JP2001048588A - プラズマディスプレイパネルで使用するための金属酸化物膜を製造する方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルで使用するための金属酸化物膜を製造する方法

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JP2001048588A
JP2001048588A JP2000174353A JP2000174353A JP2001048588A JP 2001048588 A JP2001048588 A JP 2001048588A JP 2000174353 A JP2000174353 A JP 2000174353A JP 2000174353 A JP2000174353 A JP 2000174353A JP 2001048588 A JP2001048588 A JP 2001048588A
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display panel
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precursor solution
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JP2000174353A
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A Pazu De Aroojo Carlos
エイ. パヅ デ アロージョ カルロス
D Macmillen Larry
ディー. マックミラン ラリー
W Bacon Jeffrey
ダブリュー. ベーコン ジェフリー
Serinsuka Joranta
セリンスカ ジョランタ
D Kyuchiaro Joseph
ディー. キュチアロ ジョセフ
Kota Kano
剛太 加納
Koichi Wani
浩一 和迩
Yoshio Yamaguchi
義夫 山口
Tatsuo Morita
達夫 森田
Koji Arita
浩二 有田
Akihiro Matsuda
明浩 松田
Sachiko Maeda
幸子 前田
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Panasonic Holdings Corp
Symetrix Corp
Original Assignee
Matsushita Electronics Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Symetrix Corp
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  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、大面積プラズマディスプレイパネ
ルおよび他の大光学ディスプレイ基板上に金属酸化物膜
を蒸着する大容量で低価格の方法を提供する。 【解決手段】 以下の工程:光学基板および液状前駆体
溶液を供給すること;液状前駆体溶液を使用して、光学
基板に装着された酸化マグネシウムの固体膜を形成する
こと;および光学基板上の保護被覆として酸化マグネシ
ウムを含有するように、プラズマディスプレイパネルを
完成させること;を包含する、プラズマディスプレイパ
ネルを製造する方法であって、ここで、方法は、液状前
駆体溶液を供給する工程が、溶媒中にカルボン酸マグネ
シウムを含有する溶液を供給することを包含し、溶媒
は、該カルボン酸マグネシウムのモル濃度の少なくとも
約50%の量で、カルボン酸を含有する、方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスプレイ(テ
レビおよびコンピューターで使用されるもの)で使用す
るための金属酸化物膜を備えた大光学基板を被覆するた
めの方法および材料に関する。さらに具体的には、これ
らの方法および装置には、プラズマディスプレイパネル
上に酸化マグネシウム膜を蒸着して形成するための液状
前駆体溶液の使用に関する。
【0002】
【従来の技術】電気的に駆動した視覚画像用のディスプ
レイを形成したい人には、種々の技術が利用できる。こ
れらの技術の一部には、陰極線管、電子発光ディスプレ
イ、液晶ディスプレイ、プラズマ処理液晶、プラズマデ
ィスプレイパネル、真空蛍光ディスプレイ、および後方
投射システムが挙げられる。大面積ディスプレイ(すな
わち、20インチより大きい対角線の視野スクリーンを
有するディスプレイ)を製造する方法には、著しく増大
したプロセス複雑性および価格が付随している。それゆ
え、全ての技術が、大面積ディスプレイの製造に適用す
るとき、コスト競争力がある訳ではない。大面積ディス
プレイの製造で使用するための競争力のある技術には、
陰極線管、プラズマディスプレイパネル、および後方投
射システムが挙げられる。
【0003】プラズマディスプレイパネルは、大面積デ
ィスプレイ用の優れたフラットパネル技術である。嵩張
った陰極線管から得ることができるものを超える画像品
質および性能を有するカラープラズマディスプレイパネ
ルを製造することが可能である。後方投射システムに
は、固有の視覚歪みが付随しており、これらのシステム
はまた、プラズマディスプレイパネルよりも嵩張ってい
る。プラズマディスプレイパネルは、任意の有用なサイ
ズに縮尺し得る。現在のプラズマディスプレイパネル研
究および開発の努力は、約20〜60インチの範囲の対
角線の視野スクリーンを有するディスプレイに集中され
ている。約60インチの対角線の視野スクリーンを有す
る大規模試作型ディスプレイは、現在、製造されている
が、大規模プラズマディスプレイパネルのための低価格
の製造方法は、依然として、開発の初期段階である。
【0004】現在では、製造開発での非常に多くの問題
があるために、大面積プラズマディスプレイパネルの完
全な商品化が妨げられている。Weberらは、Mat
erials and Manufacturing
Issues for Color Plasma D
isplays,MRS Bulletin,65〜6
8頁(1996年3月)において、大面積カラープラズ
マディスプレイパネルの製造開発における多数の問題点
を記述している。これらの問題点には、焼成中のバリヤ
リブ(barrier rib)歪みおよびスクリーン
の伸展により誘発される視覚歪み、誘電性ガラスに対す
る高い焼成温度により誘発される視覚歪み、既存の酸化
マグネシウム蒸着技術に付随した問題点、蛍光体の劣
化、および低い発光効率が挙げられる。0.1%程度の
小さな寸法変化は、これらのプラズマディスプレイパネ
ルの電極の位置決めの際の対応する問題点によって、視
覚歪みを誘発することが知られている。これらの問題点
は、未だに解決されていない。
【0005】最新式のカラープラズマディスプレイは、
酸化マグネシウムの薄層を包含し、これは、前面ガラス
パネルの内面および複数のカソードを被覆している。こ
の酸化マグネシウム層は、この誘電性ガラスの腐食をな
くすのに必要である。この層を蒸着する現在の手法は、
高温真空チャンバ内での酸化マグネシウム標的のスパッ
タリングまたは電子線エバポレーションを包含する。こ
れらの蒸着法は、時間および費用がかかるが、適切な代
替法は知られていない。スパッタリングは、未だに、商
業プロセスに適用することが成功していない。Webe
rらの文献は、67ページにて、電子線エバポレーショ
ンに対する可能な代替解決法がスパッタリングおよびス
クリーン印刷を包含することを述べている;しかしなが
ら、この文献はまた、電子線蒸着に対する適切な高容量
で低価格の代替法が未だに発見されていないことを示唆
している。これらの蒸着法の全ては、グレイン境界間で
の腐食を受ける不適切な円柱状グレイン構造の蒸着を生
じる。
【0006】化学蒸着法を用いて酸化マグネシウム層を
蒸着するために、いくつかの試みがなされている。しか
しながら、これらの試みは、膜において割れおよび光学
歪みがあるために、120ナノメーター厚より大きい有
用な酸化マグネシウム膜の製造に成功していない。19
96年4月23日にVan de Leestに与えら
れた米国特許第5,509,958号は、部分的な加水
分解した酸化マグネシウム溶液(これは、プラズマディ
スプレイパネルで使用するための酸化マグネシウム膜を
製造するのに使用できる)の使用を記述している。その
加水分解可能アルコキシドリガンドは、5個またはそれ
より少ない炭素原子を有するアルコキシドに限定されて
いる。同様に、EP 736,578A2は、エタノー
ル、マグネシウムジメトキシドおよびジエタノールアミ
ンを含有する部分的に加水分解した溶液の使用を教示し
ている。
【0007】このVan de Leestの特許は、
加水分解した溶液、または部分的に加水分解した溶液を
使用することから、多くの問題が生じることを認めてい
る。これらの問題点には、この被覆溶液の短いポットラ
イフ、その有効寿命の間にわたるこの被覆溶液の安定し
ていない粘度、この被覆溶液のゲル化、およびその被覆
装置を頻繁に洗浄する必要性が挙げられる。加水分解を
回避する目的で、この溶液には、水なしで、硝酸が添加
され得るが、この硝酸は、この蒸着設備だけでなく、こ
のガラス基板も腐食し得る。硝酸を使用するには、ま
た、この膜のインサイチュ縮合重合用のヒドロキシルラ
ジカルを発生させる過程にて、紫外線照射を使用する必
要がある。
【0008】この先行技術によれば、水加水分解か、ま
たはこの液状蒸着溶液の酸触媒縮合重合によるヒドロキ
シルラジカルの発生かいずれかが必要である。何故な
ら、加水分解していない溶液は乾燥して、白色粉末残留
物を残し、これは、その下にある基板にうまく結合しな
いからである。カルボン酸マグネシウムは、極性および
無極性溶媒に溶解性が乏しい。この乏しい溶解性の結果
として、その前駆体中の溶媒が蒸発するにつれて、早期
に、カルボン酸マグネシウムの沈殿が生じる。この先行
技術によれば、加水分解がないと、この膜を安定化する
ための酸素結合構造が存在せず、その結果、上記で言及
した粉末状の残留物が生じる。さらに、そのアニール温
度は、このガラス基板の光学歪み点(optical
distortion point)未満でなければな
らず、結果的に、このアニール温度は、この粉末状残留
物をこの基板に結合させるか、またはこの粉末状残留物
を可視光線に対して実質的に透過性にするか、いずれか
には不十分である。
【0009】大面積のプラズマディスプレイ上に酸化マ
グネシウムを蒸着する大容量で低価格の方法に対する真
の必要性が存在している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、大面積プラ
ズマディスプレイパネルおよび他の大光学ディスプレイ
基板上に金属酸化物膜を蒸着する大容量で低価格の方法
を提供することにより、上で概要を述べた問題点を克服
する。この蒸着方法は、20インチより大きい対角線を
有するディスプレイ上に120ナノメーター(nm)よ
り大きい厚さを有する膜において、優れた電気光学特性
を有する均一な金属酸化物膜(特に、酸化マグネシウム
膜)を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の工程:
光学基板および液状前駆体溶液を供給すること;該液状
前駆体溶液を使用して、該光学基板に装着された酸化マ
グネシウムの固体膜を形成すること;および該光学基板
上の保護被覆として該酸化マグネシウムを含有するよう
に、該プラズマディスプレイパネルを完成させること;
を包含する、プラズマディスプレイパネルを製造する方
法であって、ここで、該方法は、該液状前駆体溶液を供
給する工程が、溶媒中にカルボン酸マグネシウムを含有
する溶液を供給することを包含し、該溶媒は、該カルボ
ン酸マグネシウムのモル濃度の少なくとも約50%の量
で、カルボン酸を含有する、方法を特徴とし、これによ
り上記目的が達成される。
【0012】一つの局面では、以下の工程:光学基板お
よび液状前駆体溶液を供給すること;該液状前駆体溶液
を使用して、該光学基板に装着された酸化マグネシウム
の固体膜を形成すること;および該光学基板上の保護被
覆として該酸化マグネシウムを含有するように、該プラ
ズマディスプレイパネルを完成させること;を包含す
る、プラズマディスプレイパネルを製造する方法であっ
て、ここで、該方法は、該液状前駆体溶液を供給する工
程が、溶媒中にカルボン酸マグネシウムを含有する溶液
を供給することを包含し、該溶媒は、メタノールを含有
する。
【0013】一つの局面では、上記溶媒が、さらに、カ
ルボン酸を含有する。
【0014】一つの局面では、上記カルボン酸マグネシ
ウムが、カルボキシレートリガンドを含有し、各リガン
ドが、5個〜11個の炭素原子を有する。
【0015】一つの局面では、上記カルボン酸の分子
が、5個〜11個の炭素原子を有する。
【0016】一つの局面では、上記カルボン酸マグネシ
ウムのカルボキシレートリガンドが、上記カルボン酸の
共役塩基である。
【0017】一つの局面では、上記カルボン酸マグネシ
ウムが、一対のカルボキシレートリガンドに結合したマ
グネシウムを含有し、上記カルボン酸が、該カルボキシ
レートリガンドの少なくとも1個に関して、共役酸であ
る。
【0018】一つの局面では、上記カルボン酸マグネシ
ウムが、上記溶媒中にて、上記液状前駆体溶液1リット
ルあたり、0.4〜0.8モルの範囲のモル濃度を有す
る。
【0019】一つの局面では、上記溶媒が、上記前駆体
溶液の粘度を2センチポアズ未満の値まで低下させるの
に有効な量で添加された短鎖アルコールを含有する。
【0020】一つの局面では、上記溶媒が、アルコール
を含有する。
【0021】一つの局面では、上記アルコールが、メタ
ノールである。
【0022】一つの局面では、上記カルボン酸が、上記
カルボン酸マグネシウムのモル濃度の少なくとも100
%に等しい量で存在している。
【0023】一つの局面では、上記カルボン酸が、上記
カルボン酸マグネシウムのモル濃度の少なくとも200
%に等しい量で存在している。
【0024】一つの局面では、上記形成する工程が、以
下の工程:上記光学基板を、上記液状前駆体溶液の薄膜
で被覆すること;および酸素含有雰囲気にて、該薄膜を
加熱して、上記酸化マグネシウムを形成すること、を包
含する。
【0025】一つの局面では、上記薄膜を加熱する上記
工程が、上記光学基板の光学歪み温度未満の温度で起こ
る。
【0026】一つの局面では、上記薄膜を加熱する上記
工程が、該薄膜を、90℃未満の温度で乾燥する工程を
包含する。
【0027】一つの局面では、上記薄膜を乾燥する上記
工程が、70℃以下の温度で実行される。
【0028】一つの局面では、上記加熱する工程が、上
記乾燥する工程の後、200℃〜400℃の範囲の温度
で、上記膜を焼き付ける工程を包含する。
【0029】一つの局面では、上記加熱する工程が、上
記焼き付ける工程の後、450℃〜550℃の範囲の温
度で、上記膜をアニールする工程を包含する。
【0030】一つの局面では、上記膜を加熱する上記工
程が、上記アニールする工程の後、窒素および窒素と水
素の混合物からなる群から選択される雰囲気にて、アニ
ールする工程を包含する。
【0031】一つの局面では、上記前駆体膜を加熱する
上記工程が、520℃未満の温度まで加熱することから
なる。
【0032】一つの局面では、上記前駆体膜を加熱する
上記工程が、還元雰囲気中で加熱することを包含する。
【0033】一つの局面では、上記還元雰囲気が、本質
的に、窒素および水素の混合物からなる。
【0034】一つの局面では、窒素および水素の上記混
合物が、1:99〜1:9の範囲の水素:窒素の容量比
を包含する。
【0035】一つの局面では、表面を被覆する上記工程
が、上記光学基板上へと上記液状前駆体溶液をスピン処
理することを包含する。
【0036】一つの局面では、上記表面を被覆する工程
が、上記光学基板上へと上記液状前駆体溶液をミスト処
理することを包含する。
【0037】一つの局面では、上記カルボン酸マグネシ
ウムが、以下の分子式:
【0038】
【化3】 を有し、ここで、Xは、0〜1の範囲の整数であり;R
1、R2、R3およびR4は、独立して、水素、アルキル置
換基、アルケニル置換基およびアルキニル置換基からな
る群から選択され;R1は、3個〜10個の炭素原子を
有し;そしてR2、R3およびR4は、組み合わせて、3
個〜9個の炭素原子を有する。
【0039】一つの局面では、Xが、0であり、R
2が、エチルであり、R3が、水素であり、そしてR
4が、ブチルである。
【0040】一つの局面では、上記形成する工程が、化
学蒸着を包含する。
【0041】一つの局面では、上記光学基板上に電極を
作製する工程、および該電極を誘電性ガラスで被覆する
工程を包含し、ここで、該電極を作製し該電極を被覆す
る工程が、上記酸化マグネシウムを形成する上記工程の
前に、実行される。
【0042】一つの局面では、上記形成する工程の前
に、上記誘電性ガラス上にバッファー層を作製する工程
を包含する。
【0043】一つの局面では、上記バッファー層が、二
酸化ケイ素、酸化鉛および酸化アルミニウムからなる群
から選択される材料を含有する。
【0044】一つの局面では、本発明は上記に記載の方
法により製造される、プラズマディスプレイパネルであ
る。
【0045】一つの局面では、光学基板上に酸化マグネ
シウム層を形成する際に使用する液状前駆体溶液であっ
て、該溶液は、カルボン酸マグネシウムおよび溶媒を含
有し;ここで、該溶媒は、該カルボン酸マグネシウムの
モル濃度の少なくとも約50%の量で、カルボン酸を含
有する。
【0046】一つの局面では、光学基板上に酸化マグネ
シウム層を形成する際に使用する液状前駆体溶液であっ
て、該溶液は、カルボン酸マグネシウムおよび溶媒を含
有し;ここで、該溶媒は、メタノールを含有する。
【0047】一つの局面では、上記溶媒が、さらに、カ
ルボン酸を含有する。
【0048】一つの局面では、上記カルボン酸マグネシ
ウムが、カルボキシレートリガンドを含有し、各リガン
ドが、5個〜11個の炭素原子を有する。
【0049】一つの局面では、上記カルボン酸マグネシ
ウムの上記カルボキシレートリガンドが、上記カルボン
酸の共役塩基である。
【0050】一つの局面では、上記カルボン酸マグネシ
ウムが、1リットルあたり、0.4〜0.8モルの範囲
のモル濃度を有する。
【0051】一つの局面では、上記溶媒が、上記前駆体
溶液の粘度を2センチポアズ未満の値まで低下させるの
に有効な量で添加された短鎖アルコールを含有する。
【0052】一つの局面では、上記短鎖アルコールが、
メタノールを包含する。
【0053】一つの局面では、上記カルボン酸の分子
が、5個〜11個の炭素原子を有する。
【0054】一つの局面では、上記カルボン酸が、上記
カルボン酸マグネシウムのモル濃度の少なくとも100
%に等しい量で存在している。
【0055】一つの局面では、上記カルボン酸が、上記
カルボン酸マグネシウムのモル濃度の少なくとも200
%に等しい量で存在している。
【0056】一つの局面では、上記カルボン酸マグネシ
ウムが、以下の分子式:
【0057】
【化4】 を有し、ここで、Xは、0〜1の範囲の整数であり;R
1、R2、R3およびR4は、独立して、水素、アルキル置
換基、アルケニル置換基およびアルキニル置換基からな
る群から選択され;R1は、3個〜10個の炭素原子を
有し;そしてR2、R3およびR4は、組み合わせて、3
個〜9個の炭素原子を有する。
【0058】一つの局面では、Xが、0であり、R
2が、エチルであり、R3が、水素であり、そしてR
4が、ブチルである。
【0059】一つの局面では、以下の工程:光学基板お
よび液状前駆体溶液を供給すること;該液状前駆体溶液
を使用して、該光学基板上に、金属の酸化物の固体膜を
形成すること;および該光学基板上の保護被覆として該
金属酸化物を含有するように、該プラズマディスプレイ
パネルを完成させること;を包含する、プラズマディス
プレイパネルを製造する方法であって、ここで、該方法
は、該供給する工程は、第一溶媒中に金属化合物を含有
する該液状前駆体溶液を供給することを包含し、該第一
溶媒は、該金属化合物の分解温度の75℃以内の沸点を
有する高温溶媒を含有する。
【0060】一つの局面では、上記液状前駆体溶液が、
さらに、第二溶媒を含有し、該第二溶媒が、上記光学基
板を濡らす溶媒を含有する。
【0061】一つの局面では、上記高温溶媒が、上記金
属化合物の分解温度の50℃以内の沸点を有する。
【0062】一つの局面では、上記高温溶媒が、上記金
属化合物の分解温度の35℃以内の沸点を有する。
【0063】一つの局面では、光学基板上に金属酸化物
層を形成する際に使用する液状前駆体溶液であって、該
溶液は、金属化合物および第一溶媒を含有し、該第一溶
媒は、該金属化合物の分解温度の75℃以内の沸点を有
する。
【0064】一つの局面では、上記液状前駆体溶液が、
さらに、第二溶媒を含有し、該第二溶媒が、上記光学基
板を濡らす溶媒を含有する。
【0065】一つの局面では、上記第一溶媒が、上記金
属化合物の分解温度の50℃以内の沸点を有する。
【0066】一つの局面では、上記第一溶媒が、上記金
属化合物の分解温度の35℃以内の沸点を有する。
【0067】一つの局面では、以下の工程:部分的に完
成したプラズマディスプレイパネルおよび液状前駆体溶
液を供給すること;該液状前駆体溶液を使用して、該部
分的に完成したプラズマディスプレイパネル上に、固体
物質を形成すること;および該部分的に完成したプラズ
マディスプレイパネル上の被覆として該固体物質の少な
くとも一部を含有するように、該プラズマディスプレイ
パネルの作製を完成すること;を包含する、プラズマデ
ィスプレイパネルを製造する方法であって、ここで、該
方法は、該形成する工程が、以下:該液状前駆体溶液の
ミストを製造すること;該ミストを、該部分的に完成し
たプラズマディスプレイパネルの上へ流して、該部分的
に完成したプラズマディスプレイパネル上に、該液状前
駆体溶液の層を形成すること;および該部分的に完成し
たプラズマディスプレイパネル上の該液体層を処理し
て、該固体物質を形成すること、を包含する。
【0068】一つの局面では、上記固体物質が、金属酸
化物を含有する。
【0069】一つの局面では、上記金属酸化物が、酸化
マグネシウムを含有する。
【0070】一つの局面では、上記液状前駆体溶液が、
カルボン酸マグネシウムを含有する。
【0071】一つの局面では、上記カルボン酸マグネシ
ウムが、カルボキシレートリガンドを含有し、各リガン
ドが、5個〜11個の炭素原子を有する。
【0072】一つの局面では、上記液状前駆体溶液が、
カルボン酸を含む溶媒を含有する。
【0073】一つの局面では、上記カルボン酸の分子
が、5個〜11個の炭素原子を有する。
【0074】一つの局面では、上記液状前駆体溶液が、
カルボン酸金属塩を含有し、そして上記カルボン酸が、
該カルボン酸金属塩のモル濃度の少なくとも100%に
等しい量で存在している。
【0075】一つの局面では、上記カルボン酸が、上記
カルボン酸金属塩のモル濃度の少なくとも200%に等
しい量で存在している。
【0076】一つの局面では、上記カルボン酸金属塩の
カルボキシレートリガンドが、上記カルボン酸の共役塩
基である。
【0077】一つの局面では、上記カルボン酸マグネシ
ウムが、1リットルあたり、0.4〜0.8モルの範囲
のモル濃度を有する。
【0078】一つの局面では、上記液状前駆体溶液が、
メタノールを含む溶媒を含有する。
【0079】一つの局面では、上記に記載の方法であっ
て、上記ミストを電気的に加速する工程をさらに包含す
る。
【0080】一つの局面では、上記流す工程が、シャワ
ーヘッドプレートを通して上記ミストを流すことを包含
する。
【0081】一つの局面では、上記流す工程が、上記シ
ャワーヘッドプレートを通して上記ミストを流す前に、
該ミストを拡大チャンバへと流すことをさらに包含す
る。
【0082】一つの局面では、上記ミストを製造する工
程が、ベンチュリを使用して該ミストを製造することを
包含する。
【0083】一つの局面では、上記ミストを製造する工
程が、質量流量制御器で上記液状前駆体溶液の流れを制
御することを包含する。
【0084】一つの局面では、上記処理する工程が、以
下:真空に晒すこと、紫外線に暴露すること、乾燥する
こと、加熱すること、焼き付けること、急速熱処理、お
よびアニーリング、からなる群から選択される工程を包
含する。
【0085】一つの局面では、上記処理する工程が、上
記薄膜を、20℃と90℃の間の温度で乾燥する工程を
包含する。
【0086】一つの局面では、上記処理する工程が、上
記乾燥する工程の後、200℃〜400℃の範囲の温度
で、上記膜を焼き付ける工程を包含する。
【0087】一つの局面では、上記加熱する工程が、上
記焼き付ける工程の後、450℃〜550℃の範囲の温
度で、上記膜をアニールする工程を包含する。
【0088】一つの局面では、以下の工程:光学的に部
分的に完成したプラズマディスプレイパネルおよび液状
前駆体溶液を供給すること;該液状前駆体溶液を該部分
的に完成したプラズマディスプレイパネルに塗布して、
該部分的に完成したプラズマディスプレイパネル上に膜
を形成すること;該膜を加熱して、固体物質を形成する
こと;および該部分的に完成したプラズマディスプレイ
パネル上の保護被覆として該固体物質の少なくとも一部
を含有するように、該プラズマディスプレイパネルの作
製を完成すること;を包含する、プラズマディスプレイ
パネルを製造する方法であって、ここで、該方法は、該
加熱する工程が、複数の加熱段階で該膜を加熱すること
を包含し、該複数の加熱段階の各々は、該膜のアニール
温度より低い異なる温度でなされる。
【0089】一つの局面では、上記複数の加熱段階で加
熱する工程が、以下:10℃と175℃の間の温度で、
上記部分的に完成したプラズマディスプレイパネル上の
上記膜を乾燥すること;および200℃と400℃の間
の温度で、該部分的に完成したプラズマディスプレイパ
ネル上の上記膜を焼き付けて、該部分的に完成したプラ
ズマディスプレイパネル上に、固体物質を形成するこ
と;を包含する。
【0090】一つの局面では、上記乾燥する工程が、2
0℃と90℃の間の温度で実行される。
【0091】一つの局面では、上記液状前駆体溶液が、
メタノールを含有し、上記乾燥する工程が、約30分間
にわたって、約20℃で実行される。
【0092】一つの局面では、上記塗布する工程が、ミ
スト形成蒸着を包含し、そして上記乾燥する工程が、7
0℃の温度で実行される。
【0093】一つの局面では、請求項76に記載の方法
であって、450℃〜550℃の範囲の温度で、酸素中
にて、上記膜をアニールする工程をさらに包含する。
【0094】一つの局面では、上記アニールする工程
が、約60分間にわたって、約520℃の温度で加熱す
ることを包含する。
【0095】一つの局面では、上記アニールする工程
が、約10℃/分の勾配速度で、該温度まで勾配を付け
ることを包含する。
【0096】一つの局面では、上記に記載の方法であっ
て、約400℃〜550℃の温度で、50〜90分間に
わたって、不活性または還元雰囲気で、上記光学的に部
分的に完成したプラズマディスプレイパネルおよび膜を
焼き付ける工程をさらに包含する。
【0097】一つの局面では、以下の工程:光学基板お
よび液状前駆体溶液を供給すること;該液状前駆体溶液
を該光学基板に塗布して、該光学基板上に膜を形成する
こと;該光学基板上の該膜を加熱して、該光学基板上に
固体物質を形成すること;および該光学基板上の被覆と
して該固体物質の少なくとも一部を含有するように、該
プラズマディスプレイパネルの作製を完成すること;を
包含する、プラズマディスプレイパネルを製造する方法
であって、ここで、該方法は、該加熱する工程が、少な
くとも10℃/分の温度勾配速度を包含する。
【0098】一つの局面では、上記加熱する工程が、4
50℃と550℃の間の温度でアニールすることを包含
する。
【0099】一つの局面では、上記加熱する工程が、2
00℃と400℃の間の温度で焼き付けることを包含す
る。
【0100】一つの局面では、上記加熱する工程が、約
400℃〜500℃の温度で、不活性または還元雰囲気
で、上記光学基板および上記膜を焼き付けることを包含
する。
【0101】一つの局面では、酸化マグネシウム層を有
する光学基板を有するプラズマディスプレイパネルであ
って、その改良点として、該酸化マグネシウム層が、幅
広いというよりむしろ背が高い円柱状グレイン構造が該
光学基板から生じることが実質的にないことを特徴とす
る。
【0102】一つの局面では、上記酸化マグネシウム層
が、主に、該酸化マグネシウム層の厚さの半分未満のグ
レインから形成される。
【0103】一つの局面では、上記酸化マグネシウム層
の上記グレインが、主に、背が高いよりもむしろ幅が広
い。
【0104】一つの局面では、上記酸化マグネシウム層
の上記グレインが、隙間空間が該酸化マグネシウム層を
通って伸長するのを防止するために、他のグレインに対
して垂直の関係で主に重なり合っている。
【0105】一つの局面では、上記酸化マグネシウム層
を得るのに使用される液状前駆体液の液体蒸着を包含す
る方法により製造される。
【0106】一つの局面では、電子線蒸着処理により生
じる酸化マグネシウムと比較して、実質的に同じカソー
ド発光スペクトルを有する。
【0107】一つの局面では、酸化マグネシウム層を有
するプラズマディスプレイパネルを包含する電気光学装
置であって、その改良点として、該酸化マグネシウム層
が、該酸化マグネシウム層の厚さの半分未満の高さのグ
レインサイズを有することを特徴とする。
【0108】一つの局面では、酸化マグネシウム層を有
するプラズマディスプレイパネルを包含する電気光学装
置であって、その改良点として、該酸化マグネシウム層
が、ランダムに配向したグレインを有することを特徴と
する。
【0109】一つの局面では、酸化マグネシウム層を有
するプラズマディスプレイパネルを包含する電気光学装
置であって、その改良点として、該酸化マグネシウム層
の該グレインが、隙間空間が該酸化マグネシウム層を通
って伸長するのを防止するために、他のグレインに対し
て垂直の関係で主に重なり合っていることを特徴とす
る。
【0110】一つの局面では、プラズマディスプレイパ
ネルを製造するための装置であって、該装置は、該プラ
ズマディスプレイパネル保持器は、部分的に完成したプ
ラズマディスプレイパネルを保持するためのプラズマデ
ィスプレイパネル保持器を包含し、ここで、該装置は、
以下:液状前駆体源;該液状前駆体のミストを生成する
ためのミスト発生器;および該プラズマディスプレイパ
ネル保持器上の部分的に完成したプラズマディスプレイ
パネルに該ミストを塗布して、該部分的に完成したプラ
ズマディスプレイパネル上に、該前駆体の薄膜を形成す
るためのミスト塗布器;を包含する。
【0111】一つの局面では、上記ミスト塗布器が、シ
ャワーヘッドを包含する。
【0112】一つの局面では、上記シャワーヘッドが、
ミスト霧箱および複数のミスト通路を有するシャワーヘ
ッドプレートを包含する。
【0113】一つの局面では、上記に記載の装置であっ
て、上記部分的に完成したプラズマディスプレイパネル
上に、上記ミスト塗布器を通すための可動性ミスト塗布
器支持アセンブリをさらに包含する。
【0114】一つの局面では、上記ミスト発生器が、ベ
ンチュリを包含する。
【0115】一つの局面では、上記に記載の装置であっ
て、上記ミストを荷電するための荷電ユニット、および
該ミストを上記部分的に完成したプラズマディスプレイ
パネルに向けて加速するための電子ミスト加速器をさら
に包含する。
【0116】一つの局面では、上記荷電ユニットが、コ
ロナワイヤを包含する。
【0117】一つの局面では、上記に記載の装置であっ
て、上記液状前駆体源と上記ミスト発生器との間で、質
量流量制御器をさらに包含する。
【0118】一つの局面では、複数の上記質量流量制御
器を包含する。
【0119】一つの局面では、上記に記載の装置であっ
て、上記部分的に完成したプラズマディスプレイパネル
を加熱するためのヒーターをさらに包含する。
【0120】一つの局面では、酸化マグネシウム層で被
覆した前面パネルを有するプラズマディスプレイパネル
を包含する電気光学装置であって、ここで、該酸化マグ
ネシウム層が、以下の工程:該前面パネルの表面を、溶
媒に分散したカルボン酸マグネシウム部分を含有する液
状前駆体溶液で被覆することであって、該カルボン酸マ
グネシウム部分は、5個〜11個の炭素原子を有する;
該前面パネル上の該液状前駆体溶液を乾燥して、乾燥前
駆体膜を供給すること;および該乾燥前駆体膜を、酸素
中で、加熱して、光学基板上に酸化マグネシウム層を供
給すること;を包含する方法により形成される。
【0121】一つの局面では、上記酸化マグネシウム層
を形成するのに使用される上記方法での上記乾燥する工
程が、第一プラトー温度まで加熱することに続いて、第
二プラトー温度まで加熱することを包含する。
【0122】一つの局面では、上記酸化マグネシウム層
を形成するのに使用される上記方法での上記加熱する工
程が、上記乾燥前駆体膜を、酸素中で、500℃未満の
温度で加熱して、該酸化マグネシウム層を製造すること
を包含する。
【0123】
【発明の実施の形態】本発明は、光学基板(例えば、石
英またはソーダ石灰ガラスの基板)上に金属酸化物の薄
層を形成するための液状前駆体溶液を使用することに関
する装置および方法を提供する。この基板は、好ましく
は、電気光学ディスプレイ(例えば、プラズマディスプ
レイパネル)で使用するように設計されている。本発明
の原理に従って、酸化マグネシウム層は、早期に乾いて
溶液からカルボン酸マグネシウムまたは酸化マグネシウ
ムを沈殿しない液状前駆体を使用して、形成される。こ
の液状前駆体は、膜として、この光学基板に塗布され
る。この膜は、好ましくは、この光学基板の光学歪み点
より低い温度で熱分解および酸素アニーリングを受ける
前に、部分的にのみ、乾燥される。
【0124】この光学基板の上へこの液状前駆体溶液を
蒸着する方法には、ミスト形成蒸着、スピンオン蒸着、
ディップコーティング、および化学蒸着が挙げられる。
これらの蒸着方法は、従来の電子線エバポレーション処
理の低コストの代替法である。実験室の結果から、本発
明に従って酸化マグネシウム層を使用して製造されたプ
ラズマディスプレイパネルおよびその画素は、この電子
線エバポレーション法により酸化マグネシウム層を使用
して製造されたプラズマディスプレイパネルおよび画素
のものと実質的に同じ発光スペクトル、DC電流および
電圧特性、および放電電流トランジットを有する。しか
しながら、この膜の微細構造は、非常に異なり、さらに
ランダムに配向を有する。
【0125】この前駆体溶液は、上記問題点を解決する
重要な局面である。好ましい前駆体溶液には、前駆体金
属化合物、この光学基板を濡らすのに有効な一溶媒、お
よびこの前駆体金属化合物の分解温度に近い高沸点を有
する別の「高温」溶媒が挙げられる。好ましくは、この
高温溶媒は、この前駆体金属化合物の分解温度の75℃
以内の沸点、最も好ましくは、この金属前駆体化合物の
50℃以内の沸点を有する。
【0126】本発明の1実施態様では、この液状前駆体
溶液は、中間の長さ(すなわち、5個〜11個の炭素原
子)のカルボキシレートリガンドを有するカルボン酸マ
グネシウムを含有する。このカルボン酸金属は、カルボ
ン酸、キシレン、アルコール、ケトン、エステルおよび
エーテル、およびそれらの混合物からなる群から選択さ
れる溶媒に分散される。本発明の特に好ましい特徴は、
この光学基板を被覆する工程においてこの基板の濡れ性
を向上する界面活性剤または溶媒として、短鎖アルコー
ル(例えば、メタノール)の使用が関係している。これ
らのアルコールは、20℃での溶液粘度を約2センチポ
アズ未満の値まで低くするという別の利点を与える。
【0127】酸化マグネシウムの粉末状膜の形成を回避
する際の重要な因子は、約200℃を超える高い沸点を
有する成分および溶液中のこのカルボン酸マグネシウム
の溶解性を維持する性能と共に、この前駆体溶媒を提供
することである。カルボン酸(特に、このカルボン酸マ
グネシウム上のこのカルボキシレートリガンドの共役塩
基に相当するカルボン酸)は、この目的に特に好まし
い。これに関連して、共役塩基とは、対応するカルボン
酸とは1個の水素原子だけ異なるリガンドである。カプ
ロン酸、ヘプタン酸およびオクタン酸は、この目的に適
切である。2−エチルヘキサン酸は、特に好ましい。
【0128】それゆえ、本発明の別の実施態様では、カ
ルボン酸は、この液状前駆体溶液中でこのカルボン酸金
属塩を可溶化または保持するための共溶媒として使用す
るのに好ましい。このカルボン酸マグネシウムのカルボ
キシレートリガンドは、このカルボン酸共溶媒の塩とし
て誘導されるのが、特に好ましい。例えば、このカルボ
ン酸マグネシウムが、マグネシウムカチオンおよび2個
のアニオン性2−エチルヘキサン酸塩リガンドからなる
ジ−2−エチルヘキサン酸マグネシウムであるとき、こ
のカルボン酸共溶媒として、2−エチルヘキサン酸を使
用するのは、特に好ましい。
【0129】本発明の背景において指摘したように、完
全に乾燥すると(すなわち、全ての溶媒を除去する
と)、従来の液状前駆体溶液は、典型的には、カルボン
酸マグネシウムおよび酸化マグネシウムの使用不可能な
脆い粉末状残留物を生じる。この粉末は、装置温度限界
内の引き続いた処理によっても、この脆い粉末残留物を
粘着性層へと変化させることができないので、使用不可
能である。本発明による液状前駆体では、この溶液に、
過剰量の高温溶媒(例えば、カルボン酸)が添加され
て、カルボン酸マグネシウムおよび酸化マグネシウムの
早期の沈殿が回避される。この実施態様では、この高温
溶媒(例えば、このカルボン酸)は、この金属酸化物
(例えば、カルボン酸マグネシウム)のモル濃度の少な
くとも約50%の量で存在すべきである。この反応混合
物にカルボン酸3モル(50%過剰量)を添加すること
によりマグネシウム1モルをカルボン酸2モルと反応さ
せることによって形成された溶液は、かろうじて有用で
あり得るが、この前駆体を使用すると、一般に、カルボ
ン酸マグネシウム粉末の沈殿物を生じ、これは、その用
途を制限する。もし、50%と100%の間の過剰量の
この高温溶媒を添加したなら、中間の長さのカルボン酸
についての結果は、関与しているカルボン酸の依存し
て、色々と異なる。少なくとも100%の過剰量のこの
高温溶媒(例えば、カルボン酸)は、特に、ミスト形成
蒸着方法に対して、有用な溶液を提供する;すなわち、
このような溶液は、無用な粉末状残留物を生じない様式
で、乾燥されアニールできる。少なくとも200%の過
剰量のこの高温溶媒(例えば、カルボン酸)は、特に、
この溶液を、スピンオン蒸着または浸漬塗装により、こ
の基板に塗布する場合にて、有用な溶液を提供する。あ
る場合には、500%までの過剰量のこの高温溶媒が使
用され得る。
【0130】好ましい実施態様では、もし、このカルボ
ン酸(例えば、2−エチルヘキサン酸)が、このカルボ
ン酸マグネシウム(例えば、2−エチルヘキサン酸マグ
ネシウム)の熱分解中に存在するなら、酸化マグネシウ
ムの無用な粉末状残留物の形成は回避される。この分解
は、約260℃で起こる。この膜は、この過剰カルボン
酸塩とカルボン酸マグネシウムとの成分比が低すぎるな
ら、粉末状または不透明な(occluded)外観を
有し、この場合、0.5:1.0の比は、粉末状または
不透明な膜を生じる傾向にあり、1:1の比は、このガ
ラス基板を加熱する場合に、ミスト形成蒸着による使用
に特に適切であり、また、2:1の比は、スピンオンお
よび浸漬塗装蒸着法と共に使用するのに特に適切であ
る。
【0131】好ましい実施態様では、このカルボン酸マ
グネシウムは、好ましくは、この溶媒中に、1リットル
あたり、0.3〜0.8モルの範囲のモル濃度を有し、
このモル濃度は、さらに好ましくは、1リットルあた
り、0.4〜0.7モルの範囲であり、0.6M溶液が
最も好ましい。さらに希薄な溶液は、膜厚を形成するの
に、過度の被覆作業数を必要とし得、また、さらに濃厚
な溶液には、膜欠陥(例えば、ひび割れまたは光学歪
み)が付随する。少なくとも200%の過剰量のカルボ
ン酸は、好ましくは、もし、この溶液がスピンオン蒸着
または浸漬塗装によりこの基板に塗布されるなら、使用
される。この膜は、もし、過剰カルボン酸塩とカルボン
酸マグネシウムとの組成比が低すぎるなら、粉末状また
は不透明な外観を有する;0.5:1.0の比は、粉末
状または不透明な膜を生じる傾向にあり、1:1の比
は、比較的に低い粘度前駆体を供給して、このガラス基
板を加熱する場合にて、ミスト形成蒸着による使用に特
に適当であり、そして2:1の比は、さらに高い粘度の
前駆体を供給して、スピンオンおよび浸漬塗装蒸着法と
共に使用するのに、特に適当である。この低い粘度の溶
液は、このミスト形成蒸着法にて、さらに高い蒸着速度
を生じる。これらの全ての蒸着方法では、この過剰のカ
ルボン酸は、一般に、粘着性の薄膜酸化マグネシウム層
を形成できるまで、このカルボン酸マグネシウムおよび
酸化マグネシウムを溶液中に保つ。
【0132】本発明の他の局面では、本発明の特に有利
な特徴は、低温処理の使用にある。特に、ソーダ石灰ガ
ラスは、約520℃(これは、このガラスの光学歪み点
に近い)より高く加熱すべきではない。「光学歪み点」
との用語は、本明細書により、この光学基板が、この温
度または時間−温度組合せに晒す直接的な結果として、
光学的な不規則性の形成のために、意図して使用環境で
の使用に不適当とされる温度または時間−温度組合せを
意味するように定義されている。本発明のこの局面で
は、乾燥段階、焼き付け段階およびアニーリング段階を
含めた複数の段階で、この光学基板上の液状前駆体膜を
加熱するのが好ましい。各段階では、この温度は、所定
時間にわたって、水平域温度で保持される。本開示で
は、本発明者は、最も低い水平域を乾燥工程と呼び、中
間水平域(単数および複数)を焼き付け工程(単数およ
び複数)と呼び、そして最も高い水平域をアニーリング
工程と呼ぶ。第一加熱段階では、この液状前駆体溶液の
膜は、好ましくは、酸素中にて、10℃〜175℃の範
囲の温度で乾燥され、この範囲は、さらに好ましくは、
20℃〜40℃であり、最も好ましい温度は、この溶媒
がメタノールを含有しこの前駆体がミスト形成蒸着以外
の方法で塗布されるとき、室温または約20℃で30分
間であり、この前駆体がミスト形成蒸着により塗布され
るとき、約40℃である。第二加熱段階では、乾燥した
前駆体膜は、好ましくは、酸素中にて、70℃〜400
℃の範囲の温度で焼き付けられる;好ましくは、この温
度は、少なくとも10℃/分の速度で勾配(ramp)
が付けられ、この温度は、最も好ましくは、約350℃
で、10分間〜1時間、好ましくは、約30分間保持さ
れる。この第二水平域は、350℃以上であるのが重要
である。この焼き付け残留物は、次いで、好ましくは、
酸素中にて、450℃〜550℃の範囲の温度で、30
分間〜2時間にわたってアニールされ、この場合、その
最大温度は、このガラス基板に対する光学歪み点未満で
ある。このガラス基板が、ソーダガラスまたは鉛ガラス
を含有する場合、最も好ましいアニールプロフィール
は、520℃で60分間であるが、475℃程度に低い
アニールに対してもまた、優れた結果が得られた。前記
時間は、全て、この温度水平域が維持される時間を意味
している。室温または前の温度から水平域温度まで、お
よび最高水平域温度から室温まで戻って、この基板の温
度に勾配を付けるには、余分な時間が必要である。この
アニール時間および温度とは関係なく、少なくとも10
℃/分の勾配速度が好ましい。特に、200℃〜350
℃の温度範囲またはこの中間温度焼き付け工程の最終水
平域温度では、少なくとも10℃/分の勾配温度は、粉
末状残留物の形成を回避するのに、非常に好ましい。好
ましくは、この酸素は、そのオーブンに入れる前に暖め
られ、好ましくは、一様に分布される。これらの加熱段
階の全ては、単一のプログラム化可能なオーブンを使用
して、このオーブンからこの光学基板を取り除くことな
く、連続して実行すべきである。
【0133】この酸素アニールに引き続いて、この酸化
マグネシウム膜に酸素空隙を設けるために、還元雰囲気
(例えば、水素および窒素の混合物)にて、この光学基
板をアニールすることはまた、特に有利である。この還
元アニールは、この酸素アニールの後に実行され、好ま
しくは、この酸素アニールと同じ様式で、この酸素アニ
ールの後に実行され、または少なくとも、この酸素アニ
ールに割り当てられた好ましい範囲内で、実行される。
【0134】この光学基板の均一な濡れ性が高められ、
そして表面不規則性は、この光学基板とこの酸化マグネ
シウム層との間のバッファー層を任意に蒸着することに
より、補償される。このバッファー層は、好ましくは、
二酸化ケイ素、酸化鉛、または酸化アルミニウムから製
造される。これらの材料の全ては、誘電性ガラス層(こ
れは、従来、このプラズマディスプレイパネルの電極を
被覆する)と置き換えられ得る。
【0135】本発明は、以下の工程を包含するプラズマ
ディスプレイパネルを製造する方法を提供する:光学基
板および液状前駆体溶液を供給することであって、この
液状前駆体溶液は、溶媒中にカルボン酸マグネシウムを
含有し、この溶媒は、このカルボン酸マグネシウムのモ
ル濃度の少なくとも約50%の量で、カルボン酸を含有
する;この前駆体液体を使用して、この光学基板に装着
された酸化マグネシウムの固体膜を形成すること;およ
びこの光学基板上の保護被覆としてこの酸化マグネシウ
ムを含有するように、このプラズマディスプレイパネル
を完成させること。好ましくは、このカルボン酸マグネ
シウムは、カルボキシレートリガンドを含有し、各リガ
ンドは、5個〜11個の炭素原子を有する。好ましく
は、このカルボン酸の分子は、5個〜11個の炭素原子
を有する。好ましくは、このカルボン酸は、このカルボ
ン酸マグネシウムのモル濃度の少なくとも100%に等
しい量で、存在している。最も好ましくは、このカルボ
ン酸は、このカルボン酸マグネシウムのモル濃度の少な
くとも200%に等しい量で、存在している。好ましく
は、この形成する工程は、以下の工程を包含する:この
光学基板を、この前駆体液体の薄膜で被覆すること;お
よび酸素含有雰囲気にて、この前駆体液体の薄膜を加熱
して、この酸化マグネシウムを形成すること。好ましく
は、この表面を被覆する工程は、この光学基板上へとこ
の液状前駆体溶液をスピン塗装することを包含する。あ
るいは、この表面を被覆する工程は、この光学基板上へ
とこの液状前駆体溶液をミスト形成することを包含す
る。他の代替法では、この形成する工程は、化学蒸着を
包含する。好ましくは、この方法は、この光学基板上に
電極を作製する工程、およびこの電極を誘電性ガラスで
被覆する工程を包含し、ここで、この電極を作製し電極
を被覆する工程は、この酸化マグネシウムを形成する工
程の前に、実行される。好ましくは、この方法はまた、
この形成する工程の前に、この誘電性ガラス上にバッフ
ァー層を作製する工程を包含する。好ましくは、このバ
ッファー層は、二酸化ケイ素、酸化鉛および酸化アルミ
ニウムからなる群から選択される材料を含有する。
【0136】他の局面では、本発明は、光学基板上に酸
化マグネシウム層を形成する際に使用する液状前駆体溶
液を供給し、この溶液は、カルボン酸マグネシウムおよ
び溶媒を含有し、この溶媒は、このカルボン酸マグネシ
ウムのモル濃度の少なくとも約50%の量で、カルボン
酸を含有する。好ましくは、このカルボン酸マグネシウ
ムは、カルボキシレートリガンドを含有し、各リガンド
は、5個〜11個の炭素原子を有する。好ましくは、こ
のカルボン酸の分子は、5個〜11個の炭素原子を有す
る。好ましくは、このカルボキシレートリガンドは、こ
のカルボン酸の共役塩基を含有する。好ましくは、この
溶媒は、さらに、溶液の粘度を2センチポアズ未満の値
まで低下させるのに有効な量で、短鎖アルコールを含有
する。好ましくは、この溶媒は、メタノールである。好
ましくは、このカルボン酸マグネシウムは、1リットル
あたり、0.4〜0.8モルの範囲のモル濃度を有す
る。好ましくは、このカルボン酸は、このカルボン酸マ
グネシウムのモル濃度の少なくとも100%に等しい量
で存在している。最も好ましくは、このカルボン酸は、
このカルボン酸マグネシウムのモル濃度の少なくとも2
00%に等しい量で存在している。
【0137】さらに他の局面では、本発明は、以下の工
程を包含するプラズマディスプレイパネルを製造する方
法を提供する:光学基板および液状前駆体溶液を供給す
ることであって、この液状前駆体溶液は、溶媒中にカル
ボン酸マグネシウムを含有し、この溶媒は、メタノール
を含有する;この前駆体液体を使用して、この光学基板
に装着された酸化マグネシウムの固体膜を形成するこ
と;およびこの光学基板上の保護被覆としてこの酸化マ
グネシウムを含有するように、このプラズマディスプレ
イパネルを完成させること。好ましくは、このカルボン
酸マグネシウムは、カルボキシレートリガンドを含有
し、各リガンドは、5個〜11個の炭素原子を有する。
好ましくは、この溶媒はまた、カルボン酸を含有し、そ
してこのカルボン酸の分子は、5個〜11個の炭素原子
を有する。好ましくは、このメタノールは、この前駆体
溶液の粘度を2センチポアズ未満の値まで低下させるの
に有効な量で、存在している。
【0138】他の局面では、本発明は、光学基板上に酸
化マグネシウム層を形成する際に使用する液状前駆体溶
液を供給し、この溶液は、カルボン酸マグネシウムおよ
び溶媒を含有し、この溶媒は、メタノールを含有する。
好ましくは、このカルボン酸マグネシウムは、カルボキ
シレートリガンドを含有し、各リガンドは、5個〜11
個の炭素原子を有する。好ましくは、このカルボン酸マ
グネシウムは、1リットルあたり、0.4〜0.8モル
の範囲のモル濃度を有する。好ましくは、このメタノー
ルは、この前駆体溶液の粘度を2センチポアズ未満の値
まで低下させるのに有効な量で、存在している。好まし
くは、この溶媒は、さらに、カルボン酸を含有する。好
ましくは、このカルボキシレートリガンドは、このカル
ボン酸の共役塩基を含有する。
【0139】さらに他の局面では、本発明は、以下の工
程を包含するプラズマディスプレイパネルを製造する方
法を提供する:部分的に完成したプラズマディスプレイ
パネルおよび液状前駆体溶液を供給すること;この前駆
体溶液のミストを製造すること;このミストを、この部
分的に完成したプラズマディスプレイパネルの上へ流し
て、この部分的に完成したプラズマディスプレイパネル
上に、この前駆体液体の層を形成すること;この部分的
に完成したプラズマディスプレイパネル上の液体層を処
理して、この部分的に完成したプラズマディスプレイパ
ネル上に固体物質を形成すること;およびこの部分的に
完成したプラズマディスプレイパネル上の保護被覆とし
てこの固体物質の少なくとも一部を含有するように、こ
のプラズマディスプレイパネルの作製を完成すること。
好ましくは、この固体物質は、金属酸化物を含有する。
好ましくは、この金属酸化物は、酸化マグネシウムを含
有する。好ましくは、この液状前駆体溶液は、カルボン
酸マグネシウムを含有する。好ましくは、このカルボン
酸マグネシウムは、カルボキシレートリガンドを含有
し、各リガンドは、5個〜11個の炭素原子を有する。
好ましくは、このカルボン酸マグネシウムは、1リット
ルあたり、0.4〜0.8モルの範囲のモル濃度を有す
る。好ましくは、この前駆体は、メタノールおよびカル
ボン酸を含む溶媒を含有する。好ましくは、このカルボ
ン酸は、このカルボン酸金属塩のモル濃度の少なくとも
100%に等しい量で存在している。最も好ましくは、
このカルボン酸は、このカルボン酸金属塩のモル濃度の
少なくとも200%に等しい量で存在している。好まし
くは、この方法は、さらに、このミストを電気的に加速
する工程を包含する。好ましくは、この流す工程は、シ
ャワーヘッドエレメントを通してこのミストを流すこと
を包含する。好ましくは、この流す工程は、さらに、こ
のシャワーヘッドを通してこのミストを流す前に、それ
を拡大チャンバへと流すことを包含する。好ましくは、
このミストを製造する工程は、ベンチュリを使用してこ
のミストを製造することを包含する。好ましくは、この
ミストを製造する工程は、質量流量制御器でこの前駆体
の流れを制御することを包含する。好ましくは、この処
理する工程は、以下からなる群から選択される工程を包
含する:真空に晒すこと、紫外線に暴露すること、乾燥
すること、加熱すること、焼き付けること、急速熱処
理、およびアニーリング。好ましくは、この処理する工
程は、この薄膜を、20℃〜50℃の温度で乾燥する工
程を包含する。好ましくは、この処理する工程は、この
乾燥する工程の後、70℃〜400℃の範囲の温度で、
この膜を焼き付ける工程を包含する。好ましくは、この
加熱する工程は、この焼き付ける工程の後、450℃〜
550℃の範囲の温度で、この膜をアニールする工程を
包含する。
【0140】さらに、本発明は、プラズマディスプレイ
パネルを製造するための装置を提供し、この装置は、以
下を包含する:プラズマディスプレイパネル保持器であ
って、このプラズマディスプレイパネル保持器は、部分
的に完成したプラズマディスプレイパネルを保持するた
めにある;液状前駆体源;ミスト発生器であって、この
ミスト発生器は、この液状前駆体のミストを生成するた
めにある;およびミスト塗布器であって、このミスト塗
布器は、このプラズマディスプレイパネル保持器上の部
分的に完成したプラズマディスプレイパネルにこのミス
トを塗布して、この部分的に完成したプラズマディスプ
レイパネル上に、この前駆体液体の薄膜を形成するため
にある。好ましくは、このミスト塗布器は、シャワーヘ
ッドを包含する。好ましくは、このシャワーヘッドは、
ミスト拡大チャンバおよびシャワーヘッドプレートを包
含し、このシャワーヘッドプレートは、複数のミスト通
路を有する。好ましくは、この装置は、さらに、可動性
ミスト塗布器支持アセンブリを包含し、このアセンブリ
は、この部分的に完成したプラズマディスプレイパネル
上に、このミスト塗布器を通すためにある。好ましく
は、このミスト発生器は、ベンチュリを包含する。好ま
しくは、この装置は、さらに、このミストを荷電するた
めの荷電ユニット、およびこのミストをこの部分的に完
成したプラズマディスプレイパネルに向けて加速するた
めの電気ミスト加速器を包含する。好ましくは、この荷
電ユニットは、コロナワイヤを包含する。好ましくは、
この装置は、さらに、この液状前駆体溶液源とこのミス
ト発生器との間で、質量流量制御器を包含する。好まし
くは、この装置は、複数の前記質量流量制御器を包含す
る。好ましくは、この装置は、さらに、この部分的に完
成したプラズマディスプレイパネルを加熱するためのヒ
ーターを包含する。
【0141】本発明はまた、以下の工程を包含するプラ
ズマディスプレイパネルを製造する方法を提供する:光
学基板および液状前駆体溶液を供給すること;この前駆
体をこの基板に塗布して、この基板上に膜を形成するこ
と;複数の加熱段階でこの膜を加熱すること;およびこ
の光学基板上の保護被覆としてこの固体物質の少なくと
も一部を含有するように、このプラズマディスプレイパ
ネルの作製を完成すること。好ましくは、この加熱段階
は、少なくとも2つの加熱段階を包含し、各々は、この
膜のアニール温度より低い異なる温度でなされる。好ま
しくは、この複数の加熱段階で加熱する工程は、以下を
包含する:10℃と50℃の間の温度で、この基板上の
膜を乾燥すること;および70℃と400℃の間の温度
で、この基板上の膜を焼き付けて、この基板上に、固体
物質を形成すること。好ましくは、この乾燥する工程
は、20℃と40℃の間の温度で実行される。好ましく
は、この前駆体は、メタノールを含有し、この乾燥する
工程は、約30分間にわたって、約20℃で実行され
る。好ましくは、この塗布する工程は、ミスト形成蒸着
を包含し、そしてこの乾燥する工程は、40℃の温度で
実行される。好ましくは、この加熱する工程は、さら
に、450℃〜550℃の範囲の温度で、酸素中にて、
この膜をアニールする工程を包含する。好ましくは、こ
のアニールする工程は、約60分間にわたって、約52
0℃の温度で加熱することを包含するものの、優れた結
果はまた、475℃で得られた。好ましくは、このアニ
ールする工程は、約10℃/分の勾配速度で、このアニ
ール温度まで勾配を付けることを包含する。好ましく
は、この方法は、さらに、約400℃〜550℃の温度
で、50〜90分間にわたって、不活性または還元雰囲
気で、この光学基板および膜を焼き付ける工程を包含す
る。
【0142】さらに他の局面では、本発明は、以下の工
程を包含するプラズマディスプレイパネルを製造する方
法を提供する:光学基板および液状前駆体溶液を供給す
ること;この前駆体をこの光学基板に塗布して、この光
学基板上に膜を形成すること;この基板上の膜を加熱し
て、この基板上に固体物質を形成することであって、こ
の加熱する工程は、少なくとも10℃/分の温度勾配速
度を包含する;およびこの光学基板上の保護被覆として
この固体物質の少なくとも一部を含有するように、この
プラズマディスプレイパネルの作製を完成すること。好
ましくは、この加熱する工程は、450℃と550℃の
間の温度でアニールすることを包含する。好ましくは、
この加熱する工程は、200℃と400℃の間の温度で
焼き付けることを包含する。好ましくは、この加熱する
工程は、約400℃〜550℃の温度で、不活性または
還元雰囲気で、この光学基板および膜を焼き付けること
を包含する。
【0143】さらに他の局面では、本発明は、酸化マグ
ネシウム層を有する光学基板を有するプラズマディスプ
レイパネルにおいて、以下を包含する改良点を提供す
る:この酸化マグネシウム層にて、事実上、幅広いとい
うよりむしろ背が高い円柱状グレイン構造がこの光学基
板から生じないこと。好ましくは、この酸化マグネシウ
ム層は、主に、この酸化マグネシウム層の厚さの半分未
満のグレインから形成される。好ましくは、この酸化マ
グネシウム層のグレインは、主に、背が高いよりもむし
ろ幅が広い。好ましくは、この酸化マグネシウム層のグ
レインが、隙間空間がこの酸化マグネシウムの層を通っ
て伸長するのを防止するために、他のグレインに対して
垂直の関係で主に重なり合っている。好ましくは、この
プラズマディスプレイパネルは、酸化マグネシウムと比
較して実質的に同じカソード発光スペクトルが、電子線
蒸着処理により生じる。
【0144】さらに他の局面では、本発明は、酸化マグ
ネシウム層を有するプラズマディスプレイパネルを包含
する電気光学装置において、以下を包含する改良点を提
供する:この酸化マグネシウム層は、この酸化マグネシ
ウム層の厚さの半分未満の高さのグレインサイズを有す
ること。
【0145】さらに他の局面では、本発明は、酸化マグ
ネシウム層を有するプラズマディスプレイパネルを包含
する電気光学装置において、以下を包含する改良点を提
供する:この酸化マグネシウム層は、ランダムに配向し
たグレインを有すること。
【0146】さらに他の局面では、本発明は、酸化マグ
ネシウム層を有するプラズマディスプレイパネルを包含
する電気光学装置において、以下を包含する改良点を提
供する:この酸化マグネシウム層のグレインが、隙間空
間がこの酸化マグネシウムの層を通って伸長するのを防
止するために、他のグレインに対して垂直の関係で主に
重なり合っていること。
【0147】本発明のこれらのおよび他の特徴、目的お
よび利点は、添付の図面と共に、以下 の詳細な説明を
読むと、当業者に明らかとなる。
【0148】(好ましい実施態様の詳細な説明)図1
は、前面パネル102および後面パネル104を包含す
る好ましいカラープラズマディスプレイパネル100の
斜視断面図である。前面パネル102は、第一通常ソー
ダ石灰ガラス基板106を包含し、これは、内面110
から離れた前方視野面108を有する。内面110は、
複数の平行な細長カソード(例えば、カソード112お
よび114)を支持している。カソード112について
示されているように、各カソードは、対応するバス電極
116および持続電極(sustain electr
ode)118を包含する。誘電性ガラス層120は、
内面110およびカソード(例えば、カソード112お
よび114)の上に蒸着されている。誘電性ガラス層1
20は、これらの各個のカソードを分離し絶縁する。
【0149】誘電性ガラス層120は、鉛ガラスから製
造されており、これは、有機結合剤と混合され、そして
前面パネル102上のカソード112および114にス
クリーン印刷されている。誘電性ガラス層120はま
た、酸化鉛、酸化アルミニウムまたは二酸化ケイ素から
製造され得、または誘電性ガラス層120の表面上の任
意のバッファー層121は、これらの材料から製造され
得る。前面パネル102は、約500℃〜600℃の範
囲の温度まで徐々に加熱され、これは、遮蔽した誘電性
ガラス層120の上へと流れる。この温度は、前面パネ
ル102の光学歪み点に近いが、それ未満である。従来
の手法は、前面パネル102の寸法変化による歪みを最
小にするために、加熱および冷却中での超平坦タイル上
に前面パネル102を置くことである。
【0150】酸化マグネシウム層122は、誘電性ガラ
ス層120または任意のバッファー層121を被覆す
る。酸化マグネシウム層122は、プラズマディスプレ
イパネル100を操作したときの誘電性ガラス層120
の腐食をなくす。酸化マグネシウム層122は、カラー
プラズマディスプレイ100を駆動するのに必要な電圧
を低くし、また、誘電性ガラス層120を通る腐食を防
止することにより、このディスプレイの有効寿命を延ば
す。
【0151】後面パネル104は、第二通常ソーダ石灰
ガラス基板124を包含する。ガラス基板124(これ
は、複数の細長平行アドレス電極(例えば、アドレス電
極126および128)および対応する数の隔離板また
はガラス製バリヤリブ(例えば、バリヤリブ130およ
び132)を包含する)上に特徴を蒸着するには、通常
の10段階スクリーン印刷法が使用される。これらのバ
リヤリブは、通常、130μmの高さ、50μmの幅、
および220μmのピッチを有する。これらのバリヤリ
ブの間では、これらのアドレス電極の上にて、蛍光体の
繰り返し三組配列(triad sequence)が
蒸着され、これらは、赤色蛍光体134、緑色蛍光体1
36、および青色蛍光体138が含まれる。以下の表1
は、蛍光体134、136および138を製造するのに
使用される典型的な材料を示す。
【0152】
【表1】 任意のバッファー層121を除いて、カラープラズマデ
ィスプレイパネル100は、業界標準構造(これは、F
ujitsu、NEC、MitsubishiおよびP
ioneerを含めた多数の主なプラズマディスプレイ
製造業者により、最近採用された)に対応している。前
面パネル102のカソード112および114は、後面
パネル104上のアドレス電極126、128の長軸方
向の軸に対して直交配向で(直角に)、それらの各個の
長軸方向の軸を置くように配向されている。それゆえ、
画素は、これらの直交配向したカソードおよび/または
電極が重なり合ういずれの場所でも、自動的に生じる。
前面パネル102は、各個のバリヤリブ(例えばバリヤ
リブ130および132)と接触している酸化マグネシ
ウム層122と共に、後面パネル104上に置かれる。
パネル102および104間の空間は、キセノンおよび
ネオンガスの混合物で満たされ、これらのパネルは、こ
の気体を適当な位置でロックするように、密閉されてい
る。
【0153】カラープラズマディスプレイ100は、蛍
光灯と同じ原理を使用して、光を発生する。パネル10
2および104間の電位の局所的な差により、これらの
パネル内のネオンおよびキセノンガスの混合物は、紫外
線を放出する。この紫外線は、その近接蛍光層により吸
収され、これは、対応する可視光放射を生じる。各プラ
ズマディスプレイ画素は、1個のサブ画素を包含し、こ
れは、3個の主要赤色、緑色および青色サブ画素の各々
である。図1のものに対応するカラープラズマディスプ
レイは、24ビットのカラーが可能である。従来のデジ
タルアドレス図式によれば、各サブ画素が、256の強
度レベルを有することが可能である。種々のサブ画素の
強度の組合せから、それゆえ、16.7百万個の色を得
ることができる。
【0154】カラープラズマディスプレイパネル100
は、酸化マグネシウム層122が全く新しい工程(すな
わち、図3で示したプロセスP300)および全く新し
い蒸着装置(例えば、図4および5で示した装置40
0)を用いて作製されていること以外は、従来技術のカ
ラープラズマディスプレイパネルと実質的に同じであ
る。プロセスP300は、高真空電子線蒸着(これは、
以前には、費用がかかると考えられていたが、この製造
プロセスでは、必須の工程であった)の使用を避けてい
る。さらに、他の従来のプラズマディスプレイ構造が存
在する。プロセスP300は、酸化マグネシウム層12
2に代わりに他の金属酸化物を使用するすべての代替プ
ラズマディスプレイ構造で、使用できる。
【0155】工程P302は、酸化マグネシウム層の蒸
着用のプラズマディスプレイパネルの作製を包含する。
図1を参照すると、この作製は、ソーダ石灰ガラス基板
106上にカソード112および114をスクリーン印
刷すること、対応するバス電極116および持続電極1
18を形成すること、およびこれらの電極を誘電性ガラ
ス層120で被覆することという従来の工程を包含す
る。工程P302は、この液状前駆体溶液が誘電性ガラ
ス層120から離れたソーダ石灰ガラス基板106の領
域と接触するのを防止または阻止するために、必要に応
じて、適当なマスクの使用を包含する。図1に関連して
述べたように、工程P302はまた、この光学基板上
に、任意の代替プラズマディスプレイパネル構造におい
て酸化マグネシウム層の下に横たわる任意の層を形成す
るという通常の工程を包含する。
【0156】工程P304は、酸化マグネシウム層12
2の位置に蒸着すべき薄膜液状前駆体溶液の形成を包含
する。本開示では、薄膜との用語は、集積回路技術で用
いられる意味で使用される;すなわち、それは、100
0ナノメーター(nm)またはそれ以下の膜を意味す
る。本開示での薄膜は、しばしば、100nm程度に薄
い。本明細書中で使用される薄膜との用語は、顕微光学
膜技術で用いる同じ用語(これは、一般に、顕微的な意
味でのみ薄く、一般に、5000nmまたはそれ以上の
厚さである)と混同すべきではない。これらの顕微的な
「薄膜」は、本明細書中で開示した薄膜とは適合しない
方法により、製造される。この液状前駆体溶液に話を戻
すと、この前駆体溶液は、好ましくは、溶媒およびカル
ボン酸マグネシウム(これは、5個〜11個の炭素原子
を含む分子式を有する)を含有する。短鎖カルボン酸塩
基は、適当な濃度で溶解させるのが困難であり、長いカ
ルボン酸塩基は、引き続いた乾燥およびアニール工程中
にて、ますます、この前駆体膜の泡立ち(bubbli
ng)および割れを伴うようになる。このカルボン酸マ
グネシウムのモル濃度は、好ましくは、1リットルあた
り、0.4〜0.8モルの範囲であり、最も好ましく
は、1リットルあたり、0.6モルである。
【0157】この溶媒は、蒸着の有効な濃度でこのカル
ボン酸金属を溶解できるものであって、また、ビーディ
ング(beading)なしで、均一な様式で、この光
学基板を濡らすものである。もし、この溶媒が、水の沸
点を超える沸点を有するなら、この溶液は、好ましく
は、水を排除するために、蒸留される。適当な溶媒に
は、アルコール、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ケ
トン、エステルおよびエーテルが挙げられる。アルコー
ル溶媒には、メタノール、1−ブタノール、1−ペンタ
ノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘ
キサノール、3−ヘキサノール、2−エチル−1−ブタ
ノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノ
ールおよび2−メチル−1−ペンタノールが挙げられ
る。メタノールは、最も好ましいアルコール溶媒であ
る。有用なケトンには、アセトン、2−ブタノン、2−
ペンタノン、MEK(メチルエチルケトン)および2−
ヘキサノンが挙げられる。有用なエステルおよびエーテ
ルには、酢酸ブチル、THF(テトラヒドロフラン)、
酢酸2−メトキシエチルおよび酢酸2−エトキシエチル
が挙げられる。有用な芳香族炭化水素には、キシレン、
トルエンおよびエチルベンゼンが挙げられる。有用な脂
肪族炭化水素には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オ
クタンおよびノナンが挙げられる。
【0158】このカルボン酸マグネシウム材料の溶解性
を高めるために、追加の溶媒(単数または複数)(これ
は、時には、共溶媒と呼ばれる)が使用され得る。共溶
媒は、互いにおよび主要溶媒と混和性であるべきであ
り、また、特に、必要に応じて、この前駆体成分を完全
に可溶化するために、極性溶媒と非極性溶媒との間で、
異なる割合で相溶して混合され得る。前記の溶媒のいず
れかは、共溶媒として、使用され得る。この共溶媒は、
高温溶媒であるのが好ましい。高温溶媒とは、この溶媒
よりも高い沸点を有する溶媒であり、具体的には、この
金属酸化物(好ましい実施態様では、カルボン酸マグネ
シウム)の分解温度の50℃未満の沸点を有する溶媒で
ある。好ましい高温溶媒または共溶媒には、カルボン酸
があり、最も好ましくは、エチルヘキサン酸がある。最
も好ましいエチルヘキサン酸には、2−エチルヘキサン
酸があり、これは、1気圧にて、228℃の沸点を有す
る。この好ましい前駆体金属化合物である2−エチルヘ
キサン酸マグネシウムの分解温度は260℃であるの
で、2−エチルヘキサン酸は、この金属化合物用の高温
溶媒として、適切である。他の好ましい共溶媒には、2
−メトキシエタノール、酢酸n−ブチル、ケトン共溶媒
(これには、2−ヘキサノン(メチルブチルケトン)、
4−メチル−2−ペンタノン(メチルイソブチルケト
ン)、3−ヘプタノン(ブチルエチルケトン)およびシ
クロヘキサノンが含まれる)、およびエーテル共溶媒
(これには、2−メトキシエチルエーテルおよび2−エ
トキシエチルエーテルが含まれる)が挙げられる。多く
の場合には、この共溶媒を、この溶媒に溶解するカルボ
ン酸マグネシウムのカルボキシレートリガンドと等価の
カルボン酸(例えば、2−エチルヘキサン酸マグネシウ
ムに対する2−エチルヘキサン酸)として供給するのが
好ましい。これらの場合では、この溶媒を塗布する光学
基板を濡らす目的の主要溶媒として、メタノールを使用
するのが特に好ましい。
【0159】好ましくは、カルボン酸マグネシウムおよ
び酸化マグネシウムの早期の沈殿を避けるために、この
溶液には、過剰量のこの高温溶媒(例えば、カルボン
酸)が添加される。この高温溶媒は、好ましくは、この
金属酸化物(例えば、カルボン酸マグネシウム)のモル
濃度の少なくとも約50%の量で、存在すべきである。
例えば、マグネシウム1モルをカルボン酸3モルと反応
させることにより、前駆体溶液が生じ、この溶液では、
カルボン酸2モルがこのマグネシウムと反応して、カル
ボン酸マグネシウムを形成し(カルボン酸1モル(すな
わち、50%過剰量)は、未反応のまま残る)、かろう
じて有用であり得るが、この前駆体を使用すると、一般
に、カルボン酸マグネシウム粉末の沈殿物を生じ、これ
は、その用途を制限する。もし、50%と100%の間
の過剰量のこの高温溶媒を添加したなら、中間長カルボ
ン酸についての結果は、関与しているカルボン酸に依存
して、色々と異なる。少なくとも100%の過剰量のこ
の高温溶媒(例えば、カルボン酸)は、特に、ミスト形
成蒸着プロセスに対して、有用な溶液を提供する;すな
わち、このような溶液は、無用な粉末状残留物を生じな
い様式で、乾燥され、アニールされ得る。約200%の
過剰量のこの高温溶媒(例えば、カルボン酸)は、特
に、この溶液を、スピンオン蒸着または浸漬塗装によ
り、この基板に塗布する場合にて、有用な溶液を提供す
る。この高温溶媒の過剰量は、有用である。何故なら、
この過剰な溶媒があるために、この前駆体金属化合物
(例えば、カルボン酸マグネシウム)の熱分解中にて、
溶媒が確実に存在するからである。カルボン酸マグネシ
ウムについては、この分解は、約260℃で起こる。も
し、この分解温度にて、溶媒が存在していないなら、こ
の溶液の分解および沈殿前にて、カルボン酸マグネシウ
ムおよび/または酸化マグネシウムの散在している結晶
が形成される。結果として、この膜は、この過剰高温溶
媒の前駆体金属酸化物に対する成分比が低すぎる(すな
わち、0.5:1.0の比より低い)なら、粉末状また
は不透明な外観を有する。より高い比は、閉塞していな
い膜を生じる傾向にある。ミスト形成蒸着では、この比
を低く保つのが好ましい。何故なら、この比が高くなる
程、その粘度が高くなり、高粘度前駆体を用いるミスト
形成蒸着において、適当に高い蒸着速度を得るのが困難
であるからである。それゆえ、1:1の比は、ミスト形
成蒸着による使用に特に適当である。スピンオン蒸着法
および浸漬塗装法を用いるときには、その蒸着速度は、
因子にはならず、その結果、2:1の比は、スピンオン
および浸漬塗装蒸着と共に使用するのに特に適当であ
る。ある場合には、500%まで過剰な量(すなわち、
5:1の比)のこの高温溶媒が使用され得る。
【0160】図2は、このカルボン酸金属部分の特に好
ましい分子式を示しており、ここで、R1、R2、R3
よびR4は、独立して、水素、アルキル置換基、アルケ
ニル置換基およびアルキニル置換基からなる群から選択
される。R1、R2、R3およびR4は、好ましくは、アル
キルである。R1は、好ましくは、3個〜10個の炭素
原子を有する。R1、R2、R3およびR4は、最も好まし
くは、アルキルである。Xは、0〜1の範囲の整数であ
り、最も好ましくは、0である。R2、R3およびR
4は、組み合わせて、3個〜9個の炭素原子を有する。
最も好ましい意味では、Xは、0であり、R1は、エチ
ルであり、R2が、水素であり、そしてR3が、ブチルで
ある。
【0161】追加のアルコキシカルボン酸マグネシウム
前駆体は、使用され得る。これらの他の前駆体には、−
O−Mg−O−Mg−O−基を有するものが挙げられ
る。これらの前駆体は、1995年11月21日にCa
rlos A.Paz DeAraujoらに登録され
た米国特許第5,468,679号で記述されているよ
うに、調製される。
【0162】図3の工程P306は、工程P304から
得たカルボン酸マグネシウム液状前駆体溶液をP302
の基板に塗布することを包含する。前駆体蒸着の好まし
い様式には、ミスト形成蒸着、スピンオン蒸着、浸漬塗
装、およびスクリーン印刷が挙げられる。最も好ましい
蒸着法には、ミスト形成蒸着およびスピンオン蒸着があ
る。このミスト形成蒸着方法を使用する酸化マグネシウ
ム薄膜の製作を、以下で詳細に記述する。この開示の目
的上、ミストとは、気体に懸濁された微細液状粒子とし
て、定義される。このミストは、これらの液状粒子およ
び気体の両方を含有していることが重要である。例え
ば、噴霧(これは、液状流れを、ノズルまたは他の装置
を用いて、粒子に壊すことにより、形成される)は、こ
れらの粒子を気体に懸濁せず、それゆえ、液体の望まし
くないクラスター(clusters)を生じる傾向に
あり、これらは、得られた膜にて、欠陥を形成する。ミ
ストはまた、気体蒸気(これは、表面にて、液状膜を形
成できない)から区別しなければならず、実際、表面が
非常に熱くないなら、この表面上にいずれの蒸着も形成
しない。ミスト形成蒸着は、1995年10月10日に
McMillanらに登録された米国特許第5,45
6,945号で記述された方法および装置を用いて、ま
たは1997年11月17日に出願された米国特許出願
第08/971,799号の方法および装置を用いて、
達成され得る。このミスト形成蒸着法では、前面プラズ
マディスプレイパネル102は、’945特許または’
799出願の集積回路基板と置き換えられる。加えて、
前記液状前駆体溶液は、’945特許または’799出
願で記述された前駆体溶液と置き換えられる。この前駆
体は、好ましくは、ベンチュリにより、ミスト形成され
る;しかしながら、超音波ミスト発生器、機械タービ
ン、または他の通常のミスト形成装置は、使用され得
る。好ましいミスト形成蒸着方法および装置400は、
図4および5に関連して、以下で記述する。
【0163】このスピンオン法は、21インチまでの直
径の基板に使用され得る。この光学基板は、標準スピン
塗装装置に配置され、この前駆体液で濡らされ、そして
最上位置にて、内面110(図1を参照)と共に、約1
00rpm〜約2000rpmの範囲の角速度で回転さ
れる。最も好ましくは、この回転速度は、100rpm
〜600rpmである。前駆体溶液のアリコート(例え
ば、約20ml)は、この回転している光学基板に滴下
されて、この基板を被覆する前駆体液の膜を供給する。
好ましいスピンオン法には、二段階スピンオン方法があ
り、この前駆体液は、この基板が静止しているときに塗
布され、続いて、100rpmで5秒間回転され、次い
で、300rpmで1分間回転されて、塗布した前駆体
を一様に分布させる。
【0164】あるいは、本発明のある実施態様では、浸
漬塗装またはスクリーン印刷が使用され得る。浸漬塗装
は、この光学基板を前駆体液の浴に置いて、全ての面を
この液と接触させて塗装することを包含する。スクリー
ン印刷は、液状前駆体を塗布する周知方法であるので、
本明細書中では、それ以上は述べない。
【0165】工程P308は、任意の工程であり、この
工程では、工程P306で蒸着された前駆体液は、紫外
線に曝露することにより、パターン化(patter
n)され得る。この前駆体式の一部として、アルコキシ
ドリガンドが存在している場合には、紫外線曝露は、特
に、もし、この前駆体中に水酸化物ラジカル発生部が含
まれるなら、縮合重合反応を促進する。水酸化物ラジカ
ルを発生する化合物は、これらの溶液中で紫外線に曝露
すると、硝酸およびニトロベンズアルデヒドを含有す
る。この前駆体膜の未曝露部分は、重合していない。そ
れゆえ、この未曝露部分は、現像液の攪拌浴(例えば、
エタノールおよび水の90:10 v/v混合物中に1
分間浸けること)にて除去され得るのに対して、この曝
露部分は、この光学基板上に残る。このパターン化法に
より、スクリーン印刷の必要性がなくなり、そしてスク
リーン印刷法から得ることができるものよりもずっと高
い解像度のパターンを生じる。あるいは、膜全体を重合
するために、この前駆体溶液の全層が紫外線に曝露され
得る。この曝露は、この溶液膜全体を重合して、溶融し
乾燥した前駆体残留物のビーディングまたはパッドリン
グ(puddling)の発生をなくすかまたは少なく
する。この紫外線への曝露によるパターン化は、最も好
ましい実施態様では、使用されていない。
【0166】P310は、乾燥/焼き付け/アニーリン
グ工程であり、これは、好ましい1実施態様では、複数
段階の熱プロフィールを包含する。工程P310は、第
一乾燥工程を包含し、これは、室温(すなわち、約20
℃)から175℃までの範囲、好ましくは、20℃〜9
0℃の範囲、最も好ましくは、20℃〜40℃の範囲の
温度を有する。好ましい実施態様では、この乾燥温度
は、この溶媒がメタノールを含有しこの前駆体がミスト
形成蒸着以外の方法で塗布されるとき、室温または約2
0℃で30分間である。この乾燥温度は、好ましい実施
態様では、ミスト形成蒸着が使用される場合、約40℃
である。この乾燥工程は、好ましくは、酸素環境にて実
行され、この酸素は、暖められ、そして一様に分布され
る。乾燥した前駆体膜は、次いで、70℃〜400℃の
範囲の温度で、焼き付けにかけられ、この温度は、最も
好ましくは、350℃である。この温度は、10〜60
分間保持され、最も好ましくは、30分間保持される。
この焼き付けはまた、酸素流中にて実行され、この酸素
は、暖められ、そして一様に分布される。たった今記述
した乾燥および焼き付け工程は、この液状前駆体膜から
この溶媒を除去して、この光学基板上にて、「乾燥し
た」前駆体残留物を残す。上記前駆体液の乾燥は、引き
続いたアニール工程(これは、さらに高い温度で実行さ
れる)中にて、この前駆体膜の泡立ちおよび割れを防止
する。
【0167】工程P310はまた、この乾燥および焼き
付け工程から誘導された前駆体残留物から結晶性酸化マ
グネシウムを製造するために、酸素含有雰囲気下でのア
ニールを包含する。このアニールは、好ましくは、酸素
流れ下にて行われ、この酸素は、暖められ、そして一様
に分布される。この酸素は、この前駆体液から残ってい
る任意の酸素を補充して、この酸化マグネシウム格子中
の欠陥を補填する。この乾燥または焼き付け前駆体残留
物は、酸素中にて、450℃〜550℃の範囲の温度で
アニールされ、その最大温度は、最も好ましくは、この
ガラス基板に対する光学歪み点未満である。最も好まし
いアニール温度は、520℃で60分間である。最も好
ましいアニールプロフィールは、少なくとも60分間に
わたって、約520℃の最大水平域まで、10℃/分の
勾配を包含する。これらの低いアニール温度は、従来技
術からは得ることができず、それらは、熱誘導応力(こ
の光学基板の歪みまたは破損を含めて)の発生を少なく
する。
【0168】上述の好ましい実施態様では、上記工程P
310に関して述べた加熱工程の全ては、好ましくは、
単一のプログラム化可能なオーブンにて、このオーブン
からこの光学基板を取り除くことなく、連続して実行す
べきである。この加熱工程(すなわち、この乾燥、焼き
付けおよびアニーリング)間の勾配速度は、重要であ
る。好ましくは、この勾配速度は、5℃/分と20℃/
分の間であり、最も好ましくは、10℃/分である。特
に、約200℃と350℃の間における勾配速度は、少
なくとも10℃/分であるべきである。この大きさの勾
配速度は、この溶媒が蒸発する前の結晶化を妨げ、それ
ゆえ、望ましくない粉末状残留物の生成を防止する。
【0169】代替的な好ましい実施態様では、この乾
燥、焼き付け、およびアニーリング工程は、別個の工程
であり、この乾燥および焼き付け工程は、空気中にて、
熱板上で実行され、そしてこのアニーリング工程は、酸
素炉にて行われる。
【0170】工程P314は、任意であり、必要に応じ
て、全酸化マグネシウム層の厚さを確立するために、工
程P306、P308、P310およびP312の繰り
返しを包含する。0.6M液状前駆体溶液を用いて、こ
れらの工程を最初に通過させることにより、概して、プ
ロセス工程P312の終わりに当たり、約100nmの
厚さを有する酸化マグネシウム層が得られる。これらの
工程を引き続いて通過させることにより、一般に、同じ
前駆体液から、約60nm〜80nmの厚さが加わる。
工程P314は、代替実施態様と見なすべきであり、好
ましくは、好ましい実施態様では、使用されない。好ま
しい前駆体溶液を使用する好ましい実施態様では、工程
P306、P310およびP312は、一回行われて、
400nm〜800nmの厚さの酸化マグネシウム膜を
生じる。
【0171】工程P316は、任意の形成気体(for
ming gas)アニール工程であり、これは、工程
P312の乾燥前駆体残留物の不完全か焼から生じる炭
素質残留物を原因とするこの光学基板の縁部でのぶれ
(blurring)を防止するように設計されてい
る。工程P316は、50分間〜90分間にわたって約
400℃〜550℃の温度まで加熱する拡散炉を用い
て、不活性または還元雰囲気(例えば、N2/H2の9
0:10混合物)にて、この光学基板および乾燥前駆体
残留物を焼き付けることを包含する。この時間は、全体
で20分間を含み、10分間勾配のこの炉への押し込
み、および10分間勾配のこの炉への引き出しである。
【0172】P318は、当業者に公知の通常方法によ
り、このプラズマディスプレイパネルを完成させること
を包含する。この完成したまたは部分的に完成した装置
はまた、品質管理試験を受ける。品質管理試験には、ソ
ーダ石灰ガラス106での隠れた破損を検出する超音波
試験、および光学歪み試験(ここで、光源アレイからの
光は、前面ディスプレイパネル102を通って、光電池
のアレイに達する)が挙げられる。もし、パネル102
がこの光源アレイから始まる光の過度な歪みを与えるこ
とが、この光電池のアレイから明らかとなったなら、パ
ネル102は、受け入れられ得ない。
【0173】(工程P306におけるミスト形成蒸着)
図4は、ミスト形成蒸着で使用する最も好ましい装置4
00を示しているのに対して、図5は、ミスト形成蒸着
装置400の蒸着ステーション461部分をさらに詳細
に図示している。一定圧の液体源402は、酸化マグネ
シウムを形成する際に使用する前駆体液を含有する。圧
力ゲージ404は、液体源402に接続されている。加
圧空気供給源406は、電気的に起動可能な弁408お
よび空気供給パイプ410と共に、圧力ゲージ404か
らの圧力信号に基づいて、一定圧力気体ブランケットを
液体源402に供給するのに使用される。液体源パイプ
412は、液体源402からの前駆体液を複数の質量流
量制御器414に送達する。流体制御技術分野で公知な
ように、質量流量制御器414は、電気的に制御された
装置であり、これは、選択した質量の液体を正確に通過
させる。弁とは異なり、質量流量制御器を通る液体の流
れは、この流体の流れラインの圧力、この液体の粘度、
または流体流れに影響を与え得る多数の他のパラメータ
に依存していない。各液体質量流量制御器414は、選
択した流速の2%以内まで、液体の流量を正確に制御で
きる。好ましくは、液体質量流量制御器414の各々
は、制御器モデルNo.LV410(これは、STEC
(日本企業)により製造され、そしてSan Jos
e,CaliforniaのHoriba Instr
uments,Inc.により、米国で販売されてい
る)である。好ましい実施態様では、これらのSTEC
ユニットの6個またはそれ以上が平行になっており、こ
の製造プロセスに対して、適当に大きな流れ容量を与え
る。質量流量制御器414は、液体源402から、パイ
プ416を通って、アトマイザー418へと、正確な量
の液体を送達する。電気的に起動可能な弁420および
422は、それぞれ、加圧窒素供給源424および加圧
酸素供給源426から、メーター428および送達用キ
ャリヤー気体ライン430を通って、荷電ユニット43
1および432への流れを制御する。荷電ユニット43
1および432は、それぞれ、手動で起動可能な弁43
4および436を包含し、これらは、アトマイザー41
8およびコロナ放電装置438および439(これら
は、好ましくは、この気体がアトマイザー418に入る
ポートに位置している)へのキャリアガスの流れを管理
する。コロナ放電装置438および439は、共に、同
じ電荷であり、これらは、正または負であり得、負電荷
は最も好ましい。
【0174】好ましい実施態様では、アトマイザー41
8は、1個またはそれ以上のベンチュリ(これらは、一
般に、437で示す)を包含する。この液状前駆体は、
これらのベンチュリにおいて、この気体をベンチュリの
喉部(例えば、441)に通すことにより、霧化され
る。このベンチュリによる霧化は、この液体から一部の
電子を剥ぎ取って、いくつかの荷電液体イオンを生じ
る。しかしながら、本発明による液体前駆体は、容易に
イオン化せず、このことは、この気体が別々にイオン化
される理由である。この気体中の酸素は、特に、イオン
化可能である。このようにして、アトマイザー418に
て、荷電気体および液状イオンを含む微細なエアロゾル
ミストが生じる。ベンチュリは、このミスト形成装置と
して、特に好ましい。なぜなら、この喉部を適当に小さ
く形成することにより、極端に微細な液状粒子が形成さ
れるからである。最も好ましくは、喉部441で終わっ
ている液体導管(例えば、443)は、毛細管の大きさ
である。液状粒子の平均粒径は、5μm未満であり、好
ましくは、2μmまたはそれ以下であり、最も好ましく
は、1μmまたはそれ以下である。好ましい実施態様で
は、これらの液状粒子は、0.6μmまたはそれ以下の
平均粒径を有する。
【0175】高圧電源445は、それぞれ、ライン44
0および442にある荷電ユニット431および432
およびアトマイザー418に荷電出力を供給する。この
電荷は、典型的には、5000ボルト〜8000ボルト
の範囲である。気体注入ポンプ444は、必要に応じ
て、適切な位置(すなわち、アトマイザー418にある
ベンチュリから下流の位置)にて、空気または追加のキ
ャリヤ気体を注入して、このエアロゾルのミスト形成効
果を高めるために、使用される。
【0176】アトマイザー418は、荷電したエアロゾ
ルミストをライン446へと送達し、このラインは、そ
れを、部分的に完成したプラズマディスプレイパネル4
55(図5)にこのミストを塗布するためのミスト塗布
器448へと送達する。好ましい実施態様では、ミスト
塗布器448は、シャワーヘッド448であり、これ
は、ミスト拡大チャンバ449およびシャワーヘッドプ
レート450を包含する。シャワーヘッド448は、蒸
着ステーション461(これはまた、プラズマディスプ
レイパネルホルダ454およびヒーター458を包含す
る)に位置している。シャワーヘッドプレート450
は、数千個の矮小なミスト通路451で穿孔されてお
り、そして荷電したエアロゾルミスト452を、プラズ
マディスプレイパネルホルダ454(これは、好ましく
は、金属プレートを備え、電気ケーブル456を経由し
て、地面に接続されている)の方へと分配する。ヒータ
ー458は、必要に応じて、出力供給源460からの出
力を用いて、この光学基板(すなわち、プラズマディス
プレイパネルホルダ454上の部分的に完成したプラズ
マディスプレイパネル455(図5))を加熱するのに
使用される。ヒーター458は、好ましくは、電気加熱
素子を備えるが、また、任意の他の放射性ヒーター(例
えば、紫外線源または赤外線源、対流ヒーター、マイク
ロ波エネルギー源、または任意の他の適切なヒーター)
であり得る。ライン462およびBNC HVコネクタ
を経由してシャワーヘッドプレート450へと高電圧が
加えられて、部分的に完成したプラズマディスプレイパ
ネル455の方へと荷電ミストを加速する目的のため
に、シャワーヘッドプレート450とプラズマディスプ
レイパネルホルダ454との間にて、電位差が生じる。
シャワーヘッドプレート450は、電気ミスト加速器4
63の1枚のプレートとして作用するのに対して、プラ
ズマディスプレイパネルホルダ454は、この電気ミス
ト加速器の他のプレートとして作用する。排気ポンプ4
64は、過剰のミストをシャワーヘッド448から排気
するために使用される。
【0177】図5に目を向けると、蒸着ステーション4
61のさらに詳細な概略見取り図が示されている。蒸着
ステーション461は、蒸着ステーションプラットホー
ム510、可動性シャワーヘッドアセンブリ520、シ
ャワーヘッド448、プラズマディスプレイパネルホル
ダ454、ヒーター458ならびに上記電気およびミス
ト導管456、457、446、462および465を
備える。光学基板455(すなわち、部分的に完成した
プラズマディスプレイパネル)は、基板ホルダ454上
に示されている。プラズマディスプレイパネルホルダ4
54は、従来のミスト形成蒸着システムでの基板ホルダ
とは非常に異なっている:それは、部分的に完成したプ
ラズマディスプレイパネルを保持するのに充分に大きく
かつ充分に安定している。製造用に使用する実施態様で
は、それは、好ましくは、この部分的に完成したプラズ
マディスプレイパネルを安定に保持するための治具を包
含する。それはまた、蒸着チャンバに封入されていな
い。蒸着プラットホーム510は、好ましくは、実験台
または他の安定なプラットホーム(これは、プラズマデ
ィスプレイパネルがその上にあるときでさえ、無視でき
る程度の振動で、シャワーヘッド448の堅い制御を可
能にする)である。可動性シャワーヘッドアセンブリ5
20は、x−yスキャナ521およびシャワーヘッドト
ロリー526を備える。スキャナ521は、垂直支持ア
ーム525、水平支持アーム524、および可動性スキ
ャナアーム527を備え、付随しているドライブ機構
(図示せず)は、2つの直交方向で、このシャワーヘッ
ドの移動を可能にする。操作前には、基板455の上の
シャワーヘッド448(図4)の高さは、シャワーヘッ
ド支持529にある四組のネジ(例えば、523)を緩
めること、このシャワーヘッドの高さを調節すること、
およびこれらのネジを再び締めることにより、手動で調
節される。操作中にて、シャワーヘッド448は、この
ミストを通路451(図4)から流し出しつつ、スキャ
ナアーム527を移動させることにより、基板455の
上を左から右へと移動される。シャワーヘッド448の
好ましい移動速度は、1秒あたり1インチから1秒あた
り4インチまでである。シャワーヘッド448は、好ま
しくは、部分的に完成したプラズマディスプレイパネル
455の上を50回〜500回(好ましくは、約300
回)通過する。
【0178】コンピューター制御ユニット468(図
4)は、装置400の操作を管理する。配線バンドル4
70は、コンピューター制御ユニット468を装置40
0の要素と相互作用させる。具体的には、コンピュータ
ー制御ユニット468は、圧力ゲージ404からの信号
に基づいて、弁408を調節して、一定圧力液体を質量
流量制御器414へと送達するための液体源402に
て、一定圧力を確実に維持する。同様に、コンピュータ
ー制御ユニット468は、予め選択した量の前駆体液を
アトマイザー418へと送達するための質量流量制御器
414を設定する。コンピューター制御ユニット468
は、窒素および酸素ガスの予め選択した混合物を送達す
るための弁420および422を調節するが、その全量
は、メーター428により測定される。弁434および
436は、気体のアトマイザー418への容量測定送達
の選択的制御のために、手動で起動される。コンピュー
ター制御ユニット468はまた、気体注入ポンプ444
の速度だけでなく、出力源460を介して、ヒーター4
58の温度を制御する。コンピューター制御ユニット4
68はまた、スキャナアーム527の運動を制御するこ
とにより、部分的に完成したプラズマディスプレイパネ
ル455(図5)の上のシャワーヘッド448の運動を
制御する。排気ポンプ464(図4)は、好ましくは、
蒸着後、エアロゾルミスト452中の小滴を部分的また
は完全に蒸発させるために、操作される。ヒーター45
8は、この光学基板と接触しているエアロゾルミストを
分解する温度で、または好ましくは蒸着後、この光学基
板を被覆する前駆体液のフィルムを部分的に乾燥するよ
り低い温度で、操作され得る。もし、この基板が蒸着中
に加熱されるなら、それは、90℃またはそれ未満まで
加熱され、最も好ましくは、50℃またはそれ未満まで
加熱される。何故なら、もし、このミストまたはフィル
ムが非常に速く乾燥するなら、フィルムは形成されない
が、その代わりに、望ましくない乳白色の粉末状被覆の
フレークが得られるからである。
【0179】ミスト452中の荷電イオンは、プラズマ
ディスプレイパネルホルダ454(この上に、基板45
5が載っている)が接地されているという事実によっ
て、部分的に完成されたプラズマディスプレイパネル基
板455の方へと加速される。接地するのとは反対に、
それ程好ましくない選択肢であるが、プラズマディスプ
レイパネルホルダ454はまた、エアロゾルミスト45
2中のイオンとは反対に荷電できる。
【0180】このミストをこの光学基板上に蒸着した
後、得られた液状フィルムは、この固形金属酸化物を形
成するように、処理される。処理は、以下の工程から選
択される方法を包含する:真空に晒す工程、紫外線に暴
露する工程、乾燥する工程、加熱する工程、焼き付ける
工程、急速熱処理、およびアニーリング。この処理方法
の詳細は、図3に関連して上で述べており、一例は、以
下で示す。
【0181】以下の表2は、ミスト形成蒸着装置400
に関連して使用されるプロセスパラメータに対する好ま
しい範囲を提供する。
【0182】
【表2】 (好ましい液状前駆体の形成)図6は、プロセスP50
0の概略図であり、これは、図3の工程P304での液
状前駆体の形成に関して、詳細を追加する。あるいは、
適当なカルボン酸マグネシウム材料は、多数の製造供給
元(例えば、Strem、FischerおよびAld
rich)から商業的に注文して、購入できる。
【0183】工程P502は、特定のカルボン酸マグネ
シウムを得るために予定した反応計画に従って、種々の
試薬および溶媒を混合する工程を包含する。以下の一般
化した化学反応は、反応計画を開発する際に有用であ
る: (1)アルコキシド−Mg0+2R−OH→Mg(O−
R)2+H2 (2)カルボン酸塩−Mg0+2(R−COOH)→M
g(OOC−R)2+H 2 (3)アルコキシカルボン酸塩−Mg(O−R’)2
bR−COOH+加熱→(R’−O)2-bMg(OOC
−R)b+bHOR ここで、bは、カルボン酸のモル数であり、これは、0
〜2の範囲である;R’は、4個〜14個の炭素原子を
有するアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基で
ある;そしてRは、1個〜11個の炭素原子を有するア
ルキル基、アルケニル基またはアルキニル基である。
【0184】使用され得るアルコールには、好ましく
は、メタノール、2−メトキシエタノール、1−ブタノ
ール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキ
サノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−
エチル−1−ブタノール、2−エトキシエタノールおよ
び2−メチル−1−ペンタノールが挙げられる。このア
ルコールは、さらに好ましくは、エタノールであり、最
も好ましくは、メタノールである。使用され得るカルボ
ン酸には、好ましくは、2−エチルヘキサン酸、オクタ
ン酸およびネオデカン酸が挙げられる。最も好ましいカ
ルボン酸は、2−エチルヘキサン酸である。等式(3)
の平衡をこれらのアルコキシドリガンドの実質的に完全
な置換へと向ける目的のために、少なくとも200%化
学量論的に過剰な量のカルボン酸を添加することが好ま
しい。
【0185】中間体マグネシウムアルコキシド試薬は、
もし、研究室等級の純度の市販品から得ることができる
なら、工程P502で混合できる。例えば、マグネシウ
ムエトキシドが入手できる場合、等式(3)に従って、
このマグネシウムエトキシドをカルボン酸(例えば、2
−エチルヘキサン酸)と反応させることにより、そのエ
トキシド部分を適当なカルボキシレートリガンドで置換
することが可能である。
【0186】工程P502では、マグネシウム金属は、
等式(1)に従って、発熱反応において、アルコール
(例えば、2−メトキシエタノール)と自発的に反応す
る。工程P504でさらに加熱することにより、等式
(3)に従って、アルコキシカルボン酸マグネシウムを
生じる吸熱プロセスを促進する。等式(2)に従った反
応はまた、未反応マグネシウムがこのアルコールおよび
カルボン酸と同時に配合されるとき、好ましい様式で、
認められる。
【0187】工程P504の同時反応は、好ましくは、
還流容器(これは、約70℃〜約120℃の範囲の温度
を有する油浴によって、1日間〜2日間の範囲の時間に
わたって加熱されて、このアルコキシド部分をカルボキ
シレートリガンドにより置換する)にて、行われる。こ
の最初の1日または2日の反応期間の最後では、この還
流冷却器は、好ましくは、大気に開放されていて、その
溶液温度は、この溶液からの水の全部分の実質的な排除
を示す水分別蒸留水平域(すなわち、少なくとも約70
℃を超える水平域)を観察するためにモニターされ、こ
の時点で、この溶液は、この熱源から除去される。も
し、この溶媒がアルコールを含有していないなら、この
溶液温度はまた、この溶液からの全アルコール部分の実
質的な排除を示す分別蒸留水平域を観察するために、モ
ニターされる。
【0188】工程P504では、アルコキシカルボン酸
金属、カルボン酸金属および/または金属アルコキシド
の混合物は、加熱され、必要に応じて、攪拌されて、金
属−酸素−金属結合を形成し、そしてこの反応により生
成するいずれの低沸点有機物も煮沸して取り除く。一般
化した反応理論によれば、長時間にわたる相当な加熱に
よって、オリゴマーが形成され得、例えば、以下であ
る: (4)R−COO−Mg−O−C−R’+Mg−(O−
C−R”)→R−COO−Mg−O−Mg−O−C−
R”+R’−C−O−C−R” (5)R−COO−Mg−O−C−R’+Mg−O−C
−R”→R’−C−O−Mg−O−Mg−O−C−R”
+R−COO−C−R” ここで、RおよびR’は、上で定義したとおりである;
そしてR”は、好ましくは、約0個〜15個の炭素を有
する、アルキル基、アルケニル基たまはアルキニル基で
ある。
【0189】アルコキシカルボン酸マグネシウムおよび
カルボン酸マグネシウムの間の以下の反応もまた、起こ
り得る: (6)R−COO−Mg−O−C−R’+Mg−OOC
−R”→R’−C−O−Mg−O−Mg−OOC−R”
+R−COOOC−R’ ここで、R−COOOC−R’は、酸無水物であり、そ
して用語は、上で定義したとおりである。この反応に
は、上記反応(4)および(5)よりも相当に多い熱が
必要であり、そしてずっと遅い速度で進行する。
【0190】本明細書中で使用する「カルボン酸マグネ
シウム」との用語は、等式(2)、(3)、(4)、
(5)および(6)のうちの任意から得たマグネシウム
含有反応生成物を包含する。
【0191】工程P506は、任意の溶媒交換工程であ
る。上で述べた反応は、この反応を促進する第一溶媒
(例えば、エステル溶媒)中で完結され得、これは、第
一溶媒よりも高い沸点を有する第二溶媒と交換され得
る。第一溶媒は、溶液から蒸留される。第二溶媒は、そ
の優れた保存特性(例えば、オクタンまたはキシレン溶
媒)について選択できる。
【0192】工程P508では、この液状前駆体の溶液
濃度は、好ましくは、プラズマディスプレイパネル製造
プロセスで有用なモル濃度に調節される。このモル濃度
は、好ましくは、カルボン酸マグネシウム濃度の点から
見ると、約0.4M〜約0.8Mの範囲である。この溶
液は、実質的に均一になるまで混合される。この溶液の
粘度は、好ましくは、2センチポアズ未満である。過剰
の2−エチルヘキサン酸を有するジ−2−エチルヘキサ
ン酸マグネシウムのメタノール溶液は、表3で示した以
下の特性を有する。
【0193】
【表3】 工程P510は、長期間にわたる最終溶液の保存を包含
する。もし、必要なら、これらの溶液は、実質的に劣化
することなく、1年またはそれ以上の期間にわたって保
存できる。これらの溶液は、溶液からのマグネシウム金
属の加水分解および沈殿を受けない。もし、最終溶液が
数日または数週間以内に消費されないなら、これらの最
終溶液は、好ましくは、乾燥窒素またはアルゴンの不活
性雰囲気下にて、保存される。この保存における注意に
より、これらの溶液が実質的に水を含まない状態で保持
されることが保証され、そして水誘発重合、粘性ゲル
化、および金属部分の沈殿(任意のこのようなリガンド
が溶液中に残っている場合、水がアルコキシドリガンド
内に誘導し得る)の悪影響を避ける。この最終前駆体溶
液が、好ましくは、主として、カルボキシレートリガン
ドおよびアルコキシカルボン酸塩に結合した金属からな
るとき、この乾燥した不活性保存という注意は、それ程
厳密に必要な訳ではない。
【0194】
【実施例】以下の実施例は、本発明を実施する際に使用
するのに好ましい材料および方法を確認する。
【0195】(実施例1) (メタノール中の0.6Mの2−エチルヘキサン酸マグ
ネシウムの調製)以下の表4で同定した材料を、引き続
く反応で使用するために、秤量した。
【0196】
【表4】 マグネシウムジエトキシド(6.8657g)を、攪拌
棒付きの250mlのエルレンマイヤーフラスコへと直
接秤量し、そしてメタノール20mlに浸漬した。2−
エチルヘキサン酸(36.3405g)を100mlビ
ーカーで秤量し、そしてこのエルレンマイヤーフラスコ
へと注いだ。このビーカーおよびエルレンマイヤーフラ
スコの壁を、全体で30mlのメタノールでリンスし
た。このエルレンマイヤーフラスコを窒素でパージし、
そして緩慢な窒素流下にて、冷却器を取り付けた。この
冷却器付きエルレンマイヤーフラスコを、21.5時間
にわたって、電磁攪拌しつつ、70℃の油浴に置いた。
この溶液を熱から取り除いて、室温まで冷却した。冷却
した溶液を250mlの目盛り付きシリンダーへと注
ぎ、そして100mlの全容量までメタノールで希釈し
て、ジ−2−エチルヘキサン酸マグネシウムの0.6M
のメタノール溶液を得た。この溶液を、0.2ミクロン
注射器で、100mlボトルへと濾過した。
【0197】(実施例2) (キシレン中の0.4Mの2−エチル−2−ヘキサン酸
マグネシウムの調製)以下の表5で同定した材料を、引
き続く反応で使用するために、秤量した。
【0198】
【表5】 マグネシウムジエトキシド(4.8146g)を、攪拌
棒付きの250mlのエルレンマイヤーフラスコへと直
接秤量し、そしてm−キシレン10mlに浸漬した。2
−エチル−2−ヘキセン酸(62.8171g)を10
0mlビーカーで秤量し、そしてこのエルレンマイヤー
フラスコへと注いだ。このビーカーおよびフラスコの壁
を、全体で30mlのm−キシレンでリンスした。この
エルレンマイヤーフラスコを窒素でパージし、そして緩
慢な窒素流下にて、冷却器を取り付けた。この冷却器付
きエルレンマイヤーフラスコを、24時間にわたって、
電磁攪拌しつつ、85℃の油浴に置いた。この固体マグ
ネシウムエトキシドは、約30分以内に溶解することが
観察された。このエルレンマイヤーフラスコに、蒸留器
ヘッドおよび冷却器を取り付けた。この油浴温度を10
0℃まで上げた。液体は、60℃のヘッド温度より上
で、蒸留し始めた。ピークヘッド温度は65℃であり、
約4時間で、35℃まで低下した。この溶液を冷却し、
そして250mlの目盛り付きシリンダーにて、m−キ
シレン65mlで、0.40M濃度まで希釈した。
【0199】(実施例3) (石英基板上の酸化マグネシウムフィルムの作製)図3
で示した方法を使用して、石英ウエハ上に酸化マグネシ
ウムフィルムを作製した。市販の直径4インチの石英ウ
エハを、従来のスピンコーティング機に置き、そして1
300rpmで回転させた。実施例2から誘導した0.
4Mの2−エチルヘキサン酸マグネシウム液状前駆体溶
液の2mlアリコートを、静止したウエハ上に滴下し
た。この前駆体溶液の全てをこのウエハに塗布した後、
このウエハを、1300rpmで、30秒間回転させ
た。
【0200】このウエハ(この前駆体液の被覆を含め
て)を、第一ホットプレート(これは、2分間にわたっ
て、150℃まで加熱した)に置き、第一ホットプレー
トから取り除き、そして第二ホットプレート(これは、
4分間にわたって、260℃まで加熱した)に置いた。
このホットプレート加熱は、空気中で行い、この石英ウ
エハ上にて、乾燥前駆体残留物を生じた。
【0201】このウエハ(この乾燥前駆体残留物を含め
て)を、400℃で、50分間にわたって、酸素拡散炉
中の炉アニールにかけた。この時間には、この炉に入れ
る10分間の勾配およびこの炉から出す20分間の勾配
が含まれていた。
【0202】アイソスコープ(isoscope)を使
用して、得られた酸化マグネシウムフィルムが1.64
の屈折率を有していることを決定した。この屈折率を使
用して、この酸化マグネシウムフィルムが100nmの
厚さを有していることを決定した。
【0203】スピンオン前駆体蒸着、乾燥、アニーリン
グおよび厚さ測定の工程は、さらに5回繰り返した。以
下の表6は、このアイソスコープの結果を提供し、これ
は、これらの繰り返しの各1回に相当する追加の厚さを
示している。
【0204】
【表6】 (実施例4) (比較可能な走査型電子顕微鏡検査)実施例3の手順
を、第一アニールによる単一前駆体塗布について、繰り
返した。得られたMgO付き石英ウエハを切断して断面
を得、そして従来の走査型電子顕微鏡検査にかけた。図
7は、30,000倍の倍率で得られる例示的な顕微鏡
写真である。図7は、石英層702の上に形成された密
な(すなわち、低い空隙率の)酸化マグネシウム層70
0を示す。中間層境界704では、優れた結合特性が存
在する。酸化マグネシウム層700は、実質的に平面化
した外面706および均一な厚さを呈する。
【0205】酸化マグネシウム層700のグレインは、
背が高いというよりもむしろ幅が広く、そして高真空電
子線プロセスにより蒸着した酸化マグネシウムとは異な
る実質的にランダムな配向を有する。実質的には、これ
らのグレインのうち、酸化マグネシウム層700の厚さ
の半分より大きな高さを有するものはない。従来の酸化
マグネシウムフィルムとは対照的に、実質的にフィルム
700のグレインの全ては、フィルム700の厚さの半
分または4分の1より小さい高さを有する。これらのグ
レインの多くは、平板化されてさえおり、垂直に重なり
合っている構造と共に、それらの高さよりも大きな幅を
有する。この構造は、従来の酸化マグネシウムフィルム
と比較して、腐食に対して、高い耐性を与える。酸化
鉛、ソーダガラスおよび酸化アルミニウムに関する繰り
返しの実験により、本発明に従った液体プロセスによる
酸化マグネシウムの結晶化は、使用する基板の種類に影
響されないことが明らかとなった。
【0206】(実施例5) (X線回折分析)実施例3の手順を、第一アニールによ
る単一前駆体塗布について、繰り返した。得られたMg
Oフィルムを、従来のX線回折分析にかけた。図8は、
縦軸に1秒あたりのカウントをとり、横軸にブラッグ角
をとって、X線強度のプロットとして、これらの結果を
示す。得られた曲線は、結晶性酸化マグネシウムに典型
的である。その(200)および(220)のピーク
は、この曲線上に印されている。
【0207】図9は、100,000倍の倍率での酸化
マグネシウムの断面走査型電子顕微鏡写真であり、この
場合、この酸化マグネシウムは、従来の電子線蒸着法に
より作製した。高真空電子線プロセスにより蒸着した酸
化マグネシウムは、円柱状のグレイン構造を有し、これ
は、例えば、グレイン900のように、幅広いというよ
りも背が高く立ち上がっている。これらのグレインの多
くは、酸化マグネシウム層902の全厚さにわたって伸
長しており、これらのグレインの殆ど全ては、酸化マグ
ネシウム層902の厚さの少なくとも半分にわたって伸
長している。
【0208】図10は、100,000倍の倍率で、図
9の断面に近接した領域の断面図である。複数の円柱状
グレインは、それぞれ、この酸化マグネシウム層の表面
にて、対応するヘッド(例えば、ヘッド1000)を有
する。各グレイン間には、隙間(例えば、間隙100
2)が存在しており、この場所では、このフィルムは、
表面腐食に対して耐性が少ない。これらの隙間は、図7
で示した重なり合ってランダムに配向したグレイン構造
では、存在していないか、または存在の程度が小さい。
【0209】(実施例6) (スピンオンガラスバッファー層を備えたソーダガラス
基板上での酸化マグネシウムフィルムの作製)実施例3
で示した方法を使用して、二酸化ケイ素の中間層を備え
たソーダガラス上にて、酸化マグネシウムフィルムを製
造した。この基板をスピンコーティング機に置き、そし
てAllied Chemical Corporat
ionから得たスピンオンガラス溶液をこの基板に塗布
しつつ、100rpmで、5秒間回転させた。その後、
この回転速度を、1分間にわたって、300rpmまで
高めた。この基板を、アニーリング用のプログラム化可
能オーブンに置いて、塗布したスピンオン溶液から、ケ
イ素ガラスを形成した。それゆえ、この基板を、酸素中
にて、70℃で、1分間加熱し、次いで、10℃/分の
速度で、475℃まで勾配を付けた。この475℃を3
0分間保持して、この基板を、このオーブン中にて、冷
却した。
【0210】冷却した基板を、このスピンコーティング
機に置いた。実施例1から誘導した0.6Mの2−エチ
ルヘキサン酸マグネシウム液状溶液の20mlアリコー
トを、移動ピペットを用いて、静止したウエハ上に滴下
した。この湿潤基板を、100rpmで、約5秒間回転
させ、その後、この回転速度を、1分間にわたって、3
00rpmまで高めた。塗布した溶液を、乾燥のため
に、室温で、30分間放置した。
【0211】この基板(この前駆体液の薄フィルム被フ
ィルムを含めて)を、酸素(O2)雰囲気と共に、プロ
グラム化可能オーブンに置いて、乾燥目的のために、第
一加熱段階にて、1分間にわたって、70℃まで加熱し
た。第二加熱段階では、この温度を、350℃まで、1
0℃/分の勾配を付けることにより、乾燥を高め、そし
てこの温度水平域を、30分間保持した。この薄フィル
ムを、さらに、第三加熱段階にて、この温度を、475
℃の最高水平域まで、10℃/分の勾配を付けることに
より、加熱し、そしてこの温度を、30分間保持した。
この基板を、このプログラム化可能オーブンから取り出
し、そして形成気体(N2中の1%のH2)中にて、47
5℃で60分間(室温から475℃まで10℃/分の勾
配を含めて)で、還元アニールにかけた。この最終工程
は、指示した試料用に使用したものの、それは、任意で
あると考えられている。
【0212】アイソスコープを使用して、得られた酸化
マグネシウムフィルムが1.64の屈折率を有している
ことを確認した。この屈折率を使用して、この酸化マグ
ネシウムフィルムが500nmの厚さを有していること
を確認した。
【0213】(X線回折分析)実施例6で製造したMg
Oフィルムを、従来のX線回折分析にかけた。図11
は、Y軸の1秒あたりでカウントしたX線強度とX軸の
ブラッグ角とのプロットとして、これらの結果を示す。
得られた曲線は、結晶性酸化マグネシウムに典型的であ
る。その(200)および(220)のピークは、この
曲線上に印されている。
【0214】(走査型電子顕微鏡検査)実施例6で製造
したMgOフィルムを切断して断面を得、そして従来の
走査型電子顕微鏡検査にかけた。図12は、30,00
0倍の倍率での代表的な電子顕微鏡写真を示す。図12
は、スピンオンガラスから製造されたバッファー層12
02の上に形成された密な(すなわち、低い空隙率の)
酸化マグネシウム層1200を示す。酸化マグネシウム
層1200は、実質的に平面化した外面1204および
均一な厚さを呈する。酸化マグネシウム層1200は、
ランダムに配向したグレイン構造を有し、これは、図7
で示したグレイン構造と実質的に同じである。
【0215】(カソード発光スペクトル)図13は、波
長対強度のプロットからなるカソード発光スペクトルで
あり、ここで、実施例6の様式で調製した試料から、F
およびF+中心の鋭いピークが見られる。この発光スペ
クトルは、従来の酸化マグネシウム(例えば、図9およ
び10で示した酸化マグネシウム)の発光スペクトルと
実質的に同じである。それゆえ、グレイン構造の相違、
およびランダムに配向したグレイン構造から誘導される
腐食に対する増大した耐性は、この酸化マグネシウム
(これは、本発明の液体蒸着方法に従って製造した)の
発光スペクトルに影響を与えない。
【0216】(実施例7) (酸化マグネシウムフィルム上のミスト形成蒸着)図3
で示したプロセスを使用して、二酸化ケイ素の中間層と
共に、ソーダガラス上にて、酸化マグネシウムフィルム
を製造したが、工程P306には、図4および5で示し
た装置を使用して、この液状前駆体上のミスト形成蒸着
を含めた。ソーダガラス基板をスピンコーティング機に
置き、そしてAllied Chemical Cor
porationから得たスピンオンガラス溶液をこの
基板に塗布しつつ、100rpmで、5秒間回転させ
た。その後、この回転速度を、1分間にわたって、30
0rpmまで高めた。この基板を、アニーリング用のプ
ログラム化可能オーブンに置いて、塗布したスピンオン
溶液から、ケイ素ガラスを形成した。それゆえ、この基
板を、酸素中にて、70℃で、1分間加熱し、次いで、
10℃/分の速度で、475℃まで勾配を付けた。この
475℃を30分間保持して、この基板を、このオーブ
ン中にて、冷却した。
【0217】冷却した基板を、図4および5で示したミ
スト形成蒸着装置のプラズマディスプレイパネルホルダ
454に置いた。蒸着は、表7で列挙したパラメータを
用いて、55分間にわたって実施した。この液状前駆体
は、1当量過剰の2−エチルヘキサン酸と共に、メタノ
ール溶媒中の0.6Mの2−エチルヘキサン酸マグネシ
ウムであった。
【0218】
【表7】 この基板(この前駆体液の被フィルムを含めて)を、1
0リットル/分の流速の温めた酸素(O2)と共に、プ
ログラム化可能オーブンに置いて、乾燥目的のために、
第一加熱段階にて、1分間にわたって、70℃まで加熱
した。第二加熱段階では、この温度を、350℃まで、
10℃/分の勾配を付けることにより、乾燥を高め、そ
してこの温度水平域を、同じ酸素雰囲気と共に、30分
間保持した。この温度を、さらに、500℃の最高水平
域まで、10℃/分の勾配を付け、そしてこの温度を、
同じ酸素雰囲気下にて、30分間保持した。得られた酸
化マグネシウムフィルムの厚さは、720nmであっ
た。
【0219】(X線回折分析)実施例7で製造したMg
Oフィルムを、通常のX線回折分析にかけた。図14
は、Y軸に1秒あたりでカウントしたX線強度とX軸の
ブラッグ角とのプロットとして、これらの結果を描写し
ている。得られた曲線は、多結晶性酸化マグネシウムに
典型的である。その(200)および(220)のピー
クは、この曲線上に印されている。
【0220】当業者は、上記の好ましい実施態様が、本
発明の真の範囲および精神から逸脱することなく、明ら
かな変更を受け得ることを理解する。今ここで、本発明
の方法を用いて、プラズマディスプレイ用の光学基板上
にて、高品質の酸化マグネシウム被覆が製造できること
が開示され、同じ方法は、他の簡単な金属酸化物(例え
ば、酸化スズ、酸化チタン、および類似の目的のための
他のもの)でフィルムを作製するのに適用できる。本発
明の方法は、容易に沈殿物を形成するために調製が困難
な金属酸化物(例えば、酸化鉛)に対して、実用的に有
効であることが分かった。本発明者は、それにより、本
発明の全権利を保護するために、均等論に頼って本発明
を述べている。
【0221】プラズマディスプレイにて酸化マグネシウ
ム層を製造する方法が提供される。カルボン酸およびメ
タノール溶媒中にてカルボン酸マグネシウムを含有する
液状前駆体溶液が、ディスプレイパネルに塗布され、複
数の加熱段階で乾燥され、そしてアニールされて、優れ
た電気光学性能を有する固体酸化マグネシウム層が得ら
れる。カルボン酸塩は、カルボキシレートリガンドを含
有し、各リガンドは、5個〜11個の炭素原子を有し、
このカルボン酸の分子はまた、5個〜7個の炭素原子を
含有する。このカルボン酸マグネシウムのカルボキシレ
ートリガンドは、このカルボン酸の共役塩基である。こ
のカルボン酸は、このカルボン酸マグネシウムのモル濃
度の少なくとも約50%に等しい量で、存在している。
この前駆体は、ミスト形成蒸着法またはスピンコーティ
ングを用いて、塗布される。これらの加熱段階では、こ
の温度は、少なくとも2つの異なるプラトー温度まで、
少なくとも10℃/分の速度で、勾配を付けられてい
る。得られた酸化マグネシウム層のグレイン構造は、円
柱状というよりもむしろ平坦であり、これらのグレイン
は、主に、他のグレインと垂直の関係で重なり合って、
酸化マグネシウム層を通って隙間空間が伸長するのを防
止する。
【0222】
【発明の効果】本発明により、大面積プラズマディスプ
レイパネルおよび他の大光学ディスプレイ基板上に金属
酸化物膜を蒸着する大容量で低価格の方法が提供され
る。この蒸着方法は、20インチより大きい対角線を有
するディスプレイ上に120ナノメーター(nm)より
大きい厚さを有する膜において、優れた電気光学特性を
有する均一な金属酸化物膜(特に、酸化マグネシウム
膜)を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に従って製造した酸化マグネシ
ウム層を含むカラープラズマディスプレイパネルの透視
断面図である。
【図2】図2は、本発明による前駆体および方法で使用
されるカルボン酸マグネシウムの好ましい化学式を示
す。
【図3】図3は、本発明によるプラズマディスプレイパ
ネル上の酸化マグネシウム層を形成するのに好ましいプ
ロセスのブロック線図である。
【図4】図4は、本発明による好ましいミスト形成蒸着
装置の概略図である。
【図5】図5は、図4のミスト形成蒸着装置の蒸着ステ
ーションを図示している概略図である。
【図6】図6は、本発明による前駆体を製造する好まし
い方法のブロック線図である。
【図7】図7は、本発明に従ってスピン塗装法を使用し
て製造した本発明による酸化マグネシウム膜の走査型電
子顕微鏡写真である。
【図8】図8は、縦軸に1秒あたりのカウントをとり、
横軸にブラッグ角をとったX線強度のプロットであり、
これは、本発明に従ってスピン塗装法を用いて製造した
本発明による酸化マグネシウム膜上にて、X線回折を実
行することにより得られる。
【図9】図9は、従来の酸化マグネシウム(これは、電
子線蒸着法による従来の処理から生じる望ましくない円
柱状構造を有する)の横断面図を示す走査型電子顕微鏡
写真である。
【図10】図10は、図10に対応する従来の酸化マグ
ネシウム(これは、これらの円柱状グレインのヘッドか
ら形成された粗い表面を備えている)の表面図を示す走
査型電子顕微鏡写真である。
【図11】図11は、縦軸に1秒あたりのカウントをと
り、横軸にブラッグ角をとったX線強度のプロットであ
り、これは、本発明に従ってスピン塗装法およびバッフ
ァー層を用いて製造した本発明による酸化マグネシウム
膜上にて、X線回折を実行することにより得られる。
【図12】図12は、本発明に従ってスピン塗装法およ
びバッファー層を用いて製造した本発明による酸化マグ
ネシウム膜の走査型電子顕微鏡写真である。
【図13】図13は、本発明に従ってスピン塗装法およ
びバッファー層を用いて製造した本発明による酸化マグ
ネシウム膜を包含する画素から得られたカソード発光ス
ペクトルの波長対強度のプロットである。
【図14】図14は、縦軸に1秒あたりのカウントをと
り、横軸にブラッグ角をとったX線強度のプロットであ
り、これは、本発明に従ってミスト形成蒸着システムお
よび方法を用いて製造した酸化マグネシウム膜上にて、
X線回折を実行することにより得られる。
【符号の説明】
100 カラープラズマディスプレイパネル 102 前面パネル 104 後面パネル 106 ソーダ石灰ガラス基板 112 カソード 116 バス電極 118 持続電極 120 誘電性ガラス層 121 バッファー層 122 酸化マグネシウム層 126 アドレス電極 130 バリヤリブ 134 赤色蛍光体 136 緑色蛍光体 138 青色蛍光体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 11/02 H01J 11/02 Z (72)発明者 カルロス エイ. パヅ デ アロージョ アメリカ合衆国 コロラド 80919, コ ロラド スプリングス, ウエスト サン バード クリフス レーン 317 (72)発明者 ラリー ディー. マックミラン アメリカ合衆国 コロラド 80919, コ ロラド スプリングス, ブロッドゲット ドライブ 3005 (72)発明者 ジェフリー ダブリュー. ベーコン アメリカ合衆国 コロラド 80907, コ ロラド スプリングス, イースト コロ ンビア ストリート 332 (72)発明者 ジョランタ セリンスカ アメリカ合衆国 コロラド 80919, コ ロラド スプリングス, ジュライン ロ ード 7420 (72)発明者 ジョセフ ディー. キュチアロ アメリカ合衆国 コロラド 80919, コ ロラド スプリングス, ロスメアー ス トリート 2545 (72)発明者 加納 剛太 京都府長岡京市うぐいす台38 (72)発明者 和迩 浩一 大阪府高槻市南平台1−19−22 (72)発明者 山口 義夫 大阪府大阪市北区中津2−8 A508 (72)発明者 森田 達夫 京都府相楽郡加茂町南加茂台9−5−8 (72)発明者 有田 浩二 アメリカ合衆国 コロラド 80918, コ ロラド スプリングス, ジェファーズ ウェイ 2620−ビー (72)発明者 松田 明浩 アメリカ合衆国 コロラド 80920, コ ロラド スプリングス, アパートメント ナンバー5, レースウッド ポイント 8685 (72)発明者 前田 幸子 大阪府和泉市府中町5−18−6

Claims (110)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の工程:光学基板および液状前駆体
    溶液を供給すること;該液状前駆体溶液を使用して、該
    光学基板に装着された酸化マグネシウムの固体膜を形成
    すること;および該光学基板上の保護被覆として該酸化
    マグネシウムを含有するように、該プラズマディスプレ
    イパネルを完成させること;を包含する、プラズマディ
    スプレイパネルを製造する方法であって、ここで、該方
    法は、該液状前駆体溶液を供給する工程が、溶媒中にカ
    ルボン酸マグネシウムを含有する溶液を供給することを
    包含し、該溶媒は、該カルボン酸マグネシウムのモル濃
    度の少なくとも約50%の量で、カルボン酸を含有す
    る、方法。
  2. 【請求項2】 以下の工程:光学基板および液状前駆体
    溶液を供給すること;該液状前駆体溶液を使用して、該
    光学基板に装着された酸化マグネシウムの固体膜を形成
    すること;および該光学基板上の保護被覆として該酸化
    マグネシウムを含有するように、該プラズマディスプレ
    イパネルを完成させること;を包含する、プラズマディ
    スプレイパネルを製造する方法であって、ここで、該方
    法は、該液状前駆体溶液を供給する工程が、溶媒中にカ
    ルボン酸マグネシウムを含有する溶液を供給することを
    包含し、該溶媒は、メタノールを含有する、方法。
  3. 【請求項3】 前記溶媒が、さらに、カルボン酸を含有
    する、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記カルボン酸マグネシウムが、カルボ
    キシレートリガンドを含有し、各リガンドが、5個〜1
    1個の炭素原子を有する、請求項1、2または3に記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 前記カルボン酸の分子が、5個〜11個
    の炭素原子を有する、請求項1または3に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記カルボン酸マグネシウムのカルボキ
    シレートリガンドが、前記カルボン酸の共役塩基であ
    る、請求項1または3に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記カルボン酸マグネシウムが、一対の
    カルボキシレートリガンドに結合したマグネシウムを含
    有し、前記カルボン酸が、該カルボキシレートリガンド
    の少なくとも1個に関して、共役酸である、請求項1ま
    たは3に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記カルボン酸マグネシウムが、前記溶
    媒中にて、前記液状前駆体溶液1リットルあたり、0.
    4〜0.8モルの範囲のモル濃度を有する、請求項1、
    2または3に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記溶媒が、前記前駆体溶液の粘度を2
    センチポアズ未満の値まで低下させるのに有効な量で添
    加された短鎖アルコールを含有する、請求項1、2また
    は3に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記溶媒が、アルコールを含有する、
    請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記アルコールが、メタノールであ
    る、請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記カルボン酸が、前記カルボン酸マ
    グネシウムのモル濃度の少なくとも100%に等しい量
    で存在している、請求項1、2または3に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記カルボン酸が、前記カルボン酸マ
    グネシウムのモル濃度の少なくとも200%に等しい量
    で存在している、請求項1、2または3に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記形成する工程が、以下の工程:前
    記光学基板を、前記液状前駆体溶液の薄膜で被覆するこ
    と;および酸素含有雰囲気にて、該薄膜を加熱して、前
    記酸化マグネシウムを形成すること、を包含する、請求
    項1、2または3に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記薄膜を加熱する前記工程が、前記
    光学基板の光学歪み温度未満の温度で起こる、請求項1
    4に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記薄膜を加熱する前記工程が、該薄
    膜を、90℃未満の温度で乾燥する工程を包含する、請
    求項14に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記薄膜を乾燥する前記工程が、70
    ℃以下の温度で実行される、請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記加熱する工程が、前記乾燥する工
    程の後、200℃〜400℃の範囲の温度で、前記膜を
    焼き付ける工程を包含する、請求項16に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記加熱する工程が、前記焼き付ける
    工程の後、450℃〜550℃の範囲の温度で、前記膜
    をアニールする工程を包含する、請求項18に記載の方
    法。
  20. 【請求項20】 前記膜を加熱する前記工程が、前記ア
    ニールする工程の後、窒素および窒素と水素の混合物か
    らなる群から選択される雰囲気にて、アニールする工程
    を包含する、請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記前駆体膜を加熱する前記工程が、
    520℃未満の温度まで加熱することからなる、請求項
    14に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記前駆体膜を加熱する前記工程が、
    還元雰囲気中で加熱することを包含する、請求項14に
    記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記還元雰囲気が、本質的に、窒素お
    よび水素の混合物からなる、請求項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】 窒素および水素の前記混合物が、1:
    99〜1:9の範囲の水素:窒素の容量比を包含する、
    請求項23に記載の方法。
  25. 【請求項25】 表面を被覆する前記工程が、前記光学
    基板上へと前記液状前駆体溶液をスピン処理することを
    包含する、請求項14に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記表面を被覆する工程が、前記光学
    基板上へと前記液状前駆体溶液をミスト処理することを
    包含する、請求項14に記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記カルボン酸マグネシウムが、以下
    の分子式: 【化1】 を有し、ここで、Xは、0〜1の範囲の整数であり;R
    1、R2、R3およびR4は、独立して、水素、アルキル置
    換基、アルケニル置換基およびアルキニル置換基からな
    る群から選択され;R1は、3個〜10個の炭素原子を
    有し;そしてR2、R3およびR4は、組み合わせて、3
    個〜9個の炭素原子を有する、請求項1、2または3に
    記載の方法。
  28. 【請求項28】 Xが、0であり、R2が、エチルであ
    り、R3が、水素であり、そしてR4が、ブチルである、
    請求項27に記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記形成する工程が、化学蒸着を包含
    する、請求項1、2または3に記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記光学基板上に電極を作製する工
    程、および該電極を誘電性ガラスで被覆する工程を包含
    し、ここで、該電極を作製し該電極を被覆する工程が、
    前記酸化マグネシウムを形成する前記工程の前に、実行
    される、請求項1、2または3に記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記形成する工程の前に、前記誘電性
    ガラス上にバッファー層を作製する工程を包含する、請
    求項30に記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記バッファー層が、二酸化ケイ素、
    酸化鉛および酸化アルミニウムからなる群から選択され
    る材料を含有する、請求項31に記載の方法。
  33. 【請求項33】 請求項1、2または3に記載の方法に
    より製造される、プラズマディスプレイパネル。
  34. 【請求項34】 光学基板上に酸化マグネシウム層を形
    成する際に使用する液状前駆体溶液であって、該溶液
    は、カルボン酸マグネシウムおよび溶媒を含有し;ここ
    で、該溶媒は、該カルボン酸マグネシウムのモル濃度の
    少なくとも約50%の量で、カルボン酸を含有する、液
    状前駆体溶液。
  35. 【請求項35】 光学基板上に酸化マグネシウム層を形
    成する際に使用する液状前駆体溶液であって、該溶液
    は、カルボン酸マグネシウムおよび溶媒を含有し;ここ
    で、該溶媒は、メタノールを含有する、液状前駆体溶
    液。
  36. 【請求項36】 前記溶媒が、さらに、カルボン酸を含
    有する、請求項35に記載の液状前駆体溶液。
  37. 【請求項37】 前記カルボン酸マグネシウムが、カル
    ボキシレートリガンドを含有し、各リガンドが、5個〜
    11個の炭素原子を有する、請求項34、35または3
    6に記載の液状前駆体溶液。
  38. 【請求項38】 前記カルボン酸マグネシウムの前記カ
    ルボキシレートリガンドが、前記カルボン酸の共役塩基
    である、請求項34または36に記載の液状前駆体溶
    液。
  39. 【請求項39】 前記カルボン酸マグネシウムが、1リ
    ットルあたり、0.4〜0.8モルの範囲のモル濃度を
    有する、請求項34、35または36に記載の液状前駆
    体溶液。
  40. 【請求項40】 前記溶媒が、前記前駆体溶液の粘度を
    2センチポアズ未満の値まで低下させるのに有効な量で
    添加された短鎖アルコールを含有する、請求項34に記
    載の液状前駆体溶液。
  41. 【請求項41】 前記短鎖アルコールが、メタノールを
    包含する、請求項40に記載の液状前駆体溶液。
  42. 【請求項42】 前記カルボン酸の分子が、5個〜11
    個の炭素原子を有する、請求項34または36に記載の
    液状前駆体溶液。
  43. 【請求項43】 前記カルボン酸が、前記カルボン酸マ
    グネシウムのモル濃度の少なくとも100%に等しい量
    で存在している、請求項34または36に記載の液状前
    駆体溶液。
  44. 【請求項44】 前記カルボン酸が、前記カルボン酸マ
    グネシウムのモル濃度の少なくとも200%に等しい量
    で存在している、請求項34または36に記載の液状前
    駆体溶液。
  45. 【請求項45】 前記カルボン酸マグネシウムが、以下
    の分子式: 【化2】 を有し、ここで、Xは、0〜1の範囲の整数であり;R
    1、R2、R3およびR4は、独立して、水素、アルキル置
    換基、アルケニル置換基およびアルキニル置換基からな
    る群から選択され;R1は、3個〜10個の炭素原子を
    有し;そしてR2、R3およびR4は、組み合わせて、3
    個〜9個の炭素原子を有する、請求項34、35または
    36に記載の液状前駆体溶液。
  46. 【請求項46】 Xが、0であり、R2が、エチルであ
    り、R3が、水素であり、そしてR4が、ブチルである、
    請求項45に記載の液状前駆体溶液。
  47. 【請求項47】 以下の工程:光学基板および液状前駆
    体溶液を供給すること;該液状前駆体溶液を使用して、
    該光学基板上に、金属の酸化物の固体膜を形成するこ
    と;および該光学基板上の保護被覆として該金属酸化物
    を含有するように、該プラズマディスプレイパネルを完
    成させること;を包含する、プラズマディスプレイパネ
    ルを製造する方法であって、ここで、該方法は、該供給
    する工程は、第一溶媒中に金属化合物を含有する該液状
    前駆体溶液を供給することを包含し、該第一溶媒は、該
    金属化合物の分解温度の75℃以内の沸点を有する高温
    溶媒を含有する、方法。
  48. 【請求項48】 前記液状前駆体溶液が、さらに、第二
    溶媒を含有し、該第二溶媒が、前記光学基板を濡らす溶
    媒を含有する、請求項47に記載の方法。
  49. 【請求項49】 前記高温溶媒が、前記金属化合物の分
    解温度の50℃以内の沸点を有する、請求項47に記載
    の方法。
  50. 【請求項50】 前記高温溶媒が、前記金属化合物の分
    解温度の35℃以内の沸点を有する、請求項47に記載
    の方法。
  51. 【請求項51】 光学基板上に金属酸化物層を形成する
    際に使用する液状前駆体溶液であって、該溶液は、金属
    化合物および第一溶媒を含有し、該第一溶媒は、該金属
    化合物の分解温度の75℃以内の沸点を有する、液状前
    駆体溶液。
  52. 【請求項52】 前記液状前駆体溶液が、さらに、第二
    溶媒を含有し、該第二溶媒が、前記光学基板を濡らす溶
    媒を含有する、請求項51に記載の液状前駆体溶液。
  53. 【請求項53】 前記第一溶媒が、前記金属化合物の分
    解温度の50℃以内の沸点を有する、請求項51に記載
    の液状前駆体溶液。
  54. 【請求項54】 前記第一溶媒が、前記金属化合物の分
    解温度の35℃以内の沸点を有する、請求項51に記載
    の液状前駆体溶液。
  55. 【請求項55】 以下の工程:部分的に完成したプラズ
    マディスプレイパネルおよび液状前駆体溶液を供給する
    こと;該液状前駆体溶液を使用して、該部分的に完成し
    たプラズマディスプレイパネル上に、固体物質を形成す
    ること;および該部分的に完成したプラズマディスプレ
    イパネル上の被覆として該固体物質の少なくとも一部を
    含有するように、該プラズマディスプレイパネルの作製
    を完成すること;を包含する、プラズマディスプレイパ
    ネルを製造する方法であって、ここで、該方法は、該形
    成する工程が、以下:該液状前駆体溶液のミストを製造
    すること;該ミストを、該部分的に完成したプラズマデ
    ィスプレイパネルの上へ流して、該部分的に完成したプ
    ラズマディスプレイパネル上に、該液状前駆体溶液の層
    を形成すること;および該部分的に完成したプラズマデ
    ィスプレイパネル上の該液体層を処理して、該固体物質
    を形成すること、を包含する、方法。
  56. 【請求項56】 前記固体物質が、金属酸化物を含有す
    る、請求項55に記載の方法。
  57. 【請求項57】 前記金属酸化物が、酸化マグネシウム
    を含有する、請求項56に記載の方法。
  58. 【請求項58】 前記液状前駆体溶液が、カルボン酸マ
    グネシウムを含有する、請求項55に記載の方法。
  59. 【請求項59】 前記カルボン酸マグネシウムが、カル
    ボキシレートリガンドを含有し、各リガンドが、5個〜
    11個の炭素原子を有する、請求項58に記載の方法。
  60. 【請求項60】 前記液状前駆体溶液が、カルボン酸を
    含む溶媒を含有する、請求項55に記載の方法。
  61. 【請求項61】 前記カルボン酸の分子が、5個〜11
    個の炭素原子を有する、請求項60に記載の方法。
  62. 【請求項62】 前記液状前駆体溶液が、カルボン酸金
    属塩を含有し、そして前記カルボン酸が、該カルボン酸
    金属塩のモル濃度の少なくとも100%に等しい量で存
    在している、請求項61に記載の方法。
  63. 【請求項63】 前記カルボン酸が、前記カルボン酸金
    属塩のモル濃度の少なくとも200%に等しい量で存在
    している、請求項62に記載の方法。
  64. 【請求項64】 前記カルボン酸金属塩のカルボキシレ
    ートリガンドが、前記カルボン酸の共役塩基である、請
    求項62に記載の方法。
  65. 【請求項65】 前記カルボン酸マグネシウムが、1リ
    ットルあたり、0.4〜0.8モルの範囲のモル濃度を
    有する、請求項58に記載の方法。
  66. 【請求項66】 前記液状前駆体溶液が、メタノールを
    含む溶媒を含有する、請求項55に記載の方法。
  67. 【請求項67】 請求項55に記載の方法であって、前
    記ミストを電気的に加速する工程をさらに包含する、方
    法。
  68. 【請求項68】 前記流す工程が、シャワーヘッドプレ
    ートを通して前記ミストを流すことを包含する、請求項
    55に記載の方法。
  69. 【請求項69】 前記流す工程が、前記シャワーヘッド
    プレートを通して前記ミストを流す前に、該ミストを拡
    大チャンバへと流すことをさらに包含する、請求項68
    に記載の方法。
  70. 【請求項70】 前記ミストを製造する工程が、ベンチ
    ュリを使用して該ミストを製造することを包含する、請
    求項55に記載の方法。
  71. 【請求項71】 前記ミストを製造する工程が、質量流
    量制御器で前記液状前駆体溶液の流れを制御することを
    包含する、請求項55に記載の方法。
  72. 【請求項72】 前記処理する工程が、以下:真空に晒
    すこと、紫外線に暴露すること、乾燥すること、加熱す
    ること、焼き付けること、急速熱処理、およびアニーリ
    ング、からなる群から選択される工程を包含する、請求
    項55に記載の方法。
  73. 【請求項73】 前記処理する工程が、前記薄膜を、2
    0℃と90℃の間の温度で乾燥する工程を包含する、請
    求項72に記載の方法。
  74. 【請求項74】 前記処理する工程が、前記乾燥する工
    程の後、200℃〜400℃の範囲の温度で、前記膜を
    焼き付ける工程を包含する、請求項73に記載の方法。
  75. 【請求項75】 前記加熱する工程が、前記焼き付ける
    工程の後、450℃〜550℃の範囲の温度で、前記膜
    をアニールする工程を包含する、請求項74に記載の方
    法。
  76. 【請求項76】 以下の工程:光学的に部分的に完成し
    たプラズマディスプレイパネルおよび液状前駆体溶液を
    供給すること;該液状前駆体溶液を該部分的に完成した
    プラズマディスプレイパネルに塗布して、該部分的に完
    成したプラズマディスプレイパネル上に膜を形成するこ
    と;該膜を加熱して、固体物質を形成すること;および
    該部分的に完成したプラズマディスプレイパネル上の保
    護被覆として該固体物質の少なくとも一部を含有するよ
    うに、該プラズマディスプレイパネルの作製を完成する
    こと;を包含する、プラズマディスプレイパネルを製造
    する方法であって、ここで、該方法は、該加熱する工程
    が、複数の加熱段階で該膜を加熱することを包含し、該
    複数の加熱段階の各々は、該膜のアニール温度より低い
    異なる温度でなされる、方法。
  77. 【請求項77】 前記複数の加熱段階で加熱する工程
    が、以下:10℃と175℃の間の温度で、前記部分的
    に完成したプラズマディスプレイパネル上の前記膜を乾
    燥すること;および200℃と400℃の間の温度で、
    該部分的に完成したプラズマディスプレイパネル上の前
    記膜を焼き付けて、該部分的に完成したプラズマディス
    プレイパネル上に、固体物質を形成すること;を包含す
    る、請求項76に記載の方法。
  78. 【請求項78】 前記乾燥する工程が、20℃と90℃
    の間の温度で実行される、請求項77に記載の方法。
  79. 【請求項79】 前記液状前駆体溶液が、メタノールを
    含有し、前記乾燥する工程が、約30分間にわたって、
    約20℃で実行される、請求項77に記載の方法。
  80. 【請求項80】 前記塗布する工程が、ミスト形成蒸着
    を包含し、そして前記乾燥する工程が、70℃の温度で
    実行される、請求項77に記載の方法。
  81. 【請求項81】 請求項76に記載の方法であって、4
    50℃〜550℃の範囲の温度で、酸素中にて、前記膜
    をアニールする工程をさらに包含する、方法。
  82. 【請求項82】 前記アニールする工程が、約60分間
    にわたって、約520℃の温度で加熱することを包含す
    る、請求項81に記載の方法。
  83. 【請求項83】 前記アニールする工程が、約10℃/
    分の勾配速度で、該温度まで勾配を付けることを包含す
    る、請求項81に記載の方法。
  84. 【請求項84】 請求項76に記載の方法であって、約
    400℃〜550℃の温度で、50〜90分間にわたっ
    て、不活性または還元雰囲気で、前記光学的に部分的に
    完成したプラズマディスプレイパネルおよび膜を焼き付
    ける工程をさらに包含する、方法。
  85. 【請求項85】 以下の工程:光学基板および液状前駆
    体溶液を供給すること;該液状前駆体溶液を該光学基板
    に塗布して、該光学基板上に膜を形成すること;該光学
    基板上の該膜を加熱して、該光学基板上に固体物質を形
    成すること;および該光学基板上の被覆として該固体物
    質の少なくとも一部を含有するように、該プラズマディ
    スプレイパネルの作製を完成すること;を包含する、プ
    ラズマディスプレイパネルを製造する方法であって、こ
    こで、該方法は、該加熱する工程が、少なくとも10℃
    /分の温度勾配速度を包含する、方法。
  86. 【請求項86】 前記加熱する工程が、450℃と55
    0℃の間の温度でアニールすることを包含する、請求項
    84に記載の方法。
  87. 【請求項87】 前記加熱する工程が、200℃と40
    0℃の間の温度で焼き付けることを包含する、請求項8
    4に記載の方法。
  88. 【請求項88】 前記加熱する工程が、約400℃〜5
    00℃の温度で、不活性または還元雰囲気で、前記光学
    基板および前記膜を焼き付けることを包含する、請求項
    84に記載の方法。
  89. 【請求項89】 酸化マグネシウム層を有する光学基板
    を有するプラズマディスプレイパネルであって、その改
    良点として、該酸化マグネシウム層が、幅広いというよ
    りむしろ背が高い円柱状グレイン構造が該光学基板から
    生じることが実質的にないことを特徴とする、プラズマ
    ディスプレイパネル。
  90. 【請求項90】 前記酸化マグネシウム層が、主に、該
    酸化マグネシウム層の厚さの半分未満のグレインから形
    成される、請求項89に記載のプラズマディスプレイパ
    ネル。
  91. 【請求項91】 前記酸化マグネシウム層の前記グレイ
    ンが、主に、背が高いよりもむしろ幅が広い、請求項8
    9に記載のプラズマディスプレイパネル。
  92. 【請求項92】 前記酸化マグネシウム層の前記グレイ
    ンが、隙間空間が該酸化マグネシウム層を通って伸長す
    るのを防止するために、他のグレインに対して垂直の関
    係で主に重なり合っている、請求項89に記載のプラズ
    マディスプレイパネル。
  93. 【請求項93】 前記酸化マグネシウム層を得るのに使
    用される液状前駆体液の液体蒸着を包含する方法により
    製造される、請求項89に記載のプラズマディスプレイ
    パネル。
  94. 【請求項94】 電子線蒸着処理により生じる酸化マグ
    ネシウムと比較して、実質的に同じカソード発光スペク
    トルを有する、請求項89に記載のプラズマディスプレ
    イパネル。
  95. 【請求項95】 酸化マグネシウム層を有するプラズマ
    ディスプレイパネルを包含する電気光学装置であって、
    その改良点として、該酸化マグネシウム層が、該酸化マ
    グネシウム層の厚さの半分未満の高さのグレインサイズ
    を有することを特徴とする、電気光学装置。
  96. 【請求項96】 酸化マグネシウム層を有するプラズマ
    ディスプレイパネルを包含する電気光学装置であって、
    その改良点として、該酸化マグネシウム層が、ランダム
    に配向したグレインを有することを特徴とする、電気光
    学装置。
  97. 【請求項97】 酸化マグネシウム層を有するプラズマ
    ディスプレイパネルを包含する電気光学装置であって、
    その改良点として、該酸化マグネシウム層の該グレイン
    が、隙間空間が該酸化マグネシウム層を通って伸長する
    のを防止するために、他のグレインに対して垂直の関係
    で主に重なり合っていることを特徴とする、電気光学装
    置。
  98. 【請求項98】 プラズマディスプレイパネルを製造す
    るための装置であって、該装置は、該プラズマディスプ
    レイパネル保持器は、部分的に完成したプラズマディス
    プレイパネルを保持するためのプラズマディスプレイパ
    ネル保持器を包含し、ここで、該装置は、以下:液状前
    駆体源;該液状前駆体のミストを生成するためのミスト
    発生器;および該プラズマディスプレイパネル保持器上
    の部分的に完成したプラズマディスプレイパネルに該ミ
    ストを塗布して、該部分的に完成したプラズマディスプ
    レイパネル上に、該前駆体の薄膜を形成するためのミス
    ト塗布器;を包含する、装置。
  99. 【請求項99】 前記ミスト塗布器が、シャワーヘッド
    を包含する、請求項98に記載の装置。
  100. 【請求項100】 前記シャワーヘッドが、ミスト霧箱
    および複数のミスト通路を有するシャワーヘッドプレー
    トを包含する、請求項99に記載の装置。
  101. 【請求項101】 請求項98に記載の装置であって、
    前記部分的に完成したプラズマディスプレイパネル上
    に、前記ミスト塗布器を通すための可動性ミスト塗布器
    支持アセンブリをさらに包含する、装置。
  102. 【請求項102】 前記ミスト発生器が、ベンチュリを
    包含する、請求項98に記載の装置。
  103. 【請求項103】 請求項98に記載の装置であって、
    前記ミストを荷電するための荷電ユニット、および該ミ
    ストを前記部分的に完成したプラズマディスプレイパネ
    ルに向けて加速するための電子ミスト加速器をさらに包
    含する、装置。
  104. 【請求項104】 前記荷電ユニットが、コロナワイヤ
    を包含する、請求項103に記載の装置。
  105. 【請求項105】 請求項98に記載の装置であって、
    前記液状前駆体源と前記ミスト発生器との間で、質量流
    量制御器をさらに包含する、装置。
  106. 【請求項106】 複数の前記質量流量制御器を包含す
    る、請求項105に記載の装置。
  107. 【請求項107】 請求項98に記載の装置であって、
    前記部分的に完成したプラズマディスプレイパネルを加
    熱するためのヒーターをさらに包含する、装置。
  108. 【請求項108】 酸化マグネシウム層で被覆した前面
    パネルを有するプラズマディスプレイパネルを包含する
    電気光学装置であって、ここで、該酸化マグネシウム層
    が、以下の工程:該前面パネルの表面を、溶媒に分散し
    たカルボン酸マグネシウム部分を含有する液状前駆体溶
    液で被覆することであって、該カルボン酸マグネシウム
    部分は、5個〜11個の炭素原子を有する;該前面パネ
    ル上の該液状前駆体溶液を乾燥して、乾燥前駆体膜を供
    給すること;および該乾燥前駆体膜を、酸素中で、加熱
    して、光学基板上に酸化マグネシウム層を供給するこ
    と;を包含する方法により形成される、装置。
  109. 【請求項109】 前記酸化マグネシウム層を形成する
    のに使用される前記方法での前記乾燥する工程が、第一
    プラトー温度まで加熱することに続いて、第二プラトー
    温度まで加熱することを包含する、請求項108に記載
    の電気光学装置。
  110. 【請求項110】 前記酸化マグネシウム層を形成する
    のに使用される前記方法での前記加熱する工程が、前記
    乾燥前駆体膜を、酸素中で、500℃未満の温度で加熱
    して、該酸化マグネシウム層を製造することを包含す
    る、請求項108に記載の電気光学装置。
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