JP2001054238A - 変圧器の運転制御方法 - Google Patents

変圧器の運転制御方法

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JP2001054238A
JP2001054238A JP11225198A JP22519899A JP2001054238A JP 2001054238 A JP2001054238 A JP 2001054238A JP 11225198 A JP11225198 A JP 11225198A JP 22519899 A JP22519899 A JP 22519899A JP 2001054238 A JP2001054238 A JP 2001054238A
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power supply
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voltage
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JP11225198A
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Teruhiko Maeda
照彦 前田
Ryuichi Morikawa
竜一 森川
Masahiro Hamaguchi
昌弘 浜口
Hiroshi Shioda
広 塩田
Takashi Yamada
隆 山田
Mitsuhiro Nakase
光博 中瀬
Kotaro Tanaka
耕太郎 田中
Fumio Takekoshi
文男 竹越
Shigetoshi Higaki
成敏 檜垣
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 励磁突流を抑制して変圧器の無負荷損失の低
減を容易に実現すること。 【解決手段】 変圧器2の入力側には、コンバータ7及
びインバータ8を備えた可変交流電源3の出力端子8
a、8bが直列に挿入される。変圧器2の運転を停止す
る際には、二次側遮断器5を開放して変圧器2を無負荷
状熊にした後、可変交流電源3の出力電圧を入力端子1
a、1bへの入力電圧と逆位相として変圧器2の励磁電
圧を低減させる。この状態で一次側遮断器4を開放して
変圧器2の運転を停止することにより、変圧器2の鉄心
内の残留磁束を低減し、その後に、一次側遮断器4を再
投入する際において変圧器2に流れる励磁突流を低減さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、負荷に安定した交
流電圧を供給したり、受変電設備での損失を低減可能に
なる変圧器の運転制御方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】電力会社から需要家に
配電する場合、送配電時の損失を低減するために負荷端
での電圧より高い電圧で送配電される。このため、変圧
器による電圧変換が不可欠となる。電力の消費に当たっ
ては、昼間と夜間、製造工場などでの休憩時間など起因
した時間変動が避けられないものであり、受変電設備は
最大の負荷に合わせた設備容量を持つ必要がある。しか
しながら、最大容量に合わせた受変電設備を設けた場合
には、夜間電力使用量が低減するのに伴い、必要な電力
量に対する変圧器などの無負荷損失の割合が大きくな
り、電力の使用効率を下げる原因になる。
【0003】変圧器の無負荷損失を低減するために電力
未使用時に変圧器を配電系統から解放(運転停止)する
ことが行われるが、この解放の際には、変圧器鉄心の残
留磁束が大きくなる場合がある。このような場合には、
その後に変圧器の運転を再開するときに変圧器に大きな
励磁突流が流れ、これが変圧器やこれに対応して設けら
れた遮断器に悪影響を及ぼすようになる。このため、無
負荷損失を低減するために変圧器を安易に解放すること
が難しくなるという事情があった。また、無負荷損失の
増大に対処するため、変圧器の無負荷損失を低減できる
非晶質鉄心などを用いた試みもなされているが、変圧器
の大きさや重量の増大により、設置スペースの確保や設
置場所の補強工事などを要するという欠点があった。
【0004】一方、生産設備の増強などで電力の使用量
が増大した場合、受電容量を増し変圧器の容量を増す必
要があるが、このような場合、設備の短絡容量も大きく
なるため、保護用の遮断器についても容量を増す必要が
あり、結果的に、設備容量の増大には多大の費用と長い
更新期間を必要としていた。
【0005】さらに、送配電系統には非線形機器(整流
器やアーク炉など)のような高調波発生負荷が接続され
るの起因した高調波発生の問題がある。このため、電力
利用設備側で高調波による損失や機器の誤動作を防ぐ必
要があり、実際には高調波フィルタを設置することが行
われる。高調波フィルタの設置にあたっては、使用する
負荷機器の特性、使用構内の配電線のインピーダンス特
性の他に電力会社側での配電線や他の需要家のインピー
ダンスや発生高調波を考慮する必要があり、このため高
調波フィルタの設置には検討期間を要すると共に、需要
家の負荷が発生する高調波の容量に対し過大な容量の高
調波フィルタ設備を必要とし、過大なコストを要してい
た。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、励磁突流を抑制できて、変圧器の無
負荷損失の低減を容易に実現できるようになる変圧器の
運転制御方法を提供すること、遮断器の容量を増すこと
なく受電容量を増大することができる変圧器の運転制御
方法を提供すること、高調波フィルタの設置の際に過大
な容量の高調波フィルタを必要としなくなる変圧器の運
転制御方法を提供することにある。
【0007】
【問題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
変圧器の一次側若しくは二次側に可変交流電圧を発生す
る可変交流電源の出力を直列に挿入した上で、前記変圧
器の運転を停止する際に、その変圧器における前記可変
交流電源の挿入側と反対側に設けた遮断器を遮断した後
に、当該可変交流電源の出力電圧調整により変圧器の励
磁電圧を低減した状態で変圧器の運転を停止するように
したものである。
【0008】一般的に、変圧器の励磁突流は鉄心の残留
磁束と、電源投入時の電圧位相によって影響される。変
圧器の励磁突流を抑制するためには、変圧器鉄心の残留
磁束を低減することが有効である。請求項1記載の変圧
器の運転制御方法によれば、変圧器の一次側若しくは二
次側に可変交流電源の出力が直列に挿入されているか
ら、その可変交流電源の出力電圧を調整することによ
り、変圧器を定格電圧より低い電圧で励磁することが可
能になる。
【0009】この場合、請求項1記載の変圧器の運転制
御方法のように、変圧器の運転を停止する際に、その変
圧器における前記可変交流電源の挿入側と反対側に設け
た遮断器を遮断した後に、当該可変交流電源の出力電圧
調整により変圧器の励磁電圧を低減した状態で変圧器の
運転を停止したときには、変圧器鉄心内の残留磁束を低
減できるようになる。その結果、負荷に電力供給してい
る状態の変圧器の運転を停止した後に、その変圧器の運
転を再開する場合に、変圧器に流れる励磁突流を低減す
ることが可能となる。これにより、励磁突流による遮断
器や変圧器ヘの悪影響を防ぐことができるようになり、
また、電力未使用時に変圧器を解放することが容易とな
って、変圧器による無負荷損失の発生を防ぐことが可能
となる。このように、変圧器による無負荷損失の発生を
防止できる結果、変圧器の鉄心材料に非晶質磁性材料を
用いる必要がなくなり、安価で設置スペースを削減可能
な変圧器を使用可能となる。
【0010】請求項2記載の発明は、変圧器の一次側若
しくは二次側に可変交流電圧を発生する可変交流電源の
出力を直列に挿入した上で、前記変圧器の電源電圧の大
きさ及び位相を検出する電圧検出手段を設け、前記変圧
器の電源を投入する際に、前記可変交流電源の出力電圧
を前記電圧検出手段で得られた電源電圧の大きさと位相
に基づいて調整することにより、当該変圧器の励磁電圧
を低減した状態で励磁開始するようにしたものである。
【0011】一般的に、変圧器における励磁突入は鉄心
の飽和によつて生じるものであるため、請求項2記載の
変圧器の運転制御方法のように、可変交流電源の出力電
圧を、変圧器の電源電圧の大きさ及び位相に基づいて調
整することにより、当該変圧器の励磁電圧を低減した状
態で励磁開始した場合には、変圧器鉄心を飽和させるこ
となく徐々に所定の励磁電圧まで上昇させることが可能
になり、これにより励磁突流を防止できるようになる。
従って、負荷を使用しないとき変圧器を配電系統から切
り離しても、その変圧器を再投入する際の励磁突流を防
止できるものであり、その励磁突流による遮断器や変圧
器への悪影響を抑止すると共に、電力未使用時の変圧器
による無負荷損失の発生を防ぐことが可能となる。この
ように、変圧器による無負荷損失の発生を防止できる結
果、変圧器の鉄心材料に非晶質磁性材料を用いる必要が
なくなり、安価で設置スペースを削減可能な変圧器を使
用可能となる。
【0012】請求項3記載の発明は、複数台の変圧器を
並列運転することにより負荷に電力を供給するようにし
た変圧器の運転制御方法において、並列運転している変
圧器の一部を運転停止しても前記負荷に所要の電力を供
給できる状態のとき、変圧器の運転台数を調整するよう
にしたものである。
【0013】この運転制御方法によれば、並列運転して
いる変圧器のうち一部を運転しなくても所要電力が供給
できる状態のとき、その電力供給に必要な変圧器以外の
変圧器の並列運転を停止することにより、変圧器での運
転損失を全台数の変圧器を並列運転する状態時より低減
させることが可能になる。
【0014】この場合、請求項4記載の発明のように、
並列運転される変圧器を、少なくとも2種類以上の損失
特性を有する状態とし、負荷容量に応じて各変圧器の単
独運転、所定台数の並列運転を随時選択するようにして
も良い。このような運転制御方法によれば、少なくとも
2種類以上の損失特性を有する変圧器を並列運転し、負
荷容量に応じてそれぞれの単独運転、所定台数の並列運
転を随時選択することにより、変圧器で発生する損失
を、常に全台数で並列運転する場合より低減することが
可能となる。
【0015】請求項5記載の発明は、複数台の変圧器を
並列運転することにより負荷に電力を供給するようにし
た変圧器の運転制御方法において、前記各変圧器の一次
側若しくは二次側に可変交流電圧を発生する可変交流電
源の出力をそれぞれ直列に挿入した上で、並列運転して
いる変圧器の一部を運転停止しても前記負荷に所要の電
力を供給できる状態のとき、並列運転を停止する変圧器
の負荷電流が最小となるように前記可変交流電源の出力
電圧を調整し、この状態で当該変圧器の電源遮断を行う
ようにしたものである。
【0016】前記請求項3及び4記載の変圧器の運転制
御方法では、並列運転される変圧器の負荷分担は、各変
圧器のインピーダンスにより決まるため、並列運転して
いる変圧器の一部を運転停止する際には、無負荷の場合
以外は必ず負荷電流を遮断することになる。これに対し
請求項5記載の運転制御方法によれば、並列運転してい
る変圧器の一部を運転停止する場合に、運転停止する変
圧器の負荷電流が最小となるように可変交流電源の出力
電圧を調整し、この状態で変圧器の電源遮断が行われる
から、その電源遮断時に大きな電流を遮断する必要がな
くなる。このため、電源遮断に供される遮断器で大きな
負荷電流を遮断する必要がなくなるから、その遮断器の
劣化を防止しつつ、並列運転する変圧器の台数を低減で
きて受変電設備全体での無負荷損失の発生を低減できる
ようになる。
【0017】この場合、請求項6記載の発明のように、
変圧器の運転を停止する際に、その変圧器における可変
交流電源の挿入側と反対側に設けた遮断器を遮断した後
に、当該可変交流電源の出力電圧調整により変圧器の励
磁電圧を低減した状態で変圧器の運転を停止するように
しても良い。この運転制御方法によれば、負荷が増大し
て変圧器の並列運転を再開する場合に、その変圧器の励
磁突流を低減できるため、突流による遮断器や変圧器へ
の悪影響、及び受電点での急激な電圧変動による瞬時電
圧低下を防止することが可能となる。
【0018】請求項7記載の発明は、複数台の変圧器を
並列運転することにより負荷に電力を供給するようにし
た変圧器の運転制御方法において、前記各変圧器の一次
側若しくは二次側に可変交流電圧を発生する可変交流電
源の出力をそれぞれ直列に挿入した上で、解放状態の変
圧器を並列運転状態に切り換える際に、前記可変交流電
源の電圧調整により変圧器の励磁電圧を低減した状態で
変圧器の励磁を開始した後に所定の励磁電圧とし、並列
運転に供するようにしたものである。この運転制御方法
によれば、解放状態の変圧器の運転を再開して並列運転
に供する場合に、その変圧器鉄心を飽和させることなく
徐々に所定の励磁電圧まで上昇させることが可能になっ
て、これにより励磁突流を防止できるようになるから、
負荷の状態に合わせて無負荷損失を低減できるようにな
る。
【0019】この場合、請求項8記載の発明のように、
並列運転開始時の変圧器の負荷分担が最小となるよう
に、可変交流電源の出力電圧を調整するようにしても良
い。このような運転制御方法によれば、励磁が開始され
ている変圧器を並列運転する際に、後から運転開始され
る変圧器の負荷分担が最小となるように可変交流電源の
出力を調整することにより、変圧器の運転開始時に当該
変圧器に負荷電流が急激に流れ始めることを防止し、受
変電設備全体の急激なインピーダンス変化を防止し、負
荷点での電圧変動を防止できるようになる。
【0020】請求項9記載の発明は、変圧器の二次側に
可変交流電圧を発生する可変交流電源の出力を直列に挿
入した上で、前記変圧器として%インピーダンスが10
%以上のものを使用し、負荷短絡時には可変交流電源の
出力を低インピーダンスで短絡するようにしたものであ
る。
【0021】この運転制御方法によれば、変圧器インピ
ーダンスによる電圧変動を交流電源の出力電圧調整によ
り補償できるため、負荷変動があっても、出力電圧の変
動を小さくまたは全くなくすことができる。そのため、
変圧器のインピーダンスを大きくしても電圧変動率を小
さい状態にすることができる。また、負荷側で短絡が発
生した場合、可変交流電源の出力が低インピーダンスで
短絡されるから、可変交流電源からは高電圧が発生せ
ず、変圧器の高インピーダンスで制限される短絡電流が
流れるため、通常の電圧変動率の小さな変圧器より短絡
電流を抑えることが可能で、保護用の遮断器の容量を小
さくすることが可能となる。
【0022】請求項10記載の変圧器の運転制御方法
は、変圧器の二次側に可変交流電圧を発生する可変交流
電源の出力を直列に挿入した上で、前記可変交流電源の
出力電圧を、前記変圧器を通過する高調波電流に応じ調
整することにより、その変圧器を通過する高調波電流を
制御するようにしたものである。
【0023】この運転制御方法によれば、可変交流電源
の出力を、回路を流れる高調波に応じて制御することに
より、交流電源の高調波に対するインピーダンスを制御
することが可能となる。そのため、電源側の高調波に合
わせて当該交流電源装置の高調波に対するインピーダン
スを増加させることにより、当該交流電源装置の負荷側
に設けた高調波フィルタへの電源側の高調波の流入を防
ぐことが可能となるから、電力会社側での配電線や他の
需要家のインピーダンスや発生高調波を考慮する必要が
なくなり、高調波フィルタの設置に当たり、需要家の負
荷が発生する高調波の容量に対してのみ考慮した設備容
量とすることで高調波フィルタ設置の際のコストを低減
することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)図1及び図
2には本発明の第1実施例が示されており、以下これに
ついて説明する。尚、この第1実施例は請求項1記載の
発明に対応する。交流電源装置の概略構成を示す図1に
おいて、交流電源装置1の入力端子1a、1bと出力端
子1c、1dとの間に接続される変圧器2は、配電系統
中に設けられるもので、その入力側(一次側)には、可
変交流電源3の出力が直列に挿入された状態となってい
る。また、交流電源装置1の入力側には、入力端子1
a、1bと変圧器2の一次側との間を全遮断可能な一次
側遮断器4が設けられ、交流電源装置1の出力側には、
変圧器2の二次側と出力端子1c、1dとの間を全遮断
可能な二次側遮断器5が設けられている。尚、出力端子
1c、1d間には負荷6が接続されることになる。
【0025】上記可変交流電源3は、具体的には、交流
入力を直流出力に変換するコンバータ7と、このコンバ
ータ7の直流出力を交流出力に変換するインバータ8と
から成るもので、インバータ8の一対の出力端子8a、
8bを、前記入力端子1aと変圧器2との間に前記一次
側遮断器4を介して直列に挿入した構成となっている。
【0026】この場合、可変交流電源3の出力周波数
は、変圧器2のための交流電源(入力端子1a、1b間
に与えられる交流電源)と同一の周波数となるように制
御されるものであり、また、その出力電圧のレベル及び
位相は、上記交流電源電圧とは独立した状態で制御され
るようになっている。尚、可変交流電源3のための交流
入力は、入力端子1a、1b側から得れば良いが、全く
別の電源から得ても差し支えなく、また、インバータ8
の制御用電源が確立できるのであれば、交流電源装置1
の出力端子1c、1d側から得る構成とすることも可能
である。
【0027】上記のような交流電源装置1にあっては、
入力端子1a、1b間に変圧器2のための電源電圧Vin
が与えられている状態で、可変交流電源3から変圧器2
のための電源周波数と同一周波数の交流電圧Vacが出力
されたときには、出力端子1c、1d間で得られる出力
電圧Vout は次式(1)で与えられる。但し、ηは変圧
器2の変圧比である。
【0028】 Vout =(Vin+Vac)×η ……(1) 従って、可変交流電源3の出力電圧Vacのレベル及び位
相を変化させることにより、交流電源装置1の出力電圧
Vout の大きさ及び位相を変化させる動作が可能とな
る。このような動作を図2のベクトル図を用いて具体的
に説明する。即ち、可変交流電源3の出力周波数は、変
圧器2の電源と同一周波数となるように制御されるが、
その出力電圧Vacは変圧器2の電源電圧Vinとは独立し
た状態で制御される。この可変交流電源3の出力端子8
a、8bは変圧器2の一次側に直列に挿入されているた
め、変圧器2の一次側には入力端子1a、1bに対する
入力電圧Vinと、可変交流電源3の出力電圧Vacとのベ
クトル和が入力されることになる。
【0029】このため、図2に示すように、変圧器2の
入力電圧ベクトルが円A(入力端子1a、1bに対する
入力電圧ベクトルの始点を中心とした円)の外側となる
ような出力電圧Vacを可変交流電源3で発生させれば、
変圧器2の入力電圧の大きさを可変交流電源3を用いな
い場合の入力電圧(=Vin)よりも大きくできるため、
その出力電圧Vout を増大できる。この逆に、変圧器2
の入力電圧ベクトルが円Aの内側となるような出力電圧
Vacを可変交流電源3で発生させれば、変圧器2の入力
電圧の大きさを可変交流電源3を用いない場合よりも小
さくできるため出力電圧Vout を低減できるものであ
る。また、図2においては、変圧器2の入力電圧ベクト
ルを、入力端子1a、1bの入力電圧ベクトルに対し進
み位相側に調整した例(位相差をθで表現)を示してい
るが、進み位相側及び遅れ位相側のどちら側にも調整可
能となる。
【0030】要するに、交流電源装置1においては、出
力端子1c、1dからの出力電圧を可変交流電源3の出
力により調整できるものである。また、この構成におい
て、二次側遮断器5を開放して変圧器2を無負荷状熊に
した後、可変交流電源3の出力電圧を入力端子1a、1
bへの入力電圧と逆位相とすれば変圧器2の励磁電圧は
低減する。この状態で一次側遮断器4を開放して変圧器
2の運転(励磁)を停止すれば、その鉄心内の残留磁束
を低減できるようになり、変圧器2を電源電圧により励
磁している状態のまま一次側遮断器4を開放する場合に
比べ、変圧器2の鉄心内の残留磁束を小さくできる。そ
の結果、一次側遮断器4を再投入する際に、変圧器2の
鉄心の磁気飽和が発生し難くなっているから、変圧器2
に流れる励磁突流を低減させることが可能となる。この
結果、励磁突流による遮断器4、5や変圧器2ヘの悪影
響を防ぐことができるようになり、また、電力未使用時
に変圧器2を解放することが容易となって、変圧器2に
よる無負荷損失の発生を防ぐことが可能となる。しか
も、上記のように変圧器2による無負荷損失の発生を防
止できる結果、変圧器2の鉄心材料に非晶質磁性材料を
用いる必要がなくなり、変圧器2として安価で設置スペ
ースを削減可能なものを使用可能になる。
【0031】(第2の実施の形態)図3には、上記第1
実施例と同様の効果を奏する本発明の第2実施例が示さ
れており、以下これについて異なる部分のみ説明する。
尚、この第2実施例も請求項1記載の発明に対応する。
即ち、第2実施例では、第1実施例における可変電源装
置3に代えて可変電源装置9を設けた点に特徴を有す
る。この可変電源装置9は、前記コンバータ7及びイン
バータ8の他に、インバータ8の出力を受ける絶縁変圧
器10を有するもので、その絶縁変圧器10の一対の出
力端子10a、10b(二次側端子)を、交流電源装置
1の入力端子1aと変圧器2との間に一次側遮断器4を
介して直列に挿入した構成となっている。この構成によ
れば、配電系統にサージ電圧のような異常電圧が重畳し
た場合などに、可変交流電源9内のインバータ8に対し
悪影響が及ぶ事態を未然に防止できるようになる。
【0032】(第3の実施の形態)図4には、前記第1
実施例と同様の効果を奏する本発明の第3実施例が示さ
れており、以下これについて異なる部分のみ説明する。
尚、この第3実施例も請求項1記載の発明に対応する。
即ち、第3実施例は、可変交流電源3の出力を変圧器2
の出力側に直列に挿入した点に特徴を有する。具体的に
は、可変交流電源3が有するインバータ8の一対の出力
端子8a、8bを変圧器2の二次側と出力端子1cとの
間に二次側遮断器5を介して直列に挿入した構成となっ
ている。この場合にも、可変交流電源3の出力周波数
は、変圧器2のための交流電源と同一の周波数となるよ
うに制御される。また、その出力電圧のレベル及び位相
は上記交流電源電圧とは独立した状態で制御されるもの
である。
【0033】上記構成によれば、入力端子1a、1b間
に変圧器2のための電源電圧Vinが与えられている状態
で、可変交流電源3から変圧器2のための電源周波数と
同一周波数の交流電圧Vacが出力されたときには、出力
端子1c、1d間で得られる出力電圧Vout は次式
(2)で与えられる(ηは変圧器2の変圧比)。
【0034】 Vout =Vin×η+Vac ……(2) 従って、このような構成においても、可変交流電源3の
出力電圧Vacを変化させることにより、交流電源装置1
の出力電圧Vout を変化させる動作が可能になると共
に、変圧器2の入力電圧ベクトルを、入力端子1a、1
bの入力電圧ベクトルに対し進み位相側及び遅れ位相側
のどちら側にも調整可能となるものである。そして、本
実施例では、前記第1実施例の場合と遮断器4、5の開
放の順序が異なり、可変交流電源3から電圧を出力した
状態で一次側遮断器4を開放する。このとき変圧器2は
可変交流電源3の出力によって負荷6を通し励磁され
る。この状態で可変交流電源3の出力電圧を低減した
後、二次側遮断器5を開放すれば変圧器2の残留磁束を
小さくできる。その結果、一次側遮断器4を再投入する
際に、変圧器2において鉄心の磁気飽和が発生し難くな
って変圧器2に流れる励磁突流を低減させることが可能
となる。そのため励磁突流による遮断器4、5や変圧器
2への悪影響を防ぐことができるようになり、また、電
力未使用時に変圧器2を解放することが容易となって、
変圧器2による無負荷損失の発生を防ぐことが可能とな
る。
【0035】尚、上記第3実施例における可変交流電源
3を、前記第2実施例における可変交流電源9と置き換
える構成としても良いものであり、この場合には、絶縁
変圧器10(図3参照)の一対の出力端子10a、10
bを、変圧器2と交流電源装置1の出力端子1cとの間
に二次側遮断器5を介して直列に挿入することになる。
【0036】(第4の実施の形態)図5には本発明の第
4実施例が示されており、以下これについて前記第1実
施例と異なる部分のみ説明する。尚、この第4実施例は
請求項2記載の発明に対応する。図5において、入力端
子1a、1b間には、それらの間に与えられる電源電圧
を検出するための電圧検出器11(電圧検出手段に相
当)が接続されており、この電圧検出器11からの検出
信号は制御装置12に与えられる。制御装置12は、与
えられた検出信号に基づいて電源電圧の大きさ及び位相
を検出する機能を備えており、その検出結果に応じて可
変交流電源3内のインバータ8の動作を制御することに
より、当該可変交流電源3の出力電圧レベル及び位相を
調整できる構成となっている。
【0037】この第4実施例では、一次側遮断器4の投
入に先立ち、制御装置12によって、可変交流電源3の
出力電圧を電圧検出器11で得られた電源電圧の大きさ
と位相に基づいて調整することにより、一次側遮断器4
の投入時において変圧器2の一次側電圧(励磁電圧)が
低減した状態となるように制御し、この後に、一次側遮
断器4を投入して変圧器2の運転を開始する。この場
合、変圧器2の運転開始当初には、その励磁電圧が低く
抑制されるため、変圧器2の鉄心の磁気飽和が発生し難
くなり、変圧器2に流れる励磁突流を低減することが可
能となる。この後、可変交流電源3の出力電圧を、所定
の励磁電圧(出力端子1c、1c間に規定電圧が出力で
きる値)に調整し、この状態で二次側遮断器5を投入し
て負荷6に電力を供給する。
【0038】従って、負荷6を使用しないとき変圧器2
を配電系統から切り離しても、その変圧器2を再投入す
る際の励磁突流を防止できるものであり、その励磁突流
による遮断器4、5や変圧器2への悪影響を抑止すると
共に、電力未使用時の変圧器2による無負荷損失の発生
を防ぐことが可能となる。このように、変圧器2による
無負荷損失の発生を防止できる結果、変圧器2の鉄心材
料に非晶質磁性材料を用いる必要がなくなり、安価で設
置スペースを削減可能な変圧器を使用可能となる。
【0039】(第5の実施の形態)図6には、上記第4
実施例と同様の効果を奏する本発明の第5実施例が示さ
れており、以下これについて異なる部分のみ説明する。
尚、この第5実施例も請求項2記載の発明に対応する。
即ち、第5実施例は、可変交流電源3の出力を変圧器2
の出力側に直列に挿入した点に特徴を有する。具体的に
は、可変交流電源3が有するインバータ8の一対の出力
端子8a、8bを変圧器2の二次側と出力端子1cとの
間に直列に挿入した構成となっている。この第5実施例
の場合、前記第4実施例の場合と逆に、先に二次側遮断
器5を投入する。そして、制御装置12によって、可変
交流電源3の出力電圧を、電圧検出器11で得られた電
源電圧の大きさと位相に応じて、電源電圧(一次側電
圧)の位相と同じ位相で且つ定格電圧より低い電圧とな
るように制御し、このように制御された可変交流電源3
の出力により変圧器2を励磁開始し、その後に一次側遮
断器4を投入する。これにより、変圧器2の鉄心の磁気
飽和が発生し難くなるから、変圧器2に流れる励磁突流
を低減することが可能となる。
【0040】(第6の実施の形態)図7及び図8には本
発明の第6実施例が示されており、以下これについて説
明する。尚、この第6実施例は請求項3記載の発明に対
応するものである。図7において、例えば2台の変圧器
13は、並列運転されるもので、一対の一次側端子が各
変圧器13に対応して設けられた一次側遮断器4を介し
て電源ライン14a、14b間にそれぞれ接続され、一
対の二次側端子が各変圧器13に対応して設けられた二
次側遮断器5を介して出力ライン15a、15b間にそ
れぞれ接続される。出力ライン15a、15b間には負
荷6が接続される。
【0041】図8は変圧器の損失曲線の一例を示すもの
で、容量W(kVA)を出力する際に、容量X(=W/
2)(kVA)の変圧器13を2台並列運転して負荷6
に電力を供給する場合の損失特性(曲線B:本実施例の
場合)と、容量Xの1台の変圧器13のみを運転して負
荷6に電力を供給する場合の損失特性(曲線C)を表す
ものである。
【0042】図8から分かるように曲線Bと曲線Cとが
交わる点X0 (kVA)以下の負荷容量では、1台の変
圧器13だけの運転で電力を供給し、それを越える容量
では2台の変圧器13の並列運転で電力を供給すること
により、変圧器13で発生する運転損失を常時において
2台の変圧器2を並列運転するときより低減することが
できる。そこで、本実施例においては、並列運転してい
る2台の変圧器13のうち、1台の運転を停止しても負
荷6に所要の電力を供給できる状態にあった場合には、
並列運転を停止して1台の変圧器13のみを運転するよ
うにしており、この運転方法によれば、変圧器13の運
転損失を低減できるようになるものである。尚、3台以
上の変圧器を並列運転する場合においても、それら変圧
器のうちの1台若しくは数台の運転を停止しても負荷に
十分な電力を供給できる状態にあった場合には、変圧器
の運転台数を上述同様に調整するという運転方法を採用
することにより、変圧器13の運転損失を低減できるよ
うになる。
【0043】(第7の実施の形態)図9には上記第6実
施例に変更を加えた本発明の第7実施例が示されてお
り、以下これについて異なる部分のみ説明する。尚、こ
の第7実施例は請求項4記載の発明に対応するものであ
る。図9は変圧器の損失曲線の一例を示すもので、容量
W(kVA)を出力する際に、容量X(=W/2)(k
VA)の変圧器を2台を用いて、前記第5実施例のよう
に並列運転及び単独運転を選択的に行った場合の損失特
性(曲線D)と、容量Y(kVA)の変圧器と容量Z
(kVA)(但しY=2Z、Y+Z=W)の変圧器で並
列運転と単独運転を行った場合の損失特性(曲線E)を
示す。尚、図9中において、Δ1で示す範囲が容量X
(kVA)の変圧器の単独運転期間、Δ2で示す範囲が
容量X(kVA)の2台の変圧器を並列運転期間、Δ3
で示す範囲が容量Z(kVA)の変圧器の単独運転期
間、Δ4で示す範囲が容量Y(kVA)の変圧器の単独
運転期間、Δ5で示す範囲が容量Z(kVA)及びY
(kVA)の2台の変圧器を並列運転期間を示す。
【0044】このように容量が異なる変圧器では、最高
効率点を示す容量が異なるため、全損失が同一の変圧器
の組み合わせでも、異なる容量の変圧器を組み合わせた
方が、同一の変圧器で運転台数を調整するより変圧器で
発生する損失を低減することが分かる。そこで本実施例
においては、少なくとも2種類以上の損失特性を有する
変圧器を複数個設けて、これらを並列運転し、負荷容量
に応じてそれぞれの単独運転、所定台数の並列運転を随
時選択することにより、変圧器で発生する損失を、常に
全台数で並列運転する場合より低減できるようになる。
【0045】(第8の実施の形態)図10には、前記第
3実施例(図4参照)における交流電源装置1を並列運
転する場合に適用した本発明の第8実施例が示されてお
り、以下これについて第3実施例と異なる部分のみ説明
する。尚、この第8実施例は請求項5記載の発明に対応
するものである。図10は、並列接続される交流電源装
置1のうちの1台を示すものであり、変圧器2の二次側
に可変交流電源3の出力端子(インバータ8の出力端子
8a、8b)が直列に挿入されており、交流電源装置1
の入力側には一次側遮断器4が設けられ、その出力側に
は二次側遮断器5が設けられている。また、交流電源装
置1の入力側には、負荷電流の状態を検出する電流検出
器16が設けられており、この電流検出器16からの検
出信号は制御装置17に与えられる。制御装置17は、
与えられた検出信号に基づいて負荷電流の大きさを検出
する機能を備えており、その検出結果に応じて可変交流
電源3内のインバータ8の動作を制御することにより、
当該可変交流電源3の出力電圧レベルを調整できる構成
となっている。
【0046】本実施例においては、複数台の交流電源装
置1を並列運転しているときに負荷容量が低減し、並列
運転している交流電源装置1のうちの所定台数を停止し
た状態で負荷6に電源を供給するように切り換えるもの
であり、このような切換を行うことにより、変圧器2で
発生する損失を、前記第6実施例或いは第7実施例の場
合と同様に低減できるようになる。このような切換を行
う場合、制御装置17にあっては、停止する交流電源装
置1に流れる電流を電流検出器16を通じて検出し、そ
の電流が最小となるように可変交流電源3の出力電圧を
調整する。この状態で当該交流電源装置1の一次側遮断
器4を開放することにより、その一次側遮断器4を大き
な電流を遮断することなく開放できる。その後に二次側
遮断器5を開放すれば、そのに二次側遮断器5において
も大きな負荷電流を遮断する必要がなくなり、遮断器
4、5の劣化を防止しつつ並列運転状態の交流電源装置
を切り離すことが可能となり、受変電設備全体での無負
荷損失の発生を低減できるようになる。尚、本実施例に
おいて、可変交流電源3の出力端子を変圧器2の一次側
に直列に挿入する構成としても良い。
【0047】(第9の実施の形態)図11には、上記第
8実施例に変更を加えた本発明の第9実施例が示されて
おり、以下これについて異なる部分のみ説明する。尚、
この第9実施例は請求項6及び請求項7記載の発明に対
応するものである。第9実施例では、出力端子1c、1
d間に交流電源装置1の出力電圧を検出する電圧検出器
18が接続されており、この電圧検出器18からの検出
信号は制御装置17に与えられる。制御装置17は、電
流検出器16からの検出信号に基づいて負荷電流の大き
さを検出する機能の他に、電圧検出器18から与えられ
た検出信号に基づいて交流電源装置1の出力電圧の大き
さ及び位相を検出する機能を備えており、それらの検出
結果に応じて可変交流電源3内のインバータ8の動作を
制御することにより、当該可変交流電源3の出力電圧レ
ベル及び位相を調整できる構成となっている。
【0048】本実施例においては、制御装置17は、可
変交流電源3の出力を、電流検出器16が検出した負荷
電流の大きさによって調整すると共に、出力電圧に応じ
ても調整するものである。この場合、複数台の交流電源
装置1を並列運転しているときに負荷容量が低減し、並
列運転している交流電源装置1のうちの所定台数を停止
した状態で負荷6に電源を供給するように切り換えるも
のであり、このような切換を行うことにより、変圧器2
で発生する損失を、前記第6実施例或いは第7実施例の
場合と同様に低減できるようになる。このような切換を
行う場合、制御装置17にあっては、停止する交流電源
装置1に流れる電流を電流検出器16を通じて検出し、
その電流が最小となるように可変交流電源3の出力電圧
を調節する。この状態で当該交流電源装置1の一次側遮
断器4を開放することにより、その一次側遮断器4を大
きな電流を遮断することなく開放できる。この状態では
変圧器2は二次側より励磁されるため、制御装置17
は、可変交流電源3の出力電圧を電圧検出器18が検出
する検出電圧と逆位相にする制御を行い、変圧器2の励
磁電圧を低減させる。この状態で二次側遮断器5を開放
すれば、変圧器2の残留磁束を小さくできる。その結
果、変圧器2の運転を再開する際に、当該変圧器2にお
いて鉄心の磁気飽和が発生し難くなり、その変圧器2に
流れる励磁突流を低減することが可能となる。そのため
励磁突流による遮断器4、5や変圧器2への悪影響を防
ぐと共に、電力未使用時に変圧器2を解放することが容
易となり、変圧器2による無負荷損失の発生を防ぐこと
が可能となる。
【0049】また、図11の構成において、複数の交流
電源装置1の並列運転を再開する際に、二次側遮断器5
の投入に先立ち、可変交流電源3の出力電圧を、電圧検
出器18で得られた電圧の大きさと位相に応じて、変圧
器2の二次側電圧が減ずるように出力し、この後に、二
次側遮断器5を投入する。これにより、変圧器2の励磁
電圧が低く抑制されるため、その変圧器2の鉄心の磁気
飽和が発生し難くなり、変圧器2に流れる励磁突流を低
減させることが可能となる。尚、本実施例において、可
変交流電源3の出力端子を変圧器2の一次側に直列に挿
入する構成としても良い。
【0050】(第10の実施の形態)図12には、本発
明の第10実施例が示されており、以下これについて異
なる部分のみ説明する。尚、この第10実施例は請求項
8記載の発明に対応するものである。
【0051】図12は、並列接続される交流電源装置1
のうちの1台を示すものであり、出力端子1c、1d間
に交流電源装置1の出力電圧を検出する電圧検出器18
が接続されており、この電圧検出器18からの検出信号
は制御装置17に与えられる。また、一次側遮断器4の
極間の電圧を検出するための極間電圧検出器19、1
9′が設けられており、これら極間電圧検出器19、1
9′からの検出信号は制御装置17に与えられる。制御
装置17は、電圧検出器18から与えられた検出信号に
基づいて交流電源装置1の出力電圧の大きさ及び位相を
検出する機能の他に、極間電圧検出器19、19′から
の検出信号に基づいて一次側遮断器4の極間の電圧を検
出する機能を備えており、それらの検出結果に応じて可
変交流電源3内のインバータ8の動作を制御することに
より、当該可変交流電源3の出力電圧レベル及び位相を
調整できる構成となっている。
【0052】この場合、複数の交流電源装置1の並列運
転開始する際には、二次側遮断器5を投入した後、可変
交流電源3の出力電圧を、極間電圧検出器19、19′
で得られた電圧に応じて、一次側遮断器4を投入した場
合に変圧器2に負荷電流が流れないように調整し、以て
並列運転開始時における変圧器2の負荷分担が最小とな
るように制御する。これにより、一次側遮断器4を投入
したときに変圧器に2に負荷電流が急激に流れ始めるこ
とがなくなるため、受変電設備全体の急激なインピーダ
ンス変化を防止し、負荷点での電圧変動を防止できるよ
うになる。尚、本実施例において、可変交流電源3の出
力端子を変圧器2の一次側に直列に挿入する構成として
も良い。
【0053】また、上記第10実施例において、図13
に示すように、交流電源装置1の入力側に負荷電流の状
態を検出する電流検出器16を設け、制御装置17に対
し、電流検出器16からの検出信号に基づいて負荷電流
の大きさを検出すると共に、その検出結果を、前記第9
実施例と同様に可変交流電源3内のインバータ8の動作
制御に反映させる機能を付加する構成とすることもでき
る。
【0054】(第11の実施の形態)図14には、前記
第3実施例(図4参照)に変更を加えた本発明の第11
実施例が示されており、以下これについて異なる部分の
み説明する。尚、この第11実施例は請求項9記載の発
明に対応するものである。
【0055】第11実施例では、変圧器2の出力側に直
列に挿入された可変交流電源3の出力端子(インバータ
8の出力端子8a、8b)間を低インピーダンスで短絡
するための短絡スイッチ20を接続している。この短絡
スイッチ20は、交流電源装置1の負荷側で短絡事故が
発生した場合に閉路される構成となっている。
【0056】交流電源装置1の負荷側で短絡事故が発生
した場合、その可変交流電源3の出力電流が増大し制御
できなくなるため、これを検知し短絡スイッチ20を閉
路すると共に、可変交流電源3の出力を絞り、その可変
交流電源3を保護する。このように短絡スイッチ20が
閉路された状態では、短絡電流は変圧器2のインピーダ
ンスで制限される大きさとなる。このため、本実施例に
おいては、変圧器2のインピーダンスを10%以上と通
常より大きくし、短絡電流を抑制することにより遮断器
4、5の容量を低減しつつ、高インピーダンスで問題と
なる電圧変動率を可変交流電源3で補償できる交流電源
装置1を提供できるため、保護用の遮断器4、5の容量
を小さくすることが可能となり、安価な受変電設備を構
成できるようになる。
【0057】尚、この第11実施例において、可変交流
電源3に代えて、前記第2実施例で使用した可変電源装
置9(図3参照)を使用する場合には、図15に示すよ
うに、当該可変電源装置9内の絶縁変圧器10の一次側
端子間を短絡する位置に短絡スイッチ20を配置する構
成とすれば良い。
【0058】(第12の実施の形態)図16には本発明
の第12実施例が示されており、以下これについて説明
する。尚、この第12実施例は、請求項10記載の発明
に対応するものである。図16において、交流電源装置
1の入力端子1a、1b間には、それらの間に与えられ
る電源電圧を検出するための電圧検出器11が接続さ
れ、交流電源装置1の入力側には負荷電流の状態を検出
する電流検出器16が設けられている。制御装置17
は、電圧検出器11からの検出信号に基づいて電源電圧
の大きさ及び位相を検出すると共に、電流検出器16か
らの検出信号に基づいて負荷電流の大きさを検出する機
能を備えており、それらの検出結果に応じて可変交流電
源3内のインバータ8の動作を制御することにより、当
該可変交流電源3の出力電圧レベル及び位相を調整でき
る構成となっている。変圧器2の二次側における可変交
流電源3より後段の位置には、負荷6側で発生した高調
波を除去するための高調波フィルタ21が接続される。
【0059】この場合、変圧器2の一次側で発生してい
る高調波は電圧検出器11及び電流検出器16で検出さ
れ、その高調波に応じた高調波電圧を可変交流電源3で
発生することにより、変圧器2を高調波が通過しないよ
う高調波に対するインピーダンスを上昇することが可能
である。これにより、交流電源装置1の負荷側に設けた
高調波フィルタ31への電源側の高調波の流入を防ぐこ
とが可能となり、電力会社側での配電線や他の需要家の
インピーダンスや発生高調波を考慮する必要がなくな
り、高調波フィルタ21の設置に当たり、需要家の負荷
が発生する高調波の容量に対してのみ考慮した設備容量
とすることで高調波フィルタ21を設置する際のコスト
を低減することができる。
【0060】
【発明の効果】以上の通り、請求項1、2記載の発明に
よれば、励磁突流による遮断器や変圧器への悪影響を防
ぐと共に、電力未使用時など負荷の状態に合わせて変圧
器による無負荷損失の発生を防ぐことが可能になるもの
である。
【0061】請求項3、4記載の発明によれば、変圧器
での運転損失を全台数の変圧器を並列運転する状態時よ
り低減させることが可能になる。
【0062】請求項5の発明によれば、電源遮断に供さ
れる遮断器の劣化を防止しつつ負荷の状態に応じて並列
運転する変圧器の台数を低減できて、受変電設備全体で
の無負荷損失の発生を低減するようになる。
【0063】請求項6記載の発明によれば、変圧器の並
列運転の再開時における励磁突流を低減できて、遮断器
や変圧器への悪影響、及び受電点での急激な電圧変動に
よる瞬時電圧低下を防止しつつ、負荷の状態に応じて並
列運転する変圧器の台数を低減し受変電設備全体での無
負荷損失の発生を低減することが可能になる。
【0064】請求項7、8記載の発明によれば、変圧器
を並列運転に供する場合に、その変圧器鉄心を飽和させ
ることなく徐々に所定の励磁電圧まで上昇させることが
可能になって励磁突流を防止できるようになり、負荷の
状態に合わせて無負荷損失を低減できるようになる。
【0065】請求項9記載の発明によれば、負荷短絡時
の短絡電流を抑えることが可能で、保護用の遮断器の容
量を小さくすることが可能になる。
【0066】請求項10の発明によれば、変圧器を通過
する高調波を制御できるため、高調波フィルタの設置の
際に過大な容量の高調波フィルタを必要とせず、その設
置の際のコストを低減できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す電気的構成図
【図2】動作説明用のベクトル図
【図3】本発明の第2実施例を示す電気的構成図
【図4】本発明の第3実施例を示す電気的構成図
【図5】本発明の第4実施例を示す電気的構成図
【図6】本発明の第5実施例を示す電気的構成図
【図7】本発明の第6実施例を示す電気的構成図
【図8】変圧器の損失曲線特性図
【図9】本発明の第7実施例を示す変圧器の損失曲線特
性図
【図10】本発明の第8実施例を示す電気的構成図
【図11】本発明の第9実施例を示す電気的構成図
【図12】本発明の第10実施例を示す電気的構成図
【図13】変形例を示す電気的構成図
【図14】本発明の第11実施例を示す電気的構成図
【図15】変形例を示す要部の電気的構成図
【図16】本発明の第12実施例を示す電気的構成図
【符号の説明】
1は交流電源装置、2は変圧器、3は可変交流電源、4
は一次側遮断器、5は二次側遮断器、6は負荷、9は可
変電源装置、11は電圧検出器(電圧検出手段)、12
は制御装置、13は変圧器、16は電流検出器、17は
制御装置、18は電圧検出器、19は極間電圧検出器、
20は短絡スイッチ、21は高調波フィルタを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜口 昌弘 三重県三重郡朝日町大字繩生2121番地 株 式会社東芝三重工場内 (72)発明者 塩田 広 三重県三重郡朝日町大字繩生2121番地 株 式会社東芝三重工場内 (72)発明者 山田 隆 名古屋市西区名西2丁目33番10号 株式会 社東芝中部システムセンター内 (72)発明者 中瀬 光博 東京都港区芝浦1丁目1番1号 株式会社 東芝本社事業所内 (72)発明者 田中 耕太郎 東京都港区芝浦1丁目1番1号 株式会社 東芝本社事業所内 (72)発明者 竹越 文男 東京都港区芝浦1丁目1番1号 株式会社 東芝本社事業所内 (72)発明者 檜垣 成敏 三重県三重郡朝日町大字繩生2121番地 株 式会社東芝三重工場内 Fターム(参考) 5G043 AA12 BA07 BC03 5G066 DA07 LA04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変圧器の一次側若しくは二次側に可変交
    流電圧を発生する可変交流電源の出力を直列に挿入し、 前記変圧器の運転を停止する際に、その変圧器における
    前記可変交流電源の挿入側と反対側に設けた遮断器を遮
    断した後に、当該可変交流電源の出力電圧調整により変
    圧器の励磁電圧を低減した状態で変圧器の運転を停止す
    ることを特徴とする変圧器の運転制御方法。
  2. 【請求項2】 変圧器の一次側若しくは二次側に可変交
    流電圧を発生する可変交流電源の出力を直列に挿入し、 前記変圧器の電源電圧の大きさ及び位相を検出する電圧
    検出手段を設け、 前記変圧器の電源を投入する際に、前記可変交流電源の
    出力電圧を前記電圧検出手段で得られた電源電圧の大き
    さと位相に基づいて調整することにより、当該変圧器の
    励磁電圧を低減した状態で励磁開始することを特徴とす
    る変圧器の運転制御方法。
  3. 【請求項3】 複数台の変圧器を並列運転することによ
    り負荷に電力を供給するようにした変圧器の運転制御方
    法において、 並列運転している変圧器の一部を運転停止しても前記負
    荷に所要の電力を供給できる状態のとき、変圧器の運転
    台数を調整することを特徴とする変圧器の運転制御方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の変圧器の運転制御方法に
    おいて、 並列運転される変圧器は、少なくとも2種類以上の損失
    特性を有する状態とされ、負荷容量に応じて各変圧器の
    単独運転、所定台数の並列運転を随時選択することを特
    徴とする変圧器の運転制御方法。
  5. 【請求項5】 複数台の変圧器を並列運転することによ
    り負荷に電力を供給するようにした変圧器の運転制御方
    法において、 前記各変圧器の一次側若しくは二次側に可変交流電圧を
    発生する可変交流電源の出力をそれぞれ直列に挿入し、 並列運転している変圧器の一部を運転停止しても前記負
    荷に所要の電力を供給できる状態のとき、並列運転を停
    止する変圧器の負荷電流が最小となるように前記可変交
    流電源の出力電圧を調整し、この状態で当該変圧器の電
    源遮断を行うことを特徴とする変圧器の運転制御方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の変圧器の運転制御方法に
    おいて、 変圧器の運転を停止する際に、その変圧器における可変
    交流電源の挿入側と反対側に設けた遮断器を遮断した後
    に、当該可変交流電源の出力電圧調整により変圧器の励
    磁電圧を低減した状態で変圧器の運転を停止することを
    特徴とする変圧器の運転制御方法。
  7. 【請求項7】 複数台の変圧器を並列運転することによ
    り負荷に電力を供給するようにした変圧器の運転制御方
    法において、 前記各変圧器の一次側若しくは二次側に可変交流電圧を
    発生する可変交流電源の出力をそれぞれ直列に挿入し、 解放状態の変圧器を並列運転状態に切り換える際に、前
    記可変交流電源の電圧調整により変圧器の励磁電圧を低
    減した状態で変圧器の励磁を開始した後に所定の励磁電
    圧とし、並列運転に供することを特徴とする変圧器の運
    転制御方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の変圧器の運転制御方法に
    おいて、 並列運転開始時の変圧器の負荷分担が最小となるよう
    に、可変交流電源の出力電圧を調整することを特徴とす
    る変圧器の運転制御方法。
  9. 【請求項9】 変圧器の二次側に可変交流電圧を発生す
    る可変交流電源の出力を直列に挿入し、 前記変圧器として%インピーダンスが10%以上のもの
    を使用し、負荷短絡時には可変交流電源の出力を低イン
    ピーダンスで短絡することを特徴とする変圧器簿運転制
    御方法。
  10. 【請求項10】 変圧器の二次側に可変交流電圧を発生
    する可変交流電源の出力を直列に挿入し、 前記可変交流電源の出力電圧を、前記変圧器を通過する
    高調波電流に応じ調整することにより、その変圧器を通
    過する高調波電流を制御することを特徴とする変圧器の
    運転制御方法。
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