JP2000148267A - 交流電源装置 - Google Patents

交流電源装置

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JP2000148267A
JP2000148267A JP10326702A JP32670298A JP2000148267A JP 2000148267 A JP2000148267 A JP 2000148267A JP 10326702 A JP10326702 A JP 10326702A JP 32670298 A JP32670298 A JP 32670298A JP 2000148267 A JP2000148267 A JP 2000148267A
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voltage
power supply
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Teruhiko Maeda
照彦 前田
Ryuichi Morikawa
竜一 森川
Masahiro Hamaguchi
昌弘 浜口
Hiroshi Shioda
広 塩田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変圧器を備えた交流電源装置において、入力
電圧が変動する場合であっても出力電圧を安定した状態
に維持可能になると共に、力率の改善や異なる電力回線
からの並列受電などを容易に行い得るようにすること。 【解決手段】 変圧器1の入力側には、コンバータ3及
びインバータ4を含んで成る電圧調整用補助交流電源2
の出力端子が直列に挿入される。電圧調整用補助交流電
源2の出力周波数は、変圧器1のための交流電源と同一
の周波数となるように制御され、また、その出力電圧V
acのレベル及び位相は、変圧器1のための交流電源電圧
とは独立した状態で制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交流受電電圧の変
動を抑え負荷に安定した交流電圧を供給したり、交流受
電電圧と大きさや位相の異なる交流電圧を得ることが可
能になる交流電源装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】電力会社から需要家ま
で配電用変圧器などを通じて配電される交流電圧は、配
電線路や配電用変圧器などでのインピーダンスが存在す
るため、配電系統の負荷の増減に伴う電流変化により変
動するという事情がある。負荷の変動が大きく配電電圧
が規定値に収まらない場合には、変圧器のタップを切り
替えることが行われているが、変圧器のタップ電圧は離
散的な値であるため、配電電圧の調整範囲は変圧器のタ
ップ電圧の幅に応じた変動範囲に止どまるという問題点
があった。このような電圧変動に対処するためには、変
圧器をインバータユニットに置き換えることにより任意
の交流電圧を得るという手段もあるが、現状において
は、インバータユニットは同一容量の変圧器と比べて効
率が低く、しかもコストが高くなるという事情があるた
め、実際には設置困難になる。
【0003】一般的に、配電系統につながる負荷に誘導
電動機が含まれる場合には、その系統の力率が低下する
ものであり、このような状態では、損失の増加、電力設
備利用率の低下につながるため、力率調整用の進相コン
デンサを設置して力率を改善することが行われている。
しかし、この場合にはコンデンサの容量が一定であるた
め、負荷の状態により力率が変化することが避けられ
ず、電源側での力率を一定に制御することは困難になる
という事情があった。この場合、コンデンサの素子数を
増減して調整容量を変化させる構成とした場合でも、力
率を一定に制御することは困難になるものであった。
【0004】また、電力設備の容量を増強する際には、
受電変圧器の容量を増加させるために既設変圧器と新設
変圧器の並列運転を行う場合がある。この場合には、受
電電源の位相を合わせるために、同一の電力回線から受
電する必要があるため、電力回線の停電の際には、電力
設備全体の停電が避けられないという問題点があった。
このような問題点に対処するためには、異なる電力回線
にそれぞれ受電用の変圧器を設ける構成とすれば良い
ば、このような構成を採用するためには各電力回線の電
気角及び電圧が一致することが前提となるため、実現困
難であった。
【0005】さらに、同一電力回線につないだ同一結線
の変圧器の並列運転には、並列運転する変圧器の%イン
ピーダンスを同一とし、並列運転する変圧器の容量に応
じた負荷バランスを取る必要があるが、変圧器の構成が
異なると、タップを切り替えた際のインピーダンス挙動
が異なるため、特定のタップ電圧でしか並列運転ができ
なくなるという不具合があった。
【0006】本発明は上記のような種々の事情に鑑みて
なされたものであり、その目的は、入力電圧が変動する
場合であっても出力電圧を安定した状態に維持可能にな
ると共に、力率の改善や異なる電力回線からの並列受電
などを容易に行い得るようになる構成を無理なく実現で
きる交流電源装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上記目的を達成するために、変圧器を備えた交流電源装
置において、前記変圧器のための交流電源と同一周波数
の可変交流電圧を発生する電圧調整用補助交流電源を設
け、この電圧調整用補助交流電源の出力端子を前記変圧
器の入力側若しくは出力側に直列に挿入する構成とした
ものである。
【0008】例えば、電圧調整用補助交流電源の出力端
子が変圧器の入力側に直列に挿入されている構成であっ
た場合において、変圧器のための交流電源電圧が与えら
れている状態で、上記電圧調整用補助交流電源から当該
交流電源と同一周波数の交流電圧が出力されたときに
は、負荷に与えられる出力電圧は次式で与えられる。
出力電圧=(電源電圧+電圧調整用補助交流電源の出力
電圧)×変圧器変圧比……
【0009】また、電圧調整用補助交流電源の出力端子
が変圧器の出力側に直列に挿入されている構成であった
場合において、変圧器のための交流電源電圧が与えられ
ている状態で、上記電圧調整用補助交流電源から当該電
源電源と同一周波数の交流電圧が出力されたときには、
負荷に与えられる出力電圧は次式で与えられる。出力
電圧=電源電圧×変圧器変圧比+電圧調整用補助交流電
源の出力電圧……
【0010】従って、電圧調整用補助交流電源の出力電
圧の大きさを変化させることにより、負荷に供給する出
力電圧を変化させることが可能となる。また、上記電圧
調整用補助交流電源の出力電圧の交流電源電圧に対する
位相を変化させることにより、負荷に供給される電圧の
位相を進み位相側及び遅れ位相側のどちら側にも調整可
能となる。以上の結果、変圧器による配電電圧を広い範
囲で連続的に調整できることになるから、負荷の変動な
どに起因して配電電圧が変動する事態に有効に対処でき
るようになる。また、電圧調整用補助交流電源の出力電
圧の位相を調整することによって、交流電源電圧と出力
電圧との間の位相差を任意に変化させることが可能にな
るから、力率の改善を容易に行い得るようになる。
【0011】さらに、負荷のための電力を周波数が同一
の例えば2回線からそれぞれに設けられた変圧器を通じ
て供給する状態とする場合には、少なくとも一方の回線
の変圧器の入力側若しくは出力側に上記電圧調整用補助
交流電源を直列に挿入する構成としておけば、二つの電
力回線の電気角及び電圧が異なっていても、各変圧器を
通じた出力電圧の大きさと位相を等しくすることができ
るため、異なる二つの電力回線から受電した電力での並
列運転が可能となる。この結果、一方の回線が停電した
場合であっても、負荷群を停電させることなく受電状態
を継続できるようになる。
【0012】また、同一電力回線につないだ2以上の変
圧器を並列運転する際には、各変圧器の容量に応じて負
荷を分担するため、変圧器の%インピーダンスを等しく
する必要があるが、このように%インピーダンスが異な
る変圧器を並列運転する場合には、定格容量を超える変
圧器の入力側或いは出力側に、上記電圧調整用補助交流
電源の出力端子を直列に挿入する構成とすれば、当該変
圧器の出力電圧を低減することによって並列運転する機
器の負荷分担を変圧器の容量毎に平準化できるようにな
り、どの変圧器の負荷も定格電流を越えない状態でそれ
ら変圧器の並列運転が可能になる。
【0013】請求項2記載の発明のように、前記電圧調
整用補助交流電源の出力電圧の大きさを変化させること
により、変圧器から負荷に供給される電圧の大きさを調
整する構成とした場合には、交流電源電圧が変動する場
合でも、電圧調整用補助交流電源の出力電圧を調整する
だけで、負荷に与えるための出力電圧を安定した状態と
なるように制御できることになる。
【0014】請求項3記載の発明のように、前記電圧調
整用補助交流電源の出力電圧の前記交流電源電圧に対す
る位相を変化させることにより、変圧器から負荷に供給
される電圧の位相を調整する構成とした場合には、電圧
調整用補助交流電源の出力電圧の位相を調整するだけ
で、交流電源電圧と出力電圧との間の位相差を任意に変
化させることができて力率の改善を容易に行い得るよう
になる。
【0015】請求項4記載の発明は、前記変圧器のため
の電路に進相用のコンデンサを選択的に接続可能に構成
すると共に、当該変圧器に対する入力電圧及び入力電流
の位相に応じて前記コンデンサの接続状態を選択するこ
とにより進相容量を調整可能に構成したものである。こ
の構成によれば、変圧器に対する入力電圧及び入力電流
の位相に基いて、力率の低下度合を判断できるから、そ
の判断結果に基いて進相用のコンデンサを変圧器の電路
に対し接続状態とすることによって力率を改善できるよ
うになる。この場合、進相用のコンデンサを複数個設け
る構成とすれば、変圧器の電路に対し接続状態となるコ
ンデンサの容量に応じて段階的に進相容量が変化するも
のであり、さらに、電圧調整用補助交流電源の出力電圧
の位相を調整して交流電源電圧と出力電圧との間の位相
差を変化させる手段を併用すれば、負荷の大小によらず
力率を一定(例えば1)に保つことも可能となる。
【0016】請求項5記載の発明は、前記電圧調整用補
助交流電源を、出力電圧レベル及び位相を調節可能なイ
ンバータを含んで構成したものである。このような構成
とした場合、電圧調整用補助交流電源の出力電圧の大き
さ及び位相を連続的に変化させることができるから、出
力電圧の制御を緻密に行い得るようになる。また、上記
電圧調整用補助交流電源は、変圧器の容量に比べて十分
に小さいもので済むから、その電圧調整用補助交流電源
のコストは、変圧器そのものをインバータユニットに置
き換える場合に比べて低くできるようになり、コストの
抑制も実現できることになる。また、一般的に変圧器に
比べて効率が低いとされるインバータを備えることにな
る電圧調整用補助交流電源は補助的に使用されるもので
あるから、変圧器そのものをインバータユニットに置き
換える場合のように、効率が大きく低下する恐れもな
い。
【0017】請求項6記載の発明は、前記電圧調整用補
助交流電源を、出力段に絶縁変圧器を備えた構成とした
ものである。このような構成とした場合、配電系統にサ
ージ電圧のような異常電圧が重畳した場合などに、電圧
調整用補助交流電源に対し悪影響が及ぶ恐れを未然に防
止できるようになる。
【0018】請求項7記載の発明は、前記変圧器として
タップ付き変圧器を用いる構成としたものである。この
ような構成とした場合、変圧器のタップの切替によりそ
の変圧比を変更できるため、前記式並びに式から理
解できるように、負荷に与えられる出力電圧も変更でき
るようになる。この場合、タップ付き変圧器のタップ切
替による出力電圧変更では、タップが段階的に切り替わ
るため、電圧変更は階段状にしかできないが、タップ切
替に伴う電圧変動分を電圧調整用補助交流電源の出力電
圧調整でカバーすることにより、その出力電圧を無段階
に連続的に調整することが可能となり、しかも、この場
合には、タップ切替による電圧調整幅も加味されること
になるから、変圧器による配電電圧の連続的な調整幅を
さらに拡大することができる。
【0019】請求項8記載の発明は、前記電圧調整用補
助交流電源の出力端子間を選択的に短絡可能な短絡手段
を設け、前記変圧器の負荷側で短絡事故が発生した場合
にこれを検知し前記短絡手段を閉路する構成としたもの
である。この構成によれば、負荷側で短絡事故が発生し
た場合には、これを検知し短絡手段を閉路して電圧調整
用補助交流電源を保護することができる。この場合、上
記のような短絡電流は変圧器のインピーダンスで規定さ
れる大きさとなるから、変圧器のインピーダンスを通常
より大きくすることにより、短絡電流を抑制して遮断器
の容量を低減できるものである。但し、このように高イ
ンピーダンスとした場合には、出力電圧の変動が問題と
なってくるものであるが、このような電圧変動の問題
は、電圧調整用補助交流電源の出力電圧調整により容易
に補償できるようになる。この結果、変圧器のインピー
ダンスを大きくした場合であっても、電圧変動率の小さ
な交流電源装置を提供できることになる。
【0020】請求項9記載の発明は、前記変圧器から負
荷に供給される電圧を検出する出力電圧検出手段を設
け、前記電圧調整用補助交流電源の出力電圧の大きさを
上記出力電圧検出手段の検出出力に基いて変化させるこ
とにより、変圧器から負荷に供給される電圧の大きさを
負荷に最適な状態に制御する構成としたものである。こ
の構成によれば、交流電源装置の出力端子から負荷に至
る電路での電圧降下の影響によって負荷に供給する出力
電圧が変動した場合であっても、その電圧降下分を、電
圧調整用補助交流電源の出力電圧の調整により補償でき
るため、負荷電流の大きさに拘らず負荷に最適な電圧を
供給することが可能となる。
【0021】請求項10記載の発明は、前記交流電源か
らの入力電圧を検出する入力電圧検出手段を設け、前記
電圧調整用補助交流電源の出力電圧の大きさを上記入力
電圧検出手段の検出出力に基いて変化させることによ
り、変圧器から負荷に供給される電圧の大きさが一定状
態となるように制御する構成としたものである。この構
成によれば、変圧器に与えられる電圧(交流電源電圧)
の変化が入力電圧検出手段により検出されると共に、そ
の検出結果に応じて電圧調整用補助交流電源の出力電圧
を制御できるため、変圧器の入力電圧が変動する場合で
あっても負荷に与えられる出力電圧を一定に制御するこ
とが可能になる。
【0022】請求項11記載の発明は、前記変圧器とし
て多相変圧器を備え、当該多相変圧器の入力側若しくは
出力側に直列に挿入された前記電圧調整用補助交流電源
の位相を調整することによって多相不平衡状態を解消で
きるように構成したものである。この構成によれば、不
平衡電圧を打ち消す電圧を各相の電圧調整用補助交流電
源より出力して負荷に与えるための出力電圧に加えるこ
とができるから、多相出力の平衡化状態を確実に解消可
能になるものである。
【0023】請求項12記載の発明は、前記交流電源か
らの入力電圧及び入力電流をそれぞれ検出する入力電圧
検出手段及び入力電流検出手段と、当該変圧器から負荷
に供給される電圧を検出する出力電圧検出手段とを設
け、それらの検出手段による検出結果によって示される
交流電源及び負荷の変動に応じて負荷、配電設備、配電
線での損失を最小とする運転制御を行う構成としたもの
である。この構成によれば、負荷の変動に応じて、電圧
調整用補助交流電源の出力電圧を調整することにより負
荷への供給電圧の大きさ、位相を変化させることで、負
荷電流、電源側から見た力率を制御し負荷、配電線、配
電設備での損失を最小にすることができる。
【0024】請求項13記載の発明は、上記請求項12
記載の発明のような構成を採用する場合に、前記運転制
御の有無による損失の差を演算し表示する構成としたも
のである。この構成によれば、負荷、配電設備、配電線
での損失を最小とするための運転制御の有無による損失
の差を、実際に測定或いは関数式を用いて演算すること
になる。このような演算結果により示される省電力量
は、自装置または外部に出力され、監視員がその量を確
認することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明の第1実施例について図1を参照しながら説明する。
交流電源装置の概略構成を示す図1において、対をなす
入力端子1a、1bと出力端子1c、1dとの間に接続
される変圧器1は、配電系統中に設けられるもので、そ
の入力側には、電圧調整用補助交流電源(以下、単に補
助交流電源と呼ぶ)2の出力が直列に挿入された状態と
なっている。具体的には、上記補助交流電源2は、交流
入力を直流出力に変換するコンバータ3と、このコンバ
ータ3の出力を交流出力に変換するインバータ4から成
るもので、インバータ4の一対の出力端子を前記入力端
子1aと変圧器1との間に直列に挿入した構成となって
いる。この場合、補助交流電源2の出力周波数は、変圧
器1のための交流電源(端子1a、1b間に与えられる
交流電源)と同一の周波数となるように制御されるもの
であり、また、その出力電圧のレベル及び位相は上記交
流電源電圧とは独立した状態で制御されるようになって
いる。
【0026】尚、補助交流電源2のための交流入力は、
入力端子1a、1b側から得れば良いが、全く別の電源
から得ても差し支えなく、また、インバータ4の制御電
源が確立できるのであれば、変圧器1の出力端子1c、
1d側から得る構成として良いものである。
【0027】上記のような構成の交流電源装置によれ
ば、入力端子1a、1b間に変圧器1のための電源電圧
Vinが与えられている状態で、補助交流電源2からその
電源の周波数と同一周波数の交流電圧Vacが出力された
ときには、出力端子1c、1d間で得られる出力電圧V
out は次式(1)で与えられる。但し、ηは変圧器1の
変圧比である。 Vout =(Vin+Vac)×η ……(1)
【0028】従って、補助交流電源2の出力電圧Vacの
レベル及び位相を変化させることにより、交流電源装置
の出力電圧Vout の大きさ及び位相を変化させる動作が
可能となる。
【0029】ここで、上記のような動作を図2のベクト
ル図を用いて具体的に説明する。即ち、補助交流電源2
の出力周波数は、入力電源と同一の周波数となるように
制御されるが、その出力電圧Vacは変圧器1の電源電圧
Vinとは独立した状態で制御される。この補助交流電源
2の出力端子は変圧器1の入力側に直列に挿入されてい
るため、変圧器1の入力側には入力端子1a、1bに対
する入力電圧Vinと、補助交流電源2の出力電圧Vacと
のベクトル和が入力されることになる。
【0030】このため、図2に示すように、変圧器1の
入力電圧ベクトルが円A(入力端子1a、1bに対する
入力電圧ベクトルの始点を中心とした円)の外側になる
ような出力電圧Vacを補助交流電源2で発生させれば、
変圧器1の入力電圧の大きさを補助交流電源2を用いな
い場合の入力電圧(=Vin)よりも大きくできるため、
その出力電圧Vout を増大できる。この逆に、変圧器入
力ベクトルが円Aの内側になるような出力電圧Vacを補
助交流電源2で発生させれば、変圧器1の入力電圧の大
きさを補助交流電源2を用いない場合よりも小さくでき
るため出力電圧Vout を減少できるものである。また、
図2においては、変圧器1の入力電圧ベクトルを、入力
端子1a、1bの入力電圧ベクトルに対し進み位相側に
調整した例(位相差をθで表現)を示しているが、進み
位相側及び遅れ位相側のどちら側にも調整可能となる。
【0031】従って、上記した本実施例の構成によれ
ば、変圧器1による配電電圧を広い範囲で連続的に調整
できることになるから、負荷の変動などに起因して配電
電圧が変動する事態に有効に対処できるようになる。ま
た、補助交流電源2の出力電圧Vacの位相を調整するこ
とによって、入力電圧Vinと出力電圧Vout との間の位
相差を任意に変化させることが可能であるから、例え
ば、交流電源装置の負荷が遅れ負荷の場合、負荷に供給
する電圧位相を入力電圧位相より進めることにより、電
源側での電流位相を調整のない場合よりも進めて一定に
制御することが可能になるなど、力率の改善を容易に行
い得るようになる。
【0032】この場合、補助交流電源2の出力電圧の大
きさ及び位相は、インバータ4により連続的に変化させ
ることができるから、出力電圧の制御を緻密に行い得る
ようになる。しかも、上記補助交流電源2を構成するコ
ンバータ3及びインバータ4の容量は、変圧器1の容量
に比べて十分に小さいもので済むから、その補助交流電
源2のコストは、変圧器1そのものをインバータユニッ
トに置き換える場合に比べて低くできるようになり、コ
ストの抑制も実現できることになる。また、一般的に変
圧器に比べて効率が低いとされるインバータ4などを備
えた補助交流電源2は補助的に使用されるものであるか
ら、変圧器1そのものをインバータユニットに置き換え
る場合のように、効率が大きく低下する恐れもない。
【0033】さらに、負荷のための電力を周波数が同一
の例えば2回線からそれぞれに設けた変圧器1を通じて
供給する状態とする場合には、少なくとも一方の回線の
変圧器1の入力側に上記補助交流電源2を直列に挿入す
る構成としておけば、二つの電力回線の電気角及び電圧
が異なっていても、各変圧器1を通じた出力電圧の大き
さと位相を等しくすることができるため、異なる二つの
電力回線から受電した電力での並列運転が可能となる。
この結果、一方の回線が停電した場合であっても負荷群
を停電させることなく受電状態を継続できるようにな
る。
【0034】また、同一電力回線につないだ2以上の変
圧器1を並列運転する際には、各変圧器1の容量に応じ
て負荷を分担するため、変圧器1の%インピーダンスを
等しくする必要があるが、このように%インピーダンス
が異なる変圧器1を並列運転する場合には、定格容量を
超える変圧器1の入力側に、前記補助交流電源2の出力
端子を直列に挿入する構成とすれば、当該変圧器1の出
力電圧を低減することによって並列運転する機器の負荷
分担を変圧器1の容量毎に平準化できるようになり、ど
の変圧器1の負荷も定格電流を越えない状態でそれら変
圧器の並列運転が可能になる。
【0035】(第2の実施の形態)図3には、上記第1
実施例と同様の効果を奏する本発明の第2実施例が示さ
れており、以下これについて説明する。即ち、この第2
実施例は、補助交流電源2の出力を変圧器1の出力側に
直列に挿入した点に特徴を有する。具体的には、補助交
流電源2が有するインバータ4の一対の出力端子を出力
端子1cと変圧器1との間に直列に挿入した構成となっ
ている。この場合にも、補助交流電源2の出力周波数
は、変圧器1のための入力電源と同一の周波数となるよ
うに制御される、また、その出力電圧のレベル及び位相
は変圧器1の入力電圧とは独立した状態で制御されるも
のである。
【0036】上記構成の交流電源装置によれば、入力端
子1a、1b間に変圧器1のための電源電圧Vinが与え
られている状態で、補助交流電源2からその電源の周波
数と同一周波数の交流電圧Vacが出力されたときには、
出力端子1c、1d間で得られる出力電圧Vout は次式
(2)で与えられる(ηは変圧器1の変圧比)。 Vout =Vin×η+Vac ……(2)
【0037】従って、本実施例においても、補助交流電
源2の出力電圧Vacを変化させることにより、交流電源
装置の出力電圧Vout を変化させる動作が可能となると
共に、変圧器1の入力電圧ベクトルを、入力端子1a、
1bの入力電圧ベクトルに対し進み位相側及び遅れ位相
側のどちら側にも調整可能となるものであり、結果的
に、前記第1実施例と同様の効果を奏することができ
る。
【0038】また、負荷のための電力を周波数が同一の
例えば2回線からそれぞれに設けた変圧器1を通じて供
給する状態とする場合には、少なくとも一方の回線の変
圧器1の出力側に上記補助交流電源2を直列に挿入する
構成としておけば、二つの電力回線の電気角及び電圧が
異なっていても、二つの電力回線から受電した電力での
並列運転が可能となり、一方の回線が停電した場合であ
っても負荷群を停電させることなく受電状態を継続でき
るようになる。さらに、%インピーダンスが異なる変圧
器1を並列運転する場合には、定格容量を超える変圧器
1の出力側に、前記補助交流電源2の出力端子を直列に
挿入する構成とすれば、当該変圧器1の出力電圧を低減
することによって並列運転する機器の負荷分担を変圧器
1の容量毎に平準化できるようになり、どの変圧器1の
負荷も定格電流を越えない状態でそれら変圧器の並列運
転が可能になる。
【0039】(第3の実施の形態)図4には前記第1実
施例に変更を加えた本発明の第3実施例が示されてお
り、以下これについて異なる部分のみ説明する。即ち、
この第3実施例は、出力段に絶縁変圧器5を挿入した補
助交流電源2′を利用する点に特徴を有するものであ
る。この構成によれば、配電系統にサージ電圧のような
異常電圧が重畳した場合などに、補助交流電源2′内の
インバータ4に対し悪影響が及ぶ恐れを未然に防止でき
るようになる。尚、このような絶縁変圧器5を備えた補
助交流電源2′を前記第2実施例に適用する構成として
も良いことは勿論である。
【0040】(第4の実施の形態)図5には本発明の第
4実施例が示されており、以下これについて前記第1実
施例と異なる部分のみ説明する。即ち、この第4実施例
は、第1実施例における変圧器1をタップ付き変圧器6
に置き換えた例を示すものであり、前述したような補助
交流電源2による電圧変換機能に加え、タップ付き変圧
器6のタップ6aを選択することにより出力電圧Vout
を変更できるようにした点に特徴を有する。
【0041】この場合、タップ付き変圧器6のタップ6
aの選択による出力電圧変更では、タップが段階的に切
り替わるため、電圧変更は階段状にしかできないが、タ
ップ切替に伴う電圧変動分を補助交流電源2の出力電圧
調整でカバーすることにより、その出力電圧を無段階に
連続的に調整することが可能となり、しかも、この場合
には、タップ切替による電圧調整幅も加味されることに
なるから、変圧器1による配電電圧の連続的な調整幅を
さらに拡大することができる。
【0042】(第5の実施の形態)図6には本発明の第
5実施例が示されており、以下これについて前記第2実
施例と異なる部分のみ説明する。即ち、この第5実施例
は、第2実施例における変圧器1をタップ付き変圧器6
に置き換えた例を示すものであり、従って、上記第4実
施例と同等の効果を奏することができる。
【0043】(第6の実施の形態)図7には本発明の第
6実施例が示されており、以下これについて前記第1実
施例と異なる部分のみ説明する。即ち、図7において、
入力端子1a、1b間には、入力電圧Vin(交流電源電
圧)を検出するための例えばシャント抵抗より成る電圧
検出器7が接続される。また、入力端子1b及び変圧器
1間の電路には、入力電流を測定するための例えば変流
器より成る電流検出器8が接続される。さらに、入力端
子1a、1b間には、進相用のコンデンサ9a、10a
がそれぞれに対応した常開型のスイッチ9b、10bを
介して接続される。上記電圧検出器7及び電流検出器8
による検出信号は、制御装置11に与えられるようにな
っており、この制御装置11は、その入力信号及び予め
設定された制御プログラムなどに基いて、スイッチ9
b、10b及び補助交流電源2内のインバータ4の制御
を行う構成となっている。
【0044】制御装置11は、出力端子1c、1d間に
つながれた負荷の力率・容量に応じた力率の悪化を改善
するため、電圧検出器7による検出電圧並びに電流検出
器8による検出電流の位相に応じて力率の低下度合を判
断し、その判断結果に基いてスイッチ9b、10bを開
閉する。この場合、スイッチ9b、10bの一方或いは
双方がオンされた状態ではコンデンサ9a、9bの容量
に応じて段階的に進相容量が変化するものであり、さら
に、補助交流電源2を通じて出力電圧位相の制御を行う
ことにより、負荷の大小によらず力率を一定(例えば
1)に保つことが可能となる。
【0045】(第7の実施の形態)図8には前記第2実
施例に変更を加えた本発明の第7実施例が示されてお
り、以下これについて異なる部分のみ説明する。即ち、
この第7実施例は、補助交流電源2の出力を変圧器1の
出力側に直列に挿入する場合の例であり、その補助交流
電源2の出力端子間に常開型の短絡スイッチ12(請求
項8記載の発明でいう短絡手段に相当)を接続した構成
に特徴を有する。
【0046】上記構成においては、負荷側で短絡事故が
発生した場合には、これを検知し短絡スイッチ12を閉
路して補助交流電源2の端子間電圧を抑制することによ
り、当該補助交流電源2を保護する。この場合、上記の
ような短絡電流は変圧器1のインピーダンスで規定され
る大きさとなる。従って、変圧器1のインピーダンスを
通常より大きくすることにより、短絡電流を抑制して遮
断器の容量を低減できるものである。但し、このように
高インピーダンスとした場合には、出力電圧の変動が問
題となってくるものであるが、このような電圧変動の問
題は、補助交流電源2の出力電圧調整により容易に補償
できるようになる。この結果、変圧器1のインピーダン
スを大きくした場合であっても、電圧変動率の小さな交
流電源装置を提供できることになる。
【0047】(第8の実施の形態)図9には上記第7実
施例に変更を加えた本発明の第8実施例が示されてお
り、以下これについて異なる部分のみ説明する。即ち、
この第8実施例は、変圧器1の出力側に直列に挿入され
る交流電源として、前述した第3実施例のような絶縁変
圧器5を出力段に有した補助交流電源2′を利用する場
合の例であり、当該絶縁変圧器5の一次側巻線の両端に
短絡スイッチ12を接続した構成としている。このよう
な構成の本実施例においても、負荷側で短絡事故が発生
した場合に、これを検知し短絡スイッチ12を閉路する
ものであり、これにより第7実施例と同等の効果を奏す
るようになる。
【0048】(第9の実施の形態)図10には本発明の
第9実施例が示されており、以下これについて前記第2
実施例と異なる部分のみ説明する。即ち、図10におい
ては、変圧器1の出力側に補助交流電源2の出力端子を
直列に挿入しており、出力端子1c、1d間には、負荷
13に供給される電圧(つまり出力電圧Vout )を検出
するための例えばシャント抵抗より成る電圧検出器14
(請求項9記載の発明でいう出力電圧検出手段に相当)
が接続される。この電圧検出器14からの検出信号を受
ける制御装置15は、その検出電圧に応じて補助交流電
源2の出力電圧Vacを調整するものである。
【0049】これにより、負荷13と出力端子1c、1
dとの間の導線の抵抗などに起因した電圧降下の影響に
よって、当該負荷13に供給する電圧Vout が変動する
ような状況にある場合でも、その電圧降下分を補助交流
電源2の出力電圧Vacの調整により補償できるため、負
荷電流の大きさに拘らず負荷13に最適な電圧を供給す
ることが可能となる。尚、この場合、補助交流電源2
は、変圧器1の入力側に直列に挿入する構成であっても
良い。
【0050】(第10の実施の形態)図11には本発明
の第10実施例が示されており、以下これについて前記
第2実施例と異なる部分のみ説明する。即ち、図11に
おいては、変圧器1の出力側に補助交流電源2の出力端
子を直列に挿入する構成としており、入力端子1a、1
b間には、入力電圧Vinを検出するための例えばシャン
ト抵抗より成る電圧検出器16(請求項10記載の発明
でいう入力電圧検出手段に相当)が接続される。この電
圧検出器16からの検出信号を受ける制御装置17は、
その検出電圧に応じて補助交流電源2の出力電圧Vacを
調整するものである。
【0051】これにより、入力電圧Vinの変化に応じて
補助交流電源2の出力電圧Vacを制御できるため、変圧
器1の入力電圧が変動する場合であっても交流電源装置
の出力電圧Vout を一定に制御することが可能になる。
尚、この場合にも、補助交流電源2は、変圧器1の入力
側に直列に挿入する構成であっても良い。
【0052】(第11の実施の形態)図12及び図13
には本発明の第11実施例が示されており、以下これに
ついて説明する。即ち、この第10実施例は三相交流電
路に適用した例を示すものであり、図12において、入
力端子18u、18v、18wと出力端子19u、19
v、19wとの間に接続される三相変圧器20(請求項
11記載の発明でいう多相変圧器に相当)は、配電系統
中に設けられるもので、例えば、各相出力側に補助交流
電源2の出力端子がそれぞれ直列に挿入された状態とな
っている。従って、このような構成とした本実施例にお
いても、各補助交流電源2の出力電圧を変化させること
により、交流電源装置の三相出力電圧を変化させる動作
が可能となる。
【0053】図13には、上記のような構成とした場合
の電圧ベクトル図が示されている。この図13におい
て、入力端子18u、18v、18wの入力電圧が、
U、V、Wで示すように不平衡となっている状態時に
は、補助交流電源2の出力電圧のレベル及び位相を調整
することによって、U相、W相の電圧をΔU、ΔWだけ
変化させれば、U′、V′、W′のように平衡な三相電
圧に変換できる。これにより三相不平衡による逆相電圧
損失を低減することができる。
【0054】尚、上記のように三相不平衡を解消するこ
とのみを目的とする場合には、U相、V相、W相の何れ
か二相二補助交流電源2を設ければ良いものである。ま
た、三相変流器20の各相入力側に、補助交流電源2の
出力端子をそれぞれ直列に挿入する構成としても良い。
また、三相に限らず、さらに多相の変圧器を利用する場
合にも同様に適用できる。
【0055】(第12の実施の形態)図14には本発明
の第12実施例が示されており、以下これについて異な
る部分のみ説明する。即ち、図14において、補助交流
電源2の出力端子は変圧器2の出力側に直列に挿入され
る。出力端子1c、1d間には、負荷22に供給される
電圧(つまり出力電圧Vout )を検出するための例えば
シャント抵抗より成る電圧検出器23(請求項12記載
の発明でいう出力電圧検出手段に相当)が接続される。
また、入力端子1a、1b間には、入力電圧Vinを検出
するための例えばシャント抵抗より成る電圧検出器24
(請求項12記載の発明でいう入力電圧検出手段に相
当)が接続される。また、入力端子1b及び変圧器1間
の電路には、入力電流を測定するための例えば変流器よ
り成る電流検出器25(請求項12記載の発明でいう入
力電流検出手段に相当)が接続される。さらに、入力端
子1a、1b間には、進相用のコンデンサ9a、10a
がそれぞれに対応した常開型のスイッチ9b、10bを
介して接続される。そして、上記電圧検出器23、24
及び電流検出器25による検出信号は制御回路26に与
えられるようになっている。
【0056】この場合、制御装置26は、出力端子1
c、1d間からの出力電圧Vout が負荷22に適合する
最適な電圧レベルとなるように、補助交流電源2の出力
電圧Vacを電圧検出器23からの検出信号に基いて制御
する。併せて、制御装置26は、電圧検出器24により
検出される入力電圧並びに電流検出器25により検出さ
れる入力電流の大きさ及び位相に応じてスイッチ9b、
10bを開閉することにより、出力電圧Vout の位相を
制御する。これにより、負荷22に最適な電圧を供給し
つつ、受電回路全体の力率を制御することが可能となり
配電設備全体を通じて効率が最高となる運転状態を実現
できる。
【0057】また、上記のような構成においては、制御
の有無による損失の差は、例えば電圧検出器24と電流
検出器25による測定結果が補助交流電源2の出力変動
に応じてどのように変化するかを求めることにより算出
可能となる。また、負荷22の特性が既知の場合には、
当該負荷22の特性に合わせた関数式を用いて演算が可
能である。このような演算により得られる省電力量は、
交流電源装置において表示する構成、または外部に出力
して表示する構成を採用することにより、監視員がその
量を容易に確認できるようになる。また省電力量をコン
ピュータに入力し、省電力量と、負荷の状況、電源電圧
の状況、天候などの関係を容易に調べることができる。
【0058】(その他の実施の形態)その他、本発明は
上記実施例にのみ限定されるものではなく、次のような
変形また拡張が可能である。前記第3実施例で示したよ
うな絶縁変圧器5を備えた補助交流電源2′を、第4、
第5、第6、第9、第10、第11、第12の各実施例
においても、補助交流電源2に代えて設ける構成しても
良い。
【0059】
【発明の効果】請求項1記載の発明においては、変圧器
に与えられる交流電圧と同一周波数の可変交流電圧を発
生する電圧調整用補助交流電源を設けて、その電圧調整
用補助交流電源の出力端子を、前記変圧器の入力側若し
くは出力側に直列に挿入する構成としたので、入力電圧
が変動する場合であっても出力電圧を安定した状態に維
持可能になると共に、力率の改善や異なる電力回線から
の並列受電を容易に行い得るなどの構成を無理なく実現
可能になるものである。
【0060】請求項2記載の発明では、前記電圧調整用
補助交流電源の出力電圧の大きさを変化させることによ
り、変圧器から負荷に供給される電圧の大きさを調整す
る構成としたから、入力電圧が変動する場合でも、電圧
調整用補助交流電源の出力電圧を調整するだけで、負荷
に与えるための出力電圧を安定した状態となるように制
御できる。
【0061】請求項3記載の発明では、前記電圧調整用
補助交流電源の出力電圧の前記変圧器入力電圧に対する
位相を変化させることにより、変圧器から負荷に供給さ
れる電圧の位相を調整する構成としたから、電圧調整用
補助交流電源の出力電圧の位相を調整するだけで、交流
電源電圧と出力電圧との間の位相差を任意に変化させる
ことができて力率の改善を容易に行うことができる。
【0062】請求項4記載の発明では、前記変圧器に対
する入力電圧及び入力電流の位相に応じて、当該変圧器
のための電路に進相用のコンデンサが選択的に接続され
た状態となる構成としたから、力率の改善を図り得るも
のであり、また、その進相用のコンデンサを複数個設け
ると共に、電圧調整用補助交流電源の出力電圧の位相を
調整する制御を併用すれば、負荷の大小によらず力率を
一定(例えば1)に保つことも可能となる。
【0063】請求項5記載の発明では、前記電圧調整用
補助交流電源を、出力電圧レベル及び位相を調節可能な
インバータを含んだ構成としたから、出力電圧の制御の
制御を緻密に行い得るようになると共に、コストの抑制
並びに効率の低下防止を同時に実現できるものである。
【0064】請求項6記載の発明では、前記電圧調整用
補助交流電源を、出力段に絶縁変圧器を備えた構成とし
たから、配電系統にサージ電圧のような異常電圧が重畳
した場合などに、電圧調整用補助交流電源に対し悪影響
が及ぶ恐れを未然に防止できるようになる。
【0065】請求項7記載の発明では、前記変圧器とし
てタップ付き変圧器を用いる構成としたから、変圧器に
よる配電電圧の連続的な調整幅をさらに拡大できるよう
になる。
【0066】請求項8記載の発明では、変圧器の負荷側
で短絡事故が発生した場合に電圧調整用補助交流電源の
出力端子間を短絡手段により短絡する構成としたから、
負荷側で短絡事故が発生した場合でも電圧調整用補助交
流電源を保護することができる。
【0067】請求項9記載の発明では、電圧調整用補助
交流電源の出力電圧の大きさを、変圧器から負荷に供給
される電圧に基いて変化させることにより、変圧器から
負荷に供給される電圧の大きさを負荷に最適な状態に制
御する構成としたから、負荷電流の大きさに拘らず負荷
に最適な電圧を供給することが可能となる。
【0068】請求項10記載の発明では、電圧調整用補
助交流電源の出力電圧の大きさを、変圧器に与えられる
電圧に基いて変化させることにより、変圧器から負荷に
供給される電圧の大きさを変圧器の入力電圧と無関係に
一定状態に制御する構成としたから、変圧器の入力電圧
の如何に拘らず負荷に与えられる出力電圧を一定に制御
することが可能になる。
【0069】請求項11記載の発明では、前記変圧器と
して多相変圧器が用いられる場合に、当該多相変圧器の
入力側若しくは出力側に直列に挿入された電圧調整用補
助交流電源の位相を調整することによって多相不平衡状
態を解消できるように構成したから、多相出力の平衡化
状態を確実に解消可能になるものである。
【0070】請求項12記載の発明では、変圧器に与え
られる電圧及び電流をそれぞれ検出する入力電圧検出手
段及び入力電流検出手段と、当該変圧器から負荷に供給
される電圧を検出する出力電圧検出手段とを設け、それ
らの検出手段による検出結果によって示される変圧器の
電源及び負荷の変動に応じて負荷、配電設備、配電線で
の損失を最小とする運転制御を行う構成としたから、負
荷電流、電源側から見た力率を制御し負荷、配電線、配
電設備での損失を最小にすることができる。
【0071】請求項13記載の発明では、上記のような
運転制御の有無による損失の差を演算し表示する構成と
したから、省電力量の確認を容易に行い得るようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す電気的構成図
【図2】動作説明用のベクトル図
【図3】本発明の第2実施例を示す電気的構成図
【図4】本発明の第3実施例を示す電気的構成図
【図5】本発明の第4実施例を示す電気的構成図
【図6】本発明の第5実施例を示す電気的構成図
【図7】本発明の第6実施例を示す電気的構成図
【図8】本発明の第7実施例を示す電気的構成図
【図9】本発明の第8実施例を示す電気的構成図
【図10】本発明の第9実施例を示す電気的構成図
【図11】本発明の第10実施例を示す電気的構成図
【図12】本発明の第11実施例を示す電気的構成図
【図13】動作説明用のベクトル図
【図14】本発明の第12実施例を示す電気的構成図
【符号の説明】
1は変圧器、1a、1bは入力端子、1c、1dは出力
端子、2、2′は電圧調整用補助交流電源、3はコンバ
ータ、4はインバータ、5は絶縁変圧器、6はタップ付
き変圧器、7は電圧検出器、8は電流検出器、9a、1
0aはコンデンサ、11は制御装置、12は短絡スイッ
チ(短絡手段)、13は負荷、14は電圧検出器(出力
電圧検出手段)、15は制御装置、16は電圧検出器
(入力電圧検出手段)、17は制御装置、18u、18
v、18wは入力端子、19u、19v、19wは出力
端子、20は三相変圧器(多相変圧器)、23は電圧検
出器(出力電圧検出手段)、24は電圧検出器(入力電
圧検出手段)、25は電流検出器(入力電流検出手
段)、26は制御装置を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02J 3/12 H02J 3/12 (72)発明者 浜口 昌弘 三重県三重郡朝日町大字繩生2121番地 株 式会社東芝三重工場内 (72)発明者 塩田 広 三重県三重郡朝日町大字繩生2121番地 株 式会社東芝三重工場内 Fターム(参考) 5G066 DA01 DA04 DA07 5H410 BB04 CC03 CC05 DD03 EA19 EA37 EB38 EB39 EB40 FF03 FF05 FF22 FF25 5H420 BB12 CC02 CC04 CC06 DD03 EA30 EA37 EA47 EB38 EB39 EB40 FF03 FF04 FF22 FF25

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変圧器を備えた交流電源装置において、 前記変圧器のための交流電源と同一周波数の可変交流電
    圧を発生する電圧調整用補助交流電源を設け、 この電圧調整用補助交流電源の出力端子を前記変圧器の
    入力側若しくは出力側に直列に挿入したことを特徴とす
    る交流電源装置。
  2. 【請求項2】 前記電圧調整用補助交流電源の出力電圧
    の大きさを変化させることにより、変圧器から負荷に供
    給される電圧の大きさを調整することを特徴とする請求
    項1記載の交流電源装置。
  3. 【請求項3】 前記電圧調整用補助交流電源の出力電圧
    の前記交流電源電圧に対する位相を変化させることによ
    り、変圧器から負荷に供給される電圧の位相を調整する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の交流電源装
    置。
  4. 【請求項4】 前記変圧器ための電路に進相用のコンデ
    ンサを選択的に接続可能に構成すると共に、当該変圧器
    に対する入力電圧及び入力電流の位相に応じて前記コン
    デンサの接続状態を選択することにより進相容量を調整
    可能に構成されていることを特徴とする請求項3記載の
    交流電源装置。
  5. 【請求項5】 前記電圧調整用補助交流電源は、出力電
    圧レベル及び位相を調節可能なインバータを含んで構成
    されていることを特徴とする請求項1ないし4の何れか
    に記載の交流電源装置。
  6. 【請求項6】 前記電圧調整用補助交流電源は、出力段
    に絶縁変圧器を備えた構成のものであることを特徴とす
    る請求項1ないし5の何れかに記載の交流電源装置。
  7. 【請求項7】 前記変圧器としてタップ付き変圧器が用
    いられることを特徴とする請求項1ないし6の何れかに
    記載の交流電源装置。
  8. 【請求項8】 前記電圧調整用補助交流電源の出力端子
    間を選択的な短絡可能な短絡手段を設け、前記変圧器の
    負荷側で短絡事故が発生した場合にこれを検知し前記短
    絡手段を閉路する構成としたことを特徴とする請求項1
    ないし7の何れかに記載の交流電源装置。
  9. 【請求項9】 前記変圧器から負荷に供給される電圧を
    検出する出力電圧検出手段を設け、前記電圧調整用補助
    交流電源の出力電圧の大きさを上記出力電圧検出手段の
    検出出力に基いて変化させることにより、変圧器から負
    荷に供給される電圧の大きさを負荷に最適な状態に制御
    することを特徴とする請求項1ないし8の何れかに記載
    の交流電源装置。
  10. 【請求項10】 前記交流電源からの入力電圧を検出す
    る入力電圧検出手段を設け、前記電圧調整用補助交流電
    源の出力電圧の大きさを上記入力電圧検出手段の検出出
    力に基いて変化させることにより、変圧器から負荷に供
    給される電圧の大きさが一定状態となるように制御する
    ことを特徴とする請求項1ないし8の何れかに記載の交
    流電源装置。
  11. 【請求項11】 前記変圧器として多相変圧器を備え、
    当該多相変圧器の入力側若しくは出力側に直列に挿入さ
    れた前記電圧調整用補助交流電源の位相を調整すること
    によって多相不平衡状態を解消できるように構成したこ
    とを特徴とする請求項1ないし10の何れかに記載の交
    流電源装置。
  12. 【請求項12】 前記交流電源からの入力電圧及び入力
    電流をそれぞれ検出する入力電圧検出手段及び入力電流
    検出手段と、当該変圧器から負荷に供給される電圧を検
    出する出力電圧検出手段とを設け、それらの検出手段に
    よる検出結果によって示される交流電源及び負荷の変動
    に応じて負荷、配電設備、配電線での損失を最小とする
    運転制御を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項
    11の何れかに記載の交流電源装置。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の交流電源装置におい
    て、前記運転制御の有無による損失の差を演算し表示す
    ることを特徴とする交流電源装置。
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