JP2001054359A - 絹フィブロイン粉末の製造方法 - Google Patents

絹フィブロイン粉末の製造方法

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JP2001054359A
JP2001054359A JP11229857A JP22985799A JP2001054359A JP 2001054359 A JP2001054359 A JP 2001054359A JP 11229857 A JP11229857 A JP 11229857A JP 22985799 A JP22985799 A JP 22985799A JP 2001054359 A JP2001054359 A JP 2001054359A
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JP
Japan
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fibroin
powder
solution
silk
water
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JP11229857A
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English (en)
Inventor
Akifumi Murase
章文 邑瀬
Kiharu Yonebayashi
甲陽 米林
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SILK KOGEI KK
Original Assignee
SILK KOGEI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来よりも短時間且つ高い収率で、しかも高
品質の絹フィブロイン粉末を得ることのできる方法を提
供する。 【解決手段】 精錬後の絹繊維を、塩化ナトリウム等の
中性塩の水+アルコール溶液に溶解する。この溶液を4
0〜50倍程度に希釈し、十分に撹拌した後、静置して
フィブロインを沈殿させる。沈殿したフィブロインを取
り出し、残留している中性塩を洗浄により除去する。そ
の後、30〜50℃程度で乾燥し、十分に乾燥した段階
で粉砕して微粉末を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絹繊維からその成
分であるフィブロインの粉末を得るための方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、絹を粉末化したものが化粧品、食
品、医薬品等に盛んに用いられている。これは、正確に
は絹タンパクのうちのフィブロインを粉末化したものを
用いているのであるが、その製造方法については古くか
ら種々提案されている。例えば、特開平6−70702
号には次のようなプロセスが記載されている。精錬等に
よりセリシンを除去した絹(絹フィブロイン)を中性無
機塩と塩酸・硫酸等の強酸を含む溶液中に入れ、加熱溶
解してフィブロインを分解する。その後、濾過により未
溶解物を除去し、透析により脱塩してから凍結乾燥又は
スプレドライにより粉末を得る。
【0003】また、特開平11−104228号には、
創傷被覆材としての非結晶性フィブロイン粉末を得る方
法が次のように開示されている。精練後の絹繊維を酸ま
たは中性塩の溶液に溶解し、透析により低分子物質を除
去する。なお、絹繊維を酸で溶解した場合は、アルカリ
で中和した後に透析する。透析後のフィブロイン水溶液
から未溶解物を除去した後、それを板上に広げ、または
ロール表面に付着させ、水分を除去することにより、フ
ィルム状のフィブロインを得る。このフィルム状のフィ
ブロインを粉砕することにより、非結晶性フィブロイン
粉末を得る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法は上記のよ
うにいずれも絹フィブロインを一旦中性塩溶液に溶解し
た後、透析により中性塩を除去するという方法をとって
いる。この透析工程は、1回の透析自体に時間がかかる
上、通常は何回も透析を繰り返さないと十分なフィブロ
インの収率を得ることができないという欠点がある。し
かも、その結果得られる収率はせいぜい40%程度でし
かない。
【0005】また、従来の方法で得られた絹フィブロイ
ン粉末は特有の臭気を持ち、純白とはならず薄黄色を呈
しているため、そのままでは化粧品や食品に使いづらい
という問題があった。
【0006】本発明はこのような課題を解決するために
成されたものであり、その目的とするところは、従来よ
りも短時間且つ高い収率で、しかも高品質の絹フィブロ
イン粉末を得ることのできる方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明に係る絹フィブロイン粉末の製造方法
は、以下の各工程を含むことを特徴とするものである。 a)絹繊維を精錬する。 b)精錬後の絹繊維を中性塩の溶液に溶解する。 c)上記溶液を希釈して、フィブロインを沈殿させる。 d)沈殿したフィブロインを取り出し、洗浄により残留し
た中性塩を除去する。 e)乾燥する。 f)粉砕する。
【0008】
【発明の実施の形態】工程a)の精錬には、従来一般に行
われている絹精錬法(典型的には、炭酸ナトリウム水溶
液中での煮沸)を使用することができる。
【0009】工程b)の中性塩溶液は、中性塩をアルコー
ルと水の混合液に溶解したものである。中性塩として
は、上記特開平6−70702号、特開平11−104
228号等にも記載されている塩化カルシウムの水溶液
を用いるのがコスト的にも好ましい。このほかに、臭化
リチウム、チオシアン酸リチウム等も用いることができ
る。アルコールには、メタノール、エタノール等を用い
ることができる。
【0010】この溶液における水、アルコール、中性塩
の比率は、上記従来方法と同様でよい(例えば、塩化カ
ルシウム:エチルアルコール:水=1:2:8程度)。
このフィブロイン溶解の際、溶液を60〜80℃程度に
加熱することが望ましい。これ以下では溶解時間が非常
に長くなってしまい、逆にこれ以上に加熱するとアルコ
ールの蒸発量が多大となる。フィブロインが十分に溶解
した段階では、この溶液は水アメ状となる。
【0011】工程c)では、まず希釈液を加えて十分に攪
拌する。希釈液には、水とアルコールの混合液を用い
る。この混合液では、水:アルコールのモル比が4:1
程度となるようにすることが望ましい。この比が5:1
程度となるとフィブロインの沈殿速度が非常に低下し、
十分な収率が得られない。逆に、3:1程度となると沈
殿速度が高くなり過ぎ、フィブロインが中性塩を抱き込
んでしまうため、沈殿から中性塩を除去するのが困難に
なる。
【0012】希釈倍率は、最低でも30倍程度とする。
これ以下の希釈倍率では、溶液全体がゲル化し、フィブ
ロインの沈殿が得られない。希釈倍率を上げればもちろ
ん沈殿を生じる時間は短縮され、また、沈殿に残留する
中性塩も少なくなるが、材料費及び設備費が高くなると
いう問題が生じてくる。従って、実用的には40〜50
倍程度が適当である。
【0013】この工程における撹拌は必要十分な程度に
とどめておくことが望ましい。撹拌し過ぎると、急激に
沈殿が生じるため、きめの細かい均一なフィブロイン粒
子を得ることができず、また、フィブロインが中性塩を
抱き込む可能性があるためである。
【0014】希釈し、十分な撹拌を行って均質化した
後、静置する。撹拌は、通常、20秒〜1分程度で十分
である。静置する時間は希釈倍率により異なる。これに
よりフィブロインが沈殿し、中性塩の殆どは上澄み液の
中に残留する。なお、沈殿生成の終了は、液面付近の上
澄みが(白濁から)透明になることで容易に判断するこ
とができる。
【0015】フィブロインが十分に沈殿した段階で上澄
み液を排出する。そして、水を加えて攪拌することによ
り沈殿物を十分に洗浄し、残留中性塩を除去する(工程
d))。洗浄後は沈殿又は濾過により水を除去する。洗浄
は2回以上行う。
【0016】最後の洗浄の後は濾過により十分水分を除
去し、30〜70℃程度の温度で乾燥させる(工程
e))。ただし、50℃以上では粉末が着色するおそれが
あるため、白色の粉末を得たい場合には温度を50℃以
下に抑えておく。
【0017】乾燥後は、機械的に粉砕して粉末を得る
(工程f))。
【0018】なお、以上のプロセスは化粧品、医薬品、
食品等に用いるための無臭・白色の絹フィブロイン粉末
を製造する場合のものであるが、例えば肥料等、フィブ
ロインというタンパク質の粉末さえ得られれば良いとい
う用途の場合には、工程a)の精錬を行わず、蛹を含んだ
繭をb)以下の工程で処理することもできる。
【0019】
【実施例】メタノール9g+水20gの混合溶液中に塩
化カルシウムを16g加え、十分に溶解させる。その中
に屑繭5gを入れ、80℃に加熱して繭を溶解させる。
繭が十分に溶解した後、メタノール350g+水780
gの混合液を投入して希釈する(希釈率=約40倍)。
この混合液の投入時(希釈時)には撹拌を行うが、全量
を投入した後、十分に混合した段階で撹拌は停止する。
【0020】この状態で約16時間静置した後、上澄み
液を取り除いて沈殿物(フィブロイン)を取り出す。な
お、ここで回収した上澄み液は別の希釈に再度使用する
ことができる。
【0021】フィブロインを水で洗浄する。洗浄後は静
置又は濾過により水を除去する。数回洗浄を行った後、
最後に濾過により水分を十分に除去し、40℃程度に加
熱して乾燥させる。乾燥後、機械的に粉砕することによ
り微粉末を得る。本発明に係る方法では、乾燥した段階
で既に或る程度粗い粉末状となっているため、従来のよ
うにフィルム状のものから粉砕する場合に比べて遙かに
短時間で容易に微粉末にすることができる。
【0022】
【発明の効果】本発明に係る方法では透析工程を含まな
いため、従来よりも短い時間で固体(粉末)を得ること
ができる。また、フィブロインの収率を90%程度にま
で高めることができる。ちなみに、従来の透析法では4
0%程度の収率しか得られないが、その差(透析により
逃げる部分)は主に低分子量部分によるものと思われ
る。そのためか、本発明の方法で製造したフィブロイン
粉末は従来法で製造したものよりも水になじみやすい性
質を持っている。
【0023】さらに、本発明ではアルコールを含む溶液
中でフィブロインを沈殿させるため、本方法で製造した
絹フィブロイン粉末は特有の臭いや色が除去された無臭
白色のものとなる。そして、得られた粉末は従来法に比
べて水になじみやすい性質を持っており、化粧品、医薬
品、食品等に加工する際、大きな利点となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の各工程を含むことを特徴とする絹
    フィブロイン粉末の製造方法。 a)絹繊維を精錬する。 b)精錬後の絹繊維を中性塩の溶液に溶解する。 c)上記溶液を希釈して、フィブロインを沈殿させる。 d)沈殿したフィブロインを取り出し、洗浄により残留し
    た中性塩を除去する。 e)乾燥する。 f)粉砕する。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014001831A1 (en) 2012-06-26 2014-01-03 Al.Pre.Tec. Srl Allergy Prevention Technology Italia Method for producing fibroin powder from silk products or filaments

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11180999A (ja) * 1997-12-25 1999-07-06 T Hasegawa Co Ltd 精製絹フィブロイン溶液、その製造法及びそれを含有する飲食品

Patent Citations (1)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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WO2014001831A1 (en) 2012-06-26 2014-01-03 Al.Pre.Tec. Srl Allergy Prevention Technology Italia Method for producing fibroin powder from silk products or filaments

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