JP2001050964A - 関節炎関連メラノトランスフェリンの測定方法および試薬 - Google Patents

関節炎関連メラノトランスフェリンの測定方法および試薬

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、関節炎に関連するメラノトランス
フェリンの測定方法および当該測定方法に用いる試薬お
よびキットを提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明の測定方法は、 i)生体試料中のメラノトランスフェリン濃度を測定
し;そして ii)生体試料中のメラノトランスフェリン濃度が、対
照の非関節炎生体試料と比較して有意に高い場合に関節
炎であると判断することを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】関節炎 関節の内側は軟骨と滑液により関節腔が形成され、軟骨
下には骨、滑膜外には関節包、骨、筋肉、腱、靱帯など
がある。関節は運動により常に機械的刺激を受けている
ので炎症を惹起しやすい。関節に生じた炎症を総称して
「関節炎」という(南山堂 医学大辞典18版, 第3
85頁、1998年,株式会社 南山堂)。
【0002】i)骨関節炎 関節炎のうち「骨関節炎(osteoarthoros
is:OA)」は、変形性関節症とも呼ばれ、関節に慢
性の退行性変化および増殖性変化が同時に起こり、関節
の形態が変化する疾患である。一次性変形性関節症と二
次性変形性関節症に大別される。前者は主に中年以降に
みられ、80%は女性である。老化現象に加え、力学的
ストレスが加わって発症する。後者が若年層にもみら
れ、関節の外傷、形態異常、疾患、代謝異常など明らか
な原因に有するものに続発して生じるものである。病理
学的には、関節軟骨は次第に摩耗、あるいは欠損し、骨
が露出するようになる。一方、血管の増生を伴って軟骨
の肥大増殖、骨棘形成をみる。その他滑膜の増生、関節
包の肥厚、萎縮、遊離体の出現などがみられる。症状と
しては、関節のこわばり、次第に運動痛、関節可動域制
限、関節の腫脹をみる。運動開始時に疼痛や軋轢音を伴
うことがある。X線像では骨棘形成、関節裂隙の狭小
化、あるいは消失、関節軟骨下骨の硬化、嚢胞形成など
が認められる。治療としては、理学療法、運動療法、装
具療法、薬物療法などが保存的に行われる。病変が進行
し、著しい機能障害を示すものに対しては手術療法が行
われている(南山堂 医学大辞典18版,第1926
頁,同上) ii)リウマチ性関節炎 「リウマチ性関節炎(rheumatoid arth
ritis:RA)」は、慢性関節リウマチとも呼ば
れ、原因不明の慢性関節炎を特徴とする疾患である。男
女比は1:4で女性に多く、好発年齢は30歳ないし5
0歳である。我が国の罹病率は全人口の0.3%ないし
0.5%と推定されている。発病原因は不明であるが、
多因子性の遺伝的素因、特にHLA−D4との関連、お
よびウイルス感染が着目されている。関節炎はすべて滑
膜関節に起こり、多発性、対称性の傾向を示す。初期に
は滑膜の炎症性腫脹のみであるが、進行すると軟骨、骨
の破壊が起こり、関節は変形、脱臼し、また、骨性剛直
により可動性を失う。特に手指、足趾は変形しやすく、
中手指節間関節部での尺側変位、指のスワンネック変
形、ボタン穴変形、趾では外反母趾などが特徴的であ
る。朝起床時に関節が動きにくい、こわばった感じは
「朝のこわばり」といって診断上も、治療効果をみる上
でも重要な症状である。関節以外では、血管炎、心膜
炎、皮下結節、肺繊維症などを伴うものがあり、血管炎
を伴う型には結節性多発動脈炎様の予後不良例があっ
て、悪性関節リウマチといわれる。
【0003】臨床検査においては、リウマチ因子が70
%ないし80%の高率に検出されるほか、赤沈値亢進、
CRP陽性、軽度の貧血、血小板増加、血清補体高値な
どが認められる。滑膜組織所見は、非特異的慢性滑膜炎
ある。
【0004】治療としては、抗炎症薬と寛解導入薬によ
る内科的治療、整形外科的治療、リハビリテーション治
療等を組み合わせて行われている(南山堂 医学大辞典
18版,第2019頁,同上)。
【0005】iii)外傷性関節損傷 関節炎のうち、生体外からの機械的又は物理的刺激に基
づく関節損傷を「外傷性関節損傷(ACL)」という。
より詳細には、交通事故等により機械的若しくは物理的
に関節が壊れ軟骨組織も破壊された状態であって、軟骨
組織の構成タンパク質が一過的に関節液中に湿潤してい
る状態をいう。関節炎の診断 従来より、関節炎の診断は主に、関節での損傷および摩
耗をレントゲン検査による造影法にて確認することによ
って行われている。しかしながら、レントゲン検査にて
関節の軟骨組織破壊および損傷が写し出される時期は、
関節炎症状がかなり進行・悪化した後期においてわかる
のみであった。従って関節炎の早期における発見・治療
という点からは問題であった。
【0006】また、リウマチ性関節炎は、アメリカリウ
マチ学会の診断基準が広く使用されている。具体的に
は、前述した朝のこわばり、多発性対称性関節炎、皮下
結節、手の関節X線所見等の7項目からなり、4項目以
上該当すればリウマチ性関節炎と診断される。当該基準
に基づく診断方法も、簡便性および関節炎の早期発見の
観点からは必ずしも十分ではない。
【0007】一方、関節の軟骨組織に存在するタンパク
質として、ラミニン、オステオネクチン等の数種の細胞
外マトリックスタンパク質が見出されている。ラミニン
は基底膜の主要構成成分である糖タンパク質であり、上
皮細胞を結合組織に接着させる働きのほかに、神経細胞
の突起伸長促進作用を有する。また、オステオネクチン
は、骨の非コラーゲン性タンパク質の約1/4を占める
酸性リン酸化糖タンパク質である。骨の有機基質から発
見されたが、その後骨組織以外の軟組織でも広く発現す
ることが明らかとなっている(生化学辞典 第3版 第
1464頁および第251頁 98年10月)。中村ら
(ARTHRITIS&REUMATISM Vol.
39,No.4,1996,p.539−551)は、
ヒト関節液中のオステオネクチンの濃度がリウマチ性関
節炎と関連していることを示唆している。しかしなが
ら、中村らの文献には、オステオネクチンの場合リウマ
チ性関節炎では高値を示すが骨関節炎の診断には不向き
であると記載されており、また、その他の関節炎との関
係も不明である。
【0008】このように、本発明前は広く関節炎の示標
となるマーカーは存在せず、骨関節炎、リウマチ性関節
炎および外傷性関節損傷を識別ことも不可能であった。メラノトランスフェリン 一方、「メラノトランスフェリン」(以下、「MTF」
と言う」)は、腫瘍関連抗原「p97」としてヒトのメ
ラノーマ細胞より同定されたタンパク質である(ブラウ
ンら,1980,J.Biol.Chem.255,
p.4980−4983;ジポルドら,1980,Pr
oc.Natl.Acad.Sci.,USA,77,
p.6114−6118;ウッドバーグら,1980,
Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,7
7,p.2183−2187)。MTF抗原は、正常お
よび腫瘍の組織中における発現に関して広く研究されて
おり、大部分のヒトメラノーマ細胞に存在することが知
られている(ブラウンら,1981,J.Immuno
l.127,p.539−546;ブラウンら,198
1,Proc.Natl.Acad.Sci.,US
A,78,p.539−543;ガーリックスら,19
82,Int.J.Cancer,29,p.511−
515)。よって、ヒト臨床実験における腫瘍の診断像
出に対する標的として使用されている(ラーソンら,1
983,J.Clin.Invest.,72,p.2
101−2114)。
【0009】さらに、MTFは肝細胞(サイオットら,
Liver,Vol.9(1989),p.110−1
19)、胎児の小腸上皮細胞(ダニエルソンら,J.C
ell Biol.,Vol.131(1995),
p.939−950)および脳(ローゼンバーガーら,
Brain Research 712(1996)
p.117−121)でも発現していることが報告され
ている。
【0010】また近年、MTFが鉄の脳細胞への取り込
みに関与していることが示唆され、MTFの濃度がアル
ツハイマー病患者で正常人よりも数倍高いことが見出さ
れた。当該結果に基づきMTF濃度を測定することによ
りアルツハイマーを診断する診断薬が開発されつつある
(日経バイオテク 1999.3.29 第11頁)。
【0011】カワモトら(Eur.J.Bioche
m.,1998,Sep.15,256(3),p.5
03−509)は、ウサギMTFタンパク質のウサギ軟
骨細胞表面上での発現を報告している。しかしながら、
ヒト軟骨細胞上でのMTFタンパク質の発現も、関節液
中でのMTFタンパク質の存在も開示していない。その
他、本発明前は関節に関連する組織および体液でのMT
Fの存在は報告されておらず、また関節炎とMTFとの
関係も知られていなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、関節炎に関
連するメラノトランスフェリンの測定方法を提供するこ
とを目的とする。本発明の測定方法は、 i)生体試料中のメラノトランスフェリン濃度を測定
し;そして ii)生体試料中のメラノトランスフェリン濃度が、対
照の非関節炎生体試料と比較して有意に高い場合に関節
炎であると判断することを含む。
【0013】本発明の方法は、その一態様において、関
節液中のメラノトランスフェリン濃度が約2ng/ml
以上の場合、あるいは血清中のメラノトランスフェリン
濃度が約5ng/ml以上の場合には関節炎であると判
断することを含む。
【0014】本発明の方法はまた、その一態様におい
て、関節液中のメラノトランスフェリン濃度が約2ng
/ml以上の場合には、リウマチ性関節炎、骨関節炎お
よび外傷性関節損傷のうちの何れかの関節炎であると判
断し、さらに約8ng/ml以上の場合には、リウマチ
性関節炎または外傷性関節損傷であると判断し、さらに
また、約25ng/ml以上の場合にはリウマチ性関節
炎であると判断することを含む。
【0015】本発明の方法はさらに、その一態様におい
て、メラノトランスフェリンに特異的な抗体を用いたサ
ンドイッチ型イムノアッセイによって生体試料中のメラ
ノトランスフェリン濃度を測定することを含む。
【0016】本発明は、さらに、メラノトランスフェリ
ンに特異的な抗体を含む、上記メラノトランスフェリン
の測定方法に使用する試薬を提供することを目的とす
る。本発明は、さらにまた、上記試薬を適当な容器に含
む、メラノトランスフェリン測定用キットを提供するこ
とを目的とする。
【0017】
【課題が解決するための手段】本発明者らは上記問題の
解決を目的として鋭意研究に努めた結果、MTFの濃度
が関節炎と関連することを見出し、本発明を想到した。
具体的には、本発明により、MTFが広く関節炎の示標
となりうること、さらに、骨関節炎、リウマチ性関節炎
および外傷性関節損傷を識別も可能であることが初めて
明らかとなった。
【0018】具体的には、本発明は関節炎に関連するM
TFの測定方法であって、MTFの生体試料中の濃度
が、対照の非関節炎生体試料と比較して有意に高い場合
に関節炎であると判断する、ことを含む前記測定法法に
関する。MTF 本発明における「MTF」は、前述したようにヒトメラ
ノーマ細胞に最初に同定された腫瘍関連抗原である。単
量体細胞表面シアロ糖タンパク質であり、ドデシル硫酸
ナトリウム−ポリアクリルアミド電気泳動(SDS−P
AGE)により測定して約97,000ダルトンの見か
け分子量(MW)を有するタンパク質である。MTFタ
ンパク質は鉄を結合させるトランスフェリン・ファミリ
ーに属するタンパク質の1種で細胞の取り込みに働いて
いる分子と考えられている。より詳細には、MTFタン
パク質のアミノ酸配列はトランスフェリンと相同であ
り、トランスフェリンと同様に鉄を結合する(ブラウン
ら,1982,Nature,London,296,
p.171−173)。体細胞ハイブリッド分析および
in situハイブリッド形成法により、MTF遺伝
子はトランスフェリンおよびトランスフェリンの遺伝子
と同様に染色体領域3q21ないし3q29上に配置さ
れることが示されている(プロウマンら,1984,P
roc.Natl.Acad.Sci.,USA,8
1,p.2752−2756)。
【0019】本明細書に参考文献として援用する特開平
8−280390号および特開平9−135692号
は、ヒトのMTFの遺伝子配列および推定アミノ酸配列
を開示している。本明細書の配列番号1には、ヒトMT
Fのアミノ酸酸配列(718)をコード塩基配列ととも
に記載した。測定方法 本発明の測定方法においては、生体試料内のMTFを公
知の任意の方法を用いて測定してよい。
【0020】好ましくはMTFタンパク質は、免疫学的
測定方法を用いて測定することができる。免疫学的測定
方法は、抗体が抗原を特異的に認識する抗原抗体反応に
基づいて抗原や抗体の検出を行う方法である。免疫学的
測定方法においては検出方法として非常に多種の標識、
例えば、酵素、放射性トレーサー、化学発光あるいは蛍
光物質、金属原子、ゾル、ラテックス及びバクテリオフ
ァージが適用可能である。
【0021】免疫学的測定方法の中でも、酵素を使用す
る酵素免疫測定法(EIA)は経済性・利便性から特に
優れたものとして広く使用されるに至っている。酵素免
疫測定法についての優れた論評が、Tijssen
P,“Practice and theory of
enzyme immunoassays” inL
aboratory techniques in b
iochemistry and molecular
biology, Elsevier Amster
dam New York, Oxford ISBN
0−7204−4200−1(1990)に記載され
ている。
【0022】本発明において、抗原、抗体の作製、及び
免疫化学的測定法は特に限定されず公知のものを使用で
きる。尚、これらの調製は公知の方法、例えば続生化学
実験講座、免疫生化学研究法(日本生化学会編)等に記
載の方法に従って行うことができる。以下、本発明のに
おける抗原、抗体の作製、及び免疫化学的測定法の態様
を例示的に説明する。
【0023】i)抗体の作製 本発明の測定方法に用いるポリクローナル抗体は、常法
により作製することができる。
【0024】先ず、MTF免疫原を調製する。例えば、
先ず、ヒト軟骨培養細胞から膜分画を調製後、GPIア
ンカー特異的に作用するホスホリパーゼCにて膜結合成
分を可溶化する。次いで、可溶化成分をMTF結合性レ
クチン固定化ゲルに装填し、MTFをレクチンゲルに吸
着させる。pHの変化、塩濃度の変化または特果糖(例
えば、固定化レクチンがコンカナバリンAの場合には、
α−メチルマンノピラノシド)を利用することにより、
レクチンゲルに吸着した糖タンパク質分画を溶出する。
次いで、所望により、イオン交換カラムクロマトグラフ
ィーおよびゲル濾過クロマトマトグラフィー等に供して
MTF抗原を精製することができる。あるいは、既知の
抗MTFモノクローナル抗体(例えば、L235(寄託
番号ATCC No8446−HB)等)を利用したア
フィニティークロマトグラフィーを用いてMTF抗原を
調製してもよい。免疫原は特に限定されず、ヒトおよび
ヒト以外の哺乳動物由来のもの、例えばウサギ、を使用
可能である。好ましくはヒト由来である。
【0025】あるいは、特開平8−280390号およ
び特開平9−135692号等に開示されたMTF遺伝
子の塩基配列に基づいて、MTF遺伝子をクローニング
し、公知の遺伝子工学技術を用いてMTFタンパク質を
発現させてもよい。
【0026】上述のように得られたMTF免疫原をリン
酸ナトリウム緩衝液(以下、「PBS」と言う)に溶解
し、フロイント完全アジュバント又は不完全アジュバン
ト、あるいはミョウバン等の補助剤と混合したものを、
免疫用抗原として動物に免疫することによって得ること
ができる。免疫される動物としては当該分野で常用され
るものをいずれも使用できるが、例えば、マウス、ラッ
ト、ウサギ、ヤギ、ウマ等を挙げることができる。
【0027】免疫の際の投与法は、皮下注射、腹腔内注
射、静脈内注射、皮内注射、筋肉内注射のいずれでもよ
いが、皮下注射又は腹腔内注射が好ましい。免疫は1回
又は適当な間隔で、好ましくは1週間ないし5週間の問
隔で複数回行うことができる。
【0028】免疫した動物から血液を採取し、そこから
分離した血清を用い、MTFと反応するポリクローナル
抗体の存在を評価することができる。さらに、公知の方
法により本発明のモノクローナル抗体を作製することが
できる。
【0029】モノクローナル抗体の製造にあたっては、
少なくとも下記のような作業工程が必要である。 (a)免疫用抗原MTFの調製 (b)動物への免疫 (c)血液の採取、アッセイ、及び抗体産生細胞の調製 (d)ミエローマ細胞の調製 (e)抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞融合とハ
イブリドーマの選択的培養 (f)目的とする抗体を産生するハイブリドーマのスク
リーニングと細胞クローニング (g)ハイブリドーマの培養又は動物へのハイブリドー
マの移植によるモノクローナル抗体の調製 (h)調製されたモノクローナル抗体の反応性の測定等 モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを作製す
るための常法は、例えば、ハイブリドーマ テクニック
ス(Hybridoma Techniques),コ
ールド スプリング ハーバー ラボラトリーズ(Co
ld Spring Harbor Laborato
ry,1980年版)、細胞組織化学(山下修二ら、日
本組織細胞化学会編;学際企画、1986年)に記載さ
れている。
【0030】以下、本発明のMTFに対するモノクロー
ナル抗体の作製方法を説明するが、これに制限されない
ことは当業者によって明らかであろう。(a)−(b)
の工程は、ポリクローナル抗体に関して記述した方法と
ほぼ同様の方法によって行うことができる。
【0031】(c)の工程における抗体産生細胞はリン
パ球であり、これは一般には脾臓、胸腺、リンパ節、末
梢血液又はこれらの組み合わせから得ることができるが
脾細胞が最も一般的に用いられる。従って、最終免疫
後、抗体産生が確認されたマウスより抗体産生細胞が存
在する部位、例えば脾臓を摘出し、脾細胞を調製する。
【0032】(d)の工程に用いることのできるミエロ
ーマ細胞としては、例えば、Balb/cマウス由来骨
髄腫細胞株のP3/X63−Ag8(X63)(Nat
ure,256,495−497(1975))、P3
/X63−Ag8.U1(P3U1)(Current
Topics.in Microbiologyan
d Immunology,81, 1−7(198
7))、P3/NSI−1−Ag 4−1(NS−1)
(Eur.J.Immunol.,6,511−519
(1976))、Sp2/0−Ag14(Sp2/0)
(Nature, 276,269−270(197
8))、FO(J.Immuno.Meth.,35,
1−21(1980))、MPC−11、X63.6
53、S194等の骨髄腫株化細胞、あるいはラット由
来の210.RCY3.Ag 1.2.3.(Y3)
(Nature, 277,131−133,(197
9))等を使用できる。
【0033】上述したミエローマ細胞をウシ胎児血清を
含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)又はイス
コフ改変ダルベッコ培地(IMDM)で継代培養し、融
合当日に約1×106以上の細胞数を確保する。
【0034】(e)の工程の細胞融合は公知の方法、例
えばミルスタイン(Milstein)らの方法(Me
thods in Enzymology,73,3
(1981))等に準じて行うことができる。現在最も
一般的に行われているのはポリエチレングリコール(P
EG)を用いる方法である。PEG法については、例え
ば、細胞組織化学、山下修二ら(上述)に記載されてい
る。別の融合方法としては、電気処理(電気融合)によ
る方法を採用することもできる(大河内悦子ら、実験医
学 5.1315−19、1987)。その他の方法を
適宜採用することもできる。また、細胞の使用比率も公
知の方法と同様でよく、例えばミエローマ細胞に対して
脾細胞を3倍から10倍程度用いればよい。
【0035】脾細胞とミエローマ細胞とが融合し、抗体
分泌能及び増殖能を獲得したハイブリドーマ群の選択
は、例えば、ミエローマ細胞株としてヒポキサンチング
アニンホスホリボシルトランスフェラーゼ欠損株を使用
した場合、例えば上述のDMEMやIMDMにヒポキサ
ンチン・アミノプテリン・チミジンを添加して調製した
HAT培地の使用により行うことができる。
【0036】(f)の工程では、選択されたハイブリド
ーマ群を含む培養上清の一部をとり、例えば後述するE
LISA法により、MTFに対する抗体活性を測定す
る。さらに、測定によりMTFに反応する抗体を産生す
ることが判明したハイブリドーマの細胞クローニングを
行う。この細胞クローニング法としては、限界希釈によ
り1ウェルに1個のハイブリドーマが含まれるように希
釈する方法「限界希釈法」;軟寒天培地上に撒きコロニ
ーをとる方法;マイクロマニピュレーターによって1個
の細胞を取り出す方法;セルソーターによって1個の細
胞を分離する「ソータークローン法」等が挙げられる。
限界希釈法が簡単であり、よく用いられる。
【0037】抗体価の認められたウェルについて、例え
ば限界希釈法によりクローニングを1−4回繰り返して
安定して抗体価の得られたものを、抗MTFモノクロー
ナル抗体産生ハイブリドーマ株として選択する。ハイブ
リドーマを培養する培地としては、例えば、ウシ胎児血
清(FCS)を含むDMEM又はIMDM等が用いられ
る。ハイブリドーマの培養は、例えば二酸化炭素濃度5
−7%程度及び37℃(100%湿度の恒温器中)で培
養するのが好ましい。
【0038】(g)の工程で抗体を調製するための大量
培養は、フォローファイバー型の培養装置等によって行
われる。又は、同系統のマウス(例えば、上述のBal
b/c)あるいはNu/Nuマウスの腹腔内でハイブリ
ドーマを増殖させ、腹水液より抗体を調製することも可
能である。
【0039】これらにより得られた培養上清液あるいは
腹水液を抗MTFモノクローナル抗体として使用するこ
とできるが、さらに透析、硫酸アンモニウムによる塩
析、ゲル濾過、凍結乾燥等を行い、抗体画分を集め精製
することにより抗MTFモノクローナル抗体を得ること
ができる。さらに、精製が必要な場合には、イオン交換
カラムクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグ
ラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)な
どの慣用されている方法を組合わせることにより実施で
きる。
【0040】以上のようにして得られた抗MTFモノク
ローナル抗体は、例えば後述するELISA法などの公
知の方法を使用して、サブクラス、抗体価等を決定する
ことができる。
【0041】本発明おいては、本明細書の実施例におい
て後述するように、新たな抗MTFモノクローナル抗体
として47−4Eおよび8−9Cを得た。実施例1の表
1に示すように、47−4Eおよび8−9CはMTFに
類似するトランスフェリンには全く交差反応性を有しな
い、MTFに非常に特異性の高いモノクローナル抗体で
ある。また、抗MTFモノクローナル抗体は本発明前よ
り公知であり、アメリカンタイプカルチャーコレクショ
ンに寄託されているL235(寄託番号ATCC N
o.8446−HB)等も使用可能である。
【0042】また、前述したカワモトらの論文(Eu
r.J.Biochem.,1998)は、ウサギMT
Fに対する抗血清を開示している。このような抗血清
も、例えばウサギを対象とする本発明の測定方法におい
て使用可能である。抗体による生体試料中のMTFの測定 本発明で使用する抗体によるMTFの測定法としては、
放射性同位元素免疫測定法(RIA法)、ELISA法
(Engvall,E.,Methods in En
zymol.,70,419−439(1980))、
蛍光抗体法、プラーク法、スポット法、凝集法、オクタ
ロニー(Ouchterlony)等の一般に抗原の検
出に使用されている種々の方法(「ハイブリドーマ法と
モノクローナル抗体」、株式会社R&Dプラニング発
行、第30頁−第53頁、昭和57年3月5日)が挙げ
られる。
【0043】MTFの測定は、例えば各種ELISA法
のうち例えば間接競合ELISA法により、以下のよう
な手順により行うことができる。 (a)まず、固相化用抗原であるMTF抗原を担体に固
相化する。
【0044】(b)固相化用抗原が吸着していない固相
表面を抗原と無関係な物質、例えばタンパク質によりブ
ロッキングする。 (c)これに各種濃度のMTFを含む生体試料及び抗体
を加え、抗MTF抗体を前記固相化抗原及びMTFに競
合的に反応させて、固相化抗原−抗体複合体及び、MT
F−抗体複合体を生成させる。
【0045】(d)固相化抗原−抗体複合体の量を測定
することにより、予め作成した検量線から生体試料中の
MTFの量を決定することができる。(a)工程におい
て、固相化用抗原を固相化する担体としては、特別な制
限はなく、ELISA法において常用されるものをいず
れも使用することができる。例えば、ポリスチレン製の
96ウェルのマイクロタイタープレートが挙げられる。
【0046】固相化用抗原を担体に固相化させるには、
例えば、固相化用抗原を含む緩衝液を担体上に載せ、イ
ンキュベーションすればよい。緩衝液としては公知のも
のが使用でき、例えば、リン酸緩衝液を挙げることがで
きる。緩衝液中の抗原の濃度は広い範囲から選択できる
が、通常0.01μg/mlから100μg/ml程
度、好ましくは0.05μg/mlから10μg/ml
が適している。また、担体として96ウェルのマイクロ
タイタープレートを使用する場合には、300μl/ウ
ェル以下で20μl/ウェルから150μl/ウェル程
度が望ましい。更に、インキュベーションの条件にも特
に制限はないが、通常4℃程度で一晩インキュベーショ
ンが適している。
【0047】(b)工程のブロッキングは、抗原を固相
化した担体において、MTF部分以外に後で添加する抗
体が吸着され得る部分が存在する場合があり、もっぱら
それを防ぐ目的で行われる。ブロッキング剤として、例
えば、BSAやスキムミルク溶液を使用できる。あるい
は、ブロックエース(「Block‐Ace」、大日本
製薬社製、コードNo.UK−25B)等のブロッキン
グ剤として市販されているものを使用することもでき
る。具体的には、限定されるわけではないが、例えば抗
原を固相化した部分にブロッキング剤を含む緩衝液[例
えば、1%BSAと60mM NaClを添加した85
mM ホウ酸緩衝液(pH8.0)]を適量加え、約4
℃で、1時間ないし5時間インキュベーションした後、
洗浄液で洗浄することにより行われる。洗浄液としては
特に制限はないが、例えば、PBSを用いることができ
る。
【0048】次いで(c)工程において、MTFを含む
生体試料と抗体を固相化抗原と接触させ、抗体を固相化
抗原及びMTFと反応させることにより、固相化抗原−
抗体複合体及びMTF−抗体複合体が生成する。
【0049】MTFを含む生体試料としては、特に限定
されず関節液の他に血清等も使用可能である。後述する
実施例4(図3)に示すように、関節液中のMTF濃度
は血清中のMTF濃度に相関関係を有する。よって、本
発明の測定方法においては関節液を用いるのが好ましい
が、血清、血液、リンパ球等の他の生体試料も使用可能
である。生体試料の由来は特に限定されず、ヒトおよび
ヒト以外の哺乳動物由来のもの、例えばウサギ、を使用
可能である。好ましくはヒト由来である。
【0050】抗体としては、第一抗体として本発明のM
TFに対する抗体を加え、更に第二抗体として標識酵素
を結合した第一抗体に対する抗体を順次加えて反応させ
る。第一抗体は緩衝液に溶解して添加する。限定される
わけではないが、反応は、10℃から40℃、好ましく
は約25℃で約1時間行えばよい。反応終了後、緩衝液
で担体を洗浄し、固相化抗原に結合しなかった第一抗体
を除去する。洗浄液としては、例えば、PBSを用いる
ことができる。
【0051】次いで第二抗体を添加する。例えば第一抗
体としてマウスモノクローナル抗体を用いる場合、酵素
等の標識物質を結合した抗マウス−ヤギ抗体を用いるの
が適当である。標識物質としては、西洋わさびペルオキ
シダーゼ(以下「HRP」と言う)、アルカリフォスフ
ァターゼ等の酵素を用いることができる。あるいは、フ
ルオレセインイソシアネート、ローダミン等の蛍光物
質、32P、125I等の放射性物質、化学発光物質などを
用いてもよい。担体に結合した第一抗体に好ましくは最
終吸光度が4以下、より好ましくは0.5−3.0とな
るように希釈した第二抗体を反応させるのが望ましい。
希釈には緩衝液を用いる。限定されるわけではないが、
反応は室温で約1時間行い、反応後、緩衝液で洗浄す
る。以上の反応により、第二抗体が第一抗体に結合す
る。また、標識した第一抗体を用いてもよく、その場
合、第二抗体は不要である。あるいは、第一抗体をビオ
チン化させておき、第二抗体の代わりに標識したストレ
プトアビジンを加えてもよい。
【0052】次いで(d)工程において担体に結合した
第二抗体の標識物質と反応する発色基質溶液を加え、吸
光度を測定することによって検量線からMTFの量を算
出することができる。
【0053】第二抗体に結合する酵素としてペルオキシ
ダーゼを使用する場合には、例えば、過酸化水素、並び
に3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン又はo
−フェニレンジアミン(以下、「OPD」と言う)を含
む発色基質溶液を使用することができる。限定されるわ
けではないが、発色基質溶液を加え室温で約10分間反
応させた後、1Nの硫酸を加えることにより酵素反応を
停止させる。3,3’,5,5’−テトラメチルベンジ
ジンを使用する場合、450nmの吸光度を測定する。
OPDを使用する場合、492nmの吸光度を測定す
る。一方、第二抗体に結合する酵素としてアルカリホス
ファターゼを使用する場合には、例えばp−ニトロフェ
ニルリン酸を基質として発色させ、1NのNaOH溶液
を加えて酵素反応を止め、415nmでの吸光度を測定
する方法が適している。
【0054】MTFを添加しない反応溶液の吸光度に対
して、それらを添加して抗体と反応させた溶液の吸光度
の減少率を阻害率として計算する。既知の濃度のMTF
を添加した反応液の阻害率により予め作成しておいた検
量線を用いて、試料中のMTFの濃度を算出できる。
【0055】あるいはMTFの測定は、例えば以下に述
べるような直接競合ELISA法によって行うこともで
きる。 (a)まず、抗MTFモノクローナル抗体を、担体に固
相化する。
【0056】(b)抗体が固相化されていない担体表面
を抗原と無関係な物質、例えばタンパク質により、ブロ
ッキングする。 (c)上記工程とは別に、各種濃度のMTFを含む生体
試料に、MTF免疫原と酵素を結合させた酵素結合MT
Fを加えた混合物を調製する。
【0057】(d)上記混合物を上記抗体固相化担体と
反応させる。 (e)固相化抗体−酵素結合MTF複合体の量を測定す
ることにより、あらかじめ作成した検量線から試料中の
MTFの量を決定する。
【0058】(a)工程においてモノクローナル抗体を
固相化する担体としては、特別な制限はなくELISA
法において常用されるものを用いることができ、例えば
96ウェルのマイクロタイタープレートが挙げられる。
モノクローナル抗体の固相化は、例えばモノクローナル
抗体を含む緩衝液を担体上にのせ、インキュベートする
ことによって行える。緩衝液の組成・濃度は前述の間接
競合ELISA法と同様のものを採用できる。
【0059】(b)工程のブロッキングは、抗体を固相
化した担体において、後に添加する試料中のMTF並び
に酵素結合MTFが、抗原抗体反応とは無関係に吸着さ
れる部分が存在する場合があるので、それを防ぐ目的で
行う。ブロッキング剤及びその方法は、前述の間接競合
ELISA法と同様のものを使用できる。
【0060】(c)工程において用いる酵素結合MTF
の調製は、MTFを酵素に結合する方法であれば特に制
限なく、いかなる方法で行ってもよい。例えば、前述し
た活性化エステル法を採用することができる。調製した
酵素結合MTFは、MTFを含む試料と混合する。
【0061】(d)工程においてMTFを含む試料及び
酵素結合MTFを抗体固相化担体に接触させ、MTFと
酵素結合MTFとの競合阻害反応により、これらと固相
化抗体との複合体が生成する。MTFを含む試料は適当
な緩衝液で希釈して使用する。限定されるわけではない
が、反応は例えば、室温でおよそ1時間行う。反応終了
後、緩衝液で担体を洗浄し、固相化抗体と結合しなかっ
た酵素結合MTFを除去する。洗浄液は、例えばPBS
を使用することができる。
【0062】さらに、(e)工程において酵素結合MT
Fの酵素に反応する発色基質溶液を前述の間接競合EL
ISA法と同様に加え、吸光度を測定することにより検
量線からMTFの量を算出することができる。
【0063】さらにまた、限定されるわけではないが、
本発明の方法では好ましくはサンドイッチ法を用いるこ
とができる。サンドイッチ法は、「2抗体法」とも呼ば
れる非競合型のイムノアッセイである。サンドイッチ法
は、抗原上の重複していないエピトープに対する2種の
異なる抗体により抗原を測定することを特徴とする(生
化学事典 第3版 第599頁 1998年10月)。
【0064】(a)まず、第一の抗MTFモノクローナ
ル抗体を、担体に固相化する。 (b)抗体が固相化されていない担体表面を抗原と無関
係な物質、例えばタンパク質により、ブロッキングす
る。
【0065】(c)MTFを含む生体試料を上記抗体固
相化担体と反応させる。 (d)標識した第二の抗MTFモノクローナル抗体を添
加し、反応させる。 (e)固相化第一抗MTFモノクローナル抗体−MTF
−標識第二抗MTFモノクローナル抗体複合体の量を測
定することにより、あらかじめ作成した検量線から試料
中のMTFの量を決定する。
【0066】(e)工程においては、標識第2モノクロ
ーナル抗体の酵素に反応する発色基質溶液を前述のEL
ISA法と同様に加え、吸光度を測定することにより検
量線からMTFの量を算出することができる。あるい
は、第二抗体をビオチン化させておき、更に標識したス
トレプトアビジンを加えてビオチン−アビジン結合体を
生じさせ、アビジンに結合した標識酵素を発色させても
よい。
【0067】サンドイッチ法においては、(a)工程に
おいて用いる担体に固相化させる第一のモノクローナル
抗体と、(e)工程において加える第二のモノクローナ
ル抗体とは異なるエピトープを認識することを特徴とす
る。このため抗原検出の特異性と感度を高めることが可
能である。限定されるわけではないが、好ましくは、本
発明において得られた抗MTFモノクローナル抗体47
−4Eおよび8−9Cを用いることができる。抗MTF
モノクローナル抗体47−4Eおよび8−9Cを用いた
サンドイッチ法の場合、約1ng/mlないし約80n
g/ml、好ましくは約3ng/mlないし60ng/
mlの濃度でMTFの測定が可能である(実施例2、図
1)。
【0068】MTFは細胞膜タンパク質として局在し、
鉄結合能およびレクチン結合能等を有することが報告さ
れている(ローゼンバーガーら,Brain Rese
arch 712(1996),p.117−121
等)。よって、2種類の抗体を用いたサンドイッチ型イ
ムノアッセイの他にも、レクチン−抗体のサンドイッチ
型アッセイも可能である。さらに、例えば57Fe、58
e等の放射性同位元素で標識した鉄−抗体を用いたサン
ドイッチ型アッセイも可能である。さらに、本発明はイ
ムノアッセイに限定されず、生体試料中のMTF濃度を
測定可能な方法であれば適用可能である。関節炎 本発明の測定方法は、MTFの生体試料中の濃度が、対
照の非関節炎生体試料と比較して有意に高い場合に関節
炎であると判断する。本発明の測定方法によって、種々
の関節炎を病む複数の生体試料中のMTF濃度を測定す
ると、いずれも関節炎とは無関係な陰性対照の生体試料
中と比較してMTF濃度が有意に高い。例えば、後述す
る実施例3(図2)では、関節液中のMTF濃度が、陰
性対照群(半月晩損傷疾患)に対し、骨関節炎で約5
倍、リウマチ性関節炎で約10倍、外傷性関節損傷で約
7倍上昇した。
【0069】限定されるわけではないが、本発明の測定
方法においては、関節液のMTF濃度が約2ng/ml
以上の場合に関節炎であると判断する。また、実施例4
(図3)に示すように血清のMTF濃度は関節液の場合
と相関関係にあり、相関係数は0.694であり、血清
MTF=関節液MTF×0.664+1.71の関係式
が成り立つ。よって、血清の場合には、約5ng/ml
以上の場合に関節炎であると判断する。
【0070】本発明の測定方法により判断可能な関節炎
は特に限定されず、リウマチ関節炎、骨関節炎、外傷性
関節損傷、感染性関節炎、結合組織疾患に伴う関節炎等
公知の任意の関節炎が対象となる。好ましくは、リウマ
チ性関節炎、骨関節炎および外傷性関節損傷が対象とな
る。
【0071】さらに、本発明の測定方法においてはリウ
マチ関節炎、骨関節炎および外傷性関節損傷の3種の関
節炎の識別が可能である。具体的には、関節液中のMT
F濃度が約2ng/ml以上の場合には、リウマチ性関
節炎、骨関節炎および外傷性関節損傷のうちの何れかの
関節炎であると判断し、さらに約8ng/ml以上の場
合には、リウマチ性関節炎または外傷性関節損傷である
と判断し、さらにまた、約25ng/ml以上の場合に
はリウマチ性関節炎であると判断する。そして約2ng
/ml以下の場合に関節炎に罹患していないと判断す
る。
【0072】本発明の測定方法をさらに他の関節炎に関
するデータ、例えば上述したようなレントゲンデータ、
リウマチ診断基準、オステオネクチン分布データ等、と
組み合わせることにより、関節炎の判断並びにリウマチ
関節炎、骨関節炎および外傷性関節損傷の3種の関節炎
の識別がより容易、確実にすることが可能である。
【0073】なお、本発明は、MTFと関節炎との関係
を初めて見出し、関節炎の早期診断・発見を可能にした
ものである。よって、本発明に基づき、生体試料中のM
TFのタンパク質濃度のみならず、遺伝子発現も関節炎
と関連付けられると考えられる。即ち、生体試料中のM
TFのmRNAを、例えばPCR等の核酸増幅技術を用
いることによって増幅し、対照の非関節炎由来の試料と
比較することが可能である。MTF測定用試薬およびキット 本発明はさらに、上述したMTF測定方法に使用するた
めの試薬を提供する。本発明の試薬は、MTFを測定
し、関節炎を診断するために用いられる。さらに、本発
明の試薬によりリウマチ関節炎、骨関節炎および外傷性
関節炎の3種の関節炎の識別が可能である。
【0074】本発明の試薬はMTF濃度を測定するため
のMTFに特異的な抗体を含むことを特徴とする。MT
Fに特異的な抗体は、好ましくはモノクローナル抗体で
あり、より好ましくは、本発明の実施例1によって得ら
れた抗MTFモノクローナル抗体47−4Eおよび8−
9Cである。
【0075】本発明はまた、上記試薬を適当な容器に含
むキットを提供する。MTFに特異的な抗体は、好まし
くはモノクローナル抗体である。限定されるわけではな
いが、本発明のキットは、例えば、抗MTFモノクロー
ナル抗体を10μg/mlないし1,000μg/ml
の濃度で含む溶液を10μlないし10mlの単位で容
器に含むものである。
【0076】本発明のキットは、さらに、抗体固相用プ
レート、発色基質溶液、標準標識抗体、あるいはビオチ
ン標識抗体およびストレプトアビジン若しくはアビジン
標識酵素の組み合わせ、標準抗原液等のイムノアッセイ
に必要な試薬を含んでいてもよい。以下、実施例によっ
て本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の技術
的範囲を限定するためのものではない。当業者は本明細
書の記載に基づいて容易に本発明に修飾・変更を加える
ことができ、それらは本発明の技術的範囲に含まれる。
【0077】
【実施例】実施例1 MTFに対するモノクローナル抗
体の作製 ヒト軟骨培養細胞から膜分画を調製後、GPIリンカー
に特異的に作用するホスホリパーゼCを用いてMTFを
含む膜結合成分を可溶化した。
【0078】次いで可溶化膜結合成分を、ヒトMTFに
特異的なモノクローナル抗体L235(ATCC N
o.8446−HB)を固定化したセルロファインゲル
を用いたイムノアフィニティークロマトグラフィーに装
填し、クロマトグラフィーにヒトMTFを特異的に結合
させた。0.1Mグリシン塩酸バッファー(pH2.
4)を溶出分画として用い、MTFを溶出させた。
【0079】精製MTFの10μgを免疫用抗原として
フロイド完全アジュバントとともにBalb/cマウス
に腹腔内注射した。その後、追加免疫として皮下注射を
繰り返し行った。マウス抗血清のMTFに対する抗体価
の上昇を、MTF固相化マイクロタイタープレートを用
いた間接競合ELISA法にて確認した。次いで、抗体
産生細胞とマウスのミエローマ細胞(xAg8/6.
5.3)との細胞融合を行い、同様なMTFに対する間
接競合ELISA法による抗体価の測定に基づき、MT
Fに特異的なモノクローナル抗体を産生するハイブリド
ーマ細胞株を2株取得した(47−4Eおよび8−9
C)。
【0080】取得した抗MTFモノクローナル抗体47
−4Eおよび8−9CのMTFの異なる供給源に対する
特異性を、免疫用抗原の供給源である軟骨培養細胞由来
のMTFと、メラノーマ細胞由来のMTFの各々に対す
る特異性を比較することによって調べた。陰性対照とし
てヒト血清由来のトランスフェリンを用いた。結果を表
1示す。
【0081】
【表1】 メラノトランスフェリンの由来 ヒト血清モノクローナル抗体 軟骨培養細胞 メラノーマ細胞 トランスフェリン 47−4E 100% 100% 0% 8−9C 100% 100% 0% 表1に示されるように本願発明の抗MTFモノクローナ
ル抗体は、測定対象化合物のMTFの供給源に関係な
く、MTFに特異的であることが明らかとなった。実施例2 サンドイッチ型エンザイムイムノアッセイを
用いたMTFの測定 実施例1で得られた2種の抗MTFモノクローナル抗体
47−4Eおよび8−9を用いたサンドイッチ型エンザ
イムイムノアッセイ(2抗体法)よりMTFを測定し
た。 a)1次抗体(抗MTFモノクローナル抗体8−9C)
の固相プレートの作製 b)固相プレートのブロッキング c)MTF抗原の添加および反応 d)2次抗体(ビオチン化抗MTFモノクローナル抗体
47−3E)の添加および反応 e)アルカリホスファターゼ標識ストレプトアビジンの
添加 f)p−ニトロフェニルリン酸溶液の添加 g)発色反応の停止 各操作の間には、0.1% Tween20を含むPB
Sでの洗浄操作を行った。
【0082】具体的には、先ず実施例1で得た抗MTF
モノクローナル抗体8−9Cを30μg/mlの濃度で
100μlずつ分注し、4℃で1晩感作させて、マイク
ロプレートにコーティングした。さらに、1%(w/
v)ウシ血清アルブミン(BSA)および0.15M
NaClを含む20mMリン酸バッファー(pH7.
4)を用いて固相プレートをブロッキングしてアッセイ
用のプレートを作製した。
【0083】次に、実施例1で調製した0ないし100
μg/mlのMTF抗原を100μlずつ各ウェルに入
れ、室温で2時間反応させた。反応後、0.1% Tw
een20を含むPBSでの洗浄し、2次抗体として
2.5μg/mlのビオチン化抗MTFモノクローナル
抗体47−3Eを加えた。反応は、室温で2時間行っ
た。次いで、アルカリホスファターゼ標識ストレプトア
ビジンを、0.5U/mlの濃度で添加した、同様に室
温で2時間反応させた。反応終了後、0.1% Twe
en20を含むPBSでの洗浄し、発色基質溶液として
p−ニトロフェニルリン酸溶液(バイオテックス ラボ
ラトリー社製、米国)を添加した。発色反応を室温で3
0分間行った後、1N NaOHを加えることにより停
止した。
【0084】プレートリーダーにて415nmにおかる
吸光度を計測し、発色の度合いを測定した。メラノトラ
ンスフェリン標準液を用いて作成した較正曲線を図1に
示す。図1に示すように、本発明の測定方法により、抗
MTFモノクローナル抗体47−4Eおよび8−9Cを
用いたサンドイッチ法の場合、約1ng/mlないし約
80ng/mlの濃度でMTFの測定が可能である。実施例3 抗MTF抗体を用いた関節液中のMTFの測
実施例2のサンドイッチ型エンザイムイムノアッセイの
手順に従い、関節炎患者の関節液中のMTF濃度を測定
した。
【0085】具体的には、関節炎患者として骨関節炎
(OA)26例、リューマチ性関節炎(RA)46例お
よび外傷性関節損傷(ACL)15例を対象とした。さ
らに、半月板損傷2例を陰性対照として測定した。結果
を図2に示す。
【0086】図2より、骨関節炎、リューマチ性関節
炎、外傷性関節損傷のすべての関節炎において、対照の
半月板損傷と比較して、関節液中のMTF濃度が有意に
高いことが示された。よって、関節液中のMTF濃度は
関節炎を早期に発見・診断する上で有用であることが明
らかとなった。
【0087】さらに、骨関節炎、リューマチ性関節炎、
外傷性関節損傷の各関節炎ではMTF濃度の分布に有意
に差があることが判明した。具体的には、骨関節炎(O
A)では、MTF濃度の分布が平均約3.15ng/m
l(SD±2.79)であり、最高値は約8ng/ml
であった。リューマチ性関節炎(RA)では、平均約1
1.30ng/ml(SD±11.82)であり、最高
値は約52ng/mlであった。そして、外傷性関節損
傷(ACL)では平均約9.88ng/ml(SD±
5.29)であり、最高値は約25ng/mlであっ
た。これに対し、陰性対照の半月板損傷では平均約1.
14ng/ml(SD±1.21)であった。実施例4 血清MTF濃度と関節液MTF濃度の相関関
骨関節炎26例、リューマチ性関節炎46例および外傷
性間接損傷15例の患者につき関節液とともに血清を採
取した。血清中のMTF濃度を測定し、関節液中のMT
F濃度と比較した。
【0088】結果を図3に示す。図3に示すように血清
中のMTF濃度と関節液中のMTF濃度との間に正の相
関性があることが見出された。詳細には、血清中のMT
F濃度と関節液中のMTF濃度の相関係数は約0.69
4であり、血清MTF=関節液MTF×0.664+
1.71の関係式が成り立つ。
【0089】
【効果】本発明により、MTFと関節炎との関係が明ら
かとなった。本発明のMTF測定方法によって生体試料
中のMTF濃度を測定することにより、広く関節炎を簡
便、迅速、安価に発見・診断することが可能となった。
【0090】本発明はさらに、MTF濃度は3種の関節
炎、骨関節炎、リューマチ性関節炎、外傷性関節損傷に
おいて、有意に差があることを見出し、三者の識別を初
めて可能にした。
【0091】
【配列表】 SSEQUENCE LISTING <110> オリエンタル酵母工業株式会社 <120> 関節炎関連メラノトランスフェリンの測定方法および試薬 <130> 991441 <160> 1 <210> 1 <211> 2154 <212> DNA <213> human <400> 1 ATG GAG GTG CGG TGG TGC GCC ACC TCG GAC CCA GAG CAG CAC AAG TGC 48 Met Glu Val Arg Trp Cys Ala Thr Ser Asp Pro Glu Gln His Lys Cys 1 5 10 15 GGC AAC ATG AGC GAG GCC TTC CGG GAA GCG GGC ATC CAG CCC TCC CTC 96 Gly Asn Met Ser Glu Ala Phe Arg Glu Ala Gly Ile Gln Pro Ser Leu 20 25 30 CTC TGC GTC CGG GGC ACC TCC GCC GAC CAC TGC GTC CAG CTC ATC GCG 144 Leu Cys Val Arg Gly Thr Ser Ala Asp His Cys Val Gln Leu Ile Ala 35 40 45 GCC CAG GAG GCT GAC GCC ATC ACT CTG GAT GGA GGA GCC ATC TAT GAG 192 Ala Gln Glu Ala Asp Ala Ile Thr Leu Asp Gly Gly Ala Ile Tyr Glu 50 55 60 GCG GGA AAG GAG CAC GGC CTG AAG CCG GTG GTG GGC GAA GTG TAC GAT 240 Ala Gly Lys Glu His Gly Leu Lys Pro Val Val Gly Glu Val Tyr Asp 65 70 75 80 CAA GAG GTC GGT ACC TCC TAT TAC GCC GTG GCT GTG GTC AGG AGG AGC 288 Gln Glu Val Gly Thr Ser Tyr Tyr Ala Val Ala Val Val Arg Arg Ser 85 90 95 TCC CAT GTG ACC ATT GAC ACC CTG AAA GGC GTG AAG TCC TGC CAC ACG 336 Ser His Val Thr Ile Asp Thr Leu Lys Gly Val Lys Ser Cys His Thr 100 105 110 GGC ATC AAT CGC ACA GTG GGC TGG AAC GTG CCC GTG GGC TAC CTG GTG 384 Gly Ile Asn Arg Thr Val Gly Trp Asn Val Pro Val Gly Tyr Leu Val 115 120 125 GAG AGC GGC CGC CTC TCG GTG ATG GGC TGC GAT GTA CTC AAA GCT GTC 432 Glu Ser Gly Arg Leu Ser Val Met Gly Cys Asp Val Leu Lys Ala Val 130 135 140 AGC GAC TAT TTT GGG GGC AGC TGC GTC CCG GGG GCA GGA GAG ACC AGT 480 Ser Asp Tyr Phe Gly Gly Ser Cys Val Pro Gly Ala Gly Glu Thr Ser 145 150 155 160 TAC TCT GAG TCC CTC TGT CGC CTC TGC AGG GGT GAC AGC TCT GGG GAA 528 Tyr Ser Glu Ser Leu Cys Arg Leu Cys Arg Gly Asp Ser Ser Gly Glu 165 170 175 GGG GTG TGT GAC AAG AGC CCC CTG GAG AGA TAC TAC GAC TAC AGC GGG 576 Gly Val Cys Asp Lys Ser Pro Leu Glu Arg Tyr Tyr Asp Tyr Ser Gly 180 185 190 GCC TTC CGG TGC CTG GCG GAA GGG GCA GGG GAC GTG GCT TTT GTG AAG 624 Ala Phe Arg Cys Leu Ala Glu Gly Ala Gly Asp Val Ala Phe Val Lys 195 200 205 CAC AGC ACG GTA CTG GAG AAC ACG GAT GGG AAG ACG CTT CCC TCC TGG 672 His Ser Thr Val Leu Glu Asn Thr Asp Gly Lys Thr Leu Pro Ser Trp 210 215 220 GGC CAG GCC CTG CTG TCA CAG GAC TTC GAG CTG CTG TGC CGG GAT GGT 720 Gly Gln Ala Leu Leu Ser Gln Asp Phe Glu Leu Leu Cys Arg Asp Gly 225 230 235 240 AGC CGG GCC GAT GTC ACC GAG TGG AGG CAG TGC CAT CTG GCC CGG GTG 768 Ser Arg Ala Asp Val Thr Glu Trp Arg Gln Cys His Leu Ala Arg Val 245 250 255 CCT GCT CAC GCC GTG GTG GTC CGG GCC GAC ACA GAT GGG GGC CTC ATC 816 Pro Ala His Ala Val Val Val Arg Ala Asp Thr Asp Gly Gly Leu Ile 260 265 270 TTC CGG CTG CTC AAC GAA GGC CAG CGT CTG TTC AGC CAC GAG GGC AGC 864 Phe Arg Leu Leu Asn Glu Gly Gln Arg Leu Phe Ser His Glu Gly Ser 275 280 285 AGC TTC CAG ATG TTC AGC TCT GAG GCC TAT GGC CAG AAG GAT CTA CTC 912 Ser Phe Gln Met Phe Ser Ser Glu Ala Tyr Gly Gln Lys Asp Leu Leu 290 295 300 TTC AAA GAC TCT ACC TCG GAG CTT GTG CCC ATC GCC ACA CAG ACC TAT 960 Phe Lys Asp Ser Thr Ser Glu Leu Val Pro Ile Ala Thr Gln Thr Tyr 305 310 315 320 GAG GCG TGG CTG GGC CAT GAG TAC CTG CAC GCC ATG AAG GGT CTG CTC 1008 Glu Ala Trp Leu Gly His Glu Tyr Leu His Ala Met Lys Gly Leu Leu 325 330 335 TGT GAC CCC AAC CGG CTG CCC CCC TAC CTG CGC TGG TGT GTG CTC TCC 1056 Cys Asp Pro Asn Arg Leu Pro Pro Tyr Leu Arg Trp Cys Val Leu Ser 340 345 350 ACT CCC GAG ATC CAG AAG TGT GGA GAC ATG GCC GTG GCC TTC CGC CGG 1104 Thr Pro Glu Ile Gln Lys Cys Gly Asp Met Ala Val Ala Phe Arg Arg 355 360 365 CAG CGC CTC AAG CCA GAG ATC CAG TGC GTG TCA GCC AAG TCC CCC CAA 1152 Gln Arg Leu Lys Pro Glu Ile Gln Cys Val Ser Ala Lys Ser Pro Gln 370 375 380 CAC TGC ATG GAG CGG ATC CAG GCT GAG CAG GTC GAC GCT GTG ACC CTA 1200 His Cys Met Glu Arg Ile Gln Ala Glu Gln Val Asp Ala Val Thr Leu 385 390 395 400 AGT GGC GAG GAC ATT TAC ACG GCG GGG AAG AAG TAC GGC CTG GTT CCC 1248 Ser Gly Glu Asp Ile Tyr Thr Ala Gly Lys Lys Tyr Gly Leu Val Pro 405 410 415 GCA GCC GGC GAG CAC TAT GCC CCG GAA GAC AGC AGC AAC TCG TAC TAC 1296 Ala Ala Gly Glu His Tyr Ala Pro Glu Asp Ser Ser Asn Ser Tyr Tyr 420 425 430 GTG GTG GCC GTG GTG AGA CGG GAC AGC TCC CAC GCC TTC ACC TTG GAT 1344 Val Val Ala Val Val Arg Arg Asp Ser Ser His Ala Phe Thr Leu Asp 435 440 445 GAG CTT CGG GGC AAG CGC TCC TGC CAC GCC GGT TTC GGC AGC CCT GCA 1392 Glu Leu Arg Gly Lys Arg Ser Cys His Ala Gly Phe Gly Ser Pro Ala 450 455 460 GGC TGG GAT GTC CCC GTG GGT GCC CTT ATT CAG AGA GGC TTC ATC CGG 1440 Gly Trp Asp Val Pro Val Gly Ala Leu Ile Gln Arg Gly Phe Ile Arg 465 470 475 480 CCC AAG GAC TGT GAC GTC CTC ACA GCA GTG AGC GAG TTC TTC AAT GCC 1488 Pro Lys Asp Cys Asp Val Leu Thr Ala Val Ser Glu Phe Phe Asn Ala 485 490 495 AGC TGC GTG CCC GTG AAC AAC CCC AAG AAC TAC CCC TCC TCG CTG TGT 1536 Ser Cys Val Pro Val Asn Asn Pro Lys Asn Tyr Pro Ser Ser Leu Cys 500 505 510 GCA CTG TGC GTG GGG GAC GAG CAG GGC CGC AAC AAG TGT GTG GGC AAC 1584 Ala Leu Cys Val Gly Asp Glu Gln Gly Arg Asn Lys Cys Val Gly Asn 515 520 525 AGC CAG GAG CGG TAT TAC GGC TAC CGC GGC GCC TTC AGG TGC CTG GTG 1632 Ser Gln Glu Arg Tyr Tyr Gly Tyr Arg Gly Ala Phe Arg Cys Leu Val 530 535 540 GAG AAT GCG GGT GAC GTT GCC TTC GTC AGG CAC ACA ACC GTC TTT GAC 1680 Glu Asn Ala Gly Asp Val Ala Phe Val Arg His Thr Thr Val Phe Asp 545 550 555 560 AAC ACA AAC GGC CAC AAT TCC GAG CCC TGG GCT GCT GAG CTC AGG TCA 1728 Asn Thr Asn Gly His Asn Ser Glu Pro Trp Ala Ala Glu Leu Arg Ser 565 570 575 GAG GAC TAT GAA CTG CTG TGC CCC AAC GGG GCC CGA GCC GAG GTG TCC 1776 Glu Asp Tyr Glu Leu Leu Cys Pro Asn Gly Ala Arg Ala Glu Val Ser 580 585 590 CAG TTT GCA GCC TGC AAC CTG GCA CAG ATA CCA CCC CAC GCC GTG ATG 1824 Gln Phe Ala Ala Cys Asn Leu Ala Gln Ile Pro Pro His Ala Val Met 595 600 605 GTC CGG CCC GAC ACC AAC ATC TTC ACC GTG TAT GGA CTG CTG GAC AAG 1872 Val Arg Pro Asp Thr Asn Ile Phe Thr Val Tyr Gly Leu Leu Asp Lys 610 615 620 GCC CAG GAC CTG TTT GGA GAC GAC CAC AAT AAG AAC GGG TTC AAA ATG 1920 Ala Gln Asp Leu Phe Gly Asp Asp His Asn Lys Asn Gly Phe Lys Met 625 630 635 640 TTC GAC TCC TCC AAC TAT CAT GGC CAA GAC CTG CTT TTC AAG GAT GCC 1968 Phe Asp Ser Ser Asn Tyr His Gly Gln Asp Leu Leu Phe Lys Asp Ala 645 650 655 ACC GTC CGG GCG GTG CCT GTC GGA GAG AAA ACC ACC TAC CGC GGC TGG 2016 Thr Val Arg Ala Val Pro Val Gly Glu Lys Thr Thr Tyr Arg Gly Trp 660 665 670 CTG GGG CTG GAC TAC GTG GCG GCG CTG GAA GGG ATG TCG TCT CAG CAG 2064 Leu Gly Leu Asp Tyr Val Ala Ala Leu Glu Gly Met Ser Ser Gln Gln 675 680 685 TGC TCG GGC GCA GCG GCC CCG GCG CCC GGG GCG CCC CTG CTC CCG CTG 2112 Cys Ser Gly Ala Ala Ala Pro Ala Pro Gly Ala Pro Leu Leu Pro Leu 690 695 700 CTG CTG CCC GCC CTC GCC GCC CGC CTG CTC CCG CCC GCC CTC 2154 Leu Leu Pro Ala Leu Ala Ala Arg Leu Leu Pro Pro Ala Leu 705 710 715
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のサンドイッチ型エンザイムイ
ムノアッセイによるメラノトランスフェリン標準液の較
正曲線を示す。
【図2】図2は、本発明のサンドイッチ型エンザイムイ
ムノアッセイによる各種関節炎患者由来の関節液中のM
TF濃度を示す。
【図3】図3は、本発明のサンドイッチ型エンザイムイ
ムノアッセイによる関節液中のMTF濃度と血清中のM
TF濃度との相関を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉原 裕 東京都板橋区小豆沢三丁目6番10号 オリ エンタル酵母工業株式会社内 (72)発明者 岡 治 東京都板橋区小豆沢三丁目6番10号 オリ エンタル酵母工業株式会社内 (72)発明者 藤田 剛 東京都板橋区小豆沢三丁目6番10号 オリ エンタル酵母工業株式会社内 Fターム(参考) 2G045 AA25 BB01 BB04 BB11 BB20 BB22 BB51 CA26 CB30 DA36 DA77 FA29 FB01 FB03 FB07 GC10

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】関節炎に関連するメラノトランスフェリン
    の測定方法であって i)生体試料中のメラノトランスフェリン濃度を測定
    し;そして ii)生体試料中のメラノトランスフェリン濃度が、対
    照の非関節炎生体試料と比較して有意に高い場合には関
    節炎であると判断することを含む前記方法。
  2. 【請求項2】生体試料が関節液または血清である、請求
    項1に記載の測定方法。
  3. 【請求項3】関節液中のメラノトランスフェリン濃度が
    約2ng/ml以上の場合、あるいは血清中のメラノト
    ランスフェリン濃度が約5ng/ml以上の場合には関
    節炎であると判断することを含む、請求項1または2に
    記載の測定方法。
  4. 【請求項4】関節液中のメラノトランスフェリン濃度が
    約2ng/ml以上の場合には、リウマチ性関節炎、骨
    関節炎および外傷性関節損傷のうちの何れかの関節炎で
    あると判断し、さらに約8ng/ml以上の場合には、
    リウマチ性関節炎または外傷性関節損傷であると判断
    し、さらにまた、約25ng/ml以上の場合にはリウ
    マチ性関節炎であると判断することを含む、請求項1な
    いし3のいずれか1項に記載の測定方法。
  5. 【請求項5】メラノトランスフェリンに特異的な抗体を
    用いたサンドイッチ型イムノアッセイによって生体試料
    中のメラノトランスフェリン濃度を測定することを含
    む、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の測定方
    法。
  6. 【請求項6】抗メラノトランスフェリンモノクローナル
    抗体47−4Eおよび8−9Cを用いる、請求項5に記
    載の測定方法。
  7. 【請求項7】メラノトランスフェリンに特異的な抗体を
    含む、請求項1ないし6のいずれか1抗に記載の測定方
    法に使用するための試薬。
  8. 【請求項8】抗メラノトランスフェリンモノクローナル
    抗体47−4Eおよび8−9Cを含む請求項7に記載の
    試薬。
  9. 【請求項9】メラノトランスフェリンに特異的な抗体が
    標識されている、請求項7または8に記載の試薬。
  10. 【請求項10】請求項7ないし9のいずれか1項に記載
    の試薬を適当な容器に含む、メラノトランスフェリン測
    定用キット。
  11. 【請求項11】抗体固相用プレート、発色基質試薬また
    は標識抗体をさらに含む、請求項10に記載のキット。
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