JP2001049594A - 導電性不織布シート - Google Patents
導電性不織布シートInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来の導電性内装材などの合成樹脂製導電層
シートに見られるような、高価で取扱い難い重量物であ
るという問題点や金属の導電剤の持つ酸化劣化の欠点を
改良し、長期間にわたり高い導電性能を維持し寸法安定
性に優れた、軽量かつ可撓性で取扱性に優れ、導電性内
装材の導電層として好適な導電性不織布シートを提供す
る。 【解決手段】 繊維成分中の無機繊維の割合が80重量
%以上である不織布の少なくとも一方の面に炭素系層間
化合物からなる導電性塗料を塗布してなり、前記導電性
塗料の塗布量が固形分として3〜100g/m2であ
り、かつ、塗布面の表面抵抗率が103Ω以下である導
電性不織布シート。
シートに見られるような、高価で取扱い難い重量物であ
るという問題点や金属の導電剤の持つ酸化劣化の欠点を
改良し、長期間にわたり高い導電性能を維持し寸法安定
性に優れた、軽量かつ可撓性で取扱性に優れ、導電性内
装材の導電層として好適な導電性不織布シートを提供す
る。 【解決手段】 繊維成分中の無機繊維の割合が80重量
%以上である不織布の少なくとも一方の面に炭素系層間
化合物からなる導電性塗料を塗布してなり、前記導電性
塗料の塗布量が固形分として3〜100g/m2であ
り、かつ、塗布面の表面抵抗率が103Ω以下である導
電性不織布シート。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性不織布シー
トに関し、特に可撓性と寸法安定性に優れた、床材や壁
装材など内装材の素材として好適な導電性不織布シート
に関する。
トに関し、特に可撓性と寸法安定性に優れた、床材や壁
装材など内装材の素材として好適な導電性不織布シート
に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工場、電子部品製造工場、コ
ンピュータールームなどでは静電気や電磁波によるトラ
ブルを防止するため、内装材料などにも導電機能を付与
したものが用いられている。現在市販されている導電性
内装材は、主として、表面層、中間層および基層の3層
より構成される積層体であり、中間層が導電層の機能を
有する場合が多い。このため、特に中間層には用途に応
じて金属並みまたはそれに近い導電性が求められる。
ンピュータールームなどでは静電気や電磁波によるトラ
ブルを防止するため、内装材料などにも導電機能を付与
したものが用いられている。現在市販されている導電性
内装材は、主として、表面層、中間層および基層の3層
より構成される積層体であり、中間層が導電層の機能を
有する場合が多い。このため、特に中間層には用途に応
じて金属並みまたはそれに近い導電性が求められる。
【0003】従来、前記の導電層として、カーボンブラ
ック、炭素繊維、金属粉などからなる導電剤を多量練り
込んだ合成樹脂組成物を成形して得られたシートが多く
用いられてきた。導電剤を練り込むタイプの合成樹脂製
導電層シートは、製造条件により合成樹脂中の導電剤の
分散性が変動しやすく、導電性がばらつき不安定になり
やすい。この欠点を解消するためには、合成樹脂に練り
込む導電剤の添加量を増やすと共に導電層シートの厚さ
も厚くする必要があった。その結果、得られる合成樹脂
製導電層シートもしくはそれを素材とする導電性内装材
は、生産性が低く、コストが高く、重量物で取扱作業性
の悪いものであった。また、導電剤を練り込んだ合成樹
脂製導電層シートは、使用中に徐々に収縮するため、こ
れを用いた導電性内装材は寸法安定性が不十分であっ
た。さらに、導電剤が金属の場合、金属の種類によって
は酸化により時間の経過と共に導電性が低下する欠点が
あった。
ック、炭素繊維、金属粉などからなる導電剤を多量練り
込んだ合成樹脂組成物を成形して得られたシートが多く
用いられてきた。導電剤を練り込むタイプの合成樹脂製
導電層シートは、製造条件により合成樹脂中の導電剤の
分散性が変動しやすく、導電性がばらつき不安定になり
やすい。この欠点を解消するためには、合成樹脂に練り
込む導電剤の添加量を増やすと共に導電層シートの厚さ
も厚くする必要があった。その結果、得られる合成樹脂
製導電層シートもしくはそれを素材とする導電性内装材
は、生産性が低く、コストが高く、重量物で取扱作業性
の悪いものであった。また、導電剤を練り込んだ合成樹
脂製導電層シートは、使用中に徐々に収縮するため、こ
れを用いた導電性内装材は寸法安定性が不十分であっ
た。さらに、導電剤が金属の場合、金属の種類によって
は酸化により時間の経過と共に導電性が低下する欠点が
あった。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の導
電性内装材などの合成樹脂製導電層シートに見られるよ
うな、高価で取扱い難い重量物であるという問題点や金
属からなる導電剤の有する酸化劣化の欠点を改良し、長
期間にわたり高い導電性能を維持し寸法安定性に優れ
た、軽量かつ可撓性で取扱性に優れ、導電性内装材の導
電層として好適な導電性不織布シートを提供することを
課題とする。
電性内装材などの合成樹脂製導電層シートに見られるよ
うな、高価で取扱い難い重量物であるという問題点や金
属からなる導電剤の有する酸化劣化の欠点を改良し、長
期間にわたり高い導電性能を維持し寸法安定性に優れ
た、軽量かつ可撓性で取扱性に優れ、導電性内装材の導
電層として好適な導電性不織布シートを提供することを
課題とする。
【0005】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、繊維成分として無機繊維を80重量%以上含有
する無機繊維系不織布に炭素系層間化合物からなる導電
性塗料を塗布してなる導電性不織布シートが前記課題を
解決することを見出し本発明を完成した。
の結果、繊維成分として無機繊維を80重量%以上含有
する無機繊維系不織布に炭素系層間化合物からなる導電
性塗料を塗布してなる導電性不織布シートが前記課題を
解決することを見出し本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は以下の構成を有する。 (1)繊維成分中の無機繊維の割合が80重量%以上で
ある不織布の少なくとも一方の面に炭素系層間化合物か
らなる導電性塗料を塗布してなり、前記導電性塗料の塗
布量が固形分として3〜100g/m2であり、かつ、
塗布面の表面抵抗率が103Ω以下である導電性不織布
シート。 (2)繊維成分中の無機繊維の割合が80重量%以上で
ある不織布が湿式抄紙法を用いて製造された不織布であ
る前記(1)項記載の導電性不織布シート。
ある不織布の少なくとも一方の面に炭素系層間化合物か
らなる導電性塗料を塗布してなり、前記導電性塗料の塗
布量が固形分として3〜100g/m2であり、かつ、
塗布面の表面抵抗率が103Ω以下である導電性不織布
シート。 (2)繊維成分中の無機繊維の割合が80重量%以上で
ある不織布が湿式抄紙法を用いて製造された不織布であ
る前記(1)項記載の導電性不織布シート。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。本発明の導電性不織布シートは、繊維成分中の無
機繊維の割合が80重量%以上、さらに好ましくは85
重量%以上である不織布(以下、無機繊維系不織布とい
う)の少なくとも一方の面に、炭素系層間化合物からな
る導電性塗料を固形分として3〜100g/m2、より
好ましくは5〜100g/m2塗布してなる、塗布面の
表面抵抗率が103Ω以下、好ましくは102Ω以下であ
る導電性不織布シートである。なお、前記無機繊維系不
織布の繊維成分中の無機繊維の割合は100重量%であ
ってもよい。
する。本発明の導電性不織布シートは、繊維成分中の無
機繊維の割合が80重量%以上、さらに好ましくは85
重量%以上である不織布(以下、無機繊維系不織布とい
う)の少なくとも一方の面に、炭素系層間化合物からな
る導電性塗料を固形分として3〜100g/m2、より
好ましくは5〜100g/m2塗布してなる、塗布面の
表面抵抗率が103Ω以下、好ましくは102Ω以下であ
る導電性不織布シートである。なお、前記無機繊維系不
織布の繊維成分中の無機繊維の割合は100重量%であ
ってもよい。
【0008】本発明の導電性不織布シートにおいて、無
機繊維系不織布に含まれる無機繊維の割合が80重量%
未満であると、得られる導電性不織布シートが時間の経
過につれて収縮し、寸法安定性が低下する場合がある。
前記無機繊維としては、ガラス繊維、ロックウール、セ
ラミック繊維などを挙げることができ、中でもガラス繊
維は性能と価格の観点から好適である。なお、これら無
機繊維は単独使用でも、2種以上の併用でもよい。前記
無機繊維系不織布においては、繊維成分中の割合が20
重量%以下、好ましくは15重量%以下の範囲で、1種
または2種以上の有機繊維を無機繊維と併用することが
できる。有機繊維の割合が20重量%を超えると、得ら
れる導電性不織布シートが時間の経過につれて収縮する
場合がある。有機繊維としては、各種の合成繊維や天然
繊維を挙げることができる。合成繊維としては、ポリア
ミド、ポリエステル、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹
脂の繊維やレーヨンを挙げることができる。天然繊維と
してはパルプなどのセルロース繊維を挙げることができ
る。
機繊維系不織布に含まれる無機繊維の割合が80重量%
未満であると、得られる導電性不織布シートが時間の経
過につれて収縮し、寸法安定性が低下する場合がある。
前記無機繊維としては、ガラス繊維、ロックウール、セ
ラミック繊維などを挙げることができ、中でもガラス繊
維は性能と価格の観点から好適である。なお、これら無
機繊維は単独使用でも、2種以上の併用でもよい。前記
無機繊維系不織布においては、繊維成分中の割合が20
重量%以下、好ましくは15重量%以下の範囲で、1種
または2種以上の有機繊維を無機繊維と併用することが
できる。有機繊維の割合が20重量%を超えると、得ら
れる導電性不織布シートが時間の経過につれて収縮する
場合がある。有機繊維としては、各種の合成繊維や天然
繊維を挙げることができる。合成繊維としては、ポリア
ミド、ポリエステル、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹
脂の繊維やレーヨンを挙げることができる。天然繊維と
してはパルプなどのセルロース繊維を挙げることができ
る。
【0009】前記無機繊維系不織布は、無機繊維に必要
に応じて有機繊維を混合し、さらに必要に応じてバイン
ダーを用いて繊維の交点を接着することによって得られ
る。有機繊維が熱可塑性樹脂からなる合成繊維の場合、
前記合成繊維を熱で融解させて繊維の交点を接着するこ
ともできるが、寸法安定性を高めるため無機繊維の割合
を多くし、前記合成繊維の割合を少なくすると繊維交点
の接着が不十分になり、前記無機繊維系不織布の強度が
低下するおそれがある。また、乾式の不織布製造方法で
は無機繊維の粉塵発生のおそれもある。そのため、前記
無機繊維系不織布は湿式抄紙法を用いて、抄造された紙
状物に必要に応じてバインダーなどを含浸させ乾燥して
製造するのが好ましい。この方法の一例としては、無機
繊維、有機繊維およびポリビニルアルコールに水を加え
て水性スラリーとし、水性スラリーから湿式抄紙法によ
り紙状物を作成し、この紙状物を乾燥させた後、バイン
ダーとしてアクリルエマルジョンを塗布・含浸させ乾燥
させる方法が挙げられる。バインダーの量は、前記無機
繊維系不織布全重量の1〜30重量%の範囲が好まし
い。
に応じて有機繊維を混合し、さらに必要に応じてバイン
ダーを用いて繊維の交点を接着することによって得られ
る。有機繊維が熱可塑性樹脂からなる合成繊維の場合、
前記合成繊維を熱で融解させて繊維の交点を接着するこ
ともできるが、寸法安定性を高めるため無機繊維の割合
を多くし、前記合成繊維の割合を少なくすると繊維交点
の接着が不十分になり、前記無機繊維系不織布の強度が
低下するおそれがある。また、乾式の不織布製造方法で
は無機繊維の粉塵発生のおそれもある。そのため、前記
無機繊維系不織布は湿式抄紙法を用いて、抄造された紙
状物に必要に応じてバインダーなどを含浸させ乾燥して
製造するのが好ましい。この方法の一例としては、無機
繊維、有機繊維およびポリビニルアルコールに水を加え
て水性スラリーとし、水性スラリーから湿式抄紙法によ
り紙状物を作成し、この紙状物を乾燥させた後、バイン
ダーとしてアクリルエマルジョンを塗布・含浸させ乾燥
させる方法が挙げられる。バインダーの量は、前記無機
繊維系不織布全重量の1〜30重量%の範囲が好まし
い。
【0010】前記無機繊維系不織布の目付や厚さは、特
に限定はされないが、炭素系層間化合物からなる導電性
塗料の塗布作業性や得られる導電性不織布シートの取扱
作業性の点から、目付は20〜500g/m2を、厚さ
は100〜5000μm、好ましくは120〜500μ
mを例示することができる。
に限定はされないが、炭素系層間化合物からなる導電性
塗料の塗布作業性や得られる導電性不織布シートの取扱
作業性の点から、目付は20〜500g/m2を、厚さ
は100〜5000μm、好ましくは120〜500μ
mを例示することができる。
【0011】本発明の導電性不織布シートに用いられる
炭素系層間化合物からなる導電性塗料は、黒鉛またはカ
ーボンブラック、架橋型高分子用モノマーもしくはプレ
ポリマー、線状高分子化合物、アルカン系直鎖低分子有
機化合物および無機化合物を有機溶媒中で混合・反応さ
せて得られる。なお、本発明において、炭素系層間化合
物とは例えば黒鉛などのような層状構造を有する炭素の
層間に他の原子、イオン、分子が挿入されてできる化合
物である。具体的には黒鉛またはカーボンブラックと、
架橋型高分子と、線状高分子化合物と、アルカン系直鎖
低分子有機化合物と、無機化合物との複合体からなり、
前記架橋型高分子により全体が三次元網状構造とされた
ものが例示できる(特許第2686559号公報)。
炭素系層間化合物からなる導電性塗料は、黒鉛またはカ
ーボンブラック、架橋型高分子用モノマーもしくはプレ
ポリマー、線状高分子化合物、アルカン系直鎖低分子有
機化合物および無機化合物を有機溶媒中で混合・反応さ
せて得られる。なお、本発明において、炭素系層間化合
物とは例えば黒鉛などのような層状構造を有する炭素の
層間に他の原子、イオン、分子が挿入されてできる化合
物である。具体的には黒鉛またはカーボンブラックと、
架橋型高分子と、線状高分子化合物と、アルカン系直鎖
低分子有機化合物と、無機化合物との複合体からなり、
前記架橋型高分子により全体が三次元網状構造とされた
ものが例示できる(特許第2686559号公報)。
【0012】前記導電性塗料の構成成分である黒鉛また
はカーボンブラックとしては、天然黒鉛、人造黒鉛、フ
ァーネスブラック、アセチレンブラックなどが挙げら
れ、粒径1μm以下、特に0.1μm以下のものが好ま
しい。前記導電性塗料の構成成分である架橋型高分子用
モノマーもしくはプレポリマーとしては、三次元網状構
造を形成する熱硬化性樹脂、例えばエポキシ樹脂、メラ
ミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂などの合成
に用いられるモノマーもしくはプレポリマーが挙げられ
る。前記導電性塗料の構成成分である線状高分子化合物
としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニルなどが挙げられ
る。前記の導電性塗料の構成成分であるアルカン系直鎖
低分子有機化合物としては、炭素数が20以上のアルカ
ン系直鎖炭化水素もしくは脂肪酸が挙げられる。
はカーボンブラックとしては、天然黒鉛、人造黒鉛、フ
ァーネスブラック、アセチレンブラックなどが挙げら
れ、粒径1μm以下、特に0.1μm以下のものが好ま
しい。前記導電性塗料の構成成分である架橋型高分子用
モノマーもしくはプレポリマーとしては、三次元網状構
造を形成する熱硬化性樹脂、例えばエポキシ樹脂、メラ
ミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂などの合成
に用いられるモノマーもしくはプレポリマーが挙げられ
る。前記導電性塗料の構成成分である線状高分子化合物
としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニルなどが挙げられ
る。前記の導電性塗料の構成成分であるアルカン系直鎖
低分子有機化合物としては、炭素数が20以上のアルカ
ン系直鎖炭化水素もしくは脂肪酸が挙げられる。
【0013】前記の導電性塗料の構成成分である無機化
合物としては、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化
カリウム、臭化カリウム、塩化第二鉄、塩化亜鉛、四塩
化チタン、四塩化錫などの金属のハロゲン化物、硫酸ナ
トリウム、硫酸カリウムなどのアルカリ金属の硫酸塩、
炭酸バリウムなどのアルカリ土類金属の炭酸塩、酸化ク
ロム、酸化チタン、酸化ジルコニウムなどの遷移金属の
酸化物が挙げられる。前記の導電性塗料の製造に用いる
有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなど
の芳香族炭化水素、n−ブタノール、n−プロパノール
などのアルコール類、メチルエチルケトンなどのケトン
類が挙げられる。
合物としては、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化
カリウム、臭化カリウム、塩化第二鉄、塩化亜鉛、四塩
化チタン、四塩化錫などの金属のハロゲン化物、硫酸ナ
トリウム、硫酸カリウムなどのアルカリ金属の硫酸塩、
炭酸バリウムなどのアルカリ土類金属の炭酸塩、酸化ク
ロム、酸化チタン、酸化ジルコニウムなどの遷移金属の
酸化物が挙げられる。前記の導電性塗料の製造に用いる
有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなど
の芳香族炭化水素、n−ブタノール、n−プロパノール
などのアルコール類、メチルエチルケトンなどのケトン
類が挙げられる。
【0014】本発明の導電性不織布シートを作成するに
は、前記無機繊維系不織布に前記導電性塗料を塗布し乾
燥し、導電性塗料の構成成分である架橋型高分子用モノ
マーもしくはプレポリマーを架橋反応させる。導電性塗
料の塗布は一般的な紙用のコーターを用いて行なうこと
ができる。前記導電性塗料の塗布量は、固形分として3
〜100g/m2、より好ましくは5〜100g/m2で
ある。前記塗布量が3g/m2未満では導電性塗料塗布
面の表面抵抗率が103Ωを超え導電性が不十分とな
り、導電性内装材の導電層として好適な導電性不織布シ
ートとなりにくい。100g/m2を超えると導電性の
向上は少なく得られる導電性不織布シートの可撓性が低
下する。導電性不織布シートの厚さは110〜5000
μmが好ましく、さらに好ましくは130〜500μm
である。本発明の導電性不織布シートは、さらに表面層
や基材層をラミネーターもしくはプレス機を用いて積層
させることによって、導電性床材や導電性壁装材などの
導電性内装材に加工される。その際、電磁波遮蔽用途な
どで導電性をさらに高める必要がある場合には、金属の
ネットなど他の導電材料を前記導電性不織布シートと重
ねて用いてもよい。
は、前記無機繊維系不織布に前記導電性塗料を塗布し乾
燥し、導電性塗料の構成成分である架橋型高分子用モノ
マーもしくはプレポリマーを架橋反応させる。導電性塗
料の塗布は一般的な紙用のコーターを用いて行なうこと
ができる。前記導電性塗料の塗布量は、固形分として3
〜100g/m2、より好ましくは5〜100g/m2で
ある。前記塗布量が3g/m2未満では導電性塗料塗布
面の表面抵抗率が103Ωを超え導電性が不十分とな
り、導電性内装材の導電層として好適な導電性不織布シ
ートとなりにくい。100g/m2を超えると導電性の
向上は少なく得られる導電性不織布シートの可撓性が低
下する。導電性不織布シートの厚さは110〜5000
μmが好ましく、さらに好ましくは130〜500μm
である。本発明の導電性不織布シートは、さらに表面層
や基材層をラミネーターもしくはプレス機を用いて積層
させることによって、導電性床材や導電性壁装材などの
導電性内装材に加工される。その際、電磁波遮蔽用途な
どで導電性をさらに高める必要がある場合には、金属の
ネットなど他の導電材料を前記導電性不織布シートと重
ねて用いてもよい。
【0015】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるも
のではない。試験方法について説明する。 (a)目付:20cm×29cm長方形の導電性塗料塗
布前の無機繊維系不織布、導電性不織布シートサンプル
または導電性シートサンプルの重量を測定し、計算によ
り1m2当りの重量を求めた。単位:g/m2。 (b)厚さ:JIS L 1096「一般織物試験法」
に従って、初荷重0.7kPaで、10秒後測定した。
単位:μm。 (c)体積抵抗率:JIS K 6911「熱硬化性プ
ラスチック一般試験方法」に従って測定した。単位:Ω
−cm。 (d)表面抵抗率:JIS K 6911「熱硬化性プ
ラスチック一般試験方法」に従って測定した。単位:
Ω。 (e)寸法安定性:室温において縦(MD)20cm、
横(TD)29cmの長方形の導電性不織布シートサン
プルまたは導電性シートサンプルを、80℃のギアオー
ブンに入れ6時間加熱後、室温で1時間放置した後、縦
横の寸法を測定し、それぞれの加熱前の寸法に対する変
化率を計算した。単位:%。 寸法変化率(%)=加熱後の寸法/加熱前の寸法×10
0 (e)可撓性:JIS L 1096「一般織物試験
法」剛軟性A法(45°カンチレバー法)を準用して剛
軟度(単位:cm)を測定し、以下の基準で可撓性を評
価した。 ○:剛軟度20cm未満→可撓性良好。 ×:剛軟度20cm以上→可撓性不良。
具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるも
のではない。試験方法について説明する。 (a)目付:20cm×29cm長方形の導電性塗料塗
布前の無機繊維系不織布、導電性不織布シートサンプル
または導電性シートサンプルの重量を測定し、計算によ
り1m2当りの重量を求めた。単位:g/m2。 (b)厚さ:JIS L 1096「一般織物試験法」
に従って、初荷重0.7kPaで、10秒後測定した。
単位:μm。 (c)体積抵抗率:JIS K 6911「熱硬化性プ
ラスチック一般試験方法」に従って測定した。単位:Ω
−cm。 (d)表面抵抗率:JIS K 6911「熱硬化性プ
ラスチック一般試験方法」に従って測定した。単位:
Ω。 (e)寸法安定性:室温において縦(MD)20cm、
横(TD)29cmの長方形の導電性不織布シートサン
プルまたは導電性シートサンプルを、80℃のギアオー
ブンに入れ6時間加熱後、室温で1時間放置した後、縦
横の寸法を測定し、それぞれの加熱前の寸法に対する変
化率を計算した。単位:%。 寸法変化率(%)=加熱後の寸法/加熱前の寸法×10
0 (e)可撓性:JIS L 1096「一般織物試験
法」剛軟性A法(45°カンチレバー法)を準用して剛
軟度(単位:cm)を測定し、以下の基準で可撓性を評
価した。 ○:剛軟度20cm未満→可撓性良好。 ×:剛軟度20cm以上→可撓性不良。
【0016】実施例1 無機繊維系不織布として、ガラス繊維を70重量%、ロ
ックウール20重量%、天然セルロース繊維10重量%
の繊維組成を有し、湿式抄紙法によって形成されたシー
トを乾燥後、アクリルエマルジョンをバインダーとして
3g/m2用いて製造された、目付25.0g/m2、厚
さ200μmの不織布を用いた。この不織布の表面抵抗
率は1010Ω以上、体積抵抗率は1010Ω-cm以上で
あった。 (炭素系層間化合物からなる導電性塗料の調製)下記の
処方にて、室温で、混合溶液を調製し、導電性塗料とし
た。 カーボンブラック(平均粒径0.1μm以下) 60 重量部 アルキッドメラミンレジンモノマー 40 重量部 n−パラフィン(平均粒径5μm以下の微粉末) 30 重量部 高分子量ポリエチレン(平均粒径15μm以下の粉末) 10 重量部 液状ポリブタジエン 20 重量部 臭化カリウム 10 重量部 トルエン 45 重量部 メチルエチルケトン 25 重量部 n−ブタノール 30 重量部 キシレン 40 重量部 シクロヘキサノン 10 重量部 (導電性塗料の塗布)無機繊維含有不織布サンプルの片
面に、上記の導電性塗料を刷毛で塗布した。30分間室
温にて乾燥後、100℃のオーブンで5分間加熱乾燥
し、硬化させて導電性不織布シートサンプルを得た。導
電性塗料の塗布量(固形分)は17g/m 2であった。
得られた導電性不織布シートサンプルについて、目付、
厚さ、体積抵抗率、表面抵抗率、寸法安定性、可撓性を
測定・評価した。その結果を表1に示した。
ックウール20重量%、天然セルロース繊維10重量%
の繊維組成を有し、湿式抄紙法によって形成されたシー
トを乾燥後、アクリルエマルジョンをバインダーとして
3g/m2用いて製造された、目付25.0g/m2、厚
さ200μmの不織布を用いた。この不織布の表面抵抗
率は1010Ω以上、体積抵抗率は1010Ω-cm以上で
あった。 (炭素系層間化合物からなる導電性塗料の調製)下記の
処方にて、室温で、混合溶液を調製し、導電性塗料とし
た。 カーボンブラック(平均粒径0.1μm以下) 60 重量部 アルキッドメラミンレジンモノマー 40 重量部 n−パラフィン(平均粒径5μm以下の微粉末) 30 重量部 高分子量ポリエチレン(平均粒径15μm以下の粉末) 10 重量部 液状ポリブタジエン 20 重量部 臭化カリウム 10 重量部 トルエン 45 重量部 メチルエチルケトン 25 重量部 n−ブタノール 30 重量部 キシレン 40 重量部 シクロヘキサノン 10 重量部 (導電性塗料の塗布)無機繊維含有不織布サンプルの片
面に、上記の導電性塗料を刷毛で塗布した。30分間室
温にて乾燥後、100℃のオーブンで5分間加熱乾燥
し、硬化させて導電性不織布シートサンプルを得た。導
電性塗料の塗布量(固形分)は17g/m 2であった。
得られた導電性不織布シートサンプルについて、目付、
厚さ、体積抵抗率、表面抵抗率、寸法安定性、可撓性を
測定・評価した。その結果を表1に示した。
【0017】実施例2 導電性塗料の塗布量(固形分)が50g/m2である以
外は、実施例1と同じ条件で導電性不織布シートサンプ
ルを作成し、目付、厚さ、体積抵抗率、表面抵抗率、寸
法安定性、可撓性を測定・評価した。その結果を表1に
示した。
外は、実施例1と同じ条件で導電性不織布シートサンプ
ルを作成し、目付、厚さ、体積抵抗率、表面抵抗率、寸
法安定性、可撓性を測定・評価した。その結果を表1に
示した。
【0018】実施例3 導電性塗料の塗布量(固形分)が7g/m2である以外
は、実施例1と同じ条件で導電性不織布シートサンプル
を作成し、目付、厚さ、体積抵抗率、表面抵抗率、寸法
安定性、可撓性を測定・評価した。その結果を表1に示
した。
は、実施例1と同じ条件で導電性不織布シートサンプル
を作成し、目付、厚さ、体積抵抗率、表面抵抗率、寸法
安定性、可撓性を測定・評価した。その結果を表1に示
した。
【0019】比較例1 導電性塗料の塗布量(固形分)が2.5g/m2である
以外は、実施例1と同じ条件で導電性不織布シートサン
プルを作成し、目付、厚さ、体積抵抗率、表面抵抗率、
寸法安定性、可撓性を測定・評価した。その結果を表1
に示した。
以外は、実施例1と同じ条件で導電性不織布シートサン
プルを作成し、目付、厚さ、体積抵抗率、表面抵抗率、
寸法安定性、可撓性を測定・評価した。その結果を表1
に示した。
【0020】比較例2 導電性塗料の塗布量(固形分)が120g/m2である
以外は、実施例1と同じ条件で導電性不織布シートサン
プルを作成し、目付、厚さ、体積抵抗率、表面抵抗率、
寸法安定性、可撓性を測定・評価した。その結果を表1
に示した。
以外は、実施例1と同じ条件で導電性不織布シートサン
プルを作成し、目付、厚さ、体積抵抗率、表面抵抗率、
寸法安定性、可撓性を測定・評価した。その結果を表1
に示した。
【0021】比較例3 (導電性シートサンプルの作成)下記に示す処方のコン
パウンド150gを、6インチテストロールを用いて、
ロール表面温度170℃で、10分間混練りし、厚さ
0.2mmの導電性シートサンプルを得た。 ポリ塩化ビニル(平均重合度:1030) 100 重量部 帯電防止性可塑剤(アジピン酸ジエステル系)市販品 75 重量部 Ba−Zn粉状複合安定剤(共同薬品(株)製) 2.0重量部 Ba−Zn液状複合安定剤(共同薬品(株)製) 2.4重量部 カーボンブラック(平均粒径0.3μm) 20 重量部 前記導電性シートサンプルの目付、厚さ、体積抵抗率、
表面抵抗率、寸法安定性、可撓性を測定・評価した。
パウンド150gを、6インチテストロールを用いて、
ロール表面温度170℃で、10分間混練りし、厚さ
0.2mmの導電性シートサンプルを得た。 ポリ塩化ビニル(平均重合度:1030) 100 重量部 帯電防止性可塑剤(アジピン酸ジエステル系)市販品 75 重量部 Ba−Zn粉状複合安定剤(共同薬品(株)製) 2.0重量部 Ba−Zn液状複合安定剤(共同薬品(株)製) 2.4重量部 カーボンブラック(平均粒径0.3μm) 20 重量部 前記導電性シートサンプルの目付、厚さ、体積抵抗率、
表面抵抗率、寸法安定性、可撓性を測定・評価した。
【0022】
【表1】
【0023】本発明の導電性不織布シートは、可撓性と
寸法安定性に優れ導電性床材や導電性壁装材など導電性
内装材の素材として好適な導電性不織布シートである。
寸法安定性に優れ導電性床材や導電性壁装材など導電性
内装材の素材として好適な導電性不織布シートである。
Claims (2)
- 【請求項1】繊維成分中の無機繊維の割合が80重量%
以上である不織布の少なくとも一方の面に炭素系層間化
合物からなる導電性塗料を塗布してなり、前記導電性塗
料の塗布量が固形分として3〜100g/m2であり、
かつ、塗布面の表面抵抗率が103Ω以下である導電性
不織布シート。 - 【請求項2】繊維成分中の無機繊維の割合が80重量%
以上である不織布が湿式抄紙法を用いて製造された不織
布である請求項1記載の導電性不織布シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21993799A JP2001049594A (ja) | 1999-08-03 | 1999-08-03 | 導電性不織布シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21993799A JP2001049594A (ja) | 1999-08-03 | 1999-08-03 | 導電性不織布シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001049594A true JP2001049594A (ja) | 2001-02-20 |
Family
ID=16743374
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21993799A Pending JP2001049594A (ja) | 1999-08-03 | 1999-08-03 | 導電性不織布シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001049594A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009101535A (ja) * | 2007-10-20 | 2009-05-14 | Tokushu Paper Mfg Co Ltd | 低発塵性シート |
JP2012529127A (ja) * | 2009-06-03 | 2012-11-15 | ジーエルティー テクノヴェーションズ、エルエルシー | 容量性タッチスクリーンと共に利用される材料 |
EP3772531A1 (de) * | 2019-08-08 | 2021-02-10 | Future Carbon GmbH | Beheizbares glasfaservlies |
WO2024010305A1 (ko) * | 2022-07-04 | 2024-01-11 | 비비씨 주식회사 | 환원그래핀을 포함하는 폴리에스테르계 수지로 제조되는 브리슬 및 이의 제조방법 |
-
1999
- 1999-08-03 JP JP21993799A patent/JP2001049594A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009101535A (ja) * | 2007-10-20 | 2009-05-14 | Tokushu Paper Mfg Co Ltd | 低発塵性シート |
JP2012529127A (ja) * | 2009-06-03 | 2012-11-15 | ジーエルティー テクノヴェーションズ、エルエルシー | 容量性タッチスクリーンと共に利用される材料 |
JP2014058768A (ja) * | 2009-06-03 | 2014-04-03 | Glt Technovations Llc | 手袋 |
EP3772531A1 (de) * | 2019-08-08 | 2021-02-10 | Future Carbon GmbH | Beheizbares glasfaservlies |
WO2024010305A1 (ko) * | 2022-07-04 | 2024-01-11 | 비비씨 주식회사 | 환원그래핀을 포함하는 폴리에스테르계 수지로 제조되는 브리슬 및 이의 제조방법 |
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