JP2001056208A - 回転検出センサ - Google Patents

回転検出センサ

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JP2001056208A
JP2001056208A JP11232872A JP23287299A JP2001056208A JP 2001056208 A JP2001056208 A JP 2001056208A JP 11232872 A JP11232872 A JP 11232872A JP 23287299 A JP23287299 A JP 23287299A JP 2001056208 A JP2001056208 A JP 2001056208A
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克也 小木曽
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Abstract

(57)【要約】 【課題】回転検出センサの近くに位置するように外乱発
生体を配置しても、外乱発生体の外乱としての外乱磁束
の影響を回転検出センサを構成している部品の一部の材
質を非磁性体の材質にすることで抑制し、安定して回転
検出を行うことができる回転検出センサを提供する。 【解決手段】周方向に鉄製の磁路変更片6aを配置した
鉄板よりなる回転板2と、回転板2に対して所定の向き
に配設された第1磁気抵抗素子9aと該第1磁気抵抗素
子9aを検出する第1バイアスマグネット9bとを備え
た回転位置センサ1において、磁路変更片6aの基端部
と回転板2との間に非磁性体の非磁性片5aを設け、第
1磁気抵抗素子9aの磁気検知に対する外乱磁束mを防
止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転検出センサに
係り、詳しくは磁気検知素子を備えた回転検出センサに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、回転検出センサとして、図
11に示すようなものを提案している。この回転位置セ
ンサ51は、磁性体よりなる回転板52と検知部本体5
3とから構成されている。回転板52は、車両のステア
リングシャフト54の回転とともにその軸心を中心に回
転する。前記回転板52回転面内の最外周部において、
前記軸心を中心とする円弧状で磁性体からなる複数の磁
路変更片55が回転板52から延出形成されている。従
って、磁路変更片55から軸心に向かって回転板52を
切断した場合の断面形状は、磁路変更片55、回転板5
2にてL字形状をなす。
【0003】検知部本体53は、回転板52に形成した
磁路変更片55の外側であって、その磁路変更片55に
対して近接して配置されている。検知部本体53は、複
数個の磁気検知体56が樹脂モールド材57にて封止す
ることにより構成されている。各磁気検知体56は、回
転板52に対して対向して配置されるとともに所定の向
きに配置されたバイアスマグネット56bと該バイアス
マグネット56bの磁束を検出する磁気抵抗素子56a
とを備えている。そして、この回転位置センサ51は、
回転中の回転板52とともに一体に移動する各磁路変更
片55が磁気検知体56と対応する位置を通過する際に
バイアスマグネット56bの磁束の向きが変更されたこ
とを磁気抵抗素子56aにて検出するようになってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに形成された回転位置センサ51においては、図11
の2点鎖線で示すように、コイル等の外乱発生体Gが近
くにあると、外乱発生体Gにより外乱としての外乱磁束
mを発生させる場合がある。このため、バイアスマグネ
ット56bと前記軸心との間における、磁路変更片55
の有無を検出する際に、外乱磁束mが回転板52及び磁
路変更片55を伝って磁気検知体56に悪影響を及ぼす
ことがある。
【0005】すなわち、バイアスマグネット56bと前
記軸心との間に磁路変更片55が位置しているにもかか
わらず、磁気抵抗素子56aは磁路変更片55が位置し
ていない時の磁束の向きと略同様の磁束を検出したり、
逆に、バイアスマグネット56bと前記軸心との間に磁
路変更片55が位置していないにもかかわらず、磁気抵
抗素子56aは磁路変更片55が位置している時の磁束
の向きと略同様の磁束を検出したりすることがある。
【0006】本発明では前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、回転検出センサの近くに位
置するように外乱発生体を配置しても、外乱発生体から
発生する外乱としての外乱磁束の影響を回転検出センサ
を構成している部品の一部の材質を非磁性体の材質にす
ることで抑制し、安定して回転検出を行うことができる
回転検出センサを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、周方向に所定の間隔毎
に磁性体からなる磁路変更片を配置した回転部材と、前
記回転部材に対して所定の向きに配設された磁石と該磁
石を検出する磁気検知素子とを備えた回転検出センサに
おいて、前記磁路変更片を支える回転部材の少なくとも
一部には、前記磁気検知素子の磁気検知に対する外乱を
防止するための非磁性体部材を設けたことを要旨とす
る。なお、本明細書では非磁性体とは強磁性体を含まな
いものを指し、常磁性体であるアルミニウム、すず、白
金や、セラミック、ガラスのように磁化しないものを含
む趣旨である。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の回転検出センサにおいて、前記非磁性体部材は、前記
磁路変更片を支持していることを要旨とする。請求項3
に記載の発明は、請求項2に記載の回転検出センサにお
いて、前記回転部材は、磁性体からなる回転板にて形成
され、同回転板により、外乱磁束を所定方向へ誘導する
ものであることを要旨とする。
【0009】請求項4に記載の発明は、請求項1又は請
求項2に記載の回転検出センサにおいて、前記回転部材
は、全体が非磁性体からなることを要旨とする。 (作用)請求項1に記載の発明によれば、磁路変更片を
支える回転部材の少なくとも一部には、非磁性体部材を
設けているため、回転部材を伝わってくる外乱は磁路変
更片に伝わってこない。従って、磁気検知素子の磁気検
知の精度が向上する。
【0010】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の作用に加えて、非磁性体部材は、磁路変
更片を支持するように設けられているため、簡単な構造
で磁気検知に対する外乱が抑制される。
【0011】請求項3に記載の発明によれば、請求項2
に記載の発明の作用に加えて、磁性体からなる回転板に
て外乱磁束を所定方向へ誘導しているため、磁気検出部
分への外乱磁束の侵入が抑制される。
【0012】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、回転部材の
全体が非磁性体によりなるため、外乱磁束が回転部材を
伝うこと及び通過することによる磁気検知に対する外乱
が抑制される。
【0013】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
を回転位置センサに具体化した第一実施形態を図1〜図
4に従って説明する。
【0014】図1は、回転位置センサの要部分解斜視図
である。回転検出センサとしての回転位置センサ1は、
鉄板よりなる回転部材としての回転板2と検知部本体3
とから構成されている。なお、鉄板は磁性体である。回
転板2は、ステアリングシャフト4の回転とともに、そ
の軸心Oを回転中心に回転する。
【0015】図1及び図2に示すように、前記回転板2
の面内の最外周部において、前記軸心Oを中心とする円
弧状の3個の非磁性体部材としてのアルミニウム部材よ
りなる非磁性片5a,5b,5cが同回転板2に溶接固
定され、前記非磁性片5a,5b,5cの先端に鉄製の
磁路変更片6a,6b,6cが溶接固定されている。な
お、アルミニウム部材は非磁性体である。非磁性片5
a,5b,5c及び磁路変更片6a,6b,6cは、一
端から他端までが前記軸心Oからみて60度の角度をな
すように形成されている。又、非磁性片5a,5b,5
c及び磁路変更片6a,6b,6cが互いになす間隔
は、前記軸心Oからみて60度の角度をなすように形成
されている。
【0016】従って、回転板2の面内の最外周部におい
て、軸心Oからみて60度の角度毎にこれらの非磁性片
5a,5b,5c及び磁路変更片6a,6b,6cと、
これらの非磁性片5a,5b,5c及び磁路変更片6
a,6b,6cが形成されていない空間7a,7b,7
cが交互に存在することになる。
【0017】又、回転板2には貫通孔8が形成され、前
記ステアリングシャフト4が貫挿固着されている。従っ
て、磁路変更片6a,6b,6cから軸心Oに向かって
回転板2を切断した場合の断面形状は、磁路変更片6
a,6b,6c、回転板2にてL字形状をなす。
【0018】検知部本体3は、回転板2に形成した磁路
変更片6a,6b,6cの外側であって、その磁路変更
片6a,6b,6cに対して近設されている。検知部本
体3は、3個の第1〜第3の磁気検知体9,10,11
が樹脂モールド材12にて封止され、図示しない固定部
材に固定されている。
【0019】第1の磁気検知体9は、磁気検知素子とし
ての第1磁気抵抗素子9aと磁石としての第1バイアス
マグネット9bとから構成されている。第1バイアスマ
グネット9bは軸心O側がN極で外側がS極となるよう
に配設されるとともに、第1磁気抵抗素子9aに対して
軸心O側で、尚かつ図2において反時計回り方向にオフ
セットさせて配置されている。
【0020】第1磁気抵抗素子9aは、第1バイアスマ
グネット9bの磁束の向きによって、検出電圧が変化す
る磁気抵抗素子であって、図4に示すような磁束の向き
によってその抵抗値が変化する4個の抵抗体R1,R
2,R3,R4を備えている。2個の抵抗体R1,R4
のグループは、同じ配列方向に向かって配置され、抵抗
体R2,R3のグループは前記抵抗体R1,R4の向く
配列方向とは直交する配列方向に向かって配列されてい
る。
【0021】本実施形態での磁束の向きの変化範囲は、
磁束の向きが軸心Oから略半径方向に対して反時計回り
方向に所定角度の向きになるときから、前記略半径方向
に対して時計回り方向に所定角度の向きになるときの範
囲までである。
【0022】なお、各抵抗体R1〜R4はNi−Co薄
膜を基板に対してジグザグ状にすなわち、折れ線状に成
膜されている。抵抗体R1〜R4は、同温度雰囲気下に
おいて抵抗値が同一となるように設定されている。な
お、抵抗体R1〜R4は雰囲気温度が上昇すると、感度
が変化する感度温度特性を備えている。この感度温度特
性は、感度温度変化率と抵抗温度変化率とが一致してい
るのが好ましい。
【0023】そして、磁束の向きが前記軸心Oから略半
径方向に対し反時計回り方向へ所定角度をなす向きにな
るときは、抵抗R1,R4は抵抗値が大きくなる第1の
状態になるとともに、抵抗R2,R3は抵抗値が小さく
なる第2の状態になるように配置され、磁束の向きが前
記略半径方向に対して時計回り方向へ所定角度をなす向
きになるとき、抵抗R1,R4は抵抗値が小さくなる第
2の状態になるとともに、抵抗R2,R3は抵抗値が大
きくなる第1の状態となるように配置されている。従っ
て、これらの状態は、磁束の変化に応じて交互に生ず
る。
【0024】前記各抵抗R1〜R4は図4に示すように
ブリッジ回路としての4端子ブリッジ回路Bを構成する
ように接続されている。前記抵抗体R1と抵抗体R2と
の接続点(中点)aは、基板に設けられたコンパレータ
CPの非反転入力端子に接続され、抵抗体R3と抵抗体
R4との接続点(中点)bは、同コンパレータCPの反
転入力端子に接続されている。
【0025】前記コンパレータCP、4端子ブリッジ回
路Bとにより検出回路DCが構成されている。前記検出
回路DCのブリッジ回路Bを構成する抵抗体R1,R4
は、第1バイアスマグネット9bと磁路変更片6a〜6
cとの相対関係において、第1バイアスマグネット9b
が図2に示す第3バイアスマグネット11bの位置に位
置するとき、即ち、軸心OからN極を通る放射線上(以
下、内側方という)に磁路変更片6a〜6cのいずれか
が位置する場合には、それらの磁束は略半径方向に対し
て反時計回り方向に所定角度をなす向きとなる。この場
合には、4端子ブリッジ回路の中点a電圧はLレベルと
なるようになっている。
【0026】又、第1バイアスマグネット9bと磁路変
更片6a〜6cとの相対関係において、第1バイアスマ
グネット9bが図2に示す第2バイアスマグネット10
bの位置に位置するとき、即ち、N極の内側方に磁路変
更片6a〜6cが位置しない場合には、それらの磁束は
略半径方向に対して時計回り方向に所定角度をなす向き
となる。この場合には、4端子ブリッジ回路Bの中点a
電圧はHレベルとなるようになっている。
【0027】さらに、第1バイアスマグネット9bと磁
路変更片6a〜6cとの相対関係において、第1バイア
スマグネット9bが図2に示す第1バイアスマグネット
9bの位置に位置し、磁路変更片6a〜6cがない位置
から磁路変更片6a〜6cの端を通過する時には、それ
ら磁束の向きは略半径方向に対して時計回り方向へ所定
角度をなす向きから、略半径方向の向きに対して反時計
回り方向へ所定角度をなす向きに変わる。この場合に
は、4端子ブリッジ回路Bの中点a電圧はHレベルから
Lレベルに立ち下がる電圧が出力されるようになってい
る。
【0028】さらに、第1バイアスマグネット9bと磁
路変更片6a〜6cとの相対関係において、第1バイア
スマグネット9bが磁路変更片6a〜6cがある位置か
らその端を通過する時には、それら磁束の向きは略半径
方向に対して反時計回り方向へ所定角度をなす向きか
ら、略半径方向の向きに対して時計回り方向へ所定角度
をなす向きに変わる。この場合には、4端子ブリッジ回
路Bの中点a電圧はLレベルからHレベルに立ち上がる
電圧が出力されるようになっている。
【0029】なお、本実施形態での検出ポイントは移動
(回転)中の磁路変更片6a,6b,6cの回転方向の
エッジ部分である。第2の磁気検知体10は、磁気検知
素子としての第2磁気抵抗素子10aと磁石としての第
2バイアスマグネット10bとから構成されている。第
2磁気抵抗素子10aと第2バイアスマグネット10b
との間の配置関係は前記第1磁気抵抗素子9aと第1バ
イアスマグネット9bとの間の配置関係と同じである。
そして、第2磁気抵抗素子10aと第2バイアスマグネ
ット10bは、それぞれ前記第1磁気抵抗素子9aと第
1バイアスマグネット9bに対して、図2において、前
記軸心Oを中心に時計回り方向に40度の位置に配設さ
れている。
【0030】第2磁気抵抗素子10aは、前記第1磁気
抵抗素子9aと同様に第2バイアスマグネット10bの
磁束の向きによって、検出電圧が変化する磁気検知素子
であって、図4に示すような4個の抵抗体R1〜R4を
備えており、前記第1磁気抵抗素子9aと同様に作用す
る。
【0031】又、第2磁気抵抗素子10aの抵抗体R1
〜R4は、第1磁気抵抗素子9aの場合と同様の4端子
ブリッジ回路を構成する。さらに、第2磁気抵抗素子1
0aの抵抗体R1〜R4は、コンパレータCPととも
に、検出回路DCを構成している。この検出回路DC及
びブリッジ回路Bの作用は前記第1磁気抵抗素子9aの
場合の検出回路DCと同様に機能(作用)する。
【0032】第3の磁気検知体11は、磁気検知素子と
しての第3磁気抵抗素子11aと磁石としての第3バイ
アスマグネット11bとから構成されている。第3磁気
抵抗素子11aと第3バイアスマグネット11bとの間
の配置関係は前記第1磁気抵抗素子9aと第1バイアス
マグネット9bとの間の配置関係と同じである。そし
て、第3磁気抵抗素子11aと第3バイアスマグネット
11bは、それぞれ前記第1磁気抵抗素子9aと第1バ
イアスマグネット9bに対して、図2において、前記軸
心Oを中心に反時計回り方向に40度の位置に配設され
ている。
【0033】第3磁気抵抗素子11aは、前記第1磁気
抵抗素子9aと同様に第3バイアスマグネット11bの
磁束の向きによって、検出電圧が変化する磁気検知素子
であって、図4に示すような4個の抵抗体R1〜R4を
備えており、前記第1磁気抵抗素子9aと同様に作用す
る。
【0034】又、第3磁気抵抗素子11aの抵抗体R1
〜R4は、第1磁気抵抗素子9aの場合と同様の4端子
ブリッジ回路を構成する。さらに、第3磁気抵抗素子1
1aの抵抗体R1〜R4は、コンパレータCPととも
に、検出回路DCを構成している。この検出回路DC及
びブリッジ回路Bの作用は前記第1磁気抵抗素子9aの
場合の検出回路DCと同様に機能(作用)する。
【0035】以下、本実施形態における回転位置センサ
1の作用について説明する。図3に示すように、例えば
2点鎖線で示す位置、つまり回転板2の磁路変更片6a
固定側面付近で尚かつ、ステアリングシャフト4と検知
部本体3間におけるステアリングシャフト4付近に外乱
発生体Gがあるとする。すると、外乱発生体Gにより外
乱としての外乱磁束mが発生すると、外乱磁束mが通る
ための磁路が鉄板よりなる回転板2に誘導される。誘導
された磁路は回転板2の外周に向けて磁路がさらに形成
される。一方、磁路変更片6a,6b,6cの基端部付
近において、磁路変更片6a,6b,6cと回転板2と
の間には非磁性片5a,5b,5cが設けられているこ
とにより磁路変更片6a,6b,6cと回転板2を介し
て磁気回路が形成されないため、磁路変更片6a,6
b,6cに磁路が形成されることが抑制される。このよ
うに、回転板2の外周部において、磁路は軸心Oの略半
径方向に向けて形成され、非磁性片5a,5b,5cに
よって外乱磁束mが第1〜第3磁気抵抗素子9a,10
a,11aに検出されることが抑制される。
【0036】従って、本実施形態の回転位置センサ1に
よれば以下の効果を奏する。 (1)非磁性片5a,5b,5cが同回転板2から延出
形成され、さらに前記非磁性片5a,5b,5cの先端
から鉄板よりなる磁路変更片6a,6b,6cが延出成
形されている。そのため、外乱発生体Gにより発生する
外乱としての外乱磁束mは回転板2から非磁性片5a,
5b,5cを介して磁路変更片6a,6b,6cに伝わ
らないため、第1〜第3磁気抵抗素子9a,10a,1
1aは、第1〜第3バイアスマグネット9b、10b、
11bと前記軸心Oとの間における磁路変更片6a,6
b,6cの位置の有無による磁束の変化のみが検出され
やすい。従って、検知部本体3は回転板2の回転を安定
して回転検出を行うことができる。 (2)回転板2は、磁性体としての鉄板より形成されて
いるため、外乱発生体Gにより発生する外乱磁束mを検
知部本体3に悪影響がない方向へ誘導することができ
る。 (3)鉄板よりなる磁路変更片6a,6b,6cの基端
部と回転板2との間に外乱発生体Gより発生する外乱磁
束mの伝達を抑制するアルミニウム部材よりなる非磁性
片5a,5b,5cを設けたため、回転位置センサ1に
対して別体で外乱磁束mの防止手段を設けるよりもコス
トダウン及び構造の簡素化することができる。 (4)外乱発生体Gを回転位置センサ1の近くに配置す
ることができるため、回転位置センサ1を構成部品とし
た図示しない構成物において、部品配置の自由度を上げ
ることができる。
【0037】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態を図2及び図5に従って説明する。尚、説明の
便宜上、第1実施形態と同一又は相当する部材について
同符号を付すと共に、異なるところのみを説明する。
【0038】本実施形態では、図2及び図5に示すよう
に、アルミニウム板よりなる回転板2の面内の最外周部
において、前記軸心Oを中心とする円弧状の3個の鉄板
よりなる磁路変更片6a,6b,6cは非磁性片5a,
5b,5cが省略されて回転板2に対して直接溶接固定
されている。
【0039】以下、本実施形態における回転位置センサ
1の作用について説明する。図5に示すように、例えば
2点鎖線で示す位置つまり、回転板2の磁路変更片6a
固定側面付近で尚かつ、ステアリングシャフト4と検知
部本体3間におけるステアリングシャフト4付近に外乱
発生体Gがあるとする。外乱発生体Gにより外乱として
の外乱磁束mが発生すると、回転板2は非磁性体のアル
ミニウム部材により形成されているため、外乱磁束mが
通るための磁路が形成されない。この結果、回転板2を
通じて磁路変更片6a,6b,6cに外乱磁束mが流れ
込まないため、外乱磁束mが第1〜第3磁気抵抗素子9
a,10a,11aに検出されることが抑制される。
【0040】従って、本実施形態の回転位置センサ1に
よれば以下の効果を奏する。 (1)アルミニウム板よりなる回転板2の面内の最外周
部に鉄板よりなる磁路変更片6a,6b,6cが溶接固
定されている。そのため、外乱発生体Gにより発生する
外乱としての外乱磁束mは非磁性体の回転板2から磁路
変更片6a,6b,6cに伝わらないため、第1〜第3
磁気抵抗素子9a,10a,11aは、第1〜第3バイ
アスマグネット9b、10b、11bと前記軸心Oとの
間における磁路変更片6a,6b,6cの位置の有無に
よる磁束の変化のみが検出されやすい。従って、検知部
本体3は回転板2の回転を安定して回転検出を行うこと
ができる。 (2)アルミニウム板よりなる回転板2の最外周部に鉄
板よりなる磁路変更片6a,6b,6cが溶接固定され
ている。従って、回転位置センサ1に対して別体で外乱
磁束mの防止手段を設けるよりもコストダウン及び構造
の簡素化することができる。 (3)本実施形態においても、前記第1実施形態の効果
の(4)と同様の効果を奏する。
【0041】(第3の実施形態)次に、本発明の第3の
実施形態を図6及び図7に従って説明する。尚、説明の
便宜上、第1実施形態と共通の部材について同符号を付
すと共に、異なるところのみを説明する。
【0042】図6及び図7に示すように、回転位置セン
サ1を構成するアルミニウム板よりなる回転板2の面内
の最外周部において前記軸心Oを中心とする円弧状の3
個のアルミニウム板よりなる非磁性体部材としての磁界
絶縁片13a,13b,13cが同回転板2に延出形成
されている。前記磁界絶縁片13a,13b,13cの
外周側面には磁路変更片6a,6b,6cが接着剤にて
貼着されている。
【0043】以下、本実施形態における回転位置センサ
1の作用について説明する。図7に示すように、例えば
2点鎖線で示す位置つまり、回転板2の磁路変更片6a
固定側面付近で尚かつ、ステアリングシャフト4と検知
部本体3間における磁界絶縁片13a,13b,13c
の内周側面付近に外乱発生体Gがあるとする。すると、
外乱発生体Gにより外乱としての外乱磁束mが発生する
と、アルミニウム板よりなる回転板2及びアルミニウム
部材よりなる磁界絶縁片13a,13b,13cには外
乱磁束mが通るための磁路が形成されないと共に、外乱
磁束mが通過しない。そのため、磁路変更片6a,6
b,6cには、外乱磁束mからの影響が抑制されるた
め、外乱磁束mが第1〜第3磁気抵抗素子9a,10
a,11aに検出されることが抑制される。
【0044】従って、本実施形態の回転位置センサ1に
よれば以下の効果を奏する。 (1)アルミニウム板よりなる回転板2の面内の最外周
部にアルミニウム部材よりなる磁界絶縁片13a,13
b,13cが延出形成されていて、その外周側面には鉄
板よりなる磁路変更片6a,6b,6cが貼着されてい
る。そのため、磁路変更片6a,6b,6cは、回転板
2及び磁界絶縁片13a,13b,13cにより、外乱
発生体Gにより発生する外乱としての外乱磁束mの影響
が抑制される。よって、第1〜第3磁気抵抗素子9a,
10a,11aは、第1〜第3バイアスマグネット9
b、10b、11bと前記軸心Oとの間における磁路変
更片6a,6b,6cの位置の有無による磁束の変化の
みが検出されやすくなる。従って、検知部本体3は回転
板2の回転を安定して回転検出を行うことができる。 (2)アルミニウム板よりなる回転板2の面内の最外周
部にアルミニウム部材よりなる磁界絶縁片13a,13
b,13cが延出形成されていて、その外周側面には鉄
板よりなる磁路変更片6a,6b,6cが貼着されてい
る。従って、回転位置センサ1に対して別体で外乱磁束
mの防止手段を設けるよりもコストダウン及び構造の簡
素化することができる。 (3)本実施形態においても、前記第1実施形態の効果
の(4)と同様の効果を奏する。
【0045】(第4の実施形態)次に、回転検出センサ
として回転位置センサ14を第4の実施形態に従って説
明する。
【0046】尚、説明の便宜上、第1実施形態と共通の
部材について同符号を付すと共に、異なるところのみを
説明する。本実施形態では、図8、図9、図10に示す
ように、検知部本体3がステアリングシャフト4と磁路
変更片6a、6b、6cとの間に位置するように配置さ
れ、検知部本体3は、支持アーム15により支持されて
いる。そして支持アーム15は図示しない固定部材に固
定されている。第1〜第3の磁気検知体9,10,11
は検知部本体3の内部において、図9に図示されている
第1〜3磁気抵抗素子9a〜9cの中心を通る一点鎖線
に対して180度回転して配置されている。
【0047】図10に示すように、回転位置センサ14
において、例えば2点鎖線で示す位置、つまり回転板2
の磁路変更片6a固定側面の反対側面付近で尚かつ、ス
テアリングシャフト4に近接した位置に外乱発生体Gが
あるとする。すると、外乱発生体Gにより外乱としての
外乱磁束mが発生すると、外乱磁束mが通るための磁路
が鉄板よりなる回転板2に誘導される。誘導された磁路
は回転板2の外周に向けて磁路がさらに形成される。一
方、磁路変更片6a,6b,6cの基端部付近におい
て、磁路変更片6a,6b,6cと回転板2との間には
非磁性片5a,5b,5cが設けられていることにより
磁路変更片6a,6b,6cと回転板2を介して磁気回
路が形成されないため、磁路変更片6a,6b,6cに
磁路が形成されることが抑制される。このように、回転
板2の外周部において、磁路は軸心Oの略半径方向に向
けて形成され、非磁性片5a,5b,5cによって外乱
磁束mが第1〜第3磁気抵抗素子9a,10a,11a
に検出されることが抑制される。
【0048】従って、本実施形態においては前記第1の
実施形態の(2)〜(4)と同様の効果を奏すると共に
以下の効果を奏する。 (1)非磁性片5a,5b,5cが同回転板2から延出
形成され、さらに前記非磁性片5a,5b,5cの先端
から鉄板よりなる磁路変更片6a,6b,6cが延出成
形されている。そのため、例えば回転板2の磁路変更片
6a固定側面の反対側面付近で尚かつ、ステアリングシ
ャフト4に近接した位置に位置する外乱発生体Gにより
発生する外乱としての外乱磁束mは、回転板2から非磁
性片5a,5b,5cを介して磁路変更片6a,6b,
6cに伝わらないため、第1〜第3磁気抵抗素子9a,
10a,11aは、第1〜第3バイアスマグネット9
b,10b,11bと前記軸心Oとの間における磁路変
更片6a,6b,6cの位置の有無による磁束の変化の
みが検出されやすい。従って、検知部本体3は回転板2
の回転を安定して回転検出を行うことができる。
【0049】なお、上記各実施形態は以下のように変更
して実施してもよい。 ・非磁性片5a〜5c、第2及び第3実施形態における
回転板2、及び磁界絶縁片13a〜13cをアルミニウ
ム部材から形成させていたが、セラミック部材、ステン
レス部材等の非磁性体に変更してもよい。このように構
成させても前記各実施形態と同様の効果を奏する。
【0050】・前記第1実施形態及び第4実施形態で
は、回転板2に対して非磁性片5a,5b,5cを溶接
固定し、非磁性片5a,5b,5cに対して磁路変更片
6a,6b,6cを溶接固定させていたが、接着剤にて
固定させてもよい。このとき、非磁性片5a,5b,5
cは非磁性体の合成樹脂により成形させてもよい。この
ようにしても前記第1実施形態の効果と同様の効果を奏
する。
【0051】・前記第2実施形態では、回転板2に対し
て磁路変更片6a,6b,6cを溶接固定させていた
が、接着剤にて固定させてもよい。このとき、回転板2
は非磁性体の合成樹脂により成形させてもよい。このよ
うにしても前記第2実施形態の効果と同様の効果を奏す
る。
【0052】・前記第3実施形態では、回転板2に対し
て磁界絶縁片13a、13b、13cを溶接固定させて
いたが、接着剤にて固定させてもよい。このとき、回転
板2又は磁界絶縁片13a、13b、13cのうち少な
くても一方を非磁性体の合成樹脂により成形させてもよ
い。このようにしても前記第3実施形態と同様の効果を
奏する。
【0053】次に、前記各実施形態から把握できる請求
項に記載した発明以外の技術的思想について、それらの
効果と共に以下に記載する。 (イ) 前記磁気検知素子は、磁路変更片の回転軌跡の
内方に配置されている請求項1乃至請求項4のうちいず
れか1項に記載の回転検出センサ。このように構成する
と、磁路変更片の外周付近に外乱磁束が発生する場合に
おいて、磁気検知に対する外乱が抑制され、前記請求項
1に記載の発明と同様の効果を奏する。
【0054】(ロ) 前記磁気検知素子は、磁路変更片
の回転軌跡の外方に配置されている請求項1乃至請求項
4のうちいずれか1項に記載の回転検出センサ。このよ
うに構成すると、回転部材中心付近に外乱磁束が発生す
る場合において、磁気検知に対する外乱が抑制され、前
記請求項1に記載の発明と同様の効果を奏する。
【0055】(ハ) 前記回転部材は、非磁性体からな
る回転板と、同回転板の周面に対して回転軸心方向に沿
って立設された非磁性体の支持板とからなり、前記支持
板の内外両周面のいずれか一方に磁路変更板を固設した
(イ)又は(ロ)に記載の回転検出センサ。なお、ここ
でいう支持板とは前記第3実施形態における磁界絶縁片
13a〜13cのことである。このように構成すると、
請求項1に記載の発明と同様の効果を奏する。
【0056】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜請求項
4に記載の発明によれば、回転検出センサの近くに位置
するように外乱発生体を配置しても、外乱発生体による
外乱磁束の影響を回転検出センサを構成している部品の
一部の材質を非磁性体にすることで抑制し、安定して回
転検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における回転位置センサの要部分
解斜視図。
【図2】第1実施形態における回転板と磁気検知部材の
配置関係を示す平面図。
【図3】第1実施形態における回転位置センサの要部断
面図。
【図4】磁気抵抗素子の等価回路図。
【図5】第2実施形態における回転位置センサの要部断
面図。
【図6】第3実施形態における回転板と磁気検知部材の
配置関係を示す平面図。
【図7】第3実施形態における回転位置センサの要部断
面図。
【図8】第4実施形態における回転位置センサの要部分
解斜視図。
【図9】第4実施形態における回転板と磁気検知部材の
配置関係を示す平面図。
【図10】第4実施形態における回転位置センサの要部
断面図。
【図11】従来技術における回転位置センサの要部断面
図。
【符号の説明】
1…回転検出センサとしての回転位置センサ、2…回転
部材としての回転板、5a〜5c…非磁性体部材として
の非磁性片、6a,6b,6c…磁路変更片、9a…磁
気検知素子としての第1磁気抵抗素子、9b…磁石とし
ての第1バイアスマグネット、10a…磁気検知素子と
しての第2磁気抵抗素子、10b…磁石としての第2バ
イアスマグネット、11a…磁気検知素子としての第3
磁気抵抗素子、11b…磁石としての第3バイアスマグ
ネット、13a〜13c…非磁性体部材としての磁界絶
縁片、14…回転検出センサとしての回転位置センサ。
フロントページの続き Fターム(参考) 2F063 AA36 BA08 CA16 DA05 DD04 EA03 GA53 GA68 GA69 KA02 2F077 AA21 CC02 NN04 NN21 PP14 QQ02 VV02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周方向に所定の間隔毎に磁性体からなる
    磁路変更片を配置した回転部材と、前記回転部材に対し
    て所定の向きに配設された磁石と該磁石を検出する磁気
    検知素子とを備えた回転検出センサにおいて、 前記磁路変更片を支える回転部材の少なくとも一部に
    は、前記磁気検知素子の磁気検知に対する外乱を防止す
    るための非磁性体部材を設けたことを特徴とする回転検
    出センサ。
  2. 【請求項2】 前記非磁性体部材は、前記磁路変更片を
    支持していることを特徴とする請求項1に記載の回転検
    出センサ。
  3. 【請求項3】 前記回転部材は、磁性体からなる回転板
    にて形成され、同回転板により、外乱磁束を所定方向へ
    誘導するものであることを特徴とする請求項2に記載の
    回転検出センサ。
  4. 【請求項4】 前記回転部材は、全体が非磁性体からな
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回転
    検出センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102676840B1 (ko) * 2024-01-15 2024-06-20 (주)에이치케이씨 컨베이어 끼임 사고 방지용 회전 감지장치

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