JP2001045868A - 作物の診断方法 - Google Patents

作物の診断方法

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JP2001045868A JP22669299A JP22669299A JP2001045868A JP 2001045868 A JP2001045868 A JP 2001045868A JP 22669299 A JP22669299 A JP 22669299A JP 22669299 A JP22669299 A JP 22669299A JP 2001045868 A JP2001045868 A JP 2001045868A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】作物の反射光量を測定して作物を診断するにあ
たり、カメラの俯角、画角の違いによって大きな誤差が
生じないように補正できる方法を備えて、作物情報の測
定が簡便であり且つ測定精度を向上した作物の診断方法
を提供する。 【解決手段】カメラを、圃場に対して所定の中心俯角θ
で配置し、圃場を撮影して作物葉の反射光量を単位画素
ごとに得て、カメラの地上高h、画素俯角θ、画素数及
び画角ψを含む換算変数からなる面積関数によって単位
画素ごとの撮影面積を求めて反射光量を撮影面積によっ
て面積補正し、更に画素俯角に応じた俯角係数によって
反射光量を俯角補正し、基準反射光量を測定し、前記補
正した反射光量と基準反射光量とから反射率を求め、該
反射率と、反射率から作物情報を求めるために予め定め
た第1の作物関係式と、から一定面積の作物情報を求め
て第1の作物情報とし、該第1の作物情報から圃場作物
の栄養を診断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】圃場で成育中の作物の反射光
から作物の窒素含有量等の作物情報を得て、作物の栄養
診断を行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】作物の窒素含有率、葉色値、窒素吸収
量、草丈あるいは乾物重などの作物情報を得るための従
来の第1の方法としては、デジタルカメラ等の受光手段
で、硫酸バリウム等を塗布した基準板と、更に作物が成
育する単位圃場(あるいはその一部)を撮影して、基準
板と圃場作物の反射光量を取得し、この基準板と作物の
反射光量によって作物の反射率を求め、求めた反射率
と、反射率から窒素含有率(窒素吸収量、葉色値、草
丈、乾物重)を求めるために予め定められた関係式とか
ら作物の窒素含有率(窒素吸収量、葉色値、草丈、乾物
重)を求め、成育日数対窒素量カーブに基づくその時期
の標準的な窒素量と比較して成育診断を行っていた。し
かし、圃場から得られる作物の反射光量は天候に左右さ
れるものである。また天候については基準板による補正
ができたとしても、測定方位、風、栽植密度は、反射率
から窒素含有率を求めるため予め定めた関係式を作成し
たときと同じ条件であることが必要で、この条件が異な
ったときの補正が必要であり、基準板を基準として反射
率を求めることだけで全て補正できたとは言い難く、実
際には、太陽高度、測定方位、栽植密度あるいは品種を
限定した上で測定を行っていた。
【0003】作物情報を得るための従来の第2の方法と
しては、作物の成育に基づいて増減する作物情報に関す
る波長の光、例えば可視光域から近赤外域に亘る光を作
物葉身に照射して、作物情報に関する波長の光に関して
得られた受光量と、受光量から作物情報、例えば葉身窒
素量を演算するために予め定めた窒素量関係式とから葉
身窒素量を測定する装置がある。この装置は圃場の作物
葉身の多くを測定して、精度の高い葉身窒素量を得るこ
とができる。しかし、圃場全体の作物情報を正確に把握
するためには、圃場全体にわたる細かい測定を不可欠と
するため大変面倒であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記第1の方法は、測
定は簡便ながら圃場から得られる作物の情報が測定位置
や植栽密度等に左右されるために、測定時間や測定位置
に制約が生じることから、簡便ながら精度の良い測定方
法とは言い難いものであった。加えてカメラを圃場に向
けて撮影する時、カメラの撮影素子ごとに得られる反射
光量が、カメラの圃場に対した俯角や画角あるいは広い
圃場の手前側と向かい側といった位置によって、補正を
要するものである。カメラと被写体である圃場との距離
が画素ごとに異なり、各画素に得られる撮影面積がそれ
ぞれ距離によって異なる。更には俯角によって反射角度
が異なり反射光量にも影響を及ぼすものである。第2の
方法は、測定に制約はなく測定精度が高く第1の方法よ
り有利ではあるものの、測定が作物の葉身1葉ごとに行
うことになり測定点数を多く必要とするという点から、
測定時間を多く要することが難点であった。
【0005】以上のことから、作物の反射光量を測定し
て作物情報を得るにあたり、地上に置いて撮影したもの
であってもあるいは測定位置の違いがあっても大きな誤
差が生じないように補正できる方法を備えて、作物情報
の測定が簡便であり且つ測定精度を向上した作物の診断
方法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の方法
として、複数画素を備えるカメラを、圃場に対して所定
の中心俯角で配置し、圃場を撮影して作物葉の反射光量
を単位画素ごとに得て、カメラの地上高、画素俯角、画
素数及び画角を含む換算変数からなる面積関数によって
単位画素ごとの撮影面積を求め、単位画素ごとの反射光
量を撮影面積によって面積補正し、更に画素俯角に応じ
た反射光量の違いを補正するために予め定めた俯角係数
によって反射光量を俯角補正し、前記俯角係数を求める
ために基準とした画素俯角において反射基準板の基準反
射光量を測定し、前記補正した反射光量と基準反射光量
とから反射率を求め、該反射率と、反射率から作物情報
を求めるために予め定めた第1の作物関係式と、から一
定面積の作物情報を求めて第1の作物情報とする。更に
この第1の作物情報を記憶し、同じ面積の作物葉身に光
を照射して、作物の成育によって増減する作物情報に関
連した波長の透過または反射の少なくとも一方の光量を
測定し、該光量と、光量から作物情報を求めるために予
め定めた第2の作物関係式と、から作物情報を求めて第
2の作物情報として記憶し、第1の作物情報と第2の作
物情報とによって圃場作物の栄養を診断する作物の診断
方法により前記課題を解決するための手段とした。
【0007】予め第1の作物情報を得るために作物の反
射光量と基準板の反射光量とから求める反射率を得て決
定する第1の作物関係式を求めることは従来から研究さ
れており、また葉に光を照射して反射光を得て決定する
第2の作物情報を得るための第2の作物関係式を求める
ことも従来から研究され実施されている。したがってこ
れら個々を求めることは容易である。本発明では、第1
の作物情報を求めるにあたり、圃場に対して設けた複数
画素を備える、いわゆるデジタルカメラと圃場との間の
撮影角度に基づいて、当然に生じる例えばカメラの地上
高に応じた俯角やカメラ構造による画角に基づいて、近
くを撮影した画素の撮影範囲と遠くを撮影した画素の撮
影範囲が異なるカメラの画素位置ごとの受光面積の違い
から生じる受光量の違いを補正することのできる作物の
診断方法を提供するものである。
【0008】単位画素ごとに得られる受光量に対して撮
影面積の違いを、カメラの地上高、これに伴う単位画素
ごとの俯角と、カメラの構造である画素数や、画素の集
合体である撮影素子の大きさと集光レンズとに基づく画
角等のカメラ固有の係数と、によって単位画素ごとに撮
影した面積を求めるための特定(面積)関数が2次射影
変換によって定まる。したがってカメラの地上高と俯角
を変数とし、あるいはカメラ固有の係数を変数に加え
て、単位画素ごとの撮影面積を求め、単位画素ごとの反
射光量を単位画素ごとの撮影面積で除することによって
撮影面積に影響されない単位画素ごとの反射光量を得る
ことができる。つまり、これによってカメラと撮影場所
との距離(手前側と向かい側)に関する補正が実現でき
ることになる。
【0009】更に複数の画素を備えるから単位画素ごと
に俯角が異なる。これには、まず基準の俯角、例えば6
0゜となる画素を決定して、その俯角における反射光量
の補正(俯角)係数を例えば”1”と定めておき、俯角
を変化させながら、例えば圃場の同じ位置の反射光量を
各俯角ごとに測定することで、俯角の変化に基づく反射
光量の変化量から、各俯角における補正係数を求めるこ
とができる。このようにして定めた補正係数いわゆる俯
角係数と、単位画素ごとの反射光量とによって、各画素
の反射光量を補正する。つまり、これによって画素位置
で異なる俯角に関する補正が実現できることになる。
【0010】この俯角補正で基準とした俯角において、
基準反射板から得られる反射光量から自然光の光量を求
め、求めた自然光の光量と同じ画素から得られる反射光
量とによって、その画素における反射率が演算できる。
同様に単位画素ごとに反射光量を求めて自然光の光量と
の比率で、単位画素の反射率を求めることができる。ま
た、それ以外に基準反射板の反射光量と単位画素の反射
光量との比率で反射率を求めることでもよい。
【0011】以上のようにして求めた単位画素の反射率
は、地上からカメラによって圃場を撮影して得られる単
位画素の反射率であり、カメラの圃場に対する高さや俯
角、あるいはカメラ構造による影響を補正した反射率で
あって、この反射率と、作物情報が既知の作物葉の反射
率とによって、反射率から作物情報を求めるために予め
定めた第1の作物関係式を重回帰分析によって求め、こ
の第1の作物関係式と前述の補正と演算によって求めた
反射率とによって、作物葉の第1の作物情報を得ること
ができる。なお、反射光量の波長数は1に限定されず、
作物情報を求めるために必要な波長における反射光量は
測定する。したがって、複数波長ごとに反射率を求める
ための作業を必要とする。それぞれの関数あるいは係数
を求めるにあたり、複数の波長における反射光量を組み
合わせることもできる。
【0012】第2の作物情報を得るための方法として
は、作物の成育に基づいて増減する作物情報に関する波
長の光、例えば可視光域から近赤外域に亘る光を作物葉
身に直接照射して、作物情報に関する波長の光に関して
得られた反射光量あるいは透過光量の内いずれか少なく
とも一方と、作物情報例えば葉身窒素量が既知の作物葉
光量から葉身窒素量を演算するために予め定めた窒素量
関係式と、から葉身窒素量を測定することができる。こ
の装置は圃場の作物葉身の多くを測定して、精度の高い
葉身窒素量を得ることができる。したがって、前述の第
1の作物情報を更に補正するには有効である。
【0013】本発明による第2の方法として、複数画素
を備えるカメラを、圃場に対して所定の中心俯角で配置
し、圃場を撮影して作物葉の反射光量を単位画素ごとに
得て、カメラの視野距離、画素俯角、画素数及び画角を
含む換算変数からなる面積関数によって単位画素ごとの
撮影面積を求め、単位画素ごとの反射光量を撮影面積に
よって面積補正し、更に画素俯角に応じた反射光量の違
いを補正するために予め定めた俯角係数によって反射光
量を俯角補正し、前記俯角係数を求めるために基準とし
た画素俯角において反射基準板の基準反射光量を測定
し、前記補正した反射光量と基準反射光量とから反射率
を求め、該反射率と、反射率から作物情報を求めるため
に予め定めた第1の作物関係式と、から一定面積の作物
情報を求めて第1の作物情報とする。更にこの第1の作
物情報を記憶し、同じ面積の作物葉身に光を照射して、
作物の成育によって増減する作物情報に関連した波長の
透過または反射の少なくとも一方の光量を測定し、該光
量と、光量から作物情報を求めるために予め定めた第2
の作物関係式と、から作物情報を求めて第2の作物情報
として記憶し、第1の作物情報と第2の作物情報とによ
って圃場作物の栄養を診断する作物の診断方法により前
記課題を解決するための手段とした。
【0014】この第2の方法としては、前述の第1の方
法における特定関数に利用した俯角に代えて視野距離と
したものである。つまり、画素ごとに得られる受光量に
対して撮影面積の違いを、カメラの地上高、これに伴う
画素ごとの視野距離(画素と撮影点との距離)と、カメ
ラの構造である画素数や、画素の集合体である撮影素子
の大きさと集光レンズとに基づく画角等のカメラ固有の
係数と、によって画素ごとに撮影した面積を求めるため
の特定(面積)関数が2次射影変換によって定まる。し
たがってカメラの地上高と視野距離を変数とし、あるい
はカメラ固有の係数を変数に加えて、画素ごとの撮影面
積を求め、画素ごとの反射光量を画素ごとにその撮影面
積で除することによって撮影面積に影響されない画素ご
との反射光量を得ることができる。つまり、これによっ
てカメラと撮影場所との距離(手前側と向かい側)に関
する補正が実現できることになる。以下第1の作物情報
及び第2の作物情報を求める方法としては前述と同様と
なるので説明は省略する。
【0015】上記第1の作物情報と第2の作物情報を求
める2つの有益な手法を効果的に組み合わせて補正する
第1の作物診断方法として、それぞれから得られる第1
の作物情報と第2の作物情報との差違を求め、差違によ
って第1の作物情報を補正することにより、天候的変化
(天候、時刻、太陽の位置)に伴う誤差だけでなく、こ
れまで難しいとされた栽培的な変化(測定方位、栽植密
度)に伴う誤差を補正することができる。特に同一の圃
場において複数箇所の栄養診断を行うには、補正の決定
が容易であることから最適である。
【0016】以上のようにして決定された、第1の作物
情報と第2の作物情報との差違を記憶しておけば、第1
の作物情報を得た圃場内における未知の一定面積の作物
から第1の作物情報だけを求めれば、該第1の作物情報
と前記差違とによって第1の作物情報を補正することが
でき、栽植密度や測定方位による誤差を容易に補正でき
るだけでなく、補正値を持つことで装置としても実現可
能であり、装置にして容易な作物の診断方法とすること
ができる。
【0017】前記第1の作物診断方法から更に厳密な補
正を行うためにはこの第2の作物診断方法を適用する。
即ち、第1の作物情報を得て、この得た第1の作物情報
を複数区画に分割して、その複数区画の中から少なくと
も2点のデータを選択して、2点のデータの作物と同じ
圃場の作物葉から直接第2の作物情報を得ることによ
り、第1と第2の作物情報の2点のデータでその相関関
係を明らかにして補正関係式を定め、これに基づいて複
数区画の全ての値を補正するものであり、補正関係式を
求めるにあたり一定範囲から複数の作物情報を得ること
ができ、更に補正関係式によって第1の作物情報を広範
囲に亘って補正することができる。
【0018】以上の第1と第2における作物診断方法と
その方法を適用した作物の診断は、単位圃場ごとに第1
の作物情報を得ることもでもよいし、単位圃場より小さ
く任意に定めた単位面積ごとに第1の作物情報を得るこ
とでもよい。ここでいう単位圃場とは、通称「畦」で区
切られた1面の圃場を指している。
【0019】第3の作物診断方法として、自然光に晒さ
れる圃場において、複数の区画ごとの作物から、作物の
成育によって増減する作物情報に関連した波長の光の反
射率を測定し、該反射率と、反射率から作物情報を求め
るために予め定めた第1の作物関係式と、から区画ごと
の作物情報を求めて第1の作物情報として記憶し、記憶
した区画ごとの第1の作物情報から少なくとも2区画の
作物情報を選択し、圃場の2区画に該当する作物葉身に
光を照射して、作物の成育によって増減する作物情報に
関連した波長の透過または反射の少なくとも一方の光量
を測定し、該光量と、光量から作物情報を求めるために
予め定めた第2の作物関係式と、から前記2区画の作物
情報を求めて第2の作物情報として記憶し、第1の作物
情報を第2の作物情報に基づいて補正する補正換算式を
決定して、補正換算式で第1の作物情報を区画ごとに補
正して第3の作物情報とし、得られた第3の作物情報に
よって圃場作物の栄養を診断する作物の診断方法として
もよい。
【0020】前記第2の作物診断方法と異なり、第3の
方法は複数区画の情報を個別に得る。その複数区画の中
から少なくとも2区画のデータを選択して、2区画のデ
ータの作物と同じ区画の作物葉から直接第2の作物情報
を得ることにより、第1と第2の作物情報の2点のデー
タでその相関関係を明らかにして補正関係式を定め、こ
れに基づいて複数区画の全ての値を補正するものであ
り、補正関係式を求めるにあたり広い範囲から複数の作
物情報を得ることができ、更に補正関係式によって第1
の作物情報を広範囲に亘って補正することができる。
【0021】この第3の作物診断方法における区画は、
単位圃場を1区画として、複数の単位圃場から第1の作
物情報を得てもよいし、単位圃場内に設定した複数区画
から区画ごとに第1の作物情報を得てもよい。
【0022】前記第2と第3の作物診断方法は、以上の
ように決定された、第1の作物関係式と補正換算式とを
記憶して、未知の圃場の作物葉身から反射率を測定し、
第1の作物関係式と補正換算式とにより第3の作物情報
を得ることができるので、以上の項目を制御装置の記憶
部に記憶して適宜読み出し演算することによって装置と
して実現可能であり、装置による作物の診断が可能とな
るだけでなく測定精度の向上した装置が提供できる。
【0023】また、第2と第3の作物診断方法におけ
る、複数区画の中から選択する任意の2区画を、第1の
作物情報のうち最大値と最小値を示した区画とすること
により、第1の作物情報と第2の作物情報の補正換算の
直線が、余のデータに関係なく上位と下位の2点で容易
に決定できる。
【0024】作物情報は、様々想定できるが作物の栄養
診断を行うためには、葉の窒素含有量あるいは葉色値で
あることが最適であり、作物において、葉身の窒素量は
施肥の効果あるいはその適否が直ちに現れる部位である
ことから理解できる。
【0025】前記第1乃至第3の作物診断方法におい
て、作物の成育によって増減する作物情報に関連した波
長の光の反射率を測定するために、作物の反射光を複数
の画素からなる撮像素子により撮像し、作物に対応した
反射光を受光した画素を選択して、選択した画素の受光
データに基づいて反射率を測定し第1の作物情報を求め
る作物の診断方法とした。デジタルカメラなどによる撮
像手段から得られる反射光が、植裁密度や撮像した対象
圃場の大きさ、つまり単位圃場の範囲であるのか1平方
メートル程度の範囲であるのかによって、撮像した反射
光がすべて作物から得られた反射光とは限らない。即
ち、画素単位で見ると作物以外からの反射光、例えば圃
場の土の反射光も含まれていることもある。したがっ
て、所定範囲の反射率となる画素だけを選択してこれを
作物から得られた反射光として、この受光データに基づ
いて第1の作物情報を求めるようにするとよい。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明に係る測定装置について図
1から図3により説明する。ここでは作物として稲作を
例にして説明する。図1は圃場1の作物を撮像する一例
を示している。ここでは作物の成育する圃場1に向けて
作物の反射光を測定する受光装置となるカメラ2が設置
されている。圃場1は当然に自然光に晒されている。ま
た、白色の基準板3が圃場に設置してある。
【0027】図2で示すものはカメラ2の簡略なブロッ
ク図であり、カメラ2は例えば24万画素(600×4
00)程度の分解能を備えるエリアセンサー4を備えて
いる。カメラ2には、複数の狭帯域フィルタ5を備えた
フィルタホイール6があり、例えばフィルターホイール
6を回転させてフィルター5を切り換える。フィルタ5
を通過した光は光学手段として例えば集光レンズ7等を
介してエリアセンサー4によって受光される。フィルタ
ーホイール6は、制御回路8によって駆動制御されるス
テッピングモータ9によって回転する。更に制御回路8
はセンサ−4の受光信号をデータ処理装置20に送出す
る。
【0028】ここでフィルタ5は、例えば可視光域波長
の450,550,625,650,675,700n
mの中から適宜選択される。また近赤外域波長の75
0,850,950〜1300nmの中から適宜選択さ
れる。これらの波長は作物の葉の窒素含有率あるいは葉
色値の変化に伴って特徴的な変化を示す帯域を選択する
ことが必要である。したがって、フィルタは可視光域と
近赤外域の両方を用いてもよいし、一方だけを使用して
もよい。なお波長は本実施例に限定されない。図2では
4つのフィルターを示しているが、目的に応じて前記フ
ィルタを装着するものであり随時変更可能であるととも
に使用するフィルターの数を限定するものではない。制
御回路8には更に操作スイッチ10が接続され、操作ス
イッチ10には撮影を行うための撮影開始スイッチ10
a、撮影を停止するための撮影停止スイッチ10b、フ
ィルタを切り換えるフィルタ切り換えスイッチ10c、
撮影データを送出するデータ送信スイッチ10d及び電
源スイッチ10e等を備えている。
【0029】図3にデータ処理装置20のブッロク図を
示している。図3に示すデータ処理装置20は、エリア
センサ4の画像信号をデジタル信号に変換するアナログ
・デジタル変換器(以下「A/D変換器」という)21
と、A/D変換後の画像データを記憶するフレームメモ
リ22、画像データを視覚的に表示するモニタ23及び
画像処理ボード24を備え、これらは、インプットアウ
トプットポート(以下「I/Oポート」という)25を
介して画像データを演算処理するCPU26に連絡して
ある。また、インターフェースボード(以下「I/Fボ
ード」という)27を介して後述する葉身窒素量測定装
置30が接続してある。更に制御プログラム等を記憶し
た読み出し専用メモリ(以下「ROM」という)28
と、演算結果等を記憶して適宜読み出し可能な読み出し
書き込みメモリ(以下「RAM」という)29がCPU
26に接続されている。
【0030】さて、カメラ2の電源スイッチ10eを押
すと、エリアセンサー4によって像の反射信号が受光さ
れて画像信号となり、この画像信号はデータ送信スイッ
チ10dを押すことでデータ処理装置20に送出され
る。データ処理装置20では画像処理ボード24によっ
て処理されてモニター23に映し出される。モニター2
3で圃場1を確認しながらカメラ2の位置をセットして
撮影範囲を確定する。撮影範囲が確定したら、現在セッ
トされているフィルタ5を通して撮影開始スイッチ10
aを押して圃場1で成育する稲の葉を撮影し、次にフィ
ルタ切り換えスイッチ10cによって制御回路8からス
テッピングモータ9を回転させる信号が出力されフィル
タホイール6を回転させてフィルタ5を切り換えた後、
撮影スイッチ10aを押して撮影する。このようにして
フィルタ5を順次切り換えながら必要なフィルタ5ごと
に撮影は行われる。結果的に各フィルタ5ごとに画像信
号は作成される。ここでカメラ2のエリアセンサー4に
大容量の記憶素子がなければ、撮影の都度データ処理装
置20にデータを送信するようデータ送信スイッチ10
dを押す。
【0031】以上のように構成された測定装置のカメラ
2によって撮影した単位画素のデータは次のように処理
される。図4は圃場をカメラ2の視点0から撮影したと
きの、カメラ2の地上高h、俯角θ、画角ψ及び視野距
離l1,l2等を示した図である。また図5(a)はエ
リアセンサー4の画素座標ijで、図5(b)はこの画
素によって取得した圃場面積Aijを示している。図5
で明らかなように各画素座標ijで取得した圃場画像は
それぞれ面積が異なる。従って同じ圃場であっても画素
座標ijごとに情報量の密度が異なる。これを次の面積
関数によって補正する。ここで言う面積関数とは一般的
には2次射影変換といわれる数学的解析法であるのでそ
の概要のみを説明する。上記カメラ2の地上高hあるい
は視野距離l、撮影の俯角θ、カメラ2固有の係数であ
る画角ψ及び画素数とによって次の面積関数が成立す
る。
【数1】 (俯角) Aij = f(θ、h、i,j,x1、x2…) … (視野距離) Aij = g(θ、l、i,j,x1、x2…) … Aij:画素座標ijで取得した圃場実面積 i,j:画素の座標 x1:画角(カメラ固有) x2:画素数(カメラ固有) これによって、俯角θと、地上高hあるいは視野距離l
と、を与えることにより画素座標ごとの実面積Aijが
演算できる。
【0032】ここで画素座標ijにおける反射光の受光
(強度)量をPijとすると
【数2】P’ij=Pij/Aij となって、実面積Aijで画素ijで取得した受光量P
ijを除することで、画素座標ijで取得した圃場の実
面積の大小に影響されない反射光量とすることができ
る。以上のようにして、画素座標ijごとに面積補正が
行えて、撮影により取得した実面積の大きさに影響され
ない画素座標ijごとの反射光量を得る。以上で、所定
の地上高hあるいは視野距離lで、所定の俯角θで撮影
した場合において、2次射影変換による面積補正につい
て説明した。
【0033】次に画素座標ijごとに俯角θが異なるの
で、θに伴う俯角補正を行う。図6のように基準板もし
くは圃場の同じ位置の作物葉の反射光を同じ距離のもと
で測定する。例えば俯角θ1から俯角θ2まで変化させ
て、好ましくはエリアセンサー4の中心部の画素座標の
反射光量によって補正係数を定めれば良い。例えば、俯
角θが60゜における反射光量の補正係数をK60゜=1
とおけば、
【数3】 俯角θ=60゜: K60゜=1 俯角θ=50゜: 俯角50゜の反射光量/俯角60゜の反射光量 =俯角50゜における補正係数=K50゜ 俯角θ=40゜: 俯角40゜の反射光量/俯角60゜の反射光量 =俯角40゜における補正係数=K40゜ ・ ・ 俯角θ=10゜: 俯角10゜の反射光量/俯角60゜の反射光量 =俯角10゜における補正係数=K10゜ となって、各俯角θにおける補正係数が定まり、画素座
標ijごとの補正係数Kijが定まる。しがって、前記
面積補正後に得られたP’ijと補正係数Kijによっ
て、
【数4】P”ij=Kij・P’ij となって、俯角θによる俯角補正ができる。以上俯角θ
に関する補正について説明した。いずれにしても面積補
正においては予め所定の値(θ、h、l等)を入力して
おくこと、あるいは俯角補正においては予め複数の俯角
θで反射光量を測定して画素座標ごとに補正係数Kij
を定めておくことが必要である。
【0034】次にカメラ2のエリアセンサ4で受光する
反射光量は、基準板3の反射光量と圃場1の作物葉の反
射光量である。基準板3の反射光量を測定するときに
は、俯角補正において基準とした俯角θ、上記例では俯
角60゜における基準板反射光量を測定することが好ま
しい。このようにして測定した基準板反射光量をP0と
すれば、
【数5】Rij=P”ij/P0 Rij:画素座標ijごとの反射係数 によって、稲の葉の反射率を求めることができる。この
反射率は稲の葉の窒素含有率を求めるために利用され
る。これら数式1乃至数式5はROM28に記憶してあ
る。前述の基準板反射光量P0は次のようにして測定記
憶される。カメラ2に備えてあるフィルタ5を切り換え
てフィルタごとに基準板3の反射光量を測定しデータ処
理装置20に送出して、データ処理装置20ではこれら
をA/D変換器21によってデジタル変換してRAM2
9に記憶する。即ち基準板反射光量P0の値はフィルタ
5ごとに測定して記憶する。
【0035】カメラ2によってフィルタ5を切り換えて
フィルタごとに、圃場1のある範囲の稲の葉の反射光量
を受光してデータ処理装置20に送出し、データ処理装
置20では、A/D変換器21によって信号をデジタル
に変換し、フレームメモリ22に記憶する。CPU26
は、フレームメモリ22に記憶してあるフィルタ5ごと
の葉の反射光量について、各画素によって受光された受
光量の平均値を求めて、予めROM28に記憶された前
記数式に基づいて反射率を演算してRAM29に記憶す
る。これで単位画素によるある範囲の、例えば1平方メ
ートル範囲の作物葉による反射率が記憶される。以上の
説明において画素座標ijを用いて説明したが、1ピク
セルごとで処理することに限定したものではなく複数ピ
クセルを1つの単位として単位画素とすることも可能で
ある。
【0036】図7で示すものは、圃場1の作物葉を撮影
した24万画素のデータを更に複数の区画に分割して処
理する例を示している。例えば、カメラ2によってフィ
ルタ5を切り換えてフィルタごとに、圃場1のある範囲
の稲の葉の反射光量を受光してデータ処理装置20に送
出し、データ処理装置20では、A/D変換器21によ
って信号をデジタルに変換し、フレームメモリ22に記
憶する。CPU26は、フレームメモリ22に記憶して
あるフィルタ5ごとの葉の反射光量について、図7のよ
うに、左上から区画NO〜を決定し、区画内の各画
素によって受光された受光量の平均値を求めて、予めR
OM28に記憶された前記数式に基づいて各区画ごとの
反射率を演算してRAM29に記憶する。1つのカメラ
で受光できる範囲を、例えば1平方メートル程度とする
と、1平方メートル内の9区画分の反射率が記憶され
る。モニター23には画像処理ボード24で処理された
画像が表示される。
【0037】RAM29には、複数のフィルタ5ごとの
受光範囲内の作物葉の反射率と、フィルタ5ごとに9区
画に処理されたそれぞれの作物葉の反射率とが記憶され
ている。このRAM29に記憶されたフィルタ5ごとの
反射率、あるいはフィルタ5ごとに9区画に処理した反
射率を説明変数にして、同じ受光範囲内、あるいは同じ
区画内で成育する葉を採取して、この葉の作物情報であ
る、例えば窒素含有率を直接化学分析することによっ
て、あるいは葉色値を直接葉の色を測定することによっ
て求め、この窒素含有率あるいは葉色値を目的変数とし
て、受光範囲内の作物葉の作物情報を求める関係式、9
区画ごとの作物葉の作物情報を求める関係式(第1の作
物関係式)を作成して、ROM28に記憶しておく。
【0038】更に詳説すると、仮に区画NOにおける
フィルタ1による反射率R1、フィルタ2による反射率
R2、フィルタ3による反射率R3、フィルタ4による
反射率R4が存在し、区画内の作物葉を化学分析して取
得した窒素含有率N1が存在するとき、
【数6】 N1 = F0+F1・R1+F2・R2+F3・R3+F4・R4 が成立するとすれば、複数の窒素含有率Nを測定するこ
とによって
【数7】 N1 = F0+F1・R11+F2・R21+F3・R31+F4・R41 N2 = F0+F1・R12+F2・R22+F3・R32+F4・R42 ・ ・ ・ ・ ・ ・ Nn = F0+F1・R1n+F2・R2n+F3・R3n+F4・R4n となって、これらを重回帰分析すれば、
【数8】 N = F0+F1・R1+F2・R2+F3・R3+F4・R4+C N:測定対象の窒素含有率,F0〜F4:定数,R1〜R
4:フィルタごとの反射率 C:補正値 として、関係式(第1の作物関係式)を求めることがで
きる。葉色値についても同様にして関係式を求めること
ができる。この数式8をROM28に記憶しておく。
【0039】このようにして数式1乃至数式5並及び数
式8をROM28に記憶しておけば、カメラ2によって
基準板と受光範囲の稲の葉を撮影して、この画像信号を
データ処理装置20に送出すると、データ処理装置20
では、第1の作物関係式に基づいて窒素含有率を演算す
ることができる。これによって、受光範囲内の稲の窒素
含有率あるいは各区画ごとの窒素含有率(第1の作物情
報)NO〜を求めることができる。図7に各区画に
記載された数値がこのとき求められた窒素含有率の一例
である。
【0040】次に、葉身窒素量測定装置30の実施例を
図8から図10により説明する。ここに示すものは、携
帯型窒素量測定装置(以下「測定装置」という)30の
主要部分を破断した側面図である。図8及び図9では、
上方の本体31内に光源部32と、下部に光量検出装置
33としてのフォトダイオード(図示せず)とを設けた
構成となっている。光源部32は、同一円周上に異なる
波長ピークを持つ複数の発光素子であるLED34、3
5を配設して、該LED34、35にはそれぞれ波長帯
域の異なる狭帯域フィルター36,37を設けてある。
波長帯域は500nm〜1100nmが好ましく、この
波長帯域から、求める葉身窒素量あるいは葉色値に関係
する任意の特定波長の狭帯域フィルター36、37を選
択してある。各LED34、35の発光する光は、狭帯
域フィルター36、37によって特定波長の光となっ
て、光が反射する拡散反射板38に入射する。またこの
拡散反射板38へ各LED34、35の光線がほぼ一定
の角度で入射するようにブロック39が形成してある。
【0041】拡散反射板38により反射した光は、ブロ
ック39の中央に設けた反射光路40に入射し、反射光
路40の放射側41に設けた拡散透過板42に入射す
る。拡散反射板42は反射光路40の光軸と垂直に設け
られ、円形の磨りガラス状あるいは乳白色のガラスで形
成されている。反射光路40及び拡散反射板38とで囲
まれた空間を光が反射と拡散とを繰り返しながら反射光
路40から出て、拡散透過板42を経て測定葉43を介
して光量検出装置44に入射する。
【0042】さらに、光量検出装置32の上部外周に上
蓋31を繞設して、該上蓋31から延長した腕45は軸
46によって軸支されている。さらに、上蓋31が軸支
される軸46にはコイルバネ47を遊嵌してあり、常に
上蓋31を押し上げるように作用している。つまり、図
10で示すように、測定においては測定葉43を測定場
所に挿入し、上蓋31の上部を押し下げることで測定を
可能にしている。この測定のタイミングは、上蓋31を
押し下げることにより上蓋31の下方に設けた押し下げ
突起(図示せず)が、対向する位置に設けたマイクロス
イッチ48を押し下げることで、上蓋31を押し下げた
ことを検知して測定(光の照射及び光量測定)が行なわ
れる。
【0043】次に、図8によって吸光度測定装置1のブ
ロック図を示し説明する。光源部32と、光量検出装置
33とからなる測定部で検出されるサンプル葉43の透
過光量は、光量検出装置44によってアナログの信号に
変換されアナログボード50に連絡されている。光源部
32にはLED34、35の発光装置51が設けてあ
る。アナログボード50ではアナログからデジタル信号
へのA/D変換をするか、あるいは電圧から周波数への
V/F変換を行う。変換された信号はI/Oボードを経
由して演算制御装置となるCPUボード53に入力され
る。前記I/Oボード52には、測定結果、演算結果あ
るいは操作指示を表示する液晶表示器LCD54、操作
を行う入力部55、外部装置とデータを入出力するRS
232Cの接続ポート56及びスイッチ48等を設けて
ある。これらCPUボード53とI/Oボード52には
電源ボード57から電源を供給するように接続してあ
る。また、プリンタ58はプリンタI/Fボード59を
介してCPUボード53に接続してある。更にCPUボ
ード53には、読み出し専用メモリ(以下「ROM」と
いう)60と読み出し書き込みメモリ(以下「RAM」
という)61が接続されている。ROM60には、圃場
別あるいは品種別の複数の検量線が記憶してある。この
検量線は、予め窒素含有率を測定した複数の葉に光を照
射して得られる複数の受光量から吸光度を算出し、この
吸光度を説明変数とし、複数の既知の窒素含有率を目的
変数として重回帰分析を行い、予め決定した窒素含有率
(第2の作物情報)を求める関係式(第2の作物関係
式)である。この重回帰分析については前述した数式を
求める手順と説明が重複するので省略する。更にこのR
OM60には、測定装置30において、吸光度を測定し
て窒素含有率などの品質を演算するための一連の、吸光
度の測定から演算と表示を実行するプログラム等が記憶
してある。
【0044】このように構成された測定装置30の作用
について以下に説明する。測定装置30にサンプル葉4
3を挿入して上蓋31を押し下げると、スイッチ48の
信号がCPUボ−ド53に連絡され、CPUボード53
からは発光制御装置51へ信号を出力して発光制御装置
51から光源部32へ発光信号が送られる。これによ
り、LED34、35からサンプル葉43に向けて光が
交互に照射される。このLED34、35から発光する
光は、狭帯域フィルタ−36、37によって近赤外域と
可視光域の特定波長の光となっており、前述した反射散
乱を繰り返して拡散透過板42から光量検出装置44に
到達するので積分球と同じ程度にサンプル葉43に均一
に照射される。
【0045】サンプル葉43に光が照射されると、その
透過光または反射光が光量検出装置44によりLED3
4,35ごとに受光され、該受光信号はA/D変換のた
めにアナログボード50に連絡される。アナログボード
50では、A/D変換を行い、次にI/Oボード52を
経由してCPUボード53に入力される。CPUボード
53においては、サンプル葉43の透過光又は反射光か
ら光の透過率あるいは吸光度を算出するようにしてあ
り、その値がRAM61に記憶される。RAM61に記
憶された吸光度と、ROM33に予め記憶された窒素含
有率を求める関係式とによって、測定した葉の窒素含有
率を演算することができる。入力部55には、測定装置
30の電源を投入する電源スイッチ55a、透過光測定
を可能にする測定スイッチ55b、ROM60に記憶し
た検量線(式)、あるいはRAM61に記憶した吸光度
あるいは透過光データや演算結果、サンプルNO等を読
み出す切り換え機能を備えた読み出しスイッチ55cを
備えている。
【0046】以下に第1の作物情報と第2の作物情報に
より圃場作物の栄養診断を行う場合の第1の実施例につ
いて説明する。カメラ2によって、基準板3の反射光
と、自然光に晒される圃場1から稲の成育によって増減
する作物情報である、例えば窒素含有率に関連した波長
の反射光量とを測定する。図2乃至図4で示したように
データ処理装置20においては、カメラ2で測定した受
光範囲内の葉の反射光量と、ROM28に記憶した受光
範囲内の反射率を求める数式とによって反射率を演算
し、求めた反射率とROM28に記憶してある第1の作
物関係式とによって、第1の作物情報であるカメラ2の
受光範囲内の窒素含有率を得てRAM29に記憶する。
【0047】次に、カメラ2の受光範囲内で成育する稲
の葉の窒素含有率を測定し補正する場合について説明す
る。装置30で測定した稲の葉の窒素含有率(第2の作
物情報)は、直接稲の葉から得た測定値であり、測定方
位、植栽密度などの影響は受けていない。従って本発明
では第1の作物情報と第2の作物情報との差違を演算す
る。例えば先の測定で第1の作物情報が4.0%、装置
30の測定で第2の作物情報が3.0%であったとする
と、装置30の値を第2の作物情報としてRAM61に
記憶する。測定装置30の接続ポート56からデータ処
理装置20のI/Fボードを介して測定装置30で求め
た第2の作物情報をデータ処理装置20に送出してRA
M29に記憶する。装置20ではRAM29の第1の作
物情報と第2の作物情報の差違、−1%に基づいて第1
の作物情報に−1%を加えて3.0%と補正する。
【0048】つまり、この差違をあらためて補正値とし
てRAM29に記憶しておいて、他の受光範囲の作物葉
の反射光をカメラ2で測定し装置20で演算した値は、
すべて先の差違−1%を加えて補正する。これによっ
て、測定方位、栽植密度の影響を受けない測定がカメラ
2と装置20によって実現可能となる。しかも、RAM
29に補正値を記憶した後においては、少なくとも同じ
圃場における装置30による多くの測定は不要となり、
カメラ2による1度の測定で、これまでにない精度で測
定ができる。なお、測定装置30による窒素含有率の測
定は、圃場1内の作物葉すべてに対して行うことはな
く、圃場1内の代表作物葉の窒素含有率を測定すればよ
い。
【0049】次に栄養診断の第2の実施例について説明
する。カメラ2によって、基準板3の反射光と、自然光
に晒される圃場1から稲の成育によって増減する作物情
報である、例えば窒素含有率に関連した波長の反射光量
とを測定する。図2乃至図4で示したようにデータ処理
装置20において、カメラ2で測定したNO〜NO
の区画に分割した反射光量と、ROM28に記憶した区
画ごとの反射率を求める数式とによって反射率を演算
し、求めた反射率とROM28に記憶してある第1の作
物関係式とによって、第1の作物情報である区画ごとの
窒素含有率を得てRAM29に記憶する。
【0050】次に測定者によってあるいは装置20によ
って、ここで得られた区画ごとの値の中から任意の2区
画の窒素含有量を選択し、好ましくは窒素含有率が最大
値と最小値となった区画を選択する。図7で選択した区
画、例えば最大値であるNOの4.2%の区画と、最
小値であるNOの2.4%の区画に該当する圃場の区
画で成育する稲の葉の窒素含有率を測定装置30で測定
する。ここで測定する窒素含有率は測定方位、植栽密度
などの影響は受けていない。
【0051】測定装置30では、前述したように圃場の
前記選択した2区画に該当する稲の葉身から直接、作物
の成育によって増減する作物情報である葉身窒素率に関
連した波長の光を照射して得られる受光量から、この例
では受光量を吸光度に換算して、該吸光度と、吸光度か
ら葉身窒素率を求めるために予め定めた第2の作物関係
式と、から前記2区画の窒素含有率が演算される。そし
て、NO区画が3.0%とNO7区画が2.4%と求
められ、この値を第2の作物情報としてRAM61に記
憶する。測定装置30の接続ポート56からデータ処理
装置20のI/Fボードを介して測定装置30で求めた
2区画の窒素含有率をデータ処理装置20に送出してR
AM29に記憶する。
【0052】RAM29に記憶した第2の作物情報であ
る2区画の窒素含有率に基づいて、同じくRAM29に
記憶した第1の作物情報(NO〜NOの窒素含有
率)を区画ごとに補正して第3の作物情報とすることに
ついて図11により説明する。図11に示すものは、横
軸を測定装置30で測定した窒素含有率(第2の作物情
報)とし、縦軸をデータ処理装置20で演算された窒素
含有率(第1の作物情報)とした図である。つまり測定
装置30による2区画の窒素含有率3.0%と2.4%
と、デ−タ処理装置20による2区画のNO4.2%
とNO3.6%の窒素含有率とによって作成した図で
ある。このようにして、実際に直接、測定装置30によ
って稲の葉身から測定した2区画の窒素含有率と、カメ
ラ2で測定した窒素含有率との関係からなる単関数で表
される直線によって相互関係を明らかにして、この単関
数によってカメラ2で測定した窒素含有率を補正するも
のである。ここではこの関数で表される直線によって補
正が行われ、この関数を補正換算式としてRAM29に
記憶する。図12では具体的に、NOは4.2から
3.0に補正され、NOは3.6から2.4に補正さ
れる。同じように2区画の相関によって決定される補正
換算式に基づいて他の区画の値も図9のように補正され
る。これによって第3の作物情報が得られる。得られた
第3の作物情報は、9区画の作物情報であるが、これか
ら更に平均値を求めて、カメラで撮影した範囲の1つの
作物情報として取り扱うこともできる。なお、補正係数
として、2区画の代表値を使った単関数で表されるもの
を示したが、この補正係数は、カメラで撮影した全区画
の作物情報を説明変数として、測定装置30で得られた
全区画の作物情報を目的変数として得られる相関係数で
もよく、線形、非線形に関係なく利用できる。
【0053】この後にカメラ2で測定された窒素含有率
は、データ処理装置20によってこの図11の補正換算
式に基づいてすべて補正することで、より測定精度の向
上した値として使用することができる。このことは、従
来測定装置30だけによって圃場の複数箇所の葉身窒素
含有率を求めていた方法と比較して、撮影という簡便な
方法によってより手早く回答を得ることができる。更に
基準板と圃場を撮影することによって作物の窒素含有率
を求めることが、今だ研究途中であることを考慮にいれ
ると、測定精度の向上に大いに貢献できるものである。
なお、測定装置30による窒素含有率の測定は、圃場1
内の作物葉すべてに対して行うことはなく、圃場1内の
代表作物葉の窒素含有率を測定すればよい。
【0054】前記栄養診断を行う第1と第2の実施例に
おける圃場1から得られる作物情報は、対象物に対する
カメラ2の位置によって異なることは明らかである。即
ちここでの圃場1とは、通称「畦」で区切られた一面の
圃場であってもよいし、その一面の圃場よりも小さい面
積であってもい。補正値あるいは補正係数を定めるにあ
たってカメラによって得られた作物情報の情報源と測定
装置30によって得られた作物情報の情報源が同じ圃場
であることが重要である。加えて栄養診断の第2の実施
例における区画は、1度の撮影によって得られる上記一
面の圃場の作物情報を複数区画に分割して行うこと、1
度の撮影によって得られ上記一面の圃場よりも小さい面
積の作物情報を複数に分割して行うこと、などはどちら
でも自由であり、補正値あるいは補正係数を定めるにあ
たって収集する作物情報の情報源の同一性が重要であ
る。
【0055】次に作物の栄養診断の第3の実施例につい
て説明する。ここでは圃場1から複数区分に分割した情
報を得る方法として、複数の区分と同じ数の反射光量を
カメラ2によって得ることである。つまり栄養診断の第
2の実施例と異なることは、複数の区分それぞれから個
別にカメラ2によって作物情報を得ることである。この
ようにすると、第2の実施例の1度の撮影によって得ら
れた一面の圃場の作物情報を複数に分割したものより
も、区画ごとの作物情報の量が増加するので、測定装置
30による作物情報との相関で決定される補正係数の精
度が向上するものである。このようにして得られた複数
区分の作物情報を利用した補正係数の決定を、複数区画
から2区画の作物情報、好ましくは最大値と最小値を示
した区画の作物情報を選択して補正係数を決定しROM
28に記憶すること等は前記した第2の実施例と説明が
重複するので省略する。ここでの補正係数は、カメラで
撮影した全区画の作物情報を説明変数として、測定装置
30で得られた全区画の作物情報を目的変数として得ら
れる相関係数でもよく、線形、非線形に関係なく利用で
きることは第2の実施例と同様である。
【0056】この後にカメラ2で測定された窒素含有率
は、データ処理装置20によってこの図11の補正換算
式に基づいてすべて補正することで、より測定精度の向
上した値として使用することができる。このことは、従
来測定装置30だけによって圃場の複数箇所の葉身窒素
含有率を求めていた方法と比較して、撮影という簡便な
方法によってより手早く回答を得ることができる。更に
基準板と圃場を撮影することによって作物の窒素含有率
を求めることが、今だ研究途中であることを考慮にいれ
ると、測定精度の向上に大いに貢献できるものである。
なお、測定装置30による窒素含有率の測定は、圃場1
内の作物葉すべてに対して行うことはなく、圃場1内の
代表作物葉の窒素含有率を測定すればよい。
【0057】この栄養診断の第3の実施例における圃場
1から得られる作物情報は、対象物に対するカメラ2の
位置によって異なることは明らかである。即ちここでの
圃場1とは、通称「畦」で区切られた一面の圃場であっ
てもよいし、その一面の圃場よりも小さい面積であって
もい。補正係数を定めるにあたってカメラによって得ら
れた作物情報の情報源と測定装置30によって得られた
作物情報の情報源が同じ圃場の同じ区画であることが重
要である。加えてこの実施例における区画は、1度の撮
影によって上記一面の圃場の作物情報を1区画として捉
えること、1度の撮影によって得られ上記一面の圃場よ
りも小さい面積の作物情報を1区画として捉えること、
などはどちらでも自由であり、補正値あるいは補正係数
を定めるにあたって収集する作物情報の情報源の同一性
が重要である。
【0058】以上のことから面積補正、俯角補正、視野
距離補正によってカメラ2による撮影に対する補正が行
える。また基準板3を用いることで天候などの気象によ
る誤差を補正し、装置30の値を利用することで、測定
方位、栽植密度による誤差を補正することができる。つ
まり、地上からカメラを傾斜させて斜めに圃場を撮影し
ても本発明では補正が可能である。また装置30による
補正を行うと、カメラ2の測定で基準板による気象の誤
差を補正した値を、同じカメラ2で測定した作物葉から
直接測定して得られた値で補正するので、装置30の値
で作物葉を直接測定した値は測定方位や栽植密度に関係
なく得られた値であることから、補正して最終的に得ら
れる値は、従来のカメラ2とデータ処理だけによる、い
わゆるリモートセンシングに比べ多くの外的要因に左右
されない値となる。
【0059】上記実施例のカメラ2による作物情報の収
集において、カメラ2によって得られた情報がすべて作
物情報とは限らない。つまりカメラ2の画素ごとにデー
タを検証すると、ほとんどが作物情報となるが、作物情
報を得るためには自然と見下ろす状態で作物情報を得る
ので、植裁密度によっては土壌を撮影している可能性も
ある。したがって本発明では、作物情報を受光した画素
と作物情報以外の情報を受光した画素とに分別して、作
物情報を受光した画素の受光データのみを作物情報とし
て取り入れることとした。
【0060】図13で示すものは、波長に対する土壌と
作物葉の反射率の変化を示した図である。波長750n
m〜1300nmにおいては、土壌の反射率に対して作
物葉の反射率が20%程度の差を生じることが判明して
いる。したがって、数式1と数式2によって得られる反
射率が、例えば40%を超える値を示したならば作物葉
の受光データとして扱い、この値を下回るものは作物葉
の受光データではないとしてキャンセルし、40%を超
えた受光データをそのまま利用し、あるいは区画ごとに
平均値を求めて利用し、カメラ2により得られた作物情
報として扱うようにした。例えば図14(a)のような複
数の画素に受光データが得られたとする。この場合、1
ピクセル単位で、斜め格子で表した部分を作物葉の反射
光で反射率40%以上、斜線で表した部分が作物葉以外
の土壌で反射率40%未満と演算されたとすれば、反射
率40%未満となる画素の受光データをキャンセルし
て、作物情報として有用なものは図14(b)の斜線部分
の画素から得られる受光データとなる。このように、本
発明では、カメラ2による作物情報と測定装置30によ
る作物情報とによる補正値あるいは補正係数の決定に、
カメラ2による受光データの選択を加えた。このように
すると、カメラ2で選択的に得られる情報は作物葉だけ
から得られる情報となり、測定装置30から得られる情
報は勿論、作物葉から直接測定したものであることから
して、カメラ2の作物情報と補正値あるいは補正係数に
よる作物の栄養診断を的確なものとすることができる。
【0061】カメラ2による作物葉の反射光測定を、基
準板の反射光を測定することで得るとして説明してきた
が、入射光の測定を照度計の形式で行うことも可能であ
る。図15に簡略にした照度計93を示す。近赤外域か
ら可視光域の分光特性を有する光電変換部(シリコンセ
ンサー)94を備え、光電変換部94に入射する光を選
択する複数の狭帯域フィルタ96を、ステッピングモー
タ97によって回転するフィルタホイール95の円周部
に備えている。このフィルタホイール95を回転させて
複数のフィルタ96を切り換えるようにしてある。光電
変換部94の受光面側(図面上部)には遮蔽板の開口部
98を備えその上部に拡散反射板で形成された拡散ドー
ム99が光電変換部94を中心として配置してある。光
電変換部94とステッピングモータ97は制御部100
に連絡してあり、制御部100は、ステッピングモータ
97を回転させてフィルタ96を切り換え、光電変換部
94の信号を出力する。フィルタ96の種類は、カメラ
2のフィルタ5と同種類のものを備えている。制御部1
00はデータ処理装置20(図3)のI/Oポート25
に接続して制御される。フィルタ96には光を遮蔽する
フィルタを備えておくことで、零点補正をフィルタ96
の切り換えで可能となる。
【0062】データ処理装置20からの信号で、照度計
93の制御部100はフィルタ96を目的のフィルタ9
6に切り換えて、このとき拡散ドーム99から拡散反射
して入射する自然光の光量をフィルタ96を介して検出
し、この光電変換部94で検出した信号をデータ処理装
置20へ送信する。データ処理装置20は、照度計93
で得られた光量を基準板反射光量P0に代えて入射光量
Yとして数式5に代入することで、Rij=P”ij/
Yとなり、作物葉から得られた反射光量を反射率に演算
することができる。こ照度計93を使用する場合には、
第1の作物関係式は照度計93を入射光量としたときの
反射率に基づいて求めることになる。
【0063】以上の説明では、1つの圃場の一部分(1
平方メートル)をカメラ2で撮影することを前提に説明
したが、1つの圃場全体を撮影して同様に補正して、稲
の成育時期である幼穂形成期といった特定時期ごとに測
定することも可能であるし、前述のような圃場の一部を
測定する方法で補正するようにして、圃場の何カ所かを
1平方メートル単位で測定して、圃場全体の窒素含有量
を推定することも可能である。この方法は、品種別、地
域別(圃場別)の補正が行えるようにするとより効果的
である。つまり品種別、地域別といった複数の補正の検
量線をROM28に記憶しておくことにより、都度読み
出して使用できる。実施例でのカメラ2が24万画素程
度の解像度であり、これで圃場10アールから一度の撮影
で作物情報を得るとすれば、1平方メートル当たり25
0画素である。
【0064】このようにして得られた圃場の窒素含有率
は、従来から稲においては、例えば幼穂形成期、減数分
裂期といった任意の成育時期における最適な窒素含有率
が、品種別や地域別に細かく研究され求められており、
本発明により求めた、補正した第1の作物情報や第3の
作物情報による窒素含有率と、従来研究で決定されてい
る作物の成育に伴い基準となる窒素含有率とを比較する
ことができ、基準と比較してその多少が明確になり、こ
の窒素含有量の多少に応じて今後の施肥量を決定するこ
とができる。なお、このことは葉色値においても同様の
ことが可能で、葉色値と葉身窒素含有率とは高い相関関
係にあり、両者は互いに似通った変化を示すことから、
以上説明した方法を葉色値に適用しても、本発明は実現
可能である。なお、図1から図3により説明した方法
は、窒素含有率、葉色値以外にも、作物の草丈、乾物
量、窒素吸収量にも適用可能であるし、稲以外の作物に
適用できる。
【0065】
【発明の効果】圃場の側、つまり地上から圃場を撮影し
て栄養診断を行う場合であっても、カメラを圃場へ向け
たときに生じる俯角、画角に伴う単位画素ごとの撮影面
積の違いが補正できて、地上における撮影であっても十
分信頼性の高い栄養診断を行うことができるようになっ
た。
【0066】作物葉の反射光を測定し作物の窒素量を演
算して作物の栄養診断を行う簡便さと、作物葉に直接光
を照射して反射光あるいは透過光を測定して作物の窒素
量を演算して作物の栄養診断を行う精度の良さを兼ね備
えた作物の栄養診断を行うことができる。
【0067】また、簡便な、作物葉の反射光を測定し作
物の窒素量を演算して作物の栄養診断を行う方法におけ
る、測定方位、風による葉の揺らぎ、栽植密度の違い等
による測定誤差を、作物葉に直接光を照射して反射光あ
るいは透過光を測定して作物の窒素量を演算して作物の
栄養診断を行う精度の良さで補正することができるの
で、簡便な作物葉の反射光を測定して行う作物の栄養診
断の手法のままで、従来より信頼度の高い作物の栄養診
断が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】作物葉の反射光を測定するために圃場に設置し
たカメラと基準板の配置図である。
【図2】作物葉の反射光を測定するカメラの概略ブロッ
ク図である。
【図3】データ処理装置の概略ブロック図である。
【図4】圃場を撮影したときの俯角・画角等を示した図
である
【図5】イメージセンサの画素座標と撮影面積の大きさ
を示した図である。
【図6】俯角補正の補正係数を定める撮影を示した図で
ある。
【図7】圃場から得られる反射光を複数区画に分割して
示した窒素含有量である。
【図8】葉身窒素量測定装置の主要部の一部を破断した
側面図である。
【図9】葉身窒素量測定装置の概略制御ブロック図であ
る。
【図10】葉身窒素量測定装置の操作を示す図である。
【図11】葉身窒素量測定装置と撮影による窒素含有率
の関係図である。
【図12】栄養診断の補正による値を複数区画で示した
図である。
【図13】作物葉と土壌の波長に対する反射率曲線であ
る。
【図14】カメラにより得られた作物葉と土壌の受光デ
ータを表す図である。
【図15】入射光を測定する照度計を簡略に示した側断
面図である。
【符号の説明】
1 圃場 2 カメラ 3 基準板 4 エリアセンサー 5 狭帯域フィルタ 6 フィルタホイール 7 集光レンズ7 8 制御回路 9 ステッピングモータ 10 操作スイッチ10 20 データ処理装置 21 A/D変換器 22 フレームメモリ 23 モニタ 24 画像処理ボード 25 I/Oポート 26 CPU 27 I/Fボード 28 ROM 29 RAM 30 葉身窒素量測定装置 31 本体 32 光源部 33 光量検出装置 34 LED 35 LED 36 狭帯域フィルター 37 狭帯域フィルター 38 拡散反射板 39 ブロック 40 反射光路 41 放射側 42 拡散透過板 43 測定葉 44 光量検出装置 45 腕 46 軸 47 コイルバネ 48 マイクロスイッチ 50 アナログボード 51 発光装置 52 I/Oボード 53 CPUボード 54 液晶表示器LCD 55 入力部 56 接続ポート 57 電源ボード 58 プリンタ 59 I/Fボード 60 ROM 61 RAM 93 照度計 94 光電変換部 95 フィルタホイール 96 狭帯域フィルタ 97 ステッピングモータ 98 開口部 99 拡散ドーム 100 制御部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年6月23日(2000.6.2
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 作物の診断方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】圃場で成育中の作物の反射光
から作物の窒素含有量等の作物情報を得て、作物の栄養
診断を行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】作物の窒素含有率、葉色値、窒素吸収
量、草丈あるいは乾物重などの作物情報を得るための従
来の第1の方法としては、デジタルカメラ等の受光手段
で、硫酸バリウム等を塗布した基準板と、更に作物が成
育する単位圃場(あるいはその一部)を撮影して、基準
板と圃場作物の反射光量を取得し、この基準板と作物の
反射光量によって作物の反射率を求め、求めた反射率
と、反射率から窒素含有率(窒素吸収量、葉色値、草
丈、乾物重)を求めるために予め定められた関係式とか
ら作物の窒素含有率(窒素吸収量、葉色値、草丈、乾物
重)を求め、成育日数対窒素量カーブに基づくその時期
の標準的な窒素量と比較して成育診断を行っていた。し
かし、圃場から得られる作物の反射光量は天候に左右さ
れるものである。また天候については基準板による補正
ができたとしても、測定方位、風、栽植密度は、反射率
から窒素含有率を求めるため予め定めた関係式を作成し
たときと同じ条件であることが必要で、この条件が異な
ったときの補正が必要であり、基準板を基準として反射
率を求めることだけで全て補正できたとは言い難く、実
際には、太陽高度、測定方位、栽植密度あるいは品種を
限定した上で測定を行っていた。
【0003】作物情報を得るための従来の第2の方法と
しては、作物の成育に基づいて増減する作物情報に関す
る波長の光、例えば可視光域から近赤外域に亘る光を作
物葉身に照射して、作物情報に関する波長の光に関して
得られた受光量と、受光量から作物情報、例えば葉身窒
素量を演算するために予め定めた窒素量関係式とから葉
身窒素量を測定する装置がある。この装置は圃場の作物
葉身の多くを測定して、精度の高い葉身窒素量を得るこ
とができる。しかし、圃場全体の作物情報を正確に把握
するためには、圃場全体にわたる細かい測定を不可欠と
するため大変面倒であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記第1の方法は、測
定は簡便ながら圃場から得られる作物の情報が測定位置
や植栽密度等に左右されるために、測定時間や測定位置
に制約が生じることから、簡便ながら精度の良い測定方
法とは言い難いものであった。加えてカメラを圃場に向
けて撮影する時、カメラの撮影素子ごとに得られる反射
光量が、カメラの圃場に対した俯角や画角あるいは広い
圃場の手前側と向かい側といった位置によって、補正を
要するものである。カメラと被写体である圃場との距離
が画素ごとに異なり、各画素に得られる撮影面積がそれ
ぞれ距離によって異なる。更には俯角によって反射角度
が異なり反射光量にも影響を及ぼすものである。第2の
方法は、測定に制約はなく測定精度が高く第1の方法よ
り有利ではあるものの、測定が作物の葉身1葉ごとに行
うことになり測定点数を多く必要とするという点から、
測定時間を多く要することが難点であった。
【0005】以上のことから、作物の反射光量を測定し
て作物情報を得るにあたり、地上に置いて撮影したもの
であってもあるいは測定位置の違いがあっても大きな誤
差が生じないように補正できる方法を備えて、作物情報
の測定が簡便であり且つ測定精度を向上した作物の診断
方法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の作物
の診断方法として、複数画素を備えるカメラ圃場に対
して所定の中心俯角で配置し、圃場を撮影して作物葉の
反射光量を単位画素ごとに得て、カメラの地上高、画素
俯角、画素数及び画角を含む換算変数からなる面積関数
によって単位画素ごとの撮影面積を求め、単位画素ごと
の反射光量を撮影面積によって面積補正し、更に画素俯
角に応じた反射光量の違いを補正するために予め定めた
俯角係数によって反射光量を俯角補正し、作物葉への入
射光量を測定して前記補正した反射光量と測定した入射
光量とから反射率を求め、該反射率と、反射率から作物
情報を求めるために予め定めた第1の作物関係式と、か
ら一定面積の作物情報を求めて第1の作物情報とする。
更にこの第1の作物情報を記憶し、同じ面積の作物葉身
に光を照射して、作物の成育によって増減する作物情報
に関連した波長の透過または反射の少なくとも一方の光
量を測定し、該光量と、光量から作物情報を求めるため
に予め定めた第2の作物関係式と、から作物情報を求め
て第2の作物情報として記憶し、第1の作物情報と第2
の作物情報とによって圃場作物の栄養を診断する作物の
診断方法により前記課題を解決するための手段とした。
【0007】予め第1の作物情報を得るために作物の反
射光量と基準板の反射光量とから求める反射率を得て決
定する第1の作物関係式を求めることは従来から研究さ
れており、また葉に光を照射して反射光を得て決定する
第2の作物情報を得るための第2の作物関係式を求める
ことも従来から研究され実施されている。したがってこ
れら個々を求めることは容易である。本発明では、第1
の作物情報を求めるにあたり、圃場に対して設けた複数
画素を備える、いわゆるデジタルカメラと圃場との間の
撮影角度に基づいて、当然に生じる例えばカメラの地上
高に応じた俯角やカメラ構造による画角に基づいて、近
くを撮影した画素の撮影範囲と遠くを撮影した画素の撮
影範囲が異なるカメラの画素位置ごとの受光面積の違い
から生じる受光量の違いを補正することのできる作物の
診断方法を提供するものである。
【0008】単位画素ごとに得られる受光量に対する
影面積の違いは次のように補正する。カメラの地上高、
これに伴う単位画素ごとの俯角と、カメラの構造である
画素数や、画素の集合体である撮影素子の大きさと集光
レンズとに基づく画角等のカメラ固有の係数と、によっ
て単位画素ごとに撮影した面積を求めるための特定(面
積)関数が2次射影変換によって定まる。したがってカ
メラの地上高と俯角を変数とし、あるいはカメラ固有の
係数を変数に加えて、単位画素ごとの撮影面積を求め、
単位画素ごとの反射光量を単位画素ごとの撮影面積で除
することによって撮影面積に影響されない単位画素ごと
の反射光量を得ることができる。つまり、これによって
カメラと撮影場所との距離(手前側と向かい側)に関す
る補正が実現できることになる。
【0009】更に複数の画素を備えるから単位画素ごと
に俯角が異なる。これには、まず基準の俯角、例えば6
0゜となる画素を決定して、その俯角における反射光量
の補正(俯角)係数を例えば”1”と定めておき、俯角
を変化させながら、例えば圃場の同じ位置の反射光量を
各俯角ごとに測定することで、俯角の変化に基づく反射
光量の変化量から、各俯角における補正係数を求めるこ
とができる。このようにして定めた補正係数いわゆる俯
角係数と、単位画素ごとの反射光量とによって、各画素
の反射光量を補正する。つまり、これによって画素位置
で異なる俯角に関する補正が実現できることになる。
【0010】この俯角補正で基準とした俯角において、
基準反射板から得られる反射光量から自然光の光量、つ
まり作物葉への入射光量を求め、求めた自然光の光量
同じ画素から得られる作物葉の反射光量とによっ
て、その画素における反射率が演算できる。同様に単位
画素ごとに反射光量を求めて自然光の光量との比率で、
単位画素ごとの反射率を求めることができる。また、そ
れ以外に基準反射板の反射光量と単位画素の反射光量と
の比率で反射率を求めることでもよい。
【0011】以上のようにして求めた単位画素の反射率
は、地上からカメラによって圃場を撮影して得られる単
位画素の反射率であり、カメラの圃場に対する高さや俯
角、あるいはカメラ構造による影響を補正した反射率で
あって、この反射率と、作物情報が既知の作物葉の反射
率とによって、反射率から作物情報を求めるために予め
定めた第1の作物関係式を重回帰分析によって求め、こ
の第1の作物関係式と前述の補正と演算によって求めた
反射率とによって、作物葉の第1の作物情報を得ること
ができる。なお、反射光量の波長数は1に限定されず、
作物情報を求めるために必要な波長における反射光量は
測定する。したがって、複数波長ごとに反射率を求める
ための作業を必要とする。それぞれの関数あるいは係数
を求めるにあたり、複数の波長における反射光量を組み
合わせることもできる。
【0012】第2の作物情報を得るための方法として
は、作物の成育に基づいて増減する作物情報に関する波
長の光、例えば可視光域から近赤外域に亘る光を作物葉
身に直接照射して、作物情報に関する波長の光に関して
得られた反射光量あるいは透過光量の内いずれか少なく
とも一方と、作物情報例えば葉身窒素量が既知の作物葉
光量から葉身窒素量を演算するために予め定めた窒素量
関係式と、から葉身窒素量を測定することができる。こ
の装置は圃場の作物葉身の多くを測定して、精度の高い
葉身窒素量を得ることができる。したがって、前述の第
1の作物情報を更に補正するには有効である。
【0013】本発明による第2の作物の診断方法とし
て、複数画素を備えるカメラ圃場に対して所定の中心
俯角で配置し、圃場を撮影して作物葉の反射光量を単位
画素ごとに得て、カメラの視野距離、画素俯角、画素数
及び画角を含む換算変数からなる面積関数によって単位
画素ごとの撮影面積を求め、単位画素ごとの反射光量を
撮影面積によって面積補正し、更に画素俯角に応じた反
射光量の違いを補正するために予め定めた俯角係数によ
って反射光量を俯角補正し、作物葉への入射光量を測定
し、前記補正した反射光量と測定した入射光量とから反
射率を求め、該反射率と、反射率から作物情報を求める
ために予め定めた第1の作物関係式と、から一定面積の
作物情報を求めて第1の作物情報とする。更にこの第1
の作物情報を記憶し、同じ面積の作物葉身に光を照射し
て、作物の成育によって増減する作物情報に関連した波
長の透過または反射の少なくとも一方の光量を測定し、
該光量と、光量から作物情報を求めるために予め定めた
第2の作物関係式と、から作物情報を求めて第2の作物
情報として記憶し、第1の作物情報と第2の作物情報と
によって圃場作物の栄養を診断する作物の診断方法によ
り前記課題を解決するための手段とした。
【0014】この第2の作物の診断方法は、前述の第1
作物診断方法における特定関数に利用した俯角に代え
て視野距離としたものである。つまり、画素ごとに得ら
れる受光量に対して撮影面積の違いが次のように補正さ
れる。カメラの地上高、これに伴う画素ごとの視野距離
(画素と撮影点との距離)と、カメラの構造である画素
数や、画素の集合体である撮影素子の大きさと集光レン
ズとに基づく画角等のカメラ固有の係数と、によって画
素ごとに撮影した面積を求めるための特定(面積)関数
が2次射影変換によって定まる。したがってカメラの地
上高と視野距離を変数とし、あるいはカメラ固有の係数
を変数に加えて、画素ごとの撮影面積を求め、画素ごと
の反射光量を画素ごとにその撮影面積で除することによ
って撮影面積に影響されない画素ごとの反射光量を得る
ことができる。つまり、これによってカメラと撮影場所
との距離(手前側と向かい側)に関する補正が実現でき
ることになる。以下第1の作物情報及び第2の作物情報
を求める方法としては前述と同様となるので説明は省略
する。
【0015】上記第1の作物情報と第2の作物情報を求
める2つの有益な手法を効果的に組み合わせて補正する
方法を以下に説明する。まずそれぞれから得られる第1
の作物情報と第2の作物情報との差違を求め、差違によ
って第1の作物情報を補正することにより、天候的変化
(天候、時刻、太陽の位置)に伴う誤差だけでなく、こ
れまで難しいとされた栽培的な変化(測定方位、栽植密
度)に伴う誤差を補正することができる。特に同一の圃
場において複数箇所の栄養診断を行うには、補正の決定
が容易であることから最適である。
【0016】以上のようにして決定された、第1の作物
情報と第2の作物情報との差違を記憶しておけば、第1
の作物情報を得た圃場内における未知の一定面積の作物
から第1の作物情報だけを求めれば、該第1の作物情報
と前記差違とによって第1の作物情報を補正することが
でき、栽植密度や測定方位による誤差を容易に補正でき
るだけでなく、補正値を持つことで装置としても実現可
能であり、装置にして容易な作物の診断方法とすること
ができる。
【0017】前記第1の作物診断方法及び第2の作物診
断方法から更に厳密な補正を行うためには次の方法を適
用する。即ち、第1の作物情報を得て、この得た第1の
作物情報を複数区画に分割して、その複数区画の中から
少なくとも2点のデータを選択して、2点のデータの作
物と同じ圃場の作物葉から直接第2の作物情報を得るこ
とにより、第1と第2の作物情報の2点のデータでその
相関関係を明らかにして補正換算式を定め、これに基づ
いて複数区画の全ての値を補正するものであり、補正
式を求めるにあたり一定範囲から複数の作物情報を得
ることができ、更に補正換算式によって第1の作物情報
を広範囲に亘って補正することができる。
【0018】以上の第1と第2における作物診断方法と
その方法を適用した作物の診断は、単位圃場ごとに第1
の作物情報を得ることもでもよいし、単位圃場より小さ
く任意に定めた単位面積ごとに第1の作物情報を得るこ
とでもよい。ここでいう単位圃場とは、通称「畦」で区
切られた1面の圃場を指している。
【0019】前記第1の作物診断方法及び第2の作物診
断方法から更に厳密な補正を行うための別の方法とし
て、自然光に晒される圃場において、複数の区画ごとの
作物から、作物の成育によって増減する作物情報に関連
した波長の光の反射率を測定し、該反射率と、反射率か
ら作物情報を求めるために予め定めた第1の作物関係式
と、から区画ごとの作物情報を求めて第1の作物情報と
して記憶し、記憶した区画ごとの第1の作物情報から少
なくとも2区画の作物情報を選択し、圃場の2区画に該
当する作物葉身に光を照射して、作物の成育によって増
減する作物情報に関連した波長の透過または反射の少な
くとも一方の光量を測定し、該光量と、光量から作物情
報を求めるために予め定めた第2の作物関係式と、から
前記2区画の作物情報を求めて第2の作物情報として記
憶し、第1の作物情報を第2の作物情報に基づいて補正
する補正換算式を決定して、補正換算式で第1の作物情
報を区画ごとに補正して第3の作物情報とし、得られた
第3の作物情報によって圃場作物の栄養を診断してもよ
い。
【0020】前記の補正方法と異なり、この補正方法
複数区画の情報を個別に得る。その複数区画の中から少
なくとも2区画のデータを選択して、2区画のデータの
作物と同じ区画の作物葉から直接第2の作物情報を得る
ことにより、第1と第2の作物情報の2点のデータでそ
の相関関係を明らかにして補正換算式を定め、これに基
づいて複数区画の全ての値を補正するものであり、補正
換算式を求めるにあたり広い範囲から複数の作物情報を
得ることができ、更に補正換算式によって第1の作物情
報を広範囲に亘って補正することができる。
【0021】この補正方法における区画は、単位圃場を
1区画として、複数の単位圃場から第1の作物情報を得
てもよいし、単位圃場内に設定した複数区画から区画ご
とに第1の作物情報を得てもよい。
【0022】前記第と第の作物診断方法において
以上の補正で決定された、第1の作物関係式と補正換算
式とを記憶して、未知の圃場の作物葉身から反射率を測
定し、第1の作物関係式と補正換算式とにより第3の作
物情報を得ることができるので、以上の項目を制御装置
の記憶部に記憶して適宜読み出し演算することによって
装置として実現可能であり、装置による作物の診断が可
能となるだけでなく測定精度の向上した装置が提供でき
る。
【0023】また複数区画の中から選択する任意の2
区画を、第1の作物情報のうち最大値と最小値を示した
区画とすることにより、第1の作物情報と第2の作物情
報の補正換算の直線が、余のデータに関係なく上位と下
位の2点で容易に決定できる。
【0024】作物情報は、様々想定できるが作物の栄養
診断を行うためには、葉の窒素含有量あるいは葉色値で
あることが最適であり、作物において、葉身の窒素量は
施肥の効果あるいはその適否が直ちに現れる部位である
ことから理解できる。
【0025】前記第1及び第2の作物診断方法におい
て、作物の成育によって増減する作物情報に関連した波
長の光の反射率を測定するために、作物の反射光を複数
の画素からなる撮像素子により撮像し、作物に対応した
反射光を受光した画素を選択して、選択した画素の受光
データに基づいて反射率を測定し第1の作物情報を求め
る作物の診断方法とした。デジタルカメラなどによる撮
像手段から得られる反射光が、植裁密度や撮像した対象
圃場の大きさ、つまり単位圃場の範囲であるのか1平方
メートル程度の範囲であるのかによって、撮像した反射
光がすべて作物から得られた反射光とは限らない。即
ち、画素単位で見ると作物以外からの反射光、例えば圃
場の土の反射光も含まれていることもある。したがっ
て、所定範囲の反射率となる画素だけを選択してこれを
作物から得られた反射光として、この受光データに基づ
いて第1の作物情報を求めるようにするとよい。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明に係る測定装置について図
1から図3により説明する。ここでは作物として稲作を
例にして説明する。図1は圃場1の作物を撮像する一例
を示している。ここでは作物の成育する圃場1に向けて
作物の反射光を測定する受光装置となるカメラ2が設置
されている。圃場1は当然に自然光に晒されている。ま
た、白色の基準板3が圃場に設置してある。
【0027】図2で示すものはカメラ2の簡略なブロッ
ク図であり、カメラ2は例えば24万画素(600×4
00)程度の分解能を備えるエリアセンサー4を備えて
いる。カメラ2には、複数の狭帯域フィルタ5を備えた
フィルタホイール6があり、例えばフィルターホイール
6を回転させてフィルター5を切り換える。フィルタ5
を通過した光は光学手段として例えば集光レンズ7等を
介してエリアセンサー4によって受光される。フィルタ
ーホイール6は、制御回路8によって駆動制御されるス
テッピングモータ9によって回転する。更に制御回路8
はセンサ−4の受光信号をデータ処理装置20に送出す
る。
【0028】ここでフィルタ5は、例えば可視光域波長
の450,550,625,650,675,700n
mの中から適宜選択される。また近赤外域波長の75
0,850,950〜1300nmの中から適宜選択さ
れる。これらの波長は作物の葉の窒素含有率あるいは葉
色値の変化に伴って特徴的な変化を示す帯域を選択する
ことが必要である。したがって、フィルタは可視光域と
近赤外域の両方を用いてもよいし、一方だけを使用して
もよい。なお波長は本実施例に限定されない。図2では
4つのフィルターを示しているが、目的に応じて前記フ
ィルタを装着するものであり随時変更可能であるととも
に使用するフィルターの数を限定するものではない。制
御回路8には更に操作スイッチ10が接続され、操作ス
イッチ10には撮影を行うための撮影開始スイッチ10
a、撮影を停止するための撮影停止スイッチ10b、フ
ィルタを切り換えるフィルタ切り換えスイッチ10c、
撮影データを送出するデータ送信スイッチ10d及び電
源スイッチ10e等を備えている。
【0029】図3にデータ処理装置20のブロック図を
示している。図3に示すデータ処理装置20は、エリア
センサ4の画像信号をデジタル信号に変換するアナログ
・デジタル変換器(以下「A/D変換器」という)21
と、A/D変換後の画像データを記憶するフレームメモ
リ22、画像データを視覚的に表示するモニタ23及び
画像処理ボード24を備え、これらは、インプットアウ
トプットポート(以下「I/Oポート」という)25を
介して画像データを演算処理するCPU26に連絡して
ある。また、インターフェースボード(以下「I/Fボ
ード」という)27を介して後述する葉身窒素量測定装
置30が接続してある。更に制御プログラム等を記憶し
た読み出し専用メモリ(以下「ROM」という)28
と、演算結果等を記憶して適宜読み出し可能な読み出し
書き込みメモリ(以下「RAM」という)29がCPU
26に接続されている。
【0030】さて、カメラ2の電源スイッチ10eを押
すと、エリアセンサー4によって像の反射信号が受光さ
れて画像信号となり、この画像信号はデータ送信スイッ
チ10dを押すことでデータ処理装置20に送出され
る。データ処理装置20では画像処理ボード24によっ
て処理されてモニター23に映し出される。モニター2
3で圃場1を確認しながらカメラ2の位置をセットして
撮影範囲を確定する。撮影範囲が確定したら、現在セッ
トされているフィルタ5を通して撮影開始スイッチ10
aを押して圃場1で成育する稲の葉を撮影し、次にフィ
ルタ切り換えスイッチ10cによって制御回路8からス
テッピングモータ9を回転させる信号が出力されフィル
タホイール6を回転させてフィルタ5を切り換えた後、
撮影スイッチ10aを押して撮影する。このようにして
フィルタ5を順次切り換えながら必要なフィルタ5ごと
に撮影は行われる。結果的に各フィルタ5ごとに画像信
号は作成される。ここでカメラ2のエリアセンサー4に
大容量の記憶素子がなければ、撮影の都度データ処理装
置20にデータを送信するようデータ送信スイッチ10
dを押す。
【0031】以上のように構成された測定装置のカメラ
2によって撮影した単位画素のデータは次のように処理
される。図4は圃場をカメラ2の視点0から撮影したと
きの、カメラ2の地上高h、俯角θ、画角ψ及び視野距
離l1,l2等を示した図である。また図5(a)はエ
リアセンサー4の画素座標ijで、図5(b)はこの画
素によって取得した圃場面積Aijを示している。図5
で明らかなように各画素座標ijで取得した圃場画像は
それぞれ面積が異なる。従って同じ圃場であっても画素
座標ijごとに情報量の密度が異なる。これを次の面積
関数によって補正する。ここで言う面積関数とは一般的
には2次射影変換といわれる数学的解析法であるのでそ
の概要のみを説明する。上記カメラ2の地上高hあるい
は視野距離l、撮影の俯角θ、カメラ2固有の係数であ
る画角ψ及び画素数とによって次の面積関数が成立す
る。
【数1】 (俯角) Aij = f(θ、h、i,j,x1、x2…) … (視野距離) Aij = g(θ、l、i,j,x1、x2…) … Aij:画素座標ijで取得した圃場実面積 i,j:画素の座標 x1:画角(カメラ固有) x2:画素数(カメラ固有) これによって、俯角θと、地上高hあるいは視野距離l
と、を与えることにより画素座標ごとの実面積Aijが
演算できる。
【0032】ここで画素座標ijにおける反射光の受光
(強度)量をPijとすると
【数2】P’ij=Pij/Aij となって、実面積Aijで画素ijで取得した受光量P
ijを除することで、画素座標ijで取得した圃場の実
面積の大小に影響されない反射光量とすることができ
る。以上のようにして、画素座標ijごとに面積補正が
行えて、撮影により取得した実面積の大きさに影響され
ない画素座標ijごとの反射光量を得る。以上で、所定
の地上高hあるいは視野距離lで、所定の俯角θで撮影
した場合において、2次射影変換による面積補正につい
て説明した。
【0033】次に画素座標ijごとに俯角θが異なるの
で、θに伴う俯角補正を行う。図6のように基準板もし
くは圃場の同じ位置の作物葉の反射光を同じ距離のもと
で測定する。例えば俯角θ1から俯角θ2まで変化させ
て、好ましくはエリアセンサー4の中心部の画素座標の
反射光量によって補正係数を定めれば良い。例えば、俯
角θが60゜における反射光量の補正係数をK60゜=1
とおけば、
【数3】 俯角θ=60゜: K60゜=1 俯角θ=50゜: 俯角50゜の反射光量/俯角60゜の反射光量 =俯角50゜における補正係数=K50゜ 俯角θ=40゜: 俯角40゜の反射光量/俯角60゜の反射光量 =俯角40゜における補正係数=K40゜ ・ ・ 俯角θ=10゜: 俯角10゜の反射光量/俯角60゜の反射光量 =俯角10゜における補正係数=K10゜ となって、各俯角θにおける補正係数が定まり、画素座
標ijごとの補正係数Kijが定まる。しがって、前記
面積補正後に得られたP’ijと補正係数Kijによっ
て、
【数4】P”ij=Kij・P’ij となって、俯角θによる俯角補正ができる。以上俯角θ
に関する補正について説明した。いずれにしても面積補
正においては予め所定の値(θ、h、l等)を入力して
おくこと、あるいは俯角補正においては予め複数の俯角
θで反射光量を測定して画素座標ごとに補正係数Kij
を定めておくことが必要である。
【0034】次にカメラ2のエリアセンサ4で受光する
反射光量は、基準板3の反射光量と圃場1の作物葉の反
射光量である。基準板3の反射光量を測定するときに
は、俯角補正において基準とした俯角θ、上記例では俯
角60゜における基準板反射光量を測定することが好ま
しい。基準板反射光量を作物葉への入射光量として測定
した基準板反射光量をP0とすれば、
【数5】Rij=P”ij/P0 Rij:画素座標ijごとの反射率 によって、稲の葉の反射率を求めることができる。この
反射率は稲の葉の窒素含有率を求めるために利用され
る。これら数式1乃至数式5はROM28に記憶してあ
る。前述の基準板反射光量P0は次のようにして測定記
憶される。カメラ2に備えてあるフィルタ5を切り換え
てフィルタごとに基準板3の反射光量を測定しデータ処
理装置20に送出して、データ処理装置20ではこれら
をA/D変換器21によってデジタル変換してRAM2
9に記憶する。即ち基準板反射光量P0の値はフィルタ
5ごとに測定して記憶する。
【0035】カメラ2によってフィルタ5を切り換えて
フィルタごとに、圃場1のある範囲の稲の葉の反射光量
を受光してデータ処理装置20に送出し、データ処理装
置20では、A/D変換器21によって信号をデジタル
に変換し、フレームメモリ22に記憶する。CPU26
は、フレームメモリ22に記憶してあるフィルタ5ごと
の葉の反射光量について、各画素によって受光された受
光量の平均値を求めて、予めROM28に記憶された前
記数式に基づいて反射率を演算してRAM29に記憶す
る。これで単位画素によるある範囲の、例えば1平方メ
ートル範囲の作物葉による反射率が記憶される。以上の
説明において画素座標ijを用いて説明したが、1ピク
セルごとで処理することに限定したものではなく複数ピ
クセルを1つの単位として単位画素とすることも可能で
ある。
【0036】図7で示すものは、圃場1の作物葉を撮影
した24万画素のデータを更に複数の区画に分割して処
理する例を示している。例えば、カメラ2によってフィ
ルタ5を切り換えてフィルタごとに、圃場1のある範囲
の稲の葉の反射光量を受光してデータ処理装置20に送
出し、データ処理装置20では、A/D変換器21によ
って信号をデジタルに変換し、フレームメモリ22に記
憶する。CPU26は、フレームメモリ22に記憶して
あるフィルタ5ごとの葉の反射光量について、図7のよ
うに、左上から区画NO〜を決定し、区画内の各画
素によって受光された受光量の平均値を求めて、予めR
OM28に記憶された前記数式に基づいて各区画ごとの
反射率を演算してRAM29に記憶する。1つのカメラ
で受光できる範囲を、例えば1平方メートル程度とする
と、1平方メートル内の9区画分の反射率が記憶され
る。モニター23には画像処理ボード24で処理された
画像が表示される。
【0037】RAM29には、複数のフィルタ5ごとの
受光範囲内の作物葉の反射率と、フィルタ5ごとに9区
画に処理されたそれぞれの作物葉の反射率とが記憶され
ている。このRAM29に記憶されたフィルタ5ごとの
反射率、あるいはフィルタ5ごとに9区画に処理した反
射率を説明変数にして、同じ受光範囲内、あるいは同じ
区画内で成育する葉を採取して、この葉の作物情報であ
る、例えば窒素含有率を直接化学分析することによっ
て、あるいは葉色値を直接葉の色を測定することによっ
て求め、この窒素含有率あるいは葉色値を目的変数とし
て、受光範囲内の作物葉の作物情報を求める関係式、9
区画ごとの作物葉の作物情報を求める関係式(第1の作
物関係式)を作成して、ROM28に記憶しておく。
【0038】更に詳説すると、仮に区画NOにおける
フィルタ1による反射率R1、フィルタ2による反射率
R2、フィルタ3による反射率R3、フィルタ4による
反射率R4が存在し、区画内の作物葉を化学分析して取
得した窒素含有率N1が存在するとき、
【数6】 N1 = F0+F1・R1+F2・R2+F3・R3+F4・R4 が成立するとすれば、複数の窒素含有率Nを測定するこ
とによって
【数7】 N1 = F0+F1・R11+F2・R21+F3・R31+F4・R41 N2 = F0+F1・R12+F2・R22+F3・R32+F4・R42 ・ ・ ・ ・ ・ ・ Nn = F0+F1・R1n+F2・R2n+F3・R3n+F4・R4n となって、これらを重回帰分析すれば、
【数8】 N = F0+F1・R1+F2・R2+F3・R3+F4・R4+C N:測定対象の窒素含有率,F0〜F4:定数,R1〜R
4:フィルタごとの反射率 C:補正値 として、関係式(第1の作物関係式)を求めることがで
きる。葉色値についても同様にして関係式を求めること
ができる。この数式8をROM28に記憶しておく。
【0039】このようにして数式1乃至数式5並及び数
式8をROM28に記憶しておけば、カメラ2によって
基準板と受光範囲の稲の葉を撮影して、この画像信号を
データ処理装置20に送出すると、データ処理装置20
では、第1の作物関係式に基づいて窒素含有率を演算す
ることができる。これによって、受光範囲内の稲の窒素
含有率あるいは各区画ごとの窒素含有率(第1の作物情
報)NO〜を求めることができる。図7に各区画に
記載された数値がこのとき求められた窒素含有率の一例
である。
【0040】次に、葉身窒素量測定装置30の実施例を
図8から図10により説明する。ここに示すものは、携
帯型窒素量測定装置(以下「測定装置」という)30の
主要部分を破断した側面図である。図8及び図9では、
上方の本体31内に光源部32と、下部に光量検出装置
33としてのフォトダイオード(図示せず)とを設けた
構成となっている。光源部32は、同一円周上に異なる
波長ピークを持つ複数の発光素子であるLED34、3
5を配設して、該LED34、35にはそれぞれ波長帯
域の異なる狭帯域フィルター36,37を設けてある。
波長帯域は500nm〜1100nmが好ましく、この
波長帯域から、求める葉身窒素量あるいは葉色値に関係
する任意の特定波長の狭帯域フィルター36、37を選
択してある。各LED34、35の発光する光は、狭帯
域フィルター36、37によって特定波長の光となっ
て、光が反射する拡散反射板38に入射する。またこの
拡散反射板38へ各LED34、35の光線がほぼ一定
の角度で入射するようにブロック39が形成してある。
【0041】拡散反射板38により反射した光は、ブロ
ック39の中央に設けた反射光路40に入射し、反射光
路40の放射側41に設けた拡散透過板42に入射す
る。拡散透過板42は反射光路40の光軸に対して垂直
に設けられ、円形の磨りガラス状あるいは乳白色のガラ
スで形成されている。反射光路40及び拡散反射板38
とで囲まれた空間を光が反射と拡散とを繰り返しながら
反射光路40から出て、拡散透過板42を経て測定葉4
3を介して光量検出装置44に入射する。
【0042】さらに、光量検出装置32の上部外周に上
蓋31を繞設して、該上蓋31から延長した腕45は軸
46によって軸支されている。さらに、上蓋31が軸支
される軸46にはコイルバネ47を遊嵌してあり、常に
上蓋31を押し上げるように作用している。つまり、図
10で示すように、測定においては測定葉43を測定場
所に挿入し、上蓋31の上部を押し下げることで測定を
可能にしている。この測定のタイミングは、上蓋31を
押し下げることにより上蓋31の下方に設けた押し下げ
突起(図示せず)が、対向する位置に設けたマイクロス
イッチ48を押し下げることで、上蓋31を押し下げた
ことを検知して測定(光の照射及び光量測定)が行なわ
れる。
【0043】次に、図によって吸光度測定装置1のブ
ロック図を示し説明する。光源部32と、光量検出装置
33とからなる測定部で検出されるサンプル葉43の透
過光量は、光量検出装置44によってアナログの信号に
変換されアナログボード50に連絡されている。光源部
32にはLED34、35の発光装置51が設けてあ
る。アナログボード50ではアナログからデジタル信号
へのA/D変換をするか、あるいは電圧から周波数への
V/F変換を行う。変換された信号はI/Oボードを経
由して演算制御装置となるCPUボード53に入力され
る。前記I/Oボード52には、測定結果、演算結果あ
るいは操作指示を表示する液晶表示器LCD54、操作
を行う入力部55、外部装置とデータを入出力するRS
232Cの接続ポート56及びスイッチ48等を設けて
ある。これらCPUボード53とI/Oボード52には
電源ボード57から電源を供給するように接続してあ
る。また、プリンタ58はプリンタI/Fボード59を
介してCPUボード53に接続してある。更にCPUボ
ード53には、読み出し専用メモリ(以下「ROM」と
いう)60と読み出し書き込みメモリ(以下「RAM」
という)61が接続されている。ROM60には、圃場
別あるいは品種別の複数の検量線が記憶してある。この
検量線は、予め窒素含有率を測定した複数の葉に光を照
射して得られる複数の受光量から吸光度を算出し、この
吸光度を説明変数とし、複数の既知の窒素含有率を目的
変数として重回帰分析を行い、予め決定した窒素含有率
(第2の作物情報)を求める関係式(第2の作物関係
式)である。この重回帰分析については前述した数式を
求める手順と説明が重複するので省略する。更にこのR
OM60には、測定装置30において、吸光度を測定し
て窒素含有率などの品質を演算するための一連の、吸光
度の測定から演算と表示を実行するプログラム等が記憶
してある。
【0044】このように構成された測定装置30の作用
について以下に説明する。測定装置30にサンプル葉4
3を挿入して上蓋31を押し下げると、スイッチ48の
信号がCPUボ−ド53に連絡され、CPUボード53
からは発光制御装置51へ信号を出力して発光制御装置
51から光源部32へ発光信号が送られる。これによ
り、LED34、35からサンプル葉43に向けて光が
交互に照射される。このLED34、35から発光する
光は、狭帯域フィルタ−36、37によって近赤外域と
可視光域の特定波長の光となっており、前述した反射散
乱を繰り返して拡散透過板42から光量検出装置44に
到達するので積分球と同じ程度にサンプル葉43に均一
に照射される。
【0045】サンプル葉43に光が照射されると、その
透過光または反射光が光量検出装置44によりLED3
4,35ごとに受光され、該受光信号はA/D変換のた
めにアナログボード50に連絡される。アナログボード
50では、A/D変換を行い、次にI/Oボード52を
経由してCPUボード53に入力される。CPUボード
53においては、サンプル葉43の透過光又は反射光か
ら光の透過率あるいは吸光度を算出するようにしてあ
り、その値がRAM61に記憶される。RAM61に記
憶された吸光度と、ROM33に予め記憶された窒素含
有率を求める関係式とによって、測定した葉の窒素含有
率を演算することができる。入力部55には、測定装置
30の電源を投入する電源スイッチ55a、透過光測定
を可能にする測定スイッチ55b、ROM60に記憶し
た検量線(式)、あるいはRAM61に記憶した吸光度
あるいは透過光データや演算結果、サンプルNO等を読
み出す切り換え機能を備えた読み出しスイッチ55cを
備えている。
【0046】以下に第1の作物情報と第2の作物情報に
より圃場作物の栄養診断を行う場合の第1の実施例につ
いて説明する。カメラ2によって、基準板3の反射光
と、自然光に晒される圃場1から稲の成育によって増減
する作物情報である、例えば窒素含有率に関連した波長
の反射光量とを測定する。図2乃至図4で示したように
データ処理装置20においては、カメラ2で測定した受
光範囲内の葉の反射光量と、ROM28に記憶した受光
範囲内の反射率を求める数式とによって反射率を演算
し、求めた反射率とROM28に記憶してある第1の作
物関係式とによって、第1の作物情報であるカメラ2の
受光範囲内の窒素含有率を得てRAM29に記憶する。
【0047】次に、カメラ2の受光範囲内で成育する稲
の葉の窒素含有率を測定し補正する場合について説明す
る。装置30で測定した稲の葉の窒素含有率(第2の作
物情報)は、直接稲の葉から得た測定値であり、測定方
位、植栽密度などの影響は受けていない。従って本発明
では第1の作物情報と第2の作物情報との差違を演算す
る。例えば先の測定で第1の作物情報が4.0%、装置
30の測定で第2の作物情報が3.0%であったとする
と、装置30の値を第2の作物情報としてRAM61に
記憶する。測定装置30の接続ポート56からデータ処
理装置20のI/Fボードを介して測定装置30で求め
た第2の作物情報をデータ処理装置20に送出してRA
M29に記憶する。装置20ではRAM29の第1の作
物情報と第2の作物情報の差違、−1%に基づいて第1
の作物情報に−1%を加えて3.0%と補正する。
【0048】つまり、この差違をあらためて補正値とし
てRAM29に記憶しておいて、他の受光範囲の作物葉
の反射光をカメラ2で測定し装置20で演算した値は、
すべて先の差違−1%を加えて補正する。これによっ
て、測定方位、栽植密度の影響を受けない測定がカメラ
2と装置20によって実現可能となる。しかも、RAM
29に補正値を記憶した後においては、少なくとも同じ
圃場における装置30による多くの測定は不要となり、
カメラ2による1度の測定で、これまでにない精度で測
定ができる。なお、測定装置30による窒素含有率の測
定は、圃場1内の作物葉すべてに対して行うことはな
く、圃場1内の代表作物葉の窒素含有率を測定すればよ
い。
【0049】次に栄養診断の第2の実施例について説明
する。カメラ2によって、基準板3の反射光と、自然光
に晒される圃場1から稲の成育によって増減する作物情
報である、例えば窒素含有率に関連した波長の反射光量
とを測定する。図2乃至図4で示したようにデータ処理
装置20において、カメラ2で測定したNO〜NO
の区画に分割した反射光量と、ROM28に記憶した区
画ごとの反射率を求める数式とによって反射率を演算
し、求めた反射率とROM28に記憶してある第1の作
物関係式とによって、第1の作物情報である区画ごとの
窒素含有率を得てRAM29に記憶する。
【0050】次に測定者によってあるいは装置20によ
って、ここで得られた区画ごとの値の中から任意の2区
画の窒素含有量を選択し、好ましくは窒素含有率が最大
値と最小値となった区画を選択する。図7で選択した区
画、例えば最大値であるNOの4.2%の区画と、最
小値であるNOの3.6%の区画に該当する圃場の区
画で成育する稲の葉の窒素含有率を測定装置30で測定
する。ここで測定する窒素含有率は測定方位、植栽密度
などの影響は受けていない。
【0051】測定装置30では、前述したように圃場の
前記選択した2区画に該当する稲の葉身から直接、作物
の成育によって増減する作物情報である葉身窒素率に関
連した波長の光を照射して得られる受光量から、この例
では受光量を吸光度に換算して、該吸光度と、吸光度か
ら葉身窒素率を求めるために予め定めた第2の作物関係
式と、から前記2区画の窒素含有率が演算される。そし
て、NO区画が3.0%とNO7区画が2.4%と求
められ、この値を第2の作物情報としてRAM61に記
憶する。測定装置30の接続ポート56からデータ処理
装置20のI/Fボードを介して測定装置30で求めた
2区画の窒素含有率をデータ処理装置20に送出してR
AM29に記憶する。
【0052】RAM29に記憶した第2の作物情報であ
る2区画の窒素含有率に基づいて、同じくRAM29に
記憶した第1の作物情報(NO〜NOの窒素含有
率)を区画ごとに補正して第3の作物情報とすることに
ついて図11により説明する。図11に示すものは、横
軸を測定装置30で測定した窒素含有率(第2の作物情
報)とし、縦軸をデータ処理装置20で演算された窒素
含有率(第1の作物情報)とした図である。つまり測定
装置30による2区画の窒素含有率3.0%と2.4%
と、デ−タ処理装置20による2区画のNO4.2%
とNO3.6%の窒素含有率とによって作成した図で
ある。このようにして、実際に直接、測定装置30によ
って稲の葉身から測定した2区画の窒素含有率と、カメ
ラ2で測定した窒素含有率との関係からなる単関数で表
される直線によって相互関係を明らかにして、この単関
数によってカメラ2で測定した窒素含有率を補正するも
のである。ここではこの関数で表される直線によって補
正が行われ、この関数を補正換算式としてRAM29に
記憶する。図12では具体的に、NOは4.2から
3.0に補正され、NOは3.6から2.4に補正さ
れる。同じように2区画の相関によって決定される補正
換算式に基づいて他の区画の値も図12のように補正さ
れる。これによって第3の作物情報が得られる。得られ
た第3の作物情報は、9区画の作物情報であるが、これ
から更に平均値を求めて、カメラで撮影した範囲の1つ
の作物情報として取り扱うこともできる。なお、補正係
数として、2区画の代表値を使った単関数で表されるも
のを示したが、この補正係数は、カメラで撮影した全区
画の作物情報を説明変数として、測定装置30で得られ
た全区画の作物情報を目的変数として得られる相関係数
でもよく、線形、非線形に関係なく利用できる。
【0053】この後にカメラ2で測定された窒素含有率
は、データ処理装置20によってこの図11の補正換算
式に基づいてすべて補正することで、より測定精度の向
上した値として使用することができる。このことは、従
来測定装置30だけによって圃場の複数箇所の葉身窒素
含有率を求めていた方法と比較して、撮影という簡便な
方法によってより手早く回答を得ることができる。更に
基準板と圃場を撮影することによって作物の窒素含有率
を求めることが、今だ研究途中であることを考慮にいれ
ると、測定精度の向上に大いに貢献できるものである。
なお、測定装置30による窒素含有率の測定は、圃場1
内の作物葉すべてに対して行うことはなく、圃場1内の
代表作物葉の窒素含有率を測定すればよい。
【0054】前記栄養診断を行う第1と第2の実施例に
おける圃場1から得られる作物情報は、対象物に対する
カメラ2の位置によって異なることは明らかである。即
ちここでの圃場1とは、通称「畦」で区切られた一面の
圃場であってもよいし、その一面の圃場よりも小さい面
積であってもい。補正値あるいは補正係数を定めるにあ
たってカメラによって得られた作物情報の情報源と測定
装置30によって得られた作物情報の情報源が同じ圃場
であることが重要である。加えて栄養診断の第2の実施
例における区画は、1度の撮影によって得られる上記一
面の圃場の作物情報を複数区画に分割して行うこと、1
度の撮影によって得られ上記一面の圃場よりも小さい面
積の作物情報を複数に分割して行うこと、などはどちら
でも自由であり、補正値あるいは補正係数を定めるにあ
たって収集する作物情報の情報源の同一性が重要であ
る。
【0055】次に作物の栄養診断の第3の実施例につい
て説明する。ここでは圃場1から複数区分に分割した情
報を得る方法として、複数の区分と同じ数の反射光量を
カメラ2によって得ることである。つまり栄養診断の第
2の実施例と異なることは、複数の区分それぞれから個
別にカメラ2によって作物情報を得ることである。この
ようにすると、第2の実施例の1度の撮影によって得ら
れた一面の圃場の作物情報を複数に分割したものより
も、区画ごとの作物情報の量が増加するので、測定装置
30による作物情報との相関で決定される補正係数の精
度が向上するものである。このようにして得られた複数
区分の作物情報を利用した補正係数の決定を、複数区画
から2区画の作物情報、好ましくは最大値と最小値を示
した区画の作物情報を選択して補正係数を決定しROM
28に記憶すること等は前記した第2の実施例と説明が
重複するので省略する。ここでの補正係数は、カメラで
撮影した全区画の作物情報を説明変数として、測定装置
30で得られた全区画の作物情報を目的変数として得ら
れる相関係数でもよく、線形、非線形に関係なく利用で
きることは第2の実施例と同様である。
【0056】この後にカメラ2で測定された窒素含有率
は、データ処理装置20によってこの図11の補正換算
式に基づいてすべて補正することで、より測定精度の向
上した値として使用することができる。このことは、従
来測定装置30だけによって圃場の複数箇所の葉身窒素
含有率を求めていた方法と比較して、撮影という簡便な
方法によってより手早く回答を得ることができる。更に
基準板と圃場を撮影することによって作物の窒素含有率
を求めることが、今だ研究途中であることを考慮にいれ
ると、測定精度の向上に大いに貢献できるものである。
なお、測定装置30による窒素含有率の測定は、圃場1
内の作物葉すべてに対して行うことはなく、圃場1内の
代表作物葉の窒素含有率を測定すればよい。
【0057】この栄養診断の第3の実施例における圃場
1から得られる作物情報は、対象物に対するカメラ2の
位置によって異なることは明らかである。即ちここでの
圃場1とは、通称「畦」で区切られた一面の圃場であっ
てもよいし、その一面の圃場よりも小さい面積であって
もい。補正係数を定めるにあたってカメラによって得ら
れた作物情報の情報源と測定装置30によって得られた
作物情報の情報源が同じ圃場の同じ区画であることが重
要である。加えてこの実施例における区画は、1度の撮
影によって上記一面の圃場の作物情報を1区画として捉
えること、1度の撮影によって得られ上記一面の圃場よ
りも小さい面積の作物情報を1区画として捉えること、
などはどちらでも自由であり、補正値あるいは補正係数
を定めるにあたって収集する作物情報の情報源の同一性
が重要である。
【0058】以上のことから面積補正、俯角補正、視野
距離補正によってカメラ2による撮影に対する補正が行
える。また基準板3を用いることで天候などの気象によ
る誤差を補正し、装置30の値を利用することで、測定
方位、栽植密度による誤差を補正することができる。つ
まり、地上からカメラを傾斜させて斜めに圃場を撮影し
ても本発明では補正が可能である。また装置30による
補正を行うと、カメラ2の測定で基準板による気象の誤
差を補正した値を、同じカメラ2で測定した作物葉から
直接測定して得られた値で補正するので、装置30の値
で作物葉を直接測定した値は測定方位や栽植密度に関係
なく得られた値であることから、補正して最終的に得ら
れる値は、従来のカメラ2とデータ処理だけによる、い
わゆるリモートセンシングに比べ多くの外的要因に左右
されない値となる。
【0059】上記実施例のカメラ2による作物情報の収
集において、カメラ2によって得られた情報がすべて作
物情報とは限らない。つまりカメラ2の画素ごとにデー
タを検証すると、ほとんどが作物情報となるが、作物情
報を得るためには自然と見下ろす状態で作物情報を得る
ので、植裁密度によっては土壌を撮影している可能性も
ある。したがって本発明では、作物情報を受光した画素
と作物情報以外の情報を受光した画素とに分別して、作
物情報を受光した画素の受光データのみを作物情報とし
て取り入れることとした。
【0060】図13で示すものは、波長に対する土壌と
作物葉の反射率の変化を示した図である。波長750n
m〜1300nmにおいては、土壌の反射率に対して作
物葉の反射率が20%程度の差を生じることが判明して
いる。したがって、数式1と数式2によって得られる反
射率が、例えば40%を超える値を示したならば作物葉
の受光データとして扱い、この値を下回るものは作物葉
の受光データではないとしてキャンセルし、40%を超
えた受光データをそのまま利用し、あるいは区画ごとに
平均値を求めて利用し、カメラ2により得られた作物情
報として扱うようにした。例えば図14(a)のような複
数の画素に受光データが得られたとする。この場合、1
ピクセル単位で、斜め格子で表した部分を作物葉の反射
光で反射率40%以上、斜線で表した部分が作物葉以外
の土壌で反射率40%未満と演算されたとすれば、反射
率40%未満となる画素の受光データをキャンセルし
て、作物情報として有用なものは図14(b)の斜線部分
の画素から得られる受光データとなる。このように、本
発明では、カメラ2による作物情報と測定装置30によ
る作物情報とによる補正値あるいは補正係数の決定に、
カメラ2による受光データの選択を加えた。このように
すると、カメラ2で選択的に得られる情報は作物葉だけ
から得られる情報となり、測定装置30から得られる情
報は勿論、作物葉から直接測定したものであることから
して、カメラ2の作物情報と補正値あるいは補正係数に
よる作物の栄養診断を的確なものとすることができる。
【0061】カメラ2による作物葉の反射光測定を、基
準板の反射光を測定することで得るとして説明してきた
が、入射光の測定を照度計の形式で行うことも可能であ
る。図15に簡略にした照度計93を示す。近赤外域か
ら可視光域の分光特性を有する光電変換部(シリコンセ
ンサー)94を備え、光電変換部94に入射する光を選
択する複数の狭帯域フィルタ96を、ステッピングモー
タ97によって回転するフィルタホイール95の円周部
に備えている。このフィルタホイール95を回転させて
複数のフィルタ96を切り換えるようにしてある。光電
変換部94の受光面側(図面上部)には遮蔽板の開口部
98を備えその上部に拡散反射板で形成された拡散ドー
ム99が光電変換部94を中心として配置してある。光
電変換部94とステッピングモータ97は制御部100
に連絡してあり、制御部100は、ステッピングモータ
97を回転させてフィルタ96を切り換え、光電変換部
94の信号を出力する。フィルタ96の種類は、カメラ
2のフィルタ5と同種類のものを備えている。制御部1
00はデータ処理装置20(図3)のI/Oポート25
に接続して制御される。フィルタ96には光を遮蔽する
フィルタを備えておくことで、零点補正をフィルタ96
の切り換えで可能となる。
【0062】データ処理装置20からの信号で、照度計
93の制御部100はフィルタ96を目的のフィルタ9
6に切り換えて、このとき拡散ドーム99から拡散反射
して入射する自然光の光量をフィルタ96を介して検出
し、この光電変換部94で検出した信号をデータ処理装
置20へ送信する。データ処理装置20は、照度計93
で得られた光量を基準板反射光量P0に代えて入射光量
Yとして数式5に代入することで、Rij=P”ij/
Yとなり、作物葉から得られた反射光量を反射率に演算
することができる。こ照度計93を使用する場合には、
第1の作物関係式は照度計93を入射光量としたときの
反射率に基づいて求めることになる。
【0063】以上の説明では、1つの圃場の一部分(1
平方メートル)をカメラ2で撮影することを前提に説明
したが、1つの圃場全体を撮影して同様に補正して、稲
の成育時期である幼穂形成期といった特定時期ごとに測
定することも可能であるし、前述のような圃場の一部を
測定する方法で補正するようにして、圃場の何カ所かを
1平方メートル単位で測定して、圃場全体の窒素含有量
を推定することも可能である。この方法は、品種別、地
域別(圃場別)の補正が行えるようにするとより効果的
である。つまり品種別、地域別といった複数の補正の検
量線をROM28に記憶しておくことにより、都度読み
出して使用できる。実施例でのカメラ2が24万画素程
度の解像度であり、これで圃場10アールから一度の撮影
で作物情報を得るとすれば、1平方メートル当たり25
0画素である。
【0064】このようにして得られた圃場の窒素含有率
は、従来から稲においては、例えば幼穂形成期、減数分
裂期といった任意の成育時期における最適な窒素含有率
が、品種別や地域別に細かく研究され求められており、
本発明により求めた、補正した第1の作物情報や第3の
作物情報による窒素含有率と、従来研究で決定されてい
る作物の成育に伴い基準となる窒素含有率とを比較する
ことができ、基準と比較してその多少が明確になり、こ
の窒素含有量の多少に応じて今後の施肥量を決定するこ
とができる。なお、このことは葉色値においても同様の
ことが可能で、葉色値と葉身窒素含有率とは高い相関関
係にあり、両者は互いに似通った変化を示すことから、
以上説明した方法を葉色値に適用しても、本発明は実現
可能である。なお、図1から図3により説明した方法
は、窒素含有率、葉色値以外にも、作物の草丈、乾物
量、窒素吸収量にも適用可能であるし、稲以外の作物に
適用できる。
【0065】
【発明の効果】圃場の側、つまり地上から圃場を撮影し
て栄養診断を行う場合であっても、カメラを圃場へ向け
たときに生じる俯角、画角に伴う単位画素ごとの撮影面
積の違いが補正できて、地上における撮影であっても十
分信頼性の高い栄養診断を行うことができるようになっ
た。
【0066】作物葉の反射光を測定し作物の窒素量を演
算して作物の栄養診断を行う簡便さと、作物葉に直接光
を照射して反射光あるいは透過光を測定して作物の窒素
量を演算して作物の栄養診断を行う精度の良さを兼ね備
えた作物の栄養診断を行うことができる。
【0067】また、簡便な、作物葉の反射光を測定し作
物の窒素量を演算して作物の栄養診断を行う方法におけ
る、測定方位、風による葉の揺らぎ、栽植密度の違い等
による測定誤差を、作物葉に直接光を照射して反射光あ
るいは透過光を測定して作物の窒素量を演算して作物の
栄養診断を行う精度の良さで補正することができるの
で、簡便な作物葉の反射光を測定して行う作物の栄養診
断の手法のままで、従来より信頼度の高い作物の栄養診
断が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】作物葉の反射光を測定するために圃場に設置し
たカメラと基準板の配置図である。
【図2】作物葉の反射光を測定するカメラの概略ブロッ
ク図である。
【図3】データ処理装置の概略ブロック図である。
【図4】圃場を撮影したときの俯角・画角等を示した図
である
【図5】イメージセンサの画素座標と撮影面積の大きさ
を示した図である。
【図6】俯角補正の補正係数を定める撮影を示した図で
ある。
【図7】圃場から得られる反射光を複数区画に分割して
示した窒素含有量である。
【図8】葉身窒素量測定装置の主要部の一部を破断した
側面図である。
【図9】葉身窒素量測定装置の概略制御ブロック図であ
る。
【図10】葉身窒素量測定装置の操作を示す図である。
【図11】葉身窒素量測定装置と撮影による窒素含有率
の関係図である。
【図12】栄養診断の補正による値を複数区画で示した
図である。
【図13】作物葉と土壌の波長に対する反射率曲線であ
る。
【図14】カメラにより得られた作物葉と土壌の受光デ
ータを表す図である。
【図15】入射光を測定する照度計を簡略に示した側断
面図である。
【符号の説明】 1 圃場 2 カメラ 3 基準板 4 エリアセンサー 5 狭帯域フィルタ 6 フィルタホイール 7 集光レンズ7 8 制御回路 9 ステッピングモータ 10 操作スイッチ10 20 データ処理装置 21 A/D変換器 22 フレームメモリ 23 モニタ 24 画像処理ボード 25 I/Oポート 26 CPU 27 I/Fボード 28 ROM 29 RAM 30 葉身窒素量測定装置 31 本体 32 光源部 33 光量検出装置 34 LED 35 LED 36 狭帯域フィルター 37 狭帯域フィルター 38 拡散反射板 39 ブロック 40 反射光路 41 放射側 42 拡散透過板 43 測定葉 44 光量検出装置 45 腕 46 軸 47 コイルバネ 48 マイクロスイッチ 50 アナログボード 51 発光装置 52 I/Oボード 53 CPUボード 54 液晶表示器LCD 55 入力部 56 接続ポート 57 電源ボード 58 プリンタ 59 I/Fボード 60 ROM 61 RAM 93 照度計 94 光電変換部 95 フィルタホイール 96 狭帯域フィルタ 97 ステッピングモータ 98 開口部 99 拡散ドーム 100 制御部
フロントページの続き (72)発明者 中村 信彦 広島県東広島市西条西本町2番30号 株式 会社佐竹製作所内 Fターム(参考) 2G059 AA05 BB11 CC20 EE01 EE02 EE11 FF01 HH01 JJ02 KK04 MM02 MM04 MM09 MM10 5B057 AA15 DA03 DB03 DB06 DC04 DC22 DC25

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数画素を備えるカメラを、圃場に対して
    所定の中心俯角で配置し、圃場を撮影して作物葉の反射
    光量を単位画素ごとに得て、カメラの地上高、画素俯
    角、画素数及び画角を含む換算変数からなる面積関数に
    よって単位画素ごとの撮影面積を求め、単位画素ごとの
    反射光量を撮影面積によって面積補正し、更に画素俯角
    に応じた反射光量の違いを補正するために予め定めた俯
    角係数によって反射光量を俯角補正し、前記俯角係数を
    求めるために基準とした画素俯角において反射基準板の
    基準反射光量を測定し、前記補正した反射光量と基準反
    射光量とから反射率を求め、 該反射率と、反射率から作物情報を求めるために予め定
    めた第1の作物関係式と、から一定面積の作物情報を求
    めて第1の作物情報とし、該第1の作物情報から圃場作
    物の栄養を診断することを特徴とする作物の診断方法。
  2. 【請求項2】第1の作物情報を記憶し、同じ面積の作物
    葉身に光を照射して、作物の成育によって増減する作物
    情報に関連した波長の透過または反射の少なくとも一方
    の光量を測定し、 該光量と、光量から作物情報を求めるために予め定めた
    第2の作物関係式と、から作物情報を求めて第2の作物
    情報として記憶し、 第1の作物情報と第2の作物情報とによって圃場作物の
    栄養を診断することを特徴とする請求項1記載の作物の
    診断方法。
  3. 【請求項3】複数画素を備えるカメラを、圃場に対して
    所定の中心俯角で配置し、圃場を撮影して作物葉の反射
    光量を単位画素ごとに得て、カメラの視野距離、画素俯
    角、画素数及び画角を含む換算変数からなる面積関数に
    よって単位画素ごとの撮影面積を求め、単位画素ごとの
    反射光量を撮影面積によって面積補正し、更に画素俯角
    に応じた反射光量の違いを補正するために予め定めた俯
    角係数によって反射光量を俯角補正し、前記俯角係数を
    求めるために基準とした画素俯角において反射基準板の
    基準反射光量を測定し、前記補正した反射光量と基準反
    射光量とから反射率を求め、 該反射率と、反射率から作物情報を求めるために予め定
    めた第1の作物関係式と、から一定面積の作物情報を求
    めて第1の作物情報とし、該第1の作物情報によって圃
    場作物の栄養を診断することを特徴とする作物の診断方
    法。
  4. 【請求項4】第1の作物情報を記憶し、同じ面積の作物
    葉身に光を照射して、作物の成育によって増減する作物
    情報に関連した波長の透過または反射の少なくとも一方
    の光量を測定し、 該光量と、光量から作物情報を求めるために予め定めた
    第2の作物関係式と、から作物情報を求めて第2の作物
    情報として記憶し、 第1の作物情報と第2の作物情報とによって圃場作物の
    栄養を診断することを特徴とする作物の診断方法。
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