JP2001048865A - 経鼻剤 - Google Patents

経鼻剤

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JP2001048865A
JP2001048865A JP2000170437A JP2000170437A JP2001048865A JP 2001048865 A JP2001048865 A JP 2001048865A JP 2000170437 A JP2000170437 A JP 2000170437A JP 2000170437 A JP2000170437 A JP 2000170437A JP 2001048865 A JP2001048865 A JP 2001048865A
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methyl
guanidinoimino
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salt
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JP2000170437A
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English (en)
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Masafumi Omae
雅文 御前
Shigeyuki Takada
重行 高田
Mitsuru Shiraishi
充 白石
Masaji Fukumoto
正司 福本
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】Na−H交換阻害作用を有する化合物を含有す
る経鼻剤を提供する。 【解決手段】式 【化1】 〔式中、A環は置換されていてもよい5又は6員の芳香
族複素環を、B環は置換されていてもよい5又は6員の
芳香族同素若しくは複素環を、R1は水素原子、水酸基
又は低級アルキル基を、nは0又は1を示す。〕で表さ
れる化合物又はその塩を含有することを特徴とする経鼻
剤。 【効果】上記の本発明の経鼻剤は、優れた生体内吸収性
を有し、経口投与剤に優るNa−H交換阻害作用を示す
ことから、心筋梗塞、不整脈等の虚血性心疾患等の予防
治療剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規アミノグアニジ
ンヒドラゾン誘導体を含有する経鼻剤等に関する。本発
明の経鼻剤は、含有されるアミノグアニジンヒドラゾン
誘導体がナトリウム−プロトン(Na−H)交換阻害作
用を有するので、心筋梗塞及びそれに伴う機能不全、不
整脈、不安定狭心症、心肥大、PTCA(経皮経管冠動
脈形成術:percutaneous transluminal coronary angio
plasty)後の再閉塞、高血圧及びそれに伴う組織障害等
の予防及び治療効果を有する。
【0002】
【従来の技術】これまでに種々の薬物が開発され、医療
の現場で広く用いられているが、これらの多くは経口剤
又は注射剤として使用されているのが現状である。薬物
が消化管内で不安定である、消化管膜透過性が低い、初
回通過効果を受ける等の理由により経口吸収性が悪い場
合、薬物が消化管組織傷害性がある場合、あるいは薬効
において速効性が必要な場合等は、経口剤ではなく注射
剤が使用されるが、注射剤による投与は患者に与える苦
痛が大きく、また自己投与が出来ないことも患者には大
きな負担であり、特に投与が長期間に及ぶ場合は問題で
ある。薬物を簡便に投与する非注射型の投与方法の一つ
として経鼻投与が着目されている。経鼻投与は、自己投
与が可能であること、薬物が全身循環血液中に直接入る
ため肝臓での代謝(初回通過効果)を受け難いこと等の
利点があり、また、経鼻投与した薬物の吸収は一般的に
速いため薬効において速効性も期待できる。一方、虚血
下での細胞障害に対して、改善作用又は細胞保護作用
(特に心筋に対して)を示すと考えられるNa−H交換
阻害剤が、虚血性疾患治療薬の領域で注目されている。
Na−H交換阻害剤として種々のアシルグアニジン誘導
体が、特開平6−228082、WO 96/0424
1、EP 708091及びEP 708088に開示さ
れている。また、特表平6−509798号に、式
【化2】 〔式中、R1はH又はC1-6アルキル、R2は1-モルホリ
ニル、置換していてもよいC1-6アルキル等、R3
4、R5及びR4は、同じか異なるものを意味し、水
素、C1-6アルキル又はベンジルを示す。〕で表される
ピラジン誘導体が、Na−H交換阻害作用を有し、鼻へ
の投与用製剤として投与してもよいとして開示されてい
る。特表平9−504535号には、式
【化3】 〔式中、Aは-CmH2m-NR4-等、R1はF、Cl、CF3、R1-SO2
-又はR1-NH-SO2-を示し(R1はC1-5アルキル、ハロゲン
-又はフェニル置換C1-5アルキル等)、R2は式
【化4】 で表される基等、R3,R4及びR4'は同一でも異なって
いてもよく、水素又はC1-4アルキル等を示す。〕で表
されるベンゾイルグアニジン誘導体が、Na−H交換阻
害作用を有し、可能ならば点鼻薬として投与できるとし
て開示されている。特表平9−505035号には、式
【化5】 〔式中、Aは窒素原子を介してピラジンカルボキシアミ
ド系に結合する-CmH2m-NR4-等、R1は水素、フッ素、塩
素、C1-4アルキル等、R2は式
【化6】 で表される基等、R3,R4及びR4'は同一でも異なって
いてもよく、水素、C1-4アルキル等を示す。〕で表さ
れるピラジンカルボキシアミド誘導体が、Na−H交換
阻害作用を有し、可能ならば点鼻薬として投与できると
して開示されている。WO98/19682には、式
【化7】 で表されるアミノステロール化合物が、Na−H交換阻
害作用を有し、鼻腔内へ投与できるとして開示されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】心筋梗塞及びそれに伴
う機能不全、不整脈、不安定狭心症、心肥大、PTCA
後の再閉塞、高血圧及びそれに伴う組織障害等の予防及
び治療薬として、優れた効果を発揮しかつ医薬として経
口剤や注射剤と比較して十分に満足できる経鼻剤を開発
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記予防治
療薬を求めて経鼻剤につき種々検討した結果、式(I)
【化8】 〔式中、A環は置換されていてもよい5又は6員の芳香
族複素環を、B環は置換されていてもよい5又は6員の
芳香族同素若しくは複素環を、R1は水素原子、水酸基
又は低級アルキル基を、nは0又は1を示す。〕で表さ
れる新規アミノグアニジンヒドラゾン化合物又はその塩
(以下、化合物(I)と略称する)が、優れたNa−H
交換阻害作用(特に、NHE−1選択性のNa−H交換
阻害作用)並びに鼻粘膜からの優れた生体内吸収性とと
もに優れた心臓移行性を有し、経鼻剤に使用した場合に
予想外にも経口投与剤や注射剤に優るとも劣らない薬理
効果を発揮し、かつ医薬として十分に満足できる性質を
有していることを初めて見出し、これらに基づいて本発
明を完成した。
【0005】即ち、本発明は(1)化合物(I)を含有
する経鼻剤、および化合物(I)のプロドラッグを含有
する経鼻剤、(2)A環がハロゲン化されていてもよい
1-6アルキル又はハロゲン化されていてもよいC1-6
ルコキシで置換されていてもよい、窒素原子を1又は2
個含む5又は6員の含窒素芳香族複素環、B環がハロゲ
ン原子、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、
水酸基又はハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキ
シで置換されていてもよい、酸素原子、硫黄原子及び窒
素原子から選ばれたヘテロ原子を1個含んでいてもよい
5又は6員の芳香族同素又は複素環、R1が水素原子又
は水酸基及びnが1である化合物(I)を含有する前記
(1)記載の経鼻剤、(3)(±)−7−(2−クロロ
フェニル)−5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,
6,7,8−テトラヒドロキノリンもしくはそのプロド
ラッグまたはその塩;(±)−7−(5−フルオロ−2
−メチルフェニル)−5−グアニジノイミノ−4−メチ
ル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンもしくはそ
のプロドラッグまたはその塩;又は(±)−7−(2−
クロロ−5−フルオロフェニル)−5−グアニジノイミ
ノ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリ
ンもしくはそのプロドラッグまたはその塩を含有するこ
とを特徴とする前記(1)記載の経鼻剤、(4)(S)
−(−)−7−(2−クロロフェニル)−5−グアニジ
ノイミノ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ
キノリンもしくはそのプロドラッグまたはその塩;
(S)−(−)−7−(5−フルオロ−2−メチルフェ
ニル)−5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,
7,8−テトラヒドロキノリンもしくはそのプロドラッ
グまたはその塩;又は(S)−(−)−7−(2−クロ
ロ−5−フルオロフェニル)−5−グアニジノイミノ−
4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンも
しくはそのプロドラッグまたはその塩を含有することを
特徴とする前記(1)記載の経鼻剤、(5)虚血性心疾
患予防治療剤である前記(1)記載の経鼻剤、(6)虚
血性心疾患が心筋梗塞、不安定狭心症又は不整脈である
前記(5)記載の経鼻剤、(7)心不全予防治療剤であ
る前記(1)記載の経鼻剤、(8)(S)−(−)−7
−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−5−グアニ
ジノイミノ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒド
ロキノリンもしくはそのプロドラッグまたはその塩、
(9)(S)−(−)−7−(2−クロロ−5−フルオ
ロフェニル)−5−グアニジノイミノ−4−メチル−
5,6,7,8−テトラヒドロキノリンもしくはそのプ
ロドラッグまたはその塩、(10)(S)−(−)−7
−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−5−グアニ
ジノイミノ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒド
ロキノリンもしくはそのプロドラッグまたはその塩;又
は(S)−(−)−7−(2−クロロ−5−フルオロフ
ェニル)−5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,
6,7,8−テトラヒドロキノリンもしくはそのプロド
ラッグまたはその塩を含有する医薬組成物、(11)N
a−H交換阻害剤である前記(10)記載の組成物、
(12)経鼻剤である前記(10)記載の組成物、(1
3)虚血性心疾患予防治療剤である前記(10)記載の
組成物、(14)虚血性心疾患が心筋梗塞、不安定狭心
症又は不整脈である前記(13)記載の組成物、(1
5)心不全予防治療剤である前記(10)記載の組成
物、(16)Na−H交換阻害剤の製造のための(S)
−(−)−7−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)
−5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,7,8
−テトラヒドロキノリンもしくはそのプロドラッグまた
はその塩;又は(S)−(−)−7−(2−クロロ−5
−フルオロフェニル)−5−グアニジノイミノ−4−メ
チル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンもしくは
そのプロドラッグまたはその塩の使用、及び(17)哺
乳動物に(S)−(−)−7−(5−フルオロ−2−メ
チルフェニル)−5−グアニジノイミノ−4−メチル−
5,6,7,8−テトラヒドロキノリンもしくはそのプ
ロドラッグまたはその塩;又は(S)−(−)−7−
(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−5−グアニジ
ノイミノ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ
キノリンもしくはそのプロドラッグまたはその塩の有効
量を投与することを特徴とする哺乳動物におけるNa−
H交換を阻害する方法等に関する。
【0006】上記式(I)中、A環は置換されていても
よい5又は6員の芳香族複素環を示す。Aで示される
「置換されていてもよい5又は6員の芳香族複素環」の
芳香族複素環としては、例えば、環系を構成する原子
(環原子)として、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子等
から選ばれたヘテロ原子1ないし3種(好ましくは1又
は2種)を少なくとも1個(好ましくは1ないし3個、
更に好ましくは1又は2個)含む芳香族複素環等が挙げ
られる。かかる「芳香族複素環」としては、例えばフラ
ン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、イソオキサ
ゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、
ピラゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−
オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、フラ
ザン、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジア
ゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,2,3−トリア
ゾール、1,2,4−トリアゾール、ピリジン、ピリダジ
ン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン等)等の5又は
6員の芳香族複素環等が挙げられる。中でも、酸素原
子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれたヘテロ原子を1
ないし3個(好ましくは1又は2個)含む5又は6員の
芳香族複素環が好ましく、好ましいA環の具体例として
は、ピリジン環、ピリダジン環、ピロール環、ピラゾー
ル環、フラン環、チオフェン環、イソキサゾール環、ピ
リミジン環(好ましくは、ピリジン環、ピリダジン環、
ピロール環、ピラゾール環等の窒素原子を1又は2個含
む5又は6員の含窒素芳香族複素環等、更に好ましく
は、ピリジン環、ピラゾール環、ピリダジン環等の窒素
原子を1又は2個含む5又は6員の含窒素芳香族複素環
等)等、最も好ましくはピリジン環等が挙げられる。
【0007】上記式(I)中、B環は置換されていても
よい5又は6員の芳香族同素若しくは複素環を示す。B
で示される「置換されていてもよい5又は6員の芳香族
同素環」としては、置換されていてもよいベンゼン環等
が挙げられる。Bで示される「置換されていてもよい5
又は6員の芳香族複素環」の芳香族複素環としては、例
えば、環系を構成する原子(環原子)として、酸素原
子、硫黄原子及び窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1
ないし3種(好ましくは1又は2種)を少なくとも1個
(好ましくは1ないし3個、更に好ましくは1又は2
個)含む芳香族複素環等が挙げられる。かかる「芳香族
複素環」としては、例えばフラン、チオフェン、ピロー
ル、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イ
ソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、1,2,3−
オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,
3,4−オキサジアゾール、フラザン、1,2,3−チア
ジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−チ
アジアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−ト
リアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラ
ジン、トリアジン等)等の5又は6員の芳香族複素環等
が挙げられるが、中でも、酸素原子、硫黄原子及び窒素
原子から選ばれたヘテロ原子を1ないし3個(好ましく
は1又は2個)含む5又は6員の芳香族複素環が好まし
い。好ましいB環の具体例としては、ベンゼン環、ピロ
ール環、フラン環、チオフェン環、ピリジン環(好まし
くはベンゼン環、フラン環、チオフェン環等)等の酸素
原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれたヘテロ原子を
1個含んでいてもよい5又は6員の芳香族同素若しくは
複素環等、最も好ましくはベンゼン環等が挙げられる。
【0008】A環及びB環は、例えば(1)ハロゲン原
子、(2)水酸基、(3)ニトロ基、(4)シアノ基、(5)置換さ
れていてもよい低級アルキル基、(6)置換されていても
よい低級アルケニル基、(7)置換されていてもよい低級
アルキニル基、(8)置換されていてもよい低級アラルキ
ル基、(9)置換されていてもよい低級アルコキシ基、(1
0)置換されていてもよいメルカプト基、(11)置換されて
いてもよいアミノ基、(12)エステル化若しくはアミド化
されていてもよいカルボキシル基、(13)置換されていて
もよいスルホニル基、(14)置換されていてもよいアシル
基及び(15)置換されていてもよいフェニル基から選ばれ
る1ないし4個(好ましくは1又は2個)で同一若しく
は異なって置換可能な位置に置換されていてもよく、(1
6)隣接する2個の置換基が結合して2価の炭化水素基を
形成してもよく、また、A環又はB環の窒素原子は酸化
されていてもよい。また、A環又はB環が2−オキシピ
リジン等のように水酸基を置換基として有する含窒素芳
香族複素環である場合には、A環又はB環は、α−ピリ
ドン等のようなオキソ基を有する含窒素芳香族複素環
(水酸基を置換基として有する含窒素芳香族複素環と化
学構造上、等価である)を示していてもよく、A環又は
B環がオキソ基を有する含窒素芳香族複素環である場合
には、A環又はB環の窒素原子上に上記したA環又はB
環が有していてもよい置換基が存在していてもよい。
【0009】前記(1)のハロゲン原子としては、例えば
塩素、臭素、フッ素、ヨウ素等が挙げられる。前記(5)
の置換されていてもよい低級アルキル基としては、例え
ばC1-6アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、
s−ブチル、ペンチル、ヘキシル等)等が挙げられる。
かかる低級アルキル基は、ハロゲン原子(例えば塩素、
臭素、フッ素、ヨウ素等)、水酸基、ニトロ基、シアノ
基、低級(C1-6)アルコキシ基(例えばメトキシ、エト
キシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、s−ブ
トキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチル
オキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)、ハ
ロゲノ低級(C1-6)アルコキシ基(例えばCF3O、CH
2O等)等から選ばれる1ないし3個の同一又は異な
った置換基で、置換可能な位置に置換されていてもよ
い。前記(6)の置換されていてもよい低級アルケニル基
としては、例えばビニル、アリル、イソプロペニル、2
−メチルアリル、1−プロペニル、2−メチル−1−プ
ロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニ
ル、2−エチル−1−ブテニル、2−メチル−2−ブテ
ニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2
−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−
メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセ
ニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニ
ル等のC2-6アルケニル基等が挙げられる。かかる低級
アルケニル基は、ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、フ
ッ素、ヨウ素等)、水酸基、ニトロ基、シアノ基、低級
(C1-6)アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、プ
ロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、s−ブトキシ、
t−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、
ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)、ハロゲノ低
級(C1-6)アルコキシ基(例えばCF3O、CHF2
等)等から選ばれる1ないし3個の同一又は異なった置
換基で、置換可能な位置に置換されていてもよい。前記
(7)の置換されていてもよい低級アルキニル基として
は、例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニ
ル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−
ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペ
ンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキ
シニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル等のC2-6
ルキニル基が挙げられる。かかる低級アルキニル基は、
ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、フッ素、ヨウ素
等)、水酸基、ニトロ基、シアノ基、低級(C1-6)アル
コキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イ
ソプロポキシ、ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキ
シ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチ
ルオキシ、ヘキシルオキシ等)、ハロゲノ低級(C1-6)
アルコキシ基(例えばCF3O、CHF2O等)等から選
ばれる1ないし3個の同一又は異なった置換基で、置換
可能な位置に置換されていてもよい。前記(8)の置換さ
れていてもよい低級アラルキル基としては、例えばベン
ジル、フェネチル等のC7-10アラルキル基(好ましく
は、フェニル−C1-6アルキル基等)等が挙げられる。
かかる低級アラルキル基は、例えばハロゲン原子(例え
ば塩素、臭素、フッ素、ヨウ素等)、水酸基、ニトロ
基、シアノ基、低級(C1-6)アルキル基(例えばメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル
等)、ハロゲノ低級(C1-6)アルキル基(例えばCF3
CF2CF3、CH2F、CHF2等)、低級(C1-6)アル
コキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イ
ソプロポキシ、ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキ
シ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチ
ルオキシ、ヘキシルオキシ等)、ハロゲノ低級(C1-6)
アルコキシ基(例えばCF3O、CHF2O等)等から選
ばれる1ないし3個の同一又は異なった置換基で、置換
可能な位置に置換されていてもよい。前記(9)の置換さ
れていてもよい低級アルコキシ基としては、C1-6アル
コキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イ
ソプロポキシ、ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキ
シ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチ
ルオキシ、ヘキシルオキシ等)等が挙げられる。かかる
低級アルコキシ基は、ハロゲン原子(例えば塩素、臭
素、フッ素、ヨウ素等)、水酸基、ニトロ基、シアノ
基、低級(C1-6)アルコキシ基(例えばメトキシ、エト
キシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、s−ブ
トキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチル
オキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)、ハ
ロゲノ低級(C1-6)アルコキシ基(例えばCF3O、CH
2O等)等から選ばれる1ないし3個の同一又は異な
った置換基で、置換可能な位置に置換されていてもよ
い。前記(10)の置換されていてもよいメルカプト基とし
ては、置換されていてもよいC1-6アルキルチオ基(例
えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロ
ピルチオ、ブチルチオ、s−ブチルチオ、t−ブチルチ
オ、ペンチルチオ、イソペンチルチオ、ネオペンチルチ
オ、ヘキシルチオ等)等が挙げられる。かかるC1-6
ルキルチオ基は、ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、フ
ッ素、ヨウ素等)、水酸基、ニトロ基、シアノ基、低級
(C1-6)アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、プ
ロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、s−ブトキシ、
t−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、
ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)、ハロゲノ低
級(C1-6)アルコキシ基(例えばCF3O、CHF2
等)等から選ばれる1ないし3個の同一又は異なった置
換基で、置換可能な位置に置換されていてもよい。
【0010】前記(11)の置換されていてもよいアミノ基
としては、例えば低級(C1-6)アルキル(例えばメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル
等)、低級(C1-6)アルコキシ(例えばメトキシ、エト
キシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブ
トキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキ
シ、ヘキシルオキシ等)、ハロゲノ低級(C1-6)アルキ
ル(例えばCF3、CF3CF2、CH2F、CHF
2等)、低級(C3-6)シクロアルキル(例えばシクロプロ
ピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル
等)、水酸基、カルバモイル、フェニル、フェニル−低
級(C1-6)アルキル(例えばベンジル、フェネチル、3
−フェニルプロピル、4−フェニルブチル等)、低級
(C1-6)アルキル−カルボニル(アルカノイル)(例え
ばホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソ
ブチリル、バレリル、ピバロイル等)、C3-6シクロア
ルキル−カルボニル(例えばシクロプロピルカルボニ
ル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニ
ル、シクロヘキシルカルボニル等)、 ベンゾイル、フェ
ニル−C2-6アルカノイル(例えばフェニルアセチル、
フェニルプロピオニル等)、低級(C1-6)アルコキシ−
カルボニル(例えばメトキシカルボニル、エトキシカル
ボニル、 プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボ
ニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、
t−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、
ヘキシルオキシカルボニル等)、フェノキシカルボニ
ル、フェニル−低級(C1-6)アルコキシ−カルボニル
(例えばベンジロキシカルボニル、フェニルエトキシカ
ルボニル等)、低級(C1-6)アルキルスルフィニル(例え
ばメチルスルフィニル、エチルスルフィニル、 プロピル
スルフィニル、イソプロピルスルフィニル、ブチルスル
フィニル、イソブチルスルフィニル、s−ブチルスルフ
ィニル、t−ブチルスルフィニル,ペンチルスルフィニ
ル、ヘキシルスルフィニル等)、C3-6シクロアルキル
スルフィニル(例えばシクロプロピルスルフィニル、シ
クロブチルスルフィニル、シクロペンチルスルフィニ
ル、シクロヘキシルスルフィニル等)、 フェニルスルフ
ィニル、低級(C1-6)アルキルスルホニル(例えばメチ
ルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニ
ル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、イソ
ブチルスルホニル、t−ブチルスルホニル、s−ブチル
スルホニル、ペンチルスルホニル、ヘキシルスルホニル
等)、C3-6シクロアルキルスルホニル(例えばシクロ
プロピルスルホニル、シクロブチルスルホニル、シクロ
ペンチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル等)、
低級(C1-6)アルコキシスルホニル(例えばメトキシス
ルホニル、エトキシスルホニル、プロポキシスルホニ
ル、イソプロポキシスルホニル、ブトキシスルホニル、
イソブトキシスルホニル、s−ブトキシスルホニル、t
−ブトキシスルホニル、ペンチルオキシスルホニル、ヘ
キシルオキシスルホニル等)及びフェニルスルホニル等
から選ばれる1又は2個で同一若しくは異なって置換さ
れていてもよいアミノ基が挙げられる。また、このよう
な置換基の2個が窒素原子と一緒になって環状アミノ基
を形成する場合もあり、このような環状アミノ基として
は、例えばピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオ
モルホリノ等が用いられる。上述のごとく具体的に例示
された個々の置換されていてもよいアミノ基は、例えば
ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、フッ素、ヨウ素
等)、水酸基、ニトロ基、シアノ基、低級(C1-6)アル
キル基(例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペ
ンチル、ヘキシル等)、ハロゲノ低級(C1-6)アルキル
基(例えばCF3、CF2CF3、CH2F、CHF
2等)、低級(C1-6)アルコキシ基(例えばメトキシ、エ
トキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、s−
ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチ
ルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)、
ハロゲノ低級(C1-6)アルコキシ基(例えばCF3O、C
HF2O等)等から選ばれる1ないし3個の同一又は異
なった置換基で、置換可能な位置に置換されていてもよ
い。
【0011】前記(12)のエステル化若しくはアミド化さ
れていてもよいカルボキシル基における、エステル化さ
れたカルボキシル基としては、例えば低級(C1-6)アル
コキシ−カルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エ
トキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポ
キシカルボニル、ブトキシカルボニル、s−ブトキシカ
ルボニル、t−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカ
ルボニル、イソペンチルオキシカルボニル、ネオペンチ
ルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル等)、
3-6シクロアルコキシ−カルボニル(例えばシクロプ
ロポキシカルボニル、シクロブチルオキシカルボニル、
シクロペンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキ
シカルボニル等)、フェニル−低級(C1-6)アルコキシ
−カルボニル(例えばベンジルオキシカルボニル、フェ
ニルオキシカルボニル等)、ニトロキシ低級(C1-6)ア
ルコキシ−カルボニル(例えば2−ニトロキシエトキシ
カルボニル、3−ニトロキシプロポキシカルボニル等)
等が挙げられる。アミド化されたカルボキシル基として
は、カルバモイル、N−モノ−低級(C1-6)アルキル−
カルバモイル(例えばメチルカルバモイル、エチルカル
バモイル、プロピルカルバモイル、イソプロピルカルバ
モイル、ブチルカルバモイル、イソブチルカルバモイ
ル、s−ブチルカルバモイル、t−ブチルカルバモイ
ル、ペンチルカルバモイル、ヘキシルカルバモイル
等)、N,N−ジ−低級(C1-6)アルキル−カルバモイル
(例えばN,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチ
ルカルバモイル、N,N−ジプロピルカルバモイル、N,
N−ジブチルカルバモイル等)、C3-6シクロアルキル
−カルバモイル(例えばシクロプロピルカルバモイル、
シクロブチルカルバモイル、シクロペンチルカルバモイ
ル、シクロヘキシルカルバモイル等)、フェニル−低級
(C1-6)アルキル−カルバモイル(例えばベンジルカル
バモイル、フェネチルカルバモイル等)、ニトロキシ低
級(C1-6)アルキルアミノ−カルボニル(例えば2−ニ
トロキシエチルカルバモイル、3−ニトロキシプロピル
カルバモイル等)、環状アミノカルボニル(例えばモル
ホリノカルボニル、ピペリジノカルボニル、ピロリジノ
カルボニル、チオモルホリノカルボニル等)、アニリノ
カルボニル等が挙げられる。上述のごとく具体的に例示
された個々の「エステル化若しくはアミド化されていて
もよいカルボキシル基」は、例えばハロゲン原子(例え
ば塩素、臭素、フッ素、ヨウ素等)、水酸基、ニトロ
基、シアノ基、低級(C1-6)アルキル基(例えばメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル
等)、ハロゲノ低級(C1-6)アルキル基(例えばCF3
CF2CF3、CH2F、CHF2等)、低級(C1-6)アル
コキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イ
ソプロポキシ、ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキ
シ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチ
ルオキシ、ヘキシルオキシ等)、ハロゲノ低級(C1-6)
アルコキシ基(例えばCF3O、CHF2O等)等から選
ばれる1ないし3個の同一又は異なった置換基で、置換
可能な位置に置換されていてもよい。
【0012】前記(13)の置換されていてもよいスルホニ
ル基としては、例えば低級(C1-6)アルキルスルホニル
(例えばメチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピ
ルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホ
ニル、イソブチルスルホニル、s−ブチルスルホニル、
t−ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、ヘキシル
スルホニル等)、C3-6シクロアルキルスルホニル(例
えばシクロプロピルスルホニル、シクロブチルスルホニ
ル、シクロペンチルスルホニル、シクロヘキシルスルホ
ニル等)、フェニル−C1-6アルキルスルホニル(例え
ばベンジルスルホニル、フェネチルスルホニル等)、低
級(C1-6)アルコキシスルホニル(例えばメトキシスル
ホニル、エトキシスルホニル、プロポキシスルホニル、
イソプロポキシスルホニル、ブトキシスルホニル、イソ
ブトキシスルホニル、s−ブトキシスルホニル、t−ブ
トキシスルホニル、ペンチルオキシスルホニル、ヘキシ
ルオキシスルホニル等)、C3-6シクロアルキルオキシ
スルホニル(例えばシクロプロポキシスルホニル、シク
ロブチルオキシスルホニル、シクロペンチルオキシスル
ホニル、シクロヘキシルオキシスルホニル等)、フェニ
ル−低級(C1-6)アルコキシスルホニル(例えばベンジ
ルオキシスルホニル、フェネチルオキシスルホニル
等)、スルファモイル、低級(C1-6)アルキルアミノス
ルホニル(例えばメチルアミノスルホニル、エチルアミ
ノスルホニル、プロピルアミノスルホニル、イソプロピ
ルアミノスルホニル、ブチルアミノスルホニル、イソブ
チルアミノスルホニル、s−ブチルアミノスルホニル、
t−ブチルアミノスルホニル、ペンチルアミノスルホニ
ル、ヘキシルアミノスルホニル等)、C3-6シクロアル
キルアミノスルホニル(例えばシクロプロピルアミノス
ルホニル、シクロブチルアミノスルホニル、シクロペン
チルアミノスルホニル、シクロヘキシルアミノスルホニ
ル等)、フェニル−低級(C1-6)アルキルアミノスルホ
ニル(例えばベンジルアミノスルホニル、フェネチルア
ミノスルホニル等)、環状アミノスルホニル(例えばモ
ルホリノスルホニル、ピペリジノスルホニル、ピロリジ
ノスルホニル、チオモルホリノスルホニル等)、ニトロ
キシ低級(C1-6)アルキルアミノ−スルホニル(例えば
2−ニトロキシエチルアミノスルホニル、3−ニトロキ
シプロピルアミノスルホニル等)、アニリノスルホニル
等が挙げられる。上述のごとく具体的に例示された個々
の「置換されていてもよいスルホニル基」は、例えばハ
ロゲン原子(例えば塩素、臭素、フッ素、ヨウ素等)、
水酸基、ニトロ基、シアノ基、低級(C1-6)アルキル基
(例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル等)、ハロゲノ低級(C1-6)アルキル基
(例えばCF3、CF2CF3、CH2F、CHF2等)、
低級(C1-6)アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、s−ブト
キシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオ
キシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)、ハロ
ゲノ低級(C1-6)アルコキシ基(例えばCF3O、CHF
2O等)等から選ばれる1ないし3個の同一又は異なっ
た置換基で、置換可能な位置に置換されていてもよい。
【0013】前記(14)の低級アシル基としては、例えば
カルボン酸、スルフィン酸又はスルホン酸から導かれる
低級アシル基等が挙げられる。ここで、カルボン酸から
導かれる低級アシル基としては、例えば低級(C1-6)ア
ルキル−カルボニル(アルカノイル)(例えばホルミ
ル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリ
ル、バレリル、ピバロイル等)、C3-6シクロアルキル
−カルボニル(例えばシクロプロピルカルボニル、シク
ロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シク
ロヘキシルカルボニル等)、 ベンゾイル等が挙げられ
る。スルフィン酸から導かれる低級アシル基としては、
例えば低級(C1-6)アルキルスルフィニル(例えばメチ
ルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフ
ィニル、イソプロピルスルフィニル、ブチルスルフィニ
ル、イソブチルスルフィニル、s−ブチルスルフィニ
ル、t−ブチルスルフィニル、ペンチルスルフィニル、
ヘキシルスルフィニル等)、C3-6シクロアルキルスル
フィニル(例えばシクロプロピルスルフィニル、シクロ
ブチルスルフィニル、シクロペンチルスルフィニル、シ
クロヘキシルスルフィニル等)、フェニルスルフィニル
等が挙げられる。スルホン酸から導かれる低級アシル基
としては、例えば低級(C1-6)アルキルスルホニル(例
えばメチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルス
ルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニ
ル、イソブチルスルホニル、s−ブチルスルホニル、t
−ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、ヘキシルス
ルホニル等)、C3-6シクロアルキルスルホニル(例え
ばシクロプロピルスルホニル、シクロブチルスルホニ
ル、シクロペンチルスルホニル、シクロヘキシルスルホ
ニル等)、 フェニルスルホニル等が挙げられる。上述の
ごとく具体的に例示された個々の「低級アシル基」は、
例えばハロゲン原子(例えば塩素、臭素、フッ素、ヨウ
素等)、水酸基、ニトロ基、シアノ基、低級(C1-6)ア
ルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、
ペンチル、ヘキシル等)、ハロゲノ低級(C1-6)アルキ
ル基(例えばCF3、CF2CF3、CH2F、CHF
2等)、低級(C1-6)アルコキシ基(例えばメトキシ、エ
トキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、s−
ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチ
ルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)、
ハロゲノ低級(C1-6)アルコキシ基(例えばCF3O、C
HF2O等)等から選ばれる1ないし3個の同一若しく
は異なった置換基で、置換可能な位置に置換されていて
もよい。
【0014】前記(15)の置換されていてもよいフェニル
基は、例えばハロゲン原子(例えば塩素、臭素、フッ
素、ヨウ素等)、水酸基、ニトロ基、シアノ基、低級
(C1-6)アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、
t−ブチル、ペンチル、ヘキシル等)、ハロゲノ低級
(C1-6)アルキル基(例えばCF3、CF2CF3、CH2
F、CHF2等)、低級(C1-6)アルコキシ基(例えばメ
トキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブト
キシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、
イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオ
キシ等)、ハロゲノ低級(C1-6)アルコキシ基(例えば
CF3O、CHF2O等)等から選ばれる1ないし3個の
同一又は異なった置換基で、置換可能な位置に置換され
ていてもよい。前記(16)の2価の炭化水素基としては、
例えば式−CH=CH−CH=CH−、−CH=CH−
CH2−CH2−、−CH2−CH=CH−CH2−、−C
H=CH−CH2−、−(CH2)a−(aは3又は4であ
る)で表される基等が挙げられる。ここで、上記した2
価の炭化水素基は、A環の2個の環構成原子と共に5又
は6員環を形成するが、かかる5又は6員環は、例えば
低級(C1-6)アルキル基(例えばメチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチ
ル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル等)、ハロゲン原
子(例えば塩素、臭素、フッ素、ヨウ素等)、低級(C
1-6)アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、プロポ
キシ、イソプロポキシ、ブトキシ、s−ブトキシ、t−
ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオ
ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)、ハロゲノ低級
(C1-6)アルキル基(例えばCF3、CF2CF3、CH2
F、CHF2等)、ハロゲノ低級(C1-6)アルコキシ基
(例えばCF3O、CF2CF3O、CH2FO、CHF2
O等)、低級(C1-6)アルコキシ−カルボニル基(例え
ばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキ
シカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカ
ルボニル、s−ブトキシカルボニル、t−ブトキシカル
ボニル、ペンチルオキシカルボニル、イソペンチルオキ
シカルボニル、ネオペンチルオキシカルボニル、ヘキシ
ルオキシカルボニル等)、シアノ基、ニトロ基、水酸基
等から選ばれる1ないし3個の同一又は異なった置換基
で、置換可能な位置に置換されていてもよい。
【0015】A環の置換基としては、ハロゲン化されて
いてもよい低級(C1-6)アルキル基(好ましくはメチ
ル)、ハロゲン化されていてもよい低級(C1-6)アルコ
キシ基(好ましくはメトキシ)等が好ましく、低級(C
1-6)アルキル基(好ましくはメチル)等が更に好まし
い。A環としては、式
【化9】 〔式中、A’環は置換基Ra以外に更に置換基を有して
いてもよい5又は6員の芳香族複素環(好ましくは、ピ
リジン、ピラゾール、ピロール、フラン、更に好ましく
は、ピリジン、ピラゾール等)を、Zは酸素原子、硫黄
原子又は窒素原子を、Raは上記したA環の置換基(好
ましくは、ハロゲン化されていてもよい低級(C1-6)ア
ルキル基、ハロゲン化されていてもよい低級(C1-6)ア
ルコキシ基等)を示す。〕で表される環等が好ましい。
【0016】B環の置換基としては、ハロゲン原子(好
ましくは塩素等)、ハロゲン化されていてもよい低級
(C1-6)アルキル基(好ましくはメチル等)、水酸基、
ハロゲン化されていてもよい低級(C1-6)アルコキシ基
(好ましくはメトキシ等)等が好ましく、ハロゲン原子
(好ましくは塩素等)、低級(C1-6)アルキル基等が更
に好ましい。B環としては、式
【化10】 〔式中、B’環は置換基Rb以外に更に置換基を有して
いてもよい5又は6員の芳香族同素若しくは複素環(好
ましくは、ベンゼン、チオフェン等)を、Yは炭素原
子、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を、Rbは水素原
子又は上記したB環の置換基(好ましくはハロゲン原
子、ハロゲン化されていてもよい低級(C1-6)アルキル
基、水酸基、ハロゲン化されていてもよい低級(C1-6)
アルコキシ基等)を示す。〕で表される環等が好まし
い。上記式(I)中、R1は水素原子、水酸基又は低級ア
ルキル基(例えば低級(C1-6)アルキル基(例えばメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル
等)、好ましくはメチル等)を示す。R1としては、水
素原子、水酸基、メチル基が好ましく、中でも水素原
子、水酸基が好ましく、とりわけ水素原子が好ましい。
上記式(I)中、nは0又は1(好ましくは、1)を示
す。化合物(I)としては、例えば式
【化11】 〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される化合
物又はその塩等が好ましく、更に例えば式
【化12】 〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される化合
物又はその塩等が好ましい。化合物(I)としては、例
えばA環がハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル
又はハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシで置
換されていてもよい、窒素原子を1又は2個含む5又は
6員の含窒素芳香族複素環、B環がハロゲン原子、ハロ
ゲン化されていてもよいC1-6アルキル、水酸基又はハ
ロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシで置換され
ていてもよい、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選
ばれたヘテロ原子を1個含んでいてもよい5又は6員の
芳香族同素又は複素環、R1が水素原子又は水酸基及び
nが1である場合等が好ましい。
【0017】化合物(I)としては、具体的には(S)
−(−)−7−(2,5−ジクロロチオフェン−3−イ
ル)−5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,
7,8−テトラヒドロキノリン、(±)−7−(2,5
−ジクロロチオフェン−3−イル)−5−グアニジノイ
ミノ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノ
リン、(S)−(−)−7−(2−クロロフェニル)−
5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,7,8−
テトラヒドロキノリン、(±)−7−(2−クロロフェ
ニル)−5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,
7,8−テトラヒドロキノリン、(±)−7−(2−ブ
ロモフェニル)−5−グアニジノイミノ−4−メチル−
5,6,7,8−テトラヒドロキノリン、7−(3,5
−ジクロロチオフェン−2−イル)−5−グアニジノイ
ミノ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノ
リン、7−(2,5−ジクロロフェニル)−5−グアニ
ジノイミノ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒド
ロキノリン、6−(2,5−ジクロロチオフェン−3−
イル)−4−グアニジノイミノ−3−メチル−4,5,
6,7−テトラヒドロインダゾール、(±)−7−
(2,5−ジクロロフェニル)−5−グアニジノイミノ
−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリ
ン、(±)−7−(5−クロロ−2−メチルフェニル)
−5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,7,8
−テトラヒドロキノリン、(±)−7−(5−フルオロ
−2−メチルフェニル)−5−グアニジノイミノ−4−
メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン、
(S)−(−)−7−(5−フルオロ−2−メチルフェ
ニル)−5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,
7,8−テトラヒドロキノリン、(±)−7−(2−ク
ロロ−5−フルオロフェニル)−5−グアニジノイミノ
−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリ
ン、(S)−(−)−7−(2−クロロ−5−フルオロ
フェニル)−5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,
6,7,8−テトラヒドロキノリン、(±)−7−(5
−クロロ−2−フルオロフェニル)−5−グアニジノイ
ミノ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノ
リン、(±)−7−(5−フルオロ−2−メチルフェニ
ル)−5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,
7,8−テトラヒドロシンノリン、(±)−7−(5−
クロロ−2−フルオロフェニル)−5−グアニジノイミ
ノ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロシンノ
リン又はそれらの塩が好ましく、中でも、(S)−
(−)−7−(2,5−ジクロロチオフェン−3−イ
ル)−5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,
7,8−テトラヒドロキノリン、(±)−7−(2,5
−ジクロロチオフェン−3−イル)−5−グアニジノイ
ミノ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノ
リン、(S)−(−)−7−(2−クロロフェニル)−
5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,7,8−
テトラヒドロキノリン、(±)−7−(2−クロロフェ
ニル)−5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,
7,8−テトラヒドロキノリン、(±)−7−(2,5
−ジクロロフェニル)−5−グアニジノイミノ−4−メ
チル−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン、
(±)−7−(5−クロロ−2−メチルフェニル)−5
−グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,7,8−テ
トラヒドロキノリン、(±)−7−(5−フルオロ−2
−メチルフェニル)−5−グアニジノイミノ−4−メチ
ル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン、(S)−
(−)−7−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−
5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,7,8−
テトラヒドロキノリン、(±)−7−(2−クロロ−5
−フルオロフェニル)−5−グアニジノイミノ−4−メ
チル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン、(S)
−(−)−7−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)
−5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,7,8
−テトラヒドロキノリン、(±)−7−(5−クロロ−
2−フルオロフェニル)−5−グアニジノイミノ−4−
メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン、
(±)−7−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−
5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,7,8−
テトラヒドロシンノリン、(±)−7−(5−クロロ−
2−フルオロフェニル)−5−グアニジノイミノ−4−
メチル−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン又は
それらの塩等が好ましく、とりわけ(S)−(−)−7
−(2−クロロフェニル)−5−グアニジノイミノ−4
−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン又は
その塩(好ましくはジメタンスルホン酸塩等)、(±)
−7−(2−クロロフェニル)−5−グアニジノイミノ
−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン
又はその塩(好ましくはジメタンスルホン酸塩等)、
(±)−7−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−
5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,7,8−
テトラヒドロキノリン又はその塩、(S)−(−)−7
−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−5−グアニ
ジノイミノ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒド
ロキノリン又はその塩、(±)−7−(2−クロロ−5
−フルオロフェニル)−5−グアニジノイミノ−4−メ
チル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン又はその
塩、及び(S)−(−)−7−(2−クロロ−5−フル
オロフェニル)−5−グアニジノイミノ−4−メチル−
5,6,7,8−テトラヒドロキノリン又はその塩等が
好ましく、特に(S)−(−)−7−(2−クロロフェ
ニル)−5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,
7,8−テトラヒドロキノリン又はその塩(好ましくは
ジメタンスルホン酸塩等)等を有利に使用できる他、経
鼻剤として使用する場合にはとりわけ(S)−(−)−
7−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−5−グア
ニジノイミノ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒ
ドロキノリン又はその塩、及び(S)−(−)−7−
(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−5−グアニジ
ノイミノ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ
キノリン又はその塩(好ましくはジメタンスルホン酸塩
等)等が好ましい。
【0018】化合物(I)はプロドラッグとしてもよ
く、ここでプロドラッグとは、生体内における生理条件
下で酵素等による反応により化合物(I)に変換する化
合物、即ち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして
化合物(I)に変化する化合物をいう。化合物(I)のプ
ロドラッグとしては、化合物(I)のアミノ基がアシル
化、アルキル化、りん酸化された化合物(例えば、化合
物(I)のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、
ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキ
ソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボ
ニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル
化、ピバロイルオキシメチル化、tert−ブチル化さ
れた化合物等)、化合物(I)の水酸基がアシル化、ア
ルキル化、りん酸化、ほう酸化された化合物(例えば、
化合物(I)の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、
プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリ
ル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化
された化合物等)、あるいは、化合物(I)のカルボキ
シル基がエステル化、アミド化された化合物(例えば、
化合物(I)のカルボキシル基がエチルエステル化、フ
ェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメ
チルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチル
エステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル
化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ
−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル
化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル
化、メチルアミド化された化合物等)等が挙げられる。
これらの化合物は自体公知の方法によって化合物(I)
から製造することができる。また化合物(I)のプロド
ラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7
巻分子設計163頁ないし198頁に記載されているよ
うな、生理的条件で化合物(I)に変化するものであっ
てもよい。
【0019】化合物(I)及びその合成中間体の塩とし
ては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、
リン酸塩等の無機酸塩、例えば酢酸塩、酒石酸塩、クエ
ン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、トルエンスルホン
酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩、例えばアスパ
ラギン酸、グルタミン酸、ピログルタミン酸、アルギニ
ン、リジン、オルニチン等のアミノ酸との塩、例えばナ
トリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アルミニウム
塩等の金属塩、例えばトリエチルアミン塩、グアニジン
塩、アンモニウム塩、ヒドラジン塩、キニーネ塩、シン
コニン塩等の塩基との塩等の薬学的に許容され得る塩が
挙げられる。また、化合物(I)は水和物及び非水和物
の何れであってもよい。
【0020】また、化合物(I)がコンフィグレーショ
ン・アイソマー(配置異性体)、ジアステレオーマー、
コンフォーマー等として存在する場合には、所望によ
り、自体公知の分離、精製手段でそれぞれを単離するこ
とができる。化合物(I)は、ヒドラゾン構造部分にA
環を含む縮合複素環との立体配置に基づく幾何異性を有
し、E及びZ異性体又はそれらの混合物で存在し得る。
更に、R1が水酸基又は低級アルキル基を示す場合、グ
アニジノ基の二重結合に基づく幾何異性を有し、E及び
Z異性体又はそれらの混合物で存在し得る。本発明の化
合物には、以下に示す個々の異性体及びそれらの混合物
が包含される。
【化13】 また、化合物(I)は、B環が置換している部分等に存
在する不斉炭素に基づく光学異性を有し、個々の不斉炭
素について、R体及びS体又はそれらの混合物で存在し
得る。これらは、通常の光学分割手段により、個々のR
体、S体に分離することができ、各々の光学活性体、並
びにラセミ体の何れについても、本発明に包含される。
例えば、本発明の化合物には、以下に示す個々の光学活
性体及びそれらの混合物が包含される。
【化14】
【0021】本明細書において、化合物(I)の原料化
合物あるいは合成中間体又はその塩を、“又はその塩”
を省略して、化合物(I)の原料化合物あるいは合成中
間体と略記する場合がある。また、化合物(I)は化合
物(Ia)及び化合物(Ib)と化学構造上、等価体であ
る。
【化15】
【0022】化合物(I)は、例えば特開平7−309
837、特願平9−224945(特開平10−114
753)、特願平9−224946(特開平10−11
4744)等に記載の方法あるいはそれに準じた方法に
より合成することができる他、式
【化16】 〔式中の記号は前記と同意義である。〕で表される化合
物又はその塩と、 式(III) H2N−N=C(NH2)(NHR1) 〔式中の記号は前記と同意義である。〕で表されるアミ
ノグアニジン化合物又はその塩とを反応させること等に
より製造することができる。化合物(III)は化合物(I
I)1モルに対して通常約1から約2モル用いる。この
反応は、必要に応じ、約1/10から約10倍モル程度
のトリエチルアミン、ピロリジン、酢酸ナトリウム、三
フッ化ホウ素・ジエチルエーテル、塩酸、硫酸、p−ト
ルエンスルホン酸等を触媒として添加することにより、
円滑に反応を進行させることもできる。例えば、本縮合
反応は、不活性溶媒、例えばメタノール、エタノール、
プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、テ
トラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタ
ン、1,4−ジオキサン、トルエン、ベンゼン、キシレ
ン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロ
エタン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルス
ルホキシド(DMSO)、酢酸、ピリジン、水等、ある
いはこれらの混合溶媒の中で行うことができる。反応は
約0℃ないし約180℃の温度範囲で行われる。
【0023】出発物質として用いる化合物(II)及び化
合物(III)は、公知の方法又はそれに準じた方法によ
り製造することができ、例えば反応式Iで示す反応や後
記の参考例に示す方法により製造することができる。 反応式I
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】 上記反応式Iの各式中、R2からR19及びR22からR24は前
記のA環の置換基を、M1からM6は脱離基を示す。
【0024】以下に各工程を詳細に説明する。 (工程1)化合物(XIII)と、化合物(XIV)を反応さ
せた後、水酸基を酸化して環化させることにより、ケト
ン化合物(IV)を製造することができる。また、必要に
応じて、環化生成物を塩基の存在下、化合物(XV)と反
応させて、ケトン化合物に置換基R4を導入して、化合物
(IV)を製造することができる。本縮合反応は不活性溶
媒、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジ
メトキシエタン、メタノール、エタノール、ヘキサン、
トルエン、ベンゼン、ジクロロメタン、酢酸等、あるい
はこれらの混合溶媒の中で、約0℃ないし約130℃の
温度範囲で行われる。反応時間は約1時間ないし約10
0時間である。化合物(XIV)は化合物(XIII)1モル
に対して通常約1から約2モル用いる。また、モレキュ
ラーシーブス等を加えることで、反応を円滑に進行させ
ることができる。その後の酸化、閉環、脱水反応は、そ
れ自体公知の手段により、例えば酸化剤として等量から
約2倍モルの芳香族ハロゲン化物を用いる場合、約0.
1から約20モルパーセントの遷移金属触媒と1等量か
ら約2倍モルの塩基の存在下、不活性溶媒、例えばテト
ラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジメチルホルムア
ミド、N-メチルピロリドン、ヘキサン、トルエン、ベン
ゼン、ジクロロメタン、クロロホルム等、あるいはこれ
らの混合溶媒の中で、約50℃ないし約200℃の温度
範囲で行われる。反応時間は約1時間ないし約50時間
である。酸化剤として用いる芳香族ハロゲン化物として
はブロモベンゼン、ブロモメシチレン、オルト−ブロモ
トルエン等が挙げられる。遷移金属触媒としては、ニッ
ケル、パラジウム、プラチナ、ルテニウム等が挙げられ
るが、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ム等の、パラジウム触媒を用いることで反応を円滑に進
行させることができる。塩基としては、炭酸カリウム、
水素化ナトリウム等を用いることができる。また、本反
応は、好ましくは不活性ガス(例えば、窒素、アルゴ
ン)雰囲気下で行われる。化合物(XV)との反応は、不
活性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、ジメトキシエタ
ン、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドンヘキサ
ン、トルエン、ベンゼン、ジクロロメタン、クロロホル
ム等、あるいはこれらの混合溶媒の中で、約0℃ないし
約150℃の温度範囲で行われる。反応時間は約1時間
ないし約50時間である。塩基としては、トリエチルア
ミン、水素化リチウム、水素化ナトリウム、ナトリウム
メトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブト
キシド等を用いることができる。化合物(XV)は化合物
(XIII)1モルに対して通常約1から約2モル用いる。
【0025】(工程2)化合物(XIII)を、アミノ化剤
と反応させてエナミン誘導体とした後に、化合物(XV
I)(式中、R20は−CH2COCH3,−C≡CH,−C
2CH(OMe)2等を示す。)と反応させてケトン化
合物(V)を製造することができる。また、必要に応じ
て、アミノ化剤の存在下、化合物(XIII)を化合物(XV
I)と反応させることにより、エナミン誘導体を単離せ
ずにケトン化合物(V)を製造することもできる。アミ
ノ化は、酢酸アンモニウム等のアミノ化剤の存在下、不
活性溶媒、例えばメタノール、エタノール、ベンゼン、
トルエン、クロロホルム、ジクロルメタン、1,2−ジ
クロルエタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテ
ル、ヘキサン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド等、
あるいはこれらの混合溶媒の中で、約0℃ないし約15
0℃の温度範囲で行われる。反応時間は約1時間ないし
約100時間である。アミノ化剤は化合物(XIII)1モ
ルに対して通常約1から約10モル用いる。縮合、及び
環化反応は、不活性溶媒、例えばメタノール、エタノー
ル、ベンゼン、トルエン、クロロホルム、ジクロロメタ
ン、1,2−ジクロルエタン、テトラヒドロフラン、ジ
エチルエーテル、ヘキサン、酢酸エチル、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド等、あるいはこれらの
混合溶媒の中で、約0℃ないし約150℃の温度範囲で
行われる。反応時間は約1時間ないし約50時間であ
る。化合物(XVI)は化合物(XIII)1モルに対して通
常約1から約5モル用いる。また、エナミン誘導体を単
離しない場合も、酢酸アンモニウム等のアミノ化剤の存
在下、反応は同様に行われる。
【0026】(工程3)化合物(XIII)と、化合物(XV
II)を反応させた後、環化、酸化して、ケトン化合物
(V)を製造することができる。本縮合反応は不活性溶
媒、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジ
メトキシエタン、メタノール、エタノール、ヘキサン、
トルエン、ベンゼン、ジクロロメタン等、あるいはこれ
らの混合溶媒の中で、約0℃ないし約130℃の温度範
囲で行われる。反応時間は約1時間ないし約100時間
である。化合物(XVII)は化合物(XIII)1モルに対し
て通常約1から約2モル用いる。その後の閉環、酸化反
応は、無溶媒、若しくは不活性溶媒、例えばジフェニル
エーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、キシレン、トルエン等、あ
るいはこれらの混合溶媒の中で、空気中(あるいは酸素
雰囲気下)で室温ないし約300℃の温度範囲で行われ
る。反応時間は約1時間ないし約10時間である。
【0027】(工程4)化合物(XIII)を、アミノ化剤
と反応させた後に、化合物(XVIII)と反応させて、次
に環化させることによりケトン化合物(VI)を製造する
ことができる。アミノ化は、工程2と同様の方法で行わ
れる。その後の縮合反応は不活性溶媒、例えばメタノー
ル、エタノール、ベンゼン、トルエン、クロロホルム、
ジクロロメタン、1,2−ジクロルエタン、テトラヒド
ロフラン、ジエチルエーテル、ヘキサン、酢酸エチル、
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等、ある
いはこれらの混合溶媒の中で、約0℃ないし約100℃
の温度範囲で行われる。反応時間は約1時間ないし約5
0時間である。化合物(XVIII)は化合物(XIII)1モ
ルに対して通常約1から約2モル用いる。その後の閉環
反応は無溶媒、若しくは、不活性溶媒、例えばテトラヒ
ドロフラン、ジフェニルエーテル、ジメトキシエタン、
メタノール、エタノール、ジクロロメタン、クロロホル
ム、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等、あるいはこれら
の混合溶媒の中で、約50℃ないし約300℃の温度範
囲で行われる。反応時間は約10分間ないし約5時間で
ある。
【0028】(工程5)工程4により製造した化合物
(VI)をハロゲン化することで、ケトン化合物(VII)
(式中、Xはハロゲン原子を示す。)を製造することが
できる。ハロゲン化反応は、それ自体公知の手段、例え
ば、ハロゲン化剤としてオキシ塩化リンを用いる場合、
約1から約20倍のハロゲン化剤を用い、無溶媒、若し
くは、不活性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、ジメト
キシエタン、ヘキサン、トルエン、ベンゼン、ジクロロ
メタン、クロロホルム等、あるいはこれらの混合溶媒の
中で、約0℃ないし約150℃の温度範囲で行われる。
反応時間は約30分間ないし約10時間である。また、
ジメチルホルムアミド等を加えることで、反応を円滑に
進行させることができる。
【0029】(工程6)工程5により製造した化合物
(VII)を化合物(XIX)と反応させることで、ケトン化
合物(VIII)を製造することができる。反応は、不活性
溶媒、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、
ジメトキシエタン、メタノール、エタノール、ヘキサ
ン、トルエン、ベンゼン、ジクロロメタン、クロロホル
ム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等、
あるいはこれらの混合溶媒の中で、約0℃ないし約15
0℃の温度範囲で行われる。反応時間は約30分間ない
し約50時間である。化合物(XIX)は化合物(VII)1
モルに対して通常約1から約2モル用いるが、溶媒とし
て用いることもできる。必要に応じて、塩基として、水
素化リチウム、水素化ナトリウム、ナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等
を用いることができる。
【0030】(工程7)化合物(XIII)と、化合物(X
X)を反応させた後に、化合物(XXI)(式中、A-Bは置
換されていてもよいヒドラジン、ヒドロキシルアミン等
を示す。)を反応させて環化させることにより、ケトン
化合物(IX)又は(IX')を製造することができる。縮
合反応は、それ自体公知の手段で、縮合剤、例えば、DC
C, WSC等の存在下、不活性溶媒、例えばテトラヒドロフ
ラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサン、トル
エン、ベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸
エチル等、あるいはこれらの混合溶媒の中で、塩基とし
て約0℃ないし約150℃の温度範囲で行われる。反応
時間は約1時間ないし約50時間である。化合物(XX)
は化合物(XIII)1モルに対して通常約1から約3モル
用いる。その後の閉環反応は、不活性溶媒、例えばテト
ラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、ジメトキシエタ
ン、メタノール、エタノール、ヘキサン、トルエン、ベ
ンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド等、あるいはこれらの
混合溶媒の中で、約0℃ないし約150℃の温度範囲で
行われる。反応時間は約1時間ないし約50時間であ
る。化合物(XXI)は化合物(XIII)1モルに対して通
常約1から約2モル用いる。
【0031】(工程8)化合物(XIII)と、化合物(XX
II)を反応させた後、化合物(XXIII)を反応させて環
化させることにより、ケトン化合物(X)を製造するこ
とができる。縮合反応は、工程7の縮合反応と同様の方
法で行われる。その後の環化反応は、不活性溶媒、例え
ばテトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、ジメトキ
シエタン、メタノール、エタノール、ヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等、あるいはこ
れらの混合溶媒の中で、約0℃ないし約150℃の温度
範囲で行われる。反応時間は約1時間ないし約100時
間である。本反応は、最初の縮合反応の生成物を、アミ
ンと反応させてエナミン誘導体とした後に、化合物(XX
III)と反応させることにより、円滑に反応を進行させ
ることができる。
【0032】(工程9)化合物(XIII)と、化合物(XX
IV)を反応させた後、環化させることにより、ケトン化
合物(XI)を製造することができる。本縮合反応は不活
性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテ
ル、ジメトキシエタン、メタノール、エタノール、ヘキ
サン、トルエン、ベンゼン、ジクロロメタン、クロロホ
ルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド
等、あるいはこれらの混合溶媒中で、塩基の存在下、約
0℃ないし約100℃の温度範囲で行われる。反応時間
は約30分間ないし約20時間である。塩基としては、
水素化リチウム、水素化ナトリウム、ナトリウムメトキ
シド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド
等を用いることができる。化合物(XXIV)は化合物(XI
II)1モルに対して通常約1から2モル用いる。その後
の環化反応は、無溶媒、若しくは不活性溶媒、例えばテ
トラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、ジメトキシエ
タン、メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、キシレン、トルエン、ジク
ロロメタン、クロロホルム等、あるいはこれらの混合溶
媒の中で室温ないし約300℃の温度範囲で行われる。
反応時間は約1時間ないし約50時間である。
【0033】(工程10)化合物(XIII)をハロゲン化
した後Na2S等と反応させ、生成物と化合物(XXV)を反
応させて、環化させることにより、ケトン化合物(XI
I)を製造することができる。ハロゲン化反応は、それ
自体公知の手段、例えば、ハロゲン化剤として3塩化リ
ンを用いる場合、約1/3から約5倍モルのハロゲン化
剤を用い、無溶媒、若しくは、不活性溶媒、例えばテト
ラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ヘキサン、トルエ
ン、ベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム等、ある
いはこれらの混合溶媒の中で、約0℃ないし約150℃
の温度範囲で行われる。反応時間は約30分間ないし約
10時間である。Na2S等との反応は不活性溶媒、例えば
水、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキ
シエタン、メタノール、エタノール、ヘキサン、トルエ
ン、ベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム等、ある
いはこれらの混合溶媒中で、約0℃ないし約100℃の
温度範囲で行われる。反応時間は約30分間ないし約1
0時間である。縮合反応は不活性溶媒、例えばテトラヒ
ドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、メ
タノール、エタノール、ヘキサン、トルエン、ベンゼ
ン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド等、あるいはこれらの混合
溶媒中で、塩基の存在下、約0℃ないし約100℃の温
度範囲で行われる。反応時間は約30分間ないし約20
時間である。塩基としては、水素化リチウム、水素化ナ
トリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシ
ド、カリウムt−ブトキシド等を用いることができる。
化合物(XXV)は化合物(XIII)1モルに対して通常約
1から約2モル用いる。その後の環化反応は、無溶媒、
若しくは不活性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、ジフ
ェニルエーテル、ジメトキシエタン、メタノール、エタ
ノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、キシレン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホル
ム等、あるいはこれらの混合溶媒の中で室温ないし約3
00℃の温度範囲で行われる。反応時間は約1時間ない
し約100時間である。 (工程11)化合物(XIII)を化合物(XXVII)[式
中、R21はフェニル、4−メチルフェニル、4−メトキ
シフェニル等の置換されていてもよいフェニルを示
す。]と反応させてヒドラジド誘導体とした後に、塩基
の存在下、化合物(XXVIII)と反応させてケトン化合物
(XXVI)を製造することができる。化合物(XXVII)と
の反応は不活性溶媒、例えばメタノール、エタノール、
トルエン、ベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、
1,2−ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジエチ
ルエーテル、ヘキサン、酢酸エチル、ジメチルホルムア
ミド等、あるいはこれらの混合溶媒中で、約0℃ないし
約150℃の温度範囲で行われる。反応時間は約1時間
ないし約100時間である。アミノ化剤は化合物(XII
I)1モルに対して通常約1ないし約10モル用いる。
化合物(XXVIII)との反応及び環化反応は不活性溶媒、
例えばメタノール、エタノール、トルエン、ベンゼン、
ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタ
ン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ヘキサ
ン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド等、あるいはこれらの混合溶媒中で、約0℃な
いし約150℃の温度範囲で行われる。反応時間は約1
時間ないし約50時間である。塩基としては、炭酸カリ
ウム、水素化リチウム、水素化ナトリウム、ナトリウム
メトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブト
キシド等を用いることができる。化合物(XXVIII)は化
合物(XIII)1モルに対して通常約1から約5モル用い
る。
【0034】これらの工程1ないし11で得られるケト
ン化合物は、単離精製することなく次の反応に用いるこ
ともできる。ただし、上述のすべての製造法において、
化合物がカルボニル基、アミノ基、ヒドロキシル基、カ
ルボキシル基を有する場合は、予めそれ自体公知の方法
により、化合物に一般的な保護基が導入されていても良
く、反応後に必要に応じて、保護基を除去することによ
り目的物を得ることができる。ここで、カルボニル基の
保護基としては、例えば、置換基を有していてもよい環
状若しくは非環状アセタール又はケタール、置換基を有
していてもよい環状若しくは非環状ジチオアセタール又
はジチオケタール等が用いられる。ここで、アミノ基の
保護基としては、例えば低級(C1-6)アルキル−カルボ
ニル(例えばホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチ
リル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル等)、ベン
ゾイル等が用いられる。ヒドロキシル基の保護基として
は、例えばメトキシジメチルメチル、トリメチルシリ
ル、t−ブチルジメチルシリル、トリメチルシリルエト
キシメチル(SEM)、メトキシメチル、ベンジルオキ
シメチル、テトラヒドロピラニル(THP)等が用いら
れる。カルボキシル基の保護基としては、例えば低級
(C1-6)アルキル(例えばメチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−
ブチル、ペンチル、へキシル等)、C7-12アラルキル
(例えばベンジル、フェネチル、4−フェニルプロピ
ル、4−フェニルブチル、1−ナフチルメチル等)が用
いられる。また、カルボキシル基を2−オキサゾリン環
に変換して保護してもよい。また、保護基の導入及び除
去の方法としては、それ自体公知又はそれに準じる方法
(例えば、プロテクティブグループスインオーガニック
ケミストリー(J. F. W. McOmieら、プレナムプレス
社)に記載の方法)が用いられるが、除去方法として
は、例えば酸、塩基、還元、紫外線、ヒドラジン、フェ
ニルヒドラジン、N-メチルジチオカルバミン酸ナトリウ
ム、テトラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸パラジ
ウム等で処理する方法が用いられる。
【0035】上記化合物(I)又はその原料化合物ある
いは合成中間体のうち、塩基性化合物は、常法に従い酸
を使用して塩に変換することができる。この反応に対す
る適当な酸は、好ましくは、薬理学的に許容されうる塩
を与える酸である。例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、
硫酸、硝酸又はスルファミン酸等の無機酸、酢酸、酒石
酸、クエン酸、フマール酸、マレイン酸、p−トルエン
スルホン酸、メタンスルホン酸、グルタミン酸又はピロ
グルタミン酸等の有機酸が挙げられる。また、得られる
化合物が塩である場合は常法に従って遊離塩基へ変換し
てもよい。また、化合物(I)又はその原料化合物ある
いは合成中間体のうち、例えば−COOH等の酸性基を
有する化合物は常法に従い塩に変換することができる。
このような塩の好ましい例としては、アルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、アンモニウム、置換アンモニウム等と
の塩が挙げられ、更に詳しくは、例えばナトリウム、カ
リウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、アルミ
ニウム、亜鉛、アンモニウム、トリ−C1-6アルキルア
ンモニウム(例えばトリメチルアンモニウム、トリエチ
ルアンモニウム等)、トリエタノールアンモニウム等と
の塩が挙げられる。上記の各反応は、特に記載されてい
ない場合には、原料は通常等モル用い、反応時間は通常
1から24時間程度である。かくして得られる化合物
(I)又はその原料化合物は、反応混合物から通常の分
離精製手段、例えば抽出、濃縮、中和、ろ過、結晶化、
再結晶、カラム(あるいは薄層)クロマトグラフィー等
の手段を用いることによって単離できる。化合物(I)
は、優れたNa−H交換阻害作用を有し、毒性が低く、
安定性にも優れている。
【0036】本発明の経鼻剤は、化合物(I)を含有成
分として、自体公知の手段に従って製剤化し、薬理学的
に許容される基剤を適宜、適量混合することもできる。
薬理学的に許容される基剤としては、製剤素材として慣
用の各種有機あるいは無機物質が挙げられ、例えば賦形
剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、溶剤、溶解補助剤、懸濁
化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等が挙げられる。ま
た、必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味
剤、吸着剤、湿潤剤等の添加物を用いることもできる。
賦形剤としては、例えば乳糖、白糖、D−マンニトー
ル、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質
無水ケイ酸等が挙げられる。滑沢剤としては、例えばス
テアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タ
ルク、コロイドシリカ等が挙げられる。結合剤として
は、例えば結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、
デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリド
ン、デンプン、ショ糖、ゼラチン、メチルセルロース、
カルボキシメチルセルロースナトリウム等が挙げられ
る。崩壊剤としては、例えばデンプン、カルボキシメチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウ
ム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチル
スターチナトリウム、L−ヒドロキシプロピルセルロー
ス等が挙げられる。溶剤としては、例えば注射用水、ア
ルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ
油、トウモロコシ油等が挙げられる。溶解補助剤として
は、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノー
ル、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノ
ールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が
挙げられる。懸濁化剤としては、例えばステアリルトリ
エタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル
アミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウ
ム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン
等の界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウ
ム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセル
ロース等の親水性高分子等が挙げられる。等張化剤とし
ては、例えばブドウ糖、D−ソルビトール、塩化ナトリ
ウム、グリセリン、D−マンニトール等が挙げられる。
緩衝剤としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、ク
エン酸塩等の緩衝液等が挙げられる。無痛化剤として
は、例えばベンジルアルコール等が挙げられる。防腐剤
としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロ
ロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコ
ール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸等が挙げられる。抗酸
化剤としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸等が挙
げられる。
【0037】より具体的には、本発明の経鼻剤を粉末と
して製剤化する場合には、化合物(I)の有効投与量
を、平均粒子径250μm以下である粉末状の生理学的
に許容される基剤に均一に分散、付着結合させることに
より製造することができる。具体的には化合物(I)と
基剤を混合することにより行われる。この混合は、例え
ば乳鉢による混合のように、圧力や剪断力を加えながら
行うこともできる。本発明において、化合物(I)を均
一に分散、付着・結合させる基剤としては、2価以上の
多価金属化合物、具体的にはアルミニウム化合物、カル
シウム化合物、マグネシウム化合物、ケイ素化合物、鉄
化合物、亜鉛化合物等であり、製剤学的には、薬理学的
に許容される基剤として使用されている粉末状の化合物
である。ここで、2価以上の多価金属化合物であるカル
シウム化合物としては、例えば炭酸カルシウム、アパタ
イト、ヒドロキシアパタイト、エデト酸カルシウム二ナ
トリウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グル
コン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、ケイ酸
カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、ステ
アリン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、乳酸カル
シウム、パントテン酸カルシウム、パルミチン酸カルシ
ウム、D−パントテン酸カルシウム、アルギン酸カルシ
ウム、オレイン酸カルシウム、無水リン酸カルシウム、
リン酸水素カルシウム、リン酸−水素カルシウム、リン
酸二水素カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸カルシウ
ム、糖酸カルシウム、パラアミノサリチル酸カルシウ
ム、生体内石灰化合物等が挙げられる。アルミニウム化
合物としては、例えばクロルヒドロキシアルミニウム、
乾燥水酸化アルミニウムゲル、軽質酸化アルミニウム、
合成ケイ酸アルミニウム、コロイド性含水ケイ酸アルミ
ニウム、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムマグ
ネシウム、水酸化アルミニウム・ゲル、硫酸アルミニウ
ム、硫酸アルミニウムカリウム、ジヒドロキシアルミニ
ウムアセテート、ステアリン酸アルミニウム、モノステ
アリン酸アルミニウム、天然ケイ酸アルミニウム等が挙
げられる。マグネシウム化合物としては、例えば炭酸マ
グネシウム、塩化マグネシウム、酸化マグネシウム、水
酸化マグネシウム、L−アスパラギン酸マグネシウム、
グルコン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、ケイ酸ア
ルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシ
ウム、ケイ酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウ
ム、ケイ酸ナトリウム・マグネシウム、合成ケイ酸ナト
リウム・マグネシウム等が挙げられる。ケイ素化合物と
しては例えば含水二酸化ケイ素、二酸化ケイ素、形質無
水ケイ酸、合成ヒドロタルサイト、ケイソウ土等が、鉄
化合物としては例えば硫酸鉄等が、亜鉛化合物としては
例えば塩化亜鉛、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、ステアリン酸亜
鉛等が挙げられる。これらの多価金属化合物は、単独で
使用してもよく、また適宜複数を組み合わせて使用して
もよい。これらの多価金属化合物は、平均粒子径が約2
50μm以下、好ましくは約100μm以下、更に好ま
しくは約30ないし約60μmのものである。以上の多
価金属化合物の中でも、例えばカルシウム化合物等、特
に炭酸カルシウム等が好ましく用いられる。一方、化合
物(I)はできるだけ微粉末であることが好ましい。本
発明の経鼻剤を粉末として製剤化するにあたり、化合物
(I)の含有量は、例えば製剤重量100%あたり約
0.01ないし約100%、好ましくは約0.1ないし
約50%、より好ましくは約1ないし約20%配合させ
るのがよい。本発明の経鼻剤を構成する基剤の配合量
は、例えば製剤重量100%あたり約0ないし約99.
99%、好ましくは約50ないし約99.9%、より好
ましくは約80ないし約99%配合させるのがよい。
【0038】また、本発明の経鼻剤を液剤として製剤化
する場合には、必要により溶剤、溶解補助剤、懸濁化
剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等を加えて、化合物
(I)を水、生理食塩水等に溶解、懸濁又は乳化して一
定量とすることにより製造することができる。この場合
の化合物(I)の溶液中濃度は、例えば約2mg/ml
ないし約5g/ml、好ましくは約50mg/mlない
し約500mg/mlのものが用いられる。ただし、溶
解後の溶液のpHが3以下となる場合があり、投与時の
鼻粘膜刺激性を極力抑制するために適当な緩衝剤(例え
ば、リン酸塩、クエン酸塩等)を添加してpH3ないし
pH8、より好ましくはpH4ないしpH7の範囲に調
整後、使用することが望ましい。場合によっては、化合
物が一部析出して懸濁液となる場合もあるが、適当な懸
濁化剤(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウ
ム、ヒドロキシプロピルセルロース等)を添加して使用
することが可能である。また、これにアルギン酸ソー
ダ、ヒアルロン酸ソーダ、ハイドロキシプロピルセルロ
ース等を加えることにより粘性を持たせ滞留時間を延長
させることができる。本発明の製剤における化合物
(I)の配合量は、化合物(I)の活性及び治療に必要な
量に応じて選択すればよいが、単位投与組成物中には通
常薬用量あるいはバイオアベイラビリティーが100%
でないこと即ち、投与された化合物が完全に吸収される
訳ではないことを考慮して、多めに配合することが好ま
しい。また、例えば液剤、エアロゾル又は他の投与形態
で同一容器から複数回の投与を行う場合には、一回あた
りの投与量が通常薬用量あるいはそれよりも多めに投与
できるようにすることが好ましい。また、投与量は人、
家畜等の温血動物の種又は体重によって異なることは注
意すべきである。本発明の製剤の保存は未使用の状態で
は常温又は冷所に保存されるが、好ましくは冷所であ
る。ここでいう常温あるいは冷所とは日本薬局方におい
て定義されるものである。同一容器から複数回投与され
るような場合には投与時の汚染を避ける工夫、例えば体
液の容器内への逆流を防止するような工夫が必要である
が、更に冷所保存をすることが好ましい。また、容器内
での雑菌の繁殖を防止するため、製薬上許容される防腐
剤、抗菌剤等が添加されてもよい。
【0039】かくして得られる優れたNa−H交換阻害
作用を有する化合物(I)を含有する本発明の経鼻剤
は、毒性が低く、安定性にも優れているので、医薬とし
て安全に投与することができ、動物とりわけ哺乳動物
(例えばヒト、サル、ブタ、イヌ、ネコ、ウサギ、モル
モット、ラット、マウス等)に対して、優れたNa−H
交換阻害作用及びそれに基づく細胞機能障害改善作用・
細胞保護作用(特に心筋に対して)を示し、虚血性疾患
(例えば心筋梗塞及びそれに伴う機能不全、不安定狭心
症等の虚血性心疾患等)、PTCA後の再狭窄、不整
脈、心不全、心肥大、高血圧及びそれに伴う組織障害、
虚血性脳疾患(例えば脳梗塞、脳出血、くも膜下出血に
伴う脳障害等)等の予防治療剤(好ましくは、心筋梗塞
及びそれに伴う機能不全、不安定狭心症等の虚血性心疾
患、PTCA後の再狭窄、不整脈、心不全、心肥大等の
予防治療剤、更に好ましくは心筋梗塞等の虚血性心疾患
等の予防治療剤、心不全等の予防治療剤)として有用で
ある。ここで、心不全の予防という概念には、心筋梗塞
の予後の治療が含まれ、また、心不全の治療という概念
には、心不全の進展抑制あるいは重症化抑制等も含まれ
る。
【0040】本発明の経鼻剤の投与量は、投与対象、症
状等によっても異なるが、心筋梗塞の患者(体重約60
kgの成人)に経鼻投与する場合、通常1回量として、化
合物(I)として約0.005ないし約10mg/kg、好ま
しくは約0.01ないし約5mg/kg、更に好ましくは約
0.2ないし約3mg/kg程度(約0.3ないし約600mg
/人、好ましくは約0.6ないし約300mg/人、更に
好ましくは約12ないし約180mg/人)であり、これ
らを症状等に応じて1日約1ないし約3回程度投与する
のが望ましい。疾患の急性の発症の場合は、例えば心筋
梗塞発症直後は、より高投与量及び特に高頻度の投与、
例えば1日当たり4回の投与が必要な場合がある。
【0041】本発明の経鼻剤を粉末として製剤化する場
合には、上記の方法に従って得られた粉末を既存のカプ
セル(例えばゼラチン2号カプセル、ヒドロキシプロピ
ルセルロース2号カプセル等)に1回投与分の所定量を
充填し、既存の鼻腔内粉末噴霧器、例えばパブライザー
(帝人)あるいはインサフレーター(ファイソンズ)あ
るいはジェットライザー(ユニシアジェックス)等を用
いて、経鼻投与することが可能である。この場合の粉末
製剤の人への投与量としては、約1ないし約300mg
/人、好ましくは約10ないし約150mg/人、より
好ましくは約30ないし約100mg/人である。溶液
として製剤化する場合には、化合物(I)を水、生理食
塩水等に溶解したもの、あるいは化合物(I)を含む製
剤の真空乾燥物あるいは凍結乾燥物を水あるいは生理食
塩水で溶解したものを噴霧器、任意の注入器で注入して
もよい。この場合の溶液製剤の人への投与量は、約1な
いし約200μl/人、好ましくは約10ないし約10
0μl/人、より好ましくは約30ないし約80μl/
人である。
【0042】また、本発明の経鼻剤に含まれる有効成分
としては、上記した化合物(I)以外に、Na−H交換
阻害作用を有する下式化合物、MSI-1436等を適宜、適量
用いることもできる。
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】 上記したNa−H交換阻害作用を有する各化合物と併用
して投与することが可能な薬物としては、例えば、以下
のものが挙げられるが、各薬物は、経口的に又は非経口
的に(例えば、経鼻剤、注射剤、坐剤等として)投与し
てもよく、また、各薬物を一つの製剤に配合してもよい
が、各薬物を薬理学的に許容されうる担体、賦形剤、結
合剤、希釈剤などと混合して製剤化し、別々にあるいは
同時に投与してもよい。薬物を別々に製剤化した場合、
別々に製剤化したものを使用時に希釈剤などを用いて混
合して投与することもできるが、別々に製剤化した個々
の製剤を、同時に、あるいは時間差をおいて別々に、同
一対象に投与してもよい。Na−H交換阻害作用を有す
る化合物との併用により、相乗効果が得られる薬物の
例: 血栓溶解剤(例えばウロキナーゼ、アルテプラーゼな
ど); 抗血小板薬(例えばアスピリン、オザグレルナトリウ
ム、塩酸チクロピジンなど); 抗凝固薬(例えばヘパリン、ワルファリン、アルガトロ
バンなど); 強心薬(例えば塩酸ドパミン、塩酸ドブタミン等のカテ
コラミン製剤やジゴキシン等のジギタリス製剤など); 冠血管拡張薬(例えばニトログリセリン、硝酸イソソル
ビド、ニコランジル等の亜硝酸薬、ニフェジピン等のCa
拮抗薬あるいはジピリダモールなど); 再狭窄予防薬(例えばトラニラストなど); 高脂血症治療薬(例えばクロフィブラート、プロブコー
ル、セリバスタチンナトリウムなど); 抗不整脈薬(例えばジソピラミド、リドカイン、塩酸プ
ロカインアミド等のクラスI抗不整脈薬、塩酸アミオダ
ロン、塩酸ソタロール等のクラスIII抗不整脈薬、塩酸
プロプラノロール等のβブロッカーあるいは塩酸ベラパ
ミル等のCa拮抗薬など); 血圧降下剤(例えばカプトプリル、マレイン酸エナラプ
リル、デラプリル等のアンジオテンシン変換酵素阻害
薬、カンデサルタン・シレキセチル、ロサルタンカリウ
ム等のアンジオテンシン受容体拮抗薬、フロセミド、ス
ピロノラクトン等の利尿薬、アムロジピン、塩酸マニジ
ピン、塩酸ジルチアゼム等のCa拮抗薬、アテノロール、
メトプロール等のβブロッカーあるいはプラゾシン等の
αブロッカーなど); など
【0043】化合物(I)に含まれる光学活性体である新
規な(S)−(−)−7−(5−フルオロ−2−メチル
フェニル)−5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,
6,7,8−テトラヒドロキノリン又はその塩、及び
(S)−(−)−7−(2−クロロ−5−フルオロフェ
ニル)−5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,
7,8−テトラヒドロキノリン又はその塩は、前記の通
り優れたNa−H交換阻害作用を有し、毒性が低く、安
定性にも優れているので、それ自体あるいは適宜の薬理
学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤と適宜、適量混
合し、粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤(ソフトカプセ
ル、マイクロカプセルを含む)、液剤、注射剤、坐剤等
の医薬組成物としても経口的又は非経口的に安全に投与
することができるが、なかでも、非経口投与剤(口腔内
吸収剤も含む)が好ましく、とりわけ経鼻剤として有用
である。該医薬組成物は、動物とりわけ哺乳動物(例え
ばヒト、サル、ブタ、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモッ
ト、ラット、マウス等)に対して、優れたNa−H交換
阻害作用及びそれに基づく細胞機能障害改善作用・細胞
保護作用(特に心筋に対して)を示し、虚血性疾患(例
えば心筋梗塞及びそれに伴う機能不全、不安定狭心症等
の虚血性心疾患等)、PTCA後の再狭窄、不整脈、心
不全、心肥大、高血圧及びそれに伴う組織障害、虚血性
脳疾患(例えば脳梗塞、脳出血、くも膜下出血に伴う脳
障害等)等の予防治療剤(好ましくは、心筋梗塞及びそ
れに伴う機能不全、不安定狭心症等の虚血性心疾患、P
TCA後の再狭窄、不整脈、心不全、心肥大等の予防治
療剤、更に好ましくは心筋梗塞等の虚血性心疾患等の予
防治療剤、心不全等の予防治療剤)として有用である。
ここで、心不全の予防という概念には、心筋梗塞の予後
の治療が含まれ、また、心不全の治療という概念には、
心不全の進展抑制あるいは重症化抑制等も含まれる。
【0044】該医薬組成物は自体公知の方法に従って製
剤化することができ、医薬組成物に含まれる(S)−
(−)−7−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−
5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,7,8−
テトラヒドロキノリン又はその塩、又は(S)−(−)
−7−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−5−グ
アニジノイミノ−4−メチル−5,6,7,8−テトラ
ヒドロキノリン又はその塩の含有割合は、約0.01な
いし約20%(W/W)である。
【0045】該医薬組成物の非経口投与は、皮下注射、
静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射あるいは点滴法等
を含むものである。注射用調剤、例えば、無菌注射用水
性懸濁物あるいは油性懸濁物は、適当な分散化剤又は湿
化剤及び懸濁化剤を用いて当該分野で知られた方法で調
製されうる。その無菌注射用調剤は、また、例えば水溶
液等の非毒性の非経口投与することのできる希釈剤ある
いは溶剤中の無菌の注射のできる溶液又は懸濁液であっ
てよい。使用することのできるベーヒクルあるいは溶剤
として許されるものとしては、水、リンゲル液、等張食
塩液等が挙げられる。更に、通常溶剤又は懸濁化溶媒と
して無菌の不揮発性油も用いられうる。このためには、
いかなる不揮発性油も脂肪酸も使用でき、天然あるいは
合成あるいは半合成の脂肪性油又は脂肪酸、そして天然
あるいは合成あるいは半合成のモノあるいはジあるいは
トリグリセリド類も含められる。
【0046】該医薬組成物の直腸投与用の坐剤は、その
薬物と適当な非刺激性の補形剤、例えば、ココアバター
やポリエチレングリコール類といった常温では固体であ
るが腸管の温度では液体で、直腸内で融解し、薬物を放
出するもの等と混合して製造されることができる。
【0047】該医薬組成物の経口投与用の固形投与剤型
としては、粉剤、顆粒剤、錠剤、ピル剤、カプセル剤等
の上記したものが挙げられる。そのような剤型におい
て、活性成分化合物は、少なくとも一つの添加物、例え
ば、ショ糖、乳糖、セルロース糖、マンニトール、マル
チトール、デキストラン、デンプン類、寒天、アルギネ
ート類、キチン類、キトサン類、ペクチン類、トラガン
トガム類、アラビアゴム類、ゼラチン類、コラーゲン
類、カゼイン、アルブミン、合成又は半合成のポリマー
類又はグリセリド類と混合することができる。そのよう
な剤型物はまた、通常の如く、さらなる添加物を含むこ
とができ、例えば不活性希釈剤、マグネシウムステアレ
ート等の滑沢剤、パラベン類、ソルビン酸等の保存剤、
アスコルビン酸、α−トコフェロール、システイン等の
抗酸化剤、崩壊剤、結合化剤、増粘剤、緩衝化剤、甘味
付与剤、フレーバー付与剤、パーフューム剤等が挙げら
れる。錠剤及びピル剤は更にエンテリックコーティング
されて製造されることもできる。経口投与用の液剤は、
医薬として許容されるエマルジョン剤、シロップ剤、エ
リキシル剤、懸濁剤、溶液剤等が挙げられ、それらは当
該分野で普通用いられる不活性希釈剤、例えば水を含ん
でいてよい。
【0048】該医薬組成物の投与量は、投与対象、投与
ルート、症状によっても異なるが、心筋梗塞の患者(体
重約60kgの成人)に経口投与する場合、通常1回量と
して、(S)−(−)−7−(5−フルオロ−2−メチ
ルフェニル)−5−グアニジノイミノ−4−メチル−
5,6,7,8−テトラヒドロキノリン又はその塩、及
び(S)−(−)−7−(2−クロロ−5−フルオロフ
ェニル)−5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,
6,7,8−テトラヒドロキノリン又はその塩として約
0.005ないし約10mg/kg、好ましくは約0.01な
いし約5mg/kg、更に好ましくは、約0.2ないし約1m
g/kg程度(約0.3ないし約600mg/人、好ましくは
約0.6ないし約300mg/人、更に好ましくは約12
ないし約60mg/人)であり、これらの服用量を症状に
応じて1日約1ないし約3回程度投与するのが望まし
い。疾患の急性の発症の場合は、例えば心筋梗塞発症直
後は、より高投与量及び特に高頻度の投与、例えば1日
当たり4回の投与が必要な場合がある。特に例えば集中
治療中の心筋梗塞患者の場合、静脈内投与には1日当た
り約100mg/人を要する場合がある。
【0049】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を参考例、実施
例、製剤例及び実験例を示して更に詳細に説明するが、
本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。ま
た、本明細書中の室温は0ないし25℃を示し、各記号
は次の意味を示す。 mp: 融点(melting point) s: シングレット(singlet) d: ダブレット(doublet) t: トリプレット(triplet) dd: ダブル ダブレット(double doublet) ddd: ダブル ダブル ダブレット(double double do
ublet) q: カルテット(quartet) m: マルチプレット(multiplet) br: broad CDCl3:重クロロホルム CD3OD:重メタノール DMSO:ジメチルスルホキシド DCC:ジシクロヘキシルカルボジイミド WSC:水溶性カルボジイミド
【0050】
【実施例】参考例1 2-クロロベンズアルデヒド(70.3 g) をアセトン (294
ml)と水酸化ナトリウム (22.0 g)水溶液(1.4l)の混液に
加え、室温で5時間撹拌した。過剰のアセトンを減圧下
留去し、残さに酢酸エチル (1.4 l)を加え抽出した。酢
酸エチル層を食塩水で洗浄し、乾燥(無水硫酸マグネシ
ウム)後、酢酸エチルを減圧下留去して、粗2-クロロベ
ンザルアセトン (94.6 g)を黄色油状物として得た。こ
の油状物を更に精製することなく、次の反応に用いた。
20 % ナトリウムエトキシドエタノール溶液 (170.1 g)
に室温でマロン酸ジエチル(80.1 g)を加え(すぐに析出
物あり)、ついで、粗2-クロロベンザルアセトン(94.6
g) エタノール(40 ml)溶液を加えた。反応混合液を90
℃で2時間加熱撹拌し、空冷後、氷冷 (1時間)した。
析出物を濾取し、酢酸エチル、イソプロピルエーテルで
順次洗浄して、粗6-(2-クロロフェニル)-2-ヒドロキシ-
4-オキソ-2-シクロヘキセン-1-カルボン酸エチルエステ
ルモノナトリウム塩 (151.0 g)を淡黄色粉末として得
た。この粉末に2 M水酸化ナトリウム(350 ml)を加え、1
00 ℃で2時間加熱撹拌した。空冷後、2.5 M硫酸(350 m
l)を15分で加え、100 ℃で2時間加熱撹拌した。空冷
後、酢酸エチル (1.4 l)を加え抽出した。酢酸エチル層
を食塩水で洗浄し、乾燥(無水硫酸マグネシウム)後、
酢酸エチルを減圧下留去した。析出結晶を酢酸エチルー
イソプロピルエーテル (1:4)、イソプロピルエーテル
で順次洗浄して、5-(2-クロロフェニル)シクロヘキサン
-1,3-ジオン (82.1 g)を無色結晶として得た。 mp. 157-158 ℃.
【0051】参考例2 5-(2-クロロフェニル)-1,3-シクロヘキサンジオン(1.1
g)、1-アミノ-2-ブチン塩酸塩(0.5 g)、モレキュラ−シ
−ブス4A (2 g)、テトラヒドロフラン(20 ml) の混合
物にトリエチルアミン(0.48 g)を加え、室温で1時間か
き混ぜ、次いで12時間加熱還流した。冷却後不溶物をろ
別し、減圧下溶媒を留去した。残渣を4時間、220 ℃で
かき混ぜた。酢酸エチル、炭酸水素ナトリウム水を加
え、有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネ
シウムで乾燥した。減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(EtOAc/ hexane)に付し、得ら
れた結晶を酢酸エチル−ヘキサンから再結晶して無色結
晶として7-(2-クロロフェニル)-4-メチル-5,6,7,8-テト
ラヒドロキノリン-5-オン(0.20 g)を得た。 mp. 97 - 98 ℃.1 H-NMR(CDCl3)δ: 2.71 (3H, s), 2.84 (1H, dd, J = 1
3, 16 Hz), 3.02 (1H, ddd, J = 2, 4, 16 Hz), 3.30
(1H, dd, J = 12, 17 Hz), 3.48 (1H, ddd, J = 2, 4,
17 Hz), 3.88 - 4.07 (1H, m), 7.11 (1H, d, J = 5 H
z), 7.16 - 7.34 (4H, m), 8.50 (1H, d, J = 5 Hz).
【0052】参考例3 5-(2-クロロフェニル) シクロヘキサン-1,3-ジオン(2.5
g)、酢酸アンモニウム(2.6 g)のエタノール(50 ml)溶
液を12時間加熱還流した。減圧下溶媒を留去して炭酸水
素ナトリウム水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層
を、水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
した。減圧下溶媒を留去し、得られた結晶を酢酸エチル
ーヘキサンから再結晶して、淡黄色結晶として1-アミノ
-5-(2-クロロフェニル)シクロへキセン-3-オン (2.2 g)
を得た。 mp. 199 ℃ (分解).1 H-NMR(CDCl3)δ: 2.44 - 2.72 (4H, m), 3.77 - 3.97
(1H, m), 4.68 (2H, br), 5.35 (1H, s), 7.15 - 7.43
(4H, m).
【0053】参考例4 1-アミノ-5-(2-クロロフェニル)シクロへキセン-3-オン
(2.7 g)のエタノール(50 ml), トルエン(150 ml)溶液に
アセチルアセトアルデヒドジメチルアセタール(4.0
g)、85%水酸化カリウム(0.67 g)を加え、加熱還流し
た。30分間隔で85%水酸化カリウム(0.14 g)を3回加え、
その後、更に1時間還流した。減圧下溶媒を留去し、殘
渣に酢酸エチルを加え、水、飽和食塩水で順次洗浄し、
硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下濃縮し、残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc-hexane)に付
し結晶として7-(2-クロロフェニル)-4-メチル-5,6,7,8-
テトラヒドロキノリン-5-オン(2.5 g)を得た。融点、NM
Rデータは参考例2で得た化合物と一致した。
【0054】実施例1 (化合物Aの製造) 7-(2-クロロフェニル)-4-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロ
キノリン-5-オン(0.20g)、アミノグアニジン塩酸塩 (0.
085g)、濃塩酸(0.11 ml)、水(0.11 ml)、エタノール(20
ml)の混合物を6時間加熱還流した。減圧下溶媒を留去
し、残渣を水に溶かし酢酸エチルで洗浄し、減圧下濃縮
した。残渣を酢酸エチル-エタノ−ルから再結晶して7-
(2-クロロフェニル)-5-グアニジノイミノ-4-メチル-5,
6,7,8-テトラヒドロキノリン塩酸塩(化合物A)(0.21
g)を無色結晶として得た。 mp. 204 ℃(分解). 元素分析値 C17H18N5Cl・2HCl・0.8H2Oとして Calcd. C, 49.18; H, 5.24; N, 16.87. Found C, 49.46; H, 5.10; N, 16.88.1 H-NMR(DMSO-d6) δ: 2.65 - 3.00 (1H, m), 2.88 (3
H, s), 3.15 - 3.78 (4H,m), 7.2 - 8.2 (4H, br), 7.2
8 - 7.53 (3H, m), 7.58 - 7.66 (1H, m), 7.83(1H, d,
J = 6 Hz), 8.63 (1H, d, J = 6 Hz), 11.45 (1H, s).
【0055】実施例2 (化合物Bの製造) (±)-7-(2-クロロフェニル)-5-グアニジノイミノ-4-メ
チル-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン塩酸塩(123.9 g)を
メタノール(1200 ml)に懸濁して28%ナトリウムメトキシ
ドのメタノール溶液(119.2 ml)を滴下した。50 ℃で30
分間かき混ぜた。減圧下溶媒を留去し、残渣に水を加え
て結晶をろ取した。結晶を水で洗い、乾燥して、無色結
晶として(±)-7-(2-クロロフェニル)-5-グアニジノイミ
ノ-4-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン (109.3 g)
を得た。(±)-7-(2-クロロフェニル)-5-グアニジノイミ
ノ-4-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン(109.3 g)
のイソプロピルアルコール(700 ml)溶液にL-ピログルタ
ミン酸(10 g)のイソプロピルアルコール(150 ml)溶液を
50 ℃で1.5時間かけて滴下した。50 ℃で1時間、室温
で2日撹拌した。結晶をろ取し、イソプロピルアルコー
ルで洗い、(-)-7-(2-クロロフェニル)-5-グアニジノイ
ミノ-4-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロキノリンL-ピログ
ルタミン酸塩 (55.5 g, 88%ee)を得た。エタノールで再
結晶し、 L-ピログルタミン酸塩 (44.3 g, 97 %ee)を得
た。 得られた塩の結晶をメタノール(500 ml)に懸濁
し、28%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(10.9 m
l)を加えた。50 ℃で30分間かき混ぜ、減圧下溶媒を留
去した。得られた結晶を水で洗い乾燥して(-)-7-(2-ク
ロロフェニル)-5-グアニジノイミノ-4-メチル-5,6,7,8-
テトラヒドロキノリン (38.9 g)を得た。(この化合物
は、X線結晶構造解析により、絶対配置がS体であるこ
とが確認された。) これを、エタノール(400 ml)に溶かし、メタンスルホン
酸(21.1 g)を加えた。減圧下溶媒を留去し、得られた結
晶をエタノールから再結晶して (-)-7-(2-クロロフェニ
ル)-5-グアニジノイミノ-4-メチル-5,6,7,8-テトラヒド
ロキノリンメタンスルホン酸塩(化合物B)(46.8 g, 9
9.2 %ee)を得た。 mp. 194-195 ℃. [α]D -56.9°(c=1,MeOH) 元素分析値 C17H18N5Cl・2MeSO3Hとして Calcd. C, 43.88; H, 5.04; N, 13.47; Cl, 6.82. Found C, 43.67; H, 4.90; N, 13.18; Cl, 6.76.1 H-NMR(DMSO-d6) δ: 2.40 (6H, s), 2.78 (1H, dd, J
= 12, 18 Hz), 2.89 (3H, s), 3.08 - 3.32 (2H, m),
3.44 - 3.80 (2H, m), 7.2 - 8.1 (4H, br), 7.31 - 7.
56 (3H, m), 7.58 - 7.66 (1H, m), 7.86 (1H, d, J =
6 Hz), 8.66 (1H,d, J = 6 Hz), 10.77 (1H, s).
【0056】参考例5 2−ブロモ−4−フルオロトルエン(16.0g)の無
水テトラヒドロフラン溶液に−78℃で1.6Mブチル
リチウムヘキサン溶液(55.5ml)を滴下した。同
温で30分かき混ぜ、ジメチルホルムアミド(6.8
g)のテトラヒドロフラン(20ml)溶液を滴下し
た。0℃まで自然に昇温させ、反応液に氷水を加えた。
反応液を酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水
で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶
媒を留去し油状物として5−フルオロ−2−メチルベン
ツアルデヒド(11.5g)を得た。アセトン(80m
l)と水酸化ナトリウム(3.7g)、水(100m
l)の混液に室温で5−フルオロ−2−メチルベンツア
ルデヒド(11.5g)のアセトン(30ml)溶液を
滴下し、同温で1時間撹拌した。アセトンを減圧下留去
し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で
順次洗浄し、減圧下濃縮して、4−(5−フルオロ−2
−メチルフェニル)−3−ブテン−2−オン(13.4
g)を得た。20%ナトリウムエトキシドエタノール溶
液(29.7g)に0℃でマロン酸ジエチル(14.0
g)を加え、ついで、4−(5−フルオロ−2−メチル
フェニル)−3−ブテン−2−オン(13.4g)を少
量づつ加えた。反応混合液を室温で30分かき混ぜ、2
時間加熱撹拌した。空冷後、溶媒を留去し、残渣に水を
加え、水層を酢酸エチルで洗って濃縮した。2M水酸化
ナトリウム(46ml)を加え、1時間加熱還流した。
空冷後、2.5M硫酸(46ml)を10分かけて加
え、30分間加熱還流した。空冷後、析出した結晶をろ
取し、水、イソプロピルエーテル で順次洗浄して、5
−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)シクロヘキサ
ン−1,3−ジオン(8.6g)を無色結晶として得
た。 mp.175−176℃.1 H−NMR(CDCl3)δ:2.30(3H,s),
2.27−2.56(4H,m),2.5−4.3(1
H,br),3.44−3.63(1H,m),5.5
5(1H,s),6.77−7.01(2H,m),
7.09−7.17(1H,m).
【0057】参考例6 5−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)シクロヘキ
サン−1,3−ジオン(3.0g)、酢酸アンモニウム
(3.1g)のエタノール(50ml)溶液を14時間
加熱還流した。減圧下溶媒を留去し、残渣を酢酸エチル
に溶かし、水、飽和食塩水で順次洗浄し硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して、1−アミノ−5
−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)シクロヘキセ
ン−3−オンを得た。これをエタノール(70ml)、
トルエン(120ml)に溶かし、3−オキソブチルア
ルデヒドジメチルアセタール(4.1g)、粉末状水酸
化カリウム(0.57g)を加え加熱還流した。30分
後に粉末状水酸化カリウム(0.12g)、1時間後に
粉末状水酸化カリウム(0.12g)と3−オキソブチ
ルアルデヒドジメチルアセタール(0.33g)、1時
間30分後に粉末状水酸化カリウム(0.12g)を加
え、その後、同温で2時間撹拌した。冷却後、減圧下溶
媒を留去し、酢酸エチルを加えた。有機層を水、飽和食
塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウム上乾燥した。減圧
下酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲルカラム(酢酸
エチル−ヘキサン)に付し、得られた結晶を酢酸エチル
−ヘキサンから再結晶して、7−(5−フルオロ−2−
メチルフェニル)−4−メチル−5,6,7,8−テト
ラヒドロキノリン−5−オン(1.5g)を得た。 mp.113−114℃.1 H−NMR(CDCl3) δ: 2.33(3H,
s),2.71(3H,s),2.78−2.98(2
H,m),3.24(1H,dd,J=11,16H
z),3.28−3.44(1H,m),3.55−
3.74(1H,m),6.82−7.04(2H,
m),7.12(1H,d,J=5Hz),7.07−
7.22(2H,m),8.50(1H,d,J=5H
z).
【0058】実施例3(化合物Cの製造) 7−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−メチ
ル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オン
(1.1g)、アミノグアニジン塩酸塩(0.54g)
のエタノール(30ml)溶液に濃塩酸(1.0ml)
と水(1.0ml)を加え6時間加熱還流した。減圧下
溶媒を留去し、残渣を水に溶かし、酢酸エチルで洗っ
た。水層に炭酸水素ナトリウム水を加えてアルカリ性に
して酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で
順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して、減圧下濃縮
した。残渣をエタノールに溶かし1N塩酸(10ml)
を加えて濃縮し、析出した結晶をエタノールから再結晶
して、7−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−5
−グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,7,8−テ
トラヒドロキノリン塩酸塩(化合物C)(1.4g)を
無色結晶として得た。 mp.202−205℃. 元素分析値C18205F・2HCl・0.5H2Oとし
て Calcd. C,53.08; H,5.69;
N,17.19. Found C,53.33; H,5.87;
N,16.94.1 H−NMR(DMSO−d6)δ:2.31(3H,
s),2.72−3.03(1H,m),2.90(3
H,s),3.13−3.57(4H,m),6.93
−7.06(1H,m),7.17−7.4(2H,
m),7.5−8.4(4H,br),7.85(1
H,d,J=6Hz),8.65(1H,d,J=6H
z),11.39(1H,s).
【0059】実施例4(化合物D,E,Fの製造) (±)−7−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−
5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,7,8−
テトラヒドロキノリン塩酸塩(43.8g)をメタノー
ル(300ml)に懸濁させて28%ナトリウムメトキ
シドメタノール溶液(53.1g)を滴下した。減圧下
濃縮し、残渣を水で洗って乾燥し、(±)−7−(5−
フルオロ−2−メチルフェニル)−5−グアニジノイミ
ノ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリ
ン(33.0g)を得た。(±)−7−(5−フルオロ
−2−メチルフェニル)−5−グアニジノイミノ−4−
メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン(2.
0g)のエタノール(25ml)溶液にD−ピログルタ
ミン酸(0.79g)を80℃で加え、均一な溶液とし
た。徐々に室温に戻し、同温で14時間撹拌した。析出
した結晶をろ取し、エタノールから再結晶して、(−)
−7−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−5−グ
アニジノイミノ−4−メチル−5,6,7,8−テトラ
ヒドロキノリンD−ピログルタミン酸塩(1.2g)を
得た。この結晶をメタノール(20ml)に懸濁し、2
8%ナトリウムメトキシドメタノール溶液(0.24
g)を加え、減圧下溶媒を留去した。得られた結晶を水
で洗い乾燥し、フリー体(0.43g)を得た。これを
エタノール(15ml)に溶かし、メタンスルホン酸
(0.24g)を加えた。減圧下溶媒を留去し、得られ
た結晶をエタノールから再結晶して、(−)−7−(5
−フルオロ−2−メチルフェニル)−5−グアニジノイ
ミノ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノ
リンメタンスルホン酸塩(化合物D)(0.5g,9
9.7 %ee)を得た。 mp.202−204℃. [α]D -61.4°(c=1,MeOH) 元素分析値 C1820FN5・2MeSO3Hとして Calcd. C,46.41; H,5.45;
N,13.51. Found C,46.28; H,5.30;
N,13.51.1 H−NMR(DMSO−d6) δ: 2.30(3H,
s),2.35(6H,s),2.62−2.95(1
H,m),2.86(3H,s),2.99−3.24
(2H,m),3.3−3.6(2H,m),6.96
-7.11(1H,m),7.19−7.42(2H,
m),7.7(4H,br),7.81(1H,d,J
=5Hz),8.65(1H,d,J=5Hz),1
0.68(1H,s). (−)−7−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−
5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,7,8−
テトラヒドロキノリン(1.5g)のエタノール(20
ml)溶液に濃塩酸(1.2ml)を加え濃縮した。得
られた結晶をエタノール−水の混合溶媒から再結晶し
て、(−)−7−(5−フルオロ−2−メチルフェニ
ル)−5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,
7,8−テトラヒドロキノリン塩酸塩(化合物E)
(0.96g,99.3 %ee)を得た。(この化合物
は、X線結晶構造解析により、絶対配置がS体であるこ
とが確認された。) mp.192−198℃. 元素分析値 C1820FN5・2HCl・H2Oとして Calcd. C,51.93; H,5.81;
N,16.82. Found C,51.94; H,5.84;
N,16.74.1 H−NMR(DMSO−d6) δ: 2.31(3H,
s),2.66−3.03(1H,m),2.89(3
H,s),3.12−3.6(4H,m),6.94−
7.06(1H,m),7.16−7.37(2H,
m),7.4−8.3(4H,br),7.85(1
H,d,J=6Hz),8.64(1H,d,J=6H
z),11.41(1H,s). D−ピログルタミン酸で分割した母液と洗液に28%ナ
トリウムメトキシドメタノール溶液(0.22g)を加
え、濃縮後、水で洗い(+)−異性体リッチな結晶
(1.1g)を得た。これをエタノール(10ml)に
溶かし、L−ピログルタミン酸(0.42g)を80℃
で加え、均一な溶液とした。徐々に室温に戻し、室温で
14時間撹拌した。析出した結晶をろ取し、エタノール
で洗い(+)−7−(5−フルオロ−2−メチルフェニ
ル)−5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,
7,8−テトラヒドロキノリンL−ピログルタミン酸塩
(1.1g)を得た。この結晶をメタノール(15m
l)に懸濁し、28%ナトリウムメトキシドメタノール
溶液(0.47g)を加え、減圧下溶媒を留去した。残
渣を水で洗い乾燥して、フリー体(0.77g)を得
た。これをエタノール(20ml)に溶かし、メタンス
ルホン酸(0.47g)を加えた。溶媒を減圧下留去
し、得られた結晶をエタノールから再結晶して、(+)
−7−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−5−グ
アニジノイミノ−4−メチル−5,6,7,8−テトラ
ヒドロキノリンメタンスルホン酸塩(化合物F)(1.
1g,99.4 %ee)を得た。 mp.202−204℃. [α]D +60.5°(c=1,MeOH) 元素分析値 C1820FN5・2MeSO3Hとして Calcd. C,46.41; H,5.45;
N,13.51. Found C,46.27; H,5.30; N,13.48.1 H−NMR(DMSO-d6)は化合物Dと一致した。
【0060】実施例5(化合物Gの製造) 2−クロロ−5−フルオロトルエン(5.0g)の無水
酢酸(40ml)溶液に氷冷下濃硫酸(40ml)を滴
下した。続いて、無水クロム酸(9.3g)の無水酢酸
(40ml)溶液を2時間かけて滴下した。同温で1時
間かき混ぜ、氷水に加えた。ジエチルエーテルで抽出
し、有機層を炭酸ナトリウム水、水、飽和食塩水で順次
洗浄し硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去
し、残渣をテトラヒドロフラン(10ml)に溶かし、
水(4ml)、濃硫酸(4ml)を加えて30分100
℃に加熱撹拌した。空冷後、反応液を酢酸エチルで抽出
し、有機層を炭酸ナトリウム水、水、飽和食塩水で順次
洗浄し硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、2−クロロ−5−フルオロベンツアルデヒド(1.
6g)を得た。同様の反応を繰り返し、2−クロロ−5
−フルオロベンツアルデヒド(1.2g)を得た。水酸
化ナトリウム(0.78g)を水(55ml)に溶か
し、アセトン(55ml)、ついで2−クロロ−5−フ
ルオロベンツアルデヒド(2.8g)のアセトン(10
ml)溶液を滴下した。反応液を室温で2時間撹拌し
た。アセトンを減圧下留去し、酢酸エチルで抽出した。
有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、減圧下濃縮し
て、4−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−3−
ブテン−2−オン(0.24g)を得た。20%ナトリ
ウムエトキシドエタノ−ル溶液(0.43g)に室温で
マロン酸ジエチル(0.2g)を加え、ついで、4−
(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−3−ブテン−
2−オン(0.24g)を0℃で少量づつ加えた。反応
混合液を室温で30分かき混ぜ、2時間加熱還流した。
空冷後、溶媒を留去し、残渣を水に溶かし、水層を酢酸
エチルで洗って濃縮した。2M水酸化ナトリウム(0.
7ml)を加え、2時間加熱還流した。空冷後、2.5
M硫酸(0.7ml)を加え、15分間加熱還流した。
酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で順次洗
浄した。硫酸マグネシウムで乾燥して、減圧下溶媒を留
去し、5−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)シク
ロヘキサン−1,3−ジオン(0.17g)を油状物と
して得た。5−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)
シクロヘキサン−1,3−ジオン(0.17g)、酢酸
アンモニウム(0.16g)のエタノール(10ml)
溶液を12時間加熱還流した。減圧下溶媒を留去し、酢
酸エチルを加え、有機層を炭酸ナトリウム水、水、飽和
食塩水で順次洗浄し硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧
下溶媒を留去し、残渣をエタノール(3.5ml)、ト
ルエン(6ml)に溶かし、3−オキソブチルアルデヒ
ドジメチルアセタール(0.21g)、粉末状水酸化カ
リウム(34mg)を加え加熱還流した。30分後に粉
末状水酸化カリウム(7mg)、1時間後に粉末状水酸
化カリウム(7mg)と3−オキソブチルアルデヒドジ
メチルアセタール(17mg)、1時間30分後に粉末
状水酸化カリウム(7mg)を加え、その後、同温で2
時間撹拌した。冷却後、減圧下溶媒を留去し、酢酸エチ
ルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、
硫酸マグネシウム上乾燥した。減圧下酢酸エチルを留去
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸
エチル−ヘキサン)に付し7−(2−クロロ−5−フル
オロフェニル)−4−メチル−5,6,7,8−テトラ
ヒドロキノリン−5−オンを得た。7−(2−クロロ−
5−フルオロフェニル)−4−メチル−5,6,7,8
−テトラヒドロキノリン−5−オンのエタノール(10
ml)溶液に、アミノグアニジン塩酸塩(0.041
g)、濃塩酸(0.078ml)、水(0.078m
l)を加え、混合物を4時間加熱還流した。減圧下溶媒
を留去し、水を加え、水層を酢酸エチルで洗浄した。水
層に炭酸水素ナトリウム水を加えてアルカリ性にして酢
酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗
浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して減圧下濃縮した。残
渣を1N塩酸(1ml)に溶かし、濃縮した。得られた
結晶をエタノール−酢酸エチルから再結晶して、7−
(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−5−グアニジ
ノイミノ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ
キノリン塩酸塩(化合物G)(0.05g)を無色結晶
として得た。 mp.268℃(分解).1 H−NMR(DMSO−d6)δ:2.76−3.05
(1H,m),2.84(3H,s),3.13−3.
75(4H,m),7.0−8.4(4H,br),
7.2−7.34(1H,m),7.52−7.66
(2H,m),7.76(1H,d,J=6Hz),
8.6(1H,d,J=6Hz),11.36(1H,
s).
【0061】実施例6(化合物H,I,Jの製造) (±)−7−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−
5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,7,8−
テトラヒドロキノリン塩酸塩(8.8g)をメタノール
(100ml)に懸濁させて28%ナトリウムメトキシ
ドメタノール溶液(8.9g)を滴下した。減圧下濃縮
し、残渣を水で洗って乾燥して、(±)−7−(2−ク
ロロ−5−フルオロフェニル)−5−グアニジノイミノ
−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン
(7.1g)を得た。(±)−7−(2−クロロ−5−
フルオロフェニル)−5−グアニジノイミノ−4−メチ
ル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン(7.1
g)のエタノール(85ml)溶液にL−ピログルタミ
ン酸(2.72g)を加え、加熱して均一な溶液とし
た。徐々に室温に戻し、室温で14時間撹拌した。析出
した結晶をろ取し、エタノールで洗い、(+)−7−
(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−5−グアニジ
ノイミノ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ
キノリンL−ピログルタミン酸塩(4.1g)を得た。
この結晶をメタノール(50ml)に懸濁し、28%ナ
トリウムメトキシドメタノール溶液(1.7g)を加
え、減圧下溶媒を留去した。得られた結晶を水で洗い乾
燥し、結晶(3.1g)を得た。これをエタノール(2
0ml)に溶かし、メタンスルホン酸(1.8g)を加
えた。溶媒を減圧下留去し、得られた結晶をエタノール
から再結晶して、(+)−7−(2−クロロ−5−フル
オロフェニル)−5−グアニジノイミノ−4−メチル−
5,6,7,8−テトラヒドロキノリンメタンスルホン
酸塩(化合物H)(3.6g,99.3 %ee)を得
た。 mp.209−212℃. [α]D +57.2°(c=1,MeOH) 元素分析値 C1717ClFN5・2MeSO3Hとして Calcd. C,42.42; H,4.68;
N,13.02. Found C,42.43; H,4.68;
N,13.13.1 H−NMR(DMSO−d6) δ: 2.43(6H,
s),2.73−2.92(1H,m),2.90(3
H,s),3.06−3.31(2H,m),3.37
−3.79(2H,m),7.0−8.6(4H,b
r),7.14−7.26(1H,m),7.48−
7.62(2H,m),7.85(1H,d,J=6H
z),8.68(1H,d,J=6Hz),10.86
(1H,s). L−ピログルタミン酸で分割した母液と洗液に28%ナ
トリウムメトキシドメタノール溶液(2.6g)を加
え、濃縮後、水で洗い、(−)−異性体リッチな結晶
(3.7g)を得た。これをエタノール(30ml)に
溶かし、D−ピログルタミン酸(1.4g)のエタノー
ル(10ml)溶液を80℃で加えた。徐々に室温に戻
し、室温で14時間撹拌した。析出した結晶をろ取し、
エタノールで洗い、(−)−7−(2−クロロ−5−フ
ルオロフェニル)−5−グアニジノイミノ−4−メチル
−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンD−ピログル
タミン酸塩(4.0g)を得た。この結晶をメタノール
(40ml)に懸濁し、28%ナトリウムメトキシドメ
タノール溶液(1.6g)を加え、減圧下溶媒を留去し
他。残渣を水で洗い、乾燥して、(−)−7−(2−ク
ロロ−5−フルオロフェニル)−5−グアニジノイミノ
−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン
(2.9g)を得た。(−)−7−(2−クロロ−5−
フルオロフェニル)−5−グアニジノイミノ−4−メチ
ル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン(1.7
g)をエタノール(30ml)に溶かし、メタンスルホ
ン酸(0.97g)を加えた。溶媒を減圧下留去し、得
られた結晶をエタノールから再結晶して、(−)−7−
(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−5−グアニジ
ノイミノ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ
キノリンメタンスルホン酸塩(化合物I)(2.3g,
99.5 %ee)を得た。 mp.206−209℃. [α]D -58.2°(c=1,MeOH) 元素分析値 C1717ClFN5・2MeSO3Hとして Calcd. C,42.42; H,4.68;
N,13.02. Found C,42.34; H,4.67;
N,13.06.1 H−NMR(DMSO-d6)は化合物Hと一致した。
(−)−7−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−
5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,7,8−
テトラヒドロキノリン(1.2g)のエタノール(20
ml)溶液に濃塩酸(0.76ml)を加え濃縮した。
得られた結晶をエタノール−水の混合溶媒から再結晶し
て、(−)−7−(2−クロロ−5−フルオロフェニ
ル)−5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,
7,8−テトラヒドロキノリン塩酸塩(化合物J)
(1.3g,99.4 %ee)を得た。(この化合物
は、X線結晶構造解析により、絶対配置がS体であるこ
とが確認された。) mp.194−197℃. [α]D -71.2°(c=1,MeOH) 元素分析値 C1820FN5・2HCl・0.5H2Oと
して Calcd. C,47.74; H,4.71;
N,16.37. Found C,47.56; H,4.97;
N,16.56.1 H−NMR(DMSO−d6) δ: 2.75−3.0
2(1H,m),2.90(3H,s),3.15−
3.32(1H,m),3.36−3.83(2H,
m),6.13−7.28(1H,m),7.48−
7.60(2H,m),7.92(4H,br),7.
85(1H,d,J=6Hz),8.65(1H,d,
J=6Hz),11.53(1H,s).
【0062】参考例7 アセトン(45ml)と水酸化ナトリウム(3.1
g)、水(230ml)の混液に室温で2,5−ジフル
オロベンツアルデヒド(10.0g)のアセトン(10
ml)溶液を加え、同温で30分間撹拌した。アセトン
を減圧下留去し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、
飽和食塩水で順次洗浄し、減圧下濃縮して、4−(2,
5−ジフルオロフェニル)−3−ブテン−2−オン(1
3.8g)を得た。20%ナトリウムエトキシドエタノ
ール溶液(27.7g)に室温でマロン酸ジエチル(1
3.0g)を加え、ついで、4−(2,5−ジフルオロ
フェニル)−3−ブテン−2−オン(13.8g)を少
量づつ加えた。反応混合液を室温で30分かき混ぜ、2
時間加熱撹拌した。空冷後、溶媒を留去し、残渣に水を
加え、水層を酢酸エチルで洗って濃縮した。2M水酸化
ナトリウム(42ml)を加え、2時間加熱還流した。
空冷後、2.5M硫酸(42ml)を10分かけて加
え、3時間加熱還流した。空冷後、析出した結晶をろ取
し、水、イソプロピルエーテル で順次洗浄して、5−
(2,5−ジフルオロフェニル)シクロヘキサン−1,
3−ジオン(11.6g)を無色結晶として得た。 mp.176℃(分解).1 H−NMR(DMSO−d6) δ: 2.0−3.0
(4H,m),3.43−3.64(1H,m),5.
31(1H,s),7.04−7.37(4H,m),
11.26(1H,br).
【0063】参考例8 5−(2,5−ジフルオロフェニル)シクロヘキサン−
1,3−ジオン(4.0g)、酢酸アンモニウム(4.
1g)のエタノール(60ml)溶液を12時間加熱還
流した。反応液を減圧下に濃縮し、残渣を水で洗い乾燥
して、1−アミノ−5−(2,5−ジフルオロフェニ
ル)シクロヘキサン−3−オン(3.7g)を得た。 1−アミノ−5−(2.5−ジフルオロフェニル)シク
ロヘキサン−3−オン(3.7g)、3−オキソブチル
アルデヒドジメチルアセタール(5.5g)、トルエン
(120ml)、エタノール(70ml)の混合物を1
15℃で撹拌しながら粉末状水酸化カリウム(0.77
g)を加えた。30分後に粉末状水酸化カリウム(0.
16g)、1時間後に粉末状水酸化カリウム(0.16
g)と3−オキソブチルアルデヒドジメチルアセタール
(0.44g)、1時間30分後に粉末状水酸化カリウ
ム(0.16g)を加え、その後、同温で5時間撹拌し
た。冷却後、減圧下溶媒を留去し、酢酸エチルを加え
た。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネ
シウム上乾燥した。減圧下酢酸エチルを留去し、残渣を
シリカゲルカラム(酢酸エチル−ヘキサン)に付し、得
られた結晶を酢酸エチル−ヘキサンから再結晶して、7
−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−メチル−5,
6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オン(2.3
g)を得た。 mp.75−76℃.1 H−NMR(CDCl3) δ:2.70(3H,
s),2.86(1H,dd,J=12,16Hz),
2.99(1H,ddd,J=2,5,16Hz),
3.33(1H,dd,J=11,17Hz),3.3
7−3.53(1H,m),3.66−3.89(1
H,m),6.88−7.24(3H,m),7.11
(1H,d,J=5Hz),8.50(1H,d,J=
5Hz).
【0064】実施例7(化合物Kの製造) 7−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−メチル−
5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オン
(1.2g)、アミノグアニジン塩酸塩(0.58g)
のエタノール(30ml)溶液に濃塩酸(1.1m
l)、水(1.1ml)を加え14時間加熱還流した。
減圧下溶媒を留去し、得られた結晶をエタノールから再
結晶して、7−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−
グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,7,8−テト
ラヒドロキノリン塩酸塩(化合物K)(1.6g)を無
色結晶として得た。 mp.290℃(分解).1 H−NMR(DMSO−d6) δ: 2.6−3.0
3(1H,m),2.87(3H,s),3.14−
3.72(4H,m),7.12−7.38(2H,
m),7.42−7.56(1H,m),7.6−8.
4(4H,br),7.83(1H,d,J=6H
z),8.64(1H,d,J=6Hz),11.58
(1H,s).
【0065】参考例9 5−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−シクロヘ
キサン−1,3−ジオン(1.5g)、酢酸アンモニウ
ム(1.6g)のブタノール(30ml)の混合物にア
セチルアセトン(2.0g)を加え、3日間加熱還流し
た。減圧下溶媒を留去し、残渣を酢酸エチルに溶かし、
炭酸水素ナトリウム水、水、飽和食塩水で順次洗浄し、
硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下濃縮し、残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキ
サン)に付し、油状物として7−(5−フルオロ−2−
メチルフェニル)−2,4−ジメチル−5,6,7,8
−テトラヒドロキノリン−5−オン(1.2g)を得
た。1 H−NMR(CDCl3) δ:2.32(3H,
s),2.54(3H,s),2.67(3H,s),
2.75−3.0(2H,m),3.12−3.43
(H,m),3.54−3.78(1H,m),6.9
2(1H,s),6.82−7.09(3H,m),
7.10−7.23(1H,m).
【0066】実施例8(化合物Lの製造) 7−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,4−
ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5
−オン(1.1g)、アミノグアニジン塩酸塩(0.5
2g)のエタノール(30ml)溶液に濃塩酸(1.0
ml)、水(1.0ml)を加え12時間加熱還流し
た。減圧下濃縮し、残渣をエタノールから再結晶して、
7−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−5−グア
ニジノイミノ−2,4−ジメチル−5,6,7,8−テ
トラヒドロキノリン塩酸塩(化合物L)(1.25g)
を無色結晶として得た。 mp.201−203℃.1 H−NMR(DMSO−d6) δ:2.3(3H,
s),2.6−3.0(1H,m),2.72(3H,
s),2.83(3H,s),3.0−4.0(4H,
m),6.97−7.12(1H,m),7.18−
7.45(2H,m),7.5−8.4(4H,b
r),7.72(1H,s),11.32(1H,
s).
【0067】製剤例1 実施例2で合成した化合物B70mgを蒸留水7mlに
溶解した。炭酸カルシウム(平均粒子径38μm)19
5mgに上記溶液0.5mlを添加し、更に蒸留水0.
5mlを添加して凍結乾燥後に得られた粉末を乳鉢にて
混合し、製剤を得た。 製剤例2 実施例2で合成した化合物B33mgを蒸留水3.3m
lに溶解した。炭酸カルシウム(平均粒子径38μm)
190mgに上記溶液1mlを添加し、凍結乾燥後に得
られた粉末を乳鉢にて混合し、製剤を得た。 製剤例3 実施例2で合成した化合物B33mgを蒸留水3.3m
lに溶解した。炭酸カルシウム(平均粒子径38μm)
180mgに上記溶液2mlを添加し、凍結乾燥後に得
られた粉末を乳鉢にて混合し、製剤を得た。 製剤例4 実施例2で合成した化合物B70mgを蒸留水7mlに
溶解した。炭酸カルシウム(平均粒子径38μm)24
0mgに上記溶液6mlを添加し、凍結乾燥後に得られ
た粉末を乳鉢にて混合し、製剤を得た。 製剤例5 実施例2で合成した化合物B12.5mgを5%マンニ
トール水溶液0.5mlに溶解し、溶液製剤を得た。 製剤例6 実施例2で合成した化合物B25mgを5%マンニトー
ル水溶液0.5mlに溶解し、溶液製剤を得た。 製剤例7 実施例2で合成した化合物B30mgを蒸留水3mlに
溶解した。ヒドロキシアパタイト(太平化学産業製 HAP
100)180mgに上記溶液2mlを添加し、凍結乾燥
後に得られた粉末を乳鉢にて混合し、製剤を得た。 製剤例8 実施例2で合成した化合物B30mgを蒸留水3mlに
溶解した。結晶セルロース(旭化成工業製アビセル)1
80mgに上記溶液2mlを添加し、凍結乾燥後に得ら
れた粉末を乳鉢にて混合し、製剤を得た。 製剤例9 実施例2で合成した化合物B30mgを蒸留水3mlに
溶解した。ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達
製)180mgに上記溶液2mlを添加し、凍結乾燥後
に得られた粉末を乳鉢にて混合し、製剤を得た。 比較例1 実施例2で合成した化合物B9mgを5%マンニトール
水溶液4.5mlに溶解し、溶液製剤を得た。
【0068】実験例1 (方法)SD系雄性ラット(8週齢)にエーテルで麻酔
を施し、製剤例1ないし6の製剤をそれぞれラット左鼻
腔内に投与した。化合物Bの投与量はそれぞれ0.75
mg/kg(製剤例1)、1.5mg/kg(製剤例
2)、3.0mg/kg(製剤例3)、6.0mg/k
g(製剤例4)、1.5mg/kg(製剤例5)、3.
0mg/kg(製剤例6)であった。製剤例1ないし4
の製剤は約10mgをポリエチレンチューブ(イントラ
メディック、PE90、ベクトンディッキンソン)に充
填し、ポリエチレンチューブを鼻腔内に挿入し、2cc
の空気により噴霧した。製剤例5及び6の製剤はマイク
ロピペット(エクセルマイデジ8000、D―5、三光
純薬)で20μlを投与した。また、比較例1の製剤は
ラット大腿静脈より静脈内投与した(投与量1mg/k
g)。製剤投与後、経時的に尾静脈より採血し、化合物
Bの血清中濃度を測定した。 (結果)化合物Bの血清中濃度の時間推移を[図1]及
び[図2]に示す。本発明の製剤例1ないし4、5及び
6の製剤を経鼻投与すると、静脈内投与した場合と同様
の時間推移を示すことがわかる。従って、経鼻剤とする
ことで化合物Bが速やかに生体内に吸収されることは明
らかである。 実験例2 (方法)化合物Bの薬効は下記に記すラット冠動脈閉塞
・再灌流による心筋梗塞モデルにより評価した。Wis
tar系雄性ラット(11週齢)にペントバルビタール
で麻酔を施し、人工呼吸下開胸した。心嚢膜を切開後、
心臓を露出させ、左冠動脈基始部を心筋ごと糸を通し
た。製剤例3の製剤約5.3mg(化合物Bとして1.
5mg/kg)を実験例1と同様に、左鼻腔内に経鼻投
与した。化合物Bを0.5%メチルセルロースに2mg
/mlの濃度で溶解して比較例とし、5ml/kgの容
量で経口投与した(化合物Bとして10mg/kg)。
経鼻投与5分後あるいは経口投与1時間後に冠動脈を閉
塞した。1時間後に糸を緩めて血流を再開し閉胸した。
覚醒下でケージに戻し翌日まで飼育した。24時間後に
再びペントバルビタールで麻酔し、ヘパリン(1000
U/kg)を静脈内投与後心臓を摘出した。大動脈に逆
行性にポリエチレンチューブを挿入し、生理食塩水で心
臓の余分な血液を洗い流した。心筋に留置した糸を再び
結紮し、虚血領域を求めるために1%エバンスブルーを
灌流し正常領域を染色した。その後、左心室を垂直軸と
平行に6分割し、1%トリフェニルテトラゾリウムクロ
ライドで37℃10分間で壊死細胞以外を染色し、梗塞
巣を秤量した。 (結果)梗塞巣は虚血領域あたりの重量パーセントで示
した。更に炭酸カルシウムのみを経鼻投与あるいは0.
5%メチルセルロースのみを経口投与した場合の虚血領
域あたりの梗塞巣の重量パーセントを100とした場合
の製剤例3あるいは比較例をパーセントで示した。経鼻
剤が経口投与と比較して低投与量にもかかわらず高い心
筋梗塞巣縮小効果を示すことは明らかである。
【表1】 梗塞重量/虚血領域 (%) (%) 炭酸カルシウム 55.3 100 製剤例3 31.4 56.8 0.5%メチルセルロース 60.3 100比較例 41.1 68.2
【0069】
【発明の効果】本発明の経鼻剤は、優れた生体内吸収性
を有し、経口投与剤に優るNa−H交換阻害作用を示す
ことから、心筋梗塞、不整脈等の虚血性心疾患等の予防
治療剤として有用である。
【0070】
【図面の簡単な説明】
【図1】製剤例1ないし4の製剤を経鼻投与した場合、
及び比較例1の製剤を静脈内投与した場合の化合物Bの
血清中濃度の時間推移を示す。
【図2】製剤例5及び6の製剤を経鼻投与した場合、及
び比較例1の製剤を静脈内投与した場合の化合物Bの血
清中濃度の時間推移を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 9/10 A61P 9/10 9/12 9/12 (72)発明者 福本 正司 兵庫県神戸市西区竹の台5丁目12−2 Fターム(参考) 4C031 JA20 4C076 AA93 BB25 CC11 CC13 FF68 4C086 AA01 AA02 AA03 BC28 MA01 MA04 MA59 NA14 ZA36 ZA40 ZA42 ZA45

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 〔式中、A環は置換されていてもよい5又は6員の芳香
    族複素環を、B環は置換されていてもよい5又は6員の
    芳香族同素若しくは複素環を、R1は水素原子、水酸基
    又は低級アルキル基を、nは0又は1を示す。〕で表さ
    れる化合物もしくはそのプロドラッグまたはその塩を含
    有することを特徴とする経鼻剤。
  2. 【請求項2】A環がハロゲン化されていてもよいC1-6
    アルキル又はハロゲン化されていてもよいC1-6アルコ
    キシで置換されていてもよい、窒素原子を1又は2個含
    む5又は6員の含窒素芳香族複素環、B環がハロゲン原
    子、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、水酸
    基又はハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシで
    置換されていてもよい、酸素原子、硫黄原子及び窒素原
    子から選ばれたヘテロ原子を1個含んでいてもよい5又
    は6員の芳香族同素又は複素環、R1が水素原子又は水
    酸基及びnが1である請求項1記載の経鼻剤。
  3. 【請求項3】(±)−7−(2−クロロフェニル)−5
    −グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,7,8−テ
    トラヒドロキノリンもしくはそのプロドラッグまたはそ
    の塩;(±)−7−(5−フルオロ−2−メチルフェニ
    ル)−5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,
    7,8−テトラヒドロキノリンもしくはそのプロドラッ
    グまたはその塩;又は(±)−7−(2−クロロ−5−
    フルオロフェニル)−5−グアニジノイミノ−4−メチ
    ル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンもしくはそ
    のプロドラッグまたはその塩を含有することを特徴とす
    る請求項1記載の経鼻剤。
  4. 【請求項4】(S)−(−)−7−(2−クロロフェニ
    ル)−5−グアニジノイミノ−4−メチル−5,6,
    7,8−テトラヒドロキノリンもしくはそのプロドラッ
    グまたはその塩;(S)−(−)−7−(5−フルオロ
    −2−メチルフェニル)−5−グアニジノイミノ−4−
    メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンもしく
    はそのプロドラッグまたはその塩;又は(S)−(−)
    −7−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−5−グ
    アニジノイミノ−4−メチル−5,6,7,8−テトラ
    ヒドロキノリンもしくはそのプロドラッグまたはその塩
    を含有することを特徴とする請求項1記載の経鼻剤。
  5. 【請求項5】虚血性心疾患予防治療剤である請求項1記
    載の経鼻剤。
  6. 【請求項6】虚血性心疾患が心筋梗塞、不安定狭心症又
    は不整脈である請求項5記載の経鼻剤。
  7. 【請求項7】心不全予防治療剤である請求項1記載の経
    鼻剤。
  8. 【請求項8】(S)−(−)−7−(5−フルオロ−2
    −メチルフェニル)−5−グアニジノイミノ−4−メチ
    ル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンもしくはそ
    のプロドラッグまたはその塩。
  9. 【請求項9】(S)−(−)−7−(2−クロロ−5−
    フルオロフェニル)−5−グアニジノイミノ−4−メチ
    ル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンもしくはそ
    のプロドラッグまたはその塩。
  10. 【請求項10】(S)−(−)−7−(5−フルオロ−
    2−メチルフェニル)−5−グアニジノイミノ−4−メ
    チル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリンもしくは
    そのプロドラッグまたはその塩;又は(S)−(−)−
    7−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−5−グア
    ニジノイミノ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒ
    ドロキノリンもしくはそのプロドラッグまたはその塩を
    含有する医薬組成物。
  11. 【請求項11】Na−H交換阻害剤である請求項10記
    載の組成物。
  12. 【請求項12】虚血性心疾患予防治療剤である請求項1
    0記載の組成物。
  13. 【請求項13】虚血性心疾患が心筋梗塞、不安定狭心症
    又は不整脈である請求項12記載の組成物。
  14. 【請求項14】心不全予防治療剤である請求項10記載
    の組成物。
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