JP2001052709A - 電池用希釈剤非含有熱硬化性アノードペースト - Google Patents

電池用希釈剤非含有熱硬化性アノードペースト

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JP2001052709A
JP2001052709A JP2000220264A JP2000220264A JP2001052709A JP 2001052709 A JP2001052709 A JP 2001052709A JP 2000220264 A JP2000220264 A JP 2000220264A JP 2000220264 A JP2000220264 A JP 2000220264A JP 2001052709 A JP2001052709 A JP 2001052709A
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diluent
thermosetting
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JP2000220264A
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English (en)
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Makurin Michael
マクリン ミカエル
Denis G Fauteux
ジー フォトー デニス
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 希釈剤または揮発性塗布溶媒の不存在下でも
集電体上に塗布可能とする好適な粘性および弾性を有す
るアノードペーストを提供する。 【解決手段】 炭素質活物質と、電解質溶剤と、1種以
上の熱硬化性モノマーとを含む電池用希釈剤非含有熱硬
化性アノードペーストであって、炭素質活物質が、1.
00〜5.00m2/gの範囲の比表面積分布を有す
る、または、炭素質活物質が実質的に球形である、もし
くは、炭素質活物質が1〜15μmの範囲の粒径を有す
ることを特徴とするアノードペースト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池用希釈剤非含
有熱硬化性アノードペーストに関し、詳しくは、希釈剤
または揮発性塗布溶媒の不存在下でも集電体上に塗布可
能な粘弾性を有する高固形分含有熱硬化性アノードペー
ストに関する。本発明は、特にリチウムイオン電池用の
アノードの製造に用いるアノードペーストに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の熱硬化性アノードペースト配合物
は、溶剤、炭素質活物質、電解質溶剤、一つ以上の重合
性モノマー及び希釈剤または塗布溶剤を含む。希釈剤を
使用する理由は、従来のカソードペースト配合物が、高
い粘性および弾性を有し、希釈剤を使用しない場合は、
集電体上への均一な塗布が極めて困難となり、及び/又
は商業的に実用不可能となるためである。希釈剤は、ア
ノードペーストの粘性および弾性を低下させ、集電体上
へのアノードペーストの均一な塗布を可能とする。
【0003】このように、希釈剤を使用したアノードペ
ースト配合物が研究開発なされているが、この希釈剤の
使用は、幾つかの理由によって問題がある。第1に、希
釈剤の使用効果をえるためには、通常、全アノードペー
スト配合物に対し30重量%を超える希釈剤濃度が必要
があるため、アノードペースト配合物の形成に要するコ
ストを実質的に増加させる。第2に、アノードペースト
の混合後、希釈剤を除去する必要がある。この希釈剤除
去は、通常、加熱真空ストリピング法により行われてい
る。希釈剤または塗布溶媒の除去は、製造時間を増加さ
せ、そのため製造コストを増加させる。第3に、回収希
釈剤の廃棄またはリサイクルの問題があり、電池製造に
関連するコストを、更に増加させてしまう。第4に、希
釈剤をストリップ除去した後、得られた”乾燥”アノー
ドペースト配合物は、非常に多孔質となるため、圧縮お
よび中乃至高カレンダー処理等の工程を付加する必要が
ある。カレンダー処理後、アノードペーストには、応力
が残留し、集電体への付着性に悪影響を及ぼす。加え
て、この残留応力は、アノードペーストにとって不都合
なカールを促進するため、電池製造工程を更に煩雑にす
る。これらの欠点によって、特に、集電体に塗布される
アノードペーストの配合および厚さの範囲が制限を受け
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、希釈
剤または揮発性塗布溶媒の不存在下でも集電体上に塗布
可能とする好適な粘性および弾性を有するアノードペー
ストを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意検討した結果、炭素質活物質の粒径分
布、比表面積分布および形態の何れかを特定化すること
により上記課題が解決できることを見い出し、本発明を
完成するに至った。
【0006】本発明は上記の知見に基づき完成されたも
のであり、その第1の要旨は、1.00〜5.00m2
/gの範囲の比表面積分布を有する炭素質活物質と、電
解質溶剤と、1種以上の熱硬化性モノマーとを含む電池
用希釈剤非含有熱硬化性アノードペーストに存する。
【0007】本発明の第2の要旨は、実質的に球形であ
る炭素質活物質と、電解質溶剤と、1種以上の熱硬化性
モノマーとを含む電池用希釈剤非含有熱硬化性アノード
ペーストに存する。
【0008】本発明の第3の要旨は、1〜15μmの範
囲の粒径を有する炭素質活物質と、電解質溶剤と、1種
以上の熱硬化性モノマーとを含む電池用希釈剤非含有熱
硬化性アノードペーストに存する。
【0009】本発明の第4の要旨は、炭素質活物質が、
1.00〜5.00m2/gの範囲の比表面積分布を有
する第2又は3の要旨に記載のアノードペーストに存す
る。
【0010】本発明の第5の要旨は、炭素質活物質が実
質的に球形である第1又は3の要旨に記載のアノードペ
ーストに存する。
【0011】本発明の第6の要旨は、炭素質活物質が1
〜15μmの範囲の粒径を有する第1又は2の要旨に記
載のアノードペーストに存する。
【0012】本発明の第7の要旨は、前記炭素質活物質
の濃度が、アノードペーストに対し70重量%以上であ
る第1〜6の要旨の何れかに記載のアノードペーストに
存する。
【0013】本発明の第8の要旨は、更に、1種以上の
不動態化添加剤を含む第1〜7の要旨の何れかに記載の
アノードペーストに存する。
【0014】本発明の第9の要旨は、更に、1種以上の
熱開始剤を含む第1〜8の要旨の何れかに記載のアノー
ドペーストに存する。
【0015】本発明の第10の要旨は、前記熱開始剤が
過酸化物である第9の要旨に記載のアノードペーストに
存する。
【0016】
【発明の実施の態様】本発明の電池用熱硬化性アノード
ペーストは、希釈剤または塗布溶媒の不存在下でも元来
の粘性および弾性が充分に低く、希釈剤の補助なく、従
来の押出ダイによって集電体上に塗布可能である。本発
明の希釈剤非含有熱硬化性アノードペーストは、炭素質
活物質、電解質溶剤、および一種以上の熱硬化性モノマ
ーから成る。
【0017】炭素質活物質は、通常1.00〜5.00
2/gの範囲の比表面積、好ましくは1.00〜4.
00m2/gの範囲の比表面積、特に好ましくは2.0
0〜4.00m2/gの範囲の比表面積を有する。ま
た、非球形炭素質源に比して流動性が高い観点から、炭
素質活物質の形態が球形である。更に、炭素質活物質
は、1〜150μmの範囲の粒径、好ましくは1〜10
0μmの範囲の粒径、特に好ましくは1〜15μmの範
囲の粒径を有する。なお、本発明において「粒径」は平
均粒径を意味する。具体的な市販品としては、ティムレ
クッス(Timrex:登録商標)SFG−6、ティム
レクッスSFG−10及びティムレクッスSFG−15
及びMCMB10−28(大阪ガス社製)等のカーボン
ブラック又はグラファイトが挙げられ、中でも、MCM
B10−28等の球形炭素質活物質が好ましい。
【0018】電解質はLi塩を溶剤に溶解したもので、
溶剤としてはプロピレンカーボネート(PC)、エチレ
ンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DE
C)又はジメチルカーボネート(DMC)等が例示さ
れ、塩としてはLiPF6、LiAsF6又はLiBF4
等が例示される 。
【0019】熱硬化性モノマーとしては、アクリル酸、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、エトキシエチル
アクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシ
エトキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコール
モノアクリレート、エトキシエチルメタクリレート、メ
トキシエチルメタクリレート、エトキシエトキシエチル
メタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリ
レート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、
N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、グリシジ
ルアクリレート、アリルアクリレート、アクリロニトリ
ル、N−ビニルピロリドン、ジエチレングリコールジア
クリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、
テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレ
ングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジ
メタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレ
ート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポ
リエチレングリコールジメタクリレート、2−(2−エ
トキシエトキシ)エチルアクリレート(EEEA)等の
アクリル系モノマーを挙げることができる。この中でも
アクリル酸エステル、特にアルキレンオキシド変性アク
リル酸エステルが好ましい。これらモノマーは重合が容
易であり、且つ重合で得られるポリマーが電極のバイン
ダー及び電解質成分のゲル化剤として優れた性質を示
す。具体的な商品名としは、、例えば、市販のフォトマ
ー(Photomer)4050及び/又はフォトマー
(Photomer)4158(大阪ガス社製、日本)
が使用できる。
【0020】本発明のアノードペーストは、添加剤とし
て無水琥珀酸、1,6−ジオキサスピロ[4.4]ノナ
ン−2,7−ジオン及び/又は1,4−ジオキサスピロ
[4.5]デカン−2−オン等を含有することが好まし
い。なお、添加剤については米国特許第5,853,9
17号に記載されており、その全内容は参照により本願
に包含される。
【0021】本発明のアノードペーストは、アノードペ
ーストを調製する際に、混合容器に熱開始剤を添加する
ことができる。熱開始剤としては、熱によってモノマー
成分の重合を開始させうる各種のものが使用できるが、
代表的には、過酸化物やアゾ化合物を挙げることができ
る。本発明では、好ましくは過酸化物を使用する。過酸
化物としては、ケトンパーオキサイド、ハイドロパーオ
キサイド、ジアシルパーオキサイド、ジアルキルパーオ
キサイド、パーオキシケタール、パーエステル、パーカ
ーボネート等を挙げることができる。この中でも、パー
エステル(過酸化エステル)が好ましい。過酸化エステ
ルの具体例としては、t−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサノエートやt−ブチルパーオキシ−3,5,5
−トリメトルヘキサノエートを挙げることができる。熱
開始剤の性状としては、添加混合する環境下において液
状を呈するものが、混合の容易さの面から好ましい。市
販品としては、TRIGNOX−21又はTRIGNO
X−42S等が例示される。熱開始剤の含有量は、通常
0.001重量%以上、好ましくは0.01重量%以
上、さらに好ましくは0.1重量%以上とし、また、通
常20重量%以下、好ましくは10重量%以下、さらに
好ましくは5重量%以下とする。
【0022】集電体に上記で調製したアノードペースト
を付着させる。
【0023】以上の説明は単に例示であり、本発明の主
旨を損ねない範囲で種々の変更が可能である。
【0024】以下、上記変更の一例として、本発明にお
いて好ましくは用いられるリチウムイオン電池用アノー
ドペースト及びアノードの構成について説明する。
【0025】活物質成分:アノードペーストに使用する
炭素質活物質は、製造する電池の種類や特性に応じて適
宜選択すればよい。
【0026】炭素質活物質としてはリチウムイオンの吸
蔵放出可能なものであればよく、グラファイトやコーク
ス等挙げられる。斯かる炭素質活物質は、金属、金属
塩、酸化物などとの混合体や被覆体の形態で利用するこ
ともできる。また、活物質成分として、ケイ素、錫、亜
鉛、マンガン、鉄、ニッケル等の酸化物や硫酸塩、金属
リチウム、Li−Al、Li−Bi−Cd、Li−Sn
−Cd等のリチウム合金、リチウム遷移金属窒化物、シ
リコン等を混合してもよい。
【0027】上記活物質成分の使用量は、通常アノード
ペースト全体に対して20重量%以上、好ましくは40
重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上、最も好
ましくは60重量%以上とする。本発明のアノードペー
ストは、活物質成分量を通常よりも多くすることが可能
である。ただし、あまりに多いのも現実的でなく、イオ
ン伝導性が悪化することがあるので、通常99重量%以
下、好ましくは90重量%以下である。
【0028】電解質成分:電解質成分は、通常非水系溶
媒に溶解した支持電解質としてのリチウム塩である。
【0029】支持電解質としては、電解質として正極お
よび負極に対して安定であり、かつリチウムイオンが正
極活物質あるいは負極活物質と電気化学反応をするため
の移動をおこない得る非水物質であればいずれのもので
も使用することができる。具体的にはLiPF6、Li
AsF6、LiSbF6、LiBF4、LiClO4、Li
I、LiBr、LiCl、LiAlCl、LiHF2
LiSCN、LiSO3CF2等のリチウム塩が挙げられ
る。これらのうちでは特にLiPF6、LiClO4が好
適である。
【0030】これら支持電解質を非水系溶媒に溶解した
状態で用いる場合の濃度は、一般的に0.5〜2.5m
ol/Lである。これら支持電解質を溶解する非水系溶
媒は特に限定されないが、比較的高誘電率の溶媒が好適
に用いられる。具体的にはエチレンカーボネート、プロ
ピレンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチル
カーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカ
ーボネートなどの非環状カーボネート類、テトラヒドロ
フラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエ
タン等のグライム類、γ−ブチロラクトン等のラクトン
類、スルフォラン等の硫黄化合物、アセトニトリル等の
ニトリル類等が挙げられる。またこれらの1種または2
種以上の混合物を使用することができる。
【0031】これらのうちでは、特にエチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート
類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エ
チルメチルカーボネートなどの非環状カーボネート類か
ら選ばれた1種または2種以上の溶媒が好適である。ま
たこれらの分子中の水素原子の一部をハロゲンなどに置
換したものも使用できる。
【0032】上記電解質成分の使用量は、通常アノード
ペースト全体に対して1重量%以上、好ましくは5重量
%以上、さらに好ましくは10重量%以上とする。少な
すぎるとイオン伝導性が低下する傾向にあるが、多すぎ
ると全体としての容量が低下する傾向にあるので、通常
70重量%以下、好ましくは50重量%以下、さらに好
ましくは30重量%以下である。
【0033】モノマー成分:モノマー成分は、アノード
ペーストの塗布後加熱等の重合処理によって高分子とな
り、通常アノードのバインダーあるいは電解液のゲル化
剤として作用する。従って、そのような作用をし得る物
質であれば、特に制限はない。例えば、重合によって、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1,1−ジメチ
ルエチレン、ヘキサフルオロプロピレンなどのアルカン
系ポリマー;ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの不
飽和系ポリマー;ポリスチレン、ポリメチルスチレン、
ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドンなど
の環を有するポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリ
メタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリア
クリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル
酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミドなどのアク
リル系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリ
デン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;
ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニドなどの
CN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアル
コールなどのポリビニルアルコール系ポリマー;ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン含有ポリ
マー;ポリアニリンなどの導電性ポリマー、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリ
ウレタン、ポリウレア、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニ
ル、ポリフッ化ビニリデンなどのビニル系ポリマーを生
成するような成分を用いてもよい。好ましくは、前述の
アクリル系モノマー、特にアクリル酸エステルである。
無論、複数のモノマーを存在させることもできる。
【0034】上記モノマー成分の使用量は、通常アノー
ドペースト全体に対して0.1重量%以下、好ましくは
0.5重量%以上、さらに好ましくは1重量%以上とす
る。ただし、あまりに多くしてもイオン伝導性や容量が
低下することがあるので、通常20重量%以下、好まし
くは10重量%以下である。
【0035】添加剤:アノードペーストは、各種の添加
剤を含有することができる。添加剤の例としては、導電
材、補強材、被膜形成材を挙げることができる。導電材
料としては、上記活物質に適量混合して導電性を付与で
きるものであれば特に制限は無いが、アセチレンブラッ
ク、カーボンブラック、黒鉛などの炭素粉末や、各種の
金属のファイバー、箔などを挙げることができる。ま
た、補強材としては各種の無機、有機の球状、繊維状フ
ィラーなどが使用できる。さらに、不働態化添加剤(被
膜形成材)としては、電極形成後、さらには電池製造後
に活物質成分の表面上に形成させることができる被膜を
形成するために使用される各種添加剤が挙げられ、前述
の、無水琥珀酸、1,6−ジオキサスピロ[4,4]ノ
ナン−2,7−ジオン、1,4−ジオキサスピロ[4,
5]デカン−2−オン等の外、ビニレンカーボネート、
トリフルオロプロピレンカーボネート、カテコールカー
ボネート等のカーボネート類、12−クラウン−4−エ
ーテル等の環状エーテル、無水グルタル酸等の酸無水
物、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等の環状ケト
ン、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルト
ン等のスルトン類やチオカーボネート類を含む含硫黄化
合物、イミド類を含む含窒素化合物を挙げることができ
る。これら添加剤の分子量は、通常1000以下、好ま
しくは500以下、さらに好ましくは300以下であ
る。分子量が大きすぎると、充放電へ阻害要因の影響が
高まり、イオン伝導を阻害し逆効果となることがある。
【0036】上記添加剤の使用量は、通常アノードペー
スト全体に対して通常10重量%以下、好ましくは5重
量%以下、より好ましくは2重量%以下であり、また通
常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、
より好ましくは0.5重量%以上とする。
【0037】ポリマー成分:前述のように、アノードペ
ーストにはポリエチレンオキシドのようなポリマー成分
を含有させることができる。ポリマー成分量が多すぎる
と、アノードペーストの粘度が上がりすぎて希釈剤なし
での塗布が困難になることがあるので、通常その濃度
は、アノードペースト全体の10重量%以下、特に5重
量%以下とする。一方で、ポリマー成分の存在によっ
て、電解質成分の保持性や活物質成分の結着性、集電体
基板に対する結着性が向上したりすることがあるので、
上記ポリエチレンオキシドの外、シリケート、ガラスの
ような無機化合物や、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリ−1,1−ジメチルエチレンなどのアルカン系ポリ
マー;ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの不飽和系
ポリマー;ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリビ
ニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドンなどの環を
有するポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタク
リル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル
酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポ
リメタクリル酸、ポリアクリルアミドなどのアクリル系
ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、
ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;ポリア
クリロニトリル、ポリビニリデンシアニドなどのCN基
含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール
などのポリビニルアルコール系ポリマー;ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン含有ポリマー;
ポリアニリンなどの導電性ポリマーなどが使用できる。
【0038】アノードの構成及び製造方法:得られたア
ノードペーストは、通常集電体基板上に押し出された
後、加熱処理によってモノマー成分が重合されアノード
電極となる。
【0039】集電体基板の材料としては、銅、アルミニ
ウム、ニッケル、ステンレス等各種の金属やこれらの合
金を例示することができる。好ましくは、集電体基板と
して銅を使用する。集電体基板の厚みは適宜選択される
が好ましくは1〜30μm、さらに好ましくは1〜20
μmである。薄すぎると機械的強度が弱くなる傾向にあ
り、生産上問題になる。厚すぎると電池全体としての容
量が低下する。これら集電体基板表面には予め粗面化処
理を行うと電極材の接着強度が高くなるので好ましい。
表面の粗面化方法としては、機械的研磨法、電解研磨法
または化学研磨法が挙げられる。機械的研磨法として
は、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバ
フ、鋼線などを備えたワイヤーブラシなどで集電体表面
を研磨する方法が挙げられる。また接着強度や導電性を
高めるために、集電体表面に中間層を形成してもよい。
また、集電体基板の形状は、金属メッシュ以外に、板状
であってもよい。
【0040】集電体上に形成される活物質層の厚さは、
通常1μm以上であり、好ましくは10μm以上であ
る。また、通常200μm以下、好ましくは150μm
以下である。薄すぎると、活物質層の均一性が確保しに
くくなり、また容量が低下する傾向にある。また、厚す
ぎると、レート特性が低下する傾向にある。
【0041】集電体基板と活物質層との間にプライマー
層を設けることができる。その結果、集電基板と活物質
層の接着性をさらに向上させることができる。プライマ
ー層は、導電性材料と結着剤と溶剤とを含む塗料を、集
電基板上に塗布後、乾燥することによって形成させるこ
とができる。
【0042】プライマー層に使用する導電性材料として
は、カーボンブラック、グラファイト等の炭素質粒子
や、金属粉体、導電性高分子等各種のものを使用でき
る。プライマー層に使用する結着剤や溶剤は、活物質層
に使用するものと同様のものを使用できる。プライマー
層の厚さは、通常0.05μm以上、好ましくは0.1
μm以上であり、また通常20μm以下、好ましくは1
0μm以下である。薄すぎると、プライマー層の均一性
が確保しにくくなる傾向にある。また、厚すぎると、電
池の容量レート特性が低下する傾向にある。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。
【0044】実施例1:先ず、下記表で示す熱硬化性ア
ノードペースト成分を、回転シグマブレードを備えた混
合容器に仕込んだ。
【0045】
【表1】
【0046】次いで、開始剤溶液(熱開始剤T−21
(トリゴノックス−21(化薬アクゾ社製)):25重
量%/PC:75重量%)1.0重量%を、上記で調製
した熱硬化性アノードペースト100重量%に添加し
た。なお、上記で使用したフォトマー4050、フォト
マー4158、熱開始剤T−21は、それぞれポリエチ
レングリコールジアクリレート、トリメチロール−プロ
パンエチレンオキシド変性トリアクリレート、t−ブチ
ルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートである。ま
た、上記で用いた炭素質原料(MCMB10−28)は
その平均粒径が10μmであり、比表面積分布が1.0
0〜5.00m2/gの範囲にあり、実質的に球形のも
のである。
【0047】熱硬化性アノードペーストと熱開始剤とを
混合容器に仕込んだ後、制御下に、攪拌を開始し、ペー
ストが充分に均質化されるまで、ブレード速度、回転軸
トルク及び容器温度を観測した。次いで、塗布性をテス
トするため、熱硬化性アノードペーストを従来の電極コ
ーティング装置または押出ダイに装填して塗布/押出を
行ったところ、通常の油圧(約1,000p.s.i.
の範囲)により、10μm厚の銅集電体上にアノードペ
ーストを塗布/押出することが可能であった。熱硬化性
アノードペーストは、次いで、従来技術を使用して、オ
ーブン中で熱硬化した。得られたアノードペーストは、
カールなく且つカレンダー処理等の付加的処理の必要な
く、集電体上に充分に付着していた。本実施例により、
希釈剤を使用することなく、熱硬化性アノードペースト
を調製可能であり、得られた熱硬化性アノードペースト
が、依然充分に低い粘性および弾性を示すため、希釈剤
の不存在下で塗布可能であり、これによって希釈剤の使
用に伴う上述の問題点が解消されたことが解る。
【0048】
【発明の効果】本発明の電池用アノードペーストは好適
な粘性および弾性を有しており、希釈剤または揮発性塗
布溶媒の不存在下でも集電体上に塗布可能なため、本発
明の工業的価値は高い。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1.00〜5.00m2/gの範囲の比
    表面積分布を有する炭素質活物質と、電解質溶剤と、1
    種以上の熱硬化性モノマーとを含む電池用希釈剤非含有
    熱硬化性アノードペースト。
  2. 【請求項2】 実質的に球形である炭素質活物質と、電
    解質溶剤と、1種以上の熱硬化性モノマーとを含む電池
    用希釈剤非含有熱硬化性アノードペースト。
  3. 【請求項3】 1〜15μmの範囲の粒径を有する炭素
    質活物質と、電解質溶剤と、1種以上の熱硬化性モノマ
    ーとを含む電池用希釈剤非含有熱硬化性アノードペース
    ト。
  4. 【請求項4】 炭素質活物質が、1.00〜5.00m
    2/gの範囲の比表面積分布を有する請求項2又は3に
    記載のアノードペースト。
  5. 【請求項5】 炭素質活物質が実質的に球形である請求
    項1又は3に記載のアノードペースト。
  6. 【請求項6】 炭素質活物質が1〜15μmの範囲の粒
    径を有する請求項1又は2に記載のアノードペースト。
  7. 【請求項7】 前記炭素質活物質の濃度が、アノードペ
    ーストに対し70重量%以上である請求項1〜6の何れ
    かに記載のアノードペースト。
  8. 【請求項8】 更に、1種以上の不動態化添加剤を含む
    請求項1〜7の何れかに記載のアノードペースト。
  9. 【請求項9】 更に、1種以上の熱開始剤を含む請求項
    1〜8の何れかに記載のアノードペースト。
  10. 【請求項10】 前記熱開始剤が過酸化物である請求項
    9に記載のアノードペースト。
JP2000220264A 1999-07-22 2000-07-21 電池用希釈剤非含有熱硬化性アノードペースト Withdrawn JP2001052709A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003007304A (ja) * 2001-06-25 2003-01-10 Hitachi Maxell Ltd 非水系電解液二次電池
US7183019B2 (en) 2002-03-06 2007-02-27 Samsung Sdi Co., Ltd. Negative active material composition for a rechargeable lithium battery, method of producing a negative electrode for a rechargeable lithium battery using the same, and rechargeable lithium battery fabricated using the same
JP2012248367A (ja) * 2011-05-26 2012-12-13 Mitsubishi Chemicals Corp リチウムイオン二次電池用炭素材料、負極及びリチウムイオン二次電池

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