JP2001058433A - 印刷媒体の端部近傍における印刷処理 - Google Patents

印刷媒体の端部近傍における印刷処理

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JP2001058433A
JP2001058433A JP23515699A JP23515699A JP2001058433A JP 2001058433 A JP2001058433 A JP 2001058433A JP 23515699 A JP23515699 A JP 23515699A JP 23515699 A JP23515699 A JP 23515699A JP 2001058433 A JP2001058433 A JP 2001058433A
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recording
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JP23515699A
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English (en)
Inventor
Koichi Otsuki
幸一 大槻
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Priority to AT00118097T priority patent/ATE319575T1/de
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Dot-Matrix Printers And Others (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷媒体の中間領域において採用される特定
の印刷方式と整合的な印刷方式を用いて、印刷媒体の上
端近傍や下端近傍における印刷を実行する。 【解決手段】 印刷媒体の中間部分においては第1の記
録方式に従い、また、端部近傍においては副走査送り量
が小さい第2の記録方式に従ってドットの記録を実行す
る。第1の記録方式のみでドット記録が行われる主走査
ラインにおいては、1画素区間の間に複数のパルスがそ
れぞれ発生するn種類(nは2以上の整数)の共通駆動
信号をそれぞれm回(mは1以上の整数)ずつ用いたn
×m回の主走査によってドット記録を完了する。また、
第1と第2の記録方式の双方でドット記録が行われる主
走査ラインにおいては、n種類の共通駆動信号をそれぞ
れ少なくともm回ずつ用いた少なくともn×m回の主走
査が実行されるように、端部近傍の各主走査に用いられ
る共通駆動信号をn種類の共通駆動信号の中から選択す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、インク滴を吐出
することによって印刷を行う印刷技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの出力装置として、
インクをヘッドから吐出するインクジェットプリンタが
広く普及している。また、従来のインクジェット型プリ
ンタは、各画素をオン・オフの2値で再現できるだけで
あったが、近年では1画素で3以上の多値の再現ができ
る多値プリンタも提案されている。多値の画素は、例え
ば、各画素位置に形成されるドットの大きさを調整する
ことによって再現することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、印刷媒体の
上端近傍と下端近傍では、印刷が可能な領域を拡張する
ために、印刷媒体の中間の領域で用いられる印刷方式と
は異なる印刷方式によって印刷が行われる場合がある。
この際、印刷媒体の上端近傍と下端近傍において採用さ
れる印刷方式は、印刷媒体の中間領域で採用される印刷
方式と整合的であることが好ましい。
【0004】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、印刷媒体の中間
領域において採用される特定の印刷方式と整合的な印刷
方式を用いて、印刷媒体の上端近傍や下端近傍における
印刷を実行する技術を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明で
は、複数のノズルと、複数のノズルからインク滴をそれ
ぞれ吐出させるための複数の吐出駆動素子とを有する印
刷ヘッドと、印刷信号に応じて共通駆動信号を整形して
各吐出駆動素子に駆動信号を供給するヘッド駆動部と、
を備えた印刷装置を用いて印刷を実行する。印刷媒体上
の記録実行領域の中間部分においては、第1の記録方式
に従ってドットの記録を実行する。また、記録実行領域
の先端近傍と後端近傍とのうちの少なくとも一方におい
ては、第1の記録方式に比べて副走査送り量が小さい第
2の記録方式に従ってドットの記録を実行する。この
際、第1の記録方式のみでドット記録が行われる主走査
ラインにおいては、n種類(nは2以上の整数)の共通
駆動信号をそれぞれm回(mは1以上の整数)ずつ用い
たn×m回の主走査によってドット記録を完了する。ま
た、第1の記録方式と第2の記録方式との双方でドット
記録が行われる主走査ラインにおいては、n種類の共通
駆動信号をそれぞれ少なくともm回ずつ用いた少なくと
もn×m回の主走査が実行されるように、第2の記録方
式に従ってドット記録を行う際に各主走査時に用いられ
る共通駆動信号をn種類の共通駆動信号の中から選択す
る。
【0006】多くの場合に、異なる共通駆動信号は異な
る印刷特性を有している。具体的には、より高解像度で
のドットを形成可能な共通駆動信号や、より高速度での
ドットを形成可能な共通駆動信号が存在する。従って、
n種類の共通駆動信号を用いて印刷を行えば、各共通駆
動信号の印刷特性を組み合わせた特性で印刷を実行する
ことができる。また、本発明では、記録実行領域の端部
近傍の主走査ラインにおいて、n種類の共通駆動信号を
それぞれ少なくともm回用いた少なくともn×m回の主
走査が実行されるようにしているので、記録実行領域の
端部近傍においても、中間領域と同様に、各共通駆動信
号の印刷特性を組み合わせた特性で印刷を実行すること
ができる。すなわち、本発明によれば、印刷媒体の中間
領域において採用される特定の印刷方式と整合的な印刷
方式を用いて、印刷媒体の端部近傍における印刷を実行
することが可能である。
【0007】なお、印刷ヘッドが、各ノズルを用いて印
刷媒体上にサイズの異なる複数種類のドットを形成可能
であり、印刷信号が、各画素を多階調で記録するために
使用される1画素当たり複数ビットの信号であってもよ
い。このとき、n種類の共通駆動信号のそれぞれは、1
画素区間の間に複数のパルスがそれぞれ発生する信号で
あり、駆動信号は、複数ビットの印刷信号に応じて共通
駆動信号を整形することによって生成される。
【0008】サイズの異なるドットを形成可能な印刷ヘ
ッドでは、特に共通駆動信号として種々のものが利用さ
れる可能性が高い。従って、本発明の効果はこのような
場合に特に大きい。
【0009】なお、n種類の共通駆動信号の少なくとも
1つは、単独で印刷に使用されたときに、他の共通駆動
信号とは異なる記録解像度でドット記録を実現し得るこ
とがある。このとき、n種類の共通駆動信号を用いた印
刷における主走査時のドット記録と副走査送りとが、n
種類の共通駆動信号で実現可能な記録解像度のうちの最
も低い記録解像度に即した画素ピッチに従って実行され
るようにしてもよい。こうすれば、最も低い記録解像度
のドットのみでなく、より高い解像度のドット(すなわ
ち、より小さいドット)を用いて印刷を実行できるの
で、より滑らかに階調を再現することが可能である。
【0010】双方向印刷を行う際に、往路と復路におい
ては互いに異なる種類の共通駆動信号が選択されるよう
にしてもよい。また、往路と復路の各主走査において、
主走査毎に選択された共通駆動信号にそれぞれ適した主
走査速度で主走査をそれぞれ実行するようにしてもよ
い。
【0011】こうすれば、共通駆動信号の発生と、これ
を用いたドット記録とを、より容易に実行することが可
能である。
【0012】本発明の具体的な態様としては、印刷装置
および印刷方法、これらの装置または方法の機能を実現
するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータ
プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録
媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具
現化されたデータ信号等の種々の態様を取りうる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて以下の順序で説明する。 A.装置の全体構成: B.ヘッド駆動ドライバの内部構成: C.通常の記録方式の基本的条件: D.上端処理と下端処理の考え方: E.実施例における記録方式の具体例: F.変形例
【0014】A.装置の全体構成:図1は、本発明の一
実施例としてのカラーインクジェットプリンタ20の主
要な構成を示す概略斜視図である。このプリンタ20
は、用紙スタッカ22と、図示しないステップモータで
駆動される紙送りローラ24と、プラテン板26と、キ
ャリッジ28と、ステップモータ30と、ステップモー
タ30によって駆動される牽引ベルト32と、キャリッ
ジ28のためのガイドレール34とを備えている。キャ
リッジ28には、多数のノズルを備えた印刷ヘッド36
が搭載されている。
【0015】印刷用紙Pは、用紙スタッカ22から紙送
りローラ24によって巻き取られて、プラテン板26の
表面上を副走査方向へ送られる。キャリッジ28は、ス
テップモータ30により駆動される牽引ベルト32に牽
引されて、ガイドレール34に沿って主走査方向に移動
する。主走査方向は、副走査方向に垂直である。
【0016】図2は、プリンタ20の電気的な構成を示
すブロック図である。プリンタ20は、ホストコンピュ
ータ100から供給された信号を受信する受信バッファ
メモリ50と、印刷データを格納するイメージバッファ
52と、プリンタ20全体の動作を制御するシステムコ
ントローラ54とを備えている。システムコントローラ
54には、キャリッジモータ30を駆動する主走査駆動
ドライバ61と、紙送りモータ31を駆動する副走査駆
動ドライバ62と、印刷ヘッド36を駆動するヘッド駆
動ドライバ63とが接続されている。
【0017】ホストコンピュータ100のプリンタドラ
イバ(図示せず)は、ユーザの指定した記録方式(後述
する)に基づいて、印刷動作を規定する各種のパラメー
タ値を決定する。このプリンタドライバは、さらに、こ
れらのパラメータ値に基づいて、その記録方式で印刷を
行うための印刷データを生成して、プリンタ20に転送
する。転送された印刷データは、一旦、受信バッファメ
モリ50に蓄えられる。プリンタ20内では、システム
コントローラ54が、受信バッファメモリ50から印刷
データの中から必要な情報を読取り、これに基づいて、
各ドライバ61,62,63に対して制御信号を送る。
【0018】イメージバッファ52には、受信バッファ
メモリ50で受信された印刷データを色成分毎に分解し
て得られた複数の色成分のイメージデータが格納され
る。ヘッド駆動ドライバ63は、システムコントローラ
54からの制御信号に従って、イメージバッファ52か
ら各色成分のイメージデータを読出し、これに応じて印
刷ヘッド36に設けられた各色のノズルアレイを駆動す
る。なお、ヘッド駆動ドライバ63は、複数種類の異な
る駆動信号波形を生成可能である。ヘッド駆動ドライバ
63の内部構成と動作については更に後述する。
【0019】図3は、印刷ヘッド36の下面におけるノ
ズル配列を示す説明図である。印刷ヘッド36の下面に
は、ブラックインクを吐出するためのブラックインクノ
ズル群KD と、濃シアンインクを吐出するための濃シア
ンインクノズル群CD と、淡シアンインクを吐出するた
めの淡シアンインクノズル群CL と、濃マゼンタインク
を吐出するための濃マゼンタインクノズル群MD と、淡
マゼンタインクを吐出するための淡マゼンタインクノズ
ル群ML と、イエローインクを吐出するためのイエロー
インクノズル群YD とが形成されている。
【0020】なお、各ノズル群を示す符号における最初
のアルファベットの大文字はインク色を意味しており、
また、添え字の「D 」は濃度が比較的高いインクである
ことを、添え字の「L 」は濃度が比較的低いインクであ
ることを、それぞれ意味している。
【0021】各ノズル群の複数のノズルは、副走査方向
SSに沿って一定のノズルピッチkでそれぞれ整列して
いる。ノズルピッチkは、副走査方向における印刷解像
度(「ドットピッチ」と呼ぶ)の整数倍の値に設定され
ている。また、各ノズルには、各ノズルを駆動してイン
ク滴を吐出させるための駆動素子としてのピエゾ素子
(図示せず)が設けられている。印刷時には、キャリッ
ジ28(図1)とともに印刷ヘッド36が主走査方向M
Sに移動しつつ、各ノズルからインク滴が吐出される。
【0022】B.ヘッド駆動ドライバの内部構成:図4
は、ヘッド駆動ドライバ63(図2)の内部構成を示す
ブロック図である。ヘッド駆動ドライバ63は、共通駆
動信号生成制御回路302と、共通駆動信号生成回路3
04と、駆動信号整形回路306と、を備えている。
【0023】共通駆動信号生成回路304は、共通駆動
信号COMDRVの波形の傾きを示す傾き値Δjを格納
するためのRAM320を有しており、この傾き値Δj
を用いて任意の波形を有する共通駆動信号COMDRV
を生成する。共通駆動信号生成制御回路302は、往路
用と復路用のそれぞれ複数の傾き値Δjを格納したRO
M310(またはPROM)を有している。駆動信号整
形回路306は、コンピュータ100(図2)から供給
されたシリアル印刷信号PRTの値に応じて共通駆動信
号COMDRVの一部または全部をマスクして駆動信号
DRVを生成し、各ノズルの駆動素子であるピエゾ素子
308に供給する。
【0024】図5は、共通駆動信号生成回路304の内
部構成を示すブロック図である。共通駆動信号生成回路
304は、RAM320の他に、第1のラッチ回路32
1と、加算器322と、第2のラッチ回路323と、D
−A変換器324と、電圧増幅器325と、電流増幅器
326とを備えており、これらの回路要素はこの順序で
直列に接続されている。
【0025】RAM320は、32個の傾き値Δ0〜Δ
31を記憶可能である。RAM320への傾き値Δjの
書き込み時には、傾き値Δjを示すデータとアドレスが
共通駆動信号生成制御回路302からRAM320に供
給される。また、RAM320から傾き値Δjを読み出
す際には、アドレスインクリメント信号ADDINCが
共通駆動信号生成制御回路302からRAM320のア
ドレスインクリメント端子に供給されている。RAM3
20から出力された傾き値Δjは、第1のラッチ回路3
21によって、クロック信号CLK1のパルスに応じて
保持される。このクロック信号CLK1のパルスは、ア
ドレスインクリメント信号ADDINCから一定の時間
遅れで発生する。従って、第1のラッチ回路321に
は、RAM320から出力される傾き値Δjが変更され
る毎に、その新たな傾き値jが保持される。
【0026】第2のラッチ回路323は、第2のクロッ
ク信号CLK2の一定周期のパルスに応じて加算器32
2の出力を一定周期で保持する。加算器322は、第1
のラッチ回路321で保持されている傾き値Δjと、第
2のラッチ回路323で保持されている前回の加算結果
とを加算する。そして、この加算結果が、第2のクロッ
ク信号CLK2の次のパルスに応じて第2のラッチ回路
323に再度保持される。すなわち、加算器322と第
2のラッチ回路323とは、傾き値Δjを一定周期毎に
順次累算する累算器としての機能を有している。なお、
以下では第2のラッチ回路323の出力を「駆動信号レ
ベルデータLD」または単に「レベルデータLD」と呼
ぶ。駆動信号レベルデータLDは、D−A変換器324
によってD−A変換される。D−A変換器324で得ら
れたアナログ信号は、電圧増幅器325および電流増幅
器326によってそれぞれ増幅され、この結果、共通駆
動信号COMDRVが生成される。
【0027】図6は、共通駆動信号生成回路304によ
る共通駆動信号COMDRVの生成動作を示すタイミン
グチャートである。まず、アドレスインクリメント信号
ADDINC(図6(d))の最初のパルスがRAM3
20に供給されると、1番目の傾き値Δ0がRAM32
0から読み出されて第1のラッチ回路321で保持さ
れ、加算器322に入力される。なお、図6ではアドレ
スインクリメント信号ADDINCと第1のクロック信
号CLK1とが同一のものとして描かれているが、実際
には、第1のクロック信号CLK1のパルスは、アドレ
スインクリメント信号ADDINCのパルスから一定の
時間遅れで発生する。
【0028】1番目の傾き値Δ0は、アドレスインクリ
メント信号ADDINCの次のパルスが供給されるま
で、第2のクロック信号CLK2の立ち上がりエッジが
発生するたびに繰り返し加算されてレベルデータLDが
生成される。そして、アドレスインクリメント信号AD
DINCの次のパルスがRAM320に供給されると、
2番目の傾き値Δ1がRAM320から読み出されて第
1のラッチ回路321で保持され、加算器322に入力
される。すなわち、アドレスインクリメント信号ADD
INC(および第1のクロック信号CLK1)は、第2
のクロック信号CLK2のパルスが傾き値Δjの加算回
数nj(j=0〜31)と等しい数だけ発生すると、1
パルス発生するような信号である。なお、傾き値Δjと
してゼロを用いれば共通駆動信号COMDRVのレベル
を水平に保つことができ、また、傾き値Δjとしてマイ
ナスの値を用いれば、共通駆動信号COMDRVのレベ
ルを減少させることができる。従って、傾き値Δjの値
と、その加算回数njとを設定することによって、任意
の波形を有する共通駆動信号COMDRVを生成するこ
とが可能である。
【0029】図7は、共通駆動信号生成制御回路302
のROM310内に格納された波形データの内容を示す
説明図である。ROM310内には、複数種類の駆動信
号波形のそれぞれについて、複数の傾き値Δjとその加
算回数njとで構成される波形データが格納されてい
る。共通駆動信号生成制御回路302は、往路と復路の
主走査の合間に(すなわち、キャリッジ28が印刷可能
領域を離れてプリンタ20の両端部に存在する期間
に)、次の往路または復路で使用される複数の傾き値Δ
jを共通駆動信号生成回路304内のRAM320に書
き込む動作を実行する。なお、加算回数njは、共通駆
動信号生成制御回路302内においてアドレスインクリ
メント信号ADDINCや第1のクロック信号CLK1
を生成する際に利用される。図4〜図7に示した共通駆
動信号生成回路304を利用すれば、各主走査毎に、任
意の波形を有する複数種類の共通駆動信号COMDRV
の中の1つをそれぞれ選択的に生成することが可能であ
る。
【0030】図8は、駆動信号整形回路306の内部構
成を示すブロック図である。駆動信号整形回路306
は、シフトレジスタ330と、データラッチ332と、
マスク信号生成回路334と、マスクパターンレジスタ
336と、マスク回路338とを備えている。シフトレ
ジスタ330は、コンピュータ100から供給されたシ
リアル印刷信号PRTを2ビット×48チャンネルのパ
ラレルデータに変換する。ここで「1チャンネル」は1
ノズル分の信号を意味する。1ノズルの1画素分の印刷
信号PRTは、上位ビットDHと下位ビットDLの2ビ
ットで構成されている。マスク信号生成回路334は、
マスクパターンレジスタ336から与えられるマスクパ
ターンデータV0〜V3と、各チャンネルの2ビットの
印刷信号PRT(DH,DL)とに応じて、各チャンネ
ル用の1ビットのマスク信号MSK(i)(i=1〜4
8)を生成する。マスク回路338は、与えられたマス
ク信号MSK(i)に応じて、共通駆動信号COMDR
Vの1画素区間内の信号波形の一部または全部をマスク
するためのアナログスイッチ回路である。ここで、「共
通駆動信号をマスクする」とは、各ピエゾ素子における
共通駆動信号COMDRVの信号線の接続をオン/オフ
することを意味する。
【0031】図9は、本実施例で利用される第1の駆動
信号波形を示すタイミングチャートである。図9(A)
に示すように、第1の共通駆動信号COMDRV1は、
1画素区間内に同一のパルスW1が3回発生する信号で
ある。図9(B),(C),(D)にそれぞれに示すよ
うに、小ドットを記録する場合には1番目のパルスのみ
を残して他のパルスをマスクし、中ドットを記録する場
合に1番目と2番目のパルスを残して3番目のパルスを
マスクし、大ドットを記録する場合にはマスクを行わず
に共通駆動信号COMDRV1をそのま利用する。各画
素におけるシリアル印刷信号PRTに応じてこのような
マスク処理を行うことにより、各画素位置において大き
さの異なる3種類のドットのうちのいずれかを選択的に
記録することが可能である。なお、以下では、この第1
の駆動信号波形で形成される3種類のドットを「マルチ
ショットドット」と呼ぶ。
【0032】図10は、本実施例で利用される第2の駆
動信号波形を示すタイミングチャートである。図10
(A)に示すように、第2の共通駆動信号COMDRV
2は1画素区間が3つの部分区間に区分されており、互
いに波形の異なる3つのパルスW11,W12,W13
が各区間で発生する。図10(B),(C),(D)に
それぞれに示すように、小ドットを記録する場合には2
番目のパルスW12のみを残して他のパルスをマスク
し、中ドットを記録する場合には1番目のパルスW11
のみを残して他のパルスをマスクし、大ドットを記録す
る場合には3番目のパルスW13のみを残して他のパル
スをマスクする。この場合にも、各画素におけるシリア
ル印刷信号PRTに応じてこのようなマスク処理を行う
ことにより、各画素位置において大きさの異なる3種類
のドットのうちのいずれかを選択的に記録することが可
能である。なお、以下では、この第2の駆動信号波形で
形成される3種類のドットを「バリアブルドット」と呼
ぶ。
【0033】図11は、マルチショットドットとバリア
ブルドットの形状を比較して示す説明図である。図11
(A)に示すように、マルチショットドットの小ドット
MSは13ngのインク滴で形成され、また、中ドット
MMは26ng、大ドットMLは40ngのインク滴で
それぞれ形成される。これらの3種類のマルチショット
ドットMS,MM,MLのみを利用するときには、主走
査方向と副走査方向の記録解像度が共に360dpiで
ある比較的低い記録解像度で高速に印刷を実行すること
が可能である。以下では、このように1種類の駆動信号
波形を用いたときに実現できる記録解像度を「単独使用
時の記録解像度」と呼ぶ。なお、本明細書においては、
「印刷解像度」と「記録解像度」は同義語である。
【0034】図11(B)に示すように、バリアブルド
ットの小ドットVSは4ngのインク滴で形成され、ま
た、中ドットVMは7ng、大ドットVLは11ngの
インク滴でそれぞれ形成される。バリアブルドットの単
独使用時の記録解像度は、主走査方向が1440dpi
で副走査方向が720dpiである。バリアブルドット
は、マルチショットドットに比べて、より高解像度で高
画質の画像を印刷できるという利点がある。なお、バリ
アブルドットを単独で持ちて印刷を行う場合にも、1回
の主走査によって、主走査方向に1440dpiの解像
度でドットを記録することは困難である。そこで、実際
には、4回の主走査で1本のラスタライン上におけるド
ット記録を完了する。すなわち、1回の主走査では各ラ
スタライン上の4画素に1画素の割合でドット記録を実
行し、4回の主走査で互いに補完的にドット記録を実行
することによって各ラスタライン上におけるドット記録
を完了する。従って、バリアブルドットは、マルチショ
ットドットに比べて印刷速度は遅いが、より高い記録解
像度で印刷を実行することが可能である。
【0035】なお、以下では、3つのマルチショットド
ットMS,MM,MLをまとめて呼ぶときには「マルチ
ショットドット系列」という用語を使用し、また、3つ
のバリアブルドットVS,VM,VLをまとめて呼ぶと
きには「バリアブルドット系列」という用語を使用す
る。
【0036】図12は、マルチショットドット系列とバ
リアブルドット系列とを併用して印刷を実行した例を示
す説明図である。2つドット系列を併用して印刷を実行
する場合には、副走査方向の印刷解像度としては、両者
の単独使用時の記録解像度のうちの比較的低い解像度
(すなわち、マルチショットドット系列の記録解像度)
が採用される。
【0037】また、2つのドット系列とを併用する場合
に、マルチショットドット系列とバリアブルドット系列
を、各ラスタライン上で重ね打ちすることが可能であ
る。すなわち、あるラスタライン上においてマルチショ
ットドット系列を用いるときには、そのラスタライン上
のすべての画素位置が記録対象となり、また、同じラス
タライン上においてバリアブルドット系列を用いるとき
にもすべての画素が記録対象となる。但し、実際には、
同じ画素位置に2つ以上のドットが重なると、画像濃度
の再現性が不安定になる。従って、1つの画素位置には
いずれか1つのドットのみが記録されるように、コンピ
ュータ100内のプリンタドライバにおける画像処理を
実行することが好ましい。この説明から理解できるよう
に、「重ね打ちする」という用語は、実際に2つ以上の
ドットを同じ画素位置に記録する場合に限らず、同じ画
素位置を記録対象とする場合も含む広い意味を有してい
る。なお、「画素位置を記録対象とする」という用語
は、「その画素位置で駆動素子を駆動させればドットを
記録できる状態にする」という意味で使用されている。
【0038】マルチショットドット系列とバリアブルド
ット系列とを各ラスタライン上で重ね打ちするようにす
れば、6種類の異なるサイズのドットを用いて印刷を実
行することが可能である。但し、濃度の高い画像領域で
はマルチショットドット系列が比較的多く用いられ、一
方、濃度の低い画像領域ではバリアブルドット系列が比
較的多く用いられる傾向にある。この結果、濃度の低い
画像領域では、バリアブルドット系列を単独で用いた場
合とほぼ同様に、ドットの粒状性を低減することが可能
である。このように、2つのドット系列を併用した場合
には、サイズの異なる6種類のドットで画像が再現され
るので、マルチショットドット系列のみを用いたときに
比べて画質を向上させることができる。
【0039】なお、マルチショットドット系列の小ドッ
トMSは13ngであり、バリアブルドット系列の大ド
ットVLは11ngであって、両者はほぼ同程度のイン
ク量で形成されている。このように、2種類の異なるド
ット系列を用いるときに、より小さなドット系列の最大
のドットと、より大きなドット系列の最小のドットとを
同程度の大きさに設定すれば、2種のドット系列を併用
して印刷を行う際に、より滑らかな階調表現が可能であ
る。
【0040】ところで、バリアブルドット系列を記録す
る場合の主走査速度(キャリッジ速度)は、マルチショ
ットドット系列を記録する場合の主走査速度よりも低く
設定される。この理由は、バリアブルドット用の共通駆
動信号COMDRV2の波形(図10(a))が、マル
チショットドット用の共通駆動信号COMDRV1の波
形(図9(a))よりも複雑であり、このため、駆動波
形の1画素区間により多くの時間を要するためである。
一例では、バリアブルドット系列を記録する際の主走査
速度は約200cps(キャラクタ/秒)であり、マル
チショットドット系列を記録する際の主走査速度は約2
50cpsである。2つのドット系列を併用したときに
は、平均的な主走査速度は約225cpsとなり、マル
チショットドット系列の単独使用時に比べて低下する。
従って、印刷速度もこれに応じて若干低下する。
【0041】しかし、バリアブルドット系列を単独で用
いた場合には、前述したように、副走査送りの解像度が
720dpiであり、また、4回の主走査で各ラスタラ
イン上におけるドット記録を完了するので、印刷速度は
かなり低い。一方、2つのドット系列を併用した場合に
は、副走査送りの解像度が360dpiであり、また、
2回の主走査で各ラスタライン上におけるドット記録を
完了するので、印刷速度としては、むしろマルチショッ
トドット系列を単独で用いた場合に近い高い印刷速度が
得られている。また、濃度の低い画像領域においては、
バリアブルドット系列を単独で用いた場合に近い画質が
得られる。従って、2つのドット系列とを併用すれば、
マルチショットドット系列を単独で用いた場合に近い高
い印刷速度と、バリアブルドット系列を単独で用いた場
合に近い高い画質とを同時に達成することが可能であ
る。
【0042】C.通常の記録方式の基本的条件:本発明
の実施例に用いられている記録方式の詳細を説明する前
に、以下ではまず、通常の記録方式の基本的な条件につ
いて説明する。なお、本明細書においては、「記録方
式」と「印刷方式」とは同義語である。
【0043】図13は、通常のドット記録方式の基本的
条件を示すための説明図である。図13(A)は、4個
のノズルを用いた場合の副走査送りの一例を示してお
り、図13(B)はそのドット記録方式のパラメータを
示している。図13(A)において、数字を含む実線の
丸は、各パスにおける4個のノズルの副走査方向の位置
を示している。ここで、「パス」とは1回分の主走査を
意味している。丸の中の数字0〜3は、ノズル番号を意
味している。4個のノズルの位置は、1回の主走査が終
了する度に副走査方向に送られる。但し、実際には、副
走査方向の送りは紙送りモータ31(図2)によって用
紙を移動させることによって実現されている。
【0044】図13(A)の左端に示すように、この例
では副走査送り量Lは4ドットの一定値である。従っ
て、副走査送りが行われる度に、4個のノズルの位置が
4ドットずつ副走査方向にずれてゆく。各ノズルは、1
回の主走査中にそれぞれのラスタライン上のすべてのド
ット位置(「画素位置」とも呼ぶ)を記録対象としてい
る。なお、本明細書では、各ラスタライン(「主走査ラ
イン」とも呼ぶ)上で行われる主走査の延べ回数を、
「スキャン繰り返し数s」と呼ぶ。
【0045】図13(A)の右端には、各ラスタライン
上のドットを記録するノズルの番号が示されている。な
お、ノズルの副走査方向位置を示す丸印から右方向(主
走査方向)に伸びる破線で描かれたラスタラインでは、
その上下のラスタラインの少なくとも一方が記録できな
いので、実際にはドットの記録が禁止される。一方、主
走査方向に伸びる実線で描かれたラスタラインは、その
前後のラスタラインがともにドットで記録され得る範囲
である。このように実際に記録を行える範囲を、以下で
は有効記録範囲(または「有効印刷範囲」、「印刷実行
領域」、「記録実行領域」)と呼ぶ。
【0046】図13(B)には、このドット記録方式に
関する種々のパラメータが示されている。ドット記録方
式のパラメータには、ノズルピッチk[ドット]と、使
用ノズル個数N[個]と、スキャン繰り返し数sと、実
効ノズル個数Neff[個]と、副走査送り量L[ドッ
ト]とが含まれている。
【0047】図13の例では、ノズルピッチkは3ドッ
トである。使用ノズル個数Nは4個である。なお、使用
ノズル個数Nは、実装されている複数個のノズルの中で
実際に使用されるノズルの個数である。スキャン繰り返
し数sは、各ラスタライン上においてs回の主走査が実
行されることを意味している。例えば、スキャン繰り返
し数sが2のときには、各ラスタライン上において2回
の主走査が実行される。このとき、通常は、一回の主走
査において1ドットおきに間欠的にドットが形成され
る。図13の場合には、スキャン繰り返し数sは1であ
る。実効ノズル個数Neff は、使用ノズル個数Nをスキ
ャン繰り返し数sで割った値である。この実効ノズル個
数Neff は、一回の主走査でドット記録が完了するラス
タラインの正味の本数を示しているものと考えることが
できる。
【0048】図13(B)の表には、各パスにおける副
走査送り量Lと、その累計値ΣLと、ノズルのオフセッ
トFとが示されている。ここで、オフセットFとは、最
初のパス1におけるノズルの周期的な位置(図13では
4ドットおきの位置)をオフセットが0である基準位置
と仮定した時に、その後の各パスにおけるノズルの位置
が基準位置から副走査方向に何ドット離れているかを示
す値である。例えば、図13(A)に示すように、パス
1の後には、ノズルの位置は副走査送り量L(4ドッ
ト)だけ副走査方向に移動する。一方、ノズルピッチk
は3ドットである。従って、パス2におけるノズルのオ
フセットFは1である(図13(A)参照)。同様にし
て、パス3におけるノズルの位置は、初期位置からΣL
=8ドット移動しており、そのオフセットFは2であ
る。パス4におけるノズルの位置は、初期位置からΣL
=12ドット移動しており、そのオフセットFは0であ
る。3回の副走査送り後のパス4ではノズルのオフセッ
トFは0に戻るので、3回の副走査を1サイクルとし
て、このサイクルを繰り返すことによって、有効記録範
囲のラスタライン上のすべてのドットを記録することが
できる。
【0049】図13の例からも解るように、ノズルの位
置が初期位置からノズルピッチkの整数倍だけ離れた位
置にある時には、オフセットFはゼロである。また、オ
フセットFは、副走査送り量Lの累計値ΣLをノズルピ
ッチkで割った余り(ΣL)%kで与えられる。ここ
で、「%」は、除算の余りをとることを示す演算子であ
る。なお、ノズルの初期位置を周期的な位置と考えれ
ば、オフセットFは、ノズルの初期位置からの位相のず
れ量を示しているものと考えることもできる。
【0050】スキャン繰り返し数sが1の場合には、有
効記録範囲において記録対象となるラスタラインに抜け
や重複が無いようにするためには、以下のような条件を
満たすことが必要である。
【0051】条件c1:1サイクルの副走査送り回数
は、ノズルピッチkに等しい。
【0052】条件c2:1サイクル中の各回の副走査送
り後のノズルのオフセットFは、0〜(k−1)の範囲
のそれぞれ異なる値となる。
【0053】条件c3:副走査の平均送り量(ΣL/
k)は、使用ノズル数Nに等しい。換言すれば、1サイ
クル当たりの副走査送り量Lの累計値ΣLは、使用ノズ
ル数Nとノズルピッチkとを乗算した値(N×k)に等
しい。
【0054】上記の各条件は、次のように考えることに
よって理解できる。隣接するノズルの間には(k−1)
本のラスタラインが存在するので、1サイクルでこれら
(k−1)本のラスタライン上で記録を行ってノズルの
基準位置(オフセットFがゼロの位置)に戻るために
は、1サイクルの副走査送りの回数はk回となる。1サ
イクルの副走査送りがk回未満であれば、記録されるラ
スタラインに抜けが生じ、一方、1サイクルの副走査送
りがk回より多ければ、記録されるラスタラインに重複
が生じる。従って、上記の第1の条件c1が成立する。
【0055】1サイクルの副走査送りがk回の時には、
各回の副走査送りの後のオフセットFの値が0〜(k−
1)の範囲の互いに異なる値の時にのみ、記録されるラ
スタラインに抜けや重複が無くなる。従って、上記の第
2の条件c2が成立する。
【0056】上記の第1と第2の条件を満足すれば、1
サイクルの間に、N個の各ノズルがそれぞれk本のラス
タラインの記録を行うことになる。従って、1サイクル
ではN×k本のラスタラインの記録が行われる。一方、
上記の第3の条件c3を満足すれば、図13(A)に示
すように、1サイクル後(k回の副走査送り後)のノズ
ルの位置が、初期のノズル位置からN×kラスタライン
離れた位置に来る。従って、上記第1ないし第3の条件
c1〜c3を満足することによって、これらのN×k本
のラスタラインの範囲において、記録されるラスタライ
ンに抜けや重複を無くすることができる。
【0057】図14は、スキャン繰り返し数sが2以上
の場合のドット記録方式の基本的条件を示すための説明
図である。スキャン繰り返し数sが2以上の場合には、
同一のラスタライン上でs回の主走査が実行される。以
下では、スキャン繰り返し数sが2以上のドット記録方
式を「オーバーラップ方式」と呼ぶ。
【0058】図14に示すドット記録方式は、図13
(B)に示すドット記録方式のパラメータの中で、スキ
ャン繰り返し数sと副走査送り量Lとを変更したもので
ある。図14(A)からも解るように、図14のドット
記録方式における副走査送り量Lは2ドットの一定値で
ある。但し、図14(A)においては、偶数回目のパス
のノズルの位置を、菱形で示している。通常は、図14
(A)の右端に示すように、偶数回目のパスで記録され
るドット位置は、奇数回目のパスで記録されるドット位
置と、主走査方向に1ドット分だけずれている。従っ
て、同一のラスタライン上の複数のドットは、異なる2
つのノズルによってそれぞれ間欠的に記録されることに
なる。例えば、有効記録範囲内の最上端のラスタライン
は、パス2において2番のノズルで1ドットおきに間欠
的に記録された後に、パス5において0番のノズルで1
ドットおきに間欠的に記録される。このオーバーラップ
方式では、各ノズルは、1回の主走査中に1ドット記録
した後に(s−1)ドット記録を禁止するように、間欠
的なタイミングでノズルが駆動される。
【0059】このように、各主走査時にラスタライン上
の間欠的な画素位置を記録対象とするオーバーラップ方
式を、「間欠オーバーラップ方式」と呼ぶ。なお、間欠
的な画素位置を記録対象とする代わりに、各主走査時に
ラスタライン上のすべての画素位置を記録対象としても
よい。すなわち、1本のラスタライン上でs回の主走査
を実行するときに、同じ画素位置でドットの重ね打ちを
許容してもよい。このようなオーバーラップ方式を、
「重ね打ちオーバーラップ方式」または「完全オーバー
ラップ方式」と呼ぶ。
【0060】なお、間欠オーバーラップ方式では、同一
ラスタを記録する複数のノズルの主走査方向の位置が互
いにずれていればよいので、各主走査時における実際の
主走査方向のずらし量は、図14(A)に示すもの以外
にも種々のものが考えられる。例えば、パス2では主走
査方向のずらしを行わずに丸で示す位置のドットを記録
し、パス5において主走査方向のずらしを行なって菱形
で示す位置のドットを記録するようにすることも可能で
ある。
【0061】図14(B)の表の最下段には、1サイク
ル中の各パスのオフセットFの値が示されている。1サ
イクルは6回のパスを含んでおり、パス2からパス7ま
での各パスにおけるオフセットFは、0〜2の範囲の値
を2回ずつ含んでいる。また、パス2からパス4までの
3回のパスにおけるオフセットFの変化は、パス5から
パス7までの3回のパスにおけるオフセットFの変化と
等しい。図14(A)の左端に示すように、1サイクル
の6回のパスは、3回ずつの2組の小サイクルに区分す
ることができる。このとき、1サイクルは、小サイクル
をs回繰り返すことによって完了する。
【0062】一般に、スキャン繰り返し数sが2以上の
整数の場合には、上述した第1ないし第3の条件c1〜
c3は、以下の条件c1’〜c3’のように書き換えら
れる。
【0063】条件c1’:1サイクルの副走査送り回数
は、ノズルピッチkとスキャン繰り返し数sとを乗じた
値(k×s)に等しい。
【0064】条件c2’:1サイクル中の各回の副走査
送り後のノズルのオフセットFは、0〜(k−1)の範
囲の値であって、それぞれの値がs回ずつ繰り返され
る。
【0065】条件c3’:副走査の平均送り量{ΣL/
(k×s)}は、実効ノズル数Neff (=N/s)に等
しい。換言すれば、1サイクル当たりの副走査送り量L
の累計値ΣLは、実効ノズル数Neff と副走査送り回数
(k×s)とを乗算した値{Neff ×(k×s)}に等
しい。
【0066】上記の条件c1’〜c3’は、スキャン繰
り返し数sが1の場合にも成立する。従って、条件c
1’〜c3’は、スキャン繰り返し数sの値に係わら
ず、ドット記録方式に関して一般的に成立する条件であ
る。すなわち、上記の3つの条件c1’〜c3’を満足
すれば、有効記録範囲において、記録されるドットに抜
けや不要な重複が無いようにすることができる。但し、
間欠オーバーラップ方式を採用する場合には、同じラス
タラインを記録するノズルの記録位置を互いに主走査方
向にずらすという条件も必要である。また、重ね打ちオ
ーバーラップ方式を採用する場合には、上記の条件c
1’〜c3’が満足されていればよく、各パスにおいて
すべての画素位置が記録対象とされる。
【0067】D.上端処理と下端処理の考え方:図15
は、実施例における記録方式の適用の考え方を示す説明
図である。印刷用紙P上には印刷が実際に実行される印
刷実行領域PAが設定される。印刷実行領域PAの中間
領域には中間領域処理用の記録方式が適用される。この
中間領域処理用の記録方式は、上述した条件c1’〜c
3’を満足するものであり、記録されるドットに抜けや
不要な重複が無いような記録方式である。印刷実行領域
PAの上端近傍と下端近傍では、上端処理用および下端
処理用の記録方式がそれぞれ適用される。なお、本明細
書では、印刷用紙の上端近傍における特別な印刷処理を
「上端処理」と呼び、また、印刷用紙の下端近傍におけ
る特別な印刷処理を「下端処理」と呼ぶ。
【0068】図16は、印刷用紙の上端処理の記録方式
の考え方を示す説明図である。なお、ここでは説明の便
宜上、スキャン繰り返し数sが1である場合の例を主と
して説明する。
【0069】前述した図13に示されているように、印
刷用紙の上端近傍には、有効にドット記録を実行できな
い範囲(記録不可範囲)が存在する。そこで、上端処理
では、副走査送り量を中間領域処理における送り量より
も小さな値に設定することによって、記録不可範囲を減
少させ、有効記録範囲を増加させている。具体的には、
図16(A)に示す上端処理では副走査送り量Lを2ド
ットに設定しており、この値は、図13に示した通常の
記録方式における副走査送り量L(=4ドット)よりも
小さい。この結果、有効記録範囲が図13(A)の場合
に比べて4ラスタライン分増加していることが解る。
【0070】なお、図16(A)の4パス目では、0番
ノズルと1番ノズルがドット記録を実行していない。こ
の理由は、4パス目において0番ノズルと1番ノズルに
よる記録対象となるラスタラインが、既にパス1におい
て2番ノズルと3番ノズルによる記録対象となっている
からである。
【0071】図16(B)には上端処理における走査パ
ラメータが示されている。これらの走査パラメータは、
上述した通常の記録方式における条件c1’〜c3’を
満足していない。この理由は、図16(A)に示されて
いるように、上端処理では、使用ノズルによる記録対象
となるラスタラインが重複してしまうことが許容されて
いるからである。
【0072】一般には、上端処理で採用される記録方式
では、印刷用紙の中間領域(上端近傍と下端近傍を除く
領域)で採用される記録方式よりも副走査送り量が小さ
な値に設定されており、これによって有効記録範囲を拡
張している。また、下端処理においても同様に、印刷用
紙の中間領域で採用される記録方式よりも副走査送り量
が小さな値を用いた記録方式が適用され、これによっ
て、有効記録範囲を拡張している。なお、下端処理の考
え方も上端処理とほぼ同様なので、ここではその説明は
省略する。
【0073】なお、中間領域において変則送り(複数の
異なる送り量を使用する送り方)が採用される場合もあ
る。また、上端処理や下端処理においても、変則送りを
採用することが可能である。これらの場合には、上端処
理における副走査送り量の平均値が、中間領域処理にお
ける副走査送り量の平均値よりも小さな値に設定され
る。下端処理についても同様である。「副走査送り量が
小さい」という文言は、このような場合も含む広い意味
を有している。
【0074】E.実施例における記録方式の具体例:図
17は、本実施例の中間領域処理における走査パラメー
タを示す説明図である。この記録方式は、ノズルピッチ
kが3ドット、スキャン繰り返し数sが2、使用ノズル
個数Nが46の重ね打ちオーバーラップ方式である。
【0075】図17の下部の表には、1回目から7回目
までの各パスに関するパラメータが示されている。駆動
信号波形としては、マルチショットドット用とバリアブ
ルドット用の2種類の波形がパス毎に交互に使用され
る。また、マルチショットドットの記録は往路において
実行され、バリアブルドットの記録は復路において実行
される。副走査送り量Lとしては、23ドットの一定値
が使用されている。この中間領域処理の記録方式は、ス
キャン繰り返し数sが2である重ね打ちオーバーラップ
方式である。なお、副走査送りとしては変則送りを採用
することも可能である。
【0076】図18は、中間領域処理の各パスにおいて
各ラスタライン上の記録を担当するノズル番号を示して
いる。図18における「ラスタ番号」は、記録不可範囲
(図13,図14)も含めて、印刷ヘッド36のいずれ
かのノズルが位置決めされ得る範囲の上端からの番号で
ある。但し、このラスタ番号は、上端処理を行わないと
仮定したときのものである。上端の60本のラスタライ
ンは図示の便宜上省略している。なお、ノズル番号が記
載された矩形に「×」印が付されているものは、そのノ
ズルを使用しないことを意味している。上端から69本
目のラスタラインまでは、1回しか主走査が行えないの
で、記録不可範囲である。有効記録範囲内の各ラスタラ
イン上では、マルチショットドット系列を用いた主走査
と、バリアブルドット系列を用いた主走査とが、それぞ
れ1回ずつ実行される。なお、パス6以降は省略されて
いる。
【0077】図19および図20は、本実施例の上端処
理における走査パラメータと、各パスにおいて各ラスタ
ラインを記録するノズルとを示す説明図である。図19
の表に示されているように、パス1からパス6までが上
端処理に相当し、パス7以降が中間処理に相当する。上
端処理では副走査送り量Lとして5ドットの一定値が使
用されている。
【0078】図19には1番目から49番目までのラス
タラインが示されており、図20には49番目から95
番目までのラスタラインが示されている。なお、上端処
理の主走査であるパス1からパス6までは、中間領域処
理で使用される46個の使用ノズルのうちの一部は使用
されていない。
【0079】図19に示されているように、上端処理を
行うことによって、24番目のラスタライン以降が有効
記録範囲となっている。前述した図18と比較すれば、
上端処理によって、有効記録範囲が46ラスタライン分
だけ拡張されていることが理解できる。
【0080】図20に示されているように、各ラスタラ
インは、上端処理においてドット記録が行われたか否か
に係わらず、マルチショットドット系列を用いた主走査
と、バリアブルドット系列を用いた主走査とが、それぞ
れ1回ずつ実行されている。換言すれば、あるラスタラ
イン上において上端処理のドット記録時に使用される駆
動信号波形は、その同じラスタライン上において中間領
域処理のドット記録時に使用される駆動信号波形とは異
なる駆動信号波形となるように選択されている。すなわ
ち、中間処理においてマルチショットドット用駆動信号
波形でドット記録が実行されるラスタラインにおいて
は、上端処理では バリアブルドット用駆動信号波形で
ドット記録が実行される。反対に、中間処理においてバ
リアブルドット用駆動信号波形でドット記録が実行され
るラスタラインにおいては、上端処理ではマルチショッ
トドット用駆動信号波形でドット記録が実行される。
【0081】なお、ラスタラインによっては、同じ種類
の駆動信号波形を用いたパスが2回実行されることがあ
る。例えば、図20のラスタ番号49,52,55…等
のラスタラインでは、パス1とパス7において、いずれ
もマルチショットドット用駆動信号波形が用いられてい
る。しかし、パス1においては、これらのラスタライン
上を走査するノズルは使用されていない。換言すれば、
本実施例では、各ラスタライン上において、2種類の駆
動信号波形を用いた走査がそれぞれ少なくとも1回ずつ
実行されるように各パスの駆動信号波形が選択されてお
り、また、各ラスタライン上において2種類の駆動信号
波形がそれぞれ1回ずつ使用されるように、上端処理に
おいて実際に使用されるノズルが適切に選択されてい
る。こうすることによって、上端処理が実行されるラス
タライン上においても、中間処理のみでドット記録が完
了するラスタラインと同様に、マルチショットドット系
列とバリアブルドット系列を併用してドット記録を行う
ことができる。
【0082】図21および図22は、本実施例の下端処
理における走査パラメータと、各パスにおいて各ラスタ
ラインを記録するノズルとを示す説明図である。図2
1,図22の表において、パス0は最後の主走査を意味
している。また、例えばパス−11は最後のパス0の1
1回前のパスであることを意味している。パス−5から
パス0までの6回のパスが下端処理に相当する。下端処
理の最初のパス−5では副走査送り量Lが15ドットに
設定されているが、パス−4からパス0までは副走査送
り量Lが5ドットの一定値に設定されている。なお、下
端処理の最初のパス(パス−5)においては、復路にお
いてバリアブルドット用駆動信号波形を使用するが、そ
の直前の中間領域処理のパス(パス−6)においても、
復路においてバリアブルドット用駆動信号波形を使用し
ている。従って、この2回のパスの間には、ドット記録
を行わない往路のパスが1回実行される。
【0083】図22において、ラスタ番号が0であるラ
スタラインは、印刷実行領域の下端のラスタラインであ
る。他のラスタラインに付されているマイナスのラスタ
番号は、下端のラスタラインから数えて何番目であるか
を示している。下端処理においても、駆動信号波形と実
際に使用されるノズルとが、パス毎に選択されている。
この結果、各ラスタライン上において、マルチショット
ドット系列とバリアブルドット系列を併用してドット記
録を行うことができる。また、このような下端処理を行
うことによって、有効記録範囲を拡張することが可能で
ある。
【0084】以上のように、本実施例によれば、上端処
理や下端処理においては、各ラスタライン上において、
2種類の駆動信号波形を用いた走査がそれぞれ少なくと
も1回ずつ実行されるように各パスの駆動信号波形が選
択されている。従って、上端処理や下端処理が実行され
るラスタライン上においても、中間処理のみでドット記
録が完了するラスタラインと同様に、マルチショットド
ット系列とバリアブルドット系列を併用して、高画質な
印刷を行うことができるという利点がある。
【0085】図23および図24は、本実施例の下端処
理の変形例を示す説明図である。図23,図24に示す
下端処理は、図21,図22に示した下端処理とは往路
と復路の割り当てが異なるだけである。すなわち、下端
処理のパス(パス−5〜パス0)においては、往路にお
いてバリアブルドット系列を使用し、復路においてマル
チショットドット系列を使用する。従って、主走査速度
も、往路ではバリアブルドット系列に適した200cp
sとなり、復路ではマルチショットドット系列に適した
250cpsとなる。
【0086】この変形例では、中間領域処理の最後のパ
スが復路で実行され、下端処理の最初のパスが往路で実
行されるので、この2回のパスの間には、ドット記録を
行わないパスを行う必要が無い。従って、図21,図2
2に示した下端処理に比べて印刷速度を若干向上させる
ことができる。一般には、中間処理領域において各共通
駆動信号が使用される主走査方向と、下端処理(または
上端処理)において各共通駆動信号が使用される主走査
方向とを入れ換えることによって、入れ換えを行わない
下端処理(または上端処理)に比べて印刷速度を若干向
上させることができる可能性がある。換言すれば、往路
と復路の各主走査において、主走査毎に選択された共通
駆動信号にそれぞれ適した主走査速度で主走査をそれぞ
れ実行するようにすれば、共通駆動信号を使用する上で
の自由度が高まるので、より望ましい印刷を実行するこ
とが可能である。
【0087】F.他の変形例:なお、この発明は上記の
実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を
逸脱しない範囲において種々の態様において実施するこ
とが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0088】F1.変形例1:上記実施例では、上端処
理と下端処理の両方を実行していたが、必要に応じてい
ずれか一方のみを実行するようにしてもよい。
【0089】F2.変形例2:上記実施例では、双方向
印刷を実行していたが、単方向印刷にも上記実施例を適
用可能である。この場合には、マルチショットドット系
列も、バリアブルドット系列も、いずれも往路において
記録されることになる。
【0090】F3.変形例3:上記実施例では、マルチ
ショットドット用とバリアブルドット用の2つの共通駆
動信号を併用していたが、一般には、任意のn種類(n
は2以上の整数)の共通駆動信号を利用して1ページ分
の印刷を実行することが可能である。このときには、各
共通駆動信号に対してそれぞれ適した主走査速度を設定
できるようにしてもよい。主走査速度として複数の異な
る値を許容すれば、種々の共通駆動信号波形を利用する
ことができるので、多彩なドット系列を利用して印刷を
実行することが可能である。
【0091】また、上記実施例では、マルチショットド
ット用とバリアブルドット用の共通駆動波形をそれぞれ
1回ずつ用いた2回の走査によって各ラスタライン上の
ドット記録を完了していたが、各共通駆動波形をそれぞ
れm回(mは1以上の整数)ずつ用いたm回の主走査に
よって各ラスタライン上のドット記録を完了するように
してもよい。すなわち、一般には、n種類(nは2以上
の整数)の共通駆動信号をそれぞれm回(mは1以上の
整数)ずつ用いたn×m回の主走査によって各ラスタラ
イン上のドット記録を完了するようにすればよい。ま
た、このとき、下端処理や上端処理が行われるラスタラ
インにおいては、n種類の共通駆動信号をそれぞれ少な
くともm回ずつ用いた少なくともn×m回の主走査によ
って各ラスタライン上のドット記録を完了するようにす
ればよい。
【0092】なお、mが2以上のときには、同一ラスタ
ライン上における同一の共通駆動信号を用いたm回の主
走査では、m画素に1画素の割合で間欠的な画素位置を
記録対象とすることが好ましい。
【0093】F4.変形例4:この発明はドラムスキャ
ンプリンタにも適用可能である。尚、ドラムスキャンプ
リンタでは、ドラム回転方向が主走査方向、キャリッジ
走行方向が副走査方向となる。また、この発明は、イン
クジェットプリンタのみでなく、一般に、複数のノズル
を有する印刷ヘッドを用いて印刷媒体の表面に記録を行
う印刷装置に適用することができる。このような印刷装
置としては、例えばファクシミリ装置や、コピー装置な
どがある。
【0094】F5.変形例5:上記実施例において、ハ
ードウェアによって実現されていた構成の一部をソフト
ウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウ
ェアによって実現されていた構成の一部をハードウェア
に置き換えるようにしてもよい。例えば、システムコン
トローラ54(図2)の機能の一部をホストコンピュー
タ100が実行するようにすることもできる。
【0095】このような機能を実現するコンピュータプ
ログラムは、フロッピディスクやCD−ROM等の、コ
ンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で
提供される。ホストコンピュータ100は、その記録媒
体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装
置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路
を介してプログラム供給装置からホストコンピュータ1
00にコンピュータプログラムを供給するようにしても
よい。コンピュータプログラムの機能を実現する時に
は、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラム
がホストコンピュータ100のマイクロプロセッサによ
って実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュ
ータプログラムをホストコンピュータ100が直接実行
するようにしてもよい。
【0096】この明細書において、ホストコンピュータ
100とは、ハードウェア装置とオペレーションシステ
ムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御
の下で動作するハードウェア装置を意味している。コン
ピュータプログラムは、このようなホストコンピュータ
100に、上述の各部の機能を実現させる。なお、上述
の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、
オペレーションシステムによって実現されていても良
い。
【0097】なお、この発明において、「コンピュータ
読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク
やCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各
種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置
や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている
外部記憶装置も含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのカラーインクジェッ
トプリンタ20の主要な構成を示す概略斜視図。
【図2】プリンタ20の電気的な構成を示すブロック
図。
【図3】印刷ヘッド36の下面におけるノズル配列を示
す説明図。
【図4】ヘッド駆動ドライバ63(図2)の内部構成を
示すブロック図。
【図5】共通駆動信号生成回路304の内部構成を示す
ブロック図。
【図6】共通駆動信号生成回路304による共通駆動信
号COMDRVの生成動作を示すタイミングチャート。
【図7】共通駆動信号生成制御回路302のROM31
0内に格納された波形データの内容を示す説明図。
【図8】駆動信号整形回路306の内部構成を示すブロ
ック図。
【図9】マルチショットドット用駆動信号波形を示すタ
イミングチャート。
【図10】バリアブルドット用駆動信号波形を示すタイ
ミングチャート。
【図11】マルチショットドットとバリアブルドットの
形状を比較して示す説明図。
【図12】マルチショットドットとバリアブルドットと
の両方を用いて印刷を実行した例を示す説明図。
【図13】通常のドット記録方式の基本的条件を示すた
めの説明図。
【図14】オーバーラップ記録方式の基本的条件を示す
ための説明図。
【図15】実施例における記録方式の適用の考え方を示
す説明図。
【図16】印刷用紙の上端処理の記録方式の考え方を示
す説明図。
【図17】実施例の中間領域処理における走査パラメー
タを示す説明図。
【図18】中間領域処理の各パスにおいて各ラスタライ
ン上の記録を担当するノズル番号を示す説明図。
【図19】本実施例の上端処理における走査パラメータ
と、各パスにおいて各ラスタラインを記録するノズルと
を示す説明図。
【図20】本実施例の上端処理における走査パラメータ
と、各パスにおいて各ラスタラインを記録するノズルと
を示す説明図。
【図21】本実施例の下端処理における走査パラメータ
と、各パスにおいて各ラスタラインを記録するノズルと
を示す説明図。
【図22】本実施例の下端処理における走査パラメータ
と、各パスにおいて各ラスタラインを記録するノズルと
を示す説明図。
【図23】本実施例の下端処理の変形例における走査パ
ラメータと、各パスにおいて各ラスタラインを記録する
ノズルとを示す説明図。
【図24】本実施例の下端処理の変形例における走査パ
ラメータと、各パスにおいて各ラスタラインを記録する
ノズルとを示す説明図。
【符号の説明】
20…カラーインクジェットプリンタ 22…用紙スタッカ 24…紙送りローラ 26…プラテン板 28…キャリッジ 30…キャリッジモータ 31…紙送りモータ 32…牽引ベルト 34…ガイドレール 36…印刷ヘッド 50…受信バッファメモリ 52…イメージバッファ 54…システムコントローラ(制御部) 61…主走査駆動ドライバ 62…副走査駆動ドライバ 63…ヘッド駆動ドライバ 100…ホストコンピュータ 302…共通駆動信号生成制御回路 304…共通駆動信号生成回路 306…駆動信号整形回路 308…ピエゾ素子 310…ROM 320…RAM 321…第1のラッチ回路 322…加算器 323…第2のラッチ回路 324…D−A変換器 325…電圧増幅器 326…電流増幅器 330…シフトレジスタ 332…データラッチ 334…マスク信号生成回路 336…マスクパターンレジスタ 338…マスク回路

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主走査を行いつつ印刷媒体上に印刷を行
    う印刷装置であって、 複数のノズルと、前記複数のノズルからインク滴をそれ
    ぞれ吐出させるための複数の吐出駆動素子とを有する印
    刷ヘッドと、 前記印刷媒体と印刷ヘッドの少なくとも一方を移動させ
    ることによって双方向の主走査を行う主走査駆動部と、 前記印刷媒体と印刷ヘッドの少なくとも一方を移動させ
    ることによって副走査を行う副走査駆動部と、 印刷信号に応じて各吐出駆動素子に駆動信号を供給する
    ヘッド駆動部と、 印刷動作の制御を行う制御部と、を備え、 前記ヘッド駆動部は、 n種類(nは2以上の整数)の共通駆動信号のうちのい
    ずれかを、各主走査毎に選択的に発生可能な共通駆動信
    号発生部と、 前記共通駆動信号発生部から供給された前記共通駆動信
    号を前記印刷信号に応じて各画素毎に整形することによ
    って、前記各吐出駆動素子に与えられる前記駆動信号を
    生成する駆動信号整形部と、を備えており、 前記制御部は、 前記印刷媒体上の記録実行領域の中間部分において第1
    の記録方式に従ってドットの記録を実行するとともに、
    前記記録実行領域の先端近傍と後端近傍とのうちの少な
    くとも一方において、前記第1の記録方式に比べて副走
    査送り量が小さい第2の記録方式に従ってドット記録を
    実行し、 前記第1の記録方式のみでドット記録が行われる主走査
    ラインにおいては、前記n種類の共通駆動信号をそれぞ
    れm回(mは1以上の整数)ずつ用いたn×m回の主走
    査によってドット記録を完了し、 前記第1の記録方式と第2の記録方式との双方でドット
    記録が行われる主走査ラインにおいては、前記n種類の
    共通駆動信号をそれぞれ少なくともm回ずつ用いた少な
    くともn×m回の主走査が実行されるように、前記第2
    の記録方式に従ってドット記録を行う際に各主走査時に
    用いられる共通駆動信号を前記n種類の共通駆動信号の
    中から選択することを特徴とする印刷装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記印刷ヘッドは、各ノズルを用いて印刷媒体上にサイ
    ズの異なる複数種類のドットを形成可能であり、 前記印刷信号は、各画素を多階調で記録するために使用
    される1画素当たり複数ビットの信号であり、 前記n種類の共通駆動信号のそれぞれは、1画素区間の
    間に複数のパルスがそれぞれ発生する信号であり、 前記駆動信号整形部は、前記複数ビットの印刷信号に応
    じて前記共通駆動信号を整形する、印刷装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記n種類の共通駆動信号の少なくとも1つは、単独で
    印刷に使用されたときに、他の共通駆動信号とは異なる
    記録解像度でドット記録を実現し得るものであり、 前記n種類の共通駆動信号を用いた印刷における主走査
    時のドット記録と副走査送りとは、前記n種類の共通駆
    動信号で実現可能な記録解像度のうちの最も低い記録解
    像度に即した画素ピッチに従って実行される、印刷装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記印刷装置は、主走査の往路と復路においてそれぞれ
    印刷を実行する双方向印刷機能を有しており、 主走査の往路と復路において、互いに異なる種類の共通
    駆動信号が選択される、印刷装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記印刷装置は、主走査の往路と復路においてそれぞれ
    印刷を実行する双方向印刷機能を有しており、 前記主走査駆動部は、往路と復路の各主走査において、
    主走査毎に選択された共通駆動信号にそれぞれ適した主
    走査速度で主走査をそれぞれ実行する、印刷装置。
  6. 【請求項6】 複数のノズルと前記複数のノズルからイ
    ンク滴をそれぞれ吐出させるための複数の吐出駆動素子
    とを有する印刷ヘッドと、印刷信号に応じて共通駆動信
    号を整形して各吐出駆動素子に駆動信号を供給するヘッ
    ド駆動部と、を備えた印刷装置を用いて印刷を実行する
    方法であって、(a)前記印刷媒体上の記録実行領域の
    中間部分において第1の記録方式に従ってドットの記録
    を実行する工程と、(b)前記記録実行領域の先端近傍
    と後端近傍とのうちの少なくとも一方において、前記第
    1の記録方式に比べて副走査送り量が小さい第2の記録
    方式に従ってドットの記録を実行する工程と、を備え、 前記第1の記録方式のみでドット記録が行われる主走査
    ラインにおいては、n種類(nは2以上の整数)の共通
    駆動信号をそれぞれm回(mは1以上の整数)ずつ用い
    たn×m回の主走査によってドット記録を完了し、 前記第1の記録方式と第2の記録方式との双方でドット
    記録が行われる主走査ラインにおいては、前記n種類の
    共通駆動信号をそれぞれ少なくともm回ずつ用いた少な
    くともn×m回の主走査が実行されるように、前記第2
    の記録方式に従ってドット記録を行う際に各主走査時に
    用いられる共通駆動信号を前記n種類の共通駆動信号の
    中から選択することを特徴とする印刷方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の印刷装置であって、 前記印刷ヘッドは、各ノズルを用いて印刷媒体上にサイ
    ズの異なる複数種類のドットを形成可能であり、 前記印刷信号は、各画素を多階調で記録するために使用
    される1画素当たり複数ビットの信号であり、 前記n種類の共通駆動信号のそれぞれは、1画素区間の
    間に複数のパルスがそれぞれ発生する信号であり、 前記駆動信号は、前記複数ビットの印刷信号に応じて前
    記共通駆動信号を整形することによって生成される、印
    刷方法。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の印刷方法であって、 前記n種類の共通駆動信号の少なくとも1つは、単独で
    印刷に使用されたときに、他の共通駆動信号とは異なる
    記録解像度でドット記録を実現し得るものであり、 前記n種類の共通駆動信号を用いた印刷における主走査
    時のドット記録と副走査送りとは、前記n種類の共通駆
    動信号で実現可能な記録解像度のうちの最も低い記録解
    像度に即した画素ピッチに従って実行される、印刷方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項6記載の印刷方法であって、 前記印刷装置は、主走査の往路と復路においてそれぞれ
    印刷を実行する双方向印刷機能を有しており、 往路と復路においては互いに異なる種類の共通駆動信号
    が選択される、印刷方法。
  10. 【請求項10】 請求項6記載の印刷方法であって、 前記印刷装置は、主走査の往路と復路においてそれぞれ
    印刷を実行する双方向印刷機能を有しており、 往路と復路の各主走査において、主走査毎に選択された
    共通駆動信号にそれぞれ適した主走査速度で主走査がそ
    れぞれ実行される、印刷方法。
  11. 【請求項11】 複数のノズルと前記複数のノズルから
    インク滴をそれぞれ吐出させるための複数の吐出駆動素
    子とを有する印刷ヘッドと、印刷信号に応じて共通駆動
    信号を整形して各吐出駆動素子に駆動信号を供給するヘ
    ッド駆動部と、を有する印刷装置を備えたコンピュータ
    に印刷を実行させるためのコンピュータプログラムを記
    録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、 前記コンピュータプログラムは、 前記印刷媒体上の記録実行領域の中間部分において第1
    の記録方式に従ってドットの記録を実行する機能と、 前記記録実行領域の先端近傍と後端近傍とのうちの少な
    くとも一方において、前記第1の記録方式に比べて副走
    査送り量が小さい第2の記録方式に従ってドットの記録
    を実行する機能と、 前記第1の記録方式のみでドット記録が行われる主走査
    ラインにおいては、n種類(nは2以上の整数)の共通
    駆動信号をそれぞれm回(mは1以上の整数)ずつ用い
    たn×m回の主走査によってドット記録を完了する機能
    と、 前記第1の記録方式と第2の記録方式との双方でドット
    記録が行われる主走査ラインにおいては、前記n種類の
    共通駆動信号をそれぞれ少なくともm回ずつ用いた少な
    くともn×m回の主走査が実行されるように、前記第2
    の記録方式に従ってドット記録を行う際に各主走査時に
    用いられる共通駆動信号を前記n種類の共通駆動信号の
    中から選択する機能と、を前記コンピュータに実現させ
    るコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
JP23515699A 1999-08-23 1999-08-23 印刷媒体の端部近傍における印刷処理 Pending JP2001058433A (ja)

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US09/642,909 US6517267B1 (en) 1999-08-23 2000-08-22 Printing process using a plurality of drive signal types
DE60026408T DE60026408T8 (de) 1999-08-23 2000-08-23 Druckverfahren mittels einer Vielzahl von Ansteuerungssignalarten
EP00118097A EP1078770B1 (en) 1999-08-23 2000-08-23 Printing process using a plurality of drive signal types
AT00118097T ATE319575T1 (de) 1999-08-23 2000-08-23 Druckverfahren mittels einer vielzahl von ansteuerungssignalarten
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6793304B2 (en) 2001-04-24 2004-09-21 Canon Kabushiki Kaisha Printing apparatus

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