JP2001051114A - 多層膜光波長フィルタ及びその作製方法 - Google Patents

多層膜光波長フィルタ及びその作製方法

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JP2001051114A JP11228187A JP22818799A JP2001051114A JP 2001051114 A JP2001051114 A JP 2001051114A JP 11228187 A JP11228187 A JP 11228187A JP 22818799 A JP22818799 A JP 22818799A JP 2001051114 A JP2001051114 A JP 2001051114A
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wavelength filter
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Shigeki Sakaguchi
茂樹 坂口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変形や経時特性の問題を解決した多層膜光波
長フィルタとその作製方法を提供することにある。 【解決手段】 多層膜光波長フィルタをガラス材料のみ
で構成することを最も主要な特徴とし、また、その作製
方法において所望のフィルタと相似の積層構造を有する
前駆体を作製し、さらに延伸やプレスにより所定の膜厚
を有するフィルタに成形することを最も主要な特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層膜光波長フィ
ルタ及びその作製方法に関する。詳しくは、光情報処理
に用いられる多層膜光波長フィルタにおいて、特性の経
時変化のない極めて肉厚の薄いフィルタであって、かつ
歩留まりが高い大量生産を可能とする作製方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年著しい進展を遂げている光通信技術
において、同一光ファイバに複数の波長の光波を用いて
信号を伝搬させる光多重伝送技術が開発されている。光
多重伝送には、幹線伝送路に数10波の光波を伝送する
高密度多重や、異なる波長の光波を上り下りに用いる加
入者系用の多重等がある(例えば、岡本、OpusE,
1997年11月、p.119参照)。
【0003】このような技術において、信号処理のため
に特定の波長の光波を透過或いは反射させる光波長フィ
ルタが用いられる。なかでも誘電体多層膜による光波長
フィルタは極めて有用であり、主な光波長フィルタには
特定波長域の光波に対するハイパス或いはローパスフィ
ルタや特定波長の光波を透過或いは反射させる狭帯域バ
ンドパスフィルタ、ブラッグ反射フィルタ等がある。加
入者系では前者が、また幹線系では後者が主に用いられ
る。
【0004】多層膜光波長フィルタは、通常光学特性
(屈折率)の異なる2種以上の材料を交互に周期的に積
層させて構成し、積層構造によって光波の透過特性を制
御する。各層は対象とする光波に対して光路長(=屈折
率×厚さ×cos(入射角))が4分の1波長となるよ
うに設定するのが一般的である。積層構造と透過特性の
関係については、例えば、マクレード、光学薄膜、小倉
他訳、日刊工業新聞社、に詳しく述べられている。
【0005】従来、この種の光波長フィルタに用いられ
る材料の代表的なものは高屈折材料にTiO2やTa
23、また低屈折材料にはSiO2があり、いわゆる誘電
体多層膜を構成する。その作製方法としては、例えば、
光・薄膜技術マニアル、オプトロニクス社、に述べられ
ているように、蒸着、スパッタ、化学気相堆積、等の方
法が用いられているが、スパッタ法が最もよく用いられ
ている。
【0006】スパッタによる作製方法では、光学ガラス
や結晶等の基板に上記高低屈折率材料を所定の厚さ、積
層構造となるように順次成膜する。成膜後、装置から取
り出した基板を所定の大きさに切断して供される。膜厚
は成膜中にモニターしながら行うので作製されるフィル
タの透過特性の制御性は高い。しかしながら、この種の
方法によって作製された多層膜光波長フィルタは、1)
経時的に特性が変化する、2)ターゲット材の光学特性
と膜の光学特性が必ずしも一致しない、3)基板内で透
過特性のばらつきがある、等の問題があった。
【0007】なかでも、透過特性が経時的に変化するこ
とは極めて重大な問題であるが、その要因は成膜された
各層の密度が必ずしもターゲット材のそれと一致せず、
低くなることにより微小な空隙が存在することにある。
これにより使用環境に応じて水分等が吸着されて各層の
みかけの屈折率が変化するためにフィルタ特性が経時的
に変化するものである。一方、シリコン基板上にシリカ
系ガラスにより光導波路を形成して光回路部品となし、
光信号処理に用いる技術が発展している。
【0008】このような光回路上に多層膜光フィルタを
集積する光回路部品も開発されている。この場合、光導
波回路に対して溝を形成し、そこに多層膜フィルタを挿
入する方法がとられる。溝を形成し回路を切断すると溝
幅が20ミクロンかそれ以下に狭ければ回折による光の
損失は生じない。従って多層膜フィルタには極めて薄型
のものが要求される。
【0009】これに対しては、ポリイミドのような樹脂
薄膜上に上記の誘電体材料で多層膜を形成したフィルタ
が開発されている(例えば、井上、Op1usE,19
98年3月、p.307参照)。これによれば全膜厚を
20ミクロン以下の超薄型フィルタを作製することがで
き、加入者系のような波長多重用の光部品として導入さ
れている。上記樹脂ベースの多層膜フィルタは、一般に
大きく湾曲しているという欠点がある。
【0010】これは多層膜を構成する誘電体と基板とな
る樹脂の熱膨張係数が大きく異なる(一桁程度)ことに
起因する。フィルタが湾曲しているため、上記光回路の
溝に挿入する場合に時間がかかり、組み立ての作業性を
大きく阻害している等の問題を引き起こしている。以上
述べたように従来型の多層膜光波長フィルタは、薄型化
した場合に変形することや経時的に透過特性が変化する
ことのような極めて重要な問題を有している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、変形
や経時特性の問題を解決した多層膜光波長フィルタとそ
の作製方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、多層膜光波長
フィルタをガラス材料のみで構成することを最も主要な
特徴とする。また、その作製方法において所望のフィル
タと相似の積層構造を有する前駆体を作製し、さらに延
伸やプレスにより所定の膜厚を有するフィルタに成形す
ることを最も主要な特徴とする。従来の技術のように多
層膜形成のための基板が不要であり、また、作製方法に
おいて前駆体を経て作製することが異なっている。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を第1図に示す。
本実施例では、ガラス材料として市販の光学ガラスを用
いて1.55ミクロンの波長に対して狭帯域バンドパス
フィルタを作製した例について説明する。狭帯域バンド
パス特性を与える多層膜積層構造はいわゆるキャビティ
型と称される構造であり、典型的には、第1図に示すよ
うに、高屈折率層1と低屈折率層2が周期的に積層され
た構造の中にキャビティ3と称される層が挿入されてい
るものである(前掲書、光学薄膜)。本実施例では積層
構造として、[HL]m[2H][LH]mとしている。
【0014】ここで、HとLは光路長が対象とする波長
の4分の1となる高屈折率及び低屈折率の層を表し、m
は繰り返し周期数を示している。ガラス材は、軟化温度
と熱膨張係数に大きな差がなく、屈折率が高いものと低
いものとして、S−NPH1及びS−FSL5(オハラ
光学ガラス材)としている。
【0015】波長1.55ミクロンにおけるこれらのガ
ラス材の屈折率はそれぞれ1.761及び1.473で
あるので光が垂直に入射する場合、高屈折率層1と低屈
折率層2の厚さtH,tLはそれぞれ0.220および
0.263ミクロンである。また、フィルタの帯域幅を
1ナノメートル以下にするには周期数mは15となるの
で多層膜は62層、14.931ミクロン厚となる。
【0016】作製手順を以下に示す。高屈折率層1、低
屈折率層2となるガラス材を20×20mmとなるよう
板状に切り出し、厚さがそれぞれ440及び526ミク
ロン(プラスマイナス5ミクロン)となるよう研磨し
た。これらの板を清浄雰囲気中で上記積層構造となるよ
う62枚積み重ねた(以下これを積層体と称する)。
【0017】積層体を大きさが約100×100mmで
カーボンライニングした金型を用いて約1mmの厚さに
なるようプレスした。プレス金型はシリカガラス製炉心
管を有する電気炉内に設置し、乾燥不活性ガスを流入さ
せながら、昇温速度5℃/分で585℃まで昇温し、約
10分間保持後電気炉外部に突き出した押し棒を手で押
し込むことでプレスした。その後、5℃/分で冷却し
た。これにより約100×100mmの融着した積層体
が得られた。
【0018】厚さをマイクロメータで測定したところ平
均1.26mmであった。これをさらに分割して約20
×100mmの大きさとし、前駆体とした。前駆体はさ
らに加熱延伸してフィルタとするが、その手順は、前駆
体を加熱炉付きの延伸装置に取り付け、軟化温度付近に
加熱しつつ延伸するものである。用いた延伸機は水平型
で、左右に移動機構に取りつけられた2本のアームが出
ており、その先端で前駆体端部を把持する。
【0019】前駆体はシリカガラス炉心管を有する加熱
領域の狭い電気炉内に位置させ、前駆体の延伸端部(本
機では右側)に近いところを高温領域に一致させる。加
熱炉を5℃/分で610℃まで昇温し、前駆体が加熱部
分で軟化したことを確認した後、左方アームを0.1m
m/分、右方アームを8.6mm/分でそれぞれ移動さ
せた。このとき軟化部には直径20mmのカーボン製の
円柱を延伸方向と直角になるように接触させて前駆体の
幅が延伸により減少することを防止した。
【0020】延伸は右方アームが50cm移動するまで
行った。これにより、約400mmのリボンを得た上記
リボンより、ほぼ5cmおきに長さ20mmほどのフィ
ルタ試料を5枚切り出した。フィルタは湾曲などの変形
はまったく認められなかった。顕微鏡を用いてフィルタ
端部で膜厚を測定したところ、いずれも約15ミクロン
であった。これらを光スペクトルアナライザで透過特性
を測定した。
【0021】5枚のフィルタ試料の透過中心波長は1.
5582プラスマイナス0.0003ミクロン、帯域幅
は1.3プラスマイナス0.1nmであった。フィルタ
面内での値の変動は、延伸されたリボンの両側からほぼ
3mmまでの領域を除き、上記の範囲内であった。測定
値は設計値よりも中心波長は長くなっているが、ほぼ設
計通りの良好な値が得られている。
【0022】また、これらのフィルタを80℃湿度90
%の雰囲気中に20時間保持した。フィルタは巨視的な
変形や表面変化は認められなかった。また、透過性を測
定したところ、中心波長や帯域幅に対しては検知し得る
ほどの変化は認めらず、極めて特性が安定していること
が分かった。この結果から明らかなように、本発明によ
れば、全く変形することの無い極めて薄い光波長フィル
タを作製することができる。
【0023】作製した多層膜は、従来のスパッタ法等の
ように原材料が一度分子状になり、さらに再び堆積して
成膜される訳ではなく、原材料がそのまま変形のみによ
って薄膜となっているので、原材料の特性をそのまま保
存している。従って、従来法で見られる原材料と薄膜と
の密度差のような経時変化を引き起こす要因が存在しな
い。ここで用いた光学ガラス材は一般に極めて化学的に
安定であることも加わるので経時変化の全く認められな
いフィルタが得られるのである。一方、作製に関して
は、フィルタと相似形の前駆体を延伸して作製されるの
で、特性にばらつきが無く、歩留まりの良い大量生産が
可能となるのである。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
多層膜フィルタがガラス材料のみで構成されているた
め、曲がり等の変形の全く無い、極めて薄いフィルタを
作製できる利点がある。また、多層膜フィルタがそれと
相似の構造を有する前駆体を経て作製されるため、出発
材料の光学特性、寸法が製品にそのまま反映されるた
め、経時変化のない製品が歩留まり良く大量に生産でき
る利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例で示したガラス多層膜の構造を示すも
のであって、狭帯域バンドパスフィルタとして作用する
ものの断面図である。
【符号の説明】
1 高屈折率層 2 低屈折率層 3 キャビティ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学特性の異なる少なくとも2種類以上
    の材料を所定の構造となるように積層して構成される多
    層膜光波長フィルタにおいて、構成材料がガラス材料の
    みであることを特徴とする多層膜光波長フィルタ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の多層膜光波長フィルタを
    作製する方法において、構成ガラス材料を予め前記フィ
    ルタよりも厚い所定の厚さに仕上げて板状となし、この
    板を前記フィルタの積層構造と相似となるように積層し
    てフィルタ前駆体を構成し、さらに前記前駆体を薄肉化
    してなることを特徴とする多層膜光波長フィルタの作製
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100373184C (zh) * 2004-01-06 2008-03-05 同济大学 宽截止带双通道带通滤光片及其制备方法
JP2011171740A (ja) * 2010-02-18 2011-09-01 Lg Innotek Co Ltd 発光素子パッケージ及び照明システム

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