JP3223793B2 - スピーカシステム - Google Patents

スピーカシステム

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JP3223793B2
JP3223793B2 JP10239096A JP10239096A JP3223793B2 JP 3223793 B2 JP3223793 B2 JP 3223793B2 JP 10239096 A JP10239096 A JP 10239096A JP 10239096 A JP10239096 A JP 10239096A JP 3223793 B2 JP3223793 B2 JP 3223793B2
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    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R3/00Circuits for transducers, loudspeakers or microphones
    • H04R3/12Circuits for transducers, loudspeakers or microphones for distributing signals to two or more loudspeakers
    • H04R3/14Cross-over networks

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小型、ローコスト
でありながら、低域の再生能力を向上させたスピーカシ
ステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年のデジタル化に伴うAV機器の高音
質化、小型化や低価格化に対応するため、ローコストか
つ小内容積でありながら低域再生能力を高めたスピーカ
システム、またはサブウーハなどが望まれてきている。
これらAV機器とは、単品スピーカシステムやシステム
ステレオに限らず、車載用ステレオ、テレビ、電子楽
器、PA装置なども含まれる。
【0003】低域再生能力を高めるとは、一定のキャビ
ネット内容積、一定の低域再生限界周波数(カットオフ
周波数とも呼ばれ、音圧フラットな帯域のレベルから3
dB低下した周波数を指す)を維持しながら出力音圧レ
ベル(能率)を高くする、あるいは一定のキャビネット
内容積、一定の出力音圧レベルを維持しながら低域再生
限界周波数を伸張することを意味する。これは、一定の
出力音圧レベル、一定の低域再生限界周波数を維持しな
がら、キャビネット内容積を小さくすることでもある。
【0004】このために、密閉型スピーカの他にバスレ
フ型、音響迷路型、共鳴管型などの様々な低音再生スピ
ーカ(キャビネット)方式が提案されてきた。しかしい
ずれの方式も一長一短があり総合的に見ると低域再生能
力に大きな差はなく、結局コストアップの幾分少ないバ
スレフ型によるスピーカシステムが最も多く用いられる
ところとなっている。
【0005】バスレフ型のスピーカシステムについては
文献を参照するまでもなく広く知られているが、以下に
従来のバスレフ型による最も一般的なスピーカシステム
ついて、図面を参照しながら説明する。図9は従来のバ
スレフ型によるスピーカシステムの一例の構造図、図1
0はこの周波数特性図である。図9に示すように、ポー
ト53cが設けられたバスレフ型のキャビネット53に
は、ウーハ56とツィータ57が取り付けられている。
入力端子55から印加された電気信号は、ネットワーク
54により帯域分割されてウーハ56とツィータ57に
分配される。
【0006】図10に示すように、ウーハは低域再生限
界周波数fcからクロスオーバ周波数fcrまでを再生
し、ツィータはfcr以上の帯域を再生する。通常クロス
オーバ周波数fcrは、この例のような2ウェイスピーカ
システムでは1kHz前後〜数kHzであり、3ウェイ
スピーカシステムでは数百Hz〜3kHz前後、および
数kHzである。
【0007】そして図9において、キャビネット53の
中の空気等価コンプライアンスとポート53cの空気の
等価質量によるバスレフ型特有の共振(反共振とも呼ば
れる)が生じ、この共振周波数(一般的に反共振周波数
と呼ばれる)付近では主にポート53cから低音が効率
良く放射される。一般に反共振周波数は、同容積の密閉
型キャビネットにスピーカユニットを収納した時の最低
共振周波数よりも低く設定される。
【0008】上記構成によりポートの反共振を利用する
ことにより、一般的に同内容積の密閉型スピーカよりも
5〜15%程度低域再生限界周波数を下げることができ
る。逆に低域再生限界周波数を揃えた場合には、出力音
圧レベルを密閉型スピーカよりも一般的に1dB程度高
くすることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、低域再生能力に限界があるという、またロ
ーコスト化ができないという問題点があった。以下、こ
れらの問題点について、その理由を図面を参照しながら
説明する。図11はバスレフ型スピーカの周波数特性図
であり、スピーカユニット(ウーハ)のBL(Bは磁気
回路の磁束密度、Lはボイスコイル有効導体長)を変化
させた時の音圧周波数特性の変化を示している。BLが
大きいほど磁気回路が強力であることを意味する。
【0010】図11に示すように、フラットな周波数特
性を与える最適BL値が存在する。これよりBLを大き
くすると中高音域のレベルは高くなるが低音域のレベル
が低下、逆にBLを小さくすると低音域のレベルは高く
なるが低音域にピークを生じて且つ中高音域のレベルが
低下する。つまり低音域と中音域以上の高い能率を両立
することはできない。言い換えればフラットな特性を維
持したまま全帯域にわたって出力音圧レベルを高くする
ことはできない。これは、駆動力と出力音圧レベルはB
Lに比例する一方、BLが大きくなると電磁制動抵抗R
e=(BL)2/Rv(Rvはボイスコイル直流抵抗)が大
幅に大きくなって、低域共振のQが低下してしまうため
である。
【0011】ここで、スピーカユニットの支持系スティ
フネスがキャビネット内空気の等価スティフネスに比べ
て十分小さい理想状態を考える。スピーカユニットの実
効振動面積をS、実効振動質量をm0とすると、出力音
圧レベルはS×BL/m0に比例し、一定内容積におい
て最低共振周波数f0(バスレフ型には2つの共振周波
数と反共振周波数があるが、周波数の高い方の共振周波
数を指す)はS/m0 1/2に比例する。また低域共振のQ
はスピーカユニットの振動系の機械抵抗をRmとする
と、Q=2×π×f0×m0/(Rm+Re)であるが、R
mは電磁制動抵抗Reに比べて十分小さいので、Qはf0
×m0/Reにほぼ比例する。
【0012】実効振動面積をN倍にすると音圧はN倍に
なるが、f0がN倍、共振のQもN倍になる。そこでま
ずf0を元の周波数に戻すためにm0をN2倍にすると、
これにより共振のQはN2倍になる。次にBLをN倍す
ることにより共振のQを元の値に戻すことができる。と
ころが音圧はm0をN2倍したことで1/N2倍、さらに
BLをN倍したことでN倍になるので、結局のところ実
効振動面積をN倍にしても音圧は元の値に戻ってしま
う。
【0013】従って一定内容積においては、フラットな
特性を維持したまま全帯域にわたって出力音圧レベルを
高くすることはできず、限界値が存在する。逆に出力音
圧レベルを一定とすると低域再生限界周波数に限界値が
存在する。また出力音圧レベル、低域再生限界周波数を
一定とすると、内容積の(これ以上小さくできないとい
う)限界値が存在する。つまり低域再生能力には限界が
存在するということであり、このことは密閉型、バスレ
フ型など、低音域で集中音響定数系として動作するあら
ゆるスピーカについて当てはまることである。
【0014】図12には、密閉型スピーカにおいてスピ
ーカユニットのBLを変化させた時の音圧周波数特性の
変化(密閉型スピーカにおいては最低共振のQが0.7
の時に最もフラットな特性が得られる)を示している。
バスレフ型スピーカと同様の傾向が見られる。従来の密
閉型スピーカでは、聴感面、特性面から最低共振のQが
0.5〜1.0程度に選ばれており、大きくてもQが
1.1程度を越えるものはなかった。Qが大きくなると
最低共振周波数付近でブーミーな音質となるためであ
る。これは周波数特性的に最低共振周波数付近だけが盛
り上がり、過渡特性が悪くなるためである。
【0015】Qが高くても周波数特性がフラットなら
ば、過渡特性はあまり悪化しない(例えばカットオフ特
性の急峻な電気フィルタ)が、1個のスピーカユニット
ではこれを実現することはできない。またバスレフ型は
密閉型よりも低域再生能力は高いが、フラットな周波数
特性を得るためには密閉型よりも大きなBL値を必要と
することは周知である。従って強力な磁気回路(大きな
界磁部)が必要となるのでコストアップを招くことにな
る。
【0016】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、低域再生能力を従来の限界よりもさらに高めた、な
おかつローコストなスピーカシステムを提供することを
目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のスピーカシステムは、第1のキャビティに第
1のスピーカユニットを収納した第1のスピーカと、前
記第1のスピーカと共に駆動される、第2のキャビティ
に第2のスピーカユニットを収納した第2のスピーカと
を備え、前記第1のスピーカの最低共振周波数をf1、
共振先鋭度をQ1、前記第2のスピーカの最低共振周波
数をf2、前記第1のスピーカと前記第2のスピーカの
クロスオーバ周波数をfcrとした時に、 1.4≦Q1≦10,f1<f2, f1≦fcr≦f1×{(Q12+1.2Q1)/(Q12
2.5)}0.5×k, 1≦k≦{(Q1/(Q1−1.4)}2.5 なる条件を満たしたものである。
【0018】この構成により、第1のスピーカの低域共
振のQが非常に高いので低音域で高い出力音圧レベルが
得られ、また第1のスピーカと独立した第2のスピーカ
を用いるので中低音域以上でも高い出力音圧レベルが得
られる。そして両スピーカを最適条件でクロスオーバさ
せるので、クロスオーバ周波数付近の周波数特性はフラ
ットとなり、その結果全体域にわたって高い出力音圧レ
ベルでフラットな周波数特性が得られる。
【0019】また第1のスピーカは低域共振のQを非常
に高くすることから、最もコストがかかるスピーカユニ
ットの界磁部が非常に小さくて済むので、ローコスト化
することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、第1のキャビティに第1のスピーカユニットを収納
した第1のスピーカと、前記第1のスピーカと共に駆動
される、第2のキャビティに第2のスピーカユニットを
収納した第2のスピーカとを備え、前記第1のスピーカ
の最低共振周波数をf1、共振先鋭度をQ1、前記第2の
スピーカの最低共振周波数をf2、前記第1のスピーカ
と前記第2のスピーカとのクロスオーバ周波数をfcrと
した時に、 1.4≦Q1≦10,f1<f2, f1≦fcr≦f1×{(Q12+1.2Q1)/(Q12
2.5)}0.5×k, 1≦k≦{(Q1/(Q1−1.4)}2.5 なる条件を満たしたものであり、従来の限界を越える高
い低域再生能力が得られかつローコスト化が図れる。
【0021】本発明の請求項2に記載の発明は、少なく
とも第2のスピーカに対する低域信号減衰手段を有する
ネットワーク回路を設け、入力端子側から見た前記第2
のスピーカの最低インピーダンスを第1のスピーカの直
流抵抗以上とし、前記第1のスピーカと前記第2のスピ
ーカを電気的に並列逆位相接続し、前記第1のスピーカ
と前記第2のスピーカを一体としたものであり、請求項
1の作用に加えて単体として使え、一層実用的で小型な
スピーカシステムを実現できる。
【0022】本発明の請求項3に記載の発明は、第1の
キャビティと第2のキャビティを共用したものであり、
請求項1の作用に加えて製造の簡略化ができる。本発明
の請求項4に記載の発明は、第2のスピーカの最低共振
周波数の共振先鋭度をQ2、同一入力電圧における第1
のスピーカの出力音圧レベルをL1、第2のスピーカの
出力音圧レベルをL2とした時に、Q1×0.5≦Q2≦
Q1, L2=L1±5dBの条件を満たすものであり、請
求項1の作用に加えてバンドパス特性を有する低音再生
専用スピーカシステムを容易に実現することができる。
【0023】以下、本発明の実施の形態について図面を
参照しながら説明する。 (実施の形態1)図1は本発明の第1の実施の形態のス
ピーカシステムの構成図である。図1において、1は第
1のスピーカであり外形寸法は幅15cm×高さ15c
m×奥行き14cm、板厚は10mmである。1aは第
1のキャビティであり内容積2.0リットルの密閉型で
ある。
【0024】1bは第1のスピーカユニットであり口径
14cmのウーハである。インピーダンスは6Ω、マグ
ネットサイズは外径60mm×内径32mm×厚み9m
m、BLは4.3、実効振動半径は47mm、実効振動
質量は28g、単体の最低共振周波数は30Hz、機械
的共振先鋭度(Qm)は8.0、ボイスコイル直流抵抗
は4.8Ωである。ボイスコイルは直径25mmの8層
巻タイプであり、インダクタンスが非常に大きく、高域
の音圧レベルを減衰させている。
【0025】そして第1のスピーカユニット1aが第1
のキャビティ1bに収納されて第1のスピーカ1を構成
しており、第1のスピーカ1の最低共振周波数f1は6
2Hz、共振先鋭度Q1は2.1である。2は第2のス
ピーカであり外形寸法は幅9cm×高さ13cm×奥行
き11.5cm、板厚は10mmである。2aは第2の
キャビティであり内容積0.7リットルの密閉型であ
る。
【0026】2bは第2のスピーカユニットであり口径
7cmのフルレンジである。インピーダンスは4Ω、出
力音圧レベルは80.5dB/1Wであり、6Ωインピ
ーダンスにおける1W入力電圧においては82dBの音
圧レベルが得られる。そして第2のスピーカユニット2
bが第2のキャビティ2aに収納されて第2のスピーカ
2を構成しており、第2のスピーカ2の最低共振周波数
f2は約140Hzである。
【0027】そして本実施の形態では第1のスピーカ1
と第2のスピーカ2は、別々のパワーアンプ8,9で一
緒に駆動される(バイアンプ方式)。各パワーアンプ
8,9の周波数特性はフラットで入力感度と最大出力電
力も同じであり、音響的には各スピーカを並列接続して
1台のパワーアンプで駆動した場合と全く同じである。
なお本実施の形態では第1のスピーカ1と第2のスピー
カ2との極性は逆とした。そして第1のスピーカ1と第
2のスピーカ2とのクロスオーバ周波数fcrは約120
Hzに設定されている。
【0028】以上のように構成された本実施の形態のス
ピーカシステムについて、以下その作用と効果を図2を
参照しながら説明する。図2は本実施の形態のスピーカ
システムのシミュレーションによる周波数特性図であ
る。図2においてBは第1のスピーカの音圧周波数特
性、Cは第2のスピーカの音圧周波数特性、Aはこれら
のトータル音圧周波数特性であり、入力電圧はインピー
ダンス6Ωにおける1W相当である。またこれらの特性
は無限大バフル付きでのものである。
【0029】第1のスピーカ1の共振先鋭度Q1は2.
1と高いので、Bに示すように最低共振周波数f1の6
2Hz付近において82dB程度の高い出力音圧レベル
を得ることができる。従来のスピーカシステムでは内容
積2.7リットル(第1と第2のキャビティの合計内容
積)、同最低共振周波数で79dB程度の出力音圧レベ
ルが限界であった。
【0030】なお、本実施の形態ではボイスコイルイン
ダクタンスを利用して第1のスピーカユニット1bの高
域を減衰させているので、第1のスピーカの高域特性が
乱れていれも第2のスピーカ2bと高域で干渉を起こす
ことがない。Q1の値については、あまり小さいと出力
音圧レベルを高める効果がなくなる。1.4程度以上必
要であることがコンピュータシミュレーション解析で明
らかになった。逆にQ1が極端に大きいと過渡特性が悪
くなり聴感上問題を生じる。10程度が上限であること
が実験的に明らかになった。
【0031】一方、第2のスピーカ2の最低共振周波数
f2をf2>f1としたことで、f2を低くする必要がない
ので、容易に出力音圧レベルを高くすることができる。
本実施の形態では図2のCに示すように、この出力音圧
レベルをf1付近の出力音圧レベルとほぼ揃えている。
また第2のスピーカ2は低音域まで再生する必要がない
ので第2のスピーカユニット2bの口径は小さくて済
む。よって第2のキャビティ2aの内容積は小さくて済
み、総内容積が大幅に増えることはない。従って出力音
圧レベルが向上する効果が著しいことと相まって、上で
述べたように総内容積が同じ従来のスピーカシステムと
比較して3dB程度高い出力音圧レベルが得られる。
【0032】そして本実施の形態ではクロスオーバ周波
数fcrは約120Hzであり、 1.4≦Q1≦10,f1<f2, f1≦fcr≦f1×{(Q12+1.2Q1)/(Q12
2.5)}0.5×k, 1≦k≦{(Q1/(Q1−1.4)}2.5 の条件を満たすように設定しているので、図2のAに示
すようにクロスオーバ周波数付近でもフラットな周波数
特性が得られる。
【0033】上記のクロスオーバ周波数の設定条件は今
回初めて解析導出したものであり、この条件によりフラ
ットな周波数特性が得られることは、今回開発したコン
ピュータシミュレーションでの解析や測定実験などから
も確認ができた。言い換えれば、最低共振周波数に高い
レベルのピークを有するという一般通念上では特性が悪
くて使いものにならないスピーカと、通常の低域特性を
有するスピーカとを組み合わせて、トータルでフラット
な周波数特性が得られることを初めて見い出したもので
ある。以下少し長くなるが、この条件を満たすことによ
りフラットな周波数特性が得られることを説明する。
【0034】低域周波数fでのスピーカの出力音圧P
は、質量制御帯域における最低共振周波数f1よりも十
分に高い周波数(つまりフラットな帯域)での出力音圧
をP0とすると、P=P0×[(f/f1)/{1/Q12
+(f/f1−f1/f)20.5]で表されることは電気
音響工学上周知である。ここでX=f/f1(Xは基準
化周波数であり最低共振周波数との比率を意味する)と
置くと、P=P0×[X/{1/Q12+(X−1/
X)20.5]となる。
【0035】ところで、一般的に各々の各スピーカの出
力音圧レベルが、クロスオーバ周波数にてフラット部よ
りも数dB減衰する場合に、フラットな特性が得られ
る。例えば各スピーカのクロスオーバ周波数で、位相が
完全に一致する場合は6dB減衰(音圧が半分に減衰)
した場合に、位相差が45゜の場合は3dB減衰(パワ
ーが半分に減衰)した場合にフラットな特性が得られ
る。
【0036】本発明のスピーカシステムにおいては、第
1のスピーカの最低共振周波数f1以上での出力音圧レ
ベルの減衰特性スロープと、第2のスピーカの低域の出
力音圧レベルの減衰特性スロープは同じではなく、クロ
スオーバ周波数付近での位相は完全には一致(または反
転)していない。コンピュータシミュレーション解析の
結果、クロスオーバ周波数付近での両者の位相差は、第
1のスピーカと第2のスピーカの極性を合わせた(また
は反転させた)状態にて、30゜〜45゜程度であるこ
とが明らかになった。
【0037】このことから、クロスオーバ周波数での各
スピーカのレベルを4〜5dB程度減衰させればフラッ
トな周波数特性が得られる。ただしスピーカのボイスコ
イルにインダクタンスがあること、およびチョークコイ
ルのような高域減衰手段を併用する場合が多いと考えら
れるので、クロスオーバ周波数付近でも若干の音圧レベ
ル低下がある。従ってボイスコイルインダクタンスなど
を含まないスピーカユニット自体の理論特性を考える
と、クロスオーバ周波数付近で4dB程度のレベル減衰
をさせるのが適当である。
【0038】第1のスピーカのf1における出力音圧
(つまりピーク出力音圧)をP1とすると、P1=P0×
Q1である。全帯域の出力音圧をほぼP1に揃えることで
トータルとしてフラットな周波数特性が得られるので、
上記からクロスオーバ周波数を、ピーク出力音圧レベル
よりも4dB程度レベルが低下する(音圧が0.63倍
となる)周波数付近に設定すればよい。つまりクロスオ
ーバ周波数を、P=P1×0.63となる周波数付近に
設定すればよい。
【0039】P=P1×0.63=P0×Q1×0.6
3,P=P0×[X/{1/Q12+(X−1/X)2
0.5]なので、[X/{1/Q12+(X−1/X)2
0.5]=Q1×0.63となるXを求めればよい。上式の
両辺を2乗して、Q12{1/Q12+(X−1/X)2
=2.5X2 これを整理すると、(Q12−2.5)X2
−(2Q12−1)+Q12/X2=0となる。次に両辺に
2を掛けて、(Q12−2.5)X4−(2Q12−1)X
2+Q12=0となる。これを2次方程式の根の公式を用
いて(X2を未知数として)解いて整理すると、X2
{2Q12−1+(6Q12+1)0.5}/2(Q12−2.
5)となる。
【0040】6Q12は1に比べ十分大きいので(6Q12
+1)≒6Q12と近似し、X2=(2Q12−1+60.5
1)/2(Q12−2.5)となる。さらに(2Q12+6
0.5Q1)は1に比べ十分大きいので、(2Q12−1+6
0.5Q1)≒(2Q12+60.5Q1)と近似しX2=(2Q1
2+60.5Q1)/2(Q12−2.5)=(Q12+1.2
Q1)/(Q12−2.5)となる。
【0041】従ってX={(Q12+1.2Q1)/(Q1
2−2.5)}0.5と求まる。X=f/f1でありfはク
ロスオーバ周波数fcrに相当するから、fcr=f1×
{(Q12+1.2Q1)/(Q12−2.5)}0.5とな
り、fcrがこの付近の周波数である時に最もフラットな
周波数特性が得られることとなる。次にクロスオーバ周
波数fcrの許容偏差係数kを求める。一般に、聴感的に
問題のあまりない実用的な低域周波数特性を得るために
は、周波数特性を±3dB以内の偏差内に入れることが
必要である。
【0042】最も偏差が大きい場合を考えると次のよう
になる。つまりフラットな帯域のレベルに対してピーク
だけがある場合はこれを6dB以下にすること、フラッ
トな帯域のレベルに対してディップだけがある場合はこ
れを6dB以下にすることが必要である。クロスオーバ
周波数fcr付近に6dBのピークが生じるのは、fcr=
f1となり且つ第1と第2のスピーカの音圧位相が完全
に同じになった場合である。従ってfcr>f1とするこ
とでfcr付近のピークを6dB以下にすることができ
る。
【0043】fcr付近に6dBのディップが生じる場合
については、コンピュータシミュレーションや実験によ
り、fcrが{(Q1/(Q1−1.4)}2.5 倍程度とな
った場合であることが明らかになった。また、周波数特
性がフラットな帯域のレベルからプラスとマイナスにう
ねる場合についても、コンピュータシミュレーションに
より、fcr>f1,およびfcrが{(Q1/(Q1−1.
4)}2.5倍以内という2条件を満たせば±3dBの偏
差内に入ることが分かった。
【0044】従ってf1≦fcr≦f1×{(Q12+1.2
Q1)/(Q12−2.5)}0.5×k,1≦k≦{(Q1
/(Q1−1.4)}2.5 とすることで±3dB以内の
偏差の周波数特性を得ることができる。そしてk=1程
度における最適値をfcrがとった場合に、特にフラット
な周波数特性が得られる。なお、1.4≦Q1≦2.5
0.5(=1.58)の範囲ではfcrの条件式の右辺分母
(Q12−2.5)が負になり右辺が虚数になってしまう
が、この時は右辺の条件は無効となるので、f1≦fcr
だけの条件を満たせばよい。これは言い換えれば、Q1
が極端に大きくない場合にはクロスオーバ周波数を少々
高くしても、周波数特性上に大きなディップを生じない
ことを意味する。
【0045】本実施の形態のスピーカシステムは、以上
述べたクロスオーバ周波数の条件を満たすことにより全
帯域でフラットな周波数特性を実現し、総内容積が僅か
2.7リットルでありながら、約55Hz/−3dBと
いう非常に低い低域再生限界周波数と、約82dBの高
い出力音圧レベルを実現している。これは従来の限界よ
りも3dB程度も高い値である。そして本実施の形態で
はk=1.1でありk=1の最適条件に近いので、図2
から分かるように音圧レベル偏差が±1dB未満の極め
てフラットな周波数特性が得られている。
【0046】また本実施の形態のスピーカシステムは第
1のスピーカを密閉型としたので、従来のバスレフ型ス
ピーカシステムのような反共振周波数以下で振動板振幅
が過大になるということが起こらず、低音域で大入力が
加わっても耐えることができる。また従来のバスレフ型
スピーカシステムでは、反共振周波数以下ではスピーカ
ユニットの音圧とポートの音圧が打ち消し合って超低音
域が急激に減衰するが、本実施の形態のスピーカシステ
ムではこのようなことがなく、優れた低音感を得ること
ができる。
【0047】また従来通常のスピーカシステムの場合、
この内容積、スピーカユニット口径で55Hzまでフラ
ットな周波数特性を得るためには非常に大きなBL値が
必要であり、外径110mm程度の非常に大きなサイズ
のマグネットを必要とした。しかし、本実施の形態では
第1のスピーカ1は低域共振のQを高くするために第1
のスピーカユニット1bのBLが小さな値でよく、マグ
ネットサイズを外径60mmと非常に小さくすることが
できる。
【0048】以上のように本実施の形態によれば、第1
のスピーカの共振先鋭度が非常に高いので低音域の出力
音圧レベルを大幅に高くすることができる。また第2の
スピーカの最低共振周波数は低くする必要がないので、
中高音域の出力音圧レベルも容易に高くすることがで
き、低音域と中高音域とで高い能率を両立することがで
きる(f1<f2の条件のみならずクロスオーバ周波数f
crの条件を満足させるためには、必然的にf2はかなり
高くなる)。
【0049】そしてクロスオーバ周波数を最適条件に設
定したので、クロスオーバ周波数付近を含めて全帯域で
フラットな周波数特性が得られる。また第2のスピーカ
は低音域まで再生する必要がないので第2のスピーカユ
ニットの実効振動半径(口径)は小さくて済み、第2の
キャビティの内容積は小さくて済む。従って総内容積が
大幅に増えることはない。
【0050】従って、一定内容積にて高い出力音圧レベ
ルで全帯域にわたりフラットな周波数特性が得られ、低
域再生能力を従来の限界よりもさらに高めることができ
る。さらにまた第1のスピーカは低域共振のQを高くす
るために第1のスピーカユニットのBLは小さな値でよ
く、マグネットサイズを非常に小さくすることができ
る。従ってローコスト化が図れる。
【0051】なお本実施の形態では、第1のスピーカ、
第2のスピーカともに1個のスピーカユニットを用いた
が、複数個のスピーカユニットを用いても構わない。ま
た本実施の形態では第1のスピーカを密閉型としたが、
これを反共振周波数が最低共振周波数f1に対して十分
に低いバスレフ型としてもよい。またケルトン型スピー
カ等とすることも可能である。
【0052】さらには大型テレビのように外形サイズが
大きい場合などには、第3の実施の形態で述べるような
後面開放型などとしてもよい。この場合には第1のスピ
ーカの最低共振周波数と共振先鋭度は、第1のスピーカ
ユニット自体の値とほぼ同じになるので、スピーカユニ
ット自体の共振先鋭度が高くなるように設計すればよ
い。
【0053】また本実施の形態では第2のスピーカを密
閉型としたが、これをバスレフ型としても構わない。こ
の場合はこの反共振周波数をクロスオーバ周波数よりも
低くし第1のスピーカの最低共振周波数付近に設計すれ
ば、第2のスピーカユニットの低音域での振動板振幅が
減少し、歪を低減することができる。さらには大型テレ
ビのように外形サイズが大きい場合などには、第3の実
施の形態で述べるような後面開放型などとしてもよい。
この場合には第2のスピーカの最低共振周波数は第2の
スピーカユニット自体の値とほぼ同じになる。
【0054】また本実施の形態では第1のスピーカと第
2のスピーカを別々のパワーアンプで駆動したが、パワ
ーアンプの負荷インピーダンスが許せば、両スピーカを
並列接続して1台のパワーアンプで駆動してもよい。ま
たステレオL,Rチャンネルからの合成低域信号で駆動
される1個の第1のスピーカと、各チャンネル用のそれ
ぞれ(計2個)の第2のスピーカをこれと組み合わせる
ような、いわゆる3D方式として構成することもでき
る。チャンネル数が3個以上となっても、後で第3の実
施の形態で述べるような、1個の第1のスピーカと各チ
ャンネル数の第2のスピーカとを組み合わせて構成する
ことができる。
【0055】また本実施の形態では、第1のスピーカと
第2のスピーカの極性を逆としたが、例えば第1のスピ
ーカと第2のスピーカとの間に大きな距離差があったり
して、クロスオーバ周波数付近で位相が回るような場合
には、極性を同じとした方がフラットな特性が得られ
る。また本実施の形態では、第1のスピーカユニット自
体のボイスコイルインダクタンスを大きくして特に高域
を減衰させたが、スピーカユニットの高域特性のあばれ
が少ない場合などは、特に高域を減衰させる手段を講じ
る必要はない。なぜなら第1のスピーカば低域共振のQ
が高いので、第1のスピーカの中高域の音圧レベルはこ
の低域共振のレベル(すなわち全体域フラット部のレベ
ル)よりもずっと低くなるからである。
【0056】あるいは高域を減衰させる場合には、チョ
ークコイルや、ネット網状の音響高域カットフィルタを
用いたり、あるいはまたスピーカユニットにメカニカル
高域カットフィルタを設けたりしても構わない。またス
ピーカ側では高域減衰を行わず、アンプやイコライザな
どで高域信号を減衰させても構わないことは言うまでも
ない。
【0057】また本実施の形態では第2のスピーカの低
域信号減衰を特に行わなかったが、スピーカのネットワ
ークやアンプやイコライザなどで低域信号を減衰させて
ももちろん構わない。その他、本発明は上記説明した例
に限定されるものでないことは、言うまでもない。
【0058】(実施の形態2)図3は第2の実施の形態
のスピーカシステムの構成図である。図3において、1
1aは第1のキャビティであり内容積1リットルの密閉
型である。11bは第1のスピーカユニットであり口径
10cmのウーハである。インピーダンスは4Ω、マグ
ネットサイズは外径55mm×内径26mm×厚み9m
mと小型であり、BLは3.0、実効振動半径は40m
m、実効振動質量は22g、単体の最低共振周波数は2
7Hz、機械的共振先鋭度は10、ボイスコイルは直径
19mmの6層巻タイプ、ボイスコイル直流抵抗は3.
2Ωである。
【0059】そして第1のスピーカユニット11bが第
1のキャビティ11aに収納されて第1のスピーカ11
を構成しており、第1のスピーカ11の最低共振周波数
f1は69Hz、共振先鋭度Q1は2.5である。12a
は第2のキャビティであり内容積0.3リットルの密閉
型である。12bは第2のスピーカユニットであり口径
6.5cmのフルレンジである。
【0060】マグネットサイズは第1のスピーカユニッ
トと同じく外径55mm×内径26mm×厚み9mmで
ある。BLは4.7、実効振動半径は25mm、実効振
動質量は1.8g、単体の最低共振周波数は80Hz、
出力音圧レベルは85dB/W(4Ω時1W入力では8
0dB)である。機械的共振先鋭度は5.0、ボイスコ
イルは直径19mmの2層巻タイプである。
【0061】そして第2のスピーカユニット12bが第
2のキャビティ12aに収納されて第2のスピーカ12
を構成しており、第2のスピーカの最低共振周波数f2
は175Hzである。第1のスピーカ11と第2のスピ
ーカ12とのクロスオーバ周波数fcrは、第1の実施の
形態で説明した条件を満たす、135Hz(k=1.2
5)に設定されている。以上は第1の実施の形態で説明
したのと同様の内容である。
【0062】本実施の形態では第1のスピーカ11と第
2のスピーカ12がキャビネット13に一体化されてい
る。キャビネット13の外形寸法は幅14cm×高さ2
0cm×奥行き9cmという小型であり、板厚は10m
mである。そして本実施の形態では入力端子15に接続
されたネットワーク回路14を設け、第2のスピーカ1
2に対する低域信号減衰手段と、第1のスピーカ11に
対する高域信号減衰手段を備えている。この詳細を図4
に示す。図4は本実施の形態のスピーカシステムのネッ
トワーク回路図である。
【0063】図4において、24dは低域信号減衰手段
となるコンデンサであり容量は150μFである。24
aは高域信号減衰手段となるチョークコイルでありイン
ダクタンスは1mH、24bはコンデンサであり容量は
33μF、24cは抵抗であり3.3Ωである。また本
実施の形態では、第2のスピーカユニット12bのイン
ピーダンスは12Ω、直流抵抗(最低インピーダンス)
は10Ωであり、第1のスピーカ11bの直流抵抗より
も大きな値としている。そして本実施の形態では図4に
示すように、第1のスピーカユニット21bと第2のス
ピーカユニット22bが並列逆位相接続されている。
【0064】以上のように構成された本実施の形態のス
ピーカシステムの基本的な作用と効果は、第1の実施の
形態と全く同様である。つまり、図5は本実施の形態の
スピーカのシミュレーションによる周波数特性図(無限
大バフル付き、入力電圧はインピーダンス4Ωにおける
1W相当)であるが、このAに示すように総内容積がわ
ずか1.3リットルでありながら60Hz程度の低い低
域再生限界周波数が得られており、なおかつ80dBの
出力音圧レベル(従来スピーカシステムでは76dB程
度が限界)が得られている。そして±1.5dBの偏差
内に入るほぼフラットな周波数特性が得られている。
【0065】コスト的にも従来のスピーカシステムより
も大幅に安くすることができる。なぜなら従来のスピー
カシステムが要するウーハとツィータの合計マグネット
重量よりも、本実施の形態が要するウーハとフルレンジ
の合計マグネット重量の方がはるかに小さいからでる。
さらに本実施の形態では第2のスピーカ12に対する低
域信号減衰手段をもつネットワーク回路14を設け、第
2のスピーカ12の最低インピーダンスを第1のスピー
カ11の直流抵抗以上としたので、第2のスピーカ12
のインピーダンスが下がりすぎない。
【0066】図5のEは第1のスピーカのインピーダン
ス特性、Fは第2のスピーカのインピーダンス特性、D
はこれらのトータルインピーダンス特性を示すが、図1
2のDに示すようにトータルインピーダンスが下がりす
ぎることがない。つまりインピーダンスが低くなりすぎ
てアンプに無理な負担をかけることがない。また第1の
スピーカと第2のスピーカを一体としたので、第1の実
施の形態よりも一層の小型化ができる。従って単体とし
て使えアンプに無理な負担をかけずそして低域再生能力
が高くかつローコストな、非常に実用的高性能なスピー
カシステムが実現できる。
【0067】なお第1のスピーカと第2のスピーカとの
極性を逆としたが、これは第2のスピーカの位相が低域
を減衰させることで進み、クロスオーバ周波数付近での
両者の位相差が180゜近くになるので逆位相接続する
必要があるためである。なお本実施の形態では、第1の
スピーカの高域をネットワークで減衰させたが、例えば
スピーカユニット自体で高域が減衰しているような場合
には、必ずしもその必要はない。
【0068】また本実施の形態では第2のスピーカのイ
ンピーダンスを12Ωとしたが、例えば第2のスピーカ
ユニットのインピーダンスが第1のスピーカの直流抵抗
よりも低くても、ネットワークに例えば直列に抵抗が入
っていて端子板から見たインピーダンスが第1のスピー
カの直流抵抗以上になれば構わない。また本実施の形態
ではウーハとフルレンジによる2ウェイ構成としたが、
フルレンジをミッドレンジとし、これにツィータを加え
た3ウェイなどとしてもよいことはもちろんである。
【0069】その他、本発明は上記説明した例に限定さ
れるものでないことは、言うまでもない。 (実施の形態3)図6は本発明の第3の実施の形態のス
ピーカシステムの構造図である。33は32インチのテ
レビのキャビネットであり、後面解放型である。本実施
の形態では1個の第1のスピーカユニット31bがキャ
ビネット33の天面に取り付けられている。また3チャ
ンネル分の3個の第2のスピーカユニット32bが同じ
くキャビネット33の前面に取り付けられている。
【0070】第1のスピーカユニット31bは口径12
cmのウーハである。マグネットサイズは外径45mm
×内径22mm×厚み8mmであり、防磁カバーを付け
ている。単体の最低共振周波数は100Hz、共振先鋭
度は3.0である。第2のスピーカユニット32bは3
cm×12cmの長円形のフルレンジであり、アルニコ
マグネットの内磁型界磁部をもち単体の最低共振周波数
は180Hzである。
【0071】第1のスピーカと第2のスピーカとのクロ
スオーバ周波数は約180Hzであり、第1の実施の形
態で説明した条件を満たしている。そして各スピーカは
第1の実施の形態と同様に別々の(計4台の)パワーア
ンプで駆動される。キャビネット33は後面解放型なの
で、第1、第2のスピーカユニットの最低共振周波数は
ほとんど上昇せず、共振先鋭度もほとんど変わらない。
【0072】以上のように構成された本実施の形態のス
ピーカシステムの基本的な作用と効果は、第1の実施の
形態と全く同様である。さらに本実施の形態では、第1
のスピーカユニットと第2のスピーカユニットがキャビ
ネット(キャビティ)を共用したことにより、取付や結
線が容易であり製造を簡略化することができる。
【0073】なお本実施の形態では各スピーカはすべて
別々のパワーアンプで駆動されたが、例えば2チャンネ
ルテレビ音声信号の各チャンネルに対して1台ずつのパ
ワーアンプを用い、第1のスピーカと第2のスピーカを
ネットワークを用いて結合した第2の実施の形態で述べ
たようなスピーカシステムとしてももちろん構わない。
【0074】また本実施の形態ではキャビティを後面開
放型としたが、これを密閉型などとすることも可能であ
る。この場合には第2のスピーカユニットの支持系ステ
ィフネスを大きくして、第1のスピーカユニットが発生
するキャビティ内音圧によって第2のスピーカユニット
の振動板が振られることを、緩和するように設計すれば
よい。
【0075】(実施の形態4)図6は本発明の第4の実
施の形態のスピーカシステムの構成図である。第1のス
ピーカ41は、口径17cmウーハの第1のスピーカユ
ニット41bを、内容積7.0リットルの第1のキャビ
ティ41に収納したものである。第2のスピーカ42
は、口径12cmウーハの第2のスピーカユニット42
bを内容積1.0リットルのキャビティ42に収納した
ものである。そして第1のスピーカ41と第2のスピー
カ42はキャビネット43に一体化されている。キャビ
ネット43の外形寸法は幅22cm×高さ37cm×奥
行き14cmであり、板厚は10mmである。
【0076】第1のスピーカユニット41bは、マグネ
ットサイズは外径65mm×内径32mm×厚み10m
m、BLは5.1、実効振動半径は65mm、実効振動
質量は16g、単体の最低共振周波数は45Hz、機械
的共振先鋭度は10、ボイスコイルは直径25mmの4
層巻、ボイスコイル直流抵抗は6.0Ωである。第2の
スピーカユニット42bは、マグネットサイズは外径6
0mm×内径32mm×厚み9mm、BLは5.0、実
効振動半径は45mm、実効振動質量は8g、単体の最
低共振周波数は65Hz、機械的共振先鋭度は4、ボイ
スコイルは直径25mmの4層巻、ボイスコイル直流抵
抗は7.2Ωである。
【0077】第1のスピーカのインピーダンスは6Ω、
最低共振周波数f1は86Hz、共振先鋭度Q1は1.7
である。第2のスピーカ42のインピーダンスは8Ω、
最低共振周波数f2は155Hz、共振先鋭度Q2は1.
35である。第2の実施の形態で述べたインピーダンス
の条件を満たしている。また両スピーカのクロスオーバ
周波数は190Hzであり、第1の実施の形態で述べた
条件を満たしている。
【0078】また入力端子45に2.83Vの電圧を加
えた時の第1のスピーカの出力音圧レベルL1は約85
dB、第2のスピーカの出力音圧レベルL2は約84d
Bである。第2のスピーカ42には低域信号減衰手段と
してコンデンサ44が設けられており、この容量は12
0μFである。そして第1のスピーカ41と第2のスピ
ーカ42は入力端子45に対して逆位相並列接続されて
いる。
【0079】以上のように構成された本実施の形態のス
ピーカシステムの基本的な作用と効果は、第1、第2の
実施の形態と全く同様である。つまり総内容積8リット
ルながら、低域限界周波数75Hzで91dBの高能率
を実現しており、ローコスト化もできる。さらに本実施
の形態では、Q2をQ1×0.5≦Q2≦Q1の条件を満た
すような大きな値としたことにより、第2のスピーカは
最低共振周波数f2付近で音圧レベルが極大となり、ま
た最低共振周波数以上では音圧レベルがなだらかな減衰
傾向となる。
【0080】また各スピーカ41、42の同一入力電圧
における出力音圧レベルL1、L2に対して、L2=L1±
5dBの条件を満たすようにしたことにより、中高音域
においては両スピーカ41、42の出力音圧レベルが近
い値となる。そして第1のスピーカ41と第2のスピー
カ42は逆位相接続されているため、中高音域では各ス
ピーカの音圧が打ち消しあって、トータル音圧レベルは
f2以上から減衰することとなる。
【0081】従って、第2のスピーカ42の最低共振周
波数付近以上から減衰するバンドパス特性を有する、低
音再生専用スピーカシステムを実現することができる。
図8は本実施の形態のスピーカシステムの周波数特性図
であるが、第2のスピーカ42の最低共振周波数の15
5Hz付近以上から減衰したバンドパス特性が得られて
いることが分かる。
【0082】またQ1、Q2ともに大きな値とするため、
第1のスピーカユニット、第2のスピーカユニットとも
に小さなマグネットで済むので、一層のローコスト化が
できる。なお本実施の形態では両スピーカともに高域減
衰手段を用いなかったが、例えば第1のスピーカのボイ
スコイルインダクタンスが大きい場合、中高域の音圧レ
ベルを揃えるために第2のスピーカの方にチョークコイ
ルを入れてもよい。
【0083】またもちろん両スピーカを並列接続された
ものに対してチョークコイル等の高域減衰手段を入れて
もよい。このようにすると高域を一層減衰させることが
できる。また同一入力電圧における第2のスピーカユニ
ット自体の出力音圧レベルが第1のスピーカユニット自
体の出力音圧レベルよりも高すぎる場合は、入力端子と
第2のスピーカユニットとの間に抵抗などを挿入して、
第2のスピーカの出力音圧レベルを下げればよい。
【0084】その他、本発明は上記説明した例に限定さ
れるものでないことは、言うまでもない。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、第
1のスピーカの共振先鋭度が非常に高いので低音域の出
力音圧レベルを大幅に高くすることができる。また第2
のスピーカの最低共振周波数は低くする必要がないの
で、中高音域の出力音圧レベルも容易に高くすることが
できる。そしてクロスオーバ周波数を上で詳説した最適
条件に設定したので、全帯域にわたり高い出力音圧レベ
ルでフラットな周波数特性が得られ、低域再生能力を従
来の限界よりもさらに高められるという効果が得られ
る。また第1のスピーカは低域共振のQを高くするため
に第1のスピーカユニットのBLは小さな値でよく、マ
グネットサイズを非常に小さくすることができるのでロ
ーコスト化ができるという効果も得られる。
【0086】また第2のスピーカに対する低域信号減衰
手段をもつネットワーク回路を設け、第2のスピーカの
最低インピーダンスを第1のスピーカの直流抵抗以上と
し、第1のスピーカと第2のスピーカを一体とすること
により、アンプに無理な負担をかけず、単体として使
え、より小型で低域再生能力が高くかつローコストな非
常に実用的高性能なスピーカシステムが実現できるとい
う効果が得られる。
【0087】また第1のスピーカユニットと第2のスピ
ーカユニットがキャビネット(キャビティ)を共用する
ことにより、製造を簡略化できるという効果が得られ
る。またQ2をQ1×0.5≦Q2≦Q1の条件を満たすよ
うな大きな値とし、各スピーカの出力音圧レベルを近い
値とし、第1のスピーカと第2のスピーカの極性を逆と
することにより、中高音域において各スピーカの音圧が
第2のスピーカの最低共振周波数以上から打ち消しあっ
て、バンドパス特性を有する高性能でローコストな低域
再生専用スピーカシステムが実現できるという効果が得
られる。
【0088】以上のように本発明は極めて大きな実用的
価値をもつものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態におけるスピーカシステムの
構成図
【図2】第1の実施の形態におけるスピーカシステムの
周波数特性図
【図3】第2の実施の形態におけるスピーカシステムの
構成図
【図4】第2の実施の形態におけるスピーカシステムの
ネットワーク回路図
【図5】第2の実施の形態におけるスピーカシステムの
周波数特性図
【図6】第3の実施の形態におけるスピーカシステムの
構成図
【図7】第4の実施の形態におけるスピーカシステムの
構成図
【図8】第4の実施の形態におけるスピーカシステムの
周波数特性図
【図9】従来のスピーカシステムの構成図
【図10】従来のスピーカシステムの周波数特性図
【図11】従来のスピーカシステムの周波数特性図
【図12】従来のスピーカシステムの周波数特性図
【符号の説明】
1 第1のスピーカ 1a 第1のキャビティ 1b 第1のスピーカユニット 2 第2のスピーカ 2a 第2のキャビティ 2b 第2のスピーカユニット 8 パワーアンプ 9 パワーアンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04R 1/26 H04R 3/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のキャビティに第1のスピーカユニ
    ットを収納した第1のスピーカと、前記第1のスピーカ
    と共に駆動される、第2のキャビティに第2のスピーカ
    ユニットを収納した第2のスピーカとを備え、前記第1
    のスピーカの最低共振周波数をf1、共振先鋭度をQ1、
    前記第2のスピーカの最低共振周波数をf2、前記第1
    のスピーカと前記第2のスピーカとのクロスオーバ周波
    数をfcrとした時に、 1.4≦Q1≦10,f1<f2, f1≦fcr≦f1×{(Q12+1.2Q1)/(Q12
    2.5)}0.5×k, 1≦k≦{(Q1/(Q1−1.4)}2.5 なる条件を満たすことを特徴とする、スピーカシステ
    ム。
  2. 【請求項2】 少なくとも第2のスピーカに対する低域
    信号減衰手段を有するネットワーク回路を設け、入力端
    子側から見た前記第2のスピーカの最低インピーダンス
    を第1のスピーカの直流抵抗以上とし、前記第1のスピ
    ーカと前記第2のスピーカを電気的に並列逆位相接続
    し、前記第1のスピーカと前記第2のスピーカを一体と
    したことを特徴とする、請求項1記載のスピーカシステ
    ム。
  3. 【請求項3】 第1のキャビティと第2のキャビティを
    共用したことを特徴とする、請求項1または2記載のス
    ピーカシステム。
  4. 【請求項4】 第2のスピーカの最低共振周波数の共振
    先鋭度をQ2、同一入力電圧における第1のスピーカの
    出力音圧レベルをL1、第2のスピーカの出力音圧レベ
    ルをL2とした時に、 Q1×0.5≦Q2≦Q1,L2=L1±5dB の条件を満たすことを特徴とする、請求項1,2または
    3記載のスピーカシステム。
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