JP2006069856A - 窒化炭素の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 窒化炭素以外のマトリックス中に担持された状態ではない粉体(粉末)の窒化炭素(即ち、粉体を構成する1の粉の全体が炭化窒素により形成されるもの)の製造方法を提供する。
【解決手段】窒素ガスに所定のマイクロ波を放射して発生させた窒素プラズマに、炭素を含有する炭素含有材を接触させることを特徴とする、炭化窒素の製造方法である。窒素プラズマ中にて前記炭素含有材の表面から火花放電を生じさせるものであってもよい。前記窒素プラズマを発生させる前に、アルゴンガスに所定のマイクロ波を放射してアルゴンプラズマを発生させ、該アルゴンガスを前記窒素ガスに置換することで前記窒素プラズマを発生させるものであってもよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、窒化炭素(炭化窒素と呼ばれることもある。)の製造方法に関し、より詳細には、容易かつ安価に高性能な窒化炭素(CN)を製造することができる製造方法に関する。
窒化炭素(CN)は、その硬質性から研磨材や、半導体性から電子素子(例えば、ナノエレクトロニクスと呼ばれているような分野)等へ用いられ得ることから、窒化炭素(CN)の製造方法は様々研究されてきた。
かかる窒化炭素(CN)の製造方法としては、イオン打ち込み、スパッタリング、プラズマ合成法等が既に知られている。
例えば、特許文献1には、「真空容器内にグラファイトよりなる電極対を収納し、前記電極対の間隙に窒素ガスを流した状態でピンチプラズマを発生させ、このピンチプラズマによって窒化炭素化合物を基板上に成膜させることを特徴とする窒化炭素化合物の製造方法」により、基板の材質を問わず窒化炭素化合物の膜を該基板上に形成することが開示されている(特許文献1参照)。
そして、特許文献2には、「シアン化臭素、シアン化ヨウ素等のシアン化合物を含む原料ガス7をプラズマ10化することにより活性化し、該プラズマ中またはプラズマ化されたガス20の下流に置かれ負電圧にバイアスされた基体5上に窒化炭素膜21を合成する。バイアスは高周波16による自己バイアス、直流電圧6によるバイアスまたはその両者の重畳である。あるいは、原料ガスの水素原子の比率が5%以下、又は、水分含有率が1%以下、又は一部または全部を吸湿剤8,8’を通して反応槽1,2内へ供給する。希ガス11、窒素含有ガスのプラズマの下流に原料ガスを混合する。また、シアン化合物ガスの流量の全ガス流量に対する比は1〜100%であり、かつ窒素ガスと希ガスの流量比が0〜80%とする。」ことにより、基体上に窒化炭素膜を合成することが開示されている(特許文献2参照)。
さらに、非特許文献1には、グラファイト中への窒素原子の注入(室温下)によって、グラファイト中に小粒径の窒化炭素を生成させることが開示されている。
特開2001−59156号公報(請求項1、段落番号0009) 特開2002−38269号公報(要約中の解決手段) 山本和弘、古賀義紀、八瀬清志、藤原修三、久保田正明(Kazuhiro Yamamoto,Yoshinori Koga,Kiyoshi Yase,Shuzo Fujiwara and Masaaki Kubota)、グラファイトへの低エネルギー窒素インプランテーション法による立方晶窒化炭素の形成(Formation of Cubic Phase Carbon Nitride Solid by Low Energy Nitrogen Implantation into Graphite)、応用物理学会欧文誌 36巻、L230−L233頁、1997年(Jpn.J.Appl.Phys.Vol.36(1997)pp.L230−L233 Part2,No.2B,15 February 1997)
しかしながら、特許文献1、特許文献2及び非特許文献1に示されるような従来の窒化炭素の製造方法では、薄膜状の窒化炭素が得られたり(特許文献1、特許文献2)、窒化炭素以外のマトリックス中に担持された状態(即ち、物理的に一体をなすものの一部が窒化炭素であるもののその他の部分(該一部以外の部分)は窒化炭素でないもののような状態である。非特許文献1に開示の発明では、窒化炭素以外であるグラファイトのマトリックス中に小粒径の窒化炭素が担持された状態である。)で窒化炭素が得られるものの、窒化炭素の粉体を得ることはできない。
とりわけ窒化炭素を上記したような用途(研磨材、半導体等のような電子素子)等へ用いる場合、窒化炭素以外のマトリックス中に担持された状態ではない粉体(粉末)の窒化炭素(即ち、粉体を構成する1の粉の全体が窒化炭素により形成されるもの)の方が使用や取扱が容易であるので、かかる粉体の窒化炭素の製造方法が求められている。
そこで、本発明においては、窒化炭素以外のマトリックス中に担持された状態ではない粉体(粉末)の窒化炭素(即ち、粉体を構成する1の粉の全体が窒化炭素(不可避的な不純物を含む)により形成されるもの)の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の窒化炭素の製造方法(以下、「本方法」という。)は、窒素ガスに所定のマイクロ波を放射して発生させた窒素プラズマに、炭素を含有する炭素含有材を接触させることを特徴とする、窒化炭素の製造方法である。
また、本方法には、以下(1)〜(9)の態様が含まれる。
(1)前記窒素プラズマを発生させる前に、アルゴンガスに所定のマイクロ波を放射してアルゴンプラズマを発生させ、該アルゴンガスを前記窒素ガスに置換することで前記窒素プラズマを発生させるものである、上記製造方法。
(2)前記アルゴンプラズマの発生を助ける火花放電を、前記アルゴンプラズマの発生時に前記アルゴンガス内で生じさせるものである、上記(1)の製造方法。
(3)前記窒素プラズマ中にて前記炭素含有材の表面から火花放電を生じさせるものである、上記製造方法。
(4)前記炭素含有材がグラファイトによって形成されるものである、上記製造方法。
(5)前記炭素含有材が棒状部材によって形成されるものである、上記製造方法。
(6)流動する窒素ガスを前記窒素プラズマに変換してゆくものであり、窒素ガスの体積速度が、0.1〜3.0リットル/(分・mm)である、上記製造方法。
(7)生成した窒化炭素を表面に付着させて収集する収集部材を前記流動する窒素ガスの下流側に配置するものである、上記(6)の製造方法。
(8)生成した窒化炭素を表面に付着させて収集する収集部材を前記炭素含有材の下方に配置するものである、上記製造方法。
(9)前記所定のマイクロ波が、0.8〜100GHzの周波数である、上記製造方法。
そして、本発明は、粉体を構成する1の粉の全体が窒化炭素及び不可避的な不純物により形成され、平均粒径が1マイクロメートル以下である、粉状の窒化炭素を提供する。
本発明の窒化炭素の製造方法(以下、「本方法」という。)は、窒素ガスに所定のマイクロ波を放射して発生させた窒素プラズマに、炭素を含有する炭素含有材を接触させることを特徴とする、窒化炭素の製造方法である。
窒素プラズマ(原子状)は、窒素ガスに所定のマイクロ波を放射して発生させる。マイクロ波を窒素ガスに放射することで窒素プラズマを発生させることは既知の技術であるのでここでは詳しい説明を省略する。
このように発生させた窒素プラズマに炭素含有材を接触させることによって、本方法においては、窒化炭素以外のマトリックス中に担持された状態ではない粉体(粉末)の窒化炭素(即ち、粉体を構成する1の粉の全体が窒化炭素及び不可避的な不純物により形成されるもの)を製造することができる。
なお、このようにして本方法により製造された窒化炭素は、従来の窒化炭素と同様、その硬質性から研磨材として用いることができ、さらに半導体性から電子素子(例えば、ナノエレクトロニクスと呼ばれているような分野)等へ用いられ得る。
前記窒素プラズマを発生させる前に、アルゴンガスに所定のマイクロ波を放射してアルゴンプラズマを発生させ、該アルゴンガスを前記窒素ガスに置換することで前記窒素プラズマを発生させるもの(以下、「アルゴンプラズマ事前発生法」という。)であってもよい。
このように窒素プラズマを発生させる前に、アルゴンガスに所定のマイクロ波を放射してアルゴンプラズマを発生させた後、アルゴンガスを窒素ガスに置換すれば、窒素プラズマを安定して発生させることができることから、本方法を容易かつ安定的に実施することができる。
アルゴンプラズマ事前発生法の場合、前記アルゴンプラズマの発生を助ける火花放電を、前記アルゴンプラズマの発生時に前記アルゴンガス内で生じさせるものであってもよい。
こうすることでアルゴンプラズマの発生時に必要なエネルギーを火花放電によってアルゴンガスに与えることができるので、アルゴンプラズマを容易かつ安定して発生させることができることから、一層、本方法を容易かつ安定的に実施することができる。
なお、アルゴンプラズマの発生時にアルゴンガス内で火花放電を生じさせる方法は、いかなるものであってもよく何ら限定されるものではないが、例えば、一時的に電極に高電圧を印加することで放電を生じさせるようなもの(通称「イグナイター」等と称される。)を例示的に挙げることができる。
前記窒素プラズマ中にて前記炭素含有材の表面から火花放電を生じさせるものであってもよい。
このように窒素プラズマ中にて炭素含有材の表面から火花放電を生じさせることにより、窒化炭素を安定して円滑に製造することができる。
かかる窒素プラズマ中における炭素含有材の表面からの火花放電は、いかなる方法によって形成されてもよく何ら限定されるものではないが、例えば、窒素プラズマを形成するために窒素ガスに放射される所定のマイクロ波(とりわけ炭素含有材の表面付近に放射される所定のマイクロ波)の出力や周波数等を調節することによってなされてもよい。
なお、窒素プラズマ中にて炭素含有材の表面から火花放電を生じさせることによって窒化炭素の製造を安定化等させることができる理由は、必ずしも定かではないが、かかる火花放電が窒化炭素の微細な核生成を促す(即ち、核生成に要するエネルギーをかかる火花放電が与える)ためではないかと推定される(なお、その生成した核は、その後、成長し最終的な窒化炭素となる。)。
炭素含有材は、炭素を含有するものであれば、特に制限されることなく種々のものが用いられてよく何ら限定されるものではないが、製造される窒化炭素に不純物等が混入することを防止又は減少させ、窒化炭素を安定して円滑に製造することからは、炭素の含有率が高い方が好ましい。とりわけ前記炭素含有材がグラファイトによって形成されるものであれば、これら不純物等の混入防止又は減少や、安定的な製造が可能になることから好ましい。
前記炭素含有材が棒状部材によって形成されるものであってもよい。
ここに棒状部材とは、線分に沿ってのびる部分を有する部材をいい、かかる棒状部材によって形成される炭素含有材を用いることで、窒化炭素を安定して円滑に製造することができる。
なお、棒状部材によって形成される炭素含有材を用いることで、窒化炭素を安定して円滑に製造することができる理由は、必ずしも定かではないが、窒素プラズマを形成するために窒素ガスに放射される所定のマイクロ波と、棒状部材たる炭素含有材と、の何らかの相互作用に基づくものと思われる。
流動する窒素ガスを前記窒素プラズマに変換してゆくものであり、窒素ガスの体積速度が、0.1〜3.0リットル/(分・mm)であってもよい(以下、「流動窒素法」という。)。
流動する窒素ガスを窒素プラズマに変換してゆく(即ち、流動する窒素ガスを用いて窒素プラズマを生成させる。)ことで、窒化炭素を生成するための窒素を充分与えることができるので、窒化炭素を安定して円滑に製造することができる。そして、窒素ガスの体積速度を0.1〜3.0リットル/(分・mm)とすることで、窒化炭素を生成するために要する窒素を与えることができると共に、該体積速度をかかる範囲にて変化させれば、製造される窒化炭素(CN)のxをほぼ0.1〜2の範囲内にて変化させることができる(無論、該体積速度を増加させればxが増加し、該体積速度を減少させればxが減少する。)。ここにxは理論的には1.33(C)であるが、窒化炭素の硬度を充分高くするにはxが0.8より大きくされることが好ましく(x>0.8)、より好ましくは0.9より大きくされる(x>0.9)(xは1.33以下である。)。なお、xを0.8より大きくするためには(x>0.8)、通常、体積速度を1.0リットル/(分・mm)以上としてもよい。
なお、該体積速度は、窒素ガスが流動する方向に対して垂直な面を考え、該面の単位面積(mm)単位時間(1分)あたり窒素ガスが流れる体積(0℃、1気圧の標準状態換算の体積流量リットル)をいう。
流動窒素法の場合、生成した窒化炭素を表面に付着させて収集する収集部材を前記流動する窒素ガスの下流側に配置するものであってもよい。
本方法により製造される窒化炭素は、通常細かい粉体(通常、平均粒径が1ナノメートル乃至1マイクロメートル)であるので、窒素プラズマを生成させるために流動される窒素ガスによって搬送され得る。このため流動する窒素ガスの下流側(炭素含有材よりも下流側)に収集部材を配設しておけば、収集部材の表面に生成した窒化炭素を付着させて収集することができる。
また、収集部材の該表面の温度を所定温度(例えば、20〜1000℃)に保つようにしておけば、該表面に付着した窒化炭素をアニーリングすることができ窒化炭素の結晶性を改善することができる。
生成した窒化炭素を表面に付着させて収集する収集部材を前記炭素含有材の下方に配置するものであってもよい。
こうすることで本方法により製造される窒化炭素が、重力によって下方に移動されることで、炭素含有材の下方に配置された収集部材の表面に窒化炭素を付着させて収集することができる。
また、この場合も、収集部材の該表面の温度を所定温度(例えば、20〜1000℃)に保つようにしておけば、該表面に付着した窒化炭素をアニーリングすることができ窒化炭素の結晶性を改善することができる。
窒素プラズマを形成するために窒素ガスに放射される所定のマイクロ波は、安定的に窒素プラズマを形成し窒化炭素を安定して円滑に製造することができればいかなるもの(例えば、周波数や出力等)であってもよく何ら限定されるものではないが、例示的には概ね次のようなものを用いてもよい。
所定のマイクロ波の周波数は、あまり低いと安定的に窒素プラズマを形成し窒化炭素を安定して円滑に製造することができず、あまり高いとマイクロ波を生じさせるために大きなエネルギーや設備を要するため経済的でないのでこれら両条件が満足される範囲とされることが好ましく、下限として、好ましくは0.8GHz以上、より好ましくは1.5GHz以上、最も好ましくは2.0GHz以上、上限として、好ましくは100GHz以下、最も好ましくは20GHz以下である。
所定のマイクロ波の出力は、あまり小さいと安定的に窒素プラズマを形成し窒化炭素を安定して円滑に製造することができず、あまり大きいとマイクロ波を生じさせるために大きなエネルギーや設備を要するため経済的でないのでこれら両条件が満足される範囲とされることが好ましく、とりわけ該両条件が満足される範囲内でも、窒化炭素の収量(該出力に略比例して増加するものと考えられる。)を多くすることからは該出力は大きい方が好ましい。
本方法により製造される窒化炭素(以下、「本窒化炭素」という。)は、窒化炭素以外のマトリックス中に担持された状態ではない粉体(粉末)の窒化炭素(即ち、粉体を構成する1の粉の全体が窒化炭素及び不可避的な不純物により形成されるもの)であり、従来の窒化炭素と同様、その硬質性から研磨材として、さらに半導体性から電子素子(例えば、ナノエレクトロニクスと呼ばれているような分野)として、用いることができる。そして、本窒化炭素は、通常、平均粒径が1ナノメートル乃至1マイクロメートルである。そして、該1の粉の全体に対する窒化炭素の割合(該1の粉の全体に含有される窒化炭素の質量をw1とし、該全体に含有される不可避的な不純物の質量をw2とすると、w1/(w1+w2)にて計算される。)は、通常、0.5以上であり、好ましくは0.7以上であり、より好ましくは0.9以上であり、最も好ましくは0.95以上である(無論、1以下である。)。なお、粉体を構成する1の粉の全体が窒化炭素のみにより形成されてよいことは言うまでもない。
なお、本発明にいう「粉体を構成する1の粉の全体が窒化炭素及び不可避的な不純物により形成される」とは、粉体を構成する粉の全てが窒化炭素及び不可避的な不純物により形成されることを要するものではなく、粉体を構成する少なくとも1の粉の全体が窒化炭素及び不可避的な不純物により形成されるものであればよい(即ち、窒化炭素及び不可避的な不純物により全体が形成された1の粉を粉体が含めばよい。例えば、粉体の中に、本方法で用いる炭素含有材の粉や粒が混入したものでもよい。)。なお、粉体の全体に対する窒化炭素の割合(粉体の全体の質量をm2とし、該全体に含有される窒化炭素の質量をm1とすると、m1/m2にて計算される。)は、通常、0.5以上であり、好ましくは0.7以上であり、より好ましくは0.9以上であり、最も好ましくは0.95以上である(無論、1以下である。)。
また、前述のように、製造される窒化炭素(CN)のxは、窒化炭素の硬度を充分高くして使用性能を向上させることからは、0.8より大きくされることが好ましく(x>0.8)、より好ましくは0.9より大きくされる(x>0.9)(なお、いずれもxは1.33以下である。)。
以下、本発明を具体的に説明するために、実施例を挙げる。しかしながら、これら実施例によって、本発明は何ら制限されるものではない。
図1は、本発明の窒化炭素の製造方法(本方法)を実施するための製造装置(以下、「本装置」という。)11を示す概略図である。図2は、後述の導波管59と反応器21との状態を示す断面図(反応器21が形成する直円筒の軸を含む平面による断面を示している。図1中、矢印Hによって示した部分を示している。)であり、図3は図2のJ−J断面図である。図1乃至図3を参照して、本装置11について説明する。なお、図1及び図2中、鉛直上方向を矢印Aにて、そして鉛直下方向を矢印Bにて、それぞれ示した。
本装置11は、大まかにいうと、有蓋無底の中空円筒形状をした反応器21と、反応器21の上端部に支持された電極23(本発明にいう炭素含有材)と、反応器21の内部において火花放電を起こすイグナイター25と、反応器21にアルゴンガスを導入するためのアルゴンガス導入部30と、反応器21に窒素ガスを導入するための窒素ガス導入部40(なお、アルゴンガス導入部30及び窒素ガス導入部40からのアルゴンガス及び窒素ガスは、導管22を経て反応器21の内部空間21cへ導かれる。)と、反応器21の内部にマイクロ波を照射するマイクロ波照射部50と、反応器21の下方に配設された基板61(本発明にいう収集部材)と、を有してなる。
反応器21は、中空の直円筒形状をしたガラス管(ここでは反応器21の内部空間21cは、直径8.03mm×高さ152.7mmの直円柱形状を有している。)によって形成されており、その管の上端21aは閉じられているが、その管の下端21bは開放(反応器21の内部空間21cは下端21bを経て外部71と連通している。)されている(有蓋無底)。反応器21の上端21aには、後で詳述する棒状の電極23が貫通するように支持されている。棒状の電極23の軸(電極23は直円柱形状をしており、該直円柱の軸をいう。)は、反応器21が形成する該直円筒の軸(以下、「反応器21の軸」という。)と一直線上に略存するように、電極23は反応器21の上端21aにより支持されている。
ここでは反応器21の軸が鉛直方向に略向くように、反応器21は、図示しない支持スタンドによって支持されている。
また、反応器21は、導管22が接続される第1ノズル21n1と、イグナイター25の放電電極25aが嵌入される第2ノズル21n2と、を有している。第1ノズル21n1は、導管22からのアルゴンガス及び窒素ガスを反応器21の内部空間21cへ導くものである。そして、第2ノズル21n2は、放電電極25aの先端を反応器21の内部空間21cへ位置させ、放電電極25aと電極23との間と、電極23と導波管59との間と、の両間で火花放電を生じさせるためのものである(導波管59の外壁59aはアースされており、そしてイグナイター25は、イグナイター25の放電電極25aとアースとの間に高電圧を印加できるようになっているので、イグナイター25が放電電極25aとアースとの間に高電圧を印加すれば、放電電極25aから電極23を経由して導波管59へ放電する。)。
炭素含有材たる電極23は、ここではグラファイトを直円柱(直径3.0mm×高さ100mm)形状に切削加工することで形成されたものであり、電極23の上端は反応器21の外部に位置すると共に、電極23の下端は反応器21の内部空間21cに位置する。なお、ここでは電極23の下端と、反応器21の下端21bと、の間の距離(図1中、距離C)は、36.6mmとされている。また、ここでは第1ノズル21n1と電極23の下端との間の距離(図1中、距離E)は58.4mmとされると共に、第2ノズル21n2と電極23の下端との間の距離(図1中、距離F)は58.9mmとされている。
そして、ここでは図示していない電源装置によって、電極23と基板61との間に0〜±3KVの直流電圧を自由に印加することができるようになっているが、ここでは電圧の印加は行っていない(即ち、電極23は電気的にはいずれのものともつながっておらず中立である)。
イグナイター25は、前述のように、イグナイター25の放電電極25aと、アースと、の間に規則的なパルス状の電圧を加えることができ、パルス状の電圧周期と加える電圧とを自由に変化させることができる。
アルゴンガス導入部30は、ここでは高圧のアルゴンガスが充填されたアルゴンガスボンベ31と、アルゴンガスボンベ31からのアルゴンガス流量を制御するアルゴンガス弁33と、アルゴンガスボンベ31から反応器21へのアルゴンガス流量を測定するアルゴンガス流量計35と、アルゴンガス流量計35から反応器21へアルゴンガスを導く導管22と、を含んでなる。このためアルゴンガス弁33を操作することで、アルゴンガスボンベ31から反応器21へ導入するアルゴンガス流量をアルゴンガス流量計35により測定しつつ自由に変化させることができる(アルゴンガス弁33により、アルゴンガスボンベ31から反応器21へのアルゴンガス導入を断続することもできる。)。
同様に、窒素ガス導入部40は、ここでは高圧の窒素ガスが充填された窒素ガスボンベ41と、窒素ガスボンベ41からの窒素ガス流量を制御する窒素ガス弁43と、窒素ガスボンベ41から反応器21への窒素ガス流量を測定する窒素ガス流量計45と、窒素ガス流量計45から反応器21へ窒素ガスを導く導管22と、を含んでなる。このため窒素ガス弁43を操作することで、窒素ガスボンベ41から反応器21へ導入する窒素ガス流量を窒素ガス流量計45により測定しつつ自由に変化させることができる(窒素ガス弁43により、窒素ガスボンベ41から反応器21への窒素ガス導入を断続することもできる。)。
マイクロ波照射部50は、2.45GHzのマイクロ波を発生させるマイクロ波電源51と、アイソレータ53と、パワーモニタ55と、整合器57と、これらの機器間と整合器57から反応器21までの間とにマイクロ波を導く導波管59と、を有してなる。
マイクロ波電源51は、周波数2.45GHzのマイクロ波を定常的に発生させており、該発生されたマイクロ波は導波管59を経てアイソレータ53へ導かれる。
アイソレータ53においては、アイソレータ53が有する2の端子のうち一方から他方へのマイクロ波の通過に伴う第1減衰率が、該2の端子のうち該他方から該一方へのマイクロ波の通過に伴う第2減衰率に比して極めて大きくなるようにされており、これによって進行波をうまく通過させる一方、反射波が通過することを減少させるものである。ここではマイクロ波電源51からパワーモニタ55へマイクロ波(進行波)をうまく通過(該第2減衰率)させる一方、パワーモニタ55からマイクロ波電源51へマイクロ波(反射波)が通過することを減少させる(該第1減衰率)。
また、パワーモニタ55は、アイソレータ53から整合器57へのマイクロ波(進行波)の出力と、整合器57からアイソレータ53へのマイクロ波(反射波)の出力と、を測定する。
整合器57は、整合器57の一端側(パワーモニタ55が取り付けられている側)と、整合器57の他端側(反応器21が取り付けられている側)と、の間のインピーダンスを整合させるためのものであり、かかるインピーダンスの整合の具合によって、マイクロ波電源51から反応器21へのマイクロ波(進行波)の出力と、反応器21からマイクロ波電源51方向へのマイクロ波(反射波)の出力と、の割合が変化する。即ち、整合器57によってインピーダンスの整合を調節することで、反応器21へ照射されるマイクロ波の出力を変化させることができる。
なお、上述した通り、マイクロ波電源51とアイソレータ53との間と、アイソレータ53とパワーモニタ55との間と、パワーモニタ55と整合器57との間と、そして整合器57と反応器21(外面)との間と、は導波管59によってマイクロ波が自由に移動することができるようになっている。なお、ここでは導波管59は、図2及び図3に示すように中空の内部空間59b(該内部空間をマイクロ波が通過する。マイクロ波が進行する方向(図2及び図3中、矢印Kにより示した。)に対して垂直な断面は略長方形(該略長方形の一辺を図2中、矢印Nにより示し、他の一辺を図3中、矢印Mにより示した。)である。このマイクロ波が進行する方向(矢印K)に対して垂直な内部空間59bの断面形状は、いずれの位置もほぼ同じ大きさ及び形状である。)と、内部空間59bを取り囲むように設けられた外壁59a(アルミニウム製であり電気的にアースされている。)と、を有してなる。外壁59aには反応器21が少しの隙間を有して遊嵌されるような嵌入穴59c(特に、図2及び図3を参照されたい。)が穿設されており、嵌入穴59cには反応器21が遊嵌され貫通している。内部空間59bを通過する反応器21の部分には電極23が存在しており、このため整合器57から放射されたマイクロ波は、導波管59の内部空間59bを通り、電極23が存する反応器21の部分に放射される。
基板61は、ここではシリコンによって形成された両主表面が平面をした板状部材であり、ここでは該主表面が水平になるように反応器21の下方に支持されている。また、ここでは図示していないが、基板61の両主表面のうち下面から基板61を加熱するヒータが配設されている。この図示しないヒータによって、基板61の両主表面のうちの上面61aを20℃〜1000℃の任意の温度にすることができる。なお、ここでは窒素プラズマ81が生じる熱によって、基板61の上面61aは約800℃に保たれている。ここに基板61の両主表面のうちの上面61aと、反応器21の下端21bと、の間の距離(図1中、距離D)は、ここでは10mmとされている。このように基板61の両主表面のうちの上面61aと、反応器21の下端21bと、の間には充分な隙間があり、反応器21の内部空間21cは大気圧(常圧:1気圧)に保たれている。
このような図1に示した本装置11を使用して窒化炭素を製造する方法を説明する(以下、第1〜第6に分けて説明するが、第1〜第6のそれぞれの手順を第1手順〜第6手順という。)。
第1に、アルゴンガス弁33を操作して、アルゴンガスボンベ31から反応器21へ10リットル(標準状態、即ち、0℃、1気圧換算)/分の体積流量にてアルゴンガスを継続的に導入する(流量は、アルゴンガス流量計35により測定する。)。
第2に、マイクロ波電源51を起動した後、整合器57を調節することで、反応器21へ継続的に照射されるマイクロ波の出力を300Wにする(出力は、パワーモニタ55により測定する。)。
第3に、イグナイター25を起動し、放電電極25aと電極23との間と、電極23と導波管59との間と、の両間で、規則的(ここでは約1/120秒に1回程度の頻度)な火花放電を継続的に起こす。なお、これにより反応器21の内部空間21cに、アルゴンプラズマが生じる。
第4に、再び整合器57を調節することで、反応器21へ継続的に照射されるマイクロ波の出力を500Wにする(出力は、パワーモニタ55により測定する。)。
第5に、アルゴンガス弁33を閉じつつ、窒素ガス弁43を徐々に開ける。最終的には、反応器21へ導入されるガスは、アルゴンガスが0リットル(標準状態。即ち、0℃、1気圧換算)/分とし(即ち、アルゴンガスの導入を止める。)、窒素ガスが10リットル(標準状態。即ち、0℃、1気圧換算)/分となるようにする(流量は、窒素ガス流量計45により測定する。)。窒素ガスの流量は、反応器21の内部空間21cの断面積(窒素ガスが内部空間21c中を流れる方向に対して垂直な断面の面積)当たり2.4リットル(標準状態。即ち、0℃、1気圧換算)/(分・mm)であった。
なお、アルゴンガス弁33を閉じつつ、窒素ガス弁43を徐々に開ける作業は略0.5分かけて行い、該作業中は反応器21へ導入される合計ガス量(即ち、アルゴンガスと窒素ガスとの合計量)が10リットル(標準状態)/分を保つよう行った。なお、これにより反応器21の内部空間21cに、窒素プラズマが生じる。
第6に、電極23の下端に火花放電が生じるよう、反射波が最低になるように再度、整合器57を調節する。なお、該火花放電は断続的におきるが、この断続的に火花放電が起きている状態を約15分保持する。この断続的に火花放電が起きているときの出力はパワーモニタ55によれば、ほぼ600W程度である。
上記した第5により反応器21の内部空間21cに形成される窒素プラズマと、第6により生じる火花放電と、を継続させることで、基板61の上面61aに窒化炭素粉が徐々に堆積する。
このようにして得られた窒化炭素粉は、これまでの窒化炭素のように粒の一部が窒化炭素であるもののその他の部分(該粒のうち該一部以外の部分)は窒化炭素でないようなものではなく、粉全てが窒化炭素(ここでは窒化炭素以外の不純物は実質的には含まれていなかった。1の粉の全体に対する窒化炭素の割合(1の粉の全体に含有される窒化炭素の質量をw1とし、該全体に含有される不可避的な不純物の質量をw2とすると、w1/(w1+w2))は約1であった。)である(即ち、このようにして得られた窒化炭素は、マトリックス中に担持されておらず、独立した窒化炭素粉である。)。このようにして得られた粉体は、それを構成する1の粉の全体が窒化炭素及び不可避的な不純物(ここでは実質的に含まれていなかった。)により形成されており、非特許文献1に示されたもののようにグラファイト中に窒化炭素部分が存するようなものではなく、窒化炭素(不可避的な不純物含む)のみによって形成された独立した粉として得られた。また、得られた粉体の全体に対する窒化炭素の割合(粉体の全体の質量をm2とし、該全体に含有される窒化炭素の質量をm1とすると、m1/m2にて計算される。)は、約1であった。
得られた窒化炭素を走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察した。
走査型電子顕微鏡(SEM)としては、日本電子製の型番JSM−890を用いた。
窒化炭素が堆積した基板61の上面61a部分を3×5mmに切断し、該切断した試料を導電性テープ(カーボンテープ)により試料台に保持した。そして試料表面に白金蒸着を行い(蒸着装置:日本電子製、型番JUCー5000)、白金蒸着された試料(試料台)を分析装置に導入した。
電子線源の運転を開始し(加速電圧10kV)、軸合わせ及び非点収差の補正を行い、250000倍の倍率でピントをあわせた後、200000倍の倍率に調整し観察及び撮影を行った。
このようにして撮影された走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図4に示す。図4に示したように、得られた窒化炭素粉の粒径(平均粒径)は、ほぼ80ナノメートル程度であることが明らかになった。
得られた窒化炭素をX線光電子分光(XPS)により分析した。
X線光電子分光(XPS)としては、島津/KRATPS製の型番AXISーHS(励起X線:MgKα線(加速電圧15kV、電流10mA))を用いた。
窒化炭素が堆積した基板61の上面61a部分を5×5mmに切断し、該切断した試料を導電性テープ(カーボンテープ)により試料台に保持した。そして試料(試料台)を分析装置に導入した。
X線源(MgKα)の運転を開始し(加速電圧15kV、電流10mA)、テスト分析を行い、試料が帯電しているかどうかを確認した。試料が帯電している場合、中和銃で電子を試料に供給し適切な中和条件(ピークの位置、幅、高さ、対照性が最もよくなる条件)で帯電補正を行った。
定性分析における条件は次の通りである。即ち、分析エネルギー範囲:0〜1154eV、パスエネルギー:80eV(低分解能)、エネルギーステップ:1eV、分析面積:約0.7×0.3mmである。かかる測定条件で分析後、得られたスペクトルから元素同定を行った。
また、状態分析における条件は次の通りである。即ち、単色X線源への切り替え(加速電圧15kV、電流5mA)、分析エネルギー範囲C1s:280〜300eV、N1s:390〜410eV、O1s:523〜543eV、パスエネルギー:40eV(中分解能)、エネルギーステップ:0.05eV、積算回数:50回、分析面積:約0.7×0.3mmである。かかる測定条件で分析後、得られたスペクトルから結合状態の同定を行った。
以上のようにして得られたX線光電子分光(XPS)の結果を図5に示す。N1s、C1sいずれも、sp型混成結合が主であることが明らかになった。そして、得られた窒化炭素を化学式CNにて示した際のxは約1であった(x=約1.0>0.9>0.8。そしてxは1.33以下である。)。
以上のように、本実施例にて示した窒化炭素CNの製造方法は、窒素ガス(第5手順にて、窒素ガス導入部40により反応器21の内部空間21cに導入される。)に所定のマイクロ波(第2手順及び第4手順により、マイクロ波照射部50により放射される。)を放射して発生させた窒素プラズマ(反応器21の内部空間21cに発生させた窒素プラズマ)に、炭素を含有する炭素含有材たる電極23を接触させることを特徴とする。
そして、ここでは前記窒素プラズマを発生させる前に、アルゴンガス(第1手順により、アルゴンガス導入部30により反応器21の内部空間21cに導入される。)に所定のマイクロ波(第2手順により、マイクロ波照射部50により放射される。)を放射してアルゴンプラズマ(反応器21の内部空間21cに発生させたアルゴンプラズマ)を発生させ、該アルゴンガスを前記窒素ガスに置換すること(第5手順)で前記窒素プラズマを発生させるものである。
さらに、前記アルゴンプラズマの発生を助ける火花放電を、第3手順により、前記アルゴンプラズマの発生時に前記アルゴンガス内で生じさせるものである。
加えて、第6手順において、前記窒素プラズマ中にて前記炭素含有材たる電極23の表面から火花放電を生じさせるものである。
また、前記炭素含有材たる電極23は、グラファイト製の棒状部材(前述の通り、電極23が形成する直円柱形状の該直円柱の軸である線分に沿ってのびる部分を有する部材である。なお、ここでは線分に沿ってのびる部分のみからなる部材である。)によって形成されている。そして、前記炭素含有材たる電極23を形成する棒状部材が有する線分に沿ってのびる部分の該線分(電極23が形成する直円柱形状の該直円柱の軸)と、窒素プラズマを形成するために窒素ガスに放射される所定のマイクロ波の放射方向(図2及び図3中、矢印Kにより示した。)と、がなす角(該放射方向に平行な直線(矢印Kに平行な直線)を該線分(電極23が形成する直円柱形状の該直円柱の軸)に交わるように平行移動させ、該平行移動された直線と該線分とがなす2の角のうち小さい方の角をいう。)は、ほぼ90度である。
そして、ここでは窒素ガス導入部40により反応器21の内部空間21cに連続的に導入される流動する窒素ガスを前記窒素プラズマに変換してゆくものであり、窒素ガスの体積速度が、0.1〜3.0リットル/(分・mm)である(具体的には、2.4リットル(標準状態。即ち、0℃、1気圧換算)/(分・mm))。
また、収集部材たる基板61が、生成した窒化炭素を上面61aに付着させて収集するために、炭素含有材たる電極23よりも前記流動する窒素ガスの下流側に配置されている。(窒素ガスは、反応器21の内部空間21cを上方から下方に向けて流通するものであり、炭素含有材たる電極23よりも下流側たる下方に収集部材たる基板61が配設されている。)。
そして、収集部材たる基板61が、生成した窒化炭素を上面61aに付着させて収集するために、前記炭素含有材たる電極23の下方に配置されている。
窒素プラズマを形成するために窒素ガスに放射される前記所定のマイクロ波は、0.8〜100GHz(具体的には2.45GHz)の周波数である。
また、本実施例の製造方法にて得られた窒化炭素CNは、粉体を構成する1の粉の全体が窒化炭素及び不可避的な不純物により形成され、平均粒径が1ナノメートル乃至1マイクロメートル(具体的には、ほぼ80ナノメートル)である。
本発明の窒化炭素の製造方法(本方法)を実施するための製造装置(本装置)を示す概略図である。 導波管と反応器との状態を示す断面図である。 図2のJ−J断面図である。 本方法により得られた窒化炭素粉の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 本方法により得られた窒化炭素のX線光電子分光(XPS)分析結果を示すグラフである。
符号の説明
11 本装置
21 反応器
21a 上端
21b 下端
21c 内部空間
21n1 第1ノズル
21n2 第2ノズル
22 導管
23 電極
25 イグナイター
25a 放電電極
30 アルゴンガス導入部
31 アルゴンガスボンベ
33 アルゴンガス弁
35 アルゴンガス流量計
40 窒素ガス導入部
41 窒素ガスボンベ
43 窒素ガス弁
45 窒素ガス流量計
50 マイクロ波照射部
51 マイクロ波電源
53 アイソレータ
55 パワーモニタ
57 整合器
59 導波管
59a 外壁
59b 内部空間
59c 嵌入穴
61 基板
61a 上面61a
71 外部
81 窒素プラズマ

Claims (6)

  1. 窒素ガスに所定のマイクロ波を放射して発生させた窒素プラズマに、炭素を含有する炭素含有材を接触させることを特徴とする、窒化炭素の製造方法。
  2. 前記窒素プラズマ中にて前記炭素含有材の表面から火花放電を生じさせるものである、請求項1に記載の製造方法。
  3. 流動する窒素ガスを前記窒素プラズマに変換してゆくものであり、
    窒素ガスの体積速度が、0.1〜3.0リットル/(分・mm)である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 生成した窒化炭素を表面に付着させて収集する収集部材を前記流動する窒素ガスの下流側に配置するものである、請求項3に記載の製造方法。
  5. 生成した窒化炭素を表面に付着させて収集する収集部材を前記炭素含有材の下方に配置するものである、請求項1乃至4のいずれか1に記載の製造方法。
  6. 粉体を構成する1の粉の全体が窒化炭素及び不可避的な不純物により形成され、平均粒径が1マイクロメートル以下である、粉状の窒化炭素。
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