JP2001047861A - 車両の開閉扉装置 - Google Patents

車両の開閉扉装置

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JP2001047861A
JP2001047861A JP11224664A JP22466499A JP2001047861A JP 2001047861 A JP2001047861 A JP 2001047861A JP 11224664 A JP11224664 A JP 11224664A JP 22466499 A JP22466499 A JP 22466499A JP 2001047861 A JP2001047861 A JP 2001047861A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車体の側部に形成された開口を開閉する開閉
扉が、その開口を閉鎖する全閉位置を占めたとき、その
開閉扉の車外側面と、その開閉扉の近傍の車体外側面と
をほぼ面一状態にすることのできる車両の開閉扉装置を
提供する。 【解決手段】 開閉扉3の上部に設けられたガイドロー
ラ11を案内するガイドレール13の後部の部分13A
を、車体1の幅方向Wにおける車外側Oに向けて湾曲形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車体のほぼ前後方
向に移動して、車体に形成された開口を閉鎖し、又は開
放する開閉扉を備えた車両の開閉扉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車体の前後方向に移動する所謂引き戸式
の開閉扉を備えた開閉扉装置は従来より周知である。従
来のこの種の開閉扉は、車体の側部に形成された開口、
例えば乗降口を閉鎖する全閉位置と、その開口を開放す
る全開位置との間を車体の前後方向に直線運動するよう
に車体に支持されている。かかる開閉扉が全開位置を占
めたとき、その開閉扉は、これに隣接する車体外壁部よ
りも車体幅方向車内側に位置し、その車体外壁部によっ
て外部から隠蔽される。
【0003】上述のように、従来の開閉扉は、車体外壁
部によって隠蔽される全開位置と、開口を閉鎖する全閉
位置との間を直線運動するように構成されているため、
開閉扉が全閉位置にあるとき、その開閉扉は、車体外壁
面よりも車室内側に大きく入り込んだ位置を占める。こ
のように全閉位置を占めた開閉扉の車外側面が、その開
閉扉のまわりの車体外側面よりも車内側に大きく入り込
んでいると、車両全体の外観が低下するだけでなく、車
両走行時の空力特性が低下し、しかも開閉扉の車外側面
近傍に生じる空気の乱流によって、開閉扉の車外側面に
空気中の汚れが付着しやすくなる欠点を免れない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の欠点を除去することのできる車両の開閉扉装置を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、車体に形成された開口を閉鎖又は開放する
開閉扉と、該開閉扉上部の車体前後方向の一端側に設け
られた第1のガイドローラと、開閉扉上部の車体前後方
向の他端側に設けられた第2のガイドローラと、車体の
ほぼ前後方向に延びていて、該車体に固定され、かつ前
記第1のガイドローラが転動自在に嵌合した第1のガイ
ドレールと、車体のほぼ前後方向に延びていて、該車体
に固定され、かつ前記第2のガイドローラが転動自在に
嵌合した第2のガイドレールと、車体のほぼ前後方向に
移動して、前記開閉扉が前記開口を閉鎖する全閉位置と
該開口を開放する全開位置との間を移動するように、該
開閉扉を駆動する駆動装置とを具備し、前記開閉扉が全
開位置を占めたとき、該開閉扉は、これに隣接する車体
外壁部よりも車体幅方向車内側に位置する車両の開閉扉
装置であって、前記第1のガイドローラと第2のガイド
ローラをほぼ水平方向に首振り自在に前記開閉扉に連結
すると共に、全閉位置へ向けて移動する開閉扉がその全
閉位置に近い位置から全閉位置へ移動するとき前記第1
のガイドローラが転動する第1のガイドレール部分を、
車体幅方向車外側へ向けて湾曲形成し、前記開閉扉が全
閉位置を占めたとき、前記駆動装置からの力が開閉扉の
前記一端側を車体幅方向車外側に加圧する力として当該
開閉扉に作用するように、駆動装置からの力の向きを変
える変換手段を具備することを特徴とする車両の開閉扉
装置を提案する(請求項1)。
【0006】その際、上記請求項1に記載の開閉扉装置
において、前記変換手段が、前記駆動装置と開閉扉とに
それぞれ揺動可能に枢着された中間部材と、車体に固定
されていて、前記第1のガイドローラが第1のガイドレ
ールの湾曲した部分を通るとき、前記中間部材に係合し
て、該中間部材の回転中心を構成する係合ピンとを有
し、前記開閉扉が全閉位置へ向けて移動し、第1のガイ
ドローラが第1のガイドレールの湾曲した部分を通ると
き、前記係合ピンに係合した前記中間部材は、前記駆動
装置からの力により、前記係合ピンのまわりに、車体幅
方向車外側に向けて回動し、開閉扉の前記一端側を車体
幅方向車外側に加圧するように構成されていると有利で
ある(請求項2)。
【0007】さらに、上記請求項1に記載の開閉扉装置
において、前記変換手段が、前記駆動装置と開閉扉とに
それぞれ揺動可能に枢着され、かつ開閉扉が全閉位置を
占めたとき、開閉扉の前記一端側が車体幅方向車外側に
加圧される向きの力として前記駆動装置からの力を該開
閉扉に伝達する中間部材を有していると有利である(請
求項3)。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態例を図面
に従って詳細に説明する。
【0009】図1は車両の一例であるバスの側面図であ
り、その車体1の側部に乗客の乗降口となる開口2が形
成されている。この開口2は、図1に示すように開閉扉
3によって閉鎖される。この開閉扉3は、車体1のほぼ
前後方向Xに移動可能であり、開閉扉3が図1に鎖線で
示した全開位置に移動することによって開口2が開放さ
れ、この開口2を通して乗客がバスの室内に乗り込み、
又は室内から降りることができる。開閉扉3は、扉本体
4と、その上部に固設された窓ガラス5を有している。
また本明細書における車体の前後方向Xとは、車両前進
方向を前方X1、その反対方向を後方X2としたときの
前後方向を意味する。
【0010】図2乃至図4は上述した開閉扉3を含む開
閉扉装置6の概略水平断面図であり、図2は、開閉扉3
が全閉位置を占めたときの様子を示し、図3は開閉扉3
が全閉位置と全開位置の間の中間位置にあるときの状態
を示しており、さらに図4は開閉扉3が全開位置に移動
したときの様子を示している。また、図5は図3のV−
V線拡大断面図であり、図6は図3のVI−VI線拡大断面
図である。これらの図に符号Oで示す側が車外側であ
り、符号Iで示す側が車内側である。また符号Wは、車
体の幅方向を示している。
【0011】図1乃至図6に示すように、扉本体4の上
部の車体前後方向Xの一端側と他端側には、第1及び第
2のブラケット7,8がそれぞれ固定され、その各ブラ
ケット7,8には、ローラ支持部材9,10が水平面内
を回転可能に支持され、その各ローラ支持部材9,10
の上端部に、第1及び第2のガイドローラ11,12
が、その水平軸線のまわりに回転自在に支持されてい
る。これらのガイドローラ11,12は、その各ローラ
支持部材9,10と共に、その垂直軸線のまわりに回転
自在に、すなわち水平面内を回転自在に各ブラケット
7,8にそれぞれ支持されている。第1及び第2のガイ
ドローラ11,12は、ほぼ水平方向に首振り自在に開
閉扉3に連結されているのである。
【0012】上述の第1及び第2のガイドローラ9,1
0は、車体1に固定された第1及び第2のガイドレール
13,14にそれぞれ転動自在に嵌合している。第1及
び第2のガイドレール13,14は、車体1のほぼ前後
方向Xに延びていて、図示した例では、第1のガイドレ
ール13が第2のガイドレール14よりも車体1の前方
X1側に位置している。各ガイドレール13,14は、
図7に拡大して示すように、上壁15と、その幅方向端
縁から下方に垂下する一対の側壁16,16と、その各
側壁16,16の下端から互いに接近する向きに突出す
るフランジ17,17とから成り、その両フランジ1
7,17の間をローラ支持部材9,10がそれぞれ上方
に延び、各フランジ17,17の上面にガイドローラ1
1,12がそれぞれ転動自在に載置されている。このよ
うに、開閉扉3は、ローラ支持部材9,10とガイドロ
ーラ11,12を介して、各ガイドレール13,14に
懸架されている。
【0013】上述の如く、本例の車両の開閉扉装置は、
車体1に形成された開口2を閉鎖又は開放する開閉扉3
と、この開閉扉上部の車体前後方向Xの一端側に設けら
れた第1のガイドローラ11と、開閉扉上部の車体前後
方向Xの他端側に設けられた第2のガイドローラ12
と、車体1のほぼ前後方向Xに延びていて、その車体1
に固定され、かつ第1のガイドローラ11が転動自在に
嵌合した第1のガイドレール13と、車体1のほぼ前後
方向に延びていて、その車体1に固定され、かつ第2の
ガイドローラ12が転動自在に嵌合した第2のガイドレ
ール14とを有している。
【0014】また、第1のガイドレール13に隣接して
ガイドロッド18が位置し、このガイドロッド18は、
その長手方向各端部が車体1に固定され、第1のガイド
レール13に対して平行に、すなわち車体1のほぼ前後
方向Xに延びている。かかるガイドロッド18には、開
閉扉3を駆動する駆動装置19が摺動自在に嵌合してい
る。図に一例として示した駆動装置19は、それ自体周
知なエアシリンダにより構成され、かかる駆動装置19
にエアを給排することによって、当該駆動装置19は、
ガイドロッド18に沿って、図2に示した位置と図4に
示した位置との間を車体1のほぼ前後方向Xに移動す
る。
【0015】駆動装置19は、後述する中間部材20を
介して開閉扉3の第1のブラケット7に連結され(図8
及び図9も参照)、駆動装置19が上述のように移動す
ることにより、開閉扉3が図2に示した全閉位置と図4
に示した全開位置の間を移動する。すなわち、今、開閉
扉3が図4に示した全開位置にあったとし、この状態で
駆動装置19が作動を開始してガイドロッド18に沿っ
て車体1の後方X2に向けて移動すると、開閉扉3は、
その第1のブラケット7が、中間部材20を介して駆動
装置19により押され、車体1の後方X2に向けて移動
する。このとき、第1及び第2のガイドローラ11,1
2が、第1及び第2のガイドレール13,14をそれぞ
れ転動しながら、その各ガイドレール13,14によっ
て案内され、開閉扉3は、図3に示した中間位置を通っ
て、図2に示した全閉位置に至る。このようにして、車
体1に形成された開口2が閉鎖される。駆動装置19が
車体1の前方X1へ向けて移動することにより、開閉扉
3は図4に示した全開位置に移動することができる。
【0016】上述のように、本例の車両の開閉扉装置6
は、車体1のほぼ前後方向に移動して、開閉扉3が開口
2を閉鎖する全閉位置とその開口2を開放する全開位置
との間を移動するように、該開閉扉3を駆動する駆動装
置19を具備している。
【0017】開閉扉3が図4に示した全開位置を占めた
とき、その開閉扉3は、これに隣接する車体外壁部1A
よりも、車体幅方向Wにおける車内側Iに位置する。
【0018】ここで、図2乃至図4に示すように、第1
のガイドレール13の一方の端部領域、図の例では車体
後方側の端部領域が車体幅方向Wにおける車外側Oに向
けて湾曲形成されている(図8及び図9も参照)。すな
わち、全閉位置へ向けて移動する開閉扉3が、その全閉
位置に近い位置(ほぼ図3に示す位置)から全閉位置へ
移動するとき第1のガイドローラ11が転動する第1の
ガイドレール13の部分13Aが、車体幅方向車外側O
へ向けて湾曲形成されている。
【0019】上記構成により、図2から判るように、開
閉扉3が全閉位置に至ったとき、その開閉扉3の一端
側、すなわち第1のガイドローラ11が付設された開閉
扉3の端部側が、車体幅方向Wにおける車外側Oに大き
く移動した位置を占める。このため、全閉位置を占めた
開閉扉3は、その近傍の車体外側面、すなわち車体外壁
部1Aの車外側面に対してほぼ連続した面一状態とな
る。これにより、車両全体の外観が高められ、しかも車
両走行時の空力特性が向上する。さらに、車両の走行時
に、全閉位置を占めた開閉扉3の車外側近傍に空気の乱
流が生じることが抑えられ、開閉扉3の車外側面に空気
中の汚れが付着する不具合を抑制することができる。
【0020】第1のガイドレール13の湾曲した部分1
3Aを第1のガイドローラ11が転動するとき、図2及
び図3から判るように、開閉扉3の姿勢が変化するが、
前述のように第1のガイドローラ11と第2のガイドロ
ーラ12は、ほぼ水平方向に首振り自在に開閉扉3に連
結されているので、第1のガイドローラ11が第1のガ
イドレール13の湾曲した部分13Aを通るとき、その
湾曲形態に合せて第1のガイドローラ11が水平方向に
回転し、同じく第2のガイドローラ11が回転するの
で、開閉扉3は支障なくその姿勢を変化させながら全閉
位置へ移動し、またその全閉位置から全開位置へ向けて
移動することができる。
【0021】図8は図3の部分拡大図であり、図9は図
2の部分拡大図である。図5及び図8に示すように、駆
動装置19には、ピン21が突設され、このピン21
は、前述の中間部材20に形成された長孔22に、相対
回転自在かつ相対摺動自在に嵌合している。また開閉扉
3の第1のブラケット7に突設されたピン23は、中間
部材20に形成された孔24に相対回転自在に嵌合して
いる。このように、中間部材20は、ピン21,23
と、これが嵌合した孔22,24を介して、駆動装置1
9と開閉扉3とにそれぞれ揺動可能に枢着されている。
【0022】図4に示した全開位置にあった開閉扉3
が、車体の後方X2に向けて移動を開始した駆動装置1
9によって加圧されたとき、その力は、中間部材20を
介してそのまま開閉扉3に伝えられ、開閉扉3は車体1
のほぼ後方X2に向けて移動する。そして、その開閉扉
3が図3に示した位置に至ると、図8に拡大して示すよ
うに、中間部材20に形成された円弧状の係合部25
が、車体1に固定された丸棒状の係合ピン26に係合す
る。
【0023】駆動装置19が車体1の後方X2に向けて
さらに移動すると、第1のガイドローラ11は第1のガ
イドレール13の湾曲した部分13Aを通るが、このと
き、中間部材20は、その係合部25が係合ピン26に
係合しているため、駆動装置19からの力を受けなが
ら、係合ピン26のまわりに、図8における時計方向、
すなわち車体幅方向Wにおける車外側Oに向けて回動す
る。
【0024】次いで開閉扉3が図2及び図9に示す全閉
位置に至ると、中間部材20は図9に示す姿勢を占め
る。このとき開閉扉3は全閉位置を占め、その縁部が車
体1の開口2のまわりに設けられた弾性材より成るウェ
ザストリップ27(図2乃至図6には図示せず)に当接
して停止する。このため、駆動装置19も図9に示した
位置に停止するが、このとき駆動装置19の作動は停止
しない。これにより、中間部材20には係合ピン26の
まわりの回転モーメントが加えられ、当該中間部材20
は、開閉扉3の一端側、すなわち第1のガイドローラ1
1が設けられた側の開閉扉部分を車体幅方向車外側Oへ
押圧する。中間部材20は、駆動装置19からの力が、
開閉扉3の一端側を車体幅方向車外側に加圧する力とし
て開閉扉3に作用するように、駆動装置19からの力の
向きを変換するのである。このため、全閉位置に至った
開閉扉3は、その全閉位置に確実に保持され、車外側か
ら開閉扉3を押したとしても、開閉扉3は開放されずに
その閉位置に留められる。
【0025】上述のように、本例の車両の開閉扉装置6
は、開閉扉3が全閉位置を占めたとき、駆動装置19か
らの力が開閉扉3の一端側を車体幅方向車外側Oに加圧
する力として当該開閉扉3に作用するように、駆動装置
19からの力の向きを変える変換手段を具備している。
そして図示した例では、その変換手段が、駆動装置19
と開閉扉3とにそれぞれ揺動可能に枢着された中間部材
20と、車体1に固定されていて、第1のガイドローラ
11が第1のガイドレール13の湾曲した部分13Aを
通るとき、中間部材20に係合して、その中間部材20
の回転中心を構成する係合ピン26とを有していて、開
閉扉3が全閉位置へ向けて移動し、第1のガイドローラ
11が第1のガイドレール13の湾曲した部分13Aを
通るとき、係合ピン26に係合した中間部材20は、駆
動装置19からの力により、係合ピン26のまわりに、
車体幅方向車外側Oに向けて回動し、開閉扉3の一端側
を車体幅方向車外側Oに加圧するように構成されてい
る。
【0026】上述の変換手段を設けることにより、駆動
装置19の作動によって、開閉扉3をその全閉位置に確
実に保持することができ、また上述のように、中間部材
20と係合ピン26を有する変換手段を採用すると、係
合ピン26のまわりに回動した中間部材20が、駆動装
置19からの力を、開閉扉3を車体幅方向車外側へ向く
力として、開閉扉3に効率よく伝達し、開閉扉3をより
確実にその全閉位置に保持することができる。
【0027】また、本例の開閉扉装置6には、図5及び
図6に示すように、開閉扉3が前述の如く全開位置と全
閉位置の間を移動するとき、その開閉扉3の下部をガイ
ドする第1及び第2の案内レール28,29が設けられ
ている。図10は、図5及び図6に示した第1及び第2
の案内レール28,29を上方から見た平面図であり、
図11は図10の部分拡大図である。これらの図には、
全閉位置にある開閉扉3を破線で、中間位置にある開閉
扉3を一点鎖線で、全開位置にある開閉扉3を二点鎖線
でそれぞれ示してある。図5、図6及び図10から判る
ように、第1及び第2の案内レール28,29は車体1
の床面に固定され、それぞれ第1のガイドローラ11と
第2のガイドローラ12に対向して位置している。第1
の案内部材28は、上部が開放したほぼU字形横断面の
細長部材より成り、第2の案内部材29は、薄い板材の
細長部材から成る。また、開閉扉3の下部の車体前後方
向一端側には、ロアガイドローラ30が回転自在に支持
され、開閉扉3の下部の車体前後方向他端側には、下側
に開放されたガイド溝31が形成されたガイド部片32
が固定されている。
【0028】開閉扉3が図10及び図11に二点鎖線で
示した全開位置にあるとき、ロアガイドレール30は第
1の案内レール28に嵌合し、ガイド部片32のガイド
溝31は第2の案内レール29に嵌合している。開閉扉
3が車体1の後方X2に向けて移動し、図10及び図1
1に一点鎖線で示した位置に至り、次いで、前述のよう
に、第1のガイドローラ11が第1のガイドレール13
の湾曲した部分13Aを転動しながら移動し始めたと
き、ロアガイドローラ30は第1の案内レール28の後
端部28Aから外れる。ガイド部片32のガイド溝31
は、開閉扉3が全閉位置に至ったときも、第2の案内レ
ール29に嵌合したままである。
【0029】上述のように、開閉扉3がその全開位置と
全閉位置の間を移動するとき、その下部の側が第1及び
第2の案内レール28,29によってガイドされるの
で、開閉扉3が車体幅方向Wに振らつき、これが不安定
となる不具合を阻止できる。
【0030】図12及び図13は、図8及び図9に示し
た変換手段とは異なる形態の変換手段を有する開閉扉装
置6の第2の実施形態例を示し、これらの図は図8及び
図9に相当する図である。また図14はこの第2の形態
の実施形態例の、図5に相当する断面図である。
【0031】図12乃至図14に示すように、第2の実
施形態例の変換手段は、棒状の中間部材120を有し、
その各長手方向端部が、ホールジョイント33,34を
介して、駆動装置19と開閉扉3の第1のブラケット7
に揺動可能に連結されている。第2の形態の変換手段
は、図8及び図9に示した係合ピン26は有していな
い。図12乃至図14に示した開閉扉装置6の他の構成
は、図1乃至図11に示した開閉扉装置と変りはない。
【0032】第2の実施形態例においても、駆動装置1
9が車体1の後方X2に向けて移動し、その力が中間部
材120を介して開閉扉3の第1のブラケット7に伝え
られ、開閉扉3がその全開位置から全閉位置へ向けて移
動する。開閉扉3が図13に示した全閉位置に至り、そ
の縁部が車体1のウェザストリップ27に当接したと
き、駆動装置19は依然として作動を続けながら移動を
停止するが、このときの駆動装置19からの力は、中間
部材120を介して開閉扉3の一端側の第1のブラケッ
ト7に伝えられる。このとき、開閉扉3は、中間部材1
20から、矢印Fで示すように、開閉扉3の一端側が車
体幅方向Wにおける車外側Oに加圧される向きの力を受
ける。このため、前述の第1の実施形態例の場合と同様
に、開閉扉3はその全閉位置に強固に保持され、この状
態で車外側から開閉扉3を車内側へ向けて押圧する力が
作用しても、開閉扉3はその全閉位置に保持される。
【0033】上述のように、第2の実施形態例の変換手
段も、開閉扉3が全閉位置を占めたとき、駆動装置19
からの力が開閉扉3の一端側を車体幅方向車外側に加圧
する力として当該開閉扉3に作用するように、駆動装置
19からの力の向きを変える用をなし、しかも、この変
換手段は、駆動装置19と開閉扉3とにそれぞれ揺動可
能に枢着され、かつ開閉扉が全閉位置を占めたとき、開
閉扉3の一端側が車体幅方向車外側Oに加圧される向き
の力として駆動装置19からの力を開閉扉3に伝達する
中間部材120を有している。この例の変換手段によれ
ば、係合ピン26が不要であるため、その構成を簡素化
でき、かつそのコストの低減を達成できる。
【0034】本発明は、バス以外の各種自動車、或いは
鉄道車両などの車両にも広く適用できるものである。
【0035】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、開閉扉
が全閉位置を占めたとき、その車外側面を当該開閉扉の
近傍の車体外面とほぼ面一状態にすることが可能であ
り、これにより車両全体の外観を向上させ、車両走行時
の空力特性を高めることができる。しかも、開閉扉が全
閉位置を占めたとき、駆動装置からの力が開閉扉の一端
側を車体幅方向車外側に加圧する力として当該開閉扉に
作用するように、駆動装置からの力の向きを変える変換
手段を有しているので、駆動装置の作動力によって、開
閉扉をその全閉位置に確実に保持することができる。
【0036】請求項2に記載の発明によれば、変換手段
によって、駆動装置の作動力を、車体幅方向車外側へ効
率よく変換でき、開閉扉をその全閉位置により確実に保
持することができる。
【0037】請求項3に記載の発明によれば、変換手段
の構成を簡素化でき、そのコストの低減を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】バスの側面図である。
【図2】開閉扉が全閉位置にあるときの開閉扉装置の概
略水平断面図である。
【図3】開閉扉が中間位置にあるときの開閉扉装置の概
略水平断面図である。
【図4】開閉扉が全開位置にあるときの開閉扉装置の概
略水平断面図である。
【図5】図3におけるV−V線拡大断面図である。
【図6】図3におけるVI−VI線拡大断面図である。
【図7】ガイドレールとこれに嵌合したガイドローラの
拡大図である。
【図8】図3の部分拡大図である。
【図9】図2の部分拡大図である。
【図10】開閉扉の下部をガイドする第1及び第2案内
レールの概略平面図である。
【図11】図10の部分拡大図である。
【図12】第2の実施形態例の変換手段を示す、図8と
同様な水平断面図である。
【図13】第2の実施形態例の変換手段を示す、図9と
同様な水平断面図である。
【図14】第2の実施形態例の、図5と同様な断面図で
ある。
【符号の説明】
1 車体 1A 車体外壁部 2 開口 3 開閉扉 6 開閉扉装置 11 第1のガイドローラ 12 第2のガイドローラ 13 第1のガイドレール 13A 部分 14 第2のガイドレール 19 駆動装置 20 中間部材 26 係合ピン 120 中間部材 I 車内側 O 車外側 W 車体幅方向 X 前後方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島倉 啓一 東京都日野市日野台3丁目1番地1 日野 自動車工業株式会社内 Fターム(参考) 2E034 FA01 GA01 GB15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体に形成された開口を閉鎖又は開放す
    る開閉扉と、該開閉扉上部の車体前後方向の一端側に設
    けられた第1のガイドローラと、開閉扉上部の車体前後
    方向の他端側に設けられた第2のガイドローラと、車体
    のほぼ前後方向に延びていて、該車体に固定され、かつ
    前記第1のガイドローラが転動自在に嵌合した第1のガ
    イドレールと、車体のほぼ前後方向に延びていて、該車
    体に固定され、かつ前記第2のガイドローラが転動自在
    に嵌合した第2のガイドレールと、車体のほぼ前後方向
    に移動して、前記開閉扉が前記開口を閉鎖する全閉位置
    と該開口を開放する全開位置との間を移動するように、
    該開閉扉を駆動する駆動装置とを具備し、前記開閉扉が
    全開位置を占めたとき、該開閉扉は、これに隣接する車
    体外壁部よりも車体幅方向車内側に位置する車両の開閉
    扉装置であって、前記第1のガイドローラと第2のガイ
    ドローラをほぼ水平方向に首振り自在に前記開閉扉に連
    結すると共に、全閉位置へ向けて移動する開閉扉がその
    全閉位置に近い位置から全閉位置へ移動するとき前記第
    1のガイドローラが転動する第1のガイドレール部分
    を、車体幅方向車外側へ向けて湾曲形成し、前記開閉扉
    が全閉位置を占めたとき、前記駆動装置からの力が開閉
    扉の前記一端側を車体幅方向車外側に加圧する力として
    当該開閉扉に作用するように、駆動装置からの力の向き
    を変える変換手段を具備することを特徴とする車両の開
    閉扉装置。
  2. 【請求項2】 前記変換手段が、前記駆動装置と開閉扉
    とにそれぞれ揺動可能に枢着された中間部材と、車体に
    固定されていて、前記第1のガイドローラが第1のガイ
    ドレールの湾曲した部分を通るとき、前記中間部材に係
    合して、該中間部材の回転中心を構成する係合ピンとを
    有し、前記開閉扉が全閉位置へ向けて移動し、第1のガ
    イドローラが第1のガイドレールの湾曲した部分を通る
    とき、前記係合ピンに係合した前記中間部材は、前記駆
    動装置からの力により、前記係合ピンのまわりに、車体
    幅方向車外側に向けて回動し、開閉扉の前記一端側を車
    体幅方向車外側に加圧する請求項1に記載の車両の開閉
    扉装置。
  3. 【請求項3】 前記変換手段が、前記駆動装置と開閉扉
    とにそれぞれ揺動可能に枢着され、かつ開閉扉が全閉位
    置を占めたとき、開閉扉の前記一端側が車体幅方向車外
    側に加圧される向きの力として前記駆動装置からの力を
    該開閉扉に伝達する中間部材を有している請求項1に記
    載の車両の開閉扉装置。
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