JP2001055325A - セラミド産生促進剤 - Google Patents

セラミド産生促進剤

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JP2001055325A JP2000154934A JP2000154934A JP2001055325A JP 2001055325 A JP2001055325 A JP 2001055325A JP 2000154934 A JP2000154934 A JP 2000154934A JP 2000154934 A JP2000154934 A JP 2000154934A JP 2001055325 A JP2001055325 A JP 2001055325A
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Yutaka Takagi
豊 高木
Koji Okubo
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 下記一般式(1) 【化1】 〔式中、Rはセスキテルペン残基を示す。〕で表される
マクロカルパール誘導体からなるセラミド産生促進剤、
下記式(2)〜(5) 【化2】 で表されるマクロカルパール誘導体。 【効果】 生体の有するセラミド産生機構を健常に戻す
ことにより、減少した角層中のセラミドを増加させ、皮
膚のバリア機能及び保湿機能を回復させることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、マクロカルパール
誘導体及びこれからなるセラミド産生促進剤に関する。
【0001】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】スフィ
ンゴ脂質の一つであるセラミドは、生体全体の中では微
量な脂質であるが、皮膚の最も外側の層である角質層中
では、脂質の半分以上を占め、皮膚の保湿機構、バリア
機構に重要な役割を果たしている。このセラミドは表皮
細胞中において産生、分泌された後に角質層中の細胞間
においてラメラ構造を構築することにより機能する。し
かし、乾燥肌、荒れ肌、アトピー性皮膚炎、老人性乾皮
症、乾癬等の皮膚疾患においては、セラミドの健全な代
謝が妨げられ、角質層中のセラミド量が減少し、皮膚の
保湿能やバリア能の低下等を引き起こしていることが数
多く報告されている。斯かる皮膚疾患に対しては、減少
したセラミドを外部から補給する方法が試みられている
が、長期的な効果が認められない、安定性が低い等の問
題があった。
【0002】本発明は、生体の有するセラミド産生機構
を健常に戻すことにより、減少した角質層中のセラミド
を増加させ、皮膚のバリア機能及び保湿機能を回復し得
るセラミド産生促進剤を提供することを目的とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者は、安全性の高
い医薬又は化粧料を得るべくユーカリ属植物の成分につ
いて検討した結果、下記の一般式(1)で表されるマク
ロカルパール誘導体が、優れたセラミド産生促進作用を
有することを見出した。
【0004】即ち、本発明は、下記一般式(1)
【0005】
【化3】
【0006】〔式中、Rはセスキテルペン残基を示
す。〕
【0007】で表されるマクロカルパール誘導体からな
るセラミド産生促進剤を提供するものである。
【0008】また本発明は、下記式(2)〜(5)で表
されるマクロカルパール誘導体を提供するものである。
【0009】
【化4】
【0010】
【発明の実施の形態】一般式(1)で表されるマクロカ
ルパール誘導体は、ユーカリ属植物に含まれる生理活性
物質であり、これまでにマクロカルパールA、B、C
(=G)、D、E、F、H、I、J、K、am−1、ユ
ーカリプトンの化学構造が決定され、これらにアルドー
スリダクターゼ阻害作用、グラム陽性菌や歯周病原因菌
に対する抗菌作用等があることが報告されている(特開
平5−306252号公報、特開平8−109118号
公報等)。しかし、角質層中のセラミドを増加させる作
用を有することは全く知られていない。一方、一般式
(1)で表されるマクロカルパール誘導体のうち式
(2)〜(5)で表される化合物は、これまでにその化
学構造が明らかにされていない新規化合物である。
【0011】一般式(1)で示されるマクロカルパール
誘導体において、Rで示されるセスキテルペン残基と
は、3個のイソプレン単位からなるファルネシルピロホ
スフェートを共通の前駆体として生合成される化合物群
であるセスキテルペンから結合部位の水素原子1個を除
去した基を意味し、具体的には以下のものが挙げられ
る。
【0012】
【化5】
【0013】上記のセスキテルペン残基を含め、本発明
のマクロカルパール誘導体(1)及び(2)〜(5)に
は、不斉炭素原子の存在により立体異性体が存在し得る
が、これらの異性体もまた本発明に包含されるものであ
る。
【0014】本発明のマクロカルパール誘導体は、新規
化合物を含め、ユーカリ属植物からの抽出によって得る
ことができる。抽出に供される部分は、植物体のどの部
分でも利用できるが、葉が好ましく、そのまま又は適宜
粉砕して用いることができる。抽出方法は特に限定され
ず、加温抽出でも常温抽出でも構わない。尚、予め水蒸
気蒸留や低極性溶媒処理により精油成分を除去してから
抽出に伏すこともできる。抽出溶剤には、メタノール、
エタノール、プロパノール、1,3−ブタンジオール、
アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、水等の極
性溶剤が用いられ、これらは単独又は混合して用いても
よい。
【0015】抽出過程においては、適宜濃縮、希釈、濾
過等の処理をしてもよく、得られた抽出物を更にカラム
クロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィー、高
速液体クロマトグラフィー等の適当な分離精製手段を用
いて分離精製することができる。クロマトグラフィーの
充填剤としては、シリカゲル、アルミナ、セルロース、
デキストラン等を用いることができ、展開溶媒として
は、n−ヘキサン、クロロホルム、メタノール、酢酸、
アセトニトリル等を単独又は混合して用いることができ
る。斯かる抽出によれば、マクロカルパール誘導体は、
単独若しくは数種の混合物として取得されるが、本発明
のセラミド産生促進剤においては、これらの何れをも包
含するものである。
【0016】かくして得られるマクロカルパール誘導体
は、培養細胞におけるセラミドを増加させ、皮膚のバリ
ア機能及び保湿機能を回復することにより肌荒れの改善
・予防効果を発揮する。従って、本発明におけるマクロ
カルパール誘導体(1)は、セラミド産生促進剤とし
て、肌荒れ予防・改善等の医薬又は化粧料に配合でき
る。
【0017】本発明のマクロカルパール誘導体をセラミ
ド産生促進剤として配合する対象は、医薬及び化粧料の
何れでもよい。医薬として使用するする場合には、錠
剤、カプセル剤、軟膏等とすることができ、中でも外用
医薬品としての使用が好ましい。例えば薬効成分を含有
する各種軟膏剤とする場合には、油性基剤をベースとす
るもの、水中油型又は油中水型の乳化系基剤をベースと
するもののいずれであってもよく、油性基剤としては、
例えば植物油、動物油、合成油、脂肪酸及び天然又は合
成のグリセライド等が挙げられる。また、薬効成分とし
ては、例えば鎮痛消炎剤、鎮痒剤、殺菌消毒剤、収斂
剤、皮膚軟化剤、ホルモン剤等を必要に応じて適宜使用
することができる。
【0018】化粧料として使用する場合は、マクロカル
パール誘導体の他に、化粧料成分として一般に使用され
ている油分、界面活性剤、紫外線吸収剤、美白剤、しわ
改善剤、アルコール類、キレート剤、pH調整剤、防腐
剤、増粘剤、色素類、香料等を任意に組合せて配合する
ことができる。
【0019】また、化粧料は、種々の形態、例えば、油
中水型又は水中油型の乳化化粧料、クリーム、化粧乳
液、化粧水、油性化粧料、口紅、ファンデーション、マ
ッサージ剤、パック、入浴剤等とすることができる。
【0020】医薬又は化粧料におけるセラミド産生促進
剤の配合量は、マクロカルパール誘導体(1)として通
常全組成の0.0001〜10重量%、特に0.001
〜1重量%が好ましい。
【0021】
【実施例】製造例 (1)ユーカリノキ(Eucalyptus globulus Labillardi
ere)の葉1kgを細切し、エタノールと水との混液(2
5:75)10Lを加え、室温下、7日間浸漬し、濾過
した。得られた濾液をダイヤイオンHP20を用いたカ
ラムに吸着させ、エタノールで溶出したところ、混合物
A20gを得た。
【0022】(2)(1)で得られた混合物A10gを
シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し、クロロホ
ルム−メタノール(1:0〜0:1)混液にて溶出した
ところ、マクロカルパール誘導体を含有する混合物B
1.3gが得られた。
【0023】(3)(2)で得られた混合物Bを高速液
体クロマトグラフィー(ODS,メタノール:水:酢酸
=90:3:5)に供し、得られた画分を更に高速液体
クロマトグラフィー(ODS,アセトニトリル:水:酢
酸=100:10:5)で繰り返し精製したところ、化
合物1〜9が得られた。
【0024】化合物1:マクロカルパールA
【0025】
【化6】
【0026】化合物2:マクロカルパールB
【0027】
【化7】
【0028】化合物3:一般名なし
【0029】
【化8】
【0030】性状:淡黄色粉末1 H-NMR(pyridine-d5) δ:10.51(1H,s), 10.51(1H,s),
6.06(1H,s), 3.68(1H,dd,J=12.6,3.8), 3.25(1H,ddd,J=
10.5,3.3,3.3), 2.62(1H,m),2.61(1H,m), 2.45(1H,br
d,J=10.5), 2.09(1H,m), 2.05(1H,m), 2.01(1H,m), 1.9
6(1H,dd,J=11.9,7.4), 1.82(1H,q,J=13.6),1.69(1H,dd
d,J=12.0,12.0,4.1), 1.54(1H,m), 1.53(3H,s), 1.47(3
H,s), 1.43(3H,s), 1.40(1H,m), 1.30(1H,m), 1.28(1H,
m), 1.05(3H,d,J=6.3), 1.02(3H,d,J=6.3), 0.93(3H,d,
J=6.8).
【0031】13C-NMR(pyridine-d5) δ:192.0(d), 19
1.9(d), 172.4(s), 172.3(s), 151.3(s), 124.5(d), 10
7.2(s), 107.0(s), 72.8(s), 54.0(s), 53.0(d), 41.9
(d), 38.5(t), 36.9(t), 36.9(d),35.0(t), 29.3(t), 2
7.9(q), 27.8(q), 27.3(d), 27.0(t), 25.0(q), 24.0
(q),21.9(q), 18.3(q).
【0032】化合物4:一般名なし
【0033】
【化9】
【0034】性状:淡黄色粉末1 H-NMR(MeOH-d4) δ:10.04(1H,s), 10.03(1H,s), 3.42
(1H,m), 2.30(1H,m), 1.79-1.86(2H,m), 1.65-1.71(2H,
m), 1.62(1H,m), 1.41(1H,ddd,J=12.4,12.4,2.9), 1.29
(1H,ddd,J=12.8,4.8,12.8), 1.21(1H,m), 1.13-1.18(2
H,m), 1.12(3H,s), 1.02(3H,s), 1.01(1H,d,J=7.0), 0.
96(3H,s), 0.87(3H,s), 0.79(3H,d,J=6.6), 0.78(3H,d,
J=6.6),0.73(1H,m), 0.52-0.58(2H,m).
【0035】13C-NMR(pyridine-d5) δ:192.2(d), 19
2.0(d), 173.4(s), 172.1(s), 170.8(s), 108.5(d), 10
7.2(s), 107.0(s), 71.8(s), 53.5(d), 51.9(d), 44.9
(t), 44.4(t), 38.8(t), 38.6(s),31.9(d), 29.7(q), 2
7.4(d), 25.3(t), 24.5(q), 24.0(q), 22.0(q), 21.8
(d),18.8(d), 17.4(s), 16.7(t),16.1(q), 15.8(q),.
【0036】化合物5:一般名なし
【0037】
【化10】
【0038】性状:淡黄色粉末1 H-NMR(pyridine-d5)δ:10.51(1H,s), 10.48(1H,s),
3.72(1H,dd,J=13,4.0), 2.74(1H,ddd,J=17,9.5,6.0),
2.62(1H,J=13,13,4.0), 2.52(1H,ddd,J=17,9.7,5.6),
2.35-2.40(2H,m), 2.30(1H,m), 2.28(1H,d,J=11), 2.21
(1H,m), 1.78(1H,m), 1.55-1.65(2H,m), 1.32(1H,ddd,J
=13,13,4.0), 1.11(3H,s), 1.08(3H,s), 1.06(3H,s),
0.94(3H,d,J=6.6), 0.92(3H,d,J=6.6), 0.65(1H,m), 0.
52(1H,dd,J=11,9.3).
【0039】13C-NMR(pyridine-d5) δ:220.3(s), 20
8.6(s), 191.9(d), 191.8(d), 173.2(s), 172.3(s), 17
2.0(s), 107.1(s), 107.1(s), 105.9(s), 53.0(d), 47.
7(s), 44.4(t), 37.0(d), 36.3(t), 35.3(t), 31.4(t),
29.7(q), 29.2(q), 27.5(d), 26.6(d), 26.4(d), 24.7
(q), 22.2(q), 22.2(q), 21.1(t), 17.9(s), 16.7(t).
【0040】化合物6:ユーカリプトン、マクロカル
パールam−1
【化11】 性状:淡黄色粉末1 H-NMR(pyridine-d5)δ:10.48(1H,s), 10.47,(1H,s),
3.48(1H,dd,J=12, 4), 2.68(1H,m), 1.36(1H,ddd,J=12,
4), 2.65,(1H,m), 2.52(1H,m), 2.62(1H,m), 2.34(1H,
ddd,J=12, 12, 4), 2.46(1H,m), 2.29(1H,m), 1.75(1H,
m), 2.14(1H,m), 1.70(1H,m), 2.05(3H,s), 1.53(1H,
m), 1.34(3H,s), 1.10(3H,s), 1.09(3H,s), 0.90(3H,d,
J=7), 0.87(3H,d,J=7), 0.60(2H,m).
【0041】13C-NMR(pyridine-d5)δ:221.4(s), 208.
4(s), 191.9(d), 191.8(d), 173.8(s), 173.3(s), 172.
6(s), 107.3(s), 107.2(s), 105.3(s), 54.9(d), 47.7
(s), 44.5(t), 39.8(d), 36.4(t), 35.9(t), 32.5(t),
29.6(q), 28.9(q), 27.5(d), 27.4(d), 26.6(d), 24.5
(q), 21.7(q), 21.7(q), 20.8(t), 18.2(s), 16.1(q). 化合物7:一般名なし
【化12】 性状:淡黄色粉末1 H-NMR(pyridine-d5)δ:10.48(1H,s), 10.45(1H,s),
3.73(1H,brd,J=12), 2.56(1H,m), 2.35(1H,ddd,J=12, 1
2, 3), 2.27(1H,dd,J=13, 8), 2.162(1H,m), 1.87-1.96
(2H,m), 1.73-1.83(2H,m), 1.50-1.58(2H,m), 1.53(3H,
s), 1.39(1H,ddd,J=12, 3, 3), 1.34(1H,d,J=6), 1.19
(3H,s), 1.148(3H,d,J=7), 1.052(3H,s), 0.950(3H,d,J
=7), 0.941(3H,s), 0.872(1H,dd,J=9, 6), 0.778(1H,dd
d,J=13, 13, 7), 0.567(1H,dd,J=9, 9).
【0042】13C-NMR(pyridine-d5)δ:198.4(d), 198.
4(d), 172.2(s), 171.7(s), 169.5(s), 113.1(s), 107.
5(s), 106.9(s), 71.8(s), 52.9(d), 52.0(d), 44.6
(t), 39.4(t), 38.9(s), 37.7(t),30.1(d), 29.6(q), 2
7.1(d), 25.0(q), 24.0(t), 23.9(q), 22.3(q), 21.9
(d),19.0(d), 17.6(s), 16.7(t), 15.7(q), 15.1(q). 化合物8:マクロカルパールD
【化13】 性状:淡黄色粉末1 H-NMR(pyridine-d5)δ:10.52(1H,s), 10.49(1H,s),
6.17(1H,s), 3.98(1H,dd,J=13, 4), 2.99(1H,m),2.71(1
H,ddd,J=13, 13, 3), 2.47(1H,m), 2.45(1H,m), 2.17(1
H,m), 2.06(1H,m), 2.03(1H,m), 1.81(1H,m), 1.74(1H,
m), 1.59(1H,m), 1.54(1H,m), 1.52(1H,m), 1.49(3H,
s), 1.43(3H,s), 1.42(1H,m), 1.37(1H,ddd,J=13, 13,
5), 1.22(3H,s), 1.06(3H,d,J=7), 1.00(3H,d,J=7), 0.
98(3H,d,J=7).
【0043】13C-NMR(pyridine-d5)δ:192.2(d), 192.
0(d), 171.9(s), 171.7(s), 171.6(s), 152.2(s), 122.
1(d), 107.8(s), 107.0(s), 106.8(s), 72.7(s), 52.6
(s), 51.9(d), 46.2(d), 40.6(d), 35.6(t), 35.6(t),
35.2(t), 34.1(d), 29.3(t), 28.0(q), 27.7(q), 27.5
(q), 27.4(d), 27.1(t), 24.9(q), 22.0(q), 18.3(q). 化合物9:マクロカルパールE
【化14】 性状:淡黄色粉末1 H-NMR(pyridine-d5)δ:10.52(1H,s), 10.51(1H,s),
5.86(1H,d,J=3.2), 3.88(1H,ddd,J=11.8, 4.9, 4.4),
2.71(1H,ddd,J=12.4, 11.8, 2.9), 2.53(1H,ddq,J=5.0,
2.0, 7.5), 2.38(1H,ddd,J=6.9, 5.0, 3.2), 2.15(1H,
ddd,J=13.2, 11.1, 3.0), 2.05(1H,dddd,J=13.1, 7.5,
6.9, 3.0), 1.90-1.99(4H,m), 1.65-1.73(2H,m), 1.50-
1.61(3H,m),1.43(6H,s), 1.38(3H,s), 1.14(3H,d,J=7.
5), 1.03(3H,d,J=6.3), 0.91(3H,d,J=6.3).
【0044】13C-NMR(pyridine-d5)δ:192.2(d), 192.
0(d), 171.9(s), 171.8(s), 107.5(s), 151.1(s), 122.
7(d), 108.9(s), 107.0(s), 106.8(s), 72.4(s), 52.1
(d), 46.9(d), 44.3(t), 40.3(s), 39.9(d), 37.34(t),
34.7(t), 32.4(d), 28.2(q), 28.1(q), 27.5(d), 24.5
(q), 23.7(q), 22.8(q), 22.7(t), 22.0(q), 20.9(t).
【0045】試験例1 セラミド産生促進試験(細胞
系) 6ウェルプレートを用い、[14C]−セリン(第一化学薬
品社製)を含む培養液(GIBCO SFM/−BP
E,EGF)中にて、ヒトケラチノサイト(HK−f;
極東製薬工業社製)を、37℃、5%CO2下で24時
間培養した。次いで、混合物A,B、化合物1〜9を固
形分換算で0.005重量%又は0.0005重量%添
加し、更に24時間培養した。培養液を除去し、BPS
にて1回洗浄した後、セルスクレーパーにより細胞を掻
き取り、試験管に集めた。このヒトケラチノサイトに、
水3.6mL、クロロホルム4mL及びメタノール4mLを添
加して混合した後、クロロホルム層を単離、乾固した。
抽出した脂質をHPTLCプレート〔シリカゲルG60
(20×10cm)Art.5641;メルク社製〕に
て、溶媒1(クロロホルム:メタノール:酢酸=19
0:9:1)でtopまで2回、更に溶媒2(クロロホ
ルム:メタノール:アセトン=76:20:4)で下か
ら3cm展開した。TLC上のセラミド及びグルコシルセ
ラミドのカウントをオートラジオグラフ(BAS200
0;富士フィルム社製)により測定した。サンプル不添
加のコントロールを1.0としてセラミド産生促進率を
算出した結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】表1から明らかなように、混合物B、化合
物1〜9のいずれにおいても、混合物Aに比べて10倍
近いヒトケラチノサイトのセラミド産生促進効果が認め
られた。
【0048】試験例2 表2に示す組成の皮膚化粧料(本発明品、比較品)を調
製し、健常女性20名を用い、本発明品と比較品を顔面
の左右それぞれに1日2回ずつ1ケ月間塗布した。試験
終了時に肌荒れ改善度を以下の評価基準に基づき目視判
定した。
【0049】
【表2】
【0050】<評価基準> 1:本発明品の皮膚化粧料のほうが改善された。 2:本発明品の皮膚化粧料のほうがやや改善された。 3:左右同等である。 4:比較品の皮膚化粧料のほうがやや改善された。 5:比較品の皮膚化粧料のほうが改善された。
【0051】<結果>「1」が9名、「2」が7名、
「3」が4名、「4」が0名、「5」が0名であり、本
発明品が肌荒れ改善化粧料として有効であることが確認
された。
【0052】
【発明の効果】本発明のセラミド産生促進剤は、生体の
有するセラミド産生機構を健常に戻すことにより、減少
した角層中のセラミドを増加させ、皮膚のバリア機能及
び保湿機能を回復させることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // A61K 7/00 A61K 7/00 K C 7/48 7/48 C07M 7:00 (72)発明者 大橋 幸浩 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 高木 豊 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 大窪 幸治 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 Fターム(参考) 4C083 AA112 AC102 AC122 AC211 AC212 AD152 EE10 EE12 4C206 AA01 AA02 AA03 CB09 CB12 MA01 MA83 NA14 ZA89 ZB13

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 〔式中、Rはセスキテルペン残基を示す。〕で表される
    マクロカルパール誘導体からなるセラミド産生促進剤。
  2. 【請求項2】 下記式(2)〜(5)で表されるマクロ
    カルパール誘導体。 【化2】
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