JP2001048530A - カルシウムアルミネートの製造方法 - Google Patents

カルシウムアルミネートの製造方法

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JP2001048530A
JP2001048530A JP11219146A JP21914699A JP2001048530A JP 2001048530 A JP2001048530 A JP 2001048530A JP 11219146 A JP11219146 A JP 11219146A JP 21914699 A JP21914699 A JP 21914699A JP 2001048530 A JP2001048530 A JP 2001048530A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特願平10−339500号や同11−51094 号等によ
り提案したフッ素の安定化処理方法を実施する際に、カ
ルシウムアルミネートの製造コストが嵩む。 【解決手段】 石灰石1a、生石灰1bおよび消石灰1cのう
ちの少なくとも1種である石灰質材料1と、ボーキサイ
ト2aおよび、例えば製鉄業で発生するアルミナ系耐火物
屑2bのうちの少なくとも1種であるアルミナ質材料2と
を混合し、1200〜1350℃の温度域で高温焼成することに
より、3CaO・Al2O3 およびCa3(Al、Fe)2O6を30重量%以
上含み、産業廃棄物8または排水10に含有されるフッ素
の固定化剤7であるカルシウムアルミネート5を製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば産業廃棄物
から溶出するフッ素や、排水等に含有されるフッ素を固
定することができるカルシウムアルミネートの製造方法
に関する。より具体的には、本発明は、例えば製鉄所等
において不可避的に発生するアルミナ含有耐火物の廃
材、すなわちアルミナ系耐火物屑を有効に利用したカル
シウムアルミネートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、製鋼工程では、例えば
トーピード、溶銑鍋または転炉において生成される溶銑
予備処理スラグ、上吹き操業、底吹き操業または上下
吹き操業等により生成される転炉スラグ、高周波加熱
またはアーク加熱により生成される電気炉スラグ、さら
には真空精錬法、取鍋精錬法または簡易取鍋精錬法等
の二次精錬(炉外精錬)を行った際に生成される二次精
錬スラグといった各種の製鋼スラグが不可避的に発生す
る。
【0003】これまで、これらの製鋼スラグは、土木工
事材として再利用されたり、廃棄スラグとして埋め立て
処分されてきた。例えば、1997年度の一年間に発生した
製鋼スラグの排出総量約1020万トンのうちの55%強に相
当する約570 万トンが、土木工事や埋め立てに用いられ
た。
【0004】ところで、これらの製鋼スラグには、製鋼
過程において、スラグ融点を下げて流動性を向上させて
溶鋼との反応性を向上させるために、蛍石(CaF2)が添
加される。このため、一般的に、製鋼スラグにはフッ素
が不可避的に含有される。
【0005】一方、例えば、ステンレス鋼板の酸洗工程
や半導体の製造工程等においては、フッ酸などの薬品が
表面処理剤として大量に使用されている。このため、こ
れらの工程から排出される排水にも、フッ素が不可避的
に含有されている。
【0006】近年、このフッ素を長期間に渡って多量に
摂取すると、歯牙フッ素症、骨フッ素症さらには運動障
害性フッ素症等の各種障害が引き起こされることが判明
してきた。このため、我が国においても平成11年2月
に、フッ素は、水質および地下水環境基準項目の一つに
指定されており、また水処理設備等から排出される排水
についても排出基準によって規制されている。これらの
フッ素に関する地下水環境基準や排出基準等は、今後さ
らに強化される方向にあり、さらに土壌環境基準の設定
等についても鋭意検討されている。
【0007】したがって、産業廃棄物として多量に発生
する製鋼スラグを、前述した土木工事や埋め立てに用い
る場合には、製鋼スラグにフッ素溶出の抑制処理を行っ
て、土中に埋め立てられた後の製鋼スラグからのフッ素
の溶出に起因した環境汚染の防止に、充分配慮する必要
がある。
【0008】しかし、我が国の産業廃棄物最終処分基準
では、埋め立て処分品についてのフッ素溶出量規制値が
制定されていなかったこともあり、例えば製鋼スラグ等
の固形廃棄物からのフッ素溶出の抑制技術は、これまで
全く検討されていなかった。
【0009】一方、溶液中に高濃度に含まれるフッ素を
固定化して除去する技術として、石灰をこの溶液に添加
することによって、安定なフッ化カルシウムを沈殿さ
せ、フッ素を除去する技術が知られている。また、さら
なる高度処理として、水酸化アルミニウムを添加するこ
とによって、水酸化アルミニウムゲルとの共沈効果を利
用することにより、フッ素を除去する技術が知られてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、排水処理を行
う従来の技術によっても、いわゆる水質汚濁防止法の排
水環境基準値を下回ることはできるものの、環境保護を
考慮して、製鋼スラグから溶出するフッ素濃度を所望の
程度に、よりいっそう低下させることは、困難である。
【0011】特に、石灰をフッ素含有溶液に添加する技
術では、溶液中のフッ素濃度が低下するに伴って、溶液
中でのフッ化カルシウムの生成反応が進行し難くなる。
このため、この技術では、例えば実験室レベル等の処理
量が少ない場合には排水処理基準値を下回ることはでき
るものの、製鋼スラグに含まれるフッ素の濃度を工業的
規模で所望の程度に抑制することは、到底困難である。
【0012】そこで、本出願人らは、先に、特願平10−
339500号や同11−51094 号等により溶液中に含まれるフ
ッ素や製鋼スラグ等の産業廃棄物等からのフッ素の溶出
を抑制することによるフッ素の安定化処理方法を提案し
た。
【0013】これらの安定化処理方法は、いずれも、天
然鉱物や二次精錬スラグさらには合成鉱物等に含まれる
カルシウムアルミネートを利用した固定化剤を用いて、
溶液中のフッ素や製鋼スラグ等の産業廃棄物等からのフ
ッ素を安定化処理する方法であり、固定化剤から溶出す
るカルシウムイオンおよびアルミニウムイオンをフッ素
と反応させることによって難溶性の鉱物を生成し、フッ
素を固定化する。固定化剤としては、合成されたカルシ
ウムアルミネート化合物およびその副生物、天然に産す
るカルシウムアルミネート鉱物、さらにはカルシウムア
ルミネートを含有する二次精錬スラグ等が示されてお
り、これらの固定化剤中では、3CaO・Al2O3 がもっとも
高いフッ素抑制効果を有する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、カルシウム
アルミネートの製造には、例えば特開平10−53411 号公
報に開示されているように、カルシウム系原料およびア
ルミニウム系原料が必要である。この特開平10−53411
号公報では、アルミニウム系原料としてアルミニウム残
灰を用い、金属アルミニウムの酸化反応により発生する
熱を利用して、12CaO・7Al2O3が70重量%以上を占める
カルシウムアルミネートを製造する製造方法が提案され
ている。
【0015】ここで、アルミニウム系原料として用いる
アルミニウム残灰は、アルミニウムおよびアルミニウム
合金製造時に発生する溶解滓およびそれらを処理した際
に発生する副生品であり、30重量%から70重量%の金属
アルミニウムを含有するため、金属アルミニウムを回収
する資源として、また鉄鋼業等では保温や造滓を目的と
して有効に利用されており、高価である。このため、こ
のアルミニウム残灰をカルシウムアルミネートの原料と
して大量に使用すると、原料コストが非常に高価になっ
てしまう。
【0016】また、この方法により製造されるカルシウ
ムアルミネートは、フッ素の溶出抑制効果が最も高い3C
aO・Al2O3 ではなく、 12CaO・7Al2O3が70重量%以上を
占めるため、このカルシウムアルミネートをフッ素固定
化剤として用いても、フッ素の溶出抑制効果が不充分で
ある。
【0017】ここに、本発明の目的は、フッ素の溶出を
効率的に抑制することができるカルシウムアルミネート
を、安価にかつ大量に製造する方法を提供することであ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】ここに、本発明は、石灰
質材料とアルミナ質材料とを混合し、焼成することを特
徴とするカルシウムアルミネートの製造方法である。
【0019】この本発明にかかるカルシウムアルミネー
トの製造方法では、焼成の温度域が1200℃以上1350℃
以下であること、カルシウムアルミネートが、産業廃
棄物または排水に含有されるフッ素の固定化剤であるこ
と、カルシウムアルミネートが、3CaO・Al2O3 および
Ca3(Al、Fe)2O6を30重量%以上含むこと、アルミナ質
材料が、ボーキサイトおよび、例えば製鉄業で発生する
アルミナ系耐火物屑のうちの少なくとも1種であるこ
と、および石灰質材料が、石灰石、生石灰および消石
灰のうちの少なくとも1種であることのうちの少なくと
も一つを満足することが望ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるカルシウム
アルミネートの製造方法の実施の形態を、添付図面を参
照しながら詳細に説明する。
【0021】図1は、本実施形態の製造方法によってカ
ルシウムアルミネート5を製造する状況を模式的に示す
説明図である。同図に示すように、本実施形態では、石
灰質材料1とアルミナ質材料2とを混合し、1200℃以上
1350℃以下の温度域で高温焼成する。
【0022】すなわち、石灰石1a、生石灰1bおよび消石
灰1cのうちの少なくとも1種に由来する石灰質材料1
と、ボーキサイト2aおよびアルミナ系耐火物屑2bのうち
の少なくとも1種に由来するアルミナ系材料2とを、機
械3により混合および粉砕し、加熱炉4に装入して1200
℃以上1350℃以下の温度域で高温焼成する。これによ
り、カルシウムアルミネート5が製造される。
【0023】また、図2は、図1に示す本実施形態によ
り製造されたカルシウムアルミネート5を用いて、フッ
素を含有する固形廃棄物8から溶出するフッ素の安定処
理を行う状況を模式的に示す説明図である。
【0024】同図に示すように、図1に示す本実施形態
により製造されたカルシウムアルミネート5を粉砕機6
により粉砕して固定化剤7を製造する。そして、製造し
た固定化剤7と固形廃棄物8とを混合機9で混合するこ
とにより、安定化処理を行う。
【0025】また、図3は、図1に示す本実施形態によ
り製造されたカルシウムアルミネート5を用いて、フッ
素を含有する排水10の安定処理を行う状況を模式的に示
す説明図である。
【0026】同図に示すように、図1に示す本実施形態
により製造されたカルシウムアルミネート5を粉砕機6
により粉砕して固定化剤7を製造する。排水10を沈殿槽
11へ導入し、この沈殿槽11に固定化材7を投入すること
により、安定化処理を行う。
【0027】そこで、以降の説明では、石灰質材料1、
アルミナ系材料2、カルシウムアルミネート5、固定化
剤7、カルシウムアルミネート製造工程、および固定化
剤7を用いた安定化処理について、順次説明する。
【0028】[石灰質材料1]本実施形態によりカルシウ
ムアルミネート5を製造する際に、使用する石灰質材料
1については、何ら限定を要さない。石灰質材料1とし
ては、例えば、石灰石1a、生石灰1bおよび消石灰1cのう
ちの少なくとも1種が例示される。
【0029】この石灰質材料1の主要構成成分は、石灰
石1aはCaCO3 、生石灰1bはCaO そして消石灰1cはCa(OH)
2 である。工業的には生石灰1bは石灰石1aを高温焼成す
ることにより脱炭酸反応を起こさせて製造され、また消
石灰1cは生石灰1bに水を添加して水和反応させることに
より製造される。
【0030】本実施形態によりカルシウムアルミネート
5を製造する場合、最終的に必要な石灰質成分はCaO で
あるが、前述の脱炭酸反応あるいは水和反応の逆反応で
ある脱水反応は、カルシウムアルミネート5の製造工程
において加熱炉4により加熱することにより進行する。
このため、いずれの材料を使用した場合でも、製造され
るカルシウムアルミネート5の品質等に影響を与えるも
のではない。このため、石灰質材料1の構成成分は、原
料コストおよびカルシウムアルミネート5の製造時のエ
ネルギーコスト等を勘案して、適宜決定すればよい。
【0031】また、この石灰質材料1は、カルシウムア
ルミネート5の製造工程において、アルミナ質材料2と
の混合焼成を行われるものであり、非溶融状態での固体
−固体反応によりカルシウムアルミネート5を製造する
場合には、反応界面積を大きくしたほうが製品であるカ
ルシウムアルミネート5の均一性や純度の面あるいは生
産性の面から有利である。このため、石灰質材料1は粉
末状であることが望ましい。しかしながら、溶融状態で
カルシウムアルミネート5を製造する場合には、石灰質
材料1の粒度に関して何ら限定を要するものではないこ
とは、言うまでもない。
【0032】[アルミナ質材料2]本実施形態では、アル
ミナ質材料2としてボーキサイト2aおよびアルミナ系耐
火物屑2bのうちの少なくとも1種を用いる。ボーキサイ
ト2aは、構成主要鉱物はAl2O3・2H2Oであるため、加熱
することによって脱水されたAl2O3 となる。したがっ
て、本実施形態のカルシウムアルミネート5を製造する
場合に必要なAl2O3源として使用することができる。ま
た、ボーキサイト2aはアルミニウムやアルミニウム合金
の製造時の原料として広く利用されているため、大量か
つ安定的に入手が可能である。
【0033】アルミナ系耐火物屑2bは、例えば製鉄所等
の溶融状態の金属を取り扱う工場等において広く使用さ
れている高アルミナ耐火物を解体した際に発生する廃材
である。高アルミナ系耐火物は、通常、非常に高い純度
のアルミナが使用されており、解体屑であっても90重量
%以上のアルミナを含有する。しかしながら、通常、ア
ルミナ系耐火物屑2bは、他用途での再利用が困難である
ことから、殆どの場合、廃棄物として処分されている
か、あるいは路盤材等として非常に低価格で販売されて
いる。このため、アルミナ系耐火物屑2bは、非常に安価
に入手可能であることから、本実施形態のアルミナ質材
料2として適している。
【0034】また、これらアルミナ質材料2は、カルシ
ウムアルミネート5の製造工程において、石灰質材料1
と混合焼成を行われるものであり、非溶融状態での固体
−固体反応によりカルシウムアルミネート5を製造する
場合には反応界面積を大きくしたほうが、製品であるカ
ルシウムアルミネート5の均一性や純度の面あるいは生
産性の面から有利である。このため、アルミナ質材料2
は粉末状であることが望ましい。しかしながら、溶融状
態でカルシウムアルミネート5を製造する場合には、ア
ルミナ質材料2の粒度に関して何ら限定を要するもので
はないことは、言うまでもない。
【0035】[カルシウムアルミネート5]本実施形態に
おいて、石灰質材料1とアルミナ質材料2とを混合して
高温焼成することにより合成されるカルシウムアルミネ
ート5としては、 CaO・Al2O3 、5CaO・Al2O3 、 12CaO
・7Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・Al2O3 、3CaO・Al2O
3 、2CaO・Al2O3・SiO2若しくは3CaO・2Al2O3・MgO 、C
a3(Al、Fe)2O6、Ca2(Al、Fe)2O5、またはこれらの混合
物等が例示される。
【0036】また、本実施形態において製造したカルシ
ウムアルミネート5をフッ素固定剤7として使用するに
は、フッ素固定効果が最も高い、3CaO・Al2O3 の組成の
カルシウムアルミネートが望ましい。また、Ca3(Al、F
e)2O6も3CaO・Al2O3 と同様にフッ素固定効果を有す
る。このことから、カルシウムアルミネート5において
3CaO・Al2O3 組成およびCa3(Al、Fe)2O6組成が占める割
合が30重量%を越えることが望ましい。なお、製造した
カルシウムアルミネート5の鉱物相は、X線回折法等の
適宜方法によって同定することができる。
【0037】[固定化剤7]本実施形態では、本発明によ
って製造したカルシウムアルミネート5をフッ素の固定
化剤7として使用する。固定化剤7は、安定化処理を行
う固形廃棄物8からのフッ素溶出量、あるいは安定化処
理を行われる排水10のフッ素含有量によって、必要な量
および粒度が決定される。
【0038】固定化剤7によるフッ素の安定化は、対象
とする固形廃棄物8や排水10に対して過剰量を配合する
ことによって高い効果を上げることができる。しかしな
がら、固定化剤7の量を過剰に配合すると安定化処理に
要する費用が増加することから、溶出試験や含有試験な
ど適宜方法により安定化処理に必要なフッ素量を把握
し、またフッ素の低減目標値を勘案することによって、
必要最小限の配合量の固定化剤7を用いて安定化処理を
行うことが望ましい。
【0039】また、固定化剤7によるフッ素の安定化処
理は、固形廃棄物8あるいは排水10に対して同一配合量
での比較においては、固定化剤7の粒度を細粒化するこ
とによって高い効果を上げることができる。また、同一
の効果を得る場合には、固定化剤7が粗粒である場合と
の比較においては、低配合量でよい。しかしながら、固
定化剤7を細粒化することにより、安定化処理に要する
費用が増加することから、固定化剤7の配合量の決定の
場合と同様に、対象とする固形廃棄物8あるいは排水10
のフッ素溶出・含有量、必要なフッ素低減目標値および
固定化剤7の配合量も含めて総合的に判断し、決定する
ことが望ましい。
【0040】[カルシウムアルミネート製造工程]本実施
形態では、原料として石灰質材料1およびアルミナ質材
料2を混合し、高温焼成することによって、カルシウム
アルミネート5を製造する。
【0041】本実施形態において、製造したカルシウム
アルミネート5をフッ素の固定化剤7として使用する場
合、最も望ましい組成は3CaO・Al2O3 、そしてCa3(Al、
Fe)2O6である。したがって、高温焼成によってカルシウ
ムアルミネート5を製造するには、3CaO・Al2O3 の生成
温度である、1539℃以下で焼成する必要がある。石灰質
材料とアルミナ質材料の固−固相反応速度を考えれば、
1200℃以上で焼成することが望ましい。一方、3CaO・Al
2O3 組成のカルシウムアルミネートを作成する際に付随
的に 12CaO・7Al2O3といった低融点 (1420℃) 化合物が
生成することから、溶融状態を避け、なおかつ熱エネル
ギーコストを低減するために、1200℃以上1350℃以下の
温度域で焼成する。この温度域で焼成する場合、殆どの
カルシウムアルミネート化合物の融点に達しないことか
ら、原料の溶融を伴うことなくカルシウムアルミネート
5を製造することができるため、その後の粉砕機6での
粉砕コストを低減できる。
【0042】本実施形態では、固体−固体反応によって
カルシウムアルミネート5を製造するため、製品の純度
および均一性を確保するために原料である石灰質材料1
およびアルミナ質材料2は、いずれも粉末状とすること
が望ましい。このため、必要に応じて、これら原料を予
め粉砕しておくか、あるいは所定の配合に混合して粉砕
しておくことが望ましい。
【0043】また、焼成後の製品であるカルシウムアル
ミネート5のハンドリングを容易にし、また純度および
均一性を向上させる意味からも、混合した原料を造粒す
ることも望ましい。原料の混合装置としてはパドルミキ
サーやスクリューミキサー等が例示され、造粒装置とし
ては傾斜パン型造粒機やドラム型造粒機等が例示され
る。また、混合および造粒の機能を合わせ持つアイリッ
ヒミキサー等も例示される。
【0044】高温焼成によりカルシウムアルミネート5
を製造する場合、これら混合した原料を加熱炉4に装入
して、1200℃以上1350℃以下の温度域で高温焼成するこ
とにより、石灰質材料1およびアルミナ質材料2を反応
させる。この際、使用する加熱炉4としては、トンネル
炉やロータリーキルン、ロータリーハースファーネス等
が例示される。これら加熱炉4によって目標とする温度
域である1200℃以上1350℃以下において2時間以上高温
焼成することにより、カルシウムアルミネート5が得ら
れる。この加熱時間は、原料である石灰質材料およびア
ルミナ質材料の粒度に大きく依存し、粒度が小さいほど
加熱時間は短くてよい。加熱炉4内での加熱時間が短い
場合には、石灰質材料1とアルミナ質材料2との反応が
十分に行われないため、得られるカルシウムアルミネー
ト5の純度が低下する。また、焼成温度を低くすると、
石灰質材料1とアルミナ質材料2との反応速度が遅くな
るため長時間の加熱が必要になる。加熱時間を長時間に
することによって生産量の低下や製造費用の増加等を招
くため、加熱炉4による加熱時間は、所望とするカルシ
ウムアルミネート5の純度を勘案し、決定することが望
ましい。
【0045】[安定化処理]図2および図3に示したよう
に、本実施形態では高温焼成により製造したカルシウム
アルミネート5を粉砕した固定化剤7を、固形廃棄物8
あるいは排水10に添加して安定化処理を行う。
【0046】固形廃棄物8はフッ素を溶出するものであ
ればその種類によって何ら制限されるものではない。本
実施形態では、固形廃棄物8として、フッ素を溶出する
製鋼スラグを用いた。また、排水10についてもフッ素を
含有するものであれば、その発生源や種類によって何ら
限定されるものではない。本実施形態では、排水10とし
てステンレス酸洗排水を処理対象とした。
【0047】固形廃棄物8の安定化処理を行う場合、固
形廃棄物8に対して必要量の固定化剤7を添加する。こ
の際、必要に応じて固形廃棄物8と固定化剤7とを混合
する。使用する混合機としてはパドルミキサーが例示さ
れる。
【0048】また、排水10の安定化処理の場合、排水処
理のために設けた沈殿槽11など排水10を貯留することが
可能な設備を用いて固定化剤7を添加する。この際、必
要に応じて、沈殿槽11内を攪拌して固定化剤7と排水10
中のフッ素との反応を促進させることが望ましい。
【0049】[安定化処理の作用]このような安定化処理
によって、フッ素を溶出する固形廃棄物8またはフッ素
を含有する排水10が安定化処理される機構を説明する。
【0050】本発明者らは、フッ化水素酸を蒸留水で希
釈した溶液に、本実施形態によって製造したカルシウム
アルミネート5を0.1 mm以下の粒度に粉砕した固定化剤
7を添加し、3〜12時間攪拌して、反応後の粉末につい
てその鉱物相をX線回折法により同定した。その結果、
反応後の粉末には、Ca3Al2(OH)12、3CaO・Al2O3・Ca(O
H)2・18H2O 、Ca2Al(OH)2F10・H2O 、CaAl(OH)5・H2O
、3CaO・Al2O3・xH2O(x=8〜12) 、2CaO・Al2O3 ・6H
2Oが存在することが認められた。また、アルミナ質材料
としてボーキサイト2aを用いた場合には、Ca3Al1.54Fe
0.46[(OH)4]3も認められた。
【0051】また、フッ化水素酸を蒸留水で希釈した溶
液を攪拌しながら、上記の本実施形態の方法により製造
した固定化剤7の小塊を浸漬して3〜12時間反応させ、
反応後の固定化剤7の小塊の表面の鉱物相をX線マイク
ロアナライザーにより同定した。その結果、固定化剤7
の小塊の表面には、X線回折法により同定された各鉱物
のOH基の一部がFと置き換わった化合物、3CaO・Al2O3
・Ca(OH)2-xFx・18H2O 、Ca3Al2(OH)12-xFx 、Ca3Al2(O
H)2F10・H2O 、Ca3Al1.54Fe0.46[(OH)4-xFx]3等が存在
することが認められた。
【0052】このようにして、カルシウムアルミネート
5を含む固定化剤7によりフッ素が安定化されること
は、下記反応機構によって説明される。例えば、固定化
剤7に含有される3CaO・Al2O3 が水共存下でフッ素イオ
ンと反応してCa3Al2(OH)12-xFxが生成する場合、3CaO・
Al2O3 粉末からカルシウムおよびアルミニウムが溶出し
てそれぞれカルシウムイオンおよびアルミニウムイオン
となる反応式と、これらのカルシウムイオンおよびア
ルミニウムイオンがフッ素イオンと反応してCa3Al2(OH)
12-xFx が生成する式とが進行する。
【0053】 3CaO+Al2O3+2H2O → 3Ca2++2AlO2 -+4OH- ・・・ 3Ca2++2AlO2 - +xF-+(4−x)OH-+4H2O→Ca3Al2(OH)12-xFx ・・・ あるいは、3CaO・Al2O3 が直接フッ素イオンおよび水と
反応してCa3Al2(OH)12-xFx が生成する式が進行す
る。
【0054】 3CaO・Al2O3 +xF-+6H2O→Ca3Al2(OH)12-xFx ・・・ このように、本実施形態では、石灰石1a、生石灰1bおよ
び消石灰1cのうちの少なくとも1種である石灰質材料1
と、ボーキサイト2aおよび、例えば製鉄業で発生するア
ルミナ系耐火物屑2bのうちの少なくとも1種であるアル
ミナ質材料2とを混合し、1200〜1350℃の温度域で高温
焼成することにより、3CaO・Al2O3 を30重量%以上含
み、産業廃棄物8または排水10に含有されるフッ素の固
定化剤7であるカルシウムアルミネート5を製造する。
【0055】このようにして、本実施形態により製造し
た固定化剤7を用いることによって固形廃棄物8から溶
出するフッ素および排水9中に含有されるフッ素が捕捉
されて、フッ素が固定化される。このようにして得られ
た固形廃棄物8の処理物からのフッ素溶出量は、水質お
よび地下水環境基準値である0.8 mg/L以下を十分に達成
できることから、環境に負荷を与えることなく、路盤材
や土木用材料として再利用することができる。
【0056】別の面からは、フッ素による環境影響を考
慮すると再利用が困難である固形廃棄物8を安定化する
ことによって、固形廃棄物8の量を低減できることから
も環境影響を低減することができ、固体廃棄物8の処理
費用も低減することができる。
【0057】また、排水10中のフッ素を処理することに
より、排水基準の15mg/L以下を十分に達成することがで
き、放流先の環境負荷の増加を防止することができる。
さらに本発明を実施例を参照しながら詳細に説明する。
【0058】
【実施例】本実施例により、カルシウムアルミネートを
製造するに際し、原料として用いる石灰質材料としての
石灰石1a、アルミナ質材料としてのボーキサイト2aおよ
び製鉄所より発生した高アルミナ耐火物の解体屑2bの化
学組成を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】(実施例1)本発明にしたがい、表1に示し
た石灰石1aおよびボーキサイト2aを粉砕・混合した後に
パン型造粒機にてペレット状とし、ロータリーキルンで
1350℃にて2時間高温焼成し、カルシウムアルミネート
5を製造した。得られたカルシウムアルミネート5のペ
レットは粉砕し、固定化剤7とした。製造した固定化材
7をX線回折法により分析し、その鉱物組成を同定し
た。この際の製造条件および鉱物組成の同定結果を表2
に示す。
【0061】
【表2】
【0062】得られたカルシウムアルミネート5を、固
形廃棄物安定化処理用にボールミルにて粉砕し、粒度を
0.1 mm以下とし、また排水安定化処理用にジョークラッ
シャーにて破砕し、5〜10mmとしてフッ素の固定化剤7
とした。表2の鉱物相同定結果から、得られたカルシウ
ムアルミネート5は3CaO・Al2O3 およびCa3(Al、Fe)2O6
を合わせて90重量%以上含有しており、充分なフッ素溶
出抑制能を有することがわかる。また、製造コストも安
価であり、良好であった。固形廃棄物8の例として、製
鉄所の製鋼工程より発生した溶銑予備処理スラグを用い
た。溶銑予備処理スラグの化学組成を表3に示す。
【0063】
【表3】
【0064】この溶銑予備処理スラグについて、平成3
年環境庁告示第46号で規定された溶出試験を行った。フ
ッ素溶出量と水質環境基準値とを表4に対比して示す。
【0065】
【表4】
【0066】表4に示す結果から、溶銑予備処理スラグ
からのフッ素溶出量が水質環境基準を超過するため、環
境保全を考慮した場合、フッ素の安定化処理を行う必要
があることが明らかであった。
【0067】そこで、本発明にしたがって、製造した0.
1 mm以下の固定化剤7を、溶銑予備処理スラグ100 重量
部に対して10重量部を添加し、得られた混合物に平成3
年環境庁告示第46号で規定された溶出試験を行った。混
合物からのフッ素溶出量と水質環境基準値とを表5に対
比して示す。
【0068】
【表5】
【0069】表5に示す結果から、溶銑予備処理スラグ
から溶出するフッ素は安定化され、水質環境基準を大き
く下回る。次に、ステンレス鋼酸洗工程において発生す
る排水を、5〜10mmの粒度の固定化剤7を用いて安定化
処理を行った。使用した排水中のフッ素の分析値と排水
基準値とを対比して、表6に示す。
【0070】
【表6】
【0071】ステンレス鋼酸洗排水中のフッ素含有量は
排水基準を超過しているため、フッ素の安定化処理を行
う必要があることが明らかであった。ステンレス鋼酸洗
排水100 重量部に対して、固定化剤7を10重量部添加
し、攪拌試験 (毎分100 回、25分間攪拌) を行った。得
られた溶液を0.45μmのメンプランフィルタで濾過し、
濾過液中のフッ素濃度を定量した。安定化処理後の排水
のフッ素含有量と排水基準値を表7に対比して示す。
【0072】
【表7】
【0073】表7に示す結果から、ステンレス鋼酸洗排
水中のフッ素は安定化され、排水基準値を大きく下回っ
た。
【0074】(実施例2)本実施形態にしたがって、表1
に示した石灰石1aおよび製鉄所より発生する高アルミナ
耐火物の解体屑2bを使用して、実施例1と同様の方法に
より固定化剤7を製造した。
【0075】製造した固定化剤7をX線回折法により分
析し、その鉱物組成を同定した。この際の製造条件およ
び鉱物組成の同定結果を表2に示す。表2に示すよう
に、得られたカルシウムアルミネート5は3CaO・Al2O3
を90重量%以上含有する。また、製造コストも安価であ
り、良好であった。
【0076】フッ素溶出の抑制効果を確認するため、実
施例1で用いた溶銑予備処理スラグ8とステンレス酸洗
排水10との安定化処理を行った。結果を表5および表7
に示す。
【0077】表5に示す結果から、安定化処理後の溶銑
予備処理スラグ8から溶出するフッ素は安定化してお
り、水質環境基準の規制値を下回った。また、表7に示
す結果から、安定化処理後、ステンレス酸洗排水中のフ
ッ素は安定化しており、排水基準を大きく下回った。
【0078】(比較例1)本発明にしたがって、表1に示
した石灰石1aおよびボーキサイト2aを使用し、これらを
粉砕・混合した後にパン型造粒機にてペレット状とし、
ロータリーキルンで1600℃で2時間高温焼成し、カルシ
ウムアルミネート5を製造した。このカルシウムアルミ
ネート5に対して、実施例1と同様の方法により固定化
剤7を製造した。
【0079】製造した固定化剤7をX線回折法により分
析し、その鉱物組成を同定した。この際の製造条件およ
び鉱物組成の同定結果を表2に示す。表2に示す結果か
ら、得られたカルシウムアルミネート5は、3CaO・Al2O
3 とCa3(Al、Fe)2O6を合わせて56%含んでいるが、焼成
温度が1600℃と高いため、熱エネルギーコストが高い。
溶融化がかなり進行しており、その後の粉砕コストが高
価となった。
【0080】フッ素の溶出抑制効果を確認するため、実
施例1に示した溶銑予備処理スラグ8およびステンレス
酸洗排水9の安定化処理を行った。その結果を表5およ
び表7に示す。
【0081】表5に示す結果から、安定化処理後の溶銑
予備処理スラグ8から溶出するフッ素は安定化されてお
り、水質環境基準をクリアしている。また、表7に示す
結果から、安定化処理後に、ステンレス酸洗排水10に含
まれるフッ素は安定化しており、排水基準を下回った。
これらの結果から、1600℃まで加熱することの利点は見
い出されない。
【0082】(比較例2)本発明にしたがって、表1に示
した石灰石1aおよびアルミニウム残灰を使用し、固定化
剤7を製造した。製造方法については、石灰石1aおよび
アルミニウム残灰を粉砕・混合した後にパン型造粒機に
てペレット状とし、ロータリーキルンで1600℃で2時間
高温焼成し、カルシウムアルミネート5を製造した。こ
のカルシウムアルミネート5から、実施例1と同様の方
法により固定化剤7を製造した。
【0083】製造した固定化剤7をX線回折法により分
析し、その鉱物組成を同定した。この際の製造条件およ
び鉱物組成の同定結果を表2に示す。表2に示す結果か
ら、得られたカルシウムアルミネート5は、焼成中金属
アルミニウムの酸化反応により1600℃以上の高温とな
り、溶融状態となったことから、その後の粉砕コストが
高くなった。また、原料であるアルミニウム残灰が高価
であるため、総じて製造コストは高価であった。
【0084】フッ素の溶出抑制効果を確認するため、実
施例1に示した溶銑予備処理スラグ8およびステンレス
酸洗排水10の安定化処理を行った。結果を表5および表
7に示す。
【0085】表5に示す結果から、安定化処理後に溶銑
予備処理スラグ8から溶出するフッ素は安定化されてお
り、水質環境基準をクリアしていた。また、表7に示す
結果から、安定化処理後に、ステンレス酸洗排水10中の
フッ素は安定化しており、排水基準を下回った。これら
の結果から、高価なアルミニウム残灰を用い、1600℃ま
で加熱することの有益性は認められない。
【0086】(比較例3)本発明にしたがい、表1に示し
た石灰石1aおよびボーキサイト2aを使用し、これらを粉
砕・混合した後にパン型造粒機にてペレット状とし、ロ
ータリーキルンで1000℃にて2時間高温焼成し、カルシ
ウムアルミネート5を製造し、このカルシウムアルミネ
ート5を、実施例1と同様の方法により固定化剤7を製
造した。
【0087】製造した固定化剤7をX線回折法により分
析し、その鉱物組成を同定した。この際の製造条件およ
び鉱物組成の同定結果を表2に示す。表2に示す結果か
ら、得られたカルシウムアルミネート5は、焼成温度が
低かったことから、3CaO・Al2O3 を15%程度、Ca3(Al、
Fe)2O6を7%程度しか含有していなかった。製造コスト
は、焼成温度が低かったことから、安価であった。
【0088】フッ素の溶出抑制効果を確認するため、実
施例1に示した溶銑予備処理スラグ8およびステンレス
酸洗排水10の安定化処理を行った。その結果を表5およ
び表7に示す。
【0089】表5に示す結果から、安定化処理後の溶銑
予備処理スラグ8から溶出するフッ素は安定化してはい
るものの、水質環境基準を達成できなかった。また、表
7に示す結果から、安定化処理後に、ステンレス酸洗排
水10中のフッ素は安定化しているものの、排水基準を上
回った。
【0090】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、固形廃棄物から溶出するフッ素や排水中のフッ素
を、いずれも、容易に安定化できる固定化剤を安価に製
造することができる。
【0091】したがって、本出願人らが先に特願平10−
339500号や同11−51094 号等により提案したフッ素の安
定化処理方法を、低コストで行うことができる。近年問
題となっている産業廃棄物の再利用を促進でき、さらに
フッ素の安定化による環境負荷の低減も可能である。か
かる効果を有する本発明の意義は極めて著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の製造方法によってカルシウムアルミ
ネートを製造する状況を模式的に示す説明図である。
【図2】図1に示す本実施形態により製造されたカルシ
ウムアルミネートを用いて、フッ素を含有する固形廃棄
物から溶出するフッ素の安定処理を行う状況を模式的に
示す説明図である。
【図3】図1に示す本実施形態により製造されたカルシ
ウムアルミネートを用いて、フッ素を含有する排水の安
定処理を行う状況を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 石灰質材料 1a 石灰石 1b 生石灰 1c 消石灰 2 アルミナ質材料 2a ボーキサイト 2b アルミナ系耐火物屑 3 混合粉砕機 4 加熱炉 5 カルシウムアルミネート 6 粉砕機 7 固定化剤 8 産業廃棄物 9 混合機 10 排水 11 沈殿槽
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/58 B09B 3/00 304C 4G076 (72)発明者 遊佐 一巳 茨城県鹿嶋市大字光3番地 住友金属工業 株式会社鹿島製鉄所内 (72)発明者 水渡 英昭 宮城県仙台市太白区八木山本町1丁目25− 1 (72)発明者 井上 亮 宮城県仙台市泉区南中山4丁目29−4 Fターム(参考) 4D004 AA43 AA46 AB08 CA15 CA30 CA34 CC11 DA03 DA10 4D015 BA10 BA11 BA19 BB05 CA17 DA08 DC04 EA02 EA06 EA32 4D038 AA08 AB41 AB42 BB17 4D062 BA10 BA11 BA19 BB05 CA17 DA08 DC04 EA02 EA06 EA32 4G002 AA08 AB01 AC03 AD04 AE05 4G076 AA02 AA18 AA24 AB02 AB22 AB28 AC01 AC07 BA38 BA47 BD02 CA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石灰質材料とアルミナ質材料とを混合
    し、焼成することを特徴とするカルシウムアルミネート
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 焼成の温度域は1200〜1350℃である請求
    項1に記載されたカルシウムアルミネートの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記カルシウムアルミネートは、産業廃
    棄物または排水に含有されるフッ素の固定化剤である請
    求項1または請求項2に記載されたカルシウムアルミネ
    ートの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記カルシウムアルミネートは、3CaO・
    Al2O3 およびCa3(Al、Fe)2O6を30重量%以上含む請求項
    1から請求項3までのいずれか1項に記載されたカルシ
    ウムアルミネートの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記アルミナ質材料は、ボーキサイトお
    よびアルミナ系耐火物屑のうちの少なくとも1種である
    請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された
    カルシウムアルミネートの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記石灰質材料は、石灰石、生石灰およ
    び消石灰のうちの少なくとも1種である請求項1から請
    求項5までのいずれか1項に記載されたカルシウムアル
    ミネートの製造方法。
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