JP2001047315A - ねじ切り工具及びねじ切り方法 - Google Patents

ねじ切り工具及びねじ切り方法

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JP2001047315A JP2000003925A JP2000003925A JP2001047315A JP 2001047315 A JP2001047315 A JP 2001047315A JP 2000003925 A JP2000003925 A JP 2000003925A JP 2000003925 A JP2000003925 A JP 2000003925A JP 2001047315 A JP2001047315 A JP 2001047315A
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稔 廣保
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智実 石橋
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正富 伊藤
Sukeyuki Nomura
祐之 野村
Shigemitsu Nomura
重光 野村
Hiroyuki Fukushima
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 図(a):ねじ穴軸64を中心にしてね
じ切り工具の軸66を回転させつつ、ねじ68のリード
Lに対応してねじ切り工具60を徐々に引抜くことで、
ねじ切り刃42bでねじ68を切込む。図(b):ねじ
切り工具60のねじ切り刃42bがねじ68の入口に達
したら、ねじ切り工具の軸66をねじ穴軸64から大き
くオフセットさせて、面取り部69を形成する。図
(c):ねじ切り工具60を撤去し、ねじ切り加工を完
了する。 【効果】 ねじ切り工具のドリル刃でねじ下穴を開け、
ねじ切り工具のねじ切り刃でねじ切りをなし、ドリル刃
で面取りも可能であるから、1本の工具でねじ加工を実
行することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低コストのねじ切り
工具及びこの工具で実施するねじ切り方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図15(a)〜(c)は従来の代表的な
ねじ切り方法を示す図である。 (a):鋳物101にドリル102を臨ませ、ねじ下穴
の加工を開始する。ドリル102の先端角θは一般に1
20°である。 (b):103はドリルで開けたねじ下穴であり、深さ
はD1である。この様なねじ下穴103にねじ切りタッ
プ104を臨ませ、ねじ切りを開始する。 (c):105はねじ切りタップで立てたねじであり、
このねじ105の入口を面取り具106で面取りする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ねじ105を切るため
に、ドリル、タップ及び面取り具が必要であり、工具の
数が多く、工具の調達費用が嵩むとともに、工具の管理
費用が嵩むことになる。そこで、本発明の目的はねじ切
りに必要な工具の数を少なくすることのできる技術を提
供することになる。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、シャンクと、このシャンクに取付けたチ
ップとからなるねじ切り工具において、前記チップは、
CBN若しくはダイヤモンドの高硬度焼結体を第2層と
し、この第2層を超硬合金などの工具材料からなる第1
層及び第3層でサンドイッチした3層積層体からなり、
前記ねじ切り工具を正面から見ると、前記第2層は工具
の回転中心を通る細い帯であり、この細い帯にドリル刃
及びねじ切り刃を形成するとともに、第2層の両側を第
1層及び第3層で補強する構造であることを特徴とす
る。
【0005】ねじ切り工具のドリル刃でねじ下穴を開
け、ねじ切り工具のねじ切り刃でねじ切りをなし、ドリ
ル刃で面取りも可能であるから、1本の工具でねじ加工
を実行することができる。この1本の工具は、3層積層
体を条切り(筋状に切ること)し、得た柱状素材から多
数個のチップ半完成品を切出し、これらのチップ半完成
品をシャンクに取付けて、チップを仕上げることでねじ
切り工具を得る。歩留りが極めてよいので、チップの製
造コストを大幅に下げることができるから、ねじ切り工
具の製造コストを下げることができる。
【0006】請求項2のねじ切り工具は、シャンクに油
孔を設けるとともに、前記チップの第1層若しくは第3
層又は第1層及び第3層に油孔を設け、前記シャンクの
油孔をチップの油孔に連結したことを特徴とする。切削
のときに、油孔を通じて切削油を噴射することができ
る。これらの孔はチップをシャンクに取付けるときに位
置決め部として活用することができる。
【0007】請求項3のねじ切り方法は、請求項1又は
請求項2記載のねじ切り工具をねじ穴軸廻りに回転させ
つつそれのドリル刃でワークにねじ下穴をあける下穴加
工工程と、ねじ切り刃でねじ下穴にねじ切りを開始する
に当り、ねじ下穴の底に達した前記ねじ切り工具の軸
を、ねじ穴軸から一定距離オフセットさせるオフセット
工程と、ねじ穴軸を中心にしてねじ切り工具の軸を回転
させつつ、ねじのリードに対応して前記ねじ切り工具を
徐々に引抜くことで、ねじ切り刃でねじを切込むねじ切
り工程と、からなる。
【0008】ねじ切り工具のドリル刃でワークにねじ下
穴を開け、ねじ切り工具のねじ切り刃でねじ切りをな
し、ドリル刃で入口の面取りも可能であるから、1本の
工具でねじ加工を実行することができる。
【0009】請求項4のねじ切り方法は、請求項1又は
請求項2記載のねじ切り工具をねじ穴軸廻りに回転させ
つつそれのドリル刃でワークに完全に若しくはほぼ貫通
させたねじ下穴をあける下穴加工工程と、このねじ下穴
の出口に、前記ねじ切り工具のドリル刃の背で面取りを
施す面取り加工工程と、ねじ切り刃でねじ下穴にねじ切
りするために、前記ねじ切り工具の軸を、ねじ穴軸から
一定距離オフセットさせるオフセット工程と、ねじ穴軸
を中心にしてねじ切り工具の軸を回転させつつ、ねじの
リードに対応して前記ねじ切り工具を徐々に引抜くこと
で、ねじ切り刃でねじを切込むねじ切り工程と、からな
る。
【0010】ねじ切り工具のドリル刃でワークに完全に
若しくはほぼ貫通させたねじ下穴を開け、ねじ切り工具
のドリル刃の背でねじ下穴の出口に面取りを施し、ねじ
切り工具のねじ切り刃でねじ切りをなし、ドリル刃で面
取りも可能であるから、1本の工具でねじ下穴の出口の
面取り加工並びにねじ加工を実行することができる。
【0011】
【発明の実施形態】本発明の実施の形態を添付図に基づ
いて以下に説明する。図1は本発明で採用した3層構造
体の断面図であり、3層構造体10は、CBN若しくは
ダイヤモンドの高硬度焼結体を第2層11とし、この第
2層11を超硬合金などの工具材料からなる第1層12
及び第3層13でサンドイッチした積層体である。例え
ば第2層11の厚さは1mm程度、第1層12や第3層
13の厚さは5mm程度、3層構造体10の厚さは11
mm程度とする。
【0012】なお、CBNはcubic boron nitride、す
なわち立方晶窒化ほう素を略したものであり、ダイヤモ
ンドとともに広く採用されている人造砥粒である。CB
Nは鉄系ワークの切削に、ダイヤモンドは非鉄系ワーク
の切削に好適である。
【0013】前記3層構造体10の製造方法の一例を説
明すると、先ず4〜16μmのダイヤモンド粒若しくは
CBN粒を、HIP(熱間静水圧プレス)にて等圧的に
加圧しながら焼結することで、第2層11を製造し、こ
の第2層11の上下にWC粉末を重ねHIPで加圧しな
がら焼結することで、3層構造体10を得る。HIPをH
P(ホットプレス)やCIP(冷間静水圧プレス)に替
えることは自在であり、周知の焼結法であれば製造法は
特に限定するものではない。
【0014】図2は本発明で採用した3層構造体の平面
図(図1の平面図に相当する図)であり、想像線15・
・・(・・・は複数を示す。以下同様。)に沿って且つ
第1層12の上面に垂直若しくはほぼ垂直に、3層構造
体10を切断することで、多数本の柱状素材20・・・
を切出す。このことを条切りということもある。図から
明らかなように、極めて歩留りよく(例えば歩留り90
%)、柱状素材20・・・を切出すことができる。
【0015】図3は本発明に係る柱状素材の斜視図であ
り、柱状素材20はa×bの矩形断面の長尺材であり、
第1層12、第2層11及び第3層13の積層体であ
る。この柱状素材20の対向する切断面のうち、図で右
のものを一方の切断面21、左のものを他方の切断面2
2と呼ぶことにする。そして、便宜上、柱状素材20を
矢印cのように倒して、一方の切断面21を上に向け
る。
【0016】図4は本発明の油孔を有する柱状素材の図
であり、柱状素材20の第1層12及び第3層13に、
所定のピッチで油孔24・・・を開ける。具体的には、
パイプ電極を用いた放電加工法にて、一方の切断面21
から他方の切断面、すなわち図面の表から裏に向って穿
孔する。
【0017】図5は本発明におけるチップ半完成品の切
出し要領図であり、油孔24・・・を有する柱状素材2
0を一方の切断面21から他方の切断面、すなわち図面
の表から裏に向って切断することで、多数個のチップ半
完成品30・・・を切出す。具体的には、ワイヤカット
放電加工法にて、切出す。
【0018】図6は本発明によるチップ半完成品をシャ
ンクに取付けるときの要領図であり、工具鋼の丸棒に油
孔51,51を開け、丸棒を所定の外径に仕上げ、側部
に溝52,52を刻設してなるシャンク50の先端に、
チップ半完成品30を添え、好ましくはピン54,54
を油孔24,51に連通させて、チップ半完成品30の
位置決め精度を上げるようにして、シャンク50にろー
(ろー材)53にてチップ半完成品30をろー付けす
る。
【0019】図7はシャンク−チップ半完成品結合体の
側面図であり、53はろーであり、このろー53でシャ
ンク50の先端にチップ半完成品30を結合したことを
示す。図8はシャンク−チップ半完成品結合体の仕上げ
加工図、図9は図8の9矢視図であり、チップ半完成品
30にすくい面(正面すくい面41a及び側面すくい面
41b)、切れ刃(ドリル刃42a及びねじ切り刃42
b)、逃げ面(正面逃げ面43a及び側面逃げ面43
b)などを形成することでチップ40を仕上げたことを
示す。なお、すくい面、切れ刃及び逃げ面は、図におい
て下方にも形成するが、符号が錯綜するので、符号の記
入は省略した。
【0020】この結果、図9に示す通り、ねじ切り工具
60を正面から見ると、第2層11は工具の回転中心を
通る縦長の細い帯であり、この細い帯にドリル刃42
a,ねじ切り刃42bを形成するとともに、第2層11
の両側を第1層12及び第3層13で補強する構造であ
ることを特徴とする。
【0021】なお、油孔24,24を正面逃げ面43
a,43a(左下の43aは不図示)に開口したので、
十分な量の切削油を切削面若しくは切削部位へ供給する
ことができる。
【0022】以上の説明から明らかな如く、本発明の切
削用チップの製造方法は、図1の3層積層体10を対象
に、第1層12の上面にほぼ垂直に第1層12、第2層
11、第3層13の順に切断することで、図3に示した
矩形断面の柱状素材20を切り出す第1切断工程と、前
記柱状素材20の一方の切断面21から他方の切断面2
2へ向って切断することで前記第2層11を中央に含む
チップ半完成品30・・・(図5参照)を切出す第2切
断工程と、このチップ半完成品30を、別途準備したシ
ャンク50に接合する接合工程と、チップ半完成品30
にすくい面41a,41b、切れ刃42a,42b、逃
げ面43a,43bを形成してチップ40を得る仕上げ
工程と、からなることを特徴とする。
【0023】この製造方法を採用することにより、図2
並びに図5から明らかな如く、製品歩留りが極めて高く
なり、チップを大量に安価に製造することができる。こ
の結果、ねじ切り工具も低コストで製造することができ
る。
【0024】図10(a)〜(c)は本発明に係るねじ
切り工程図(前半)である。 (a):ワークであるところの鋳物62に回転させたね
じ切り工具60を臨ませ、ねじ下穴加工を開始する。ド
リル刃42aで穴を開けることができる。 (b):ねじ下穴63の内径は、ねじ切り工具60の外
径とほぼ同一であることを示す。所定の深さに達したら
ねじ切り工具60の前進(下降)を止める。 (c):ねじ穴軸64から距離δだけねじ切り工具の軸
66をオフセットさせる。ねじ切り工具60は回転して
いるので、ねじ下穴63を容易に切込むことができる。
【0025】図11(a)〜(c)は本発明に係るねじ
切り工程図(後半)である。 (a):ねじ穴軸64を中心にしてねじ切り工具の軸6
6を回転させつつ、ねじ68のリードLに対応してねじ
切り工具60を徐々に引抜くことで、ねじ切り刃42b
でねじ68を切込む。 (b):ねじ切り工具60のねじ切り刃42bがねじ6
8の入口に達したら、ねじ切り工具の軸66をねじ穴軸
64から大きくオフセットさせて、面取り部69を形成
する。 (c):ねじ切り工具60を撤去し、ねじ切り加工を完
了する。
【0026】図12(a),(b)は完成したねじの比
較図である。(a)は、図15(c)を転写したもの
で、従来のねじ切り方法で製造したねじ105を示し、
その深さはD1である。(b)は、図11(c)を転写
したもので、本発明のねじ切り方法で製造したねじ68
を示し、その深さはD3である。図から明らかなように
深さD3は深さD1より浅く、本発明によれば(D1−
D3)だけ総深さを従来より浅くすることができる。従
って、本発明方法によれば、鋳物を薄くすることができ
る。すなわち、ねじを形成するために肉厚を増す必要が
ないため、鋳物の軽量化が図れる。
【0027】次に、鋳物にねじを貫通させる場合のねじ
切り工程を説明する。図13(a)〜(c)は本発明に
係る貫通ねじ切り工程図(前半)であり、上段に平面図
を併記したので、合計6個の図を表わしたものである。 (a):ワークであるところの鋳物72に回転させたね
じ切り工具60を臨ませ、ねじ下穴加工を開始する。ド
リル刃42aで穴を開けることができる。
【0028】(b):鋳物72に仮想線で示すドリル刃
42aのように完全に若しくは実線で示すようにほぼ貫
通させたねじ下穴73を開ける。その際、ねじ下穴73
の出口74の縁にかえり75が発生する。かえり75
は、ばりともいい、切削加工の際、縁にできる小さな切
り残りである。こういった「かえり」は、ねじ切り工具
60のみが形成するものではなく、一般の切削工具でも
穴(孔)を開けた場合に当然生じるものである。ねじ下
穴73の内径は、ねじ切り工具60の外径とほぼ同一で
あり、ねじ下穴73は通し(貫通)である。
【0029】(c):ねじ穴軸64から距離δ1だけね
じ切り工具の軸66を送り、場合によっては、さらにね
じ切り工具66を所定の距離だけZ軸(矢印方向)に送
り、ドリル刃42aの背42c(ねじ切り刃42b)で
面取り76を施す。具体的には、ねじ切り工具60自身
を回転させ(矢印,)ながら、ねじ穴軸64に対
し、ねじ切り工具の軸66を距離δ1だけ偏心させ、ね
じ切り工具60を出口74の円弧に沿って送り(矢印
,)、ねじ切り刃42bで出口74の縁のかえりを
切削しつつ、面取り76を設ける。このようにねじ切り
工具60を矢印のごとく自転させつつ、矢印のよう
に公転させることを、コンタリング加工という。
【0030】このように、図13に示す通り、ねじ切り
工具60のねじ切り刃42bでコンタリング加工を行う
ことで、ねじ下穴63の出口74に面取り76を施すこ
とができる。その結果、ねじ下穴63を加工後、連続し
て出口74の面取りを実施することができ、ねじ切り工
具60から面取り具へ工具交換する必要がない。従っ
て、必要な工具の数を少なくすることができる。また、
工具交換の時間を省くことができ、加工時間の削減を図
ることができる。
【0031】図14(a)〜(c)は本発明に係る貫通
ねじ切り工程図(後半)であり、上段に平面図を併記し
たので、合計6個の図を表わしたものである。 (a):ねじ穴軸64に対するねじ切り工具の軸66の
オフセットをδ(原則として前記のδ1とは異なる寸
法。ねじ寸法から定められる値)に変更し、この状態で
ねじ切り刃42bでねじ下穴73にねじ切りを開始す
る。
【0032】(b):ねじ穴軸64を中心にしてねじ切
り工具の軸66を回転させつつ、ねじ68のリードLに
対応してねじ切り工具60を徐々に引抜くことで、ねじ
切り刃42bでねじ68を切込む。
【0033】(c):ねじ切り工具60のねじ切り刃4
2bがねじ68の入口に達したら、ねじ切り工具の軸6
6をねじ穴軸64から大きくオフセットさせて、面取り
部69を形成し、ねじ切り工具60を撤去し、ねじ切り
加工を完了する。
【0034】このように、ねじ切り工具60のドリル刃
42aの背42c(ねじ切り刃42b)でねじ下穴の出
口74に面取り76を施したので、精密部にばりが混入
することはなく、また出口74側に相手部品を組合せた
際、ばりによる隙間の発生を防止することができる。
【0035】尚、本発明のねじ切り工具は、アルミニウ
ム合金鋳物のねじ切りに好適である。アルミニウム合金
鋳物は軟らかく切削抵抗が比較的小さいため、ねじ切り
工具の寿命が十分に見込めるからである。しかし、本発
明のねじ切り工具で、ねずみ鋳鉄(FC)、ダクタイル
鋳鉄(FCD)、ステンレス鋳物(SCS)などの各種
の鋳物又は樹脂、鋼材にねじ切ることは差支えない。
【0036】又、実施例ではシャンクからチップに亘っ
て2本の油孔を開けた。回転中心に対称に油孔を1対開
ければ、ねじ切り工具の回転バランスを良好にすること
ができる。しかし、この油孔は1本又は3本以上であっ
ても差支えなく、要はチップの逃げ面若しくはすくい面
に開口するものであれば数は任意である。
【0037】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1のねじ切り工具は、ドリル刃でねじ下穴
を開け、ねじ切り工具のねじ切り刃でねじ切りをなし、
ドリル刃で面取りも可能であるから、1本の工具でねじ
加工を実行することができる。この1本の工具は、3層
積層体を条切りし、得た柱状素材から多数個のチップ半
完成品を切出し、これらのチップ半完成品をシャンクに
取付けて、チップを仕上げることでねじ切り工具を得
る。歩留りが極めてよいので、チップの製造コストを大
幅に下げることができるから、ねじ切り工具の製造コス
トを下げることができる。
【0038】請求項2のねじ切り工具では、切削のとき
に、油孔を通じて切削油を噴射することができる。これ
らの孔はチップをシャンクに取付けるときに位置決め部
として活用することができる。
【0039】請求項3のねじ切り方法は、請求項1又は
請求項2記載のねじ切り工具をねじ穴軸廻りに回転させ
つつそれのドリル刃でワークにねじ下穴をあける下穴加
工工程と、ねじ切り刃でねじ下穴にねじ切りを開始する
に当り、ねじ下穴の底に達した前記ねじ切り工具の軸
を、ねじ穴軸から一定距離オフセットさせるオフセット
工程と、ねじ穴軸を中心にしてねじ切り工具の軸を回転
させつつ、ねじのリードに対応して前記ねじ切り工具を
徐々に引抜くことで、ねじ切り刃でねじを切込むねじ切
り工程と、からなり、ねじ切り刃でねじ切りをなし、ド
リル刃で面取りも可能であるから、1本の工具でねじ加
工を実行することができる。従って、ねじ切りに必要な
工具の数を少なくすることができる。
【0040】請求項4のねじ切り方法は、請求項1又は
請求項2記載のねじ切り工具をねじ穴軸廻りに回転させ
つつそれのドリル刃でワークに完全に若しくはほぼ貫通
させたねじ下穴をあける下穴加工工程と、このねじ下穴
の出口に、前記ねじ切り工具のドリル刃の背で面取りを
施す面取り加工工程と、ねじ切り刃でねじ下穴にねじ切
りするために、前記ねじ切り工具の軸を、ねじ穴軸から
一定距離オフセットさせるオフセット工程と、ねじ穴軸
を中心にしてねじ切り工具の軸を回転させつつ、ねじの
リードに対応して前記ねじ切り工具を徐々に引抜くこと
で、ねじ切り刃でねじを切込むねじ切り工程と、からな
り、ねじ切り工具のドリル刃で貫通させたねじ下穴をあ
け、ドリル刃の背でねじ下穴の出口に面取りを施すの
で、1本のねじ切り工具で下穴加工工程、出口の面取り
加工工程及びねじ切り工程を実施することができ、出口
の面取り工具へ工具交換する必要がない。従って、ねじ
切りに必要な工具の数を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で採用した3層構造体の断面図
【図2】本発明で採用した3層構造体の断面図
【図3】本発明に係る柱状素材の斜視図
【図4】本発明の油孔を有する柱状素材の図
【図5】本発明におけるチップ半完成品の切出し要領図
【図6】本発明によるチップ半完成品をシャンクに取付
けるときの要領図
【図7】シャンク−チップ半完成品結合体の側面図
【図8】シャンク−チップ半完成品結合体の仕上げ加工
【図9】図8の9矢視図
【図10】本発明に係るねじ切り工程図(前半)
【図11】本発明に係るねじ切り工程図(後半)
【図12】完成したねじの比較図
【図13】本発明に係る貫通ねじ切り工程図(前半)
【図14】本発明に係る貫通ねじ切り工程図(後半)
【図15】従来の代表的なねじ切り方法を示す図
【符号の説明】
10…3層構造体、11…第2層、12…第1層、13
…第3層、20…柱状素材、24,51…油孔、40…
チップ、42a…ドリル刃、42b…ねじ切り刃、42
c…ドリル刃の背、50…シャンク、60…ねじ切り工
具、62,72…ワーク(鋳物)、63,73…ねじ下
穴、64…ねじ穴軸、66…ねじ切り工具の軸、68…
ねじ、69…面取り部、74…出口、76…面取り、δ
…オフセット量。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 正富 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 野村 祐之 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 野村 重光 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 福島 宏之 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャンクと、このシャンクに取付けたチ
    ップとからなるねじ切り工具において、 前記チップは、CBN若しくはダイヤモンドの高硬度焼
    結体を第2層とし、この第2層を超硬合金などの工具材
    料からなる第1層及び第3層でサンドイッチした3層積
    層体からなり、 前記ねじ切り工具を正面から見ると、前記第2層は工具
    の回転中心を通る細い帯であり、この細い帯にドリル刃
    及びねじ切り刃を形成するとともに、第2層の両側を第
    1層及び第3層で補強する構造であることを特徴とした
    ねじ切り工具。
  2. 【請求項2】 前記シャンクに油孔を設けるとともに、
    前記チップの第1層若しくは第3層又は第1層及び第3
    層に油孔を設け、前記シャンクの油孔をチップの油孔に
    連結したことを特徴とする請求項1記載のねじ切り工
    具。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載のねじ切り工
    具をねじ穴軸廻りに回転させつつそれのドリル刃でワー
    クにねじ下穴をあける下穴加工工程と、 ねじ切り刃でねじ下穴にねじ切りを開始するに当り、ね
    じ下穴の底に達した前記ねじ切り工具の軸を、ねじ穴軸
    から一定距離オフセットさせるオフセット工程と、 ねじ穴軸を中心にしてねじ切り工具の軸を回転させつ
    つ、ねじのリードに対応して前記ねじ切り工具を徐々に
    引抜くことで、ねじ切り刃でねじを切込むねじ切り工程
    と、 からなることを特徴としたねじ切り方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2記載のねじ切り工
    具をねじ穴軸廻りに回転させつつそれのドリル刃でワー
    クに完全に若しくはほぼ貫通させたねじ下穴をあける下
    穴加工工程と、 このねじ下穴の出口に、前記ねじ切り工具のドリル刃の
    背で面取りを施す面取り加工工程と、 ねじ切り刃でねじ下穴にねじ切りするために、前記ねじ
    切り工具の軸を、ねじ穴軸から一定距離オフセットさせ
    るオフセット工程と、 ねじ穴軸を中心にしてねじ切り工具の軸を回転させつ
    つ、ねじのリードに対応して前記ねじ切り工具を徐々に
    引抜くことで、ねじ切り刃でねじを切込むねじ切り工程
    と、 からなることを特徴としたねじ切り方法。
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