JP2000350517A5 - - Google Patents
Download PDFInfo
- Publication number
- JP2000350517A5 JP2000350517A5 JP1999171712A JP17171299A JP2000350517A5 JP 2000350517 A5 JP2000350517 A5 JP 2000350517A5 JP 1999171712 A JP1999171712 A JP 1999171712A JP 17171299 A JP17171299 A JP 17171299A JP 2000350517 A5 JP2000350517 A5 JP 2000350517A5
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- crop
- light
- crop information
- nitrogen content
- information
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- IJGRMHOSHXDMSA-UHFFFAOYSA-N nitrogen Chemical compound N#N IJGRMHOSHXDMSA-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 162
- 229910052757 nitrogen Inorganic materials 0.000 description 99
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 68
- 238000000034 method Methods 0.000 description 57
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 description 41
- QJGQUHMNIGDVPM-UHFFFAOYSA-N CTK2H8874 Chemical compound [N] QJGQUHMNIGDVPM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 36
- 230000004720 fertilization Effects 0.000 description 18
- 238000004164 analytical calibration Methods 0.000 description 16
- 238000011088 calibration curve Methods 0.000 description 15
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 description 14
- 238000003745 diagnosis Methods 0.000 description 13
- 238000002835 absorbance Methods 0.000 description 12
- 235000016709 nutrition Nutrition 0.000 description 12
- 238000002405 diagnostic procedure Methods 0.000 description 10
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 10
- 238000002310 reflectometry Methods 0.000 description 10
- 241000209094 Oryza Species 0.000 description 9
- 235000007164 Oryza sativa Nutrition 0.000 description 9
- 235000009566 rice Nutrition 0.000 description 9
- 238000009792 diffusion process Methods 0.000 description 7
- 230000001429 stepping Effects 0.000 description 7
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 description 6
- 235000003715 nutritional status Nutrition 0.000 description 6
- 238000000611 regression analysis Methods 0.000 description 6
- 239000002689 soil Substances 0.000 description 6
- 238000004458 analytical method Methods 0.000 description 5
- 238000001514 detection method Methods 0.000 description 5
- 239000003337 fertilizer Substances 0.000 description 5
- 230000035764 nutrition Effects 0.000 description 5
- 238000003384 imaging method Methods 0.000 description 4
- 241000196324 Embryophyta Species 0.000 description 3
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 description 3
- 230000000875 corresponding Effects 0.000 description 3
- 230000003247 decreasing Effects 0.000 description 3
- 238000005755 formation reaction Methods 0.000 description 3
- 239000000126 substance Substances 0.000 description 3
- TZCXTZWJZNENPQ-UHFFFAOYSA-L Barium sulfate Chemical compound [Ba+2].[O-]S([O-])(=O)=O TZCXTZWJZNENPQ-UHFFFAOYSA-L 0.000 description 2
- 235000019749 Dry matter Nutrition 0.000 description 2
- 229940037201 Oris Drugs 0.000 description 2
- 101700065560 andI Proteins 0.000 description 2
- 230000000994 depressed Effects 0.000 description 2
- 230000000881 depressing Effects 0.000 description 2
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 2
- 239000004973 liquid crystal related substance Substances 0.000 description 2
- 230000003287 optical Effects 0.000 description 2
- 238000003825 pressing Methods 0.000 description 2
- 238000011160 research Methods 0.000 description 2
- 238000000926 separation method Methods 0.000 description 2
- 238000010521 absorption reaction Methods 0.000 description 1
- 230000001488 breeding Effects 0.000 description 1
- 238000004891 communication Methods 0.000 description 1
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 1
- 239000011521 glass Substances 0.000 description 1
- 239000005337 ground glass Substances 0.000 description 1
- 238000005286 illumination Methods 0.000 description 1
- 230000001678 irradiating Effects 0.000 description 1
- 238000000691 measurement method Methods 0.000 description 1
- XUIMIQQOPSSXEZ-UHFFFAOYSA-N silicon Chemical compound [Si] XUIMIQQOPSSXEZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910052710 silicon Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000010703 silicon Substances 0.000 description 1
- 230000003595 spectral Effects 0.000 description 1
Images
Description
【発明の名称】作物の栄養診断方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】自然光に晒される圃場内における一定面積の作物の栄養状態を診断する方法であって、該方法は、
圃場内の一定面積の所定作物からの、作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の自然光の反射率を測定する過程と、
前記反射率を、反射率から第1の作物情報を求めるためにあらかじめ定めた第1の作物関係式に適用することにより、前記所定作物の第1の作物情報を得て、これを記憶する過程と、
前記所定作物の葉身に直接、光を照射して、作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の光の透過光又は反射光の少なくとも一方の光量を測定する過程と、
前記光量を、光量から第2の作物情報を求めるためにあらかじめ定めた第2の作物関係式に適用することにより前記所定作物の第2の作物情報を得て、これを記憶する過程と、
前記第1の作物情報と前記第2の作物情報との差異を算出し、算出した該差異を記憶する過程と、
前記同一圃場内の前記所定作物とは異なる一定面積の目標作物から、作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の自然光の反射率を測定する過程と、
前記反射率を、前記第1の作物関係式に適用することにより、前記目標作物の第1の作物情報を得る過程と、
前記第1の作物情報を、前記差異に基づいて補正する過程と、
補正した前記第1の作物情報に基づき、前記圃場内の作物の栄養状態を判定する過程と、
からなることを特徴とする作物の栄養診断方法。
【請求項2】自然光に晒される圃場における一定面積の作物の栄養状態を診断する方法であって、該方法は、
圃場内の一定面積の所定作物からの、作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の自然光の反射率を測定する過程と、
前記反射率の測定データを、データ上で複数区画に分割して、該区画ごとに反射率を求める過程と、
前記反射率を、反射率から第1の作物情報を求めるためにあらかじめ定めた第1の作物関係式に適用することにより、前記区画ごとの第1の作物情報を得て、これらを記憶する過程と、
分割した前記区画から少なくとも2区画を選択する過程と、
前記過程で選択した区画の作物葉身に直接、光を照射して、作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の透過光又は反射光の少なくとも一方の光量を測定する過程と、
前記光量を、光量から第2の作物情報を求めるためにあらかじめ定めた第2の作物関係式に適用することにより、前期過程で測定した区画の作物の第2の作物情報を得て、これらを記憶する過程と、
前記第1の作物情報を前記第2の作物情報に基づいて補正する補正換算式を決定する過程と、
前記補正換算式で前記第1の作物情報を、分割した前記区画ごとに補正して第3の作物情報とする過程と、
前記第3の作物情報に基づき、圃場内の分割した前記区画ごとの作物の栄養状態を判定する過程と、
からなることを特徴とする作物の栄養診断方法。
【請求項3】自然光に晒される圃場における一定面積の作物の栄養状態を診断する方法であって、該方法は、
圃場内の一定面積を複数の区画に分割し、該区画ごとに所定作物からの、作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の自然光の反射率を測定する過程と、
前記反射率を、反射率から第1の作物情報を求めるためにあらかじめ定めた第1の作物関係式に適用することにより、分割した前記区画ごとに第1の作物情報を得て、これらを記憶する過程と、
分割した前記区画から少なくとも2区画を選択する過程と、
前記過程で選択した区画の作物葉身に直接、光を照射して、作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の透過光又は反射光の少なくとも一方の光量を測定する過程と、
前記光量を、光量から第2の作物情報を求めるためにあらかじめ定めた第2の作物関係式に適用することにより、前期過程で測定した区画の作物の第2の作物情報を得て、これらを記憶する過程と、
前記第1の作物情報を前記第2の作物情報に基づいて補正する補正換算式を決定する過程と、
前記補正換算式で前記第1の作物情報を、分割した前記区画ごとに補正して第3の作物情報とする過程と、
前記第3の作物情報に基づき、前記圃場内の分割した区画ごとに作物の栄養状態を判定する過程と、
からなることを特徴とする作物の栄養診断方法。
【請求項4】作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の光の反射率を計算するために、栄養診断を行う目標作物の自然光による反射光を、複数の画素からなる撮像素子により受光し、前記目標作物に対応した反射光を受光した画素を選択して、選択した該画素の受光信号に基づいて反射率を計算し、前記反射率を用いて第1の作物情報を求めることを特徴とする請求項1、3又は6記載の作物の栄養診断方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圃(ほ)場で生育中の作物の反射光から窒素含有率等の作物情報を得て、当該作物の栄養診断を行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、作物の窒素含有率、葉色値、窒素吸収量、草丈又は乾物重などの作物情報を得るための第1の方法としては、デジタルカメラ等の受光手段で、硫酸バリウム等を塗布した基準板と、作物が生育する単位圃場(あるいはその一部)とを撮影して、前記基準板と前記圃場作物の反射光量をそれぞれ測定し、該反射光量によって作物の反射率を計算し、この反射率と、反射率から窒素含有率を求めるためにあらかじめ定められた検量線とから作物の窒素含有率を求め、生育時期対窒素曲線に基づくその生育過程の基準的な窒素含有率とを比較して栄養診断を行っていた。しかし、圃場から得られる作物の反射光量は天候に左右されるものである。しかも、天候については基準板による補正ができたとしても、測定方位、風及び植栽栽密度は、反射率から窒素含有率を求めるためにあらかじめ定めた検量線を作成したときと同じ条件であることが必要で、この条件が異なるときの補正が必要であり、基準板を基準とすることだけで全て補正できたとは言い難く、実際には、太陽高度、測定方位、植栽密度及び作物の品種を限定したうえで測定を行っていた。
【0003】
前記作物情報を得るための従来の第2の方法としては、作物の生育に基づいて増減する作物情報に関する波長の光、例えば可視光域から近赤外域にわたる光を作物の葉身に照射して、作物情報に関する波長の光に関して得られた透過光又は反射光と、該透過光又は反射光から葉身窒素含有率等の作物情報を計算するためにあらかじめ定めた検量線と、から葉身窒素含有率を測定する方法がある。この方法によれば、圃場作物の葉身を測定して精度の高い葉身窒素含有率を得ることができる。しかし、圃場全体の作物情報を正確に把握するためには、圃場全体にわたる細かい測定を不可欠とするため非常に面倒であった。
【0004】
前記第1の方法は、圃場から得られる作物情報が、測定位置や植栽密度等による誤差の影響を受けるために測定時刻や測定位置に制約が生じるので、簡便ではあるが、精度の高い測定方法とは言い難いものであった。また、前記第2の方法は、測定時刻や位置に制約はなく、測定精度が高くて第1の方法よりは有利であるものの、作物の葉身1葉ごとに測定を行う必要があるので、測定時間を多く要することが難点であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の問題点にかんがみ、作物情報の測定が簡便であり、かつ、測定精度が高い、作物の栄養診断方法を提供することを技術的課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の方法は、自然光に晒される圃場内における一定面積の作物の栄養状態を診断する方法であって、該方法に、
圃場内の一定面積の所定作物からの、作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の自然光の反射率を測定する過程と、
前記反射率を、反射率から第1の作物情報を求めるためにあらかじめ定めた第1の作物関係式に適用することにより、前記所定作物の第1の作物情報を得て、これを記憶する過程と、
前記所定作物の葉身に直接、光を照射し、作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の光の透過光又は反射光の少なくとも一方の光量を測定する過程と、
前記光量を、光量から第2の作物情報を求めるためにあらかじめ定めた第2の作物関係式に適用することにより前記所定作物の第2の作物情報を得て、これを記憶する過程と、
前記第1の作物情報と前記第2の作物情報との差異を算出し、算出した差異を記憶する過程と、
前記同一圃場内の前記所定作物とは異なる一定面積の栄養診断を行う目標作物から、作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の光の反射率を測定する過程と、
前記反射率を、前記第1の作物関係式に適用することにより、前記目標作物の第1の作物情報を得る過程と、
前期第1の作物情報を前記差異に基づいて補正する過程と、
補正した前記第1の作物情報に基づき、前記圃場内の作物の栄養状態を判定する過程と、
からなる作物の栄養診断方法を用いるという技術的手段を講じた。
【0007】
【0008】
【0009】
本発明の第2の方法は、自然光に晒される圃場における一定面積の作物の栄養状態を診断する方法であって、該方法に、
圃場内の一定面積の所定作物からの、作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の自然光の反射率を測定する過程と、
前記反射率の測定データを、データ上で複数区画に分割して、区画ごとに反射率を求める過程と、
前記反射率を、反射率から第1の作物情報を求めるためにあらかじめ定めた第1の作物関係式に適用することにより、前記区画ごとの第1の作物情報を得て、これらを記憶する過程と、
分割した前記区画から少なくとも2区画を選択する過程と、
前期過程で選択した区画の作物葉身に直接、光を照射して、作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の透過光又は反射光の少なくとも一方の光量を測定する過程と、
前記光量を、光量から第2の作物情報を求めるためにあらかじめ定めた第2の作物関係式に適用することにより、前記過程で測定した区画の作物の第2の作物情報を得て、これらを記憶する過程と、
前記第1の作物情報を前記第2の作物情報に基づいて補正する補正換算式を決定する過程と、
前記補正換算式で前記第1の作物情報を、分割した前記区画ごとに補正して第3の作物情報とする過程と、
前記第3の作物情報に基づき、圃場内の分割した前記区画ごとに作物の栄養状態を判定する過程と、
からなる作物の栄養診断方法を用いるという技術的手段を講じた。
【0010】
【0011】
【0012】
本発明の第3の方法は、自然光に晒される圃場における一定面積の作物の栄養状態を診断する方法であって、該方法に、
圃場内の一定面積を複数の区画に分割し、該区画ごとに所定作物からの、作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の自然光の反射率を測定する過程と、
前記反射率を、反射率から第1の作物情報を求めるためにあらかじめ定めた第1の作物関係式に適用することにより、分割した前記区画ごとの第1の作物情報を得て、これらを記憶する過程と、
分割した前記区画から少なくとも2区画を選択する過程と、
前記過程で選択した区画の作物葉身に直接、光を照射して、作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の透過光又は反射光の少なくとも一方の光量を測定する過程と、
前記光量を、光量から第2の作物情報を求めるためにあらかじめ定めた第2の作物関係式に適用することにより、前期過程で測定した区画の作物の第2の作物情報を得て、これらを記憶する過程と、
前記第1の作物情報を前記第2の作物情報に基づいて補正する補正換算式を決定する過程と、
前記補正換算式で前記第1の作物情報を、分割した前記区画ごとに補正して第3の作物情報とする過程と、
前記第3の作物情報に基づき、前記圃場内の分割した区画ごとに作物の栄養状態を判定する過程と、
からなる作物の栄養診断方法を用いるという技術的手段を講じた。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
前記第1、第2及び第3の方法においては、作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の光の反射率を計算するために、栄養診断を行う目標作物の自然光による反射光を、複数の画素からなる撮像素子により受光し、前記目標作物に対応した反射光を受光した画素を選択して、選択した画素の受光信号に基づいて反射率を計算し、前記反射率を用いて第1の作物情報を求める作物の栄養診断方法とすると良い。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の作物の栄養診断方法を実施するための測定装置について図1から図3により説明する。ここでは、作物として稲作を例にして説明する。図1は、圃場1の作物(稲)を撮影する一例を示している。ここでは、稲の生育する圃場1に向けて、作物の自然光による反射光を受光する受光装置のカメラ2が設置されている。圃場1は自然光に晒されており、また、白色の基準板3が圃場1に設置してある。
【0020】
図2で示すものは、カメラ2の機能を表す簡略なブロック図であり、カメラ2には、例えば24万画素(600×400)程度の分解能を有するエリアセンサー4を備えている。また、カメラ2には複数の狭帯域フィルタ5を備えたフィルタホイール6が備えられ、フィルタホイール6を回転させることによってフィルタ5を切り換える。フィルタ5を通過した光は、光学手段としての集光レンズ7等を介してエリアセンサー4によって受光される。フィルタホイール6は、制御回路8によって駆動制御されるステッピングモータ9によって回転する。さらに、制御回路8は、エリアセンサー4の受光信号をデータ処理装置20に送出する。エリアセンサー4はラインセンサーであってもよい。
【0021】
ここで、フィルタ5は、可視光域波長の450、550、625、650、675、700nmの中から、また、近赤外波長の750、850、950〜1300nm中から、各適宜選択される。これらの波長は、作物の葉の窒素含有率又は葉色値の変化に伴って特徴的な変化を示す帯域を選択することが必要である。したがって、フィルタ5には可視光域と近赤外域の両方を用いてもよいし、一方だけを使用してもよい。なお、波長は本実施例に限定されない。図2では4つのフィルタ5を示しているが、目的に応じて随時変更可能である。制御回路8には更に操作スイッチ10が接続され、操作スイッチ10には、撮影を行うための撮影開始スイッチ10a、撮影を中止するための撮影中止スイッチ10b、フィルタ5を切り換える切換スイッチ10c、撮影データ(受光信号)を送出するデータ送信スイッチ10d及び電源スイッチ10e等を備えている。
【0022】
図3にデータ処理装置20のブロック図を示している。図3に示すデータ処理装置20は、エリアセンサー4の受光信号をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換器(以下、「A/D変換器」という)21と、A/D変換後の受光信号を記憶するフレームメモリ22、前記受光信号を視覚的に表示するモニタ23及び画像処理ボード24を備え、これらは、インプットアウトプットポート(以下、「I/Oポート」という)25を介して受光信号を演算処理するCPU26に連絡してある。また、インターフェースボード(以下、「I/Fボード」という)27を介して、後述する葉身窒素含有率測定装置30が接続してある。さらに、制御プログラム等を記憶した読出し専用メモリ(以下、「ROM」という)28と、演算結果等を記憶して適宜読み出し可能な読出し書込みメモリ(以下、「RAM」という)29がCPU26に接続されている。
【0023】
さて、カメラ2の電源スイッチ10eを押すと、エリアセンサー4によって撮影対象の反射光が受光されて受光信号となる。この受光信号は、データ送信スイッチ10dを押すことでデータ処理装置20に送出され、データ処理装置20で画像処理ボード24によって処理されて、モニタ23に圃場1の画像として映し出される。前記画像を確認しながらカメラ2の位置をセットして圃場1の撮影範囲(一定面積)を確定する。撮影範囲(一定面積)を確定したら、撮影開始スイッチ10aを押し、現在セットされているフィルタ5を通して圃場1で生育する稲を撮影し、次に、フィルタ切換えスイッチ10cによって制御回路8からステッピングモータ9を回転させる信号を出力し、フィルタホイール6を回転させてフィルタ5を切り換えた後、撮影スイッチ10aを押して撮影する。このようにして、フィルタ5を順次切り換えながら必要なフィルタ5ごとに撮影を行う。結果的にフィルタ5ごとに受光信号が作成される。なお、カメラ2のエリアセンサー4に大容量の記憶素子がなければ、撮影の都度、データ処理装置20に受光信号を送出するようデータ送信スイッチ10dを押す。
【0024】
カメラ2のエリアセンサー4で受光する自然光による反射光は、基準板3の反射光と圃場1の一定面積の作物の反射光である。基準板3の反射光量を測定すると、基準反射光量が計算できる。反射率が95%で一定の基準板3の反射光量を基準反射光量として使用する場合には、基準板3の反射光量をX、基準反射光量をYとして、
【数1】
によって基準反射光量Yが計算できる。したがって、測定した圃場1の一定面積の作物の反射光量をZとすれば、
【数2】
によって、一定面積の作物の反射率を求めることができる。この反射率は、稲葉の窒素含有率を求めるために利用される。これら数式1及び数式2は、ROM28に記憶してある。前述の基準反射光量Yは、次のようにして測定・記憶される。カメラ2に備えてあるフィルタ5を切り換えてフィルタ5ごとに、自然光による基準板3の反射光を受光するとともに、受光により得た受光信号をデータ処理装置20に送出する。送出した受光信号は、データ処理装置20でA/D変換器21によりデジタル変換される。デジタル変換された受光信号は、数式1に基づいて計算され、計算結果を基準反射光量YとしてRAM29に記憶する。すなわち、基準反射光量Yは、フィルタ5ごとに測定して記憶することになる。
【0025】
また、前述の一定面積の作物の反射光量は、次のようにして測定・記憶される。フィルタ5を切り換えてフィルタ5ごとに、自然光による圃場1の一定面積の作物の反射光をカメラ2の各画素によって受光し、受光した各画素の受光信号をデータ処理装置20に送出する。データ処理装置20では、A/D変換器21によって前記受光信号をデジタル変換し、変換した受光信号をフレームメモリ22に記憶する。CPU26では、フィルタ5ごとに変換した前記受光信号について、各画素の受光信号の平均値を求め、求めた平均値を前記一定面積の作物の反射光量とし、この反射光量を、あらかじめROM28に記憶した前記数式2に適用することにより反射率を演算し、演算結果をRAM29に記憶する。これにより、前記圃場1の一定面積の作物、例えば1平方メートル範囲の作物の反射率が記憶される。なお、ここで得られる反射率は、カメラと圃場の前後距離に基づく圃場反射光のカメラへの入射角度の違いから生じる入射光量の違いを補正することが好ましい。
【0026】
図4で示すものは、圃場1の一定面積の作物を撮影した24万画素の受光信号を、複数の区画に分割して処理する例を示している。例えば、カメラ2によって、フィルタ5を切り換えてフィルタ5ごとに自然光による圃場1の一定面積の作物の反射光を受光し、受光して得た各画素の受光信号をデータ処理装置20に送出する。データ処理装置20では、A/D変換器21によって前記受光信号をデジタル変換し、変換した受光信号をフレームメモリ22に記憶する。CPU26では、24万画素の前記受光信号を、図4に示すように、左上から区画A〜区画Iの複数の区画に分割し、前記区画ごとに各画素の受光信号の平均値を求め、求めた平均値を前記区画ごとの作物の反射光量とし、これらの反射光量を、あらかじめROM28に記憶された前記数式2に適用することにより前記区画ごとの作物の反射率を計算し、計算結果をRAM29に記憶する。1つのカメラで受光できる一定面積を、例えば1平方メートル程度とすると、1平方メートル内の9区画ごとの自然光による作物の反射率が記憶されることになる。モニタ23には画像処理ボード24で処理された画像が表示される。
【0027】
RAM29には、複数のフィルタ5ごとに、受光した一定面積の作物の反射率と、前記一定面積を9区画に分割した区画ごとの作物の反射率とが記憶されている。これらの反射率を説明変数にして、前記一定面積内若しくは前記各区画内に生育する複数の稲葉を採取し、これら稲葉の作物情報の窒素含有率を直接化学分析などにより求め、又は葉色値を、直接葉の色を測定により求め、前記窒素含有率若しくは前記葉色値を目的変数として、重回帰分析などを行うことにより、一定面積の稲の作物情報を求める検量線(第1の作物関係式)、及び前記区画ごとの稲の作物情報を求める検量線(第1の作物関係式)を作成してROM28に記憶しておく。
【0028】
更に詳説すると、仮に区画Aにおけるフィルタ1による反射率R1、フィルタ2による反射率R2、フィルタ3による反射率R3、フィルタ4による反射率R4が存在し、さらに、区画A内の稲葉の窒素含有率を化学分析により求めた窒素含有率N1が存在し、
【数3】
が成立するとすれば、区画A内の複数の稲葉の窒素含有率Nを求めることによって、
【数4】
となり、これらを重回帰分析により解析すれば、
【数5】
として、検量線(第1の作物関係式)を求めることができる。葉色値についても同様にして検量線を求めることができる。
【0029】
前記数式1、数式2及びこのようにして求めた数式5をROM28に記憶しておけば、カメラ2によって、基準板3と圃場1の一定面積の作物を撮影し、撮影して得られた受光信号をデータ処理装置20に送出すると、データ処理装置20では、数式1、数式2及び数式5に基づいて窒素含有率を計算することができる。したがって、検量線(第1の作物関係式)を作成することによって、撮影した圃場1の一定面積の稲の窒素含有率あるいは分割した9区画(区画A〜区画I)ごとの窒素含有率(第1の作物情報)を求めることができる。図4において各区画に記載された数値は、このようにして求めた窒素含有率の一例である。
【0030】
次に、葉身窒素含有率測定装置30の実施例を図5から図7により説明する。ここに示すものは、携帯型窒素含有率測定装置(以下、「測定装置」という)30の主要部分を破断した側面図である。図5及び図6においては、上方の本体31内に光源部32を設けるとともに、下部に光量検出装置33としてのフォトダイオード(図示せず)を設けた構成となっている。光源部32は、同一円周上に異なる波長ピークを持つ発光素子である複数のLED34,35を配設し、該LED34,35にはそれぞれ波長帯域の異なる狭帯域フィルタ36,37を設けてある。狭帯域フィルタ36 , 37の波長帯域は500nm〜1100nmが好ましく、この波長帯域の中から、測定する葉身窒素含有率あるいは葉色値に関係する任意の特定波長を選択する。各LED34,35の発光する光は、狭帯域フィルタ36,37によって特定波長の光となって拡散反射板38に入射する。また、この拡散反射板38へ各LED34,35の光線がほぼ一定の角度で入射するようにブロック39が形成してある。
【0031】
拡散反射板38により反射した光は、ブロック39の中央に設けた反射光路40に入射し、反射光路40の放射側41に設けた拡散透過板42に入射する。拡散透過板42は反射光路40の光軸と垂直に設けられ、円形の磨りガラス状あるいは乳白色のガラスで形成されている。反射光路40及び拡散反射板38とで囲まれた空間を、光が反射と拡散とを繰り返しながら反射光路40から出て、拡散透過板42を経て測定葉43を介して光量検出装置44に入射する。
【0032】
さらに、光量検出装置32の上部外周に上蓋(ふた)31を繞(じょう)設し、該上蓋31から延長した腕45は軸46によって軸支されている。上蓋31が軸支される軸46にはコイルバネ47を遊嵌(かん)してあり、常に上蓋31を押し上げるように作用している。つまり、図7で示すように、測定においては測定葉43を測定場所に挿入し、上蓋31の上部を押し下げることで測定を可能にしている。この測定のタイミングは、上蓋31を押し下げることにより上蓋31の下方に設けた押し下げ突起(図示せず)が、対向する位置に設けたマイクロスイッチ48を押し下げることで、上蓋31を押し下げたことを検知して測定(光の照射及び光量測定)が行われる。
【0033】
次に、図6のブロック図によって測定装置30を説明する。光源部32と光量検出装置33とからなる測定部で検出される測定葉43の透過光又は反射光は、光量検出装置44によってアナログ信号に変換され、アナログボード50に連絡されている。光源部32にはLED34,35の発光装置51が設けてある。アナログボード50では前記アナログ信号からデジタル信号へのA/D変換を行うか、あるいは前記アナログ信号を周波数にするV/F変換を行う。変換された信号は、I/Oボード52を経由して演算制御装置であるCPUボード53に入力される。前記I/Oボード52には、測定結果、演算結果又は操作指示を表示する液晶表示器LCD54、操作を行う入力部55、外部装置とデータを入出力するRS232Cの接続ポート56及びマイクロスイッチ48等を設けてある。これらCPUボード53とI/Oボード52は電源ボード57から電源を供給するように接続してある。また、プリンタ58は、I/Fボード59を介してCPUボード53に接続してある。さらに、CPUボード53にはROM60とRAM61とが接続されており、ROM60には圃場別又は品種別の複数の検量線が記憶されている。前記検量線は、それぞれ目的に適した複数枚の葉に直接、光を照射して得られた透過光又は反射光を用いて複数の吸光度を算出し、この吸光度を説明変数とするとともに、前記吸光度を算出した葉の窒素含有率を化学分析等により求め、求めた前記窒素含有率を目的変数として、重回帰分析により解析することで作成した窒素含有率(第2の作物情報)を求めるための検量線(第2の作物関係式)である。この重回帰分析については、前述した数式5を求める手順と説明が重複するので省略する。さらに、このROM60には、測定装置30において、吸光度を測定して窒素含有率などの第2の作物情報を計算するための、吸光度の測定から計算と表示とを実行する一連のプログラム等が記憶してある。
【0034】
このように構成された測定装置30の作用について以下に説明する。測定装置30に測定葉43を挿入して上蓋31を押し下げると、マイクロスイッチ48の信号がCPUボード53に連絡され、CPUボード53からは発光制御装置51へ信号を出力して発光制御装置51から光源部32へ発光信号が送られる。これにより、LED34,35から測定対象の測定葉43に向けて直接、光が交互に照射される。このLED34,35から発光する光は、狭帯域フィルタ36,37によって近赤外域と可視光域の特定波長の光となっており、前述した反射散乱を繰り返して拡散透過板42から光量検出装置44に到達するので、積分球と同程度に前記測定葉43に均一に照射される。
【0035】
測定葉43に直接、光が照射されると、その透過光又は反射光が光量検出装置44により発光したLED34,35の光ごとに受光される。受光により得た受光信号は、A/D変換のためにアナログボード50に連絡される。アナログボード50では、前記受光信号のA/D変換が行われ、変換された受光信号は、I/Oボード52を経由してCPUボード53に入力される。CPUボード53においては、測定葉43の前記受光信号から吸光度を算出するようにしてあり、算出した吸光度がRAM61に記憶される。前記吸光度と、ROM60にあらかじめ記憶された窒素含有率を求める検量線(第2の作物関係式)とによって、測定葉43の窒素含有率(第2の作物情報)を計算することができる。入力部55には、測定装置30の電源を投入する電源スイッチ55a、透過光又は反射光の測定を可能にする測定スイッチ55b並びにROM60に記憶した検量線(第2の作物関係式)及びRAM61に記憶した吸光度、透過光又は反射光データ、計算結果又はサンプルNO等を読み出すための切り換え機能を備えた読出しスイッチ55cを備えている。
【0036】
以下に、第1の実施例について説明する。カメラ2によって、自然光による基準板3の反射光と、自然光に晒される圃場1の一定面積の所定作物から、例えば窒素含有率(作物情報)に関連した波長の自然光による反射光とを受光する。図3で示したように、データ処理装置20においては、カメラ2で受光して得た前記基準板3と前記所定作物のそれぞれの受光信号を、前記数式1及び前記数式2に適用することにより反射率を計算し、計算した前記反射率とROM28に記憶してある検量線(第1の作物関係式)とによって、第1の作物情報である前記所定作物の窒素含有率を得て、前記窒素含有率をRAM29に記憶する。
【0037】
次に、測定装置30で前記一定面積内に生育する稲葉の窒素含有率(第2の作物情報)を測定し、測定した前記窒素含有率(第2の作物情報)を用いて、前記所定作物の窒素含有率(第1の作物情報)を補正する。測定装置30で測定した稲葉の窒素含有率(第2の作物情報)は、直接、稲葉から得る測定値であり、測定方位や植栽密度などの影響は受けていない。したがって、本発明では測定方位や植栽密度による誤差の補正に第2の作物情報を使用する。具体的には、第1の作物情報と第2の作物情報との差異を補正に用いる。例えば、カメラ2での測定で前記所定作物の第1の作物情報(窒素含有率)が4.0%、測定装置30での測定で第2の作物情報(窒素含有率)が3.0%であったとする。前記第1の作物情報はRAM29に記憶されており、前記第2の作物情報はRAM61に記憶されているから、RAM61に記憶されている前記第2の作物情報を、測定装置30の接続ポート56からデータ処理装置20のI/Fボード27を介して、データ処理装置20に送出し、RAM29に記憶する。データ処理装置20では、RAM29に記憶した前記第1の作物情報と前記第2の作物情報との差異を算出し、この場合、差異は−1.0%となるから、前記差異の−1.0%を前記第1の作物情報に加えて、前記第1の作物情報は3.0%に補正される。
【0038】
この差異を補正値としてRAM29に記憶しておけば、今後、前記一定面積とは異なる一定面積の作物の自然光による反射光をカメラ2で受光し、受光により受光信号を得た場合に、前記受光信号を用いてデータ処理装置20で計算した第1の作物情報を、全て前記差異の−1.0%によって補正できる。これにより、測定方位や植栽密度の影響を除去した測定が、カメラ2とデータ処理装置20とによって実現可能となる。しかも、RAM29に前記差異を補正値として記憶した後においては、少なくとも同じ圃場における測定装置30による稲葉の測定は不要となり、カメラ2による一度の測定でこれまでにない高精度の測定ができる。なお、測定装置30による第2の作物情報(窒素含有率)の測定は、圃場1内の稲葉全てに対して行う必要はなく、圃場1内の一定面積の稲葉の窒素含有率を測定すればよい。
【0039】
次に、本発明による第2の実施例について説明する。カメラ2によって、自然光による基準板3の反射光量を測定し、この反射光量をROM28に記憶した数式1に適用して基準反射光量を計算する。また、自然光に晒される圃場1の第1の作物情報である、例えば窒素含有率に関連した波長の自然光による反射光を受光し、図3及び図4で示すように、受光して得た24万画素の受光信号を、データ処理装置20において、区画A〜区画Iの9区画に分割し、分割したそれぞれの区画ごとに反射光量を求め、これら反射光量と前記 基準反射光量とをROM28に記憶した数式2に適用することにより前記区画ごとに反射率を計算する。そして、前記反射率と数式5(第1の作物関係式)とによって、前記区画ごとに第1の作物情報である窒素含有率を得て、これらをRAM29に記憶する。
【0040】
次に、測定者又はデータ処理装置20によって、前記9区画の中から任意の少なくとも2区画を選択し、好ましくは前記9区画の中で窒素含有率が最大値と最小値を示した区画を選択し、そして、測定者は選択した区画で生育する稲葉の窒素含有率を測定装置30で測定する。例えば、図4においては、最大値である区画Eの4.2%の区画と、最小値である区画Gの3.6%の区画とを選択し、選択した2区画で生育する稲葉の窒素含有率を測定装置30で測定する。言うまでもなく、ここで測定する窒素含有率は測定方位や植栽密度などの影響は受けない。
【0041】
測定装置30で、圃場1で選択した少なくとも2区画で生育する稲の葉身に直接、葉身窒素含有率に関連した波長の光を照射して得られる透過光又は反射光から吸光度を求め、該吸光度を、吸光度から葉身窒素含有率(第2の作物情報)を求めるためにあらかじめ定めた検量線(第2の作物関係式)に適用することにより、前記2区画の窒素含有率を計算する。ここで仮に測定装置30の測定によって、区画Eの区画の窒素含有率が3.0%、区画Gの区画の窒素含有率が2.4%と計算されたとすると、これらの窒素含有率を第2の作物情報としてRAM61に記憶し、測定装置30の接続ポート56からデータ処理装置20のI/Fボード27を介して、前記窒素含有率をデータ処理装置20に送出してRAM29に記憶する。
【0042】
RAM29に記憶した前記2区画の第2の作物情報である前記窒素含有率に基づいて、同じくRAM29に記憶した前記第1の作物情報(区画A〜区画Iの窒素含有率)を区画ごとに補正して第3の作物情報とすることについて図8により説明する。図8に示すものは、横軸を測定装置30で測定した窒素含有率(第2の作物情報)とし、縦軸をカメラ2で測定した窒素含有率(第1の作物情報)とした図である。つまり、第2の作物情報である前記2区画の前記窒素含有率、3.0%(区画E)及び2.4%(区画G)と、第1の作物情報である前記2区画の前記窒素含有率、4.2%(区画E)及び3.6%(区画G)とを用いて作成した図である。本発明では、図で示すように、実際に、かつ、直接、測定装置30によって稲の葉身から測定した少なくとも2区画の窒素含有率と、カメラ2で測定した窒素含有率との関係からなる直線によって、第1の作物情報と第2の作物情報との相互関係を明らかにし、この直線によってカメラ2で測定した第1の作物情報(窒素含有率)を補正する。この直線は、補正換算式としてRAM29に記憶する。図8において具体的には、区画Eの第1の作物情報は4.2%から3.0%に補正され、区画Gの第1の作物情報は3.6%から2.4%に補正される。同じように、前記補正換算式に基づいて、他の区画の窒素含有率も図9で示すように補正される。これによって第1の作物情報を補正した第3の作物情報が得られる。得られた第3の作物情報は、区画ごとの作物情報であるが、これから更に前記区画ごとの作物情報を平均して平均値を求め、カメラ2で撮影した一定面積の1つの作物情報として取り扱うこともできる。なお、補正換算式として、2区画の窒素含有率を用いた直線で表されるものを示したが、この補正換算式は、カメラ2で撮影した全区画の第1の作物情報を説明変数とし、測定装置30で得られた前記全区画の第2の作物情報を目的変数として、重回帰分析等を行うことで得られる回帰式でもよく、線形又は非線形に関係なく利用できる。
【0043】
この後にカメラ2で測定する第1の作物情報(窒素含有率)は、データ処理装置20により、図8の補正換算式に基づいて全て補正されることで、より測定精度の向上した値として使用することができる。したがって、従来、測定装置30だけによって圃場の複数箇所の葉身窒素含有率を求めていた方法と比較して、撮影という簡便な方法によって手早く栄養診断を行うことができる。さらに、基準板と圃場とを撮影することによって作物の窒素含有率を求めることが、未だ研究途中であることを考慮に入れると、測定精度の向上に大いに貢献できるものである。なお、測定装置30による窒素含有率の測定は、圃場1の稲葉全てに対して行う必要はなく、圃場1の一定面積の稲葉を測定すればよい。
【0044】
前記第1及び第2の実施例における、圃場1から得られる第1の作物情報が、対象作物に対するカメラ2の位置によって異なることは明らかである。なお、ここでの圃場1とは、「畔(あぜ)」で区切られた1枚の圃場であってもよいし、その1枚の圃場よりも小さい面積であってもよい。補正値(差異)又は補正換算式を定めるに当たって、カメラ2によって得られた第1の作物情報の情報源と、測定装置30によって得られた第2の作物情報の情報源とが同じ圃場にあることが重要である。加えて、第2の実施例における区画は、カメラ2の一度の撮影によって得られる上記1枚の圃場の第1の作物情報を複数区画に分割して行うこと、又は一度の撮影によって得られ、かつ、1枚の圃場よりも小さい面積の作物情報を複数区画に分割して行うこと、などはいずれも自由であり、補正値又は補正換算式を定めるに当たって収集する作物情報の情報源の同一性が重要である。
【0045】
次に、本発明の第3の実施例について説明する。第3の実施例の特徴は、複数の区画に分割した圃場1の第1の作物情報(反射光量)を、カメラ2によって、分割した区画ごとに得ることである。つまり、第2の実施例と異なることは、複数の区画それぞれから個別にカメラ2によって第1の作物情報を得ることである。このようにすることで、第2の実施例のように、一度に撮影した1枚の圃場の第1の作物情報を複数に分割するよりも、単位面積あたりのカメラ2の画素数が増加することにより、区画ごとの第1の作物情報の量が増加する。したがって、補正換算式を求めるときの説明変数の量が増加することになるので、補正換算式の精度が向上する。前記補正換算式は、分割した複数の区画から少なくとも2区画、好ましくは第1の作物情報の最大値と最小値を示した区画を選択して補正換算式を求め、求めた前記補正換算式をROM28に記憶することなどは前記した第2の実施例と説明が重複するので省略する。ここでの補正換算式は、カメラ2で撮影した全区画の第1の作物情報を説明変数とし、測定装置30で得られた前記全区画の第2の作物情報を目的変数として、重回帰分析などを行うことで得られる回帰式でもよく、線形又は非線形に関係なく利用できることは第2の実施例と同様である。
【0046】
この後、カメラ2で測定した第1の作物情報である全ての窒素含有率は、データ処理装置20により、ROM28に記憶した補正換算式に基づいて補正されるので、より測定精度の向上した値として使用することができる。したがって、従来、測定装置30だけによって圃場の複数箇所の葉身窒素含有率を求めていた方法と比較して、撮影という簡便な方法によって、より手早く栄養診断を行うことができる。なお、測定装置30での第2の作物情報である窒素含有率の測定は、圃場1の稲葉全てに対して行う必要はなく、圃場1の一定面積の稲葉を測定すればよい。
【0047】
この第3の実施例における第1の作物情報が、栄養診断を行う目標作物に対するカメラ2の位置によって異なることは明らかである。なお、ここでの圃場1とは、「畔」で区切られた1枚の圃場であってもよいし、その1枚の圃場よりも小さい面積であってもよい。補正換算式を定めるにあたり、カメラ2によって得られた第1の作物情報の情報源と、測定装置30によって得られた第2の作物情報の情報源とが、同じ圃場の同じ区画であることが重要である。加えて、第3の実施例における区画は、一度の撮影によって上記1枚の圃場の作物情報を1区画として捉えること、又は一度の撮影によって得られ、かつ、上記1枚の圃場よりも小さい面積の作物情報を1区画として捉えること、などはいずれも自由であり、補正換算式を定めるに当たって収集する第1の作物情報及び第2の作物情報の情報源が同一であることが重要である。
【0048】
以上のことから、カメラ2による測定は、基準板3を用いることで気象による誤差を補正し、測定装置30の測定値を利用することで、測定方位や植栽密度による誤差を補正することができる。また、測定装置30で測定した測定値は、測定方位や植栽密度に関係なく得られた値であることから、前記測定値を利用して補正したカメラ2による測定値は、従来のカメラ2とデータ処理だけによる、いわゆるリモートセンシングに比べて外的要因に左右されないものとなる。
【0049】
上記第1乃至第3の実施例のカメラ2による第1の作物情報の測定において、カメラ2によって得られた受光信号の全てが第1の作物情報のものとは限らない。つまり、カメラ2の画素ごとに受光信号を検証すると、ほとんどが第1の作物情報となるが、圃場1を見下ろす状態で第1の作物情報を得るので、植栽密度によっては土壌を撮影している可能性がある。したがって、本発明では、第1の作物情報の反射光を受光した画素と第1の作物情報以外の反射光を受光した画素とを分別し、第1の作物情報の反射光を受光した画素の受光信号のみを第1の作物情報として取り入れることとした。
【0050】
図10は、波長に対する土壌及び作物葉の反射率の変化を示した図である。波長750nm〜1300nmにおいて、土壌の反射率と作物葉の反射率とを比較すると、20%程度の差が生じることが判明している。したがって、数式2によって得られる反射率が、例えば40%以上の値を示せば作物葉の反射光の受光信号とし、40%未満の値を示せば作物葉以外の反射光の受光信号として分別し、反射率が40%以上の値を示した受光信号だけを、カメラ2による第1の作物情報として扱うようにした。例えば、複数の画素の受光信号を得て、図11(a)のように1画素単位で表示した場合に、斜め格子で表した画素は反射率40%以上、斜線で表した画素が反射率40%未満と計算されたとすれば、図11(b)で示すように、反射率40%未満の斜線で表した画素の受光信号を除去して、反射率40%以上の斜め格子で表した画素の受光信号を、第1の作物情報とする。
【0051】
数式1における、基準反射光量Yの値を、基準板3の反射光量を測定することで得ると説明してきたが、基準反射光量Yの値を照度計によって求めることも可能である。図12に、簡略にした照度計93を示す。近赤外域から可視光域の分光特性を有する光電変換部(シリコンセンサー)94を備え、光電変換部94に入射する自然光を、選択する複数の狭帯域フィルタ96をステッピングモータ97によって回転するフィルタホイール95の円周部に備えている。このフィルタホイール95を回転させて複数のフィルタ96を切り換えるようにしてある。光電変換部94の受光面側(図面上部)には遮蔽板の開口部98を備え、その上部に拡散反射板で形成された拡散ドーム99が光電変換部94を中心として配置してある。光電変換部94とステッピングモータ97は制御部100に連絡してあり、制御部100は、ステッピングモータ97を回転させてフィルタ96を切り換え、光電変換部94の信号を出力する。フィルタ96の種類は、カメラ2のフィルタ5と同種類のものを備えている。制御部100はデータ処理装置20(図3)のI/Oポート25に接続して制御される。フィルタ96には光を遮蔽するフィルタを備えておくことで、フィルタ96の切り換えで零点補正が可能となる。
【0052】
データ処理装置20からの信号で、照度計93の制御部100はフィルタ96を目的のフィルタ96に切り換えて、このとき拡散ドーム99から拡散反射して入射する自然光の光量をフィルタ96を介して検出し、この光電変換部94で検出した信号をデータ処理装置20へ送信する。データ処理装置20では、照度計93で得られた光量を基準反射光量Yとして数式2に代入することで、作物から得られた反射光量を反射率に演算することができる。照度計93を使用する場合、検量線(第1の作物関係式)は、照度計93の測定値を基準反射光量Yとした反射率に基づいて求めることになる。
【0053】
以上の第1、第2及び第3の実施例は、稲の生育時期の1つである幼穂形成期といった特定時期に測定することが可能である。この方法は、品種別、地域別(又は圃場別)の補正が行えるようにすると、より効果的である。つまり、品種別、地域別に補正値又は補正換算式をROM28に記憶しておき、都度、読み出して使用する。また、実施例でのカメラ2の解像度は24万画素程度であり、この解像度によって一度の撮影で圃場10アールの第1の作物情報を得るとすれば、1平方メートル当たりの画素数は240画素となる。この程度の解像度が確保できるのであれば、カメラ2で撮影する手段は、地上における撮影のほか、例えば、衛星による撮影情報を利用することも可能である。加えて、気球、ラジコン飛行装置(飛行機、ヘリ)又は有人飛行機にカメラを搭載して撮影情報を得ることも可能である。
【0054】
このようにして得られた圃場の第1及び第2の作物情報が窒素含有率である場合は、窒素含有率により、今後の施肥量を決定することができる。すなわち、従来から稲作においては、例えば幼穂形成期や減数分裂期といった特定の生育時期における最適な窒素含有率が、品種別や地域別に細かく研究されて求められており、本発明により第1の作物情報を補正した第3の作物情報が窒素含有率であれば、前記従来の研究で決定されている窒素含有率(基準値)と比較することができる。なお、このことは葉色値においても同様である。なぜなら、葉色値と葉身窒素含有率とは高い相関関係があり、両者は互いに似通った変化を示すので、葉色値によっても本発明は実現可能である。また、第1、第2及び第3の実施例により説明した方法は、窒素含有率、葉色値以外にも、作物の草丈、乾物量、窒素吸収量にも適用可能であるし、稲以外の作物に適用できる。
【0055】
次に、本発明の自動施肥への応用について説明する。図13に示すものは自動施肥装置70であり、肥料タンク71と、その下部にモータ72によって回転するスクリュー73とを備え、タンク71の側部には、圃場作物の葉身窒素含有率を測定するためのカメラ74と、基準反射光量を求める照度計93とが設けてある。タンク71を支持する脚部76を設けるとともに、該脚部76にはタンク71を走行可能にするためのローラ77を設け、該ローラ77の回転軸78にはモータ83の駆動力を受動するプーリ79が設けられている。モータ72とスクリュー73とにはベルト80が、また、モータ83とプーリ79とにはベルト81が、それぞれ巻回してある。そして、カメラ74とモータ72とは制御装置82に接続してある。これらの電源にはバッテリー等の蓄電池を使用してもよいし、交流電源をケーブルで接続してもよい。図14は圃場90の平面図であり、この圃場90には、自動施肥装置70が走行するレール91が適宜敷設してあり、ローラ77がレール91に沿って走行することにより、自動施肥装置70によって圃場90に施肥することができる。
【0056】
上記自動施肥における動作を、データ処理装置20の概略ブロック図である図3を参照して説明する。制御装置76はデータ処理装置20と同じ構成でよく、ROM28内には、第1の作物情報を得るために必要な前記数式1、数式2、及び数式5(第1の作物関係式)と、第3の作物情報を得るために、少なくとも2区画の第1及び第2の作物情報の相関によって決定された補正換算式(図8)と、生育の特定時期(施肥時期)における品種別の基準窒素含有率と当該窒素含有率(第3の作物情報)との差異に基づく施肥量の演算式とが記憶してある。
【0057】
自動施肥装置70の動作を開始すると、モータ83が駆動してプーリ79を回転させて一定速度でレール91に沿って走行を開始する。走行が開始されるとともに、データ処理装置20は照度計93から基準反射光量を得る。さらに、カメラ74によって、視界中の圃場90を撮影し、作物の反射光量を測定する。このように、照度計93の基準反射光量と圃場90の作物の反射光量とが得られれば、これらの反射光量をROM28に記憶されている数式2に適用することにより、圃場90の作物の反射率を計算できる。計算した反射率と、ROM28に記憶されている数式5(第1の作物関係式)によって第1の作物情報である窒素含有率が計算される。第1の作物情報の窒素含有率が演算されると、前記窒 素含有率とROM28に記憶されている補正換算式とによって第3の作物情報である窒素含有率が計算される。
【0058】
このようにして得られた第3の作物情報である前記窒素含有率は、ROM28に記憶された、特定時期の窒素曲線(基準値)を用いて、基準の窒素含有率と比較し、その差異を求める。ここにおける比較は、生育過程の特定時期、例えば測定した時期が幼穂形成期であれば、幼穂形成期における基準値と比較するということである。つまり、この測定に先だって、測定時期を制御装置82に入力しておくことが必要である。換言すれば、特定時期(施肥時期)においてこの自動施肥装置70を使用するということでもある。そして、特定時期の基準値と前記特定時期に測定して求める窒素含有率との差異は、あらかじめ前記差異に基づいて決定される施肥量に換算され、この施肥量に基づいてモータ72の回転数を決定し、モータ72を駆動させる。当然のことながら、モータ72の回転数を増加すると施肥量は増加し、回転数を減少させると施肥量は減少する。
【0059】
自動施肥装置70は、圃場90に敷設したレール91上を走行すると説明したが、図15で示すように、従来からある耕作機械75の後方に自動施肥装置70を取り付け、先端部にカメラ74と照度計93を取り付けて使用することもできる。このようにすると、圃場が定型(四角)の形状でなくても、走行直前の作物情報に応じて施肥が完了する。現在でも施肥は、葉色観察や測定機器による葉身窒素含有率の測定値を、経験に基づく基準値と比較することで、経験的に施肥量を決定しており、施肥が機械化されたとしても、結果的に圃場全体へ平均的に施肥を行うのが普通であるが、本発明によれば施肥量を自動的に演算でき、しかも、圃場の部分部分に対応した施肥が可能となる。
【発明の効果】
【0060】
本発明では、自然光による反射光を用いた作物の栄養診断方法において、圃場内に生育する作物をカメラで撮影し、撮影した画像データから前記作物の作物情報を求める際に、作物の葉に光を直接照射して前記作物の作物情報を求めることができる測定器で、圃場内の作物の複数枚の葉を一枚ずつ測定し、その測定値を用いて、測定方位・風による葉の揺らぎ・植栽密度の違いなどによる測定誤差を補正し、また、反射率が一定の基準板の自然光による反射光量を測定し、その測定値を用いて、気象による測定誤差を補正した。上記2つの補正を行うことで、従来のいわゆるリモートセンシングに比べて、精度の高い栄養診断を行うことが可能となった。
【0061】
また、カメラによって圃場を撮影し、自然光による作物の反射光を受光した際に、受光した全ての受光信号が作物の反射光とは限らず、例えば圃場の土壌など作物以外の反射光を受光していることも有り得る。このようなことから、本発明では、栄養診断を行う作物の反射光を受光したカメラの撮像素子である画素を、画素ごとに判別し、前記作物の反射光を受光した画素の受光信号だけを、作物の作物情報として処理することで、測定誤差の原因となる不必要な情報を除去した精度の高い栄養診断を行うことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】作物葉の反射光を測定するために圃場に設置したカメラと基準板の配置図である。
【図2】作物葉の反射光を測定するカメラの機能を表す概略ブロック図である。
【図3】データ処理装置の概略ブロック図である。
【図4】圃場から得られる反射光を複数区画に分割して示した窒素含有率である。
【図5】葉身窒素含有率測定装置の主要部の一部を破断した側面図である。
【図6】葉身窒素含有率測定装置の概略制御ブロック図である。
【図7】葉身窒素含有率測定装置の操作を示す一部拡大図である。
【図8】葉身窒素含有率測定装置と撮影による窒素含有率の関係図である。
【図9】本発明の補正による値を複数区画で示した図である。
【図10】作物葉と土壌の波長に対する反射率曲線である。
【図11】カメラにより得られた作物葉と土壌の受光データを表す図である。
【図12】入射光を測定する照度計を簡略に示した側断面図である。
【図13】自動施肥装置を示した側面図である。
【図14】自動施肥装置を圃場で利用するときの圃場平面図である。
【図15】本発明を実施するための装置を設置した耕作機械の側面図である。
【符号の説明】
1 圃場
2 カメラ
3 基準板
4 エリアセンサー
5 狭帯域フィルタ
6 フィルタホイール
7 集光レンズ
8 制御回路
9 ステッピングモータ
10 操作スイッチ
20 データ処理装置
21 A/D変換器
22 フレームメモリ
23 モニタ
24 画像処理ボード
25 I/Oポート
26 CPU
27 I/Fボート
28 ROM
29 RAM
30 葉身窒素含有率測定装置
31 本体
32 光源部
33 光量検出装置
34 LED
35 LED
36 狭帯域フィルタ
37 狭帯域フィルタ
38 拡散反射板
39 ブロック
40 反射光路
41 放射側
42 拡散透過板
43 測定葉
44 光量検出装置
45 腕
46 軸
47 コイルバネ
48 マイクロスイッチ
50 アナログボード
51 発光装置
52 I/Oボード
53 CPUボード
54 液晶表示器LCD
55 入力部
56 接続ポート
57 電源ボード
58 プリンタ
59 I/Fボード
60 ROM
61 RAM
70 自動施肥装置
71 肥料タンク
72 モータ
73 スクリュー
74 カメラ
75 耕作機械
76 脚部
77 ローラ
78 回転軸
79 プーリ
80 ベルト
81 ベルト
82 制御装置
83 モータ
90 圃場
91 レール
93 照度計
94 光電変換部
95 フィルタホイール
96 狭帯域フィルタ
97 ステッピングモータ
98 開口部
99 拡散ドーム
100 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】自然光に晒される圃場内における一定面積の作物の栄養状態を診断する方法であって、該方法は、
圃場内の一定面積の所定作物からの、作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の自然光の反射率を測定する過程と、
前記反射率を、反射率から第1の作物情報を求めるためにあらかじめ定めた第1の作物関係式に適用することにより、前記所定作物の第1の作物情報を得て、これを記憶する過程と、
前記所定作物の葉身に直接、光を照射して、作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の光の透過光又は反射光の少なくとも一方の光量を測定する過程と、
前記光量を、光量から第2の作物情報を求めるためにあらかじめ定めた第2の作物関係式に適用することにより前記所定作物の第2の作物情報を得て、これを記憶する過程と、
前記第1の作物情報と前記第2の作物情報との差異を算出し、算出した該差異を記憶する過程と、
前記同一圃場内の前記所定作物とは異なる一定面積の目標作物から、作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の自然光の反射率を測定する過程と、
前記反射率を、前記第1の作物関係式に適用することにより、前記目標作物の第1の作物情報を得る過程と、
前記第1の作物情報を、前記差異に基づいて補正する過程と、
補正した前記第1の作物情報に基づき、前記圃場内の作物の栄養状態を判定する過程と、
からなることを特徴とする作物の栄養診断方法。
【請求項2】自然光に晒される圃場における一定面積の作物の栄養状態を診断する方法であって、該方法は、
圃場内の一定面積の所定作物からの、作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の自然光の反射率を測定する過程と、
前記反射率の測定データを、データ上で複数区画に分割して、該区画ごとに反射率を求める過程と、
前記反射率を、反射率から第1の作物情報を求めるためにあらかじめ定めた第1の作物関係式に適用することにより、前記区画ごとの第1の作物情報を得て、これらを記憶する過程と、
分割した前記区画から少なくとも2区画を選択する過程と、
前記過程で選択した区画の作物葉身に直接、光を照射して、作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の透過光又は反射光の少なくとも一方の光量を測定する過程と、
前記光量を、光量から第2の作物情報を求めるためにあらかじめ定めた第2の作物関係式に適用することにより、前期過程で測定した区画の作物の第2の作物情報を得て、これらを記憶する過程と、
前記第1の作物情報を前記第2の作物情報に基づいて補正する補正換算式を決定する過程と、
前記補正換算式で前記第1の作物情報を、分割した前記区画ごとに補正して第3の作物情報とする過程と、
前記第3の作物情報に基づき、圃場内の分割した前記区画ごとの作物の栄養状態を判定する過程と、
からなることを特徴とする作物の栄養診断方法。
【請求項3】自然光に晒される圃場における一定面積の作物の栄養状態を診断する方法であって、該方法は、
圃場内の一定面積を複数の区画に分割し、該区画ごとに所定作物からの、作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の自然光の反射率を測定する過程と、
前記反射率を、反射率から第1の作物情報を求めるためにあらかじめ定めた第1の作物関係式に適用することにより、分割した前記区画ごとに第1の作物情報を得て、これらを記憶する過程と、
分割した前記区画から少なくとも2区画を選択する過程と、
前記過程で選択した区画の作物葉身に直接、光を照射して、作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の透過光又は反射光の少なくとも一方の光量を測定する過程と、
前記光量を、光量から第2の作物情報を求めるためにあらかじめ定めた第2の作物関係式に適用することにより、前期過程で測定した区画の作物の第2の作物情報を得て、これらを記憶する過程と、
前記第1の作物情報を前記第2の作物情報に基づいて補正する補正換算式を決定する過程と、
前記補正換算式で前記第1の作物情報を、分割した前記区画ごとに補正して第3の作物情報とする過程と、
前記第3の作物情報に基づき、前記圃場内の分割した区画ごとに作物の栄養状態を判定する過程と、
からなることを特徴とする作物の栄養診断方法。
【請求項4】作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の光の反射率を計算するために、栄養診断を行う目標作物の自然光による反射光を、複数の画素からなる撮像素子により受光し、前記目標作物に対応した反射光を受光した画素を選択して、選択した該画素の受光信号に基づいて反射率を計算し、前記反射率を用いて第1の作物情報を求めることを特徴とする請求項1、3又は6記載の作物の栄養診断方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圃(ほ)場で生育中の作物の反射光から窒素含有率等の作物情報を得て、当該作物の栄養診断を行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、作物の窒素含有率、葉色値、窒素吸収量、草丈又は乾物重などの作物情報を得るための第1の方法としては、デジタルカメラ等の受光手段で、硫酸バリウム等を塗布した基準板と、作物が生育する単位圃場(あるいはその一部)とを撮影して、前記基準板と前記圃場作物の反射光量をそれぞれ測定し、該反射光量によって作物の反射率を計算し、この反射率と、反射率から窒素含有率を求めるためにあらかじめ定められた検量線とから作物の窒素含有率を求め、生育時期対窒素曲線に基づくその生育過程の基準的な窒素含有率とを比較して栄養診断を行っていた。しかし、圃場から得られる作物の反射光量は天候に左右されるものである。しかも、天候については基準板による補正ができたとしても、測定方位、風及び植栽栽密度は、反射率から窒素含有率を求めるためにあらかじめ定めた検量線を作成したときと同じ条件であることが必要で、この条件が異なるときの補正が必要であり、基準板を基準とすることだけで全て補正できたとは言い難く、実際には、太陽高度、測定方位、植栽密度及び作物の品種を限定したうえで測定を行っていた。
【0003】
前記作物情報を得るための従来の第2の方法としては、作物の生育に基づいて増減する作物情報に関する波長の光、例えば可視光域から近赤外域にわたる光を作物の葉身に照射して、作物情報に関する波長の光に関して得られた透過光又は反射光と、該透過光又は反射光から葉身窒素含有率等の作物情報を計算するためにあらかじめ定めた検量線と、から葉身窒素含有率を測定する方法がある。この方法によれば、圃場作物の葉身を測定して精度の高い葉身窒素含有率を得ることができる。しかし、圃場全体の作物情報を正確に把握するためには、圃場全体にわたる細かい測定を不可欠とするため非常に面倒であった。
【0004】
前記第1の方法は、圃場から得られる作物情報が、測定位置や植栽密度等による誤差の影響を受けるために測定時刻や測定位置に制約が生じるので、簡便ではあるが、精度の高い測定方法とは言い難いものであった。また、前記第2の方法は、測定時刻や位置に制約はなく、測定精度が高くて第1の方法よりは有利であるものの、作物の葉身1葉ごとに測定を行う必要があるので、測定時間を多く要することが難点であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の問題点にかんがみ、作物情報の測定が簡便であり、かつ、測定精度が高い、作物の栄養診断方法を提供することを技術的課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の方法は、自然光に晒される圃場内における一定面積の作物の栄養状態を診断する方法であって、該方法に、
圃場内の一定面積の所定作物からの、作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の自然光の反射率を測定する過程と、
前記反射率を、反射率から第1の作物情報を求めるためにあらかじめ定めた第1の作物関係式に適用することにより、前記所定作物の第1の作物情報を得て、これを記憶する過程と、
前記所定作物の葉身に直接、光を照射し、作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の光の透過光又は反射光の少なくとも一方の光量を測定する過程と、
前記光量を、光量から第2の作物情報を求めるためにあらかじめ定めた第2の作物関係式に適用することにより前記所定作物の第2の作物情報を得て、これを記憶する過程と、
前記第1の作物情報と前記第2の作物情報との差異を算出し、算出した差異を記憶する過程と、
前記同一圃場内の前記所定作物とは異なる一定面積の栄養診断を行う目標作物から、作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の光の反射率を測定する過程と、
前記反射率を、前記第1の作物関係式に適用することにより、前記目標作物の第1の作物情報を得る過程と、
前期第1の作物情報を前記差異に基づいて補正する過程と、
補正した前記第1の作物情報に基づき、前記圃場内の作物の栄養状態を判定する過程と、
からなる作物の栄養診断方法を用いるという技術的手段を講じた。
【0007】
【0008】
【0009】
本発明の第2の方法は、自然光に晒される圃場における一定面積の作物の栄養状態を診断する方法であって、該方法に、
圃場内の一定面積の所定作物からの、作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の自然光の反射率を測定する過程と、
前記反射率の測定データを、データ上で複数区画に分割して、区画ごとに反射率を求める過程と、
前記反射率を、反射率から第1の作物情報を求めるためにあらかじめ定めた第1の作物関係式に適用することにより、前記区画ごとの第1の作物情報を得て、これらを記憶する過程と、
分割した前記区画から少なくとも2区画を選択する過程と、
前期過程で選択した区画の作物葉身に直接、光を照射して、作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の透過光又は反射光の少なくとも一方の光量を測定する過程と、
前記光量を、光量から第2の作物情報を求めるためにあらかじめ定めた第2の作物関係式に適用することにより、前記過程で測定した区画の作物の第2の作物情報を得て、これらを記憶する過程と、
前記第1の作物情報を前記第2の作物情報に基づいて補正する補正換算式を決定する過程と、
前記補正換算式で前記第1の作物情報を、分割した前記区画ごとに補正して第3の作物情報とする過程と、
前記第3の作物情報に基づき、圃場内の分割した前記区画ごとに作物の栄養状態を判定する過程と、
からなる作物の栄養診断方法を用いるという技術的手段を講じた。
【0010】
【0011】
【0012】
本発明の第3の方法は、自然光に晒される圃場における一定面積の作物の栄養状態を診断する方法であって、該方法に、
圃場内の一定面積を複数の区画に分割し、該区画ごとに所定作物からの、作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の自然光の反射率を測定する過程と、
前記反射率を、反射率から第1の作物情報を求めるためにあらかじめ定めた第1の作物関係式に適用することにより、分割した前記区画ごとの第1の作物情報を得て、これらを記憶する過程と、
分割した前記区画から少なくとも2区画を選択する過程と、
前記過程で選択した区画の作物葉身に直接、光を照射して、作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の透過光又は反射光の少なくとも一方の光量を測定する過程と、
前記光量を、光量から第2の作物情報を求めるためにあらかじめ定めた第2の作物関係式に適用することにより、前期過程で測定した区画の作物の第2の作物情報を得て、これらを記憶する過程と、
前記第1の作物情報を前記第2の作物情報に基づいて補正する補正換算式を決定する過程と、
前記補正換算式で前記第1の作物情報を、分割した前記区画ごとに補正して第3の作物情報とする過程と、
前記第3の作物情報に基づき、前記圃場内の分割した区画ごとに作物の栄養状態を判定する過程と、
からなる作物の栄養診断方法を用いるという技術的手段を講じた。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
前記第1、第2及び第3の方法においては、作物の生育によって増減する作物情報に関連した波長の光の反射率を計算するために、栄養診断を行う目標作物の自然光による反射光を、複数の画素からなる撮像素子により受光し、前記目標作物に対応した反射光を受光した画素を選択して、選択した画素の受光信号に基づいて反射率を計算し、前記反射率を用いて第1の作物情報を求める作物の栄養診断方法とすると良い。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の作物の栄養診断方法を実施するための測定装置について図1から図3により説明する。ここでは、作物として稲作を例にして説明する。図1は、圃場1の作物(稲)を撮影する一例を示している。ここでは、稲の生育する圃場1に向けて、作物の自然光による反射光を受光する受光装置のカメラ2が設置されている。圃場1は自然光に晒されており、また、白色の基準板3が圃場1に設置してある。
【0020】
図2で示すものは、カメラ2の機能を表す簡略なブロック図であり、カメラ2には、例えば24万画素(600×400)程度の分解能を有するエリアセンサー4を備えている。また、カメラ2には複数の狭帯域フィルタ5を備えたフィルタホイール6が備えられ、フィルタホイール6を回転させることによってフィルタ5を切り換える。フィルタ5を通過した光は、光学手段としての集光レンズ7等を介してエリアセンサー4によって受光される。フィルタホイール6は、制御回路8によって駆動制御されるステッピングモータ9によって回転する。さらに、制御回路8は、エリアセンサー4の受光信号をデータ処理装置20に送出する。エリアセンサー4はラインセンサーであってもよい。
【0021】
ここで、フィルタ5は、可視光域波長の450、550、625、650、675、700nmの中から、また、近赤外波長の750、850、950〜1300nm中から、各適宜選択される。これらの波長は、作物の葉の窒素含有率又は葉色値の変化に伴って特徴的な変化を示す帯域を選択することが必要である。したがって、フィルタ5には可視光域と近赤外域の両方を用いてもよいし、一方だけを使用してもよい。なお、波長は本実施例に限定されない。図2では4つのフィルタ5を示しているが、目的に応じて随時変更可能である。制御回路8には更に操作スイッチ10が接続され、操作スイッチ10には、撮影を行うための撮影開始スイッチ10a、撮影を中止するための撮影中止スイッチ10b、フィルタ5を切り換える切換スイッチ10c、撮影データ(受光信号)を送出するデータ送信スイッチ10d及び電源スイッチ10e等を備えている。
【0022】
図3にデータ処理装置20のブロック図を示している。図3に示すデータ処理装置20は、エリアセンサー4の受光信号をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換器(以下、「A/D変換器」という)21と、A/D変換後の受光信号を記憶するフレームメモリ22、前記受光信号を視覚的に表示するモニタ23及び画像処理ボード24を備え、これらは、インプットアウトプットポート(以下、「I/Oポート」という)25を介して受光信号を演算処理するCPU26に連絡してある。また、インターフェースボード(以下、「I/Fボード」という)27を介して、後述する葉身窒素含有率測定装置30が接続してある。さらに、制御プログラム等を記憶した読出し専用メモリ(以下、「ROM」という)28と、演算結果等を記憶して適宜読み出し可能な読出し書込みメモリ(以下、「RAM」という)29がCPU26に接続されている。
【0023】
さて、カメラ2の電源スイッチ10eを押すと、エリアセンサー4によって撮影対象の反射光が受光されて受光信号となる。この受光信号は、データ送信スイッチ10dを押すことでデータ処理装置20に送出され、データ処理装置20で画像処理ボード24によって処理されて、モニタ23に圃場1の画像として映し出される。前記画像を確認しながらカメラ2の位置をセットして圃場1の撮影範囲(一定面積)を確定する。撮影範囲(一定面積)を確定したら、撮影開始スイッチ10aを押し、現在セットされているフィルタ5を通して圃場1で生育する稲を撮影し、次に、フィルタ切換えスイッチ10cによって制御回路8からステッピングモータ9を回転させる信号を出力し、フィルタホイール6を回転させてフィルタ5を切り換えた後、撮影スイッチ10aを押して撮影する。このようにして、フィルタ5を順次切り換えながら必要なフィルタ5ごとに撮影を行う。結果的にフィルタ5ごとに受光信号が作成される。なお、カメラ2のエリアセンサー4に大容量の記憶素子がなければ、撮影の都度、データ処理装置20に受光信号を送出するようデータ送信スイッチ10dを押す。
【0024】
カメラ2のエリアセンサー4で受光する自然光による反射光は、基準板3の反射光と圃場1の一定面積の作物の反射光である。基準板3の反射光量を測定すると、基準反射光量が計算できる。反射率が95%で一定の基準板3の反射光量を基準反射光量として使用する場合には、基準板3の反射光量をX、基準反射光量をYとして、
【数1】
によって基準反射光量Yが計算できる。したがって、測定した圃場1の一定面積の作物の反射光量をZとすれば、
【数2】
によって、一定面積の作物の反射率を求めることができる。この反射率は、稲葉の窒素含有率を求めるために利用される。これら数式1及び数式2は、ROM28に記憶してある。前述の基準反射光量Yは、次のようにして測定・記憶される。カメラ2に備えてあるフィルタ5を切り換えてフィルタ5ごとに、自然光による基準板3の反射光を受光するとともに、受光により得た受光信号をデータ処理装置20に送出する。送出した受光信号は、データ処理装置20でA/D変換器21によりデジタル変換される。デジタル変換された受光信号は、数式1に基づいて計算され、計算結果を基準反射光量YとしてRAM29に記憶する。すなわち、基準反射光量Yは、フィルタ5ごとに測定して記憶することになる。
【0025】
また、前述の一定面積の作物の反射光量は、次のようにして測定・記憶される。フィルタ5を切り換えてフィルタ5ごとに、自然光による圃場1の一定面積の作物の反射光をカメラ2の各画素によって受光し、受光した各画素の受光信号をデータ処理装置20に送出する。データ処理装置20では、A/D変換器21によって前記受光信号をデジタル変換し、変換した受光信号をフレームメモリ22に記憶する。CPU26では、フィルタ5ごとに変換した前記受光信号について、各画素の受光信号の平均値を求め、求めた平均値を前記一定面積の作物の反射光量とし、この反射光量を、あらかじめROM28に記憶した前記数式2に適用することにより反射率を演算し、演算結果をRAM29に記憶する。これにより、前記圃場1の一定面積の作物、例えば1平方メートル範囲の作物の反射率が記憶される。なお、ここで得られる反射率は、カメラと圃場の前後距離に基づく圃場反射光のカメラへの入射角度の違いから生じる入射光量の違いを補正することが好ましい。
【0026】
図4で示すものは、圃場1の一定面積の作物を撮影した24万画素の受光信号を、複数の区画に分割して処理する例を示している。例えば、カメラ2によって、フィルタ5を切り換えてフィルタ5ごとに自然光による圃場1の一定面積の作物の反射光を受光し、受光して得た各画素の受光信号をデータ処理装置20に送出する。データ処理装置20では、A/D変換器21によって前記受光信号をデジタル変換し、変換した受光信号をフレームメモリ22に記憶する。CPU26では、24万画素の前記受光信号を、図4に示すように、左上から区画A〜区画Iの複数の区画に分割し、前記区画ごとに各画素の受光信号の平均値を求め、求めた平均値を前記区画ごとの作物の反射光量とし、これらの反射光量を、あらかじめROM28に記憶された前記数式2に適用することにより前記区画ごとの作物の反射率を計算し、計算結果をRAM29に記憶する。1つのカメラで受光できる一定面積を、例えば1平方メートル程度とすると、1平方メートル内の9区画ごとの自然光による作物の反射率が記憶されることになる。モニタ23には画像処理ボード24で処理された画像が表示される。
【0027】
RAM29には、複数のフィルタ5ごとに、受光した一定面積の作物の反射率と、前記一定面積を9区画に分割した区画ごとの作物の反射率とが記憶されている。これらの反射率を説明変数にして、前記一定面積内若しくは前記各区画内に生育する複数の稲葉を採取し、これら稲葉の作物情報の窒素含有率を直接化学分析などにより求め、又は葉色値を、直接葉の色を測定により求め、前記窒素含有率若しくは前記葉色値を目的変数として、重回帰分析などを行うことにより、一定面積の稲の作物情報を求める検量線(第1の作物関係式)、及び前記区画ごとの稲の作物情報を求める検量線(第1の作物関係式)を作成してROM28に記憶しておく。
【0028】
更に詳説すると、仮に区画Aにおけるフィルタ1による反射率R1、フィルタ2による反射率R2、フィルタ3による反射率R3、フィルタ4による反射率R4が存在し、さらに、区画A内の稲葉の窒素含有率を化学分析により求めた窒素含有率N1が存在し、
【数3】
が成立するとすれば、区画A内の複数の稲葉の窒素含有率Nを求めることによって、
【数4】
となり、これらを重回帰分析により解析すれば、
【数5】
として、検量線(第1の作物関係式)を求めることができる。葉色値についても同様にして検量線を求めることができる。
【0029】
前記数式1、数式2及びこのようにして求めた数式5をROM28に記憶しておけば、カメラ2によって、基準板3と圃場1の一定面積の作物を撮影し、撮影して得られた受光信号をデータ処理装置20に送出すると、データ処理装置20では、数式1、数式2及び数式5に基づいて窒素含有率を計算することができる。したがって、検量線(第1の作物関係式)を作成することによって、撮影した圃場1の一定面積の稲の窒素含有率あるいは分割した9区画(区画A〜区画I)ごとの窒素含有率(第1の作物情報)を求めることができる。図4において各区画に記載された数値は、このようにして求めた窒素含有率の一例である。
【0030】
次に、葉身窒素含有率測定装置30の実施例を図5から図7により説明する。ここに示すものは、携帯型窒素含有率測定装置(以下、「測定装置」という)30の主要部分を破断した側面図である。図5及び図6においては、上方の本体31内に光源部32を設けるとともに、下部に光量検出装置33としてのフォトダイオード(図示せず)を設けた構成となっている。光源部32は、同一円周上に異なる波長ピークを持つ発光素子である複数のLED34,35を配設し、該LED34,35にはそれぞれ波長帯域の異なる狭帯域フィルタ36,37を設けてある。狭帯域フィルタ36 , 37の波長帯域は500nm〜1100nmが好ましく、この波長帯域の中から、測定する葉身窒素含有率あるいは葉色値に関係する任意の特定波長を選択する。各LED34,35の発光する光は、狭帯域フィルタ36,37によって特定波長の光となって拡散反射板38に入射する。また、この拡散反射板38へ各LED34,35の光線がほぼ一定の角度で入射するようにブロック39が形成してある。
【0031】
拡散反射板38により反射した光は、ブロック39の中央に設けた反射光路40に入射し、反射光路40の放射側41に設けた拡散透過板42に入射する。拡散透過板42は反射光路40の光軸と垂直に設けられ、円形の磨りガラス状あるいは乳白色のガラスで形成されている。反射光路40及び拡散反射板38とで囲まれた空間を、光が反射と拡散とを繰り返しながら反射光路40から出て、拡散透過板42を経て測定葉43を介して光量検出装置44に入射する。
【0032】
さらに、光量検出装置32の上部外周に上蓋(ふた)31を繞(じょう)設し、該上蓋31から延長した腕45は軸46によって軸支されている。上蓋31が軸支される軸46にはコイルバネ47を遊嵌(かん)してあり、常に上蓋31を押し上げるように作用している。つまり、図7で示すように、測定においては測定葉43を測定場所に挿入し、上蓋31の上部を押し下げることで測定を可能にしている。この測定のタイミングは、上蓋31を押し下げることにより上蓋31の下方に設けた押し下げ突起(図示せず)が、対向する位置に設けたマイクロスイッチ48を押し下げることで、上蓋31を押し下げたことを検知して測定(光の照射及び光量測定)が行われる。
【0033】
次に、図6のブロック図によって測定装置30を説明する。光源部32と光量検出装置33とからなる測定部で検出される測定葉43の透過光又は反射光は、光量検出装置44によってアナログ信号に変換され、アナログボード50に連絡されている。光源部32にはLED34,35の発光装置51が設けてある。アナログボード50では前記アナログ信号からデジタル信号へのA/D変換を行うか、あるいは前記アナログ信号を周波数にするV/F変換を行う。変換された信号は、I/Oボード52を経由して演算制御装置であるCPUボード53に入力される。前記I/Oボード52には、測定結果、演算結果又は操作指示を表示する液晶表示器LCD54、操作を行う入力部55、外部装置とデータを入出力するRS232Cの接続ポート56及びマイクロスイッチ48等を設けてある。これらCPUボード53とI/Oボード52は電源ボード57から電源を供給するように接続してある。また、プリンタ58は、I/Fボード59を介してCPUボード53に接続してある。さらに、CPUボード53にはROM60とRAM61とが接続されており、ROM60には圃場別又は品種別の複数の検量線が記憶されている。前記検量線は、それぞれ目的に適した複数枚の葉に直接、光を照射して得られた透過光又は反射光を用いて複数の吸光度を算出し、この吸光度を説明変数とするとともに、前記吸光度を算出した葉の窒素含有率を化学分析等により求め、求めた前記窒素含有率を目的変数として、重回帰分析により解析することで作成した窒素含有率(第2の作物情報)を求めるための検量線(第2の作物関係式)である。この重回帰分析については、前述した数式5を求める手順と説明が重複するので省略する。さらに、このROM60には、測定装置30において、吸光度を測定して窒素含有率などの第2の作物情報を計算するための、吸光度の測定から計算と表示とを実行する一連のプログラム等が記憶してある。
【0034】
このように構成された測定装置30の作用について以下に説明する。測定装置30に測定葉43を挿入して上蓋31を押し下げると、マイクロスイッチ48の信号がCPUボード53に連絡され、CPUボード53からは発光制御装置51へ信号を出力して発光制御装置51から光源部32へ発光信号が送られる。これにより、LED34,35から測定対象の測定葉43に向けて直接、光が交互に照射される。このLED34,35から発光する光は、狭帯域フィルタ36,37によって近赤外域と可視光域の特定波長の光となっており、前述した反射散乱を繰り返して拡散透過板42から光量検出装置44に到達するので、積分球と同程度に前記測定葉43に均一に照射される。
【0035】
測定葉43に直接、光が照射されると、その透過光又は反射光が光量検出装置44により発光したLED34,35の光ごとに受光される。受光により得た受光信号は、A/D変換のためにアナログボード50に連絡される。アナログボード50では、前記受光信号のA/D変換が行われ、変換された受光信号は、I/Oボード52を経由してCPUボード53に入力される。CPUボード53においては、測定葉43の前記受光信号から吸光度を算出するようにしてあり、算出した吸光度がRAM61に記憶される。前記吸光度と、ROM60にあらかじめ記憶された窒素含有率を求める検量線(第2の作物関係式)とによって、測定葉43の窒素含有率(第2の作物情報)を計算することができる。入力部55には、測定装置30の電源を投入する電源スイッチ55a、透過光又は反射光の測定を可能にする測定スイッチ55b並びにROM60に記憶した検量線(第2の作物関係式)及びRAM61に記憶した吸光度、透過光又は反射光データ、計算結果又はサンプルNO等を読み出すための切り換え機能を備えた読出しスイッチ55cを備えている。
【0036】
以下に、第1の実施例について説明する。カメラ2によって、自然光による基準板3の反射光と、自然光に晒される圃場1の一定面積の所定作物から、例えば窒素含有率(作物情報)に関連した波長の自然光による反射光とを受光する。図3で示したように、データ処理装置20においては、カメラ2で受光して得た前記基準板3と前記所定作物のそれぞれの受光信号を、前記数式1及び前記数式2に適用することにより反射率を計算し、計算した前記反射率とROM28に記憶してある検量線(第1の作物関係式)とによって、第1の作物情報である前記所定作物の窒素含有率を得て、前記窒素含有率をRAM29に記憶する。
【0037】
次に、測定装置30で前記一定面積内に生育する稲葉の窒素含有率(第2の作物情報)を測定し、測定した前記窒素含有率(第2の作物情報)を用いて、前記所定作物の窒素含有率(第1の作物情報)を補正する。測定装置30で測定した稲葉の窒素含有率(第2の作物情報)は、直接、稲葉から得る測定値であり、測定方位や植栽密度などの影響は受けていない。したがって、本発明では測定方位や植栽密度による誤差の補正に第2の作物情報を使用する。具体的には、第1の作物情報と第2の作物情報との差異を補正に用いる。例えば、カメラ2での測定で前記所定作物の第1の作物情報(窒素含有率)が4.0%、測定装置30での測定で第2の作物情報(窒素含有率)が3.0%であったとする。前記第1の作物情報はRAM29に記憶されており、前記第2の作物情報はRAM61に記憶されているから、RAM61に記憶されている前記第2の作物情報を、測定装置30の接続ポート56からデータ処理装置20のI/Fボード27を介して、データ処理装置20に送出し、RAM29に記憶する。データ処理装置20では、RAM29に記憶した前記第1の作物情報と前記第2の作物情報との差異を算出し、この場合、差異は−1.0%となるから、前記差異の−1.0%を前記第1の作物情報に加えて、前記第1の作物情報は3.0%に補正される。
【0038】
この差異を補正値としてRAM29に記憶しておけば、今後、前記一定面積とは異なる一定面積の作物の自然光による反射光をカメラ2で受光し、受光により受光信号を得た場合に、前記受光信号を用いてデータ処理装置20で計算した第1の作物情報を、全て前記差異の−1.0%によって補正できる。これにより、測定方位や植栽密度の影響を除去した測定が、カメラ2とデータ処理装置20とによって実現可能となる。しかも、RAM29に前記差異を補正値として記憶した後においては、少なくとも同じ圃場における測定装置30による稲葉の測定は不要となり、カメラ2による一度の測定でこれまでにない高精度の測定ができる。なお、測定装置30による第2の作物情報(窒素含有率)の測定は、圃場1内の稲葉全てに対して行う必要はなく、圃場1内の一定面積の稲葉の窒素含有率を測定すればよい。
【0039】
次に、本発明による第2の実施例について説明する。カメラ2によって、自然光による基準板3の反射光量を測定し、この反射光量をROM28に記憶した数式1に適用して基準反射光量を計算する。また、自然光に晒される圃場1の第1の作物情報である、例えば窒素含有率に関連した波長の自然光による反射光を受光し、図3及び図4で示すように、受光して得た24万画素の受光信号を、データ処理装置20において、区画A〜区画Iの9区画に分割し、分割したそれぞれの区画ごとに反射光量を求め、これら反射光量と前記 基準反射光量とをROM28に記憶した数式2に適用することにより前記区画ごとに反射率を計算する。そして、前記反射率と数式5(第1の作物関係式)とによって、前記区画ごとに第1の作物情報である窒素含有率を得て、これらをRAM29に記憶する。
【0040】
次に、測定者又はデータ処理装置20によって、前記9区画の中から任意の少なくとも2区画を選択し、好ましくは前記9区画の中で窒素含有率が最大値と最小値を示した区画を選択し、そして、測定者は選択した区画で生育する稲葉の窒素含有率を測定装置30で測定する。例えば、図4においては、最大値である区画Eの4.2%の区画と、最小値である区画Gの3.6%の区画とを選択し、選択した2区画で生育する稲葉の窒素含有率を測定装置30で測定する。言うまでもなく、ここで測定する窒素含有率は測定方位や植栽密度などの影響は受けない。
【0041】
測定装置30で、圃場1で選択した少なくとも2区画で生育する稲の葉身に直接、葉身窒素含有率に関連した波長の光を照射して得られる透過光又は反射光から吸光度を求め、該吸光度を、吸光度から葉身窒素含有率(第2の作物情報)を求めるためにあらかじめ定めた検量線(第2の作物関係式)に適用することにより、前記2区画の窒素含有率を計算する。ここで仮に測定装置30の測定によって、区画Eの区画の窒素含有率が3.0%、区画Gの区画の窒素含有率が2.4%と計算されたとすると、これらの窒素含有率を第2の作物情報としてRAM61に記憶し、測定装置30の接続ポート56からデータ処理装置20のI/Fボード27を介して、前記窒素含有率をデータ処理装置20に送出してRAM29に記憶する。
【0042】
RAM29に記憶した前記2区画の第2の作物情報である前記窒素含有率に基づいて、同じくRAM29に記憶した前記第1の作物情報(区画A〜区画Iの窒素含有率)を区画ごとに補正して第3の作物情報とすることについて図8により説明する。図8に示すものは、横軸を測定装置30で測定した窒素含有率(第2の作物情報)とし、縦軸をカメラ2で測定した窒素含有率(第1の作物情報)とした図である。つまり、第2の作物情報である前記2区画の前記窒素含有率、3.0%(区画E)及び2.4%(区画G)と、第1の作物情報である前記2区画の前記窒素含有率、4.2%(区画E)及び3.6%(区画G)とを用いて作成した図である。本発明では、図で示すように、実際に、かつ、直接、測定装置30によって稲の葉身から測定した少なくとも2区画の窒素含有率と、カメラ2で測定した窒素含有率との関係からなる直線によって、第1の作物情報と第2の作物情報との相互関係を明らかにし、この直線によってカメラ2で測定した第1の作物情報(窒素含有率)を補正する。この直線は、補正換算式としてRAM29に記憶する。図8において具体的には、区画Eの第1の作物情報は4.2%から3.0%に補正され、区画Gの第1の作物情報は3.6%から2.4%に補正される。同じように、前記補正換算式に基づいて、他の区画の窒素含有率も図9で示すように補正される。これによって第1の作物情報を補正した第3の作物情報が得られる。得られた第3の作物情報は、区画ごとの作物情報であるが、これから更に前記区画ごとの作物情報を平均して平均値を求め、カメラ2で撮影した一定面積の1つの作物情報として取り扱うこともできる。なお、補正換算式として、2区画の窒素含有率を用いた直線で表されるものを示したが、この補正換算式は、カメラ2で撮影した全区画の第1の作物情報を説明変数とし、測定装置30で得られた前記全区画の第2の作物情報を目的変数として、重回帰分析等を行うことで得られる回帰式でもよく、線形又は非線形に関係なく利用できる。
【0043】
この後にカメラ2で測定する第1の作物情報(窒素含有率)は、データ処理装置20により、図8の補正換算式に基づいて全て補正されることで、より測定精度の向上した値として使用することができる。したがって、従来、測定装置30だけによって圃場の複数箇所の葉身窒素含有率を求めていた方法と比較して、撮影という簡便な方法によって手早く栄養診断を行うことができる。さらに、基準板と圃場とを撮影することによって作物の窒素含有率を求めることが、未だ研究途中であることを考慮に入れると、測定精度の向上に大いに貢献できるものである。なお、測定装置30による窒素含有率の測定は、圃場1の稲葉全てに対して行う必要はなく、圃場1の一定面積の稲葉を測定すればよい。
【0044】
前記第1及び第2の実施例における、圃場1から得られる第1の作物情報が、対象作物に対するカメラ2の位置によって異なることは明らかである。なお、ここでの圃場1とは、「畔(あぜ)」で区切られた1枚の圃場であってもよいし、その1枚の圃場よりも小さい面積であってもよい。補正値(差異)又は補正換算式を定めるに当たって、カメラ2によって得られた第1の作物情報の情報源と、測定装置30によって得られた第2の作物情報の情報源とが同じ圃場にあることが重要である。加えて、第2の実施例における区画は、カメラ2の一度の撮影によって得られる上記1枚の圃場の第1の作物情報を複数区画に分割して行うこと、又は一度の撮影によって得られ、かつ、1枚の圃場よりも小さい面積の作物情報を複数区画に分割して行うこと、などはいずれも自由であり、補正値又は補正換算式を定めるに当たって収集する作物情報の情報源の同一性が重要である。
【0045】
次に、本発明の第3の実施例について説明する。第3の実施例の特徴は、複数の区画に分割した圃場1の第1の作物情報(反射光量)を、カメラ2によって、分割した区画ごとに得ることである。つまり、第2の実施例と異なることは、複数の区画それぞれから個別にカメラ2によって第1の作物情報を得ることである。このようにすることで、第2の実施例のように、一度に撮影した1枚の圃場の第1の作物情報を複数に分割するよりも、単位面積あたりのカメラ2の画素数が増加することにより、区画ごとの第1の作物情報の量が増加する。したがって、補正換算式を求めるときの説明変数の量が増加することになるので、補正換算式の精度が向上する。前記補正換算式は、分割した複数の区画から少なくとも2区画、好ましくは第1の作物情報の最大値と最小値を示した区画を選択して補正換算式を求め、求めた前記補正換算式をROM28に記憶することなどは前記した第2の実施例と説明が重複するので省略する。ここでの補正換算式は、カメラ2で撮影した全区画の第1の作物情報を説明変数とし、測定装置30で得られた前記全区画の第2の作物情報を目的変数として、重回帰分析などを行うことで得られる回帰式でもよく、線形又は非線形に関係なく利用できることは第2の実施例と同様である。
【0046】
この後、カメラ2で測定した第1の作物情報である全ての窒素含有率は、データ処理装置20により、ROM28に記憶した補正換算式に基づいて補正されるので、より測定精度の向上した値として使用することができる。したがって、従来、測定装置30だけによって圃場の複数箇所の葉身窒素含有率を求めていた方法と比較して、撮影という簡便な方法によって、より手早く栄養診断を行うことができる。なお、測定装置30での第2の作物情報である窒素含有率の測定は、圃場1の稲葉全てに対して行う必要はなく、圃場1の一定面積の稲葉を測定すればよい。
【0047】
この第3の実施例における第1の作物情報が、栄養診断を行う目標作物に対するカメラ2の位置によって異なることは明らかである。なお、ここでの圃場1とは、「畔」で区切られた1枚の圃場であってもよいし、その1枚の圃場よりも小さい面積であってもよい。補正換算式を定めるにあたり、カメラ2によって得られた第1の作物情報の情報源と、測定装置30によって得られた第2の作物情報の情報源とが、同じ圃場の同じ区画であることが重要である。加えて、第3の実施例における区画は、一度の撮影によって上記1枚の圃場の作物情報を1区画として捉えること、又は一度の撮影によって得られ、かつ、上記1枚の圃場よりも小さい面積の作物情報を1区画として捉えること、などはいずれも自由であり、補正換算式を定めるに当たって収集する第1の作物情報及び第2の作物情報の情報源が同一であることが重要である。
【0048】
以上のことから、カメラ2による測定は、基準板3を用いることで気象による誤差を補正し、測定装置30の測定値を利用することで、測定方位や植栽密度による誤差を補正することができる。また、測定装置30で測定した測定値は、測定方位や植栽密度に関係なく得られた値であることから、前記測定値を利用して補正したカメラ2による測定値は、従来のカメラ2とデータ処理だけによる、いわゆるリモートセンシングに比べて外的要因に左右されないものとなる。
【0049】
上記第1乃至第3の実施例のカメラ2による第1の作物情報の測定において、カメラ2によって得られた受光信号の全てが第1の作物情報のものとは限らない。つまり、カメラ2の画素ごとに受光信号を検証すると、ほとんどが第1の作物情報となるが、圃場1を見下ろす状態で第1の作物情報を得るので、植栽密度によっては土壌を撮影している可能性がある。したがって、本発明では、第1の作物情報の反射光を受光した画素と第1の作物情報以外の反射光を受光した画素とを分別し、第1の作物情報の反射光を受光した画素の受光信号のみを第1の作物情報として取り入れることとした。
【0050】
図10は、波長に対する土壌及び作物葉の反射率の変化を示した図である。波長750nm〜1300nmにおいて、土壌の反射率と作物葉の反射率とを比較すると、20%程度の差が生じることが判明している。したがって、数式2によって得られる反射率が、例えば40%以上の値を示せば作物葉の反射光の受光信号とし、40%未満の値を示せば作物葉以外の反射光の受光信号として分別し、反射率が40%以上の値を示した受光信号だけを、カメラ2による第1の作物情報として扱うようにした。例えば、複数の画素の受光信号を得て、図11(a)のように1画素単位で表示した場合に、斜め格子で表した画素は反射率40%以上、斜線で表した画素が反射率40%未満と計算されたとすれば、図11(b)で示すように、反射率40%未満の斜線で表した画素の受光信号を除去して、反射率40%以上の斜め格子で表した画素の受光信号を、第1の作物情報とする。
【0051】
数式1における、基準反射光量Yの値を、基準板3の反射光量を測定することで得ると説明してきたが、基準反射光量Yの値を照度計によって求めることも可能である。図12に、簡略にした照度計93を示す。近赤外域から可視光域の分光特性を有する光電変換部(シリコンセンサー)94を備え、光電変換部94に入射する自然光を、選択する複数の狭帯域フィルタ96をステッピングモータ97によって回転するフィルタホイール95の円周部に備えている。このフィルタホイール95を回転させて複数のフィルタ96を切り換えるようにしてある。光電変換部94の受光面側(図面上部)には遮蔽板の開口部98を備え、その上部に拡散反射板で形成された拡散ドーム99が光電変換部94を中心として配置してある。光電変換部94とステッピングモータ97は制御部100に連絡してあり、制御部100は、ステッピングモータ97を回転させてフィルタ96を切り換え、光電変換部94の信号を出力する。フィルタ96の種類は、カメラ2のフィルタ5と同種類のものを備えている。制御部100はデータ処理装置20(図3)のI/Oポート25に接続して制御される。フィルタ96には光を遮蔽するフィルタを備えておくことで、フィルタ96の切り換えで零点補正が可能となる。
【0052】
データ処理装置20からの信号で、照度計93の制御部100はフィルタ96を目的のフィルタ96に切り換えて、このとき拡散ドーム99から拡散反射して入射する自然光の光量をフィルタ96を介して検出し、この光電変換部94で検出した信号をデータ処理装置20へ送信する。データ処理装置20では、照度計93で得られた光量を基準反射光量Yとして数式2に代入することで、作物から得られた反射光量を反射率に演算することができる。照度計93を使用する場合、検量線(第1の作物関係式)は、照度計93の測定値を基準反射光量Yとした反射率に基づいて求めることになる。
【0053】
以上の第1、第2及び第3の実施例は、稲の生育時期の1つである幼穂形成期といった特定時期に測定することが可能である。この方法は、品種別、地域別(又は圃場別)の補正が行えるようにすると、より効果的である。つまり、品種別、地域別に補正値又は補正換算式をROM28に記憶しておき、都度、読み出して使用する。また、実施例でのカメラ2の解像度は24万画素程度であり、この解像度によって一度の撮影で圃場10アールの第1の作物情報を得るとすれば、1平方メートル当たりの画素数は240画素となる。この程度の解像度が確保できるのであれば、カメラ2で撮影する手段は、地上における撮影のほか、例えば、衛星による撮影情報を利用することも可能である。加えて、気球、ラジコン飛行装置(飛行機、ヘリ)又は有人飛行機にカメラを搭載して撮影情報を得ることも可能である。
【0054】
このようにして得られた圃場の第1及び第2の作物情報が窒素含有率である場合は、窒素含有率により、今後の施肥量を決定することができる。すなわち、従来から稲作においては、例えば幼穂形成期や減数分裂期といった特定の生育時期における最適な窒素含有率が、品種別や地域別に細かく研究されて求められており、本発明により第1の作物情報を補正した第3の作物情報が窒素含有率であれば、前記従来の研究で決定されている窒素含有率(基準値)と比較することができる。なお、このことは葉色値においても同様である。なぜなら、葉色値と葉身窒素含有率とは高い相関関係があり、両者は互いに似通った変化を示すので、葉色値によっても本発明は実現可能である。また、第1、第2及び第3の実施例により説明した方法は、窒素含有率、葉色値以外にも、作物の草丈、乾物量、窒素吸収量にも適用可能であるし、稲以外の作物に適用できる。
【0055】
次に、本発明の自動施肥への応用について説明する。図13に示すものは自動施肥装置70であり、肥料タンク71と、その下部にモータ72によって回転するスクリュー73とを備え、タンク71の側部には、圃場作物の葉身窒素含有率を測定するためのカメラ74と、基準反射光量を求める照度計93とが設けてある。タンク71を支持する脚部76を設けるとともに、該脚部76にはタンク71を走行可能にするためのローラ77を設け、該ローラ77の回転軸78にはモータ83の駆動力を受動するプーリ79が設けられている。モータ72とスクリュー73とにはベルト80が、また、モータ83とプーリ79とにはベルト81が、それぞれ巻回してある。そして、カメラ74とモータ72とは制御装置82に接続してある。これらの電源にはバッテリー等の蓄電池を使用してもよいし、交流電源をケーブルで接続してもよい。図14は圃場90の平面図であり、この圃場90には、自動施肥装置70が走行するレール91が適宜敷設してあり、ローラ77がレール91に沿って走行することにより、自動施肥装置70によって圃場90に施肥することができる。
【0056】
上記自動施肥における動作を、データ処理装置20の概略ブロック図である図3を参照して説明する。制御装置76はデータ処理装置20と同じ構成でよく、ROM28内には、第1の作物情報を得るために必要な前記数式1、数式2、及び数式5(第1の作物関係式)と、第3の作物情報を得るために、少なくとも2区画の第1及び第2の作物情報の相関によって決定された補正換算式(図8)と、生育の特定時期(施肥時期)における品種別の基準窒素含有率と当該窒素含有率(第3の作物情報)との差異に基づく施肥量の演算式とが記憶してある。
【0057】
自動施肥装置70の動作を開始すると、モータ83が駆動してプーリ79を回転させて一定速度でレール91に沿って走行を開始する。走行が開始されるとともに、データ処理装置20は照度計93から基準反射光量を得る。さらに、カメラ74によって、視界中の圃場90を撮影し、作物の反射光量を測定する。このように、照度計93の基準反射光量と圃場90の作物の反射光量とが得られれば、これらの反射光量をROM28に記憶されている数式2に適用することにより、圃場90の作物の反射率を計算できる。計算した反射率と、ROM28に記憶されている数式5(第1の作物関係式)によって第1の作物情報である窒素含有率が計算される。第1の作物情報の窒素含有率が演算されると、前記窒 素含有率とROM28に記憶されている補正換算式とによって第3の作物情報である窒素含有率が計算される。
【0058】
このようにして得られた第3の作物情報である前記窒素含有率は、ROM28に記憶された、特定時期の窒素曲線(基準値)を用いて、基準の窒素含有率と比較し、その差異を求める。ここにおける比較は、生育過程の特定時期、例えば測定した時期が幼穂形成期であれば、幼穂形成期における基準値と比較するということである。つまり、この測定に先だって、測定時期を制御装置82に入力しておくことが必要である。換言すれば、特定時期(施肥時期)においてこの自動施肥装置70を使用するということでもある。そして、特定時期の基準値と前記特定時期に測定して求める窒素含有率との差異は、あらかじめ前記差異に基づいて決定される施肥量に換算され、この施肥量に基づいてモータ72の回転数を決定し、モータ72を駆動させる。当然のことながら、モータ72の回転数を増加すると施肥量は増加し、回転数を減少させると施肥量は減少する。
【0059】
自動施肥装置70は、圃場90に敷設したレール91上を走行すると説明したが、図15で示すように、従来からある耕作機械75の後方に自動施肥装置70を取り付け、先端部にカメラ74と照度計93を取り付けて使用することもできる。このようにすると、圃場が定型(四角)の形状でなくても、走行直前の作物情報に応じて施肥が完了する。現在でも施肥は、葉色観察や測定機器による葉身窒素含有率の測定値を、経験に基づく基準値と比較することで、経験的に施肥量を決定しており、施肥が機械化されたとしても、結果的に圃場全体へ平均的に施肥を行うのが普通であるが、本発明によれば施肥量を自動的に演算でき、しかも、圃場の部分部分に対応した施肥が可能となる。
【発明の効果】
【0060】
本発明では、自然光による反射光を用いた作物の栄養診断方法において、圃場内に生育する作物をカメラで撮影し、撮影した画像データから前記作物の作物情報を求める際に、作物の葉に光を直接照射して前記作物の作物情報を求めることができる測定器で、圃場内の作物の複数枚の葉を一枚ずつ測定し、その測定値を用いて、測定方位・風による葉の揺らぎ・植栽密度の違いなどによる測定誤差を補正し、また、反射率が一定の基準板の自然光による反射光量を測定し、その測定値を用いて、気象による測定誤差を補正した。上記2つの補正を行うことで、従来のいわゆるリモートセンシングに比べて、精度の高い栄養診断を行うことが可能となった。
【0061】
また、カメラによって圃場を撮影し、自然光による作物の反射光を受光した際に、受光した全ての受光信号が作物の反射光とは限らず、例えば圃場の土壌など作物以外の反射光を受光していることも有り得る。このようなことから、本発明では、栄養診断を行う作物の反射光を受光したカメラの撮像素子である画素を、画素ごとに判別し、前記作物の反射光を受光した画素の受光信号だけを、作物の作物情報として処理することで、測定誤差の原因となる不必要な情報を除去した精度の高い栄養診断を行うことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】作物葉の反射光を測定するために圃場に設置したカメラと基準板の配置図である。
【図2】作物葉の反射光を測定するカメラの機能を表す概略ブロック図である。
【図3】データ処理装置の概略ブロック図である。
【図4】圃場から得られる反射光を複数区画に分割して示した窒素含有率である。
【図5】葉身窒素含有率測定装置の主要部の一部を破断した側面図である。
【図6】葉身窒素含有率測定装置の概略制御ブロック図である。
【図7】葉身窒素含有率測定装置の操作を示す一部拡大図である。
【図8】葉身窒素含有率測定装置と撮影による窒素含有率の関係図である。
【図9】本発明の補正による値を複数区画で示した図である。
【図10】作物葉と土壌の波長に対する反射率曲線である。
【図11】カメラにより得られた作物葉と土壌の受光データを表す図である。
【図12】入射光を測定する照度計を簡略に示した側断面図である。
【図13】自動施肥装置を示した側面図である。
【図14】自動施肥装置を圃場で利用するときの圃場平面図である。
【図15】本発明を実施するための装置を設置した耕作機械の側面図である。
【符号の説明】
1 圃場
2 カメラ
3 基準板
4 エリアセンサー
5 狭帯域フィルタ
6 フィルタホイール
7 集光レンズ
8 制御回路
9 ステッピングモータ
10 操作スイッチ
20 データ処理装置
21 A/D変換器
22 フレームメモリ
23 モニタ
24 画像処理ボード
25 I/Oポート
26 CPU
27 I/Fボート
28 ROM
29 RAM
30 葉身窒素含有率測定装置
31 本体
32 光源部
33 光量検出装置
34 LED
35 LED
36 狭帯域フィルタ
37 狭帯域フィルタ
38 拡散反射板
39 ブロック
40 反射光路
41 放射側
42 拡散透過板
43 測定葉
44 光量検出装置
45 腕
46 軸
47 コイルバネ
48 マイクロスイッチ
50 アナログボード
51 発光装置
52 I/Oボード
53 CPUボード
54 液晶表示器LCD
55 入力部
56 接続ポート
57 電源ボード
58 プリンタ
59 I/Fボード
60 ROM
61 RAM
70 自動施肥装置
71 肥料タンク
72 モータ
73 スクリュー
74 カメラ
75 耕作機械
76 脚部
77 ローラ
78 回転軸
79 プーリ
80 ベルト
81 ベルト
82 制御装置
83 モータ
90 圃場
91 レール
93 照度計
94 光電変換部
95 フィルタホイール
96 狭帯域フィルタ
97 ステッピングモータ
98 開口部
99 拡散ドーム
100 制御部
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17171299A JP3824201B2 (ja) | 1999-04-09 | 1999-06-17 | 作物の栄養診断方法 |
IDP20000489D ID26384A (id) | 1999-06-17 | 2000-06-14 | Metode diagnosa kondisi nutrisi dari panenan pada ladang tanaman |
US09/595,023 US6466321B1 (en) | 1999-06-17 | 2000-06-16 | Method of diagnosing nutritious condition of crop in plant field |
CN00121753A CN1286898A (zh) | 1999-06-17 | 2000-06-17 | 种植场中农作物营养状况的诊断方法 |
AU40910/00A AU771365B2 (en) | 1999-06-17 | 2000-06-19 | Method of diagnosing nutritious condition of crop in plant field |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10220499 | 1999-04-09 | ||
JP11-102204 | 1999-04-09 | ||
JP17171299A JP3824201B2 (ja) | 1999-04-09 | 1999-06-17 | 作物の栄養診断方法 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000350517A JP2000350517A (ja) | 2000-12-19 |
JP2000350517A5 true JP2000350517A5 (ja) | 2004-12-09 |
JP3824201B2 JP3824201B2 (ja) | 2006-09-20 |
Family
ID=26442938
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17171299A Expired - Lifetime JP3824201B2 (ja) | 1999-04-09 | 1999-06-17 | 作物の栄養診断方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3824201B2 (ja) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002360070A (ja) * | 2001-06-12 | 2002-12-17 | Kansai Electric Power Co Inc:The | 植物の活力度評価法 |
JP4140052B2 (ja) * | 2002-05-28 | 2008-08-27 | 株式会社サタケ | 作物の生育診断方法における画像の補正方法 |
JP5282215B2 (ja) * | 2005-03-31 | 2013-09-04 | 千春 本郷 | 楽曲生成装置,農水産業情報表現システム,トレーサビリティシステム,作業開始予告システム |
JP4873545B2 (ja) * | 2006-05-16 | 2012-02-08 | 株式会社日立ソリューションズ | 圃場管理支援方法及びシステム |
JP5145716B2 (ja) * | 2007-01-16 | 2013-02-20 | 株式会社サタケ | 作物情報を算出するリモートセンシングにおける検量線の作成方法 |
JP4991990B2 (ja) * | 2007-03-28 | 2012-08-08 | 静岡県 | 植物の生育段階判定方法及びシステム |
JP5534300B2 (ja) * | 2009-07-27 | 2014-06-25 | 株式会社サタケ | リモートセンシングの検量線の作成方法 |
JP6872137B2 (ja) * | 2016-08-17 | 2021-05-19 | ソニーグループ株式会社 | 信号処理装置および信号処理方法、並びにプログラム |
JP2021006819A (ja) * | 2020-10-01 | 2021-01-21 | マクセルホールディングス株式会社 | 植物情報取得システム、植物情報取得装置、植物情報取得方法、作物管理システムおよび作物管理方法 |
CN113692793A (zh) * | 2021-08-27 | 2021-11-26 | 淄博市农业科学研究院 | 一种中耕、除草、培土、变量施肥谷子田间作业机 |
-
1999
- 1999-06-17 JP JP17171299A patent/JP3824201B2/ja not_active Expired - Lifetime
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6466321B1 (en) | Method of diagnosing nutritious condition of crop in plant field | |
CN108376419B (zh) | 一种盆栽生菜的综合长势监测方法及装置 | |
CN1302277C (zh) | 田间作物营养诊断方法 | |
CN102565061B (zh) | 作物生物量无损检测图像采集处理装置及检测方法 | |
CN112964202A (zh) | 一种植物表型信息采集系统及提取方法 | |
US20060151680A1 (en) | Sensor and method of detecting the condition of a turf grass | |
EP3421973B1 (en) | Device and method for observing moisture in plants and cultivating device including said device for observing moisture | |
CN102081039A (zh) | 一种环境可控的作物营养水分高光谱图像检测装置 | |
EP3270120B1 (en) | Measurement method, measurement device, and program | |
JP2000350517A5 (ja) | ||
JP3824201B2 (ja) | 作物の栄養診断方法 | |
CN110554017A (zh) | 一种植物叶绿素荧光参数的校正方法和装置 | |
JP2006314215A (ja) | 移動体搭載用の生育度測定装置 | |
CN1218177C (zh) | 评估谷物品质的方法和其装置 | |
IT201900001891A1 (it) | Metodo per il monitoraggio di superfici vegetali | |
JP4305795B2 (ja) | 作物の診断方法 | |
JP4314683B2 (ja) | 作物の診断方法 | |
CN102628800A (zh) | 植物叶片叶绿素含量测量方法及系统 | |
CN107449775A (zh) | 一种植物表型测量装置及方法 | |
CN113358224A (zh) | 一种光谱反射率检测方法及系统 | |
CN108535200B (zh) | 叶菜类蔬菜叶片重金属镉的检测装置及方法 | |
US20100292955A1 (en) | Method and Apparatus for Measuring Microrelief of an Object | |
CN102608042A (zh) | 一种基于多光谱成像的体外过敏原定量检测装置及其方法 | |
CN105509658A (zh) | 一种叶面积指数检测方法 | |
RU2726257C1 (ru) | Установка для автоматического измерения параметров растений |