JP2686025B2 - ブラストサイジンsデアミナーゼ遺伝子 - Google Patents
ブラストサイジンsデアミナーゼ遺伝子Info
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Description
ンSデアミナーゼ、当該ブラストサイジンSデアミナー
ゼをコードする遺伝子、当該遺伝子を組み込んだベクタ
ー、及び当該ベクターを用いて形質転換した形質転換体
に関する。
バイオテクノロジー技術の発達によって、動物のみなら
ず、植物においても遺伝子操作が盛んに行なわれるよう
になっている。かかる遺伝子操作を行なう際には、その
生物の種類に応じたベクターを用いるのが通例である。
このようなベクターにおいては、目的とする遺伝子がホ
スト細胞において確かに組み込まれたか否かを判断する
マーカーが通常組み込まれている。例えばカナマイシン
耐性、クロラムフェニコール耐性等が代表的なマーカー
として用いられている。
に対応する抗生物質は、医学上及び環境中の安全性の観
点から、取り扱い上格別の注意を必要とするのが常であ
る。そこで、比較的安全な薬剤耐性マーカーを用いた、
発現用ベクターの確立が望まれている。さらに、特定の
農薬に対して耐性を有する有用植物を作出し、より、効
率的な農業生産を企図することが望まれている。
解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、広範な生物種に対
して蛋白合成阻害活性を有し、農業用抗生物質として汎
用されているアミノヌクレオシド系抗生物質であるブラ
ストサイジン (Blasticidin)S (以下、BcSと略記する)
に着目して本発明を完成するに至った。
ミノ酸配列をコードするブラストサイジンSデアミナー
ゼ遺伝子である。 さらに、本発明は、配列番号2又は3
に示す塩基配列を有するブラストサイジンSデアミナー
ゼ遺伝子である。
アミナーゼ遺伝子として、少なくとも配列番号2に示さ
れる塩基配列を有する遺伝子を組み込んだベクターであ
る。 さらに、本発明は、前記ベクターで形質転換又は形
質導入した形質転換体又は形質導入体である。
BcSデアミナーゼと略記する) は、すでに記載した、現
在主に抗イネいもち病薬剤等として汎用されているBcS
の不活性化酵素である。すでに、本発明者らは、かかる
酵素をコードする遺伝子bsrをBcS耐性を有すBacillus c
ereus K55-S1由来のプラスミドから単離した (Kamakura
et al.,Agric.Biol.Chem.,51(11),3165-3168(1987))
が、かかるbsrをイネいもち病菌 (Pyricularia oryzae)
に導入しても、BcSデアミナーゼ活性は発現されなかっ
た。
ーゼ遺伝子は、上記のbsrとは全く異なる構造の遺伝子
(以下、BSDと記載する) である。 A. BSDの単離BSD の単離は、ブラストサイジンSデアミナーゼ産生菌
として知られている糸状菌Aspergillus terreus S-712
菌 (ATCC 28865) のcDNAを用いて通常のクローニン
グ法により行なわれる。
cS存在下で培養した菌糸よりmRNA抽出し、オリゴdT
プライマーを用いてcDNAを合成する。次いで、かか
るcDNAをクローニング用ベクターに組み込んで、こ
れを宿主に導入してcDNAライブラリーを調製し、当
該形質転換体をBcSプレートにレプリカして、このBcSプ
レートで生育可能なコロニーを選択・増殖させることに
よって所望のBSDを含むクローンを単離することができ
る。
列が判明した場合には、BSDの塩基配列に相補的なオリ
ゴヌクレオチドプライマーを用いたPCR法 (Saiki et a
l.,Science,239,487-491(1988)) により、上記クローニ
ングを行なうことができる。また、スクリーニング法も
上記の他、免疫スクリーニング法、ハイブリッド分子形
成法等を用いて行なうこともできる。 B. BSDの塩基配列の決定は、常法、例えば、マキサム
−ギルバートの化学修飾法 (Maxam-Gilbert, Meth. Enz
ym.,65, 499-560 (1980)) 、サンガーらの方法(F. Sang
er et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 74:5463
-5467 (1977)) 等を用いて行なうことができる。 C. 次に、BcSデアミナーゼ遺伝子として、少なくとも
配列番号2に示される塩基配列を有する遺伝子を組み込
んだベクターを構築する。
は、BSDの導入を企図する宿主の種類に応じて適宜選択
することができる。例えば、宿主として大腸菌を用いる
場合には、pBR322、pUC18 等を;枯草菌を用いる場合に
は、pHY300PLK(Ishiwa et al.,Jpn.J.Genet,61 ,515-5
28(1986) )等を;酵母を用いる場合には、pYEUra3(東洋
紡績社製) 、pAU9(K.Okazaki et al.,Nuc.Acids.Res.,1
8 ,6485(1990)) 等を;動物細胞を用いる場合には、pMA
M-neo(F.Lee et al.,Nature, 294,228(1981)) 等を;植
物細胞を用いる場合には、pBin19(M.Bevan.,Nuc.Acids.
Res.,12,8711(1984))、pLGV1103(R.Hain et al.,MolGen
Genet,199,161(1985)) 等を用いることができる。さら
に、上記プラスミドの他、λZAP II等のファージベクタ
ー、pWE15(Stratagene社製) 等のコスミド等を用いるこ
ともできる。
クターを基本ベクターとして採用する場合には、BSDの
構造遺伝子の上流にプロモーター配列、SD配列等が位置
するように、ベクターを設計する必要がある。真核生物
用のベクターを基本ベクターとして採用する場合には、
上記と同様に、プロモーター、RNAのスプライス部
位、ポリアデニル化部位等が含まれるようにベクターを
設計する必要がある。
しも限定されるものではなく、例えばβ−ガラクトシダ
ーゼやβ−ラクタマーゼ等をコードする塩基配列を利用
して、融合蛋白発現系とすることができる。D. かくし
て得られたベクターの宿主細胞への導入、及びこれによ
る形質転換の方法は、一般に用いられる方法を採ること
ができる。例えば、対数増殖期にある細胞を集め、CaCl
2処理して自然にDNAを取り込みやすい状態にして、
かかる処理細胞に、上記ベクターを取り込ませる方法等
を採用することができる。なお、かかる方法において、
形質転換効率の向上のため、MgCl2やRbClを更に共存さ
せて、形質導入を行なうこともできる。
に従い培養することにより、所望のBcSデアミナーゼが
生産・蓄積される。当該培養に用いられる培地は、通常
の細胞培養に慣用される各種の培地のいずれをも用いる
ことができる。例えば、L培地、E培地、M9培地等、
又は当該培地に通常知られている各種の炭素源、窒素
源、無機塩、ビタミン類等を添加した培地等を例示でき
る。なお、トリプトファン・プロモーターを用いる場合
は、一般に当該プロモーターの働きを向上させるために
カザミノ酸を添加した上記の培地、例えばM9最小培地
等を用いて培養するのが好ましい。また、当該培地には
培養における適切な時期に、インドールアクリル酸等の
トリプトプァン・プロモーターの働きを強めるための薬
剤を添加することもできる。
デアミナーゼの単離・精製は常法に従い実行可能であ
る。特に、BcSデアミナーゼを宿主から抽出する場合
は、例えば浸透圧ショック法等の温和な条件を採用する
のが、その高次構造保持の面からより好ましい。上記単
離・精製は、例えば当該ポリペプチドの物理・化学的性
質を利用した各種の処理操作に従い実施できる(例えば
「生化学データーブックII」pp1175〜1259、第1版・第
1刷、1980年6月23日、株式会社東京化学同人発行参
照)。当該方法としては、具体的には例えば、通常の蛋
白沈澱剤による処理、限外ろ過、分子篩クロマトグラフ
ィー (ゲルろ過) 、液体クロマトグラフィー、遠心分
離、電気泳動、アフィニティクロマトグラフィー、透析
法、又はこれらの組合せ等を採用できる。なお、上記操
作の好ましい一実施態様は次の通りである。
分精製する。この部分精製は、例えばアセトン、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ジメチルホルムアミ
ド (DMF)等の有機溶媒や硫酸アンモニウム、硫酸ナトリ
ウム、リン酸ナトリウム等の塩析剤を用いる処理、及び
/又は透析膜、平板膜、中空繊維膜等を用いる限外ろ過
処理等により行なわれる。これらの各処理の操作及び条
件は、通常、上記の方法において採用される条件等と同
様の方法を採用することができる。
過に付すことにより、BcSデアミナーゼの活性が認めら
れる画分を収得する。ここで用いられるゲルろ過剤とし
ては特に限定はなく、例えばデキストランゲル、ポリア
クリルアミドゲル、アガロースゲル、ポリアクリルアミ
ド−アガロースゲル、セルロース等を素材とするものを
いずれも利用できる。これらの具体例としては、セファ
デックスGタイプ、同LHタイプ、セファロースタイ
プ、セファクリルタイプ (以上、ファルマシア社製)、
セルロファイン (チッソ(株)社製)、バイオゲルPタイ
プ、同Aタイプ (バイオ−ラド社製)、ウルトロゲル(LK
B社製)、TSK−Gタイプ(東ソー(株)社製)等を例示で
きる。
得られるBcSデアミナーゼの活性画分を、例えばアフィ
ニティークロマトグラフィー、DEAE法等によるイオン交
換カラムクロマトグラフィー、クロマトフォーカシン
グ、逆相高速液体クロマトグラフィー等に付すことによ
り、又は上記各操作の組合せにより更に精製可能であ
り、均質なBcSデアミナーゼとして単離できる。
る。 〔実施例1〕BSDの単離Aspergillus terreus S-712株(ATCC 28865) を、BcSを
250μg/mlを含むYG培地で、28℃下、静置培養を行っ
た。次に、菌糸をスパチュラを用いて培養液から分離し
た。かかる菌糸からQuick prep mRNA purification KIT
(ファルマシア社製)を用いて全RNAを抽出し、ポリ
dTカラムを用いてmRNAを分離した。このmRNA
に、オリゴdT(ファルマシア社製)をプライマーとし
て、リバーストランスクリプターゼ(ファルマシア社
製)により第1鎖を合成し、引き続いてRNaseH、
DNAポリメラーゼI、dNTPを加えて第2鎖を合成
してcDNAを調製した。かかるcDNAの両端をクレ
ノウフラグメントにより平滑化させた後、T4DNAリ
ガーゼを用いてEco RI−Not Iアダプター(ファルマシ
ア社製)を付加し、これを大腸菌用ファージベクターλ
ZAPII(Stratagene社製)のEcoRI制限サイトに挿入
した。
tagene社製)を用いてin vitroでパッケージングし、E.
coli XL-1 Blue(Stratagene社製)に感染させ、λファ
ージ粒子として回収した。次に、OD600=1のXL-1Blue
200μl、1×105 個の組み換えλファージ粒子を含むス
トック液200μl 、線状ヘルパーファージR408(1×10
6 pfu/ml)(Stratagene 社製)1μlとを混合し、37℃
で15分間培養して重感染させた。しかる後さらに5mlの
2×YT培地を加え、37℃で3時間培養し、その培養液を
70℃で20分間熱処理して4000×g の遠心分離を5分間行
い、その上清を採取した。
クターλZAPIIから切り出され、かつ一本鎖DNAと
してパッケージングされた組み換え線状ファージ粒子を
得た。当該ファージ粒子を、Eschericia coli XL-1Blue
に感染させて、cDNAがファージミドとして保持さ
れたEschericia coli XL-1Blue を得た。このEscherici
a coli XL-1Blue を150μg/mlのBcSを含むLB培地のプ
レートにレプリカして、生育したコロニーを単離する操
作を20回繰り返した。これによって得られたコロニー4
個のうち、1個をBSDを含むクローンとして単離してこ
れをEschericia coli XL-1Blue/pBSA712 と命名した。
%グルコース 2×YT培地の組成:16%トリプトン、10%イーストエキ
ス、5% NaCl LB培地の組成:10%トリプトン、5%イーストエキス、
10%NaCl 〔実施例2〕糸状菌で発現するBcS耐性ベクターpBF101
の構築 pBS SK+(Stratagene社製)のユニークなSalI サイトに
Aspergillus nidulans由来のTrpC遺伝子のプロモーター
及びターミネーターによってハイグロマイシンB耐性遺
伝子hphが発現するように設計されたベクター、pCSN43
(Staben etal.,Fungal Genet Neswsl,36,79-81(1989))
を、37℃で1時間ClaI(TAKARA社製)で消化し、hph及
びPolyA 付加シグナルを含む2Kbの断片を除いた。次に
残余の消化物をT4DNAリガーゼによってセルフライ
ゲーションを行い、TrpCプロモーターのみをマルチクロ
ーニングサイト(MCS)の上流に有するベクタpPtrpCを得
た。
(TAKARA社製)を37℃で1時間作用させて、これをゲル
電気泳動にかけることよって生成する559bpの断片を単
離した。さらにかかる559bpの断片を他方の断片にもと
と逆方向に挿入した。そして、この559bpの断片の下流
に存在するユニークなBamHIサイトに、前記pCSN43をBam
HIで30℃下で1時間消化することによって得られた約70
0bpのTrpCターミネーターを挿入した(pBTtrpC)。
製)及びEcoRV(TAKARA社製)で37℃下1時間処理し
て、これにより生ずるBSD遺伝子とpolyA 付加シグナル
を含む約1.3kbp断片を、前記pPtrpCのSacI サイトとEco
RVサイト間の断片と置換することにより、糸状菌用BcS
耐性ベクターであるpBF101を得た。以上述べたpBF101
は、Eschericia coli JM109に導入され、当該菌株はEsc
hericia coli JM109/pBF101として、工業技術院生命工
学工業技術研究所に寄託されている(国際寄託番号 FER
M BP-4187)。
築図を図1に示す。 〔実施例3〕大腸菌のpBSA712 による形質転換 下記のL培地で、一夜前に培養したEschericia coli JM
109をL 培地10mlに1%接種し、37℃で保温振盪培養し
た。濁度計で濁度(OD550)が0.3に達した時点で、培養
液を遠心して集菌し、菌体を100ml塩化カルシウム溶液
に懸濁した。得られた懸濁液を氷冷下で一晩放置した
後、当該懸濁液(コンピテント細胞含有)に、実施例1
で得たプラスミドDNAを加え、さらに30分間氷冷保存
した後、37℃で30分間ヒートショックにかけた。BcS耐
性マーカーで選択するため、ヒートショックをかけた懸
濁液を直ちにBcS 150μ/mlを含む寒天L培地プレート
に塗抹接種し、37℃で保存した。その結果、耐性コロニ
ーが出現し、形質転換したEschericia coli JM109/pBS
A712 を得た。かかる形質転換株は、工業技術院生命工
学工業技術研究所に寄託されている(国際寄託番号 FER
M BP-4186)。
ら、プラスミドDNApBSA712を単離して、前述のサン
ガーらの方法に従って、その塩基配列を決定した。その
結果、プラスミドDNAは、配列番号3に示した塩基配
列を有することが判明した。この559bpの塩基配列のう
ち、配列番号2に示した393bpの配列がオープンリーデ
イングフレームであることが推定された。そして、当該
オープンリーデイングフレームは配列番号1に示したア
ミノ酸をコードすることが推定された。
エキス、5%NaCl、1%グルコース(pH7.2) 〔実施例4〕プラスミドpBSA712 及びpBF101の単離・精
製 前記L 培地 (5ml) で一晩前培養したEshericia coli J
M109/pBSA712 の菌体を遠心後集菌し、20mMトリス・HC
l、10mM EDTA 及び50mMグルコースよりなる緩衝液 (pH
8.0)で懸濁した(200μl)。これに終濃度10mg/ml とな
るようリゾチームを加え、室温で5分間放置した後、更
に 200μlの0.2 N NaOH、1%SDS(ドデシルスルホン酸
ソーダ)溶液を加え、これを穏やかに混合し、氷冷下で
5分間放置した。これに150μlの5M酢酸カリウム(pH4.
8)を加えて十分に混合し、氷冷下で10分間置いた後、こ
れを遠心して、菌体破片と水溶性画分とに分画した。次
に、得られた水溶性画分に600μlのイソプロピルアルコ
ールを加えて室温で10分間放置してDNAを沈澱させ
た。得られた沈澱を集めて400μlの10mMトリス・HCl、1
mM EDTA(TE)を含む緩衝液で再度懸濁して、フェノール
で蛋白質を除去してから2倍容のエタノールでDNAを
再沈澱させた。沈澱をもう一度TE緩衝液(150μl)に溶か
し、これをリボヌクレアーゼで処理してRNAを分割し
てから20%ポリエチレングリコール6000、2.5MNaCl溶液
の90μlを加えてプラスミドDNAのみを沈澱させ、回
収した (収量5μg)。
の1/10量の0.25%ブロムフェノールブルーと5%グリ
セロールを加えた。得られたDNA溶液を、アガロース
ゲル電気泳動(0.8%アガロースゲル (60mm×4mm)、緩
衝液:40mM トリス・HCl 4.8g、2mM EDTA・2Na 0.74g、
酢酸0.14ml(pH8.1)、蒸留水1リットル中、電圧100V)
に付し、単一のプラスミドDNAであることを確認し
た。
ついても上と同様の操作を行なったところ、単一のpBF1
01が単離精製された。 〔実施例5〕 BcSデアミナーゼの抽出・単離・精製 実施例3で得たEschericia coli JM109/pBSA712 株を
L培地1L において37℃で16時間振盪培養し、次いで、
これを遠心分離 (6000×g、6分) した。得られた菌体
を生理食塩水100mlで洗浄して、次いで遠心分離 (6000
×g、6分) の操作を2回くり返した。菌体を0.1 Mリ
ン酸緩衝液 (pH7.2)50%グリセリンに5〜10ml懸濁し、
超音波破砕した後、遠心分離 (5000×g、6分) した。
上清 (粗酵素液) に20%(w/v)(NH4)2SO4を加え、0〜
4℃で30分間放置した。次いで遠心分離 (8500×g、20
分) し、上清に (NH4)2SO4を40% (w/v)になるように
加え、0〜4℃で30分間放置した。沈澱に0.1Mリン酸
緩衝液10%グリセリンを加え、次いで20%(w/v)(NH4)2
SO4を加え、不純物を沈澱させた後、更に(NH4)2SO4を40
%(w/v) になるまで加えて、酵素蛋白を沈澱させた。
ゲル濾過 (溶出液:0.01M トリス・HCl緩衝液 (pH7.5)
−2mM DTT)を用い、濃縮した。これを2日間透析した
後、ピリミジノブラストサイジンSをリガンドした活性
化CH−セファロースアフィニティカラムを通過させ
(溶出液:0.01Mトリス・HCl緩衝液 (pH7.5)) 、次いで
これを濃縮し、酵素標品 (BcSデアミナーゼ) とした。 〔実施例6〕 BcSデアミナーゼ発現の確認 次に、実施例3で得たEschericia coli JM109/pBSA712
の活性がBcSデアミナーゼの発現によるものであること
を確認するために、酵素活性を検討した。基質BcSは酸
性条件下で274nmに最大吸収を持ち、生産物であるデア
ミノBcSは258nmに最大吸収を示す。そこで、BcSを添加
した緩衝液を耐性および感受性菌とインキュベートし
て、反応液の上清のUVスペクトルを酸性条件下で測定
することにより、吸収波長のシフトとして、酵素活性を
検定した。親株であるEschericia coli JM109と30℃下
で1時間インキュベートしたBcS溶液は、274nmの吸収を
示したままだった。これに対して、pBSA712で形質転換
したEschericia coli JM109/pBSA712では、258nmへの
シフトが起こっており、BcSデアミナーゼの活性の存在
が示された。 〔実施例7〕糸状菌のpBF101による形質転換 イネいもち病菌(Pyricuraria oryzae P2)を、プレート
より菌片(3デイスク)をコルクボーラーで打ち抜き、
これを100mlのYG液体培地で28℃下で2日間振盪培養し
た。さらに5mlを新しい同培地100mlに接種し一晩培養し
た。当該培養液を遠心分離することによって得た菌体
を、滅菌水で2回、OM緩衝液で2回洗浄した後、洗浄水
ノボザイム234を含む酵素溶液で28℃、2時間処理して
プロトプラスト化した。得られたプロトプラスト溶液
に、0.5容のST緩衝液を静かに重層し4000×gで10分間
遠心し、プロトプラストを界面に集めた。このプロトプ
ラストを2倍量のSTC緩衝液で洗浄後、108〜109/mlの
濃度になるように、STC緩衝液に懸濁した。100μlのプ
ロトプラスト溶液に対し5μlのDNA溶液(0.5μg/
μl)を加え静かにかき混ぜた後、室温で25分放置した。
PEG溶液を200μl、200μl、800μlの順に合計1200μl加
え、室温で20分間インキュベートした。1000×gで、5
分間遠心後、上清のPEG溶液を捨て、2.5mlのYGS液体培
地で2時間振盪培養した後、再度集菌し、STC緩衝液に
懸濁し、これを20μg/mlのBcSを含有させた再生寒天培
地にスプレッドした。さらに同濃度のBcSを含む1% Se
a Plaque(低融点アガロース FMC社製、1.2Mソルビトー
ル入り) を約5ml重層し、固化した後、パラフィルムで
ふたをして28℃で培養した。約5日後より形質転換体が
出現しはじめ、形質転換効率は約200colonies/μg D
NAの割合であった。
8) Novozyme234 酵素溶液:5mg/ml (OM緩衝液中) ST緩衝液:0.6Mソルビトール、100mM Tris-HCl(pH7.5) STC緩衝液:0.2Mソルビトール、100mM Tris-HCl(pH7.
5)、20mM CaCl2 PEG溶液:60% PEG 4000、10mM CaCl2,10mM Tris-HCl(p
H8.0) YGS培地:0.5%イーストエキス、2%グルコース、1.2M
ソルビトール
Sデアミナーゼ、当該ブラストサイジンSデアミナーゼ
をコードする遺伝子、当該遺伝子を組み込んだベクタ
ー、及び当該ベクターを用いて形質転換した形質転換体
が提供される。
Claims (5)
- 【請求項1】配列番号1に示すアミノ酸配列をコードす
るブラストサイジンSデアミナーゼ遺伝子。 - 【請求項2】配列番号2に示す塩基配列を有するブラス
トサイジンSデアミナーゼ遺伝子。 - 【請求項3】配列番号3に示す塩基配列を有するブラス
トサイジンSデアミナーゼ遺伝子。 - 【請求項4】ブラストサイジンSデアミナーゼ遺伝子と
して、少なくとも配列番号2に示される塩基配列を有す
る遺伝子を組み込んだベクター。 - 【請求項5】請求項4記載のベクターで形質転換又は形
質導入した形質転換体又は形質導入体。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4226284A JP2686025B2 (ja) | 1992-08-25 | 1992-08-25 | ブラストサイジンsデアミナーゼ遺伝子 |
US08/053,006 US5527701A (en) | 1992-08-25 | 1993-04-27 | Aspergillus terreus blasticidin S deaminase, a blasticidin S deaminase gene, a vector incorporating said gene and a transformant containing said vector |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4226284A JP2686025B2 (ja) | 1992-08-25 | 1992-08-25 | ブラストサイジンsデアミナーゼ遺伝子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0670768A JPH0670768A (ja) | 1994-03-15 |
JP2686025B2 true JP2686025B2 (ja) | 1997-12-08 |
Family
ID=16842805
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4226284A Expired - Lifetime JP2686025B2 (ja) | 1992-08-25 | 1992-08-25 | ブラストサイジンsデアミナーゼ遺伝子 |
Country Status (2)
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US20060195935A1 (en) * | 2004-11-08 | 2006-08-31 | Chromagenics B.V. | Selection of host cells expressing protein at high levels |
JP2007202490A (ja) * | 2006-02-02 | 2007-08-16 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 動物細胞用新規発現ベクター |
-
1992
- 1992-08-25 JP JP4226284A patent/JP2686025B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1993
- 1993-04-27 US US08/053,006 patent/US5527701A/en not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
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AGRIC.BIOL.CHEM.,49(12) (1985),P.3355−3362 |
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Publication number | Publication date |
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