JPH11323424A - 転炉内張り耐火物のスラグコーティング用スラグ成分調整剤及びその製造方法並びにそれによる転炉内張り耐火物の保護方法 - Google Patents

転炉内張り耐火物のスラグコーティング用スラグ成分調整剤及びその製造方法並びにそれによる転炉内張り耐火物の保護方法

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JPH11323424A
JPH11323424A JP14208098A JP14208098A JPH11323424A JP H11323424 A JPH11323424 A JP H11323424A JP 14208098 A JP14208098 A JP 14208098A JP 14208098 A JP14208098 A JP 14208098A JP H11323424 A JPH11323424 A JP H11323424A
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吉俊 齋藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融スラグ中への溶解速度に優れた転炉内張
り耐火物のスラグコーティング用スラグ成分調整剤で転
炉内張り耐火物を保護する。 【解決手段】 CaO原料として生石灰、石灰石、軽焼
ドロマイト、生ドロマイト等、MgO原料としてマグネ
サイト、軽焼ドロマイト、生ドロマイト等、Fe2 3
原料として鉄鉱石、ミルスケール等を混合し、900〜
1400℃の温度域で加熱焼成して、カルシウムフェラ
イト、CaO及びMgOの粉粒体を含む転炉内張り耐火
物のスラグコーティング用スラグ成分調整剤を製造す
る。カルシウムフェライトは10〜50質量%、CaO
は30〜60質量%、MgOは20〜40質量%とし、
粉粒体の粒度は5〜70mmとする。この調整剤を、転
炉内溶融スラグ中のMgO濃度が飽和溶解度を越えて最
大10質量%過剰になる量だけ、吹錬前又は吹錬開始後
5分までに添加して転炉内張り耐火物を保護する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転炉内張り耐火物
のスラグコーティング用スラグ成分調整剤及びその製造
方法並びにそれによる転炉内張り耐火物の保護方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、鉄鋼精錬ではスラグの塩基度
(CaO/SiO2 )を高くすると脱P反応が促進され
るため、炉体の長寿命化のために、転炉の内張りにはM
gOを主体とした塩基性耐火物を使用している。現在、
転炉の耐火物にはマグネシア・カーボンレンガなどのマ
グネシア系の耐火物が使用されている。しかし、炉体耐
火物と炉内の溶融スラグの流動によるカーボンの脱炭、
それに伴うマグネシア粒の脱落とスラグ中への溶解の進
行により、結果的に内張り耐火物の溶損が著しく進行す
るため、耐火物コストが無視できない問題となってい
る。
【0003】従来、スラグによって転炉内張り耐火物の
寿命延長をはかる方法として、吹錬中にCaO、MgO
原料を投入して、スラグ中のCaO、MgO濃度を高め
て、内張り耐火物からのマグネシアの溶解を抑制する方
法が提案されている。スラグの塩基度調整には、通常、
CaOを主成分とする生石灰、石灰石を主体とする副原
料を使用して塩基度を3.0以上とした高塩基度領域を
確保して精錬を行っている。さらに、MgOを含有する
生ドロマイトや軽焼ドロマイトを使用して、精錬中のス
ラグにMgOを含有させてマグネシア系耐火物の溶損を
防止することが提案されている。特開平2−97612
号公報には、転炉で予備処理溶銑を吹錬する場合にあっ
て、出鋼後、精錬スラグを排滓せず全量を炉内に残し、
次回吹錬のP濃度に応じた量のMgO分を生ドロマイト
及び/若しくは軽焼ドロマイトとして炉内に装入して、
内張り耐火物へのスラグコーティングを行う方法につい
て開示されている。また、スラグコーティングを実施す
る場合に使用するMgO原料についての検討例として、
特開平9−20916号公報には、溶融スラグ中にマグ
ネシア原料としてマグネシア・カーボンレンガ屑、軽焼
ドロマイト、マグネシアクリンカーを添加し、マグネシ
ア原料の種類・性状と耐火物の溶損速度の関係が示され
ている。その中に、転炉内溶融スラグ中のマグネシア含
有量が飽和溶解度を越え、最大10重量%間で過剰にな
るように、吹錬前又は吹錬開始後5分以内に添加するマ
グネシア原料のうち、10重量%以上をマグネシアクリ
ンカーを用いて添加することにより、耐火物の溶損速度
を著しく減少させる精錬方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術において
は、確かに転炉内張り耐火物の保護が可能になる。とこ
ろが、新たに次のような問題点が判明した。
【0005】第1に、CaO原料として最も良く使用さ
れる生石灰は、溶融温度が非常に高い上に熱分解等がな
いためにスラグ中への溶解が遅く、滓化速度の点から見
ると非常に不利である。特に吹錬初期には、Siの酸化
が優先的に進行し、実質的なスラグ塩基度は低い状態に
ある。そのために、マグネシア系の内張り耐火物の溶損
が容易に進行する。
【0006】第2に、MgO原料として軽焼ドロマイト
やマグネシア・カーボンレンガ屑などをスラグ中に添加
した場合に、スラグ中への初期の溶解の進行が停滞する
ことがある。その結果、早期にスラグ中のMgO濃度を
適正とするため内張り耐火物のマグネシアのスラグ中へ
の溶解が進行するという問題点があった。
【0007】スラグコーティングによる転炉内張り耐火
物の保護を行う際、吹錬中に添加するCaOは十分に速
い速度で溶解して、スラグを高塩基度に保ち、また、M
gO原料のスラグ中への溶解速度は内張り耐火物中のM
gOのスラグ中への溶解速度に対して、十分に速い速度
で溶解する必要がある。高塩基度かつ適正なスラグ中M
gO濃度が早期に達成される必要がある。
【0008】そこで、本発明では、上記従来技術の問題
点を解決し、融点が低くスラグ中への溶解速度が速い転
炉内張り耐火物のスラグコーティング用スラグ成分調整
剤及びその製造方法並びにそれによる転炉内張り耐火物
の保護方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の(1)〜
(6)の通りである。
【0010】(1) カルシウムフェライト、CaO及
びMgOの粉粒体を含み、残部が不可避的不純物からな
ることを特徴とする、転炉内張り耐火物のスラグコーテ
ィング用スラグ成分調整剤。
【0011】(2) 前記カルシウムフェライトが10
〜50質量%、前記CaOが30〜60質量%、前記M
gOが20〜40質量%であることを特徴とする、前記
(1)の転炉内張り耐火物のスラグコーティング用スラ
グ成分調整剤。
【0012】(3) 前記粉粒体の粒度が5〜70mm
であることを特徴とする、前記(1)又は(2)の転炉
内張り耐火物のスラグコーティング用スラグ成分調整
剤。
【0013】(4) CaO、MgO及びFe2 3
混合し反応させて前記転炉内張り耐火物のスラグコーテ
ィング用スラグ成分調整剤を製造するのにあたって、C
aO原料として生石灰、石灰石、軽焼ドロマイト、生ド
ロマイト、又はそれらの水和物を用い、MgO原料とし
てマグネサイト、軽焼ドロマイト、生ドロマイト、又は
それらの水和物を用い、Fe2 3 原料として鉄鉱石、
ミルスケール、又はそれらの水和物を用い、900〜1
400℃の温度域で加熱焼成することを特徴とする前記
(1)〜(3)のいずれかの転炉内張り耐火物のスラグ
コーティング用スラグ成分調整剤の製造方法。
【0014】(5) 前記(1)〜(3)のいずれかの
転炉内張り耐火物のスラグコーティング用スラグ成分調
整剤を、転炉内の溶融スラグ中のMgO濃度が飽和溶解
度を越えて最大10質量%まで過剰になる量だけ添加す
ることを特徴とする、転炉内張り耐火物の保護方法。
【0015】(6) 吹錬前又は吹錬開始後5分まで
に、前記(1)〜(3)のいずれかの転炉内張り耐火物
のスラグコーティング用スラグ成分調整剤を添加するこ
とを特徴とする、転炉内張り耐火物の保護方法。
【0016】
【発明の実施の形態】マグネシア系耐火物がライニング
された180t上底吹き転炉における精錬におけるCa
O、MgO原料の種類がスラグの成分や塩基度などに及
ぼす影響を調査した。CaO原料として生石灰と本発明
のスラグ成分調整剤を、MgO原料として本発明のスラ
グ成分調整剤を吹錬直後に添加した。本発明のスラグ成
分調整剤は、1100℃で加熱焼成して得られた、カル
シウムフェライトが20質量%、CaOが50質量%、
MgOが30質量%で、5〜70mmに整粒した粉粒体
とした。CaO原料として生石灰のみを使用し、MgO
原料として軽焼ドロマイト及びマグネシアカーボンレン
ガ屑を添加した従来の例と比較した。その結果、従来よ
りも、スラグ塩基度を適正値に達するまでの時間を50
%程度短縮することができ、また、スラグ中へのマグネ
シア溶解速度を2倍程度高め、早期にマグネシア飽和又
は過飽和とすることができた。
【0017】まず、本発明の数値限定の理由について説
明する。
【0018】カルシウムフェライトは10〜50質量
%、CaOは30〜60質量%、MgOは20〜40質
量%の範囲とする。カルシウムフェライトを20〜40
質量%、CaOを40〜50質量%、MgOを20〜3
0質量%とすることが好ましい。
【0019】カルシウムフェライトが50質量%を越え
て多すぎると、スラグ中のFeO濃度が高くなり、スラ
グの泡立ちが著しくなりスロッピングが発生し安全面か
らも問題がある。また、スラグ中のFeO濃度が高くな
ると、カーボンを含有する内張り耐火物の酸化損耗につ
ながる。10%未満と少なすぎる場合には、CaOとM
gOの量に比べてカルシウムフェライトの量が相対的に
低すぎ、十分な造滓性を発揮することができない。好ま
しくは、カルシウムフェライトを20〜40%の範囲と
する。40%を越えると、投入初期のスラグ中FeO濃
度が高くなり、投入初期にスロッピングが生じる可能性
がある。20%未満にすると、スラグの塩基度を適正値
にするまでに時間を要する可能性がある。
【0020】CaOは、60%を越えると、スラグ中に
未滓化のCaO量を増加させることになり、30%未満
とすると、低塩基性スラグとなり、マグネシア系の内張
り耐火物の化学的反応の促進や転炉で十分な脱Pを行う
には、さらに生石灰などのCaO原料を多量に投入する
必要性が生じる。好ましくはCaOを40〜50%の範
囲とする。50%を越えても、脱P能及び内張り耐火物
の保護効果は向上せず、コスト面で不利である。40%
未満にすると、適正な塩基度を達成するまでに時間を要
する可能性がある。
【0021】MgOは、40%を越えると、溶融スラグ
中に未溶解のマグネシア分が増加し、スラグの流動性の
低下、脱P能の低下及びスロッピングなど操業上のトラ
ブルが発生する。20%未満では、溶融スラグ中のマグ
ネシア濃度が飽和溶解度以下となり、転炉内張り耐火物
の溶損の防止に十分な効果が得られない。MgOを20
〜30%の範囲で含有するのがよい。30%を越えて
も、転炉内張り耐火物を保護する効果は変わらず、コス
ト面で不利である。20%未満にすると、投入初期に、
スラグ中MgO濃度は飽和にならず、内張り耐火物の溶
出が生じる可能性がある。
【0022】不可避的不純物については、特に限定する
理由はないが、スラグのコーティング性を均一に保つう
えから少ない方が好ましく、5%未満が望ましい。
【0023】上記スラグ成分調製材の粒度については、
5〜70mmの範囲とする。70mmを越えると、反応
面積が小さくなるため反応性が低下し、造滓性が低下す
る。5mm未満の場合、吹錬中に吹き上げられ、投入し
たスラグ成分調整剤の多くが飛散し、所定のスラグ成分
に調整することが困難となる。好ましくは、10〜30
mmの範囲とする。30mmを越えると、スラグへの反
応性が不均一となり、一定の滓化性が失われる可能性が
あり、10mm未満とすると、吹錬中の飛散が生じやす
くなり、所定のスラグ成分に調整することが困難にな
る。粉粒体状で単に混合し焼成したものであっても、微
粒子状で混合し焼成してペレット状にしたものであって
も良い。
【0024】上記成分及び粒度からなる転炉内張り耐火
物のスラグコーティング用スラグ成分調整剤を製造する
には、CaO、MgO及びFe2 3 原料を混合し、加
熱して反応させる。
【0025】CaO原料としては、生石灰、石灰石、軽
焼ドロマイト、生ドロマイト、又はそれらの水和物が挙
げられる。MgO原料としては、マグネサイト、軽焼ド
ロマイト、生ドロマイト、又はそれらの水和物を挙げる
ことができる。また、生ドロマイトや軽焼ドロマイト
は、CaOとMgOを含有するため、本発明のスラグ成
分調整剤の製造には好適である。Fe2 3 原料として
は、鉄鉱石の他、ミルスケールがコストが安い点から適
している。
【0026】反応温度は、900〜1400℃とする。
900℃未満では、カルシウムフェライトの生成反応が
十分に進行せず、Fe2 3 が残留する可能性がある。
また、1400℃を越えると生成したカルシウムフェラ
イトが一部溶融するか、又は、(Mg.Fe)Oを生成
し、カルシウムフェライトを生成しない可能性がある。
好ましくは、1100〜1200℃の範囲とする。12
00℃を越えると、生成するCaOが硬焼石灰となり反
応性が悪く、滓化性が低下する。1100℃未満とする
と、焼成度の均一性が悪く、カルシウムフェライトの結
晶度の均一性が悪くなり、前記スラグ成分調整剤の滓化
の一定性が得られなくなる。
【0027】本発明の転炉内張り耐火物のスラグコーテ
ィング用スラグ成分調整剤は、転炉内の溶融スラグ中の
マグネシア濃度(質量%)が、その溶融スラグのマグネ
シア飽和溶解度(質量%)を越えて、最大10質量%ま
で過剰になる量だけ添加する。溶融スラグ中のマグネシ
ア濃度が飽和溶解度未満では、内張り耐火物の溶損速度
が速くなる。飽和溶解度より10%を越えると、溶融ス
ラグ中の未溶解のマグネシア分が増加し、スラグの流動
性の低下につながる。飽和溶解度より10%を越える濃
度としても、内張り耐火物の溶損抑制の効果も向上しな
い。
【0028】本発明の転炉内張り耐火物のスラグコーテ
ィング用スラグ成分調整剤は、吹錬前又は遅くとも吹錬
開始から5分までに添加する。吹錬開始後5分経過後に
添加した場合、吹錬終了までの溶融スラグの塩基度及び
MgOが早期に所定の値に達しないために、内張り耐火
物の溶損速度が速くなるためである。
【0029】
【実施例】以下に、本発明を実施例により説明する。
【0030】CaO及びMgO原料として生ドロマイト
を、Fe2 3 原料としてミルスケールを用いて混合
し、800〜1500℃の温度域で加熱焼成した。得ら
れた粉粒体のX線回折の結果、表1に示す化合物のピー
クが認められた。表中の○はピークの存在を示し、×は
生成していないことを示す。その結果、900〜140
0℃でカルシウムフェライト、CaO及びMgOを含む
粉粒体を得た。800℃焼成試料は、本発明で規定して
いる反応温度の下限を満たしておらず、本発明のスラグ
コーティング用スラグ成分調整剤を得ることができなか
った。1500℃焼成試料は、本発明で規定した反応温
度の上限を満たしておらず、本発明のスラグコーティン
グ用スラグ成分調整剤を得ることができなかった。
【0031】
【表1】
【0032】次に、マグネシア系耐火物がライニングさ
れた180t転炉による精錬において、上述の900〜
1400℃で得られた本発明のスラグコーティング用ス
ラグ成分調整剤を添加した例と同様の条件における従来
法による比較を行った。装入塩基度は3〜3.5で、こ
のときのスラグにおけるMgOの飽和溶解度は8%であ
る。表2に示すように、成分、焼成温度及び粒度を種々
変化させたスラグコーティング用スラグ成分調整剤を作
製した。得られたスラグ成分調整剤を、スラグ中MgO
濃度及び添加時期を変化させて転炉に投入し、MgOの
溶融スラグ中への溶解速度、塩基度、内張り耐火物の損
耗速度を調査した。それらの結果から、転炉内張り耐火
物の保護効果についての評価を行った。塩基度調整能、
MgO濃度コントロール能及び耐火物保護の総合評価の
基準は、No.22を基準とする。塩基度調整能の評価
基準は、スラグコーティング用スラグ成分調整剤を添加
後に、スラグ塩基度が3.5〜4に達するまでの時間が
No.22よりも40%以上短縮した場合を◎、20%
以上40%未満短縮した場合を○、2%以上20%未満
短縮した場合を△、2%未満短縮又は現状よりも短縮で
きなかった場合を×とした。MgO濃度コントロール能
の評価基準は、スラグコーティング用スラグ成分調整剤
を添加後に、スラグ中のMgO濃度が飽和溶解度に達す
るまでの時間が、No.22よりも30%短縮した場合
を◎、10%以上30%未満短縮した場合を○、1%以
上10%未満短縮した場合を△、1%未満の短縮又は現
状よりも短縮できなかった場合を×とした。耐火物保護
の総合評価の基準は、No.22の場合を基準として、
内張り耐火物の平均溶損速度20%以上低減を◎、5%
以上20%未満低減を○、No.22よりも5%未満の
低減を△、No.18と同等又は現状よりも溶損速度が
高い場合を×とした。
【0033】
【表2】
【0034】本発明の請求項1を満たすNo.1〜16
は、塩基度調整能及びMgO濃度コントロール能におい
て従来よりも良好な性能を示し、耐火物保護の総合評価
を従来と比較して高めることができた。No.1は、カ
ルシウムフェライトが請求項2記載の成分の規定の上限
を、また、CaOが成分規定の下限を満たしておらず、
成分の規定を全て満たしているNo.2に比べて十分な
効果が得られていない。No.4は、カルシウムフェラ
イトが請求項2記載の成分の規定の下限を、CaOが請
求項2記載の成分の規定の上限を満たしておらず、N
o.2に比べて転炉内張り耐火物の保護の効果が十分に
得られていない。No.5は、MgOが請求項2記載の
成分の規定の上限を満たしておらず、No.2に比べて
転炉内張り耐火物の保護の効果が十分に得られていな
い。No.6は、CaOが請求項2記載の成分の規定の
上限を満たしておらず、No.2に比べて転炉内張り耐
火物の保護の効果が十分に得られていない。No.10
は、粒度が請求項3記載の粒度の下限を満たしておら
ず、No.2に比べて耐火物保護の効果が十分に得られ
ていない。No.11は、粒度が請求項3記載の上限を
満たしておらず、No.2に比べて耐火物保護の効果が
十分に得られていない。請求項5記載のスラグ中のMg
O濃度を満たしていないNo.12及び14にあって
は、十分な耐火物の保護の効果が得られていない。請求
項6記載の添加時期の条件をはずれた吹錬時間に添加し
たNo.16は、十分な耐火物の保護の効果が得られて
いない。
【0035】これに対し、本発明例No.2、3、7〜
9、13及び15は、なかでも転炉内張り耐火物の保護
に優れた特性を示している。特に、No.2がNo.3
よりも優れた効果を示すように、カルシウムフェライト
が20〜40%、CaOが40〜50%、MgOが20
〜30%の範囲にあるほど転炉内張り耐火物の保護効果
が一層向上する。No.2がNo.9よりも優れた効果
を示すように、粒度が10〜30mmにあるほど効果が
向上する。また、No.2がNo7及び8よりも優れた
効果を示すように、焼成温度が1100〜1200℃の
範囲にあるほど、さらに効果が向上することがわかる。
【0036】
【発明の効果】本発明のスラグ成分調整剤では、従来の
生石灰や石灰石などのCaO原料と比較して溶融温度が
低いカルシウムフェライトがスラグ中への溶解速度が速
く滓化性が良好であるため、早期にスラグ塩基度を高め
ることができ、マグネシア系耐火物の溶損を保護するこ
とが可能となる。また、生ドロマイトの熱分解から生成
したMgOは脱炭酸塩により反応表面積が大きく、早期
にスラグ中に溶解して、スラグ中のMgO濃度を高め
る。結果として転炉内張り耐火物の溶損を著しく抑制
し、炉体寿命の大幅延長により、耐火物コストの低減が
可能となる。このように、本発明はスラグの高塩基度化
とスラグ中のマグネシア濃度の適正化によるスラグコー
ティングを同時に可能とする。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルシウムフェライト、CaO及びMg
    Oの粉粒体を含み、残部が不可避的不純物からなること
    を特徴とする、転炉内張り耐火物のスラグコーティング
    用スラグ成分調整剤。
  2. 【請求項2】 前記カルシウムフェライトが10〜50
    質量%、前記CaOが30〜60質量%、前記MgOが
    20〜40質量%であることを特徴とする、請求項1に
    記載の転炉内張り耐火物のスラグコーティング用スラグ
    成分調整剤。
  3. 【請求項3】 前記粉粒体の粒度が5〜70mmである
    ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の転炉
    内張り耐火物のスラグコーティング用スラグ成分調整
    剤。
  4. 【請求項4】 CaO、MgO及びFe2 3 を混合し
    反応させて前記転炉内張り耐火物のスラグコーティング
    用スラグ成分調整剤を製造するのにあたって、CaO原
    料として生石灰、石灰石、軽焼ドロマイト、生ドロマイ
    ト、又はそれらの水和物を用い、MgO原料としてマグ
    ネサイト、軽焼ドロマイト、生ドロマイト、又はそれら
    の水和物を用い、Fe2 3 原料として鉄鉱石、ミルス
    ケール、又はそれらの水和物を用い、900〜1400
    ℃の温度域で加熱焼成することを特徴とする請求項1な
    いし請求項3のいずれか1項に記載の転炉内張り耐火物
    のスラグコーティング用スラグ成分調整剤の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項
    に記載の転炉内張り耐火物のスラグコーティング用スラ
    グ成分調整剤を、転炉内の溶融スラグ中のMgO濃度が
    飽和溶解度を越えて最大10質量%まで過剰になる量だ
    け添加することを特徴とする、転炉内張り耐火物の保護
    方法。
  6. 【請求項6】 吹錬前又は吹錬開始後5分までに、請求
    項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の転炉内張り
    耐火物のスラグコーティング用スラグ成分調整剤を添加
    することを特徴とする、転炉内張り耐火物の保護方法。
JP14208098A 1998-05-11 1998-05-11 転炉内張り耐火物のスラグコーティング用スラグ成分調整剤及びその製造方法並びにそれによる転炉内張り耐火物の保護方法 Withdrawn JPH11323424A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100825552B1 (ko) * 2001-09-17 2008-04-25 주식회사 포스코 진공탈가스 장치내 지금제거방법
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