JP2003264492A - 無線通信装置およびアレイアンテナの特性調整方法 - Google Patents

無線通信装置およびアレイアンテナの特性調整方法

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JP2003264492A
JP2003264492A JP2002063302A JP2002063302A JP2003264492A JP 2003264492 A JP2003264492 A JP 2003264492A JP 2002063302 A JP2002063302 A JP 2002063302A JP 2002063302 A JP2002063302 A JP 2002063302A JP 2003264492 A JP2003264492 A JP 2003264492A
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transmission
reception
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JP2002063302A
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Shinichi Kuroda
慎一 黒田
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で、コストをかけることなく、適
正にキャリブレーション処理を行って適正な送受信特性
を持つ送受両用のアレイアンテナを校正することができ
る無線通信装置およびアレイアンテナの特性調整方法を
提供する。 【解決手段】 ブランチ#1、ブランチ#2とを交互に
起点ブランチとし、起点ブランチのみの送信回路14
(24)と受信回路13(23)とを制御し、送信設定
利得と受信設定利得とを通常の通信時よりも小さくなる
ように調整してフォワード伝達関数情報とリバース伝達
関数情報とを計測し、演算部51において、起点ブラン
チを基準とする送信経路特性の補正係数を求める。さら
に演算部51において、起点ブランチ以外のブランチを
基準ブランチとして、求めた補正係数同士の割り算を行
うことにより、起点ブランチの利得調整成分を除去し、
適正な送信経路特性の補正係数を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、アダプ
ティブ・アレイ・アンテナ(Adaptive Array Antenna)
等の複数のアンテナ素子を有するアレイアンテナを備え
た無線通信装置、および、アレイアンテナの特性調整方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】LAN(Local Area Network)システ
ム、あるいは、セルラーシステムを初めとする移動体通
信システムでは、「周波数資源を効率的に活用し、少な
い周波数資源で如何に通信容量を拡大するか」が、最大
の課題となっている。この課題に対して、様々な取り組
みがなされているが、その中の1つに「アダプティブ・
アレイ・アンテナの適用」がある。
【0003】アダプティブ・アレイ・アンテナは、アン
テナ素子を有する複数のブランチを備え、各アンテナ素
子について、干渉波に対しては感度をできるだけ下げ、
希望波に対しては感度を上げるように指向特性を調整す
ることができるようにされたものである。換言すれば、
干渉波に対してはヌル(Null)に、希望波に対してはビ
ームが向くように指向特性を調整することができるもの
である。
【0004】多くの場合、アダプティブ・アレイ・アン
テナは、基地局のみへの適用が前提とされている。した
がって、基地局からの送信と基地局における受信の双方
向リンクでアダプティブ・アレイ・アンテナの性能を享
受するためには、アダプティブ・アレイ・アンテナを送
受両用のものとして具現化する必要がある。この際、重
要となるのが「キャリブレーション(Calibration)技
術」である。
【0005】アダプティブ・アレイ・アンテナは、もと
もと受信系を前提とした技術であり、各アンテナ素子か
らの受信信号を適正に合成することができるように、受
信信号に対する重み付けを適正に行うことにより、S/
N比(信号対ノイズ比)の良い受信信号を得て、これを
利用することができるようにされる。
【0006】そして、アダプティブ・アレイ・アンテナ
を複信方式としてTDD方式(TimeDivision Duplex:
時分割全2重方式)が取られているLANシステムや移
動体通信システムなどに適用する場合には、比較的に容
易に送受両用化が達成できる。何故なら、TDD方式の
場合、送信時と受信時とで空間伝送路がほぼ同一とみな
せるので、受信系で算定したウエイト(重み付け)をそ
のまま送信系にも用いることができるからである。
【0007】ただし、アダプティブ・アレイ・アンテナ
を備えた無線通信装置(送受信装置)内の受信経路と送
信経路との特性差を校正する必要がある。例えば、図1
3に示すように、アンテナ素子111、211、31
1、411を備えた4つのブランチ#100、#20
0、#300、#400からなるアダプティブ・アレイ
・アンテナを備えた無線通信装置について考える。ここ
で、記号「#」は、ナンバ(number)の意味で用いてい
る。以下、この明細書において同じ。
【0008】この図13に示したアダプティブ・アレイ
・アンテナを備えた無線通信装置の場合、ブランチ#1
00を基準とし、各ブランチの受信経路を通じて受信し
た受信信号を用い、重み付け算出部150において、所
定のアルゴリズムに従った計算により、各ブランチ毎の
受信特性情報を得て、基準ブランチ#100以外の各ブ
ランチの複合乗算器216、316、416に供給する
ことになるウエイト(重み付け)情報を適性に求めるこ
とができる。
【0009】各ブランチの複合乗算器216、316、
416には、例えば、重み付けコントローラ151を通
じて複合乗算器毎に異なるウエイト(重み付け)情報が
供給され、受信信号に対する重み付けが行われる。これ
により、各アンテナ素子により受信した希望波を適正に
合成して、感度よく用いることができるようにされる。
【0010】なお、ブランチの受信経路は、例えば、ブ
ランチ#100で言えば、アンテナ素子111、切換器
112、受信回路113、切換器115からなる部分で
あり、ブランチの送信経路は、ブランチ#100で言え
ば、アンテナ素子111、切換器112、送信回路11
4、切換器115からなる部分である。
【0011】そして、基準ブランチ#100以外の各ブ
ランチの送信経路には、送信特性を補正するための複合
補正回路217、317、417が設けられる。この複
合補正回路217、317、417において、受信経路
と送信経路の特性が各ブランチ間で同一となるように送
信特性について補正をかける。
【0012】すなわち、この補正は、送信特性ΔAT/
受信特性ΔARの比率を各ブランチで等しくするように
するものである。図13の例の場合には、各ブランチの
送信特性をΔA1T、ΔA2T、ΔA3T、ΔA4Tとし、各ブ
ランチの受信特性をΔA1R、ΔA2R、ΔA3R、ΔA4Rと
すれば、ΔA1T/ΔA1R=ΔA2T/ΔA2R=ΔA3T/Δ
A3R=ΔA4T/ΔA4Rとなるように調整するものであ
る。
【0013】補正を行う構成自体は、さほど難しいもの
ではない。しかし、伝送経路の特性差に関する情報を如
何に得るかが問題となる。これについては、様々な方法
が検討されている。ここで、伝送経路特性の計測方法の
一例として、付加的な装置を一切必要とせず、最も簡単
なものと考えられる方法の1つとして、米国特許.NO.
6037898で述べられている方法について、ブラン
チが4つのアダプティブ・アレイ・アンテナの場合を例
にして説明する。
【0014】この方法の場合、各ブランチの伝送経路特
性の計測は、実際に電波(テスト信号)を飛ばして行う
ことになる。この場合、各ブランチは、図14に示すよ
うに、他のブランチのそれぞれとの間で電波の送受を行
うようにする。図14において、G12、G21、G14、G
41、G13、G31、G23、G32、G24、G43、G34、G43
のそれぞれは、各ブランチ間の空間伝送路における伝達
関数(空間伝達関数)を示している。
【0015】そして、図15に示すように、所定の2つ
のブランチ#i、#jとに着目する。すなわち、ブラン
チ#i、ブランチ#jは、それぞれ異なるブランチであ
って、図14に示したブランチ#100、#200、#
300、#400のうちのいずれかである。
【0016】そして、所定のブランチ#iからの信号を
受信した場合の所定のブランチ#jにおける伝達関数情
報(受信信号)Sij(ω)は、空間伝達関数Gijだけでな
く、テスト信号S(ω)を送信するブランチ#iの送信経
路(送信回路i04→切換器i02→アンテナ素子i0
1)の伝達関数Ti(ω)と、ブランチ#jの受信経路
(アンテナ素子j01→切換器j02→受信回路j0
3)の伝達関数Rj(ω)の成分とを含むものである。な
お、この明細書において、文字ωは、角周波数(角速
度)である。
【0017】したがって、ブランチ#iからブランチ#
jへテスト信号S(ω)を送信した場合のブランチ#jに
おける伝達関数情報Sij(ω)は、図16の式(A-1)に
示すように、送信するテスト信号S(ω)と、ブランチi
の送信経路の伝達関数Ti(ω)と、ブランチjの受信経
路の伝達関数Rj(ω)と、ブランチ#iからブランチ#
jへの空間伝達関数Gij(ω)の各成分の積として表すこ
とができる。なお、空間伝達関数については、図17の
式(A-2)に示すように、可逆の関係が成り立つ。
【0018】ブランチ#100を基準とし、ブランチ#
100の受信経路の伝達関数をR1(ω)、ブランチ#1
00の送信経路の伝達関数をT1(ω)とすれば、図18
の式(A-3)に示すように、ブランチ#iの送信特性に
ついての補正係数H’i(ω)は、ブランチ#iの受信経
路の伝達関数Ri(ω)とブランチ#iの送信経路の伝達
関数Ti(ω)との比を、ブランチ#100の受信経路の
伝達関数R1(ω)とブランチ#100の送信経路の伝達
関数T1(ω)との比で割り算して求めることができる。
【0019】ここで、ブランチ#iとブランチ#jの2
つのブランチのみに着目すると、ブランチ#iを基準と
し、ブランチ#jに対する補正係数を求めるとすれば、
ブランチ#jの送信特性の補正係数は、図19の式(A-
4)に示すように、ブランチ#iからブランチ#jにテ
スト信号を送信したときのブランチ#jにおいて計測し
た伝達関数情報Sij(ω)を、ブランチ#jからブラン
チ#iにテスト信号を送信したときのブランチ#iにお
いて計測した伝達関数情報Sji(ω)で割り算すること
により得られる。
【0020】図14に示した4つのブランチを有するア
ダプティブ・アレイ・アンテナの場合において、基準を
ブランチ#100として、ブランチ#200、ブランチ
#300、ブランチ#400における送信特性について
の補正係数H’2(ω)、H’3(ω)、H’4(ω)を求め
る場合には、上述の図19の式(A-4)を利用すること
により、図20の式(A-5)、式(A-6)、式(A-7)に
示すように求めることができる。
【0021】すなわち、図20の式(A-5)、式(A-
6)、式(A-7)に示すように、ブランチ#100からテ
スト信号を送信して計測するようにしたブランチ#20
0、ブランチ#300、ブランチ#400における伝達
関数情報(フォワード伝達関数)S12(ω)、S13(ω)、
S14(ω)のそれぞれを、ブランチ#200、ブランチ#
300、ブランチ#400のそれぞれからテスト信号を
順次に送信して基準のブランチ#10において計測した
伝達関数(リバース伝達関数)S21(ω)、S31(ω)、S41
(ω)のうちの対応する伝達関数で割り算することにより
求めることができる。
【0022】このようにして求めた補正係数H’2
(ω)、H’3(ω)、H’4(ω)を、図13に示した無線
通信装置の複合補正回路217、317、417に供給
して割り算の分母として用い、送信特性の補正(送信時
重み付け)を行うことによって、送信特性と受信特性の
比率を各ブランチ間で等しくなるようにすることが可能
となる。
【0023】この方法の場合、基準となる起点ブランチ
からテスト信号を送信して起点ブランチ以外の各ブラン
チにおいてフォワード伝達関数情報を計測し、さらに、
起点ブランチ以外の各ブランチから順次にテスト信号を
送信して起点ブランチにおいてリバース伝達関数情報を
各ブランチ毎に計測し、図20に示した各式に応じた演
算を行うことによって、簡単に各ブランチの送信経路の
複合補正回路217、317、417に供給する補正係
数を求めることができる。
【0024】そして、重み付け乗算部216、316、
416における重み付けと、複合補正回路217、31
7、417における送信特性の補正とを行うことによ
り、送信特性と受信特性との比率を各ブランチ間で等し
くなるように校正し、送信、受信とも効率よく行うこと
が可能な送受両用のアダプティブ・アレイ・アンテナを
備えた無線通信装置を実現することが可能となる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した方
法は、机上では真に簡潔で優れた方法であると言える
が、実際の装置で具現化する際にはやや不都合な面があ
り、1つの問題を内包している。この点について、以下
に説明する。
【0026】上述した方法の場合、フォワード伝達関数
情報とリバース伝達関数情報とを計測するため、アダプ
ティブ・アレイ・アンテナの非常に近距離に位置するア
ンテナ素子間で信号の送受を行うことになる。この時の
伝搬減数量は、概ね十数dB程度であり、信号を受信す
る側にしてみると極度な強入力を受けざるをえなくな
る。これを回避するためには、装置の機能として、「送
信電力の微弱切り換え」若しくは「受信側に強入力耐性
を持たせる」のいずれかの機能を搭載するようにするこ
とが要求される。
【0027】ここでは、送信を規定の出力(通常の通信
時の出力)で行い、受信側の入力耐性を強化する場合に
ついて考える。この場合、アダプティブ・アレイ・アン
テナのブランチ#iを送信側、ブランチ#jを受信側と
すると、図21のような構成とすることが考えられる。
【0028】すなわち、送信側の構成には変更はない
が、受信側には、受信信号のレベルを下げることができ
るように、ゲインコントローラ(利得制御回路)を設け
るようにしている。なお、図21において、文字gは、
ゲインコントロールの設定利得を意味しており、信号受
信時(通常の通信時)には、図21にも示したように−
20dBmから−80dBmの受信信号電力に対応す
る。なお、ここで示した目盛り値は一例である。
【0029】一方、キャリブレーション時は、相当な強
入力であるから、図21の矢印に示すように、それ専用
の超低利得とする必要がある。
【0030】このように、受信側の入力耐性を強化した
場合には、図22の式(A-8)に示すような、信号受信
時の規定利得(通常の通信時の設定利得)grに対応し
た補正係数H’i(ω,gr)を求めることができず、実
際に求められるのは、図22の式(A-9)に示すよう
な、キャリブレーション時の設定利得gcに対応した補
正係数H’i(ω,gc)である。
【0031】この場合、受信経路の伝達関数は、図22
の式(A-10)に示すように、信号受信時の規定利得gr
に対応したもの(Ri(ω,rg))と、キャリブレーシ
ョン時の設定利得gcに対応したもの(Ri(ω,g
c))とは明らかに異なり、位相もかなり異なっている
と考えられる。ただし、図22の式(A-11)の関係が常
に保証されるなら、図22に示した式(A-9)は、式(A
-8)と同等な値を返すので問題とならない。
【0032】しかし、式(A-11)の関係が保証されるの
は、利得grと利得gcとが極近い場合であり、数十d
Bというかなり大きな利得変更の前後では、全く保証の
限りではない。
【0033】このため、ゲインコントロールを用いず
に、各ブランチの受信経路に広大なダイナミックレンジ
(概ね百dB以上)を確保することが考えられる。しか
し、これがたとえ実現できたとしても、アダプティブ・
アレイ・アンテナ自体が相当に高価になることが容易に
想像できる。
【0034】ここでは、受信側の入力耐性を強化した場
合について考えたが、送信信号の出力レベルを微弱にす
る場合にも、送信信号のゲインコントロールを大きく行
うことになり、信号送信時の規定利得(通常の通信時の
設定利得)に対応した補正係数H’i(ω,gr)を求め
ることができない。
【0035】また、別の問題として、キャリブレーショ
ンを行うためには、テスト信号S(ω)を送信し、伝達関
数情報を計測する必要が生じるが、基本的に通信時には
キャリブレーションを行うことはできないし、キャリブ
レーション時に通信を行うことができなくなってしま
う。また、弱いとはいえ、空間における不要な干渉とな
るテスト信号S(ω)を送出することは好ましいことでは
ない。
【0036】以上のことにかんがみ、この発明は、上記
問題点を一掃し、簡単な構成で、コストをかけることな
く、適正にキャリブレーションを行って適正な送受信特
性を持つ送受両用のアレイアンテナを校正することがで
きる無線通信装置およびアレイアンテナの特性調整方法
を提供することを目的とする。
【0037】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載の発明の無線通信装置は、アンテナ
素子を有する複数の送受信ブランチからなるアレイアン
テナを備えた無線通信装置であって、起点ブランチとし
て選択可能な少なくとも2つの前記送受信ブランチの送
信経路に設けられ、送信信号レベルを調整する送信利得
調整手段と、起点ブランチとして選択可能な少なくとも
2つの前記送受信ブランチの受信経路に設けられ、受信
信号レベルを調整する受信利得調整手段と、前記複数の
送受信ブランチのそれぞれに設けられ、前記複数の送受
信ブランチのそれぞれ毎に送信/受信を切り換えるよう
にするための送受切換手段と、前記送信利得制御手段と
前記送受切換手段とを制御して、前記起点ブランチとし
て選択した送受信ブランチから信号レベルを通常通信時
設定よりも小さくした信号を送信し、前記起点ブランチ
以外の各送受信ブランチにおけるフォワード伝達関数情
報を計測するように制御する第1の計測制御手段と、前
記受信利得調整手段と前記送受切換手段とを制御して、
前記起点ブランチとして選択した送受信ブランチにおけ
る受信利得を通常通信時設定よりも小さくし、前記起点
ブランチ以外の各送受信ブランチから順次に信号を送信
して、前記起点ブランチとして選択した送受信ブランチ
における各送受信ブランチ毎のリバース伝達関数情報を
計測するように制御する第2の計測制御手段と、前記第
1の計測制御手段と前記第2の計測制御手段とを制御し
て、起点ブランチを変更し、少なくとも異なる2つの送
受信ブランチについて、前記フォワード伝達関数情報と
前記リバース伝達関数情報とを計測するように制御する
起点変更制御手段と、計測された前記フォワード伝達関
数情報と前記リバース伝達関数情報とを用い、前記起点
ブランチとした送受信ブランチ以外の送受信ブランチを
基準にして、各送受信ブランチの送信経路特性の補正係
数を演算する補正係数演算手段とを備えることを特徴と
する。
【0038】この請求項1に記載の発明の無線通信装置
によれば、起点ブランチとして選択可能な少なくとも2
つの送受信ブランチに対して、送信利得制御手段と、受
信利得制御手段とが設けられる。
【0039】起点ブランチとして選択可能な送受信ブラ
ンチのうちの1つが起点ブランチとして選択され、第1
の計測制御手段により、送信利得制御手段と送受切換手
段とが制御されて、起点ブランチから送信出力が小さく
するようにされた信号が送信され、これが起点ブランチ
以外の各ブランチにおいて受信されて、各ブランチにお
いてフォワード伝達関数情報が計測される。
【0040】また、リバース伝達関数計測手段により、
受信利得制御手段と送受切換手段とが制御され、起点ブ
ランチの受信利得が小さくされ、起点ブランチ以外の各
ブランチから順次に送信される信号が起点ブランチにお
いて受信されて、リバース伝達関数情報が各ブランチ毎
に計測される。
【0041】そして、起点変更制御手段により、起点ブ
ランチが変えられて、この変更された起点ブランチにつ
いて、上述のように、フォワード伝達関数とリバース伝
達関数とが計測され、この計測結果と先の計測結果とが
用いられて、補正係数演算手段において、起点ブランチ
とした送受信ブランチ以外の送受信ブランチを基準ブラ
ンチとして、当該基準ブランチ以外の各送受信ブランチ
の送信特性の補正係数が算出され、送信特性が補正する
ようにされる。
【0042】これにより、起点ブランチとなりえる少な
くとも2つの送受信ブランチに対して送信利得制御手段
と受信利得制御手段とを設け、利得調整によるしわ寄せ
を起点ブランチに集中させて、各送受信ブランチの送信
経路の送信特性についての補正係数を簡単かつ正確に求
め、これを用いて各送信ブランチの送信特性を補正する
ことができるようにされる。しかもこの場合、装置化が
容易であり、低コストで実現できる。
【0043】また、請求項2に記載の発明の無線通信装
置は、請求項1に記載の無線通信装置であって、前記第
1の制御手段は、前記起点ブランチとして選択した送受
信ブランチから送信するブロードキャストチャンネルの
信号を用いて、各送受信ブランチにおけるフォワード伝
達関数情報を計測するようにし、前記第2の計測制御手
段は、前記起点ブランチとして選択した前記送受信ブラ
ンチ以外の各送受信ブランチから送信タイミングを変え
て順次に送信するようにするブロードキャストチャンネ
ルの信号を用いて、前記起点ブランチとされた送受信ブ
ランチにおける各送受信ブランチ毎のリバース伝達関数
情報を計測するようにすることを特徴とする。
【0044】この請求項2に記載の無線通信装置によれ
ば、フォワード伝達関数情報とリバース伝達関数情報と
の計測は、特別なテスト信号を送信することなく、通常
の通信時において、ブロードキャストチャンネル(同報
チャンネル)を通じて伝送される信号を用いて行うよう
にされる。リバース伝達関数情報の計測時には、信号を
送信する送受信ブランチが順次に切り換えられるように
される。
【0045】これにより、通信時であってもキャリブレ
ーションを行って、受信特性、送信特性を適正に補正し
て、常に良好に送受信を行うようにすることができる。
しかも、不要な干渉信号となるテスト信号を放射しなく
ても済む。また、キャリブレーション時において通信が
できなくなることを防止することができる。また、コス
トを掛けることなく、通信に影響を与えることなく、良
好にキャリブレーションを行うための環境を得ることが
できる。
【0046】また、請求項3に記載の発明の無線通信装
置は、アンテナ素子を有する複数の送受信ブランチから
なるアレイアンテナを備えた無線通信装置であって、起
点ブランチとして選択した送受信ブランチから送信され
るブロードキャストチャンネルの信号を用いて、前記起
点ブランチ以外の各送受信ブランチにおけるフォワード
伝達関数情報を計測するようにするフォワード情報計測
制御手段と、起点ブランチとして選択した送受信ブラン
チ以外の各送受信ブランチのそれぞれから送信タイミン
グを変えて順次に送信するようにされるブロードキャス
トチャンネルの信号を用いて、前記起点ブランチとして
選択した送受信ブランチにおける各送受信ブランチ毎の
リバース伝達関数情報を計測するようにするリバース情
報計測制御手段と、計測される前記フォワード伝達関数
情報と前記リバース伝達関数情報とに基づいて、各送受
信ブランチ毎の送信経路特性の補正係数を演算する補正
係数演算手段とを備えることを特徴とする。
【0047】この請求項3に記載の発明の無線通信装置
によれば、キャリブレーションを行うためにフォワード
伝達関数情報、リバース伝達関数情報を計測する場合
に、フォワード伝達関数計測制御手段とリバース伝達関
数計測制御手段により、ブロードキャストチャンネルを
通じて送受される信号をテスト信号として目的とする情
報の計測が行うようにされる。計測された情報は、各ブ
ランチへの重み付けや送信系の特性の補正係数を算出す
るために用いられる。
【0048】これにより、通信中であってもキャリブレ
ーションを行うことができ、また、キャリブレーション
中であっても通常の通信を行うことができるようにされ
る。また、不要な干渉波となるキャリブレーションのた
めのテスト信号を放射しなくても済むようにすることが
できる。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、図を参照しながら、この発
明による無線通信装置、アレイアンテナの特性調整方法
の一実施の形態について説明する。以下に説明する実施
の形態においては、この発明による無線通信装置、アレ
イアンテナの特性調整方法の一実施の形態を、TDD方
式で無線通信を行う無線LANシステムの端末装置であ
って、アダプティブ・アレイ・アンテナを備えた無線通
信装置に適用した場合を例にして説明する。
【0050】[無線通信装置の構成]図1は、この発明
による無線通信装置、アレイアンテナの特性調整方法の
一実施の形態が適用されたこの実施の形態の無線通信装
置を説明するためのブロック図である。図1に示すよう
に、この実施の形態の無線通信装置は、#1、#2、#
3、#4で示した4つの送受信ブランチ(以下、単にブ
ランチという。)と、特性調整情報演算部(以下、単に
演算部という。)51と、重み付けコントローラ52
と、補正係数コントローラ53とを有するアダプティブ
・アレイ・アンテナ部100と、システムコントローラ
200と、送信/受信処理部300とを備えたものであ
る。
【0051】ブランチ#1は、アンテナ素子11、送受
切換器12、15、受信回路13、送信回路14、重み
付け乗算部16、送信経路特性補正回路17からなる部
分であり、ブランチ#2は、アンテナ素子21、送受切
換器22、25、受信回路23、送信回路24、重み付
け乗算部26、送信経路特性補正回路27からなる部分
である。
【0052】また、ブランチ#3は、アンテナ素子3
1、送受切換器32、35、受信回路33、送信回路3
4、重み付け乗算部36、送信経路特性補正回路37か
らなる部分であり、ブランチ#4は、アンテナ素子4
1、送受切換器42、45、受信回路43、送信回路4
4からなる部分である。
【0053】ブランチ#4に重み付け乗算部と送信経路
特性補正回路とを設けていないのは、後述もするよう
に、ブランチ4を基準として、重み付け情報、および、
送信特性についての補正係数(送信経路特性補正係数)
を求めるようにしているためである。
【0054】システムコントローラ200は、図示しな
いが、CPU(Central ProcessingUnit)、ROM(Re
ad Only Memory)、RAM(Random Access Memory)な
どを備えたマイクロコンピュータであり、この実施の形
態の無線通信装置の各部を制御することができるもので
ある。
【0055】送信/受信処理部300は、受信信号を復
調してデジタルデータに変換することにより、当該デジ
タルデータ(受信データ)をこの無線通信装置において
利用可能にするとともに、送信しようとしているデジタ
ルデータ(送信データ)をアナログ信号に変換して送信
信号を形成するなどの処理を行う部分である。
【0056】また、演算部51は、後述もするように、
各ブランチ#1、#2、#3、#4の受信信号(伝達関
数情報)に基づいて、各ブランチの重み付け乗算部1
6、26、36に供給する重み付け情報W1、W2、W
3や、送信経路特性補正回路17、27、37に供給す
る補正係数H’1、H’2、H’3を演算により求める
部分である。
【0057】重み付けコントローラ52は、演算部51
において求められる重み付け情報W1、W2、W3に基
づいて、重み付け乗算部16、26、36のそれぞれを
個別に制御するものである。また、補正回路コントロー
ラ53は、演算部51において求められる補正係数H’
1、H’2、H’3に基づいて、送信経路特性補正回路
17、27、37のそれぞれを個別に制御するものであ
る。
【0058】そして、受信時にはシステムコントローラ
200の制御により、送受切換器12、15、22、2
5、32、35、42、45のそれぞれは、対応する受
信回路13、23、33、43の側に切り換えられる。
この場合に、各ブランチ#1、#2、#3、#4のアン
テナ素子11、21、31、41のそれぞれで受信され
た信号は、送受切換器11、21、31、41を通じて
受信回路13、23、33、43に供給される。
【0059】受信回路13、23、33、43のそれぞ
れは、目的とする信号を選局して、選局した信号を出力
する。受信回路13、23、33回路から出力された信
号は、重み付け乗算器16、26、36に供給される。
重み付け乗算部16、26、36のそれぞれは、これに
供給された受信信号に対して、重み付けコントローラ5
2からの重み付け情報を用いて重み付けを行い、重み付
け後の受信信号を出力する。
【0060】重み付け乗算器16、26、36からの重
み付けされた受信信号と、ブランチ#4の送受切換器4
5からの受信信号とは合成されて送信/受信処理部30
0に供給される。送信/受信処理部300は、これに供
給された受信信号を復調し、復調した受信信号をデジタ
ルデータに変換して、この受信データをシステムコント
ローラ200に供給する。
【0061】システムコントローラ200に供給された
受信データは、この実施の形態の無線通信装置に接続さ
れた記憶装置の記憶媒体に記憶するようにされたり、あ
るいは、この実施の形態の無線通信装置のLCD(Liqu
id Crystal Display)やCRT(Cathode-Ray Tube)など
の表示部に表示されたりして用いられるようにされる。
【0062】なお、受信信号は、後述もするように、ブ
ランチ#4を基準とするとともに、他のブランチをも考
慮して求められる重み付け情報W1、W2、W3に基づ
いて、重み付け乗算部16、26、36において適正な
重み付けがなされているので、各ブランチを通じて受信
された受信信号を合成しても利用不能になるなどのこと
がなく、良好な状態の受信信号として利用することがで
きるのである。
【0063】また、送信時にはシステムコントローラ2
00の制御により、送受切換器12、15、22、2
5、32、35、42、45のそれぞれは、対応する送
信回路14、24、34、44の側に切り換えられる。
【0064】そして、例えば、システムコントローラ2
00に対してインターフェースを通じて接続されたキー
ボードを通じて入力されたデータや記憶装置の記憶媒体
に記憶されたデータなどの送信しようとするデータが、
システムコントローラ200から送信/受信処理部30
0に供給される。
【0065】送信/受信処理部300は、これに供給さ
れた送信データをアナログ信号に変換して送信用の信号
を形成し、これをブランチ#1、#2、#3、#4のそ
れぞれに供給する。ブランチ#1、#2、#3に供給さ
れる送信用の信号は、重み付け乗算部16、26、36
において重み付けがなされた後、送受切換器15、2
5、35を通じて送信回路14、24、34に供給され
る。ブランチ#4は、前述もしたように、基準ブランチ
であるので、送信/受信処理部300からの送信用の信
号が、送受切換器45を通じて送信回路44に供給され
る。
【0066】送信回路14、24、34、44のそれぞ
れは、これに供給された送信用の信号から所定の周波数
の送信信号を形成し、これを出力する。送信回路14、
24、34のそれぞれから出力された送信信号は、送信
経路特性補正回路17、27、37に供給される。
【0067】送信経路特性補正回路17、27、37
は、補正回路コントローラ53からの制御に基づいて、
送信信号に対して送信経路の特性を考慮した補正を施
し、補正後の送信信号を送受切換器12、22、32を
通じて、アンテナ素子11、21、31に供給して、こ
れらアンテナ素子11、21、31から送信信号を放射
する。ブランチ#4は、基準ブランチであるので、送信
回路44からの送信信号が、そのまま送受切換器42を
通じてアンテナ素子41に供給し、当該送信信号を放射
する。
【0068】この場合、基準ブランチ#4以外の各ブラ
ンチにおいては、送信経路特性補正回路14、24、3
4において、他の各ブランチの送信経路をも考慮して、
送信経路の特性を補正するようにしている。すなわち、
送信経路特性補正回路14、24、34のそれぞれにお
いては、送信特性と受信特性の比(送信特性/受信特
性)が各ブランチ間で等しくなるように、各ブランチの
送信特性を補正するようにしている。
【0069】そして、この実施の形態の無線通信装置の
場合、前述もしたように、通信方式としてTDD方式を
用いているので、各ブランチにおいての受信信号を用
い、一般的に用いられている所定のアルゴリズムに従う
ことにより、受信経路と送信経路とに両用できるウエイ
ト(重み付け)情報を算定し、これを用いることができ
る。
【0070】しかし、送信経路に施す補正の補正係数
は、各ブランチの送信特性(送信経路特性)を適正かつ
正確に考慮しなければならず、その算定が難しい。そこ
で、この実施の形態の無線通信装置においては、以下に
詳述するように、ブランチ#1とブランチ#2とを交互
に起点ブランチとして用いて、各ブランチ間で信号を送
受することにより、各ブランチにおける伝達関数情報を
計測して、この計測した伝達関数情報を用い、ブランチ
#4を基準として、送信経路補正回路17、27、37
に供給する補正係数H’1、H’2、H’3を算出す
る。
【0071】以下、この実施の形態の無線通信装置にお
いて行われる送信特性を補正するための補正係数の算定
について説明する。この実施の形態の無線通信装置にお
いても、起点ブランチから信号を送出して起点ブランチ
以外の各ブランチで伝達関数情報(フォワード伝達関数
情報)を計測し、また、起点ブランチ以外の各ブランチ
から信号を送出して起点ブランチで伝達関数情報(リバ
ース伝達関数情報)を計測する。
【0072】そして、この実施の形態の無線通信装置に
おいては、まず、ブランチ#1を起点ブランチとしてフ
ォワード伝達関数情報とリバース伝達関数情報とを計測
した後に、ブランチ#2を起点ブランチとしてフォワー
ド伝達関数とリバース伝達関数とを計測する。
【0073】この場合に、極近くに位置する各ブランチ
間で信号の送受を行うため、受信側において過大入力と
なり、適正にフォワード伝達関数情報、リバース伝達関
数情報を計測することができなくなる。このため、この
実施の形態の無線通信装置においては、起点ブランチに
送信利得調整回路と受信利得調整回路とを設け、起点ブ
ランチのみにおいて利得制御を行うようにする。
【0074】このように、利得制御のしわ寄せを起点ブ
ランチにのみ集中させて、このしわ寄せを論理的に消去
することにより、各ブランチの送信経路に施す補正の補
正係数を算定するようにしている。
【0075】[起点ブランチとなるブランチ#1、ブラ
ンチ#2の構成]図2は、この実施の形態の無線通信装
置において、起点ブランチとなるブランチ#1、#2の
構成を説明するためのブロック図である。図2に示すよ
うに、ブランチ#1、#2の受信回路13、23には、
受信信号の信号レベルを低減させるために受信利得調整
回路13R、23Rを設けている。また、ブランチ#
1、#2の送信回路14、24には、送信信号の信号レ
ベルを低減させるための送信利得調整回路14T、24
Tを設けている。
【0076】受信回路13、23に設けられた受信利得
調整回路13R、23Rは、システムコントローラ20
0からの制御信号CR1、CR2により制御され、ま
た、送信回路14、24に設けられた送信利得調整回路
14T、24Tは、システムコントローラ200からの
制御信号CT1、CT2により制御される。
【0077】そして、フォワード伝達関数情報を計測す
る際には、起点ブランチの送信出力を通常の通信時設定
より小さくし、なおかつ、受信側の各受信利得は通常設
定時と同等にする。また、リバース伝達関数情報を計測
する際には、起点ブランチの受信利得を通常の通信時設
定より小さくし、なおかつ、送信側の各ブランチの送信
出力は、通信時設定と同等にする。
【0078】このようにして求めたフォワード伝達関数
とリバース伝達関数とから、起点ブランチを基準とし
て、送受特性差についての比を求める。すなわち、起点
ブランチの送受特性差を分母とし、起点ブランチ以外の
各ブランチの送受特性差を分子として、送受特性差のブ
ランチ比係数を求める。
【0079】さらに、各ブランチの送受特性差のブラン
チ比係数を、起点ブランチとは異なるブランチの送受特
性差のブランチ比係数で割り算することにより、起点ブ
ランチの利得制御のしわ寄せ成分を消去し、各ブランチ
の送信経路の特性の校正のための補正係数を求める。
【0080】上述のような、フォワード伝達関数の計
測、リバース伝達関数の計測、起点ブランチを基準とす
る送受信特性差のブランチ比係数の算定、異なるブラン
チ間においての送受特性差のブランチ比係数同士の割り
算を、起点ブランチを変えて行うことにより、起点ブラ
ンチとは異なる基準ブランチ以外の各ブランチで用いる
送信経路特性の補正係数を算定することができるのであ
る。
【0081】[フォワード伝達関数情報とリバース伝達
関数情報の測定]次に、起点ブランチをブランチ#1に
した場合を例にして、フォワード伝達関数情報とリバー
ス伝達関数情報を計測する場合の主に起点ブランチ#1
の利得制御について説明する。
【0082】なお、以下において、通常の通信時におけ
る送信設定利得をgtnと、通常の通信時における受信
設定利得をgrrと、キャリブレーション時における調
整された送信設定利得をgtcと、キャリブレーション
時における調整された受信設定利得をgrcと、それぞ
れ表すこととする。また、通常の通信時とは、この実施
の形態の無線通信装置が他の無線通信装置との間で無線
通信を行う場合をいう。
【0083】[フォワード伝達関数情報の測定につい
て]まず、フォワード伝達関数の測定について説明す
る。図3は、ブランチ#1を起点ブランチとしてフォワ
ード伝達関数情報を測定する場合の起点ブランチ#1の
送信信号の利得制御の状態を説明するための図である。
図3に示すように、また、前述もしたように、フォワー
ド伝達関数情報の計測時においては、起点ブランチとさ
れたブランチ#1の送信利得調整回路14Tの送信設定
利得を通常通信時の送信設定利得gtnよりも小さくす
るように調整し、キャリブレーション時の送信設定利得
gtcとする。
【0084】起点ブランチ#1以外のブランチ#2、#
3、#4のそれぞれの受信設定利得は、通常通信時の受
信設定利得grrと等しくする。すなわち、フォワード
伝達関数情報を測定するいわゆるキャリブレーション時
であっても、起点ブランチ#1からのテスト信号S(ω)
を受信するブランチ#2、#3、#4の受信設定利得は
何ら変更することなく、通常通信時の受信設定利得gr
rのままとする。
【0085】そして、ブランチ#2、#3、#4のそれ
ぞれにおいては、起点ブランチ#1から送信されるテス
ト信号S(ω)を受信し、受信信号であるフォワード伝達
関数情報S1j(ω,gtc,grr)を得て、これを演算部
51に供給する。したがって、ブランチ#2において
は、フォワード伝達関数情報S12(ω,gtc,grr)が
得られ、ブランチ#3においては、フォワード伝達関数
情報S13(ω,gtc,grr)が得られ、ブランチ#4に
おいては、フォワード伝達関数情報S14(ω,gtc,g
rr)が得られる。
【0086】この場合、起点ブランチであるブランチ#
1の送信設定利得は、通常の送信設定利得gtnよりも
小さな送信設定利得gtcとされているので、ブランチ
#1から送信されるテスト信号S(ω)を受信する各ブラ
ンチにおいて、受信信号のレベルが高く、信号が飽和状
態となり、適正なフォワード伝達関数情報が計測できな
くなることを防止している。
【0087】[リバース伝達関数情報の測定について]
次に、リバース伝達関数情報の測定について説明する。
図4は、ブランチ#1を起点ブランチとしてリバース伝
達関数情報を測定する場合の起点ブランチ#1の送信信
号の利得制御の状態を説明するための図である。図4に
示すように、また、前述もしたように、リバース伝達関
数情報の計測時においては、起点ブランチとされたブラ
ンチ#1の受信利得調整回路13Rの受信設定利得を通
常通信時の受信設定利得grrよりも小さくするように
調整し、キャリブレーション時の受信設定利得grcと
する。
【0088】起点ブランチ#1以外のブランチ#2、#
3、#4のそれぞれの送信設定利得は、通常通信時の送
信設定利得gtnと等しくする。すなわち、リバース伝
達関数情報を測定するいわゆるキャリブレーション時で
あっても、起点ブランチ#1以外のブランチ#2、#
3、#4の送信設定利得は何ら変更することなく、通常
通信時の送信設定利得gtnのままとする。
【0089】そして、起点ブランチであるブランチ#1
は、ブランチ#2、#3、#4のそれぞれから順次に送
信するようにされるテスト信号S(ω)を順次に受信し、
受信信号であるリバース伝達関数情報Si1(ω,gtn,
grc)を得て、これを演算部51に供給する。
【0090】したがって、起点ブランチであるブランチ
#1においては、ブランチ#2からのテスト信号S(ω)
を受信することにより、リバース伝達関数情報S21(ω,
gtn,grc)が得られ、ブランチ#3からのテスト信
号S(ω)を受信することにより、リバース伝達関数情報
S31(ω,gtn,grc)が得られ、ブランチ#4からの
テスト信号S(ω)を受信することにより、リバース伝達
関数情報S41(ω,gtn,grc)が得られる。
【0091】この場合、起点ブランチであるブランチ#
1の受信設定利得は、通常の受信設定利得grrよりも
小さな受信設定利得grcとされているので、ブランチ
#2、ブランチ#3、ブランチ#4から送信されるテス
ト信号S(ω)を受信するブランチ#1において、受信信
号のレベルが高く、信号が飽和状態となり、適正なリバ
ース伝達関数情報が計測できなくなることを防止してい
る。
【0092】なお、図1を用いて前述したように、この
実施の形態において、ブランチ#3とブランチ#4と
は、起点ブランチとはならず、受信設定利得の調整は行
われないため、送信利得調整回路は必要ない。しかし、
起点ブランチ以外の各ブランチの送信設定利得は、通常
通信時の送信設定利得gtnと同じ状態であることを明
確にするため、図4においては、送信利得調整回路を備
えるものとして示している。
【0093】このように、キャリブレーションのために
不本意な利得設定を強いられるブランチを予め決められ
たブランチ、この例の場合には、ブランチ#1だけにす
るのである。
【0094】[補正係数の演算処理について]そして、
上述のようにして得られるフォワード伝達関数情報、リ
バース伝達関数情報に基づいて、演算部51は補正係数
を算出する。以下、補正係数の算出処理について詳細に
説明する。
【0095】演算部51に供給されるフォワード伝達関
数情報、リバース伝達関数情報に含まれる空間伝達関数
Gij、Gjiは、図17の式(2)を用いて説明したよう
に、可逆の関係が成り立つので、起点ブランチ#1を基
準として、ブランチ#2、#3、#4の送信経路特性の
補正係数H’2/1、H’3/1、H’4/1は、図5に示す式
(1)、式(2)、式(3)により求めることができ
る。この図5に示す式(1)、式(2)、式(3)は、
前述した図19の式(A-4)に基づいて求めることがで
きる。
【0096】本来なら、この図5に示した式(1)、式
(2)、式(3)により、起点ブランチであるブランチ
#1を基準として、ブランチ#1以外のブランチ#2、
#3、#4の各送信経路特性の補正係数を求めることが
できる。
【0097】しかし、図5に示した式(1)、式
(2)、式(3)の分子は正常な値であるが、式
(1)、式(2)、式(3)の分母には、キャリブレー
ションのために通常通信時よりもかなり小さく押さえる
ように調整された送信設定利得gtcと、通常通信時よ
りもかなり小さく押さえるように調整された受信設定利
得grcとの成分が含まれている。このため、分母は正
常な値とは言えず、補正係数H’2/1、H’3/1、H’4/
1自体が不正確で実際に用いることができないものであ
る。
【0098】そこで、前述もしたように、ブランチ#4
が基準となるように、式(1)/式(3)と、式(2)
/式(3)を実行する。つまり、所定のブランチを基準
にし、起点ブランチを基準として求めた送受特性差のブ
ランチ比係数同士を割り算する。
【0099】したがって、式(1)/式(3)を行う
と、図6の式(4)に示すように、ブランチ#4を基準
とするブランチ#2の送信経路特性の補正係数H’’2
(ω)を求めることができる。また、式(2)/式(3)
を行うと、図6の式(5)に示すように、ブランチ#4
を基準とするブランチ#3の送信経路特性の補正係数
H’’3(ω)を求めることができる。
【0100】すなわち、図6の式(4)、式(5)から
明らかなように、ブランチ#4を基準として、調整され
た送信設定利得gtcと調整された受信利得grcとの
影響を除去したブランチ#2の送信経路特性の適正な補
正係数H’’2(ω)と、ブランチ#3の送信経路特性の
適正な補正係数H’’3(ω)とを求めることができるの
である。
【0101】しかし、これだけでは、ブランチ#1の送
信経路特性の補正係数が求められていない。そこで、今
度は、ブランチ#2を起点ブランチとして、図3、図4
を用いて説明したように、フォワード伝達関数情報とリ
バース伝達関数情報とを計測し、その計測結果を演算部
51に供給する。
【0102】この場合には、ブランチ#2を起点ブラン
チとするとともに、ブランチ#4を基準としてブランチ
#1の送信経路特性の補正係数を求めるのであるから、
ブランチ#2とブランチ#1との間、および、ブランチ
#2とブランチ#4との間でフォワード伝達関数情報と
リバース伝達関数情報とを求める。すなわち、ブランチ
#3の送信経路特性の補正係数は既に求められているの
で、ブランチ#2とブランチ#3との間のフォワード伝
達関数情報とリバース伝達関数情報とを求める必要は無
い。
【0103】そして、ブランチ#2とブランチ#1との
間、および、ブランチ#2とブランチ#4との間で求め
たフォワード伝達関数情報とリバース伝達関数情報とか
ら、演算部51は、図7の式(6)に示すように、ブラ
ンチ#2を基準とするブランチ#1の送信経路特性の補
正係数H’1/2(ω)を求める。同様にして、図7の式
(7)に示すように、ブランチ#2を基準とするブラン
チ#4の送信経路特性の補正係数H’4/2(ω)を求め
る。
【0104】この後、先に求めたブランチ#2とブラン
チ30の送信経路特性の補正係数H’’2(ω)、
H’’3(ω)の場合と同様に、ブランチ#4を基準とす
るように、式(6)/式(7)を実行する。これによ
り、図7の式(8)に示すように、ブランチ#4を基準
として、ブランチ#1の送信経路特性の補正係数H’’
1(ω)が求められる。
【0105】このように、ブランチ#1とブランチ#2
とを交互に起点ブランチとしてフォワード伝達関数情報
とリバース伝達関数情報とを求めて、起点ブランチを基
準として送信経路特性の補正係数を求め、さらに、ブラ
ンチ#4を基準として補正係数を求め直すことにより、
起点ブランチに対してしわ寄せした送信設定特性と受信
設定特性との影響を除去して、適正な補正係数を求める
ことができる。
【0106】このようにして求めたブランチ#1の補正
係数H’’1(ω)、ブランチ#2の補正係数H’’2
(ω)、ブランチ#3の補正係数H’’3(ω)が、補正回
路コントローラ53に供給される。補正回路コントロー
ラ53は、演算部51からの補正係数に基づいて、ブラ
ンチ#1の補正回路17と、ブランチ#2の補正回路2
7と、ブランチ#3の補正回路37とを制御し、各ブラ
ンチの送信経路特性をも適正に補正することができる。
【0107】なお、ここでは、起点ブランチと異なるブ
ランチを基準ブランチとして補正係数を求め直すように
したので、求められた補正係数をH’’1(ω)、H’’2
(ω)、H’’3(ω)のように示したが、これらは、先に
説明したように、各ブランチの補正回路17、27、3
7に供給するようにされる補正係数H’1(ω)、H’2
(ω)、H’3(ω)と同じもの(等価なもの)である。
【0108】また、演算部51は、各ブランチからの通
常の通信時における受信信号に基づいて、所定のアルゴ
リズムに従った演算を行うことにより、各ブランチの重
み付け乗算部16、26、36に供給する重み付け情報
W1、W2、W3を算定して、これを用いて、受信経路
と送信経路とに対して、適切な重み付けを行うようにす
ることもできる。
【0109】[補正係数の算定のまとめ]次に、上述し
たこの実施の形態の無線通信装置において行われる補正
係数の算定処理(アレイアンテナの特性調整方法)につ
いて、図8に示すフローチャートを用いてまとめる。図
8は、この実施の形態の無線通信装置の主にシステムコ
ントローラ200において行われる補正係数の算定処理
を説明するためのフローチャートである。
【0110】例えば、システムコントローラ200に接
続されたキーボードなどを通じて、補正係数の算定処理
を行う指示がされた場合に、図8に示す処理がシステム
コントローラ200において実行される。まず、システ
ムコントローラ200は、基準ブランチとすべきブラン
チと、最初に起点ブランチとなるべきブランチとを設定
する(ステップS101)。この実施の形態の場合に
は、基準ブランチはブランチ#4、最初の起点ブランチ
はブランチ#1となるようにされる。
【0111】そして、システムコントローラ200は、
制御信号CTiにより、起点ブランチの送信出力を通常
の通信時よりも小さくするように送信設定利得を調整
し、調整済み送信設定利得gtcとするとともに、制御
信号CRjにより起点ブランチ以外の各ブランチの受信
設定利得を通常の通信時の場合と同じに保つようにする
(ステップS102)。なお、以下において、制御信号
CTi、CRjの文字iおよび文字jは、各ブランチのブラ
ンチ番号(#1、#2、#3、…)に対応するものであ
る。
【0112】そして、システムコントローラ200は、
起点ブランチの送受切換器を送信側に切り換えるととも
に、起点ブランチ以外の各ブランチの送受切換器を受信
側に切り換えるとともに、送信/受信処理部300を制
御して、テスト信号S(ω)を起点ブランチから送信し、
これを起点ブランチ以外の各ブランチにおいて受信し
て、フォワード伝達関数情報Sijを計測し、測定結果を
演算部51に供給する(ステップS103)。
【0113】ステップS103の起点ブランチ以外の各
ブランチにおけるフォワード伝達関数情報の計測の後、
システムコントローラ200は、制御信号CRiによ
り、起点ブランチの受信設定利得を通常の通信時よりも
小さくするように調整し、調整済み受信設定利得grc
とするとともに、制御信号CTjにより起点ブランチ以
外の各ブランチの送信設定利得を通常の通信時の場合と
同じに保つようにする(ステップS104)。
【0114】そして、システムコントローラ200は、
起点ブランチの送受切換器を受信側に切り換えるととも
に、起点ブランチ以外の各ブランチの送受切換器を順番
に切り換えて、起点ブランチ以外の各ブランチから順番
にテスト信号S(ω)を送出し、これを起点ブランチにお
いて順次に受信して、リバース伝達関数情報Sjiを取得
し、これを演算部51に供給する(ステップS10
5)。
【0115】システムコントローラ200は、異なる2
つのブランチを起点ブランチして処理を行ったか否かを
判断し(ステップS106)、異なる2つのブランチを
起点ブランチして処理を行っていないと判断したときに
は、起点ブランチを変更して(ステップS107)、ス
テップS102からの処理を繰り返す。
【0116】ステップS106の判断処理は、前述した
実施の形態の場合を例にすると、ブランチ#1とブラン
チ#2との両方について、フォワード伝達関数情報とリ
バース伝達関数情報との計測が終了したか否かを確認す
るための処理である。
【0117】ステップS106の判断処理において、異
なる2つのブランチを起点ブランチとして処理を行った
と判断したときには、システムコントローラ200は、
演算部51を制御し、図5、図6、図7に示した各式に
したがって、基準とされたブランチ以外のブランチの送
信経路特性を補正するため補正係数を演算して求める
(ステップS108)。
【0118】そして、ステップS108で求めた補正係
数を補正回路コントローラ53に供給して、各ブランチ
の補正回路毎に制御を行うことができるようにして(ス
テップS109)、この図8に示す処理を終了する。
【0119】したがって、アダプティブ・アレイ・アン
テナを備えた無線通信装置であって、その送信経路特性
の補正をも適正に行うようにする無性通信装置の装置化
を格段に容易に、しかも低コストで実現することができ
る。また、送信経路特性の補正のための補正係数をも複
雑な制御を行うことなく、比較的に簡単にかつ適正に求
めることができる。
【0120】なお、前述の実施の形態においては、ブラ
ンチ#1とブランチ#2とを交互に起点ブランチとする
とともに、ブランチ#4を基準ブランチとして送信経路
特性の補正係数を求めるようにしたがこれに限るもので
はない。もちろん、ブランチ#1やブランチ#2、ブラ
ンチ#3を基準ブランチとすることもできる。この場
合、基準ブランチとするブランチ以外を起点ブランチと
するようにすればよい。
【0121】したがって、各ブランチに、送信設定利得
の調整回路と受信設定利得の調整回路を設けておくこと
により、基準ブランチや起点ブランチを自由に変更し
て、各ブランチの送信経路特性の補正係数を求め、柔軟
かつ適正に送信経路特性の補正を行うようにすることが
できる。
【0122】また、前述の実施の形態においては、4ブ
ランチのアダプティブ・アレイ・アンテナの場合を例に
して説明したが、これに限るものではない2ブランチ以
上の複数のブランチを有するアレイアンテナを備えた無
性通信装置にこの発明を適用することができる。ブラン
チの数が多いほど、コストをかけることなく、ブランチ
毎に送信経路特性についての適切な補正を行うようにす
ることができる。
【0123】[テスト信号の送信路と送信方法につい
て]ところで、重み付け情報や送信経路特性の補正係数
を求めてこれを利用可能にするキャリブレーション時に
おいて、通常の信号と異なるテスト信号S(ω)を送信す
るようにしていたのでは、テスト信号の送信期間中は、
通常の通話ができなくなるし、また、テスト信号S(ω)
と言う不要成分が頻繁に放射されるのは好ましくない。
【0124】そこで、この実施の形態の無線通信端末の
場合には、送信する信号に含まれるブロードキャストチ
ャンネル(同報チャンネル)の信号をテスト信号として
も用いるようにする。図9は、ブロードキャストチャン
ネルを通じて送信される信号をテスト信号として用い
て、アダプティブ・アレイ・アンテナの各ブランチの送
信経路特性の補正を行うようにする場合の例を説明する
ため図である。
【0125】図9に示すように、ブランチ#1、#2、
#3、#4の4ブランチのアダプティブ・アレイ・アン
テナが設けられた基地局BSがあり、その周囲に複数の
端末MTが配置されているLANシステムについて考え
る。つまり、基地局BSは、図1、図2を用いて前述し
たこの実施の形態の無線通信装置である。
【0126】この場合に基地局BSにおいて、アダプテ
ィブ・アレイ・アンテナのブランチ毎の送信経路特性の
補正を行うために、フォワード伝達関数情報とリバース
伝達関数情報とを計測する場合について説明する。以下
においては、起点ブランチとして、ブランチ#1を用い
るものとして説明する。
【0127】まず、フォワード伝達関数情報を計測する
場合には、図9Aに示すように、起点ブランチ以外のブ
ランチ#2、#3、#4のそれぞれは、起点ブランチと
されたブランチ#1から送出される信号のブロードキャ
ストチャンネルを通じて提供される信号をテスト信号と
しても用いるようにしてフォワード伝達関数情報S12、
S13、S14を計測する。
【0128】次に、リバース伝達関数情報を計測する場
合には、起点ブランチであるブランチ#1は、図9Bに
示すように、起点ブランチ以外のブランチ#2、#3、
#4のそれぞれから順番に送信される信号のブロードキ
ャストチャンネルを通じて提供される信号をテスト信号
としても用いるようにし、リバース伝達関数情報S21、
S31、S41を計測する。なお、図9Bの場合には、ブラ
ンチ#4からの信号を起点ブランチであるブランチ#1
が受信する場合を示している。
【0129】すなわち、図10に示すように、一般にフ
レームフォーマットと呼ばれる規格によって定義される
送受される信号のデータフォーマットにおいて、送受さ
れるデータの1まとまりのデータである各フレーム、あ
るいは、所定のフレームには、ヘッダ部51、アップペ
イロード部53、ダウンペイロード部54などのデータ
の他、関連する各無線通信装置に一斉に送信して提供す
るようにする情報の送信チャンネルであるブロードキャ
ストチャンネルと呼ばれる同報チャンネル部52が設け
られる。
【0130】この同報チャンネル部52を通じて伝送さ
れる信号を通常のフレームフォーマットにおけるブロー
ドキャストチャンネルとして用いるようにするととも
に、フォワード伝達関数情報、および、リバース伝達関
数情報を計測するためのテスト信号としても用いるよう
にする。
【0131】このようにすることによって、基地局BS
は、周囲の端末などとの通常の通信を行いながら、並列
的にフォワード伝達関数情報とリバース伝達関数情報と
を計測し、ブランチ毎に送信経路特性を補正するための
補正係数を算定し、これを用いて送信経路特性の補正を
行うことができる。
【0132】しかも、キャリブレーションを行うとき
に、通常の通信処理を停止させることなく、キャリブレ
ーションのバックグラウンド動作を可能にし、キャリブ
レーションを行っているときでも、通常の通信処理につ
いては、不都合を生じさせることなく行うようにするこ
とができる。
【0133】次に、基地局BSにおいて、キャリブレー
ションを行うためにフォワード伝達関数情報を計測する
場合と、リバース伝達関数情報を計測する場合との動作
について、図11、図12のフローチャートを参照しな
がら説明する。
【0134】図11は、フォワード伝達関数情報を計測
する場合の動作を説明するためのフローチャートであ
り、例えば、図8に示したフローチャートのステップS
103において実行するようにされる処理である。
【0135】前述もしたように、起点ブランチの送受切
換器が送信側に切り換えられるとともに、起点ブランチ
以外の各ブランチの送受切換器は、受信側に切り換えら
れ、起点ブランチから送出される信号のブロードキャス
トチャンネルすなわち同報チャンネルを通じて提供され
る信号を起点ブランチ以外の各ブランチが受信して、フ
ォワード伝達関数情報を計測する(ステップS20
1)。
【0136】このように、起点ブランチから送信するブ
ロードキャストチャンネルの信号をテスト信号として用
いて、フォワード伝達関数情報を計測することができる
ようにされる。しかも、ブロードキャストチャンネルに
よって送信される信号は、基地局BSの周囲の端末MT
に受信され、当該ブロードキャストチャンネルによって
送信されるデータを通常通り利用することができる。つ
まり、通常の通信処理には、何ら影響を及ぼすことな
く、フォワード伝達関数情報を計測することができるの
である。
【0137】図12は、リバース伝達関数情報を計測す
る場合の動作を説明するためのフローチャートであり、
例えば、図8に示したフローチャートのステップS10
5において実行するようにされる処理である。
【0138】そして、起点ブランチの送受切換器が受信
側に切り換えられるとともに、起点ブランチ以外のブラ
ンチの中から送信ブランチとなるブランチが設定され、
その設定されたブランチの送受切換器が送信側に切り換
えられる(ステップS301)。そして、ステップS3
01において設定されたブランチのみからブロードキャ
ストチャンネルすなわち同報チャンネルを通じて信号を
送信する(ステップS302)。
【0139】ステップS302において送信された同報
チャンネルの信号を起点ブランチが受信して、その送信
ブランチと起点ブランチとの間のリバース伝達関数情報
を計測する(ステップS303)。そして、起点ブラン
チ以外の全ブランチからリバース伝達関数情報の計測用
のブロードキャストチャンネルの信号の送信が終了した
か否かを判断する(ステップS304)。
【0140】ステップS304の判断処理において、全
ブランチからのブロードキャストチャンネルの送信が終
了していないと判断したときには、送信ブランチの設定
を変更して、その送信ブランチの送受切換器を送信側に
切り換えて、ステップS302からの処理を繰り返す。
【0141】また、ステップS304の判断処理におい
て、全ブランチからのブロードキャストチャンネルの送
信が終了したと判断したときには、全リバース伝達関数
情報の計測が終了したので、この図12に示す処理を終
了する。
【0142】このように、無線通信ネットワークには、
ビーコン信号のような制御用のブロードキャストチャン
ネルが存在し、基地局は全端末に向けてこれを周期的に
送信している。このブロードキャストチャンネルを単一
のアンテナ(基本的に無指向性)から送信し、順次送信
するブランチを切り換えていく。そして、基本的に送信
に割り当てられていないブランチにおいて、このブロー
ドキャストチャンネルの信号を受信して伝達関数の計測
作業を行うのである。
【0143】これにより、通信処理のバックグラウンド
でキャリブレーションを行うことが可能となり、キャリ
ブレーションのために通信容量を割かないようにするこ
とができるとともに、無駄な干渉波を放射しないように
することができるのである。
【0144】なお、キャリブレーションのためのテスト
信号として用いるブロードキャストチャンネルは、上述
したビーコン信号などの概ね周期的に送信されるものが
望ましい。周期的なものであればその検出も容易であ
り、一定の期間内にキャリブレーションを終了させるよ
うにすることも可能となる。
【0145】また、この実施の形態においては、上述の
ように、ブロードキャストチャンネルを通じて送信する
信号をテスト信号として用いるようにしたが、これに限
るものではない。例えば、予め決められたタイミングで
通常の通信を行うことなく、キャリブレーションのみを
行う場合には、キャリブレーション専用のテスト信号を
送出して、キャリブレーションを行うようにしてもよ
い。
【0146】また、図1〜図8を用いて説明した方式を
用いずに、他の方式により、ブロードキャストチャンネ
ルを通じて送信する信号をテスト信号として用いてキャ
リブレーションを行うようにすることも可能である。
【0147】しかし、ブロードキャストチャンネルを通
じて送信する信号をテスト信号として用い、図1〜図8
を用いて説明したこの実施の形態の方式を用いることに
より、通常の通信処理に影響を及ぼすことなくキャリブ
レーションを行うことができるとともに、アレイアンテ
ナを備えキャリブレーションを行う適正に行うことが可
能な構成が簡単な無線通信装置を低コストで実現するこ
とができる。
【0148】なお、前述の実施の形態においては、無線
LANシステムにこの発明を適用した場合を例に説明し
たが、これに限るものではない。各種の移動体通信シス
テムの基地局や移動局にも適用できる。また、家庭内に
形成されるいわゆるPAN(Personal Area Network)
システムなど、種々の無線通信システムの無線通信装置
にこの発明を適用することができる。
【0149】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、アレイアンテナを備えた無線通信装置であって、ア
ンテナの特性を適切に調整することができる無線通信装
置を容易にかつ低コストで実現することができる。
【0150】また、アンテナの特性を調整するためのキ
ャリブレーション処理時にテスト信号を送信するなどの
通信容量を割くこともなく、無駄な干渉波を発生するこ
とも無いようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の無線通信装置を説明するためのブロ
ック図である。
【図2】この発明の無線通信装置のアレイアンテナの起
点ブランチとなるブランチの構成を説明するためのブロ
ック図である。
【図3】この発明による無線通信システムにおけるフォ
ワード伝達関数情報の計測時の起点ブランチの送信設定
利得の調整について説明するための図である。
【図4】この発明による無線通信システムにおけるリバ
ース伝達関数情報の計測時の起点ブランチの受信設定利
得の調整について説明するための図である。
【図5】最初の起点ブランチを基準とした送信経路特性
の補正係数を求めるための計算式を示す図である。
【図6】最初の起点ブランチの調整利得の影響を除去し
て得る最初の起点ブランチ以外のブランチの送信経路特
性の補正係数を求めるための計算式を示す図である。
【図7】2番目の起点ブランチ以外のブランチの送信経
路特性の補正係数を求めるための計算式を示す図であ
る。
【図8】図1に示した無線通信装置において行われる各
ブランチの送信経路特性の補正係数を求めるキャリブレ
ーション処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】ブロードキャストチャンネル(同報チャンネ
ル)を用いて行うキャリブレーション処理を説明するた
めの図である。
【図10】ブロードキャストチャンネル(同報チャンネ
ル)を説明するための図である。
【図11】ブロードキャストチャンネルを用いて行うフ
ォワード伝達関数情報の計測処理を説明するためのフロ
ーチャートである。
【図12】ブロードキャストチャンネルを用いて行うリ
バース伝達関数情報の計測処理を説明するためのフロー
チャートである。
【図13】アダプティブ・アレイ・アンテナの受信経
路、送信経路についての重み付けと送信経路特性の補正
について説明するための図である。
【図14】4ブランチのアダプティブ・アレイ・アンテ
ナのキャリブレーション処理について説明するための図
である。
【図15】伝達関数情報の計測について説明するための
図である。
【図16】伝達関数成分を説明するための計算式を示す
図である。
【図17】空間伝達関数の可逆関係を示すための式を示
す図である。
【図18】補正係数を求めるための計算式を示す図であ
る。
【図19】補正係数を求めるための計算式を示す図であ
る。
【図20】各ブランチ毎の補正係数を求めるための計算
式を示す図である。
【図21】受信設定利得の調整について説明するための
図である。
【図22】受信設定利得を調整した場合における問題点
を明確にするための計算式を示す図である。
【符号の説明】
100…アダプティブ・アレイ・アンテナ、#1、#
2、#3、#4…アンテナブランチ、11、21、3
1、41…アンテナ素子、12、22、32、42…送
受切換器、15、25、35、45…送受信切換器、1
3、23、33、43…受信回路、14、24、34、
44…送信回路、16、26、36…重み付け乗算部、
17、27、37…送信経路特性補正回路、51…特性
調整情報演算部、52…重み付けコントローラ、53…
補正係数コントローラ、200…システムコントロー
ラ、300…送信/受信処理部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アンテナ素子を有する複数の送受信ブラン
    チからなるアレイアンテナを備えた無線通信装置であっ
    て、 起点ブランチとして選択可能な少なくとも2つの前記送
    受信ブランチの送信経路に設けられ、送信信号レベルを
    調整する送信利得調整手段と、 起点ブランチとして選択可能な少なくとも2つの前記送
    受信ブランチの受信経路に設けられ、受信信号レベルを
    調整する受信利得調整手段と、 前記複数の送受信ブランチのそれぞれに設けられ、前記
    複数の送受信ブランチのそれぞれ毎に送信/受信を切り
    換えるようにするための送受切換手段と、 前記送信利得制御手段と前記送受切換手段とを制御し
    て、前記起点ブランチとして選択した送受信ブランチか
    ら信号レベルを通常通信時設定よりも小さくした信号を
    送信し、前記起点ブランチ以外の各送受信ブランチにお
    けるフォワード伝達関数情報を計測するように制御する
    第1の計測制御手段と、 前記受信利得調整手段と前記送受切換手段とを制御し
    て、前記起点ブランチとして選択した送受信ブランチに
    おける受信利得を通常通信時設定よりも小さくし、前記
    起点ブランチ以外の各送受信ブランチから順次に信号を
    送信して、前記起点ブランチとして選択した送受信ブラ
    ンチにおける各送受信ブランチ毎のリバース伝達関数情
    報を計測するように制御する第2の計測制御手段と、 前記第1の計測制御手段と前記第2の計測制御手段とを
    制御して、起点ブランチを変更し、少なくとも異なる2
    つの送受信ブランチについて、前記フォワード伝達関数
    情報と前記リバース伝達関数情報とを計測するように制
    御する起点変更制御手段と、 計測された前記フォワード伝達関数情報と前記リバース
    伝達関数情報とを用い、前記起点ブランチとした送受信
    ブランチ以外の送受信ブランチを基準にして、各送受信
    ブランチの送信経路特性の補正係数を演算する補正係数
    演算手段とを備えることを特徴とする無線通信装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の無線通信装置であって、 前記第1の制御手段は、前記起点ブランチとして選択し
    た送受信ブランチから送信するブロードキャストチャン
    ネルの信号を用いて、各送受信ブランチにおけるフォワ
    ード伝達関数情報を計測するようにし、 前記第2の計測制御手段は、前記起点ブランチとして選
    択した前記送受信ブランチ以外の各送受信ブランチから
    送信タイミングを変えて順次に送信するようにするブロ
    ードキャストチャンネルの信号を用いて、前記起点ブラ
    ンチとされた送受信ブランチにおける各送受信ブランチ
    毎のリバース伝達関数情報を計測するようにすることを
    特徴とする無線通信装置。
  3. 【請求項3】アンテナ素子を有する複数の送受信ブラン
    チからなるアレイアンテナを備えた無線通信装置であっ
    て、 起点ブランチとして選択した送受信ブランチから送信さ
    れるブロードキャストチャンネルの信号を用いて、前記
    起点ブランチ以外の各送受信ブランチにおけるフォワー
    ド伝達関数情報を計測するようにするフォワード情報計
    測制御手段と、 起点ブランチとして選択した送受信ブランチ以外の各送
    受信ブランチのそれぞれから送信タイミングを変えて順
    次に送信するようにされるブロードキャストチャンネル
    の信号を用いて、前記起点ブランチとして選択した送受
    信ブランチにおける各送受信ブランチ毎のリバース伝達
    関数情報を計測するようにするリバース情報計測制御手
    段と、 計測される前記フォワード伝達関数情報と前記リバース
    伝達関数情報とに基づいて、各送受信ブランチ毎の送信
    経路特性の補正係数を演算する補正係数演算手段とを備
    えることを特徴とする無線通信装置。
  4. 【請求項4】アンテナ素子を有する複数の送受信ブラン
    チからなるアレイアンテナの特性調整方法であって、 前記複数の送受信ブランチから起点ブランチとする1つ
    の送受信ブランチを選択し、 前記起点ブランチとした送受信ブランチからの送信信号
    レベルを通常通信時設定よりも低くするように送信設定
    利得を調整し、 前記起点ブランチとした送受信ブランチから信号を送信
    し、 前記起点ブランチ以外の各送受信ブランチが、前記起点
    ブランチとした前記送受信ブランチからの信号を受信し
    て、前記各送受信ブランチにおけるフォワード伝達関数
    情報を計測し、 前記起点ブランチとした送受信ブランチにおける受信信
    号レベルを通常通信時設定よりも低くなるように受信設
    定利得を調整し、 前記起点送受信ブランチとした送受信ブランチ以外の各
    送受信ブランチから順次に信号を送信し、 前記起点送受信ブランチとした送受信ブランチ以外の各
    送受信ブランチから順次に送信される信号を前記起点ブ
    ランチとした送受信ブランチが順次に受信して、前記起
    点ブランチとした送受信ブランチにおける各送受信ブラ
    ンチ毎のリバース伝達関数情報を計測し、 前記起点ブランチを変更して、 前記起点ブランチとし
    た送受信ブランチの送信設定利得の調整から前記リバー
    ス伝達関数情報の計測までの処理を繰り返すことによ
    り、異なる起点ブランチについてのフォワード伝達関数
    情報とリバース伝達関数情報とを計測するようにし、 計測して得た2つの起点ブランチについての前記フォワ
    ード伝達関数情報と前記リバース伝達関数情報とを用
    い、起点ブランチとした前記送受信ブランチ以外の送受
    信ブランチを基準にして、各送受信ブランチの送信経路
    特性の補正係数を演算するようにすることを特徴とする
    アレイアンテナの特性調整方法。
  5. 【請求項5】請求項4に記載のアレイアンテナの特性調
    整方法であって、 前記フォワード伝達関数情報の計測は、前記起点ブラン
    チとされた送受信ブランチから送信されるブロードキャ
    ストチャンネルの信号を用いて行い、 前記リバース伝達関数情報の計測は、前記起点ブランチ
    とされた送受信ブランチ以外の各送受信ブランチから順
    次に送信するようにするブロードキャストチャンネルの
    信号を用いて行うことを特徴とするアレイアンテナの特
    性調整方法。
  6. 【請求項6】アンテナ素子を有する複数の送受信ブラン
    チからなるアレイアンテナの特性調整方法であって、 起点ブランチとする送受信ブランチから送信されるブロ
    ードキャストチャンネルの信号を用いて、前記起点ブラ
    ンチとして送受信ブランチ以外の各送受信ブランチにお
    けるフォワード伝達関数情報を計測し、 前記起点ブランチとした送受信ブランチ以外の各送受信
    ブランチのそれぞれから、送出タイミングを変えて送出
    するようにするブロードキャストチャンネルの信号を用
    いて、前記起点ブランチとした送受信ブランチにおける
    各送受信ブランチ毎のリバース伝達関数情報を計測し、 計測した前記フォワード伝達関数情報と前記リバース伝
    達関数情報とから補正係数を算出して、算出した前記補
    正係数を用いて送信特性を調整することを特徴とするア
    レイアンテナの特性調整方法。
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