JP2001051671A - 看板用文字図形作成装置 - Google Patents

看板用文字図形作成装置

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JP2001051671A
JP2001051671A JP11203180A JP20318099A JP2001051671A JP 2001051671 A JP2001051671 A JP 2001051671A JP 11203180 A JP11203180 A JP 11203180A JP 20318099 A JP20318099 A JP 20318099A JP 2001051671 A JP2001051671 A JP 2001051671A
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character
contour
function
data
curve
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JP11203180A
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English (en)
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Kazuo Toraichi
和男 寅市
Koichi Wada
耕一 和田
Motoko Obata
茂都子 小畑
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FLUENCY KENKYUSHO KK
Original Assignee
FLUENCY KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 任意の文字や図形などを高精度かつ忠実に拡
大して看板用の大きな文字や図形を容易に作成できるよ
うにする。 【解決手段】 データ入力手段(S1)は、スキャナ2
3によって文字や図形の内容をドットマトリクスデータ
として取り込む。輪郭点列抽出手段(S2)はこのドッ
トマトリクスデータから輪郭点列を抽出する。関数近似
手段(S3,S4)は、輪郭点列から構成される曲線を
フルーエンシ関数を用いて近似する。フルーエンシ関数
は、有限回微分可能であって、標本位置t=0で1、t
=±1,t≦−2,t≧+2で0、これ以外のtで0以
外の値を有する有限台の標本化関数である。記憶手段
(S5)は、近似結果を文字図形データとして記憶す
る。輪郭線再生手段(S6)は、文字図形データ及び倍
率に基づいて拡大された輪郭線を再生する。文字図形出
力手段は(S7)は、プリンタ22やカッティングプロ
ッタ24を用いて看板媒体に拡大された文字や図形を印
刷したり、切り出したりする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、看板や横断幕など
に表示される大きな文字や図形を作成する看板用文字図
形作成装置に関する。
【0002】なお、本明細書においては、関数の値が局
所的な領域で0以外の有限の値を有し、それ以外の領域
で0となる場合を「有限台」と称して説明を行うものと
する。
【0003】
【従来の技術】宣伝広告用の看板や横断幕などは、表示
内容が遠方からでも容易に認識できるようにするため
に、ある程度の大きさの文字や図形で描かれていなけれ
ばならない。仮名、漢字、英数字などの文字を含む看板
を作成する場合には、これらの文字の大きさに対応した
明朝体やゴシック体などの標準的な文字の原型を用いて
看板媒体に文字を手書きで描いているのが現状である。
また、文字の原型に従ってプラスチックなどの薄板を切
り取り、それを看板媒体に貼り合わせることによって所
望の看板を作成したりしている。文字以外の図形を含む
看板の場合には、その図形を適当な寸法に拡大し、拡大
された図形の輪郭をなぞることによって拡大された図形
を描いたり、プラスチックの薄板を切り取ったりして、
看板を作成していた。なお、本明細書中では、看板の中
には横断幕を含むものとして説明をする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来は、明朝体やゴシ
ック体などの一般的な字体の文字を用いて看板を作成し
ていたため、変化に乏しいありきたりのものしか作成す
ることができなかった。なお、手書き文字などのように
特別なデザインを施した定形以外の任意の書体の文字を
用いて看板を作成することも可能であるが、この場合に
は、文字の原型が存在しないので、元となる文字を複数
回拡大コピーして、その輪郭をなぞって拡大文字を作成
していた。複雑な図形の場合も同様に拡大コピーによっ
て拡大図形を作成していた。しかしながら、拡大コピー
を繰り返すことによって、文字や図形の一部が欠落した
り、潰れたりして、元の文字や図形の内容を忠実に拡大
することができずに、拡大後の図形に修正を加える必要
があり、一つの文字や図形を作成するのに多大の労力と
時間を要すると共にその修正にも高度の熟練を要してい
た。
【0005】本発明は、このような点に鑑みて創作され
たものであり、その目的は、任意の文字や図形などを高
精度かつ忠実に拡大して看板用の大きな文字や図形を容
易に作成することのできる看板用文字図形作成装置を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された本
発明の看板用文字図形作成装置は、文字や図形などに対
応したドットマトリクスデータを入力するデータ入力手
段と、前記ドットマトリクスデータの中から前記文字や
図形の輪郭に対応した輪郭点列を抽出する輪郭点列抽出
手段と、前記輪郭点列によって表される曲線を、有限回
微分可能であって、標本位置t=0で1、t=±1,t
≦−2,t≧+2で0、これ以外のtで0以外の値を有
する有限台の標本化関数に基づいて近似する関数近似手
段と、前記関数近似手段による近似結果を文字図形デー
タとして記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶され
ている前記文字図形データ及び倍率に基づいて拡大され
た輪郭線を再生する輪郭線再生手段と、前記輪郭線に基
づいて看板媒体に拡大された文字や図形を出力する文字
図形出力手段とを含んで構成されるものである。
【0007】データ入力手段は、スキャナなどによって
看板媒体に表示したい文字や図形をドットマトリクスデ
ータとして取り込む。輪郭点列抽出手段は取り込まれた
ドットマトリクスデータから文字や図形の輪郭に対応し
た輪郭点列を抽出する。この輪郭点列は複数のドットの
連結されたものであり、階段状ではあるが文字や図形の
輪郭形状に対応した曲線と見なすことができる。関数近
似手段は、このような輪郭点列から構成される曲線をフ
ルーエンシ関数を用いて近似する。このフルーエンシ関
数は、有限回微分可能であって、標本位置t=0で1、
t=±1,t≦−2,t≧+2で0、これ以外のtで0
以外の値を有する有限台の標本化関数である。このフル
ーエンシ関数は、従来から知られているsinc関数と
称される標本化関数と同様に、その近似される曲線の位
置の値をそのまま係数として利用することができる。そ
こで、関数近似手段は、輪郭点列で構成される階段状の
曲線に対応した滑らかな曲線(近似曲線)をこのフルー
エンシ関数を用いて生成する。フルーエンシ関数は有限
台の関数なので、sinc関数を用いる場合に生じてい
た打ち切り誤差もなく、高速に演算でき、処理の精度も
高い。記憶手段は、近似曲線を生成するための関数に関
するデータのみを文字図形データとして記憶するだけで
よい。輪郭線再生手段は、この文字図形データ及び倍率
に基づいて拡大された輪郭線を再生する。文字図形出力
手段は拡大再生された輪郭線に基づいて看板媒体に文字
や図形を印刷したり、プラスチックなどの薄板をカッテ
ィングしたりして、看板用の文字や図形を作成する。拡
大再生された輪郭線に基づく文字や図形は、従来のよう
に単純に拡大コピーした場合に生じていた文字や図形の
一部が欠落したり、潰れたり、ジャギーが発生したりな
どして品質劣化が生じることもなく、元の文字や図形の
内容と完全に相似関係にある。従って、手書き文字など
のように特別なデザインを施した定形以外の任意の書体
の文字や図形などを拡大して看板用の文字や図形を作成
する場合でも簡易かつ短時間に高度の熟練を要すること
なく行うことができる。
【0008】請求項2に記載された本発明の看板用文字
図形作成装置は、前記請求項1に記載された看板用文字
図形作成装置の一実施態様として、前記関数近似手段
を、前記輪郭点列によって表される曲線のx方向及びy
方向のそれぞれの値を媒介変数tを用いて変数tに対し
て多値を取らないような曲線に変換し、変換後の曲線を
前記標本化関数で近似するようにしたものである。輪郭
点列から構成される曲線がドットマトリクス上の複数の
ドットによって構成されている場合、その曲線が変数に
対して多値を取らない一次元的な単純な曲線で構成され
る場合にはそのまま近似を行える。しかしながら、その
曲線が変数に対して多値を取る場合、標本化関数を適用
することができない。従って、この発明では、ドット列
によって表される曲線を媒介変数を用いて変数tに対し
て多値を取らない曲線に変換し、変換後の曲線に対して
前述のような標本化関数を用いて近似を行うようにし
た。
【0009】請求項3に記載された本発明の看板用文字
図形作成装置は、前記請求項1に記載された看板用文字
図形作成装置の一実施態様として、次元数をn、前記曲
線の両端の間隔をmとした場合に、標本間隔がm/nで
あって、標本位置t=0で1、t=±m/n,t≦−2
m/n,t≧+2m/nで0、これ以外のtで0以外の
値を有する標本化関数を用いて、前記曲線の両端位置、
前記両端位置から前記曲線の外側にm/n離れた位置、
及び前記曲線内であっていずれか一方の端からm/nの
整数倍の位置をそれぞれの標本位置とし、前記両端位置
及び前記内側位置における標本値にはその位置における
値を適用し、前記外側位置における標本値には前記両端
位置の値であって当該位置から遠い方の値を適用するよ
うにしたものである。この発明では、次元数に応じて標
本化関数がどのように適用されるのかを具体的に限定し
た。例えば、次元数が1の場合には、輪郭点列から構成
される曲線の両端位置と、その両外側の合計4つの位置
に標本化関数が適用される。次元数が2の場合には、そ
の曲線の両端位置と、その外側の2つの位置と、曲線の
中央位置の5つの位置に標本化関数が適用される。すな
わち、次元数が2の場合には曲線を2等分割した位置、
次元数が3の場合には曲線を3等分割した位置、という
具合に次元数に応じた分割位置に標本化関数が適用され
る。また、曲線の外側に標本化関数を適用した場合に、
対応するデータが存在しないことを想定し、その場合の
値を具体的に限定した。
【0010】請求項4に記載された本発明の看板用文字
図形作成装置は、前記請求項1に記載された看板用文字
図形作成装置の一実施態様として、前記標本化関数を、
全域が1回だけ微分可能であって有限台の値を有するよ
うにしたものである。近似しようとする曲線が滑らかに
変化するので、標本化関数も微分可能性が必要となる。
しかしながら、その微分回数は必ずしも無限回である必
要なく、むしろ一回だけ微分可能であれば十分に曲線を
近似することができ、演算時間の短縮化も図ることがで
きるので好ましい。
【0011】請求項5に記載された本発明の看板用文字
図形作成装置は、前記請求項4に記載された看板用文字
図形作成装置の一実施態様として、前記標本化関数を、
−2≦t<−3/2については(−t2 −4t−4)/
4で、−3/2≦t<−1については(3t2 +8t+
5)/4で、−1≦t<−1/2については(5t2
12t+7)/4で、−1/2≦t<1/2については
(−7t2 +4)/4で、1/2≦t<1については
(5t2 −12t+7)/4で、1≦t<3/2につい
ては(3t2 −8t+5)/4で、3/2≦t<2につ
いては(−t2 +4t−4)/4で定義されるようにし
たものである。これは、有限回微分可能であって、標本
位置t=0で1、t=±1,t≦−2,t≧+2で0、
これ以外のtで0以外の値を有する有限台の標本化関数
を具体的に限定したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の看板用文字図形作
成装置の一実施の形態について、図面を参照しながら説
明する。図2は、本実施の形態に係る看板用文字図形作
成装置の概略構成を示すハード構成ブロック図である。
この看板用文字図形作成装置は、汎用のコンピュータシ
ステムに文字図形作成処理を制御するソフトウェアをイ
ンストールし、スキャナ、プリンタ及びカッティングプ
ロッタなどの周辺機器を接続することによって構成され
る。
【0013】CPU10は看板用文字図形作成装置全体
の動作を制御するものである。このCPU10に対し
て、データ及びアドレスバス25を介してプログラムメ
モリ11、ワーキングメモリ12、外部記憶装置13、
マウス検出回路14、キーボード検出回路15、表示制
御回路16、プリンタ制御回路17、スキャナ制御回路
18、カッティングプロッタ24などが接続されてい
る。
【0014】CPU10は、プログラムメモリ11及び
ワーキングメモリ12内の各種プログラムや各種デー
タ、及び外部記憶装置13から取り込まれたデータに基
づいて装置全体の動作を制御する。この実施の形態で
は、外部記憶装置13として、ハードディスクドライブ
(HDD)、フロッピーディスクドライブ(FDD)、
CD−ROMドライブ、光磁気ディスク(MO)ドライ
ブ、ZIPドライブ、PDドライブ、DVDなどが用い
られる。これ以外の記憶装置が接続してあってもよい。
【0015】プログラムメモリ11はCPU10のシス
テム関連のプログラム、各種のパラメータやデータなど
を記憶しているものであり、リードオンリメモリ(RO
M)で構成される。ワーキングメモリ12はCPU10
がプログラムを実行する際に発生する各種のデータを一
時的に記憶したりするものであり、ランダムアクセスメ
モリ(RAM)の所定のアドレス領域がそれぞれ割り当
てられてレジスタやフラグ等として利用される。なお、
プログラムメモリ11に文字図形作成処理用の動作プロ
グラムや各種データなどを記憶させる代わりに、CD−
ROMドライブ等の外部記憶装置13に各種のデータや
任意の動作プログラムを記憶させてもよい。外部記憶装
置13に記憶されている動作プログラムや各種データ
は、ワーキングメモリ12等に転送記憶させることがで
きる。これにより、文字図形作成処理用の動作プログラ
ムのバージョンアップなどを容易に行うことができる。
【0016】マウス19はポインティングデバイスであ
り、マウス19からの入力信号をマウス検出回路14に
よって位置情報に変換して、データ及びアドレスバス2
5を介してCPU10に供給する。キーボード20は、
数値データ入力用のテンキーや文字データ入力用のキー
を備えたものである。キーボード検出回路15は、キー
ボード上の各キーに対応して設けられており、これらの
各スイッチ群の操作状況に応じたスイッチオンイベント
を出力する。表示制御回路16はディスプレイ21の表
示内容を制御する。ディスプレイ21は液晶表示パネル
(LCD)等から構成され、表示制御回路16によって
その表示動作が制御される。プリンタ22は、紙やプラ
スチックなどの平面の看板媒体に直接文字や図形を印刷
したり、カッティングプロッタ24によるカッティング
処理の前に文字や図形を予め印刷してその内容を確認し
たりするためのものである。プリンタ制御回路17は作
成された文字図形データに基づいて文字や図形をラスタ
ライザしてプリンタ22に出力する。スキャナ23は、
手書き文字や毛筆文字などのような複雑な曲線で構成さ
れた文字や図形などをコンピュータで処理可能なデジタ
ルデータに変換するものである。スキャナ制御回路18
は、スキャナ23による読み取り解像度や読み取り範囲
などを制御するものである。カッティングプロッタ24
は、カッティング用の刃を輪郭線に従って忠実に動か
し、紙、プラスチック、熱転写シート、金属板などの看
板媒体を切断するものである。
【0017】以下、看板用文字図形作成装置がどのよう
にして看板媒体に印刷用の文字や図形を印刷したり、看
板媒体のカッティング用の輪郭線を作成して、カッティ
ング処理を行うのか、その動作について図1を用いて説
明する。図1は看板用文字図形作成装置が実行する文字
図形作成処理の一例を示す図である。看板用文字図形作
成装置は図1のフローチャートに従って以下に示すよう
なステップで順番に文字図形作成処理を実行する。
【0018】ステップS1では、スキャナ23を用いて
看板に描かれるべき文字や図形の内容を取り込むための
画像データの入力処理が行われる。この入力処理では、
スキャナ23によって取り込まれた画像データを256
×256メッシュのドットマトリクスを基本単位として
分割して取り込む。なお、画像データは、予めスキャナ
23によって読み取られた文字や図形の内容を表すもの
であって、外部記憶装置13に記憶されているものでも
よいし、または操作者がディスプレイ21上で作成した
文字や図形の内容を二値の画像データに変換したもので
もよい。以下、スキャナ23によって取り込まれた画像
データの中に図3に示すようなゴシック体の「あ」とい
う文字が存在するものと仮定して説明する。
【0019】ステップS2では、前のステップS1で入
力された画像データの中の基本単位毎に輪郭点列の抽出
が行われる。すなわち、基本単位として取り込まれた2
56×256メッシュのドットマトリクスデータの中に
含まれる文字や図形に関する画像データに基づいて近傍
概念を3×3として構成される8連結で輪郭線の追跡が
行われ、これによって、いくつかの輪郭点列{(xi1
i1)}n1 i1=1が抽出される。なお、輪郭点数が8画素
以下の場合には、その輪郭点列はノイズであると判断さ
れ、輪郭点列として取り込まれないようになっている。
なお、これ以降は図4に示すような80×80メッシュ
マトリクスデータの中に「あ」の画像データが含まれて
いる場合に、この画像に基づいて文字図形データをどの
ように作成するかについて説明する。
【0020】ステップS3では、前のステップS2で抽
出された輪郭点列について、離散的な曲率に基づいて直
角の角点及び直線の両端点が明白な接合点として抽出さ
れる。
【0021】まず、直角の角点が接合点として抽出され
る場合について説明する。輪郭点列{(xi1,yi1)}
n1 i1=1上の1点Pi1(xi1,yi1)から輪郭点列上で前
後にK1 個だけ離れた点Pi1+K1(xi1+K1,yi1+K1)、P
i1-K1(xi1-K1,yi1-K1)を設定し、線分Pi1i1+K1
線分Pi1i1-K1との成す角度の余弦 Pi1K1=ai1K1・bi1K1/(|ai1K1||bi1K1|)
(i1=1,2,…,n1) を求める。この式において、ai1K1、bi1K1は、 ai1K1=(xi1+K1−xi1,yi1+K1−yi1) bi1K1=(xi1-K1−yi1,yi1-K1−yi1) とし、記号「・」はベクトルの内積を表すものとする。
【0022】この処理の結果、輪郭点列{(xi1
i1)}n1 i1=1の中でPi1K1=0である点が存在すれ
ば、その点を直角の角点であると判断し、その輪郭点を
接合点とする。なお、定数K1 の値は、実験結果に基づ
き、K1 =3とする。
【0023】図5は、図4のドットマトリクスデータの
輪郭点t1から輪郭点t140までに相当する部分(文
字「あ」の右上部分)を拡大して示した図である。図5
においては、輪郭点t10,t20,・・・のように1
0個毎の輪郭点に関しては符号を付して示し、その中間
に位置する輪郭点については符号を省略しているが、符
号の付していない輪郭点についても符号が付してあるも
のとして説明する。図5において、K1 =3として直角
の角点を抽出すると、輪郭点t25,t61,t91,
t101,t127がそれぞれ直角の角点として抽出さ
れる。図では、この直角の角点を黒塗りの四角形で示し
てある。
【0024】直角の角点が抽出されたら、次に直線の両
端点を接合点として抽出する。上述の処理によって求め
られた各角点の余弦{Pi1K1n1 i1の値を調べて、P
i1K1=−1である点がK2 個以上連続して存在すれば、
更に両側にK1 個ずつ延長した輪郭点列を直線の始点と
終点、すなわち直線の両端点とみなして、その輪郭点を
接合点として抽出する。なお、しきい値K2 は、実験結
果に基づいてK2 =25とする。このK2 =25は25
6×256メッシュのドットマトリクスデータにおける
値であるから、この値を用いて、図5の80×80メッ
シュのドットマトリクスデータから直線の両端点を抽出
しても、直線の両端点は抽出することは困難なので、こ
こでは、K2 =8として、図5のドットマトリクスデー
タに対して直線の両端点の抽出を行う。すると、輪郭点
t72,t86が直線の両端点、すなわち接合点として
抽出される。
【0025】直角の角点及び直線の両端点の抽出処理を
全てのi1 (i1 =1,2,…,n 1)に対して行うと、
輪郭点列{(xi1,yi1)}n1 i1=1における直角な角点
及び直線の両端点が接合点{(xi2 B,yi2 B)}n2 i2=1
してすべて求められる。ここで、n2 は求められた接合
点の総数を表す。
【0026】ステップS4では、ステップS3によって
抽出された接合点であって、直線の両端以外の接合点間
に存在する輪郭点列を自由曲線とみなして区分的な関数
で近似する処理を行う。すなわち、明らかに直線と判断
された部分以外の接合点間の輪郭点{(xi3,yi3)}
n3 i3=1 を自由曲線とみなして区分多項式によって近似
する。ここでは、二次元平面上の曲線を簡便に示す媒介
変数表現法を採用し、X方向の近似曲線はSx(t)、y
方向の近似曲線はSy(t)で表現する。近似曲線S
x(t)、Sy(t)は、媒介変数を輪郭点列の番号と対応
させてti3=i3 −1とし、媒介変数表現された輪郭点
列{(ti3,xi3)}n3 i3、{(ti3,yi3)} n3 i3を二
次の区分多項式を用いて最小二乗近似することによって
得られるものである。
【0027】図6は、図5の各輪郭点t1〜t140に
ついて、輪郭点列の番号を媒介変数tとし、輪郭点t1
を原点とした場合におけるドットマトリスデータの各輪
郭点のx方向及びy方向における位置データをそれぞれ
縦軸に示したものである。なお、図5において、x軸の
正方向は輪郭点t1から輪郭点t2に向かう方向であ
り、y軸の正方向は輪郭点t10から輪郭点t11に向
かう方向である。図6に示すように輪郭点列の番号を媒
介変数tとすることによって、図5に示すような輪郭点
{(xi3,yi3)}n3 i3=1 から構成される2次元平面上
の複雑な曲線を、図6のような1次元平面上の単純な曲
線に変換することができる。図6のような一次元平面上
の曲線について二次の区分多項式を用いて最小二乗近似
によって近似曲線Sx(t)、Sy(t)を求める。この場
合、輪郭点列t1〜t25、t25〜t61、t61〜
t71、t87〜t91、・・・の順番で近似処理を行
う。なお、直線の両端点として抽出された輪郭点列t7
2〜t86についてはこの近似処理は行わない。
【0028】ここでは、輪郭点列{(ti3,xi3)}n3
i3、{(ti3,yi3)}n3 i3を近似するための二次の区
分多項式として、フルーエンシ関数を用いる。フルーエ
ンシ関数は、有限回微分可能であって有限台の値を有す
る標本化関数H(t)である。具体的には、この標本化
関数H(t)は、3階Bスプライン関数をF(t)とし
たときに、 H(t)=−F(t+1/2)/4+F(t)−F(t
−1/2)/4 で求めることができるものである。
【0029】図7は、この標本化関数H(t)の説明図
である。図7に示す標本化関数H(t)は、微分可能性
に着目した有限台の関数であり、全域で1回だけ微分可
能であって、横軸に沿った標本位置tが−2から+2の
ときに0以外の有限な値を有する有限台の関数である。
また、この標本化関数H(t)は、t=0の標本点のみ
で1となり、t=±1,t≦−2,t≧+2において0
になるという特徴を有する。しかも、この標本化関数H
(t)は、t=±2において0に収束する。従って、こ
のような関数H(t)を用いて、上記ステップS2,S
3によって抽出された接合点間の近似を行うことによ
り、少ない演算量で高精度の近似を行うことができる。
【0030】上述の3階Bスプライン関数F(t)は、 (4t2 +12t+9)/4 ;−3/2≦t<−1/2 −2t2 +3/2 ;−1/2≦t<1/2 (4t2 −12t+9)/4 ;1/2≦t<3/2 で表すことができる。このような二次関数による区分多
項式によって上述した標本化関数の演算を行うことがで
きる。
【0031】また、3階Bスプライン関数F(t)を用
いて標本化関数H(t)を定義したが、次のような二次
の区分多項式を用いて標本化関数H(t)を等価的に表
すこともできる。
【0032】 (−t2 −4t−4)/4 ;−2≦t<−3/2 (3t2 +8t+5)/4 ;−3/2≦t<−1 (5t2 +12t+7)/4 ;−1≦t<−1/2 (−7t2 +4)/4 ;−1/2≦t<1/2 (5t2 −12t+7)/4 ;1/2≦t<1 (3t2 −8t+5)/4 ;1≦t<3/2 (−t2 +4t−4)/4 ;3/2≦t<2 図8及び図9は、図6に示したy方向の輪郭点列t25
〜t61の区間について上述の区分多項式を用いた近似
処理を行う場合の具体例を示す図である。図において、
輪郭点列t25〜t61のy方向の値は、図6と同様
に、輪郭点t1を原点とした場合におけるドットマトリ
スデータの各輪郭点のy方向における位置データで表さ
れる。輪郭点列t25〜t61は、t25〜t28では
16、t29〜t39では15、t40〜47では1
4、t48〜t53では13、t54〜61の間では徐
々に1ずつ増加し、最終的にt61で21となるような
37個の位置データ群で構成される。
【0033】このような位置データ群によって構成され
る輪郭点列の凹凸を全点にわたって高精度に近似するた
めに、上述のような近似関数の誤差εが所定の許容誤差
値(例えば0.9)より小さくなるまで、上記フルーエ
ンシ関数系の次元数を一つずつ増加していき、近似曲線
を決定するという作業を行う。なお、フルーエンシ関数
の次元数とは、その近似される区間にいくつの標本点デ
ータを設定して近似するのかを示すものであり、分割数
とも呼ぶ。この次元数(分割数)の具体的な意味につい
ては後述する。
【0034】まず、図8(a)に示すように、輪郭点列
t25〜t61の全区間の両端に位置する標本点データ
を用いて、それらの間の区間を標本間隔36の標本化関
数H 1 を用いて近似する。輪郭点列t25〜t61間が
36個の輪郭点で構成されているので、標本間隔36の
標本化関数H1(t)は次元数が1の標本化関数H1(t)
となる。標本化関数H1(t)は、標本位置t=0で1、
t=±36,t≦−72,t≧+72で0、これ以外の
tで0以外の値を有する。この場合、輪郭点列t25〜
t61の両側には、区間内のデータが周期的に繰り返さ
れるものとして、輪郭点t25の左側に標本間隔36個
分離れた輪郭点taに輪郭点t61と同じ位置データ
を、輪郭点t61の右側に標本間隔36個分離れた輪郭
点tbに輪郭点t25と同じ位置データをそれぞれ配置
して処理する。そして、これらの輪郭点ta、t25、
t61、tbの4つの輪郭点の位置データを標本値とし
て標本間隔36の標本化関数に乗算して、各輪郭点にお
ける標本化関数を求める。
【0035】すなわち、輪郭点t25,tbにおける標
本化関数Y1(t25),Y1(tb)は、標本間隔36の
標本化関数H1(t)に位置データ(標本値)16を乗じ
た16×H1(t)であり、輪郭点ta,t61における
標本化関数Y1(ta),Y1(t61)は、位置データ
(標本値)21を乗じた21×H1(t)である。従っ
て、輪郭点t25とt61との間は、これらの4つの標
本化関数Y1(ta),Y1(t25),Y1(t61),Y
1(tb)を合成して得られた近似関数に基づいて、図8
(a)に示すような近似曲線Sy1によって近似され
る。
【0036】各輪郭点列t25〜t61の各位置データ
と近似曲線Sy1とを比較し、その誤差を算出する。図
8(a)の場合、近似曲線Sy1と各位置データとの間
の誤差が許容誤差(0.9)よりも明らかに大きいの
で、標本化関数H1(t)の次元数(分割数)を一つ増加
させて、次元数(分割数)2の標本化関数H2(t)を用
いて同様の処理を行い、近似曲線Sy2を求める。
【0037】すなわち、図8(a)のように次元数が1
の場合には、輪郭点ta、t25、t61、tbの4つ
の輪郭点に、隣り合う輪郭点間の間隔と等しい標本間隔
36の標本化関数Y1(ta),Y1(t25),Y1(t6
1),Y1(tb)を適用することによって得られる近似
曲線Sy1では、輪郭点列t25〜t61を十分に近似
することができないと判断されるので、標本化関数の次
元数(分割数)を一つ増加させて、次元数(分割数)が
2の場合の標本化関数H2(t)を用いて近似曲線Sy2
を求める。
【0038】次元数(分割数)が2の場合の標本化関数
2(t)は図8(b)に示すように、標本間隔が18
(=36/2)の標本化関数である。標本化関数H
2(t)は、標本位置t=0で1、t=±18,t≦−3
6,t≧+36で0、これ以外のtで0以外の値を有す
る。なお、図8(b)、図9(a),図9(b)は、図
8(a)に対して縦横の比率を2倍で示してある。この
標本化関数H2(t)を用いる場合も同様に、輪郭点列t
25〜t61の両側に、区間内のデータが周期的に繰り
返されるものとして、輪郭点t25の左側に標本間隔1
8個分離れた輪郭点tcに輪郭点t61と同じ位置デー
タを、輪郭点t61の右側に同じく標本間隔18個分離
れた輪郭点tdに輪郭点t25と同じ位置データをそれ
ぞれ配置して処理する。次元数(分割数)が2なので、
輪郭点t25〜t61の中間に位置する輪郭点t43の
位置データを標本値として、標本間隔18の標本化関数
2(t)を適用して、近似曲線Sy2を求める。
【0039】輪郭点t25,tdにおける標本化関数Y
2(t25),Y2(td)は、標本間隔18の標本化関数
2(t)に位置データ(標本値)16を乗じた16×H
2(t)であり、輪郭点tc,t61における標本化関数
2(tc),Y2(t61)は、標本間隔18の標本化関
数H2(t)に位置データ(標本値)21を乗じた21×
2(t)であり、輪郭点t43における標本化関数Y
2(t43)は、標本間隔18の標本化関数H2(t)に位
置データ(標本値)14を乗じた14×H2(t)であ
る。従って、輪郭点t25とt61との間は、これらの
5つの標本化関数Y 2(tc),Y2(t25),Y2(t4
3),Y2(t61),Y2(td)を合成して得られる近
似関数に基づいて、図8(b)に示すような近似曲線S
y2によって近似される。なお、本実施形態では、図7
に示したような−2〜+2の範囲で有限台の標本化関数
が用いられているため、近似曲線Sy2の各区分多項式
を求める場合には、4つの標本化関数の値が合成に使用
される。
【0040】各輪郭点列t25〜t61の各位置データ
と近似曲線Sy2とを比較した場合、輪郭点列t47〜
t60の部分の位置データと近似曲線Sy2との間の誤
差が許容誤差(0.9)よりも大きいと判断されるの
で、標本化関数の次元数(分割数)を再度一つ増加させ
た標本化関数H3(t)を用いて同様の処理を行う。
【0041】今度は、標本化関数の次元数(分割数)が
3の場合の標本化関数H3(t)を用いて近似曲線Sy3
を求める。次元数が3の場合の標本化関数H3(t)は図
9(a)に示すように、標本間隔が12(36/3)の
標本化関数であり、標本位置t=0で1、t=±12,
t≦−24,t≧+24で0、これ以外のtで0以外の
値を有する。この標本化関数H3(t)を用いる場合も同
様に、輪郭点列t25〜t61の両側に、区間内のデー
タが周期的に繰り返されるものとして、輪郭点t25の
左側に標本間隔12個分離れた輪郭点teに輪郭点t6
1と同じ位置データを、輪郭点t61の右側に標本間隔
12個分離れた輪郭点tfに輪郭点t25と同じ位置デ
ータをそれぞれ配置して処理する。次元数(分割数)が
3なので、輪郭点t25〜t61を3分割する位置の輪
郭点t37,t49の位置データを標本値として、輪郭
点t37,t49に標本間隔12の標本化関数H3(t)
を適用して、近似曲線Sy3を求める。
【0042】輪郭点t25,tfにおける標本化関数Y
3(t25),Y3(tf)は、標本間隔12の標本化関数
3(t)に位置データ(標本値)16を乗じた16×H
3(t)であり、輪郭点te,t61における標本化関数
3(te),Y3(t61)は、標本間隔12の標本化関
数H3(t)に位置データ(標本値)21を乗じた21×
3(t)であり、輪郭点t37における標本化関数Y
3(t37)は、標本間隔12の標本化関数H3(t)に位
置データ(標本値)15を乗じた15×H3(t)であ
り、輪郭点t49における標本化関数Y3(t49)は、
標本間隔12の標本化関数H3(t)に位置データ(標本
値)13を乗じた13×H3(t)である。従って、輪郭
点t25とt61との間は、これらの6つの標本化関数
3(te),Y3(t25),Y3(t37),Y3(t4
9),Y3(t61),Y3(tf)を合成して得られた近
似関数に基づいて生成された図9(a)に示すような近
似曲線Sy3によって近似される。なお、本実施形態で
は、図7に示したような−2〜+2の範囲で有限台の標
本化関数が用いられているため、近似曲線Sy3の各区
分多項式を求める場合には、4つの標本化関数の値が合
成に使用される。
【0043】各輪郭点列t25〜t61の位置データと
近似曲線Sy3とを比較した場合、輪郭点列t51〜t
56付近の位置データと近似曲線Sy3との間の誤差が
許容誤差(0.9)より大きいと判断されるので、標本
化関数の次元数(分割数)をさらに一つ増加させた標本
化関数H4(t)によって同様の処理を行う。
【0044】次に、標本化関数の次元数(分割数)が4
の場合の標本化関数H4(t)を用いて近似曲線Sy4を
求める。次元数が4の場合の標本化関数H4(t)は図9
(b)に示すように、標本間隔が9(=36/4)の標
本化関数であり、標本位置t=0で1、t=±9,t≦
−18,t≧+18で0、これ以外のtで0以外の値を
有する。この標本化関数H4(t)を用いる場合も同様
に、輪郭点列t25〜t61の両側に、区間内のデータ
が周期的に繰り返されるものとして、輪郭点t25の左
側に9個離れた輪郭点tgに輪郭点t61と同じ位置デ
ータを、輪郭点t61の右側に9個離れた輪郭点thに
輪郭点t25と同じ位置データをそれぞれ配置して処理
する。輪郭点tg,t25,t61,thの位置データ
(標本値)、並びに輪郭点t25〜t61を4分割する
位置の輪郭点t34,t43,t52の位置データ(標
本値)に、それぞれ標本間隔9の標本化関数H4(t)を
適用して、近似曲線Sy4を求める。輪郭点t25とt
61との間は、7つの標本化関数Y4(tg),Y4(t2
5),Y4(t34),Y4(t43),Y4(t52),Y
4(t61),Y4(th)を合成して得られる近似関数に
基づいて、図9(b)に示すような近似曲線Sy4によ
って近似される。なお、本実施形態では、図7に示した
ような−2〜+2の範囲で有限台の標本化関数が用いら
れているため、近似曲線Sy4の各区分多項式を求める
場合には、4つの標本化関数の値が合成に使用される。
【0045】各輪郭点列t25〜t61の各位置データ
と近似曲線Sy4とを比較した場合、各位置データと近
似曲線Sy4との間の最大値誤差εは許容誤差(0.
9)より小さくなる。故に、図6に示したy方向の輪郭
点列t25〜t61は、次元数(分割数)4の標本化関
数H4(t)によって正確に近似されたことになる。
【0046】なお、上述の説明の中で輪郭点列t25〜
t61は、分割対象となる輪郭点の数が36なので、次
元数(分割数)が2〜4であっても、それぞれの分割位
置と輪郭点の位置とが互いに一致するようになってい
る。すなわち、輪郭点の数が分割数によって割り切れる
ようになっている。しかしながら、輪郭点列t25〜t
61の場合に次元数(分割数)が5の場合には、輪郭点
列を構成する輪郭点の数が次元数(分割数)で分割でき
ず、分割位置と輪郭点の位置とが一致しない(分割位置
に輪郭点が存在しない)。この場合には、その分割位置
に対応するデータをその両側2個、合計で4個の輪郭点
の位置データを用いて前述のフルーエンシ関数で補間
し、その分割位置のデータとして補間後のデータを用い
るようにすればよい。
【0047】次元数5で輪郭点列t25〜t61の区間
を分割すると、一区間の大きさは7.2(=36/5)
となり、t32.2,t39.4,t46.6,t5
3.8が標本位置となるが、この標本位置に対応する位
置データは存在しない。そこで、これらの各標本位置の
両側の輪郭点の位置データを用いてフルーエンシ関数で
補間を行う。図10は、標本位置39.4の両側の輪郭
点t38,t39,t40,t41の位置データ(標本
値)を用いてフルーエンシ関数を用いて、その標本位置
39.4の補間された位置データ(標本値)を求める場
合の具体例を示す図である。なお、図10において、位
置データ(標本値)の大きさを示す縦軸は縮小して示し
てある。輪郭点t39の位置データ(標本値)は15で
あり、輪郭点t40の位置データ(標本値)は14であ
る。輪郭点t39とt40との間隔は1なので、標本間
隔1のフルーエンシ関数を用いて、補間処理を行う。こ
の補間処理は、4つの輪郭点t38,t39,t40、
t41を標本位置、これらの位置データを標本値とし
て、標本間隔1のフルーエンシ関数を用いて、輪郭点t
39とt40との間を補間する補間関数を算出する。輪
郭点t38,t39における標本化関数Y(t38),
Y(t39)は、標本間隔1の標本化関数H(t)に位
置データ(標本値)15を乗じた15×H(t)であ
り、輪郭点t40,t41における標本化関数Y(t4
0),Y(t41)は、位置データ(標本値)14を乗
じた14×H(t)である。これらの4つの標本化関数
Y(t38),Y(t39),Y(t40),Y(t4
1)を畳み込み演算処理することによって、図10に示
すような輪郭点t39とt40との間を補間する補間曲
線Shが得られる。この補間曲線Shに基づいて標本位
置t39.4における位置データ(標本値)Phを算出
する。
【0048】なお、フルーエンシ関数で補間する代わり
に、直線補間を行ってもよいことはいうまでもない。ま
た、分割位置に対応する輪郭点が存在しない場合には、
両端の輪郭点(一方又は両方)を適宜ずらして分割位置
に輪郭点が存在するようにしてもよい。例えば、輪郭点
列t1〜t10のように輪郭点の数が10個の場合に、
次元数(分割数)を2とすると、分割位置はt5とt6
のちょうど真ん中になり、この位置には輪郭点が存在し
ない。従って、このような場合には、輪郭点列t1〜t
9に対して次元数(分割数)2を採用して、輪郭点t4
を分割位置として近似処理を行えばよい。そして、輪郭
点t9とt10との間は、図10のようにフルーエンシ
関数によって補間すればよい。
【0049】ステップS5では、上記ステップS1から
S4までの一連の処理によって求められた各接合点の位
置に関するデータ及び関数の係数に関するデータを文字
図形データとして外部記憶装置13に格納する。まず、
直線区間の両端の接合点については、直線データとして
直線を示すフラグと、直線の始点座標(直線の接合点)
を格納する。なお、直線の終点座標については、次の区
間の始点と一致するので、格納しない。また、自由曲線
のデータとして、近似曲線Sx(t)、Sy(t)に関する
関数の次元数(分割数)、輪郭点数(区間の幅、大きさ
又は元データの数など)、各分割位置(近似曲線の両端
データも含む)のデータをそれぞれ格納する。例えば、
上述のようにして求められた輪郭点列t25〜t61の
y方向の近似曲線Sy(t)については、分割数として
「4」、輪郭点数として「36」、輪郭点t25の位置
データ(第1標本値)として「16」、輪郭点t61の
位置データ(第2標本値)として「21」、輪郭点t3
4の位置データ(第3標本値)として「15」、輪郭点
t43の位置データ(第4標本値)として「14」、輪
郭点t52の位置データ(第5標本値)として「13」
がそれぞれ格納されることになる。なお、この時に、看
板用文字図形作成装置は、画像データを256×256
メッシュのドットマトリクスを基本単位として分割して
取り込んで処理していたので、文字図形データがどの分
割位置に対応するものであるかを示すデータも併せて記
憶する。
【0050】ステップS6では、記憶されている文字図
形データを順次読み出し、それを作成すべき看板の文字
や図形の倍率に基づいて、輪郭線を拡大して再生する。
すなわち、文字図形データがどの分割位置に対応するも
のであるかを示すデータに基づいて、所定の分割位置の
256×256メッシュのドットマトリクスに対応する
文字図形データが読み出され、その文字図形データに基
づいて前述のステップS4の関数近似処理とは逆の処理
によって輪郭線が再生される。このとき、元の文字や図
形を拡大するので、その倍率を元となる近似関数の各座
標データや係数データに乗算するだけで、元の文字や図
形の内容と完全な相似関係にある拡大された文字や図形
が再生される。ステップS7では、再生された輪郭線に
基づいてプリンタ22による印刷処理又はカッティング
プロッタ24によるカッティング処理が行われ、看板用
の文字や図形が作成される。この実施の形態に係る看板
用文字図形作成装置によれば、拡大した場合でも文字や
図形の一部が欠落したり、潰れたり、ジャギーが発生し
たりすることはなく、元の文字や図形の内容を忠実に再
生することができる。
【0051】上述したステップS1がデータ入力手段
に、ステップS2,S3が輪郭点列抽出手段に、ステッ
プS4が関数近似手段に、ステップS5が記憶手段に、
ステップS6が輪郭線再生手段に、ステップS7が文字
図形出力手段に、それぞれ対応する。
【0052】なお、上述の文字図形作成処理では、輪郭
点列の中から直角の角点及び直線の両端を接合点として
抽出し、直線区間以外の接合点間を自由曲線とみなして
フルーエンシ関数を用いて近似する場合について説明し
たが、文字や図形の輪郭線は大部分の場合が直線と円弧
によって近似することができる。そこで、文字図形デー
タ作成処理の別の実施の形態として、前述のようにフル
ーエンシ関数によって近似された自由曲線の曲率に基づ
いて、更に直線区間、円弧区間を抽出し、その直線区間
及び円弧区間以外についてさらに円弧や直線で近似を行
い、円弧や直線による近似ができなかった部分を自由曲
線として、フルーエンシ関数で近似することにした。以
下、この別の実施の形態について図11を用いて説明す
る。
【0053】図11は図2の看板用文字図形作成装置が
実行する文字図形作成処理の別の例を示す図である。図
11に示した文字図形作成処理において、ステップS1
1からステップS14までの処理は、図1のステップS
1からステップS4までの処理と、ステップS18から
S20までの処理は、図1のステップS5からステップ
S7までの処理と同じなので、その部分の説明は省略す
る。すなわち、図11の文字図形作成処理は、図1の文
字図形作成処理にステップS15からS17までの処理
が追加されたものである。
【0054】ステップS15では、ステップ14の処理
によって得られた近似曲線Sx(t)及びSy(t)に基づ
いて輪郭点列の曲率χ(t)を求める。この曲率χ
(t)は、X方向の近似曲線をSx(t)、y方向の近似
曲線をSy(t)とすると、次式から求められる。
【0055】χ(t)={Sx′(t)Sy″(t)−S
x″(t)Sy′(t)}/{Sx′(t)2 +Sy
(t)23/2 上式において、「′」は1回微分を、「″」は2回微分
を示している。
【0056】このようにして求められた曲率χ(t)に
基づいて、次のようにして直線の両端点及び円弧の両端
点をそれぞれ新たな接合点として追加する。
【0057】直線の両端点を求める場合には、上述のよ
うにして求められた曲率の絶対値|χ(ti3)|をi3
=1,2,3,…について順次評価する。この評価の結
果、|χ(ti3)|<K3 であって、それが媒介変数上
での区間でK4 個以上連続しているときは、その区間は
直線と判定する。ここで、K3 及びK4 の値は、K3
1/200とし、K4 =30とする。このK3 =1/2
00、K4 =30は256×256メッシュのドットマ
トリクスデータにおける値であるから、これらの値を用
いて、図4の80×80メッシュのドットマトリクスデ
ータから直線の両端点を抽出しても、直線の両端点は抽
出することが困難なので、ここでは、K 3 =1/60,
4 =10として、図4のドットマトリクスデータに対
して直線の両端点の抽出を行う。すると、輪郭点t1〜
t10、t28〜t47、t60〜t71が新たに直線
区間と判定され、その両端点t1,t10,t28,t
47,t60が接合点として新たに抽出される。なお、
接合点t71は、前のステップS13の処理で接合点と
して認定されているので、ここでは新たに接合点として
は認定されない。
【0058】円弧の両端点を求める場合も同様に、上述
のようにして求められた曲率の絶対値|χ(ti3)|を
3 =1,2,3,…について順次評価する。この評価
は、着目している区間において既に評価された曲率の平
均値χavに基づいて行う。評価された区間の曲率がすべ
てχav±K5 以内にあるときは、円弧と判断して順次評
価を続ける。この評価の途中でχav±K5 の範囲を超え
た場合は、今まで評価してきた区間[ts2,te2]にお
ける輪郭線を円弧の候補として認識する。円弧の候補が
得られた場合、その曲率の平均値χavから円弧の母体と
なる円を算出し、その円弧のなす中心角がK6 以上であ
るときは、その区間[ts2,te2]の輪郭線は円弧と判
定する。ここで、曲率の許容幅K5 は、実験結果に基づ
いてK5=3/400とし、円弧を決定するためのしき
い値は、直線や自由曲線まで円弧とみなされないことを
考慮して、実験結果に基づいてK6 =π/2とする。図
4のドットマトリクスデータに対して曲率の許容幅K5
及びK6 =π/2を用いて円弧の両端点の抽出を行うこ
とによって、円弧の両端点が抽出されるが、その箇所は
図5に示した輪郭点列t1〜t140以外の部分なの
で、その具体的な値についての説明は省略する。
【0059】上述の直線の両端点の抽出及び円弧の両端
点の抽出処理を全てのi3 (i3 =1,…,n3)に対し
て行うと、輪郭点列{(xi3,yi3)}n3 i3=1における
直線のつなぎめ、及び円弧のつなぎめが接合点{(xi2
B,yi2 B)}n4 i2=n2+1 として新たに追加される。ここ
で、n4 は今までに求められた接合点の総数を表す。
【0060】ステップS16では、前のステップS13
及びS15の処理によって抽出された接合点列から、大
局的に不必要と判断される接合点を除去する処理を行
う。接合点を除去する処理は、接合点の両側が直線区間
である場合と円弧区間である場合とに分けて行う。
【0061】まず、接合点の除去を行う前に、ステップ
S15までの処理によって抽出された接合点{(xi2 B,
i2 B)}n4 i2=1の順序を、原画像の輪郭点列の順序に合
わせて並び替える。並び替えた各接合点の中には、その
両端がともに直線区間あるは円弧区間であるものが存在
する。従って、この場合にその接合点を除去してもデー
タの品質が十分保持することができる場合には、その接
合点を大局的に不必要な接合点として除去する。
【0062】接合点の両側がともに直線区間である場合
には、各接合点(xi2 B,yi2 B)をi3(i3=1,2,…)に対し
て順次評価する。評価の結果、直線区間が複数連続して
いるときは、それらの間に位置する接合点列を{(xi4
B,yi4 B)}ne i4=ns で表す。そして、最初の接合点(x
ns B,yns B)と、これより二つ目の接合点(xns+2 B,y
ns+2 B)を直線で結び、その間に位置する接合点(xns+1
B,yns+1 B)からその直線に下ろした垂線の距離Lns+1
所定値K7 未満のときは、その接合点(xns+1 B,yns+1
B)は大局的に不必要な接合点として除去される。ここ
で、所定値K7 の値は、実験結果に基づいてK7 =2と
する。
【0063】図5のドットマトリクスデータに対して、
3 =1/60,K4 =10として、ステップ15の処
理を行った場合、前述のように輪郭点t1,t10,t
28,t47,t60が直線の両端点に該当する接合点
として抽出されているので、輪郭点t71の両端は共に
直線区間ということになる。従って、この輪郭点t71
よりも一つ前の接合点である輪郭点t60と、輪郭点t
71よりも一つ後ろの輪郭点t85との間を仮想的に直
線で結び、その間に位置する輪郭点t71からその直線
に下ろした垂線の距離を測定すると、その距離は所定値
7 =2未満となるので、輪郭点t71は不必要な接合
点となり、除去され、輪郭点t60からt85までが直
線区間として新たに認定される。
【0064】接合点の両側がともに円弧区間である場合
にも同様にして、各接合点(xi2 B,yi2 B)をi3(i3=1,
2,…)に対して順次評価する。評価の結果、円弧区間が
複数連続しているときは、それらの間に位置する接合点
列を{(xi4 B,yi4 B)}ne i4=n s で表す。そして、最初
の接合点(xns B,yns B)から開始する円弧と、次の接合
点(xns+1 B,yns+1 B)から開始する円弧に着目する。接
合点(xns B,yns B)から開始する円弧の半径rns及び中
心座標(xns,yns)、接合点(xns+1 B,yns+1 B)から
開始する円弧の半径rns+1及び中心座標(xns+1,y
ns+1)を算出し、次の条件式を満足するか否かの判定を
行う。
【0065】|rns+1−rns|<K8 {(xns+1−xns2 +(yns+1−yns21/2 <K
9 上式を満足する場合には、両円弧は同一円弧とみなさ
れ、接合点(xns+1 B,y ns+1 B)は大局的に不必要な接合
点として除去される。ここで、所定値K8 及びK 9 の値
は、実験結果に基づいてK8 =1、K9 =2とする。
【0066】ステップS17では、これまで各ステップ
S13〜S16の処理によって抽出された各接合点間の
各区間に対して関数近似処理を行う。この関数近似処理
は、まず、円弧と判断された区間に対して円弧を用いて
近似し、直線と判断された区間に対して直線を用いて近
似し、これ以外の区間に対しては円弧、直線、自由曲線
の順番でそれぞれ近似を行う。ここでの近似も前述と同
様に媒介変数表現法を用いて、x方向の近似曲線はS
x(t)、y方向の近似曲線はSy(t)で表現する。
【0067】まず、円弧と判断された接合点に対して円
弧を用いて近似する場合について説明する。円弧を表す
近似曲線Sx(t)、Sy(t)は、観測区間をt∈[0,
T]とすると、以下のような三角関数の線形結合で表さ
れる。
【0068】Sx(t)=Axcos(2πt/(T/n(arc))+Bx
sin(2πt/(T/n(arc))+Cxy(t)=Aycos(2πt/(T/n(arc))+Bysin(2πt/(T/
n(arc))+Cy ここで、変数n(arc)は、円弧の中心角に相当する。
【0069】上式において、Ax 2 +Bx 2 =Ay 2+By 2
及びBy/Ay=Bx/Axが成立すれば、近似関数は円弧
となる。これは、(m−1)次の区分多項式によって構
成されるフルーエンシ関数のm=∞を用いて関数近似し
たことに相当する。なお、接合点の抽出の際に求められ
た円弧の「始点」、「中点」、「終点」を用いることに
よって関数のそれぞれの係数Ax 、Bx 、Cx 、Ay
y 、n(arc)、Cy を求めることができる。このように
円弧を用いて近似する過程を第1のプロセスとする。
【0070】次に、直線と判断された接合点に対して直
線を用いて近似する場合について説明する。x方向の近
似曲線Sx(t)は、始点x1 と終点xn3とを結ぶ一次関
数となり、y方向の近似曲線Sy(t)は、始点y1 と終
点yn3とを結ぶ一次関数となる。すなわち、(m−1)
次の区分多項式によって構成されるフルーエンシ関数の
m=2を用いて関数近似をしたことに相当する。このよ
うに直線を用いて近似する過程を第2のプロセスとす
る。
【0071】上述のように円弧と判断された接合点及び
直線と判断された接合点に対して、それぞれの近似処理
が終了したら、今度は、これ以外の接合点から始まる区
間について近似処理を行う。これらの区間に対しては、
文字の有する特徴に基づき、円弧・直線・自由曲線の優
先順位で近似を行う。まず、円弧の近似を行う。この円
弧の近似は、前述の第1のプロセスと同じ処理にて行
う。このとき、x方向の近似曲線Sx(t)及びy方向の
近似曲線Sy(t)の係数は、次式に示すような二乗誤差
Q:
【0072】
【数1】
【0073】が最小となるように、連立一次方程式
【数2】 を解くことによって、定められる。上式(1)におい
て、ωは(2πti3/(T/n(arc))である。
【0074】y成分についても同様にして解く。最小二
乗近似収束のために、次式
【数3】
【0075】から誤差εを求め、ε<0.90(∀i3)
となるまで、n(arc) を1から1/4まで2分探索的に
変化させる。n(arc) を1/4で打ち切ることによって
4分円以上の円弧のみが近似されるようになる。これ
は、短い直線や自由曲線が円弧として近似されないよう
にするためである。
【0076】円弧で近似できなかった輪郭点列は、直線
とみなして、前述の第2のプロセスと同じ処理にて直線
により近似を行う。このとき、円弧の場合と同様に(数
1)を満足する場合に、その区間を直線区間として近似
する。一般に、最小二乗近似を行うと、近似曲線の端点
と接合点の値との不一致による輪郭線の不連続という不
都合が生じる。このため、次の条件 Sx(0)=x0,Sy(0)=y0,Sx(T)=xn3
y(T)=yn3 を満足するように、係数Ax、Bx、Cx、Ay、By、Cy
を修正する。
【0077】上述のように円弧及び直線で近似すること
のできなかった輪郭点列については、自由曲線とみなし
て、二次の区分多項式を用いて近似処理を行う。すなわ
ち、前述のような(m−1)次の区分多項式によって構
成されるフルーエンシ関数のm=3を用いて関数近似を
行う。
【0078】ステップS18では、上記ステップS11
からS17までの一連の処理によって求められた各接合
点の位置に関するデータと関数の係数に関するデータを
文字図形データとして外部記憶装置13に格納する。ま
ず、直線区間の両端の接合点については、直線データと
して直線を示すフラグと、直線の始点座標(直線の接合
点)を格納する。なお、直線の終点座標については、次
の区間の始点と一致するので、格納しない。円弧区間の
両端の接合点については、円弧データとして、円弧を示
すフラグと、円弧の始点座標、円弧の中心角n(arc)、輪
郭点数及び関数の係数Ax、Bx、Cx、Ay、By、Cy
格納する。自由曲線のデータとしては、前述の場合と同
様に、近似曲線Sx(t)、Sy(t)に関する関数の次元
数(分割数)、輪郭点数(区間の幅、大きさ又は元デー
タの数など)、各分割位置(近似曲線の両端データも含
む)のデータを文字図形データとしてそれぞれ格納す
る。
【0079】ステップS19では、記憶されている文字
図形データが順次読み出され、それが作成すべき看板の
文字や図形の倍率に基づいて、輪郭線が拡大されて再生
される。ステップS20では、再生された輪郭線に基づ
いてプリンタ22による印刷処理又はカッティングプロ
ッタ24によるカッティング処理が行われ、看板用の文
字や図形が作成される。
【0080】図11に示した文字図形データ作成処理の
ように、輪郭点列の中から直角の角点及び直線の両端を
接合点として抽出し、直線区間以外の接合点間を自由曲
線とみなしてフルーエンシ関数を用いて近似し、得られ
た近似曲線の曲率に基づいて更に直線区間、円弧区間を
抽出し、これ以外の区間について円弧、直線、自由曲線
の順番で近似を行うことによって、文字や図形の再生品
質を落とすことなく、データ量を大幅に軽減することが
できる。また、文字図形データに基づいて文字や図形を
任意の倍率で拡大しても文字や図形の一部が欠落した
り、潰れたり、ジャギーが発生したりすることもなく、
元の文字や図形の内容を忠実に再生することができる。
【0081】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実
施が可能である。例えば、上述の実施の形態では、標本
化関数を全域で1回だけ微分可能な有限台の関数とした
が、微分可能回数を2回以上に設定してもよい。また、
図7に示すように、本実施の形態の標本化関数は、t=
±2で収束するようにしたが、t=±3以上で0に収束
するようにしてもよい。また、取り込まれた画像データ
を256×256メッシュのドットマトリクスを基本単
位として分割する場合について説明したが、分割しなく
てもよい。
【0082】上述の実施の形態では、プリンタ22やカ
ッティングプロッタ24を用いて看板用の文字や図形を
出力する場合について説明したが、文字や図形の大きさ
はこれらの出力機器の性能に従って限定される。従っ
て、出力機器の性能以上の大きさの文字や図形を出力す
る場合には、文字や図形を適当に分割して出力し、出力
後にそれらを合成して文字や図形を構成するようにすれ
ばよい。
【0083】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、任意
の文字や図形などを高精度かつ忠実に拡大して看板用の
大きな文字や図形を容易に作成するができるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の看板用文字図形作成装置が実行す
る文字図形作成処理の一例を示す図である。
【図2】本実施形態の看板用文字図形作成装置のハード
構成ブロック図である。
【図3】スキャナによって取り込まれる文字の一例を示
す図である。
【図4】スキャナによって取り込まれた文字を80×8
0メッシュのドットマトリクスデータで示す図である。
【図5】図4に示したドットマトリクスデータの輪郭点
t1から輪郭点t140までに相当する部分を拡大して
示した図である。
【図6】図5に示した各輪郭点t1〜t140につい
て、輪郭点列の番号を媒介変数tとし、輪郭点t1を原
点とした場合におけるドットマトリスデータの各輪郭点
のx方向及びy方向における位置データをそれぞれ縦軸
に示した図である。
【図7】本実施形態で使用される標本化関数H(t)を
説明するための図である。
【図8】図6に示したy方向の輪郭点列t25〜t61
の区間について次元数が1及び2の場合の区分多項式を
用いた近似処理の具体例を示す図である。
【図9】図6に示したy方向の輪郭点列t25〜t61
の区間について次元数が3及び4の場合の区分多項式を
用いた近似処理の具体例を示す図である。
【図10】輪郭点列の分割位置にデータが存在しない場
合にその両側の輪郭点の標本値を用いてフルーエンシ関
数で補間を行って標本値を求める場合の具体例を示す図
である。
【図11】図2に示した看板用文字図形作成装置が実行
する文字図形作成処理の別の例を示す図である。
【符号の説明】
10 CPU 11 プログラムメモリ(ROM) 12 ワーキングメモリ(RAM) 13 外部記憶装置 14 マウス検出回路 15 キーボード検出回路 16 表示制御回路 17 プリンタ制御回路 18 スキャナ制御回路 19 マウス 20 キーボード 21 ディスプレイ 22 プリンタ 23 スキャナ 24 カッティングプロッタ 25 データ及びアドレスバス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C082 AA03 AA17 AA27 BA27 BB27 BB32 BB42 CA01 CA81 CB05 DA22 DA42 MM02 MM09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 文字や図形などに対応したドットマトリ
    クスデータを入力するデータ入力手段と、 前記ドットマトリクスデータの中から前記文字や図形の
    輪郭に対応した輪郭点列を抽出する輪郭点列抽出手段
    と、 前記輪郭点列によって表される曲線を、有限回微分可能
    であって、標本位置t=0で1、t=±1,t≦−2,
    t≧+2で0、これ以外のtで0以外の値を有する有限
    台の標本化関数に基づいて近似する関数近似手段と、 前記関数近似手段による近似結果を文字図形データとし
    て記憶する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶されている前記文字図形データ及び
    倍率に基づいて拡大された輪郭線を再生する輪郭線再生
    手段と、 前記輪郭線に基づいて看板用媒体に拡大された文字や図
    形を出力する文字図形出力手段とを含んで構成されるこ
    とを特徴とする看板用文字図形作成装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記関数近似手段は、前記輪郭点列によって表される曲
    線のx方向及びy方向のそれぞれの値を媒介変数tを用
    いて変数tに対して多値を取らないような曲線に変換
    し、変換後の曲線を前記標本化関数で近似することを特
    徴とする看板用文字図形作成装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 次元数をn、前記曲線の両端の間隔をmとした場合に、 標本間隔がm/nであって、標本位置t=0で1、t=
    ±m/n,t≦−2m/n,t≧+2m/nで0、これ
    以外のtで0以外の値を有する標本化関数を用いて、 前記曲線の両端位置、前記両端位置から前記曲線の外側
    にm/n離れた位置、及び前記曲線内であっていずれか
    一方の端からm/nの整数倍の位置をそれぞれの標本位
    置とし、前記両端位置及び前記内側位置における標本値
    にはその位置における値を適用し、前記外側位置におけ
    る標本値には前記両端位置の値であって当該位置から遠
    い方の値を適用することを特徴とする看板用文字図形作
    成装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 前記標本化関数は、全域が1回だけ微分可能であって有
    限台の値を有することを特徴とする看板用文字図形作成
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記標本化関数は、 −2≦t<−3/2については(−t2 −4t−4)/
    4で、 −3/2≦t<−1については(3t2 +8t+5)/
    4で、 −1≦t<−1/2については(5t2 +12t+7)
    /4で、 −1/2≦t<1/2については(−7t2 +4)/4
    で、 1/2≦t<1については(5t2 −12t+7)/4
    で、 1≦t<3/2については(3t2 −8t+5)/4
    で、 3/2≦t<2については(−t2 +4t−4)/4で 定義されることを特徴とする看板用文字図形作成装置。
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CSND199900321002, 寅市 和男 KAZUO TORAICHI, "非線形構造の数理", 数理科学 第31巻 第9号 MATHEMATICAL SCIENCES, 第31巻第9号, 8−12頁, JP, 株式会社サイエンス社 *
JPN6010011126, 寅市 和男 KAZUO TORAICHI, "非線形構造の数理", 数理科学 第31巻 第9号 MATHEMATICAL SCIENCES, 第31巻第9号, 8−12頁, JP, 株式会社サイエンス社 *

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