JP2008166866A - 基地局アンテナのキャリブレーション方法、及び通信基地局 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 アダプティブアレイ通信を行う通信基地局100において、通信中に、通信基地局100に装備されているN本のアンテナ素子A1〜ANの内の任意の1本が送信するCCHキャリアを残りの(N−1)本のアンテナ素子A1〜ANで受信するキャリブレーション用処理を実施して、各アンテナ素子A1〜ANの受信時の振幅比と位相差から、各アンテナ素子A1〜ANのキャリブレーションデータ11を決定する。
【選択図】図1
Description
従来、このようなアンテナのキャリブレーション処理は、空きスロットを使用して実施されていた(例えば、特許文献1参照)。
更に、制御チャネルで使用している信号又は信号に含まれるキャリア(CCHキャリア)に関しては、空きスロットであっても、規定以外のタイミングで送信すると他の通信基地局や通信端末に干渉を与える虞があるため、送信できない。従って、CCHキャリアに関しては、キャリブレーションを実施することができないという問題も生じた。
通信中に、前記通信基地局に装備されているN本のアンテナ素子の内の任意の1本が送信する制御チャネルで使用している信号を残りの(N−1)本のアンテナ素子で受信するキャリブレーション用処理を、送信するアンテナ素子を順に切り替えて全アンテナ素子について実施して、各アンテナ素子の受信時の振幅比と位相差から、各アンテナ素子のキャリブレーションデータを決定することを特徴とする基地局アンテナのキャリブレーション方法により達成される。
また、キャリブレーション用処理で使用する信号がCCHキャリアであっても、他の通信基地局や通信端末に干渉を与えることなく正常にキャリブレーションを実施できる。
アダプティブアレイに通信を行う通信基地局において、制御チャネルでは、ブロードキャストを行うため、アダプティブアレイ送信を行う必要がない場合と、割り当て情報の送信のように送信する対象が確定していて、アダプティブアレイ送信が非常に有効(必要)である場合とがあるが、上記構成のように、ブロードキャスト時のアダプティブアレイ送信を行う必要の無いタイミングを利用して、キャリブレーションを実施すれば、キャリブレーションがアダプティブアレイ送信に影響を及ぼすことがなく、アダプティブアレイ送信を行う際の通信制度を保証することができる。
通信基地局において、通常の通信中のアンテナ出力は大きく、そのままキャリブレーション用に他のアンテナ素子に入力させてしまうと、アンテナ素子と受信処理部との間に介在する無線受信モジュールを破損させてしまう虞があるが、各アンテナ素子の送受信の切り替えスイッチからの漏洩電力は、各アンテナ素子の出力と比較して微弱になる。
従って、上記構成のように、各アンテナ素子の送受信の切り替えスイッチからの漏洩電力をキャリブレーション用の送受信信号として利用してキャリブレーション用処理を実施すれば、過大入力による無線受信モジュールの破損を回避でき、安全にキャリブレーションを実施できる。
そして、各アンテナ素子の送受信の切り替えスイッチからの漏洩電力を利用して前記キャリブレーション用処理を行うことで、キャリブレーション実行時に、そのためにアンテナ出力を下げるような出力調整も不要になる。
一般に、キャリブレーションで測定する信号の振幅比や位相差は、温度の影響が大きく、一定以上の温度変化があると、誤差が生じてしまう。
しかし、上記構成の場合は、一定以上の温度変化があれば、CCHキャリアのキャリブレーションが実施されて、キャリブレーションデータが更新されるため、常に、最適なキャリブレーションデータを使用して高品質なアダプティブアレイ通信を実現できる。
上記構成によれば、通信中に、その通信を切断することなく、また、空きスロットの発生を待つこともなく、アンテナのキャリブレーションを適時速やかに実施でき、常に、最適なキャリブレーションデータを使用して高品質なアダプティブアレイ通信を実現できる。
また、キャリブレーション用処理で使用する信号がCCHキャリアであっても、他の通信基地局や通信端末に干渉を与えることなく正常にキャリブレーションを実施できる。
また、キャリブレーション用処理で使用する信号がCCHキャリアであっても、他の通信基地局や通信端末に干渉を与えることなく正常にキャリブレーションを実施できる。
図1は本発明に係る基地局アンテナのキャリブレーション方法を実施する通信基地局の一実施の形態の構成を示すブロック図、図2は図1に示した通信基地局において、キャリブレーション実施時の各アンテナ素子間の送受信状態の説明図、図3は図2に示した複数のアンテナ素子相互間で送受信する信号の振幅比及び位相差の説明図、図4は図1に示した通信基地局において、キャリブレーション実施タイミングを決定するフローチャートである。
無線受信モジュールRは、各アンテナ素子A1〜ANで受信したアナログ信号を各切り替えスイッチS1〜SNを介して受け取り、該モジュール内のLNA1、ダウンコンバータ(D/C)2、ADコンバータ3を介してデジタル信号化して受信処理部7に渡す。
また、各切り替えスイッチS1〜SNは、受信時の漏洩電力P1〜PNが、受信処理部7に送られるようになっている。
本実施の形態の場合、受信処理部7は、アンテナのキャリブレーション実行時には、各切り替えスイッチS1〜SNからの漏洩電力P1〜PNを各アンテナ素子A1〜ANからの受信信号として取り扱って、対応する振幅と位相の情報をキャリブレーション実行部10に送る。
無線送信モジュールTは、送信処理部8の出力するデジタルデータを、該モジュール内のD/Aコンバータ6、アップコンバータ(U/C)5、PA4を順に介してアナログ信号化して、各切り替えスイッチS1〜SNを経て各アンテナ素子A1〜ANに出力する。
通信中に、通信基地局100に装備されているN本のアンテナ素子A1〜ANの内の任意の1本から、既知の信号としてCCHキャリアを送信させ、残りの(N−1)本のアンテナ素子には1本のアンテナ素子が出力した信号を受信させる。このようなキャリブレーション用処理を、送信するアンテナ素子を順に切り替えて全アンテナ素子A1〜ANについて実施して、各アンテナ素子A1〜ANの受信時に受信処理部7がキャリブレーション実行部10に出力する振幅及び位相を示す情報から、アンテナ素子相互間における振幅比と位相差を算出して、各アンテナ素子A1〜ANのキャリブレーションデータを決定する。
この例では、基地局にはアレイアンテナとして4本のアンテナ素子A1〜A4が装備されていて、その内の1本のアンテナ素子A1が送信するCCHキャリア信号Fを、残る3本のアンテナ素子A2、A3,A4が受信している状態を示している。
このような送受信処理を、送信用のアンテン素子を順に切り替えて、全アンテナ素子について実施する。
図3において、波形曲線f12は、アンテナ素子A1から送信された信号をアンテナ素子A2が受信した時の振幅と位相の情報である。また、波形曲線f21は、アンテナ素子A2から送信された信号をアンテナ素子A1が受信した時の振幅と位相の情報である。
図3に示した例の場合、波形曲線f12の初期位相をθ1、波形曲線f21の初期位相をθ2、波形曲線f12の振幅をB1、波形曲線f21の振幅をB2とすると、
位相差Δθ=θ2−θ1=π/4
振幅比ΔB=B2/B1=0.8
になっている。
具体的には、図4に示す手順で、ロードキャスト時のアダプティブアレイ送信を行う必要の無いタイミングを決定する。
また、キャリブレーション用処理で使用する信号がCCHキャリアであっても、他の通信基地局100や通信端末に干渉を与えることなく正常にキャリブレーションを実施できる。
しかし、本実施の形態の通信基地局100で実施する基地局アンテナのキャリブレーション方法のように、キャリブレーション用処理は、ブロードキャスト時のアダプティブアレイ送信を行う必要の無いタイミングを利用して実施すれば、キャリブレーションがアダプティブアレイ送信に影響を及ぼすことがなく、アダプティブアレイ送信を行う際の通信制度を補償することができる。
しかし、本実施の形態の通信基地局100で実施する基地局アンテナのキャリブレーション方法では、キャリブレーション時の受信信号として、各アンテナ素子A1〜ANの送受信の切り替えスイッチS1〜SNからの漏洩電力P1〜PNを使うようにしており、該漏洩電力P1〜PNは各アンテナ素子A1〜ANの出力と比較して微弱になる。
従って、過大入力による無線受信モジュールR内のLNA1の破損を回避でき、安全にキャリブレーションを実施できる。
そして、各アンテナ素子A1〜ANの送受信の切り替えスイッチS1〜SNからの漏洩電力を利用して前記キャリブレーション用処理を行うことで、キャリブレーション実行時に、そのためにアンテナ出力を下げるような出力調整も不要になる。
しかし、本実施の形態の通信基地局100で実施する基地局アンテナのキャリブレーション方法では、通信基地局100のアンテナ周囲の温度変化を監視する温度センサ15を備えていて、一定以上の温度変化があれば、CCHキャリアのキャリブレーションを実行して、キャリブレーションデータ11を更新する。
そのため、常に、最適なキャリブレーションデータ11を使用して高品質なアダプティブアレイ通信を実現できる。
また、キャリブレーション用処理で使用する信号がCCHキャリアであっても、他の通信基地局100や通信端末に干渉を与えることなく正常にキャリブレーションを実施でき、より高品質なアダプティブアレイ通信を実現できる。
2 ダウンコンバータ(D/C)
3 ADコンバータ
4 PA
5 アップコンバータ(U/C)
6 D/Aコンバータ
7 受信処理部
8 送信処理部
9 制御部
10 キャリブレーション実行部
11 キャリブレーションデータ
15 温度センサ
A1〜AN アンテナ素子
P1〜PN 漏洩電力
R 無線受信モジュール
S1〜SN 切り替えスイッチ(S/W)
T 無線送信モジュール
Claims (5)
- 複数のアンテナ素子を用いたアダプティブアレイによる通信を行う通信基地局において、アンテナ素子相互間の位相振幅差に対する校正係数を決定する基地局アンテナのキャリブレーション方法であって、
通信中に、前記通信基地局に装備されているN本のアンテナ素子の内の任意の1本が送信する制御チャネルで使用している信号を残りの(N−1)本のアンテナ素子で受信するキャリブレーション用処理を、送信するアンテナ素子を順に切り替えて全アンテナ素子について実施して、各アンテナ素子の受信時の振幅比と位相差から、各アンテナ素子のキャリブレーションデータを決定することを特徴とする基地局アンテナのキャリブレーション方法。 - 前記キャリブレーション用処理は、ブロードキャスト時のアダプティブアレイ送信を行わないタイミングを利用して、実施することを特徴とする請求項1に記載の基地局アンテナのキャリブレーション方法。
- 各アンテナ素子の送受信の切り替えスイッチからの漏洩電力をキャリブレーション用の送受信信号として利用して、前記キャリブレーション用処理を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の基地局アンテナのキャリブレーション方法。
- 前記通信基地局又は前記アンテナ素子の周囲の温度を検出するための温度センサを備え、一定以上の温度変化があれば、前記制御チャネルで使用している信号を用いたキャリブレーションを実行することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の基地局アンテナのキャリブレーション方法。
- アンテナ素子相互間の位相振幅差に対する校正係数を決定する基地局アンテナのキャリブレーションを行い該複数のアンテナ素子によるアダプティブアレイを用いた通信を行う通信基地局において、
通信中に、前記通信基地局に装備されているN本のアンテナ素子の内の任意の1本が制御チャネルで使用している信号を送信し残りの(N−1)本のアンテナ素子で受信するキャリブレーション用処理を、送信するアンテナ素子を順に切り替えて全アンテナ素子について実施して、各アンテナ素子の受信時の振幅比と位相差から、各アンテナ素子のキャリブレーションデータを決定するキャリブレーション実行部を備えることを特徴とする通信基地局。
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