JP2006069856A - 窒化炭素の製造方法 - Google Patents
窒化炭素の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006069856A JP2006069856A JP2004256438A JP2004256438A JP2006069856A JP 2006069856 A JP2006069856 A JP 2006069856A JP 2004256438 A JP2004256438 A JP 2004256438A JP 2004256438 A JP2004256438 A JP 2004256438A JP 2006069856 A JP2006069856 A JP 2006069856A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- carbon nitride
- carbon
- nitrogen
- nitrogen gas
- reactor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Abstract
【解決手段】窒素ガスに所定のマイクロ波を放射して発生させた窒素プラズマに、炭素を含有する炭素含有材を接触させることを特徴とする、炭化窒素の製造方法である。窒素プラズマ中にて前記炭素含有材の表面から火花放電を生じさせるものであってもよい。前記窒素プラズマを発生させる前に、アルゴンガスに所定のマイクロ波を放射してアルゴンプラズマを発生させ、該アルゴンガスを前記窒素ガスに置換することで前記窒素プラズマを発生させるものであってもよい。
【選択図】 図1
Description
かかる窒化炭素(CNx)の製造方法としては、イオン打ち込み、スパッタリング、プラズマ合成法等が既に知られている。
とりわけ窒化炭素を上記したような用途(研磨材、半導体等のような電子素子)等へ用いる場合、窒化炭素以外のマトリックス中に担持された状態ではない粉体(粉末)の窒化炭素(即ち、粉体を構成する1の粉の全体が窒化炭素により形成されるもの)の方が使用や取扱が容易であるので、かかる粉体の窒化炭素の製造方法が求められている。
(1)前記窒素プラズマを発生させる前に、アルゴンガスに所定のマイクロ波を放射してアルゴンプラズマを発生させ、該アルゴンガスを前記窒素ガスに置換することで前記窒素プラズマを発生させるものである、上記製造方法。
(2)前記アルゴンプラズマの発生を助ける火花放電を、前記アルゴンプラズマの発生時に前記アルゴンガス内で生じさせるものである、上記(1)の製造方法。
(3)前記窒素プラズマ中にて前記炭素含有材の表面から火花放電を生じさせるものである、上記製造方法。
(4)前記炭素含有材がグラファイトによって形成されるものである、上記製造方法。
(5)前記炭素含有材が棒状部材によって形成されるものである、上記製造方法。
(6)流動する窒素ガスを前記窒素プラズマに変換してゆくものであり、窒素ガスの体積速度が、0.1〜3.0リットル/(分・mm2)である、上記製造方法。
(7)生成した窒化炭素を表面に付着させて収集する収集部材を前記流動する窒素ガスの下流側に配置するものである、上記(6)の製造方法。
(8)生成した窒化炭素を表面に付着させて収集する収集部材を前記炭素含有材の下方に配置するものである、上記製造方法。
(9)前記所定のマイクロ波が、0.8〜100GHzの周波数である、上記製造方法。
窒素プラズマ(原子状)は、窒素ガスに所定のマイクロ波を放射して発生させる。マイクロ波を窒素ガスに放射することで窒素プラズマを発生させることは既知の技術であるのでここでは詳しい説明を省略する。
このように発生させた窒素プラズマに炭素含有材を接触させることによって、本方法においては、窒化炭素以外のマトリックス中に担持された状態ではない粉体(粉末)の窒化炭素(即ち、粉体を構成する1の粉の全体が窒化炭素及び不可避的な不純物により形成されるもの)を製造することができる。
なお、このようにして本方法により製造された窒化炭素は、従来の窒化炭素と同様、その硬質性から研磨材として用いることができ、さらに半導体性から電子素子(例えば、ナノエレクトロニクスと呼ばれているような分野)等へ用いられ得る。
このように窒素プラズマを発生させる前に、アルゴンガスに所定のマイクロ波を放射してアルゴンプラズマを発生させた後、アルゴンガスを窒素ガスに置換すれば、窒素プラズマを安定して発生させることができることから、本方法を容易かつ安定的に実施することができる。
こうすることでアルゴンプラズマの発生時に必要なエネルギーを火花放電によってアルゴンガスに与えることができるので、アルゴンプラズマを容易かつ安定して発生させることができることから、一層、本方法を容易かつ安定的に実施することができる。
なお、アルゴンプラズマの発生時にアルゴンガス内で火花放電を生じさせる方法は、いかなるものであってもよく何ら限定されるものではないが、例えば、一時的に電極に高電圧を印加することで放電を生じさせるようなもの(通称「イグナイター」等と称される。)を例示的に挙げることができる。
このように窒素プラズマ中にて炭素含有材の表面から火花放電を生じさせることにより、窒化炭素を安定して円滑に製造することができる。
かかる窒素プラズマ中における炭素含有材の表面からの火花放電は、いかなる方法によって形成されてもよく何ら限定されるものではないが、例えば、窒素プラズマを形成するために窒素ガスに放射される所定のマイクロ波(とりわけ炭素含有材の表面付近に放射される所定のマイクロ波)の出力や周波数等を調節することによってなされてもよい。
なお、窒素プラズマ中にて炭素含有材の表面から火花放電を生じさせることによって窒化炭素の製造を安定化等させることができる理由は、必ずしも定かではないが、かかる火花放電が窒化炭素の微細な核生成を促す(即ち、核生成に要するエネルギーをかかる火花放電が与える)ためではないかと推定される(なお、その生成した核は、その後、成長し最終的な窒化炭素となる。)。
ここに棒状部材とは、線分に沿ってのびる部分を有する部材をいい、かかる棒状部材によって形成される炭素含有材を用いることで、窒化炭素を安定して円滑に製造することができる。
なお、棒状部材によって形成される炭素含有材を用いることで、窒化炭素を安定して円滑に製造することができる理由は、必ずしも定かではないが、窒素プラズマを形成するために窒素ガスに放射される所定のマイクロ波と、棒状部材たる炭素含有材と、の何らかの相互作用に基づくものと思われる。
流動する窒素ガスを窒素プラズマに変換してゆく(即ち、流動する窒素ガスを用いて窒素プラズマを生成させる。)ことで、窒化炭素を生成するための窒素を充分与えることができるので、窒化炭素を安定して円滑に製造することができる。そして、窒素ガスの体積速度を0.1〜3.0リットル/(分・mm2)とすることで、窒化炭素を生成するために要する窒素を与えることができると共に、該体積速度をかかる範囲にて変化させれば、製造される窒化炭素(CNx)のxをほぼ0.1〜2の範囲内にて変化させることができる(無論、該体積速度を増加させればxが増加し、該体積速度を減少させればxが減少する。)。ここにxは理論的には1.33(C3N4)であるが、窒化炭素の硬度を充分高くするにはxが0.8より大きくされることが好ましく(x>0.8)、より好ましくは0.9より大きくされる(x>0.9)(xは1.33以下である。)。なお、xを0.8より大きくするためには(x>0.8)、通常、体積速度を1.0リットル/(分・mm2)以上としてもよい。
なお、該体積速度は、窒素ガスが流動する方向に対して垂直な面を考え、該面の単位面積(mm2)単位時間(1分)あたり窒素ガスが流れる体積(0℃、1気圧の標準状態換算の体積流量リットル)をいう。
本方法により製造される窒化炭素は、通常細かい粉体(通常、平均粒径が1ナノメートル乃至1マイクロメートル)であるので、窒素プラズマを生成させるために流動される窒素ガスによって搬送され得る。このため流動する窒素ガスの下流側(炭素含有材よりも下流側)に収集部材を配設しておけば、収集部材の表面に生成した窒化炭素を付着させて収集することができる。
また、収集部材の該表面の温度を所定温度(例えば、20〜1000℃)に保つようにしておけば、該表面に付着した窒化炭素をアニーリングすることができ窒化炭素の結晶性を改善することができる。
こうすることで本方法により製造される窒化炭素が、重力によって下方に移動されることで、炭素含有材の下方に配置された収集部材の表面に窒化炭素を付着させて収集することができる。
また、この場合も、収集部材の該表面の温度を所定温度(例えば、20〜1000℃)に保つようにしておけば、該表面に付着した窒化炭素をアニーリングすることができ窒化炭素の結晶性を改善することができる。
所定のマイクロ波の周波数は、あまり低いと安定的に窒素プラズマを形成し窒化炭素を安定して円滑に製造することができず、あまり高いとマイクロ波を生じさせるために大きなエネルギーや設備を要するため経済的でないのでこれら両条件が満足される範囲とされることが好ましく、下限として、好ましくは0.8GHz以上、より好ましくは1.5GHz以上、最も好ましくは2.0GHz以上、上限として、好ましくは100GHz以下、最も好ましくは20GHz以下である。
所定のマイクロ波の出力は、あまり小さいと安定的に窒素プラズマを形成し窒化炭素を安定して円滑に製造することができず、あまり大きいとマイクロ波を生じさせるために大きなエネルギーや設備を要するため経済的でないのでこれら両条件が満足される範囲とされることが好ましく、とりわけ該両条件が満足される範囲内でも、窒化炭素の収量(該出力に略比例して増加するものと考えられる。)を多くすることからは該出力は大きい方が好ましい。
なお、本発明にいう「粉体を構成する1の粉の全体が窒化炭素及び不可避的な不純物により形成される」とは、粉体を構成する粉の全てが窒化炭素及び不可避的な不純物により形成されることを要するものではなく、粉体を構成する少なくとも1の粉の全体が窒化炭素及び不可避的な不純物により形成されるものであればよい(即ち、窒化炭素及び不可避的な不純物により全体が形成された1の粉を粉体が含めばよい。例えば、粉体の中に、本方法で用いる炭素含有材の粉や粒が混入したものでもよい。)。なお、粉体の全体に対する窒化炭素の割合(粉体の全体の質量をm2とし、該全体に含有される窒化炭素の質量をm1とすると、m1/m2にて計算される。)は、通常、0.5以上であり、好ましくは0.7以上であり、より好ましくは0.9以上であり、最も好ましくは0.95以上である(無論、1以下である。)。
また、前述のように、製造される窒化炭素(CNx)のxは、窒化炭素の硬度を充分高くして使用性能を向上させることからは、0.8より大きくされることが好ましく(x>0.8)、より好ましくは0.9より大きくされる(x>0.9)(なお、いずれもxは1.33以下である。)。
本装置11は、大まかにいうと、有蓋無底の中空円筒形状をした反応器21と、反応器21の上端部に支持された電極23(本発明にいう炭素含有材)と、反応器21の内部において火花放電を起こすイグナイター25と、反応器21にアルゴンガスを導入するためのアルゴンガス導入部30と、反応器21に窒素ガスを導入するための窒素ガス導入部40(なお、アルゴンガス導入部30及び窒素ガス導入部40からのアルゴンガス及び窒素ガスは、導管22を経て反応器21の内部空間21cへ導かれる。)と、反応器21の内部にマイクロ波を照射するマイクロ波照射部50と、反応器21の下方に配設された基板61(本発明にいう収集部材)と、を有してなる。
ここでは反応器21の軸が鉛直方向に略向くように、反応器21は、図示しない支持スタンドによって支持されている。
また、反応器21は、導管22が接続される第1ノズル21n1と、イグナイター25の放電電極25aが嵌入される第2ノズル21n2と、を有している。第1ノズル21n1は、導管22からのアルゴンガス及び窒素ガスを反応器21の内部空間21cへ導くものである。そして、第2ノズル21n2は、放電電極25aの先端を反応器21の内部空間21cへ位置させ、放電電極25aと電極23との間と、電極23と導波管59との間と、の両間で火花放電を生じさせるためのものである(導波管59の外壁59aはアースされており、そしてイグナイター25は、イグナイター25の放電電極25aとアースとの間に高電圧を印加できるようになっているので、イグナイター25が放電電極25aとアースとの間に高電圧を印加すれば、放電電極25aから電極23を経由して導波管59へ放電する。)。
そして、ここでは図示していない電源装置によって、電極23と基板61との間に0〜±3KVの直流電圧を自由に印加することができるようになっているが、ここでは電圧の印加は行っていない(即ち、電極23は電気的にはいずれのものともつながっておらず中立である)。
マイクロ波電源51は、周波数2.45GHzのマイクロ波を定常的に発生させており、該発生されたマイクロ波は導波管59を経てアイソレータ53へ導かれる。
アイソレータ53においては、アイソレータ53が有する2の端子のうち一方から他方へのマイクロ波の通過に伴う第1減衰率が、該2の端子のうち該他方から該一方へのマイクロ波の通過に伴う第2減衰率に比して極めて大きくなるようにされており、これによって進行波をうまく通過させる一方、反射波が通過することを減少させるものである。ここではマイクロ波電源51からパワーモニタ55へマイクロ波(進行波)をうまく通過(該第2減衰率)させる一方、パワーモニタ55からマイクロ波電源51へマイクロ波(反射波)が通過することを減少させる(該第1減衰率)。
整合器57は、整合器57の一端側(パワーモニタ55が取り付けられている側)と、整合器57の他端側(反応器21が取り付けられている側)と、の間のインピーダンスを整合させるためのものであり、かかるインピーダンスの整合の具合によって、マイクロ波電源51から反応器21へのマイクロ波(進行波)の出力と、反応器21からマイクロ波電源51方向へのマイクロ波(反射波)の出力と、の割合が変化する。即ち、整合器57によってインピーダンスの整合を調節することで、反応器21へ照射されるマイクロ波の出力を変化させることができる。
第1に、アルゴンガス弁33を操作して、アルゴンガスボンベ31から反応器21へ10リットル(標準状態、即ち、0℃、1気圧換算)/分の体積流量にてアルゴンガスを継続的に導入する(流量は、アルゴンガス流量計35により測定する。)。
第2に、マイクロ波電源51を起動した後、整合器57を調節することで、反応器21へ継続的に照射されるマイクロ波の出力を300Wにする(出力は、パワーモニタ55により測定する。)。
第4に、再び整合器57を調節することで、反応器21へ継続的に照射されるマイクロ波の出力を500Wにする(出力は、パワーモニタ55により測定する。)。
なお、アルゴンガス弁33を閉じつつ、窒素ガス弁43を徐々に開ける作業は略0.5分かけて行い、該作業中は反応器21へ導入される合計ガス量(即ち、アルゴンガスと窒素ガスとの合計量)が10リットル(標準状態)/分を保つよう行った。なお、これにより反応器21の内部空間21cに、窒素プラズマが生じる。
第6に、電極23の下端に火花放電が生じるよう、反射波が最低になるように再度、整合器57を調節する。なお、該火花放電は断続的におきるが、この断続的に火花放電が起きている状態を約15分保持する。この断続的に火花放電が起きているときの出力はパワーモニタ55によれば、ほぼ600W程度である。
このようにして得られた窒化炭素粉は、これまでの窒化炭素のように粒の一部が窒化炭素であるもののその他の部分(該粒のうち該一部以外の部分)は窒化炭素でないようなものではなく、粉全てが窒化炭素(ここでは窒化炭素以外の不純物は実質的には含まれていなかった。1の粉の全体に対する窒化炭素の割合(1の粉の全体に含有される窒化炭素の質量をw1とし、該全体に含有される不可避的な不純物の質量をw2とすると、w1/(w1+w2))は約1であった。)である(即ち、このようにして得られた窒化炭素は、マトリックス中に担持されておらず、独立した窒化炭素粉である。)。このようにして得られた粉体は、それを構成する1の粉の全体が窒化炭素及び不可避的な不純物(ここでは実質的に含まれていなかった。)により形成されており、非特許文献1に示されたもののようにグラファイト中に窒化炭素部分が存するようなものではなく、窒化炭素(不可避的な不純物含む)のみによって形成された独立した粉として得られた。また、得られた粉体の全体に対する窒化炭素の割合(粉体の全体の質量をm2とし、該全体に含有される窒化炭素の質量をm1とすると、m1/m2にて計算される。)は、約1であった。
走査型電子顕微鏡(SEM)としては、日本電子製の型番JSM−890を用いた。
窒化炭素が堆積した基板61の上面61a部分を3×5mmに切断し、該切断した試料を導電性テープ(カーボンテープ)により試料台に保持した。そして試料表面に白金蒸着を行い(蒸着装置:日本電子製、型番JUCー5000)、白金蒸着された試料(試料台)を分析装置に導入した。
電子線源の運転を開始し(加速電圧10kV)、軸合わせ及び非点収差の補正を行い、250000倍の倍率でピントをあわせた後、200000倍の倍率に調整し観察及び撮影を行った。
このようにして撮影された走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図4に示す。図4に示したように、得られた窒化炭素粉の粒径(平均粒径)は、ほぼ80ナノメートル程度であることが明らかになった。
X線光電子分光(XPS)としては、島津/KRATPS製の型番AXISーHS(励起X線:MgKα線(加速電圧15kV、電流10mA))を用いた。
窒化炭素が堆積した基板61の上面61a部分を5×5mmに切断し、該切断した試料を導電性テープ(カーボンテープ)により試料台に保持した。そして試料(試料台)を分析装置に導入した。
X線源(MgKα)の運転を開始し(加速電圧15kV、電流10mA)、テスト分析を行い、試料が帯電しているかどうかを確認した。試料が帯電している場合、中和銃で電子を試料に供給し適切な中和条件(ピークの位置、幅、高さ、対照性が最もよくなる条件)で帯電補正を行った。
定性分析における条件は次の通りである。即ち、分析エネルギー範囲:0〜1154eV、パスエネルギー:80eV(低分解能)、エネルギーステップ:1eV、分析面積:約0.7×0.3mmである。かかる測定条件で分析後、得られたスペクトルから元素同定を行った。
また、状態分析における条件は次の通りである。即ち、単色X線源への切り替え(加速電圧15kV、電流5mA)、分析エネルギー範囲C1s:280〜300eV、N1s:390〜410eV、O1s:523〜543eV、パスエネルギー:40eV(中分解能)、エネルギーステップ:0.05eV、積算回数:50回、分析面積:約0.7×0.3mmである。かかる測定条件で分析後、得られたスペクトルから結合状態の同定を行った。
以上のようにして得られたX線光電子分光(XPS)の結果を図5に示す。N1s、C1sいずれも、sp3型混成結合が主であることが明らかになった。そして、得られた窒化炭素を化学式CNxにて示した際のxは約1であった(x=約1.0>0.9>0.8。そしてxは1.33以下である。)。
そして、ここでは前記窒素プラズマを発生させる前に、アルゴンガス(第1手順により、アルゴンガス導入部30により反応器21の内部空間21cに導入される。)に所定のマイクロ波(第2手順により、マイクロ波照射部50により放射される。)を放射してアルゴンプラズマ(反応器21の内部空間21cに発生させたアルゴンプラズマ)を発生させ、該アルゴンガスを前記窒素ガスに置換すること(第5手順)で前記窒素プラズマを発生させるものである。
さらに、前記アルゴンプラズマの発生を助ける火花放電を、第3手順により、前記アルゴンプラズマの発生時に前記アルゴンガス内で生じさせるものである。
また、前記炭素含有材たる電極23は、グラファイト製の棒状部材(前述の通り、電極23が形成する直円柱形状の該直円柱の軸である線分に沿ってのびる部分を有する部材である。なお、ここでは線分に沿ってのびる部分のみからなる部材である。)によって形成されている。そして、前記炭素含有材たる電極23を形成する棒状部材が有する線分に沿ってのびる部分の該線分(電極23が形成する直円柱形状の該直円柱の軸)と、窒素プラズマを形成するために窒素ガスに放射される所定のマイクロ波の放射方向(図2及び図3中、矢印Kにより示した。)と、がなす角(該放射方向に平行な直線(矢印Kに平行な直線)を該線分(電極23が形成する直円柱形状の該直円柱の軸)に交わるように平行移動させ、該平行移動された直線と該線分とがなす2の角のうち小さい方の角をいう。)は、ほぼ90度である。
そして、ここでは窒素ガス導入部40により反応器21の内部空間21cに連続的に導入される流動する窒素ガスを前記窒素プラズマに変換してゆくものであり、窒素ガスの体積速度が、0.1〜3.0リットル/(分・mm2)である(具体的には、2.4リットル(標準状態。即ち、0℃、1気圧換算)/(分・mm2))。
そして、収集部材たる基板61が、生成した窒化炭素を上面61aに付着させて収集するために、前記炭素含有材たる電極23の下方に配置されている。
また、本実施例の製造方法にて得られた窒化炭素CNxは、粉体を構成する1の粉の全体が窒化炭素及び不可避的な不純物により形成され、平均粒径が1ナノメートル乃至1マイクロメートル(具体的には、ほぼ80ナノメートル)である。
21 反応器
21a 上端
21b 下端
21c 内部空間
21n1 第1ノズル
21n2 第2ノズル
22 導管
23 電極
25 イグナイター
25a 放電電極
30 アルゴンガス導入部
31 アルゴンガスボンベ
33 アルゴンガス弁
35 アルゴンガス流量計
40 窒素ガス導入部
41 窒素ガスボンベ
43 窒素ガス弁
45 窒素ガス流量計
50 マイクロ波照射部
51 マイクロ波電源
53 アイソレータ
55 パワーモニタ
57 整合器
59 導波管
59a 外壁
59b 内部空間
59c 嵌入穴
61 基板
61a 上面61a
71 外部
81 窒素プラズマ
Claims (6)
- 窒素ガスに所定のマイクロ波を放射して発生させた窒素プラズマに、炭素を含有する炭素含有材を接触させることを特徴とする、窒化炭素の製造方法。
- 前記窒素プラズマ中にて前記炭素含有材の表面から火花放電を生じさせるものである、請求項1に記載の製造方法。
- 流動する窒素ガスを前記窒素プラズマに変換してゆくものであり、
窒素ガスの体積速度が、0.1〜3.0リットル/(分・mm2)である、請求項1又は2に記載の製造方法。 - 生成した窒化炭素を表面に付着させて収集する収集部材を前記流動する窒素ガスの下流側に配置するものである、請求項3に記載の製造方法。
- 生成した窒化炭素を表面に付着させて収集する収集部材を前記炭素含有材の下方に配置するものである、請求項1乃至4のいずれか1に記載の製造方法。
- 粉体を構成する1の粉の全体が窒化炭素及び不可避的な不純物により形成され、平均粒径が1マイクロメートル以下である、粉状の窒化炭素。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004256438A JP4456442B2 (ja) | 2004-09-03 | 2004-09-03 | 窒化炭素の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004256438A JP4456442B2 (ja) | 2004-09-03 | 2004-09-03 | 窒化炭素の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006069856A true JP2006069856A (ja) | 2006-03-16 |
JP4456442B2 JP4456442B2 (ja) | 2010-04-28 |
Family
ID=36150850
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004256438A Expired - Fee Related JP4456442B2 (ja) | 2004-09-03 | 2004-09-03 | 窒化炭素の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4456442B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100389059C (zh) * | 2006-07-12 | 2008-05-21 | 北京理工大学 | 一种制备开口氮化碳空心球的方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104415786A (zh) * | 2013-09-04 | 2015-03-18 | 安徽大学 | 微波加热快速制备类石墨结构氮化碳材料 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07133103A (ja) * | 1993-11-08 | 1995-05-23 | Namiki Precision Jewel Co Ltd | プラズマアーク法によるc3n4の合成方法 |
JPH08158040A (ja) * | 1994-11-29 | 1996-06-18 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 窒化炭素薄膜及びその形成方法 |
JPH08337499A (ja) * | 1995-05-22 | 1996-12-24 | At & T Ipm Corp | β−C3N4薄膜を含むデバイス |
JP2000072415A (ja) * | 1998-08-20 | 2000-03-07 | Riyuukoku Univ | 結晶質の窒化炭素膜を形成する方法 |
JP2001059156A (ja) * | 2000-01-01 | 2001-03-06 | Agency Of Ind Science & Technol | 窒化炭素化合物の製造方法 |
JP2003277026A (ja) * | 2002-03-26 | 2003-10-02 | Nagaoka Univ Of Technology | 可逆的に水素を吸蔵放出する材料及び該材料を充填した水素吸蔵装置 |
-
2004
- 2004-09-03 JP JP2004256438A patent/JP4456442B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07133103A (ja) * | 1993-11-08 | 1995-05-23 | Namiki Precision Jewel Co Ltd | プラズマアーク法によるc3n4の合成方法 |
JPH08158040A (ja) * | 1994-11-29 | 1996-06-18 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 窒化炭素薄膜及びその形成方法 |
JPH08337499A (ja) * | 1995-05-22 | 1996-12-24 | At & T Ipm Corp | β−C3N4薄膜を含むデバイス |
JP2000072415A (ja) * | 1998-08-20 | 2000-03-07 | Riyuukoku Univ | 結晶質の窒化炭素膜を形成する方法 |
JP2001059156A (ja) * | 2000-01-01 | 2001-03-06 | Agency Of Ind Science & Technol | 窒化炭素化合物の製造方法 |
JP2003277026A (ja) * | 2002-03-26 | 2003-10-02 | Nagaoka Univ Of Technology | 可逆的に水素を吸蔵放出する材料及び該材料を充填した水素吸蔵装置 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
田渕秀和他: "マイクロ波ECRプラズマを用いたCNxの作製", 第50回応用物理学関係連合講演会講演予稿集, vol. 第2分冊, JPN6009056489, 27 March 2003 (2003-03-27), JP, pages 633, ISSN: 0001453264 * |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100389059C (zh) * | 2006-07-12 | 2008-05-21 | 北京理工大学 | 一种制备开口氮化碳空心球的方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4456442B2 (ja) | 2010-04-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5773438B2 (ja) | ナノ粒子を製造するための低圧高周波パルス・プラズマ反応器システム | |
WO2014054497A1 (ja) | X線発生用ターゲットの製造方法及びx線発生用ターゲット | |
Ehbrecht et al. | Deposition and analysis of silicon clusters generated by laser‐induced gas phase reaction | |
Zajíčková et al. | Synthesis of carbon nanotubes by plasma-enhanced chemical vapor deposition in an atmospheric-pressure microwave torch | |
Patra et al. | High stability field emission from zinc oxide coated multiwalled carbon nanotube films | |
Fujita et al. | Structure and resonant characteristics of amorphous carbon pillars grown by focused-ion-beam-induced chemical vapor deposition | |
JP4456442B2 (ja) | 窒化炭素の製造方法 | |
Okada | Plasma-enhanced chemical vapor deposition of nanocrystalline diamond | |
Park et al. | Effective control of CH4/H2 plasma condition to synthesize graphene nano-walls with controlled morphology and structural quality | |
Takeguchi et al. | Nanostructure fabrication by electron-beam-induced deposition with metal carbonyl precursor and water vapor | |
Yoon et al. | Plasma low-energy ion flux induced vertical graphene synthesis | |
Tan et al. | Dense plasma focus device based high growth rate room temperature synthesis of nanostructured zinc oxide thin films | |
Stauss et al. | High rate deposition of ZnO thin films by a small-scale inductively coupled argon plasma generated in open air | |
Hoffmann et al. | Focused electron beam induced deposition of gold and rhodium | |
Nunomura et al. | Plasma Synthesis of Silicon Nanoparticles: From Molecules to Clusters and Nanoparticle Growth | |
Zhang et al. | Electron beam-induced formation of nanosized α-Fe crystals | |
Qian et al. | The effects of magnetic field on the properties of diamond-like carbon films produced by high-density helicon wave plasma | |
Okotrub et al. | Electronic state of nanodiamond/graphite interfaces | |
Jönsson et al. | Dc plasma-enhanced chemical vapour deposition growth of carbon nanotubes and nanofibres: in situ spectroscopy and plasma current dependence | |
Ketharanathan et al. | Electron beam induced deposition of pure, nanoscale Ge | |
Hoang | Nucleation and growth mechanisms of sputtered hexagonal boron nitride nanowalls | |
Woodard | Langmuir Probe Diagnostics in Dusty, Non-Thermal Plasmas | |
Moskalenko et al. | Electron-beam-induced welding of 3D nano-objects from beneath | |
Kometani et al. | Relationship between field emission properties and material characteristics of diamond-like carbon fabricated by focused-ion-beam chemical vapor deposition | |
JP3938424B2 (ja) | ダイヤモンド薄膜製造装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070829 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20091023 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20091029 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20091224 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100201 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100205 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130212 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4456442 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160212 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |