JP2001054338A - 小動物の給餌装置ならびに飼育装置および飼育方法ならびに給液装置 - Google Patents

小動物の給餌装置ならびに飼育装置および飼育方法ならびに給液装置

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JP2001054338A
JP2001054338A JP11267609A JP26760999A JP2001054338A JP 2001054338 A JP2001054338 A JP 2001054338A JP 11267609 A JP11267609 A JP 11267609A JP 26760999 A JP26760999 A JP 26760999A JP 2001054338 A JP2001054338 A JP 2001054338A
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feeding
bait
feed
breeding
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Koichi Yonezawa
幸一 米澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複雑で高価なセンサや能動的な制御装置を必要
とせず、安定した餌液体の供給が可能な小動物の給餌装
置ならびに小動物の飼育装置および小動物の飼育方法を
提供すること 【解決手段】 餌液体(130)を保持する餌容器本
体(110)と、該餌容器本体(110)から給餌液面
(132)を通じて餌液体を小動物(170)へ供給す
る給餌部位(123)を有する給餌部材(120)とを
備えており、餌容器本体と給餌部材との結合構造が、餌
容器本体に保持された餌液体の主要液面(131)の液
面位置の変動に対し給餌液面の液面位置と給餌部位の位
置関係が受動的に安定化される制御構造を有しているよ
うに構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小動物の給餌装置
ならびに飼育装置および飼育方法ならびに給液装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、昆虫等の小動物への給餌は、餌液
体を小動物と比較して小さな容器に保持し、この容器の
開口部近傍等の給餌部位において小動物に餌液体を飲食
等の消費をさせることで行っていた。たとえば、昆虫の
場合には、小さなゼリー容器に昆虫用ゼリーやシロップ
を入れて昆虫がこれらを消費できるようにしていた。
【0003】小さな容器を用いるのは、容器が小動物の
大きさに比べて大きいと、小動物が餌液体中に浸かるこ
とができ、餌液体を汚染したり餌液体に溺れて場合によ
っては死亡するという問題を回避するためである。
【0004】しかしながら、小さな容器を用いると、餌
液体を頻繁に供給する必要があり、給餌作業の負荷が大
きかった。また、小動物の餌液体の消費量に応じて自動
的に餌液体が供給されるようにセンサとそのセンサの出
力に基づいて給餌量を能動的に制御することも不可能で
はないが、センサや制御装置等を備える必要があり、装
置が大がかりになり高価なものにならざるをえないであ
ろう。そしてこのことは、小動物の給餌に限らず、一般
の液体の消費に応じた自動供給をする給液装置について
も同じであるといえる。発明者の知見によれば、こうし
た装置は少なくとも家庭用としては不向きであり、産業
用としても避けたほうがよい。
【0005】このような上記の給餌方法の問題の解決を
目的とするものではないが、上記問題を部分的に解決す
る可能性のあるものとして、特開平7−255324号
公報に開示された昆虫類の給餌装置を挙げることができ
る。この給餌装置は、カットされた自然木と、この自然
木内に設けられた餌液体の貯留部(餌容器本体)とを備
え、自然木の外周面には、貯留部に連通された給餌孔が
開口されており、この開口部が、貯留部に保持された餌
液体を浸潤により供給する浸潤芯線を通じて餌液体を浸
潤供給する給餌栓により閉塞されている。そして、この
給餌栓から昆虫に餌を供給するというものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
給餌装置では、餌液体が消費されるにつれて貯留部内の
餌液体の液面(後述する主要液面であり、かつ給餌液面
でもある)の位置が下がり、この液面と給餌栓(給餌部
位)との高低差が縮小する。そのため、餌液体が貯留部
に満たされているときと餌液体の残量が少なくなったと
きとで、給餌栓へ供給される餌液体の量が大きく変動す
ることになる。すなわち、上記給餌装置では、安定した
餌液体の供給は困難であった。
【0007】本発明の目的は、複雑で高価なセンサや能
動的な制御装置を必要とせず、安定した餌液体の供給が
可能な小動物の給餌装置ならびに小動物の飼育装置およ
び小動物の飼育方法を提供することにある。また、本発
明の別の目的は、複雑で高価なセンサや能動的な制御装
置を必要とせず、安定した餌液体の供給が可能な給液装
置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明によれば、餌液体(130,230,33
0,430,530,630,730)を保持する餌容
器本体(110,210,310,410,510,6
10,710)と、該餌容器本体(110,210,3
10,410,510,610,710)から給餌液面
(132,232,332,432,532,632,
732)を通じて餌液体を小動物(170,171,4
71,472,473,570,670,770)へ供
給する給餌部位(123,223,323,423,5
23,623,723)を有する給餌部材(120,2
20,320,420,520,620,720)とを
備えてなる小動物の給餌装置であって、前記餌容器本体
と前記給餌部材との結合構造が、前記餌容器本体に保持
された餌液体の主要液面(131,231,331,4
31,531,631,731)の液面位置の変動に対
し前記主要液面の液面位置と前記給餌部位の位置関係が
受動的に安定化される制御構造を有していることを特徴
とする小動物の給餌装置(100,200,300,4
00,500,600,700,800)が提供され
る。また、本発明の好ましい形態によれば、餌液体(1
30,230,330,430,530)を保持する餌
容器本体(110,210,310,410,510)
と、前記餌容器本体に餌液体が保持されたときに該餌液
体に浮力により保持され、かつ、小動物への給餌部位
(123,223,323,423,523)を有する
給餌部材(120,220,320,420,520)
とを備えてなる小動物の給餌装置(100,200,3
00,400,500)。が提供される。また、本発明
の好ましい形態によれば、餌容器本体および前記給餌部
材の間の小動物の通行補助部材(111,211,31
1,411,511,124a,124b)を有するも
のである、小動物の給餌装置が提供される。また、本発
明の好ましい形態によれば、前記給餌部材は、前記給餌
部位近傍から給餌液面より鉛直下方の部位まで通じる給
餌孔(122,222,322,422,522)を有
するものである、小動物の給餌装置が提供される。ま
た、本発明の好ましい形態によれば、前記給餌孔は、餌
液体浸潤部材(327,527)を備えたものである、
小動物の給餌装置が提供される。また、本発明の好まし
い形態によれば、前記給餌部材は、複数の給餌孔(42
2)を有するものである、小動物の給餌装置が提供され
る。また、本発明の好ましい形態によれば、前記給餌部
材は、上面に前記餌液体以外の飼育部材(528)を保
持する飼育部材保持部(529)を有するものである、
小動物の給餌装置が提供される。また、本発明の別の形
態によれば、給餌液面(631,731)の液面位置よ
りも鉛直上方において気密的に餌液体(630,73
0)を保持可能であり、かつ、前記給餌液面の液面位置
またはその近傍に鉛直方向最上部を有する開口部(61
42,7142)を備えた餌容器本体(610,71
0)と、前記開口部と連通する保液空間(6211,7
211)を水平方向に包囲し前記給餌液面の液面位置よ
りも鉛直上方まで餌液体を保持可能であり、かつ、前記
保液空間近傍に給餌部位(623,723)を有する給
餌部材(620,720)とを備えてなる小動物の給餌
装置(600,700)が提供される。また、本発明の
別の形態によれば、液体(730)の供給孔(714
2)を有し、液体を保持したときに前記供給孔における
前記液体の圧力が前記供給孔の外部と略同一かそれより
も高く保持される液体容器本体(710)と、前記供給
孔と連通する保液空間(7211)を水平方向に包囲し
液体を保持可能であり、かつ、前記保液空間近傍に給液
部位(723)を有する給液部材(720)と、前記保
液空間に液体が供給されたときに前記保液空間中の該液
体に浮力により保持され前記供給孔を閉塞可能なフロー
ト部材(740)とを備えてなる給液装置(700)が
提供される。また、本発明の別の形態によれば、液体と
して小動物の餌液体を保持可能な上記のごとき給液装置
(802)と、飼育部材(804,805,806)
と、飼育容器(810)とを備えてなる小動物の飼育装
置(800)が提供される。また、本発明の別の形態に
よれば、上記のごとき小動物の給餌装置(801,80
2,803)と、飼育部材(804,805,806)
と、飼育容器(810)とを備えてなる小動物の飼育装
置(800)が提供される。また、本発明の別の形態に
よれば、上記小動物の飼育装置の飼育容器に小動物を保
護しつつ小動物を飼育する小動物の飼育方法が提供され
る。
【0009】本発明において、小動物の給餌装置は給液
装置の、餌容器本体は液体容器本体の、給餌部材は給液
部材の、給餌部位は給液部位の、給餌孔は給液孔の、そ
れそれ下位概念であるが、構造上、液体として餌液体を
使用した場合をいうこと以外に対応する上位概念と特に
違いはない。したがって、本明細書において、下位概念
の用語により上位概念の用語を代表して説明することが
あるが、特に小動物の給餌用に限定される部分やそれ以
外の場合について特記した部分を除き、両者は対象とす
る液体の選択により交換可能なものとして扱う。本発明
において、餌容器本体とは、給餌装置が保持している餌
液体の主要部分を保持している容器をいう。また、主要
液面とは、餌容器本体内に保持されている餌液体の主要
部分の液面をいう。本発明において、給餌液面とは、餌
液体が餌容器本体から給餌部位へ供給される経路に沿っ
て給餌部位に最も近い餌液体の液面をいう。本発明にお
いては、この液面の鉛直方向位置が小動物への給餌効率
を左右する。なお、餌液体の給餌部位への供給に後述の
餌液体浸潤部材を経由する場合には液面の位置が判然と
しないこともあるが、この場合は、餌液体浸潤部材によ
る餌液体の鉛直上方への輸送の効果がなかった場合に液
面が存在したであろう位置をもって給餌液面の位置とす
る。この位置により餌液体浸潤部材による給餌効率が左
右されるからである。このように、給餌液面は、小動物
への給餌効率に直接的に影響を及ぼす液面であるともい
える。たとえば、餌容器本体の他に餌液体の一部を短期
間保持する保液空間が存在する場合(保液型給餌装置)
にはその液面が、保液空間が存在しない場合(非保液型
給餌装置)の場合には餌容器本体の主要液面やその一部
が該当する。
【0010】本発明において、小動物とは、カブトム
シ、クワガタムシを代表とする昆虫類や、マウス、ハム
スター、猫、犬等の小型のほ乳類、爬虫類、鳥類等をい
う。なお、小動物がおぼれるおそれがない程度に小さい
給餌装置を用い、溺死防止以外の効果を利用する場合に
は、牛馬のごとき大型の動物であっても、本発明におけ
る小動物に該当する。
【0011】本発明において、餌液体とは、小動物の流
動性の栄養源であり、容器により保持しなければ重力に
従って流出する傾向を有する、液体、ゼリー、ペースト
等の形態を有するものをいう。たとえば、水、砂糖水、
各種シロップが代表例であるが、人体や動物治療を目的
とする薬液等であってもよい。また、室内などの空間中
に一定量の気体を保持したい場合における左記の気体を
液化したもの(典型的には、揮発性液体を用い外気に対
して揮発性液体の気化したものを供給する形態を採る殺
虫剤、芳香剤、消臭剤などがある)でもよい。このよう
に小動物の餌液体に限定されない液体の給液装置として
使用するときは、本発明の「給餌」という語はすべて
「給液」という語、「餌液体」は「液体」に置き換えて
読む。
【0012】本発明において、給餌部位とは、餌液体を
小動物が消費する部位をいう。餌液体浸潤部材が存在し
ない場合の多くにおいては、給餌液面の近傍であり餌液
体を消費しようとする小動物がアクセスする部位が給餌
部位になる。餌液体浸潤部材が存在する場合には、その
表面や表面近傍も給餌部位となることが多い。なお、小
動物の給餌を目的としない場合においては、液体やそれ
が気化したものの供給を受ける主体(液体の気化を目的
とするときには外気あるいは大気が主体となることもあ
る)に液体が供給される部位を給液部位という。なお、
給餌部材は複数の部材からなっていてもよく、給餌部位
を形成する部材と保液空間や給餌液面に直接接する部材
とが別体のものであっても、全体として本発明の給餌部
材として作用するものは全体として給餌部材たりうる。
【0013】本発明において、「主要液面の液面位置の
変動に対し給餌液面の液面位置と給餌部位の位置関係が
受動的に安定化される制御構造」とは、小動物による餌
液体の消費や蒸散等による餌液体の減少に伴い主要液面
が変動しても、この変動量よりも、給餌液面と給餌部位
の位置関係の変動が小さくなるということ(安定化)
が、給餌装置の構造上自然に達成されるような構造をい
う。すなわち、センサを用い、その出力に応じてポンプ
等のアクチュエータを駆動することで上記位置関係を維
持しようとする能動的な制御ではなく、上記位置関係の
変動がある範囲を越えようとすると、それを妨げるよう
な作用が発生するような制御が行われる自然に行なわれ
るものである。主要液面からの餌液体の供給の動力とし
て電動のアクチュエータ等が使用されることは排除しな
いが、上記動力として餌液体や給餌装置に内在するエネ
ルギーを用いるのが好ましい。このような内在するエネ
ルギーとしては、餌液体等に作用する重力のエネルギ
ー、餌液体等から発生するガス等の圧力や熱のエネルギ
ー、外界から流入する熱や光のエネルギーなどがある。
【0014】本発明において、小動物の通行補助部材と
は、小動物が給餌部材の給餌部位に餌容器本体外部から
餌容器本体を経由してアクセスする場合に、その経路に
存在する段差等による通行の妨げを排除する機能を有す
る部材で、たとえば、梯子のような形態や経路の摩擦力
を向上させる凹凸加工などの形態をとりうる。また、外
部通行補助部材とは、通行補助部材のうち、餌容器本体
の外側(給餌部材のない側)に存在するものを、内部通
行補助部材とは、内側に存在するものをいう。
【0015】本発明において、餌液体浸潤部材とは、餌
液体を給餌液面から毛細管現象等により輸送する部材を
いう。たとえば、各種繊維、脱脂綿、スポンジ、コルク
(前二者は多孔質部材に含まれる)などが好ましく使用
される。
【0016】本発明において、餌液体以外の飼育部材と
は、餌液体以外に小動物の飼育に用いられる部材をい
う。たとえば、小動物が甲虫類の場合には、クヌギ等の
木材を粉砕したいわゆる昆虫マット、腐葉土、止まり
木、産卵木等やその容器などがあり、小動物が犬や猫の
場合には、用便用の砂、おもちゃなどもある。
【0017】本発明において、ある部位において気密的
に餌液体を保持可能とは、餌液体が開口部等から外部に
排出されるに際し、その部位の範囲内では、排出された
餌液体にかわって外部から気体や液体などが流入するこ
とがないように餌液体を保持できることをいう。好まし
くは、餌液体の外部への排出に伴なって形状や容積が大
きく変化しないような剛性を備えているのがよい。たと
えば、通常の牛乳瓶などであれば、孔があいていない限
り、注ぎ口から鉛直下方において気密的に牛乳を保持可
能ということになる。本発明において、保液空間とは、
餌容器本体から餌液体の供給を受け、一時的に餌液体を
保持可能な領域をいう。本発明にいう保液型給餌装置で
は、使用時には餌液体が餌容器本体と保液空間に概念上
区分して保持される。
【0018】本発明の重要なポイントは、餌容器本体と
給餌部材の結合構造が、餌液体の給餌液面の液面位置と
給餌部材の給餌部位の位置関係が受動的に安定化される
制御構造を有していることにある。本発明者の知見によ
れば、上記特開平7−255324号公報の給餌装置で
は、餌液体の主要液面が給餌液面と一致し、餌液体の小
動物による消費や蒸散により主要液面が変動しても、給
餌部位(給餌栓)の位置は変化しないため、給餌部位
(給餌栓)と給餌液面との位置関係は、主要液面の変動
をそのまま反映することになる。餌液体の供給が餌液体
にかかる重力等に基づく圧力を原動力としているとこ
ろ、上記圧力が餌液体の給液面と給餌部位との高低差に
比例するため、給餌部位と給餌液面との鉛直方向の位置
関係の変動は、そのまま給餌効率の変動につながる。し
たがって、餌液体がたくさんあるときは給餌栓から餌液
体が染み出してくるほど給餌効率が高く、餌液体が少な
くなるとほとんど餌液体が供給されないということにな
るのである。ゆえに、上記給餌装置では、せっかく大量
の餌液体を保持できても小動物が消費する量に応じた給
餌をすることができず、結局ある程度頻繁に給餌作業を
しなければならなかった。
【0019】本発明は、これに対し、主要液面の液面位
置の変動が給餌液面と給餌部位との位置関係に直接反映
されないようにすることにより、餌液体の小動物への給
餌効率を安定化するのである。そのための結合構造の具
体的な形態として、少なくとも追従型と保液型の2つの
形態を挙げることができる。
【0020】追従型は、非保液型の一形態であり、主要
液面と給餌液面の液面位置が本質的に一致しており、か
つ、主要液面の液面位置の変動に給餌部材の給餌部位の
位置が追従することように餌容器本体と給餌部材との結
合状態を保つよう構成されている。具体的形態として、
たとえば、フロート型を挙げることができる。フロート
型では、給餌部材が餌容器本体内に保持された餌液体に
浮かぶという形で給餌部材と餌容器本体とが結合するよ
うになっている。そのため、餌容器本体の主要液面が変
動しても、給餌部材の給餌部位はその液面の変化に追従
して位置を変えるので、たとえ主要液面が給餌液面と一
致していても、給餌部位と給餌液面との位置関係が安定
している。
【0021】また、保液型は、餌液体を餌容器本体から
給餌部材の給餌部位に供給するに際し、いったん給餌部
材や餌容器本体により画成された保液空間に餌液体を保
持し、保液空間での液面(給餌液面)と給餌部材の給餌
部位との位置関係を安定化するために、給餌液面の液面
位置が低くなると餌容器本体から餌液体が供給され、あ
る程度を超える液面位置になると餌容器本体から保液空
間への餌液体の供給を絞るように給餌部材と餌容器本体
とが結合されている。保液型は、主要液面が変動しても
給餌部位の位置は基本的に変動しないので、小動物のア
クセスを受けやすい。
【0022】また、保液型には、すくなくとも単純上部
気密型と閉塞フロート型とが含まれる。単純上部気密型
は餌容器本体に開口部を設け、開口部の最上部よりも鉛
直上方において餌容器本体が気密的に餌液体を保持でき
るように構成されている。保液空間の給餌液面が下がる
と、開口部の最上部が給餌液面よりも上になるので、開
口部から外気が流入できるようになり、これに代わっ
て、餌容器本体の餌液体が開口部から保液空間に供給さ
れる。この供給により保液空間の餌液体が増加して給餌
液面が上がり、開口部の最上部の高さに達すると、ここ
から外気が供給されなくなる。餌容器本体はここよりも
鉛直上方で気密的なので、餌液体をこれ以上外部に供給
すると餌容器本体内の圧力が外部よりも低くなり餌液体
の供給が阻害される。したがって、給餌液面は開口部の
最上部近傍に安定化されるのである。ただし、餌液体自
身が発泡性(気密容器に保持されていても自然にガスが
発生するなどして内部圧力が高まる場合があるという性
質)の場合や極端に高い熱膨張係数を有する場合には、
外部から外気を供給しなくても餌液体を外部に排出しよ
うとする圧力が発生することがあるので、適用範囲に限
界がある。
【0023】一方、閉塞フロート型は、保液空間中の餌
液体の給餌液面の液面位置が上がると餌容器本体の開口
部を閉塞し、下がると開放する閉塞フロートを保液空間
中に備えている。このフロートを用いるので、閉塞フロ
ート型の餌容器本体は上部気密型であってもよいがそう
である必要はない。また、餌液体が発泡性であっても、
餌容器本体内に発生しうる圧力に抗しうるだけの浮力を
フロートが備えておればよく、単純上部気密型よりも適
用範囲が広い。なお、この性質を利用して、液体として
特に発泡性の高いものを用いるか、非発泡性の液体に炭
酸ガスなどを混入して発泡性の液体としておくと、液体
容器本体内の空間と保液空間とを閉塞フロートにより分
離することができるのとあいまって、液体がほとんどな
くなるまで外気を液体容器本体内に取り込まないように
できるので、腐敗など外気の侵入に起因する問題が発生
しにくいようにもできる。
【0024】保液型は餌液体が外気に触れる量を最小限
とすることができるので、10日を超えるような長期間
の連続使用に適している。特に、上部気密型(単純型で
も閉塞フロート型でも)はその点で優れている。上部気
密型の閉塞フロート型は液体容器本体内の空間と保液空
間とを閉塞フロートにより分離することができるので、
さらにこの点で優れている。一方、追従型は、小動物の
餌液体の消費速度が高い場合に餌液体の種類を選ばない
ので、好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、甲虫類向けの給
餌装置に適用した7つの実施形態例について、図面を参
照しながら説明する。なお、これら7つの実施形態に関
して用いる参照符号は、第1桁が実施形態例の番号を表
し、第2桁が給餌装置を構成する部材の番号を表し、第
3桁および第4桁が各部材の細部を表している。第1桁
のみ異なり第2、第2および第3〜4桁が一致する部材
またはその細部は、異なる実施形態において対応する部
材またはその細部を表わすので、すでに別の実施形態で
対応する部材やその細部について説明した場合には、特
に触れない限りすでに説明したものと同一であるか、少
なくとも対応関係があるものとして説明を省略すること
がある。
【0026】図1は、本発明の給餌装置の第1の実施形
態例(追従型)の斜視図であり、図2および図3はその
A−A断面図である。給餌装置100は、餌容器本体1
10と給餌部材120とからなる。餌容器本体110
は、水平方向の断面が口の字型で鉛直方向には形状に変
化のない内のり高さH10の側壁111と底面112か
らなり、透明なプラスチックを素材としている。側壁1
11の外側には梨地加工がされており、小動物の足との
間に適当な摩擦力が働くようになっおり、小動物の給餌
部材120へのアクセスを容易にしている(外部通行補
助部材)。給餌部材120は、餌容器本体110の側壁
111の内のりの断面形状に内包される外形形状と鉛直
方向に貫通する給餌孔122を有するフロート部121
と、餌容器本体110および給餌部材120の間を甲虫
類170が通行することを助ける梯子部(内部通行補助
部材)124aおよび124bを有している。
【0027】フロート部121は発泡スチロール等の軽
量プラスチックや、コルク等の木材といった低密度素材
(1g/cm以下の密度を有する素材)で構成され、
前述の外形形状を有しているので、餌容器本体110に
餌液体130が保持されたときに浮力により餌液体13
0の上に保持される。給餌孔122はフロート部121
の鉛直下方の端で一辺D10の正方形、鉛直上方の端で
10りも大きなD20を一辺とする正方形の形状をし
ている。梯子部124aおよび124bは硬質プラスチ
ックを素材とし、フロート部121の鉛直下面から測定
した高さh10の台形の外形を有し1cm角の格子型の
網を図示のごとくフロート部121の外周部に合わせて
折り曲げた形態になっている。
【0028】餌容器本体110に餌液体130を保持す
ると浮力でフロート部121が餌液体130上に浮く。
このときの餌液体130の主要液面131はフロート部
121の鉛直上面よりも低く、鉛直下面より高くなる。
餌液体130は給餌孔122に浸入しこの部位に給餌液
面132をなす。甲虫類170は、この給餌液面132
にアクセスして餌液体を消費しうるようになっている。
すなわち、この近傍が給餌部位123となる。
【0029】さて、第1の実施形態例では、図3に示し
たように、主要液面131と概ね同一の高さとなる給餌
液面132は、餌液体130が消費されたり蒸散された
りして主要液面131の液面位置が変動しても、給餌部
位123との間の位置関係はほとんど変化しないように
受動的に制御される。餌液体130の比重が消費や蒸散
により変化することや給餌部材120を甲虫類が破損し
たり外部から昆虫マット等を持ち込んだりして給餌部材
120の実効的な体積や重量が変化する影響はあるが、
給餌部材120に対する餌液体130の浮力はあまり変
化せず、主要液面131の液面位置の変化に対し給餌部
位123の位置が追従して変化するからである。
【0030】また、梯子部124aおよび124bが設
けられているので、たとえ図3に示すように餌液体13
0がほとんどなくなってしまい、フロート部121の鉛
直上面と餌容器本体110の側壁111の鉛直上面との
高さの差が大きくなり甲虫類170が両者の間を通行し
にくくなっていても、甲虫類170は梯子部124aま
たは124bを通って容易に行き来することができる。
好ましくは、梯子部124aまたは124bの高さh
10を餌容器本体110の内のり高さH10より高くす
る。また、通行補助部材は梯子型である必要はなく給餌
部材と餌容器本体との間の足がかりとなるようなもので
あれば、どのような形態をとってもよいし、給餌部材に
固定されていても餌容器本体に固定されていても両者と
は独立に設けられていてもよい。
【0031】フロート部の給餌孔の大きさは、対象とす
る小動物が通り抜けにくい大きさであることが好まし
い。これにより、餌液体への小動物の転落の可能性を低
減することができる。たとえば、カブトムシ、ノコギリ
クワガタ等5cm以上の全長を有することが多い大型甲
虫類を主な対象とするときは、給餌孔の下面の寸法は水
平方向の最大長さで3cm以下であることが好ましく、
コクワガタ等の小型の甲虫類を主な対象とするときは2
cm以下とするのが好ましい。また、同様に小動物の転
落を防止するためには、フロート部の形状は、餌容器本
体の内のり形状に内包されるが形成されうる両者の間の
最大の隙間(図2の例では、フロート部121が側壁1
11のいずれか一つの壁に片寄せされたときの反対側に
できる隙間の大きさが約2Lとなる)が大型甲虫類向け
では1cm、小型甲虫類向けでは0.5cmを越えない
ようにするのが好ましい。なお、第1の実施形態例のよ
うに、フロート部の厚みより大きな高さを有する通行補
助部材をフロート部の外周部に備えているばあいには、
もっと隙間が大きくても安全であるばあいが多い。そう
いう意味で、第1の実施形態の梯子部のような通行補助
部材は、転落防止部材として機能することもある。
【0032】餌容器本体の内のりの面積は、1〜4匹程
度の甲虫類むけの場合、8〜100cm程度とするの
が手ごろである。餌容器本体の保持可能な餌液体の容量
は、20〜120cm程度がやはり手ごろである。フ
ロート部の厚みは、ある程度分厚いほうが安定度が高い
が分厚すぎると給餌部位や給餌液面への小動物のアクセ
スを妨げやすい。フロート部が概略平板に近い形状の場
合、3mm〜2cm程度が好ましい。
【0033】また、小動物が給餌部材に乗ったときに、
給餌部材が餌液体の中で転覆するのは好ましくないの
で、転覆防止部材を設けたほうがよい。たとえば、図4
に示したように、梯子部124bに甲虫類171が乗り
給餌部材120が転覆しそうになっても、梯子部124
aや124bが側壁111に引っかかって、ある程度以
上傾かないように構成されている場合の梯子部がこれに
該当する。
【0034】なお、第1の実施形態例は、餌容器本体1
10の側壁111の内のりの形状は鉛直方向高さに関係
なく実質的に一定であり、実質的に、餌液体130がい
っぱいのときからほとんど空のときまで、給餌部材12
0の外形形状を内包するように構成されている。この場
合、餌液体130の消費状況に関係なくつねに実質的に
同一の給餌効率が得られるので最も好ましい。しかし、
側壁の内のりの形状が、鉛直上面では給餌部材の外形形
状を内包しているが、鉛直下方に進むにつれて次第に小
さくなるなど変形し、ある高さで給餌部材の外形形状を
内包しえなくなることにより、そこまで給餌部材が下が
るまで餌液体が消費されるときまで給餌部位と給餌液面
の液面位置との位置関係が安定化され、それ以上餌液体
が消費または蒸散されたときには給餌効率が変化してゆ
くという構成であっても、本発明の特有の作用効果は発
揮され得る。この場合、餌容器本体に最大限餌液体を保
持した状態において給餌部材が存在する高さから、餌容
器本体の保持可能な餌液体の容量の1/3以上、更に好
ましくは2/3以上の容量の餌液体が消費されたときに
給餌部材が存在する高さまでは側壁の内のりの形状が給
餌部材の外形形状を内包しうるように構成されているの
がよい。なお、第1の実施形態例では、餌容器本体11
0の側壁の外部を梨地加工することにより外部通行補助
部材としたが、側壁の外側の素材を木材のような小動物
の足と適度な摩擦を有する素材にすることや、外側にピ
ラミッド状の階段や梯子のような構造を設けることでも
小動物の通行を補助することができる。梨地加工や素材
の選択は、側壁の内側について採用すれば、内部通行補
助種部材を構成することにも役立つ。
【0035】次に、図5に、本発明の給餌装置の第2の
実施形態例(追従型)の、図2に対応する断面図を示
す。第2の実施形態例は、第1の実施形態例における梯
子部124a、124bに対応するものがない(変更点
2−1)。また、フロート部221の給餌孔222の鉛
直上面と鉛直下面の開口サイズd20をほぼ一致させ、
フロート部221の鉛直下面に開口サイズd20よりも
小さな開口サイズd10の開口部226を有する下面板
225を備えている点(変更点2−2)で第1の実施形
態例と異なる。
【0036】上記変更点2−1は、餌容器本体210の
側壁211の高さが低いとき、フロート部221が分厚
いか素材の密度が低いために浮力が強いときやフロート
部221の大きさが小動物の大きさに比べて格段に大き
い場合など、給餌部材220の転覆のおそれが小さい場
合や、フロート部221の外形形状と側壁211の内の
りの形状の差が小さく、生じうる隙間が小さい場合や、
餌液体230がほとんど消費されて側壁211の鉛直上
面と給餌部材220の鉛直上面との段差が大きくなって
も小動物の給餌部位へのアクセスの障害が小さい場合
(餌容器本体210の側壁211の高さが低いとき、小
動物の大きさが給餌装置200全体よりも大きく、小動
物が給餌部材のうえに乗る必要がないときなど)には、
構成が簡単になるので、好適である。
【0037】また、変更点2−2は、フロート部221
が分厚いため小動物の給餌液面232へのアクセスが困
難になるおそれがある場合に、大きめの開口サイズ(1
個の開口部の面積の平方根)を有する給餌孔222を設
けやすくしたいときに開口サイズd20/d10との比
率をたとえば、2倍〜10倍程度に大きくしたり形状を
自由に設定できるので好ましい。この場合、下面板22
5はフロート部221と一体成形されていてもよいし、
図5のごとくフロート部221の下面全体に密着するよ
うに設けられていてもよいし、給餌孔221の周囲だけ
に設けられていてもよい。また、下面板225は、フロ
ート部221の素材が餌液体230を吸収しやすいとき
や柔軟で形状安定性が低い場合に、フロート部221の
形状安定性を高めるため用いてもよい。この場合は、下
面板225の素材としては、薄くて剛性が強い硬質プラ
スチックや金属などを用いるのが好ましい。なお、図5
では、下面板225には開口部226を1つだけ設けた
様子を示したが、フロート部221の給餌孔222に対
応する部位については、多数の開口部を設けてもよい。
この場合も、個々の開口部の開口サイズd10と給餌孔
222の開口サイズd20との比が上記のような範囲に
含まれるよう構成するのが好ましい。また、この構成に
よれば、小動物の転落のおそれが小さくできるので、給
餌部材220全体の浮力を十分とれるならば、給餌孔2
22や開口部226の総開口面積(給餌孔や開口部の開
口部分の総面積)をさらに大きくしもよい。フロート部
221が大きな給餌孔222により区分されていてもよ
い(この場合は、給餌孔部の中の所々にフロート部が存
在するといった形態になるかも知れないが、浮力が十分
ならそれでもよい)。
【0038】次に、図6に本発明の給餌装置の第3の実
施形態例(追従型)の、図2に対応する断面図を示す。
第3の実施形態例は、第1の実施形態例における梯子部
124a、124bにかわって、フロート部321の鉛
直下面の外縁部の少なくとも一部に鉛直下方に延びる下
面突起324が設けられている(変更点3−1)。ま
た、フロート部321の給餌孔322には、餌液体浸潤
部材を備えている点(変更点3−2)でも、第1の実施
形態例と異なる。
【0039】上記変更点3−1の下面突起324は、餌
容器本体310の側壁311の高さが低いときなど、餌
液体330がほとんど消費されて側壁311の鉛直上面
と給餌部材320の鉛直上面との段差が大きくなっても
小動物の給餌部位へのアクセスの障害は小さいが、フロ
ート部321の転覆のおそれがある場合の、給餌部材3
20の転覆防止手段となる。
【0040】なお、図6の構成においてこの下面突起3
24を設けると、その高さ近傍まで主要液面331の液
面位置が下がると、それ以上フロート部321は下がり
えないので、給餌部材320の給餌部位323と給餌液
面332との位置関係の安定化効果がなくなる。したが
って、この場合、好ましくは、餌容器本体に最大限餌液
体を保持した状態から、餌容器本体の保持可能な餌液体
の容量の1/3以上、更に好ましくは2/3以上の容量
の餌液体が消費された状態までは、下面突起が餌容器本
体の底面に接触しないように構成されているのがよい。
また、下面突起に対応する餌容器本体の底面の部位の深
さを下面突起の分だけ深くしておくと、主要液面の液面
位置が低下したときでも給餌部位と給餌液面との位置関
係の安定化を達成することができる。また、変更点3−
2の餌液体浸潤部材327は小動物が給餌液面332に
直接アクセスせずに餌液体330を消費できるようにす
るもので、給餌部位323と給餌液面332との距離が
大きいときや給餌孔322が小さいときなど、小動物が
給餌液面332にアクセスしにくい場合に好適である。
また、変更点3−1のため、下面突起324が餌容器本
体310の底面312に接するところまで主要液面33
1が下がった場合には、もはや給餌液面332と給餌部
位323の位置関係の安定化が機能しなくなるが、さら
に主要液面331が下がった場合でも、餌液体浸潤部材
327の存在により、給餌液面332が餌が小動物に全
く供給できなくなるという事態を避けることができる
(いずれにしても給餌効率は低下する)。また、給餌孔
322から小動物が転落することを防止する効果もあ
る。なお、餌液体浸潤部材は、図6に示したように給餌
孔322を貫通し閉塞しているのが好ましいが、たとえ
ば、フロート部321の下面より鉛直下方にのみ存在し
給餌孔の小動物による通過を妨げるようになっているだ
けでもよい。
【0041】次に、図7に本発明の給餌装置の第4の実
施形態例(追従型)の、図2に対応する断面図を示す。
第4の実施形態は、第1の実施形態における梯子部12
4a、124bがない(変更点4−1。変更点2−1と
同じ)。また、給餌孔422が複数個(図では6個)設
けられている(変更点4−2)点で第1の実施形態例と
異なる。
【0042】変更点4−1の特徴は、前述の変更点2−
1とほぼ同一である。
【0043】変更点4−2は、フロート部421のサイ
ズが小動物471、472、473等よりも格段に大き
く(たとえば、フロート部の水平方向サイズ(水平方向
の断面積の平方根)が想定される小動物(たとえば、小
型の甲虫類では3cm程度)の全長の3倍以上)、した
がって、餌容器本体410が大量に餌液体を保持できる
場合に好適な構成であり、多数の小動物が同時に餌液体
にアクセスできる。特にこのような大型の給餌装置にあ
っては、フロート部421が転覆する恐れも小さいの
で、変更点4−1との組み合わせが好適である。また、
変更点2−2をこの実施形態例に適用するのも好まし
い。
【0044】次に、図8に本発明の給餌装置の第5の実
施形態例(追従型)の、図7に対応する断面図を示す。
第5の実施形態例は、第4の実施形態例の給餌部材42
0のフロート部421のごとき平板形状のフロート部に
かわって、飼育部材528を保持可能なそれ自体深さを
有する容器の形態の飼育部材保持部529を有する厚手
のフロート部521を有している(変更点5−1)。ま
た、給餌孔522は1つだけになり(変更点5−2)、
ここに餌液体浸潤部材527が設けられている(変更点
5−3)。
【0045】変更点5−1は、フロート部521のサイ
ズが小動物570よりも格段に大きく(たとえば、フロ
ート部の水平方向サイズが想定される小動物(たとえ
ば、小型の甲虫類では3cm程度)の全長の3倍以
上)、したがって、小動物が常に給餌部材520上で生
活できるような場合(すなわち、給餌装置500自体が
飼育用容器たりうるほどに大きい場合)に好適な構成で
ある。小動物が常に給餌部材520上で生活できるな
ら、給餌部材520と餌容器本体510との通行は必要
なくなり、餌容器本体510に保持されている餌液体5
30の消費が進んで主要液面531が低下しても、小動
物570はフロート部521と餌容器本体510との段
差に関係なく給餌部位523へアクセスできるので好ま
しい。図8の構成では、給餌孔522はフロート部52
1の上面から下面へと貫通する形で形成されているが、
フロート部521または飼育部材保持部529の鉛直方
向の厚みが給餌孔522の開口サイズに匹敵するかそれ
以上の場合には、フロート部521または飼育部材保持
部529の上面から、その側面の、給餌液面より鉛直下
方の部位まで餌液体が通じうる形態としてもよい。いず
れにしても、給餌液面より下の部位に通じておれば、餌
液体を供給することはできる。なお、図8には、飼育部
材として昆虫マットのような粉体類や液体などの不定形
の飼育部材を保持するため飼育部材保持部としてそれ自
体深さを有する容器の形態のものを示したが、甲虫用の
止まり木や小動物用玩具などの飼育部材を保持する場合
には、これらの飼育部材と係合する係合部(フック類、
小穴、ピン類などが好ましく用いられる)を備えたもの
であってもよい。
【0046】変更点5−2は、さして重要ではない。給
餌孔522は複数設けてもよい。
【0047】また、変更点5−3は、飼育部材保持部5
29を設けて給餌部材520の厚みが分厚〈なった場合
に餌液体浸潤部材が小動物による餌液体へのアクセスの
補助として有用なことがあるので、好ましい。変更点2
−2をこの実施形態に適用するのも好ましい。ただし、
フロート部521または飼育部材保持部529の厚みが
分厚くなることがあるので、給餌孔522の開口形状な
どに注意する必要があろう。
【0048】図9は、本発明の給餌装置の第6の実施形
態例(保液型(単純上部気密型))の、図1に対応する
斜視図であり、図10はそのB−B断面図である。給餌
装置600は、餌容器本体610と給餌部材620とを
有している。餌容器本体610は、さらに餌保持部61
3と下部キャップ614からなる。餌保持部613は、
水平方向の断面が円形で鉛直方向には形状に変化のない
中空円筒形の形状をしており、鉛直下方には下部キャッ
プ614により閉じられる開口部を有し、それ以外は通
常の状態では液体や気体が流通できる開口部は有しない
気密的構造を有している。また、餌保持部613は透明
なガラスを素材としている。下部キャップ614は、中
空円筒形で鉛直下方に底面があり鉛直上方が開口してい
る。そしてこの開口部と餌容器本体610の鉛直下方の
開口部とを合わせると、それぞれの側面部に設けられた
スクリュー部により気密的に螺合しうるように構成され
ている。すなわち、餌保持部613と下部キャップ61
4とは、ガラス瓶とその蓋のような関係になっている。
ただし、下部キャップ614の側面には外部係止部61
41と側面開口部6142とが設けられている。外部係
止部6141は、下部キャップ614と餌保持部613
とを螺合して結合する際や結合を解く場合に下部キャッ
プ614が給餌部材620との間の滑りを防止するのも
のである。
【0049】側面開口部6142は、餌容器本体610
に保持された餌液体630が容器外部に供給される際に
通路となると同時に、餌液体630の外部への供給と引
き換えに外部から流入する外気の通路ともなるもので、
この開口部の鉛直方向の最上端から鉛直上方において餌
容器本体610は気密的である。
【0050】給餌部材620は下部キャップ614(す
なわち、餌容器本体下部)を水平方向に包囲し、保液空
間6210を除いて下部キャップ614とほぼ密着する
壁部を有する凹部を有しこの凹部で餌容器本体下部を保
持できるようになっている。保液空間6210は上記壁
部と下部キャップ614の側面開口部6142近傍の部
位より水平方向に包囲され、餌容器を一時的に保持する
空間をなしている。この壁部の給餌部材下底部からの高
さHは給餌液面632の給餌部材下底部からの高さ
(側面開口部6142の上端部の給餌部材下底部からの
高さに概略等しい)Hよりも常に高い。なお、保液空
間6210の底部には最低部が側面開口部6142の最
下部よりも鉛直下方にある凹部6212が設けてあり、
小動物が持ち込む土や昆虫マットなどの異物を保持でき
るようになっている。また、角部6213は、給餌装置
600を飼育容器の角部に突き当てて給餌装置の位置を
安定化させるためものである。このほかに、給餌容器の
内壁に密着させるためにフックのような係止部材や粘着
剤層が設けられていてもよい。
【0051】このように構成することにより、餌液体6
30が強い発泡性を有していたり大きな熱膨張係数を有
するものでない限り、前述の原理により給餌液面632
の位置は、開口部の鉛直上方の最上端近傍に安定化され
る。給餌部位623は保液空間6210の近傍にあり、
小動物670のアクセスを受ける。ここで、強い発泡性
を有するとは、給餌装置として使用する温度、気圧等の
条件下で容器に入れた状態の液体の体積と同容量以上の
ガスをその後の使用中に発生させる性質をいう。このよ
うな液体は単純上部気密型では、小動物等に消費されな
くても使用中にほとんどすべて外部に排出されてしまう
ことになる。単純上部気密型で使用した場合に、ガスに
よる正の圧力が発生したり、熱膨張、収縮に伴う正負の
圧力が発生しても、大半の液体を排出させることがない
程度の正負の圧力を外部と略同一の圧力という。
【0052】図11は、本発明の給餌装置(給液装置)
の第7の実施形態例(保液型(上部気密型、閉塞フロー
ト型))の、図10に対応する断面図である。下部キャ
ップ714(すなわち、餌容器本体610の下部)の開
口部(餌供給孔、液体供給孔)7142が側面ではなく
下面に設けられており、保液空間7210が下部キャッ
プ714の鉛直下方にまで広がっているとともに、閉塞
フロート740が保液空間に存在しており、給餌液面
(給液液面)732の液面位置が高いときには浮力によ
り餌供給孔7142を塞ぐようになっている点で第6の
実施形態例と異なる。
【0053】小動物770が保液空間7210の餌液体
を消費するか餌液体が蒸散するかして給餌液面732が
下がると、閉塞フロート740に対する浮力が低減し、
やがて餌供給孔7142から餌液体(液体)730が供
給され、給餌液面732の液面位置が再び上昇し、閉塞
フロートにかかる浮力と餌供給孔7142での餌液体7
30の圧力に起因する押し下げ力がつりあったときに餌
液体730の供給が終る。このことにより、給餌液面7
32の液面位置を安定化するのである。
【0054】なお、保液空間720の壁部の給餌部材下
底部からの高さHは給餌液面732の給餌部材下底部
からの高さHよりも常に高くなるように、閉塞フロー
ト740の浮力は十分高くなるよう設定されている。以
下、この点につき簡単に説明する。
【0055】図11の形態においては、閉塞フロート7
40の浮力Fは、閉塞フロート740のうち保液空間
7210の餌液体に沈んでいる部位の体積をVf1[m
]、閉塞フロートの体積をV[m]、閉塞フロー
トの素材の密度をC[kg/m]、餌液体730の
密度をC[kg/m]、重力の加速度をg[N/k
g]とすると、F=g(Vf1×C−V×C
[N]となる。一方、餌供給孔7142における押し下
げ力Fは、餌容器本体710内の気体空間733の圧
力から外気の圧力を差し引いたものをP[N/m]、
餌供給孔7142の開口面積をS[m]とすると、
=P×S[N]となる。いま、閉塞フロート74
0により餌供給孔7142が閉塞されているためには、
〉Fは満たされず、平衡状態では、通常、F
となる。簡単な構成の例として、図11の構成にお
いて、閉塞フロート740の水平方向の断面積S[m
]は鉛直方向の位置によらず一定とし、閉塞フロート
の高さをD[m]とすると、V=S×D
[m]となり、餌液体に沈んでいる部位の高さ(沈
み量)をD[m]とすると、Vf1=S×D[m
]となるので、F=gS(D×C−D×C
)[N]となる。
【0056】閉塞フロート740が餌供給孔7142を
閉塞しつつ平衡状態にあるとすれば、F=FよりP
×S=g×S(D×C−D×C)となるの
で、そのときの沈み量Dは、D=P×S/(g×
×C)+D×C/Cとなる。つまり、沈み
量Dは気体空間733の圧力Pに比例する。言い換え
ると、圧力によって給餌液面732の液面位置が変化す
る。閉塞フロート740の沈み量Dはその高さD
超えることはできないので、Dとしては、P×S
(g×S×(C−C))よりも大きい値を有して
いる必要がある。言い換えると、この範囲に含まれるよ
うに設計しておけば、給餌液面732の液面位置は高さ
の範囲内に常に安定化されるということである。な
お、閉塞フロートの形状や供給孔の寸法だけで調整しき
れないときは、スプリング等により閉塞フロートをその
浮力の方向に付勢するようにしてもよい。餌供給孔71
42の開口面積Sを小さくすればDの許容範囲が広
まるが、この面積を小さくすると、閉塞フロート740
の保液空間内の水平方向の位置のずれによって、餌供給
孔7142からうける圧力が閉塞フロート740の水平
方向の重心からはずれるおそれがあるので、閉塞フロー
ト740の水平方向の重心位置の変動範囲を餌供給孔7
142の開口範囲の最外縁が含むように設定されている
のが好ましい。
【0057】なお、図11の形態では、餌供給孔は1個
だけ有していたが、複数個備えれば、閉塞フロートの水
平方向の重心位置の変動が大きくても閉塞状態を安定的
に得やすい。このような場合、各供給孔の開口範囲のう
ち閉塞フロートの水平方向の重心からみて一番外側の外
縁同士を結んだ線分と開口範囲の最外縁を結んでなる閉
ループの内側に上記重心の変動範囲が含まれるようにす
ればよい。
【0058】また、図11の形態では、餌容器本体71
0は気密的なものとしたが、気体空間の上方は外気に連
通していてもよい(すなわち、上方は、開放されていて
いもよい)。この場合、餌液体が発泡性であるか否かに
関係なく、餌供給孔における圧力は、主として餌液体に
対する重力によって定まるので、極端な発泡性の餌液体
を用いる場合にはむしろ好ましい。また、餌容器本体の
鉛直上部を変形可能な構成とし、上部の自重またはアク
チュエータにより鉛直下方に加圧する構成(加圧型)と
してもよい。この場合、非発泡性の液体を上記の上部気
密型で発泡性液体を使用するのと同様の効果が得られ
る。この構成の具体例としては、餌容器本体をシリンダ
とピストンからなる注射器(ピストンが鉛直上方にあ
る)型の形態とし、ピストン部に重りまたは鉛直下方へ
の力を発生するアクチュエータを備えることで加圧する
構成がある。
【0059】また、図11の形態では、餌供給孔は餌容
器本体の下部に設けられていたが、餌容器本体からパイ
プやホースにより外気に対して気密的に保持された延長
部材により餌容器本体内と連通された、餌容器本体から
遠隔の位置に餌供給孔を設けてもよい。この場合、幾何
学的な位置関係が餌供給孔より餌容器本体が鉛直下方に
ある場合でも、餌容器本体から上記パイプやホースに接
続される部位から鉛直上方が気密的であれば、餌供給孔
の近傍において鉛直上方に気密的であるといえる。
【0060】なお、図11の形態は、閉塞フロート75
0を使用しなければ、単純上部気密型の保液型給餌装置
となりうる。また、閉塞フロートの密度を液体より高く
し、閉塞フロートが液体中に沈んだときマイナスの浮力
を発生するようにし、このマイナスの浮力の絶対値が給
液液面の液面位置が高いほど大きくなることを利用した
マイナス浮力型の閉塞フロート型を構成することもでき
る。この場合は、液体中に閉塞フロートが沈むまで保液
空間に液体を満たさないと本発明の安定化効果が得られ
ないので、注意が必要である。なお、これと対立する概
念として図11の形態をプラス浮力型という。
【0061】図12は、上記のとおり説明した追従型の
給餌装置801、保液型の給餌装置802、単純上部気
密型の給餌装置の構造を有する給水装置803、登り木
804、産卵木805および昆虫マット806を飼育容
器810の飼育部材保持部811に図示のごとく配置し
てなる飼育装置800の斜視図である。この飼育容器8
10の上部には、通常、メッシュ状の通気口を有する図
示しない蓋部がセットされ、小動物の逃亡およびショウ
ジョウバエなどの外来生物の侵入を防止するとともに外
気や水蒸気の流通を確保できるようになっている。給餌
装置801と802の両方を同時に使用する必要は必ず
しもないが、餌液体として蛋白質の豊富なものと糖分の
豊富なものとを同時に使用したい場合などに発泡性や腐
敗の容易性を考慮して使い分けすることも好ましい。
【0062】次に、本発明の小動物の給餌装置に用いる
に好適な餌液体の例を、小動物として甲虫類に適用する
場合について説明する。甲虫類用の餌液体としては、従
来より果糖類を大量に含むものが好ましいとされてき
た。糖分を中心とした餌液体としては、好ましくは、糖
分を10〜50[重量%]程度含むのがよい(糖分主体
餌液体)。糖分が少なすぎると、甲虫類は、水分の摂取
が過剰となって寿命が短くなりやすく、多すぎると、水
分の蒸散に伴なって糖分が析出しやすく、本発明の小動
物の給餌装置用の餌液体として好適な流動性が低下する
傾向にある。
【0063】また、本発明者の知見によると、夏期を中
心とする繁殖期には糖分ばかりでなく、十分な蛋白質を
有しているほうがよい。好ましくは、糖分を10〜50
[重量%]程度に加え、蛋白質を0.5〜5[重量%]
程度含んでいるとよい(蛋白質添加糖分主体餌液体)。
蛋白質は少なすぎても甲虫類の飼育が不可能になること
はないが、メスが産む卵の数が低下したり、場合により
共食いを起こすことがある。また、多すぎると腐敗しや
すくなる。さらに好ましくは、糖分は20〜35[重量
%]、蛋白質は1〜3[重量%]含んでいるのがなおよ
い。なお、蛋白質が多いと、餌液体は発泡性になりやす
く、単純上部気密型の保液型給餌装置には向かないが、
追従型や閉塞フロート型の保液型には差し障りない。こ
のほかに、カリウム、ナトリウム、カルシウム、脂質等
も含まれているのが好ましい。なお、残りは主に水分で
ある。
【0064】
【飼育例】以下、本発明の給餌装置および飼育装置を用
いた小動物の飼育方法を、小動物として甲虫類に適用し
た例を示す。
【0065】[餌液体例1]蛋白質の添加に重点を置か
ない糖分主体餌液体として、果汁100%(いったん濃
縮したものを水分を加えて還元したものでもよい)のリ
ンゴなどの果物ジュース100重量部(糖分が約10
[重量%]、蛋白質が0.1[重量%]程度、ナトリウ
ムやカルシウムが少量含まれている。残りの大部分は水
分である)に砂糖(黒砂糖、てんさい糖などが好ましい
が上白糖等でもよい)30重量部を混合することなどに
よって得た。この餌液体は若干の発泡性を有している。
【0066】[餌液体例2]蛋白質添加糖分主体餌液体
として、餌液体例1の砂糖含有量を20重量部とし、新
生児用粉ミルク(糖分50[重量%]蛋白質12[重量
%]、脂質27[重量%]が程度含まれている)20重
量部をさらに加えて混合することなどによって得た。こ
の餌液体は比較的強い発泡性を有している。
【0067】[飼育例1]図12に示した構造の飼育容
器(幅20cm、高さ20cm、奥行き30cmの直方
体形状)に、飼育部材としてマルカン社製昆虫マット
(クヌギ、コナラ粉体)を6リットルと水分1リットル
を、産卵木としてクヌギの朽ち木(直径5cm、長さ1
5cmの円柱形状)を、給水装置として図12の給水装
置803(容量500cc)を、登り木として、図12
に示した形態のものを、蓋部として平均メッシュ開口サ
イズ0.5mm以下の繊維メッシュを飼育容器本体との
間にはさんで飼育容器本体上にセット可能なプラスチッ
ク製蓋を、給餌装置として図5に示した追従型給餌装置
(上記に示した餌液体例1のもの100ccを保持して
いる。開口サイズ5mmの方形開口部多数を有する開口
サイズ40mmの給餌孔を備えている。)を、それぞれ
備えた小動物の飼育装置で、コクワガタひとつがいずつ
を飼育した(サンプル数3例)。
【0068】いずれのサンプルでも、7月の約1ヶ月間
にわたって、給餌、給水をすることなくコクワガタを飼
育することができ、ショウジョウバエ等の外来生物の侵
入もなかった。産卵の形跡が全サンプルで3ヶ所認めら
れた。
【0069】[飼育例2]給餌装置として、図1に示し
た追従型給餌装置(寸法は飼育例1と同じ)を用い、餌
液体として餌液体例2を用いたほかは飼育例1と同様の
条件でコクワガタひとつがいずつを飼育した(同3
例)。
【0070】1例ではコクワガタのメスが給餌孔から餌
液体に転落して死亡したが、その他の2例ではコクワガ
タはいずれも飼育例1と同様に飼育できた。産卵の形跡
が全サンプルで7ヶ所認められた。
【0071】図6〜8のいずれの給餌装置を用いても飼
育例1または2と同様の結果が得られる。
【0072】[飼育例3]給餌装置として、図10に示
した単純上部気密型の保液型給餌装置(容量は100c
c)を用いたほかは飼育例1と同様の条件でコクワガタ
ひとつがいを飼育した(同1例)。餌液体の若干の発泡
のため、一部の餌液体が飼育部材上に漏出したが、その
他は飼育例1と同様に飼育することができた。産卵の形
跡は1ヶ所認められた。
【0073】[飼育例4]給餌装置として、餌液体とし
て餌液体例2を用いたほかは飼育例1と同様の条件でコ
クワガタひとつがいを飼育しようとした(同1例)。餌
液体の発泡のため、大半の餌液体が飼育部材上に漏出
し、1ヶ月の飼育を継続できなかった。
【0074】[飼育例5]給餌装置として、図11に示
した上部気密型かつ閉塞フロート型の保液型給餌装置
(容量は100cc)を用いたほかは飼育例4と同様の
条件でコグワガタひとつがいを飼育した(同1例)。餌
液体は発泡したが、餌液体が飼育部材上に漏出しなかっ
た。その他は飼育例3と同様に飼育することができた。
産卵の形跡は2ヶ所認められた。
【0075】
【発明の効果】本発明の小動物の給餌装置(給液装置)
によれば、小動物への給餌部位(給液部位)と給餌液面
(給液液面)との位置関係が安定化されるので、複雑で
高価なセンサや能動的な制御装置を必要とせず、安定し
た餌液体(液体)の供給が可能となる。
【0076】また、本発明の小動物の飼育装置および飼
育方法によれば、安定した餌液体の供給により手間のか
からない小動物の飼育が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の小動物の給餌装置の第1の実施形態を
示す斜視図である。
【図2】図1の装置のA−A断面図である。
【図3】図1の装置の餌液体が減少した様子を示すA−
A断面図である。
【図4】図1の装置における梯子部の転覆防止作用を示
すモデル図である。
【図5】本発明の小動物の給餌装置の第2の実施形態を
示す断面図である。
【図6】本発明の小動物の給餌装置の第3の実施形態を
示す断面図である。
【図7】本発明の小動物の給餌装置の第4の実施形態を
示す断面図である。
【図8】本発明の小動物の給餌装置の第5の実施形態を
示す断面図である。
【図9】本発明の小動物の給餌装置の第6の実施形態を
示す斜視図である。
【図10】図9の装置のB−B断面図である。
【図11】本発明の小動物の給餌装置の第7の実施形態
を示す断面図である。
【図12】本発明の飼育装置の一実施形態の斜視図であ
る。
【符号の説明】
100,200,300,400,500,600,7
00:給餌装置(給液装置) 110,210,310,410,510,610,7
10:餌容器本体(液体容器本体) 111,211,311,411,511:側壁 112,212,312,412,512:底面 613,713:餌保持部 614,714:下部キャップ 6142:側面開口部 7142:餌供給孔(開口部) 7143:孔突出部 120,220,320,420,520,620,7
20:給餌部材(給液部材) 121,221,32
1,421,521:フロート部 122,222,322,422,522:給餌孔(給
液孔) 123,223,323,423,523:給餌部位
(給液部位) 124a,124b:梯子部,324:下部突起 225:下面板 226:開口部 327,527:餌液体浸潤部材(液体浸潤部材) 528:飼育部材 529,811:飼育部材保持部 6210,7210,7211:保液空間 6212:凹部 6213,7213:角部 130,230,330,430,530,630,7
30:餌液体(液体) 131,231,331,431,531,631,7
31:主要液面 132,232,332,432,532,632,7
32:給餌液面(給液液面) 733:気体空間 740:閉塞フロート

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】餌液体(130,230,330,43
    0,530,630,730)を保持する餌容器本体
    (110,210,310,410,510,610,
    710)と、該餌容器本体(110,210,310,
    410,510,610,710)から給餌液面(13
    2,232,332,432,532,632,73
    2)を通じて餌液体を小動物(170,171,47
    1,472,473,570,670,770)へ供給
    する給餌部位(123,223,323,423,52
    3,623,723)を有する給餌部材(120,22
    0,320,420,520,620,720)とを備
    えてなる小動物の給餌装置であって、前記餌容器本体と
    前記給餌部材との結合構造が、前記餌容器本体に保持さ
    れた餌液体の主要液面(131,231,331,43
    1,531,631,731)の液面位置の変動に対し
    前記給餌液面の液面位置と前記給餌部位の位置関係が受
    動的に安定化される制御構造を有していることを特徴と
    する小動物の給餌装置(100,200,300,40
    0,500,600,700)。
  2. 【請求項2】餌液体(130,230,330,43
    0,530)を保持する餌容器本体(110,210,
    310,410,510)と、前記餌容器本体に餌液体
    が保持されたときに該餌液体に浮力により保持され、か
    つ、小動物への給餌部位(123,223,323,4
    23,523)を有する給餌部材(120,220,3
    20,420,520)とを備えてなる小動物の給餌装
    置(100,200,300,400,500)。
  3. 【請求項3】さらに、餌容器本体および前記給餌部材の
    間の小動物の通行補助部材(111,211,311,
    411,511,124a,124b)を有する、請求
    項2に記載の小動物の給餌装置。
  4. 【請求項4】前記給餌部材は、前記給餌部位近傍から給
    餌液面より鉛直下方の部位まで通じる給餌孔(122,
    222,322,422,522)を有するものであ
    る、請求項2または3に記載の小動物の給餌装置。
  5. 【請求項5】 前記給餌孔は、餌液体浸潤部材(32
    7,527)を備えたものである、請求項4に記載の小
    動物の給餌装置。
  6. 【請求項6】 前記給餌部材は、複数の給餌孔(42
    2)を有するものである、請求項4または5に記載の小
    動物の給餌装置。
  7. 【請求項7】前記給餌部材は、上面に前記餌液体以外の
    飼育部材(528)を保持する飼育部材保持部(52
    9)を有するものである、請求項2〜6のいずれかに記
    載の小動物の給餌装置。
  8. 【請求項8】給餌液面(631,731)の液面位置よ
    りも鉛直上方において気密的に餌液体(630,73
    0)を保持可能であり、かつ、前記給餌液面の液面位置
    またはその近傍に鉛直方向最上部を有する開口部(61
    42,7142)を備えた餌容器本体(610,71
    0)と、前記開口部と連通する保液空間(6210,7
    210)を水平方向に包囲し前記給餌液面の液面位置よ
    りも鉛直上方まで餌液体を保持可能であり、かつ、前記
    保液空間近傍に給餌部位(623,723)を有する給
    餌部材(620,720)とを備えてなる小動物の給餌
    装置(600,700)。
  9. 【請求項9】液体(730)の供給孔(7142)を有
    し、液体を保持したときに前記供給孔における前記液体
    の圧力が前記供給孔の外部と略同一かそれよりも高く保
    持される液体容器本体(710)と、前記供給孔と連通
    する保液空間(7211)を水平方向に包囲し液体を保
    持可能であり、かつ、前記保液空間近傍に給液部位(7
    23)を有する給液部材(720)と、前記保液空間に
    液体が供給されたときに前記保液空間中の該液体に浮力
    により保持され前記供給孔を閉塞可能なフロート部材
    (740)とを備えてなる給液装置(700)。
  10. 【請求項10】液体として小動物の餌液体を保持可能な
    請求項9に記載の給液装置(802)と、飼育部材(8
    04,805,806)と、飼育容器(810)とを備
    えてなる小動物の飼育装置(800)。
  11. 【請求項11】請求項1〜9のいずれかに記載の小動物
    の給餌装置(801,802,803)と、飼育部材
    (804,805,806)と、飼育容器(810)と
    を備えてなる小動物の飼育装置(800)。
  12. 【請求項12】請求項10または11に記載の小動物の
    飼育装置の飼育容器に小動物を保護しつつ、小動物を飼
    育する小動物の飼育方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007176853A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Fumakilla Ltd ハチ類誘引原液及びハチ類誘引捕獲方法
CN110810339A (zh) * 2019-11-08 2020-02-21 浙江省农业科学院 一种简便、高效更换斜纹夜蛾幼虫食料的装置及方法

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