JP2001049827A - 建物外壁、建物外壁用構造要素及び建物外壁用コーティング材 - Google Patents

建物外壁、建物外壁用構造要素及び建物外壁用コーティング材

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JP2001049827A
JP2001049827A JP2000180300A JP2000180300A JP2001049827A JP 2001049827 A JP2001049827 A JP 2001049827A JP 2000180300 A JP2000180300 A JP 2000180300A JP 2000180300 A JP2000180300 A JP 2000180300A JP 2001049827 A JP2001049827 A JP 2001049827A
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photocatalyst
building
silicone
titania
exterior wall
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Application number
JP2000180300A
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English (en)
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Makoto Sengoku
真 千國
Makoto Hayakawa
信 早川
Toshiya Watabe
俊也 渡部
Atsushi Kitamura
厚 北村
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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  • Sealing Material Composition (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 目地のシリコーン系シーリング材によって建
物の外壁に生じるいわゆる“撥水汚染”を防止する。 【解決手段】 建物外壁を形成する建材の表面を半導体
光触媒を含有する透明層で被覆する。光触媒は太陽光に
よって光励起され、光触媒含有層の表面は水との接触角
が10゜以下になる程度に超親水化される。目地のシー
リング材から遊離した未硬化のシリコーン前駆体の分子
が雨水に伴って拡散して来ても、目地の周辺部の建材表
面に付着することがない。表面に付着した煤塵は雨水に
より洗い流され、表面はセルフクリーニングされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコーン系シー
リング材によって建物の外壁に生じる汚れ(いわゆる
“撥水汚染”)を防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】カーテンウォール工法や石張り工法やタ
イル張り工法などで建物の外壁を構築する場合、パネル
やタイルや天然石板の目地はシーリング材で充填され
る。例えば、熱線反射板ガラスからなるカーテンウォー
ルの目地をシーリング材で充填した総ガラス張りの高層
ビルも造られている。また、窓枠サッシュ等とパネルと
の間の隙間もシーリング材で充填される。シーリング材
には耐候性が要求されるので、耐候性に優れたシリコー
ン系シーリング材が最も適している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シリコ
ーン系シーリング材の問題点は、施工後半年程度で目地
の周辺にうす黒い汚れが生じるということである。建物
外壁が熱線反射板ガラスのカーテンウォールで形成され
ている場合には、干渉様の汚れが生じ問題となってい
る。シリコーン系シーリング材によるこのようなうす黒
い汚れ或いは干渉様の汚れは、業界では“撥水汚染”と
呼ばれている。撥水汚染は、シーリング材から遊離した
未硬化のシリコーン前駆体の分子が雨水によって持ち運
ばれて目地の周辺部の建材表面に拡散し、その結果、目
地周辺部の建材表面が撥水性(即ち、疎水性)になるこ
とに起因している。建物外壁にうす黒い汚れが生じるの
は、都市煤塵に多く含まれているカーボンブラックのよ
うな親油性(即ち疎水性)の汚染物質がそこに付着する
ことに因ると考えられている(建築技術、1993年4月、9
0−93頁)。このようなうす黒い“撥水汚染”は建物の
美観を著しく損ねる。汚れが極端な場合には、建物の施
工主は既存のシリコーン系シーリング材を除去し、目地
を別の材料で施工し直さなければならない。或いは、建
物の所有者や管理者は施工者に対して目地の施工をやり
直すことを要求する。撥水汚染の発生しにくいシーリン
グ材としてはポリサルファイド系シーリング材などが知
られているが、耐候性に問題がある。
【0004】本発明の目的は、シリコーン系シーリング
材による上記“撥水汚染”を防止することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、光触媒を光
励起すると光触媒の表面が高度に親水化されることを発
見した。
【0006】本発明は斯る発見に基づくもので、本発明
は撥水汚染を生じない建物外壁および建物外壁の撥水汚
染防止方法を提供する。本発明によれば、建物外壁の構
造要素(建材パネル、タイル、天然石材、熱線反射板ガ
ラス、結晶化ガラス、窓枠サッシュ、又はその他の建材
からなる)の表面のうち少なくとも目地の周辺の表面は
半導体光触媒を含有する透明層で被覆される。建物の外
壁は日中は太陽によって照射され、光触媒含有層の光触
媒は太陽光によって光励起される。光励起に伴い、光触
媒含有層の表面は水との接触角が10゜以下、好ましく
は5゜以下、より好ましくは約0゜になる程度に超親水
化される。表面が一旦高度に親水化されたならば、表面
の超親水性は夜間でも持続する。再び太陽光の照射を受
ける度に親水性は回復され、維持される。
【0007】このように超親水化された表面には、疎水
性の物質は付着しにくい。従って、降雨時に目地のシー
リング材から遊離した未硬化のシリコーン前駆体の分子
が雨水によって持ち運ばれて来ても、シリコーン前駆体
分子は目地の周辺部の建材表面に付着することなく雨水
と共に流れ去る。また、光触媒含有層の表面に接触した
シリコーン前駆体の分子は、光触媒の光酸化作用によっ
て分解され、除去される。従って、目地の周辺部の建材
表面が撥水性になることがない。また、超親水化された
表面には、都市煤塵中のカーボンブラックのような親油
性の成分は付着しにくい。建物外壁が降雨にさらされた
時には、表面に付着した汚れは雨水により洗い流され、
建物外壁の表面はセルフクリーニングされる。本発明の
上記特徴や効果、ならびに、他の特徴や利点は、以下の
実施例の記載に従い明らかとなろう。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、カーテンウォール工
法、石張り工法、タイル張り工法、その他の工法により
形成される建物外壁に適用される。建物外壁は、プラス
チックパネル、セラミックパネル、金属パネル、ガラス
パネル(熱線反射ガラス又は結晶化ガラス)、プレスト
レス・コンクリートパネル、タイル、天然石板、無機サ
イディング材、琺瑯鉄板、塗装鋼板、窓枠サッシュ、又
はその他の建材(以下、建材と言う)からなる構造要素
を用いて形成することができる。建材の表面は半導体光
触媒を含有する透明層によって被覆されている。建材間
の目地にはシリコーン系シーリング材が充填される。
【0009】光触媒としては、チタニア(TiO2)が最も
好ましい。チタニアは、無害であり、化学的に安定であ
り、かつ、安価に入手可能である。更に、チタニアはバ
ンドギャップエネルギが高く、従って、光励起には紫外
線を必要とし、光励起の過程で可視光を吸収しないの
で、補色成分による発色が起こらない。アナターゼ型チ
タニアとルチル型チタニアのいづれも使用することがで
きる。アナターゼ型チタニアの利点は、非常に細かな微
粒子を分散させたゾルを市場で容易に入手することがで
き、非常に薄い薄膜を容易に形成することができること
である。他方、ルチル型チタニアは、高温で焼結するこ
とができ、強度と耐摩耗性に優れた被膜が得られるとい
う利点がある。建材の表面を光触媒性チタニア含有層で
被覆し、チタニアを紫外線によって光励起すると、光触
媒作用によって水が水酸基(OH-)の形で表面に化学吸
着され、その結果、表面が超親水性になると考えられ
る。使用可能な他の光触媒としては、ZnO、SnO2、SrTiO
3、WO3、Bi2O3、Fe2O3のような金属酸化物がある。これ
らの金属酸化物は、チタニアと同様に、表面に金属元素
と酸素が存在するので、表面水酸基(OH-)を吸着しす
いと考えられる。光触媒性チタニアの粒子を金属酸化物
に配合することにより光触媒含有層を形成してもよい。
特に、後述するようにシリカ又は酸化錫にアナターゼ型
チタニアを配合した場合には、表面を高度に親水化する
ことができる。
【0010】光触媒含有層の膜厚は0.2μm以下にす
るのが好ましい。このような膜厚にすれば、光の干渉に
よる発色を防止することができる。また、光触媒含有層
が薄ければ薄いほど、光触媒含有層の透明度と基材の意
匠性とを確保することができる。更に、膜厚を薄くすれ
ば光触媒含有層の耐摩耗性が向上する。
【0011】建材が金属、セラミックス、タイル、ガラ
ス、琺瑯鉄板のような耐熱性の材料で形成されている場
合には、水との接触角が0゜になる程度の超親水性を呈
する耐摩耗性に優れた光触媒含有層を形成する好ましい
やり方の1つは、先ず建材の表面を無定形チタニアで被
覆し、次いで焼成により無定形チタニアを結晶性チタニ
ア(アナターゼ又はルチル)に相変化させることであ
る。無定形チタニアの形成には、次のいづれかの方法を
採用することができる。 (1)有機チタン化合物の加水分解と脱水縮重合チタン
のアルコキシド、例えば、テトラエトキシチタン、テト
ライソプロポキシチタン、テトラn−プロポキシチタ
ン、テトラブトキシチタン、テトラメトキシチタン、に
塩酸又はエチルアミンのような加水分解抑制剤を添加
し、エタノールやプロパノールのようなアルコールで希
釈した後、部分的に加水分解を進行させながら又は完全
に加水分解を進行させた後、混合物をスプレーコーティ
ング、フローコーティング、スピンコーティング、ディ
ップコーティング、ロールコーティングその他のコーテ
ィング法により、建材の表面に塗布し、常温から200℃
の温度で乾燥させる。乾燥により、チタンのアルコキシ
ドの加水分解が完遂して水酸化チタンが生成し、水酸化
チタンの脱水縮重合により無定形チタニアの層が建材の
表面に形成される。チタンのアルコキシドに代えて、チ
タンのキレート又はチタンのアセテートのような他の有
機チタン化合物を用いてもよい。 (2)無機チタン化合物による無定形チタニアの形成無
機チタン化合物、例えば、TiCl4又はTi(SO4)2の酸性水
溶液をスプレーコーティング、フローコーティング、ス
ピンコーティング、ディップコーティング、ロールコー
ティングにより、建材の表面に塗布する。次いで無機チ
タン化合物を約100℃〜200℃の温度で乾燥させることに
より加水分解と脱水縮重合に付し、無定形チタニアの層
を建材の表面に形成する。或いは、TiCl4の化学蒸着に
より建材の表面に無定形チタニアさせても良い。 (3)スパッタリングによる無定形チタニアの形成金属
チタンのターゲットに酸化雰囲気で電子ビームを照射す
ることにより建材の表面に無定形チタニアを被着する。 (4)焼成温度無定形チタニアの焼成は少なくともアナ
ターゼの結晶化温度以上の温度で行う。400℃〜500℃以
上の温度で焼成すれば、無定形チタニアをアナターゼ型
チタニアに変換させることができる。600℃〜700℃以上
の温度で焼成すれば、無定形チタニアをルチル型チタニ
アに変換させることができる。 (5)拡散防止層の形成建材がナトリウムのようなアル
カリ網目修飾イオンを含むガラスや施釉タイルの場合に
は、建材と無定形チタニア層との間に予めシリカ等の中
間層を形成しておくのが良い。そうすれば、無定形チタ
ニアの焼成中にアルカリ網目修飾イオンが建材から光触
媒含有層中に拡散するのが防止され、水との接触角が0
゜になる程度の超親水性が実現される。
【0012】水との接触角が0゜になる程度の超親水性
を呈する耐摩耗性に優れた光触媒含有層を形成する他の
好ましいやり方は、チタニアとシリカとの混合物からな
る光触媒含有層を建材の表面に形成することである。チ
タニアとシリカとの合計に対するシリカの割合は、5〜
90モル%、好ましくは10〜70モル%、より好まし
くは10〜50モル%にすることができる。シリカ配合
チタニアからなる光触媒含有層の形成には、次のいづれ
かの方法を採用することができる。 (1)アナターゼ型又はルチル型チタニアの粒子とシリ
カの粒子とを含む懸濁液を建材の表面に塗布し、建材の
軟化点以下の温度で焼結する。 (2)無定形シリカの前駆体(例えば、テトラエトキシ
シラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−プロ
ポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラメトキシ
シラン、等のテトラアルコキシシラン;それらの加水分
解物であるシラノール; 又は平均分子量3000以下のポ
リシロキサン)と結晶性チタニアゾルとの混合物を建材
の表面に塗布し、必要に応じて加水分解させてシラノー
ルを形成した後、約100℃以上の温度で加熱してシラノ
ールを脱水縮重合に付すことにより、チタニアが無定形
シリカで結着された光触媒含有層を形成する。特に、シ
ラノールの脱水縮重合を約200℃以上の温度で行えば、
シラノールの重合度を増し、光触媒含有層の耐アルカリ
性能を向上させることができる。 (3)無定形チタニアの前駆体(チタンのアルコキシ
ド、キレート、又はアセテートのような有機チタン化合
物、又はTiCl4又はTi(SO4)2のような無機チタン化合
物)の溶液にシリカの粒子を分散させてなる懸濁液を建
材の表面に塗布し、チタン化合物を常温から200℃の温
度で加水分解と脱水縮重合に付すことにより、シリカ粒
子が分散された無定形チタニアの薄膜を形成する。次い
で、チタニアの結晶化温度以上の温度、かつ、建材の軟
化点以下の温度に加熱することにより、無定形チタニア
を結晶性チタニアに相変化させる。 (4)無定形チタニアの前駆体(チタンのアルコキシ
ド、キレート、又はアセテートのような有機チタン化合
物、又はTiCl4又はTi(SO4)2のような無機チタン化合
物)の溶液に無定形シリカの前駆体(例えば、テトラエ
トキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn
−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラメ
トキシシラン、等のテトラアルコキシシラン;それらの
加水分解物であるシラノール; 又は平均分子量3000以
下のポリシロキサン)を混合し、建材の表面に塗布す
る。次いで、これらの前駆体を加水分解と脱水縮重合に
付すことにより、無定形チタニアと無定形シリカの混合
物からなる薄膜を形成する。次いで、チタニアの結晶化
温度以上の温度、かつ、建材の軟化点以下の温度に加熱
することにより、無定形チタニアを結晶性チタニアに相
変化させる。
【0013】水との接触角が0゜になる程度の超親水性
を呈する耐摩耗性に優れた光触媒含有層を形成する更に
他の好ましいやり方は、チタニアと酸化錫との混合物か
らなる光触媒含有層を建材の表面に形成することであ
る。チタニアと酸化錫との合計に対する酸化錫の割合
は、1〜95重量%、好ましくは1〜50重量%にする
ことができる。酸化錫配合チタニアからなる光触媒含有
層の形成には、次のいづれかの方法を採用することがで
きる。 (1)アナターゼ型又はルチル型チタニアの粒子と酸化
錫の粒子とを含む懸濁液を建材の表面に塗布し、建材の
軟化点以下の温度で焼結する。 (2)無定形チタニアの前駆体(チタンのアルコキシ
ド、キレート、又はアセテートのような有機チタン化合
物、又はTiCl4又はTi(SO4)2のような無機チタン化合
物)の溶液に酸化錫の粒子を分散させてなる懸濁液を建
材の表面に塗布し、チタン化合物を常温から200℃の温
度で加水分解と脱水縮重合に付すことにより、酸化錫粒
子が分散された無定形チタニアの薄膜を形成する。次い
で、チタニアの結晶化温度以上の温度、かつ、建材の軟
化点以下の温度に加熱することにより、無定形チタニア
を結晶性チタニアに相変化させる。
【0014】水との接触角が0゜になる程度の超親水性
を呈する光触媒含有層を形成する更に他の好ましいやり
方は、未硬化の若しくは部分的に硬化したシリコーン又
はシリコーンの前駆体からなる塗膜形成要素に光触媒の
粒子を分散させてなる塗料用組成物を用いることであ
る。この塗料用組成物を建材の表面に塗布し、塗膜形成
要素を硬化させた後、光触媒を光励起すると、シリコー
ン分子のケイ素原子に結合した有機基は光触媒の光触媒
作用により水酸基に置換され、光触媒含有層の表面は超
親水化される。このやり方には、幾つかの利点がある。
光触媒含有シリコーン塗料は常温又は比較的低温で硬化
させることができるので、プラスチックスのような非耐
熱性の材料で形成されている建材にも適用することがで
きる。光触媒を含有したこの塗料用組成物は、表面の超
親水化を要する既存の建材に、刷毛塗り、スプレーコー
ティング、ロールコーティングなどにより建材に塗布す
ることができる。光触媒の光励起による超親水化は、太
陽光でも容易に行うことができる。更に、鋼板のような
塑性加工可能な建材に塗膜を形成した場合には、塗膜を
硬化させた後、光励起する前に、鋼板を必要に応じ容易
に塑性加工することができる。光励起前には、シリコー
ン分子のケイ素原子には有機基が結合しており、従って
塗膜は充分な可撓性を備えているので、塗膜を損傷させ
ることなく容易に鋼板を塑性加工することができる。塑
性加工後には、光触媒を光励起すればシリコーン分子の
ケイ素原子に結合した有機基は光触媒作用により水酸基
に置換され、塗膜の表面は超親水化される。光触媒含有
シリコーン塗料はシロキサン結合を有するので、光触媒
の光酸化作用に対する充分な対抗性を有する。光触媒含
有シリコーン塗料からなる光触媒含有層の更に他の利点
は、表面が一旦超親水化された後には、夜間でも超親水
性を維持することである。
【0015】塗膜形成要素としては、メチルトリクロル
シラン、メチルトリブロムシラン、メチルトリメトキシ
シラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプ
ロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシシラン;エチ
ルトリクロルシラン、エチルトリブロムシラン、エチル
トリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチ
ルトリイソプロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシ
シラン;n−プロピルトリクロルシラン、n−プロピル
トリブロムシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、
n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイ
ソプロポキシシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシ
ラン;n−ヘキシルトリクロルシラン、n−ヘキシルト
リブロムシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n
−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリイソ
プロポキシシラン、n−ヘキシルトリt−ブトキシシラ
ン;n−デシルトリクロルシラン、n−デシルトリブロ
ムシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシル
トリエトキシシラン、n−デシルトリイソプロポキシシ
ラン、n−デシルトリt−ブトキシシラン;n−オクタ
デシルトリクロルシラン、n−オクタデシルトリブロム
シラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オ
クタデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリ
イソプロポキシシラン、n−オクタデシルトリt−ブト
キシシラン;フェニルトリクロルシラン、フェニルトリ
ブロムシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニル
トリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラ
ン、フェニルトリt−ブトキシシラン;テトラクロルシ
ラン、テトラブロムシラン、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキ
シジエトキシシラン;ジメチルジクロルシラン、ジメチ
ルジブロムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチ
ルジエトキシシラン;ジフェニルジクロルシラン、ジフ
ェニルジブロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、
ジフェニルジエトキシシラン;フェニルメチルジクロル
シラン、フェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチ
ルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラ
ン;トリクロルヒドロシラン、トリブロムヒドロシラ
ン、トリメトキシヒドロシラン、トリエトキシヒドロシ
ラン、トリイソプロポキシヒドロシラン、トリt−ブト
キシヒドロシラン;ビニルトリクロルシラン、ビニルト
リブロムシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、
ビニルトリt−ブトキシシラン;トリフルオロプロピル
トリクロルシラン、トリフルオロプロピルトリブロムシ
ラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリ
フルオロプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプ
ロピルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピ
ルトリt−ブトキシシラン;γ−グリシドキシプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメ
チルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシ
シラン;γ−メタアクリロキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメチルジエト
キシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリエトキシ
シラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリイソプロポ
キシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリt−ブ
トキシシラン;γ−アミノプロピルメチルジメトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソ
プロポキシシラン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキ
シシラン;γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリt−ブトキシシラン;β−(3、4−エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−
(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシ
シラン;および、それらの部分加水分解物;およびそれ
らの混合物を使用することができる。
【0016】このように光触媒含有層で被覆された建材
は日中は太陽によって照射され、光触媒含有層の光触媒
は太陽光によって光励起される。光励起に伴い、光触媒
含有層の表面は親水化される。晴天の場合には、光触媒
含有層の表面は数日で水との接触角が約0゜になる程度
に超親水化される。
【0017】目地のシリコーン・シーリング材から遊離
した未硬化のシリコーン前駆体は疎水性であるから、超
親水化された建材の表面に付着しにくい。また、都市煤
塵に含まれるカーボンブラックのような燃焼生成物も基
本的に疎水性であるから、建材の表面に付着しにくい。
同様に、泥や土のような無機物質の水との接触角は20
゜から50゜であるので、水との接触角が約0゜になる
程度に超親水化された建材の表面には泥や土のような無
機塵埃は付着しにくい。
【0018】建物の外壁は時折降雨にさらされる。雨水
には大気中に浮遊する煤塵が同伴されているが、建材の
表面は高度に親水化されているので、雨が建物外壁を流
下する際に雨に同伴する煤塵が建材の表面に付着するこ
とがない。
【0019】更に、超親水化された表面が降雨を受ける
都度、建材の表面に付着した煤塵や汚染物質は雨により
洗い流され、表面は自己浄化される。超親水化された表
面の水に対する親和力は、燃焼生成物のような疎水性物
質に対する親和力よりも大きいので、カーボンブラック
のような疎水性物質は表面から容易に釈放され、雨によ
って洗い流される。このようにして建材の表面は長期間
にわたり清浄に維持される。
【0020】
【実施例】実施例1 アナターゼ型チタニアゾル(石原産業、STS-11)と酸化
錫ゾル(多木化学、平均粒子径3.5nm)を固形分重量
比99:1で混合し、15cm四角の施釉タイル(東陶機
器、AS02L09)の表面にスプレーコーティング法により
塗布し、750℃の温度で10分間焼成し、酸化錫配合ア
ナターゼで被覆された#1試料を得た。更に、アナター
ゼ型チタニアゾル(日産化学、TA-15、固形分15%、水
溶媒)と日本合成ゴムのシリコーン塗料組成物“グラス
カ”のA液(シリカゾル、固形分13%、水とアルコール
の混合溶媒)を混合し、エタノールで希釈後、更に“グ
ラスカ”のB液(メチルトリメトキシシラン含有量98
%)を添加し、チタニア含有塗料用組成物を調製した。
この塗料用組成物のチタニアゾル、シリカゾル、メチル
トリメトキシシラン溶液の混合比は56:33:11であっ
た。この塗料用組成物を無機サイディング材(ダイケン
工業の“セラスター”)の表面に塗布し、150℃の温度
で硬化させ、アナターゼ型チタニア粒子がシリコーン塗
膜中に分散されたトップコートを形成し、#2試料を得
た。比較のため、上記“グラスカ”を用いて無機サイデ
ィング材“セラスター”の表面にシリコーンのみのトッ
プコートを形成し、#3試料を得た。更に、未処理の施
釉タイル(AS02L09)を#4試料とした。
【0021】茅ヶ崎市所在の建物の屋上に図1および図
2に示す屋外汚れ加速試験装置を設置し、これらの試料
をこの汚れ加速試験装置に取り付けて屋外暴露汚れ加速
試験に付した。図1および図2を参照するに、この装置
は、フレーム10に支持された傾斜した試料支持面12
を備え、試料14を取り付けるようになっている。フレ
ームの頂部には前方に傾斜した屋根16が固定してあ
る。この屋根は波形プラスチック板からなり、集まった
雨が試料支持面12に取り付けた試料14の表面に筋を
成して流下するようになっている。波形屋根16の直下
で試料14の上方には、シリコーンゴム製のシーリング
材18(セメダイン社の“バスコーク”)を帯状に塗布
した。#1試料と#2試料は予め20Wのブラックライト
ブルー蛍光灯(三共電気、FL20BLB)を用いて紫外線を
照射し、水との接触角が約5゜以下になるまで親水化さ
せておいた。
【0022】約3カ月間自然条件に暴露したところ、未
処理のタイル(#4試料)には顕著な黒色の汚れが観察
された。これに対し、光触媒含有層で被覆された#1試
料(タイル)には目立った汚れは観察されなかった。シ
リコーンのみのトップコートで被覆された無機サイディ
ング材(#3試料)の表面は一様に汚れていた。光触媒
含有層で被覆された無機サイディング材(#2試料)に
は斑状の薄い汚れが観察された。
【0023】実施例2 裏面が熱線反射面となっているソーダライムガラス板の
表面に、シリカをターゲットとするスパッタリングによ
り酸素雰囲気で厚さ25nmのシリカ膜を被着した後、チタ
ニアをターゲットとするスパッタリングにより酸素雰囲
気で膜厚25nmから75 nmの範囲で無定形チタニア膜を被
着した。これを大気中で400℃から500℃の温度で焼成す
ることにより無定形チタニアをアナターゼに変換した。
この試料にBLB蛍光灯を用いて0.15mW/cm2の紫外線照度
で2日間紫外線を照射したところ、表面の水との接触角
は5゜程度に低下した。比較のため、大気中焼成しない
試料に紫外線を照射したところ、親水化されなかった。
この試料の表面に疎水性分子の例としてシリコーンオイ
ルを塗布した後、屋外に放置したところ、水との接触角
が最初は70゜以上であったものが、7日間の屋外暴露に
よって水との接触角は0゜になり、高度に親水化され
た。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、建材の表面は超親水化
されるので、目地のシーリング材から遊離した未硬化の
シリコーン前駆体の分子や都市煤塵が付着せず、建材の
表面は雨水によりセルフクリーニングされる。従って、
シリコーン系シーリング材による“撥水汚染”を長期間
にわたり防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】屋外汚れ加速試験装置の正面図である。
【図2】図1に示した屋外汚れ加速試験装置の側面図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 23/14 C09D 5/00 Z 35/02 5/16 C09D 1/00 183/04 5/00 C09K 3/10 G 5/16 3/18 183/04 E04B 1/62 Z C09K 3/10 B01D 53/36 G 3/18 ZABJ E04B 1/62 104Z (72)発明者 渡部 俊也 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 北村 厚 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の構造要素間の目地をシリコーン系
    シーリング材で封止してなる建物外壁において、前記構
    造要素の表面のうち少なくとも目地の周辺の表面を半導
    体光触媒及び、シリカ又はシリコーン分子中のケイ素原
    子に結合した有機基が光触媒の作用により少なくとも部
    分的に水酸基に置換されたシリコーン誘導体を含む透明
    層が形成され、もって前記光触媒が太陽光によって光励
    起されるに伴い前記透明層の表面が親水化されるように
    したことを特徴とする建物外壁。
  2. 【請求項2】 建物の構造要素間の目地をシリコーン系
    シーリング材で封止してなる建物外壁に用いられる構造
    要素であって、該構造要素の表面のうち少なくとも目地
    の周辺の表面を半導体光触媒及び、シリカ又はシリコー
    ン分子中のケイ素原子に結合した有機基が光触媒の作用
    により少なくとも部分的に水酸基に置換されたシリコー
    ン誘導体を含む透明層が形成され、もって、前記光触媒
    が太陽光によって光励起されるに伴い前記透明層の表面
    が親水化されるようにしたことを特徴とする建物外壁用
    構造要素。
  3. 【請求項3】 建物の構造要素間の目地をシリコーン系
    シーリング材で封止してなる建物外壁に用いられるコー
    ティング材であって、結晶性チタニアゾルと、無定形シ
    リカの前駆体又は未硬化の若しくは部分的に硬化したシ
    リコーン又はシリコーンの前駆体を含有してなり、前記
    構造要素の表面のうち少なくとも目地の周辺の表面に塗
    布、硬化させることにより前記構造要素表面に半導体光
    触媒及び、シリカ又はシリコーン分子中のケイ素原子に
    結合した有機基が光触媒の作用により少なくとも部分的
    に水酸基に置換されたシリコーン誘導体を含む透明層が
    形成され、もって、前記光触媒が太陽光によって光励起
    されるに伴い前記透明層の表面が親水化されて、構造要
    素表面の撥水汚染の防止を可能としたことを特徴とする
    建物外壁用コーティング材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09230105A (ja) * 1995-12-22 1997-09-05 Toto Ltd 防曇方法及びそれを施した設備
CN114479155A (zh) * 2022-03-03 2022-05-13 科伦塑业集团股份有限公司 一种农膜超亲水防雾纳米薄膜及其制备方法
CN117169139A (zh) * 2023-11-02 2023-12-05 北京科技大学 一种基于反射高光谱的玻璃幕墙结构胶力学性能识别方法

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