JPH0983005A - 自己浄化性のカバーを備えた太陽電池 - Google Patents

自己浄化性のカバーを備えた太陽電池

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JPH0983005A
JPH0983005A JP8160508A JP16050896A JPH0983005A JP H0983005 A JPH0983005 A JP H0983005A JP 8160508 A JP8160508 A JP 8160508A JP 16050896 A JP16050896 A JP 16050896A JP H0983005 A JPH0983005 A JP H0983005A
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JP
Japan
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solar cell
protective cover
photocatalyst
solar battery
titania
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JP8160508A
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English (en)
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Makoto Hayakawa
信 早川
Eiichi Kojima
栄一 小島
Toshiya Watabe
俊也 渡部
Makoto Chikuni
真 千国
Atsushi Kitamura
厚 北村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/40Solar thermal energy, e.g. solar towers
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 太陽電池の保護カバーの汚れを防止しかつ自
己浄化することにより、清掃することなく太陽電池のエ
ネルギ変換効率を長期間にわたり高く維持する。 【構成】 太陽電池(10)の保護カバー(20)の表面を
光触媒層(22)で被覆する。太陽光によって光励起され
ると、光触媒層(22)の表面は水との接触角が約0゜に
なる程度に超親水化される。太陽電池が降雨にさらされ
た時には保護カバーの表面に付着した汚れは降雨により
洗い流され、表面は自己浄化(セルフクリーニング)さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池に係り、
より詳しくは、自己浄化性の保護カバーを備えた太陽電
池に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽電池の受光面は強化ガラスや耐候性
樹脂フィルムなどからなる保護カバーによって保護され
ている。太陽電池のカバーは長期間の使用中には煤塵で
汚れ、光透過率が低下するので、太陽電池のエネルギ変
換効率を低下させる。特に近年では環境汚染に伴いカバ
ーの汚れが促進され、太陽電池の変換効率が早期に減少
する傾向にある。そこで、太陽電池カバーを定期的に又
は必要に応じてを清掃するのが望ましい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、太陽電
池は一般に屋根や建物の外壁に設置されるので、そのカ
バーの清掃は容易ではない。
【0004】本発明の目的は、保護カバーの清掃を必要
とせず、カバーの表面が降雨に伴い自己浄化(セルフク
リーニング)されるようになった太陽電池を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、光触媒を光
励起すると光触媒の表面が高度に親水化されることを発
見した。驚ろくべきことに、光触媒性チタニアを紫外線
で光励起したところ、水との接触角が10゜以下、より
詳しくは5゜以下、特に約0゜になる程度に表面が高度
に親水化されることが発見された。
【0006】本発明は斯る発見に基づくもので、本発明
によれば、太陽電池の保護カバーの表面は半導体光触媒
を含む透明層で被覆される。使用に当たり太陽電池を屋
外に設置すると、光触媒は太陽光によって光励起され、
光触媒含有層の表面は水との接触角が10゜以下、好ま
しくは5゜以下、より好ましくは約0゜になる程度に親
水化される。
【0007】このように超親水化された表面には、都市
煤塵中の燃焼生成物のような疎水性の汚染物質は付着し
にくい。また、太陽電池が降雨にさらされた時には、カ
バーの表面に付着した汚れは降雨により洗い流され、カ
バーの表面はセルフクリーニングされる。本発明の上記
特徴や効果、ならびに、他の特徴や利点は、以下の実施
例の記載に従い明らかとなろう。
【0008】
【発明の実施の形態】図1はアモルファスシリコンから
なる太陽電池に本発明を適用した実施例を示し、太陽電
池10は、ガラス基板12と透明電極14とp型、i
型、n型の3層からなるアモルファスシリコン層16と
金属電極18とで構成されている。しかし、本発明は結
晶シリコンからなる太陽電池にも適用することができ
る。図示した実施例では、ガラス基板12は強化ガラス
などからなる保護カバー20によって保護されている。
保護カバー20はガラス基板12に接着してもよいし、
ガラス基板12から離間してもよい。
【0009】図2に示したように、保護カバー20の表
面は半導体光触媒を含有する透明層22によって被覆さ
れている。ガラス基板12が保護カバーを兼ねる場合に
は保護カバー20は省略することができ、その場合には
光触媒層22は直接にガラス基板12に形成してもよ
い。さらに、ガラス基板12に代えて耐候性樹脂からな
る透明な保護カバーを備えた太陽電池の場合には、光触
媒層22は直接に耐候性樹脂カバーに被覆することがで
きる。
【0010】光触媒としては、TiO2、ZnO、SnO2、SrTiO
3、WO3、Bi2O3、Fe2O3、CdTe、MoS2、CdS、又はそれら
の混合物を使用することができる。太陽電池10が可視
光帯域にピーク感度を有する場合には、紫外線によって
光励起されるようなバンドギャップエネルギを有する光
触媒を採択するのが好ましい。そうすれば、光触媒層2
2が可視光帯域の光を吸収することがないので、太陽電
池の良好な感度を確保することができる。紫外線によっ
て光励起可能な光触媒としては、アナターゼ型TiO2又は
ZnO(励起波長387nm)、SnO2(励起波長344nm)、又は
ルチル型TiO2(励起波長413nm)を挙げることができ
る。TiO2は無害であり、化学的に安定であるので、TiO2
が特に好ましい。
【0011】光触媒層22の膜厚は0.2μm以下にす
るのが好ましい。このようにすれば、充分な透明性を確
保することができ、かつ、光の干渉による発色を防止す
ることができる。
【0012】光触媒層22は、光触媒の粒子を含有する
ゾルを保護カバー20に塗布し、ガラスの軟化点以下の
温度で焼結することにより形成することができる。この
場合には、ガラス層20中のナトリウムのようなアルカ
リ網目修飾イオンがガラス層から光触媒層22中に拡散
するのを防止するため、保護カバー20の表面を予めシ
リカ等の中間層24で被覆しておくのが好ましい。ま
た、光触媒がチタニアの場合には、光触媒層22にはシ
リカ若しくは酸化錫を配合するのが好ましい。このよう
にすれば、光励起時には水との接触角が0゜になる程度
に光触媒層22の表面を超親水化することができる。特
に、光触媒層22がチタニアのように屈折率の高い材料
で形成されている場合には、チタニアにシリカを配合す
るのが好ましい。このようにすれば、光触媒層22の屈
折率を抑制し、入射光の反射を防止することができる。
【0013】或いは、光触媒層22は、無定形の光触媒
前駆体の薄膜を保護カバー20の表面に形成し、無定形
薄膜を加熱して結晶化させて光活性のある光触媒に変換
することにより形成してもよい。例えば、光触媒がTiO2
の場合には、保護カバー20の表面に無定形チタニアの
薄膜を形成し、次いで400℃以上かつガラスの軟化点以
下の温度で焼成することにより無定形チタニアを結晶性
チタニア(アナターゼ又はルチル)に相変化させること
ができる。このように形成された光触媒層22は、光励
起時には水との接触角が0゜になる程度に超親水化され
る。
【0014】無定形チタニアは、チタンのアルコキシド
(例えば、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキ
シチタン、テトラn−プロポキシチタン、テトラブトキ
シチタン、テトラメトキシチタン)に塩酸又はエチルア
ミンのような加水分解抑制剤を添加し、エタノールやプ
ロパノールのようなアルコールで希釈した後、部分的に
加水分解を進行させながら又は完全に加水分解を進行さ
せた後、混合物をスプレーコーティング、フローコーテ
ィング、スピンコーティング、ディップコーティング、
ロールコーティングその他のコーティング法により、保
護カバー20の表面に塗布し、常温から200℃の温度で
乾燥させることにより形成することができる。乾燥によ
り、チタンのアルコキシドの加水分解が完遂して水酸化
チタンが生成し、水酸化チタンの脱水縮重合により無定
形チタニアの層が基材の表面に形成される。チタンのア
ルコキシドに代えて、チタンのキレート又はチタンのア
セテートのような他の有機チタン化合物を用いてもよ
い。
【0015】或いは、無定形チタニアは、無機チタン化
合物、例えば、TiCl4又はTi(SO4)2の酸性水溶液をスプ
レーコーティング、フローコーティング、スピンコーテ
ィング、ディップコーティング、ロールコーティングに
より、保護カバー20の表面に塗布し、次いで無機チタ
ン化合物を約100℃〜200℃の温度で乾燥させて加水分解
と脱水縮重合に付すことにより形成することができる。
【0016】ガラス基板12が保護カバーを兼ねる場
合、或いは、耐候性樹脂からなる保護カバーを備えた太
陽電池の場合には、太陽電池を高温で加熱することがで
きない。そこでこの場合には、水との接触角が0゜にな
る程度の超親水性を呈する光触媒層22を形成する好ま
しいやり方は、未硬化の若しくは部分的に硬化したシリ
コーン(オルガノポリシロキサン)又はシリコーンの前
駆体からなる塗膜形成要素に光触媒の粒子を分散させて
なる塗料用組成物を用いることである。この塗料用組成
物を保護カバーの表面に塗布し、塗膜形成要素を硬化さ
せた後、光触媒を光励起すると、シリコーン分子のケイ
素原子に結合した有機基は光触媒の光触媒作用により水
酸基に置換され、光触媒層22の表面は超親水化され
る。
【0017】この塗料用組成物の塗膜形成要素として
は、メチルトリクロルシラン、メチルトリブロムシラ
ン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシ
ラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリt
−ブトキシシラン;エチルトリクロルシラン、エチルト
リブロムシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルト
リエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、
エチルトリt−ブトキシシラン;n−プロピルトリクロ
ルシラン、n−プロピルトリブロムシラン、n−プロピ
ルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラ
ン、n−プロピルトリイソプロポキシシラン、n−プロ
ピルトリt−ブトキシシラン;n−ヘキシルトリクロル
シラン、n−ヘキシルトリブロムシラン、n−ヘキシル
トリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラ
ン、n−ヘキシルトリイソプロポキシシラン、n−ヘキ
シルトリt−ブトキシシラン;n−デシルトリクロルシ
ラン、n−デシルトリブロムシラン、n−デシルトリメ
トキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−デ
シルトリイソプロポキシシラン、n−デシルトリt−ブ
トキシシラン;n−オクタデシルトリクロルシラン、n
−オクタデシルトリブロムシラン、n−オクタデシルト
リメトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラ
ン、n−オクタデシルトリイソプロポキシシラン、n−
オクタデシルトリt−ブトキシシラン;フェニルトリク
ロルシラン、フェニルトリブロムシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニ
ルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリt−ブトキ
シシラン;テトラクロルシラン、テトラブロムシラン、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ
ブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン;ジメチ
ルジクロルシラン、ジメチルジブロムシラン、ジメチル
ジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン;ジフェ
ニルジクロルシラン、ジフェニルジブロムシラン、ジフ
ェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラ
ン;フェニルメチルジクロルシラン、フェニルメチルジ
ブロムシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジエトキシシラン;トリクロルヒドロシラ
ン、トリブロムヒドロシラン、トリメトキシヒドロシラ
ン、トリエトキシヒドロシラン、トリイソプロポキシヒ
ドロシラン、トリt−ブトキシヒドロシラン;ビニルト
リクロルシラン、ビニルトリブロムシラン、ビニルトリ
メトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルト
リイソプロポキシシラン、ビニルトリt−ブトキシシラ
ン;トリフルオロプロピルトリクロルシラン、トリフル
オロプロピルトリブロムシラン、トリフルオロプロピル
トリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキ
シシラン、トリフルオロプロピルトリイソプロポキシシ
ラン、トリフルオロプロピルトリt−ブトキシシラン;
γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリイソプロポキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリt−ブトキシシラン;γ−メタアクリロキ
シプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタアクリロ
キシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタアクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロ
キシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタアクリロキ
シプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メタアクリ
ロキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメ
チルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−メルカプトプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキ
シシラン、γ−メルカプトプロピルトリイソプロポキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルトリt−ブトキシシラ
ン;β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリ
メトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリエトキシシラン;および、それらの部分
加水分解物;およびそれらの混合物を使用することがで
きる。
【0018】このように太陽電池保護カバーの表面に形
成された光触媒層22は、日中は太陽光により光励起さ
れる。光励起に伴い、光触媒層22の表面は、水との接
触角が10゜以下、特に約0゜になる程度に親水化され
る。都市煤塵に含まれるカーボンブラックのような燃焼
生成物は基本的に疎水性であるから、超親水化された保
護カバーの表面に付着しにくい。同様に、泥や土のよう
な無機物質の水との接触角は20゜から50゜であるの
で、水との接触角が約0゜になる程度に超親水化された
保護カバーの表面には泥や土のような無機塵埃は付着し
にくい。
【0019】太陽電池は時折降雨にさらされる。雨には
大気中に浮遊する煤塵が同伴されているが、保護カバー
の表面は高度に親水化されているので、雨が太陽電池保
護カバーの表面を流下する際に雨に同伴する煤塵が保護
カバーの表面に付着することがない。
【0020】更に、超親水化された表面が降雨を受ける
都度、保護カバーの表面に堆積した煤塵や汚染物質は雨
により洗い流され、表面は自己浄化される。超親水化さ
れた表面の水に対する親和力は、燃焼生成物のような疎
水性物質に対する親和力よりも大きいので、燃焼生成物
のような疎水性物質は表面から容易に釈放され、雨によ
って洗い流される。このようにして保護カバーの表面は
長期間にわたり清浄に維持されるので、清掃は殆ど不要
となる。
【0021】実施例1 エタノールの溶媒86重量部に、テトラエトキシシランSi
(OC2H5)4(和光純薬)6重量部と純水6重量部とテトラ
エトキシシランの加水分解抑制剤として36%塩酸2重量
部を加えて混合し、シリカコーティング溶液を調製し
た。混合により溶液は発熱するので、混合液を約1時間
放置冷却した。この溶液をフローコーティング法により
10cm四角のソーダライムガラス板の表面に塗布し、80
℃の温度で乾燥させた。乾燥に伴い、テトラエトキシシ
ランは加水分解を受けて先ずシラノールSi(OH)4にな
り、続いてシラノールの脱水縮重合により無定形シリカ
の薄膜がガラス板の表面に形成された。
【0022】次に、テトラエトキシチタンTi(OC2H5)
4(Merck)1重量部とエタノール9重量部との混合物に
加水分解抑制剤として36%塩酸を0.1重量部添加して
チタニアコーティング溶液を調製し、この溶液を前記ガ
ラス板の表面に乾燥空気中でフローコーティング法によ
り塗布した。塗布量はチタニアに換算して45μg/cm2
した。テトラエトキシチタンの加水分解速度は極めて早
いので、塗布の段階でテトラエトキシチタンの一部は加
水分解され、水酸化チタンTi(OH)4が生成し始めた。
【0023】次に、このガラス板を1〜10分間約150
℃の温度に保持することにより、テトラエトキシチタン
の加水分解を完了させると共に、生成した水酸化チタン
を脱水縮重合に付し、無定形チタニアを生成させた。こ
うして、無定形シリカの上に無定形チタニアがコーティ
ングされたガラス板を得た。このガラス板を500℃の温
度で焼成して、無定形チタニアをアナターゼ型チタニア
に変換させた。
【0024】この試料を数日間暗所に放置した後、20W
のブラックライトブルー(BLB)蛍光灯(三共電気、FL2
0BLB)を用いて試料の表面に0.5mW/cm2の紫外線照度
(アナターゼ型チタニアのバンドギャップエネルギより
高いエネルギの紫外線の照度)で約1時間紫外線を照射
し、#1試料を得た。比較のため、チタニアのコーティ
ングを施さないガラス板を準備し、#2試料とした。
【0025】#1試料と#2試料の水との接触角を接触
角測定器(協和界面科学社製、形式CA-X150)により測
定した。この接触角測定器の低角度側検出限界は1゜で
あった。接触角は、マイクロシリンジから試料表面に水
滴を滴下した後30秒後に測定した。#1試料の表面の水
に対する測定器の読みは0゜であり、超親水性を示し
た。これに対し、#2試料の水との接触角は30〜40゜で
あった。
【0026】このガラス板の表面にオレイン酸を塗布
し、ガラス板表面を水平姿勢に保持しながらガラス板を
水槽に満たした水の中に浸漬したところ、オレイン酸は
丸まって油滴となり、ガラス板の表面から釈放されて浮
上した。
【0027】実施例2 10cm四角のソーダライムガラス板の表面にチタンキレ
ート含有液を塗布し、チタンキレートを加水分解と脱水
縮重合に付すことにより、無定形チタニアをガラス板の
表面に形成した。このガラス板を500℃の温度で焼成し
て、アナターゼ型チタニア結晶からなる表面層を形成し
た。表面層の膜厚は7nmであった。得られた試料の表面
にBLB蛍光灯を用いて0.5mW/cm2の照度で約1時間紫
外線を照射した。この試料の表面の水との接触角を接触
角測定器(ERMA社製、形式G-I-1000、低角度側検出限界
3゜)で測定したところ、接触角の読みは3゜未満であ
った。
【0028】実施例3 この実施例では基材として10cm四角のアルミニウム基
板を使用した。基板の表面を平滑化するため、予めシリ
コーン層で被覆した。このため、日本合成ゴムの塗料用
組成物“グラスカ”のA液(シリカゾル)とB液(トリ
メトキシメチルシラン)を、 A液とB液との重量比が
3:1になるように混合し、この混合液をアルミニウム
基板に塗布し、150℃の温度で硬化させ、膜厚3μmの
シリコーンのベースコートで被覆された複数のアルミニ
ウム基板(#1試料)を得た。
【0029】次に、チタニア含有塗料により#1試料を
被覆した。より詳しくは、アナターゼ型チタニアゾル
(日産化学、TA-15)と前記“グラスカ”のA液(シリ
カゾル)を混合し、エタノールで希釈後、更に“グラス
カ”の上記B液を添加し、チタニア含有塗料用組成物を
調製した。この塗料用組成物の組成は、シリカ39重量
部、トリメトキシメチルシラン97重量部、チタニア8
7重量部であった。この塗料用組成物を#1試料の表面
に塗布し、150℃の温度で硬化させ、アナターゼ型チタ
ニア粒子がシリコーン塗膜中に分散されたトップコート
を形成し、#2試料を得た。
【0030】次に、#2試料にBLB蛍光灯を用いて0.5
mW/cm2の照度で5日間紫外線を照射し、#3試料を得
た。この試料の表面の水との接触角を接触角測定器(ER
MA社製)で測定したところ、接触角の読みは3゜未満で
あった。紫外線照射前の#2試料の接触角を測定したと
ころ、70゜であった。#1試料の接触角を測定したと
ころ、90゜であった。更に、#1試料に#2試料と同
じ条件で5日間紫外線を照射し、接触角を測定したとこ
ろ、接触角は85゜であった。
【0031】このことから、シリコーンに光触媒を含有
させ、光触媒を光励起した場合には、シリコーン塗膜が
高度に親水化されることが分かる。シリコーンの分子の
ケイ素原子に結合した有機基が光触媒作用によって水酸
基に置換され、親水性のシリコーン誘導体が表面に形成
されているものと考えられる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、太陽電池の保護カバー
が汚れるのが防止されると共に保護カバーは降雨に伴い
自己浄化されるので、清掃をしなくても太陽電池のエネ
ルギ変換効率を長期間にわたり高く維持することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の太陽電池の模式的断面図である。
【図2】図1に示した保護カバーの表面の拡大断面図で
ある。
【符号の説明】
10: 太陽電池 20: 保護カバー 22: 光触媒含有層
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F24J 2/50 F24J 2/50 Z (72)発明者 渡部 俊也 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 千国 真 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 北村 厚 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 太陽電池を保護する透明カバーの表面を
    半導体光触媒を含む透明層で被覆してなり、前記光触媒
    が太陽光によって光励起されるに伴い前記層の表面が親
    水化され、もって、太陽電池が降雨にさらされた時にカ
    バーの表面に付着した汚れが降雨により洗い流され、若
    しくは、雨に同伴する汚れが表面に付着するのが防止さ
    れるようにしたことを特徴とする太陽電池。
  2. 【請求項2】 前記太陽電池は可視光帯域にピーク感度
    を有し、前記光触媒は紫外線によって光励起されるよう
    なバンドギャップエネルギを有する請求項1に基づく太
    陽電池。
  3. 【請求項3】 前記光触媒層はチタニアにシリカを配合
    してなる請求項1に基づく太陽電池。
JP8160508A 1995-06-14 1996-05-31 自己浄化性のカバーを備えた太陽電池 Pending JPH0983005A (ja)

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