JP2001052267A - 共同住宅用火災報知設備 - Google Patents

共同住宅用火災報知設備

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JP2001052267A
JP2001052267A JP11227590A JP22759099A JP2001052267A JP 2001052267 A JP2001052267 A JP 2001052267A JP 11227590 A JP11227590 A JP 11227590A JP 22759099 A JP22759099 A JP 22759099A JP 2001052267 A JP2001052267 A JP 2001052267A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 停電時に、大きな容量の予備電源を用いずと
も住宅情報盤に対しても電源をバックアップすることが
できる共同住宅用火災報知設備を提供する。 【解決手段】 住戸101に設けられた火災感知器60
等と中継器20と住宅情報盤30と、住棟受信機11と
を備え、住宅情報盤30は、住戸内の常用電源71から
電源供給を受け、各火災感知器が火災を感知した時に中
継器20を介して信号を受信し警報動作を行う火災警報
回路部31を有し、住棟受信機11、中継器20および
各火災感知器は、停電時のためのバックアップ機能を有
する電源装置14から電源供給を受けて、常に火災監視
を行うようにした共同住宅用火災報知設備100におい
て、住宅情報盤30に電源を供給している常用電源停止
時に、火災感知器60等が火災を感知すると、その火災
感知器が設けられている住戸の住宅情報盤30の火災警
報回路部31に、電源装置14から電源を供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、マンション等の
共同住宅に設置される共同住宅用火災報知設備であっ
て、特に停電等の常用電源停止時においてもその機能を
維持できる共同住宅用火災報知設備に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マンション等の共同住宅には、該
共同住宅全体について火災の発生を監視し、火災が発生
した場合にはこれを報知する火災報知設備が設けられて
いる。図2には、このような共同住宅用火災報知設備に
ついて示した。図2の火災報知設備10は、住棟受信機
1と、各住戸ごとに設置される中継器2、住宅情報盤
3、ドアホン4、火災感知器5、5等から構成される。
なお、図2では、1つの住戸内の火災感知器は便宜的に
2個示しているがこれに限定されるものではない。
【0003】中継器2は、各住戸ごとに住戸外から操作
できるように共同住宅の開放廊下に面して設置されてお
り、住棟受信機1と、住戸内の住宅情報盤3および火災
感知器5、5との間を中継するものであり、住宅情報盤
3や火災感知器5,5からの信号を住棟受信機1に送信
する一方、住棟受信機1からの信号を受けて住宅情報盤
3や火災感知器5に所定の信号を送信する。また、火災
報知設備10では各戸の中継器2、住宅情報盤3による
火災監視動作が正常に機能しているか否かを、作業員が
外部試験器7を中継器2に接続することによって、住戸
外から行うようになっている。
【0004】住宅情報盤3は、火災感知器5、5により
火災が感知された際に住戸内に表示灯や音声による警報
を出したり、火災信号を中継器2を介して住棟受信機1
に対して送信する等行うものである。また、住宅情報盤
3はインターホン機能も兼ね備え、ドアホン4を介して
来訪者と通話したり、さらには管理人室のインターホン
親機6との間で通話して火災発生時等に状況を確認しあ
うことができるようになっている。ドアホン4は住宅情
報盤3に接続され、いわゆるドアホンとして機能すると
ともに、火災時には警報音や音声警報を発生させたり表
示灯を点滅させたりすることにより、住戸外に報知する
ものである。
【0005】住棟受信機1は、全ての住戸の中継器2を
介して火災報知設備10を統括するもので共同住宅の管
理人室等に設置される。たとえば、住棟受信機1は中継
器2からの火災信号により、どの階で火災が発生したか
を特定し、その場で警報表示を行うとともに、火災が発
生した階やあるいはその直上階の住戸の住宅情報盤3に
対して、警報音や音声警報を行わせるための信号を出力
する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記火災報
知設備10において、住棟受信機1、中継器2および感
知器5には、住棟受信機1に付属する電源装置から電源
が供給されている。この電源装置は通常は常用電源に接
続されて電源を得ているとともに、蓄電池等の予備電源
を備えており常用電源が停止し建物全体が停電しても、
この予備電源によりバックアップされるようなってい
る。したがって、住棟受信機1、中継器2および感知器
5は停電時にも火災の感知等の動作を続けることができ
る。
【0007】一方、住宅情報盤3やドアホン4は各住戸
内の常用電源から電源供給を受け、それ以外のバックア
ップ電源がないため、建物全体が停電になると各住戸に
ついては火災発生の警報等を発することができなかっ
た。これは、インターホン機能についても同様であり、
住棟受信機1に火災信号を発信した住戸に対して管理人
室親機から状況確認を行おうとしても、停電であると、
通話ができず確認を行うことができなかった。
【0008】また、上記のような停電時に前述の外部試
験器7による試験(遠隔試験)を行う際にも、外部の電
源装置から電源供給を受けている火災感知器については
試験を行うことができるが、住宅情報盤3は作動しない
ことから、十分な点検を実施をすることができなかっ
た。
【0009】そこで、停電が発生した時に、予備電源に
よりバックアップされている住棟受信機から住宅情報盤
に電源供給を行うようにした火災報知設備が特開昭59
−189498号公報に記載されている。しかし、前記
公報では、住棟受信機側から全ての住戸の住宅情報盤に
対して電源供給が行われるため、住棟受信機の予備電源
にかかる負荷が大きくなり、電源供給が停止する可能性
がある。また、これを防ぐためにはかなり大きな容量を
有する予備電源を備えなければならず、コストが高くな
ってしまう。
【0010】なお、建物全体が停電していなくても、未
入居の住戸についてブレーカが落とされ常用電源が停止
している場合にも、電源が供給されないことによる問題
が発生する。つまり、未入居住戸については火災発生の
際の住戸内への警報についてあまり考慮する必要はない
が、遠隔試験の際に十分な点検ができないことは前述同
様である。
【0011】この発明は、上記実状に鑑みてなされたも
ので、住棟受信機と、各住戸に設置される中継器、火災
感知器、および住宅情報盤を備える火災報知設備におい
て、常用電源の停電時に住宅情報盤に対して電源をバッ
クアップしながらも、大きな容量の予備電源を必要とせ
ず、また停電時の遠隔試験についても十分な点検を実施
することができる共同住宅用火災報知設備を提供するこ
とを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の請求項1に記載の発明は、各住戸に設けら
れた火災感知器と前記火災感知器および外部試験器が接
続される中継器と前記中継器に接続される住宅情報盤
と、各住戸の前記中継器に接続される住棟受信機とを備
え、前記住宅情報盤は、住戸内の常用電源から電源供給
を受けており、前記火災感知器が火災を感知した時ある
いは前記外部試験器による試験が行われる時等に前記中
継器を介して信号を受信し各種警報動作を行う火災警報
回路部を有し、前記住棟受信機、前記中継器、および前
記火災感知器は、住戸外の常用電源に接続され、かつ、
この常用電源停止時のためのバックアップ機能を有する
電源装置から電源供給を受けて、常に火災監視を行うよ
うにした共同住宅用火災報知設備において、前記住宅情
報盤に電源を供給している常用電源の停止時に、火災感
知器が火災を感知すると、その火災感知器が設けられて
いる住戸の住宅情報盤の少なくとも前記火災警報回路部
に、前記電源装置から電源を供給することを特徴とす
る。
【0013】請求項1に記載の発明によれば、共同住宅
全体が停電あるいは個々の住戸が未入居によりブレーカ
が落ちているといった事情により、住宅情報盤への電源
を供給する常用電源が停電したときに、火災感知器が火
災を感知すると、その感知器が設けられた住戸の住宅情
報盤の少なくとも前記火災警報回路部に前記電源装置か
ら電源が供給されることから、停電時であっても火災感
知という重要なイベントが発生したときには電源がバッ
クアップされ、住宅情報盤は火災警報の動作をすること
ができる。また、共同住宅全体が停電し、電源装置側も
バックアップ機能により電源を供給する状態であって
も、設置されている火災感知器が作動した住戸の住宅情
報盤にのみ電源を供給し、逆に言えば、火災感知器の作
動(火災を感知)していない住戸に対しては、電源装置
から電源供給を行う必要がないため、電源装置のバック
アップ電源の容量を大きくする必要がない。
【0014】請求項1に記載の共同住宅用火災報知設備
において、前記電源装置から前記火災警報回路部への電
源供給は、請求項2に記載の発明のように、前記火災感
知器が火災を感知したときに前記中継器から前記火災警
報回路部へ信号が送信される線路を介して行われてもよ
い。また、請求項2に記載の共同住宅用火災報知設備に
おいて、請求項3に記載の発明のように、前記火災感知
器が火災を感知したときに前記中継器から前記火災警報
回路部へ送信される信号が、有電圧信号であれば、住宅
情報盤の常用電源の停電時に、この信号を利用して火災
警報回路部に対して電源を供給することができる。
【0015】また、請求項4に記載の発明は、各住戸に
設けられた火災感知器と前記火災感知器および外部試験
器が接続される中継器と前記中継器に接続される住宅情
報盤と、各住戸の前記中継器に接続される住棟受信機と
を備え、前記住宅情報盤は、住戸内の常用電源から電源
供給を受けており、前記火災感知器が火災を感知した時
あるいは前記外部試験器による試験が行われる時等に前
記中継器を介して信号を受信し各種警報動作を行う火災
警報回路部を有し、前記住棟受信機、前記中継器、およ
び前記火災感知器は、住戸外の常用電源に接続され、か
つ、この常用電源停止時のためのバックアップ機能を有
する電源装置から電源供給を受けて、常に火災監視を行
うようにした共同住宅用火災報知設備において、前記住
宅情報盤に電源を供給している常用電源の停止時に、前
記中継器に前記外部試験器を接続して試験を行うとき、
その試験を行う住戸の住宅情報盤の少なくとも前記火災
警報回路部に、前記電源装置から電源を供給することを
特徴とする。
【0016】請求項4に記載の発明によれば、共同住宅
全体が停電あるいは個々の住戸が未入居によりブレーカ
が落ちているといった事情により、住宅情報盤への電源
を供給する常用電源が停電している状態で、中継器に外
部試験器を接続して試験を行うとき、その試験を行う住
戸の住宅情報盤の少なくとも前記火災警報回路部に前記
電源装置から電源が供給されることから、停電時であっ
ても火災警報回路部には電源がバックアップされ動作す
ることができるので、従来よりも完全な点検を実施する
ことができる。また、共同住宅全体が停電し、電源装置
側もバックアップ機能により電源を供給する状態であっ
ても、試験を行う住戸の住宅情報盤にのみ電源を供給
し、逆に言えば、試験を行っていない住戸に対しては、
電源装置から電源供給を行う必要がないため、電源装置
のバックアップ電源の容量を大きくする必要がない。
【0017】請求項4に記載の共同住宅用火災報知設備
において、前記電源装置から前記火災警報回路部への電
源供給は、請求項5に記載の発明のように、前記中継器
に前記外部試験器が接続されたときに、前記中継器から
前記火災警報回路部へ信号が送信される線路を介して行
われてもよい。また、請求項5に記載の共同住宅用火災
報知設備において、請求項6に記載の発明のように、前
記中継器に前記外部試験器が接続されたときに、前記中
継器から前記火災警報回路部へ送信される信号が、有電
圧信号であれば、常用電源の停電時には、この信号を利
用して、火災警報回路部に対して電源を供給することが
できる。
【0018】請求項1および請求項4において、「少な
くとも」としたのは、火災警報回路部だけでなく、住宅
情報盤のその他の部分にも電源を供給してもよい、とい
う意味である。たとえば、住宅情報盤がインターホン機
能を発揮するインターホン回路部を有しており、このイ
ンターホン回路部にも電源が供給されれば、火災を発し
た住戸と管理人室等の外部と通話できるようになり、状
況確認することができる。さらに、インターホン回路部
を有する住宅情報盤であれば、当然のことながら、住戸
の玄関付近に設けられるドアホンが接続されているが、
このドアホンに住宅情報盤の火災報知に関する補助的な
機能(たとえば、火災発生時に玄関の外に対して警報を
発する等)を持たせた場合には、このドアホンにも停電
時の電源が供給されるように構成してもよい。また、
「電源装置」は、住棟受信機に設けられていてもよい
し、住棟受信機とは別体で設けられていてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の共
同住宅用火災報知設備(以下、火災報知設備)の一部を
示すものである。図1の火災報知設備100全体の概略
構成は、図2に示すものと全く同様である。以下では、
図1に基づいて主に各住戸に配設された中継器や住宅情
報盤等の詳細について説明する。
【0020】図1において、11は住棟受信機、15は
管理人室のインターホン親機、101は住戸、20は中
継器、30は住宅情報盤、50はドアホン、60,6
1,62は火災感知器である。この火災報知設備100
が設けられている共同住宅においては、各住戸それぞれ
に、住戸101と同様に中継器、住宅情報盤等が設置さ
れており、住棟受信機11に各住戸の中継器が接続さ
れ、全ての住戸の中継器との間で同様に信号の送受信を
行うようになっている。住棟受信機11は火災報知設備
100を統括するもので、共同住宅の管理人室等に設置
され、地区回路12、表示装置13、電源装置14を備
える。電源装置14は、通常は常用電源70から電源を
得ているいるが、バックアップ電源として蓄電池(図示
せず)を備えており、常用電源70からの電源供給が絶
たれた際には、その蓄電池により電源を得るようになっ
ている。
【0021】また、住棟受信機11と各住戸の中継器2
0は、信号線L1と電源線L2とによって接続され、信
号線L1を介して信号の送受信を行うとともに、電源線
L2を介して住棟受信機11から中継器20に対して電
源が供給される。なお、火災感知器60,61,62に
は中継器20を介して電源が供給されており、つまり、
中継器20と火災感知器60,61,62は常時住棟受
信機11から電源の供給を受けている。前述のように、
電源装置14は停電時のバックアップ機能を有している
ので、住棟受信機11、中継器20、火災感知器60,
61,62による火災監視は、停電の発生とは関係なく
常に行われるようになっている。
【0022】中継器20は、住戸101の開放廊下に面
した箇所に設置されるもので、戸外点検切替装置21、
地区回路22、移信回路23を備える。また、中継器2
0は、図2の外部試験器7と同様である外部試験器80
の接続端子と接続するための試験端子24を備えてい
る。
【0023】戸外点検切替装置21は、火災感知器6
0、61、62と外部試験器80からの各信号が入力す
る回路であるとともに、外部試験器80からの試験開始
信号に応じて地区回路22への回路を切断するものであ
る。また、戸外点検切替装置21からは線路L7を介し
て外部試験器80による遠隔試験を行う旨の信号(以
下、試験信号)が出力されるようになっており、この試
験信号は24Vの電圧を有する。また、住戸101内に
配設されている火災感知器60,61,62は、たとえ
ばオンオフ式の熱感知器であり、線路L13を介して中
継器20に接続されている。中継器20と火災感知器6
0,61,62間は相互に送受信を行い、火災感知器6
0,61,62が火災を感知した場合、火災を感知した
感知器から感知器作動信号が中継器20に送信される。
また中継器20は、火災感知器60〜62を含めた線路
L13のどこかに断線が生じた場合、認識するようにな
っている。
【0024】住宅情報盤30は、住戸101の室内に設
置されるもので、火災警報回路部31、インターホン回
路部32、サービスコール回路部33、電源回路34、
警報表示装置38および図示しない表示灯、送受器、ス
ピーカ等を備える。電源回路34は、住戸内の常用電源
71からの電源を、線路L9,L10を介して住宅情報
盤30内の各部に供給するものである。線路L9を介し
て火災警報回路部31に供給される電源はここでは24
Vである。
【0025】火災警報回路部31は、試験信号処理回路
35、警報表示回路36、地区回路37を備えている。
試験信号処理回路35は、線路L7を介して中継器20
の戸外点検切替装置21に接続されており、該戸外点検
切替装置21からの試験信号が入力するようになってい
る。この試験信号は24Vの電圧を有する有電圧信号で
ある。
【0026】地区回路37は、線路L5を介して中継器
20の移信回路23に接続されており、火災感知器6
0,61,62が火災を検出し感知器作動信号を中継器
20に送信すると、移信回路23より移信信号が入力す
るようになっている。この移信信号は24Vの電圧を有
する有電圧信号である。また、火災感知時以外の通常監
視時は、移信回路23より地区回路37に対して前記の
火災検出時よりは低い電圧(たとえば12Vとする)の
信号(監視信号)が送られている。この監視信号は、住
宅情報盤30が停電で動作していなくても、絶えず、中
継器20より発せられる。さらに、前記線路L13が断
線した場合には、移信回路23から線路L5に印加する
電圧値を0Vとし、それにより住宅情報盤30は常用電
源71の通電時であれば火災感知器60,61,62を
含む線路L13の断線を認識し、感知器断線の警報を音
声や表示灯により出すようになっている。
【0027】また、地区回路37は、線路L6を介し
て、中継器20内にあって住棟受信機11と接続されて
いる所定の回路と接続されており、住棟受信機11から
の信号が中継器20を介して入力するようになってい
る。ただし、図1においては、本発明の要点を明瞭とす
るために、その動作説明に直接係わりのない前記所定の
回路を省略し、中継器20内において線路L6と信号線
L1を直接繋いだように描いている。この地区回路37
に前記試験信号処理回路35が接続されており、外部試
験器80による試験が開始した旨の信号が入力するよう
になっている。さらに、地区回路37には警報表示回路
36が接続されており、火災の発生により地区回路37
に所定の信号が入力すると、それを受けて警報表示回路
36を介して、警報表示装置38が作動する。警報表示
装置38は、火災発生時には、所定の音声メッセージを
前記スピーカより発したり、前記表示灯を点滅させるよ
うになっている。
【0028】インターホン回路部32は線路L8を介し
て管理人室のインターホン親機15と接続されており、
非常時等に管理人室と通話できるようになっている。ま
た、この住宅情報盤30はサービスコール機能を有して
いる。すなわち、トイレやバスルームにセンサーや呼び
出しボタンを設置し、これらセンサーや呼び出しボタン
を住宅情報盤30のサービスコール回路部33に接続
し、トイレやバスルーム内で事故等が生じた際にサービ
スコール回路部33を介して、警報音や警告音を鳴動さ
せるようになっているのである。
【0029】ドアホン50は、住戸101のドア付近に
設置されるもので、マイクやスピーカ等を有するインタ
ーホン装置51と、ドアホン表示灯などを有する警報表
示装置52とを備える。インターホン装置51は線路L
3を介して住宅情報盤30のインターホン回路部32に
接続され、外部からの来訪者と住戸101内の住人との
間で通話できるようになっている。また、警報表示装置
52は線路L4を介して警報表示回路36に接続され、
火災発生時や遠隔試験の際に警報表示灯を点滅させた
り、所定の音声メッセージを発し、住戸外に報知するよ
うになっている。また、ドアホン50は、住宅情報盤3
0より電源供給を受けて作動するようになっている。な
お、前述のマイク、スピーカ、ドアホン表示灯は周知の
ものであり、図示等の詳細は省略する。
【0030】ところで、住宅情報盤30においては、線
路L7から分岐する線路L11あるいは線路L5から分
岐する線路L12を介して、中継器20からの前記試験
信号や前記移信信号が線路L9に送られる。これを受け
て、電源供給線である線路L9を介して24Vの電圧が
火災警報回路部31にのみ送られる。常用電源71の停
電時には、火災警報回路部31はこの電圧を駆動電圧と
して作動するようになっている。つまり、常用電源71
が電源回路34に対して電源を供給しているときも、常
用電源71の停電時であっても、移信信号や試験信号に
基づく電圧が線路L11、L12を介して火災警報回路
部31に出力されており、停電時についてはその電圧が
非常に有効であり、すなわち、停電時には、移信信号や
試験信号に乗せて、火災警報回路部31に対して非常用
の電源を供給していると言える。さらに、常用電源71
停電時にはドアホン50も動作不能になるが、住宅情報
盤30の火災警報回路部31に上記のように非常用の電
源が供給されると、ドアホン50の警報表示装置52に
も電源が供給されるようになっている。
【0031】次に上記構成を有する火災報知設備100
の動作を説明する。住宅情報盤30に対して常用電源7
1から電源が供給されている正常時には、上記で述べた
火災警報回路部31、インターホン回路部32、サービ
スコール回路部33による全ての機能が動作できる。し
かし、常用電源71の停電時には、前述のように火災警
報回路部31にのみ電源が供給され、インターホン回路
部32、サービスコール回路部33は作動しない。以下
では、常用電源71の停電時の動作について説明する。
【0032】まず、火災発生時について述べる。火災感
知器60,61,62のいずれかが火災を感知すると、
その感知器から線路L13を介して中継器20に対して
感知器作動信号が出力される。中継器20はこの信号を
受信すると、移信回路23より線路L5を介して住宅情
報盤3の地区回路37に対して移信信号を出力する。こ
の移信信号は線路L5、L12を介して、24Vの電圧
として、さらに線路L9を介して火災警報回路部31に
対して電源としても供給される。
【0033】電源供給を受け動作可能となった住宅情報
盤30は、中継器20からの移信信号の受信を受けて、
「感知器が作動しました」という音声メッセージと警報
音ならびに表示灯の点滅により住戸101の室内に警報
を発する。この警報を受けて火災を確認した住人が住宅
情報盤3の火災確定スイッチ(図示せず)を操作する
か、または前記火災確定スイッチの操作がないまま一定
時間(たとえば2分間)経過しその間火災感知器から中
継器20に対して感知器作動信号が出力され続けた場合
には、住宅情報盤30は、音声メッセージを「火事で
す」に切り換えると共に、中継器20を介して住棟受信
機11に対して、火災信号を出力する。一方、ドアホン
50は、住宅情報盤30の火災警報回路部31から電源
が供給され、感知器が作動したときにその信号を受けて
ドアホン表示灯を点滅させる。さらに、住宅情報盤30
が火災信号を出力すると、ドアホン50も「火事です」
というメッセージと警報音を発する。
【0034】住棟受信機11は、前記火災信号を受信す
ると、受信した旨の信号を中継器20を介して他住戸の
住宅情報盤30に送信する。他住戸の住宅情報盤30
は、この信号が入力されると「火事です」と警報を発す
る。
【0035】次に、外部試験器80を用いた遠隔試験に
ついて述べる。まず、外部試験器80を中継器20の接
続端子24に接続し、外部試験器80から試験開始信号
を送信する。中継器20は、試験開始信号が入力すると
線路L7を介して試験信号を火災警報回路部31の試験
信号処理回路35に送信する。この試験信号は線路L
7、L11を介して、24Vの電圧として、さらに線路
L9を介して火災警報回路部31に電源としても供給さ
れる。
【0036】電源供給を受け動作可能となった住宅情報
盤30は、試験信号の受信を受けて、ドアホン50に試
験が開始した旨の信号を送信するとともに電源を供給す
る。これにより、ドアホン50はドアホン表示灯を点滅
させ、試験の作業員は住宅情報盤30が試験信号を受信
したことを確認する。このドアホン表示灯の点滅は試験
中続く。また、中継器20は、前記試験開始信号を受信
すると、戸外点検切替装置21の回路を切り替え、続け
て行われる火災感知器の試験中は、中継器20から住宅
情報盤30に移信信号が送られないようにする。
【0037】外部試験器80により火災感知器60,6
1,62の試験を順に行い、全て終了すると、終了した
旨の信号(感知器終了信号)が中継器20を介して外部
試験器80に帰ってくる。外部試験器80は、感知器終
了信号を受信すると、次に擬似的な移信信号を住宅情報
盤30の地区回路37に送信する。住宅情報盤30は移
信信号が入力すると、ドアホン50に対して制御信号を
出力する。ドアホン50は「火事です」という音声メッ
セージを発し、これをもって、作業者は、各火災感知器
および住宅情報盤が正常に機能することを確認し、試験
が終了する。前記試験信号が入力されてから所定時間
(たとえば100秒間)経っても、前記の擬似的な移信
信号が入力されない場合には、住宅情報盤30を介して
ドアホン50より「配線を確認してください」といった
音声メッセージが出力されて試験が終了する。
【0038】なお、常用電源71から住宅情報盤30に
対して電源が供給されている場合であっても、上記の火
災発生時や遠隔試験時の火災警報回路部31やドアホン
50の動作は同様である。
【0039】以上の火災報知設備100によれば、共同
住宅全体が停電あるいは個々の住宅が未入居によりブレ
ーカが落ちているといった事情により、住宅情報盤30
への電源を供給する常用電源71が停電したときに、火
災感知器60,61,62のいずれかが火災を感知する
と、これら感知器が設けられた住戸101の住宅情報盤
30の火災警報回路部31に、線路L5を介して電源装
置14から電源が供給されることから、停電時であって
も火災感知という重要なイベントが発生したときには電
源がバックアップされ、住宅情報盤30は火災警報の動
作をすることができる。また、共同住宅全体が停電し、
電源装置14側もバックアップ機能により電源を供給す
る状態であっても、設置されている火災感知器が作動し
た住戸101の住宅情報盤30にのみ電源を供給し、逆
に言えば、火災感知器の作動(火災を感知)していない
住戸に対しては、電源装置14から電源供給を行う必要
がないため、電源装置14のバックアップ電源の容量を
大きくする必要がない。
【0040】また、火災報知設備100によれば、共同
住宅全体が停電あるいは未入居によりブレーカが落ちて
いるといった事情により、住宅情報盤30への電源を供
給する常用電源71が停電している状態で、中継器20
に外部試験器80を接続して遠隔試験を行うとき、その
試験を行う住戸101の住宅情報盤30の火災警報回路
部31に線路L7を介して電源装置14から電源が供給
されることから、停電時であっても火災警報回路部31
には電源がバックアップされ、動作することができるの
で、従来よりも完全な点検を実施することができる。ま
た、共同住宅全体が停電し、電源装置14側もバックア
ップ機能により電源を供給する状態であっても、試験を
行う住戸の住宅情報盤30にのみ電源を供給し、逆に言
えば、試験を行っていない住戸に対しては、電源装置1
4から電源供給を行う必要がないため、電源装置14の
バックアップ電源の容量を大きくする必要がない。
【0041】なお、上記実施の形態では、停電時に住宅
情報盤の火災警報回路部にのみ中継器から電源供給され
る構成としたが、さらにインターホン回路部32やサー
ビスコール回路部33に電源供給されるように構成して
もよい。たとえば、インターホン回路部32にも電源供
給されれば、非常時において管理人室のインターホン親
機15から住戸101内の住人の安否を確認したり、住
戸101側から現在の状況を連絡できるというメリット
がある。
【0042】また、本発明は、具体的な構造等について
上記実施の形態に限定されず適宜変更可能であることは
勿論である。たとえば、有電圧信号の電圧値は適宜変更
可能である。さらに、上記実施の形態では、中継器より
電源が住宅情報盤の内部回路に直接供給されるようにし
たが、この電源を一旦住宅情報盤の電源回路に供給し、
適宜の電源電圧に調整してから内部回路に供給するよう
にしてもよい。
【0043】
【発明の効果】請求項1〜3に記載の発明によれば、共
同住宅全体が停電あるいは個々の住宅が未入居によりブ
レーカが落ちているといった事情により、住宅情報盤へ
の電源を供給する常用電源が停電したときに、火災感知
器が火災を感知すると、その感知器が設けられた住戸の
住宅情報盤の少なくとも前記火災警報回路部に前記電源
装置から電源が供給されることから、停電時であっても
火災感知という重要なイベントが発生したときには電源
がバックアップされ、住宅情報盤は火災警報の動作をす
ることができる。また、共同住宅全体が停電し、電源装
置側もバックアップ機能により電源を供給する状態であ
っても、設置されている火災感知器が作動した住戸の住
宅情報盤にのみ電源を供給し、逆に言えば、火災感知器
の作動(火災を感知)していない住戸に対しては、電源
装置から電源供給を行う必要がないため、電源装置のバ
ックアップ電源の容量を大きくする必要がない。
【0044】請求項4〜6に記載の発明によれば、共同
住宅全体が停電あるいは個々の住宅が未入居によりブレ
ーカが落ちているといった事情により、住宅情報盤への
電源を供給する常用電源が停電している状態で、中継器
に外部試験器を接続して試験を行うとき、その試験を行
う住戸の住宅情報盤の少なくとも前記火災警報回路部に
前記電源装置から電源が供給されることから、停電時で
あっても火災警報回路部には電源がバックアップされ動
作することができるので、従来よりも完全な点検を実施
することができる。また、共同住宅全体が停電し、電源
装置側もバックアップ機能により電源を供給する状態で
あっても、試験を行う住戸の住宅情報盤にのみ電源を供
給し、逆に言えば、試験を行っていない住戸に対して
は、電源装置から電源供給を行う必要がないため、電源
装置のバックアップ電源の容量を大きくする必要がな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の共同住宅用火災報知設備の一例を示す
ブロック図である。
【図2】一般的な共同住宅用火災報知設備の概略を示す
図である。
【符号の説明】
11 住棟受信機 14 電源装置 15 インターホン親機 20 中継器 24 接続端子 30 住宅情報盤 31 火災警報回路部 32 インターホン回路部 33 サービスコール回路部 34 電源回路 50 ドアホン 60,61,62 火災感知器 70 常用電源(住戸外) 71 常用電源(住戸内) 80 外部試験器 100 火災報知設備 L1 信号線 L2 電源線 L3〜L13 線路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石橋 豊一 東京都渋谷区幡ケ谷1丁目11番6号 ニッ タン株式会社内 (72)発明者 桜井 和義 東京都渋谷区幡ケ谷1丁目11番6号 ニッ タン株式会社内 (72)発明者 神谷 喜生 愛知県名古屋市熱田区神野町2丁目18番地 アイホン株式会社内 (72)発明者 藤田 実 愛知県名古屋市熱田区神野町2丁目18番地 アイホン株式会社内 Fターム(参考) 5C087 CC12 CC48 DD04 DD26 EE20 FF01 FF03 FF04 FF14 GG69 GG84 5G405 AA07 CA37

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各住戸に設けられた火災感知器と前記火
    災感知器および外部試験器が接続される中継器と前記中
    継器に接続される住宅情報盤と、各住戸の前記中継器に
    接続される住棟受信機とを備え、 前記住宅情報盤は、住戸内の常用電源から電源供給を受
    けており、前記火災感知器が火災を感知した時あるいは
    前記外部試験器による試験が行われる時等に前記中継器
    を介して信号を受信し各種警報動作を行う火災警報回路
    部を有し、 前記住棟受信機、前記中継器、および前記火災感知器
    は、住戸外の常用電源に接続され、かつ、この常用電源
    停止時のためのバックアップ機能を有する電源装置から
    電源供給を受けて、常に火災監視を行うようにした共同
    住宅用火災報知設備において、 前記住宅情報盤に電源を供給している常用電源の停止時
    に、火災感知器が火災を感知すると、その火災感知器が
    設けられている住戸の住宅情報盤の少なくとも前記火災
    警報回路部に、前記電源装置から電源を供給することを
    特徴とする共同住宅用火災報知設備。
  2. 【請求項2】 前記電源装置から前記火災警報回路部へ
    の電源供給は、前記火災感知器が火災を感知したときに
    前記中継器から前記火災警報回路部へ信号が送信される
    線路を介して行われることを特徴とする請求項1に記載
    の共同住宅用火災報知設備。
  3. 【請求項3】 前記火災感知器が火災を感知したときに
    前記中継器から前記火災警報回路部へ送信される信号
    は、有電圧信号であることを特徴とする請求項2に記載
    の共同住宅用火災報知設備。
  4. 【請求項4】 各住戸に設けられた火災感知器と前記火
    災感知器および外部試験器が接続される中継器と前記中
    継器に接続される住宅情報盤と、各住戸の前記中継器に
    接続される住棟受信機とを備え、 前記住宅情報盤は、住戸内の常用電源から電源供給を受
    けており、前記火災感知器が火災を感知した時あるいは
    前記外部試験器による試験が行われる時等に前記中継器
    を介して信号を受信し各種警報動作を行う火災警報回路
    部を有し、 前記住棟受信機、前記中継器、および前記火災感知器
    は、住戸外の常用電源に接続され、かつ、この常用電源
    停止時のためのバックアップ機能を有する電源装置から
    電源供給を受けて、常に火災監視を行うようにした共同
    住宅用火災報知設備において、 前記住宅情報盤に電源を供給している常用電源の停止時
    に、前記中継器に前記外部試験器を接続して試験を行う
    とき、その試験を行う住戸の住宅情報盤の少なくとも前
    記火災警報回路部に、前記電源装置から電源を供給する
    ことを特徴とする共同住宅用火災報知設備。
  5. 【請求項5】 前記電源装置から前記火災警報回路部へ
    の電源供給は、前記中継器に前記外部試験器が接続され
    たときに、前記中継器から前記火災警報回路部へ信号が
    送信される線路を介して行われることを特徴とする請求
    項4に記載の共同住宅用火災報知設備。
  6. 【請求項6】 前記中継器に前記外部試験器が接続され
    たときに、前記中継器から前記火災警報回路部へ送信さ
    れる信号は、有電圧信号であることを特徴とする請求項
    5に記載の共同住宅用火災報知設備。
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