JP2001053674A - 無線通信システム用無線装置およびその動作方法 - Google Patents

無線通信システム用無線装置およびその動作方法

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JP2001053674A JP2000190128A JP2000190128A JP2001053674A JP 2001053674 A JP2001053674 A JP 2001053674A JP 2000190128 A JP2000190128 A JP 2000190128A JP 2000190128 A JP2000190128 A JP 2000190128A JP 2001053674 A JP2001053674 A JP 2001053674A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルラー無線網およびそのための移動局のよ
うな無線装置の送受信性能が向上する。 【解決手段】 無線通信システム用の無線装置が開示さ
れている。この無線装置は、上記無線装置の不動作期間
を判定する手段、および上記不動作期間中に受信される
信号の信号品質を判定する手段から構成されている。特
に、無線装置の送受信性能を改善するために、信号品質
の判定結果によって、無線装置の指向性ビームアンテナ
を特定の方向に操舵する構成を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無線装置および無
線通信システムならびにその動作方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】無線通信システムはよく知られている。
例えば、セルラー無線電話システムは、今や、多くの遠
隔通信網の一部として確立されており、多数の利用者に
対する移動体通信の手段を提供している。
【0003】代表的なセルラー無線電話システムは、図
1に示されるような構成となっている。セルラー無線電
話システム100は、3つの主要な部分からなってい
る。移動局(MS)102(この用語は、車載のセルラ
ー電話、携帯セルラー電話、および、一般的に無線通信
網への加入者によって用いられている無線装置を指すも
のである)、基地局(BS)104、および移動交換局
(MSC)106である。移動局102は、無線セル1
08内で、基地局104と通信を行う。基地局104
は、移動交換局106と通信を行い、加入電話回線(P
STN)、基地局104、他の基地局112および他の
移動交換局114との間で呼びを経路制御する。このよ
うに、移動局102は、システム中の移動局あるいはP
STN利用者との間での通信が可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、セルラー電
話システムのような無線通信システムは、国内のあるい
は国際的な公認機関によってそれに割り当てられた無線
周波数スペクトルの領域を持っている。割り当てられた
無線周波数スペクトルは、特定の1つあるいは複数の周
波数領域に限定されているため、セルラー無線システム
の運用者は、基地局104のサービス地域を限定するこ
とにより、無線スペクトルの利用を最大化しようとす
る。基地局104のサービス地域は、通常、セル108
によって定義される。セル108は、通常、クラスタ2
00状に配置され、割り当てられた無線スペクトルは、
クラスタ内の個々のセルの間に配分される。クラスタ2
00のパターンは、セルラー無線システム100のサー
ビス地域全体で、繰り返される。7つのセルからなるク
ラスタ200の概略を図2に示す。しかし、セル108
は、正8角形の形状で示されてはいるが、代表的な地理
的環境では無線電波は不均一に伝播するため、実際には
これらの形状は不均一であり、たいていは互いに重なり
合うものとなっている。
【0005】セルラーシステムのユーザ収容能力を向上
させるためには、セルラーシステム全体を通して、周波
数の再利用を可能とすることが重要となる。しかし、周
波数の再利用は、同一の周波数を用いる異なるセル間で
の干渉、いわゆる同一チャンネル干渉を防ぐためには制
限を受けるものとなる。
【0006】同一チャンネル干渉を減少させシステム能
力を向上するために、様々な方法が用いられてきた。例
えば、基地局104は、移動局102と基地局104と
の間の所定の通信品質を確保するために必要な最低レベ
ル以上に送信出力を保つために、移動局102の送信出
力を動的に制御する出力適応制御信号を送信できるよう
にするものがある。さらに、利用可能な無線周波数スペ
クトルの再利用をより高めるために、セル全体の大きさ
を小さくして、各基地局104と移動局102によって
送信される信号の出力レベルをセルの大きさに応じて減
少させるものもある。しかし、送信出力を低下させるこ
とは、受信品質の低下につながり、より高い送信出力を
用いる場合に比べ、初回に正確に伝送できなかったデー
タをくり返して再送する必要が多々生じるため、以っ
て、データ通信帯域の低下を引き起こすものとなる。さ
らに、セルの大きさがより小さくなると、車載のセルラ
ー電話のような移動無線装置でのハンドオフ(セル間を
通過する際の親局の切り替え)が頻繁に必要となる。こ
のようなセル間のハンドオフが頻繁に発生すると、セル
ラー無線システムでは、許容しがたい処理オーバーヘッ
ドをもたらす結果となる。
【0007】上記のような問題への解決方法が、199
4年4月12日発行の米国特許第5,303,240号
公報に開示されている。本発明では、移動局ならびに基
地局に、操舵可能なビームアンテナを装着することが開
示されている。無線網システムは、時分割多重接続(T
DMA)モードで動作し、移動局102のための訓練用
スロットに“訓練用”信号を送信する。移動局は、操舵
可能ビームを走査し、各ビーム方向での受信信号品質を
測定することにより、受信電波をスキャンする。最良の
方向(すなわち、最高の信号品質を生み出す方向)が決
定されると、通常の通信が行われる。ビームの方向は最
適であるため、通信に必要な電波出力は最小となり、以
って、周波数の再利用性が向上する。後になって、初め
に決定したビーム方向が正確でなくなったり最適でなく
なったりした場合には、他の方向が選択される。しか
し、利用可能な時間スロットやその一部は、訓練信号を
送受信するために用いられるため、システム全体の収容
能力は減少する。さらに、移動局102は、基地局10
4に対する指向性を頻繁に変化させることが多くなり、
これにより、最適な方向が変化し、受信信号出力が許容
レベルを下回ってしまう恐れもある。既知の方法では、
移動局102は、最適なビーム方向を再設定するため
に、ビーム方向を走査するものである。しかし、このよ
うなビーム方向の走査には、かなりの量の出力と時間を
要するものとなるため、移動局102が指向性を頻繁に
変化させながら、セル108の境界付近に位置する場合
には、許容しがたい処理オーバーヘッドとなる。基地局
104が操舵可能なビームアンテナを装備するシステム
では、移動局102がセルの境界付近に位置する際に、
さらに別の問題が発生する。移動局102の位置が変化
するならば、基地局104は移動局との間の通信を失
い、新たな呼びセットアップを初期化しなければならな
い。しかし、基地局104は、先ず初めに、移動局10
2との通信を再度確立するために、全方向ビームモード
に移行しなければならない。特に、全方向利得は、移動
局102がセル境界付近にあっても、移動局102との
間の通信チャンネルを確立するために十分なものである
必要がある。
【0008】もし、全方向利得が不十分であるならば、
通信は遮断される。一方、送信出力を上げることによ
り、通信が遮断される機会を減らすことはできるが、電
力消費が増えてしまうので、これにより、移動局102
の通話時間や待ち受け時間を減少させてしまう。別の問
題は、現存あるいは既存の基地局が、訓練信号を送受信
できるようにするために、これらの再プログラミングや
新たなトランシーバ設計が必要となったり、これらに操
舵可能アンテナを追加する必要が生じることである。米
国特許第5,304,240号公報に開示されたシステ
ムと装置は、指向性を変化させる移動局の問題について
は言及していない。本発明は、例えば、セルラー無線網
およびそのための移動局のような、しかしこれに限定さ
れることのない無線装置および無線通信網の性能を向上
させることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の特定の好適な観
点は、添付の独立および従属クレームにて詳説する。従
属クレームから得られる特徴の組み合わせは、添付のク
レームに単に明示されたものではなく、独立クレームの
特徴と組み合わせることが可能である。本発明の第1の
観点においては、無線通信システムのための無線装置が
提供される。本無線装置は、前記無線装置の不動作期間
を判定する手段と、前記不動作期間中に受信される信号
の信号品質を判定するための手段から構成されている。
本発明の第2の観点においては、無線装置を動作する方
法が提供される。本方法は、前記無線装置の不動作期間
を判定するステップと、前記不動作期間中に受信される
信号の信号品質を判定するステップとから構成されてい
る。本発明の第1およ第2の観点に関連し好適な実施例
の利点は、信号品質の決定は、不動作期間中に行われる
ため、有効な送信および受信帯域を占有することがない
ことである。従って、通信帯域やデータスループットを
犠牲にすることがない。
【0010】好ましくは、無線装置は、指向性ビームア
ンテナと、不動作中に受信された信号の信号品質に応じ
最適なビーム方向を決定してビームアンテナをその方向
に操舵するための操舵手段を有している。アンテナビー
ムの操舵は不動作期間中に行われるため、デバイスや装
置にとって有効な通信帯域やデータスループットを犠牲
にすることがないという更なる利点がある。好適な実施
例では、不動作期間中に受信された信号は、ブロードキ
ャスト信号を含んでいる。通常は、セルラー無線通信シ
ステムで動作可能な装置については、ブロードキャスト
信号は、無線装置が主たる通信を行う相手となる基地局
からの信号から構成されている。このようなブロードキ
ャスト信号は、ブロードキャスト制御チャンネル信号、
すなわち、GSM無線電話システムのBCCH信号であ
ってよい。GSMシステムとともに動作する本発明の実
施例は、BCCH信号が一定の出力レベルで連続して送
信されるため、特に有利である。従って、この信号は、
特定のアンテナビーム方向での信号品質を決定し、最適
な方向を決定する上で特に好適な信号である。実際に
は、この信号は、必ずしも連続して送信される信号であ
る必要はなく、もし、無線装置がブロードキャスト信号
が送信されつづける期間とその送信レベルとを決定する
ことができるならば、 一定の送信出力レベルを保つも
のであればよい。好ましくは、ブロードキャスト信号
は、無線装置が主に通信相手とする基地局が含まれるセ
ルの隣接セルの1つ以上の基地局からのブロードキャス
ト信号のいずれか1つから構成されている。従って、隣
接セルとの通信のための最適な信号方向を決定すること
ができる。この情報は保存され、後で、隣接セルの1つ
への移譲が発生した際に用いることができる。
【0011】不動作期間とは、通常、冗長データの送信
あるいは受信が特定され、これが行われている期間であ
る。このような冗長データは、音声あるいは会話通信で
の無音識別情報の伝送中の非動作セグメントであり、例
えば、不動作期間は、データ伝送中のデータ終了信号に
続くものであってよい。好ましくは、無線装置は、無線
電話または同類のもののような無線通信装置であった
り、基地局内に含まれるものであってよい。本発明の特
に有利な実施例では、音声非動作期間は、その期間中
は、信号品質が測定されるように決定され、音声非動作
期間中は、アンテナビームが最適なビーム方向に向けら
れる。オプションとして、あるいは付加的に、例えば、
パケットデータに用いられるデータ終了フッターのよう
なデータ終了を表す信号が特定され、アンテナビームが
方向付けされ、データ終了信号に続く期間に信号品質が
測定される。これは、信号品質の追跡と監視を行うため
に、無線装置の非動作期間を有利に活用するものであ
る。非動作期間中に最適なビーム方向を特定したり、設
定し追跡するための他のタイミングとしては、大量のコ
ンピュータデータファイル(例えば、テキスト、画像、
音声あるいはビデオ連続ストリーム)を、例えばインタ
ーネットを通して送信あるいは受信中の中断期間があ
る。送受信中のバースト誤りまたはラーレイフェージン
グにより、許容できない誤りレベルが発生した場合に
は、データあるいはその一部は、再送する必要がある。
このような状況では、受信中の情報は、実質的に、利用
できないものであったり冗長なものとなり、従って、ア
ンテナビーム方向の再校正や再設定、追跡が行われ、シ
ステムの性能の実質的な向上となって現れる。非動作期
間中に最適なビーム方向を設定し追跡するためのさらに
他のタイミングとしては、例えば、良好なBER/音声
品質を与えるような、比較的良好な信号強度が受信機で
受信される時がある。このような状況では、音声符号化
あるいはDSP中の誤り訂正処理により処理された劣化
したり喪失したデータを用いて、アンテナビームの再位
置合わせが行われる。このように、アンテナビーム方向
が最適である限り、データは復帰させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の特定の実施例について、
以下、例証により、また図を参照して説明する。ここ
で、特記のない限り、同一の参照符号は同一の部分を表
すものとする。
【0013】本発明はセルラー無線システムおよびその
ための移動局に対する特定の用途に向けられているが、
本発明は、例えば、公衆移動無線(PMR)などの他の
無線通信システムおよび装置に対しても適用でき、無線
通信システムおよび無線電話システムの用語は、そのよ
うな他のシステムを含む。セルラー無線電話システムの
基本技術については、図1および図2を参照してこれま
でに説明した。
【0014】さて、図3を参照する。図3には、セルラ
ー無線システム100用の携帯用電話送受話器50が概
略的に示されている。送受話器50は、例えば液晶表示
装置などの表示装置54、および数字0から9と、代表
的には幾つかの特別な機能ボタンから構成されているキ
ーパッド56を含んでいるユーザインタフェース52を
収容するハウジング64から構成される。さらに、ユー
ザインタフェースは、それぞれ送受話器のスピーカおよ
びマイクロフォン用に配置された音響ポート66および
68を備えている。ハウジング64は、また、そのハウ
ジング64内に格納されたトランシーバ(図示せず)に
結合された、送受話器50用のアンテナ58を支持して
いる。送受話器50の方向変化を検知するための方向セ
ンサ70も、そのハウジング64内に格納されている。
【0015】代表的にはハウジング64内に格納され、
図3の無線電話送受話器50と共に使用するのに適し
た、周波数変調(FM)トランシーバおよびベースバン
ド回路網について、図4を参照して説明する。図4のト
ランシーバ/ベースバンド回路網400は、アンテナス
イッチ404に結合されたアンテナ58を備えている。
アンテナスイッチ404は、トランシーバの送受信チェ
ーンを切り替えるための電子スイッチング手段、または
トランシーバの適当な受送信チェーンに対して異なる受
送信周波数をろ過するように動作可能な(P10L3)
ダイプレクサすなわち送受切替器、から構成できる。ト
ランシーバ/ベースバンド回路網400は、マイクロプ
ロセッサ、デジタル信号プロセッサまたは離散的論理回
路網などの他の制御回路網で構成される処理回路網40
6によって制御される。さらに、その処理回路網406
の構成要素は、離散的集積回路から構成されるか、また
は、単一の集積回路に、またはマルチチップモジュール
(MCM)の一部分として一体化される。
【0016】送信チェーンは、マイクロフォン408で
始まると考えられ、その出力は音声前置増幅器410に
結合されている。前置増幅器410の出力は、音声増幅
器412および音声動作検出器414に結合されてい
る。音声増幅器412からの出力は、プロセッサ406
の変調および符号化回路網に結合されている。音声動作
検出器414の出力は、音声信号がマイクロフォン40
8への入力にあるかどうかを決定する、処理回路網40
6の制御回路網に結合されている。
【0017】処理回路網406は、どのチャンネルにお
いて信号が送受信されるかを判定するための、周波数合
成器416に、周波数制御信号を出力する。さらに、言
語を表わしている適切に変調および符号化された信号
は、アンテナを介して送信するためさらに変調およびア
ップ変換を行うための処理装置406から出力される。
チャンネル周波数は、代表的には、基地局104から受
信された制御信号によって判定される。割当てられた無
線周波数スペクトルは、代表的には、(最も言語への応
用に適している)約25KHzの帯域幅を有する複数の
無線周波数チャンネルに分割される。度々、(移動局か
ら基地局への)アップリンクチャンネルは、(基地局か
ら移動局への)ダウンリンクチャンネルの周波数帯域と
は別の周波数帯域に置かれる。周波数合成器416の出
力は、電圧制御発振器418に結合されている。その合
成器416の出力は、周波数逓倍器を介して電圧制御発
振器418に結合されている。場合によって、電圧制御
発振器418の出力は、アップコンバータによって逓倍
される。送信チェーンにおいて、電圧制御発振器418
の出力(またはその逓倍出力)は、RF電力増幅器42
0に結合されている。さらに、RF電力増幅器420
は、制御回路網422からの制御信号を受信する。制御
回路網422は、例えば、適応電力制御を使用している
セルラーシステムにおいて必要な、所望の出力電力に従
ってRF電力増幅器420の出力を制御するよう動作す
る。さらに、制御回路網422は、アンテナ58に渡さ
れるRF電力増幅器の出力電力を実質的に一定に維持す
るよう動作する、出力制御レベリングループの一部を形
成する。所望のレベルを維持することは、RF電力増幅
器420の出力を監視し、その出力を所望の信号出力レ
ベルと比較し、回路網422の制御下で電力増幅器のバ
イアスを調整することによって達成される。その後、R
F信号は、アンテナスイッチ404を介して切り換えら
れ、アンテナ58を介して送信される。
【0018】受信チェーンについて説明する。RF信号
がアンテナ58によって受信され、アンテナスイッチ4
04によって低ノイズ増幅器/フィルタユニット424
に結合される。その低ノイズ増幅器/フィルタユニット
424の出力は、第1の混合器426に結合される。混
合器426は、また、周波数合成器416の制御下で、
電圧制御発振器418からの信号を受信し、中間周波数
をIFフィルタ428に出力する。中間周波数フィルタ
428は、不所望の隣接するチャンネルからの干渉を抑
制し、電圧制御発振器418からの局部発振器信号によ
って導かれる如何なる位相ノイズの影響も低減するため
に、付加周波数選択度を与える。中間周波数フィルタ4
28は、そのフィルタに入力される第2の局部発振器2
40を有する、第2の混合器430に接続されている。
そのフィルタは、合成器416からの第2の発振器信号
の制御下で、中間周波数信号をベースバンドに、すなわ
ち処理回路網406に適切な周波数にダウンコンバート
する。第2の混合器430からの信号は、さらに復調お
よび復号化のため処理回路網406に入力される。
【0019】代表的には、集積回路内に構成される音声
フィルタ432は、プロセッサ406から復調され、復
号化された音声信号を受信する。その音声フィルタ43
2は、スピーカ436を駆動する音声電力増幅器436
に接続されている。
【0020】本発明の第1の観点にかかる好適な実施例
について、図5を参照して説明する。無線装置ハウジン
グ64は、それぞれ受送信チェーン502および504
の無線周波数フロントエンドに接続されたアンテナスイ
ッチ404を含む。無線周波数フロントエンド502
は、図4を参照して極めて詳細に説明された電圧制御発
振器418および周波数合成器416からの適切な入力
と共に、低ノイズ増幅器およびフィルタ424、第1混
合器446、中間周波数フィルタ428および第2混合
器430から構成されている。同様に、送信チェーン5
04の無線周波数フロントエンドは、図4を参照して極
めて詳細に説明された電圧制御発振器418および周波
数合成器416からの適切な入力と共に、無線周波数電
力増幅器420、出力レベリング制御を与え、無線周波
数電力増幅器420へ入力される無線周波数搬送波を変
調するための制御回路網422から構成されている。処
理回路網406は、受信された信号を復調および復号化
するための復調器/復号器ユニット510を備えてい
る。その復調器/復号器510の機能は、音声フィルタ
432、音声電力増幅器434およびスピーカ436か
らなる音声出力チェーン506に対して、信号を出力す
ることである。復調器/復号器510は、無線電話機が
動作している特定の無線通信システムに適する復調/復
号スキームに従って動作する。特定の復調/復号スキー
ムは、本発明とは関係ないので、そのようなスキームに
ついては、その目的が適切な音声信号を出力することに
あるということを除いて、さらに参照することはない。
同様に、処理回路網406は、また、音声受信チェーン
508から音声/データ信号を受信し、適切に符号化
し、送信チェーン無線周波数フロントエンド504に出
力する準備にある信号を変調するところの、符号器/変
調器ユニット512を備えている。上述の理由で、特定
の符号化/変調スキームに対してはこれ以上参照しな
い。
【0021】処理回路網406は、また、受信信号を表
わす復調器/復号器510からの出力を受信する、信号
品質レベル測定ユニット514を備えている。信号品質
レベル測定ユニット514は、多くの方法で信号の品質
を判定する。例えば、受信信号強度指示器(RSSI)
を与えることで、受信信号強度が監視され得る。また、
ビット誤り率、信号対ノイズ比、または受信信号の搬送
波対ノイズ比が測定され得る。受信信号の品質レベル、
例えばRSSIが、後に受信される信号との比較のた
め、および/またはしきいレベルとの比較のために記憶
される。
【0022】処理回路網406は、また、アンテナ58
のビームを操舵するためのアンテナビーム操舵ユニット
516を備えている。本発明の好適な実施例によれば、
アンテナ58は、複数個のアンテナ素子581、582
…、58nを備え、各アンテナ素子は、それぞれの位相
遅延および利得回路網601、602、…、60nを介し
て駆動される。それぞれの位相遅延および利得素子60
jによって導かれる位相遅延および利得は、アンテナビ
ーム操舵ユニット516によって制御される。そのよう
なアンテナアレーは、度々“適応性アンテナ”と称され
る。操舵可能ビームアンテナ58は、複数個のアンテナ
素子を有する電子的に操舵可能なビームアンテナを構成
する必要はなく、機械的に操舵可能であるか、機械的ま
たは電子的操舵可能なものの組み合わせであっても良
い。アンテナビーム操舵ユニット516の制御下で、ア
ンテナ58からの放射出力は、比較的狭いビームに形成
され、しかも所望の方向に操舵されたビームとなる。代
表的な無線通信システム網に対して、ビームは、方位角
方向いわゆる地表面に対して実質的に水平に操舵される
ことが必要である。しかし、もちろん、余分なものを与
えることによって複雑さがますが、万一必要であれば、
ビームの仰角も操舵可能にされる。操舵可能な方向は、
商業的理由で、そのような特徴を除外する。しかし、衛
星通信などのある種の応用は、方位角および仰角の両方
の操舵性を要求すると考えられる。
【0023】さて、図6を参照する。ここでは、アレー
状のアンテナ素子を用いて形成するビームの基本原理に
ついて説明する。
【0024】図6は、一定の間隔を持つ線形アンテナア
レー602を示している。入射プレイス波(入射平面
波)は、角度θからそのアレーに入ってくる。その入射
波は、次式によって示される。
【数1】 伝播方向の点および
【外1】 は観察点を定義する。
【0025】平面波伝播による時間遅れを考慮すると、
0番目アレー素子における信号に対するn番目アレー素
子602nにおける信号は、次式によって与えられる。
【数2】 ここで、dは素子間の間隔である。従って、d=λ/2
のとき、θの方向から到達する平面波によってつくられ
る隣接する素子間の位相差は、πsinθである。
【0026】適応性アレーアンテナ602によって実行
される基本的な機能は、受信または送信用にビームを特
定の方向に焦点合わせすることである。アンテナアレー
602の動作は、時間ドメインにおける離散的信号のF
IRフィルタリングの空間カウンタパートとして見なさ
れる。
【0027】一般に、適応性アレー602は、それぞれ
のアンテナ素子6021-nにおいて受信された信号の線
形結合を加算ユニット604において形成する。各アン
テナ素子602jに関連して、それぞれのアンテナ素子
602jで受信される信号の位相および/または信号振
幅を変調する、重みwj *が与えられる。重みセットは、
代表的には操舵ベクトルとして参照される。その操舵ベ
クトルは、空間フィルタの重みとして働き、特定方向に
おけるアレーの利得を決定する。干渉源の方向が知られ
ている場合には、干渉方向にあるアンテナパターンを無
効にし、一方で同時に、主要ビームを所望信号の方向に
操舵することによって、干渉を軽減できる。フェーズド
電子式(走査)アレーにおけるビーム形成に関しては、
さらに、「アンテナ理論−解析と設計」(Antenna Theo
ry-Analysis and Design)C Balanis, Harper & Row, I
SB No. 06-040458-2に記載されている。
【0028】図7を参照する。この図には、セル108
の基地局104が示されている。代表的には、基地局1
04は、好適には扇型のアンテナを用いて、一貫したビ
ームパターンを放射する。移動体端末102は、基地局
104から、および移動局102がその現在の基地局1
04とハンドオフ通信をすべきか否かを判定するために
隣接のセルの複数の基地局から、隣接の基地局への、信
号品質を監視することができる。移動局102は、多数
の方向702a...702gを介して、アンテナビー
ム702を操舵するよう動作可能な操舵可能ビームアン
テナを備えている。図7は、所定の方向に実質的に規則
正しくなっているアンテナ放射パターンを示している
が、図7は概略説明図であって、実際にはアンテナの放
射パターンは、放射アンテナの特質や周辺環境に依存す
ることに留意されたい。
【0029】移動局102に対して、アンテナ方向70
2aは最良の信号品質を与え、移動局102はアンテナ
方向702a...702gを掃引した後、方向702
aを選択する。移動局102が、基地局104に関して
その方向を維持しながら、方向704に移動すべき場
合、最適信号品質のアンテナビーム方向が変更されるこ
とがわかる。従って、新しい位置の移動局102が、ア
ンテナビーム706を形成するためにアンテナビームを
新しい方向上に操舵することが必要である。
【0030】本発明の好適な実施例においては、図8を
参照して以下に説明されるように、無線通信システム
は、GSM(デジタル電話の欧州統一規格)セルラー網
などの時分割多重接続(TDMA)システムである。
【0031】GSMセルラー電話網は、890から91
5MHzのアップリンク帯域、および935から960
MHzのダウンリンク帯域上で動作し、普通GSM90
0として参照される。代替のGSM網は、およそ180
0MHzで動作し、GSM1800と称される。GSM
網はTDMAを用い、それぞれのアップリンクおよびダ
ウンリンクは、分離無線周波数チャンネルに分けられて
いる。各チャンネルの搬送周波数は、隣接のチャンネル
から200KHzだけ分離され、その無線周波数チャン
ネルのそれぞれは、ほぼ577マイクロ秒(15000
/26マイクロ秒)持続期間の時間スロットに分割され
る。これらの時間スロットは、1個のTDMAフレーム
として8個の連続時間スロットの組に、一緒にグループ
化される。これらのフレームは、その後、多フレームを
形成するため、2つの異なる方法の1つで、一緒にグル
ープ化される。TDMA構造については、図8を参照し
て説明する。
【0032】図8(a)は、およそ4.615ミリ秒の
総持続時間を持つ8つの時間スロットを有する単一のT
DMAを表わしている。各時間スロットはおよそ577
ミリ秒の持続時間を持っている。複数の単一TDMAフ
レームは一緒にグループ化され、図8(b)に示される
ように120ミリ秒の総持続時間を持つ26個のTDM
Aフレームマルチフレームを形成する。代替案として
は、単一のTDMAフレームは、図8(c)に示される
ように結合され、およそ235.38ミリ秒の持続時間
を持つ51個のフレームのマルチフレームを形成する。
図8(b)および(c)の各番号付けされたフレーム
は、図8(a)の単一TDMAフレームから構成され
る。図8(b)に示された26個のフレームのマルチフ
レームは、トラフィックチャンネルとそれらの関連制御
チャンネルに対して使用され、図8(d)に示されるよ
うに指定される各スロットを有する。ここで、Tiは、
トラフィックデータの時間フレーム番号iであり、Aは
いわゆるスロー関連制御チャンネル(SACCH)に対
して向けられており、Iはアイドルフレームである。5
1個のTDMAフレームのマルチフレームは、制御チャ
ンネルに対して使用され、それは図8(e)に示されて
いる。図図8(e)において、Fは周波数補正チャンネ
ル専用のスロットであり、Sは同期化チャンネル用のス
ロットであり、Bはブロードキャスト制御チャンネル
(BCCH)を示し、Cは共通制御チャンネル用であ
り、Iはアイドルフレームである。
【0033】トラフィックチャンネルは、符号化音声ま
たはユーザデータのいずれかを搬送し、アップリンクお
よびダウンリンク方向の両方向に送信される。制御チャ
ンネルはダウンリンク方向のみに送信され、基地局10
4および移動局102間で信号化および同期化データを
搬送する。
【0034】欧州電気通信規格(ETS)30057
8”欧州デジタルセルラー電気通信方式”(フェーズ
2):無線サブシステムリンク制御(GSM05.0
8)18頁によれば、GSMシステムにおいては、RF
出力レベルを変動させることなく、BCCCH搬送周波
数信号がすべての時間スロットで連続して送信される。
BCCCH搬送波の送信を維持することは、周辺セルの
BCCH搬送波を選択聴取することによって、移動局に
周辺セルからの受信信号レベルを測定可能にさせること
を目的としている。仮に、移動局が網によって示された
リストのBCCCH搬送波に調整することができるなら
ば、そのリストが十分に完全であるとすると、その移動
局はすべての有り得る周辺セルを聴取することができ
る。これは、移譲の目的に対して、および受信信号レベ
ルに基づいて通信するための適切なセルを決定するため
に、有効である。
【0035】音声が不連続特性を有し、従って、音声チ
ャンネルがいつの時点でも2人の間の会話の一方向のみ
を搬送するということが知られている。よって、平均し
て、音声チャンネルは、それが使用される時間の半分に
満たない間しか、音声を搬送していない。この事実は、
不連続送信(DTX)を用いることによって、GSMに
おいて利用される。不連続送信においては、”動作的
な”音声の例を含む音声フレームのみが送信される。不
連続送信は、図4で414の番号が付けられた、音声動
作検出器を用いて実行され、実際の音声がいつ存在する
かを決定する。しかし、送信者側に関連した背景ノイズ
さえも聞こえないために、完全な沈黙期間が聞き手を当
惑させている。背景ノイズを含んでいる音声からの突然
の切替わり、および沈黙が受信者側を困惑させている。
この問題を克服するため、沈黙フレームが、背景ノイズ
の振幅とスペクトルに適合するように設定されている、
いわゆる”快感ノイズ”で満たされたフレームによって
置き換えられる。快感ノイズ情報を判定するために、処
理回路網406は、送信者側と関連する背景ノイズを解
析するようになっている。その後、快感ノイズ情報は、
いわゆる沈黙同定(SID)フレームの沈黙期間に、ノ
イズが再発生される受信者側に(基地局104または移
動局102を介して)送信される。“快感ノイズ”情報
は、沈黙期間に周期的に送信される。それは必ずしも沈
黙期間全体を取ることはない。本発明の実施例によれ
ば、沈黙期間の存在、および“快感ノイズ”情報の周期
的または非連続送信に利点がある。受信信号品質レベ
ル、例えばRSSIを判定するために、沈黙期間中、本
発明に係る移動局は、BCCH搬送周波数信号を監視す
ることができる。
【0036】図9を参照する。ここには、デジタル信号
プロセッサ、汎用マイクロプロセッサまたは論理回路網
として実装されるアンテナビーム操舵ユニット516な
どの制御回路網を設けている適切に構成された処理手段
によって制御可能な、適応アンテナアレー602のブロ
ック図が概略的に示されている。制御回路網は、それぞ
れのアンテナ素子から“生の”すなわち重み付けされな
い信号r1(k)−rN(k)を受信した。制御回路網9
02は、アンテナアレー602を駆動し、重み付け(w
j)回路網904を制御するための適応アルゴリズムに
従って動作するように構成されている。各アンテナ素子
からの重み付け出力は、加算器906において線形的に
組み合わされ、出力y(k)を生成する。
【0037】GSMシステムに関連して参照されるBC
CH搬送信号は、定出力レベルの出力を持つ。これらの
型の信号に対しては、この特性の事前知識およびアレー
から所望の定常状態応答を得るために設計される適応ア
ルゴリズムに利点がある。本発明の好適な実装例に対し
ては、コンスタントモジュラス(Constant Modulus)ア
ルゴリズム(CMA)は、アレー602の個々の素子6
02iの重みベクトル904iを適切に更新するプロセ
スを管理する、性能基準として利用される。
【0038】そのコンスタントモジュラスは、適応アレ
ー602における所望信号のエンベロープの変動を最小
化するように、そのアレーの重みベクトル904を調節
する。アルゴリズムが収斂した後、ビームが興味のある
信号の方向に操舵され、干渉方向が無効にされる。
【0039】本発明の代替実施例について、図10を参
照して説明する。図10は、無線通信網の移動局に含ま
せるのに適した適応アンテナアレーシステム1000を
表わしている。適応アンテナアレーシステム1000
は、3つの基本部分、すなわちベースバンド処理部10
02、信号デジタル化および条件付け部1004、およ
びRFフロントエンド1006から構成される。この実
施例においては、適応アレー602は、3つのアンテナ
素子6020、6021および6022から構成されてい
る。その適応アンテナアレーシステム1000は、テキ
サスインスツルメンツ・インコーポレイテッドによって
作られたTMS320C541型のデジタル信号プロセ
ッサ1008によって制御される。デジタル信号プロセ
ッサ1008は、再生音声をスピーカに送り、マイクロ
フォン入力からの音声を受信する段階を含む、移動局の
ベースバンド処理を制御する。その移動局のベースバン
ド処理を実行することに加えて、デジタル信号プロセッ
サ1008は、また、アンテナアレー602から応答の
定常状態を得るための、上述のコンスタント・モジュラ
ス・アルゴリズムを実行し、それによって、GSM無線
電話網のBCCHなどの一定レベル信号をトラッキング
する。デジタル信号プロセッサ1008は、また、基地
局からの最適信号をトラッキングする前に、無線網の基
地局と通信を確率するためのセットアップすなわち初期
化プロセスなどの、他のプロセスすなわちアルゴリズム
を実行するように構成される。
【0040】図10は、適応アンテナアレーシステムの
受信路を表わしているが、送信路もまた、相互作用の原
理に基づいて、類似のまたは適切に変更を加えた素子を
用いて適切に構成されることは、当業者にとって明らか
であろう。適応アンテナアレーシステム1000は、ア
ンテナ素子6020、6021および6022のそれぞれ
に対応する分割信号路を備えている。適応アンテナアレ
ーシステム1000の動作について、受信信号路の1つ
を参照しながら説明する。
【0041】アンテナ素子6020は、受信信号を、受
信帯域の外側にある他の不所望信号と分離するように作
用する、第1の帯域通過フィルタ1010に結合されて
いる。その帯域通過フィルタ信号は、代表的には低ノイ
ズ増幅器である、増幅器1012に送られ、その後混合
器1014に送られる。局部発振器1016は、混合器
への第2の入力を与え、受信信号を、その後第2の帯域
通過フィルタ1018に入力される目標中間周波数にダ
ウンコンバートするよう働く。帯域通過フィルタ101
8は、目標中間周波数信号を、他の同一チャンネル信号
および他の干渉源から分離するよう働く。その後、中間
周波数信号は、中間周波数増幅器1020に送られ、そ
してシステムクロック1022に従ってクロックされる
アナログデジタル変換器1024に送られる。アナログ
デジタル変換器1024は、12ビット出力をデジタル
/デジタル変換器1026に与える。そのデジタル/デ
ジタル変換器1026は、デジタル信号プロセッサ10
08に適切な16ビット入力を、デジタル信号プロセッ
サのバックプレーンインタフェース1009に与える。
【0042】上述のコンスタント・モジュラス・アルゴ
リズム(または他の適切なアルゴリズム)に従って動作
する、デジタル信号プロセッサ1008は、最適な信号
を入力するように、アンテナアレー602によって形成
されるビームを制御する。図10の適応アンテナアレー
システム1000においては、それぞれのアンテナ素子
に受信される信号の位相および/または振幅が、局部発
振器1016によって制御される。局部発振器1016
信号の位相および/または振幅を調節することによっ
て、デジタル信号プロセッサ1008は、得られる中間
周波数信号の位相および/または振幅を変更することが
できる。相互作用の原理によって、同じことが送信信号
路の方向についても得られる。従って、それぞれの局部
発振器1016の局部発振器位相および/または振幅を
適切に調節することによって、適応アレーの重み係数を
変更することができる。
【0043】任意には、図10に示された適応アンテナ
アレーシステムを、唯一の受信信号路を持ち、かつ分割
重みアダプタと関連して各アンテナ素子を持つように、
変更することもできる。この場合、それぞれのアンテナ
素子によって受信されるそれぞれの信号は、RFフロン
トエンドの残りを介して送られる前に加算される。その
ような構造は、図9に示されているようなものである。
図9の構造に対して、デジタル信号プロセッサ1008
は、重み係数904に直接作用し、アンテナ素子のそれ
ぞれのから受信されるそれぞれの信号の位相および/ま
たは振幅を調節する。適応アンテナアレーシステムの特
定の構造が変更されても、適応アンテナアレーシステム
を操舵および制御する動作原理は、当業者にとって明ら
かであろう。
【0044】適応アンテナアレーシステムおよびそのよ
うなアンテナアレーからのビームを制御形成するための
構成の様々な実施例について説明してきたが、次に、G
SM無線網システムに適した本発明の実施例に係る操舵
可能なアンテナを設定および制御するためのアルゴリズ
ムについて、図11に示されたフローチャートを参照し
て説明する。
【0045】図11のフローチャートは、ステップ11
02で開始され、図5の実施例の利得および位相遅延回
路網素子601...60n(または図10に示された実
施例の適切な重み係数904)の利得および位相が、図
12(a)に示されるように、全方向ビームパターンに
対して設定される。全方向ビームパターンにより、移動
局102は、少なくとも1個の基地局104、代表的に
はセルの影響が及ぶ範囲内に移動局102が配置されて
いるセルと関連する1つ以上の基地局と通信を行うこと
ができる。BCCH信号品質を判定するために、ステッ
プ1106において、図5に示された実施例の処理回路
網406内に設けられたベースバンド回路網、または図
10に示された実施例のデジタル信号プロセッサ100
8は、それぞれの基地局から受信されたBCCH信号を
復号化する。代表的には、信号品質の測定は、受信信号
のRSSIの測定である。ステップ1108において、
移動局102は、その受信搬送周波数を、代表的には最
大のRSSIを与える選択された基地局に設定する。ス
テップ1110において、信号品質、代表的には信号強
度が再び測定され、その値“N”が記憶される。
【0046】ステップ1112において、移動局の処理
回路網406は、SIDフレームが受信トラフィックチ
ャンネルに現れているかどうかを判定する。もし、SI
Dフレームが現れていない場合には、処理フローがステ
ップ1102に戻され、図12Aに示されたように全方
向ビームパターンが維持される。もし、SIDフレーム
が現れている場合には、決定ブロックの“yes”の辺
が処理され、処理フローがステップ1114に進み、0
から180°のビーム幅に対して、利得および位相遅延
回路網60の利得および位相(重み係数904)が設定
される。図12Bに示されているように、ボアサイト方
向は、移動局102の適切な基準面に関してX=90°
である。その後、処理制御はステップ1116に進む。
このステップにおいて、選択された基地局からの受信C
CH信号のRSSIは、値“Mx”として記憶される。
その後、移動局102の制御は、ブロック1118に進
み、そこで、記憶されたRSSI値MXが記憶されたR
SSI値Nよりも大きいかどうかが判定される。
【0047】MXがNより大きい場合、制御はステップ
1126に進む。そうでない場合には、制御はステップ
1120に進む。このステップでは、180°から36
0°のビーム幅に対して、利得および位相遅延回路網6
0の利得および位相(重み係数904)が設定される。
ここでは、図12Cに示すように、ボアサイト方向X
は、270°である。その後、制御はステップ1122
に進む。このステップにおいて、選択された基地局のB
CCH信号のRSSI値MXが現在のアンテナビームパ
ターンに対して記憶される。RSSI値MXがNより小
さい場合には、制御はステップ1104に戻される。し
かし、MXがNより大きい場合には、MXの値はNに割
当てられ、新しい値Nがステップ1126において記憶
される。その後、処理制御はステップ1128に進む。
このステップにおいて、利得および位相遅延回路網60
の利得および位相、すなわち重み係数904がX−90
°からXのビーム幅を形成するように設定される。その
後、図12Dに示されているように、新たなボアサイト
方向Xが、X−45°の前の値に等しくなるように設定
される。その後、処理はステップ1130に進む。ここ
で、RSSI値MXが測定され、記憶される。その後、
処理は決定ブロック1132に進む。
【0048】決定ブロック1132において、MXがN
より大きいかどうかを判定するために、MXの現在値が
Nに割当てられた現在値と比較される。MXがNよりも
大きい場合には、処理制御はステップ1140にジャン
プする。そうでない場合には、処理制御はステップ11
34に進み、利得および位相遅延回路網60の利得およ
び位相、すなわち重み係数904が、XからX+90°
のビーム幅を形成するように設定される。ここで、図1
2Dに示されるように、Xは古い値X+45°に等しい
新たな値に割当てられる。その後、制御はステップ11
36に進む。ステップ1136において、RSSIが測
定され、MXに割当てられ、そして記憶される。その
後、処理制御は決定ブロック1138に進み、MXがN
よりも大きいか否かが判定される。もし、小さい場合に
は、処理制御は処理の開始ステップ1104に戻されy
esであれば、ステップ1140に進み、その時点で現
在値MXがNに割当てられる。その後、処理制御は決定
ブロック1142に進む。
【0049】処理制御ステップ1102から1140
は、移動局102に対して指定される基地局104との
通信のための最適ビームに対して、操舵可能なビームア
ンテナを初期化し、セットアップするためのものであ
る。
【0050】移動局102は、その移動局102がその
方向を基地局104に対して変化させる際、その基地局
との最適通信を維持するために、最適ビーム方向が追跡
されるところの、第2のモードにおいて動作するように
構成され得る。好適な実施例においては、最適な信号方
向の信号品質を測定するため、記録された最適信号方
向、例えば±30°の両方の側にビームを操舵すること
によって、トラッキングがなされる。
【0051】基地局との最適な通信リンクが確立された
が、別の基地局104に渡す要求があったかどうかを判
定する必要がある。そのような調査は、図13Aに示さ
れているように、移動局の方向が変化し、アンテナビー
ムがもはや直接基地局104を指していない、という事
実によって開始される。もし、基地局が、移動局が通信
しているその基地局の変更を指示したということが判定
されると、処理制御は開始ステップ1102に戻り、基
地局が移動局に全方向モードに入るように指示するか、
基地局を変更するように指示された時に、移動局が自動
的にそれを行う。その後、新たな基地局の最適なアンテ
ナ方向が決定される。そうでない場合には、基地局に変
化がないとき、処理制御はステップ1144に進み、移
動局102によって受信されたトラフィック信号に、S
IDフレームがあるかどうかが判定される。SIDフレ
ームが受信トラフィック信号内に存在しない場合には、
処理制御はステップ1142に戻り、基地局の変更が監
視される。さもなければ、利得および位相遅延回路網6
0の利得および位相、すなわち重み係数904が、図1
3Bに示されているように、X−75°からX+15°
のビーム幅を与えるように設定される。その後、処理制
御はステップ1148に進む。このステップにおいて、
方向X−30°のRSSI値MX-30が決定され、記憶
される。ステップ1150において、MX−30°がN
より大きいかどうかが判定される。もし、yesであれ
ば、ステップ1152において、Xが、X−30°に割
当てられ、NがMX−30に設定される。
【0052】再びトラッキング処理を開始するために、
処理制御はステップ1142に進む。しかし、MX-30
がNよりも大きくない場合には、処理制御はステップ1
154に進み、利得および位相遅延回路網60の利得お
よび位相、すなわち重み係数904が、図13Cに示さ
れるように、X−15°からX+75°までのビーム幅
を形成するように設定される。その後、処理制御はステ
ップ1156に進み、方向X+30°のRSSI値MX
+30°が測定され、記憶される。その後、どちらが大
きいかを判定するために、MX+30°がNと比較され
る。MX+30°がNより大きい場合には、処理制御は
ステップ1160に進み、XがX+30に割当てられ、
Nが値MX+30°に設定される。そうでない場合に
は、処理制御はステップ1142に戻る。
【0053】上述のプロセスに従って動作される操舵可
能なアンテナのアダプタアンテナアレー、または他の形
状は、最適なビーム方向を同定することができ、移動局
の方向が変更されるに従って、最適ビーム方向を追跡す
ることができる。
【0054】上述のプロセスにおいては、方向ビーム
が、多重ビーム受信、すなわち、周辺環境および周囲の
物体からの反射によって、移動局に達するまでにマルチ
パスを取るビームの受信、を除外するために利用され
た。この方法においては、移動局の性能が、極めて顕著
に改善され得る。相互作用の原理によって、基地局によ
って受信される信号にも対応する改善が見られ、また、
低送信出力でも同一の性能が得られる。
【0055】最適なアンテナビーム方向を同定し、トラ
ッキングするための上述のプロセスは、移動局102の
“背景”プロセスであり、移動局102の他の動作が実
行されるために、適切な時点で中断され得ることが、理
解されるであろう。
【0056】代替実施例においては、決定ブロック11
18、1124、1132、1138、1150および
1158は、SIDフレームがまだ存在しているか否か
のテストも備えている。SIDフレームがまだ存在して
いる場合には、処理フローが続行される。しかし、SI
Dフレームが存在していない場合には、SIDフレーム
が再度与えられるまで、処理フローは中断させられる。
上述のように、この代替実施例の処理フローは、“背
景”プロセスであり、移動局102の他の動作が実行さ
れるために、適切な時点で中断され得る。
【0057】上述の説明は、GSM無線電話システムに
関連している。本発明の一実施例は、CDMA無線電話
システムにおいても利用可能である。
【0058】図14および図15を参照して、CDMA
の一般原理について、以下に簡単に説明する。図14A
に示されている、データ信号は、図14Bに示されたC
DMA拡散符号によって変調される。図14Aには、た
だ1個のデータ信号が示されているが、そのデータ信号
はRF搬送信号によって予め変調されている。しかし、
デジタル信号の場合、通常、データ変調が省略され、デ
ータ信号が搬送周波数を変調する符号信号によって直接
掛算されるという事実がある。
【0059】拡散符号をデータ信号によって掛算した結
果が、図14Cに表わされている。符号信号は、+1か
−1のいずれかである“チップ”と呼ばれる多数の符号
ビットからなっている。データ信号の適切な拡散を得る
ために、符号信号のチップ割合は、情報すなわちデータ
信号のチップ割合よりも格段に大きくなければならな
い。データすなわち情報信号毎に10個の符号チップの
形態が、代表的な比率であり、10の処理利得を得られ
る。その後、図14Cに示された拡散信号が送信され
る。
【0060】図15を参照する。図15には、CDMA
システムの簡単な図が与えられている。符号発生器15
06から発せられる符号信号1504およびデータ信号
1502は、混合器1508に入力される。拡散データ
信号1510は、無線周波数搬送波を変調するための変
調器1512に入力される。その後、変調された信号1
514は、マルチパスチャンネル1516としてモデル
化されている周辺環境中に送信される。
【0061】図15に示した例では、無線伝播環境は、
対応する減衰係数a1、a2、a3とともに、異なる遅延
τ1、τ2、τ3を有する3つの独立したチャンネルとし
てもモデル化されている。3つの独立したマルチパス信
号は、受信機のためのアンテナ1518で効果的に組み
合わされ、復調器1520に送られる。
【0062】復調器からの信号は、いわゆるレーキ受信
機1522に入力され、これは、復号化処理を待つ各マ
ルチパス要素のためのフィンガーを有している。複合機
1520から出力される信号1524は、本実施例では
3つのフィンガーの各々に振り分けられ、それぞれのミ
キサー1526、1528、1530に送られる。各受
信機1526、1528、1530への入力は、それぞ
れ、遅延拡散符号C(T−τ1)、C(T−τ2)、C
(T−τ3)であり、ここで、拡散符号Cは、符号生成
器1506での符号に対応している。各変調器からの信
号出力は、それぞれ、マルチパス環境で実績のある減衰
値をもつ各利得回路a1、a2、a3に入力される。減
衰信号1532、1534、1536は、1538にて
組み合わされ、受信機の他の復調および符号化回路に送
られる。
【0063】CDMAシステムは、マルチパス信号の受
信を利用するものであるが、後述するGSMシステムの
ようなTDMAシステムは、マルチパス信号を拒絶しよ
うとする。図15に示すようなレーキ受信機は、マルチ
パス信号を受信し、レーキ受信機の出力で単一の受信信
号を提供するために、これらのマルチパス信号をこれら
を受信機拡散符号と相関付けるものである。CDMAシ
ステムで受信信号を最適化するためには、マルチパス信
号のための最適化を考慮したビーム設定処理の間に、ビ
ームパターンを構成する必要がある。一旦ビームパター
ンが定義されると、移動局102の方向の変化に対して
最適な構成を追従させるためにビームパターンを再調整
することは、GSMシステムについて前述したものと同
様のものとなる。すなわち、受信信号の最大の強度を維
持するために、レーキ受信機からの出力を監視する。
【0064】このような前述の方法は、移動局がその方
向を変える間は、実質的にマルチパス環境内の同一の場
所に留まっているという仮定に基づくものである。しか
し、もし、移動局102がマルチパス環境内で長い距離
を移動する場合、すなわち、受信信号の方向が著しく変
化する場合には、再度、最適な受信強度のためのアンテ
ナビーム構成をまず求めるために設定処理を行う必要が
あり、結果として、移動局102の方向に応じた信号強
度の追跡は変化する。
【0065】マルチパス環境中に置かれる移動局102
では、各マルチパス信号と受信拡散符号とを関連づける
レーキ受信機の遅延と、対応するマルチパス信号の到着
方向との間には相関関係がある。従って、少なくとも第
1次近似では、各マルチパス信号の遅延に応じて、受信
信号の強度を最大にするビームパターンを構成すること
が可能となる。様々なマルチパス信号間の時間遅延に対
する最適なビームパターン構成の例を、図16から図2
0に示す。
【0066】図16は、マルチパス環境内で通信するM
S102とBS104の概要を示すものである。マルチ
パス環境は、リフレクター1601、1602により定
義される。MS102は、直接信号または主要信号T0
と、2つの間接信号または反射信号T1、T2を受信す
る。主信号経路T0は、参照経路または信号として用い
られる。図16の例では、主信号および反射信号は、主
経路信号T0と同一のセクター内の方向からMS102
に入ってくるものである。従って、レーキ受信機に用い
られ、反射信号T1、T2と主経路信号T0とを関連づけ
る時間遅延にはわずかな差が生じる。信号は、互いに同
一のセクタ内に到着するため、受信信号の強度を最大化
するための単一の狭いローブパターンを構成することが
可能である。従って、レーキ受信機に用いられる短時間
の遅延と、図16に示すような狭いビーム幅パターンと
の間には、相関関係があることがわかる。
【0067】図17に示すマルチパス環境では、マルチ
パスT1、T2を各々形成するリフレクター1603、1
604は、図16に示した環境に比べ、BS104から
離れた距離に置かれる。従って、マルチパスT1、T
2は、図16の例とは、近似的には同一とはならず、経
路T0と同一となる。この例では、レーキ受信機に与え
られる遅延は、図16に示した状況で用いられるものよ
りも大きい。さらに、マルチパス信号は、以前よりも広
い角度範囲の方向から到着し、結果として、受信信号の
強度を最大化させるためには、ビームパターン構成を拡
散する必要がある。ビームパターンは、実質的に主経路
0上に見通し視野を有する180°ビームパターンで
あることが望ましい。図17に示した環境では、レーキ
受信機に印加される一組の遅延は広域180°ビームパ
ターンに対応する様に設定することもできる。
【0068】次に、図18に、経路の1つT1が、主信
号経路T0よりもかなり長い例を示す。マルチ信号パス
2は、概ね、主経路T0に等しい。図18に示した状況
では、主要経路信号T0の方向が、まず特定される。T0
主要経路信号が生じるセクタの特定は、図11のフロー
チャートに示したGSMシステムのためのものと同様に
適切な設定処理により行われる。このような設定処理で
は、主経路方向となる最大受信強度の方向に、比較的狭
いビーム幅のパターンが形成される。主経路信号のビー
ムパターンが形成されると、図18の例ではマルチパス
2も含んでいるため、大きな遅延をもつ信号の方向を
特定する必要がある。しかし、図18に示すような遅延
をもつ信号は、図19のT2で示される信号経路からも
構成されている。従って、図18、図19の第2の信号
の遅延は、信号の到着方向に関する情報は提供せず、直
接の経路信号T0に関するオフセット角度の大きさのみ
を提供するものとなる。従って、大きな遅延をもつ信号
については、図18、図19に示されるようなアンテナ
ビームパターンを用いる必要があり、動作のために大き
な信号強度が選択されたものとすべきである。このよう
に、大きな遅延をもつ信号は、図18、図19に示され
るような2つの異なるアンテナビームパターンに対応し
ている。
【0069】図20は、遅延信号経路T1、T2の両方
が、直接信号経路T0に比べかなり遅延した方向からM
S102に到着する状況を示す。図20に示すように、
信号経路T1、T2の遅延は、実質的に、図18、図19
に示した状況の組み合わせとなっている。しかし、信号
経路の遅延はかなり大きくなり、遅延信号は、BS10
4とは反対の方向からMS102に到着する可能性があ
るため、後ろ側のローブを用いたアンテナビームパター
ンは、受信信号強度を完全に最適化する必要がある。
【0070】図16から図20により前述したことから
明らかなように、マルチパス信号を関連付けた時のレー
キ受信機により用いられる遅延に対応し、受信信号の強
度を最適化するための一群のアンテナビーム構成を得る
ことが可能となる。一旦、最適なビームパターンが定義
されると、もしMS102がマルチパス環境内の同一の
場所に実質的に留まるならば、MS102の方向の変化
は、図11のフローチャートに示される手順で追跡する
ことが可能となる。MS102がマルチパス環境内で位
置を変えたり、急激に方向を変えたり、一定の範囲を越
えてレーキ受信機の遅延が変化するならば、受信信号強
度を再び最適化するために、アンテナビーム構成を設定
しなおす必要がある。
【0071】主信号とマルチパス信号の到着時刻の絶対
的な差は、与えられ入射受信角度に対し、移動局102
と基地局104の間の距離に依存する。移動局と基地局
との間の距離が大きくなればなるほど、主経路信号とマ
ルチパス信号の到着時刻との差は大きくなる。従って、
遅延のみに依存して、主経路信号に対するマルチパス受
信信号の入射角を決定することは、入射角の評価に誤り
をもたらすものとなる。しかし、CDMAシステムで
は、BS104は、それが通信する相手となるすべての
MS102と実質的に同一の出力レベルをもつ受信信号
で動作する。これを達成するために、BS104は、そ
れが通信する相手となるMS102に対して、どの出力
レベルでこれらが通信すべきかを示す出力制御信号を送
り、実質的に等しい出力レベルをもつ信号をBS104
が受信できるようにする。このように、MS102は、
BS104から受信する出力レベル制御信号によって、
BS104からの距離に対応した情報を保有する。この
距離情報は、遅延に関する演算により入射角を正規化す
るために用いられ、いわゆる拡散係数Aを生成する。拡
散係数Aは、MS102のために送信された出力レベル
から得られた遅延情報と距離情報とを正規化する。拡散
係数Aは、受信信号の出力レベルを最適化するため、あ
らかじめ定義されたアンテナビームパターンのどれを用
いるべきかを決定するために、評価された遅延に掛け合
わされる係数として利用される。本例では、係数Aが大
きいほど、マルチパス信号の主経路信号に対する到着入
射角度は小さくなる。従って、大きな拡散係数に対して
は、比較的狭いビーム幅パターン(例えば、90°ビー
ム幅)が用いられる。しかし、もし拡散係数が小さいな
らば、すなわち、MS102からの伝送出力レベルが小
さく、MS102とBS102の間を隔てる距離が短
く、レーキ受信機への遅延が大きいならば、マルチパス
信号は、大きな入射角でMS102に入射することがわ
かり、この例では、比較的大きなビーム幅をもつアンテ
ナパターン(例えば、180°)を形成できる。この原
理は、拡散係数Aが非常に大きく、レーキ受信機への遅
延も非常に大きい状況にも適用できる。このような例で
は、マルチパス信号は、BS104の方向に対してMS
102の後ろから入射するため、全方向性のビームパタ
ーン、または270°パターンの方向をもつビームパタ
ーン、あるいは図18から図20に示すような複合的な
ビームパターンを生成する必要がある。
【0072】図21に示したフローチャートを参照し、
拡散ファクターの利用を組み込んだCDMAシステムの
ための操舵可能なアンテナの設定と制御のための処理を
説明する。
【0073】処理制御は、ステップ2102から開始
し、アンテナ照準方向Xを0に設定するステップ210
4に処理を進める。ステップ2106では、遅延要素6
0の利得もしくは位相を、図C1に示すような全方向ビ
ームパターンのために設定する。ステップ2108で
は、受信された同期信号を符号化し、主パスT0を確立
する。次に、ステップ2110では、MS102の拡散
シーケンスを、使用中の特定の通信チャンネルのために
基地局により定義されたものに設定する。ステップ21
12では、レーキ受信機の出力から受信信号の強度を測
定し、その結果をNとして格納する。さらに、拡散ファ
クターAを設定する。次に、ステップ2114に進み、
そこで、受信された情報信号の中に、SIDフレームあ
るいはパケット終了フッタが存在するかどうかを判定す
る。もし、これらのフレームやフッタが存在しない場合
には、ステップ2106に戻る。一方、もしSIDフレ
ームあるいはパケット終了フッタが存在するならば、ス
テップ2116に進み、そこで、アンテナの利得および
位相差を設定し、図C2に示すような、180°のビー
ム幅と0°の照準方向をもつアンテナビームパターンを
生成する。次に、ステップ2118では、レーキ受信機
の出力から受信信号の強度を測定し、その結果をMXと
して格納する。ここで、Xは、アンテナ照準方向であ
る。
【0074】ステップ2120では、MXがNよりも大
きいかどうかを判定する。もし大きくない場合には、ス
テップ2122に進み、アンテナ照準方向Xを、X=X
+180°となるように設定し、図C3に示すようなア
ンテナビームパターンを生成する。ステップ2124で
は、レーキ受信機の出力から受信信号の強度を測定し、
その結果をMXとして格納する。再び、ステップ212
6で、MXの値と、Xの値を比較し、MXがNよりも大
きいかどうかを判定する。もし大きくない場合には、ス
テップ2106に戻り、受信信号のための好適なあるい
はそれに準じる方向の決定を再開する。次に、ステップ
2126でのYes判定の後、あるいはステップ212
0でのYes判定の後に、ステップ2128へ進む。ス
テップ2128では、Nの値を、MXの値に等しくなる
よう設定する。ステップ2130では、主経路信号T0
に対するマルチパス信号T1、T2のいずれか一方の遅延
が、絶対項で、チップ持続時間と拡散係数Aとの積を下
回るかどうかを判定する。Aとチップ持続時間との積
は、主経路信号に対するマルチパス信号の遅延のしきい
値であり、不図示の関係によって与えられるものであ
る。ステップ2130でのYesの判定は、遅延は小さ
いこと、また、主信号経路の方向をXで示し、特に、そ
の例として0°または180°となっている図C2およ
び図C3に示されるアンテナビームボタンに対応し、マ
ルチパス信号が実質的に主経路信号と同一の方向から到
着するものであることを示しているYesの判定の結
果、ステップ2146に進み、ビームが、受信信号の特
定の方向に焦点が絞られているかどうかを判定する、ス
テップ2130での判定がNoである場合は、ステップ
2132に進み、図C4に示すように、X=X−90°
と設定して、アンテナ照準方向を90°シフトする。ス
テップ2134では、レーキ受信機からの信号強度出力
を測定し、値MXとして格納する。次に、ステップ21
36に進み、MXが、レーキ受信機からの信号強度出力
の前回の格納値Nよりも大きいかどうかを判定する。
【0075】もし、ステップ2136の判定結果がYe
sならば、次にステップ2144に進み、Nの値をMX
の値に等しく設定する。もし、ステップ2136の判定
結果がNoならば、次にステップ2138に進み、そこ
で、図C5に示すように、X=X+180°と設定し
て、アンテナ照準方向を270°に変化させる。ステッ
プ2140では、レーキ受信機からの信号強度出力を測
定し、値MXとして格納する。ステップ2142では、
MXがNよりも大きいかどうかを判定する。もしステッ
プ2142の判定結果がNoならば、ステップ2106
に戻り、また、もしその判定結果がYesならば、ステ
ップ2144に進み、Nの値をMXの値に等しく設定す
る。このように、最適な受信信号は、90°または27
0°の照準方向をもつ半平面内に留まるかどうかが判定
される。
【0076】ステップ2146では、図C2および図C
3により各々示される0°または180°によって決定
される半平面内に発生するものとして確立された最適な
信号方向について処理がなされる。ステップ2146で
は、照準0°または180°をもつ各々の半平面につい
て決定されるものとして、Nの値がMXの値に等しく設
定される。次に、ステップ2148に進み、そこで、要
素60の利得および位相差を設定し、照準方向XがX−
45に設定された図C6に示されるような、四分円X−
90°からX°の間で、4分円の中心にそった照準方向
をもつビーム幅を生成する。ステップ2150では、レ
ート受信機からの受信信号の強度出力を測定し、値MX
として格納する。ステップ2152では、MXがNより
大きいかどうかを判定する。ステップ2152の判定結
果がYesならば、ステップ2160に進み、そうでな
い場合には、ステップ2154に進んで、X=X+45
°のような四分円の中心に沿った照準方向をもつ図C7
に示すようなXからX+90°のビーム幅となるよう
に、要素60の利得と位相差を設定する。ステップ21
56では、レーキ受信機からの受信信号の強度出力を測
定し、値MXとして格納する。ステップ2158では、
MXがNより大きいかどうかを判定する。もし、ステッ
プ2158の判定結果がNoであるならば、ステップ2
106に戻り、そうでない場合には、ステップ2160
に進んで、Nの値がMXの値に等しく設定される。ステ
ップ2160は、ステップ2158、252、2144
のいずれかを起源とするステップである。
【0077】ステップ2160からは、ステップ216
2に進み、そこで、基地局に変化があったかどうか、あ
るいは、基地局102との通信のための拡散シーケンス
に変化があったかどうかを判定する。ステップ2162
の判定結果がYesならば、ステップ2106に戻り、
設定プロセスを再開する。もし、ステップ2162の判
定結果がNoならば、次にステップ2164に進み、そ
こで、SIDフレームまたはパケット終了フレームが受
信データ内に存在するかどうかを判定する。ステップ2
164の判定結果がNoならば、ステップ2162に戻
り、そうでない場合には、ステップ2166に進み、ア
ンテナ照準方向XをX=X−30°となるように再設定
し、次に、ステップ2168で、レート受信機からの受
信信号の強度出力を測定し、その値をMX−30として
格納する。ステップ2170に進み、そこで、MX−3
0として格納した値が、Nより大きいかどうかを判定す
る。その判定結果がYesであればステップ2172に
進み、Nの値をMX−30に対応する値と等しくなるよ
う設定される。その判定結果がNoであるならば、ステ
ップ2174に進み、アンテナ照準方向XをX=X+3
0°となるように設定し、さらに、ステップ2176
で、レーキ受信機からの受信信号の強度出力を測定し、
その値をMX+30として格納する。次に、ステップ2
178に進み、MX+30として格納した値が、Nより
大きいかどうかを判定する。ステップ2178の判定結
果がYesであるならば、ステップ2180に進み、そ
こでNの値をMX+30に対応する値に等しく設定した
後、ステップ2162に戻る。もし、判定結果がNoで
あるならば、アンテナ照準方向が、X=X−30に等し
くなるよう設定し、ステップ2162に移る。
【0078】フローチャートからわかるように、ステッ
プ2102から2160は、アンテナビームの設定プロ
セスからなり、またステップ2162から2182は、
最適なアンテナビーム方向を追跡するためのステップか
ら構成されている。
【0079】本発明の他の観点についての別の例として
は、方向センサ70が、移動局102の送受話器50に
含まれているものがある。センサ70は、出発地点から
の方位変化を求める能力をもつ方向センサである。図5
に示すように、センサ70は、マイクロプロセッサ40
6に接続されており、これは方位センサにより決定され
た方位変化を表す信号を受信する。マイクロプロセッサ
406は、センサ70からの信号を受信し、本発明の一
実施例により、最適な信号を受信するための適切なビー
ムパターンを決定する補助のためにこれらの信号が利用
されるように、これらの信号を処理する。CDMAシス
テムの、センサ70を含むMS102の操舵可能アンテ
ナを設定し制御する処理を、図22のフローチャートに
示す。図22のフローチャートに示したステップの多く
は、図21のフローチャートのものと同一であり、同一
の参照符号は同一のステップを表している。
【0080】図22によれば、ステップ2102から処
理が開始されると、まず、アンテナ照準方向Xが、基準
時刻、時刻0でセンサ70により決定されたMX102
の方向であるDT0に等しく設定される。センサ70によ
り基準方向が決定された後、図21と同様に、ステップ
2106からステップ2160までの処理が実行され
る。しかし、ステップ2160の後は、ステップ220
4にて、改めて方向の読み取りが行われる。新たな方向
はDT1により表され、方向の変化Rdが、式Rd=|
(DT1−DT0)|により与えられる。ステップ2162
では、基地局の変化や拡散シーケンスの変化の有無、あ
るいは方向Rdの変化が60°を上回るかどうかを判定
する。もしステップ2162の判定結果がYesなら
ば、ステップ2106に戻り、操舵可能ビームアンテナ
の設定処理を再開する。もし、ステップ2162の判定
結果がNoならば、ステップ2206に進み、そこでア
ンテナ照準方向XをX=X−(DT1−DT0)となるよう
に設定する。ステップ2206は、アンテナビームパタ
ーンが、最適な受信信号方向を維持できるように、セン
サ70により測定された方向の変化の効果を考慮してい
る。
【0081】ステップ2164から2182は、図21
に示したフローチャートの対応するステップに従って実
行される。
【0082】センサ70を用いて方向の変化を特定する
ことは、ここでは、CDMAシステムを参考にして記述
しているが、同様のことがGSMシステムのようなTD
MAシステムでも活用でき、図11のフローチャートの
適所に組み込めることは、この分野の技術に精通してい
るものにとって明白なことである。オプションとして、
センサ70は、電子コンパスから構成され、磁北に対す
る絶対方位を指示できるものであってよい。
【0083】本発明の実施例は、信号強度を測定してい
るステップの間に、現在の基地局に隣接する複数の基地
局のBCCHを復号化することにより拡散することがで
きる。隣接する基地局からの信号強度は、現在の基地局
に対する隣接する基地局の相対位置を、特定するために
用いることができ、この情報は、迅速なハンド・オーバ
を補助し、新たな基地局との最適な信号のためのビーム
情報を提供する。
【0084】以上の説明によれば、本発明の主旨の範囲
で様々な修正が可能であることは、本技術分野に精通す
るものには明白なものとなっている。例えば、本発明の
実施例は、移動局について記述されているが、基地局に
ついて本発明の実施例を同様に適用することも可能であ
る。CDMAシステムで動作可能な実施例としては、基
地局のレーキ受信機の遅延は、各々の通信チャンネルを
用いた移動局との通信のために、各々のアンテナビーム
を形成するために用いることができる。
【0085】本開示の範囲は、これが、請求の範囲に記
載されている発明に関連するものであるか否か、あるい
は本発明によって提起されたいくつかあるいはすべての
問題を解決するか否かに関わりなく、ここに明示的ある
いは暗黙的に開示されたあらゆる新しい特徴あるいは特
徴の組み合わせ、あるいはそれらの汎化したものを含む
ものである。この結果、出願者は、本出願あるいはそれ
らから生まれた別の出願の実施を通した特徴について、
新しい請求の範囲として明確に表現できるものであるこ
とを告知するものである。特に、付した請求の範囲に関
連して、従属クレームが与える特徴は、独立クレームの
特徴と組み合わせることが可能であり、各々の独立クレ
ームの特徴は、適宜の方法により組み合わせることが可
能であり、これらはクレームに列挙された特定の組み合
わせに単に留まるものではない。
【0086】
【発明の効果】本発明によれば、セルラー無線網および
そのための移動局のような無線装置および無線通信網に
おいて、無線装置の不動作期間中に受信される信号の信
号品質を判定することによって、例えば、指向性ビーム
アンテナをその方向に操舵できるので、無線装置の送受
信性能が向上する。
【0087】以上の説明に関して、さらに以下の項を開
示する。 (1)無線通信システム用無線装置であって、上記無線
装置が、上記無線装置の不動作期間を判定する手段、お
よび上記不動作期間中に受信される信号の信号品質を判
定するための手段、から構成されていることを特徴とす
る装置。 (2)第1項に記載の無線装置において、さらに、指向
性ビームアンテナ、および上記信号品質を判定するため
の上記手段によって判定された上記信号品質に従って、
上記アンテナビームを最適ビーム方向に判定および操舵
するための操舵手段、を備えていることを特徴とする装
置。 (3)第1項または第2項に記載の無線装置において、
上記不動作期間中に受信された上記信号が、ブロードキ
ャスト信号から成ることを特徴とする装置。 (4)セルラー無線通信システムに対して動作可能な第
3項に記載の無線装置において、上記ブロードキャスト
信号が、上記無線装置が主通信を行っている基地局から
の信号から成ることを特徴とする装置。
【0088】(5)セルラー無線通信システムに対して
動作可能な第3項または第4項に記載の無線装置におい
て、上記ブロードキャスト信号が、上記無線装置が主通
信を行っている基地局によって確定されるセルに隣接す
るセルの1以上の基地局のいずれか1つからの信号から
成ることを特徴とする装置。 (6)上記いずれかの項に記載の無線装置において、上
記不動作期間が、冗長情報の送信および/または受信に
対して指定される期間から成ることを特徴とする装置。 (7)音声通信に対して動作可能な上記いずれかの項に
記載の無線装置において、上記不動作期間が、沈黙識別
(SID)情報の送信および/または受信中に不動作セ
グメントから成ることを特徴とする装置。 (8)第7項に記載の無線装置において、上記不動作セ
グメントが、SIDフレームの送信中に空フレームおよ
び/またはその一部から成ることを特徴とする装置。
【0089】(9)データを送信するために動作可能な
上記いずれかの請求項に記載の無線装置において、上記
不動作期間が、上記無線装置によって送信されおよび/
または受信されるデータ信号の末端に続く期間から成る
ことを特徴とする装置。 (10)無線装置の動作方法であって、上記無線装置の
不動作期間を判定する段階、および上記不動作期間中に
受信された信号の信号品質を判定する段階、から成るこ
とを特徴とする方法。 (11)第10項に記載の方法において、さらに、上記
信号品質に従って、アンテナビームを最適ビーム方向に
操舵する段階を備えていることを特徴とする方法。 (12)第10項または第11項に記載の方法におい
て、上記信号がブロードキャスト信号から成ることを特
徴とする方法。
【0090】(13)セルラー無線通信システムに対し
て動作可能な第12項に記載の方法において、上記ブロ
ードキャスト信号が、上記無線装置が主通信を行ってい
る基地局からの信号から成ることを特徴とする方法。 (14)セルラー無線通信システムに対して動作可能な
第12項に記載の方法において、上記ブロードキャスト
信号が、上記無線装置が主通信を行っている基地局によ
って確定されるセルに隣接するセルの1以上の基地局の
いずれか1つからの信号から成ることを特徴とする方
法。 (15)第14項に記載の方法において、さらに、上記
1つ以上の基地局の1つに対する次の移譲動作中に利用
するため、1つ以上の基地局のいずれか1つからの上記
信号に対する最適ビーム方向を判定し、記憶する段階を
備えていることを特徴とする方法。 (16)第10項乃至第15項のいずれか1項に記載の
方法において、さらに、上記無線装置に対する冗長情報
の送信および/または受信に対して指定される期間を判
定する段階を備えていることを特徴とする方法。
【0091】(17)音声通信に対する第10項乃至第
16項のいずれか1項に記載の方法において、さらに、
沈黙識別(SID)情報の送信および/または受信中に
不動作セグメントを判定する段階を備えていることを特
徴とする方法。 (18)第17項に記載の無線装置の動作方法におい
て、さらに、上記不動作セグメントが、SIDフレーム
の送信中に空フレームおよび/またはその一部から成る
ことを特徴とする方法。 (19)データ通信に対する第10項乃至第18項のい
ずれか1項に記載の方法において、さらに、上記無線装
置によって送信されおよび/または受信されるデータ信
号の末端を判定する段階を備えていることを特徴とする
方法。 (20)第1項乃至第9項のいずれか1項に記載の無線
装置を備えた、または第10項乃至第19項のいずれか
1項に従って動作可能な、無線通信装置において、さら
に、ディスプレイ、上記通信装置へのデータおよび/ま
たは命令を入力するためのキーパッドすなわちキーボー
ド、トランシーバ、および指向性ビームアンテナを備え
ていることを特徴とする装置。 (21)第20項に記載の無線通信装置を備えている無
線電話器。
【0092】(22)無線通信システム用の無線装置が
開示されている。この無線装置は、上記無線装置の不動
作期間を判定する手段、および上記不動作期間中に受信
される信号の信号品質を判定する手段から構成されてい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、セルラー無線電話システムの基本要素
の概略図である。
【図2】図2は、セルラー無線電話システムのための7
つのセルからなるクラスタの概略図である。
【図3】図3は、無線電話送受話器の概略図である。
【図4】図4は、本発明の一実施例における、受信機と
ベースバンド回路のブロック図である。
【図5】図5は、本発明の一実施例で動作するアンテナ
アレーに組み合わされた図4の回路のブロック図であ
る。
【図6】図6は、有指向性(適応アレー)アンテナの動
作の概要図である。
【図7】図7は、無線セル中の操舵可能なアンテナを用
いた移動局の概略図である。
【図8】図8は、TDMAスロット配置の概略図であ
る。
【図9】図9は、本発明の一実施例で動作する適応アン
テナアレーの概略図である。
【図10】図10は、本発明の一実施例の適応アンテナ
アレーシステムの概略図である。
【図11】図11は、GSMまたは同類の通信システム
のために動作可能な本発明の一実施例の、有指向性ビー
ムアンテナの設定と制御のためのフローチャートを示す
ものである。
【図12A】図12Aは、図11のフローチャートに従
って動作するアンテナの全方向性アンテナビームパター
ンの概要を示すものである。
【図12B】図12Bは、図11のフローチャートに従
って動作するアンテナの0°から180°のアンテナビ
ームパターンの概略を示すものである。
【図12C】図12Cは、図11のフローチャートに従
って動作するアンテナの180°から360°のアンテ
ナビームパターンの概略を示すものである。
【図12D】図12Dは、図11のフローチャートに従
って動作するアンテナの180°から270°のアンテ
ナビームパターンの概略を示すものである。
【図12E】図12Eは、図11のフローチャートに従
って動作するアンテナの270°から360°のアンテ
ナビームパターンの概略を示すものである。
【図13A】図13Aは、基地局に対する移動局の方向
の変化に対するアンテナビーム方向の概要を示すもので
ある。
【図13B】図13Bは、事前に割り当てられた最適な
方向に対し、アンテナビームを−30°向け直した状況
の概要を示すものである。
【図13C】図13Cは、事前に割り当てられた最適な
方向に対し、アンテナビームを+30°向け直した状況
の概要を示すものである。
【図14】図14は、(a)デジタルデータ信号、
(b)CDMA拡散符号、および(c)拡散符号によっ
てデータ信号を変調した結果の概要を示すものである。
【図15】図15は、CDMA通信システムの概略図で
ある。
【図16】図16は、近似的に同一のパス長さを有する
マルチパス信号を受信するためのビームパターンの概略
図である。
【図17】図17は、同一のパス長を有するマルチパス
信号を受信するためのアンテナビームパターンの概略図
である。
【図18】図18は、著しく異なるパス長を有するマル
チパス信号を受信するためのアンテナビームパターンの
概略図である。
【図19】図19は、著しく異なるパス長を有するマル
チパス信号を受信するためのアンテナビームパターンの
もう1つの概略図である。
【図20】図20は、主信号よりも著しく長いパス長を
有するマルチパス信号を受信するためのアンテナビーム
パターンの概略図である。
【図21(a)】CDMAまたは同類の通信システムの
ために動作可能な本発明の一実施例の、有指向性ビーム
アンテナの設定と制御のためのステップのフローチャー
トを示すものである。
【図21(b)】CDMAまたは同類の通信システムの
ために動作可能な本発明の一実施例の、有指向性ビーム
アンテナの設定と制御のためのステップのフローチャー
トを示すものである。
【図21(c)】CDMAまたは同類の通信システムの
ために動作可能な本発明の一実施例の、有指向性ビーム
アンテナの設定と制御のためのステップのフローチャー
トを示すものである。
【図21(d)】CDMAまたは同類の通信システムの
ために動作可能な本発明の一実施例の、有指向性ビーム
アンテナの設定と制御のためのステップのフローチャー
トを示すものである。
【図22(a)】方向センサからなるCDMAシステム
のために動作可能な本発明の一実施例の、有指向性ビー
ムアンテナの設定と制御のためのステップのフローチャ
ートを示すものである。
【図22(b)】方向センサからなるCDMAシステム
のために動作可能な本発明の一実施例の、有指向性ビー
ムアンテナの設定と制御のためのステップのフローチャ
ートを示すものである。
【図22(c)】方向センサからなるCDMAシステム
のために動作可能な本発明の一実施例の、有指向性ビー
ムアンテナの設定と制御のためのステップのフローチャ
ートを示すものである。
【図22(d)】方向センサからなるCDMAシステム
のために動作可能な本発明の一実施例の、有指向性ビー
ムアンテナの設定と制御のためのステップのフローチャ
ートを示すものである。
【符号の説明】
64 無線装置ハウジング 404 アンテナスイッチ 416 周波数合成器 418 電圧制御発振器 420 無線周波数電力増幅器 422 制御回路網 424 低ノイズ増幅器およびフィルタ 428 中間周波数フィルタ 430 第2混合器 432 音声フィルタ 434 音声電力増幅器 436 スピーカ 446 第1混合器 502 受信チェーン 504 送信チェーン 506 音声出力チェーン 508 音声受信チェーン 510 復調器/復号器ユニット 512 符号器/変調器ユニット。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04B 7/26 B

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無線通信システム用無線装置であって、
    上記無線装置が、 上記無線装置の不動作期間を判定する手段、および上記
    不動作期間中に受信される信号の信号品質を判定するた
    めの手段、から構成されていることを特徴とする装置。
  2. 【請求項2】 無線装置の動作方法であって、 上記無線装置の不動作期間を判定する段階、および上記
    不動作期間中に受信された信号の信号品質を判定する段
    階、から成ることを特徴とする方法。
JP2000190128A 1999-06-23 2000-06-23 無線通信システム用無線装置およびその動作方法 Pending JP2001053674A (ja)

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