JP2001054383A - アセチルキシランエステラーゼ活性を有するタンパク質及びそれをコードするdna - Google Patents

アセチルキシランエステラーゼ活性を有するタンパク質及びそれをコードするdna

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JP2001054383A
JP2001054383A JP11229769A JP22976999A JP2001054383A JP 2001054383 A JP2001054383 A JP 2001054383A JP 11229769 A JP11229769 A JP 11229769A JP 22976999 A JP22976999 A JP 22976999A JP 2001054383 A JP2001054383 A JP 2001054383A
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thr
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xylan esterase
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Masaaki Ota
雅章 太田
Sunao Nagashima
直 長島
Takuo Yamazumi
卓夫 山住
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Shin Nihon Kagaku Kogyo KK
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SHIN NIPPON KAGAKU KOGYO KK
Shin Nihon Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐酸性や耐熱性に優れた、新規なアセチルキ
シランエステラーゼ活性を有するタンパク質を提供する
こと。 【解決手段】 アセチルキシランエステラーゼ活性を有
するタンパク質が、ケトミウム・グラシレの如きケトミ
ウム属の真菌を用いて生産される。また、そのようなタ
ンパク質を動物飼料組成物に含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、アセチルキシランエステラーゼ
活性を有するタンパク質及びそれをコードするDNAに
係り、特に、真菌:ケトミウム(Chaetomium)属(ケタ
マカビ属)の菌株を用いて得られる、アセチルキシラン
エステラーゼ活性を有するタンパク質、換言すればアセ
チルキシランエステラーゼと、そのようなタンパク質を
コードするDNA配列に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、植物組織の細胞壁の堅い構造
が、セルロース及びヘミセルロースの存在によるもので
あることは、よく知られているところである。そして、
その中で、ヘミセルロースは、キシラン、ペクチン、リ
グニンからなるものであって、その主成分となるものは
キシランであるが、このキシランは、D−キシロピラノ
ースがβ−1,4結合したホモポリマー主鎖を有してい
る。そして、その主鎖の水酸基には、L−アラビノー
ス、4−O−メチル−D−グルクロン酸、酢酸、フェル
ラ酸及びp−クマル酸等が結合しているが、その結合の
程度は、起源となる植物により大きく異なり、各種の特
徴を示している。また、それらの結合によって、植物組
織中のキシランの酵素分解が著しく妨害されることとな
るのであり、その結果、家畜等の動物に与えられる飼料
において、そのような動物に対する飼料の栄養価が低
い、農産廃棄物が多い等の問題を内在している。
【0003】ところで、現在、家畜等の動物に与えられ
る飼料の分解吸収率を上昇せしめるために、キシラナー
ゼ、アラビノフラノシダーゼ、キシロシダーゼ、グルク
ロニダーゼ等のキシラナーゼ剤を飼料に添加する方法が
採用されているが、それは、キシランの分解には、未だ
充分ではなかったのである。
【0004】尤も、そのようなキシラナーゼ剤と共に、
更に、アセチルキシランエステラーゼを飼料に添加すれ
ば、相乗的によい結果が得られることが、特開平5−1
23173号公報において明らかにされており、そこで
は、真菌由来のアセチルキシランエステラーゼとして、
アスペルギルス属、トリコデルマ属、又はシゾフィルム
属由来のものの存在が示されている。
【0005】
【解決課題】ここにおいて、本発明者らは、アセチルキ
シランエステラーゼを飼料添加物として有利に用いるべ
く、耐酸性、耐熱性を有するアセチルキシランエステラ
ーゼを得るために、その生産菌を真菌類に求め、鋭意検
索した結果、ケトミウム・グラシレ(Chaetomium graci
le)で代表されるケトミウム属(ケタマカビ属)の菌株
が、目的とするアセチルキシランエステラーゼを有利に
生産し得ることを見出したのである。
【0006】従って、本発明の解決課題とするところ
は、新規なアセチルキシランエステラーゼ、換言すれば
新規なアセチルキシランエステラーゼ活性を有するタン
パク質を提供することにあり、また、そのようなタンパ
ク質をコードするDNAフラグメントを提供することに
あり、更に、耐酸性、耐熱性に優れたアセチルキシラン
エステラーゼ活性を有する、飼料添加物として有用なタ
ンパク質を提供することにある。
【0007】
【解決手段】そして、本発明は、かくの如き課題の解決
のために、真菌ケトミウム属由来のアセチルキシランエ
ステラーゼ活性を有するタンパク質を、その要旨とする
ものであり、そこにおいては、かかる真菌として、ケト
ミウム・グラシレが有利に採用されることとなるのであ
る。
【0008】また、本発明は、後掲の配列表の配列番
号:1にて示されるN末アミノ酸配列を有するアセチル
キシランエステラーゼ活性を有するタンパク質を、その
要旨とするものである。
【0009】なお、かかるタンパク質は、アセチルキシ
ランエステラーゼをコードするDNAの発現生成物であ
るところから、本発明にあっては、また、上述の如きタ
ンパク質をコードするDNAフラグメントをも、その要
旨としているのであり、特に、後掲の配列表の配列番
号:2にて示される塩基配列を有するDNAフラグメン
トであることを特徴としている。
【0010】加えて、本発明にあっては、前述の如き本
発明に従うタンパク質を、飼料添加物として用いるとこ
ろにも、大きな特徴を有するものであって、前述したタ
ンパク質又は該タンパク質と共に、他のキシラン分解酵
素を含有せしめてなる動物飼料組成物をも、その要旨と
しているのである。
【0011】
【発明の実施の形態】要するに、本発明は、アセチルキ
シランエステラーゼ生産菌として、真菌類であるケトミ
ウム属(ケタマカビ属:Chaetomium)の菌株が、アセチ
ルキシランエステラーゼ生産性に優れていることを見出
したことに基づいて完成されたものであり、従って、そ
のような菌株を常法に従って培養することにより、目的
とするアセチルキシランエステラーゼ活性を有するタン
パク質(アセチルキシランエステラーゼからなる酵素)
を得ることが出来るのである。なお、そのようなタンパ
ク質は、培養物より公知の手法にて採取、精製されるこ
ととなる。
【0012】また、かかるタンパク質の生産に有用であ
る、ケトミウム属の菌株としては、代表的には、ケトミ
ウム・グラシレ(Chaetomium gracile)が用いられる
が、その他にも、ケトミウム・アルボアレヌルム(Chae
tomium alboarenulum )、ケトミウム・グロボサム(Ch
aetomium globosum )、ケトミウム・サーモフィラム
(Chaetomium thermophilum )等の公知の菌株を挙げる
ことが出来る。それら後の3つの菌株の染色体DNA
と、先のケトミウム・グラシレより得たアセチルキシラ
ンエステラーゼ遺伝子とが、ハイブリダイズすることが
確認されていることよりして、それら菌株は、何れも、
同様な特性を有しているものと認められるのである。
【0013】ところで、アセチルキシランエステラーゼ
生産性を高めるためには、アセチルキシランエステラー
ゼをコードするDNAのクローニング、シークエンスを
行なう必要があり、そのためには、次のような操作が採
用される。先ず、アセチルキシランエステラーゼをコー
ドするDNAフラグメントを、ケトミウム属の菌株から
得られる染色体DNAより選び出し、ベクターに組み込
み、組換えプラスミドを取得した後、その組換えプラス
ミドを導入した形質転換体を構築するという方法によ
り、DNAを取得するのである。
【0014】そして、このようにして得られたアセチル
キシランエステラーゼをコードするDNAは、後述する
実施例の決定法に従って、後掲の配列表の配列番号:2
にて示される塩基配列を有していることが、明らかとな
っている。
【0015】なお、具体的には、上記の如くしてDNA
を取得するに際しては、先ず、ケトミウム属の菌株、例
えばケトミウム・グラシレの菌体を凍結粉砕し、SDS
処理の後、フェノール処理を繰り返し、そしてエタノー
ル沈殿法により、DNA・RNA混合物からなる糸状の
塊を得る。次いで、このDNA・RNA混合物の塊を溶
解した後、リボヌクレアーゼ処理を行なってRNAを分
解せしめ、再びエタノール沈殿法によって、染色体DN
Aを得るようにする。その後、その染色体DNAを制限
酵素で消化せしめ、得られたDNA断片をλファージD
NAとライゲーションし、更に、パッケージング、大腸
菌への感染、プラークハイブリダイゼーションを行なっ
て、目的とするDNAを含むファージを選択するのであ
る。そして、このファージDNAより、目的遺伝子を、
制限酵素により切り出した後、ベクタープラスミドDN
Aとライゲーションして、組換えプラスミドを得るので
ある。次いで、この組換えプラスミドDNAを大腸菌に
取り込ませて、形質転換体を得、更に、その得られた形
質転換体の中から、アセチルキシランエステラーゼをコ
ードするDNAフラグメントを組み込んだプラスミドD
NAを保持する形質転換体大腸菌を選択するのである。
【0016】また、本発明に従うタンパク質を生産性よ
く得るには、上記したDNAを適当な受容菌、例えば大
腸菌やケトミウム属、アスペルギルス(Aspergillus )
属の真菌、サッカロミセス(Saccharomyces )属の酵母
等に入れ、発現させれば、真菌ケトミウム属由来のDN
Aの発現生成物であるアセチルキシランエステラーゼを
得ることが出来るのである。
【0017】そして、かくの如くして得られたアセチル
キシランエステラーゼ活性を有するタンパク質、換言す
ればアセチルキシランエステラーゼ(酵素)は、キシラ
ンの脱アセチル化のために、有効に利用され、またキシ
ランを分解する諸工程で、好適に用いられることとなる
が、また、それは、他のキシラン分解酵素類、例えばキ
シラナーゼ類、アラビノフラノシダーゼ類、キシロシダ
ーゼ類、グルクロニダーゼ類等と組み合わせて、有利に
用いられることとなる。
【0018】特に、本発明に従って得られるアセチルキ
シランエステラーゼは、後の実施例においても明らかに
されるように、pH3において、中性域の6割以上の活
性を残存する耐酸性を有しているところから、飼料添加
物として、単独で或いは上記した他のキシラン分解酵素
と組み合わされて、優れた特徴を発揮するのである。即
ち、飼料添加物は、家畜等の動物に摂取されると、胃中
で低pH条件下にさらされることとなるが、本発明によ
って提供されるアセチルキシランエステラーゼは、家畜
等の動物の胃液の低pH下においても失活し難い性質を
有しており、それによって、内臓内における飼料中キシ
ランの分解が効果的に進行せしめられ得て、その吸収率
が上昇することとなる他、更には廃棄物の減少にもつな
がることとなるのである。
【0019】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示し、本発明を更
に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、その
ような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるも
のではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、
当業者の知識に基づき、種々なる変更、修正、改良等を
加えられ得るものであることが理解されるべきである。
なお、以下の実施例においては、制限酵素として、Ba
mHIを用い、またベクタープラスミドDNAとして
は、pUC118を使用した例として、示されている。
また、実施例中の百分率は、特に断わりのない限り、何
れも重量基準にて示されるものである。
【0020】(1)ケトミウム・グラシレの培養 ケトミウム・グラシレIFO6568株のスラント5×
5mm片を、500mLの三角フラスコを用いて、10
0mLの1/2SP培地(2.8%スターチ、0.9%
ペプトン、0.1%塩化カルシウム二水塩、0.075
%硫酸マグネシウム七水塩、0.05%リン酸二水素カ
リウム、及び0.025%塩化カリウム)に植菌した
後、30℃で3日間、200rpmで振とう培養し、本
培養の種とした。
【0021】そして、固体培養の場合にあっては、上記
の種を滅菌水で80倍に希釈し、その8mLを、500
mLの三角フラスコ内に収容した、オートクレーブ滅菌
した10gの小麦ふすまに移植せしめ、水分が均一にな
るようによく攪拌した後、30℃で4日間、培養するこ
とにより、行なった。培地原料1gあたり1.1単位の
活性を得た。
【0022】また、液体培養に際しては、500mLの
三角フラスコを使用して、1mLの前記した種を、10
0mLのキシランを炭素源とした液体培地(0.4%硝
酸ナトリウム、0.2%リン酸二カリウム、0.1%硫
酸マグネシウム七水塩、0.1%塩化カリウム、0.0
02%硫酸第一鉄、0.4%キシラン、pH6.8)若
しくは1%ペプトン、0.5%酵母エキス、0.5%塩
化ナトリウム及び1%グルコースからなる栄養培地(p
H7.1)に植菌し、30℃で4〜6日間、200rp
mで振とう培養することにより、実施した。培養液10
mLあたり2.5単位の活性を得た。
【0023】(2)アセチルキシランエステラーゼの精
上記の固体培養により得られた麹を、三角フラスコから
掻き出し、そのようなフラスコの60本分をまとめ、粉
砕した後、ロート型の抽出槽に充填した。次いで、かか
る抽出槽の上部から37℃の水を加え、約4時間をかけ
て、ゆっくり抽出し、抽出液3000mLを得た後、U
F膜(カットオフ値:10000;独国ミリポア社製)
により、540mLにまで濃縮した。そして、その濃縮
液に、95%エタノールを、エタノール濃度が70%に
なるまで加えた。生じた沈殿を遠心分離で回収し、10
00mLの1mMリン酸緩衝液(pH6.0)で溶解せ
しめた後、エタノール、塩類を除くために、UF膜によ
り脱塩濃縮を行なった。なお、この脱塩濃縮は、以下の
ようにして行なった。先ず、沈殿溶解液を濃縮し、およ
そ500mLになったら1mMリン酸緩衝液(pH6.
0)を500mL加え、再び濃縮を行なう。この操作を
繰り返し、濃縮液の電導度が50μS/cm以下になる
まで続け、濃縮液640mLを得た。
【0024】次いで、かかる濃縮液を、5mMリン酸緩
衝液(pH6.0)で平衡化した樹脂充填吸着カラム
(φ45mm×L450mm:東ソー株式会社製DEA
E TOYOPEARL 650C)に吸着させた後、0.1M塩
化ナトリウムを含む5mMリン酸緩衝液(pH6.0)
で溶出し、アセチルキシランエステラーゼを回収した。
更に、この得られた活性画分を、透析により電導度を低
下せしめた後、5mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平
衡化した吸着カラム(φ25mm×L80mm:スウェ
ーデン国ファルマシア社製DEAE sepharose Fast F
low )にチャージし、雑タンパクを吸着させ、アセチル
キシランエステラーゼを素通り画分として得た。更に、
この活性画分をUF膜により30mLにまで濃縮し、凍
結乾燥を行ない、部分精製物粉末2gを得た。この得ら
れた粉末は、40u/g・solid のアセチルキシランエ
ステラーゼ活性を有し、その比活性は、260u/g・
protein であった。
【0025】(3)アセチルキシランエステラーゼ活性
測定法 −基質の調製− アセチルキシランエステラーゼ活性の測定時に基質とし
て使用されるアセチルキシランは、市販されていないと
ころから、ここでは、キシランを用い、それをアセチル
化することにより、アセチルキシランを得た。なお、か
かる基質としてのアセチルキシランの調製は、Johnson
らの文献[K.G.Johnson et.al.,Methodsin Enzymol.,
160,551〜560(1988)]を参考にして、
以下のようにして行なった。即ち、先ず、カラマツより
調製したキシラン12gを320mLのジメチルスルホ
キシドに懸濁させた後、55℃まで加温し、キシランを
溶解した。更にその後、2.5gの四ホウ酸四カリウム
四水塩を加え、10分間攪拌した。次いで、予め60℃
に温めておいた無水酢酸250mLを加えた後、加熱を
やめ、攪拌しながら放熱させた。室温まで冷えた後、透
析チューブに移し、ジメチルスルホキシド及び酢酸が抜
けるまで、流水に対して5日間透析を行ない、更に蒸留
水に対し、24時間透析を行なった。そして、アルカリ
により、pHを6.0に調整した後、凍結乾燥を行な
い、目的とするアセチルキシラン粉末13gを得た。
【0026】−活性測定− 上記の方法で合成したアセチルキシランを用い、それが
10%濃度となるように、0.1Mリン酸緩衝液(pH
6.0)で溶解する。次いで、その0.3mLを試験管
に分注し、酵素液の0.15mLを加えて、37℃でイ
ンキュベートする。そして、正確に15分の経過の後、
2.55mLのエタノールを加え、氷水中で1時間冷却
した後、遠心分離し、その上清を0.1%リン酸で10
倍に希釈せしめ、更に、0.45μmメンブランフィル
タ(独国:ミリポア社製)で濾過せしめ、更にHPLC
(高速液体クロマトグラフィ)にて遊離した酢酸を定量
する。活性表示は、上記の条件で1分間に1μmolの
酢酸を遊離する酵素量を1単位(u)とした。
【0027】なお、HPLCの測定条件は、以下の通り
である。カラム:Waters Organic acid column φ7.
8×300mm(Nihon Waters社製)、ガードカラム:
Waters Organic acid column用 φ6.0×50mm
(Nihon Waters社製)、溶媒:0.1%リン酸、流速:
0.7mL/min、検出:200nm、カラム温度:
80℃。
【0028】(4)アセチルキシランエステラーゼのN
末端アミノ酸配列の決定 前記実験(2)において、ケトミウム・グラシレ培養液
より得たアセチルキシランエステラーゼの部分精製物を
用い、それを、レムリ( Laemmli)法で処理した後、1
2.5%のSDSポリアクリルアミドゲルを使用した電
気泳動を行なった。そして、その電気泳動したゲルから
アセチルキシランエステラーゼタンパクをエレクトロプ
ロッティングして、気相配列決定装置を使用し、常法に
従って、N末端のアミノ酸配列を決定した。そして、そ
の決定したN末端アミノ酸配列を、後掲の配列表におい
て、配列番号:1として示した。
【0029】(5)アセチルキシランエステラーゼの酵
素化学的性質 先の実験(2)において得られた、ケトミウム・グラシ
レ株からのアセチルキシランエステラーゼ部分精製物に
ついて、その酵素化学的性質、具体的には至適pH、p
H安定性、至適温度及び温度安定性について、それぞ
れ、以下の如くして測定した。
【0030】a)至適pH 各種緩衝液を用いて、pH1〜8の基質溶液と酵素溶液
を調製した後、それぞれの溶液について、37℃で、各
pH条件下における活性測定を行ない、至適pHを調べ
た。その結果を図1に示すが、至適pHは、pH6〜7
であることが認められる。
【0031】b)pH安定性 各種緩衝液を用いて、pH2〜6の種々なる酵素溶液を
調製し、そしてそれら溶液を37℃の温度に20時間放
置した。その後、残存する活性を測定し、その結果を図
2に示した。かかる図2の結果から明らかなように、p
H3では、6割以上の残存活性を示し、更にpH2で
も、2割の残存活性を示している。
【0032】c)至適温度 0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)を用いて基質溶液
及び酵素溶液を、それぞれ、調製した。そして、それぞ
れの溶液について、20〜80℃で活性測定を行ない、
その至適温度を調べた。得られた結果を図3に示すが、
50〜60℃で高い活性を示すことが認められる。
【0033】d)温度安定性 0.1Mのリン酸緩衝液(pH6.0)を用いて、酵素
溶液を調製した。次いで、その得られた酵素溶液を、4
0〜80℃の各種温度に15分間放置した後、37℃
で、残存する活性を測定した。その結果を、図4に示
す。かかる図4から明らかなように、60℃で82%、
70℃で55%の残存活性を示すことが、認められた。
【0034】(6)アセチルキシランエステラーゼをコ
ードする染色体DNAの抽出 ケトミウム・グラシレ株を、1%ペプトン、0.5%酵
母エキス、0.5%塩化ナトリウム、及び2%グルコー
スを含んだ培地100mLに植菌し、500mLの三角
フラスコを用いて、30℃で4日間、200rpmに
て、振とう培養した。かかる培養の後、3G1ガラスフ
ィルタで集菌し、その得られた菌体3gを冷却した乳鉢
に移して、液体窒素を用いて凍結粉砕した。次いで、そ
の粉砕した菌体に、1mMEDTAを含む10mMトリ
ス塩酸緩衝液(以下、TEと略称する:pH7.6)2
mLを加えて、懸濁し、更に、2mLの溶菌溶液(2%
SDS、0.1M塩化ナトリウム、50mMトリス塩酸
緩衝液、pH7.0)を加えて、ゆっくり攪拌し、数分
間室温に放置した。
【0035】次いで、かかる室温下に放置された懸濁液
に対して、1200×Gにて、10分間遠心分離を実施
し、その上清を回収して、それに、2mLのフェノー
ル:クロロホルム:イソアミルアルコール=25:2
4:1の混液を加え、攪拌した後、更に12000×G
にて、5分間遠心分離した。更に、その得られた上清に
対して、5mLの冷エタノールを加え、−80℃に10
分間放置した後、12000×Gにて、15分間遠心分
離を実施した。沈殿を、10mLの冷70%エタノール
で洗浄した後、減圧乾燥した。
【0036】そして、その得られた精製物(沈殿)を2
mLのTEを加えて溶解せしめ、更に、リボヌクレアー
ゼ50μgを加えて、37℃で、1時間、インキュベー
トした。その後、フェノール:クロロホルム:イソアミ
ルアルコール=25:24:1の混液の2mLを加え、
12000×Gにて、5分間遠心分離を施し、その上清
を取り出した。更に、かかる遠心分離操作をもう一度繰
り返した。得られた上清に、クロロホルム:イソアミル
アルコール=24:1の混液の2mLを加え、1200
0×Gにて、5分間の遠心分離を行ない、更に、その得
られた上清に、0.2mLの5M塩化ナトリウムと5m
Lの冷エタノールを加え、−80℃にて、10分間、放
置した後、再び、12000×Gにて15分間の遠心分
離を実施した。
【0037】かくして得られた沈殿を、冷70%エタノ
ールで洗浄した後、減圧乾燥することにより、目的とす
るケトミウム・グラシレの染色体DNA1.1mgを得
た。また、かかる沈殿を0.6mLのTEへ溶解し、染
色体DNA溶液を得た。
【0038】(7)ケトミウム・グラシレ染色体DNA
ライブラリーの作成及び目的遺伝子の選択 上記の実験(6)にて得られたケトミウム・グラシレ株
の染色体DNA5μgを用い、それを、制限酵素:Ba
mHIの12単位を加えた制限酵素用緩衝液[50mM
トリス塩酸緩衝液(pH7.5)、100mM塩化ナト
リウム、10mM塩化マグネシウム、1mMジチオスレ
イトール]の10μL中において、37℃で1時間、部
分分解せしめた。次いで、この部分分解した染色体DN
Aの1μgと1μgのλ Dash II predigested Bam
HI(米国 : STRATAGENE 社製)を、TaKaRa DNA ligat
ion system ver. 1(宝酒造株式会社製)を使用して、
15℃で18時間、ライゲーションを行なった。
【0039】次いで、この得られたライゲーション溶液
の4μLと、Gigapack III Gold Packaging Extract
(米国 : STRATAGENE 社製)を使用し、λファージタン
パクへのパッケージングを行ない、ファージ液を得た。
【0040】次いで、かかるファージ液の7μLを、1
0mM硫酸マグネシウム溶液でOD660(660nm
の波長で測定した濁度)を0.05に調整した、0.2
mLの受容菌:大腸菌液に加え、37℃で15分間イン
キュベートした。その後、3mLの0.5%寒天を含む
LB培地を加え、1.5%寒天を含むLB培地プレート
上に広げて、37℃で20時間培養した。ファージが大
腸菌に感染すると、大腸菌が溶菌し、プラークが生じ
る。そのプラークを生じたプレートを4℃で1時間冷却
し、寒天上にナイロンメンブランを2分間載せ、ファー
ジDNAをメンブランに吸着させた。その後、かかるメ
ンブランを、変性溶液(1.5M塩化ナトリウム、0.
5N水酸化ナトリウム)で2分間、中和溶液(1.5M
塩化ナトリウム、0.5Mトリス塩酸緩衝液、pH8.
0)で5分間、リンス溶液(0.3M塩化ナトリウム、
0.03Mクエン酸ナトリウム、0.2Mトリス塩酸緩
衝液、pH7.5)で30秒間、順次、振とうした。濾
紙で水分を除き、ラップに包み、1分間紫外線を当て
て、DNAをメンブランに固定した。
【0041】そして、プローブは、アスペルギルス・ニ
ガーのアセチルキシランエステラーゼ遺伝子を使用し、
ECL直接核酸標識検出システム(米国 : Amersham 社
製ECL direct nucleic acid labeling and detectio
n system )を用い、プラークハイブリダイゼーション
を、添付プロトコルに従って行なった。強いシグナルを
示したプラークをピペットで取り、10mM硫酸マグネ
シウム溶液の50μLに懸濁し、ファージ液とした。更
に、このファージ液を使用し、同様に、大腸菌に感染せ
しめた後、引き続き、プラークハイブリダイゼーション
を行なった。そして、それをもう一度繰り返し、ファー
ジ10株を単離した。
【0042】(8)ファージDNAの調製及びサザンハ
イブリダイゼーション 受容菌:大腸菌を、10mMの硫酸マグネシウムを含む
LB培地の20mLに植菌し、30℃で18時間振とう
培養した後、遠心分離により、菌体を回収し、10mL
の10mM硫酸マグネシウム溶液で懸濁して、受容菌液
とした。
【0043】次いで、この得られた受容菌液の0.5m
Lに、10μLの単離したファージのファージ液を加
え、30℃で15分間インキュベートした。その後、1
0mLの10mM硫酸マグネシウムを含むLB培地を加
え、37℃で7時間、振とう培養した。次いで、120
00×Gで5分間遠心分離して、その上清を別のチュー
ブに移し、これに、20μgのDNaseIと40μg
のRNaseAを加え、37℃で30分間インキュベー
トした。その後、6mLの2.5M塩化ナトリウムを含
む20%ポリエチレングリコール6000溶液を加え、
4℃で18時間放置した後、12000×Gで10分
間、遠心分離した。
【0044】次いで、かかる遠心分離により得られた沈
殿を、0.1M塩化ナトリウム、8mM硫酸マグネシウ
ム、0.01%ゼラチンを含む50mMトリス塩酸緩衝
液(pH7.5)の3mLで溶解し、更に3mLのクロ
ロホルムを加えて攪拌した後、その上清を回収した。更
に、その上清に、EDTA及びSDSを加え、20mM
のEDTA、0.1%のSDSの濃度となるように調整
した後、55℃で5分間インキュベートした。そして、
等量のフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコー
ル=25:24:1の混液で処理し、12000×Gに
て、5分間、遠心分離することにより、上清を得た。こ
の上清を、更に等量のクロロホルム:イソアミルアルコ
ール=24:1の混液で処理し、12000×Gにて、
5分間、遠心分離した。更に、この得られた上清に、
0.2mLの3M酢酸ナトリウムと5mLの冷エタノー
ルを加え、−80℃に10分間、放置した後、1500
×Gにて10分間遠心分離し、更に、その沈殿を冷70
%エタノールで洗浄した後、減圧乾燥せしめ、更に、そ
の得られた沈殿を200μLのTEで溶解した。
【0045】また、ファージDNAの2μgを、制限酵
素:BamHIの12単位を加えた制限酵素用緩衝液1
0μL中で、37℃、1時間分解せしめた。次いで、そ
の分解物を0.8%アガロースゲルで電気泳動した後、
ナイロンメンブランへトランスファーした。そして、ア
スペルギルス・ニガーのアセチルキシランエステラーゼ
遺伝子をプローブとして、前記ECL直接核酸標識検出
システムを使用し、サザンハイブリダイゼーションを、
そのようなシステムに添付のプロトコルに従って行なっ
た。選択した10株のファージのうち、何れにもハイブ
リダイズするバンドが認められた。そしてそのうち、最
も強いシグナルを示したファージの一つを、更なる試験
に供した。
【0046】(9)組換えプラスミドを用いた大腸菌の
形質転換 ベクターとして使用するプラスミド:pUC118のD
NA1μgを、制限酵素:BamHIの12単位を加え
た制限酵素用緩衝液の10μL中で37℃、1時間分解
した後、0.8%アガロースゲルで電気泳動した。そし
て、そのようなアガロースゲルより、GENECLEAN II kit
(米国:BIO 101 社製)を使用して、粘着末端をもった
プラスミド:pUC118 DNA溶液10μLを得
た。
【0047】次いで、上記実験(8)で得た20μgの
ファージDNAを、制限酵素:BamHIの12単位を
加えた制限酵素用緩衝液50μL中で、37℃、18時
間分解した。同様に、電気泳動と GENECLEAN II kit を
使用して、アガロースゲルより10μLの目的DNA溶
液を得た。1μLのプラスミド:pUC118DNA溶
液と2μLの目的DNA溶液を混合した後、その混合液
に、DNA LigationKit Ver.1 (宝酒造株式会社製)
を使用して、15℃で18時間インキュベートすること
により、ベクターと目的DNAを連結させた組換えプラ
スミド溶液を得た。
【0048】大腸菌:エシェリシア・コリ(Escherichi
a coli)HB101株のコンピテントセル懸濁液0.1
mLに、10μLの組換えプラスミド溶液を加え、氷中
に45分間放置した。次いで、42℃の恒温槽に1分間
置くことにより、ヒートショックを実施し、直ちに氷中
で2分間冷却した。その後、0.9mLのLB培地を加
えて、37℃で1時間培養した後、それを50μg/m
Lのアンピシリンを含んだLB培地のプレート(1.5
%寒天)に広げ、37℃で16時間培養した。そして、
その生育したコロニーを、50μg/mLアンピシリン
を含んだLB培地の2mLに植菌し、37℃で18時
間、振とう培養を行なった。
【0049】かかる培養の後、菌体を集め、0.35m
LのSETT[10mMトリス塩酸緩衝液(pH8.
0)、8%シュクロース、0.5%ポリオキシエチレン
(10)オクチルフェニルエーテル、50mM EDT
A]で懸濁した。更に、25μLの10mg/mLリゾ
チーム溶液を加え、攪拌した後、沸騰水で40秒間熱処
理し、次いで、12000×Gにて5分間遠心分離を行
なった。生じた白い沈殿を取り除き、40μLの3M酢
酸ナトリウムと420μLのイソプロパノールを加え、
激しく攪拌した。更に、4℃で、12000×Gにて5
分間遠心分離し、得られた沈殿を減圧乾燥した。
【0050】次いで、かかる得られた沈殿を、50μL
のTEで溶解し、5μLの10mg/mLのリボヌクレ
アーゼを加え、37℃で20分間インキュベートした。
その後、等量のフェノール:クロロホルム:イソアミル
アルコール=25:24:1の混液で処理し、1200
0×Gにて、5分間の遠心分離を実施した。更に、その
得られた上清に、40μLの3M酢酸ナトリウムと20
0μLの冷エタノールを加えた後、−80℃に10分
間、放置した。その後、12000×Gにて5分間遠心
分離し、その得られた沈殿を冷70%エタノールで洗っ
た後、減圧乾燥した。更に、その得られた沈殿を20μ
LのTEで溶解し、組換えプラスミドDNA溶液とし
た。この1μLのDNA溶液に、制限酵素:BamHI
の12単位を加えた制限酵素用緩衝液10μL中で、3
7℃で、30分間インキュベートし、その反応の後、
0.8%アガロースゲル電気泳動を行ない、そして、エ
チジウムブロマイドで染色することによって、トランス
イルミネーターで発色させ、染色体DNAフラグメント
のバンドの存在を確認した。そして、この染色体DNA
フラグメントのバンドが生じた菌株を選択した。
【0051】(10)組換え体プラスミドを使用した真
菌の形質転換 アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae, arg
B- )株を100mLのペプトン・デキストリン培地
(2%デキストリン、1%ペプトン、0.5%リン酸二
水素カリウム、0.05%硫酸マグネシウム)に植菌
し、30℃で4日間培養した後、菌体をガラスフィルタ
で回収した。その得られた菌体の約1gに、10mLの
プロトプラスト化溶液[0.8M塩化ナトリウム、10
mMリン酸緩衝液(pH6.0)、5mg/mL Lysin
g Enzyme(細胞壁分解酵素:Sigma 社製)、5mg/m
L cellulase R-10 (SERVA 社製)] を加え、30℃で
5時間振とうした。次いで、ガラスフィルタを用いた濾
過操作により、未分解部分を取り除き、得られた濾液を
700×Gで5分間、遠心分離した。この遠心分離操作
にて得られた沈殿を、20mLの0.8M塩化ナトリウ
ム溶液で懸濁し、700×Gで5分間、遠心分離し、更
に、これを2回繰り返した。かくして得られた沈殿を、
10mLの溶液I[0.8M塩化ナトリウム、10mM
塩化カルシウム、10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.
5)]で懸濁し、700×Gにて5分間、遠心分離する
ことにより、菌体を集め、受容菌とした。更に、この受
容菌プロトプラストを、前記溶液Iと溶液II[40%ポ
リエチレングリコール4000、50mM塩化カルシウ
ム、50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)]の4:
1混合液で懸濁し、プロトプラスト溶液とした。
【0052】次いで、かかるプロトプラスト溶液の0.
2mLに、先の実験(9)で得た組換えプラスミドDN
Aの3μLを加え、30分間、氷冷した後、1mLの前
記溶液IIを加え、よく混合せしめ、室温に20分間放置
した。次いで、前記溶液Iの10mLを加えて攪拌した
後、遠心分離により、プロトプラストを集め、0.8M
塩化ナトリウムを含む最少培地(0.2%硝酸ナトリウ
ム、0.1%リン酸二カリウム、0.05%硫酸マグネ
シウム七水塩、0.05%塩化カリウム、0.001%
硫酸第一鉄、3%蔗糖)プレート(寒天1.5%)上に
広げ、その上を、同培地(寒天0.5%を含む)で重層
せしめ、30℃で培養した。そして、この培養により生
育した形質転換株を、10mLの最少培地に植菌し、3
0℃で6日間静置培養した後、遠心分離により、菌体を
取り除き、上清のアセチルキシランエステラーゼ活性を
測定した結果、組換え体プラスミドを保持する真菌の生
産する酵素は、10mLの培養液当たり、5単位であっ
た。
【0053】(11)ケトミウム・グラシレのアセチル
キシランエステラーゼ遺伝子の配列決定 先の実験(9)で得たpUC118のBamHIサイト
に、アセチルキシランエステラーゼ遺伝子を導入した組
換えプラスミドDNAを用い、サイクルシークエンス法
により、塩基配列を決定した。なお、かかる組換えプラ
スミドは、先の実験(10)において導入した遺伝子が
アセチルキシランエステラーゼをコードすると確認出来
たものである。そして、かかるサイクルシークエンス法
により決定された塩基配列が、配列番号:2として、後
に示されている。
【0054】(12)他のケトミウム属菌株のサザンハ
イブリダイゼーション 前記の実験(6)と同様な手法に従って、ケトミウム・
アルボアレヌルム、ケトミウム・グロボサム、又はケト
ミウム・サーモフィラムより、染色体DNA溶液を得
た。次いで、ケトミウム・グラシレと共に、上記菌株の
それぞれの染色体DNA20μgを用いて、それらを、
制限酵素:BamHI、EcoRI、SalI、及びP
stIの何れか1種類の12単位を加えた制限酵素用緩
衝液の10μL中において、37℃で、18時間分解し
た。更にその後、その分解物を0.8%アガロースゲル
で電気泳動した後、ナイロンメンブランへトランスファ
ーした。そして、配列番号:2に示した塩基配列をもつ
ケトミウム・グラシレのアセチルキシランエステラーゼ
遺伝子をプローブとして、前記したECL直接核酸標識
検出システムを使用し、サザンハイブリダイゼーション
を、そのようなシステムに添付のプロトコルに従って行
なった。
【0055】かかるサザンハイブリダイゼーションの結
果が、図5に示されており、そこでは、レーンの中で、
黒くなっている部分が、プローブがハイブリダイズした
部分を示している。従って、この図5より明らかなよう
に、得られたシグナルの濃さに差はあるが、ケトミウム
属の3種の何れの菌株の染色体DNAにもハイブリダイ
ズするバンドが認められるところから、ケトミウム・グ
ラシレと似たような塩基配列を有し、更には同様な特性
を有していると考えられるのである。
【0056】なお、図5においては、レーン1:λ/H
indIII マーカー、レーン2:ケトミウム・グラシ
レ、BamHI、レーン3〜6:ケトミウム・アルボア
レヌルム、順にBamHI、EcoRI、SalI、P
stI、レーン7〜10:ケトミウム・グロボサム、順
にBamHI、EcoRI、SalI、PstI、レー
ン11〜14:ケトミウム・サーモフィラム、順にBa
mHI、EcoRI、SalI、PstI、レーン1
5:λ/HindIII マーカーについて、それぞれの結
果を示している。
【0057】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、アセチルキシランエステラーゼ活性に優れた
タンパク質(酵素)が有利に提供され、また、そのよう
なタンパク質をコードするDNAフラグメントが提供さ
れ得るのであり、しかも、そのようなアセチルキシラン
エステラーゼ活性は、耐酸性や耐熱性に優れているとこ
ろから、家畜等の動物の胃液の低pH下においても、失
活され難いものであるところから、動物の内臓内におけ
る飼料中のキシランの分解が、より効果的に進行し、そ
の吸収率が上昇する他、廃棄物の減少にもつながる等の
特徴を発揮するものである。
【0058】
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Thr Leu Thr Gln Val Thr Asn Phe 1 5
【0059】 配列番号:2 配列の長さ:2167 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 起源 生物名:ケトミウム・グラシレ( Chaetomium gracile ) 菌名:IFO6568 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:855..2010 特徴を決定した方法:E 特徴を表す記号:sig peptide 存在位置:855..929 特徴を決定した方法:E 特徴を表す記号:mat peptide 存在位置:930..2007 特徴を決定した方法:E 特徴を表す記号: CAAT signal 存在位置:572..576 特徴を決定した方法:S 特徴を表す記号: CAAT signal 存在位置:685..688 特徴を決定した方法:S 特徴を表す記号: TATA signal 存在位置:767..771 特徴を決定した方法:S 特徴を表す記号: intron 存在位置:1545..1593 特徴を決定した方法:E 配列 GCCTCGAACC CTTTCGTGTC CACTGCAACA TCTTGGCTGC TGGAACTGGG GATGCTCTGA 60 TGCTACCCAG CTGGTGGGAT TGCATGTTCC CGTCGTCCGG TCCGTGGTGT TGAACGCAGA 120 AGCGAGCCGG GTATCGACGA GAAATGTCAG AATTTGCGAA AACAGGAATT TACATCTTTC 180 GGCAGTTGCG AAAGTTTAGC TTCGAGAACG TGCGTCGAAG GGAAGAGAAC ATTACTTGGG 240 GTGGTCCTGC GCCTTTCCTG GTGGGGCTTA CTGTAGTCTT GTAACGAATT CAAGCTCCGC 300 CGGCAACTGA GCAGGACTAA GACCTCCATT CTGCTCCTCC CGTGTTTCAA GCTACTGATC 360 CGCCATCCGT TGGGAGTCCA CGAACACGGC AAAATTTTAT TTCACTAAAA TGAATATCAT 420 GTTGCCATCT CACCGTCTGA CAGCGAGCAT TCTCTTAGCC TTCTCCAGCT TCACTCCTGC 480 CACCCGGGGG CTTCATCCAG AGGGCTCCCG AGAATGAACA GAACCGCAAA CCTTAGCCCC 540 GGGAAGACCG CAGCCTAGAT CGGGGAGGAT GCCAATGACA GGCATCCCTG TGCCGTCTCT 600 ACGGTTGATC CGGAGCTCTA CCGTCCGACA GCCAACGCCC GCCCGCCTGG TCTCCTCACG 660 CTGGACCGCT CCGATGTCAC GGTGCAATGA TACGCCATGG AAATCACCCA AAATGTACAT 720 AGTAGCTCTC GGCGGCTGGT TAGTATGCAG GGTACGACAG CGAAGCTATA AGAGGCAACG 780 GCACGCACTG CGGCAATCAT GATGGCGATC AGCAAGCATC AGGTCACAGG AGTCAATCTC 840 AACCGCCGTC CGTC ATG AAA GTG TCC GCC ATC GTC TCG AGC CTT CTG GCT 890 Met Lys Val Ser Ala Ile Val Ser Ser Leu Leu Ala -25 -20 -15 CTG GCC CCA TTC TCA GTC GCC GCT GAG ATC GTC AAG CGG GCC ACC CTC 938 Leu Ala Pro Phe Ser Val Ala Ala Glu Ile Val Lys Arg Ala Thr Leu -10 -5 1 ACC CAG GTG ACC AAC TTC GGC TCA AAC CCT TCG GGT GCC AGG ATG TAC 986 Thr Gln Val Thr Asn Phe Gly Ser Asn Pro Ser Gly Ala Arg Met Tyr 5 10 15 ATC TAC GTC CCC GAC AAG CTG CAG TCC AAC CCG GCG ATC CTC ACT GCC 1034 Ile Tyr Val Pro Asp Lys Leu Gln Ser Asn Pro Ala Ile Leu Thr Ala 20 25 30 35 GTC CAT TAC TGC ACC GGC ACC GCC AAC GCC TTC TAT ACT GGC ACC CCC 1082 Val His Tyr Cys Thr Gly Thr Ala Asn Ala Phe Tyr Thr Gly Thr Pro 40 45 50 TAT GCT CGC CTG GCC GAT CAG TAC GGC TTC ATC GTC ATC TAC CCA GAA 1130 Tyr Ala Arg Leu Ala Asp Gln Tyr Gly Phe Ile Val Ile Tyr Pro Glu 55 60 65 TCG CCT CAC GAC GGC GGC TGC TGG GAT GTC TCG TCT CGG GCC ACC CTC 1178 Ser Pro His Asp Gly Gly Cys Trp Asp Val Ser Ser Arg Ala Thr Leu 70 75 80 ACC CAC AAT GGC GGC GGC GAC AGC AAC TCG ATC GCC AAC ATG GTG ACT 1126 Thr His Asn Gly Gly Gly Asp Ser Asn Ser Ile Ala Asn Met Val Thr 85 90 95 TAC ACC ATC AAC CAG TAC AAA GCC GAC CGT AAC CGC GTC TTC GTG GCT 1274 Tyr Thr Ile Asn Gln Tyr Lys Ala Asp Arg Asn Arg Val Phe Val Ala 100 105 110 115 GGT ACC AGC TCT GGC GCC ATG ATG ACC AAC GTC CTT TCT GCA ACC TAC 1322 Gly Thr Ser Ser Gly Ala Met Met Thr Asn Val Leu Ser Ala Thr Tyr 120 125 130 CCG GAT CTC TTC AAG GCT GCT AGT GCT TAT GCG GGC GTC CCT GCT GGC 1370 Pro Asp Leu Phe Lys Ala Ala Ser Ala Tyr Ala Gly Val Pro Ala Gly 135 140 145 TGC TTC TAC ACG GGC ACC GTG GCT GGT TGG AAC GAC ACC TGC GCC AAG 1418 Cys Phe Tyr Thr Gly Thr Val Ala Gly Trp Asn Asp Thr Cys Ala Lys 150 155 160 GGT CAG TCC GTC ACC ACC CAG AGC GCA TGG GCT CAG ACC GCT CTG AAC 1466 Gly Gln Ser Val Thr Thr Gln Ser Ala Trp Ala Gln Thr Ala Leu Asn 165 170 175 ATG TAC CCC GGC TAC ACC GGC CCA CGC CCC AAG ATG TTG ATC CAC CAC 1514 Met Tyr Pro Gly Tyr Thr Gly Pro Arg Pro Lys Met Leu Ile His His 180 185 190 195 GGC TCG GCC GAC ACG ACC ATC TAC CCC CAG GTAAGATAGC CTGCTCGAGT 1564 Gly Ser Ala Asp Thr Thr Ile Tyr Pro Gln 200 205 CCGAAGTTCG TGAAGTTAAC ATTCCCCAG AAC TTC AAC GAG ACC CTC AAG CAG 1617 Asn Phe Asn Glu Thr Leu Lys Gln 210 TGG GCT GGT GTC TTG GGC TAC ACC TAC GGC CAG CCC CAG CAG ACC CTC 1665 Trp Ala Gly Val Leu Gly Tyr Thr Tyr Gly Gln Pro Gln Gln Thr Leu 215 220 225 CCC GGC AAC CCC TCG TCC GAG TAC ACC AAG TAT GTG TAC GGG CCG AAC 1713 Pro Gly Asn Pro Ser Ser Glu Tyr Thr Lys Tyr Val Tyr Gly Pro Asn 230 235 240 245 CTG GTC GGC ATC TAC GGT ACG GGT ATC ACC CAC AAT ATC CCT GTC GAC 1761 Leu Val Gly Ile Tyr Gly Thr Gly Ile Thr His Asn Ile Pro Val Asp 250 255 260 GGC GCC GGT GAC ATG GAG TGG TTC GGC ATC ACC GGC TCC AGC ACC CCG 1809 Gly Ala Gly Asp Met Glu Trp Phe Gly Ile Thr Gly Ser Ser Thr Pro 265 270 275 ACG ACC ACC AGC ACT GCC CCT GGC ACC ACG AGC ACG AGC ACC AAG TCC 1857 Thr Thr Thr Ser Thr Ala Pro Gly Thr Thr Ser Thr Ser Thr Lys Ser 280 285 290 TCC AGC ACC AGC ACC GCC CCT ACC TCG GGT CCT TCT GGT TGT ACT TCC 1905 Ser Ser Thr Ser Thr Ala Pro Thr Ser Gly Pro Ser Gly Cys Thr Ser 295 300 305 GCT CGC TGG GGT CAG TGT GGG GGC ATC GGC TGG ACT GGA TGC ACC GTT 1953 Ala Arg Trp Gly Gln Cys Gly Gly Ile Gly Trp Thr Gly Cys Thr Val 310 315 320 325 TGC GCT TCC CCG TGG AAG TGC ACC TAT GCC AAC GAC TGG TAC TCG CAG 2001 Cys Ala Ser Pro Trp Lys Cys Thr Tyr Ala Asn Asp Trp Tyr Ser Gln 330 335 340 TGC TTG TAAGGCTCTG GAGAGACGTC TTGGAAGCTA GCGACGAGGA TGCGGACAGA 2057 Cys Leu 343 AACCTCTCGG CGAGGGGTAG ATATAGCTGG TCATGATCAC TGTACATAAC GGCTGCATTG 2117 TACAATAAAG AATCCCCTCA CTATAAGTTT ACCCGATTTG TAGCAAGCTT 2167
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の実験(5)において求められたアセチ
ルキシランエステラーゼの至適pHを示すグラフであ
る。
【図2】実施例の実験(5)において求められたアセチ
ルキシランエステラーゼのpH安定性を示すグラフであ
る。
【図3】実施例の実験(5)において求められたアセチ
ルキシランエステラーゼの至適温度を示すグラフであ
る。
【図4】実施例の実験(5)において求められたアセチ
ルキシランエステラーゼの熱安定性を示すグラフであ
る。
【図5】実施例の実験(12)において求められたサザ
ンハイブリダイゼーションの結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山住 卓夫 愛知県安城市昭和町19番10号 新日本化学 工業株式会社内 Fターム(参考) 2B150 AA01 AB01 AC15 AC37 DC23 DF11 4B024 AA07 BA11 CA02 DA11 EA04 GA11 4B050 CC03 DD03 LL10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真菌ケトミウム属由来のアセチルキシラ
    ンエステラーゼ活性を有するタンパク質。
  2. 【請求項2】 前記真菌が、ケトミウム・グラシレであ
    る請求項1記載のタンパク質。
  3. 【請求項3】 配列表の配列番号:1にて示されるN末
    アミノ酸配列を有する、アセチルキシランエステラーゼ
    活性を有するタンパク質。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の
    タンパク質をコードするDNAフラグメント。
  5. 【請求項5】 配列表の配列番号:2にて示される塩基
    配列を有するDNAフラグメント。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の
    タンパク質、又は該タンパク質と共に、他のキシラン分
    解酵素を含有せしめたことを特徴とする動物飼料組成
    物。
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JP2006265544A (ja) * 2005-02-28 2006-10-05 Chiba Flour Milling Co Ltd 糖脂肪酸エステルの製造方法
WO2009073709A1 (en) 2007-12-06 2009-06-11 Novozymes A/S Polypeptides having acetylxylan esterase activity and polynucleotides encoding same
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