、図3には示されていないが、複数のスピーカ
ユニットを使用するスピーカシステムでは、各スピーカ
ユニットの再生周波数帯域に合わせて音声信号を分割す
るために、コイルやコンデンサによるフィルタで構成さ
れたデバイディングネットワークが使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように複数のス
ピーカユニットを備えたスピーカシステムでは、デバイ
ディングネットワークのコイルやコンデンサによって、
信号に位相ズレが生じる問題がある。
【0005】また、複数個のスピーカユニットによって
再生を行うため、音像定位が定まらないという問題も有
している。これに対し、フルレンジスピーカユニット1
個でスピーカシステムを構成することで、デバイディン
グネットワークが不要であるため位相ズレの問題が発生
せず、音像定位も良好になることが知られている。
【0006】ところが、振動板に求められる物理的要件
としては、軽量,高剛性,高内部損失がある。これらの
条件を満たした軽量の振動板を持つフルレンジスピーカ
ユニットは、エッジをハイコンプライアンスとして、最
低共振周波数foを低くしても、共振尖鋭度Qoが0.2
〜0.4と低くなるため、低域の音圧が中高域に比較し
て低下し、低域不足のスピーカシステムとなる。すなわ
ち、フルレンジスピーカユニット1個でスピーカシステ
ムを構成すると、低域の再生能力が低いため、低音が不
足する問題が生じてくる。
【0007】なお、図4は共振尖鋭度Qoが0.7,
0.4,0.3,0.2の場合に、それぞれ低域の周波
数特性がどのように変化するかを示した特性図である。
この図からも明らかなように、Qoが小さくなるにつれ
て、低域の再生能力が低下する様子がわかる。
【0008】そこで、低音を補うために、図3に示すよ
うなバスレフポートを設けたバスレフシステムが一般的
に用いられる。また、複数の異なる共振周波数のバスレ
フポートを用いたシステムや、同種の2個のスピーカユ
ニットを前後に配置して低音を増強するシステムなどが
提案されている。
【0009】図5はウーハー9とバスレフポート12
(チューニング周波数36Hz)とを設けたエンクロー
ジャ13の前面に、さらにバスレフポート15(チュー
ニング周波数18Hz)を有するエンクロージャ14を
設けたスーパーウーハーの構成例を示している。しか
し、この図5のものは低域だけの再生を目的としたもの
であり、通常のスピーカシステムに付加して使用するも
のである。
【0010】また、特開平6−30491号公報には、
異なるスピーカユニットを使用して、それぞれでバスレ
フポートを備えたスピーカシステムが示されている。し
かし、このスピーカシステムは、オルガンなどの電子楽
器において超低域まで再生するのが目的であり、通常の
オーディオにおいての使用を意図されたものではない。
このため、中高音用のスピーカと低音用のスピーカとの
組み合わせになっている。一般に中音域とは400〜5
000Hzであり、その前後を低音域,高音域という。
すなわち、低音域と中高音域とでスピーカを分けている
ため、フルレンジスピーカユニットを使用した場合のよ
うな自然な音の再生が難しいという問題がある。
【0011】また、特開平6−205488号公報に
は、バスレフポートを2つ設けた、いわゆる2ポートシ
ステムの改良が示されている。ここで、第2のスピーカ
の低域はハイパスフィルタでカットしており、カットオ
フ周波数(fc)をフルレンジスピーカユニットのfo
に相当する周波数、例えば100Hzにとれば、12d
B/octのフィルタ、インピーダンス8Ωとすると、コ
ンデンサCは185μF、コイルのインダクタンスLは
23.7mHとなる。このような値の素子を使用したフ
ィルタは高価なものになる問題がある。
【0012】また、特開平6−46488号公報には、
密閉箱のエンクロージャに取り付けた中高音用のスピー
カの周囲に2ポートシステムの片側をダブルバスレフシ
ステムとしたものが示されている。このシステムでは、
低音再生のために仕切板で空間を分割する必要があっ
た。
【0013】また、特開平9−187091号公報に
は、前後に同じ口径,同じ共振周波数のスピーカユニッ
トを使用して、それぞれでバスレフポートを備えたスピ
ーカシステムが示されている。しかし、このスピーカシ
ステムでは、前後で同じスピーカユニットを使用してい
る。このため、十分な低音を再生するためには、エンク
ロージャの容積を大きくしなければならないという問題
がある。
【0014】しかし、いずれの提案に関しても、フルレ
ンジスピーカユニットの良好な性能を生かしつつ、低音
の増強を図るスピーカシステムについての提案はなされ
ていなかった。
【0015】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、その目的は、軽量,高剛性,高内
部損失の振動板を有するフルレンジスピーカユニットの
良さを生かしつつ、低音再生能力を改善することが可能
なスピーカシステムを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】すなわち、課題を解決す
る手段としての本発明は以下に説明するようなものであ
る。
【0017】この発明は、フルレンジスピーカユニット
を用いてバスレフポートを備えた第1のスピーカシステ
ムと、前記第1のスピーカシステムの後面部を前面バッ
フルとして使用し、該前面バッフルに低音用スピーカユ
ニットが取り付けられておりバスレフポートを備えた第
2のスピーカシステムと、を備えたことを特徴とするス
ピーカシステムである。
【0018】なお、前記第1のスピーカシステムの空気
室の内容積は、前記第1のスピーカシステムのフルレン
ジスピーカユニットのスティフネスをSoとし、キャビ
ネットの内容積による等価的なスティフネスをSvとし
たとき、0.5So≦Sv≦Soの範囲を満足するように
定めると共に、前記第1のスピーカシステムのバスレフ
ポートのチューニング周波数を、前記フルレンジスピー
カユニットの最低共振周波数foと等しく設定する、こ
とを特徴とする。
【0019】また、前記第2のスピーカシステムのバス
レフポートのチューニング周波数は、前記フルレンジス
ピーカユニットの最低共振周波数foの0.3倍以上
0.5倍以下に設定する、ことを特徴とする。
【0020】また、前記第1のスピーカシステムのフル
レンジスピーカユニットは、口径が12cm以下であ
り、共振尖鋭度Qoが0.4以下である、ことを特徴と
する。また、前記第2のスピーカシステムの低音用スピ
ーカユニットの実効振動質量が前記第1のスピーカシス
テムのフルレンジスピーカユニットの実効振動質量の2
倍以上であり、前記第2のスピーカシステムの低音用ス
ピーカユニットの口径が前記第1のスピーカシステムの
フルレンジスピーカユニットの口径以上である、ことを
特徴とする。
【0021】さらに、前記第1のスピーカシステムのフ
ルレンジスピーカユニットと前記第2のスピーカシステ
ムの低音用スピーカユニットとは同位相で駆動される、
ことを特徴とする。
【0022】このスピーカシステムでは、2つのスピー
カシステムが同位相で駆動されており、中高域では、第
1のスピーカシステムにより小型,軽量でQoの低いフ
ルレンジスピーカユニットとしての動作がなされること
で、指向特性や過渡特性の良さを生かしたフルレンジス
ピーカユニットの特徴が生きてくる。なお、中高域で
は、振動板の振幅が小さくなるため、フルレンジスピー
カユニットの特徴だけが生きてくる。
【0023】また、低域では、フルレンジスピーカユニ
ットと低音用スピーカユニットとが同位相で駆動される
ことで、フルレンジスピーカユニットの振動板は、低音
用スピーカユニットの振動に助けられて、十分な振幅を
もって振動する。
【0024】また、第1のスピーカシステムで不足する
低域については、フルレンジスピーカユニットの最低共
振周波数foの0.3倍以上0.5倍以下に設定された
第2のスピーカシステムのバスレフポートと低音用スピ
ーカユニットとによって補強される。
【0025】なお、第1のスピーカシステムがバスレフ
ポートを備えているため、低音用スピーカユニットから
のフルレンジスピーカユニットの最低共振周波数以下の
周波数の圧力はバスレフポートから逃げるため、何ら悪
影響は生じない。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
スピーカシステムの実施の形態例を詳細に説明する。
【0027】<スピーカシステムの全体構成>図1は本
発明の実施の形態例の電気的な全体構成を示す構成図で
ある。この図1において、本実施の形態例のスピーカシ
ステムは、フルレンジスピーカユニット1を用いてバス
レフポート2を備えたエンクロージャ3による第1のス
ピーカシステムAと、第1のスピーカシステムAのエン
クロージャ3の後面部を前面バッフルとして兼用して使
用し、該前面バッフルに低音用スピーカユニット5が取
り付けられておりバスレフポート6を備えたエンクロー
ジャ7による第2のスピーカシステムBと、により構成
されている。
【0028】ここで、第1のスピーカシステムAのフル
レンジスピーカユニット1は、口径が低音用スピーカユ
ニット5以下(望ましくは12cm以下)であり、共振
尖鋭度Qoが0.4以下であり、実効振動質量Moは低音
用スピーカユニット5の実効振動質量Moの半分以下で
ある、ことが望ましい。例えば、口径は8cm、Qoは
0.3、実効振動質量Moは1.3gのフルレンジスピ
ーカユニットを用いることが可能である。バスレフポー
ト2はフルレンジスピーカユニット1の最低共振周波数
foにチューニングしたものが望ましく、例えば80H
zとする。
【0029】また、第2のスピーカシステムBの低音用
スピーカユニット5は、口径がフルレンジスピーカユニ
ット1以上(望ましくは12cm以上)であり、実効振
動質量Moは低音用スピーカユニット5の実効振動質量
Moの2倍以上である、ことが望ましい。例えば、口径
は12cm、Qoは0.5、実効振動質量Moは10gの
ウーハーを用いることが可能である。バスレフポート6
はフルレンジスピーカユニット1の最低共振周波数fo
の0.3倍以上0.5倍以下にチューニングしたものが
望ましく、例えば40Hzとする。
【0030】なお、以上の構成において、フルレンジス
ピーカユニット1と低音用スピーカユニット5とには同
位相の信号が印加されることで同位相で駆動される、よ
うに構成されている。また、フルレンジスピーカユニッ
ト1と低音用スピーカユニット5との間には、デバイデ
ィングネットワークは設けられおらず、電気的には並列
に接続されている。
【0031】以上のように構成した場合、外部からはフ
ルレンジスピーカユニット1個で全体のスピーカシステ
ムを構成しているようになるため、音像定位が良好にな
る。また、フルレンジスピーカユニット1と低音用スピ
ーカユニット5とをデバイディングネットワークを用い
ずに接続しているため、位相ズレの問題が発生しない。
【0032】すなわち、中高域では、2つのスピーカシ
ステムが同位相で駆動されており、外側に位置する第1
のスピーカシステムAにより小型,軽量でQoの低いフ
ルレンジスピーカユニット1としての動作がなされるこ
とで、指向特性や過渡特性の良さを生かしたフルレンジ
スピーカユニット1の特徴が生きてくる。なお、中高域
では、振動板の振幅が小さくなるため、フルレンジスピ
ーカユニット1の特徴だけが生きてくる。
【0033】なお、直接放射型スピーカユニットの指向
性限界の周波数fr(Hz)は、振動板の実効振動半径
をaとした場合に、fr=17000/aで表せる。し
たがって、スピーカユニットの口径が小さいほど、指向
特性は良好になる。本実施の形態例のスピーカシステム
では、外側にフルレンジスピーカユニットがあり、その
後にスーパーウーハーを加えたような構成であるので、
ほとんどの周波数帯域をフルレンジスピーカユニット1
でカバーすることになり、音像定位,指向特性などが良
好になる。
【0034】ところで、振動板に求められる軽量,高剛
性,高内部損失の物理的要件を満たすように、エッジを
ハイコンプライアンスとして、最低共振周波数foを低
くすると、共振尖鋭度Qoが0.3程度と低くなるた
め、フルレンジスピーカユニット1だけでは低域の音圧
が中高域に比較して低下する傾向がある。
【0035】しかし本実施の形態例のスピーカシステム
で、低域では、フルレンジスピーカユニット1と低音用
スピーカユニット5とが同位相で駆動されることで、フ
ルレンジスピーカユニット1の振動板は、低音用スピー
カユニット5の振動に助けられて、十分な振幅をもって
振動する。
【0036】また、第1のスピーカシステムAで不足す
る低域、すなわちバスレフポート2のチューニング周波
数以下の低域の周波数については、フルレンジスピーカ
ユニット1の最低共振周波数fo(例えば80Hz)の
0.3倍以上0.5倍以下に設定された第2のスピーカ
システムBのバスレフポート6(例えば40Hz)と低
音用スピーカユニット5とを備えたスピーカシステムB
によって補強される。
【0037】なお、第1のスピーカシステムがバスレフ
ポート2を備えているため、低音用スピーカユニット5
からのフルレンジスピーカユニット1の最低共振周波数
以下の周波数(40Hz〜80Hz)の圧力はバスレフ
ポート2から逃げるため、何ら悪影響は生じない。
【0038】図2(a)はフルレンジスピーカユニット
2を用いたスピーカシステムAと、低音用スピーカユニ
ット5を用いたスピーカシステムBとのそれぞれの周波
数特性を示す特性図である。また、図2(b)はフルレ
ンジスピーカユニット2を用いたスピーカシステムA
と、低音用スピーカユニット5を用いたスピーカシステ
ムBとによって構成された本実施の形態例のスピーカシ
ステムの総合的な周波数特性を示す特性図である。な
お、ここに示す特性は、以上の説明で具体例として挙げ
た数値によって構成したシステムの特性の一例である。
【0039】上述したように、振動板に要求される条件
を満たすことで共振尖鋭度Qoが0.3程度と低くなっ
たフルレンジスピーカユニット1では、バスレフポート
2のチューニング周波数を80Hzと設定した場合であ
っても、100Hz以下の低域の音圧が中高域に比較し
てなだらかに低下する傾向になっている(図2(a)実
線)。この場合に、フルレンジスピーカユニット1の最
低共振周波数fo(80Hz)の0.5倍に設定された
第2のスピーカシステムBのバスレフポート6(40H
z)と低音用スピーカユニット5とを備えたスピーカシ
ステムBの周波数特性は、40Hz〜80Hzをほぼフ
ラットに出力することが可能になっている(図2(a)
破線)。
【0040】このような本実施の形態例のスピーカシス
テムで、フルレンジスピーカユニット1と低音用スピー
カユニット5とを同位相で駆動することで、フルレンジ
スピーカユニット1単体では音圧が低下する100Hz
以下であって、バスレフポート2のチューニング周波数
である80Hzまでの低域では、低音用スピーカユニッ
ト5の振動に助けられて、フルレンジスピーカユニット
1の振動板が十分な振幅をもって振動する。
【0041】さらに、バスレフポート2のチューニング
周波数である80Hz以下の低域の周波数については、
低音用スピーカユニット5の振動がバスレフポート6か
ら出力される。
【0042】なお、第1のスピーカシステムAの空気室
4の内容積は、フルレンジスピーカユニット1のスティ
フネスをSoとし、キャビネットの内容積による等価的
なスティフネスをSvとしたとき、 0.5So≦Sv≦So の範囲を満足するように定めると共に、バスレフポート
2のチューニング周波数を、フルレンジスピーカユニッ
ト1の最低共振周波数foと等しく設定する、ことが望
ましい。
【0043】このように構成することで、軽量,高剛
性,高内部損失の振動板を有するフルレンジスピーカユ
ニットの良さを生かすことが可能になる。また、第2の
スピーカシステムBのバスレフポート6のチューニング
周波数は、フルレンジスピーカユニット1の最低共振周
波数foの0.3倍以上0.5倍以下に設定する、こと
が望ましい。
【0044】このように構成することで、フルレンジス
ピーカユニット1に対するキャビネットの内容積が適切
な大きさとなり、フルレンジスピーカユニット1の低音
再生能力を最大限に引き出すと共に、第2のスピーカシ
ステムBにより低音域が増強され、フルレンジスピーカ
ユニット+スーパーウーハーとしてのワイドレンジのス
ピーカシステムを実現できる。
【0045】また、第1のスピーカシステムAのフルレ
ンジスピーカユニット1は、口径が12cm以下であ
り、共振尖鋭度Qoが0.4以下である、ことが望まし
い。このように口径を小さくすることで指向特性が改善
でき、ステレオ再生時の最適聴取位置(スィートスポッ
ト)を拡大できる。また、Qoが低いということは過渡
特性が優れていることであり、入力信号(音楽)を忠実
に再生できる。従って、高忠実度(HiFi)スピーカシス
テムを構築できるようになる。
【0046】また、第2のスピーカシステムBのスピー
カユニット5の実効振動質量が第1のスピーカシステム
Aのフルレンジスピーカユニット1の実効振動質量の2
倍以上であり、第2のスピーカシステムBのスピーカユ
ニット5の口径が第1のスピーカシステムAのフルレン
ジスピーカユニット1の口径以上である、ことが望まし
い。この場合、同じ低い周波数の信号をスピーカユニッ
トに加えると、口径の大きいスピーカユニットでは振幅
が小さくなる。また、実効振動質量が大きいと、キャビ
ネットの内容積を小さくすることができる。したがっ
て、フルレンジスピーカユニットの性能を生かしつつ比
較的小型のスピーカシステムを構築することができる。
【0047】なお、フルレンジスピーカユニットの振動
板材料は、近年、バイオセルロースや高弾性繊維、ケナ
フやバナナパルプなどを組み合わせることで、振動板に
要求される物性(軽量,高剛性,高内部損失)をほぼ満
足できるものができるようになってきた。また、軽い振
動板(振動系)でもfoを低くすることのできるエッジ
も構築されている。しかし、これを強力な磁気回路で駆
動すれば、Qoが低くなるので、これまでのスピーカシ
ステムではバックロードホーンなどの特殊な方法でしか
低音までの再生ができなかった。バックロードホーンは
ホーンの長さで共振するため、例えば80Hzに共振を
求めれば、その長さは2mになり、スピーカユニットに
対して大型のスピーカシステムになってしまう問題があ
る。これに対し、本実施の形態例では、フルレンジスピ
ーカユニットの制動の良さを活かしながら、小型で低音
まで十分に再生できるスピーカシステムを提供すること
ができる。
【0048】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明のス
ピーカシステムでは、2つのスピーカシステムが同位相
で駆動されており、中高音域では、第1のスピーカシス
テムにより小型,軽量でQoの低いフルレンジスピーカ
ユニットとしての動作がなされること指向特性や過渡特
性の良さを生かしたフルレンジスピーカユニットの特徴
が生きてくる。なお、中高音域では、振動板の振幅が小
さくなるため、フルレンジスピーカユニットの特徴だけ
が生きてくる。また、フルレンジスピーカユニットの最
低共振周波数近傍の低音域では、フルレンジスピーカユ
ニットと低音用スピーカユニットとが同位相で駆動され
ることで、低音用スピーカユニットに助けられて、フル
レンジスピーカユニットの振動板は十分な振幅をもって
振動する。また、第1のスピーカシステムで不足する低
域については、フルレンジスピーカユニットの最低共振
周波数foの0.3倍以上0.5倍以下に設定された第
2のスピーカシステムのバスレフポートによって補強さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態例のスピーカシステムの
断面構成を示す構成図である。
【図2】本発明のスピーカシステムの周波数特性を示す
特性図である。
【図3】従来のスピーカシステムの構成を示す構成図で
ある。
【図4】スピーカユニットの共振尖鋭度と周波数特性の
関係を示す特性図である。
【図5】従来のスピーカシステムの構成を示す構成図で
ある。
【符号の説明】
A 第1のスピーカシステム 1 フルレンジスピーカユニット 2 バスレフポート 3 エンクロージャ 4 空気室 B 第2のスピーカシステム 5 低音用スピーカユニット 6 バスレフポート 7 エンクロージャ 8 空気室

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フルレンジスピーカユニットを用いてバ
    スレフポートを備えた第1のスピーカシステムと、 前記第1のスピーカシステムの後面部を前面バッフルと
    して使用し、該前面バッフルに低音用スピーカユニット
    が取り付けられておりバスレフポートを備えた第2のス
    ピーカシステムと、を備えたことを特徴とするスピーカ
    システム。
  2. 【請求項2】 前記第1のスピーカシステムの空気室の
    内容積は、前記第1のスピーカシステムのフルレンジス
    ピーカユニットのスティフネスをSoとし、キャビネッ
    トの内容積による等価的なスティフネスをSvとしたと
    き、 0.5So≦Sv≦So の範囲を満足するように定めると共に、前記第1のスピ
    ーカシステムのバスレフポートのチューニング周波数
    を、前記フルレンジスピーカユニットの最低共振周波数
    foと等しく設定する、ことを特徴とする請求項1記載
    のスピーカシステム。
  3. 【請求項3】 前記第2のスピーカシステムのバスレフ
    ポートのチューニング周波数は、前記フルレンジスピー
    カユニットの最低共振周波数foの0.3倍以上0.5
    倍以下に設定する、ことを特徴とする請求項1または請
    求項2のいずれかに記載のスピーカシステム。
  4. 【請求項4】 前記第1のスピーカシステムのフルレン
    ジスピーカユニットは、口径が12cm以下であり、共
    振尖鋭度Qoが0.4以下である、ことを特徴とする請
    求項1乃至請求項3のいずれかに記載のスピーカシステ
    ム。
  5. 【請求項5】 前記第2のスピーカシステムの低音用ス
    ピーカユニットの実効振動質量が前記第1のスピーカシ
    ステムのフルレンジスピーカユニットの実効振動質量の
    2倍以上であり、前記第2のスピーカシステムの低音用
    スピーカユニットの口径が前記第1のスピーカシステム
    のフルレンジスピーカユニットの口径以上である、こと
    を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の
    スピーカシステム。
  6. 【請求項6】 前記第1のスピーカシステムのフルレン
    ジスピーカユニットと前記第2のスピーカシステムの低
    音用スピーカユニットとは同位相で駆動される、ことを
    特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のス
    ピーカシステム。
JP11234012A 1999-08-20 1999-08-20 スピーカシステム Pending JP2001061193A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101612767B1 (ko) * 2009-06-03 2016-04-18 에스케이텔레콤 주식회사 지향성 스피커 모듈을 구비한 휴대용 단말기 및 지향성 스피커 모듈 방법

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KR101612767B1 (ko) * 2009-06-03 2016-04-18 에스케이텔레콤 주식회사 지향성 스피커 모듈을 구비한 휴대용 단말기 및 지향성 스피커 모듈 방법

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