JP2001053661A - アダプティブアレイ基地局における送受信系調整方法およびアダプティブアレイ無線装置 - Google Patents

アダプティブアレイ基地局における送受信系調整方法およびアダプティブアレイ無線装置

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JP2001053661A
JP2001053661A JP11225816A JP22581699A JP2001053661A JP 2001053661 A JP2001053661 A JP 2001053661A JP 11225816 A JP11225816 A JP 11225816A JP 22581699 A JP22581699 A JP 22581699A JP 2001053661 A JP2001053661 A JP 2001053661A
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calibration
reception system
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Tomoyoshi Yokota
知好 横田
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  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各アンテナにおける送信系と受信系の特性差
を検出して、最適なアダプティブビームフォーミングと
アダプティブヌルスティアリングを行うことを可能とす
るアダプティブアレイ基地局における送受信系調整方法
を提供すること。 【解決手段】 制御部32は、例えば無線周波数部の温
度を監視し、これの温度がΔT°Cだけ変化すると、モ
デム部30に対して通話チャネルのモニタ指示を行う。
モデム部30は指定キャリアにおける通話チャネルのモ
ニタ指示があると(S100)、指定されたキャリアに
おける受信電界強度が40dB以下かどうかを検出し
(S102)、キャリブレーションデータが有効かどう
かを判断する(S104)。そして、受信電界強度が4
0dB以下でありかつキャリブレーションデータが有効
であれば、キャリブレーションを実行する(S10
6)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は移動体通信端末の無
線基地局、より具体的にはアダプティブアレイ技術を備
えたアダプティブアレイ基地局における送受信系の調整
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】移動体通信端末であるPHS端末は、通
話料金が安く、しかも小型・軽量であるため、発売当初
から多くのユーザを獲得することができた。しかし、携
帯電話機の通話料金の引下げや、小型・軽量化が実現し
たことにより、PHS端末のメリットが薄れ、逆にデメ
リットがクローズアップされてPHS端末から携帯電話
機に切り換えるユーザもでてきている。
【0003】すなわち、PHS端末は、携帯電話機に比
べてクリアな音声通話ができるとともに高速データ通信
が可能ありかつ電力消費が少ない等のメリットがある
が、携帯電話機に比べて通話エリアが狭く、呼の途中切
断が移動中に発生し易く、また電話がかかりにくい等の
デメリットがあった。そこで、PHS端末のこのような
問題を解決する次世代PHS基地局として、干渉を抑圧
することによってサービスできるエリアを拡大すると同
時に、通話品質を改善することができるアダプティブア
レイ基地局が開発された。
【0004】アダプティブアレイ基地局とは、アダプテ
ィブビームフォーミング(AdaptiveBeam Forming)およ
びアダプティブヌルスティアリング(Adaptive Null Ste
ering)のアダプティブアレイ技術を搭載した基地局を意
味する。ここで、アダプティブビームフォーミングは通
信を行う希望PHS端末に対して最大の送信電力で送信
することを可能にする機能である。また、アダプティブ
ヌルスティアリングは通信を行わない与干渉PHS端末
に対して影響を与えないようにヌル送信する機能であ
る。
【0005】図4はアダプティブアレイ基地局における
これら機能の概略を示した説明図である。図4におい
て、基地局40はアダプティブアレイ基地局であり、基
地局50は通常のPHS基地局である。PHS端末PS
1はアダプティブアレイ基地局40と通信を行ってお
り、PHS端末PS2は電波500により基地局50と
通信を行っている。また、PHS端末PS1とPHS端
末PS2は同じ周波数で同一タイムスロットを使用して
基地局との通信を行っているものとする。
【0006】アダプティブアレイ基地局40はPHS端
末PS1と通信を行う場合、アダプティブビームフォー
ミング機能により、希望PHS端末であるPHS端末P
S1に対して最大の送信電力になるように電波の吹き方
(振幅と位相)を制御する。アダプティブアレイ基地局
40はまた、アダプティブヌルスティアリング機能を用
いて、与干渉PHS端末であるPHS端末PS2からの
上りの干渉(点線520)を抑圧するように電波の振幅
と位相を制御する。
【0007】その結果、アダプティブアレイ基地局40
はPHS端末PS1に対して電波400に示すような最
大の送信電力で、かつPHS端末PS2に影響を与えな
いように振幅と位相を制御して電波を吹く。このような
電波400でPHS端末と通信を行うことにより、上り
と下りの干渉抑圧によってC/I(希望レベルと干渉レ
ベルの比)が改善され、希望PHS端末との通話品質を
著しく向上させることができる。また、アダプティブア
レイ基地局では、このように干渉抑圧能力があるので、
従来のPHS基地局と比較して著しく周波数有効利用率
を向上させることができ、その結果、トラヒックキャパ
シティを向上させることができる。
【0008】以上説明したようにアダプティブアレイ基
地局では、電波を均等に輻射するのでは無く、アダプテ
ィブビームフォーミング機能とアダプティブヌルスティ
アリング機能により電波の振幅と位相を制御して出力す
る。これにより、希望PHS端末には最大の送信電力で
送信でき、かつ与干渉PHS端末に対してはヌル送信に
なるように電波に指向性を持たせることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アダプ
ティブアレイ基地局に例えばアンテナが4本あった場
合、各アンテナにおける送信系と受信系のハードウェア
の特性のバラツキにより、4本のアンテナから送出され
る無線周波数(RF)の振幅と位相が希望するものとズ
レてしまう。また、このようなハードウェア特性は温度
によっても影響を受けるので、温度変化に応じて各アン
テナにおける送信系と受信系の振幅と位相の特性差を検
出してこれを調整する必要がある。したがって、各アン
テナの送信系と受信系のハードウェアの特性のバラツキ
を考慮することなく、同じように電波の振幅と位相によ
り出力制御を行うと、最適なアダプティブビームフォー
ミングとアダプティブヌルスティアリングを行うことが
できないという問題があった。
【0010】本発明はこのような従来技術の課題を解決
し、各アンテナにおける送信系と受信系の特性差を検出
して、最適なアダプティブビームフォーミングとアダプ
ティブヌルスティアリングを行うことを可能とするアダ
プティブアレイ基地局(無線装置)における送受信系調
整技術を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解
決するために、通信を行う移動体通信端末に対しては最
大の送信電力で通信するアダプティブビームフォーミン
グを行い、通信を行っていない与干渉移動体通信端末に
対しては影響を与えないようにするアダプティブヌルス
ティアリングを行う、第1のアンテナから第nのアンテ
ナを備えたアダプティブアレイ基地局(無線装置)にお
いて、これら各アンテナにおける送信系と受信系の特性
差を検出し、この検出結果に基づいて送信系と受信系を
調整することを特徴とする。より具体的な調整方法は、
第1のアンテナから第nのアンテナまで、1本ずつ順番
に既知の振幅と位相で微弱な電波を送信し、電波を送信
したアンテナ以外のアンテナでこの送信した電波を受信
することで、第1のアンテナから第nの各アンテナにお
ける無線周波数の送信系と受信系の振幅と位相の特性差
をキャリブレーションデータとして求める。そして、こ
のキャリブレーションデータから各アンテナにおいて送
出される無線周波数が最適な位相と振幅になるように計
算するキャリブレーションを実施し、第1のアンテナか
ら第nのアンテナのアダプティブビームフォーミングお
よびアダプティブヌルスティアリングの精度を向上させ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】次に添付図面を参照して本発明に
よるアダプティブアレイ基地局における送受信系調整の
方法と装置の実施の形態を詳細に説明する。図2を参照
すると、本発明によるアダプティブアレイ基地局をPH
S基地局に適用したときの実施の形態を示す機能ブロッ
ク図が示されている。
【0013】なお、本実施の形態では本発明によるアダ
プティブアレイ基地局をPHS基地局に適用するが、本
発明は特にPHS基地局に限定されるものではなく、例
えばPDC(Personal Digital Cellular) やCDMA(C
ode Division Multiple Access) 等の基地局にも同様に
適用可能である。また、図2に示したアダプティブアレ
イ基地局はアダプティブアレイ無線装置を基地局に適用
したものであり、以下、本実施の形態におけるアダプテ
ィブアレイ基地局の説明は本発明によるアダプティブア
レイ無線装置の実施の形態をも説明するものとする。
【0014】図2において、本実施の形態によるアダプ
ティブアレイ基地局10は、4つのアンテナANT1〜
ANT4を備え、これらアンテナANTが送受信切り替
えスイッチ12に接続されている。送受信切り替えスイ
ッチ12は、これらアンテナANT1〜ANT4を時分
割で制御して送信と受信との切り替え制御を行ってい
る。送受信切り替えスイッチ12には受信系モジュール
14と送信系モジュール22とが接続されている。
【0015】受信系モジュール14は、各アンテナAN
T毎に備えた、4つのローノイズ増幅器(LNA)1
6、ダウンコンバータ(D/C)18、A/Dコンバー
タ(A/S)20により構成されている。受信系モジュ
ール14はまた、モデム部30に接続され、ローノイズ
増幅器16、ダウンコンバータ18およびA/Dコンバ
ータ(A/S)20は、信号経路である送受信切り替え
スイッチ12からモデム部30に向かってこの順番で接
続されている。
【0016】送信系モジュール22は、同様に、各アン
テナANT毎に備えた、4つのD/Aコンバータ(D/
A)24、アッパコンバータ(U/C)26、電力増幅
器(P/A)28により構成されている。送信系モジュ
ール22はまた、モデム部30に接続され、D/Aコン
バータ24、アッパコンバータ26および電力増幅器2
8は、信号経路であるモデム部30から送受信系切り替
えスイッチ12に向かってこの順番で接続されている。
【0017】モデム部30は、複数のCPUから構成さ
れており、送受信データの変復調およびデジタル信号処
理による位相制御を行なっている。具体的には以下の5
つの制御を行う。 1.受信系モジュール14の最終段で変換されたディジ
タル信号の例えばD/U(Desire/Undesire: 希望波/妨
害波)が最大となるように合成し復調する。 2.アンテナANTでの受信の位相を算出して、送信時
にはアンテナ端で同等の位相になるように制御する。そ
れによって、通信を行うPHS端末の方向に送信/受信
とも指向性を持たせることができる。 3.干渉波と遅延波の到来方向にヌル点を作ることによ
って抑圧する。 4.n本のアンテナに供給する信号の位相を制御するこ
とによって、任意の方向に指向性を持たせてビームを絞
って送信することを可能とする。 5.周囲の基地局や通話中、あるいはデータ(通信)の
やりとりをしているPHS端末以外のPHS端末に対し
て、下り方向に与える干渉を減少させる。このモデム部
30は制御部32に接続されている。
【0018】制御部30は複数のCPUから構成され、
アダプティブアレイ基地局10全体の制御を行う。具体
的には以下の2つの制御を行う。 1.モデム部30に対して必要なパラメータおよびタイ
ミングを指示し、モデム部30が受信したデータを処理
する。また、空中に輻射すべきデータを作成してモデム
部30に渡す。さらに、キャリブレーションによって計
算された重み付けによる送信出力の制御を指示する。 2.ISDN回線に接続され、これとのインタフェース
の処理を実行する。
【0019】電源部34は100Vの電源の供給を受
け、アダプティブアレイ基地局10に電力を供給する電
源部である。なお、モデム部30および制御部32によ
りデジタル信号処理部が形成される。アダプティブアレ
イ基地局では、N(Nは2以上の自然数)本のアンテナ
から受信した受信情報(振幅と位相)を元にして、各ア
ンテナに対しそれぞれ所定の重み付けで送信する。それ
によって、アダプティブビームフォーミングとアダプテ
ィブヌルスティアリングを可能とする。しかしながら、
各アンテナとケーブルは例えばアイソレーションや損失
等の異なる特性を持つため、デジタル信号処理部から送
信系モジュール等の無線周波数(RF)送信部に所定の
重み付けで送信をしたとしても、各アンテナ端では必ず
しもその期待した重み付けで送信されるわけでは無い。
【0020】一般的にアダプティブヌルスティアリング
はアダプティブビームフォーミングに比べて、より精度
の高い振幅および位相の制御を各アンテナで実施するこ
とが要求される。したがって、各アンテナと各ケーブル
等の特性をキャリブレーションによって認識して、実際
の重み付け送信に反映させる必要がある。以下、図3を
用いてその原理を簡単に説明する。なお、図3におい
て、アンテナの数は物理的には4本であるが、図2に示
した送受信切り替えスイッチ12によって論理的に8本
になるので、ここでは受信系と送信系とを合わせた論理
的な数のアンテナが示されている。
【0021】デジタル信号処理部では、各4本のアンテ
ナから受信した振幅と位相情報からなる complex WR
と、各4本のアンテナに対応した4つの無線周波数の送
信部に指定する振幅と位相情報からなる complex WT
ついては既知である。実際には各アンテナで順番に1本
づつ指定したバーストだけ等しい振幅と位相の微弱な電
波を送信させて、その時の各アンテナでの受信情報を元
にキャリブレーションを行う。
【0022】図1において、無線周波数送信部(Tx#
0〜Tx#3)および無線周波数受信部(Rx#0〜R
x#3)での特性ベクトルをそれぞれT,Rとする。ま
た、アンテナ端での送受信のベクトルは、送受信の可逆
性から共に等しいはずなのでこれをWとすると、以下の
式が成立する。 W=T×WT ...(1) WR =R×W ...(2) ここで、Tはケーブルも含めた無線周波数送信部の特性
をベクトルで表したもので、Rはケーブルを含めた無線
周波数受信部の特性をベクトルで表したものである。式
(1)、(2)より, WT =W/T=(WR /R)/T=W/R・T...(3) すなわち、キャリブレーションによって、R(R1 ,R
2 ,R3 ,R4 )×T(T1 ,T2 ,T3 ,T4 )を求
める。Ri =ni exp(jφi ),Ti =ni exp
(jφi )とすると、
【0023】
【数1】
【0024】となる。
【0025】実際に各アンテナでは既知の振幅と位相で
送信をするので、アンテナiで送信した場合のアンテナ
j(i≠j)の受信信号は各アンテナ間の距離が分かっ
ているので予測できる。したがって、アンテナ1から4
まで順に1本づつ送信することによって12個の方程式
が得られる。その結果、上記のR・Tを求めることがで
き、実際の送信に無線周波数の特性を反映させることが
可能となる。
【0026】図1は図2に示したアダプティブアレイ基
地局における送受信系調整方法の実施の形態の動作を示
すフローチャートである。本実施の形態では、無線周波
数部の送受信特性を定期的に把握し、実際の送信に反映
させることによって、アダプティブビームフォーミング
とアダプティブヌルスティアリングの精度を向上させ
る。特にアンテナ間隔を広くとることによって、アンテ
ナ間の相関性を低くした基地局では、形成させるビーム
やヌル点が急峻になる。そのため、ビームの収束時間は
短縮できるが、ヌル点に関しては特に精度が要求される
ので、無線周波数の送受信のキャリブレーションは必須
となる。
【0027】キャリブレーション方法としては、n(n
は2以上の自然数)本のアンテナからなる基地局であれ
ば、アンテナ1からアンテナnまで1本づつ順番に、既
知の振幅と位相で微弱な電波を受信スロットで送信させ
た場合、それ以外のn−1本のアンテナでの受信情報を
使って実施する。その際、それ以外のアンテナでの受信
が飽和しないようにする。
【0028】キャリブレーションの実施方法として、図
1の動作フローに示したように、通話チャネルの事前キ
ャリアセンス(TCHモニタ)と連動して実施する。す
なわち、制御部32から指定されたキャリアで通話チャ
ネルモニタを実施するように指示されると、モデム部3
0は通話チャネルモニタを実施する(S100)。そし
て、そのキャリアでキャリブレーションを実施する必要
がある場合は、先ず通話チャネルモニタの結果を見る。
もし、指定したキャリアにおける受信スロットの受信電
界強度が40dBμVより大きければ、あるPHS端末
がそのキャリアをすでに使用しているので、そのPHS
端末に干渉を与えないようにするため、キャリブレーシ
ョンを実施しない(S102)。なお、ここでは本発明
をPHS基地局に適用したため、受信スロットの受信電
界強度を40dBμVとしたが、PDC基地局またはC
DMA基地局に本発明を適用した場合の受信電界強度の
数値は異なる値となる。
【0029】一方、受信スロットの受信電界強度が40
dBμV以下であれば、前述の受信情報を元に無線周波
数の送信系と受信系の振幅と位相の特性差として求めた
キャリブレーションデータが有効かどうかを判断する
(S104)。その結果、キャリブレーションデータが
有効であればキャリブレーションを実行して(S10
6)、通話チャネルモニタの応答を制御部32に出力す
る。
【0030】キャリブレーションデータの有効の有無の
判断は以下のことを考慮して決める。すなわち、キャリ
ブレーションを頻繁に実施する方が、より正確に無線周
波数の送受信部の特性を送信に反映させることができ
る。しかし、いくら微弱な電波しか送信しないとはい
え、隣接の基地局の受信スロットに対して干渉を及ぼす
可能性があるので、なるべく頻度は少ない方がシステム
としては望ましい。また、無線周波数の送受信部の特性
は温度と周波数に依存している。実験の結果全ての周波
数でキャリブレーションを実施する必要がない事が判明
した。
【0031】したがって、使用する全キャリアをn個の
キャリアからなるm個のグループに分けて、無線周波数
部の温度が或る閾値以上変化した場合に、そのm個のキ
ャリアの何れかのキャリアでキャリブレーションを実施
する。具体的には、各キャリアグループ毎にキャリブレ
ーション有効フラグを持ち、キャリブレーションデータ
を更新してから無線周波数部の温度が或る閾値以上変化
した場合にキャリブレーション有効フラグを無効に設定
する。そして、通話チャネルモニタと連動してモニタし
た結果、受信電界強度が40dBμV以下であればキャ
リブレーションを各グループ独立に実施する。
【0032】キャリブレーションは受信スロットで実施
し、各受信スロットでキャリブレーションの結果を共有
する。送信スロットで実施しない理由は、一般に基地局
の電波はPHS端末より強い為、周囲の他の基地局が同
じキャリアを使用している場合に当該基地局でもその電
波を受信するので正確なキャリブレーションができない
ためである。
【0033】キャリブレーションを実施する条件の一つ
である無線周波数部の温度の閾値はぎりぎりに設定する
のではなく、或る程度マージンを設ける。例えば、無線
周波数の送受信部の特性を最大20℃の変化でキャリブ
レーションしなくてはいけない場合、10℃のマージン
を設けて10℃の温度変化でキャリブレーションを実施
するようにする。そうすることによって、キャリブレ
ーションの更新が新しい通話に間に合わない場合と、
キャリブレーションが失敗した場合において古いキャリ
ブレーションデータを使用しても性能の著しい劣化を防
ぐことができる。
【0034】各キャリブレーション毎にキャリブレーシ
ョンの値をリアルタイムでチェックして、もしキャリブ
レーションに失敗した場合、その値を棄却して従来の値
を使う。そしてまた、当該グループの周波数で再度キャ
リブレーションを実施する。もし、k回連続でキャリブ
レーションに失敗した場合、アンテナコンフィグレーシ
ョンに何等かの異常が発生した可能性があるので、ネッ
トワークセンターにその旨を通知して適切な処置が取ら
れるようにする。
【0035】以上、詳細に説明したように本実施の形態
によるアダプティブアレイ基地局によれば、N(Nは2
以上の自然数)本のアンテナから受信した受信情報(振
幅と位相)を元に、各アンテナにおける無線周波数の特
性をキャリブレーションとして計算し、それを加味した
重み付けにより各アンテナから送信される無線周波数が
最適な振幅と位相になるようにする。
【0036】このようなキャリブレーションを定期的に
実施することによって、アダプティブビームフォーミン
グとアダプティブヌルスティアリングの精度を向上させ
ることができる。無線周波数の特性は温度依存性がある
ので、キャリブレーションを無線周波数部の温度があら
かじめ決められた温度ΔT°Cだけ変化したときのみ実
施するようにする。その結果、キャリブレーションを実
施する頻度が少なくなるので、隣接する基地局に対する
影響を少なくできる。
【0037】無線周波数の特性は使用するキャリアの周
波数によって異なる。そこで、全キャリアをn個からな
るm個のグループに分けて、各グループではキャリブレ
ーション結果を共有するようにする。すなわち、n個の
周波数のうち、何れか1つの周波数でキャリブレーショ
ンを行えばよい。公衆基地局では、PHS端末にキャリ
ア(スロット)を割り当てる際に、PHS端末との通信
が成立する確率を高めることを目的として、あらかじめ
空いているキャリアを検索するために、通常、通話チャ
ネルのキャリアセンスを実施する。キャリブレーション
とこの通話チャネルモニタとを組み合わせることによっ
て、キャリブレーションを定期的かつ全キャリアに対し
て偏ること無く実施することが可能となる。
【0038】キャリブレーションを受信スロットで実施
する。これは、一般に基地局の電波はPHS端末よりも
強いため、送信スロットを使用すると、周囲の他の基地
局が同じキャリアを使用している場合に当該基地局でも
その電波を受信するので、正確なキャリブレーションが
できないためである。キャリブレーションを実施するに
あたり、制御部32はモデム部30に通話チャネルモニ
タを実施する周波数を指定される。通話チャネルモニタ
の結果、受信電界強度が40dBμVより大きければ、
PHS端末に干渉を与えないようにするために、キャリ
ブレーションは実施しない。
【0039】各キャリブレーション毎にキャリブレーシ
ョンの値をチェックして、もしキャリブレーションに失
敗した場合、その値を棄却して従来の値を使用する。そ
してまた、当該グループの周波数で再度キャリブレーシ
ョンを実施する。もし、k回連続でキャリブレーション
に失敗した場合、アンテナコンフィグレーションに何ら
かの以上が発生した可能性があるので、ISDN回線で
接続されているネットワークセンタ(図示せず)にその
旨を通知し、適切な処置がとられるようにする。
【0040】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように本発明によ
れば、最適な振幅と位相によりアダプティブビームフォ
ーミングとアダプティブヌルスティアリングを行うこと
が可能となる。また、各アンテナにおける無線周波数の
特性をキャリブレーションとして定期的に計算すること
で、各アンテナから送信される無線周波数の振幅と位相
を最適になるように制御できるので、常に最適な振幅と
位相によりアダプティブビームフォーミングとアダプテ
ィブヌルスティアリングを行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるアダプティブアレイ基地局におけ
る送受信系調整方法の実施の形態を示す動作フロー。
【図2】本発明によるアダプティブアレイ基地局をPH
Sの基地局に適用したときの機能ブロック図。
【図3】キャリブレーション動作を説明するための論理
的構成図。
【図4】アダプティブアレイ基地局におけるアダプティ
ブビームフォーミングとアダプティブヌルスティアリン
グの説明図。
【符号の説明】
10 アダプティブアレイ基地局 12 送受信切り替えスイッチ 14 受信系モジュール 22 送信系モジュール 30 モデム部 32 制御部 34 電源部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通信を行う移動体通信端末に対しては最
    大の送信電力で通信するアダプティブビームフォーミン
    グを行い、通信を行っていない与干渉移動体通信端末に
    対しては影響を与えないようにするアダプティブヌルス
    ティアリングを行う、第1のアンテナから第nのアンテ
    ナを備えたアダプティブアレイ基地局における送受信系
    調整方法において、 前記第1のアンテナから第nのアンテナまで、1本ずつ
    順番に既知の振幅と位相で微弱な電波を送信し、 前記電波を送信したアンテナ以外のアンテナでこの送信
    した電波を受信することで、前記第1のアンテナから第
    nの各アンテナにおける無線周波数の送信系と受信系の
    振幅と位相の特性差をキャリブレーションデータとして
    求め、このキャリブレーションデータから各アンテナに
    おいて送出される無線周波数が最適な位相と振幅になる
    ように計算するキャリブレーションを実施し、 前記第1のアンテナから第nのアンテナのアダプティブ
    ビームフォーミングおよびアダプティブヌルスティアリ
    ングの精度を向上させることを特徴とするアダプティブ
    アレイ基地局における送受信系調整方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のアダプティブアレイ基
    地局における送受信系調整方法において、 当該アダプティブアレイ基地局の無線周波数部の温度が
    あらかじめ決めた温度よりも変化したときに、前記キャ
    リブレーションを実行することを特徴とするアダプティ
    ブアレイ基地局における送受信系調整方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のアダプティブアレイ基
    地局における送受信系調整方法において、 前記無線周波数で使用する全キャリアをn個(nは2以
    上の自然数)からなるm個(mは2以上の自然数)のグ
    ループに分け、グループ毎に同じキャリブレーションを
    適用することを特徴とするアダプティブアレイ基地局に
    おける送受信系調整方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のアダプティブアレイ基
    地局における送受信系調整方法において、 当該基地局は移動体通信端末との通話を成立させる確率
    を高めるため、予め空いているキャリアを検索する通話
    チャネルのモニタを実施し、 前記キャリブレーションと前記モニタとを組み合わせる
    ことによって、このキャリブレーションを定期的かつ全
    キャリアに対して偏ることなく実施することを特徴とす
    るアダプティブアレイ基地局における送受信系調整方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のアダプティブアレイ基
    地局における送受信系調整方法において、 当該基地局は移動体通信端末との通話を成立させる確率
    を高めるため、予め空いているキャリアを検索する通話
    チャネルのモニタを実施し、 前記モニタの結果、その通話チャネルの受信電界強度が
    所定の値よりも大きければ、前記移動体通信端末への干
    渉を与えないために前記キャリブレーションを実施しな
    いことを特徴とするアダプティブアレイ基地局における
    送受信系調整方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のアダプティブアレイ基
    地局における送受信系調整方法において、 各キャリブレーション毎にキャリブレーションの値をチ
    ェックし、もしキャリブレーションに失敗した場合には
    その値を破棄して従来の値を使用して再度キャリブレー
    ションを実施し、 連続して所定の回数前記キャリブレーションに失敗した
    場合には異常がある旨を通知することを特徴とするアダ
    プティブアレイ基地局における送受信系調整方法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載のアダプティブアレイ基
    地局における送受信系調整方法において、 前記送信する微弱な電波は受信スロットで実施し、各受
    信スロットでキャリブレーション結果を共有することを
    特徴とするアダプティブアレイ基地局における送受信系
    調整方法。
  8. 【請求項8】 通信を行う移動体通信端末に対しては最
    大の送信電力で通信するアダプティブフォーミングを行
    い、通信を行っていない与干渉移動体通信端末に対して
    は影響を与えないようにするアダプティブヌルスティア
    リングを行う、第1のアンテナから第nのアンテナを備
    えたアダプティブアレイ無線装置において、 前記各アンテナにおける送信系と受信系の特性差を検出
    する検出手段と、 前記検出手段の検出結果に基づいて前記送信系と受信系
    を調整する調整手段とを有することを特徴とするアダプ
    ティブアレイ無線装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の無線装置において、前
    記検出手段は前記各アンテナにおける送信系と受信系の
    振幅と位相の特性差を検出し、 前記調整手段はこの検出結果に基づいて前記各アンテナ
    において送信される無線周波数を最適な振幅と位相にす
    ることを特徴とするアダプティブアレイ無線装置。
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