JP2001053312A - 非単結晶シリコン系薄膜光電変換装置の製造方法 - Google Patents

非単結晶シリコン系薄膜光電変換装置の製造方法

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JP2001053312A
JP2001053312A JP11229212A JP22921299A JP2001053312A JP 2001053312 A JP2001053312 A JP 2001053312A JP 11229212 A JP11229212 A JP 11229212A JP 22921299 A JP22921299 A JP 22921299A JP 2001053312 A JP2001053312 A JP 2001053312A
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crystal silicon
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Takayuki Suzuki
孝之 鈴木
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】銀系裏面電極を有する非結晶シリコン系薄膜光
電変換装置を製造するに当たり、熱処理による銀系裏面
電極の劣化を防止して信頼性を向上させ得る光電変換装
置の製造方法を提供する。 【解決手段】銀系電極膜を含む裏面電極層(123)を
備える非単結晶シリコン系薄膜光電変換構造を提供した
後、その光電変換構造を熱処理に供するに際し、銀系電
極膜を含む裏面電極層(123)をガスバリヤー性カバ
ーフィルム(21)で覆う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非単結晶シリコン
系薄膜光電変換装置の製造方法に関する。
【0002】本明細書において、用語「非単結晶」は、
「多結晶」と「微結晶」と「非晶質」とを包含する。ま
た、用語「多結晶」および「微結晶」は、いずれも部分
的に非晶質を含むものを意味する。
【0003】
【従来の技術】現在、太陽電池に代表される光電変換装
置として、非結晶シリコン系材料を用いた薄膜光電変換
装置が実用化されている。この薄膜光電変換装置は、一
般に、透明基板上に、透明前面電極層と、p型層、光電
変換層およびn型層からなる非単結晶シリコン系光電変
換ユニットと、裏面電極層とを順次形成することにより
製造される。かかる構造の光電変換装置は、実用的に
は、それを1単位(単位セル)として、大型の透明基板
上にその複数個が直列または並列に接続されて光電変換
モデュールを構成する。このような光電変換モデュール
は、主として、屋外で使用されたときの裏面電極層の劣
化を防止するためと、降雨や結露等により単位セル間の
結線に付着した水滴に起因する一時的な発電性能の低下
を防止するために、通常、その裏面側(すなわち、裏面
電極側)が封止樹脂層を介して保護フィルムで覆わてい
る。
【0004】上記構成の光電変換装置においては、光電
変換層に入射した光をより有効に利用するために、裏面
電極層は、光反射率の高い金属材料により形成される。
光電変換層により吸収されずにこれを透過した光はこの
高反射率裏面金属電極層により反射されて光電変換層に
再入射し、再び光電変換層により吸収・光電変換される
ので、装置の光電変換効率が向上する。そのような裏面
金属電極層として、主として光反射率と導電性との観点
から、現在、銀系材料がもっぱら使用されている。ま
た、銀原子が下地のシリコン系光電変換ユニット内へ拡
散して混入することを防止するために、銀系裏面電極層
の下側に透明導電性酸化物膜を設けることも行われてい
る(多層構造の裏面電極)。
【0005】ところで、光電変換装置・モデュールは、
裏面電極を形成した後、保護フィルムによる封止前に、
装置特性を向上させるために、熱処理に供される。この
熱処理中に特に非単結晶光電変換層における欠陥が減少
する等により、光電変換効率等の装置特性が、形成直後
の装置特性よりも向上する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、銀系裏
面電極を形成した後の光電変換装置を通常の手法により
熱処理すると、銀系裏面電極の劣化に起因して、その後
に形成する封止樹脂/保護フィルムによる封止の際に銀
系裏面電極との接着が不良となったり、あるいは銀系裏
面電極の下側に透明導電性酸化物膜が形成されている場
合には、銀系裏面電極と透明導電性酸化物膜との密着
(接着)性が低下してしまい、装置の信頼性が低下する
という現象が見いだされた。
【0007】従って、本発明は、銀系裏面電極を有する
非結晶シリコン系薄膜光電変換装置を製造するに当た
り、熱処理による銀系裏面電極の劣化を防止して信頼性
を向上させ得る光電変換装置の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、透明基板上に透明前面電極層を、該透明
前面電極層の裏面側に非単結晶シリコン系薄膜光電変換
ユニットを、該光電変換ユニットの裏面側に銀系電極膜
を含む裏面電極層をそれぞれ形成して非単結晶シリコン
系薄膜光電変換構造を提供する工程、および該光電変換
構造を熱処理に供する工程を備え、該熱処理工程中に該
銀系裏面電極層をガスバリヤー性カバーフィルムで覆う
ことを特徴とする非単結晶シリコン系薄膜光電変換装置
の製造方法を提供する。
【0009】通常、銀系裏面電極層は、実質的に銀から
なり、裏面電極層は、銀系裏面電極膜の前面側に透明導
電性酸化物層を有し得る。本発明において、通常、上記
熱処理は空気雰囲気下に行われる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照しなが
らより詳しく説明する。全図にわたり、同様の要素は、
同様の符号で示されている。
【0011】既述のように、本発明は、透明基板上に透
明前面電極層を、該透明前面電極層の裏面側に非単結晶
シリコン系薄膜光電変換ユニットを、該光電変換ユニッ
トの裏面側に銀系電極膜を含む裏面電極層をそれぞれ形
成して非単結晶シリコン系薄膜光電変換構造を提供する
工程、および該光電変換構造を熱処理に供する工程を備
える光電変換装置の製造方法に関するものである。
【0012】本発明によれば、まず、例えば図1に示す
ように、透光性(透明)基板11上に集積された複数の
光電変換構造(単位セル)12からなる光電変換モデュ
ール10を形成する。
【0013】各単位セル12は、透明基板11から順
に、透明前面電極層121、非単結晶シリコン系光電変
換ユニット122、および裏面電極層123を形成する
ことにより製造される。
【0014】透明基板11上に形成される透明前面電極
層121は、ITO膜、SnO2 膜、またはZnO膜の
ような透明導電性酸化物層等で構成することができる。
透明前面電極層121は単層構造でも多層構造であって
もよく、いずれも、蒸着法、CVD法、スパッタリング
法等それ自体既知の気相堆積法を用いて形成することが
できる。透明前面電極層121の表面は、微細な凹凸を
含む表面テクスチャ構造を有することが好ましい。透明
前面電極層121の表面にこのようなテクスチャ構造を
形成することにより、非単結晶シリコン系光電変換ユニ
ット122に入射した光が光電変換に寄与することなく
セル12の外部へと出射されるのを抑制することができ
る。
【0015】通常、透明前面電極層121の上に形成さ
れる非単結晶シリコン系光電変換ユニット122は、そ
れぞれ図示しないが、透明前面電極層121上に形成さ
れたp型非単結晶シリコン系半導体層、非単結晶シリコ
ン系薄膜光電変換層、およびn型非単結晶シリコン系半
導体層を順次積層した構造を有する。これらp型半導体
層、光電変換層42およびn型半導体層はいずれもプラ
ズマCVD法を用いて形成することができる。p型シリ
コン系半導体層は、シリコンまたはシリコンカーバイド
やシリコンゲルマニウム等のシリコン合金で形成するこ
とができ、ボロンやアルミニウム等のp導電型決定不純
物原子がドープされている。p型半導体層上に形成され
る光電変換層は、非晶質シリコン等の非単結晶シリコン
系半導体材料で形成され、そのような材料には、真性半
導体のシリコン(水素化シリコン等)やシリコンカーバ
イドおよびシリコンゲルマニウム等のシリコン合金等が
含まれる。また、光電変換機能を十分に備えていれば、
微量の導電型決定不純物を含む弱p型もしくは弱n型の
シリコン系半導体材料も用いられ得る。この光電変換層
は、非晶質シリコン材料で形成する場合には、通常、
0.1〜10μmの範囲内の厚さに形成される。光電変
換層上に形成されるn型シリコン系半導体層は、シリコ
ンまたはシリコンカーバイドやシリコンゲルマニウム等
のシリコン合金で形成することができ、リンや窒素等の
n導電型決定不純物原子がドープされている。
【0016】光電変換ユニット上122上に形成される
裏面電極層123は、銀または銀合金等の銀系材料で形
成された銀系裏面電極膜を含む。裏面電極層123は、
この銀系裏面電極膜単独で構成されていてもよい。しか
しながら、銀原子が下地のシリコン系光電変換ユニット
内へ拡散して混入することを防止し、銀系電極膜の反射
効率を高めるために、裏面電極層123は、銀系裏面電
極膜の前面側に酸化亜鉛等の透明導電性酸化物膜を形成
した多層構造のものであってもよい。いずれの場合で
も、裏面電極層123は、蒸着法やスパッタリング法等
を用いて形成することができる。
【0017】以上説明した透明前面電極層121や非単
結晶シリコン系光電変換ユニット122等は大面積の薄
膜としてガラス基板11上に形成された後、レーザ加工
等を利用して複数の薄膜に分割され、複数の単位セル1
2が同時に形成される。これら複数の単位セル12は、
電気的に直列接続または並列接続されて、集積構造とさ
れる。
【0018】なお、図1に示されているように、透明基
板11の周縁領域111はサンドブラスト等の手段によ
り、セル12の作製のために被着された透明前面電極薄
膜、シリコン薄膜等が除去され、ガラス面が露出されて
いる。このように、ガラス基板11の周縁領域において
ガラス面が露出していることにより、後に行う封止の際
に封止樹脂との接着力が向上する。
【0019】本発明の方法において、銀系裏面電極12
3を形成した後、光電変換モデュールをその光電変換特
性等の装置特性を向上させるために常法により空気雰囲
気中で熱処理に供するが、その際、図1に示すように、
光電変換モデュールの裏面をガスバリヤー性カバーフィ
ルム21で覆う。カバーフィルム21は、図1に示すよ
うに、基板11の端縁から外側に延在する大きさであ
り、その裏面が基板11の上端縁と接触するように配置
することが好ましい。
【0020】ガスバリヤー性カバーフィルム21は、光
電変換モデュール10を熱処理してその特性を向上させ
る際に、特に銀系裏面電極123を劣化から防止するも
のである。かかる熱処理は、空気雰囲気中で行われるた
め、空気中に含まれる硫黄化合物(SOx 等)により銀
が硫化銀等に変換され、あるいは酸素により酸化銀に変
換されて銀系裏面電極を劣化させるが、光電変換モデュ
ールの熱処理の際に、本発明によりガスバリヤー性カバ
ーフィルムでその裏面を覆うことにより、銀の劣化が効
果的に抑制され、その劣化による銀系裏面電極の反射
率、導電性の低下や銀系裏面電極の保護フィルムとの接
着不良に基づく保護フィルムの剥離が大幅に抑制され得
る。また、銀系裏面電極123の下側(前面側)に透明
導電性酸化物層が設けられている場合には、銀系裏面電
極123と当該透明導電性酸化物層との接着性の低下も
効果的に抑制される。なお、上記熱処理は、通常、a−
Si等の光電変換層の成膜温度以下であって、光電変換
層がa−Siを含む場合には、80℃〜160℃で、1
5分間〜90分間行われる。
【0021】本発明に使用されるガスバリヤー性フィル
ム21には、種々の有機フィルム、金属箔等が含まれ
る。その例を挙げると、ポリエチレンテレフタレートフ
ィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、フッ素樹脂フィ
ルム、アルミニウム箔である。これらフィルムは、空気
中の硫黄化合物ガスに対するバリヤー性のみならず、酸
素ガスバリヤー性や耐熱性にも優れ、また溶剤や可塑剤
の残留がほとんどないので好ましい。
【0022】本発明の好ましい態様において、上記熱処
理に際して、ガスバリヤー性フィルムとして、後に詳述
する光電変換パネルの裏面を保護するための有機フィル
ムを含む保護フィルムを使用する。有機フィルムを含む
保護フィルムを上記熱処理の際のカバーフィルムとして
使用することにより、当該有機フィルムはその熱処理に
より熱歪が緩和され、寸法安定性が向上する。すなわ
ち、本発明の好ましい態様においては、上記熱処理工程
は、保護フィルムの熱養生を兼ねることができる。その
際、有機保護フィルムとしては、ポリフッ化ビニルフィ
ルムが好ましい。
【0023】なお、上記熱処理の際、図2に示すよう
に、それぞれカバーフィルム21で覆った複数個のモデ
ュール10を積み重ねて一括処理すると効率的である。
【0024】以上述べた熱処理が終了した後、図3に示
すように、光電変換モデュール10の裏面を封止樹脂層
(接着層)31を介して保護フィルム32により保護・
封止する。
【0025】本発明に使用される封止樹脂は、加熱によ
り軟化・溶融を経て硬化し得る樹脂であり、ガラス基板
11上に形成された各単位セルを封止し、保護フィルム
32を強固に接着しうる樹脂である。そのような樹脂の
例を挙げると、例えば、エチレン/ビニルアセテート共
重合体(EVA)、エチレン/酢酸ビニル/トリアリル
イソシアヌレート(EVAT)、ポリビニルブチラール
(PVB)、ポリイソブチレン(PIB)等の熱可塑性
樹脂であり、ガラス基板11との接着性および価格の点
から、EVAが好ましい。いうまでもなく、これら熱可
塑性樹脂には、これを架橋して硬化させるために硬化剤
(架橋剤)が配合されている。そのような硬化剤として
は、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロペル
オキシド等の有機過酸化物を好ましく例示することがで
きる。有機過酸化物架橋剤は、100℃以上の温度に熱
することによりラジカルを発生し、上記封止樹脂を架橋
させるものであり得る。
【0026】保護フィルム32は、屋外環境に置かれた
光電変換モデュール10を保護するものであって、耐湿
性や耐水性に優れ、絶縁性であることが好ましい。その
ような保護フィルム32は、ポリフッ化ビニルフィルム
(例えば、テドラーフィルム(登録商標名))等のフッ
素樹脂フィルムやポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルムのような有機フィルムを封止樹脂層31と
接する側に有するものであればよく、有機フィルムの単
層構造であっても、積層構造であってもよい。さらに、
保護フィルム32は、アルミニウム等からなる金属箔を
これら有機フィルムで挟持した構造を有してもよい。ア
ルミニウム箔のような金属箔は耐湿性や耐水性を向上さ
せる機能を有するので、保護フィルム32をこのような
構造とすることにより、太陽電池サブモデュールの裏面
をより効果的に水分から保護することができる。有機フ
ィルムとしてはフッ素樹脂フィルムが好ましい。
【0027】上記光電変換モデュール10の裏面を封止
樹脂層(接着層)31を介する保護フィルム32による
保護・封止は、通常の真空ラミネート装置を用いて行う
ことができる。
【0028】封止後、封止樹脂層31と保護フィルム3
2は、ガラス基板11の周端面に沿ってトリミング処理
される(図3参照)。
【0029】なお、本発明において、銀系裏面電極の劣
化は、銀硫化物のX線回折分析により検出することがで
き、封止樹脂/保護フィルムとの接着性すなわち封止性
は、保護フィルムを光電変換装置の上面の一端から他端
まで剥離したときの接着力で測定することができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0031】実施例1 一方の主面に厚さ50nmのSiO2層が形成されたガ
ラス板(基板)を準備し、このSiO2層上に、表面に
凹凸テクスチャを有し、かつFがドープされた厚さ約8
00nmのSnO2膜(透明前面電極層)を形成した。
このSnO2膜には、レーザ加工法を用いてパターニン
グすることによりアレイ状とするとともに、それらを電
気的に相互接続する配線を形成した。
【0032】次に、SnO2膜上に、プラズマCVD法
を用いて、厚さ15nmのボロンドープのp型a−Si
C:H(水素含有非晶質シリコンカーバイド)層、厚さ
400nmのノンドープのi型a−Si:H(水素含有
非晶質シリコン)層、および厚さ30nmのリンドープ
のn型μc−Si:H(水素含有微結晶シリコン)層を
順次形成した。以上のようにして、p−i−n接合の非
単結晶シリコン系光電変換ユニットを得た。
【0033】この非単結晶シリコン系光電変換ユニット
をレーザ加工法を用いてパターニングした後、マグネト
ロンインライン式スパッタリング装置を用いて、非単結
晶シリコン系光電変換ユニット上に、厚さ80nmのZ
nO層および厚さ200nmの銀電極層を順次形成し
た。なお、ZnO層および銀電極層の成膜に際しては、
非単結晶シリコン系光電変換ユニットのパターンに対応
した開口部を有するマスクを用いた。また、ZnO層
は、非単結晶シリコン系光電変換ユニットと銀電極層と
の相互拡散を抑制し、かつ銀電極層の反射効率を高める
ように作用し得るものである。
【0034】以上のようにして、電気的に相互接続され
た複数の薄膜光電変換素子を有する薄膜光電変換モデュ
ールを作製した後、この薄膜光電変換モデュールの裏面
をガスバリヤー性カバーフィルムとしてのテドラーフィ
ルムで覆い、150℃で60分間の熱処理に供した。こ
の熱処理後、銀電極層についてX線回折による分析を行
ったところ、硫化銀は全く検出されなかった。
【0035】その後、光電変換モデュール裏面ににEV
A層を介して上記熱処理に用いたテドラーフィルムを貼
着することにより、図2に示す構造を得た。
【0036】比較例1 熱処理に際して、光電変換モデュールの裏面をテドラー
フィルムで覆わなかった以外は実施例1と同様にして薄
膜光電変換モデュールを作製した。熱処理後の銀電極層
についてX線回折による分析を行ったところ、銀電極層
の表面において硫化銀が検出された。
【0037】以上のようにして作製した実施例1および
比較例1に係る薄膜光電変換装置について、EVA層お
よびテドラーフィルムの接着強度を調べた。すなわち、
EVA層およびテドラーフィルムを部分的に銀電極層か
ら剥離し、EVA層およびテドラーフィルムの剥離され
た部分を引き上げることにより剥離を進行させて、この
単位幅の剥離に必要な力を接着強度として測定した。
【0038】その結果、実施例1に係る薄膜光電変換装
置においては銀電極層の中央部において約5kgf/c
mの接着強度が得られたのに対し、比較例1に係る薄膜
光電変換装置においては銀電極層の中央部で0.7kg
f/cm程度にまで接着強度が低下していた。
【0039】すなわち、本発明によれば、光電変換装置
の特性向上のための熱処理において、銀系電極の劣化を
効果的に抑制することができることが確認された。
【0040】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、銀
系裏面電極を有する非結晶シリコン系薄膜光電変換装置
を製造するに当たり、熱処理による銀系裏面電極の劣化
を防止して信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により裏面をカバーフィルムで覆われた
光電変換モデュールの一例を示す概略断面図。
【図2】本発明により裏面をカバーフィルムで覆われた
光電変換モデュールを複数積み重ねた状態を示す概略
図。
【図3】裏面を封止樹脂層/保護フィルムで封止された
光電変換モデュールを示す概略断面図。
【符号の説明】
10…光電変換モデュール 11…ガラス基板 111…ガラス基板の露出周縁部 12…太陽電池単位セル 121…前面透明電極層 122…光電変換ユニット 123…裏面電極層 21…ガスバリヤー性カバーフィルム 31…封止樹脂層 32…保護フィルム

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に透明前面電極層を、該透明
    前面電極層の裏面側に非単結晶シリコン系薄膜光電変換
    ユニットを、該光電変換ユニットの裏面側に銀系電極膜
    を含む裏面電極層をそれぞれ形成して非単結晶シリコン
    系薄膜光電変換構造を提供する工程、および該光電変換
    構造を熱処理に供する工程を備え、該熱処理工程中に該
    銀系裏面電極層をガスバリヤー性カバーフィルムで覆う
    ことを特徴とする非単結晶シリコン系薄膜光電変換装置
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 銀系裏面電極膜が、実質的に銀からなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 裏面電極層が、銀系裏面電極膜の前面側
    に透明導電性酸化物層を有する請求項1または2に記載
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 熱処理を空気雰囲気下に行うことを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の製造方
    法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011249835A (ja) * 2011-08-01 2011-12-08 Nakajima Glass Co Inc 太陽電池モジュールの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011249835A (ja) * 2011-08-01 2011-12-08 Nakajima Glass Co Inc 太陽電池モジュールの製造方法

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