JP2001059156A - 窒化炭素化合物の製造方法 - Google Patents

窒化炭素化合物の製造方法

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JP2001059156A
JP2001059156A JP2000220011A JP2000220011A JP2001059156A JP 2001059156 A JP2001059156 A JP 2001059156A JP 2000220011 A JP2000220011 A JP 2000220011A JP 2000220011 A JP2000220011 A JP 2000220011A JP 2001059156 A JP2001059156 A JP 2001059156A
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electrode
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carbon
carbon nitride
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Youzou Kakudate
洋三 角舘
Shuzo Fujiwara
修三 藤原
Yutaka Ideno
裕 出野
Shuichi Sugiyama
修一 杉山
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Fuji Electric Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Fuji Electric Corporate Research and Development Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】窒化炭素化合物をいかなる材料の基板にも成膜
できるようにする。 【解決手段】真空容器内でグラファイトよりなる電極1
と電極2の間隙に窒素ガスを流した状態でピンチプラズ
マ3を発生させ、このピンチプラズマ3によって窒化炭
素化合物の膜6を基板35上に形成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、窒化炭素化合物
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素原子同士が結合してできる結晶の同
素体として、ダイヤモンドやグラファイトなどがよく知
られているが、これらの結晶の他に、炭素原子同士が一
方向に鎖状につながった擬一次元結晶構造の炭素同素体
も存在する。図3は、擬一次元構造炭素同素体の結晶構
造を示す図であり、(A)は要部側面図、(B)は要部
平面図である。図3の(A)では、炭素原子5が一方向
につながって炭素鎖5Aを形成している。図3の(B)
では、炭素鎖5Aが六方面に垂直に整列している。この
結晶構造は、一次元方向に配列した炭素原子5が束にな
って結晶を構成しているので擬一次元構造と呼ばれてい
る。このような擬一次元構造の炭素同素体は、その性質
によってはダイアモンドのように将来性が期待されるの
で、現在、その性質の研究や製造方法の開発が盛んに行
われている。
【0003】図4は、従来の擬一次元構造炭素同素体の
製造装置を示す断面図である。133.32Paのアルゴンガ
スが封入された図示されていない真空容器内にグラファ
イト製の電極20,21(直径10mm)が互いに接触
させて配置されている。この電極20,21にスイッチ
27を介して直流電源26が接続され、電極20,21
の接触部25から5ないし6mm離れた位置に銅製の基
板22が配されている。スイッチ27を投入して600
Aの直流電流を 0.1ないし 0.3秒流すと、接触部25で
アークが発生する。このアークによって、電極20,2
1のグラファイト材が蒸発し、基板22上に炭素の結晶
が膜23となって堆積する。この炭素の結晶構造をX線
回折スペクトルによって調べると、擬一次元構造炭素同
素体であることが分かる。
【0004】図5は、従来の異なる擬一次元構造炭素同
素体の製造装置を示す斜視図であり、(A)は全体の構
成を示す図、(B)は図5(A)の基板34だけを取り
出して示した図である。図5(A)では、二枚の銅製の
円板29A,29B(いずれも直径が120 mm)が互い
に平行に、かつ10mm離れて配置されてある。銅製の基
板34が互いに僅かずつ離され、円板29A,29Bの
円周部を渡るようにしてに複数配されている。また、グ
ラファイト製の電極32A,32Bの接触部33が基板
34上に来るように配されている。この装置は、図4の
場合と同様に133.32Paのアルゴンガスが封入された図
示されていない真空容器内に収納されている。図5
(B)では、基板34が半円筒状を形成している。
【0005】図5(A)において、円板29A,29B
を軸29Cを中心にして、毎分1回転の速度で回転させ
る。接触部33が基板34上に来る度に電極32A,3
2B間に電流を流すように電源側を制御すると、接触部
33にアークが発生し、電極32A,32Bのグラファ
イト材が蒸発する。それによって、基板22上に炭素の
結晶が膜23となって堆積する。この炭素の結晶構造を
X線回折スペクトルによって調べると、擬一次元構造炭
素同素体であることが分かる。図5の装置は、図4のそ
れと比べて約十倍の擬一次元構造炭素同素体の製造能力
がある。
【0006】擬一次元構造炭素同素体のその他の製造方
法としては、ポリ塩化ビニルに強塩基を作用させ、脱塩
化水素反応を起こさせる方法や、アセチレンを触媒によ
って脱水重合させる方法もある。窒化炭素化合物も、最
近になって存在することが分かってきた材料であり、そ
の性質や応用先はまだはっきりとはしていない。擬一次
元構造炭素同素体と同様に、現在、その性質や製造方法
が盛んに研究されている。
【0007】図6は、窒化炭素化合物の結晶構造を示す
斜視図であり、白丸が炭素原子5、黒丸が窒素原子8で
ある。この結晶構造からの理論計算だけからは、ダイア
モンドより硬くなるという可能性が指摘されている。実
際の強度はまだ明確にされていないが、磨耗性や耐久性
に優れたコーティング材としてその将来性が大いに期待
されている。窒化炭素化合物の製造方法としては、アン
モニアと炭化水素とを高温で分化し、その後、再結合さ
せて製造する方法が取られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような従来の製造方法では、基板の材料が金属製でな
いと膜がよく基板に付着しないという問題があった。特
に、銅のように熱伝導率の大きい材料を基板にしない
と、成膜した後の冷却速度が十分でなく、結晶化が充分
に至らないままになっていた。特に、基板がセラミック
やプラスチックなどの熱伝導率の小さい材料の場合、擬
一次元構造炭素同素体や窒化炭素化合物の付着性が非常
によくなかった。基板材料に依存しない成膜方法があれ
ば、今後、材料のコーティング処理の応用範囲が広くな
り、有用性が増してくる。この発明の目的は、基板材料
に依存しない成膜方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の方法によれば、真空容器内にグラファイ
トよりなる電極対を収納し、前記電極対の間隙に窒素ガ
スを流した状態でピンチプラズマを発生させ、このピン
チプラズマによって窒化炭素化合物を基板上に成膜させ
ることとしてもよい。発明者らは、このピンチプラズマ
によって、電極であるグラファイト材から分解した炭素
原子と、その周囲の窒素原子とが化合し、その近辺にあ
る基板に窒化炭素化合物が成膜することも発見した。し
かも、この方法によれば、基板がどのような材料であっ
ても窒化炭素化合物が良好に成膜されることが分かっ
た。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明の方法は、真空容器内に
グラファイトよりなる電極対を収納し、前記電極対の間
隙に窒素ガスを流した状態でピンチプラズマを発生さ
せ、このピンチプラズマによって窒化炭素化合物を基板
上に成膜させる方法である。
【0011】以下、この発明の方法を参考例および実施
例に基づいて説明する。図1は、ピンチプラズマの発生
装置の動作を説明する断面図であり、それぞれ(A)は
ガス吹き付け時、(B)は円筒状プラズマ発生時、
(C)はピンチプラズマ発生時の状況を示す。図1にお
ける電極1と電極2は対をなし、図示されていない真空
容器に収納されている。電極1はガス吹き出し側のもの
で、上部にガス導入系9が接続され、ガス通路1Aを介
してガス30をバルブ4に導いている。さらに、バルブ
4の出口(下側)には円筒状のガス通路1Bが配され、
下方にガス30を吹き出している。一方、電極2はガス
30の流れを受けている。電極1と電極2は、投入スイ
ッチ11を介して電源10に接続されている。
【0012】まず、図1(A)において、投入スイッチ
11を開成した状態でバルブ4を開成すると、電極1と
電極2の間の真空ギャップ中にガス30が吹き出し、ガ
ス30が円筒状に分布するようになる。次に、図1
(B)において、投入スイッチ11を閉成すると、ガス
30が円筒状のプラズマ31になり電流Iが流れる。こ
の電流Iによってプラズマ31を周回する磁束Φが発生
するので、プラズマ31はローレンツ力によって半径方
向内方に力を受ける。その結果、図1(C)のように細
く円柱状に収縮したピンチプラズマ3が形成される。こ
のピンチプラズマ3からは、放射光3Aが放射される。
【0013】ピンチプラズマ3は、プラズマが高密度に
収縮したものであり、一般にアークよりはその圧力が桁
違いに高い。そのために、ピンチプラズマ3の周囲に1
nmないし100nmという短い波長の電磁波が放射さ
れる。このピンチプラズマ3の放射光3Aは、例えば、
半導体の表面加工などに応用されている。なお、図1に
おいて、ガス30を吹き出さない状態で投入スイッチ1
1を閉成すれば、単なるアークの発生だけになり、細く
円柱状に収縮したピンチプラズマ3には決してならな
い。
【0014】図2は、この発明の参考例にかかる擬一次
元構造炭素同素体の製造装置を示す要部拡大断面図であ
る。ピンチプラズマ3に対向する位置に基板35が配さ
れている。また、電極1と電極2とは、ともにグラファ
イト製とし、ガス通路1Bに流すガスは、アルゴンガス
とする。図2において、図示されていない周囲の構成は
図1と同じである。図2の製造装置において、ピンチプ
ラズマ3によって電極1と電極2から遊離した炭素原子
が、飛翔粒子となって放射光3Aとともに放射されて基
板35上に膜6を形成する。この膜6をX線回折によっ
て調べると、擬一次元構造炭素同素体であることが分か
った。しかも、この膜6は、基板35の材料によらない
ことが分かった。基板35が銅や銀などの金属によく付
着することは勿論、ポリカーボネイト樹脂やテフロン
(登録商標)樹脂などのプラスチック、石英や磁器など
のセラミックスでもよく付着する。このように付着性
が、基板35の材料に依存しないのはピンチプラズマ3
の持つエネルギーが、アークと比べて桁違いに大きいた
めである。なお、図2において、ガス通路1Bに流すガ
スは、一般に希ガスならばよく、他と反応しなければよ
い。
【0015】また、図2において、ガス通路1Bに流す
ガスを窒素ガスにすれば、基板35上に形成される膜6
は窒化炭素化合物になる。すなわち、電極1と電極2か
らピンチプラズマ3によって遊離した炭素原子が、高温
に晒された窒素ガスと反応して窒化炭素化合物になり、
飛翔粒子となって放射光3Aとともに放射されて基板3
5上に成膜する。この膜6もX線回折スペクトルによっ
て調べると、窒化炭素化合物の結晶体であることが分か
った。しかも、この膜6も、基板35の材料によらない
ことが分かった。基板35は、擬一次元構造炭素同素体
の成膜の場合と同じように金属、プラスチック、セラミ
ックスのいずれにもよく付着することが分かった。
【0016】
【発明の効果】この発明の方法は、前述のように、真空
容器内でグラファイトよりなる電極対の間隙に窒素ガス
を流した状態でピンチプラズマを発生させ、このピンチ
プラズマによって窒化炭素化合物を基板上に成膜させ
る。これによって、基板材料に依存しないで基板に成膜
することができるようになった。材料のコーティング処
理の応用範囲が広くなり、その有用性が今後増してく
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ピンチプラズマの発生装置の動作を説明する断
面図であり、それぞれ(A)はガス吹き付け時、(B)
は円筒状プラズマ発生時、(C)はピンチプラズマ発生
時の状況を示す図
【図2】この発明の参考例にかかる擬一次元構造炭素同
素体の製造装置を示す要部拡大断面図
【図3】擬一次元構造炭素同素体の結晶構造を示す図で
あり、(A)は要部側面図、(B)は要部平面図
【図4】従来の擬一次元構造炭素同素体の製造装置を示
す断面図
【図5】従来の異なる擬一次元構造炭素同素体の製造装
置を示す斜視図であり、(A)は全体の構成を示す図、
(B)は図5(A)の基板だけを取り出して示した図
【図6】窒化炭素化合物の結晶構造を示す斜視図
【符号の説明】 1,2:電極、1A,1B:ガス通路、3:ピンチプラ
ズマ、3A:放射光、4:バルブ、5:炭素原子、5
A:炭素鎖、6:膜、8:窒素原子、9:ガス導入系、
10:電源、11:投入スイッチ、30:ガス、31:
プラズマ、35:基板
フロントページの続き (72)発明者 藤原 修三 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 出野 裕 神奈川県横須賀市長坂2丁目2番1号 株 式会社富士電機総合研究所内 (72)発明者 杉山 修一 神奈川県横須賀市長坂2丁目2番1号 株 式会社富士電機総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空容器内にグラファイトよりなる電極対
    を収納し、前記電極対の間隙に窒素ガスを流した状態で
    ピンチプラズマを発生させ、このピンチプラズマによっ
    て窒化炭素化合物を基板上に成膜させることを特徴とす
    る窒化炭素化合物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006069856A (ja) * 2004-09-03 2006-03-16 Kakei Gakuen 窒化炭素の製造方法
US7708971B2 (en) 2005-02-16 2010-05-04 Carbodeon Ltd Oy Method for preparing carbon nitride C3N4
CN108525693A (zh) * 2018-03-07 2018-09-14 中国科学院深圳先进技术研究院 一种石墨相氮化碳光电复合催化剂及其制备方法

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