JP2000350517A - 作物の診断方法 - Google Patents

作物の診断方法

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JP2000350517A JP17171299A JP17171299A JP2000350517A JP 2000350517 A JP2000350517 A JP 2000350517A JP 17171299 A JP17171299 A JP 17171299A JP 17171299 A JP17171299 A JP 17171299A JP 2000350517 A JP2000350517 A JP 2000350517A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】作物の反射光量を測定して作物を診断するにあ
たり、測定位置、植栽密度の違いによって大きな誤差が
生じないように補正できる方法を備えて、作物情報の測
定が簡便であり且つ測定精度を向上した作物の診断方法
を提供する。 【解決手段】自然光に晒される圃場1内における一定面
積の作物から、窒素含有率等の作物情報に関連した光の
反射率をカメラ2で測定し、反射率から作物情報を求め
るために予め定めた第1の作物関係式から作物情報を求
めて第1の作物情報とし、同じ面積の作物葉身に光を照
射して光量を測定し、光量から作物情報を求めるために
予め定めた第2の作物関係式から作物情報を求めて第2
の作物情報とし、第1の作物情報と第2の作物情報との
差違を算出して、同じ圃場内における未知の一定面積の
作物から第1の作物情報を求め、該第1の作物情報を前
記差違に基づいて補正して、補正した第1の作物情報に
よって圃場作物の栄養を診断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】圃場で成育中の作物の反射光
から作物の窒素含有量等の作物情報を得て、作物の栄養
診断を行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】作物の窒素含有率、葉色値、窒素吸収
量、草丈あるいは乾物重などの作物情報を得るための従
来の第1の方法としては、デジタルカメラ等の受光手段
で、硫酸バリウム等を塗布した基準板と、更に作物が成
育する単位圃場(あるいはその一部)を撮影して、基準
板と圃場作物の反射光量を取得し、この基準板と作物の
反射光量によって作物の反射率を求め、求めた反射率
と、反射率から窒素含有率(窒素吸収量、葉色値、草
丈、乾物重)を求めるために予め定められた関係式とか
ら作物の窒素含有率(窒素吸収量、葉色値、草丈、乾物
重)を求め、成育日数対窒素量カーブに基づくその時期
の標準的な窒素量と比較して成育診断を行っていた。し
かし、圃場から得られる作物の反射光量は天候に左右さ
れるものである。また天候については基準板による補正
ができたとしても、測定方位、風、栽植密度は、反射率
から窒素含有率を求めるため予め定めた関係式を作成し
たときと同じ条件であることが必要で、この条件が異な
ったときの補正が必要であり、基準板を基準として反射
率を求めることだけで全て補正できたとは言い難く、実
際には、太陽高度、測定方位、栽植密度あるいは品種を
限定した上で測定を行っていた。
【0003】作物情報を得るための従来の第2の方法と
しては、作物の成育に基づいて増減する作物情報に関す
る波長の光、例えば可視光域から近赤外域に亘る光を作
物葉身に照射して、作物情報に関する波長の光に関して
得られた受光量と、受光量から作物情報、例えば葉身窒
素量を演算するために予め定めた窒素量関係式とから葉
身窒素量を測定する装置がある。この装置は圃場の作物
葉身の多くを測定して、精度の高い葉身窒素量を得るこ
とができる。しかし、圃場全体の作物情報を正確に把握
するためには、圃場全体にわたる細かい測定を不可欠と
するため大変面倒であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記第1の方法は、測
定は簡便ながら圃場から得られる作物の情報が測定位置
や植栽密度等に左右されるために、測定時間や測定位置
に制約が生じることから、簡便ながら精度の良い測定方
法とは言い難いものであった。また、第2の方法は、測
定に制約はなく測定精度が高く第1の方法より有利では
あるものの、測定が作物の葉身1葉ごとに行うことにな
り測定点数を多く必要とするという点から、測定時間を
多く要することが難点であった。
【0005】以上のことから、作物の反射光量を測定し
て作物情報を得るにあたり、測定位置、植栽密度の違い
によって大きな誤差が生じないように補正できる方法を
備えて、作物情報の測定が簡便であり且つ測定精度を向
上した作物の診断方法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では第1の方法と
して、自然光に晒される圃場内における一定面積の作物
から、作物の成育によって増減する作物情報に関連した
波長の光の反射率を測定し、該反射率と、反射率から一
定面積の作物情報を求めるために予め定めた第1の作物
関係式と、から作物情報を求めて第1の作物情報として
記憶し、同じ面積の作物葉身に光を照射して、作物の成
育によって増減する作物情報に関連した波長の透過また
は反射の少なくとも一方の光量を測定し、該光量と、光
量から作物情報を求めるために予め定めた第2の作物関
係式と、から作物情報を求めて第2の作物情報として記
憶し、第1の作物情報と第2の作物情報との差違を算出
して、同じ圃場内における未知の一定面積の作物から第
1の作物情報を求め、該第1の作物情報を前記差違に基
づいて補正して、補正した第1の作物情報によって圃場
作物の栄養を診断する診断方法により前記課題を解決す
るための手段とした。
【0007】予め第1の作物情報を得るために作物の反
射光を得て決定する第1の作物関係式を求めることは従
来から研究されており、また葉に光を照射して反射光を
得て決定する第2の作物情報を得るための第2の作物関
係式を求めることも従来から研究され実施されている。
したがってこれらを求めることは容易であり、本発明で
は、これら2つの有益な手法を効果的に組み合わせて、
それぞれから得られる第1の作物情報と第2の作物情報
との差違を求め、差違によって第1の作物情報を補正す
ることにより、天候的変化(天候、時刻、太陽の位置)
に伴う誤差だけでなく、これまで難しいとされた栽培的
な変化(測定方位、栽植密度)に伴う誤差を補正するこ
とができる。特に同一の圃場において複数箇所の栄養診
断を行うには、補正の決定が容易であることから最適で
ある。
【0008】以上のようにして決定された、第1の作物
情報と第2の作物情報との差違を記憶しておけば、第1
の作物情報を得た圃場内における未知の一定面積の作物
から第1の作物情報だけを求めれば、該第1の作物情報
と前記差違とによって第1の作物情報を補正することが
でき、栽植密度や測定方位による誤差を容易に補正でき
るだけでなく、補正値を持つことで装置としても実現可
能であり、装置にして容易な作物の診断方法とすること
ができる。
【0009】本発明では第2の方法として、自然光に晒
される圃場において、一定面積の作物から、作物の成育
によって増減する作物情報に関連した波長の光の反射率
を測定し、これを複数区画に分割した区画ごとの反射率
と、反射率から作物情報を求めるために予め定めた第1
の作物関係式と、から区画ごとの作物情報を求めて第1
の作物情報として記憶し、記憶した区画ごとの第1の作
物情報から少なくとも2区画の作物情報を選択し、圃場
の2区画に該当する作物葉身に光を照射して、作物の成
育によって増減する作物情報に関連した波長の透過また
は反射の少なくとも一方の光量を測定し、該光量と、光
量から作物情報を求めるために予め定めた第2の作物関
係式と、から前記2区画の作物情報を求めて第2の作物
情報として記憶し、第1の作物情報を第2の作物情報に
基づいて補正する補正換算式を決定して、補正換算式で
第1の作物情報を区画ごとに補正して第3の作物情報と
し、得られた第3の作物情報によって圃場作物の栄養を
診断する作物の診断方法とした。
【0010】前記第1の方法から更に厳密な補正を行う
ためにはこの第2の方法を適用する。即ち、第1の作物
情報を得て、この得た第1の作物情報を複数区画に分割
して、その複数区画の中から少なくとも2点のデータを
選択して、2点のデータの作物と同じ圃場の作物葉から
直接第2の作物情報を得ることにより、第1と第2の作
物情報の2点のデータでその相関関係を明らかにして補
正関係式を定め、これに基づいて複数区画の全ての値を
補正するものであり、補正関係式を求めるにあたり一定
範囲から複数の作物情報を得ることができ、更に補正関
係式によって第1の作物情報を広範囲に亘って補正する
ことができる。
【0011】以上の第1と第2の方法における補正とそ
の補正を適用した作物の診断は、単位圃場ごとに第1の
作物情報を得ることもでもよいし、単位圃場より小さく
任意に定めた単位面積ごとに第1の作物情報を得ること
でもよい。ここでいう単位圃場とは、通称「畦」で区切
られた1面の圃場を指している。
【0012】第3の方法として、自然光に晒される圃場
において、複数の区画ごとの作物から、作物の成育によ
って増減する作物情報に関連した波長の光の反射率を測
定し、該反射率と、反射率から作物情報を求めるために
予め定めた第1の作物関係式と、から区画ごとの作物情
報を求めて第1の作物情報として記憶し、記憶した区画
ごとの第1の作物情報から少なくとも2区画の作物情報
を選択し、圃場の2区画に該当する作物葉身に光を照射
して、作物の成育によって増減する作物情報に関連した
波長の透過または反射の少なくとも一方の光量を測定
し、該光量と、光量から作物情報を求めるために予め定
めた第2の作物関係式と、から前記2区画の作物情報を
求めて第2の作物情報として記憶し、第1の作物情報を
第2の作物情報に基づいて補正する補正換算式を決定し
て、補正換算式で第1の作物情報を区画ごとに補正して
第3の作物情報とし、得られた第3の作物情報によって
圃場作物の栄養を診断する作物の診断方法とした。
【0013】前記第2の方法と異なり、第3の方法は複
数区画の情報を個別に得る。その複数区画の中から少な
くとも2区画のデータを選択して、2区画のデータの作
物と同じ区画の作物葉から直接第2の作物情報を得るこ
とにより、第1と第2の作物情報の2点のデータでその
相関関係を明らかにして補正関係式を定め、これに基づ
いて複数区画の全ての値を補正するものであり、補正関
係式を求めるにあたり広い範囲から複数の作物情報を得
ることができ、更に補正関係式によって第1の作物情報
を広範囲に亘って補正することができる。
【0014】この第3の方法における区画は、単位圃場
を1区画として、複数の単位圃場から第1の作物情報を
得てもよいし、単位圃場内に設定した複数区画から区画
ごとに第1の作物情報を得てもよい。
【0015】前記第2の方法と第3の方法は、以上のよ
うに決定された、第1の作物関係式と補正換算式とを記
憶して、未知の圃場の作物葉身から反射率を測定し、第
1の作物関係式と補正換算式とにより第3の作物情報を
得ることができるので、以上の項目を制御装置の記憶部
に記憶して適宜読み出し演算することによって装置とし
て実現可能であり、装置による作物の診断が可能となる
だけでなく測定精度の向上した装置が提供できる。
【0016】また、第2と第3の方法における、複数区
画の中から選択する任意の2区画を、第1の作物情報の
うち最大値と最小値を示した区画とすることにより、第
1の作物情報と第2の作物情報の補正換算の直線が、余
のデータに関係なく上位と下位の2点で容易に決定でき
る。
【0017】作物情報は、様々想定できるが作物の栄養
診断を行うためには、葉の窒素含有量あるいは葉色値で
あることが最適であり、作物において、葉身の窒素量は
施肥の効果あるいはその適否が直ちに現れる部位である
ことから理解できる。
【0018】前記第1乃至第3の方法において、作物の
成育によって増減する作物情報に関連した波長の光の反
射率を測定するために、作物の反射光を複数の画素から
なる撮像素子により撮像し、作物に対応した反射光を受
光した画素を選択して、選択した画素の受光データに基
づいて反射率を測定し第1の作物情報を求める作物の診
断方法とした。デジタルカメラなどによる撮像手段から
得られる反射光が、植裁密度や撮像した対象圃場の大き
さ、つまり単位圃場の範囲であるのか1平方メートル程
度の範囲であるのかによって、撮像した反射光がすべて
作物から得られた反射光とは限らない。即ち、画素単位
で見ると作物以外からの反射光、例えば圃場の土の反射
光も含まれていることもある。したがって、所定範囲の
反射率となる画素だけを選択してこれを作物から得られ
た反射光として、この受光データに基づいて第1の作物
情報を求めるようにした。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明に係る測定装置について図
1から図3により説明する。ここでは作物として稲作を
例にして説明する。図1は圃場1の作物を撮像する一例
を示している。ここでは作物の成育する圃場1に向けて
作物の反射光を測定する受光装置となるカメラ2が設置
されている。圃場1は当然に自然光に晒されている。ま
た、白色の基準板3が圃場に設置してある。
【0020】図2で示すものはカメラ2の簡略なブロッ
ク図であり、カメラ2は例えば24万画素(600×4
00)程度の分解能を備えるエリアセンサー4を備えて
いる。カメラ2には、複数の狭帯域フィルタ5を備えた
フィルタホイール6があり、例えばフィルターホイール
6を回転させてフィルター5を切り換える。フィルタ5
を通過した光は光学手段として例えば集光レンズ7等を
介してエリアセンサー4によって受光される。フィルタ
ーホイール6は、制御回路8によって駆動制御されるス
テッピングモータ9によって回転する。更に制御回路8
はセンサ−4の受光信号をデータ処理装置20に送出す
る。先のエリアセンサー4はラインセンサーであっても
よい。
【0021】ここでフィルタ5は、例えば可視光域波長
の450,550,625,650,675,700n
mの中から適宜選択される。また近赤外域波長の75
0,850,950〜1300nmの中から適宜選択さ
れる。これらの波長は作物の葉の窒素含有率あるいは葉
色値の変化に伴って特徴的な変化を示す帯域を選択する
ことが必要である。したがって、フィルタは可視光域と
近赤外域の両方を用いてもよいし、一方だけを使用して
もよい。なお波長は本実施例に限定されない。図2では
4つのフィルターを示しているが、目的に応じて前記フ
ィルタを装着するものであり随時変更可能であるととも
に使用するフィルターの数を限定するものではない。制
御回路8には更に操作スイッチ10が接続され、操作ス
イッチ10には撮影を行うための撮影開始スイッチ10
a、撮影を停止するための撮影停止スイッチ10b、フ
ィルタを切り換えるフィルタ切り換えスイッチ10c、
撮影データを送出するデータ送信スイッチ10d及び電
源スイッチ10e等を備えている。
【0022】図3にデータ処理装置20のブッロク図を
示している。図3に示すデータ処理装置20は、エリア
センサ4の画像信号をデジタル信号に変換するアナログ
・デジタル変換器(以下「A/D変換器」という)21
と、A/D変換後の画像データを記憶するフレームメモ
リ22、画像データを視覚的に表示するモニタ23及び
画像処理ボード24を備え、これらは、インプットアウ
トプットポート(以下「I/Oポート」という)25を
介して画像データを演算処理するCPU26に連絡して
ある。また、インターフェースボード(以下「I/Fボ
ード」という)27を介して後述する葉身窒素量測定装
置30が接続してある。更に制御プログラム等を記憶し
た読み出し専用メモリ(以下「ROM」という)28
と、演算結果等を記憶して適宜読み出し可能な読み出し
書き込みメモリ(以下「RAM」という)29がCPU
26に接続されている。
【0023】さて、カメラ2の電源スイッチ10eを押
すと、エリアセンサー4によって像の反射信号が受光さ
れて画像信号となり、この画像信号はデータ送信スイッ
チ10dを押すことでデータ処理装置20に送出され
る。データ処理装置20では画像処理ボード24によっ
て処理されてモニター23に映し出される。モニター2
3で圃場1を確認しながらカメラ2の位置をセットして
撮影範囲を確定する。撮影範囲が確定したら、現在セッ
トされているフィルタ5を通して撮影開始スイッチ10
aを押して圃場1で成育する稲の葉を撮影し、次にフィ
ルタ切り換えスイッチ10cによって制御回路8からス
テッピングモータ9を回転させる信号が出力されフィル
タホイール6を回転させてフィルタ5を切り換えた後、
撮影スイッチ10aを押して撮影する。このようにして
フィルタ5を順次切り換えながら必要なフィルタ5ごと
に撮影は行われる。結果的に各フィルタ5ごとに画像信
号は作成される。ここでカメラ2のエリアセンサー4に
大容量の記憶素子がなければ、撮影の都度データ処理装
置20にデータを送信するようデータ送信スイッチ10
dを押す。
【0024】カメラ2のエリアセンサ4で受光する反射
光量は、基準板3の反射光量と圃場1の作物葉の反射光
量である。基準板3の反射光量を測定すると、自然光に
よる入射光量が演算できる。つまり反射率が既知の基準
板があれば、例えば基準板3の反射率を95%一定とし
て説明すると、基準板3の反射光を測定したときの光量
値をX、未知の自然光の光量をYとすれば、
【数1】Y=X/0.95 Y:自然光の光量,X:基準板の光量 によって自然光の光量Yが求まる。従って、測定した稲
の葉の反射光量をZとすれば
【数2】U=Z/Y U:稲の葉の反射率,Y:自然光の光量,Z:稲の葉の
反射光量 によって、稲の葉の反射率を求めることができる。この
反射率は稲の葉の窒素含有率を求めるために利用され
る。これら数式1と数式2はROM28に記憶してあ
る。前述の自然光量Yは次のようにして測定記憶され
る。カメラ2に備えてあるフィルタ5を切り換えてフィ
ルタごとに基準板3の反射光量を測定しデータ処理装置
20に送出して、データ処理装置20ではこれらをA/
D変換器21によってデジタル変換して数式1に基づい
て演算しRAM29に記憶する。即ち自然光量Yの値は
フィルタ5ごとに測定して記憶する。
【0025】カメラ2によってフィルタ5を切り換えて
フィルタごとに、圃場1のある範囲の稲の葉の反射光量
を受光してデータ処理装置20に送出し、データ処理装
置20では、A/D変換器21によって信号をデジタル
に変換し、フレームメモリ22に記憶する。CPU26
は、フレームメモリ22に記憶してあるフィルタ5ごと
の葉の反射光量について、各画素によって受光された受
光量の平均値を求めて、予めROM28に記憶された前
記数式2に基づいて反射率を演算してRAM29に記憶
する。これである範囲の、例えば1平方メートル範囲の
作物葉による反射率が記憶される。なおここで得られる
反射率は、カメラを圃場とほぼ同じ地面に設置した場合
に、カメラと圃場の前後距離に基づく圃場反射光のカメ
ラへの入射角度の違いから生じる入射光量の違いを補正
することが好ましい。
【0026】図4で示すものは、圃場1の作物葉を撮影
した24万画素のデータを更に複数の区画に分割して処
理する例を示している。例えば、カメラ2によってフィ
ルタ5を切り換えてフィルタごとに、圃場1のある範囲
の稲の葉の反射光量を受光してデータ処理装置20に送
出し、データ処理装置20では、A/D変換器21によ
って信号をデジタルに変換し、フレームメモリ22に記
憶する。CPU26は、フレームメモリ22に記憶して
あるフィルタ5ごとの葉の反射光量について、図4のよ
うに、左上から区画NO〜を決定し、区画内の各画
素によって受光された受光量の平均値を求めて、予めR
OM28に記憶された前記数式2に基づいて各区画ごと
の反射率を演算してRAM29に記憶する。1つのカメ
ラで受光できる範囲を、例えば1平方メートル程度とす
ると、1平方メートル内の9区画分の反射率が記憶され
る。モニター23には画像処理ボード24で処理された
画像が表示される。
【0027】RAM29には、複数のフィルタ5ごとの
受光範囲内の作物葉の反射率と、フィルタ5ごとに9区
画に処理されたそれぞれの作物葉の反射率とが記憶され
ている。このRAM29に記憶されたフィルタ5ごとの
反射率、あるいはフィルタ5ごとに9区画に処理した反
射率を説明変数にして、同じ受光範囲内、あるいは同じ
区画内で成育する葉を採取して、この葉の作物情報であ
る、例えば窒素含有率を直接化学分析することによっ
て、あるいは葉色値を直接葉の色を測定することによっ
て求め、この窒素含有率あるいは葉色値を目的変数とし
て、受光範囲内の作物葉の作物情報を求める関係式、9
区画ごとの作物葉の作物情報を求める関係式(第1の作
物関係式)を作成して、ROM28に記憶しておく。
【0028】更に詳説すると、仮に区画NOにおける
フィルタ1による反射率R1、フィルタ2による反射率
R2、フィルタ3による反射率R3、フィルタ4による
反射率R4が存在し、区画内の作物葉を化学分析して取
得した窒素含有率N1が存在するとき、
【数3】N1 = F0+F1・R1+F2・R2+F
3・R3+F4・R4 が成立するとすれば、複数の窒素含有率Nを測定するこ
とによって
【数4】 N1 = F0+F1・R11+F2・R21+F3・R31+F4・R41 N2 = F0+F1・R12+F2・R22+F3・R32+F4・R42 ・ ・ ・ ・ ・ ・ Nn = F0+F1・R1n+F2・R2n+F3・R3n+F4・R4n となって、これらを重回帰分析すれば、
【数5】N = F0+F1・R1+F2・R2+F3・
R3+F4・R4+C N:測定対象の窒素含有率,F0〜F4:定数,R1〜R
4:フィルタごとの反射率 C:補正値 として、関係式(第1の作物関係式)を求めることがで
きる。葉色値についても同様にして関係式を求めること
ができる。この数式5をROM28に記憶しておく。
【0029】このようにして数式1と数式2及び数式5
をROM28に記憶しておけば、カメラ2によって基準
板と受光範囲の稲の葉を撮影して、この画像信号をデー
タ処理装置20に送出すると、データ処理装置20で
は、第1の作物関係式に基づいて窒素含有率を演算する
ことができる。これによって、受光範囲内の稲の窒素含
有率あるいは各区画ごとの窒素含有率(第1の作物情
報)NO〜を求めることができる。図4に各区画に
記載された数値がこのとき求められた窒素含有率の一例
である。
【0030】次に、葉身窒素量測定装置30の実施例を
図5から図7により説明する。ここに示すものは、携帯
型窒素量測定装置(以下「測定装置」という)30の主
要部分を破断した側面図である。図5及び図6では、上
方の本体31内に光源部32と、下部に光量検出装置3
3としてのフォトダイオード(図示せず)とを設けた構
成となっている。光源部32は、同一円周上に異なる波
長ピークを持つ複数の発光素子であるLED34、35
を配設して、該LED34、35にはそれぞれ波長帯域
の異なる狭帯域フィルター36,37を設けてある。波
長帯域は500nm〜1100nmが好ましく、この波
長帯域から、求める葉身窒素量あるいは葉色値に関係す
る任意の特定波長の狭帯域フィルター36、37を選択
してある。各LED34、35の発光する光は、狭帯域
フィルター36、37によって特定波長の光となって、
光が反射する拡散反射板38に入射する。またこの拡散
反射板38へ各LED34、35の光線がほぼ一定の角
度で入射するようにブロック39が形成してある。
【0031】拡散反射板38により反射した光は、ブロ
ック39の中央に設けた反射光路40に入射し、反射光
路40の放射側41に設けた拡散透過板42に入射す
る。拡散反射板42は反射光路40の光軸と垂直に設け
られ、円形の磨りガラス状あるいは乳白色のガラスで形
成されている。反射光路40及び拡散反射板38とで囲
まれた空間を光が反射と拡散とを繰り返しながら反射光
路40から出て、拡散透過板42を経て測定葉43を介
して光量検出装置44に入射する。
【0032】さらに、光量検出装置32の上部外周に上
蓋31を繞設して、該上蓋31から延長した腕45は軸
46によって軸支されている。さらに、上蓋31が軸支
される軸46にはコイルバネ47を遊嵌してあり、常に
上蓋31を押し上げるように作用している。つまり、図
7で示すように、測定においては測定葉43を測定場所
に挿入し、上蓋31の上部を押し下げることで測定を可
能にしている。この測定のタイミングは、上蓋31を押
し下げることにより上蓋31の下方に設けた押し下げ突
起(図示せず)が、対向する位置に設けたマイクロスイ
ッチ48を押し下げることで、上蓋31を押し下げたこ
とを検知して測定(光の照射及び光量測定)が行なわれ
る。
【0033】次に、図5によって吸光度測定装置1のブ
ロック図を示し説明する。光源部32と、光量検出装置
33とからなる測定部で検出されるサンプル葉43の透
過光量は、光量検出装置44によってアナログの信号に
変換されアナログボード50に連絡されている。光源部
32にはLED34、35の発光装置51が設けてあ
る。アナログボード50ではアナログからデジタル信号
へのA/D変換をするか、あるいは電圧から周波数への
V/F変換を行う。変換された信号はI/Oボードを経
由して演算制御装置となるCPUボード53に入力され
る。前記I/Oボード52には、測定結果、演算結果あ
るいは操作指示を表示する液晶表示器LCD54、操作
を行う入力部55、外部装置とデータを入出力するRS
232Cの接続ポート56及びスイッチ48等を設けて
ある。これらCPUボード53とI/Oボード52には
電源ボード57から電源を供給するように接続してあ
る。また、プリンタ58はプリンタI/Fボード59を
介してCPUボード53に接続してある。更にCPUボ
ード53には、読み出し専用メモリ(以下「ROM」と
いう)60と読み出し書き込みメモリ(以下「RAM」
という)61が接続されている。ROM60には、圃場
別あるいは品種別の複数の検量線が記憶してある。この
検量線は、予め窒素含有率を測定した複数の葉に光を照
射して得られる複数の受光量から吸光度を算出し、この
吸光度を説明変数とし、複数の既知の窒素含有率を目的
変数として重回帰分析を行い、予め決定した窒素含有率
(第2の作物情報)を求める関係式(第2の作物関係
式)である。この重回帰分析については前述した数式5
を求める手順と説明が重複するので省略する。更にこの
ROM60には、測定装置30において、吸光度を測定
して窒素含有率などの品質を演算するための一連の、吸
光度の測定から演算と表示を実行するプログラム等が記
憶してある。
【0034】このように構成された測定装置30の作用
について以下に説明する。測定装置30にサンプル葉4
3を挿入して上蓋31を押し下げると、スイッチ48の
信号がCPUボ−ド53に連絡され、CPUボード53
からは発光制御装置51へ信号を出力して発光制御装置
51から光源部32へ発光信号が送られる。これによ
り、LED34、35からサンプル葉43に向けて光が
交互に照射される。このLED34、35から発光する
光は、狭帯域フィルタ−36、37によって近赤外域と
可視光域の特定波長の光となっており、前述した反射散
乱を繰り返して拡散透過板42から光量検出装置44に
到達するので積分球と同じ程度にサンプル葉43に均一
に照射される。
【0035】サンプル葉43に光が照射されると、その
透過光または反射光が光量検出装置44によりLED3
4,35ごとに受光され、該受光信号はA/D変換のた
めにアナログボード50に連絡される。アナログボード
50では、A/D変換を行い、次にI/Oボード52を
経由してCPUボード53に入力される。CPUボード
53においては、サンプル葉43の透過光又は反射光か
ら光の透過率あるいは吸光度を算出するようにしてあ
り、その値がRAM61に記憶される。RAM61に記
憶された吸光度と、ROM33に予め記憶された窒素含
有率を求める関係式とによって、測定した葉の窒素含有
率を演算することができる。入力部55には、測定装置
30の電源を投入する電源スイッチ55a、透過光測定
を可能にする測定スイッチ55b、ROM60に記憶し
た検量線(式)、あるいはRAM61に記憶した吸光度
あるいは透過光データや演算結果、サンプルNO等を読
み出す切り換え機能を備えた読み出しスイッチ55cを
備えている。
【0036】以下に本発明による特徴的な第1の実施例
について説明する。カメラ2によって、基準板3の反射
光と、自然光に晒される圃場1から稲の成育によって増
減する作物情報である、例えば窒素含有率に関連した波
長の反射光量とを測定する。図3乃至図4で示したよう
にデータ処理装置20においては、カメラ2で測定した
受光範囲内の葉の反射光量と、ROM28に記憶した受
光範囲内の反射率を求める数式2とによって反射率を演
算し、求めた反射率とROM28に記憶してある第1の
作物関係式とによって、第1の作物情報であるカメラ2
の受光範囲内の窒素含有率を得てRAM29に記憶す
る。
【0037】次に、カメラ2の受光範囲内で成育する稲
の葉の窒素含有率を測定し補正する場合について説明す
る。装置30で測定した稲の葉の窒素含有率(第2の作
物情報)は、直接稲の葉から得た測定値であり、測定方
位、植栽密度などの影響は受けていない。従って本発明
では第1の作物情報と第2の作物情報との差違を演算す
る。例えば先の測定で第1の作物情報が4.0%、装置
30の測定で第2の作物情報が3.0%であったとする
と、装置30の値を第2の作物情報としてRAM61に
記憶する。測定装置30の接続ポート56からデータ処
理装置20のI/Fボードを介して測定装置30で求め
た第2の作物情報をデータ処理装置20に送出してRA
M29に記憶する。装置20ではRAM29の第1の作
物情報と第2の作物情報の差違、−1%に基づいて第1
の作物情報に−1%を加えて3.0%と補正する。
【0038】つまり、この差違をあらためて補正値とし
てRAM29に記憶しておいて、他の受光範囲の作物葉
の反射光をカメラ2で測定し装置20で演算した値は、
すべて先の差違−1%を加えて補正する。これによっ
て、測定方位、栽植密度の影響を受けない測定がカメラ
2と装置20によって実現可能となる。しかも、RAM
29に補正値を記憶した後においては、少なくとも同じ
圃場における装置30による多くの測定は不要となり、
カメラ2による1度の測定で、これまでにない精度で測
定ができる。なお、測定装置30による窒素含有率の測
定は、圃場1内の作物葉すべてに対して行うことはな
く、圃場1内の代表作物葉の窒素含有率を測定すればよ
い。
【0039】次に本発明による特徴的な第2の実施例に
ついて説明する。カメラ2によって、基準板3の反射光
と、自然光に晒される圃場1から稲の成育によって増減
する作物情報である、例えば窒素含有率に関連した波長
の反射光量とを測定する。図3乃至図4で示したように
データ処理装置20において、カメラ2で測定したNO
〜NOの区画に分割した反射光量と、ROM28に
記憶した区画ごとの反射率を求める数式2とによって反
射率を演算し、求めた反射率とROM28に記憶してあ
る第1の作物関係式とによって、第1の作物情報である
区画ごとの窒素含有率を得てRAM29に記憶する。
【0040】次に測定者によってあるいは装置20によ
って、ここで得られた区画ごとの値の中から任意の2区
画の窒素含有量を選択し、好ましくは窒素含有率が最大
値と最小値となった区画を選択する。図4で選択した区
画、例えば最大値であるNOの4.2%の区画と、最
小値であるNOの2.4%の区画に該当する圃場の区
画で成育する稲の葉の窒素含有率を測定装置30で測定
する。ここで測定する窒素含有率は測定方位、植栽密度
などの影響は受けていない。
【0041】測定装置30では、前述したように圃場の
前記選択した2区画に該当する稲の葉身から直接、作物
の成育によって増減する作物情報である葉身窒素率に関
連した波長の光を照射して得られる受光量から、この例
では受光量を吸光度に換算して、該吸光度と、吸光度か
ら葉身窒素率を求めるために予め定めた第2の作物関係
式と、から前記2区画の窒素含有率が演算される。そし
て、NO区画が3.0%とNO7区画が2.4%と求
められ、この値を第2の作物情報としてRAM61に記
憶する。測定装置30の接続ポート56からデータ処理
装置20のI/Fボードを介して測定装置30で求めた
2区画の窒素含有率をデータ処理装置20に送出してR
AM29に記憶する。
【0042】RAM29に記憶した第2の作物情報であ
る2区画の窒素含有率に基づいて、同じくRAM29に
記憶した第1の作物情報(NO〜NOの窒素含有
率)を区画ごとに補正して第3の作物情報とすることに
ついて図8により説明する。図8に示すものは、横軸を
測定装置30で測定した窒素含有率(第2の作物情報)
とし、縦軸をデータ処理装置20で演算された窒素含有
率(第1の作物情報)とした図である。つまり測定装置
30による2区画の窒素含有率3.0%と2.4%と、
デ−タ処理装置20による2区画のNO4.2%とN
O3.6%の窒素含有率とによって作成した図であ
る。本発明では、このようにして、実際に直接、測定装
置30によって稲の葉身から測定した2区画の窒素含有
率と、カメラ2で測定した窒素含有率との関係からなる
単関数で表される直線によって相互関係を明らかにし
て、この単関数によってカメラ2で測定した窒素含有率
を補正するものである。ここではこの関数で表される直
線によって補正が行われ、この関数を補正換算式として
RAM29に記憶する。図8では具体的に、NOは
4.2から3.0に補正され、NOは3.6から2.
4に補正される。同じように2区画の相関によって決定
される補正換算式に基づいて他の区画の値も図9のよう
に補正される。これによって第3の作物情報が得られ
る。得られた第3の作物情報は、9区画の作物情報であ
るが、これから更に平均値を求めて、カメラで撮影した
範囲の1つの作物情報として取り扱うこともできる。な
お、補正係数として、2区画の代表値を使った単関数で
表されるものを示したが、この補正係数は、カメラで撮
影した全区画の作物情報を説明変数として、測定装置3
0で得られた全区画の作物情報を目的変数として得られ
る相関係数でもよく、線形、非線形に関係なく利用でき
る。
【0043】この後にカメラ2で測定された窒素含有率
は、データ処理装置20によってこの図8の補正換算式
に基づいてすべて補正することで、より測定精度の向上
した値として使用することができる。このことは、従来
測定装置30だけによって圃場の複数箇所の葉身窒素含
有率を求めていた方法と比較して、撮影という簡便な方
法によってより手早く回答を得ることができる。更に基
準板と圃場を撮影することによって作物の窒素含有率を
求めることが、今だ研究途中であることを考慮にいれる
と、測定精度の向上に大いに貢献できるものである。な
お、測定装置30による窒素含有率の測定は、圃場1内
の作物葉すべてに対して行うことはなく、圃場1内の代
表作物葉の窒素含有率を測定すればよい。
【0044】前記第1と第2の実施例における圃場1か
ら得られる作物情報は、対象物に対するカメラ2の位置
によって異なることは明らかである。即ちここでの圃場
1とは、通称「畦」で区切られた一面の圃場であっても
よいし、その一面の圃場よりも小さい面積であっても
い。補正値あるいは補正係数を定めるにあたってカメラ
によって得られた作物情報の情報源と測定装置30によ
って得られた作物情報の情報源が同じ圃場であることが
重要である。加えて第2の実施例における区画は、1度
の撮影によって得られる上記一面の圃場の作物情報を複
数区画に分割して行うこと、1度の撮影によって得られ
上記一面の圃場よりも小さい面積の作物情報を複数に分
割して行うこと、などはどちらでも自由であり、補正値
あるいは補正係数を定めるにあたって収集する作物情報
の情報源の同一性が重要である。
【0045】次に本発明による特徴的な第3の実施例に
ついて説明する。ここでは圃場1から複数区分に分割し
た情報を得る方法として、複数の区分と同じ数の反射光
量をカメラ2によって得ることである。つまり第2の実
施例と異なることは、複数の区分それぞれから個別にカ
メラ2によって作物情報を得ることである。このように
すると、第2の実施例の1度の撮影によって得られた一
面の圃場の作物情報を複数に分割したものよりも、区画
ごとの作物情報の量が増加するので、測定装置30によ
る作物情報との相関で決定される補正係数の精度が向上
するものである。このようにして得られた複数区分の作
物情報を利用した補正係数の決定を、複数区画から2区
画の作物情報、好ましくは最大値と最小値を示した区画
の作物情報を選択して補正係数を決定しROM28に記
憶すること等は前記した第2の実施例と説明が重複する
ので省略する。ここでの補正係数は、カメラで撮影した
全区画の作物情報を説明変数として、測定装置30で得
られた全区画の作物情報を目的変数として得られる相関
係数でもよく、線形、非線形に関係なく利用できること
は第2の実施例と同様である。
【0046】この後にカメラ2で測定された窒素含有率
は、データ処理装置20によってこの図8の補正換算式
に基づいてすべて補正することで、より測定精度の向上
した値として使用することができる。このことは、従来
測定装置30だけによって圃場の複数箇所の葉身窒素含
有率を求めていた方法と比較して、撮影という簡便な方
法によってより手早く回答を得ることができる。更に基
準板と圃場を撮影することによって作物の窒素含有率を
求めることが、今だ研究途中であることを考慮にいれる
と、測定精度の向上に大いに貢献できるものである。な
お、測定装置30による窒素含有率の測定は、圃場1内
の作物葉すべてに対して行うことはなく、圃場1内の代
表作物葉の窒素含有率を測定すればよい。
【0047】この第3の実施例における圃場1から得ら
れる作物情報は、対象物に対するカメラ2の位置によっ
て異なることは明らかである。即ちここでの圃場1と
は、通称「畦」で区切られた一面の圃場であってもよい
し、その一面の圃場よりも小さい面積であってもい。補
正係数を定めるにあたってカメラによって得られた作物
情報の情報源と測定装置30によって得られた作物情報
の情報源が同じ圃場の同じ区画であることが重要であ
る。加えて第3の実施例における区画は、1度の撮影に
よって上記一面の圃場の作物情報を1区画として捉える
こと、1度の撮影によって得られ上記一面の圃場よりも
小さい面積の作物情報を1区画として捉えること、など
はどちらでも自由であり、補正値あるいは補正係数を定
めるにあたって収集する作物情報の情報源の同一性が重
要である。
【0048】以上のことからカメラ2による測定は基準
板3を用いることで天候などの気象による誤差を補正
し、装置30の値を利用することで、測定方位、栽植密
度による誤差を補正することができる。つまり、装置3
0による補正を行うと、カメラ2の測定で基準板による
気象の誤差を補正した値を、同じカメラ2で測定した作
物葉から直接測定して得られた値で補正するので、装置
30の値で作物葉を直接測定した値は測定方位や栽植密
度に関係なく得られた値であることから、補正して最終
的に得られる値は、従来のカメラ2とデータ処理だけに
よる、いわゆるリモートセンシングに比べ多くの外的要
因に左右されない値となる。
【0049】上記第1乃至第3の実施例のカメラ2によ
る作物情報の収集において、カメラ2によって得られた
情報がすべて作物情報とは限らない。つまりカメラ2の
画素ごとにデータを検証すると、ほとんどが作物情報と
なるが、作物情報を得るためには自然と見下ろす状態で
作物情報を得るので、植裁密度によっては土壌を撮影し
ている可能性もある。したがって本発明では、作物情報
を受光した画素と作物情報以外の情報を受光した画素と
に分別して、作物情報を受光した画素の受光データのみ
を作物情報として取り入れることとした。
【0050】図10で示すものは、波長に対する土壌と
作物葉の反射率の変化を示した図である。波長750n
m〜1300nmにおいては、土壌の反射率に対して作
物葉の反射率が20%程度の差を生じることが判明して
いる。したがって、数式1と数式2によって得られる反
射率が、例えば40%を超える値を示したならば作物葉
の受光データとして扱い、この値を下回るものは作物葉
の受光データではないとしてキャンセルし、40%を超
えた受光データをそのまま利用し、あるいは区画ごとに
平均値を求めて利用し、カメラ2により得られた作物情
報として扱うようにした。例えば図11(a)のような複
数の画素に受光データが得られたとする。この場合、1
ピクセル単位で、斜め格子で表した部分を作物葉の反射
光で反射率40%以上、斜線で表した部分が作物葉以外
の土壌で反射率40%未満と演算されたとすれば、反射
率40%未満となる画素の受光データをキャンセルし
て、作物情報として有用なものは図11(b)の斜線部分
の画素から得られる受光データとなる。このように、本
発明では、カメラ2による作物情報と測定装置30によ
る作物情報とによる補正値あるいは補正係数の決定に、
カメラ2による受光データの選択を加えた。このように
すると、カメラ2で選択的に得られる情報は作物葉だけ
から得られる情報となり、測定装置30から得られる情
報は勿論、作物葉から直接測定したものであることから
して、カメラ2の作物情報と補正値あるいは補正係数に
よる作物の栄養診断を的確なものとすることができる。
【0051】カメラ2による作物葉の反射光測定に必要
な自然光(入射光)Yの値を、基準板の反射光を測定す
ることで得るとして説明してきたが、入射光の測定を照
度計の形式で行うことも可能である。図12に簡略にし
た照度計93を示す。近赤外域から可視光域の分光特性
を有する光電変換部(シリコンセンサー)94を備え、
光電変換部94に入射する光を選択する複数の狭帯域フ
ィルタ96を、ステッピングモータ97によって回転す
るフィルタホイール95の円周部に備えている。このフ
ィルタホイール95を回転させて複数のフィルタ96を
切り換えるようにしてある。光電変換部94の受光面側
(図面上部)には遮蔽板の開口部98を備えその上部に
拡散反射板で形成された拡散ドーム99が光電変換部9
4を中心として配置してある。光電変換部94とステッ
ピングモータ97は制御部100に連絡してあり、制御
部100は、ステッピングモータ97を回転させてフィ
ルタ96を切り換え、光電変換部94の信号を出力す
る。フィルタ96の種類は、カメラ2のフィルタ5と同
種類のものを備えている。制御部100はデータ処理装
置20(図3)のI/Oポート25に接続して制御され
る。フィルタ96には光を遮蔽するフィルタを備えてお
くことで、零点補正をフィルタ96の切り換えで可能と
なる。
【0052】データ処理装置20からの信号で、照度計
93の制御部100はフィルタ96を目的のフィルタ9
6に切り換えて、このとき拡散ドーム99から拡散反射
して入射する自然光の光量をフィルタ96を介して検出
し、この光電変換部94で検出した信号をデータ処理装
置20へ送信する。データ処理装置20は、照度計93
で得られた光量を入射光量Yとして数式2に代入するこ
とで、作物葉から得られた反射光量を反射率に演算する
ことができる。こ照度計93を使用する場合には、第1
の作物関係式は照度計93を入射光量としたときの反射
率に基づいて求めることになる。
【0053】以上の説明では、1つの圃場の一部分(1
平方メートル)をカメラ2で撮影することを前提に説明
したが、1つの圃場全体を撮影して同様に補正して、稲
の成育時期である幼穂形成期といった特定時期ごとに測
定することも可能であるし、前述のような圃場の一部を
測定する方法で補正するようにして、圃場の何カ所かを
1平方メートル単位で測定して、圃場全体の窒素含有量
を推定することも可能である。この方法は、品種別、地
域別(圃場別)の補正が行えるようにするとより効果的
である。つまり品種別、地域別といった複数の補正の検
量線をROM28に記憶しておくことにより、都度読み
出して使用できる。実施例でのカメラ2が24万画素程
度の解像度であり、これで圃場10アールから一度の撮影
で作物情報を得るとすれば、1平方メートル当たり25
0画素である。例えばこの程度の解像度が確保できるの
であれば、またカメラ2で撮影する手段は地上における
撮影の他、衛星による撮影情報を利用することも可能で
ある。加えて気球、ラジコン飛行装置(飛行機、ヘリ)
あるいは有人飛行機にカメラを搭載して撮影情報を得る
ことも可能である。
【0054】このようにして得られた圃場の窒素含有率
は、従来から稲においては、例えば幼穂形成期、減数分
裂期といった任意の成育時期における最適な窒素含有率
が、品種別や地域別に細かく研究され求められており、
本発明により求めた、補正した第1の作物情報や第3の
作物情報による窒素含有率と、従来研究で決定されてい
る作物の成育に伴い基準となる窒素含有率とを比較する
ことができ、基準と比較してその多少が明確になり、こ
の窒素含有量の多少に応じて今後の施肥量を決定するこ
とができる。なお、このことは葉色値においても同様の
ことが可能で、葉色値と葉身窒素含有率とは高い相関関
係にあり、両者は互いに似通った変化を示すことから、
以上説明した方法を葉色値に適用しても、本発明は実現
可能である。なお、図1から図3により説明した方法
は、窒素含有率、葉色値以外にも、作物の草丈、乾物
量、窒素吸収量にも適用可能であるし、稲以外の作物に
適用できる。
【0055】さて、このような方法を自動施肥に応用す
ることについて説明する。図13に示すものは、自動施
肥装置70であり、肥料タンク71とその下部にモータ
72によって回転するスクリュー73を備え、タンク7
1の側部には圃場作物の葉身から窒素含有率を測定する
ためのカメラ74と入射光を測定する照度計93が設け
てある。タンクを支持する脚部76と、脚部76にはタ
ンクを走行可能に回転するローラ77と、ローラ77の
回転軸78にはモータ83の駆動力を受動するプーリ7
9が設けられている。モータ72とスクリュー72には
ベルト80が、またモータ83とプーリ79にはベルト
81が巻回してある。またカメラ74とモータ72は制
御装置82に接続してある。これらの電源はバッテリー
等の蓄電池を使用しても良いし交流電源をケーブルで接
続しても良い。図14は、圃場90の平面図であり、こ
の圃場90にはこのような自動施肥装置70が走行する
レール91が適宜敷設してあり、ローラ77がレール9
1に沿って走行することで、自動施肥装置は、圃場90
に施肥を実施することができる。
【0056】この構成の動作を図3のデータ処理装置3
0を借りて説明する。制御装置76はデータ処理装置3
0と同等の構成でよく、ROM28内には、第1の作物
情報を得るための反射率演算に必要な前記数式1と数式
2と、第1の作物関係式(数式5)と、第3の作物情報
を得るための、2区画の相関によって決定された補正換
算式(図8)と成育の特定時期(施肥時期)における品
種別の標準窒素含有率および窒素含有率の差違に基づく
施肥量を演算する演算式が記憶してある。
【0057】動作を開始すると、自動施肥装置70は、
モータ83を駆動しプーリ79を回転させ一定速度でレ
ール91に沿って走行を開始する。走行を開始するとと
もにデータ処理装置30は照度計93から入射光を得
る。更にカメラ74から、視界中の情報である圃場を撮
影する。このように圃場90の反射光と照度計93の入
射光が得られると、照度計93の入射光とROM28の
数式2と圃場の反射光とによって圃場作物の反射率が演
算される。反射率が演算されると、ROM28の第1の
作物関係式によって第1の作物情報である窒素含有率が
演算される。第1の作物情報の窒素含有率が演算される
と、この値とROM28の補正換算式によって第3の作
物情報が演算される。ここで得られた第3の作物情報で
ある窒素含有率は、本発明を実施したと同等の精度の窒
素含有率とすることができる。
【0058】このようにして得られた窒素含有量は、R
OM28に記憶された公知の成育経過における特定時期
の窒素曲線(標準値)と比較され、現在の圃場における
窒素含有率を標準の窒素含有量と比較してその差違を演
算する。ここにおける比較は、成育経過中の特定時期、
例えば現在測定した時期が幼穂形成期であれば、幼穂形
成期における標準値と比較するということである。つま
り、この測定の前に測定時期を制御装置82に入力して
おくことが必要である。換言すれば、特定時期(施肥時
期)においてこの自動施肥装置70を使用するというこ
とでもある。さて、演算で求めた標準値との差違は、予
め差違に基づいて決定された施肥量に換算され、この施
肥量に基づいてモータ72の回転数を決定してモータ7
2を駆動する。当然のことながらモータ72の回転を増
加すると施肥量は増加し、モータ72の回転を減少させ
ると施肥量は減少する。またここで差違が生じない場合
でも、将来に向けて施肥は実施されるので、差違が生じ
ないときでも施肥は実施されることもある。
【0059】自動施肥装置70は、圃場90に敷設した
レール91上を走行するようにして説明したが、図15
で示すように、従来からある耕作機械93に自動施肥装
置70とカメラ74及び照度計93を耕作機械93の先
端に取り付けて使用することでも実現可能である。この
ようにすると、圃場が定型(四角)の形状でなくても、
走行直前の作物情報に応じて施肥が完了する。施肥は現
在でも作物葉の葉色や測定機器による葉身窒素量の測定
値と、経験に基づくこれら成育時期の基準値と比較し
て、経験的に施肥量が決定され、またこの施肥が機械化
されても、結果的に圃場全体へ平均的に施肥を行うのが
普通であるが、本発明を適用することにより施肥量が自
動的に演算されしかも圃場の部分部分に対応した施肥が
可能となる。
【0060】
【発明の効果】作物葉の反射光を測定し作物の窒素量を
演算して作物の栄養診断を行う簡便さと、作物葉に直接
光を照射して反射光あるいは透過光を測定して作物の窒
素量を演算して作物の栄養診断を行う精度の良さを兼ね
備えた作物の栄養診断を行うことができる。
【0061】また、簡便な、作物葉の反射光を測定し作
物の窒素量を演算して作物の栄養診断を行う方法におけ
る、測定方位、風による葉の揺らぎ、栽植密度の違い等
による測定誤差を、作物葉に直接光を照射して反射光あ
るいは透過光を測定して作物の窒素量を演算して作物の
栄養診断を行う精度の良さで補正することができるの
で、簡便な作物葉の反射光を測定して行う作物の栄養診
断の手法のままで、従来より信頼度の高い作物の栄養診
断が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】作物葉の反射光を測定するために圃場に設置し
たカメラと基準板の配置図である。
【図2】作物葉の反射光を測定するカメラの概略ブロッ
ク図である。
【図3】データ処理装置の概略ブロック図である。
【図4】圃場から得られる反射光を複数区画に分割して
示した窒素含有量である。
【図5】葉身窒素量測定装置の主要部の一部を破断した
側面図である。
【図6】葉身窒素量測定装置の概略制御ブロック図であ
る。
【図7】葉身窒素量測定装置の操作を示す図である。
【図8】葉身窒素量測定装置と撮影による窒素含有率の
関係図である。
【図9】本発明の補正による値を複数区画で示した図で
ある。
【図10】作物葉と土壌の波長に対する反射率曲線であ
る。
【図11】カメラにより得られた作物葉と土壌の受光デ
ータを表す図である。
【図12】入射光を測定する照度計を簡略に示した側断
面図である。
【図13】自動施肥装置を示した側面図である。
【図14】自動施肥装置を圃場で利用するときの圃場平
面図である。
【図15】本発明による装置を設置した耕作機械の側面
図である。
【符号の説明】
1 圃場 2 カメラ 3 基準板 4 エリアセンサー 5 狭帯域フィルタ 6 フィルタホイール 7 集光レンズ7 8 制御回路 9 ステッピングモータ 10 操作スイッチ10 20 データ処理装置 21 A/D変換器 22 フレームメモリ 23 モニタ 24 画像処理ボード 25 I/Oポート 26 CPU 27 I/Fボード 28 ROM 29 RAM 30 葉身窒素量測定装置 31 本体 32 光源部 33 光量検出装置 34 LED 35 LED 36 狭帯域フィルター 37 狭帯域フィルター 38 拡散反射板 39 ブロック 40 反射光路 41 放射側 42 拡散透過板 43 測定葉 44 光量検出装置 45 腕 46 軸 47 コイルバネ 48 マイクロスイッチ 50 アナログボード 51 発光装置 52 I/Oボード 53 CPUボード 54 液晶表示器LCD 55 入力部 56 接続ポート 57 電源ボード 58 プリンタ 59 I/Fボード 60 ROM 61 RAM 70 自動施肥装置 71 肥料タンク 72 モータ 73 スクリュー 74 カメラ 76 脚部 77 ローラ 78 回転軸 79 プーリ 80 ベルト 81 ベルト 82 制御装置 83 モータ 90 圃場 91 レール 93 照度計 94 光電変換部 95 フィルタホイール 96 狭帯域フィルタ 97 ステッピングモータ 98 開口部 99 拡散ドーム 100 制御部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年6月23日(2000.6.2
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 作物の診断方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】圃場で成育中の作物の反射光
から作物の窒素含有量等の作物情報を得て、作物の栄養
診断を行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】作物の窒素含有率、葉色値、窒素吸収
量、草丈あるいは乾物重などの作物情報を得るための従
来の第1の方法としては、デジタルカメラ等の受光手段
で、硫酸バリウム等を塗布した基準板と、更に作物が成
育する単位圃場(あるいはその一部)を撮影して、基準
板と圃場作物の反射光量を取得し、この基準板と作物の
反射光量によって作物の反射率を求め、求めた反射率
と、反射率から窒素含有率(窒素吸収量、葉色値、草
丈、乾物重)を求めるために予め定められた関係式とか
ら作物の窒素含有率(窒素吸収量、葉色値、草丈、乾物
重)を求め、成育日数対窒素量カーブに基づくその時期
の標準的な窒素量と比較して成育診断を行っていた。し
かし、圃場から得られる作物の反射光量は天候に左右さ
れるものである。また天候については基準板による補正
ができたとしても、測定方位、風、栽植密度は、反射率
から窒素含有率を求めるため予め定めた関係式を作成し
たときと同じ条件であることが必要で、この条件が異な
ったときの補正が必要であり、基準板を基準として反射
率を求めることだけで全て補正できたとは言い難く、実
際には、太陽高度、測定方位、栽植密度あるいは品種を
限定した上で測定を行っていた。
【0003】作物情報を得るための従来の第2の方法と
しては、作物の成育に基づいて増減する作物情報に関す
る波長の光、例えば可視光域から近赤外域に亘る光を作
物葉身に照射して、作物情報に関する波長の光に関して
得られた受光量と、受光量から作物情報、例えば葉身窒
素量を演算するために予め定めた窒素量関係式とから葉
身窒素量を測定する装置がある。この装置は圃場の作物
葉身の多くを測定して、精度の高い葉身窒素量を得るこ
とができる。しかし、圃場全体の作物情報を正確に把握
するためには、圃場全体にわたる細かい測定を不可欠と
するため大変面倒であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記第1の方法は、測
定は簡便ながら圃場から得られる作物の情報が測定位置
や植栽密度等に左右されるために、測定時間や測定位置
に制約が生じることから、簡便ながら精度の良い測定方
法とは言い難いものであった。また、第2の方法は、測
定に制約はなく測定精度が高く第1の方法より有利では
あるものの、測定が作物の葉身1葉ごとに行うことにな
り測定点数を多く必要とするという点から、測定時間を
多く要することが難点であった。
【0005】以上のことから、作物の反射光量を測定し
て作物情報を得るにあたり、測定位置、植栽密度の違い
によって大きな誤差が生じないように補正できる方法を
備えて、作物情報の測定が簡便であり且つ測定精度を向
上した作物の診断方法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では第1の方法と
して、自然光に晒される圃場内における一定面積の作物
から、作物の成育によって増減する作物情報に関連した
波長の光の反射率を測定し、該反射率と、反射率から一
定面積の作物情報を求めるために予め定めた第1の作物
関係式と、から作物情報を求めて第1の作物情報として
記憶し、同じ面積の作物葉身に光を照射して、作物の成
育によって増減する作物情報に関連した波長の透過また
は反射の少なくとも一方の光量を測定し、該光量と、光
量から作物情報を求めるために予め定めた第2の作物関
係式と、から作物情報を求めて第2の作物情報として記
憶し、第1の作物情報と第2の作物情報との差違を算出
して、同じ圃場内における未知の一定面積の作物の反射
率を測定し、該反射率と前記第1の作物関係式とから第
1の作物情報を求め、該第1の作物情報を前記差違に基
づいて補正して、補正した第1の作物情報によって未知
圃場作物の栄養を診断する診断方法により前記課題を
解決するための手段とした。
【0007】予め第1の作物情報を得るために作物の反
射光を得て決定する第1の作物関係式を求めることは従
来から研究されており、また葉に光を照射して反射光を
得て決定する第2の作物情報を得るための第2の作物関
係式を求めることも従来から研究され実施されている。
したがってこれらを求めることは容易であり、本発明で
は、これら2つの有益な手法を効果的に組み合わせて、
それぞれから得られる第1の作物情報と第2の作物情報
との差違を求め、差違によって第1の作物情報を補正す
ることにより、天候的変化(天候、時刻、太陽の位置)
に伴う誤差だけでなく、これまで難しいとされた栽培的
な変化(測定方位、栽植密度)に伴う誤差を補正するこ
とができる。特に同一の圃場において複数箇所の栄養診
断を行うには、補正の決定が容易であることから最適で
ある。
【0008】以上のようにして決定された、第1の作物
情報と第2の作物情報との差違を記憶しておけば、第1
の作物情報を得た圃場内における未知の一定面積の作物
から第1の作物情報だけを求めれば、該第1の作物情報
と前記差違とによって第1の作物情報を補正することが
でき、栽植密度や測定方位による誤差を容易に補正でき
るだけでなく、補正値を持つことで装置としても実現可
能であり、装置にして容易な作物の診断方法とすること
ができる。
【0009】本発明では第2の方法として、自然光に晒
される圃場において、一定面積の作物から、作物の成育
によって増減する作物情報に関連した波長の光の反射率
を測定し、これを複数区画に分割した区画ごとの反射率
と、反射率から作物情報を求めるために予め定めた第1
の作物関係式と、から区画ごとの作物情報を求めて第1
の作物情報として記憶し、記憶した区画ごとの第1の作
物情報から少なくとも2区画の作物情報を選択し、圃場
の2区画に該当する作物葉身に光を照射して、作物の成
育によって増減する作物情報に関連した波長の透過また
は反射の少なくとも一方の光量を測定し、該光量と、光
量から作物情報を求めるために予め定めた第2の作物関
係式と、から前記2区画の作物情報を求めて第2の作物
情報として記憶し、第1の作物情報を第2の作物情報に
基づいて補正する補正換算式を決定して、補正換算式で
複数区画の第1の作物情報を区画ごとに補正して第3の
作物情報とし、得られた第3の作物情報によって圃場作
物の栄養を診断する作物の診断方法とした。
【0010】前記第1の方法から更に厳密な補正を行う
ためにはこの第2の方法を適用する。即ち、第1の作物
情報を得て、この得た第1の作物情報を複数区画に分割
して、その複数区画の中から少なくとも2点のデータを
選択して、2点のデータの作物と同じ圃場の作物葉から
直接第2の作物情報を得ることにより、第1と第2の作
物情報の2点のデータでその相関関係を明らかにして補
正関係式を定め、これに基づいて複数区画の全ての第1
作物情報の値を補正して第3の作物情報とするものであ
り、補正関係式を求めるにあたり一定範囲から複数の作
物情報を得ることができ、更に補正関係式によって第1
の作物情報を広範囲に亘って補正することができる。
【0011】以上の第1と第2の方法における補正とそ
の補正を適用した作物の診断は、単位圃場ごとに第1の
作物情報を得ることもでもよいし、単位圃場より小さく
任意に定めた単位面積ごとに第1の作物情報を得ること
でもよい。ここでいう単位圃場とは、通称「畦」で区切
られた1面の圃場を指している。
【0012】第3の方法として、自然光に晒される圃場
において、複数の区画ごとの作物から、作物の成育によ
って増減する作物情報に関連した波長の光の反射率を測
定し、該反射率と、反射率から作物情報を求めるために
予め定めた第1の作物関係式と、から区画ごとの作物情
報を求めて第1の作物情報として記憶し、記憶した区画
ごとの第1の作物情報から少なくとも2区画の作物情報
を選択し、圃場の2区画に該当する作物葉身に光を照射
して、作物の成育によって増減する作物情報に関連した
波長の透過または反射の少なくとも一方の光量を測定
し、該光量と、光量から作物情報を求めるために予め定
めた第2の作物関係式と、から前記2区画の作物情報を
求めて第2の作物情報として記憶し、第1の作物情報を
第2の作物情報に基づいて補正する補正換算式を決定し
て、補正換算式で第1の作物情報を区画ごとに補正して
第3の作物情報とし、得られた第3の作物情報によって
圃場作物の栄養を診断する作物の診断方法とした。
【0013】前記第2の方法と異なり、第3の方法は複
数区画の情報を個別に得る。その複数区画の中から少な
くとも2区画のデータを選択して、2区画のデータの作
物と同じ区画の作物葉から直接第2の作物情報を得るこ
とにより、第1と第2の作物情報の2点のデータでその
相関関係を明らかにして補正関係式を定め、これに基づ
いて複数区画の全ての第1作物情報の値を補正するもの
であり、補正関係式を求めるにあたり広い範囲から複数
の作物情報を得ることができ、更に補正関係式によって
第1の作物情報を広範囲に亘って補正することができ
る。
【0014】この第3の方法における区画は、単位圃場
を1区画として、複数の単位圃場から第1の作物情報を
得てもよいし、単位圃場内に設定した複数区画から区画
ごとに第1の作物情報を得てもよい。
【0015】前記第2の方法と第3の方法は、以上のよ
うに決定された、第1の作物関係式と補正換算式とを記
憶して、未知の圃場の作物葉身から反射率を測定し、第
1の作物関係式と補正換算式とにより第3の作物情報を
得ることができるので、以上の項目を制御装置の記憶部
に記憶して適宜読み出し演算することによって装置とし
て実現可能であり、装置による作物の診断が可能となる
だけでなく測定精度の向上した装置が提供できる。
【0016】また、第2と第3の方法における、複数区
画の中から選択する任意の2区画を、第1の作物情報の
うち最大値と最小値を示した区画とすることにより、第
1の作物情報と第2の作物情報の補正換算の直線が、余
のデータに関係なく上位と下位の2点で容易に決定でき
る。
【0017】作物情報は、様々想定できるが作物の栄養
診断を行うためには、葉の窒素含有量あるいは葉色値で
あることが最適であり、作物において、葉身の窒素量は
施肥の効果あるいはその適否が直ちに現れる部位である
ことから理解できる。
【0018】前記第1乃至第3の方法において、作物の
成育によって増減する作物情報に関連した波長の光の反
射率を測定するために、作物の反射光を複数の画素から
なる撮像素子により撮像し、作物に対応した反射光を受
光した画素を選択して、選択した画素の受光データに基
づいて反射率を測定し第1の作物情報を求める作物の診
断方法とした。デジタルカメラなどによる撮像手段から
得られる反射光が、植裁密度や撮像した対象圃場の大き
さ、つまり単位圃場の範囲であるのか1平方メートル程
度の範囲であるのかによって、撮像した反射光がすべて
作物から得られた反射光とは限らない。即ち、画素単位
で見ると作物以外からの反射光、例えば圃場の土の反射
光も含まれていることもある。したがって、所定範囲の
反射率となる画素だけを選択してこれを作物から得られ
た反射光として、この受光データに基づいて第1の作物
情報を求めるようにした。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明に係る測定装置について図
1から図3により説明する。ここでは作物として稲作を
例にして説明する。図1は圃場1の作物を撮像する一例
を示している。ここでは作物の成育する圃場1に向けて
作物の反射光を測定する受光装置となるカメラ2が設置
されている。圃場1は当然に自然光に晒されている。ま
た、白色の基準板3が圃場に設置してある。
【0020】図2で示すものはカメラ2の簡略なブロッ
ク図であり、カメラ2は例えば24万画素(600×4
00)程度の分解能を備えるエリアセンサー4を備えて
いる。カメラ2には、複数の狭帯域フィルタ5を備えた
フィルタホイール6があり、例えばフィルターホイール
6を回転させてフィルター5を切り換える。フィルタ5
を通過した光は光学手段として例えば集光レンズ7等を
介してエリアセンサー4によって受光される。フィルタ
ーホイール6は、制御回路8によって駆動制御されるス
テッピングモータ9によって回転する。更に制御回路8
はセンサ−4の受光信号をデータ処理装置20に送出す
る。先のエリアセンサー4はラインセンサーであっても
よい。
【0021】ここでフィルタ5は、例えば可視光域波長
の450,550,625,650,675,700n
mの中から適宜選択される。また近赤外域波長の75
0,850,950〜1300nmの中から適宜選択さ
れる。これらの波長は作物の葉の窒素含有率あるいは葉
色値の変化に伴って特徴的な変化を示す帯域を選択する
ことが必要である。したがって、フィルタは可視光域と
近赤外域の両方を用いてもよいし、一方だけを使用して
もよい。なお波長は本実施例に限定されない。図2では
4つのフィルターを示しているが、目的に応じて前記フ
ィルタを装着するものであり随時変更可能であるととも
に使用するフィルターの数を限定するものではない。制
御回路8には更に操作スイッチ10が接続され、操作ス
イッチ10には撮影を行うための撮影開始スイッチ10
a、撮影を停止するための撮影停止スイッチ10b、フ
ィルタを切り換えるフィルタ切り換えスイッチ10c、
撮影データを送出するデータ送信スイッチ10d及び電
源スイッチ10e等を備えている。
【0022】図3にデータ処理装置20のブッロク図を
示している。図3に示すデータ処理装置20は、エリア
センサ4の画像信号をデジタル信号に変換するアナログ
・デジタル変換器(以下「A/D変換器」という)21
と、A/D変換後の画像データを記憶するフレームメモ
リ22、画像データを視覚的に表示するモニタ23及び
画像処理ボード24を備え、これらは、インプットアウ
トプットポート(以下「I/Oポート」という)25を
介して画像データを演算処理するCPU26に連絡して
ある。また、インターフェースボード(以下「I/Fボ
ード」という)27を介して後述する葉身窒素量測定装
置30が接続してある。更に制御プログラム等を記憶し
た読み出し専用メモリ(以下「ROM」という)28
と、演算結果等を記憶して適宜読み出し可能な読み出し
書き込みメモリ(以下「RAM」という)29がCPU
26に接続されている。
【0023】さて、カメラ2の電源スイッチ10eを押
すと、エリアセンサー4によって像の反射信号が受光さ
れて画像信号となり、この画像信号はデータ送信スイッ
チ10dを押すことでデータ処理装置20に送出され
る。データ処理装置20では画像処理ボード24によっ
て処理されてモニター23に映し出される。モニター2
3で圃場1を確認しながらカメラ2の位置をセットして
撮影範囲を確定する。撮影範囲が確定したら、現在セッ
トされているフィルタ5を通して撮影開始スイッチ10
aを押して圃場1で成育する稲の葉を撮影し、次にフィ
ルタ切り換えスイッチ10cによって制御回路8からス
テッピングモータ9を回転させる信号が出力されフィル
タホイール6を回転させてフィルタ5を切り換えた後、
撮影スイッチ10aを押して撮影する。このようにして
フィルタ5を順次切り換えながら必要なフィルタ5ごと
に撮影は行われる。結果的に各フィルタ5ごとに画像信
号は作成される。ここでカメラ2のエリアセンサー4に
大容量の記憶素子がなければ、撮影の都度データ処理装
置20にデータを送信するようデータ送信スイッチ10
dを押す。
【0024】カメラ2のエリアセンサ4で受光する反射
光量は、基準板3の反射光量と圃場1の作物葉の反射光
量である。基準板3の反射光量を測定すると、自然光に
よる入射光量が演算できる。つまり反射率が既知の基準
板があれば、例えば基準板3の反射率を95%一定とし
て説明すると、基準板3の反射光を測定したときの光量
値をX、未知の自然光の光量をYとすれば、
【数1】Y=X/0.95 Y:自然光の光量,X:基準板の光量 によって自然光の光量Yが求まる。従って、測定した稲
の葉の反射光量をZとすれば
【数2】U=Z/Y U:稲の葉の反射率,Y:自然光の光量,Z:稲の葉の
反射光量 によって、稲の葉の反射率を求めることができる。この
反射率は稲の葉の窒素含有率を求めるために利用され
る。これら数式1と数式2はROM28に記憶してあ
る。前述の自然光量Yは次のようにして測定記憶され
る。カメラ2に備えてあるフィルタ5を切り換えてフィ
ルタごとに基準板3の反射光量を測定しデータ処理装置
20に送出して、データ処理装置20ではこれらをA/
D変換器21によってデジタル変換して数式1に基づい
て演算しRAM29に記憶する。即ち自然光量Yの値は
フィルタ5ごとに測定して記憶する。
【0025】カメラ2によってフィルタ5を切り換えて
フィルタごとに、圃場1のある範囲の稲の葉の反射光量
を受光してデータ処理装置20に送出し、データ処理装
置20では、A/D変換器21によって信号をデジタル
に変換し、フレームメモリ22に記憶する。CPU26
は、フレームメモリ22に記憶してあるフィルタ5ごと
の葉の反射光量について、各画素によって受光された受
光量の平均値を求めて、予めROM28に記憶された前
記数式2に基づいて反射率を演算してRAM29に記憶
する。これである範囲の、例えば1平方メートル範囲の
作物葉による反射率が記憶される。なおここで得られる
反射率は、カメラを圃場とほぼ同じ地面に設置した場合
に、カメラと圃場の前後距離に基づく圃場反射光のカメ
ラへの入射角度の違いから生じる入射光量の違いを補正
することが好ましい。
【0026】図4で示すものは、圃場1の作物葉を撮影
した24万画素のデータを更に複数の区画に分割して処
理する例を示している。例えば、カメラ2によってフィ
ルタ5を切り換えてフィルタごとに、圃場1のある範囲
の稲の葉の反射光量を受光してデータ処理装置20に送
出し、データ処理装置20では、A/D変換器21によ
って信号をデジタルに変換し、フレームメモリ22に記
憶する。CPU26は、フレームメモリ22に記憶して
あるフィルタ5ごとの葉の反射光量について、図4のよ
うに、左上から区画NO〜を決定し、区画内の各画
素によって受光された受光量の平均値を求めて、予めR
OM28に記憶された前記数式2に基づいて各区画ごと
の反射率を演算してRAM29に記憶する。1つのカメ
ラで受光できる範囲を、例えば1平方メートル程度とす
ると、1平方メートル内の9区画分の反射率が記憶され
る。モニター23には画像処理ボード24で処理された
画像が表示される。
【0027】RAM29には、複数のフィルタ5ごとの
受光範囲内の作物葉の反射率と、フィルタ5ごとに9区
画に処理されたそれぞれの作物葉の反射率とが記憶され
ている。このRAM29に記憶されたフィルタ5ごとの
反射率、あるいはフィルタ5ごとに9区画に処理した反
射率を説明変数にして、同じ受光範囲内、あるいは同じ
区画内で成育する葉を採取して、この葉の作物情報であ
る、例えば窒素含有率を直接化学分析することによっ
て、あるいは葉色値を直接葉の色を測定することによっ
て求め、この窒素含有率あるいは葉色値を目的変数とし
て、受光範囲内の作物葉の作物情報を求める関係式、9
区画ごとの作物葉の作物情報を求める関係式(第1の作
物関係式)を作成して、ROM28に記憶しておく。
【0028】更に詳説すると、仮に区画NOにおける
フィルタ1による反射率R1、フィルタ2による反射率
R2、フィルタ3による反射率R3、フィルタ4による
反射率R4が存在し、区画内の作物葉を化学分析して取
得した窒素含有率N1が存在するとき、
【数3】N1 = F0+F1・R1+F2・R2+F
3・R3+F4・R4 が成立するとすれば、複数の窒素含有率Nを測定するこ
とによって
【数4】 N1 = F0+F1・R11+F2・R21+F3・R31+F4・R41 N2 = F0+F1・R12+F2・R22+F3・R32+F4・R42 ・ ・ ・ ・ ・ ・ Nn = F0+F1・R1n+F2・R2n+F3・R3n+F4・R4n となって、これらを重回帰分析すれば、
【数5】N = F0+F1・R1+F2・R2+F3・
R3+F4・R4+C N:測定対象の窒素含有率,F0〜F4:定数,R1〜R
4:フィルタごとの反射率 C:補正値 として、関係式(第1の作物関係式)を求めることがで
きる。葉色値についても同様にして関係式を求めること
ができる。この数式5をROM28に記憶しておく。
【0029】このようにして数式1と数式2及び数式5
をROM28に記憶しておけば、カメラ2によって基準
板と受光範囲の稲の葉を撮影して、この画像信号をデー
タ処理装置20に送出すると、データ処理装置20で
は、第1の作物関係式に基づいて窒素含有率を演算する
ことができる。これによって、受光範囲内の稲の窒素含
有率あるいは各区画ごとの窒素含有率(第1の作物情
報)NO〜を求めることができる。図4各区画に
記載された数値がこのとき求められた窒素含有率の一例
である。
【0030】次に、葉身窒素量測定装置30の実施例を
図5から図7により説明する。ここに示すものは、携帯
型窒素量測定装置(以下「測定装置」という)30の主
要部分を破断した側面図である。図5及び図6では、上
方の本体31内に光源部32と、下部に光量検出装置3
3としてのフォトダイオード(図示せず)とを設けた構
成となっている。光源部32は、同一円周上に異なる波
長ピークを持つ複数の発光素子であるLED34、35
を配設して、該LED34、35にはそれぞれ波長帯域
の異なる狭帯域フィルター36,37を設けてある。波
長帯域は500nm〜1100nmが好ましく、この波
長帯域から、求める葉身窒素量あるいは葉色値に関係す
る任意の特定波長の狭帯域フィルター36、37を選択
してある。各LED34、35の発光する光は、狭帯域
フィルター36、37によって特定波長の光となって、
光が反射する拡散反射板38に入射する。またこの拡散
反射板38へ各LED34、35の光線がほぼ一定の角
度で入射するようにブロック39が形成してある。
【0031】拡散反射板38により反射した光は、ブロ
ック39の中央に設けた反射光路40に入射し、反射光
路40の放射側41に設けた拡散透過板42に入射す
る。拡散透過板42は反射光路40の光軸と垂直に設け
られ、円形の磨りガラス状あるいは乳白色のガラスで形
成されている。反射光路40及び拡散反射板38とで囲
まれた空間を光が反射と拡散とを繰り返しながら反射光
路40から出て、拡散透過板42を経て測定葉43を介
して光量検出装置44に入射する。
【0032】さらに、光量検出装置32の上部外周に上
蓋31を繞設して、該上蓋31から延長した腕45は軸
46によって軸支されている。さらに、上蓋31が軸支
される軸46にはコイルバネ47を遊嵌してあり、常に
上蓋31を押し上げるように作用している。つまり、図
7で示すように、測定においては測定葉43を測定場所
に挿入し、上蓋31の上部を押し下げることで測定を可
能にしている。この測定のタイミングは、上蓋31を押
し下げることにより上蓋31の下方に設けた押し下げ突
起(図示せず)が、対向する位置に設けたマイクロスイ
ッチ48を押し下げることで、上蓋31を押し下げたこ
とを検知して測定(光の照射及び光量測定)が行なわれ
る。
【0033】次に、図によって吸光度測定装置1のブ
ロック図を示し説明する。光源部32と、光量検出装置
33とからなる測定部で検出されるサンプル葉43の透
過光量は、光量検出装置44によってアナログの信号に
変換されアナログボード50に連絡されている。光源部
32にはLED34、35の発光装置51が設けてあ
る。アナログボード50ではアナログからデジタル信号
へのA/D変換をするか、あるいは電圧から周波数への
V/F変換を行う。変換された信号はI/Oボードを経
由して演算制御装置となるCPUボード53に入力され
る。前記I/Oボード52には、測定結果、演算結果あ
るいは操作指示を表示する液晶表示器LCD54、操作
を行う入力部55、外部装置とデータを入出力するRS
232Cの接続ポート56及びスイッチ48等を設けて
ある。これらCPUボード53とI/Oボード52には
電源ボード57から電源を供給するように接続してあ
る。また、プリンタ58はプリンタI/Fボード59を
介してCPUボード53に接続してある。更にCPUボ
ード53には、読み出し専用メモリ(以下「ROM」と
いう)60と読み出し書き込みメモリ(以下「RAM」
という)61が接続されている。ROM60には、圃場
別あるいは品種別の複数の検量線が記憶してある。この
検量線は、予め窒素含有率を測定した複数の葉に光を照
射して得られる複数の受光量から吸光度を算出し、この
吸光度を説明変数とし、複数の既知の窒素含有率を目的
変数として重回帰分析を行い、予め決定した窒素含有率
(第2の作物情報)を求める関係式(第2の作物関係
式)である。この重回帰分析については前述した数式5
を求める手順と説明が重複するので省略する。更にこの
ROM60には、測定装置30において、吸光度を測定
して窒素含有率などの品質を演算するための一連の、吸
光度の測定から演算と表示を実行するプログラム等が記
憶してある。
【0034】このように構成された測定装置30の作用
について以下に説明する。測定装置30にサンプル葉4
3を挿入して上蓋31を押し下げると、スイッチ48の
信号がCPUボ−ド53に連絡され、CPUボード53
からは発光制御装置51へ信号を出力して発光制御装置
51から光源部32へ発光信号が送られる。これによ
り、LED34、35からサンプル葉43に向けて光が
交互に照射される。このLED34、35から発光する
光は、狭帯域フィルタ−36、37によって近赤外域と
可視光域の特定波長の光となっており、前述した反射散
乱を繰り返して拡散透過板42から光量検出装置44に
到達するので積分球と同じ程度にサンプル葉43に均一
に照射される。
【0035】サンプル葉43に光が照射されると、その
透過光または反射光が光量検出装置44によりLED3
4,35ごとに受光され、該受光信号はA/D変換のた
めにアナログボード50に連絡される。アナログボード
50では、A/D変換を行い、次にI/Oボード52を
経由してCPUボード53に入力される。CPUボード
53においては、サンプル葉43の透過光又は反射光か
ら光の透過率あるいは吸光度を算出するようにしてあ
り、その値がRAM61に記憶される。RAM61に記
憶された吸光度と、ROM33に予め記憶された窒素含
有率を求める関係式とによって、測定した葉の窒素含有
率を演算することができる。入力部55には、測定装置
30の電源を投入する電源スイッチ55a、透過光測定
を可能にする測定スイッチ55b、ROM60に記憶し
た検量線(式)、あるいはRAM61に記憶した吸光度
あるいは透過光データや演算結果、サンプルNO等を読
み出す切り換え機能を備えた読み出しスイッチ55cを
備えている。
【0036】以下に本発明による特徴的な第1の実施例
について説明する。カメラ2によって、基準板3の反射
光と、自然光に晒される圃場1から稲の成育によって増
減する作物情報である、例えば窒素含有率に関連した波
長の反射光量とを測定する。図3乃至図4で示したよう
にデータ処理装置20においては、カメラ2で測定した
受光範囲内の葉の反射光量と、ROM28に記憶した受
光範囲内の反射率を求める数式2とによって反射率を演
算し、求めた反射率とROM28に記憶してある第1の
作物関係式とによって、第1の作物情報であるカメラ2
の受光範囲内の窒素含有率を得てRAM29に記憶す
る。
【0037】次に、カメラ2の受光範囲内で成育する稲
の葉の窒素含有率を測定し補正する場合について説明す
る。装置30で測定した稲の葉の窒素含有率(第2の作
物情報)は、直接稲の葉から得た測定値であり、測定方
位、植栽密度などの影響は受けていない。従って本発明
では第1の作物情報と第2の作物情報との差違を演算す
る。例えば先の測定で第1の作物情報が4.0%、装置
30の測定で第2の作物情報が3.0%であったとする
と、装置30の値を第2の作物情報としてRAM61に
記憶する。測定装置30の接続ポート56からデータ処
理装置20のI/Fボードを介して測定装置30で求め
た第2の作物情報をデータ処理装置20に送出してRA
M29に記憶する。装置20ではRAM29の第1の作
物情報と第2の作物情報の差違、−1%に基づいて第1
の作物情報に−1%を加えて3.0%と補正する。
【0038】つまり、この差違をあらためて補正値とし
てRAM29に記憶しておいて、他の受光範囲の作物葉
の反射光をカメラ2で測定し装置20で演算した値は、
すべて先の差違−1%を加えて補正する。これによっ
て、測定方位、栽植密度の影響を受けない測定がカメラ
2と装置20によって実現可能となる。しかも、RAM
29に補正値を記憶した後においては、少なくとも同じ
圃場における装置30による多くの測定は不要となり、
カメラ2による1度の測定で、これまでにない精度で測
定ができる。なお、測定装置30による窒素含有率の測
定は、圃場1内の作物葉すべてに対して行うことはな
く、圃場1内の代表作物葉の窒素含有率を測定すればよ
い。
【0039】次に本発明による特徴的な第2の実施例に
ついて説明する。カメラ2によって、基準板3の反射光
と、自然光に晒される圃場1から稲の成育によって増減
する作物情報である、例えば窒素含有率に関連した波長
の反射光量とを測定する。図3乃至図4で示したように
データ処理装置20において、カメラ2で測定したNO
〜NOの区画に分割した反射光量と、ROM28に
記憶した区画ごとの反射率を求める数式2とによって反
射率を演算し、求めた反射率とROM28に記憶してあ
る第1の作物関係式とによって、第1の作物情報である
区画ごとの窒素含有率を得てRAM29に記憶する。
【0040】次に測定者によってあるいは装置20によ
って、ここで得られた区画ごとの値の中から任意の2区
画の窒素含有量を選択し、好ましくは窒素含有率が最大
値と最小値となった区画を選択する。図4で選択した区
画、例えば最大値であるNOの4.2%の区画と、最
小値であるNOの3.6%の区画に該当する圃場の区
画で成育する稲の葉の窒素含有率を測定装置30で測定
する。ここで測定する窒素含有率は測定方位、植栽密度
などの影響は受けていない。
【0041】測定装置30では、前述したように圃場の
前記選択した2区画に該当する稲の葉身から直接、作物
の成育によって増減する作物情報である葉身窒素率に関
連した波長の光を照射して得られる受光量から、この例
では受光量を吸光度に換算して、該吸光度と、吸光度か
ら葉身窒素率を求めるために予め定めた第2の作物関係
式と、から前記2区画の窒素含有率が演算される。そし
て、NO区画が3.0%とNO7区画が2.4%と求
められ、この値を第2の作物情報としてRAM61に記
憶する。測定装置30の接続ポート56からデータ処理
装置20のI/Fボードを介して測定装置30で求めた
2区画の窒素含有率をデータ処理装置20に送出してR
AM29に記憶する。
【0042】RAM29に記憶した第2の作物情報であ
る2区画の窒素含有率に基づいて、同じくRAM29に
記憶した第1の作物情報(NO〜NOの窒素含有
率)を区画ごとに補正して第3の作物情報とすることに
ついて図8により説明する。図8に示すものは、横軸を
測定装置30で測定した窒素含有率(第2の作物情報)
とし、縦軸をデータ処理装置20で演算された窒素含有
率(第1の作物情報)とした図である。つまり測定装置
30による2区画の窒素含有率3.0%と2.4%と、
デ−タ処理装置20による2区画のNO4.2%とN
O3.6%の窒素含有率とによって作成した図であ
る。本発明では、このようにして、実際に直接、測定装
置30によって稲の葉身から測定した2区画の窒素含有
率と、カメラ2で測定した窒素含有率との関係からなる
単関数で表される直線によって相互関係を明らかにし
て、この単関数によってカメラ2で測定した窒素含有率
を補正するものである。ここではこの関数で表される直
線によって補正が行われ、この関数を補正換算式として
RAM29に記憶する。図8では具体的に、NOは
4.2から3.0に補正され、NOは3.6から2.
4に補正される。同じように2区画の相関によって決定
される補正換算式に基づいて他の区画の値も図9のよう
に補正される。これによって第3の作物情報が得られ
る。得られた第3の作物情報は、9区画の作物情報であ
るが、これから更に平均値を求めて、カメラで撮影した
範囲の1つの作物情報として取り扱うこともできる。な
お、補正係数として、2区画の代表値を使った単関数で
表されるものを示したが、この補正係数は、カメラで撮
影した全区画の作物情報を説明変数として、測定装置3
0で得られた全区画の作物情報を目的変数として得られ
る相関係数でもよく、線形、非線形に関係なく利用でき
る。
【0043】この後にカメラ2で測定された窒素含有率
は、データ処理装置20によってこの図8の補正換算式
に基づいてすべて補正することで、より測定精度の向上
した値として使用することができる。このことは、従来
測定装置30だけによって圃場の複数箇所の葉身窒素含
有率を求めていた方法と比較して、撮影という簡便な方
法によってより手早く回答を得ることができる。更に基
準板と圃場を撮影することによって作物の窒素含有率を
求めることが、今だ研究途中であることを考慮にいれる
と、測定精度の向上に大いに貢献できるものである。な
お、測定装置30による窒素含有率の測定は、圃場1内
の作物葉すべてに対して行うことはなく、圃場1内の代
表作物葉の窒素含有率を測定すればよい。
【0044】前記第1と第2の実施例における圃場1か
ら得られる作物情報は、対象物に対するカメラ2の位置
によって異なることは明らかである。即ちここでの圃場
1とは、通称「畦」で区切られた一面の圃場であっても
よいし、その一面の圃場よりも小さい面積であっても
い。補正値あるいは補正係数を定めるにあたってカメラ
によって得られた作物情報の情報源と測定装置30によ
って得られた作物情報の情報源が同じ圃場であることが
重要である。加えて第2の実施例における区画は、1度
の撮影によって得られる上記一面の圃場の作物情報を複
数区画に分割して行うこと、1度の撮影によって得られ
上記一面の圃場よりも小さい面積の作物情報を複数に分
割して行うこと、などはどちらでも自由であり、補正値
あるいは補正係数を定めるにあたって収集する作物情報
の情報源の同一性が重要である。
【0045】次に本発明による特徴的な第3の実施例に
ついて説明する。ここでは圃場1から複数区分に分割し
た情報を得る方法として、複数の区分と同じ数の反射光
量をカメラ2によって得ることである。つまり第2の実
施例と異なることは、複数の区分それぞれから個別にカ
メラ2によって作物情報を得ることである。このように
すると、第2の実施例の1度の撮影によって得られた一
面の圃場の作物情報を複数に分割したものよりも、区画
ごとの作物情報の量が増加するので、測定装置30によ
る作物情報との相関で決定される補正係数の精度が向上
するものである。このようにして得られた複数区分の作
物情報を利用した補正係数の決定を、複数区画から2区
画の作物情報、好ましくは最大値と最小値を示した区画
の作物情報を選択して補正係数を決定しROM28に記
憶すること等は前記した第2の実施例と説明が重複する
ので省略する。ここでの補正係数は、カメラで撮影した
全区画の作物情報を説明変数として、測定装置30で得
られた全区画の作物情報を目的変数として得られる相関
係数でもよく、線形、非線形に関係なく利用できること
は第2の実施例と同様である。
【0046】この後にカメラ2で測定された窒素含有率
は、データ処理装置20によってこの図8の補正換算式
に基づいてすべて補正することで、より測定精度の向上
した値として使用することができる。このことは、従来
測定装置30だけによって圃場の複数箇所の葉身窒素含
有率を求めていた方法と比較して、撮影という簡便な方
法によってより手早く回答を得ることができる。更に基
準板と圃場を撮影することによって作物の窒素含有率を
求めることが、今だ研究途中であることを考慮にいれる
と、測定精度の向上に大いに貢献できるものである。な
お、測定装置30による窒素含有率の測定は、圃場1内
の作物葉すべてに対して行うことはなく、圃場1内の代
表作物葉の窒素含有率を測定すればよい。
【0047】この第3の実施例における圃場1から得ら
れる作物情報は、対象物に対するカメラ2の位置によっ
て異なることは明らかである。即ちここでの圃場1と
は、通称「畦」で区切られた一面の圃場であってもよい
し、その一面の圃場よりも小さい面積であってもい。補
正係数を定めるにあたってカメラによって得られた作物
情報の情報源と測定装置30によって得られた作物情報
の情報源が同じ圃場の同じ区画であることが重要であ
る。加えて第3の実施例における区画は、1度の撮影に
よって上記一面の圃場の作物情報を1区画として捉える
こと、1度の撮影によって得られ上記一面の圃場よりも
小さい面積の作物情報を1区画として捉えること、など
はどちらでも自由であり、補正値あるいは補正係数を定
めるにあたって収集する作物情報の情報源の同一性が重
要である。
【0048】以上のことからカメラ2による測定は基準
板3を用いることで天候などの気象による誤差を補正
し、装置30の値を利用することで、測定方位、栽植密
度による誤差を補正することができる。つまり、装置3
0による補正を行うと、カメラ2の測定で基準板による
気象の誤差を補正した値を、同じカメラ2で測定した作
物葉から装置30により直接測定して得られた値で補正
するので、装置30の値で作物葉を直接測定した値は測
定方位や栽植密度に関係なく得られた値であることか
ら、補正して最終的に得られる値は、従来のカメラ2と
データ処理だけによる、いわゆるリモートセンシングに
比べ多くの外的要因に左右されない値となる。
【0049】上記第1乃至第3の実施例のカメラ2によ
る作物情報の収集において、カメラ2によって得られた
情報がすべて作物情報とは限らない。つまりカメラ2の
画素ごとにデータを検証すると、ほとんどが作物情報と
なるが、作物情報を得るためには自然と見下ろす状態で
作物情報を得るので、植裁密度によっては土壌を撮影し
ている可能性もある。したがって本発明では、作物情報
を受光した画素と作物情報以外の情報を受光した画素と
に分別して、作物情報を受光した画素の受光データのみ
を作物情報として取り入れることとした。
【0050】図10で示すものは、波長に対する土壌と
作物葉の反射率の変化を示した図である。波長750n
m〜1300nmにおいては、土壌の反射率に対して作
物葉の反射率が20%程度の差を生じることが判明して
いる。したがって、数式1と数式2によって得られる反
射率が、例えば40%を超える値を示したならば作物葉
の受光データとして扱い、この値を下回るものは作物葉
の受光データではないとしてキャンセルし、40%を超
えた受光データをそのまま利用し、あるいは区画ごとに
平均値を求めて利用し、カメラ2により得られた作物情
報として扱うようにした。例えば図11(a)のような複
数の画素に受光データが得られたとする。この場合、1
ピクセル単位で、斜め格子で表した部分を作物葉の反射
光で反射率40%以上、斜線で表した部分が作物葉以外
の土壌で反射率40%未満と演算されたとすれば、反射
率40%未満となる画素の受光データをキャンセルし
て、作物情報として有用なものは図11(b)の斜線部分
の画素から得られる受光データとなる。このように、本
発明では、カメラ2による作物情報と測定装置30によ
る作物情報とによる補正値あるいは補正係数の決定に、
カメラ2による受光データの選択を加えた。このように
すると、カメラ2で選択的に得られる情報は作物葉だけ
から得られる情報となり、測定装置30から得られる情
報は勿論、作物葉から直接測定したものであることから
して、カメラ2の作物情報と補正値あるいは補正係数に
よる作物の栄養診断を的確なものとすることができる。
【0051】カメラ2による作物葉の反射光測定に必要
な自然光(入射光)Yの値を、基準板の反射光を測定す
ることで得るとして説明してきたが、入射光の測定を照
度計の形式で行うことも可能である。図12に簡略にし
た照度計93を示す。近赤外域から可視光域の分光特性
を有する光電変換部(シリコンセンサー)94を備え、
光電変換部94に入射する光を選択する複数の狭帯域フ
ィルタ96を、ステッピングモータ97によって回転す
るフィルタホイール95の円周部に備えている。このフ
ィルタホイール95を回転させて複数のフィルタ96を
切り換えるようにしてある。光電変換部94の受光面側
(図面上部)には遮蔽板の開口部98を備えその上部に
拡散反射板で形成された拡散ドーム99が光電変換部9
4を中心として配置してある。光電変換部94とステッ
ピングモータ97は制御部100に連絡してあり、制御
部100は、ステッピングモータ97を回転させてフィ
ルタ96を切り換え、光電変換部94の信号を出力す
る。フィルタ96の種類は、カメラ2のフィルタ5と同
種類のものを備えている。制御部100はデータ処理装
置20(図3)のI/Oポート25に接続して制御され
る。フィルタ96には光を遮蔽するフィルタを備えてお
くことでフィルタ96の切り換えで零点補正が可能と
なる。
【0052】データ処理装置20からの信号で、照度計
93の制御部100はフィルタ96を目的のフィルタ9
6に切り換えて、このとき拡散ドーム99から拡散反射
して入射する自然光の光量をフィルタ96を介して検出
し、この光電変換部94で検出した信号をデータ処理装
置20へ送信する。データ処理装置20は、照度計93
で得られた光量を入射光量Yとして数式2に代入するこ
とで、作物葉から得られた反射光量を反射率に演算する
ことができる。照度計93を使用する場合には、第1の
作物関係式は照度計93による測定値を入射光量とした
ときの反射率に基づいて求めることになる。
【0053】以上の説明では、1つの圃場の一部分(1
平方メートル)をカメラ2で撮影することを前提に説明
したが、1つの圃場全体を撮影して同様に補正して、稲
の成育時期である幼穂形成期といった特定時期ごとに測
定することも可能であるし、前述のような圃場の一部を
測定する方法で補正するようにして、圃場の何カ所かを
1平方メートル単位で測定して、圃場全体の窒素含有量
を推定することも可能である。この方法は、品種別、地
域別(圃場別)の補正が行えるようにするとより効果的
である。つまり品種別、地域別といった複数の補正の検
量線をROM28に記憶しておくことにより、都度読み
出して使用できる。実施例でのカメラ2が24万画素程
度の解像度であり、これで圃場10アールから一度の撮影
で作物情報を得るとすれば、1平方メートル当たり25
0画素である。例えばこの程度の解像度が確保できるの
であれば、またカメラ2で撮影する手段は地上における
撮影の他、衛星による撮影情報を利用することも可能で
ある。加えて気球、ラジコン飛行装置(飛行機、ヘリ)
あるいは有人飛行機にカメラを搭載して撮影情報を得る
ことも可能である。
【0054】このようにして得られた圃場の窒素含有率
は、従来から稲においては、例えば幼穂形成期、減数分
裂期といった任意の成育時期における最適な窒素含有率
が、品種別や地域別に細かく研究され求められており、
本発明により求めた、補正した第1の作物情報や第3の
作物情報による窒素含有率と、従来研究で決定されてい
る作物の成育に伴い基準となる窒素含有率とを比較する
ことができ、基準と比較してその多少が明確になり、こ
の窒素含有量の多少に応じて今後の施肥量を決定するこ
とができる。なお、このことは葉色値においても同様の
ことが可能で、葉色値と葉身窒素含有率とは高い相関関
係にあり、両者は互いに似通った変化を示すことから、
以上説明した方法を葉色値に適用しても、本発明は実現
可能である。なお、図1から図3により説明した方法
は、窒素含有率、葉色値以外にも、作物の草丈、乾物
量、窒素吸収量にも適用可能であるし、稲以外の作物に
適用できる。
【0055】さて、このような方法を自動施肥に応用す
ることについて説明する。図13に示すものは、自動施
肥装置70であり、肥料タンク71とその下部にモータ
72によって回転するスクリュー73を備え、タンク7
1の側部には圃場作物の葉身から窒素含有率を測定する
ためのカメラ74と入射光を測定する照度計93が設け
てある。タンクを支持する脚部76と、脚部76にはタ
ンクを走行可能に回転するローラ77と、ローラ77の
回転軸78にはモータ83の駆動力を受動するプーリ7
9が設けられている。モータ72とスクリュー72には
ベルト80が、またモータ83とプーリ79にはベルト
81が巻回してある。またカメラ74とモータ72は制
御装置82に接続してある。これらの電源はバッテリー
等の蓄電池を使用しても良いし交流電源をケーブルで接
続しても良い。図14は、圃場90の平面図であり、こ
の圃場90にはこのような自動施肥装置70が走行する
レール91が適宜敷設してあり、ローラ77がレール9
1に沿って走行することで、自動施肥装置は、圃場90
に施肥を実施することができる。
【0056】この構成の動作を図3のデータ処理装置3
0を借りて説明する。制御装置76はデータ処理装置3
0と同等の構成でよく、ROM28内には、第1の作物
情報を得るための反射率演算に必要な前記数式1と数式
2と、第1の作物関係式(数式5)と、第3の作物情報
を得るための、2区画の相関によって決定された補正換
算式(図8)と成育の特定時期(施肥時期)における品
種別の標準窒素含有率および窒素含有率の差違に基づく
施肥量を演算する演算式が記憶してある。
【0057】動作を開始すると、自動施肥装置70は、
モータ83を駆動しプーリ79を回転させ一定速度でレ
ール91に沿って走行を開始する。走行を開始するとと
もにデータ処理装置30は照度計93から入射光を得
る。更にカメラ74から、視界中の情報である圃場を撮
影する。このように圃場90の反射光と照度計93の入
射光が得られると、照度計93の入射光とROM28の
数式2と圃場の反射光とによって圃場作物の反射率が演
算される。反射率が演算されると、ROM28の第1の
作物関係式によって第1の作物情報である窒素含有率が
演算される。第1の作物情報の窒素含有率が演算される
と、この値とROM28の補正換算式によって第3の作
物情報が演算される。ここで得られた第3の作物情報で
ある窒素含有率は、本発明を実施したと同等の精度の窒
素含有率とすることができる。
【0058】このようにして得られた窒素含有量は、R
OM28に記憶された公知の成育経過における特定時期
の窒素曲線(標準値)と比較され、現在の圃場における
窒素含有率を標準の窒素含有量と比較してその差違を演
算する。ここにおける比較は、成育経過中の特定時期、
例えば現在測定した時期が幼穂形成期であれば、幼穂形
成期における標準値と比較するということである。つま
り、この測定の前に測定時期を制御装置82に入力して
おくことが必要である。換言すれば、特定時期(施肥時
期)においてこの自動施肥装置70を使用するというこ
とでもある。さて、演算で求めた標準値との差違は、予
め差違に基づいて決定された施肥量に換算され、この施
肥量に基づいてモータ72の回転数を決定してモータ7
2を駆動する。当然のことながらモータ72の回転を増
加すると施肥量は増加し、モータ72の回転を減少させ
ると施肥量は減少する。またここで差違が生じない場合
でも、将来に向けて施肥は実施されるので、差違が生じ
ないときでも施肥は実施されることもある。
【0059】自動施肥装置70は、圃場90に敷設した
レール91上を走行するようにして説明したが、図15
で示すように、従来からある耕作機械75の先端に自動
施肥装置70とカメラ74及び照度計93取り付けて
使用することでも実現可能である。このようにすると、
圃場が定型(四角)の形状でなくても、走行直前の作物
情報に応じて施肥が完了する。施肥は現在でも作物葉の
葉色や測定機器による葉身窒素量の測定値と、経験に基
づくこれら成育時期の基準値と比較して、経験的に施肥
量が決定され、またこの施肥が機械化されても、結果的
に圃場全体へ平均的に施肥を行うのが普通であるが、本
発明を適用することにより施肥量が自動的に演算されし
かも圃場の部分部分に対応した施肥が可能となる。
【0060】
【発明の効果】作物葉の反射光を測定し作物の窒素量を
演算して作物の栄養診断を行う簡便さと、作物葉に直接
光を照射して反射光あるいは透過光を測定して作物の窒
素量を演算して作物の栄養診断を行う精度の良さを兼ね
備えた作物の栄養診断を行うことができる。
【0061】また、簡便な、作物葉の反射光を測定し作
物の窒素量を演算して作物の栄養診断を行う方法におけ
る、測定方位、風による葉の揺らぎ、栽植密度の違い等
による測定誤差を、作物葉に直接光を照射して反射光あ
るいは透過光を測定して作物の窒素量を演算して作物の
栄養診断を行う精度の良さで補正することができるの
で、簡便な作物葉の反射光を測定して行う作物の栄養診
断の手法のままで、従来より信頼度の高い作物の栄養診
断が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】作物葉の反射光を測定するために圃場に設置し
たカメラと基準板の配置図である。
【図2】作物葉の反射光を測定するカメラの概略ブロッ
ク図である。
【図3】データ処理装置の概略ブロック図である。
【図4】圃場から得られる反射光を複数区画に分割して
示した窒素含有量である。
【図5】葉身窒素量測定装置の主要部の一部を破断した
側面図である。
【図6】葉身窒素量測定装置の概略制御ブロック図であ
る。
【図7】葉身窒素量測定装置の操作を示す図である。
【図8】葉身窒素量測定装置と撮影による窒素含有率の
関係図である。
【図9】本発明の補正による値を複数区画で示した図で
ある。
【図10】作物葉と土壌の波長に対する反射率曲線であ
る。
【図11】カメラにより得られた作物葉と土壌の受光デ
ータを表す図である。
【図12】入射光を測定する照度計を簡略に示した側断
面図である。
【図13】自動施肥装置を示した側面図である。
【図14】自動施肥装置を圃場で利用するときの圃場平
面図である。
【図15】本発明による装置を設置した耕作機械の側面
図である。
【符号の説明】 1 圃場 2 カメラ 3 基準板 4 エリアセンサー 5 狭帯域フィルタ 6 フィルタホイール 7 集光レンズ7 8 制御回路 9 ステッピングモータ 10 操作スイッチ10 20 データ処理装置 21 A/D変換器 22 フレームメモリ 23 モニタ 24 画像処理ボード 25 I/Oポート 26 CPU 27 I/Fボード 28 ROM 29 RAM 30 葉身窒素量測定装置 31 本体 32 光源部 33 光量検出装置 34 LED 35 LED 36 狭帯域フィルター 37 狭帯域フィルター 38 拡散反射板 39 ブロック 40 反射光路 41 放射側 42 拡散透過板 43 測定葉 44 光量検出装置 45 腕 46 軸 47 コイルバネ 48 マイクロスイッチ 50 アナログボード 51 発光装置 52 I/Oボード 53 CPUボード 54 液晶表示器LCD 55 入力部 56 接続ポート 57 電源ボード 58 プリンタ 59 I/Fボード 60 ROM 61 RAM 70 自動施肥装置 71 肥料タンク 72 モータ 73 スクリュー 74 カメラ 76 脚部 77 ローラ 78 回転軸 79 プーリ 80 ベルト 81 ベルト 82 制御装置 83 モータ 90 圃場 91 レール 93 照度計 94 光電変換部 95 フィルタホイール 96 狭帯域フィルタ 97 ステッピングモータ 98 開口部 99 拡散ドーム 100 制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 信彦 広島県東広島市西条西本町2番30号 株式 会社佐竹製作所内 Fターム(参考) 2B052 BB00 2G059 AA01 BB11 EE01 EE02 EE11 GG03 GG10 HH01 HH02 HH06 JJ02 JJ11 KK04 MM03 MM05 MM09 MM10 MM12 PP04

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自然光に晒される圃場内における一定面積
    の作物から、作物の成育によって増減する作物情報に関
    連した波長の光の反射率を測定し、該反射率と、反射率
    から作物情報を求めるために予め定めた第1の作物関係
    式と、から一定面積の作物情報を求めて第1の作物情報
    として記憶し、同じ面積の作物葉身に光を照射して、作
    物の成育によって増減する作物情報に関連した波長の透
    過または反射の少なくとも一方の光量を測定し、該光量
    と、光量から作物情報を求めるために予め定めた第2の
    作物関係式と、から作物情報を求めて第2の作物情報と
    して記憶し、第1の作物情報と第2の作物情報との差違
    を算出して、同じ圃場内における未知の一定面積の作物
    から第1の作物情報を求め、該第1の作物情報を前記差
    違に基づいて補正して、補正した第1の作物情報によっ
    て圃場作物の栄養を診断することを特徴とする作物の診
    断方法。
  2. 【請求項2】第1の作物情報と第2の作物情報との差違
    を記憶して、第1の作物情報を得た圃場内における未知
    の一定面積の作物から第1の作物情報を求め、該第1の
    作物情報と前記差違とによって第1の作物情報を補正す
    ることを特徴とする請求項1記載の作物の診断方法。
  3. 【請求項3】自然光に晒される圃場において、一定面積
    の作物から、作物の成育によって増減する作物情報に関
    連した波長の光の反射率を測定し、これを複数区画に分
    割した区画ごとの反射率と、反射率から作物情報を求め
    るために予め定めた第1の作物関係式と、から区画ごと
    の作物情報を求めて第1の作物情報として記憶し、記憶
    した区画ごとの第1の作物情報から少なくとも2区画の
    作物情報を選択し、圃場の2区画に該当する作物葉身に
    光を照射して、作物の成育によって増減する作物情報に
    関連した波長の透過または反射の少なくとも一方の光量
    を測定し、該光量と、光量から作物情報を求めるために
    予め定めた第2の作物関係式と、から前記2区画の作物
    情報を求めて第2の作物情報として記憶し、第1の作物
    情報を第2の作物情報に基づいて補正する補正換算式を
    決定して、補正換算式で第1の作物情報を区画ごとに補
    正して第3の作物情報とし、得られた第3の作物情報に
    よって圃場作物の栄養を診断することを特徴とする作物
    の診断方法。
  4. 【請求項4】単位圃場ごとに第1の作物情報を得ること
    を特徴とする請求項1または3記載の作物の診断方法。
  5. 【請求項5】単位圃場より小さく任意に定めた単位面積
    ごとに第1の作物情報を得ることを特徴とする請求項1
    または3記載の作物の診断方法。
  6. 【請求項6】自然光に晒される圃場において、複数の区
    画ごとの作物から、作物の成育によって増減する作物情
    報に関連した波長の光の反射率を測定し、該反射率と、
    反射率から作物情報を求めるために予め定めた第1の作
    物関係式と、から区画ごとの作物情報を求めて第1の作
    物情報として記憶し、記憶した区画ごとの第1の作物情
    報から少なくとも2区画の作物情報を選択し、圃場の2
    区画に該当する作物葉身に光を照射して、作物の成育に
    よって増減する作物情報に関連した波長の透過または反
    射の少なくとも一方の光量を測定し、該光量と、光量か
    ら作物情報を求めるために予め定めた第2の作物関係式
    と、から前記2区画の作物情報を求めて第2の作物情報
    として記憶し、第1の作物情報を第2の作物情報に基づ
    いて補正する補正換算式を決定して、補正換算式で第1
    の作物情報を区画ごとに補正して第3の作物情報とし、
    得られた第3の作物情報によって圃場作物の栄養を診断
    することを特徴とする作物の診断方法。
  7. 【請求項7】単位圃場を1区画とすることを特徴とする
    請求項6記載の作物の診断方法。
  8. 【請求項8】単位圃場内に複数区画を設定することを特
    徴とする請求項6記載の作物の診断方法。
  9. 【請求項9】第1の作物関係式と補正換算式とを記憶し
    て、未知の圃場の作物葉身から反射率を測定し、第1の
    作物関係式と補正換算式とにより第3の作物情報を得る
    ことを特徴とする請求項3または6記載の作物の診断方
    法。
  10. 【請求項10】2区画が、第1の作物情報のうち最大値
    と最小値を示した区画であることを特徴とする請求項
    3、6または9記載の作物の診断方法。
  11. 【請求項11】作物情報が窒素含有量であることを特徴
    とする請求項1、2、3、6または9記載の作物の診断
    方法。
  12. 【請求項12】作物情報が葉色値であることを特徴とす
    る請求項1、2、3、6または9記載の作物の診断方
    法。
  13. 【請求項13】作物の成育によって増減する作物情報に
    関連した波長の光の反射率を測定するために、作物の反
    射光を複数の画素からなる撮像素子により撮像し、作物
    に対応した反射光を受光した画素を選択して、選択した
    画素の受光データに基づいて反射率を測定し第1の作物
    情報を求めることを特徴とする請求項1、2、3、6ま
    たは9記載の作物の診断方法。
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