JP2001056143A - 脳波で制御される空気調和装置 - Google Patents

脳波で制御される空気調和装置

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Abstract

(57)【要約】 【目的】睡眠時のエアコン制御を、睡眠時の脳波により
行うものである。 【構成】脳波入力手段1と、脳波分析手段2と、空気調
和装置3、及び、制御用マイクロプロセサ4から成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】脳波による、エアコンの自動制
御、自動停止に関するものである。
【従来の技術】脳波を用いた空気調和装置には、特開平
5−52382が ある。これは、α波を用いて、覚醒
時の空調の快適性を追及したものである。しかし、覚醒
時には あえて、脳波を用いなくても、在来の方法で
温度調節が できるのでは、なかろうか。
【0002】米国特許4949726は、脳波を用い
て、機器のオン オフを行う仕組みを開示しておるが、
それは 覚醒時の脳波を用いるものであり、本出願と趣
旨が異なる。又、米国特許4949726では、デルタ
波を扱っていない。
【発明が解決しようとする課題】在来型のリモコンを用
いて、冷房運転をして就寝し、睡眠後 クーラーの寒さ
で、目を覚ましたり、また、睡眠中の冷房運転のため
に、風邪ぎみになったりすることが 有る。これは、半
ば 寝ぼけたままで、クーラのリモコン運転をすること
が、一因では なかろうか。本出願は かかる経験か
ら、産まれたものであり、浅い睡眠に始まり、完全な睡
眠に到る、ユーザの就寝時の空気調和装置の制御を め
ざしたものである。
【0003】
【課題を解決するための手段】脳波入力手段1と、脳波
の中の、睡眠の始まりに関わるθ波、深い睡眠に関わる
δ波を解析する脳波分析手段2と、空気調和装置3と、
脳波分析手段2の指示を受けて、空気調和装置3の制御
をするマイクロプロセサ4から成るものである。図1。
【作用】浅い睡眠を示すθ波や深い睡眠を示すδ波が検
出された時には、 1)空気調和装置の風量を低減し、それによって、風切
り音を低減し、あるいは、 2)冷房運転の時には、若干 空気温度を上げ、やや
暖かめの温度にし、暖房運転の時にも、同様に温度設定
をゆるめ、やや 冷ための温度にしついで、δ波の比率
が高まり、熟睡になったと判断されたら、空気調和装置
の運転をオフにする。
【0005】
【実施例】脳波入力手段1としては、脳波計を用いるこ
とができる。脳波分析手段2は、増幅器6、帯域通過フ
ィルタ7、A/Dコンバータ8、そして コンピュータ
9、もしくは、マイクロプロセサ9から 成るものであ
る。図9。脳波のうち、δ波は 睡眠時に現れるもので
あり、0.5〜3.5Hz.θ波は、居ねむりし始める
時に現れるものであり、3.5〜7.5Hz。このθ
波、δ波の周波数帯域は、脳医学の進歩により、今後
少し変わる可能性が有るし、又、個人差も有り、さら
に、年令によっても、少し 変わろう。他に、覚醒時に
現れるα波、β波が有ることが 知られておる。マイク
ロプロセサ4としては、空気調和装置3に内在してい
る、在来のマイクロプロセサを<もし、有れば>用いて
も良い。脳波分析手段2のコンピュータ9としては、ホ
ームオートメーション用のコンピュータを用いてもよ
い。なお、コンピュータ9の処理容量に余力が有れば、
マイクロプロセサ4を省いて、コンピュータ9に、その
制御機能を代行させてもよい。
【0006】脳波入力手段1と、先駆的な脳波分析手段
を統合した、優れた先行技術がHAL<Hemisph
eric Activation Level Det
ector>として 知られておる。 Steve Ciarcia<July 1988、”
BYTE” > ここでは、本システムの脳波分析手段2の特徴となる部
分を述べる。入力された脳波は、高速フーリエ変換する
ことで、その周波数成分が得られる。その周波数分布を
B(f)とする。ここに fは 脳波の周波数、B
(f)は脳波の強度、脳波信号の振幅である。これを、
θ波やδ波の周波数帯域で積分したものが、θ波や、δ
波の信号強度である。それらを元にして、図2のδp,
図3のθpが得られる。ここで図2、図3の分母は、脳
波の全周波数成分<0.5〜30.5Hz>について
の、脳波信号の積分値である。図2の分子は、δ波の脳
波信号の積分値である。図3の分子は、θ波の脳波信号
積分値である。δpは、脳波の全成分中で、δ波が占め
る比率であり、θpは、脳波の全成分中で、θ波が 占
める比率である。
【0007】δp,θpと共に、図4、図5のδp’,
θp’を用いることもできる。図4、図5で max
(δ)は δ波の信号成分の最大値である。max
(θ)は θ波の信号成分の最大値である。max
(α)は、α波<7.5〜13.5Hz>の信号成分の
最大値。max(β)は、β波<13.5〜30.5H
z>の信号成分の最大値。δp’は、δ波、θ波、α
波、β波の各信号成分の最大値にのみ着目して、そのう
ちのδ波の比率を表すのであり、 θp’は、同様に
θ波の比率を表すものである。以上、δ波やθ波が、全
脳波成分のうちで占める比率を表す、二つの方法を述べ
たのであるが、これら以外でも、δ波やθ波が全脳波に
占める比率を表す、より適切な計算式が 脳医学の進歩
により発見されたならば、それをソフトウエアとして組
みこむことは、困難では あるまい。上記の解析手順
が、脳波分析手段の中にソフトウエア化されており、た
とえば、1s単位で計算される。
【0008】なお、睡眠の始めでθ波が現れ、深い眠り
でδ波と なるのであるが、その過程を詳しく論じる
と、この中間の時間帯に14Hzのスピンドル波が現
れ、ついで、スピンドル波とδ波の混在波が現れ、やが
て δ波のみとなるのである。そこで、ソフトウエア上
は、次ぎの仕組みを用いる。 1)粗い評価としては、14Hzの脳波成分を無視し、
これを、β波、覚醒波成分として、カウントすることに
伴う誤差を 0 にする。 2)細かい評価としては、他のβ波成分が無く、β波と
しては 14Hzのみの脳波成分が有る時、これを 睡
眠時の脳波として、θ波、もしくは、δ波に含めてカウ
ントする。つまり、 2−1)スピンドル波をθ波に含めてカウント 2−2)スピンドル波をδ波に含めてカウント すなわち、ソフトウエアを、1)、2−1)、2−2)
の いずれでもできるように準備しておき、ユーザの体
質に合うものを、選択できるように しておけばよい。
【0009】かくして、θp,δp,θp’,δp’が
算出されるのであるが、制御用マイクロプロセサ4の
働きを ここでは、冷房運転を例にして説明する。θ波
が 他の脳波の成分に比して強くなったならば、一例と
して、θp が0.7 になったら、睡眠が始まった可
能性が 大である。そこで、睡眠の じゃまにならぬよ
うに、クーラの風切り音を減らすこともあって、風量を
70%減らす。同様に、θpが 0.8 になったら、
風量を80% 減らす。この風量を θp に比例して
減らす制御は、一例であり、たとえば、0.5×θp
に比例して減らしても良い。つまり、θpが0.8 に
なったら、風量を 40% 減らす。風量は、そのまま
の方が良いと、ユーザが感じたら、その比例係数を 0
にすればよい。すなわち、 風量 = ( 1− 比例係数1 × θp) × 在
来の覚醒時の風量 ここに、比例係数1の推奨値は 0〜1 。
【0010】θ波とδ波の積算値が、他の脳波成分に比
して強くなったら、一例 θp+δp が 0.7 になったら、睡眠が中ほどま
でに進んだといえる。そこで、冷房時の空気温度を
0.7度 上げる。すなわち、空気温度を 比例係数2 ×(θp+δp) だけ 上げる。ここで、比例係数2 の推奨値は たと
えば、0〜2 。比例係数2の値を 1 とすれば、
0.7度 であり、一方、温度は そのままでよい
と、ユーザが 判断したら、比例係数2へ 0 とすれ
ばよい。δ波の脳波成分が、他の脳波成分に比して、強
くなったら 一例としてδpが 0.9 になったら、
睡眠が いちだんと深くなったといえるので、クーラを
オフにしてもよい。ユーザが使っていて、このタイミン
グが遅いと感じたら、δp> 0.8で、オフにすれば
よい。逆に、早いと感じたら、δp>0.95 で、オ
フになるように、すればよい。則ち、θp> 係数3の
係数3の値に応じて、オフにするタイミングを制御で
きる。なお、係数3の推奨値は 0.6〜0.98 で
ある。
【0011】同様なことは、θp’,δp’を用いても
行える。すなわち、 風量 = (1− 比例係数4 × θp’)×覚醒時
の風量 により、睡眠時の風量を制御できる。比例係数4の推奨
値は 0〜1。また、睡眠時の温度を、比例係数5×
(θp’+δp’) だけ、わずかに 上げることも
できよう。ここに、比例係数5の推奨値は、0〜2。さ
らに、δp’> 係数6 で、クーラを自動的にオフ
にできよう。係数6の推奨値は、0.6〜0.98 。
図6 は、これらの係数の入力画面である。下線部は、
入力可能項目であることを示す。なお、使わない条件に
ついては、その入力可能項目を ブランクにしておけば
よい。これらの値で、マイクロプロセサ4、あるいは、
その代替役たるコンピュータ9が、エアコン制御を行う
のである。なお、以上の係数1〜係数6の推奨値は、平
均的な一例であり、ユーザの体質に応じて、多少 その
範囲外へ、ユーザにより設定されることは さしつかえ
ない。
【0012】在来の方法では、タイマをセットして、1
5分〜30分後に、切れるようにして就寝するのである
が、眠れない時には、又、リモコン操作を しなければ
ならない。が、本システムでは、そのような面倒を無く
すことができる。さらに、在来の方法では、完全な睡眠
後も 冷房運転を10分なり、ときには数十分以上 続
けることが有り、これが、クーラで風邪をひく原因のよ
うに思われる。しかし、本システムでは、熟睡と同時
に、クーラをオフにするので、この従来の弊害を無くす
ことが できる。もちろん、暖房運転の時にも、類似の
ことが できる。
【0013】本システムを、ステレオに応用することが
できる。すなわち、脳波入力手段1と、脳波分析手段
2と、ステレオ5もしくは、テープレコーダ5もしく
は、ミニディスクプレーヤ5、もしくは、コンパクトデ
ィスクプレーヤ5から成るものである。図7。子守歌代
わりに、ステレオを聞きつつ、就寝することが ある
が、θ波やδ波の検出された時に、それに応じて、すな
わち、睡眠の深まるのに応じて 音量を低減し、熟睡時
に音量を 0にするのである。たとえば、浅い睡眠時に
は θpが 0.7 で、音量を2×0.3=0.6
倍にし、θpが 0.8で、 2×0。2= 0.4倍
にする。すなわち、 音量= 係数7 × (1−θp) × 覚醒時の音量 たとえば、θp>0.6 にて、上記の音量制御をす
る。前記は係数7= 2 の例である。係数7の推奨値
は 0〜2。中ほどの睡眠時には、たとえば、θp+δ
p が 0.7 で、音量を 0.3倍にし、θp+δ
p 0.8 で、音量を 0.2倍にする。 すなわ
ち、 音量 = 係数8 × (1−(θp+δp))×覚醒
時の音量 一例として、θp+δp>0.5 にて、上記の音量制
御をする。ここに、係数8の推奨値は、0〜1.さら
に、深い睡眠時には 一例として、δp>0.9 に
て、音量を 0 にする、あるいは、ステレオを オフ
にする。つまり、δp> 係数9 にて、 音量を 0
にする、もしくは、オフにする。係数9の推奨値は、
0.5〜0.99。同様なことを、θp’,δp’で、
行うこともできる。図8 は、この音量制御のパラメタ
の入力画面である。下線部は、入力可能項目である。使
わない条件式は、ブランクとすることで、その旨、本シ
ステムで 識別できる。なお、図7で 音量制御用マイ
クロプロセサ4が、描かれていないのは、脳波分析手段
2のコンピュータ9で、その役割を代替させているから
である。もちろん、ステレオに内在の、在来のマイクロ
プロセサを、<もし、あれば>音量制御に用いてよい。
【0014】
【効果】ユーザの睡眠が深まるとともに、風量を小さく
するので、クーラ騒音が睡眠の邪まになることが無くな
り、さらに、睡眠が深まると共に、冷房を ゆるめ、熟
睡と同時に、クーラをオフにできるので、クーラの使用
により、風邪をひくことが無くなる。このような、クー
ラの制御は、同時に、電気代の節約、省エネルギーにも
なる。本システムを、ステレオに応用すると、睡眠が深
まるとともに、音量を低減し、熟睡と同時に、ステレオ
をオフにできるので、より快適な睡眠につなげる こと
ができる。なお、エアコンの冷房運転制御の最適化、ス
テレオの音量制御の最適化が、各種係数の変更入力によ
り、ユーザ自身により なされうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概略構成図である。
【図2】積分値により、δ波の比率を求めるための計算
【図3】積分値により、θ波の比率を求めるための計算
【図4】最大値により、δ波の比率を求めるための計算
式。図2、図3、図5の中の説明文をも参照。
【図5】最大値により、θ波の比率を求めるための計算
【図6】冷房用の係数の入力画面これは、BASIC、
もしくは、VISUAL BASICで容易に実現でき
る。
【図7】本システムのステレオへの応用時の概略構成図
【図8】ステレオへの応用時の、係数入力画面
【図9】脳波分析手段2のブロック図
【符号の説明】
1は 脳波入力手段 2は 脳波分析手段 3は 空気調和装置 4は 制御用マイクロプロセサ 5は ステレオ、または、テープレコーダ、または、ミ
ニディスクプレーヤ、または、コンパクトディスクプレ
ーヤ 6は 増幅器 7は 帯域通過フィルタ 8は A/Dコンバータ 9は コンピュータ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脳波入力手段1と、入力した脳波から、人
    が眠りに入ろうとする状態を示すシータ波や、睡眠中に
    現れるデルタ波を解析する脳波分析手段2と、空気調和
    装置3から成り、脳波に シータ波やデルタ波が、検出
    された時に、空気調和装置3の制御を自動的に行うもの
    である。
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