JP2002530998A - アレイ・アンテナを有する無線通信局を較正する方法および装置 - Google Patents

アレイ・アンテナを有する無線通信局を較正する方法および装置

Info

Publication number
JP2002530998A
JP2002530998A JP2000584614A JP2000584614A JP2002530998A JP 2002530998 A JP2002530998 A JP 2002530998A JP 2000584614 A JP2000584614 A JP 2000584614A JP 2000584614 A JP2000584614 A JP 2000584614A JP 2002530998 A JP2002530998 A JP 2002530998A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antenna element
chain
signal
receiver
transmitter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000584614A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4557429B2 (ja
JP2002530998A5 (ja
Inventor
パリシュ,デイビッド・エム
ファーザネー,ファーハド
バレット,クレイグ・エイチ
Original Assignee
アレイコム・インコーポレーテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アレイコム・インコーポレーテッド filed Critical アレイコム・インコーポレーテッド
Priority claimed from PCT/US1998/025364 external-priority patent/WO2000031892A1/en
Publication of JP2002530998A publication Critical patent/JP2002530998A/ja
Publication of JP2002530998A5 publication Critical patent/JP2002530998A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4557429B2 publication Critical patent/JP4557429B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)
  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Radio Transmission System (AREA)

Abstract

(57)【要約】 それぞれに関連し、送信装置チェーンおよび受信装置チェーンに含まれるアンテナ素子のアレイ・アンテナを含む通信局内で動作する通信局を較正する方法。この方法は、アンテナ素子からそのアンテナ素子に関連する送信装置チェーンを使用して所定の信号を送信しながら、その送信された信号をそのアンテナに関連しない受信装置チェーンで受信することを含む。各アンテナ素子ごとの較正係数は、所定の信号と送信の間に受信された各信号を使用して、関連する送信装置チェーン伝達関数および受信装置チェーン伝達関数に応じて決定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) (発明の分野) 本発明は、アレイ・アンテナを用いる無線周波数システムに関し、より具体的
にはそのようなシステムの較正に関する。
【0002】 (背景) アレイ・アンテナは、1つまたは複数のアンテナを用いて無線周波数信号を送
信または受信する任意のタイプのシステムに使用することができる。そのような
システムの例には、無線通信システム、レーダ、無線周波数信号を利用するある
種の医療システムがある。そのようなシステムにアレイ・アンテナを使用すると
、単一素子アンテナを使用するよりアンテナの性能が向上する。こうしたアンテ
ナの性能向上としては、受信信号に関しては指向性向上、信号対雑音比向上、干
渉除去向上などがあり、送信信号に関しては指向性向上、安全向上、送信出力要
件低減などがある。アレイ・アンテナは、信号受信専用、信号送信専用、または
送受信兼用として使用することができる。
【0003】 典型的なアレイ・アンテナ・システムは、アンテナの配列、および個々のアレ
イ素子との間を往来する信号を合成する信号処理装置からなる。この処理はビー
ム形成と呼ばれることがある。
【0004】 アレイ・アンテナ・システムの典型的な応用分野は無線通信システムである。
例としては、セルラ通信システムやワイヤレス・ローカル・ループ・システムな
どがある。そのような無線通信システムは、遠隔端末装置や送受話器とも呼ばれ
る加入者装置とそれぞれ通信する、一般に基地局と呼ばれる1つまたは複数の通
信局を有する。セルラ・システムでは遠隔端末装置は典型的には移動体であるが
、ワイヤレス・ローカル・ループ・システムでは遠隔端末装置は通常、固定位置
にある。アレイ・アンテナは典型的には基地局に位置する。通信の方向を表す用
語は、通常の衛星通信に由来し、衛星を基地局に置き換えたものである。すなわ
ち、遠隔端末装置から基地局への通信はアップリンクと呼ばれ、基地局から遠隔
端末装置への通信をダウンリンクと呼ばれる。したがって、アレイ・アンテナは
ダウンリンク方向で送信し、アップリンク方向で受信する。アレイ・アンテナは
また、同じ「従来型」(FDMA、TDMA、またはCDMA)チャネルを介し
て複数の利用者と同時に通信する能力である空間分割多元接続(SDMA)機能
を加えた無線通信システムに使用することもできる。本出願人は、SDMAおよ
び非SDMAシステムのスペクトル効率を向上させるためのアレイ・アンテナに
関する空間処理を既に開示している。参照により本明細書に組み込む1996年
5月7日発行の「Spatial Division Multiple Ac
cess Wireless Communications System」
という名称の米国特許第5515378号、同様に参照により本明細書に組み込
む1997年1月7日発行の「Spectrally Efficient H
igh Capacity Wireless Communications
Systems」という名称の米国特許第5592490号、同様に参照によ
り本明細書に組み込む1996年10月23日出願の「Spectrally
Efficient High Capacity Wireless Com
munications Systems with Spatio−Temp
oral Processing」という名称の米国特許出願第08/7355
20号、および同様に参照により本明細書に組み込む1996年10月11日出
願の「Method and Apparatus for Decision
Directed Demodulation Using Antenna
Arrays and Spatial Processing」という名称
の米国特許出願第08/729390号を参照されたい。アレイ・アンテナを使
用して通信効率を改善および/またはSDMAを提供するシステムは、スマート
・アンテナ・システムと呼ばれることがある。本明細書では、前記特許および特
許出願をまとめて「スマート・アンテナ発明書類」と呼ぶ。
【0005】 スマート・アンテナ通信システムでは、アップリンク通信の間、アレイ・アン
テナ素子で受信された各信号に振幅および位相調整を適用して、関係ない信号ま
たは雑音、すなわち干渉を最小限に抑えながら目的の信号を選択(すなわち優先
的に受信)する。そのような振幅および位相調整は、複素数の重みである受信重
みで表現することができ、アレイのすべての素子の受信重みは、複素数ベクトル
である受信重みベクトルで表現することができる。ダウンリンク信号も同様に、
送信のためアレイ・アンテナの各アンテナに向かう信号の振幅および位相を調整
することによって処理される。そのような振幅および位相制御は、複素数の重み
である送信重みで表現することができ、アレイのすべての素子の送信重みは、複
素数ベクトルである送信重みベクトルで表現することができる。一部のシステム
では、受信(および/または送信)重みは時間的処理を含み、そのような場合、
受信(および/または送信)重みは、周波数の関数として周波数領域内に適用す
る、すなわちたたみこみカーネルとして適用される時間の関数とすることができ
る。
【0006】 通常、受信重みベクトルは、例えば遠隔利用者からアレイのアンテナで受信さ
れたアップリンク信号からなどの様々な技法によって決定される特定の遠隔利用
者の空間的識別特性によって決定される。空間的識別特性(受信多様体ベクトル
とも呼ばれる)は、干渉または他の加入者装置がない場合の基地局のアレイが特
定の加入者装置から信号を受信する方法を特徴づける。通常動作では、受信重み
ベクトルは空間的識別特性と干渉によって決定することができる。ダウンリンク
で特定の利用者との通信に使用される送信重みベクトルもまた、その特定の利用
者の空間的識別特性から決定される。したがって、特定の利用者の受信重みベク
トルから送信重みベクトルを決定することが望ましい。
【0007】 時分割デュプレックス(TDD)システムは、特定の遠隔利用者とのアップリ
ンクおよびダウンリンク通信が同じ周波数で、ただし異なるタイム・スロットで
行われるシステムである。周波数分割デュプレックス(FDD)システムは、特
定の遠隔利用者とのアップリンクおよびダウンリンク通信が異なる周波数で行わ
れるシステムである。
【0008】 実際上の問題によって、特定の利用者の受信重みベクトルから送信重みベクト
ルを決定することは実行が困難である可能性がある。時分割デュプレックス(T
DD)システムは、特定の遠隔利用者とのアップリンクおよびダウンリンク通信
が同じ周波数で、ただし異なるタイム・スロットで行われるシステムである。周
波数分割デュプレックス(FDD)システムは、特定の遠隔利用者とのアップリ
ンクおよびダウンリンク通信が異なる周波数で行われるシステムである。周知の
レシプロシティ定理によって、受信重みベクトルから送信重みベクトルを決定す
ることは簡単であると考えられるかもしれない。しかしながら、アップリンクで
は、処理される受信信号はアレイ・アンテナの各アンテナ素子に関連する受信装
置チェーンによって多少歪んでいる可能性がある。受信装置チェーンとしては、
アンテナ素子、ケーブル、フィルタ、無線周波数電子回路、物理接続、および処
理がデジタルならばアナログ・デジタル変換器(「ADC」)などがある。多素
子アレイ・アンテナの場合、通常は各アレイ・アンテナ素子ごとに別々の受信装
置チェーンがあり、したがって各素子で受信される各信号の振幅および位相が各
受信装置チェーンごとに異なって歪む可能性がある。これを考慮に入れない受信
重みベクトルは誤りとなり、基地局での受信が最適でなくなる。しかしながら、
実際にはそれでもなお通信は可能である。アレイ・アンテナを介してダウンリン
ク信号を送信すると、アンテナ素子によって放射される各信号は異なる送信装置
チェーンを経由するため、ことによると送信信号に異なる振幅シフトおよび位相
シフトが生じるかもしれない。送信重みベクトルが受信装置チェーンにおける違
いを考慮に入れていない受信重みベクトルから得られたものだとすると、基地局
からの送信は実行が困難である可能性がある。送信重みベクトルが送信装置チェ
ーンにおける違いを考慮に入れたものでない場合はさらに困難が生じる可能性が
あり、ことによるとそのような送信重みベクトルを用いる通信は最適なものでな
くなるかもしれない。較正の目的は、受信チェーン内の信号に生じる異なる振幅
誤差および位相誤差、ならびに送信チェーン内に生じる異なる振幅誤差および位
相誤差を補償するための較正係数を決定することである。なお、受信装置チェー
ンおよび送信装置チェーン内に生じる位相シフトおよび振幅シフトは一般に周波
数依存であることを付け加えておく必要がある。
【0009】 FDDシステムの場合、もはやレシプロシティを仮定することができないため
、特定の利用者の受信重みベクトルから送信重みベクトルを決定することはさら
に困難である。アップリンクおよびダウンリンクにおける伝搬の違いをさらに考
慮に入れる必要がある。そのような違いを考慮に入れてもなお、受信チェーン内
の信号に生じる異なる振幅誤差および位相誤差、ならびに送信チェーン内に生じ
る異なる振幅誤差および位相誤差を補償するための較正係数を決定する必要があ
る。
【0010】 当初、アレイ・アンテナ・システムの製造者は、すべての送信電子回路および
受信電子回路が完全なものであると仮定された、あるいは送信装置チェーンおよ
び受信装置差チェーンが各アンテナにとって理想的であると仮定された、理想的
なアレイ・アンテナを仮定した信号処理装置を使用した。その結果、そうしたア
レイ・アンテナ・システムは設計および製造が困難であるばかりでなく価格も法
外で、しかも誤差、干渉、および時間に対するドリフトを受ける。受信重みを使
用して送信重みを決定することは、そのようなシステムによる効率的な通信には
つながらない可能性がある。
【0011】 補償は、アンテナ素子によって受信または送信される各m信号を、各較正関数
が信号が送信(または受信)装置チェーンを通過するときに受ける利得および位
相誤差を補償するのに必要な伝達関数補正を示す複素較正関数によって(すなわ
ち複素数時系列によって)たたみこむことで達成されることは周知である。一部
のシステムでは、これは、各較正関数を較正係数すなわち補償に必要な必須の振
幅補正および位相補正を示す複素数とする乗法的補正に簡素化することができる
。一般に、その1組の較正関数は一方を送信パス、もう一方を受信パスの複素数
較正ベクトル関数とし、各関数を時系列とする較正ベクトル関数の要素である。
乗法的補正の場合、その1組の較正係数は一方を送信パス、もう一方を受信パス
の複素数較正ベクトルとする較正ベクトルの要素である。従来技術によるアレイ
較正ベクトル関数の決定方法は、いくつかの付随する欠点を有する測定を必要と
する。第1に、その方法は、高価で扱いにくく、繰り返して使用することが煩わ
しい外部測定器を必要とする。第2に、従来の較正方法は、測定を行う長期間の
うちに周波数基準などのシステム・パラメータのドリフトの影響を受けやすく、
これらのドリフトによって測定されるアレイ較正ベクトルが不正確になる。さら
に、一部の従来技術はたたみこみカーネル較正係数ではなく乗法的較正係数のみ
を決定し、アレイ・アンテナに周波数依存成分がある。この周波数依存をなくし
ながら乗法的較正ベクトルを使用するためには、通信の各周波数チャネルごとに
アレイ・アンテナを較正する必要がある。第3に、無線周波数電子回路の伝達特
性は温度、湿度などの変化する周囲条件に依存し、そのためアレイ・アンテナを
その周囲環境で繰り返して較正することが不可欠になる。
【0012】 Harrisonらは、米国特許第5274844号(1993年12月28
日)において、リソース制御装置と遠隔端末装置を接続するデータ・バスを使用
する2つの実験で送信および受信較正ベクトルを(複素数ベクトル伝達関数とし
て)較正する方法を開示している。第1の実験で、データ・バスは基地局に周知
の信号を送信することを遠隔端末装置に指示する。これによって受信装置チェー
ンの較正を決定する。第2の実験で、遠隔端末装置で受信された信号は、送信装
置チェーンの較正を決定できるようにするためにデータ・バスを介してリソース
制御装置に送り返される。
【0013】 1996年8月13日に発行され、本発明の譲受人に譲渡された共同所有の米
国特許第5546090号では、遠隔端末装置で基地局から受信された信号を基
地局に再送信する、遠隔端末装置と同じ場所に配置された単純なトランスポンダ
を用いて送信較正ベクトルと受信較正ベクトルの両方を決定することができる較
正方法を開示している。当該の方法は、Harrisonらの発明の配線式デー
タ・バスは必要としない。しかしながら、追加のトランスポンダ装置が必要であ
る。
【0014】 これらの従来技術による較正方法は、受信パスと送信パスを別々に較正し、さ
らに基地局のアンテナ素子と加入者装置間の異なる空中パスを較正するが、特別
の構成装置を必要とする。
【0015】 Johannissonらの発明者の「Antenna array cal
ibration」という名称のPCT国際特許出願公告95/34103号(
1995年12月14日公告)では、アレイ・アンテナの送信(および受信)を
較正する方法および装置を開示している。送信の較正の場合、入力送信信号を各
アンテナ素子に一度に1つのアンテナずつ入力する。入力送信信号がそれぞれの
電力増幅器を通過した後、各アンテナ素子によって送信された信号を較正ネット
ワークによって抽出する。その結果得られる信号を受信装置に送り込み、計算手
段によって各アンテナ素子ごとに受信信号と元の送信信号を関係付ける。その後
、各アンテナ素子ごとに補正係数を形成することができる。次いで、その補正係
数を用いて、送信の間に各素子を適正に較正できるようにアンテナ素子を(振幅
と位相、または同相分Iと直角分Qについて)調整することができる。受信の較
正の場合、既知の入力信号を生成し、較正ネットワーク(受動分配ネットワーク
)を用いてアレイ・アンテナの各アンテナ素子に注入する。その信号は、アンテ
ナ素子からそれぞれの低雑音増幅器を通過し、各アンテナ素子によって受信され
た信号をビーム形成装置によって測定する。次いで、ビーム形成装置は、注入さ
れた信号と測定された信号を比較することによって、各アンテナ素子を個別に較
正できるように補正係数を生成することができる。補正は、振幅補正と位相補正
として、または同相分Iおよび直角分Qの補正として表現することができる。
【0016】 Johannissonらの方法は、受信パスと送信パスを別々に較正するが
、特別の較正装置を必要とする。
【0017】 したがって、当技術分野では、必要な装置と必要な時間の両方の点で簡単であ
り、その結果希望するときいつでも何度でも素早く較正を実行することができる
較正方法および装置が必要とされている。当技術分野ではまた、既存の基地局の
電子回路のみを使用し、特別の較正ハードウェアを必要としない簡単な較正技法
も必要とされている。当技術分野ではさらに、受信装置チェーンおよび送信装置
チェーンの較正を含めて、較正が既存の基地局の電子回路を使用し、特別の較正
ハードウェアを必要としない簡単な技法を用いて得られる、受信重みベクトルか
ら送信重みベクトルを決定することができる方法も必要とされている。
【0018】 (発明の概要) (発明の目的) 本発明の目的は、追加の高価で扱いにくい較正計器を必要としない、アレイ・
アンテナを用いる基地局を較正する改良型の方法および装置である。
【0019】 本発明の他の目的は、基地局の較正に必要な時間を削減し、較正済み送信重み
ベクトルの使用が可能である較正方法および装置であって、その送信重みベクト
ルが受信重みベクトルから本質的に決定される方法および装置である。
【0020】 本発明の他の目的は、設置場所で容易に使用することができるアレイ・アンテ
ナ・システムの較正方法および装置であって、較正において較正済み送信重みベ
クトルの使用が可能であり、その送信重みベクトルが受信重みベクトルから本質
的に決定される方法および装置である。
【0021】 本発明の他の目的は、無線周波数システム内で容易に実施することができ、常
習的および定期的なシステム較正の実行を実用的なものにする較正方法および装
置であって、較正において較正済み送信重みベクトルの使用が可能であり、その
送信重みベクトルが受信重みベクトルから本質的に決定される方法および装置で
ある。
【0022】 本発明の他の目的は、受信重みベクトルから較正済み送信重みベクトルを決定
する方法であって、その送信重みベクトルの較正において受信装置チェーンおよ
び送信装置チェーンによって導かれる位相誤差を考慮し、較正において既存の基
地局の電子回路を使用する方法である。
【0023】 (発明の大要) 本発明の上記その他の目的は、少なくとも1つの加入者装置と少なくとも1つ
の通信局(基地局)を含み、その通信局が複数の素子のアレイ・アンテナを含む
通信システムで動作する方法によって達成される。各アンテナ素子は、その通信
システムと関連し、送信装置チェーンおよび受信装置チェーン内に含まれる。各
チェーンの位相および振幅の挙動は、受信装置チェーン伝達関数(受信装置チェ
ーンの場合)または送信装置チェーン伝達関数(送信装置チェーンの場合)によ
って本質的に表される。
【0024】 本発明の一態様では、アンテナ素子からそのアンテナ素子に関連する送信装置
チェーンを使用して所定の信号を送信しながら、その送信された信号をそのアン
テナに関連しない少なくとも1つの受信装置チェーンで受信することを含む通信
局の較正方法が記述されている。これは、較正係数が必要とされるすべてのアン
テナ素子から所定の信号が送信されるまで繰り返される、他の送信装置チェーン
による他のアンテナ素子からの所定の信号(一般に同じである必要はない)の送
信である。各アンテナ素子ごとに較正係数が決定され、アンテナ素子の較正係数
は関連する送信装置チェーンおよび受信装置チェーンの伝達関数に依存し、その
決定には1つまたは複数の所定の信号と送信の間に受信された各信号が使用され
る。ある特定の実施態様では、所定の信号はすべての送信に関して同じであり、
受信信号はその後の処理のために記憶される。
【0025】 較正係数は一般に周波数に依存する。特定の一実施態様は、当該の周波数範囲
内の周波数に本質的に依存しない較正係数の決定を記述している。
【0026】 この場合もやはり、記述する一実施態様では、送信装置チェーン伝達関数と受
信装置チェーン伝達関数を決定する。この場合の一実施態様は、すべての受信装
置チェーンと送信装置チェーンの伝達関数を基準受信装置伝達関数と基準送信装
置伝達関数に相関してそれぞれ決定できるように、共通のアンテナ素子を共用す
るある受信装置チェーンとある送信装置チェーンを基準として指定することを含
む。
【0027】 他の特定の実施態様は、通信局と加入者装置間のダウンリンクおよびアップリ
ンク通信が同じ周波数チャネルで行われる場合に適用する。その場合、任意のア
ンテナ素子用の単一の較正係数を決定する。一変形態様では、その単一の較正係
数は、位相に関して、特定のアンテナ素子に関連する送信装置チェーン伝達関数
の位相と受信装置チェーン伝達関数の位相の差の関数である。この場合、あるア
ンテナ素子を基準アンテナ素子として指定し、それによってその基準アンテナ素
子に関連しないすべての較正係数を基準アンテナ素子に関連する較正係数にそれ
ぞれ相関させることができる。例えば、基準アンテナ素子に関連しない特定のア
ンテナ素子の較正係数は、位相に関して、所定の信号を基準アンテナに関連する
送信装置チェーンから送信したときに特定のアンテナ素子で受信される信号と、
所定の信号を特定のアンテナ組織に関連する送信装置チェーンから送信したとき
に基準アンテナ素子に関連する受信装置チェーンで受信される信号の位相差の関
数として決定することができる。
【0028】 他の変形態様では、その単一の較正係数は、位相に関して、特定のアンテナ素
子に関連する送信装置チェーン伝達関数と受信装置チェーン伝達関数の比の関数
である。この場合も同様に、あるアンテナ素子を基準アンテナ素子として指定し
、それによってその基準アンテナ素子に関連しないすべての較正係数を基準アン
テナ素子に関連する較正係数に対してそれぞれ決定することができる。例えば、
基準アンテナ素子に関連しない特定のアンテナ素子の較正係数は、所定の信号を
基準アンテナに関連する送信装置チェーンから送信したときに特定のアンテナ素
子で受信される信号と、所定の信号を特定のアンテナ組織に関連する送信装置チ
ェーンから送信したときに基準アンテナ素子に関連する受信装置チェーンで受信
される信号の比の関数として決定することができる。
【0029】 本発明の他の態様では、通信局から加入者装置にダウンリンク信号を送信する
方法が記述されている。その方法は、各較正係数が特定のアンテナ素子に関連す
る1組の較正係数を決定するために通信局で実験を実行すること、および各アン
テナ素子ごとに1組の重み付き送信信号を形成するために1組の送信重みに従っ
てダウンリンク信号に重みを付けることを含み、その特定のアンテナ素子の送信
重みが加入者装置とのアップリンク通信の間にそのアレイ・アンテナで受信され
た信号と特定のアンテナ素子に関連する較正係数から決定され、さらにその重み
付き送信信号を送信装置チェーンを介して送信することを含む。通信局が受信ベ
ースバンド信号を処理することによって加入者装置とアップリンクで通信するこ
とができ、各受信ベースバンド信号がアンテナ素子のいずれかの対応する信号か
ら決定される一実施態様では、処理は受信ベースバンド信号から決定される1組
の受信重みに従って受信ベースバンド信号に重みを付けることを含み、各受信重
みはアンテナ素子のいずれかに対応する。この実施態様では、特定のアンテナ素
子の送信重みは、特定のアンテナ素子に対応する受信重みとその特定のアンテナ
素子に関連する較正係数から決定される。通信局と加入者装置間のダウンリンク
通信およびアップリンク通信が同じ周波数チャネルで行われる場合、使用される
較正係数は、位相に関して、対応するアンテナ素子の送信装置チェーン伝達関数
の位相と受信装置チェーン伝達関数の位相の差の関数であり、各送信重みは対応
する受信重みおよび対応する較正係数に比例する。通信局と加入者装置間のダウ
ンリンク通信およびアップリンク通信が同じ周波数チャネルで行われる別の場合
、使用される較正係数は、対応するアンテナ素子の送信装置チェーン伝達関数と
受信装置チェーン伝達関数の比の関数であり、各送信重みは対応する受信重みお
よび対応する較正係数に比例する。
【0030】 受信重みから送信重みを決定するのに使用する較正係数を決定する実験は、較
正係数を決定する前述の方法のいずれかに従うことができる。
【0031】 本発明の他の態様では、通信局を較正する装置は、通信局の装置の一部として
記述されている。
【0032】 (好ましい実施形態の説明) 図1に、送信と受信の両方に使用される単一のアレイ・アンテナ103を用い
るアレイ・アンテナ基地局システムを示す。本発明の方法および装置の好ましい
実施形態は、この一般的な構成を有するシステムで動作するように実施される。
図1に示すものと同様のシステムは従来技術かもしれないが、図1のシステムの
ように本発明の態様を実施するようにプログラミングまたは配線されたシステム
は従来技術ではない。図1では、アレイ・アンテナ103の1つまたは複数の素
子を送信モードでは送信電子回路113に、受信モードでは受信電子回路121
に選択的に接続するために、アレイ・アンテナ103と送信電子回路113(1
つまたは複数の送信信号処理装置119を含む)および受信電子回路121(1
つまたは複数の受信信号処理装置123を含む)の間に、送信/受信(「TR」
)スイッチ107が接続されている。スイッチ107の2つの可能な実施は、周
波数分割デュプレックス(FDD)システムでは周波数送受切換器として、時分
割デュプレックス(TDD)システムでは時間スイッチとしてである。本発明の
好ましい実施形態ではTDDを使用する。
【0033】 送信電子回路と受信電子回路(それぞれ要素113と要素121)は、アナロ
グ電子回路、デジタル電子回路、またはこれら2つの組合せを用いて実施するこ
とができる。信号処理装置119および123は、静的(常に同じ)、動的(所
望の指向性に応じて変化する)、またはスマート(受信信号に応じて変化する)
にすることができ、好ましい実施形態では適応型である。信号処理装置119お
よび123は、受信用と送信用の異なるプログラミングを備える同じ1つまたは
複数のDSPデバイスでも、異なるDSPデバイスでも、一部の機能用の異なる
デバイスと他の機能用の同じデバイスでもよい。
【0034】 困ったことに、アレイ・アンテナ103、ケーブル105、109および11
1、送信電子回路チェーン113、および受信回路チェーン121の構築に際し
ての通常の製造上のばらつきのため、これらの構成要素によって導かれる異なる
誤差および非線形性があり、アレイ・アンテナ103の異なる素子を通過する同
じ信号は異なる振幅と位相で出現することになる。同様に、ケーブル109およ
び111および電子回路113および121の異なるチャネルをそれぞれ通過す
る同じ信号は、振幅と位相が変化することになる。これらの振幅および位相の複
合誤差は、1組の受信アレイ較正伝達関数と送信アレイ較正伝達関数によって捕
捉することができ、その要素を一緒にして受信較正伝達関数ベクトルと送信較正
伝達関数ベクトルを形成する。アレイ・アンテナ103の各素子、ケーブル10
5および109の対応するチャネル、スイッチ107の対応するチャネル、およ
び送信電子回路113の対応するチャネルを送信アンテナ素子の送信装置チェー
ンと呼ぶものとし、アレイ・アンテナ103の各素子、ケーブル105および1
09の対応するチャネル、スイッチ107の対応するチャネル、および受信電子
回路123の対応するチャネルをアンテナ素子の受信装置チェーンと呼ぶものと
する。すべての構成要素が等しく、かつ完全な挙動を示すとすれば、そのような
アレイ較正伝達ベクトルは、アレイ・アンテナ素子からの各チェーンの末尾に見
られる実際の信号を各チェーンの末尾に期待される対応する信号に変換する。送
信信号と受信信号は若干異なるハードウェア・パスを辿るため、システムは送信
アレイ較正ベクトル伝達関数と送信アレイ較正ベクトル伝達関数の両方を備える
ことになる。送信装置チェーンへの入力は送信信号入力115であり、受信装置
チェーンの出力は受信信号出力117である。
【0035】 本発明の様々な好ましい実施形態は、ARJB標準規格第2版(RCR ST
D−28)の「パーソナル・ハンディホン・システム」(PHS)を用いるセル
ラ・システムに組み込むためのものである。これらの実施形態で使用されるPH
Sシステムの基地局は一般に図1に合致する。PHSシステムは、真の時分割デ
ュプレックス(TDD)による8スロットの時分割多元接続(TDMA)システ
ムである。したがって、8個のタイムスロットは4個の送信(TX)タイムスロ
ットと4個の受信(RX)タイムスロットに分けられる。これは、特定のチャネ
ルに関して受信周波数と送信周波数が同じであることを意味する。また、受信タ
イムスロットと送信タイムスロット間の加入者装置の移動が最小限であると仮定
すると、相互依存すなわちダウンリンク(基地局から利用者の遠隔端末装置)と
アップリンク(利用者の遠隔端末装置から基地局)の伝搬パスが同じであること
も意味する。好ましい実施形態に使用されるPHSシステムの周波数帯は、18
95〜1918.1MHzである。8個のタイムスロットはそれぞれ長さ625
マイクロ秒である。PHSシステムは、発呼が行われる制御チャネル専用の周波
数およびタイムスロットを有する。リンクが確立されると、呼は通常の通信のた
めにサービス・チャネルに渡される。通信は、フル・レートと呼ばれる32キロ
ビット/秒(kbps)で任意のチャネル内で行われる。フル・レート未満の通
信も可能であり、本明細書で説明する実施形態を変更してフル・レート未満の通
信を組み込む方法の詳細は、当業者には明白であろう。
【0036】 好ましい実施形態で使用されるPHSにおいて、バーストは、単一のタイムス
ロットの間で空中を介して送信または受信される有限期間の無線周波数信号と定
義する。グループは、4個のTXタイムスロットおよび4個のHANDYPHO
NEタイムスロットの1組と定義する。グループは、常に第1のTXタイムスロ
ットから始まり、その期間は8×0.625=5ミリ秒である。
【0037】 PHSシステムは、ベースバンド信号に対してπ/4差動4相位相変調(π/
4 DQPSK)を使用する。ボー・レートは192キロボーである。すなわち
1秒当たり19万2,000個の符号がある。
【0038】 図2に、本発明の実施形態が実施されたPHS基地局の概略の構成図を示す。
この場合もやはり、図2に示すものと同様のアーキテクチャを備えるシステムは
従来技術かもしれないが、図2のシステムのように本発明の態様を実施するよう
にプログラミングまたはハードワイアードされたシステムは従来技術ではない。
図2では、m=4として複数のm個のアンテナ201が使用されている。アンテ
ナの出力は、このTDDシステムでは時間スイッチである送受切換器107に接
続されている。受信の場合、アンテナ出力は切換器107を介して受信装置20
5に接続され、無線周波数受信装置(RX)モジュール205によってアナログ
で混合されて搬送周波数(約1.9GHz)から最終的に384kHzの中間周
波数(「IF」)となる。次いで、この信号はアナログ・デジタル変換器(「A
DC」)209によって1.536MHzでデジタル化(サンプリング)される
。サンプリングされるのは信号の実部のみである。したがって複素位相ベクトル
表記では、デジタル信号は−384kHzのイメージと共に384kHzの複素
数IF信号を含むものとして視覚化することができる。ベースバンドへの最終的
なダウンコンバートは、デジタルで1.536メガサンプル/秒の実部のみの信
号と384kHzの複素位相ベクトルを乗算することによって実施される。その
結果は、複素数ベースバンド信号に−2×384=−768kHzのイメージを
加えたものを含む複素数信号である。この不要な負の周波数イメージをデジタル
・フィルタ処理して、1.536MHzでサンプリングされた複素数ベースバン
ド信号を生成する。好ましい実施形態では、GrayChip Inc.GC2
011デジタル・フィルタを使用してダウンコンバートとデジタル・フィルタ処
理を実施し、後者には有限インパルス応答(FIR)フィルタ技法を利用する。
これはブロック213として示す。
【0039】 各アンテナのGC2011デジタル・フィルタ装置213からは、受信タイム
スロットごとに1つずつ、4つのダウンコンバートされた出力がある。本発明の
一態様によれば、4個の各受信タイムスロットごとに、4つのアンテナから4つ
のダウンコンバートされた出力が較正を含めたその後の処理のためにデジタル信
号処理装置(DSP)デバイス217(以下「タイムスロット処理装置」)に送
られる。好ましい実施形態では、4つのMotorola DSP56303
DSPをタイムスロット処理装置として、受信タイムスロットごとに1つずつ使
用する。
【0040】 タイムスロット処理装置217は、受信信号電力監視、周波数偏差推定と時間
合せ、特定の遠隔利用者からの信号を判定する際の各アンテナ素子に対する重み
の決定を含むスマート・アンテナ処理、決定した信号の復調を含めて、様々な機
能を実行する。
【0041】 タイムスロット処理装置217の出力は、4個の各受信タイムスロットごとの
復調されたバースト・データである。このデータは、システムおよびインタフェ
ースのすべての要素を高レベル処理で制御することが主な機能であるホストDS
P処理装置231に送られるが、その高レベル処理とはPHS通信プロトコルで
定義されたすべての異なる制御チャネルとサービス通信チャネルでの通信に必要
な信号を扱う処理である。好ましい実施形態では、ホストDSP231はMot
orola DSP56303である。タイムスロット処理装置はまた、決定し
た受信重みもホストDSP231に送る。ホストDSP231の主な機能は、具
体的には下記のものを含む。
【0042】 ・状態およびタイミング情報の維持
【0043】 ・タイムスロット処理装置217からのアップリンク・バースト・データの受
信。
【0044】 ・一実施形態ではタイムスロット処理装置217に対する較正モードへの移行
指示を含めた、タイムスロット処理装置217のプログラミング。較正モードは
、基地局が遠隔利用者にトラフィック・チャネルを割り当てた後に行われる。好
ましい実施形態において、較正モードでは、基地局は新たに割り当てられたトラ
フィック・チャネル内の4つの連続するフレーム内の1個のRXタイムスロット
を用い、本明細書で説明する好ましい実施形態の較正方法を実行する。TXタイ
ムスロットの間は主基地局が送信中である可能性があり、それによってシステム
内の低雑音増幅器が飽和状態になっている可能性があるため、較正実験はRXタ
イムスロットの間のみ実行されることが好ましい。代替実施形態では、較正実験
はTXタイムスロットの間に実行される。較正モードでは、較正係数を決定する
その後の処理のために、各フレームの終わりに部分的な結果がタイムスロット処
理装置217からホストDSP231にアップロードされる。次いで、ホストD
SP231は自動利得補正(「AGC」)回路から読み取った値で較正係数を調
整し、そのデータを保存する。
【0045】 ・アップリンクの復号、逆スクランブル、誤り訂正(CRC)符号検査、バー
スト・デコンストラクションを含む、通常モードでのアップリンク信号の処理。
【0046】 ・通常モードでの、基地局の他の部分での高レベル処理に送るアップリンク信
号のフォーマッティング。
【0047】 ・通常モードでの、基地局でのその後の高レベル処理のための適応差分パルス
符号変調(「ADPCM」音声データのフォーマッティングおよびサービス・デ
ータのフォーマッティング。
【0048】 ・通常モードでの、基地局の他の部分からのダウンリンク・メッセージおよび
ADPCM音声データ(およびベアラ・サービス)の受信。
【0049】 ・通常モードでのダウンリンク・バーストの処理(バースト構築、CRC、ス
クランブル、暗号化)
【0050】 ・較正モードでの、較正バーストのフォーマッティングおよび符号237とし
て示す送信制御装置/変調装置への送信を含む、ダウンリンク・バーストのフォ
ーマッティングおよび送信制御装置/変調装置237への送信。
【0051】 ・送信重みベクトルの決定および送信制御装置/変調装置237への送信を含
む、送信制御装置/変調装置237のプログラミング。一実施形態において、通
常モードでは、送信重みベクトルは較正モードの間に本発明の好ましい実施形態
に従って決定された較正係数を使用してDSP231で補正された受信重みベク
トルである。次いで、送信重みベクトルは所望の送信電力制限を満たすように全
体としてスケーリングされ、送信制御装置/変調装置237に送られる。
【0052】 ・符号233として示す無線周波数制御装置の制御 ・通常モードでのモデム状態情報の維持と報告、および同期の制御
【0053】 無線周波数制御装置233は、ブロック245として示す無線周波数システム
とのインタフェースとなり、また無線周波数システムとモデルの両方が使用する
いくつかのタイミング信号の生成も行う。無線周波数制御装置233が実行する
具体的なタスクは、下記のものを含む。
【0054】 ・無線周波数システム用(RXおよびTX)およびモデムの他の部分のタイミ
ング信号の生成。 ・送信電力監視値の読取り。 ・送信電力制御値の書込み。 ・送受切換器107転換器制御信号の生成。 ・自動利得制御(AGC)値の読取り。
【0055】 無線周波数制御装置233は、ホストDSP231から各バーストごとのタイ
ミング・パラメータおよびその他の設定を受け取る。
【0056】 送信制御装置/変調装置237は、ホストDSP231から一度に4個の符号
ずつ送信データを受け取る。送信制御装置は、このデータを使用してアナログI
F出力を生成し、それを無線周波数送信装置(TX)モジュール245に送る。
送信制御装置/変調装置237が実行する具体的は操作は以下のとおりである。
【0057】 ・π/4 DQPSK変調による複素変調信号へのデータ・ビットの変換。 ・1.536MHzの中間周波数へのアップコンバート(まだデジタル)。こ
れは、GrayChip 2011を使用して実施される。 ・1.536MHzのIF信号の4倍オーバーサンプリングによる6.144
メガサンプル/秒信号の取得。IF信号を4倍オーバーサンプリングすると、全
体で32倍のサンプリング信号が得られることに留意されたい。 ・この4倍オーバーサンプリングした(IFと比較して)複素信号とホストD
SP231から得られた送信重みの乗算。得られる複素数波形の実部を取って4
つの実部のみのIF信号を得る。 ・送信制御装置/変調装置237の一部であるデジタル・アナログ変換器(「
DAC」)による、送信モジュール245に送るアナログ送信波形への上記信号
の変換。
【0058】 送信モジュール245は、信号を送信周波数にアップコンバートし、信号を増
幅する。増幅された送信信号出力は、送受切換器/時間スイッチ107を介して
アンテナ201に送られる。
【0059】 以下の表記法を使用する。m個のアンテナ素子(好ましい実施形態ではM=4
)があるものとし、z1(t),z2(t),...,zm(t)をそれぞれダウ
ンコンバート後すなわちベースバンドで表したサンプリング後の第1、第2、.
..、第mのアンテナ素子の複素数応答(すなわち同相分Iと直角分Qを有する
)とする。上記の表記法ではtは離散である。これらのm倍サンプリングの量は
、z(t)の第i行をzi(t)として単一のmベクトルz(t)によって表現
することができる。有限数のサンプルを収集し、それによってz1(t),z2
t),...,zm(t)を行ベクトルとして表現できるようにし、z(t)を
行列として表現できるようにする。ただし、このように有限数のサンプルを組み
込むことの詳細はこの考察の範囲外であり、こうした詳細を組み込む方法は当業
者には明白であろう。いくつかの信号が基地局からいくつかの遠隔利用者に送信
されるものと仮定する。具体的には、当該の加入者装置が信号s(t)を送信す
るものと仮定する。空間処理は、送信された信号s(t)の推定値を引き出すた
めに、受信信号z1(t),z2(t),...,zm(t)のI値とQ値の特定
の組合せの取得を含む。当該の重みは、第i要素をwriとする複素数重みベクト
ルwrで表される、この特定の加入者装置の受信重みベクトルによって表現する
ことができる。次いで、信号の推定値を下式に送る。
【数1】 上式で、w’riはwriの複素共役であり、wr Hは受信重みベクトルwrのエルミ
ート転置(すなわち転置と複素共役)である。時空的処理を含む実施形態では、
受信重みベクトルの各要素は時間の関数とし、それによって重みベクトルを、第
i要素をwri(t)とするwr(t)で表すことができるようにする。次いで、
信号の推定値は下式として表現することができる。
【数2】 上式で、演算子「*」はたたみこみ演算である。時空的処理による信号の推定値
の形成は、周波数(フーリエ変換)領域で同等に実施することができる。s(t
)、zi(t)、wri(t)、z(t)、およびwr(t)の周波数領域表現は、
kを離散周波数値としてそれぞれS(k)、Zi(k)、Wi(k)、Z(k)、
およびWr(k)で表す。
【数3】
【0060】 以下の説明では、複素数受信重みベクトルwrまたはその要素について述べる
場合は常に、これを一般化して前述の時空的処理を組み込むことができることを
理解されたい。
【0061】 本発明の範囲内においては、当該の特定の信号に対する複素数重みベクトルw r を決定するいくつかの方法が考えられる。好ましい実施形態では、受信信号が
特定の変調フォーマットを有することの知識を用いて受信信号自体からwrを決
定する。当該の特定の信号に対する複素数重みベクトルwrの推定値を得る方法
、および遠隔端末装置からの他の信号が存在するとき、すなわち同一チャネル間
干渉が存在するときに当該の特定の遠隔端末から送信された信号を復調する方法
についての説明は、前述の1996年10月11日出願の「Method an
d Apparatus for Decision Directed De
modulation Using Antenna Arrays and
Spatial Processing」という名称の米国特許出願第08/7
29390号(以下「本出願人の復調発明書類」)に記述されている。
【0062】 変調された信号Si(t)をいくつかの遠隔利用者に送信するには、zti(t
)=w'tit(t)、i=1,...,m、wtiを複素数の重みとして、信号z t1 (t),zt2(t),...,ztm(t)をそれぞれm個のアンテナに印加す
る。その1組のwtiは、第i要素をwtiとする複素数m次元列ベクトルによって
要約することができ、これをその利用者の送信重みベクトルと呼ぶ。すなわち、
m個のアンテナのm個の信号を、第i要素をzti(t)、i=1,...,mと
して列ベクトルzt(t)で表すと下式となる。
【数4】 上式で、w’tはベクトルwtの複素共役を表す。
【0063】 あるいは、時空的処理を使用して遠隔加入者装置に送信することもできる。そ
のような場合、送信重みベクトルは、時間(たたみこみカーネル)の関数で、z ti (t)=W’ti(t)*st(t)、i=1,...,mである要素を有する
。ベクトル表記では、zt(t)=W’t(t)*st(t)となる。この場合も
やはり、以下の説明では複素数送信重みベクトルwtまたはその要素について述
べる場合は常に、これを一般化して前述の時空的処理を組み込むことができるこ
とを理解されたい。
【0064】 好ましい実施形態のシステムは、送信周波数と受信周波数が同じであることを
知ることができるようにTDDを使用する。周知のレシプロシティ定理を用いて
、特定の利用者の送信重みベクトルをその利用者の受信重みベクトルから決定す
る。当該の受信重みベクトルはその利用者の受信信号から決定する。
【0065】 実際には、計算される実際の重みベクトルは、アンテナ素子で受信される信号
に対するものであるが、受信装置チェーンの末尾で受信された信号に対して使用
され、ことによるとその信号から計算されることになり、したがって基地局のア
レイ・アンテナの各アンテナ素子へのアップリンク伝搬パスに関する情報のみな
らず、各アンテナ素子に関連する各受信装置チェーンによって導かれる振幅誤差
および位相誤差も含んでいないことになる。その結果、これらの信号から決定さ
れた受信重みベクトルは、基地局と電話機間の伝搬パス特性の正確な表現を使用
していない。伝搬特性(利得および位相)を決定するには、受信装置チェーンに
関する較正データが必要である。受信装置で測定されるあるアンテナ素子からの
特定の信号は、その信号が受信装置チェーンによって他のアンテナ素子からの信
号と比較して遅延している場合、相対的に位相を前進させる必要があるはずであ
る。同様に、ダウンリンク方向では、アンテナ素子から送信されるものを決定す
る送信重みを送信信号処理装置で印加すると、各アンテナ素子に関連する各送信
装置チェーンによって導かれる振幅誤差および位相誤差によって誤りが生じるこ
とになる。特定のアンテナ素子に対応する特定の重みベクトル要素は、信号処理
装置で送信された信号が送信装置チェーンによって他のアンテナ素子に送られる
他の信号と比較して遅延している場合、相対的に前進させる必要がある。
【0066】 本発明の一実施形態では、Hを第iアンテナの受信および送信装置チェーンの
スカラ較正係数、i=1,...,mとして、wti=H'iriである。他の実施
形態では、送信および受信装置チェーンの較正の結果、送信処理に時空的処理を
使用する。この場合、周波数領域ではHiを第iアンテナの受信および送信装置
チェーンの較正係数、i=1,...,mとして、Wti(k)=H'i(k)wri である。受信処理も時空的である場合は、周波数領域ではi=1,...,mと
して、Wti(k)=H'i(k)Wri(k)である。
【0067】 好ましい実施形態では、特定の遠隔利用者に対する受信および送信を実施する
ときに、受信重みベクトルから得られた送信重みベクトルの要素に適用される較
正は、位相に関して、その要素に対応する信号の送信チェーンの位相と受信チェ
ーンの位相の差の関数である。
【0068】 次に、較正係数を決定するために基地局で実行される実験について述べる。本
発明の一態様では、実験には図1に示す一般的アーキテクチャの基地局を使用し
、基地局自体を使用するように制約する。当該の基地局はアンテナ素子のアレイ
・アンテナ103を含み、各アンテナ素子はメッセージ信号入力からアンテナ素
子に至るまでの対応する送信装置チェーン、およびアンテナ素子から受信信号処
理装置を含めてそこに至るまでの対応受信装置チェーンするを有する。また、あ
るいは受信信号処理装置でもある送信信号処理装置は、較正テスト信号を生成し
、受信信号から較正データを抽出するために基地局内に含まれる。
【0069】 本発明の好ましい実施形態を実施するハードウェアは、図2に示すとおりであ
ることが好ましい。
【0070】 基本的な較正実験方法は、m個のアンテナ素子のいずれかに関連する送信装置
チェーンを使用して既知の信号を送信しながら、その送信信号を、他の(m−1
)個のアンテナ素子で(m−1)個の関連する各受信装置チェーンを介して受信
することを含む。図3(a)に4個のアンテナ素子を備えるアレイ・アンテナに
関係する伝搬パスを示し、図3(b)に5素子アレイ・アンテナの伝搬パスを示
す。番号付きのノードはアンテナ素子を表し、相互接続された方向を示す矢印は
デュプレックスパスを示し、関連する1組の符号{Gij}は各パスに関連する利
得および位相シフトを示す。デュプレックスパスの番号m(m−1)/2は、ア
レイ内のアンテナ素子の数に伴って二次的に増加する。図3(b)では、符号{
ij}をすべて示していないことに留意されたい。
【0071】 このように、4つのアンテナの場合、それぞれアレイ内のアンテナのいずれか
から4つの送信を行い、送信していない3つの受信装置の各送信ごとに測定を行
う。
【0072】 ベースバンドで表されたその1組の受信信号の各信号は{sij(t)}は、サ
ンプリングされた時間(t)の関数でありその1組の各構成要素は、i,j=1
,...,4として下式で表現することができる。 sij(t)=si(t)*τi(t)*gij(t)*rj(t) 式(1) 上式で、 sij(t)は、アンテナiから送信され、アンテナjで受信される信号をベー
スバンドで表す時系列(すなわち1組のサンプル)であり、 sj(t)は、ベースバンドで表されたアンテナiから送信された時系列の較
正信号であり、 τi(t)は、送信チェーンiのベースバンド伝達関数を表すたたみこみカー
ネルであり、 gij(t)は、アンテナiとアンテナjの間の伝搬パスの伝達関数を表すたた
みこみカーネルであり、 rj(t)は、受信装置チェーンの伝達関数を表すたたみこみカーネルであり
、 *はたたみこみ演算を表す。
【0073】 式(1)は、同等の周波数領域(フーリエ変換)で下式として表現することが
できる。 Sij(k)=Si(k)・Ti(k)*Gij(k)・Rj(k) 上式で、各項は式(1)の対応する項のフーリエ変換であり、独立の離散周波
数変数kの各値ごとの複素周波数領域関数(関連する振幅および位相を有する)
である。したがって、周波数領域および対応する時間領域関数は、以下のように
表現することができる。 Sij(k)⇔sij(t)は、周波数領域受信信号と時間領域受信信号であり、 Si(k)⇔si(t)は、第i送信装置チェーンの周波数領域受信信号と時間
領域受信信号であり、 Ti(k)⇔τi(t)は、第i送信装置チェーン(第i送信装置アンテナ素子
を含めて)の周波数領域伝達関数と時間領域たたみこみカーネルであり、 Gij(k)⇔gij(t)は、第iアンテナ素子から第jアンテナ素子までの伝
搬パスの周波数領域伝達関数と時間領域たたみこみカーネルであり、 Rj(k)⇔rj(t)は、受信装置チェーン(第j送信装置アンテナ素子を含
めて)の周波数領域伝達関数と時間領域たたみこみカーネルである。
【0074】 図2のシステムによる好ましいPHS実施形態ではm=4である。したがって
、1個のアンテナ素子によって既知の信号を送信し、残りの(m−1)=3個の
アンテナ素子で同時に受信する。基地局の受信装置機能と送信装置機能の両方を
同時に使用していること、および送信アンテナ素子と受信アンテナ素子が近接し
ているために伝搬損失が非常に小さい(約30dB)ことに留意することが重要
である。同じ手順を繰り返し、各組ごとに異なるアンテナ素子を使用して残りの
m−1個のアンテナに送信して合計m組の測定を行い、合計m(m−1)の測定
(好ましい実施形態では12回)でm組のm−1個の測定信号を得る。好ましい
実施形態では、伝搬パス損失が小さいため、受信機が飽和状態にならないように
各受信装置に適用する重みを縮小する。
【0075】 m個の送信装置チェーン較正({Ti})、m個の受信装置チェーン較正({
i})および各アンテナと残りのm−1個のアンテナの間のパス数(m(m−
1)/2 Gij)の2倍の伝達関数が不明である。したがって、未知数の合計数
はm(m+1)であり、m=4の場合は20であり、測定によって作成すること
ができる式の数は12個である。決定すべき未知数の数は、以下のように減らす
ことができる。TDDシステムに適用する場合のレシプロシティを仮定すると、
各アンテナと残りのm−1個のアンテナの間のパスはいずれの方向でも同じであ
り、したがって未知数はm(m−1)/2だけ少なくなり、合計m(m+3)/
2個の未知数となり、m=4の場合は14個である。一態様では、主な関心は相
対的な受信および送信較正係数にあり、送信伝達関数のいずれかおよび受信伝達
関数のいずれかは1.0と仮定することができる。好ましい実施形態では、すべ
てのkについてR1(k)=T1(k)=1.0と仮定する。したがって、m=4
の場合、以下の12個の式を解く必要がある。 S12=G12213=G13314=G14421=T22123=T2233 式(2) S24=T224431=T33132=T332234=T334441=T44142=T442243=T3433
【0076】 上記の式は、両辺の対数、例えば関数loge(x)=1nxとして定義され
るeを底とする対数を取ることによって線形化することができる。得られる式は
下式のとおりである。
【数5】 受信装置チェーンと送信装置チェーンに対して別々の較正を得るためには、これ
らの式を解く必要がある。明確な解を得るにはさらに仮定が必要であることが分
かっている。
【0077】 好ましい実施形態では、たとえば周波数領域での受信重みは、較正なしで決定
され、周波数領域送信重みベクトルは、周波数領域受信重みベクトルに(周波数
依存の)較正ベクトルによって決定されるm行m列の対角較正行列を乗じたもの
である。好ましい実施形態では、各送信重みベクトル要素は対応する受信重みベ
クトルに各周波数で、特定の要素に関する受信装置チェーン応答と送信装置チェ
ーン応答の比を乗じたものである。原理的に、これが、送信時の適正な較正を与
えることを調べるために、単一のユーザでの受信時に、信号(i番目の要素ai
の空間符号a)が、アンテナj(正位相)よりも遅くアンテナiに到着する場合
を考える。また、受信装置チェーンのため、アンテナiに到着するその信号が、
アンテナj(正位相)に到着する信号よりも、信号プロセッサに到着するのに長
時間要すると仮定しよう。Giは、遠隔ユーザからi番目アンテナ素子までの空
気経路を示し、それは、ユニット信号が遠隔ユーザから送信されることを想定し
ているとしよう。次いで、aのi番目の要素は、i番目のアンテナ素子Giでの
信号である。信号プロセッサで受信される信号は、Giiである。これは、受信
重みベクトルはGiiに比例するi番目の要素を有することを意味する。好まし
い戦略的方針に従う場合、送信電子装置でG'iR'iに比例する信号を(すなわち
、Giiに比例するi番目の要素を有する重みベクトルを用いて)送信すること
になり、その結果、G'iR’iiに比例するi番目のアンテナ素子での信号を生
じることになる(G'iR'iiに比例するアンテナでのi番目の要素をともなう
重みベクトルで送信することと等価である)。好ましい戦略的方針によると、G
'に比例するi番目のアンテナ素子での信号で(すなわち、Giに比例するアンテ
ナでのi番目の要素をともなう重みベクトルで)送信することが望ましい。これ
を実現するため、i番目の送信信号に対するRi/Tiの較正係数が必要とされ、
R'iは1/Riに比例することに留意されたい。このことは、R’/T’に比例
する送信重みベクトル要素較正係数を適用することと同様である。較正係数をH i =Ri/Tiと定義する。
【0078】 したがって、本発明の一態様では、m=4に対する較正手順において、4組の
測定値からの12個の信号を受信する。(周波数領域)信号比Qijを次式で定義
し、 Qij=Sij/Sji ここで、除算は各要素に対するもので、前述のように、Sijはi番目のアンテナ
から送信され、j番目のアンテナ要素で受信された信号である。次いで、交換関
係(Gij=Gji)を用いて、 Qij=Tij/Rij=Hji となり、ここで上述のように、較正係数Hiは、i番目のチャネルに対する受信
チェーン伝達関数Riと送信チェーン伝達関数Tiの比である。12個の式は6個
の比を与える。相対的較正に関心があるので、Hi≒1.0と定義する。次いで
、他の較正が、特定の位置チャネルに対して、任意には第1チャネルに対して決
定される。解くための十分な数の式を形成する複数の方法が可能である。以下の
式を使用できる。 H1=1.0 H2=Q121=Q12=S12/S213=Q131=Q31=S13/S314=Q141=Q14=S14/S41 式(4) H3=Q2324=Q2424=Q343
【0079】 一実施形態では、式(4)の初めの4つの式によって、使用する較正係数を与
えられ、その結果、基準要素に対する要素(たとえばH1に対するH2)の較正係
数は、基準要素から送信され要素(たとえばS12)で受信された信号と、該要素
から送信され基準要素(たとえばS21)で受信された信号との比となる。
【0080】 アンテナの一実施形態では、次いでこれらの較正係数は、式H3=Q232、H 4 =Q242、およびH4=Q342で無矛盾性についてのチェックを受け、一方法
で獲得された各較正係数に他の方法で決定された同じ係数の複素共役を乗ずるこ
とにより、その位相が位相誤差の測定となる数字が与えられる。代替態様では、
受容できない位相誤差にフラグをつけるために閾値が使用され、次いでフラグは
較正手順を繰り返すために使用される。
【0081】 他の実施形態では、式のすべては、式(4)の線形化を用いた最小二乗的理解
で解かれる。これは、各側の対数をとり、多元式の組を解き、最後に対数空間か
らの結果を再転換することで3つの較正定数を計算することによって、線形化さ
れる。線形化式は、下記のようになる。 InH2=InQ12 InH3=InQ13 InH4=InQ14 InH3=InQ23+InH2 InH4=InQ24+InH2 InH4=InQ34+InH3 これらは、以下の行列形式で表現される。
【数6】 この行列式から以下の解が得られる。 InH2=0.5InQ12+0.25InQ13+0.25InQ14−0.25
InQ23−0.25InQ24 InH3=0.25InQ12+0.5InQ13+0.25InQ14−0.25
InQ23−0.25InQ34 InH4=0.25InQ12+0.25InQ13+0.5InQ14+0.25
InQ24+0.25InQ34 式(5) ついでこれらは、以下の式を用いて、線形項に変換しなければならない。 H2=exp(InH2), H3=exp(InH3),および H4=exp(InH4), 式(6)
【0082】 前記議論では、通信システムの較正のために、伝達関数が使用される。伝達関
数の計算は、当業では知られている。伝達関数は、一般に、独立周波数変数の関
数である。これは、複数の周波数(または広帯域)信号と関数が含まれることを
暗示する。しかし、伝達関数の大きさが相対的に均一であり、信号帯域を通して
ほぼ線形の位相特性を有するならば、すべての伝達関数は、対象の帯域の定数(
好ましい実施形態では300kHz)である。この場合、以下のタイムドメイン
で計算される比が、比Qijに置き換えられる。
【数7】 ここで、すべての対象のサンプル全体の総和がとられ、または、代替実施形態で
は、受信したサンプルのサブセットがとられる。導かれた較正係数Hi,i=1
,...,mもまた、複素数値をもつ(すなわち位相と振幅)スカラーであり、
仮に、対応する受信重みベクトル要素がスカラーである場合、導かれた伝達重み
ベクトル要素もまた、複素数値をもつスカラーである。
【0083】 好ましい実施形態では、図2の装置を使用して、標準SYNCHバースト(S
YNCHバーストに関する詳細は、本発明者の復調に関する発明の文書を参照の
こと)が、4つの連続したタイムスロットの4つのアンテナの1つを介して送信
される。代替実施形態では、伝送のために、伝達タイムスロットを使用すること
ができ、かつ/または、他の知られる信号を使用することができる。非伝送アン
テナに結合される3つの受信装置チェーンのそれぞれからの、複素数値をもつ(
位相および求積法において)受信機信号出力が測定される。図2の好ましい装置
では、タイムスロット317が使用される。
【0084】 本発明の一態様は、アップリング重みと較正係数から得られるダウンリンク重
みを使用する。図4に、較正を使用してダウンリンク重みを決定する流れ図を示
す。ステップ403が、アップリンク重みwrhi=1,...,mを決定してい
る。図2によって記述される基地局の好ましい実施形態では、アップリンク重み
の決定は、本発明者の復調に関する発明の文書に記述の通りである。ステップ4
05は、較正係数Hi(k)=Ri(k)/Tl(k)を決定している。較正係数
を決定するステップ405の好ましい実施形態は、図5の流れ図によって記述さ
れ、非周波数依存較正係数を決定する。ステップ407では、ステップ405か
らの較正係数と、ステップ403からの受信重みは、受信重みベクトル要素に対
応する較正係数の共役複素数を乗じることによって伝達重みを決定するために使
用される。伝達重みベクトル要素の相対的な大きさは、ステップ407で決定さ
れ、全体的な大きさは、パワー・コントロールの一部として決定される。
【0085】 較正係数を決定するステップ405の実施形態を、図5の流れ図の助けを借り
て説明する。ステップ503および505をm個のアンテナ素子のそれぞれに対
して実行する。これを確実に行う多くの方式が可能である。この流れ図では、1
つのそうした方法を使用する。ステップ507が、すべてのアンテナ素子に対し
てステップ503および505が実行されたかを判定する。実行されていない場
合、ステップ503および505を別のアンテナ素子に対して、すべてに行き渡
るまで繰り返す。ステップ503で、バースト、好ましくはSYNCHバースト
を、まだ行き渡ってないアンテナ素子を介して伝送する。伝送ステップ503の
最中に実行されたステップ505で、伝送ステップ503の結果、残りの(m−
1)個のアンテナで受信した信号を得る。好ましくは、同相値および直角位相値
を、特定のアンテナ素子と関連する受信装置チェーンを使用して判定する。図1
の全体のシステムの図2の実施形態を使用するとき、ステップ503の最中に、
送受切換器107を送信アンテナに対して送信モードにし、他のm−1個のアン
テナに対して受信モードにする。送信装置チェーン121を送信のために使用し
、受信装置チェーン113を受信のために使用する。図2の装置を使用している
とき、ホストDSP231およびRF/タイミング・コントローラ133を使用
して、ステップ503および505を制御する。特定の時間スロットに対する時
間スロット・プロセッサ217を使用して、ステップ505の最中に信号を受信
する。
【0086】 ステップ509で、あるアンテナ素子(受信しているとき)によって別のアン
テナ素子(送信しているとき)から受信された信号の、その別のアンテナ素子(
受信しているとき)により、前記あるアンテナ素子(送信しているとき)によっ
て信号送信されたときに、受信された信号に対する比率を判定する。一実施形態
では、この比率は、周波数領域内で判定する。図2の装置を使用するものを含み
、そこでSNCHパルスが送信される別の実施形態では、1セットの時間サンプ
ルを使用し、この時間サンプルは、SYNCHパルスのサンプルのサブセットに
対応して、Qijによって表される複素値スカラーである比率は、下記の式を使用
して判定する。
【数8】 ただし、総和は、サンプルの前記サブセットに対するものである。
【0087】 ステップ509で判定した比率を使用するステップ511で、基準と呼ぶ1つ
のアンテナ素子に関する較正係数を判定する。前述したとおり、一実施形態では
、式(4)での最初の4つの式を使用して較正係数を与え、基準素子に関する較
正係数が、基準素子から送信されてその素子で受信された信号の、その素子から
送信されて基準素子で受信された信号に対する比率であるようにする。また、前
述のとおり、別の実施形態では、式(4)での最初の4つの式を使用して、較正
係数を直接に与え、ステップ519が、さらに、式(4)の最後の3つの式を使
用する整合性検査を伴う。さらに別の実施形態では、式(5)および(6)を使
用して、較正係数を得る。
【0088】 図2の装置を使用する実施形態では、較正係数は、ホストDSP231によっ
て判定され、スカラー比率に基づく。別の実施形態では、周波数領域較正係数を
得る。
【0089】 非TDDシステム、例えば、FDDシステムでは、未較正の送信重みを受信信
号または受信重みから判定する手順を使用した後、本発明の方法の異なる実施形
態を使用して較正を達することが可能である。この方法は、送信周波数および受
信周波数での違いを考慮に入れるためにのみ、変更する必要がある。
【0090】 前述の内容は、本発明の特定の実施形態の完全な説明であるが、これらの実施
形態は、例示を目的とするだけのものであり、様々な変更、代替構成、および等
価態様を使用することが可能である。したがって、前記の説明は、本発明の範囲
を制限するものと受け取るべきではない。本発明の範囲は、本明細書に添付した
請求項およびそれと法律上、等価であるものによって定義されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 そこで、またそのために本発明の実施形態を実施することが可能な、送信と受
信の両方のために、単一のアンテナ・アレイを使用するアンテナ・アレイ・シス
テムを示す図である。
【図2】 そこで本発明の実施形態を実施するPHSベース・ステーションの簡略化した
ブロック図である。
【図3】 4素子アレイで、アンテナ・アレイのアレイ内伝搬パスを示す図(a)と5素
子アレイで、アンテナ・アレイのアレイ内伝搬パスを示す図(b)である。
【図4】 本発明の一態様である、較正済み送信重みを受信重みおよび較正係数から判定
するための方法を示す流れ図である。
【図5】 本発明の較正方法の実施形態を示す流れ図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 バレット,クレイグ・エイチ アメリカ合衆国・94062・カリフォルニア 州・レッドウッド シティ・レイクビュー ウェイ・1060 Fターム(参考) 5J021 AA05 AA06 CA06 DB02 DB03 EA04 FA05 FA20 HA05 JA10 5K059 CC01 CC02 CC03 DD07 DD10 DD16

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のアンテナ素子を備えるアレイ・アンテナ、各アンテナ
    素子に関連する受信装置チェーン、および各アンテナ素子に関連する送信装置チ
    ェーンを含む通信局を較正する方法であって、各受信装置チェーンがそれに関連
    するアンテナ素子を含み、各送信装置チェーンがそれに関連するアンテナ素子を
    含み、各受信装置チェーンの位相および振幅の相対的挙動が前記の各受信装置チ
    ェーンの受信装置チェーン伝達関数によって本質的に表現可能であり、各送信装
    置チェーンの位相および振幅の相対的挙動が前記の各送信装置チェーンの送信装
    置チェーン伝達関数によって本質的に表現可能であり、 (a)第1の送信装置チェーンを使用して、その第1の送信装置チェーンに関
    連した第1のアンテナ素子から第1の所定の信号を送信し、第1のアンテナ素子
    に関連しない少なくとも1つの受信装置チェーンで前記送信信号を受信するステ
    ップと、 (b)較正係数が必要とされるすべてのアンテナ素子から所定の信号が送信さ
    れるまで他の送信装置チェーンを使用して他のアンテナ素子から所定の信号を送
    信するステップ(a)を繰り返すステップと、および (c)前記ステップ(a)および前記ステップ(b)の繰返しで使用した各ア
    ンテナ素子ごとに較正係数を決定するステップとを含み、特定のアンテナ素子の
    較正係数がそれぞれ特定のアンテナ素子を含む送信装置チェーンと受信装置チェ
    ーンの送信装置チェーン伝達関数および受信装置チェーン伝達関数に基づき、前
    記決定が第1の所定の信号、前記の所定の信号、およびステップ(a)と繰り返
    しステップ(b)で受信される各信号を使用する方法。
  2. 【請求項2】 ステップ(a)およびステップ(a)の繰返しステップ(b
    )が受信した信号を記憶することをさらに含み、前記決定ステップ(c)で使用
    される各受信信号がステップ(a)およびステップ(a)の繰返しステップ(b
    )で記憶された信号である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 同じ所定の信号がステップ(a)およびステップ(a)の繰
    り返しステップ(b)で使用される請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記ステップ(c)が送信装置チェーン伝達関数および受信
    装置チェーン伝達関数を決定することを含む請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 通信局が少なくとも1つの加入者装置を含む通信システムの
    一部であり、通信局と加入者装置間のダウンリンク通信およびアップリンク通信
    が同じ周波数チャネルで行われ、前記ステップ(c)で任意のアンテナ素子に対
    して単一の較正係数が決定され、前記の単一の較正係数が位相に関して、前記の
    任意のアンテナ素子をそれぞれ共用する送信装置チェーンおよび受信装置チェー
    ンの送信装置チェーン伝達関数の位相と受信装置チェーン伝達関数の位相の差の
    関数である請求項3に記載の方法。
  6. 【請求項6】 通信局が少なくとも1つの加入者装置を含む通信システムの
    一部であり、通信局と加入者装置間のダウンリンク通信およびアップリンク通信
    が同じ周波数チャネルで行われ、前記ステップ(c)で任意のアンテナ素子に対
    して単一の較正係数が決定され、前記の単一の較正係数が送信装置チェーン伝達
    関数と受信装置チェーン伝達関数の比の関数であり、送信装置チェーンと受信装
    置チェーンが前記の比で前記の任意のアンテナ素子を共用する請求項3に記載の
    方法。
  7. 【請求項7】 決定ステップ(c)が周波数に依存する較正係数を決定する
    請求項3に記載の方法。
  8. 【請求項8】 共通のアンテナ素子を共用するある受信装置チェーンとある
    送信装置チェーンがそれぞれ基準受信装置チェーンと基準送信装置チェーンとし
    て指定され、すべての受信装置チェーン伝達関数と送信装置チェーン伝達関数が
    それぞれ前記基準受信装置伝達関数と前記基準送信装置伝達関数に相関して決定
    される請求項4に記載の方法。
  9. 【請求項9】 あるアンテナ素子が基準アンテナ素子として指定され、基準
    アンテナ素子に関連しないすべての較正係数がそれぞれ基準アンテナ素子に関連
    する較正係数に相関して決定される請求項5に記載の方法。
  10. 【請求項10】 あるアンテナ素子が基準アンテナ素子として指定され、基
    準アンテナ素子に関連しないすべての較正係数がそれぞれ基準アンテナ素子に関
    連する較正係数に相関して決定される請求項6に記載の方法。
  11. 【請求項11】 ステップ(c)が周波数に本質的に依存しない較正係数を
    決定することを含み、基準アンテナ素子でない特定のアンテナ素子の較正係数が
    位相に関して前記基準アンテナに関連する送信装置チェーンから前記の所定の信
    号が送信されたときに前記の特定のアンテナ素子に関連する受信装置チェーンで
    受信される信号と前記の特定のアンテナ素子に関連する送信装置チェーンから前
    記の所定の信号が送信されたときに前記基準アンテナ素子に関連する受信装置チ
    ェーンで受信される信号の位相差の関数である請求項9に記載の方法。
  12. 【請求項12】 ステップ(c)が周波数に本質的に依存しない較正係数を
    決定することを含み、基準アンテナ素子でない特定のアンテナ素子の較正係数が
    前記基準アンテナに関連する送信装置チェーンから前記の所定の信号が送信され
    たときに前記の特定のアンテナ素子に関連する受信装置チェーンで受信される信
    号と前記の特定のアンテナ素子に関連する送信装置チェーンから前記の所定の信
    号が送信されたときに前記基準アンテナ素子に関連する受信装置チェーンで受信
    される信号の比の関数である請求項10に記載の方法。
  13. 【請求項13】 複数のアンテナ素子を備えるアレイ・アンテナ、各アンテ
    ナ素子に関連する受信装置チェーン、および各アンテナ素子に関連する送信装置
    チェーンを含む通信局から加入者装置にダウンリンク信号を送信する方法であっ
    て、各受信装置チェーンはそれに関連するアンテナ素子を含み、各送信装置チェ
    ーンはそれに関連するアンテナ素子を含み、各受信装置チェーンの位相および振
    幅の相対的挙動が前記の各受信装置チェーンの受信装置チェーン伝達関数によっ
    て本質的に表現可能であり、各送信装置チェーンの位相および振幅の相対的挙動
    が前記の各送信装置チェーンの送信装置チェーン伝達関数によって本質的に表現
    可能であり、 (a)1組の較正係数を決定するために通信局で実験を実行するステップであ
    って、各較正係数が特定のアンテナ素子に関連し、前記アンテナ素子に関連する
    受信装置チェーン伝達関数と送信装置チェーン伝達関数からなる前記の1組の少
    なくとも1つに依存するステップと、 (b)各アンテナ素子ごとに1組の重み付き送信信号を形成するために1組の
    送信重みに従ってダウンリンク信号に重みを付けるステップであって、前記の特
    定のアンテナ素子の送信重みが加入者装置とのアップリンク通信の間に前記アン
    テナ素子で受信される信号および前記の特定のアンテナ素子に関連する較正係数
    から決定されるステップと、 (c)前記重み付き送信信号を前記送信装置チェーンを介して送信するステッ
    プと を含む方法。
  14. 【請求項14】 通信局が受信ベースバンド信号を処理することによって加
    入者装置とアップリンクで通信することができ、各受信ベースバンド信号がアン
    テナ素子のいずれかの対応する信号から決定され、処理が前記受信ベースバンド
    信号から決定される1組の受信重みに従って受信ベースバンド信号に重みを付け
    るステップとを含み、各受信重みがアンテナ素子のいずれかに対応し、前記の特
    定のアンテナ素子の送信重みが前記の特定のアンテナ素子に対応する受信重みお
    よび前記の特定のアンテナ素子に関連する較正係数から決定される請求項13に
    記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記通信局と前記加入者装置間のダウンリンク通信および
    アップリンク通信が同じ周波数チャネルで行われ、ステップ(b)で使用される
    較正係数が位相に関して対応するアンテナ素子の送信装置チェーン伝達関数の位
    相と受信装置チェーン伝達関数の位相の差の関数であり、各送信重みが対応する
    受信重みおよび対応する較正係数に比例する請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記通信局と前記加入者装置間のダウンリンク通信および
    アップリンク通信が同じ周波数チャネルで行われ、ステップ(b)で使用される
    較正係数が対応するアンテナ素子の受信装置チェーン伝達関数と送信装置チェー
    ン伝達関数の比の関数であり、各送信重みが対応する受信重みおよび対応する較
    正係数に比例する請求項14に記載の方法。
  17. 【請求項17】 決定ステップ(a)が周波数に依存する較正係数を決定す
    る請求項15に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記ステップ(a)が (i)第1の送信装置チェーンから所定の信号を送信するとともに、前記の第
    1の送信装置チェーンと同じアンテナ素子に関連しない少なくとも1つの受信装
    置チェーンで前記送信信号を受信するステップと、 (ii)すべての装置チェーンを使用して送信されるまで他の送信装置チェー
    ンを使用してステップ(i)を繰り返すステップと、および (iii)ステップ(i)で受信される各信号およびステップ(i)の送信に
    使用される前記の所定の信号から較正係数を決定するステップとを含む請求項1
    5に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記ステップ(a)が (iv)ステップ(i)で受信される信号を記憶するステップをさらに含み、 前記決定ステップ(iii)がステップ(iv)およびステップ(a)(ii
    )の繰返しで記憶された信号から較正係数を決定する請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 繰返しステップ(a)(ii)の繰返しで同じ所定の信号
    が使用される請求項18に記載の方法。
  21. 【請求項21】 繰返しステップ(a)(ii)の繰返しで同じ所定の信号
    が使用される請求項19に記載の方法。
  22. 【請求項22】 あるアンテナ素子が基準アンテナ素子として指定され、基
    準アンテナ素子に関連しないすべての較正係数がそれぞれ基準アンテナ素子に関
    連する較正係数に相関して決定される請求項20に記載の方法。
  23. 【請求項23】 (a)複数のアンテナ素子を備えるアレイ・アンテナ、お
    よび (b)各アンテナ素子に関連する受信装置チェーンを含み、各受信装置チェー
    ンがそれに関連するアンテナ素子を含み、各受信装置チェーンの位相および振幅
    の相対的挙動が前記の各受信装置チェーンの受信装置チェーン伝達関数によって
    本質的に表現可能であり、 (c)各アンテナ素子に関連する送信装置チェーンをさらに含み、各送信装置
    チェーンがそれに関連するアンテナ素子を含み、各送信装置チェーンの位相およ
    び振幅の相対的挙動が前記の各送信装置チェーンの送信装置チェーン伝達関数に
    よって本質的に表現可能であり、 (d)関連する送信装置チェーンを使用して各アンテナ素子から所定の信号を
    送信するとともに前記送信アンテナ素子に関連しない少なくとも1つの受信装置
    チェーンで前記送信信号を受信するように構成された送信手段、 (e)所定の信号の送信の間に受信される信号を記憶するための受信装置チェ
    ーンに結合されたメモリ、 (f)メモリに結合され、各アンテナ素子の較正係数を決定するように構成さ
    れた信号処理装置をさらに含み、特定のアンテナ素子の較正係数がそれぞれ特定
    のアンテナ素子を含む送信装置チェーンと受信装置チェーンの送信装置チェーン
    伝達関数および受信装置チェーン伝達関数に基づき、前記決定が前記の所定の信
    号およびメモリ内に記憶された各信号を使用する通信局。
  24. 【請求項24】 前記ステップ(c)が送信装置チェーン伝達関数および受
    信装置チェーン伝達関数を決定することを含む請求項23に記載の通信局。
  25. 【請求項25】 前記通信局が少なくとも1つの加入者装置を含む通信シス
    テムの一部であり、通信局と加入者装置間のダウンリンク通信およびアップリン
    ク通信が同じ周波数チャネルで行われ、前記信号処理装置が任意のアンテナ素子
    に対して単一の較正係数を決定し、前記の単一の較正係数が位相に関して前記の
    任意のアンテナ素子をそれぞれ共用する送信装置チェーンおよび受信装置チェー
    ンの送信装置チェーン伝達関数の位相と受信装置チェーン伝達関数の位相の差の
    関数である請求項23に記載の通信局。
  26. 【請求項26】 前記通信局が少なくとも1つの加入者装置を含む通信シス
    テムの一部であり、通信局と加入者装置間のダウンリンク通信およびアップリン
    ク通信が同じ周波数チャネルで行われ、信号処理装置が任意のアンテナ素子に対
    して単一の較正係数を決定し、前記の単一の較正係数が送信装置チェーン伝達関
    数と受信装置チェーン伝達関数の比の関数であり、送信装置チェーンと受信装置
    チェーンが前記の比で前記の任意のアンテナ素子を共用する請求項23に記載の
    通信局。
  27. 【請求項27】 信号処理装置が周波数に依存する較正係数を決定する請求
    項23に記載の通信局。
  28. 【請求項28】 共通のアンテナ素子を共用するある受信装置チェーンとあ
    る送信装置チェーンがそれぞれ基準受信装置チェーンと基準送信装置チェーンと
    して指定され、すべての受信装置チェーン伝達関数と送信装置チェーン伝達関数
    がそれぞれ前記基準受信装置伝達関数と前記基準送信装置伝達関数に相関して決
    定される請求項27に記載の通信局。
  29. 【請求項29】 あるアンテナ素子が基準アンテナ素子として指定され、基
    準アンテナ素子に関連しないすべての較正係数がそれぞれ基準アンテナ素子に関
    連する較正係数に相関して決定される請求項25に記載の通信局。
  30. 【請求項30】 あるアンテナ素子が基準アンテナ素子として指定され、基
    準アンテナ素子に関連しないすべての較正係数がそれぞれ基準アンテナ素子に関
    連する較正係数に相関して決定される請求項26に記載の通信局。
  31. 【請求項31】 前記信号処理装置が周波数に本質的に依存しない較正係数
    を決定し、基準アンテナ素子でない特定のアンテナ素子の較正係数が位相に関し
    て前記基準アンテナに関連する送信装置チェーンから前記の所定の信号が送信さ
    れたときに前記の特定のアンテナ素子に関連する受信装置チェーンで受信される
    信号と前記の特定のアンテナ素子に関連する送信装置チェーンから前記の所定の
    信号が送信されたときに前記基準アンテナ素子に関連する受信装置チェーンで受
    信される信号の位相差の関数である請求項29に記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記信号処理装置が周波数に本質的に依存しない較正係数
    を決定し、基準アンテナ素子でない特定のアンテナ素子の較正係数が前記基準ア
    ンテナに関連する送信装置チェーンから前記の所定の信号が送信されたときに前
    記の特定のアンテナ素子に関連する受信装置チェーンで受信される信号と前記の
    特定のアンテナ素子に関連する送信装置チェーンから前記の所定の信号が送信さ
    れたときに前記基準アンテナ素子に関連する受信装置チェーンで受信される信号
    の比の関数である請求項29に記載の方法。
JP2000584614A 1998-11-24 1998-11-24 アレイ・アンテナを有する無線通信局を較正する方法および装置 Expired - Fee Related JP4557429B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/US1998/025364 WO2000031892A1 (en) 1997-10-10 1998-11-24 Method and apparatus for calibrating a wireless communications station having an antenna array

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2002530998A true JP2002530998A (ja) 2002-09-17
JP2002530998A5 JP2002530998A5 (ja) 2006-01-26
JP4557429B2 JP4557429B2 (ja) 2010-10-06

Family

ID=22268389

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000584614A Expired - Fee Related JP4557429B2 (ja) 1998-11-24 1998-11-24 アレイ・アンテナを有する無線通信局を較正する方法および装置

Country Status (2)

Country Link
EP (1) EP1133836B1 (ja)
JP (1) JP4557429B2 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004325440A (ja) * 2003-04-25 2004-11-18 Microsoft Corp 無線信号強度を使用する装置位置測定システムのキャリブレーション
WO2005112285A1 (ja) * 2004-05-14 2005-11-24 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha 無線通信装置
WO2007125957A1 (ja) * 2006-04-25 2007-11-08 Kyocera Corporation 通信装置及び送信キャリブレーションウエイト算出方法
JP2009527132A (ja) * 2005-11-02 2009-07-23 クゥアルコム・インコーポレイテッド 多入力多出力無線通信システムのためのアンテナアレイ較正
US7623488B2 (en) 2000-08-25 2009-11-24 Kyocera Corporation Radio base station and program for radio base station
JP2010041269A (ja) * 2008-08-04 2010-02-18 Mitsubishi Electric Corp 無線通信装置、無線通信システムおよびキャリブレーション方法
US7991067B2 (en) 2004-04-02 2011-08-02 Qualcomm, Incorporated Calibration of transmit and receive chains in a MIMO communication system
US8280430B2 (en) 2005-11-02 2012-10-02 Qualcomm Incorporated Antenna array calibration for multi-input multi-output wireless communication systems
US8498669B2 (en) 2005-06-16 2013-07-30 Qualcomm Incorporated Antenna array calibration for wireless communication systems
US8879434B2 (en) 2012-03-23 2014-11-04 Kabushiki Kaisha Toshiba Wireless communication apparatus and method
US9118111B2 (en) 2005-11-02 2015-08-25 Qualcomm Incorporated Antenna array calibration for wireless communication systems
US9300382B2 (en) 2009-12-16 2016-03-29 Kabushiki Kaisha Toshiba Wireless signal processor and wireless apparatus

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10735059B2 (en) * 2018-02-13 2020-08-04 Qualcomm Incorporated Dynamic beamforming using a co-phasing factor
US20240072911A1 (en) * 2020-12-22 2024-02-29 Telefonaktiebolaget Lm Ericsson (Publ) Calibration of transmit antenna chains and receive antenna chains of an antenna system
CN116418376A (zh) * 2021-12-29 2023-07-11 中兴通讯股份有限公司 天线解耦方法、电子设备和计算机可读存储介质

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1068751A (ja) * 1996-05-02 1998-03-10 He Holdings Inc Dba Hughes Electron 非均一素子の相互結合および任意の格子方向によるアレイアンテナの自己フェイズドアップ
JPH1082811A (ja) * 1996-05-02 1998-03-31 He Holdings Inc Dba Hughes Electron 能動アレイの自己較正方法
JPH10224138A (ja) * 1997-02-04 1998-08-21 Mitsubishi Electric Corp アダプティブアレーアンテナの指向性制御回路

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5515378A (en) * 1991-12-12 1996-05-07 Arraycomm, Inc. Spatial division multiple access wireless communication systems
US5546090A (en) * 1991-12-12 1996-08-13 Arraycomm, Inc. Method and apparatus for calibrating antenna arrays

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1068751A (ja) * 1996-05-02 1998-03-10 He Holdings Inc Dba Hughes Electron 非均一素子の相互結合および任意の格子方向によるアレイアンテナの自己フェイズドアップ
JPH1082811A (ja) * 1996-05-02 1998-03-31 He Holdings Inc Dba Hughes Electron 能動アレイの自己較正方法
JPH10224138A (ja) * 1997-02-04 1998-08-21 Mitsubishi Electric Corp アダプティブアレーアンテナの指向性制御回路

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7623488B2 (en) 2000-08-25 2009-11-24 Kyocera Corporation Radio base station and program for radio base station
JP2004325440A (ja) * 2003-04-25 2004-11-18 Microsoft Corp 無線信号強度を使用する装置位置測定システムのキャリブレーション
US7991067B2 (en) 2004-04-02 2011-08-02 Qualcomm, Incorporated Calibration of transmit and receive chains in a MIMO communication system
US7873318B2 (en) 2004-05-14 2011-01-18 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Radio-frequency communication device
WO2005112285A1 (ja) * 2004-05-14 2005-11-24 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha 無線通信装置
US8498669B2 (en) 2005-06-16 2013-07-30 Qualcomm Incorporated Antenna array calibration for wireless communication systems
JP2009527132A (ja) * 2005-11-02 2009-07-23 クゥアルコム・インコーポレイテッド 多入力多出力無線通信システムのためのアンテナアレイ較正
US8280430B2 (en) 2005-11-02 2012-10-02 Qualcomm Incorporated Antenna array calibration for multi-input multi-output wireless communication systems
US9118111B2 (en) 2005-11-02 2015-08-25 Qualcomm Incorporated Antenna array calibration for wireless communication systems
US8358720B2 (en) 2006-04-25 2013-01-22 Kyocera Corporation Communication device and transmission calibration weight calculation method
WO2007125957A1 (ja) * 2006-04-25 2007-11-08 Kyocera Corporation 通信装置及び送信キャリブレーションウエイト算出方法
JP2010041269A (ja) * 2008-08-04 2010-02-18 Mitsubishi Electric Corp 無線通信装置、無線通信システムおよびキャリブレーション方法
US9300382B2 (en) 2009-12-16 2016-03-29 Kabushiki Kaisha Toshiba Wireless signal processor and wireless apparatus
US8879434B2 (en) 2012-03-23 2014-11-04 Kabushiki Kaisha Toshiba Wireless communication apparatus and method

Also Published As

Publication number Publication date
EP1133836A1 (en) 2001-09-19
JP4557429B2 (ja) 2010-10-06
EP1133836B1 (en) 2013-11-13
EP1133836A4 (en) 2005-09-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6037898A (en) Method and apparatus for calibrating radio frequency base stations using antenna arrays
EP1376891B1 (en) Method and apparatus for determining spatial signatures for calibrating a communication station having an antenna array
CN100490349C (zh) 使用窄带信道的宽带无线电系统的频率相关校准
US6738020B1 (en) Estimation of downlink transmission parameters in a radio communications system with an adaptive antenna array
EP1433271B1 (en) Calibration of a radio communications system
US8320851B2 (en) Wireless communication device, wireless communication method, and computer program
JP4557429B2 (ja) アレイ・アンテナを有する無線通信局を較正する方法および装置
CN101351972A (zh) 用于多输入多输出无线通信系统的天线阵校准
US6940453B2 (en) Apparatus and method for calibrating reception signal in mobile communication system
WO2007056672A2 (en) Antenna array calibration for wireless communication systems
WO2003084105A2 (en) Estimating power on spatial channels
EP1271802A1 (en) A system and a method for calibrating radio frequency transceiver systems including antenna arrays
AU2002362567A1 (en) Calibration of a radio communications system
AU2002362566A1 (en) Frequency dependent calibration of a wideband radio system using narrowband channels

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051124

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051124

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20070328

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070328

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080725

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080729

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20081029

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20081106

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20081201

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20081208

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20090105

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20090113

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090129

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20090409

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091104

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100204

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100212

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100304

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100622

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100720

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130730

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees