JP2001059413A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP2001059413A
JP2001059413A JP11234056A JP23405699A JP2001059413A JP 2001059413 A JP2001059413 A JP 2001059413A JP 11234056 A JP11234056 A JP 11234056A JP 23405699 A JP23405699 A JP 23405699A JP 2001059413 A JP2001059413 A JP 2001059413A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒の劣化を簡単に判定できるシステムを構
築する。 【解決手段】 ディーゼルエンジン1の排気管8に選択
還元型NOx触媒10を設け、触媒温センサ32で検出
した触媒温度と入ガス温センサ31で検出した入ガス温
度の温度差に基づいてNOx触媒10が劣化したか否か
判定する。この劣化判定処理を行う際には、NOx浄化
に必要な通常の副噴射量よりも数倍多い大量の燃料を副
噴射し、NOx触媒10に通常時の数倍の還元剤を供給
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、希薄燃焼運転可能
な内燃機関から排出される排気ガスを浄化する排気浄化
装置に関し、特に、触媒により排気ガス中のNOxを浄
化することができる排気浄化装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関から排出される排気ガス中の有
害成分の大気への排出量を低減するための一手段とし
て、触媒の酸化作用あるいは還元作用を利用して有害成
分を浄化するシステムがある。
【0003】近年の触媒に関する研究開発により触媒の
性能向上は目覚ましいものがあり、小型でも浄化性能が
高い触媒装置の実現が可能になった。その結果、近年、
車両用内燃機関の排気ガスを浄化する排気浄化システム
として、触媒を組み込んだ排気浄化装置が多用されるに
至っている。
【0004】現在、実用に供されている排気ガス浄化用
の触媒には、酸化触媒、三元触媒、NOx触媒などがあ
り、これら触媒を、内燃機関の燃焼形態や空燃比、ある
いは浄化すべき有害物質の種類などに応じて使い分けて
いる。
【0005】これら触媒のうちNOx触媒は、希薄燃焼
運転可能な内燃機関から排出される排気ガスを浄化する
ことができる触媒として多用されており、NOx触媒に
は、選択還元型NOx触媒と吸蔵還元型NOx触媒があ
る。選択還元型NOx触媒とは、酸素過剰の雰囲気で炭
化水素(HC)の存在下でNOxを還元または分解する
触媒をいい、一方、吸蔵還元型NOx触媒とは、流入排
気ガスの空燃比がリーンのときはNOxを吸収し、流入
排気ガス中の酸素濃度が低下すると吸収したNOxを放
出しN2に還元する触媒をいう。これらNOx触媒は、排
気ガス中のHCを酸化して浄化する酸化作用と、排気ガ
ス中のNOxを還元して浄化する還元作用を備えてい
る。
【0006】一般に、触媒を長期に亘って使用している
と、その触媒が有する酸化作用や還元作用が衰えてい
く、いわゆる劣化が生じる。上記NOx触媒も例に漏れ
ず、長期に亘って使用していると、酸化作用の衰えによ
りHC浄化能力が低下したり(これをHC劣化と区別す
る場合もある)、還元作用の衰えによりNOx浄化能力
が低下したり(これをNOx劣化と区別する場合もあ
る)する。劣化したNOx触媒を使用し続けると、排気
ガス中の有害物質を浄化しきれなくなり、有害物質を含
む排気ガスを大気中に排出する虞れがある。したがっ
て、このような浄化能力の低下したNOx触媒に対して
は交換等の措置が必要であり、そのためには触媒の浄化
能力の管理(換言すれば、触媒の劣化判定)が極めて重
要である。
【0007】触媒の劣化判定技術に関しては、例えば特
開平5−312024号公報に開示されているものがあ
る。この公報に記載された技術では、触媒がその機能を
発揮しているときには発熱を伴うことに着目し、その温
度変化に基づいて触媒の劣化を判定する。
【0008】詳述すると、内燃機関の排気通路に設けら
れたNOx触媒の上流と下流に排気ガス温度を検出する
温度センサを設け、内燃機関の通常の運転状態における
上流側の排気ガス温度と下流側の排気ガス温度の温度差
を演算する。NOx触媒が正常に機能してHC,CO,
NOxを浄化しているとき、NOx触媒は発熱するので、
下流側の排気ガス温度が上流側の排気ガス温度よりも上
昇する。ところが、NOx触媒の劣化が進行するにした
がってNOx触媒における発熱量が低下するため、下流
側の排気ガス温度は上流側の排気ガス温度に近付いてく
る。つまり、NOx触媒の劣化が進行するにしたがっ
て、下流側の排気ガス温度と上流側の排ガス温度の差は
小さくなる。そこで、下流側の排気ガス温度と上流側の
排気ガス温度の温度差が予め設定した閾値以下になった
ときに、該NOx触媒が劣化したと判定する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来の触媒の
劣化判定技術では、内燃機関の通常の運転状態における
NOx触媒の上下流の排気ガス温度の差から劣化判定を
実行するが、元々、内燃機関の通常の運転状態では、N
Ox触媒が劣化していないときでもNOx触媒における発
熱量が小さいため、上下流の排気ガス温度差も小さい。
このように正常時においても小さい値である温度差に基
づいて劣化判定を行っているので、判定精度が低いとい
う問題があった。
【0010】本発明はこのような従来の技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする
課題は、簡単な構造ながら、触媒の劣化を高精度で判定
することができる内燃機関の排気浄化装置を提供するこ
とにある。また、本発明の別の課題は、簡単な構造なが
ら、触媒の劣化程度に応じてNOx触媒への還元剤の供
給量を最適に制御することができる内燃機関の排気浄化
装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本出願に係る発明は前記
課題を解決するために、以下の手段を採用した。 (1)本出願に係る第1の発明の内燃機関の排気浄化装
置は、希薄燃焼運転可能な内燃機関の排気通路に設けら
れたNOx触媒と、前記NOx触媒に還元剤を供給する還
元剤供給手段と、前記NOx触媒の触媒温度あるいは前
記NOx触媒の出口の排気ガス温度を検出する温度検出
手段と、前記還元剤供給手段によって通常時の供給量よ
りも大量の還元剤を前記NOx触媒に供給したときに前
記温度検出手段により検出した温度と第1の基準温度と
を比較する温度比較手段と、前記温度比較手段の比較結
果に基づいて前記NOx触媒が劣化しているか否かを判
定する劣化判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】還元剤供給手段によって通常時の供給量よ
りも大量の還元剤を前記NOx触媒に供給したときに
は、NOx触媒が完全に劣化して触媒機能を失わない限
り、NOx触媒における発熱量は通常時の還元剤供給量
のときよりも大きくなる。したがって、このときに温度
検出手段によって検出した温度(触媒温度あるいは触媒
出口の排気ガス温度)と第1の基準温度とを比較した比
較結果(比較値)は、通常時の還元剤供給量のときの比
較結果(比較値)よりも明白になる。温度比較手段で得
たこの明白な比較結果に基づいて、劣化判定手段がNO
x触媒が劣化したか否かを判定するので、劣化判定の精
度が高い。
【0013】(2)本出願に係る第2の発明の内燃機関
の排気浄化装置は、希薄燃焼運転可能な内燃機関の排気
通路に設けられたNOx触媒と、前記NOx触媒に還元剤
を供給する還元剤供給手段と、前記NOx触媒の触媒温
度あるいは前記NOx触媒の出口の排気ガス温度を検出
する温度検出手段と、前記還元剤供給手段によって通常
時の供給量よりも大量の還元剤を前記NOx触媒に供給
したときに前記温度検出手段により検出した温度と第1
の基準温度とを比較する温度比較手段と、前記温度比較
手段の比較結果に基づいて前記NOx触媒への通常時の
還元剤供給量を補正する供給量補正手段と、を備えるこ
とを特徴とする。
【0014】還元剤供給手段によって通常時の供給量よ
りも大量の還元剤を前記NOx触媒に供給したときに
は、NOx触媒が完全に劣化して触媒機能を失わない限
り、NOx触媒における発熱量は通常時の還元剤供給量
のときよりも大きくなる。したがって、このときに温度
検出手段によって検出した温度(触媒温度あるいは触媒
出口の排気ガス温度)と第1の基準温度とを比較した比
較結果(比較値)は、通常時の還元剤供給量のときの比
較結果(比較値)よりも明白になる。
【0015】NOx触媒の劣化が進行するにしたがって
浄化能力が低下するので、劣化前の通常時の還元剤供給
量を劣化進行後において供給すると、還元剤が過量とな
ってNOx触媒を通過しエミッションが悪化してしま
う。そこで、この第2の発明の排気浄化装置では、温度
比較手段で得た明白な比較結果に基づいて、供給量補正
手段がNOx触媒への通常時の還元剤供給量を補正す
る。これによりNOx触媒の劣化進行に伴うエミッショ
ンの悪化を防止することができる。同時に還元剤の浪費
を防止することができる。
【0016】前述した第1の発明及び第2の発明におい
て、内燃機関としては、ディーゼルエンジンあるいは希
薄燃焼可能なガソリンエンジンを例示することができ
る。前述した第1の発明及び第2の発明において、NO
x触媒としては、選択還元型NOx触媒や吸蔵還元型NO
x触媒を例示することができる。
【0017】選択還元型NOx触媒は、酸素過剰の雰囲
気で炭化水素の存在下でNOxを還元または分解する触
媒をいい、例えば、ゼオライトにCu等の遷移金属をイ
オン交換して担持した触媒、ゼオライトまたはアルミナ
に貴金属を担持した触媒、等が含まれる。
【0018】吸蔵還元型NOx触媒は、該触媒に流入す
る排気ガスの空燃比がリーンのときはNOxを吸収し、
流入する排気ガス中の酸素濃度が低下すると吸収したN
Oxを放出しN2に還元する触媒をいう。吸蔵還元型NO
x触媒は、例えばアルミナを担体とし、この担体上に例
えばカリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi、セシ
ウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシ
ウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イット
リウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つ
と、白金Ptのような貴金属とが担持されてなる。
【0019】前述した第1の発明及び第2の発明におい
て、還元剤としては炭化水素(HC)が好適である。前
述した第1の発明及び第2の発明において、還元剤供給
手段は、膨張行程あるいは排気行程において気筒内に燃
料を副噴射する副噴射手段により構成することもできる
し、内燃機関の気筒とNOx触媒の間の排気通路に還元
剤を供給する還元剤供給装置で構成することもできる。
さらに、理論空燃比あるいはリッチ空燃比で運転可能な
ガソリンエンジンの場合であれば、燃焼室に供給される
混合気の空燃比を理論空燃比あるいはリッチ空燃比にし
て排気ガスの空燃比を理論空燃比あるいはリッチ空燃比
にすることによりNOx触媒に還元剤を供給することが
できるので、その場合には、空燃比制御手段で還元剤供
給手段を構成することができる。
【0020】また、還元剤供給手段による還元剤の供給
は、連続供給であってもよいし間欠供給であってもよ
く、どちらの供給方法を採用するかは、使用するNOx
触媒の種類や、排気浄化装置の全体システムによって決
定される。前述した第1の発明及び第2の発明におい
て、温度検出手段は、温度センサによって構成すること
ができる。
【0021】前述した第1の発明及び第2の発明におい
て、通常の還元剤供給量とは、排気ガス中のNOxを浄
化するために必要とされる還元剤供給量のことをいう。
これに対して、大量の還元剤供給量とは、前記通常時の
還元剤供給量の数倍以上(例えば、4〜5倍、あるいは
数十倍、数百倍を含む)の還元剤供給量をいう。
【0022】前述した第1の発明および第2の発明にお
いて、温度比較手段の比較結果は、温度検出手段により
検出した温度と前記第1の基準温度の差で表すことも可
能であり、温度検出手段により検出した温度と前記第1
の基準温度の商で表すことも可能である。
【0023】前述した第1の発明において、NOx触媒
のHC浄化能力がほぼ完全になくなったときをNOx触
媒が劣化したと判定することとした場合には、前記第1
の基準温度は、NOx触媒10に流入する排気ガスの温
度とすることができ、その場合、前記劣化判定手段は、
前記温度検出手段により検出した温度が前記第1の基準
温度よりも小さいときに前記NOx触媒が劣化したと判
定することができる。
【0024】前述した第2の発明において、前記供給量
補正手段は、前記温度検出手段により検出した温度が前
記第1の基準温度に近付くにしたがって前記NOx触媒
への通常時の還元剤供給量を減少補正するのが好まし
い。
【0025】前述した第1の発明及び第2の発明におい
ては、前記還元剤供給手段によって通常時の供給量の還
元剤を前記NOx触媒に供給したときに前記温度検出手
段により検出した温度と第2の基準温度とを比較する温
度予備比較手段を備え、前記温度予備比較手段の比較結
果に基づいて前記温度比較手段による比較処理を実行す
るか否かを決定するようにしてもよい。これは、NOx
触媒の劣化判定処理の実行時期や還元剤供給量補正処理
の実行時期を判定するための一つの方法である。ただ
し、実行時期の決定方法はこの方法に限られるものでは
なく、例えば、内燃機関の運転時間が所定時間に達した
ときを実行時期と判定するようにしてもよいし、走行距
離が所定距離に達したときを実行時期と判定してもよ
い。
【0026】前記温度予備比較手段の比較結果は、温度
予備検出手段により検出した温度と第2の基準温度の差
で表すことも可能であり、温度検出手段により検出した
温度と第2の基準温度の商で表すことも可能である。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る内燃機関の排
気浄化装置の一実施の形態を図1から図5の図面に基い
て説明する。尚、以下に記載する実施の形態は、本発明
に係る排気浄化装置を内燃機関としての車両用ディーゼ
ルエンジンに適用した態様である。
【0028】図1は内燃機関の排気浄化装置の一実施の
形態における全体構成を示す図である。エンジン1はデ
ィーゼルエンジンであり、各気筒の燃焼室2には吸気管
3および吸気弁4を介して吸気が導入される。
【0029】また、エンジン1には、各気筒毎に燃焼室
2に燃料を噴射する燃料噴射弁5が設けられている。燃
料噴射弁5の開弁時期及び開弁期間は、エンジン1の運
転状態に応じてECU100により制御され、ピストン
6が圧縮上死点近傍に位置したときに燃料を主噴射し、
膨張行程あるいは排気行程で燃料を副噴射するように制
御される。
【0030】各気筒の燃焼室2で生じた排気ガスは、排
気弁7を介して排気管8に排出される。排気管8の途中
には、上流側から順に、選択還元型NOx触媒(以下、
この実施の形態においてNOx触媒と略すこともある)
10を収容したケーシング11と、酸化触媒20を収容
したケーシング21が設けられており、これら触媒1
0,20を通過した排気ガスは図示しないマフラーを介
して大気に排出される。
【0031】選択還元型NOx触媒は、酸素過剰の雰囲
気で炭化水素(HC)の存在下でNOxを還元または分
解する触媒をいい、例えば、ゼオライトにCu等の遷移
金属をイオン交換して担持した触媒、ゼオライトまたは
アルミナに貴金属を担持した触媒、等が含まれる。
【0032】排気管8においてケーシング11の直ぐ上
流には、NOx触媒10に流入する排気ガス(以下、入
ガスという)の温度に対応した出力信号をECU100
に出力する入ガス温センサ31が取り付けられている。
【0033】また、ケーシング11の略中央には、NO
x触媒10の温度(触媒温度)に対応した出力信号をE
CU100に出力する触媒温センサ(温度検出手段)3
2が取り付けられている。
【0034】ECU100はデジタルコンピュータから
なり、双方向バスによって相互に接続されたROM(リ
ードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモ
リ)、CPU(セントラルプロセッサユニット)、入力
ポート、出力ポートを具備し、エンジン1の燃料噴射量
制御等の基本制御を行うほか、この実施の形態では、N
Ox触媒の劣化判定処理や還元剤供給量補正制御等を行
っている。
【0035】これら制御のために、ECU100の入力
ポートには、アクセル開度センサ51からの入力信号
と、クランク角センサ52からの入力信号が入力され
る。アクセル開度センサ51はアクセル開度に比例した
出力電圧をECU100に出力し、ECU100はアク
セル開度センサ51の出力信号に基づいてエンジン負荷
を演算する。クランク角センサ52はクランクシャフト
が一定角度回転する毎に出力パルスをECU100に出
力し、ECU100はこの出力パルスに基づいてエンジ
ン回転数を演算する。これらエンジン負荷とエンジン回
転数によってエンジン運転状態が判別される。
【0036】選択還元型NOx触媒10で排気ガス中の
NOxを浄化するためには、NOx触媒10において所定
濃度のHCが必要であり、この実施の形態では、NOx
触媒10にNOx浄化用のHCを供給する手段として、
前述の如くエンジン1の膨張行程あるいは排気行程で燃
料噴射弁5から燃料を副噴射している。したがって、こ
の実施の形態においては、燃料噴射弁5によって、NO
x触媒10に還元剤を供給する還元剤供給手段が実現さ
れる。
【0037】ここで、副噴射量はエンジン1の運転状態
に基づきECU100が演算する。即ち、エンジン1の
運転状態からNOx排出量を推定することができ、さら
に当該排出量のNOxを浄化するのに必要な還元剤(H
C)量を推定することができることから、ECU100
は、エンジン1の運転状態に基づき、予めROMに記憶
しておいた基本副噴射量マップ(図示せず)を参照して
NOx浄化に必要な基本副噴射量Qp0を演算する。ここ
で、基本副噴射量Qp0とは、NOx触媒10が劣化して
いないときを基準にして設定した副噴射量をいう。
【0038】次に、この実施の形態における内燃機関の
排気浄化装置の作用を説明する。この内燃機関において
は、NOx触媒10の触媒温度が活性温度以上に達して
いるなどの副噴射実行条件が成立したときには、燃料噴
射弁5から燃焼室2への燃料の副噴射が実行され、排気
ガス中のNOxを浄化するのに必要なHCがNOx触媒1
0に供給される。この通常時の副噴射のことを以下の説
明では「NOx浄化副噴射」と称す。NOx浄化副噴射に
おける副噴射量は「通常時の還元剤供給量」に対応す
る。NOx触媒10が劣化していないときには、NOx浄
化副噴射における副噴射量は基本副噴射量Qp0になる。
【0039】NOx触媒10が十分に機能していると
き、即ちNOx触媒10が劣化していないときには、N
Ox触媒10において排気ガス中のHC,CO,NOxが
浄化され、その際にNOx触媒10で発熱が生じる。し
たがって、NOx触媒10が正常であれば、入ガス温セ
ンサ31により検出される入ガス温度Tgiよりも触媒温
センサ32により検出されるNOx触媒10の触媒温度
Tcの方が高くなる。NOx触媒10が正常に機能してい
るときには、この温度差△Tが比較的に大きい。
【0040】しかしながら、NOx触媒10の劣化が進
行すると、NOx触媒10の浄化機能の低下に伴ってN
Ox触媒10における発熱量が低下するため、NOx触媒
10の温度上昇が低下し、徐々に触媒温度Tcが入ガス
温度Tgiに近付いてきて、触媒温度Tcと入ガス温度Tg
iの温度差△T=Tc−Tgiが小さくなっていく。このこ
とから、触媒温度Tcと入ガス温度Tgiの温度差△Tに
基づいてNOx触媒10の劣化の程度を判定することが
できることになる。
【0041】ただし、この実施の形態の排気浄化装置に
おいては、劣化判定の精度を高めるために、NOx劣化
判定処理を実行するときには、通常時の還元剤供給量の
数倍(例えば、4〜5倍)に相当する大量の還元剤を燃
料の副噴射によってNOx触媒10に供給することとし
た。このように通常時よりも大量の還元剤をNOx触媒
10に供給すべく実行する副噴射のことを以下の説明で
は「劣化判定副噴射」と称し、前述した「NOx浄化副
噴射」と区別する。
【0042】NOx触媒10への還元剤の供給量を増や
すと、NOx触媒10において酸化されるHCの量が増
えるので、NOx触媒10における発熱量が増大し、N
Ox触媒10の触媒温度Tcの温度上昇が、通常時の還元
剤供給量のとき(換言すればNOx浄化副噴射のとき)
よりも大きくなる。その結果、触媒温度Tcと入ガス温
度Tgiの温度差△Tは、劣化判定副噴射のときの方がN
Ox浄化副噴射のときよりも大きくなり、温度差△Tに
基づいて行うNOx触媒10の劣化判定の精度が高くな
る。尚、以下の説明では、劣化判定副噴射により大量の
還元剤をNOx触媒10に供給した状態で触媒温度Tcと
入ガス温度Tgiの温度差△Tを演算しNOx触媒10の
劣化判定を行うことを「本判定」と称す。
【0043】前記本判定の実行時期は、例えば、車両の
走行距離が予め設定した所定距離に達した時、あるい
は、車両の運転時間が予め設定した所定時間に達した時
とすることもできるが、この実施の形態では、NOx浄
化副噴射を実行している通常の運転状態のときに、常
時、ECU100が、触媒温センサ32で検出した触媒
温度Tcと入ガス温センサ31で検出した入ガス温度Tg
iから温度差△Tpreを演算し、この温度差△Tpreに基
づいてNOx触媒10の劣化判定を実行すべき時期か否
かを判定し(以下、本判定実行時期か否かの判定を「仮
判定」と称す)、仮判定の結果が肯定判定であるときに
前記本判定を実行することにした。
【0044】また、NOx触媒10の劣化の進行に伴っ
てHC浄化率も低下していくことから、NOx触媒10
の劣化が進行したときにNOx浄化副噴射で基本副噴射
量Qp0の燃料を供給すると、NOx触媒10で浄化され
ずにNOx触媒10を通過するHCの量が増大し、HC
エミッションが悪化する虞れがある。したがって、HC
エミッションの悪化を防止するためには、NOx触媒1
0の劣化の進行にしたがって、NOx浄化副噴射の際の
副噴射量を減少させるのが好ましい。
【0045】そこで、この実施の形態では、前記本判定
処理を実行し、その結果、触媒温度Tcと入ガス温度Tg
iの温度差△Tが所定の温度差以上になったときには、
その温度差△Tの大きさに応じて、NOx浄化副噴射で
の副噴射量を減少補正するようにした。換言すれば、N
Ox触媒10の劣化の程度に応じてNOx浄化副噴射での
副噴射量を減少補正するようにした。
【0046】次に、この実施の形態におけるNOx触媒
10の劣化判定の仮判定処理および本判定処理を図2お
よび図3を参照して説明する。初めに仮判定処理につい
て説明する。仮判定処理は、図2に示す仮判定処理ルー
チンに従って実行される。図2に示す仮判定処理ルーチ
ンは、ECU30のROMに予め記憶されており、所定
時間毎に繰り返し実行されるルーチンである。
【0047】<ステップ101>仮判定処理ルーチンで
は、ECU100は、まずステップ101において、仮
判定実行条件が成立しているか否かを判定する。ここ
で、仮判定実行条件の成立要件は、エンジン1の運転状
態が定常状態にあり、且つ、その定常状態が予め設定し
た規定時間継続していることである。エンジン1の定常
状態とは、エンジン負荷及びエンジン回転数等がほぼ一
定な運転状態をいい、アイドル運転状態は定常状態に含
まれる。エンジン1が定常状態でない場合には、入ガス
温センサ31で検出される入ガス温度Tgiも触媒温セン
サ32で検出される触媒温度Tcも不安定であり、正し
い劣化判定を行うことができない。そこで、ステップ1
01で否定判定した場合には、ECU100は、この仮
判定処理ルーチンを一旦終了する。
【0048】<ステップ102>ステップ101におい
て肯定判定した場合には、ECU100は、ステップ1
02に進み、触媒温センサ31で検出した触媒温度Tc
と第2の基準温度T02の温度差△Tpre=Tc−T02を演
算し、この温度差△Tpreが負か否か判定する。ここ
で、第2の基準温度T02は、本判定の実行時期か否かを
判定する基準値となるものであり、入ガス温センサ31
および触媒温センサ32の測定精度などを考慮して予め
設定し、ECU100のROMに予め記憶しておく。
【0049】この第2の基準温度T02は、入ガス温度T
giから推定したNOx触媒10が完全に劣化したときの
触媒温度に設定することができ、この実施の形態のよう
に定常な運転状態のときに仮判定処理を実行する場合に
は、第2の基準温度T02を入ガス温度Tgiそのものとす
ることもできる。
【0050】<ステップ103>ステップ102におい
て肯定判定した場合には、本判定処理を実行する時期で
あるので、ECU100は、ステップ103に進み、本
判定実行フラグF1を「1」とした後、この仮判定処理
ルーチンを一旦終了する。一方、ステップ102におい
て否定判定した場合には、まだ本判定処理を実行する時
期ではないので、ECU100は、この仮判定処理ルー
チンを一旦終了する。
【0051】尚、この実施の形態においては、仮判定処
理ルーチンのうちステップ102をECU100が実行
することにより、本発明における温度予備比較手段が実
現される。
【0052】次に、本判定処理について説明する。本判
定処理は、図3に示す本判定処理ルーチンに従って実行
される。図3に示す本判定処理ルーチンは、ECU30
のROMに予め記憶されており、所定時間毎に繰り返し
実行されるルーチンである。
【0053】<ステップ201>この本判定処理ルーチ
ンでは、ECU100は、ステップ201において、触
媒劣化フラグF2が「0」か否か判定する。この触媒劣
化フラグF2は、本判定処理においてNOx触媒10が劣
化していると判定されたときに「1」を立てるフラグで
あり、初期値は「0」である。
【0054】<ステップ202>ステップ201におい
て肯定判定した場合には、ECU100は、ステップ2
02に進み、本判定実行フラグF1が「1」か否か判定
する。ステップ202において否定判定した場合には、
ECU100は、この本判定処理ルーチンを一旦終了す
る。
【0055】<ステップ203>ステップ202におい
て肯定判定した場合には、ECU100は、ステップ2
03に進み、本判定実行条件が成立しているか否かを判
定する。ここで、本判定実行条件の成立要件は、エンジ
ン1の運転状態が定常状態にあり、且つ、その定常状態
が予め設定した規定時間継続していることである。エン
ジン1の定常状態とは、エンジン負荷及びエンジン回転
数等がほぼ一定な運転状態をいい、アイドル運転状態は
定常状態に含まれる。エンジン1が定常状態でない場合
には、入ガス温センサ31で検出される入ガス温度Tgi
も触媒温センサ32で検出される触媒温度Tcも不安定
であり、正しい劣化判定を行うことができない。そこ
で、ステップ203で否定判定した場合には、ECU1
00は、この本判定処理ルーチンを一旦終了する。
【0056】<ステップ204>ステップ203におい
て肯定判定した場合には、ECU100は、ステップ2
04に進み、劣化判定副噴射を実行して大量の還元剤を
NOx触媒10に供給する。ここで、劣化判定副噴射の
ときの副噴射量は、NOx浄化副噴射のときの副噴射量
の所定倍とし、その倍率は予め設定されてECU100
のROMに記憶されている。
【0057】尚、劣化判定副噴射の副噴射量が大量なた
め、副噴射により増大した排気ガス中のHCの総てをN
Ox触媒10で浄化することができない虞れもあるが、
この実施の形態では、NOx触媒10の下流に酸化触媒
20が設けられているので、劣化判定副噴射時にNOx
触媒10を通過したHCは酸化触媒20によって浄化さ
れる。したがって、本判定処理を実行している間もHC
エミッションが悪化することはない。
【0058】<ステップ205>次に、ECU100
は、ステップ204からステップ205に進み、劣化判
定副噴射を開始してからの経過時間が予め設定した規定
時間経過したか否か判定する。これは、劣化判定副噴射
の実行開始から前記規定時間が経過しないと、劣化判定
副噴射によるNOx触媒10の昇温の影響が出ないから
である。
【0059】ステップ205において否定判定した場合
には、ECU100は、この本判定処理ルーチンを一旦
終了する。そして、この本判定処理ルーチンを次回実行
したときに、ECU100が、ステップ203で肯定判
定した場合には、ステップ204に進んで劣化判定副噴
射を実行し、したがって劣化判定副噴射が継続され、E
CU100は、ステップ205において劣化判定副噴射
を開始してから規定時間経過したか否か判定する。一
方、この本判定処理ルーチンを次回実行したときに、エ
ンジン1の運転状態が定常状態から脱したため、ECU
100が、ステップ203で否定判定した場合には、E
CU100は、この本判定処理ルーチンを一旦終了す
る。したがって、この場合には、劣化判定副噴射を一旦
終了することになり、ステップ205において判定の基
礎となる劣化判定副噴射を開始してからの経過時間はリ
セットされて「0」になる。
【0060】<ステップ206>劣化判定副噴射を開始
してから規定時間が経過した場合には、即ち、ステップ
205において肯定判定した場合には、ECU100
は、ステップ206に進み、触媒温センサ31で検出し
た触媒温度Tcと第1の基準温度T01の温度差△T=Tc
−T01を演算し、この温度差△Tが負か否か判定する。
ここで、第1の基準温度T01は、NOx触媒10が完全
に劣化したか否かを判定する基準値となるものであり、
入ガス温センサ31および触媒温センサ32の測定精度
などを考慮して予め設定し、ECU100のROMに予
め記憶しておく。
【0061】この第1の基準温度T01は、入ガス温度T
giから推定したNOx触媒10が完全に劣化したときの
触媒温度に設定することができ、この実施の形態のよう
に定常な運転状態のときに本判定処理を実行する場合に
は、第1の基準温度T01を入ガス温度Tgiそのものとす
ることもできる。
【0062】<ステップ207、ステップ208>ステ
ップ206において肯定判定した場合には、ECU10
0は、ステップ207に進み、NOx触媒10が劣化し
たものと判定し、ステップ208に進んで、触媒劣化フ
ラグF2を「1」とする。
【0063】<ステップ209>次に、ECU100
は、ステップ208からステップ209に進み、ダイア
グランプを点灯するとともに、これ以後のNOx浄化副
噴射の実行を禁止する。NOx浄化副噴射の実行を禁止
する理由は、NOx触媒10が完全に劣化した状態で燃
料の副噴射を実行しても、副噴射により生じたHCはN
Ox触媒10で浄化されずにNOx触媒10を通過するだ
けであり、HCエミッションを悪化させるとともに燃料
を浪費することになるからである。尚、NOx浄化副噴
射を実行しないときにも、排気ガス中にはHCおよびC
Oが含まれているが、これらはNOx触媒10の下流に
設けられた酸化触媒20によって浄化される。ステップ
209の処理を実行した後、ECU100は、この本判
定処理ルーチンを一旦終了する。
【0064】尚、触媒劣化フラグF2は、図示しないリ
セットボタンを押さない限り「0」にすることはできな
い。したがって、ステップ208において触媒劣化フラ
グF 2を「1」とした後は、この本判定処理ルーチンを
次回以降実行したときに、ECU100は、ステップ2
01において否定判定をしてステップ209に進み、N
Ox浄化副噴射の実行禁止を継続することになる。
【0065】<ステップ210>一方、ステップ206
において否定判定した場合には、NOx触媒10は完全
な劣化ではないので、ECU100は、ステップ210
に進み、触媒温センサ31で検出した触媒温度Tcと第
1の基準温度T01の温度差△Tが予め設定した規定温度
差△t(>0)よりも小さいか否かを判定する。規定温
度△tは、NOx触媒10の劣化の程度が、NOx浄化副
噴射の副噴射量を減少補正する必要がある程度まで進行
しているか否かを判定する基準値となるものであり、入
ガス温センサ31および触媒温センサ32の測定精度な
どを考慮して予め設定し、ECU100のROMに予め
記憶しておく。
【0066】<ステップ211>ステップ210で肯定
判定した場合には、即ち、触媒温度Tcと第1の基準温
度T01の温度差△Tが規定温度差△tよりも小さい場合
には、ECU100は、NOx触媒10は完全劣化では
ないがある程度劣化が進行していると判定し、ステップ
211に進んで、温度差△Tの大きさに応じて(換言す
れば、劣化の程度に応じて)、これ以降のNOx浄化副
噴射時の副噴射量の補正処理を実行する。
【0067】NOx浄化副噴射時の副噴射量の補正処理
は、図4に示すような副噴射量補正マップを参照して、
温度差△Tに対応する補正係数kを演算し、NOx浄化
副噴射の基本副噴射量Qp0にこの補正係数kを乗じて、
補正後の副噴射量Qpを演算する。 Qp=k・Qp0
【0068】図4に示す副噴射量補正マップは、予め実
験を行い、NOx触媒10の劣化の程度に応じて排気エ
ミッションを悪化させないNOx浄化副噴射に最適な副
噴射量を求め、これを基に補正係数kを求めてマップ化
したものであり、ECU100のROMに予め記憶させ
ておく。
【0069】この副噴射量補正マップについて説明する
と、触媒温度Tcが第1の基準温度T01に近付いて温度
差△Tが小さくなるほどNOx触媒10の劣化が進行し
ていることを意味し、補正係数kが小さいほど副噴射量
が少なくなることを意味しており、したがって、NOx
触媒10の劣化が進行するにしたがって副噴射量を減少
補正することになる。
【0070】ステップ211において副噴射量の補正処
理の実行を終了した後、ECU100は、ステップ21
2に進んで、本判定実行フラグF1を「0」にして、こ
の本判定処理ルーチンを一旦終了する。
【0071】一方、ステップ210で否定判定した場合
には、即ち、触媒温度Tcと第1の基準温度T01の温度
差△Tが規定温度差△t以上である場合には、NOx触
媒10は劣化していないと判定されて、ECU100
は、ステップ212に進んで、本判定実行フラグF1
「0」にし、この本判定処理ルーチンを一旦終了する。
【0072】このように、この実施の形態における内燃
機関の排気浄化装置においては、NOx触媒10の劣化
判定を高精度に行うことができ、また、劣化の程度に応
じて副噴射量を減少補正しているので、劣化の進行に伴
ってHCエミッションが悪化するのを防止することがで
きるとともに、燃料の浪費を防止する。
【0073】尚、この実施の形態においては、前述した
本判定処理ルーチンのうちステップ206をECU10
0が実行することにより、本発明における温度比較手段
が実現される。また、本判定処理ルーチンのうちステッ
プ206及びステップ207をECU100が実行する
ことにより、本発明における劣化判定手段が実現され
る。さらに、本判定処理ルーチンのうちステップ211
をECU100が実行することにより、本発明における
供給量補正手段が実現される。
【0074】〔他の実施の形態〕前述の実施の形態で
は、触媒温センサ32で検出したNOx触媒10の触媒
温度と入ガス温センサ31で検出した入ガス温度との比
較値(この実施の形態では差)に基づいて、NOx触媒
10が劣化したか否かの判定を行ったり、NOx浄化副
噴射の副噴射量の補正処理を行ったりしたが、触媒温セ
ンサ32を設ける代わりに、図5に示すように、ケーシ
ング11の下流に、NOx触媒10の下流の排気ガス温
度を検出する出ガス温センサ(温度検出手段)33を設
けて、出ガス温センサ33で検出した出ガス温度を前記
触媒温度の代わりにして、前記劣化判定や副噴射量の補
正処理を行うことも可能である。
【0075】前述の実施の形態では、NOx触媒10に
流入する排気ガスの温度、即ち入ガス温度を入ガス温セ
ンサ31で実測しているが、入ガス温度はエンジン1の
運転状態から推定可能であるので、エンジンの運転状態
と入ガス温度とを対応させたマップを予めECU100
のROMに記憶させておき、このマップを参照して入ガ
ス温度を推定するようにしてもよく、推定した入ガス温
度を、第1の基準温度T01あるいは第2の基準温度T02
とすることも可能である。
【0076】前述の実施の形態では、NOx触媒10に
還元剤を供給する還元剤供給手段として、膨張行程ある
いは排気行程で燃料を燃焼室2に供給する副噴射を採用
したが、これに代えて、NOx触媒10よりも上流の排
気通路に還元剤を供給する還元剤供給装置を採用するこ
とも可能である。
【0077】また、前述の実施の形態では、内燃機関を
ディーゼルエンジンとしたが、本発明の内燃機関の排気
浄化装置はガソリンエンジンにも適用可能である。内燃
機関がガソリンエンジンの場合には、内燃機関の燃焼室
に供給する混合気の空燃比を理論空燃比またはリッチ空
燃比にして燃焼することにより排気ガスの空燃比を理論
空燃比またはリッチ空燃比にして、NOx触媒10に還
元剤としてのHCを供給するようにしてもよく、その場
合には、還元剤供給手段は空燃比制御手段によって実現
される。
【0078】前述の実施の形態では、NOx触媒を選択
還元型NOx触媒としたが、本発明の内燃機関の排気浄
化装置はNOx触媒を吸蔵還元型NOx触媒とした場合に
も成立する。吸蔵還元型NOx触媒は、流入する排気ガ
スの空燃比がリーンのときはNOxを吸収し、流入する
排気ガス中の酸素濃度が低下すると吸収したNOxを放
出しN2に還元する触媒であり、吸蔵還元型NOx触媒に
吸収されたNOxを放出し還元するために適宜の間隔で
吸蔵還元型NOx触媒に還元剤(HC)を供給する必要
がある。また、この吸蔵還元型NOx触媒を長期に使用
していると該触媒がSOxによる被毒を受けてNOx浄化
率が低下するので、SOx被毒がある程度進行したとき
に吸蔵還元型NOx触媒をSOx被毒から回復するための
再生処理を行う必要がある。この再生処理には、NOx
を放出・還元するために供給するときよりも大量の還元
剤を吸蔵還元型NOx触媒に供給する必要がある。した
がって、NOx触媒を吸蔵還元型NOx触媒とした場合に
は、吸蔵還元型NOx触媒からNOxを放出・還元するた
めに還元剤を該触媒に供給しているときを「通常時」と
し、吸蔵還元型NOx触媒を再生処理するために還元剤
を該触媒に通常時よりも大量に供給しているときに本判
定を実行することができる。
【0079】
【発明の効果】本発明に係る内燃機関の排気浄化装置に
よれば、希薄燃焼運転可能な内燃機関の排気通路に設け
られたNOx触媒と、前記NOx触媒に還元剤を供給する
還元剤供給手段と、前記NOx触媒の触媒温度あるいは
前記NOx触媒の出口の排気ガス温度を検出する温度検
出手段と、前記還元剤供給手段によって通常時の供給量
よりも大量の還元剤を前記NOx触媒に供給したときに
前記温度検出手段により検出した温度と第1の基準温度
とを比較する温度比較手段と、前記温度比較手段の比較
結果に基づいて前記NOx触媒が劣化しているか否かを
判定する劣化判定手段と、を備えることにより、NOx
触媒が劣化したか否かを高精度で判定することができる
という優れた効果が奏される。
【0080】また、本発明に係る内燃機関の排気浄化装
置によれば、希薄燃焼運転可能な内燃機関の排気通路に
設けられたNOx触媒と、前記NOx触媒に還元剤を供給
する還元剤供給手段と、前記NOx触媒の触媒温度ある
いは前記NOx触媒の出口の排気ガス温度を検出する温
度検出手段と、前記還元剤供給手段によって通常時の供
給量よりも大量の還元剤を前記NOx触媒に供給したと
きに前記温度検出手段により検出した温度と第1の基準
温度とを比較する温度比較手段と、前記温度比較手段の
比較結果に基づいて前記NOx触媒への通常時の還元剤
供給量を補正する供給量補正手段と、を備えることによ
り、NOx触媒の劣化の程度に応じて通常時の還元剤供
給量を補正することができ、NOx触媒の劣化の進行に
伴うエミッションの悪化を防止することができるととも
に、燃料の浪費を防止することができるという優れた効
果が奏される。
【0081】また、前記還元剤供給手段によって通常時
の供給量の還元剤を前記NOx触媒に供給したときに前
記温度検出手段により検出した温度と第2の基準温度と
を比較する温度予備比較手段を備え、前記温度予備比較
手段の比較結果に基づいて前記温度比較手段による比較
処理を実行するか否かを決定するようにした場合には、
温度比較手段による比較処理の実行時期を最適に制御す
ることができる。
【0082】前記還元剤供給手段を、前記内燃機関の気
筒内に燃料を副噴射する副噴射手段により構成した場合
には、劣化判定処理や副噴射量補正処理のための専用の
還元剤供給手段を新たに設ける必要がなく、装置構成を
簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の一実
施の形態の概略構成図である。
【図2】 前記実施の形態におけるNOx触媒の劣化判
定のための仮判定処理ルーチンを示すフローチャートで
ある。
【図3】 前記実施の形態におけるNOx触媒の劣化判
定のための本判定処理ルーチンを示すフローチャートで
ある。
【図4】 前記実施の形態における副噴射量補正マップ
の一例である。
【図5】 本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の別の
実施の形態における要部構成図である。
【符号の説明】
1 ディーゼルエンジン 2 燃焼室 5 燃料噴射弁(還元剤供給手段) 8 排気管(排気通路) 10 選択還元型NOx触媒(NOx触媒) 20 酸化触媒 31 入ガス温センサ 32 触媒温センサ(温度検出手段) 33 出ガス温センサ(温度検出手段) 100 ECU(温度比較手段、劣化判定手段、供給量
補正手段、温度予備比較手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/24 F01N 3/28 301D 3/28 301 F02D 45/00 314Z F02D 45/00 314 B01D 53/36 101A 101B Fターム(参考) 3G084 AA01 AA04 BA13 BA15 CA03 CA05 DA22 DA27 EA07 EA11 EB08 EB22 EB24 EC02 EC03 FA18 FA27 FA33 3G091 AA02 AA12 AA17 AA18 AB02 AB05 AB06 BA11 BA14 BA15 BA19 BA32 BA33 CA18 CB02 CB03 DA01 DA02 DA08 DB06 DB07 DB10 EA01 EA03 EA07 EA17 EA18 EA30 EA31 EA38 FA12 FA18 FB10 FB11 FB12 FC02 FC04 FC07 GB01W GB01X GB05W GB09X GB10X GB16X HA09 HA36 HA37 HA39 HA42 4D048 AA06 AA18 AB01 AB02 AB03 AC02 BA03X BA11X BA30X BA31X BA32X BA33X BA35X BA41X CC47 CC61 DA01 DA02 DA03 DA06 DA10 DA13 DA20 EA04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希薄燃焼運転可能な内燃機関の排気通路
    に設けられたNOx触媒と、 前記NOx触媒に還元剤を供給する還元剤供給手段と、 前記NOx触媒の触媒温度あるいは前記NOx触媒の出口
    の排気ガス温度を検出する温度検出手段と、 前記還元剤供給手段によって通常時の供給量よりも大量
    の還元剤を前記NOx触媒に供給したときに前記温度検
    出手段により検出した温度と第1の基準温度とを比較す
    る温度比較手段と、 前記温度比較手段の比較結果に基づいて前記NOx触媒
    が劣化しているか否かを判定する劣化判定手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 【請求項2】 前記劣化判定手段は、前記温度検出手段
    により検出した温度が前記第1の基準温度よりも小さい
    ときに前記NOx触媒が劣化したと判定することを特徴
    とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 【請求項3】 希薄燃焼運転可能な内燃機関の排気通路
    に設けられたNOx触媒と、 前記NOx触媒に還元剤を供給する還元剤供給手段と、 前記NOx触媒の触媒温度あるいは前記NOx触媒の出口
    の排気ガス温度を検出する温度検出手段と、 前記還元剤供給手段によって通常時の供給量よりも大量
    の還元剤を前記NOx触媒に供給したときに前記温度検
    出手段により検出した温度と第1の基準温度とを比較す
    る温度比較手段と、 前記温度比較手段の比較結果に基づいて前記NOx触媒
    への通常時の還元剤供給量を補正する供給量補正手段
    と、 を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  4. 【請求項4】 前記供給量補正手段は、前記温度検出手
    段により検出した温度が前記第1の基準温度に近付くに
    したがって前記NOx触媒への通常時の還元剤供給量を
    減少補正することを特徴とする請求項3に記載の内燃機
    関の排気浄化装置。
  5. 【請求項5】前記還元剤供給手段によって通常時の供給
    量の還元剤を前記NOx触媒に供給したときに前記温度
    検出手段により検出した温度と第2の基準温度とを比較
    する温度予備比較手段を備え、 前記温度予備比較手段の比較結果に基づいて前記温度比
    較手段による比較処理を実行するか否かを決定すること
    を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の内燃機
    関の排気浄化装置。
  6. 【請求項6】 前記還元剤供給手段は、前記内燃機関の
    気筒内に燃料を副噴射する副噴射手段により構成されて
    いることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載
    の内燃機関の排気浄化装置。
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