JP2001059190A - 薬液処理装置 - Google Patents

薬液処理装置

Info

Publication number
JP2001059190A
JP2001059190A JP11236431A JP23643199A JP2001059190A JP 2001059190 A JP2001059190 A JP 2001059190A JP 11236431 A JP11236431 A JP 11236431A JP 23643199 A JP23643199 A JP 23643199A JP 2001059190 A JP2001059190 A JP 2001059190A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
printed wiring
wiring board
circuit
chemical
board material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11236431A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3321120B2 (ja
Inventor
Kisaburo Niiyama
喜三郎 新山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Kakoki Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Kakoki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Kakoki Co Ltd filed Critical Tokyo Kakoki Co Ltd
Priority to JP23643199A priority Critical patent/JP3321120B2/ja
Publication of JP2001059190A publication Critical patent/JP2001059190A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3321120B2 publication Critical patent/JP3321120B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1に、化学処理の均一性が向上し、第2
に、しかもこれが確実かつ簡単容易に実現され、第3
に、もって回路幅が均一化され、回路の断面形状も正方
形や長方形に近づき、回路消失も防止される、薬液処理
装置を提案する。 【解決手段】 この薬液処理装置は、搬送されるプリン
ト配線基板材B等の薄板基材に対し、薬液を噴射して化
学処理を行う。そして、スプレーノズルから薬液がプリ
ント配線基板材B等に噴射されると共に、プリント配線
基板材B等を水平姿勢で搬送する前後のコンベヤ間に、
方向転換装置6が組み込まれており、この方向転換装置
6は、搬送されるプリント配線基板材B等の向きを、水
平面に沿いつつ90度を除く角度で方向転換せしめる。
もって、プリント配線基板材Bのそれまでの前後側を左
右側に向かい方向転換させると共に、それまでの左右側
を前後側に向かい方向転換させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薬液処理装置に関
する。すなわち、例えばプリント配線基板の製造工程で
用いられ、搬送されるプリント配線基板材に対し現像液
や腐食液等の薬液を噴射して化学処理を行う、現像装置
やエッチング装置等の薬液処理装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】まず、薄板基材の代表例たるプリント配
線基板の技術的背景について述べておく。最近、電子機
器の小型化,軽量化,高密度化の進展は著しく、その重
要部品であるプリント配線基板も、最近一段と小型化,
ファイン化,多層化が進み、例えば、プリント配線基板
の一環として把握される、半導体チップがらみのCS
P,PBGAも出現する等、超小型化,超ファイン化が
進みつつある。そして特に、このようなプリント配線基
板の外表面に形成される回路の微細化,高精度化,高密
度化の進展が著しい状況にある。これに対し従来は、一
般的なプリント配線基板では、150μ前後が回路幅の
限界値とされており、半導体チップがらみのCSP,P
BGAでも、50μから60μ程度が回路幅(導体幅)
の限界値とされていたが、最近は一般的なプリント配線
基板でも、40μ以下の回路幅のものが要求されること
も多くなってきている。例えば、回路幅が20μで回路
間スペースが30μ程度のものさえ要求されることがあ
る。このように、プリント配線基板の回路については、
回路幅が微細化傾向にあると共に、このような回路幅の
公差がプラスマイナス5%以内程度で要求される等、高
精度化も進み、更に、形成される回路の断面形状も正方
形や長方形に極力近いもの、つまり台形状・略富士山状
ではなく、垂直な凸状に極力近いものが望まれる等、高
密度化の進展が著しい。
【0003】ところで、このようなプリント配線基板
は、絶縁基材に銅箔が張り付けられたプリント配線基板
材の切断→スルホール用の穴あけ加工,研磨,めっき→
エッチングレジストの塗布・乾燥又は張り付け→回路用
ネガフィルムを当てての露光→現像→エッチング→回路
部分等のエッチングレジストの剥離、等々の多くの工程
を、順次連続的に辿って行くことにより、製造される。
そして、このようなプリント配線基板材の現像工程やエ
ッチング工程では、それぞれの薬液処理装置の処理室内
において、プリント配線基板材をコンベヤにて水平姿勢
で搬送しつつ、現像液や腐食液等の薬液を、対向配設さ
れた多数のスプレーノズルから均一の噴射圧にて噴射す
ることにより、現像やエッチング等の化学処理が行わ
れ、もって回路が形成される。そして、前述したように
回路の微細化,高精度化,高密度化が進むプリント配線
基板においては、このような現像やエッチング等の化学
処理が、全体的に均一に行われること、例えばエッチン
グが全体的に精度高く均一に行われることが極めて重要
であり、その成否を左右する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
現像やエッチング等の化学処理を行う、従来の現像装置
やエッチング装置等の薬液処理装置については、次の問
題が指摘されていた。すなわち、図5の平面説明図に示
したように、薄板基材の代表例たるプリント配線基板A
(プリント配線基板材B)は、(1)図に示したよう
に、縦方向(図面上では長手方向)に回路Cが形成され
たタイプのもの、(2)図に示したように、横方向(図
面上では短手方向)に回路Cが形成されたタイプのも
の、(3)図に示したように、この両者の混在タイプの
もの、つまり縦方向の回路Cと横方向の回路Cとが混在
形成されたタイプのもの、等々がある。噴射された現像
液や腐食液等の薬液は、第1義的には、プリント配線基
板材の外表面を左右の幅方向に流れて、左右両サイドか
ら流下,流出するが、更に副次的には、外表面に形成さ
れる回路Cの影響も受けることになる。つまり、噴射さ
れた薬液は、各回路Cと回路C間の各回路間スペースD
を通って流れ易い傾向も、見逃がせない。
【0005】すなわち、この種従来例の薬液処理装置に
おいて、図5の(1)図に示したように、外表面の縦方
向に回路Cが形成されたタイプのプリント配線基板材B
を、縦方向を前後の搬送方向として搬送しつつ薬液を噴
射した場合、薬液は、かなりの部分が乱流となって、プ
リント配線基板材Bの外表面を縦方向の回路間スペース
Dを通って流れ滞留する傾向が強くなる。もってその
分、その回路Cの現像やエッチング等の化学処理が、速
度的に早くなる。これに対し、図5の(2)図に示した
ように、外表面の横方向に回路Cが形成されたタイプの
プリント配線基板材Bを、縦方向を前後の搬送方向とし
て搬送しつつ薬液を噴射した場合、薬液は、プリント配
線基板材Bの外表面を横方向の回路間スペースDを通っ
て流れ、前述した第1義的な左右の幅方向の流れが一段
と促進されるようになる。そこで、その回路Cの現像や
エッチング等の化学処理が、上述した図5の(1)図の
場合に比べ、速度的に遅くなる。
【0006】このように、噴射される薬液は、プリント
配線基板材Bに向け全体的に均一に噴射されるものの、
噴射後の薬液は、プリント配線基板材Bに形成される回
路Cの縦横方向の影響を受け、縦方向の回路Cと横方向
の回路Cとでは、現像やエッチング等の化学処理の速度
が異なり速度差が生じる。そこで、図5の(3)図に示
したように、1つのプリント配線基板A(プリント配線
基板材B)について、縦方向の回路Cと横方向の回路C
とが、混在形成されたタイプのもの(このようなタイプ
のものが実際上は多い)にあっては、結果的に、現像や
エッチング等の化学処理の均一性が損なわれる、という
問題が指摘されていた。更に、表裏両面の一方に縦方向
の回路Cが形成されると共に他方に横方向の回路Cが形
成された、両面タイプのプリント配線基板A(プリント
配線基板材B)についても、同様の問題が指摘されてい
た。つまり、この種従来例の薬液処理装置にあっては、
縦方向の回路Cを標準に考えると、横方向の回路Cの現
像やエッチング等の化学処理が遅れ・不足するのに対
し、横方向の回路Cを標準に考えると、縦方向の回路C
の化学処理がオーバー・過度となってしまう。
【0007】このように、この種従来例の薬液処理装置
にあっては、プリント配線基板A(プリント配線基板材
B)について、現像やエッチング等の化学処理の全体的
均一性が損なわれて、ムラ・バラツキ現象そして過不足
箇所が発生しやすかった。もって、形成される回路Cに
ついて、回路幅の不均一が生じると共に、台形状・略富
士山状の断面形状のものが発生し、回路Cの消失さえも
発生し(オーバー・過度の化学処理に基づく)、回路C
の微細化,高精度化,高密度化が進むプリント配線基板
にとって、致命的な問題となっていた。
【0008】本発明は、このような実情に鑑み、上記従
来例の課題を解決すべく、発明者の鋭意研究努力の結果
なされたものであって、搬送されるプリント配線基板材
等の薄板基材の向きを、途中で方向転換させるようにし
たことにより、化学処理の均一性が向上すると共に、こ
れが確実かつ簡単容易に実現され、もって、例えば回路
幅が均一化され、回路の断面形状も正方形や長方形に近
づき、回路消失の事態も防止されるようになる、現像装
置やエッチング装置等の薬液処理装置を提案することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
る本発明の技術的手段は、次のとおりである。まず、請
求項1については次のとおり。すなわち、この請求項1
の薬液処理装置は、搬送される薄板基材に対し薬液を噴
射して化学処理を行う。そして、搬送される該薄板基材
の向きが、途中で、搬送面に沿いつつ90度を除く角度
で方向転換されること、を特徴とする。請求項2につい
ては次のとおり。すなわち、この請求項2の薬液処理装
置は、請求項1に記載した薬液処理装置において、該薄
板基材は、コンベヤにて水平姿勢で搬送され、該薬液
は、搬送される該薄板基材に対し対向配設された多数の
スプレーノズルから噴射される。そして、前後の該コン
ベヤ間に方向転換装置が組み込まれており、該方向転換
装置は、搬送される該薄板基材の向きを、水平面に沿い
つつ90度を除く角度で方向転換せしめ、前後側を左右
側に向かい方向転換させると共に、左右側を前後側に向
かい方向転換させること、を特徴とする。請求項3につ
いては次のとおり。すなわち、この請求項3の薬液処理
装置は、請求項1又は請求項2に記載された薬液処理装
置であって、該薬液処理装置は、プリント配線基板の製
造工程で用いられる。そして該薄板基材は、外表面に回
路が形成されるプリント配線基板材よりなり、該薬液と
しては、現像液や腐食液が用いられること、を特徴とす
る。
【0010】本発明は、このようになっているので、次
のようになる。この薬液処理装置は、例えば、プリント
配線基板の製造工程で用いられ、コンベヤにて水平姿勢
で搬送されるプリント配線基板材等の薄板基材に対し、
多数のスプレーノズルから現像液や腐食液等の薬液が噴
射され、もって、現像やエッチング等の化学処理が行わ
れる。噴射された薬液は、第1義的には、プリント配線
基板材等の外表面を左右の幅方向に流れた後、両サイド
から流下するが、更に副次的には、外表面に形成される
回路の影響を受け、その回路間スペースを通って流れ易
い傾向もあり、そのままでは、回路方向によって化学処
理に速度差が生じる。そこで、この薬液処理装置では、
コンベヤ間に方向転換装置が組み込まれており、搬送さ
れるプリント配線基板材等は、向きが途中で、水平面に
おいて方向転換される。このように途中で方向転換され
ることにより、回路方向そして速度差の悪影響が解消さ
れ、化学処理が均一化されるようになる。
【0011】ところで、a.プリント配線基板(材)等
にあっては、外表面の縦方向と横方向とに回路が形成さ
れることが多いが、このような縦横の回路は、相互間が
正確に90度直交していないことも多い。 b.更にコンベヤにて搬送され始めたプリント配線基板
材等は、縦横の回路方向を、正確に前後の搬送方向や左
右の幅方向と一致させずに位置決めされることも多い。 c.搬送されるプリント配線基板材等を、方向転換装置
で正確に90度方向転換させることは容易でなく、90
度を除く角度で方向転換させる方がコントロールが簡単
である。 従って、この方向転換装置は、搬送されるプリント配線
基板材等を、90度を除く角度で方向転換させるように
なっている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明を、図面に示す発明の
実施の形態に基づいて、詳細に説明する。図1,図2,
図3,図4等は、本発明に係る薬液処理装置の実施の形
態の説明に供する。そして、図1は側面説明図、図2は
平面説明図、図3は方向転換装置等の側面説明図、図4
は方向転換装置等の平面説明図である。なお図5は、プ
リント配線基板(材)の説明に供する平面説明図であ
り、(1)図は、回路が長手方向に形成された例を、
(2)図は、回路が短手方向に形成された例を、(3)
図は、回路が長手方向と短手方向とに形成された例を示
す。図6は、プリント配線基板(材)の断面図であり、
(1)図は、回路や回路間スペース等の説明に供し、
(2)図は、良い回路の例を示し、(3)図は、悪い回
路の例を示す。
【0013】この薬液処理装置は、薄板基材の製造工
程,加工工程,その他の各種処理工程で用いられるが、
ここでは、薄板基材の代表例たるプリント配線基板Aの
製造工程で用いられる場合について詳述する。まず、前
提となるプリント配線基板Aについて、図5や図6の
(1)図等を参照しつつ説明しておく。
【0014】プリント配線基板Aは、各種OA機器用の
基板,携帯電話用の基板,コンピュータ用の基板,計算
機用の基板、マルチメディアの発展に伴うその他各種の
電子機器用の基板等々、用途により多種多様であり、そ
の製造工程も多種多様である。プリント配線基板Aの分
類としては、一応、片面基板,両面基板,多層基板
(含、最近のビルドアップ工法によるもの),フレキシ
ブル基板等に分けられるが、その一環として最近は、半
導体チップがらみのCSP,PBGAも出現している。
そしてプリント配線基板Aは、近年ますます小型化,軽
量化,極薄化,フレキシブル化,多層化等が著しく、特
に、回路Cの微細化,高精度化,高密度化が進みつつあ
る。そして、このようなプリント配線基板Aは、例えば
次のように製造される。すなわちプリント配線基板A
は、材料たるプリント配線基板材Bについて順次、積
層,研磨,切断→スルホール用の穴あけ加工,研磨,め
っき,研磨→エッチングレジストの塗布・乾燥・又は張
り付け→露光→現像→エッチング→回路C部分のエッチ
ングレジストの剥離、等々の多くの工程を、連続的に辿
って行くことにより、製造される。
【0015】このようなプリント配線基板Aの製造方法
について、更に詳述する。まず、ポリイミド等の絶縁基
材の両面に銅箔が熱プレス等により張り合わされ積層さ
れた後、洗浄および研磨が行われる。そして、このよう
な前処理工程を経て得られた、例えば両面銅箔張り積層
板たるプリント配線基板材Bが、ワークサイズの短尺に
切断され、次に、スルホール用の穴あけ加工が施された
後、洗浄および両面研磨が行われてから、めっきが実施
される。これにより、表面の回路Cと裏面の回路Cを導
通すべく、スルホールの内壁にもめっきが施される。
(なおこれらによらず、プリント配線基板材Bとして、
絶縁基材の片面のみに銅箔がはり付けられた片面銅箔張
り積層板が用いられる場合もあり、この場合には、次に
述べる感光性レジストの塗布等も片面のみに実施される
が、本発明は勿論、このような片面基板用のプリント配
線基板材Bにも適用される。) スルホールは、1枚のプリント配線基板材B(プリント
配線基板A)について、極小径のものが数百,数千個に
も及ぶ程度、多数形成される。
【0016】さてしかる後、プリント配線基板材Bにつ
いて、再び洗浄,研磨,洗浄,乾燥等が行われてから、
エッチングレジストつまり耐アルカリ性や耐酸性の保護
膜たる感光性レジストを、塗布して乾燥させることによ
り、塗膜化する処理が行われる。それから、上面や下面
等の外表面の回路C形成面に、回路Cのネガフィルムで
ある回路C写真をあてて露光した後、感光性レジスト
は、露光され硬化した回路C部分を残し、他の不要部分
が、薬液Eたる現像液の噴射により溶解除去される(後
述の図1も参照)。しかる後、プリント配線基板材Bに
ついて洗浄,乾燥が行われてから、このように感光性レ
ジストが硬化して被覆,保護された回路C部分の銅箔を
残し、上述により感光性レジストが溶解除去された不要
部分の銅箔が、薬液Eたる腐食液の噴射により溶解除去
・エッチングされる(後述の図1も参照)。それから、
残っていた上述の硬化した回路C部分の感光性レジスト
が、薬液Eたる剥離液の噴射により溶解除去された後、
洗浄,乾燥され、もって、所定の回路Cが形成されたプ
リント配線基板Aが得られる。
【0017】プリント配線基板Aは、例えば縦横が、5
50mm×550mm,500mm×500mm,50
0mm×300mm程度の寸法よりなり、その肉厚は、
絶縁基材の部分が例えば0.06mm程度で、銅箔製の
回路C部分が例えば0.018mm程度まで極薄化され
ている。このようなプリント配線基板Aが4層等の多層
に積層された多層基板の場合でも、全体の肉厚は、1.
0mmから0.8mm更には0.4mm程度と、極薄化
しつつある。又、回路幅Fも、150μから70μ更に
は40μへと微細化傾向にあり、回路幅Fが20μで回
路間スペースDが30μ程度のニーズも出現しいてる。
【0018】なお、このような工程を辿って製造された
プリント配線基板Aについては、その製造工程の一環を
なす後処理工程として、形成された回路Cの保護被膜が
形成される。すなわち、回路Cが形成されたプリント配
線基板Aの外表面の回路C形成面全体に、まず、ソルダ
ーレジストたる感光性レジストを塗布して乾燥させるこ
とにより、塗膜化する処理が行われる。それから、ネガ
フィルムをあてて露光,現像が実施され、もって、スル
ホール部分等の部品装着部分、つまり事後ハンダが行わ
れる部分の感光性レジストのみを、溶解除去して露出さ
せる(これらの工程は、前述した各工程にほぼ準じ
る)。このようにして、プリント配線基板Aに感光性レ
ジストによる保護被膜が形成され、もって上述により形
成されていた回路Cが被膜保護される。つまり事後、部
品装着部分に対し実施されるハンダの付着等から、プリ
ント配線基板Aの回路Cが保護される。プリント配線基
板Aは、このような工程を辿って製造される。
【0019】以下、薬液処理装置について、図1,図
2,図3,図4等を参照しつつ説明する。この現像装置
やエッチング装置等の薬液処理装置は、例えば、上述し
たようなプリント配線基板Aの現像工程やエッチング工
程等の製造工程で用いられ、コンベヤ1にて水平姿勢で
搬送される薄板基材たるプリント配線基板材Bに対し、
対向配設された多数のスプレーノズル2から現像液や腐
食液等の薬液Eが噴射され、もって現像やエッチング等
の化学処理,薬液処理が行われる。
【0020】これらについて詳述すると、まず、図1中
に示したように(図2においてはコンベヤ1の図示は省
略)、薬液処理装置のコンベヤ1は、現像工程又はエッ
チング工程用の処理室3(例えば現像室又はエッチング
室)内において、プリント配線基板材Bを横の水平姿勢
で直線的に搬送する。すなわちコンベヤ1は、左右の幅
方向Gに平行で前後の搬送方向Hに多数本が所定間隔ピ
ッチで水平に配設されたシャフト4と、この各シャフト
4に配設されたローラー5と、を備えてなる。図示例で
は、途中に介装された後述の方向転換装置6を介し、前
後2室の処理室3(例えば前後2室の現像室又はエッチ
ング室)が、直線的に配設されており、この両処理室3
内においてそれぞれ、各シャフト4そしてローラー5
が、極薄でフレキシブルなプリント配線基板材Bを挟む
ように上下に対向設されている。通常、下側のシャフト
4そしてローラー5は、回転駆動されて搬送用として機
能し、上側のシャフト4そしてローラー5は、フリーな
状態で従動し、一般的には、プリント配線基板材Bの押
え用・蛇行防止用として機能する。なお、このような搬
送用や押え用・蛇行防止用としての機能に鑑み、ローラ
ー5に代えホイールを用いることも可能である。コンベ
ヤ1は、このようになっている。
【0021】次に、図1,図2に示したように、薬液処
理装置のスプレーノズル2は、前後2室の処理室3内に
おいて、それぞれ、コンベヤ1にて搬送方向Hに搬送さ
れるプリント配線基板材Bに対し、現像液又は腐食液等
の薬液Eを噴射する。すなわちスプレーノズル2は、前
後の搬送方向Hと左右の幅方向Gとにわたり多数配設さ
れると共に、図示例では上下にも配設され、もって上下
からプリント配線基板材Bに対向位置している。つまり
スプレーノズル2は、搬送方向Hとこれと直角をなす幅
方向Gとで囲まれた、処理室3内の広いエリア全体にわ
たり、前後,左右に所定ピッチ間隔を置きつつ、上下に
多数配設されている。薬液E、例えば現像液又は腐食液
は、処理室3下部の液槽7に貯溜されている。そして、
液槽7内の薬液Eは、ポンプそして搬送方向Hに沿って
平行に配された各スプレーパイプ8を介して圧送された
後、各スプレーパイプ8に所定ピッチ間隔で設けられた
スプレーノズル2から、コンベヤ1にて搬送されるプリ
ント配線基板材Bに向けて、図示例では上下から噴射,
噴霧,拡散される。それから薬液Eは、プリント配線基
板材Bの外表面つまり回路C形成面を流れた後、再び下
部の液槽7に流下,回収され、事後も循環使用される。
なお、この各スプレーノズル2は、固定式又は首振り式
のものが適宜用いられる。スプレーノズル2はこのよう
になっている。
【0022】この現像装置やエッチング装置等の薬液処
理装置は、このようなコンベヤ1とスプレーノズル2と
を備えてなると共に、更に次の特徴的構成を備えてな
る。すなわち、この薬液処理装置では、搬送される薄板
基材たるプリント配線基板材Bの向きが途中で、搬送面
に沿いつつ90度を除く角度で方向転換される。つま
り、図1,図2,図3,図4等に示したように、前後の
処理室3のコンベヤ1間には、方向転換装置6が組み込
まれており、この方向転換装置6は、搬送されるプリン
ト配線基板材Bの向きを、水平面に沿いつつ方向転換せ
しめ、前後側を左右側に向かい方向転換させると共に、
左右側を前後側に向かい方向転換させる。
【0023】方向転換装置6について、更に詳述する。
前述したように前後2室の処理室3内には、それぞれ、
プリント配線基板材Bを水平姿勢で搬送するコンベヤ1
が配設されているが、この前後2室の処理室3間はター
ンセクション9とされ、方向転換装置6が組み込まれて
いる。そして、この方向転換装置6は、前後のコンベヤ
1の下側の各シャフト4に準じると共にその間に配設さ
れた各シャフト10と、このような各シャフト10に、
幅方向Gに所定間隔ピッチにて配設されたホイール11
と(なお図2では、シャフト10やホイール11の図示
は省略)、次のシリンダー12,下テーブル13,縦ガ
イド14,ターンテーブル軸15,モーター16,傘歯
車17,ターンテーブル18,開口19、等を備えてな
る。なお、この下側の各シャフト4そしてホイール11
は、回転駆動され搬送用として機能する。
【0024】これらについて詳述すると、まず、ターン
セクション9の床面からはシリンダー12が立設されて
おり、このシリンダー12の伸縮動に基づき、下テーブ
ル13が、縦ガイド14に案内されつつ上下動可能とな
っている。そして、この下テーブル13上にはターンテ
ーブル軸15が立設,固定されており、このターンテー
ブル軸15は、下テーブル13上に配設された反転モー
ター等のモーター16に、傘歯車17を介して連結され
ている。そして、ターンテーブル軸15の上端に、ター
ンテーブル18が水平に固定されている。ターンテーブ
ル18は、プリント配線基板材Bに見合った大きさより
なると共に、図4に示したように、全体的に多数の開口
19が形成されており、この開口19は、ホイール11
を縦向きでも,横向きでも,斜め向きでも遊挿可能な寸
法,間隔ピッチにて穿設されている。
【0025】さてそこで、この方向転換装置6におい
て、ターンテーブル18は、図1に示したように、シリ
ンダー12の伸縮動に基づき、下テーブル13やターン
テーブル軸15を介して上下動可能であると共に、図2
に示したように、モーター16の駆動により、傘歯車1
7やターンテーブル軸15を介して、水平面に沿って回
動可能となっている。もってターンテーブル18は、非
作動時は図1や図3中実線表示したように、各ホイール
11の上端下の高さレベルに、降下している。これに対
し作動時には、まず、プリント配線基板材Bを一旦持ち
上げる。つまり、前側の処理室3のコンベヤ1から方向
転換装置6のホイール11上へと搬送されて来た後、シ
ャフト10やホイール11の回転駆動が一旦停止される
ことにより、一旦停止せしめられたプリント配線基板材
Bを、ターンテーブル18が上昇することにより、図1
や図3中想像線表示したように一旦持ち上げる。それか
らターンテーブル18は、90度を除く角度で回動する
ことにより、持ち上げ中のプリント配線基板材Bを、方
向転換せしめる。しかる後、ターンテーブル18が降下
することにより、プリント配線基板材Bを再び各ホイー
ル11上に載せ、更に図1,図3中実線表示したよう
に、ターンテーブル18は、その下位の元の非作動時の
位置へと降下して停止する。それから、再びシャフト1
0やホイール11が回転駆動されることにより、プリン
ト配線基板材Bは、後側の処理室3のコンベヤ1へと搬
送される。このようにターンテーブル18は、例えば3
60度回動可能であると共にその内少なくとも1回は9
0度を除く所定角度で回動するか、又は90度を除く所
定角度で往復揺動し、もってプリント配線基板材Bを方
向転換させるようになっている。
【0026】図示例では、このようなターンテーブル1
8等にて方向転換装置6が構成され、前後の処理室3
(例えば前後の現像室又は前後のエッチング室)のコン
ベヤ1間に、組み込まれている。そして、搬送途中のプ
リント配線基板材Bの向きを、水平面に沿いつつ方向転
換せしめ、もって、前側の処理室3での現像やエッチン
グ等の化学処理が、後側の処理室3でも継続される。な
お、このようなターンコンベヤたる方向転換装置6の具
体的構成については、図示例以外にも各種構成のものが
考えられる。
【0027】ここで、この薬液処理装置の方向転換装置
6による方向転換角度について、述べておく。この方向
転換装置6は、搬送途中のプリント配線基板材Bを、9
0度を除く角度で方向転換せしめ、もってプリント配線
基板材Bについて、それまでの前後例を左右側に向かい
方向転換させると同時に、それまでの左右側を前後側に
向かい方向転換せしめる。この方向転換角度の設定につ
いては、各種のパターンが考えられる。まず、例えば
80度,100度等、90度前後の角度に設定するパタ
ーンが可能である。次に、30度,45度,60度等
の角度に設定するパターンも可能である。更には、1
20度,135度,160度等の角度に設定するパター
ンも考えられる。ところで、このような正確な角度設
定によらず、ある程度の幅(例えば1度から5度の範囲
内等)をもったラフな角度幅に設定するパターンも可能
である。なお、角度を固定せず、プリント配線基板材
Bや回路C等の情報に対応して可変とするパターンも可
能である。
【0028】方向転換角度の設定理由の面から考える
と、まずa.プリント配線基板材B(プリント配線基板
A)の外表面に形成される回路Cについて、縦方向のも
のと横方向のものとがなす角度(90度には設定されて
いない)に対応させて、角度を設定するパターンが考え
られる。又b.前側の処理室3の上流側において、プリ
ント配線基板材Bをコンベヤ1にて搬送開始する際、縦
横の回路C方向と、前後の搬送方向Hや左右の幅方向G
とのずれに対応させて、角度を設定するパターンが考え
られる。更にc.方向転換装置6にてプリント配線基板
材Bを方向転換せしめる際における、動作コントロール
の容易さ(プリント配線基板材Bの持ち上げ,方向転
換,降下の容易さ)の面から、角度を設定するパターン
も考えられる。
【0029】このように方向転換装置6による、プリン
ト配線基板材Bの方向転換角度の設定については、各種
のパターンが考えられる。そこで、方向転換前後のプリ
ント配線基板材Bの向きについても、それまでの前後側
が、僅かに左右側にも向けられたパターンから、ほぼ左
右側に向けられたパターンまで、各種のパターンが可能
となる。つまり、それまでの左右側が、僅かに前後側に
も向けられたパターンから、ほぼ前後側に向けられたパ
ターンまで、各種のパターンが可能となる。この薬液処
理装置の方向転換装置6による方向転換角度は、このよ
うになっている。
【0030】本発明は、以上説明したように構成されて
いる。そこで以下のようになる。この薬液処理装置は、
例えば、プリント配線基板Aの製造工程で用いられ、コ
ンベヤ1にて水平姿勢で搬送され外表面に回路Cが形成
されるプリント配線基板材B等の薄板基材に対し、対向
配設された多数のスプレーノズル2から現像液や腐食液
等の薬液Eが噴射され、もって、現像やエッチング等の
化学処理が行われる。そして、この薬液処理装置にあっ
ては、次の第1,第2,第3のようになる。
【0031】第1に、この現像装置やエッチング装置等
の薬液処理装置では、コンベヤ1間に方向転換装置6が
組み込まれており、搬送されるプリント配線基板材B
は、向きが途中で、水平面において方向転換される(図
1,図2,図3,図4等を参照)。プリント配線基板材
Bにあっては、その縦方向(図面上では略長手方向)と
共に横方向(図面上では略短手方向、つまり長手方向・
縦方向に対し水平面で異なった方向のこと)に、回路C
が形成されることが多い。例えば、同一の外表面たる表
面又は裏面について(図5の(3)図を参照)、又は表
裏の外表面たる表面と裏面について(図5の(1)図と
(2)図を参照)、縦横両方向に回路Cが形成されてい
ることが多い。そして、このような縦方向の回路Cと横
方向の回路C間が、図示のように正確に90度に設定さ
れず、例えば、より大きな角度をなしたり、より小さな
角度をなしたり、略折れ線状をなしたりして、設定され
ていることも多い。噴射された薬液Eは、各回路間スペ
ースDを通って流れ易く、このような回路Cの縦横方向
によってそのままでは化学処理に速度差が生じるが、途
中に方向転換装置6を組み込み方向転換させることによ
り、回路C方向による速度差の悪影響が解消され、化学
処理が縦横の回路Cにわたり均一化されるようになる。
すなわち、もしもこのように途中で向きを方向転換しな
い場合は、例えば回路Cの縦方向を前後の搬送方向Hと
した場合に、この縦方向の回路Cの化学処理速度が速く
なり、逆に、同一外表面や反対面の横方向の回路Cの化
学処理速度が遅くなり、化学処理の均一性が損なわれて
しまうが、このような事態は回避される。このように第
1に、化学処理が均一化される。
【0032】第2に、この薬液処理装置にあっては、こ
れらが確実かつ簡単容易に実現される。すなわち、a.
プリント配線基板材B(プリント配線基板A)の外表面
に縦横に形成される回路Cは、図5に示したように正確
に90度直交せず、90度より大きな角度や小さな角度
で交差していることも多い。 b.プリント配線基板材Bは、前後2室の処理室3の
内、前側の処理室3のコンベヤ1にて搬送開始される
際、縦横の回路C方向が、前後の搬送方向Hや左右の幅
方向Gと一致せずに、位置決め・セットされることも多
い。その代表例としては、プリント配線基板材Bの長手
方向・縦方向が搬送方向Hと一致せず、左右にずれてセ
ットされるケースが考えられる。 c.プリント配線基板材Bを、処理室3間の方向転換装
置6にて、正確に90度方向転換させることは容易でな
い。つまり、プリント配線基板材Bの方向転換装置6に
よる持ち上げ,方向転換,降下等の各動作コントロール
は、90度を除く角度で動作コントロールする方が容易
である。 これらにより、この薬液処理装置にあっては、方向転換
装置6によりプリント配線基板材Bを、90度を除く角
度で方向転換するようになっており、前述した第1の点
が確実かつ簡単容易に実現される。
【0033】第3に、この現像装置やエッチング装置等
の薬液処理装置では、上述した第1のように、プリント
配線基板材Bの化学処理が均一化されると共に、上述し
た第2のように、これが確実かつ簡単容易に実現され
る。このように、プリント配線基板Aの製造工程におい
て、現像やエッチング等の化学処理・薬液処理が均一化
され、プリント配線基板材Bについて、化学処理の遅れ
・不足箇所や化学処理のオーバー・過度な箇所が発生し
なくなる。もってまず、形成される回路Cの回路幅F
(図6を参照)が、全体的に均一化される。つまり、回
路幅Fの広い箇所や狭い箇所が発生する事態は回避され
る。更に、主としてオーバー・過度な化学処理がなくな
ることに起因して、形成される回路Cの断面形状が、回
路幅Fの理想を100%とした場合に80%程度と、正
方形や長方形つまり垂直な凸状に近いものが得られる
(図6の(2)図を参照)。つまり、理想の55%程度
の回路幅Fとなり台形状・略富士山状の断面形状となる
こと(図6の(3)図を参照)は、回避される。
【0034】なお図示例において、ターンセクション9
そして方向転換装置6は、薬液E中等の液中ではなく空
中に配設され、もって、搬送されるプリント配線基板材
B等の薄板材は、空中で向きが方向転換されていたが、
本発明はこれに限定されるものではない。すなわち図示
例によらず、ターンセクション9そして方向転換装置6
を薬液E中その他の液中に配設し、もって、液中で搬送
されるプリント配線基板材B等の薄板材を、このような
液中で向きを方向転換させるようにした例についても、
本発明は適用可能である。この場合、プリント配線基板
材B等は処理室3においても薬液E中等の液中を搬送さ
れると共に、搬送されるプリント配線基板材B等に対す
る薬液Eの噴射も、このような薬液E中で行われること
が多い。
【0035】
【発明の効果】本発明に係る現像装置やエッチング装置
等の薬液処理装置は、以上説明したように、搬送される
プリント配線基板材等の薄板基材の向きを、途中で方向
転換させるようにしたことにより、次の効果を発揮す
る。
【0036】第1に、この薬液処理装置では、搬送され
るプリント配線基板材等の薄板基材は、向きが途中で方
向転換される。プリント配線基板(材)等にあっては、
外表面の縦方向や横方向に回路が形成されることが多
く、噴射された現像液や腐食液等の薬液は、プリント配
線基板材等の外表面を各回路間スペースを通って流れ易
く、そのままでは、回路の縦横方向によって現像やエッ
チング等の化学処理に速度差が生じやすい。そこで、プ
リント配線基板材等を途中で方向転換させることによ
り、回路方向そして速度差の悪影響が解消され、現像や
エッチング等の化学処理が、縦横両方向の回路にわたり
均一化される。すなわち、プリント配線基板材等を途中
で方向転換させない前述したこの種従来例のように、例
えば縦方向を前後の搬送方向とした場合に、縦方向の回
路の化学処理が速度的に早くなり過ぎてオーバー・過度
となり、横方向の回路の化学処理が遅れ・不足し、もっ
て、化学処理の均一性が損なわれてしまう事態は、確実
に回避される。
【0037】第2に、しかもこれは、この薬液処理装置
にあっては、確実かつ簡単容易に実現される。すなわ
ち、a.プリント配線基板(材)等の薄板基材の外表面
に縦方向や横方向に形成される回路は、相互間が正確に
90度直交していないことも多い。b.プリント配線基
板材はコンベヤにて搬送され始める際、縦横の回路方向
を前後の搬送方向や左右の幅方向に、正確に一致せずに
位置決めされることも多く、この方がコントロールが簡
単である。c.プリント配線基板材を搬送途中で正確に
90度方向転換させることは容易でなく、90度を除く
角度で方向転換させる方が、コントロールが容易であ
る。そこで、この薬液処理装置に組み込まれた方向転換
装置にあっては、90度の方向転換を目指す無駄をなく
し、例えば80度程度から100度程度の間で90度を
除いて方向転換させるようにしたことにより、そのコン
トロール機構等の構成が簡単化され、操作も容易化され
る。
【0038】第3に、この薬液処理装置では、このよう
に第1に、プリント配線基板材等の薄板基材について、
現像やエッチング等の化学処理が均一化されると共に、
第2に、これが確実かつ簡単容易に実現される。そこ
で、プリント配線基板の製造工程にあっては、形成され
る回路について、微細な回路幅のものであっても回路幅
が全体的に均一化されると共に、断面形状が正方形や長
方形つまり垂直な凸状に近いものが得られ、例えば通電
時の過熱が防止され安全性も向上する。前述したこの種
従来例のように、化学処理の均一性が損なわれて、ムラ
・バラツキ現象そして過不足箇所が生じることは防止さ
れ、回路幅の不均一,台形状・略富士山状の断面形状の
もの,回路の消失等の発生は、確実に回避される。
【0039】特にプリント配線基板は、半導体チップが
らみのCSP,PBGAを含め、回路の微細化,高精度
化,高密度化の進展が著しく、このように本発明の薬液
処理装置によって、微細な回路幅のものでも均一な回路
幅でしかも理想的な断面形状で形成され、これまでの回
路幅の限界値を大きく塗り変えることができる意義は、
大なるものがある。例えば本発明の薬液処理装置による
と、回路幅が20μで回路間スペースが30μ程度の回
路のプリント配線基板も、容易に製造可能となる。最近
は、プリント配線基板の小型化,ファイン化,多層化に
対応して、回路形成用の銅箔の肉厚も極薄化しており、
僅かな化学処理の不均一によっても、回路幅の不均一や
回路の消失が発生しやすい状況にあり、この点から見て
も、本発明の薬液処理装置の意義は、特に大なるものが
ある。更に、回路の微細化,高精度化,高密度化に対応
する手段としては、従来、非常に面倒な工程を要し極め
てコスト高となる電気メッキ法しか存在しなかったが、
本発明の薬液処理装置によると、極めてコスト面に優れ
た従来よりの露光・現像・エッチング法に基づいて、プ
リント配線基板の回路の微細化,高精度化,高密度化に
対応可能となる。このように、この種従来例に存した課
題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕
著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薬液処理装置について、発明の実
施の形態の説明に供する、側面説明図である。
【図2】同発明の実施の形態の説明に供する、平面説明
図である。
【図3】同発明の実施の形態の説明に供し、方向転換装
置等の側面説明図である。
【図4】同発明の実施の形態の説明に供し、方向転換装
置等の平面説明図である。
【図5】プリント配線基板(材)の説明に供する平面説
明図であり、(1)図は、回路が長手方向に形成された
例を、(2)図は、回路が短手方向に形成された例を、
(3)図は、回路が長手方向と短手方向とに形成された
例を示す。
【図6】プリント配線基板(材)の断面図であり、
(1)図は、回路や回路間スペース等の説明に供し、
(2)図は、良い回路の例を示し、(3)図は、悪い回
路の例を示す。
【符号の説明】
1 コンベヤ 2 スプレーノズル 3 処理室 4 シャフト 5 ローラー 6 方向転換装置 7 液槽 8 スプレーパイプ 9 ターンセクション 10 シャフト 11 ホイール 12 シリンダー 13 下テーブル 14 縦ガイド 15 ターンテーブル軸 16 モーター 17 傘歯車 18 ターンテーブル 19 開口 20 コンベヤフレーム A プリント配線基板(薄板基材) B プリント配線基板材(薄板基材) C 回路 D 回路間スペース E 薬液 F 回路幅 G 幅方向 H 搬送方向

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送される薄板基材に対し薬液を噴射し
    て化学処理を行う薬液処理装置において、 搬送される該薄板基材の向きが、途中で、搬送面に沿い
    つつ90度を除く角度で方向転換されること、を特徴と
    する薬液処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した薬液処理装置におい
    て、該薄板基材は、コンベヤにて水平姿勢で搬送され、
    該薬液は、搬送される該薄板基材に対し対向配設された
    多数のスプレーノズルから噴射され、 前後の該コンベヤ間に方向転換装置が組み込まれてお
    り、該方向転換装置は、搬送される該薄板基材の向き
    を、水平面に沿いつつ90度を除く角度で方向転換せし
    め、前後側を左右側に向かい方向転換させると共に、左
    右側を前後側に向かい方向転換させること、を特徴とす
    る薬液処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載した薬液処
    理装置であって、該薬液処理装置は、プリント配線基板
    の製造工程で用いられ、 該薄板基材は、外表面に回路が形成されるプリント配線
    基板材よりなり、該薬液としては、現像液や腐食液が用
    いられること、を特徴とする薬液処理装置。
JP23643199A 1999-08-24 1999-08-24 薬液処理装置 Expired - Fee Related JP3321120B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23643199A JP3321120B2 (ja) 1999-08-24 1999-08-24 薬液処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23643199A JP3321120B2 (ja) 1999-08-24 1999-08-24 薬液処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001059190A true JP2001059190A (ja) 2001-03-06
JP3321120B2 JP3321120B2 (ja) 2002-09-03

Family

ID=17000661

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23643199A Expired - Fee Related JP3321120B2 (ja) 1999-08-24 1999-08-24 薬液処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3321120B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013054783A1 (ja) * 2011-10-13 2013-04-18 株式会社Nsc 枚葉式化学研磨装置
KR20150114674A (ko) * 2014-04-02 2015-10-13 심진수 쿨 팩의 버 제거장치
KR20160028659A (ko) * 2014-09-04 2016-03-14 박정훈 수지용기 버링장치

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013054783A1 (ja) * 2011-10-13 2013-04-18 株式会社Nsc 枚葉式化学研磨装置
JP2013086978A (ja) * 2011-10-13 2013-05-13 Nsc:Kk 枚葉式化学研磨装置
CN103889912A (zh) * 2011-10-13 2014-06-25 株式会社Nsc 单片式化学研磨装置
KR20140081828A (ko) * 2011-10-13 2014-07-01 가부시키가이샤 엔에스씨 매엽식 화학연마장치
CN103889912B (zh) * 2011-10-13 2016-01-20 株式会社Nsc 单片式化学研磨装置
KR101988999B1 (ko) * 2011-10-13 2019-06-13 가부시키가이샤 엔에스씨 매엽식 화학연마장치
KR20150114674A (ko) * 2014-04-02 2015-10-13 심진수 쿨 팩의 버 제거장치
KR101587958B1 (ko) 2014-04-02 2016-01-22 심진수 쿨 팩의 버 제거장치
KR20160028659A (ko) * 2014-09-04 2016-03-14 박정훈 수지용기 버링장치
KR101713156B1 (ko) * 2014-09-04 2017-03-07 박정훈 수지용기 버링장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP3321120B2 (ja) 2002-09-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001314789A (ja) 薄板材の表面処理装置
JP4015667B2 (ja) メッキ基板のエッチング装置
CA2162712A1 (en) Process and apparatus for coating printed circuit boards
JP3120073B2 (ja) 薬液処理装置
EP1083245A2 (en) Fluid delivery systems for electronic device manufacture
JP2850118B2 (ja) 搬送処理装置
JP3321120B2 (ja) 薬液処理装置
US20090314739A1 (en) Wet processing system and wet processing method
JP3181884B2 (ja) 薬液処理装置
TW565473B (en) Cleaning device
JP5166367B2 (ja) 基板材の表面処理装置
JP2006222117A (ja) 基板材の搬送装置
JP3566900B2 (ja) 薬液処理装置
JP2004158765A (ja) 基板処理装置
JP2003218497A (ja) 基板処理装置
JP2005232494A (ja) 基板材の表面処理装置
JP2006312515A (ja) 薄物基板材の搬送装置
JP2004055711A (ja) 基板処理装置
JP2003124611A (ja) 乾燥装置
JP3005898B2 (ja) 液体噴射装置
JPH02128493A (ja) プリント配線基板の搬送装置
KR100517138B1 (ko) 화학용액 처리장치
JP2007109987A (ja) 基板のエッチング装置
JPH05309294A (ja) スプレー装置
JP4285018B2 (ja) ウエット処理装置の液切りと液置換装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees