JP2001044891A - 相関器 - Google Patents

相関器

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JP2001044891A JP2000050148A JP2000050148A JP2001044891A JP 2001044891 A JP2001044891 A JP 2001044891A JP 2000050148 A JP2000050148 A JP 2000050148A JP 2000050148 A JP2000050148 A JP 2000050148A JP 2001044891 A JP2001044891 A JP 2001044891A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 速い演算速度が求められ、かつ、2値符号系
列の系列長が長い場合でも消費電力を低減できると共
に、2値の相関値を直接出力可能な相関器を提供する。 【解決手段】 所定の周期でサンプリングされるアナロ
グ入力信号x(i)は、乗算器11によって、対応する
2値符号系列の値“+1”または“−1”で乗算され
る。アナログ積分器12には、乗算器11からの出力信
号と、負帰還回路15からの出力信号とが入力される。
量子化器13は、上記のアナログ積分器12の出力信号
をN−レベルに量子化し、2値信号を出力する。2値の
出力信号は、デジタル遅延回路14にて単位時間だけ遅
延され、負帰還器に入力される。このように、信号の大
きさを減少させているので、アナログ積分器12を飽和
させることなく、積分容量の大きさを削減できると共
に、後段のブロックに適した2値の相関値を出力でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、入力信号
と符号系列との同期をとるための相関器、または、スペ
クトラム拡散通信方式などで拡散されたデータを復調す
る復調装置の相関器として好適に用いられるものであっ
て、入力信号と、符号系列との時間的相関値を算出する
相関器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の相関器として、例えば、図16に
示すようなスイッチドキャパシタ回路を用いて、アナロ
グ入力信号を2値信号に変換することなく、アナログ入
力信号Vinと2値符号系列a(i)との時間的相関を
示すアナログ信号Aoutを直接算出する構成の相関器
101が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の構成においては、2値符号系列の系列長が長くな
るに従って、相関値の演算が終了する前に飽和しないよ
うにするためには、積分容量C101の容量を増大させ
る必要があり、寄生容量を増大させてしまう。この結
果、所望の速度で演算するために、より大きな電力を消
費してしまう。
【0004】さらに、スペクトラム拡散通信方式で一般
的に用いられている受信機では、相関器101に追従す
るパス検索部、トラッキング制御部、rake受信部等
の機能ブロックは、2値回路で構成されている。この場
合、相関器101の出力信号Aoutは、これらの2値
回路を通過する前に2値信号に変換する必要がある。し
かしながら、この変換には、AD変換器等のコンバータ
が別途必要となり、消費電力をさらに増大させてしま
う。
【0005】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、速い演算速度が求められ、か
つ、符号系列の系列長が長くなった場合であっても、消
費電力を低減することができると共に、AD変換器を別
途要することなく、相関値をデジタル値で出力すること
ができる相関器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る相関器は、
入力信号と符号系列との時間的相関値を算出する相関器
であって、上記課題を解決するために、入力信号へ、符
号系列に応じた符号を乗算する乗算器と、アナログ積分
器と、アナログ積分器による積分値を量子化する量子化
器と、量子化器が出力するデジタル値を累算して、演算
結果を上記相関値として出力するデジタル累算器と、量
子化器が出力するデジタル値を極性の反転したアナログ
値に変換する負帰還器とを備え、上記アナログ積分器
は、上記負帰還器が出力する負帰還信号と、上記乗算器
の出力との和を積分することを特徴としている。
【0007】上記の構成では、量子化器と負帰還器とに
よって負帰還ループが構成されているので、負帰還ルー
プを持たない場合に比べて、アナログ積分器の積分値の
絶対値は小さくなる。したがって、符号系列の系列長が
長くなった場合でも、積分値を蓄積する積分容量の大き
さを増大することなく、アナログ積分器の出力の飽和を
防止できる。この結果、消費電力の小さな相関器を実現
できる。
【0008】また、符号系列の値全てに関する演算が終
了した時点で、デジタル累算器が出力するデジタル値
は、入力信号と符号系列との時間的相関値を示してい
る。したがって、アナログ積分器が出力する相関値をA
D変換する従来の構成とは異なり、相関器の後にAD変
換器を設けることなく、上記相関値を示すデジタル値を
出力できる。
【0009】ここで、従来のように、相関値をアナログ
値で出力した後で、デジタル値に変換する場合、最大の
アナログ値が量子化レベルの数と量子化間隔との積にな
るので、量子化レベルの数を増大させることが難しく、
演算精度の向上が難しい。さらに、電力消費の小さなA
DCは、構造の複雑な回路を使用しない限り、変換速度
が低下してしまう。
【0010】これに対して、本発明に係る相関器が出力
可能な量子化レベル数Lは、量子化器の量子化レベル数
をN、符号系列の長さをMとすると、(N−1)・M+
1となる。したがって、量子化器の量子化レベル数を増
大させなくても、符号系列が長くなるに従って、相関器
の量子化レベル数Lが増大する。この結果、例えば、相
関器の量子化レベル数L(例えば、64〜256など)
よりも小さな値(例えば、2や3など)に量子化器の量
子化レベル数Nを抑えることができ、簡単な回路で高精
度の相関値を出力できる。
【0011】また、本発明に係る他の相関器は、上記課
題を解決するために、アナログ積分器を備え、符号系列
により拡散されたベースバンド信号で変調された被変調
入力を受けて、拡散されたベースバンド信号と符号系列
に応じた値との時間的相関値を算出する相関器におい
て、さらに、入力信号へ、符号系列に応じた値と、キャ
リア周波数正弦波のサンプリング値との積を乗算する乗
算器と、アナログ積分器による積分値を量子化する量子
化器と、量子化器が出力するデジタル値を累算して、演
算結果を上記相関値として出力するデジタル累算器と、
量子化器が出力するデジタル値を極性の反転したアナロ
グ値に変換する負帰還器とを備え、上記アナログ積分器
は、上記負帰還器が出力する負帰還信号と、上記乗算器
の出力との和を積分することを特徴としている。
【0012】当該構成では、乗算器が、符号系列に応じ
た値とキャリア周波数正弦波のサンプリング値との積を
入力信号へ乗算し、デジタル累算器が、乗算器の出力を
積分した値をデジタル値で出力する。これにより、上記
被変調信号をベースバンド信号に復号できる。
【0013】さらに、上述の相関器と同様に、量子化器
と負帰還器とによって負帰還ループが構成されているの
で、乗算器が、符号系列に応じた値とキャリア周波数正
弦波のサンプリング値との積を入力信号へ乗算している
にも拘らず、アナログ積分器の出力の飽和を防止でき
る。
【0014】加えて、被変調信号からベースバンドへの
周波数変換も、上記負帰還ループ内に含まれているの
で、乗算器およびアナログ積分器が1つずつの場合であ
っても、周波数変換と逆拡散とを同時に行うことがで
き、量子化誤差を削減できる。
【0015】これらの結果、構成が簡略で、消費電力が
少なく、しかも、被変調信号からベースバンド信号へ復
号可能な相関器を実現できる。
【0016】なお、デジタル信号も、信号を伝える物理
量自体は、アナログ値なので、上記入力信号は、アナロ
グ信号でもよいし、デジタル信号でもよい。また、符号
系列は、多値でもよいし、2値でも多値でもよい。
【0017】さらに、上記量子化器は、2レベルに量子
化してもよいし、3レベルに量子化してもよい。あるい
は、4以上のレベルに量子化してもよい。いずれの場合
であっても、相関器の後段にADCを設ける場合より
も、量子化器の量子化レベル数Nを抑えることができ
る。
【0018】ところで、上記各構成の相関器の最大量子
化誤差は、上記量子化器の最大量子化誤差によって決ま
り、初期化しない場合であっても、量子化器の最大量子
化誤差の2倍未満に抑えられるが、より高精度な相関演
算が必要な場合には、さらに、以下の構成を備えている
方が望ましい。
【0019】具体的には、上記各構成に加えて、上記符
号系列の各周期の最初に、上記アナログ積分器の積分値
と上記量子化器の出力が示す値とが一致するように、両
者の少なくとも一方を調整する初期化手段を備えている
方が望ましい。
【0020】上記構成によれば、相関演算を開始する前
の時点において、上記アナログ積分器の積分値と上記量
子化器の出力が示す値とが一致する。したがって、両者
が異なる場合に比べて、相関器の最大量子化誤差を半減
でき、さらに演算精度を向上できる。
【0021】さらに、上記構成において、上記初期化手
段は、相関ダブルサンプリング(CDS: Correlated
Double Sampling )動作によって、上記アナログ積分器
の積分値を調整して、当該アナログ積分器のDCオフセ
ットおよび低周波ノイズをキャンセルする方が望まし
い。
【0022】上記構成によれば、上記初期化手段が、相
関ダブルサンプリング動作によって、上記アナログ積分
器の出力を所定の値に設定し、低周波ノイズをキャンセ
ルするので、さらに、演算精度を向上できる。
【0023】また、上記各構成において、上記入力信号
を積分する経路と、上記負帰還信号を積分する経路と
が、サンプリング容量を共用している方が望ましい。
【0024】上記構成によれば、両経路間でサンプリン
グ容量が共用されているので、それぞれのサンプリング
容量を別に設ける場合に比べて、占有面積が比較的大き
くなりがちな容量の個数を削減でき、集積度を向上でき
る。さらに、例えば、製造上のバラツキなどが発生した
場合であっても、両経路のサンプリング容量の大きさ
は、それぞれを別に設ける場合とは異なり、必ず一致す
る。この結果、両者の相違に起因する演算誤差を削減で
き、さらに演算精度を向上できる。
【0025】さらに、上記各構成に加えて、相関演算に
先立って、上記相関器のオフセット誤差を測定する測定
手段と、上記測定されたオフセット誤差に基づいて、当
該オフセット誤差をキャンセルするように、上記相関器
の演算結果を調整するオフセット補償手段とを備えてい
る方が望ましい。
【0026】なお、オフセット補償手段は、例えば、相
関器が算出した相関値からオフセット誤差を減算した
り、あるいは、予め、オフセット誤差に応じて上記デジ
タル累算器の初期値を調整するなどして、上記測定され
たオフセット誤差に基づいて、当該オフセット誤差をキ
ャンセルするように、上記相関器の演算結果を調整す
る。
【0027】当該構成では、実際に使用している相関器
に固有のオフセット誤差がキャンセルされるので、演算
精度を向上できる。
【0028】
【発明の実施の形態】〔第1の実施形態〕本発明の第1
の実施形態について、図1に基づき説明すると以下の通
りである。すなわち、本実施形態に係る相関器は、アナ
ログ入力信号と2値符号系列との時間的相関値をアナロ
グ積分器を用いて算出する際、量子化されたアナログ積
分器の出力をアナログ積分器へ負帰還する構成の相関
器、すなわち、リサイクリング積分相関器である。具体
的には、図1に示すように、サンプリングされたアナロ
グ入力信号x(i)と、当該2値符号系列中の対応する
値a(i)とを乗算する乗算器11と、乗算器11の出
力を積分するアナログ積分器12と、アナログ積分器1
2の出力を量子化する量子化器13と、量子化器13が
出力するデジタル値を所定の期間遅延させるデジタル遅
延回路14と、デジタル遅延回路14の出力をアナログ
積分器12の入力へ負帰還する負帰還回路15とを備え
ている。さらに、リサイクリング積分相関器1には、量
子化器13の出力するデジタル値を累算するデジタル累
算器16が設けられている。
【0029】上記構成によれば、時点t(i)でサンプ
リングされたアナログ入力信号x(i)は、乗算器11
によって、対応する2値符号系列の値a(i)、すなわ
ち、”+1”または”−1”で乗算される。一方、アナ
ログ積分器12には、乗算器11の出力信号x(i)・
a(i)と、負帰還回路15からの出力信号S(i)と
が入力され、両信号x(i)・a(i)およびS(i)
は、アナログ積分器12の前回の出力信号Y(i−1)
に加算される。したがって、アナログ積分器12のゲイ
ンをAとすると、時点t(i)に対応するアナログ積分
器12の出力Y(i)は、以下の式(1)に示すよう
に、 Y(i)=Y(i−1)+A・{a(i)・x(i)+S(i)} …(1) となる。
【0030】さらに、量子化器13は、アナログ積分器
12の出力信号Y(i)をNレベルに量子化して、デジ
タル値Q(i)を出力する。このデジタル値Q(i)
と、出力信号Y(i)との関係は、量子化間隔を正の数
D、最大の量子化誤差をΔ、量子化器13のゼロレベル
(オフセット)をZとすると、以下の式(2)に示すよ
うに、 |Y(i)−(Q(i)・D+Z)| < Δ …(2) となる。
【0031】また、デジタル遅延回路14は、上記量子
化器13が出力するデジタル値Q(i)を所定の時間間
隔遅延させ、負帰還回路15は、当該デジタル値Q
(i)を、次のサンプリング時点t(i+1)に対応す
る信号S(i+1)に変換する。上記デジタル遅延回路
14の遅延時間は、サンプリング時点t(i)に関する
演算によって得られた上記信号S(i+1)が、次のサ
ンプリング時点t(i+1)に対応する乗算器11の出
力信号x(i+1)・a(i+1)と演算されるように
設定されており、負帰還回路15の係数は、S(i+
1)=−(Q(i)・D+Z)/Aとなるように設定さ
れている。したがって、上式(1)は、以下の式(3)
に示すように、 Y(i)=Y(i−1)+A・a(i)・x(i) −(Q(i−1)・D+Z) …(3) となる。
【0032】ここで、本実施形態に係るリサイクリング
積分相関器1は、負帰還ループを有するリサイクリング
積分器相関器なので、アナログ積分器12の出力信号Y
(i)は、従来の構成、すなわち、アナログ入力信号x
(i)と2値符号系列の値a(i)とを積和演算した値
〔Y(i−1)+A・a(i)・x(i)〕を出力する
構成に比べて、出力信号の大きさ(絶対値)が小さくな
っている。したがって、アナログ積分器12の出力の飽
和を防止するために必要な積分容量の大きさを削減でき
る。この結果、2値符号系列の系列長Mが、例えば12
8以上と長くなっても、アナログ積分器12の消費電力
を増大させることなく、演算速度を向上できる。
【0033】また、符号長Mの2値符号系列全体(a
(1)〜a(M))と、それに対応するアナログ入力信
号(x(1)〜x(M))とを演算した時点のアナログ
積分器12の出力Y(M)は、以下の式(4)に示すよ
うに、
【0034】
【数1】
【0035】となり、さらに、式(4)を変形すれば、
以下の式(5)に示すように、
【0036】
【数2】
【0037】が得られる。
【0038】ここで、上述の式(2)が成立しているの
で、上記式(5)から、以下の式(6)に示すように、
【0039】
【数3】
【0040】が成立する。したがって、デジタル累算器
16が出力するデジタル値、すなわち、量子化器13の
出力値Q(i)をi=1からMまで累算した値ΣQ
(i)は、アナログ相関値Σa(i)・x(i)を量子
化した値のインデックスとなり、量子化誤差は、2・Δ
/|A|未満に抑えられる。なお、ΣQ(i)は、(N
−1)・M+1個の値を取り、量子化間隔は、D/|A
|である。
【0041】この結果、本実施形態に係るリサイクリン
グ積分相関器1は、負の帰還ループによって、上述した
アナログ積分器12の出力の飽和を防止できるだけでは
なく、相関器の後段にADC( Analog Digital Conver
ter )を設けずに、相関値を直接デジタル値Doutで
出力できる。
【0042】ところで、スペクトラム拡散通信方式で一
般的に用いられている受信器では、相関器に追従するパ
ス検索部、トラッキング制御部、rake受信部などの
機能ブロックは、2値回路で構成されている。したがっ
て、相関器の出力信号は、これらの2値回路を通過する
前に2値信号に変換する必要がある。この変換によっ
て、解像度、ダイナミックレンジおよび変換速度などの
事項に関連する問題が発生し、ADCは、これらの事項
において、性能上の仕様を満たすだけの能力を持つ必要
がある。さらに、変換には、相関器とは別にADCが必
要になり、消費電力が増大してしまう。
【0043】これに対して、本実施形態では、リサイク
リング積分相関器1の量子化誤差は、量子化器13の量
子化誤差によって決定される。さらに、リサイクリング
積分相関器1が出力可能な量子化レベル数は、積分回数
が系列長Mなので、量子化器13の量子化レベル数をN
とすると、(N−1)・M+1となる。したがって、リ
サイクリング積分相関器1の量子化レベル数は、量子化
器13の量子化レベル数を増大させなくても、系列長M
が長くなるに従って増大する。したがって、系列長Mの
増大に伴って、アナログ積分器12の積分容量を増大さ
せることなく、量子化レベル数を増大できる。
【0044】また、デジタル累算器16は、2値符号系
列の値a(i)毎に、量子化器13の出力値Q(i)を
累算しているだけなので、相関器の後段に逐次比較型の
ADCを設ける場合よりも、高速に相関値を示すデジタ
ル値Doutを出力できる。
【0045】さらに、上記構成において、上記アナログ
積分器12の出力Y(0)、および、量子化器13が出
力するデジタル値Q(0)は、相関値の演算処理開始時
点において、Y(0)=Q(0)・D+Zの関係を満た
す方が望ましい。この場合、上式(5)および式(6)
は、以下の式(7)および式(8)に示すように、
【0046】
【数4】
【0047】となる。この結果、リサイクリング積分相
関器1の量子化誤差は、Δ/|A|未満となり、上記関
係が保証されない場合、すなわち、式(5)および式
(6)の場合に比べて、量子化誤差を半減できる。
【0048】〔第2の実施形態〕以下の実施形態では、
上記リサイクリング積分相関器1の具体的な構成につい
て、図2〜図4に基づき説明する。すなわち、本実施形
態に係るリサイクリング積分相関器1aでは、図2に示
すように、アナログ積分器12として、スイッチドキャ
パシタ型のアナログ積分器12aが使用されており、量
子化器13aは、アナログ積分器12aの出力信号Y
(i)を3レベルに量子化する。
【0049】具体的には、上記アナログ積分器12a
は、MOSオペアンプAMP1と、MOSオペアンプA
MP1の反転入力端子と出力端子との間に設けられた積
分容量C1と、サンプリング期間中、アナログ入力信号
に応じた電荷が蓄積されるサンプリング容量C11とを
備えている。上記サンプリング容量C11の一端には、
サンプリングスイッチSW11を介して、アナログ入力
信号を示す電圧Vinが印加され、他端には、サンプリ
ングスイッチSW11に連動するサンプリングスイッチ
SW12を介して、基準電圧Vrefが印加される。
【0050】また、上記サンプリング容量C11のサン
プリングスイッチSW11側の端部と、上記MOSオペ
アンプAMP1の反転入力端子との間には、スイッチS
W13が設けられており、上記サンプリング容量C11
のサンプリングスイッチSW12側端部と、上記MOS
オペアンプAMP1の非反転入力端子との間には、上記
スイッチSW13に連動するスイッチSW14が設けら
れている。なお、上記MOSオペアンプAMP1の非反
転入力端子には、上記基準電圧Vrefが印加されてい
る。また、上記各スイッチSW11〜SW14、あるい
は、後述する他のスイッチは、例えば、MOSトランジ
スタや、相補構造のMOSトランジスタなどによって実
現される。
【0051】加えて、上記MOSオペアンプAMP1
と、上記両スイッチSW13・SW14との間には、乗
算器11aとして、マルチプレクサSW15・SW16
が設けられている。なお、当該マルチプレクサSW15
・SW16が特許請求の範囲に記載の第1マルチプレク
サに対応し、上記サンプリング容量C11が第1サンプ
リング容量に対応する。
【0052】より詳細には、マルチプレクサSW15の
共通接点は、MOSオペアンプAMP1の反転入力端子
に接続されており、個別接点の1つは、上記スイッチS
W13に、他の個別接点は、上記スイッチSW14に接
続されている。同様に、マルチプレクサSW16の共通
接点は、MOSオペアンプAMP1の非反転入力端子に
接続されており、各個別接点は、上記スイッチSW13
またはSW14に接続されている。両マルチプレクサS
W15・SW16は、上記制御信号C_PNに応じて、
連動して動作しており、2値符号系列の値a(i)が”
+1”の場合(制御信号C_PNが「H」レベルの場
合)、スイッチSW15は、スイッチSW14と上記反
転入力端子とを接続し、スイッチSW16は、スイッチ
SW13と上記非反転入力端子とを接続する。これとは
逆に、2値符号系列の値a(i)が”−1”の場合(制
御信号C_PNが「L」レベルの場合)、スイッチSW
15によって、スイッチSW13と上記反転入力端子と
が接続され、スイッチSW16によって、スイッチSW
14と上記非反転入力端子とが接続される。
【0053】上記各スイッチSW11〜SW14は、図
4の示すタイミングで、図示しないタイミング制御回路
から与えられ、サンプリングあるいは積分のタイミング
を示す周期クロックである制御信号C_SP1あるいは
C_IT1によって導通/遮断が制御され、マルチプレ
クサSW15・SW16は、タイミング制御回路からの
制御信号C_PNで指示された側を選択する。
【0054】これにより、スイッチSW11・SW12
は、各サンプリング時点t(i)毎に、制御信号C_S
P1の指示により導通し、アナログ入力信号を示す電圧
Vinに応じた電荷がサンプリング容量C11に蓄積さ
れた後、遮断される。さらに、スイッチSW13・14
は、スイッチSW11・SW12が遮断されている間
に、制御信号C_IT1の指示により、導通し、サンプ
リング容量C11に蓄積された電荷が積分容量C1に移
動した後で遮断される。また、制御信号C_PNは、上
記スイッチSW13・SW14が導通する前に、2値符
号系列のうち、現在の周期に対応する値a(i)を示す
レベルに切り換えられる。したがって、マルチプレクサ
SW15・SW16は、制御信号C_PNに応じ、その
ままの符号で、あるいは、符号を反転させて、サンプリ
ング容量C11に蓄積された電荷量を積分容量C1へ印
加できる。この結果、アナログ積分器12aは、アナロ
グ入力信号x(i)と2値符号系列の値a(i)とを積
和演算できる。なお、タイミング制御回路は、例えば、
所定の周波数の基準クロックに従って動作する順序回路
など、比較的簡単な回路で実現できる。
【0055】一方、本実施形態に係る量子化器13a
は、アナログ積分器12aの出力Y(i)、すなわち、
MOSオペアンプAMP1の出力電圧を、しきい値V
th1よりも大きいレベル、両しきい値Vth1・V
th2の間のレベル、および、しきい値Vth2より
も小さなレベルの3つのレベルへ量子化しており、MO
SオペアンプAMP1の出力と、しきい値Vth1とを
比較するMOSコンパレータ(第1の比較器)CMP1
と、MOSオペアンプAMP1の出力としきい値Vth
2とを比較するMOSコンパレータ(第2の比較器)C
MP2とを備えている。なお、両しきい値Vth1・V
th2は、Vth1=D/2、Vth2=−D/2を満
たすように設定されている。
【0056】さらに、本実施形態に係るデジタル遅延回
路14aは、MOSコンパレータCMP1の出力信号S
1を遅延させるD−フリップフロップDFF1と、MO
SコンパレータCMP2の出力信号S2を遅延させるD
−フリップフロップDFF2と、両D−フリップフロッ
プDFF1・DFF2の出力を論理演算して、負帰還回
路15aの制御信号C_FBおよびC_SP2を生成す
る論理回路L1aとを備えている。また、上記負帰還回
路15aは、上記アナログ積分器12aのスイッチSW
11〜SW16およびサンプリング容量C11と同様に
接続されたSW21〜SW26およびサンプリング容量
C21とを備えている。ただし、負帰還回路15aで
は、アナログ入力信号を示す電圧Vinに代えて、上述
の式(3)などに示す値Dに応じて設定される電圧VL
がサンプリングスイッチSW21へ印加されている。ま
た、両スイッチSW21・SW22が制御信号C_SP
2に基づいて導通/遮断し、マルチプレクサSW25・
SW26が制御信号C_FBによって制御される点も異
なっている。なお、当該マルチプレクサSW25・SW
26が特許請求の範囲に記載の第2マルチプレクサに対
応し、上記サンプリング容量C21が第2サンプリング
容量に対応している。
【0057】上記各D−フリップフロップDFF1・D
FF2は、周期クロックC_LTの立ち上がり時点で入
力端子Dへ印加されている値を、周期クロックC_LT
が立ち下がるまでの間保持する。一方、論理回路L1a
は、両D−フリップフロップDFF1・DFF2の出力
信号T1・T2のいずれかが「H」レベルの場合、上記
アナログ積分器12aへサンプリングを指示する制御信
号C_SP1と同じタイミングの制御信号C_SP2を
出力する。また、論理回路L1aは、出力信号T1が
「H」レベルの間、「L」レベルの制御信号C_FBを
出力し、出力信号T2が「H」レベルの間、「H」レベ
ルの制御信号C_FBを出力する。
【0058】上記論理回路L1aは、例えば、図3に示
すように、両出力信号T1・T2の論理和(or)を算出す
るOR回路L11と、OR回路L11の出力と制御信号
C_SP1との論理積(and)を算出して制御信号C_S
P2として出力するAND回路L12とを備えている。
また、論理回路L1aには、出力信号T1の否定(not)
を算出するNOT回路L13と、NOT回路L13の出
力と出力信号T2との論理積を算出して制御信号C_F
Bとして出力するAND回路L14とが設けられてい
る。
【0059】上記構成において、MOSオペアンプAM
P1の出力電圧がしきい値Vth2を下回ると、MOS
コンパレータCMP2の出力信号S2が「H」レベルへ
と変化する(図4のt2の時点)。さらに、周期クロッ
クC_LTが立ち上がると(t3の時点)、D−フリッ
プフロップDFF2は、周期クロックC_LTが立ち下
がるまでの間(t3〜t7までの期間)、t3の時点に
おける出力信号S2を出力信号T2として保持する。
【0060】この状態では、出力信号T2が「H」レベ
ルなので、論理回路L1aからは、アナログ入力信号V
inのサンプリングをアナログ積分器12aへ指示する
制御信号C_SP1と同じタイミングで制御信号C_S
P2が出力され、負帰還回路15aへ電圧VLのサンプ
リングが指示される。これにより、負帰還回路15aの
両スイッチSW21・SW22が導通し、電圧VLに応
じた電荷がサンプリング容量C21に蓄積される。
【0061】また、この状態では、出力信号T2が
「H」レベルなので、「H」レベルの制御信号C_FB
が与えられる。したがって、負帰還回路15aにおい
て、制御信号C_IT1が積分を示す期間(t1〜t4
までの期間)に両スイッチSW23・SW24が導通す
ると、マルチプレクサSW25・SW26は、サンプリ
ング容量C21のスイッチSW24側端部をMOSオペ
アンプAMP1の反転入力側へ接続し、サンプリング容
量C21のスイッチSW23側端部をMOSオペアンプ
AMP1の非反転入力側へ接続する。これにより、積分
容量C1のアンプ反転入力に接続された電極に蓄積され
た電荷量は、アナログ入力信号Vinと2値符号系列の
値a(i)との積に応じた変動の他に、電荷C21・V
Lに応じた量だけ減少する。この結果、アナログ積分器
12aの出力電圧は、電圧(C21/C1)・VL分だ
け基準電圧Vrefに近づく方向に駆動される。
【0062】これとは逆に、MOSオペアンプAMP1
の出力電圧がしきい値Vth1を上回ると、周期クロッ
クC_LTの次の立ち上がりの際、D−フリップフロッ
プDFF1の出力信号T1が「H」レベルになるので、
t3以前の期間のように、制御信号C_FBは、「L」
レベルとなる。この結果、上記両スイッチSW23・S
W24が導通すると、マルチプレクサSW25・SW2
6は、サンプリング容量C21のスイッチSW24側端
部をMOSオペアンプAMP1の非反転入力側へ接続
し、サンプリング容量C21のスイッチSW23側端部
をMOSオペアンプAMP1の反転入力側へ接続する。
この結果、積分容量C1のアンプ反転入力に接続された
電極に蓄積された電荷量は、電荷C21・VLに応じた
量だけ増加する。この結果、アナログ積分器12aの出
力電圧は、電圧(C21/C1)・VL分だけ基準電圧
Vrefに近づく方向に駆動される。
【0063】また、MOSオペアンプAMP1の出力電
圧が両しきい値Vth1・Vth2の間の場合は、周期
クロックC_LTが次に立ち上がる際、両D−フリップ
フロップDFF1・DFF2の出力信号T1・T2が共
に「L」レベルとなる(t8〜t9の期間)。この状態
では、制御信号C_SP2は、「L」レベルに保たれ、
負帰還回路15aのスイッチSW21・SW22は、遮
断され続ける。したがって、制御信号C_IT1が
「H」レベルとなり、スイッチSW23・SW24が導
通しても、アナログ積分器12aの出力電圧には、電圧
VLに起因する変動が発生しない。
【0064】上記リサイクリング積分相関器1aが上記
動作を繰り返せば、アナログ積分器12aの出力Y
(i)は、以下の式(9)に示すように、 Y(i)=Y(i−1)+(C11/C1)・a(i)・Vin(i) −(C21/C1)・Q(i−1)・VL …(9) となる。なお、上記式(9)において、Q(i−1)
は、信号T1が「H」レベルの場合、”+1”とな
り、両信号T1・T2の双方が「L」レベルの場
合、”0”となり、信号T2が「H」レベルの場
合、”−1”となる。また、C1,C11,C12は、
それぞれ、同じ参照符号の容量の大きさを示している。
【0065】本実施形態では、各回路素子の値が、C1
1=C12、C11/C1=C21/C1=A、VL=
D/A、および、Z=0を満たすように設定されてい
る。したがって、アナログ積分器12aの出力Y(i)
は、以下の式(10)に示すように、 Y(i)=Y(i−1)+A・a(i)・Vin(i) −(Q(i−1)・D+Z) …(10) となり、上述の式(3)と一致する。
【0066】ここで、上記MOSコンパレータCMP1
の出力信号S1は、図1に示すデジタル累算器16とし
て動作するアップダウンカウンタ16aのアップカウン
ト端子UPへ印加され、MOSコンパレータCMP2の
出力信号S2は、ダウンカウント端子DOWNへ印加さ
れる。また、アップダウンカウンタ16aは、周期クロ
ックC_LTに同期して動作する。これにより、アップ
ダウンカウンタ16aのカウント値は、MOSオペアン
プAMP1の出力電圧がしきい値Vth1よりも大きい
場合、すなわち、周期クロックC_LTの立ち上がり時
に出力信号S1が「H」レベルの場合に1増加し、上記
出力電圧がしきい値Vth2よりも小さい場合、すなわ
ち、上記立ち上がり時に出力信号S2が「H」レベルの
場合に1減少する。なお、上記出力電圧が両しきい値V
th1・Vth2の間の場合は、アップダウンカウンタ
16aのカウント値は変化しない。
【0067】これにより、上記アップダウンカウンタ1
6aのカウント値は、ΣQ(i)となり、上述の式
(6)に示すように、系列長M回だけ、累積した時点の
カウント値は、アナログ入力信号と2値符号系列との相
関値を量子化間隔|D/A|で量子化した値のインデッ
クスとなり、量子化誤差は、2・Δ/|A|未満とな
る。
【0068】なお、本実施形態では、信号T1・T2に
基づいてカウント値を増加または減少させるアップダウ
ンカウンタを用いて、相関値を示すデジタル値Dout
を算出したが、同じ演算結果を算出できれば、例えば、
増加分と減少分とを別々にカウントしておき、増加分を
示すカウント値から減少分を示すカウント値を減算する
など、他の算出方法を用いても、同様の効果が得られ
る。ただし、上記各実施形態の構成では、カウント値
が、そのままデジタル値になるので、より高速に演算で
きる。
【0069】〔第3の実施形態〕本実施形態では、図1
に示すリサイクリング積分相関器1の他の具体例とし
て、量子化器13bが2レベルで量子化する場合につい
て、図5に基づき説明する。なお、本実施形態に係るリ
サイクリング積分相関器1bは、図2に示すリサイクリ
ング積分相関器1aに類似しているため、同一の機能を
有する部材には、同一の参照符号を付して説明を省略す
る。
【0070】すなわち、本実施形態に係る量子化器13
bは、MOSオペアンプAMP1の出力電圧としきい値
Vth(ここでは、Vth=0とする)とを比較するM
OSコンパレータ(比較器)CMPを、ただ1つ備えて
おり、アナログ積分器12aの出力電圧をしきい値Vt
h以上であるか否かの2レベルで量子化している。ま
た、図1に示すデジタル累算器16として、信号Sが
「H」レベルの場合、周期クロックC_LTに同期して
カウント値を1増加させるカウンタ16bが使用されて
いる。さらに、本実施形態に係るデジタル遅延回路14
bには、MOSコンパレータCMPの出力信号Sが入力
されるD−フリップフロップDFFと、D−フリップフ
ロップDFFの出力信号Tと制御信号C_SP1とに基
づいて、負帰還回路15aの制御信号C_FB・C_S
P2を出力する論理回路L1bとが設けられている。当
該論理回路L1bは、制御信号C_SP2として、制御
信号C_SP1と同じタイミングの信号を出力すると共
に、出力信号Tが「H」レベルの間、制御信号C_FB
を「L」レベルに、出力信号Tが「L」レベルの間、制
御信号C_FBを「H」レベルに制御する。これによ
り、D−フリップフロップDFFの出力信号Tが「H」
レベルの間、サンプリング容量C21に蓄積された電荷
が、そのままの符号でアナログ積分器12aの積分容量
C1へ印加され、「L」レベルの間は、符号を反転させ
て印加される。
【0071】この結果、アナログ積分器12aの出力信
号Y(i)は、上述の式(9)・式(10)と同様、以下
の式(11)・式(12)に示すように、 Y(i)=Y(i−1)+(C11/C1)・a(i)・Vin(i) −(C21/C1)・(2・Q(i−1)−1)・VL …(11) Y(i)=Y(i−1)+A・a(i)・Vin(i) −(Q(i−1)・D+Z) …(12) となり、上述の式(3)と一致する。なお、上式(11)
・式(12)において、VL=D/(2・A)、Z=−D
/2であり、Q(i−1)は、信号Tが「H」レベル
の場合、”+1”となり、信号Tが「L」レベルの場
合、”0”となる。また、式(12)では、各回路素子の
値を上述式(10)と同様に設定している。
【0072】これにより、カウンタ16bのカウント値
は、ΣQ(i)となり、上述の式(6)に示すように、
系列長M回だけ、累積した時点のカウント値は、アナロ
グ入力信号と2値符号系列との相関値を量子化間隔|D
/A|で量子化した値のインデックスとなり、量子化誤
差は、2・Δ/|A|未満となる。
【0073】〔第4の実施形態〕本実施形態では、図1
に示すリサイクリング積分相関器1の他の具体例とし
て、量子化器13をADC13cで実現した場合につい
て、図6に基づき説明する。なお、前記の実施形態の図
面に示した部材と同一の機能を有する部材については、
同一の符号を付して説明を省略する。
【0074】すなわち、上記ADC13cは、アナログ
積分器12aの出力Y(i)をNレベルに量子化してお
り、図1に示すデジタル累算器16として、ADC13
cが出力するデジタル値を累算する累算器16cが設け
られている。また、デジタル遅延回路14cは、ADC
13cが出力するデジタル値を遅延させる。
【0075】さらに、本実施形態に係る負帰還回路15
cには、図2に示す負帰還回路15aの構成に加えて、
上記デジタル遅延回路14cの出力信号に基づいて、ア
ナログの帰還信号Lを生成するDAC(Digital Analog
Converter)51が設けられている。当該DAC51
は、デジタル遅延回路14cを介して伝送されるADC
13cの出力値がQ(i−1)の場合、信号レベルが”
−(Q(i−1)・D+Z)/A”の帰還信号SLを生
成して、図2に示す電圧VLの代わりに、スイッチSW
21へ印加している。
【0076】また、所望の符号の帰還信号SLをDAC
51が直接生成しているので、本実施形態に係る負帰還
回路15cでは、図2に示すマルチプレクサSW25・
SW26が省略されており、スイッチSW23とMOS
オペアンプAMP1の反転入力端子とが接続されると共
に、スイッチSW24と非反転入力端子とが接続されて
いる。さらに、第2の実施形態とは異なり、周期クロッ
クC_LTの各周期において、帰還信号SLが負帰還さ
れるので、負帰還回路15cのスイッチSW21・SW
22は、アナログ積分器12aのスイッチSW11・S
W12と同じく、制御信号C_SP1に基づいて導通/
遮断している。
【0077】したがって、アナログ積分器12aの出力
信号Y(i)は、以下の式(13)に示すように、 Y(i)=Y(i−1)+(C11/C1)・a(i)・Vin(i) −(C21/C1)・(Q(i−1)・D+Z)/A …(13) となり、各回路素子の値を上述式(10)と同様に設定す
ると、以下の式(14)に示すように、 Y(i)=Y(i−1)+A・a(i)・Vin(i) −(Q(i−1)・D+Z) …(14) となって、上述の式(3)と一致する。
【0078】この結果、系列長Mの2値符号系列全体が
入力された後の時点において、上記累算器16cが出力
するデジタル値Doutは、ΣQ(i)となり、上述の
式(6)に示すように、アナログ入力信号と2値符号系
列との相関値を量子化間隔|D/A|で量子化した値の
インデックスとなり、量子化誤差は、2・Δ/|A|未
満となる。なお、Δは、ADC13cの最大量子化誤差
であり、Dは、ADC13cの量子化間隔である。
【0079】〔第5の実施形態〕本実施形態では、図1
に示すリサイクリング積分相関器1のさらに他の具体例
として、相関演算を開始する毎に、アナログ積分器12
の出力が量子化器13の出力Q(0)に合わせて調整さ
れる構成について、図7に基づき説明する。なお、本実
施形態では、図6に示すリサイクリング積分相関器1c
において、アナログ積分器12aに代えてアナログ積分
器12dを使用した場合を例にして説明するが、上述あ
るいは後述する構成に適用した場合であっても同様の効
果が得られる。
【0080】すなわち、本実施形態に係るアナログ積分
器12dでは、上記アナログ積分器12aの構成に加え
て、制御信号C_DP1にて導通が指示された場合、M
OSオペアンプAMP1の反転入力端子と出力端子との
間を短絡するスイッチSW1が設けられており、出力端
子と積分容量C1との間には、マルチプレクサSW2が
設けられている。マルチプレクサSW2は、制御信号C
_DP2によって制御されており、共通接点は、積分容
量C1に接続されている。また、個別接点の一方は、M
OSオペアンプAMP1の出力端子に接続されており、
個別接点の他方には、オフセット電圧Vofsが印加さ
れている。なお、本実施形態では、上記スイッチSW1
・マルチプレクサSW2が特許請求の範囲に記載の初期
化手段に対応している。
【0081】上記構成において、リサイクリング積分相
関器1dが相関演算している間、スイッチSW1は、遮
断されており、マルチプレクサSW2は、出力端子側を
選択している。これにより、リサイクリング積分相関器
1dは、上述の各実施形態に係るリサイクリング積分相
関器1(1a〜1c)と同様、何ら支障なく、相関値を
デジタル値Doutとして出力できる。
【0082】一方、相関演算が終了し、次の相関演算を
開始する前に、上記スイッチSW1は導通し、マルチプ
レクサSW2がオフセット電圧Vofs側を選択する。
これにより、MOSオペアンプAMP1の反転入力端子
には、MOSオペアンプAMP1の入力オフセット電圧
に拘わらず、出力電圧と上記オフセット電圧Vofsと
を一致させるために必要な量の電荷が蓄積される。さら
に、次の相関演算を開始する際には、例えば、スイッチ
SW1を遮断した後に、マルチプレクサSW2が出力端
子側を選択するなどして、上記反転入力端子の電荷を維
持したまま、スイッチSW1・SW2を切り換える。こ
れにより、相関演算を開始する時点において、アナログ
積分器12dの出力電圧(Y(0))と、入力オフセッ
ト電圧に拘わらず、上記オフセット電圧Vofsとを一
致させることができる。
【0083】ここで、上記オフセット電圧Vofsは、
ADC13cが出力可能な整数をKとすると、Vofs
=K・Dとなるように設定されている。また、相関演算
を開始する時点におけるADC13cの出力Q(0)
は、Kとなるように設定される。この結果、相関演算を
開始する時点において、Y(0)−Q(0)・D=0が
確実に成立し、上述の式(8)に示すように、リサイク
リング積分相関器1dの量子化誤差は、Δ/|A|未満
となり、上述のリサイクリング積分相関器1cなどの場
合の半分に抑えられる。
【0084】〔第6の実施形態〕ところで、上述の第2
〜第5の実施形態に係るリサイクリング積分相関器(1
a〜1d)では、MOSオペアンプAMP1で生成され
た入力オフセットなどの低周波ノイズは、積分処理の過
程で累積され、リサイクリング積分相関器が出力する相
関値の誤差の原因となる虞れがある。
【0085】これに対して、本実施形態では、この相関
値の累積誤差を逓減するために、CDS( Correlated
Double Sampling )を用いた構成について、図8および
図9に基づいて説明する。なお、前記の実施形態の図面
で説明した部材と同一の機能を有する部材については、
同一の符号を付して説明を省略する。
【0086】具体的には、本実施形態に係るアナログ積
分器12eは、図8に示すように、MOSオペアンプA
MP1と積分容量C1とに加えて、図7に示すアナログ
積分器12dと同様のマルチプレクサSW2が設けられ
ている。さらに、乗算器11aや負帰還回路15cの出
力は、マルチプレクサSW3および蓄積容量C2を介し
て、MOSオペアンプAMP1の反転入力端子に入力さ
れる。なお、本実施形態に係る積分容量C1は、マルチ
プレクサSW3と蓄積容量C2との接続点(ノードP)
に接続されている。また、オフセット電圧VofsやA
DC13cの初期値Kは、第5の実施形態と同様に設定
される。
【0087】上記マルチプレクサSW3は、上記マルチ
プレクサSW2と同様、制御信号C_DP3に基づいて
動作しており、共通接点が上記蓄積容量C2に接続され
ている。さらに、個別接点の一方は、上記乗算器11a
のマルチプレクサSW15と、負帰還回路15cのスイ
ッチSW23とに接続されている。また、個別接点の他
方には、基準電圧Vrefが印加される。
【0088】さらに、MOSオペアンプAMP1の反転
入力端子は、マルチプレクサSW4および容量C3を介
して、出力端子に接続されている。上記マルチプレクサ
SW4は、制御信号C_DP4に基づいて動作してお
り、共通接点が容量C3に接続されている。また、個別
接点の一方は、上記反転入力端子に接続され、他方に
は、基準電圧Vrefが印加されている。なお、本実施
形態では、上記マルチプレクサSW2〜SW4、蓄積容
量C2および容量C3が、特許請求の範囲に記載の初期
化手段に対応している。
【0089】上記構成では、図9に示すように、相関演
算が終了し、次の相関演算が開始されるまでの期間にお
いて、制御信号C_DP3・C_DP4が「H」レベル
になり、マルチプレクサSW3が基準電圧Vref側を
選択し、マルチプレクサSW4が蓄積容量C2側を選択
すると共に、マルチプレクサSW2がオフセット電圧V
ofs側を選択する。この状態では、上記各要因に起因
するノイズが電荷として蓄積容量C2に蓄積される。
【0090】さらに、制御信号C_DP4が「L」へ変
化した後、制御信号C_DP3が「L」レベルへ変化す
る。これにより、蓄積容量C2に蓄積された電荷を移動
することなく、各マルチプレクサSW2〜SW4が切り
換えられ、ノードPでの電位が基準電圧Vrefのまま
保たれる。
【0091】このように、相関演算の開始毎にCDSを
起動することで、リサイクリング積分相関器1eは、ノ
イズによる悪影響を受けることなく、相関演算を行うこ
とができる。この結果、第5の実施形態よりも、相関演
算の精度をさらに向上できるという効果を奏する。
【0092】〔第7の実施形態〕ところで、上記第2〜
第6の実施形態では、アナログ積分器12a・12d・
12eに、シングルエンドの差動増幅器(MOSオペア
ンプAMP1)を使用する場合を例にして説明したが、
入力信号と出力信号との双方が差動信号であるフル差動
増幅器( fully differential amplifier )を使用する
こともできる。なお、いずれの実施形態を適用した場合
でも同様の効果が得られるが、以下では、第3の実施形
態に適用した場合を例にして説明する。
【0093】すなわち、図10に示すように、本実施形
態に係るリサイクリング積分相関器1fでは、アナログ
入力信号x(i)が、正側の入力信号Vipと負側の入
力信号Vimとの対からなる差動信号(Vip−Vi
m)として与えられており、アナログ積分器12fがフ
ル差動回路で構成されている。
【0094】具体的には、アナログ積分器12fは、フ
ル差動増幅器AMP31と、フル差動増幅器AMP31
の非反転出力端子と反転入力端子との間に設けられた積
分容量C31pと、反転出力端子と非反転入力端子との
間に設けられた積分容量C31mと、反転入力端子に対
応するサンプリング容量C41pと、非反転入力端子に
対応するサンプリング容量C41mとを備えている。な
お、アナログ積分器12fの反転出力端子は、MOSコ
ンパレータCMPの非反転入力端子に接続され、アナロ
グ積分器12fの非反転出力端子は、MOSコンパレー
タCMPの反転入力端子に接続されている。これによ
り、MOSコンパレータCMPは、アナログ積分器12
fの非反転出力が反転出力を上回った場合に、「H」レ
ベルの信号Q(i)を出力する。
【0095】さらに、上記サンプリング容量C41pと
上記反転入力端子との間には、積分を示す制御信号C_
ITが印加されている間、導通し、残余の間遮断される
スイッチSW41pが設けられており、サンプリング容
量C41pの出力側(反転入力端子側)には、制御信号
C_SPがサンプリングを示している間、導通して、基
準電圧Vrefを印加するスイッチSW42pが接続さ
れている。
【0096】一方、サンプリング容量C41pの入力側
には、2値符号系列の値a(i)が”+1”の場合のサ
ンプリングを示す、制御信号C_SPpが印加された場
合に導通して、上記正側の入力信号Vipを印加するス
イッチSW43pと、”−1”の場合のサンプリングを
示す制御信号C_SPmが印加された場合に導通して、
上記負側の入力信号Vimを印加するスイッチSW44
pとが接続されている。
【0097】なお、上記積分容量C31p・C31m
が、特許請求の範囲に記載の反転側および非反転側積分
容量にそれぞれ対応し、サンプリング容量C41p・C
41mが反転側および非反転側サンプリング容量に対応
している。また、スイッチSW41p・SW41mが反
転側および非反転側第1スイッチに、スイッチSW42
p・SW42mが反転側および非反転側第2スイッチ
に、それぞれ対応している。
【0098】上記制御信号C_SPpは、例えば、図1
1に示すように、制御信号C_PNと制御信号C_SP
との論理積を算出するAND回路L21によって生成さ
れる。また、制御信号C_SPmは、制御信号C_PN
の否定を演算するNOT回路L22の出力と、上記制御
信号C_SPとの論理積を算出するAND回路L23に
よって生成される。
【0099】また、本実施形態では、図5に示す電圧V
Lも差動信号(VLp−VLm)で与えられており、差
動信号(VLp−VLm)を上記制御信号C_ITが積
分を示している間に印加することによって、差動信号
(VLp−VLm)と、差動信号(Vip−Vim)と
の間で、上記サンプリング容量C41pおよびC41m
を共用している。
【0100】具体的には、サンプリング容量C41pの
入力側には、D−フリップフロップDFFの出力信号T
が「H」レベルの場合の積分を示す、制御信号C_Ap
が印加された場合に導通し、正の帰還電圧VLpを印加
するスイッチSW45pと、出力信号Tが「L」レベル
の場合の積分を示す、制御信号C_Amが印加された場
合に導通し、負の帰還電圧VLmを印加するスイッチS
W46pとが接続されている。
【0101】上記制御信号C_Apは、例えば、図12
に示すように、上記出力信号Tと制御信号C_ITとの
論理積を算出するAND回路L31によって生成され
る。また、制御信号C_Amは、上記出力信号Tの否定
を演算するNOT回路L32の出力と、上記制御信号C
_ITとの論理積を算出するAND回路L33によって
生成される。
【0102】なお、反転入力側と同様に、非反転入力側
のサンプリング容量C41mに関しては、上記スイッチ
SW41p〜SW46pと同様のスイッチSW41m〜
SW46mが設けられている。ただし、両サンプリング
容量C41p・C41mへ逆極性の信号を印加するため
に、制御信号C_SPpに応じて導通するスイッチSW
43mには、負側の入力信号Vimが印加され、スイッ
チSW44mには、正側の入力信号Vipが印加され
る。また、制御信号C_Apに応じて導通するスイッチ
SW45mには、負の帰還電圧VLmが印加され、スイ
ッチSW46mには、正の帰還電圧VLpが印加され
る。
【0103】なお、本実施形態では、スイッチSW43
p〜SW44mが乗算器11fであり、スイッチSW4
5p〜SW46mが負帰還回路15fである。また、ス
イッチSW41pおよびSW41mが、特許請求の範囲
に記載の反転側および非反転側第1スイッチに対応し、
スイッチSW42pおよびSW42mが反転側および非
反転側第2スイッチに対応している。
【0104】上記構成によれば、2値符号系列の値a
(i)が”+1”、すなわち、制御信号C_PNが
「H」レベルの場合、制御信号C_SPが「H」レベル
の間(図13に示すt21〜t22までの期間)、スイ
ッチSW42p・SW42m・SW43p・SW43m
が導通し、残余のスイッチSW41p・SW41m・S
W44p〜SW46mが遮断される。これにより、サン
プリング容量C41pの両端には、電圧Vip−Vre
fが印加され、サンプリング容量C41mの両端には、
電圧Vim−Vrefが印加される。これにより、入力
信号Vipがサンプリング容量C41pにサンプリング
され、入力信号Vimがサンプリング容量C41mにサ
ンプリングされる。これとは逆に、制御信号C_PNが
「L」レベルの場合は、制御信号C_SPが「H」レベ
ルの期間に、入力信号Vipがサンプリング容量C41
mにサンプリングされ、入力信号Vimがサンプリング
容量C41pにサンプリングされる。なお、上記構成で
は、制御信号C_PNが確定するまで、各スイッチSW
43p〜SW44mの導通/遮断が決められない。した
がって、制御信号C_SPのタイミングは、制御信号C
_PNが確定した後で「H」レベルとなるように設定さ
れている。
【0105】t22の時点で、制御信号C_SPが
「L」レベルになると、上記各スイッチSW41p〜S
W46mが遮断される。その後、t23〜t24の期間
において、制御信号C_ITが「H」レベルになると、
スイッチSW41p・SW41mが導通する。さらに、
この期間中、上記制御信号C_Apが「H」レベルであ
れば、スイッチSW45p・スイッチSW46pが導通
する。これにより、正の帰還電圧VLpは、サンプリン
グ容量C41pを介して、MOSオペアンプAMP31
の反転入力端子へ印加され、負の帰還電圧VLmは、サ
ンプリング容量C41mを介して、MOSオペアンプA
MP31の非反転入力端子へ印加される。なお、この場
合、残余のスイッチSW42p〜SW44m・SW45
m・SW46mは、遮断されている。なお、これとは逆
に、制御信号C_Amが「H」レベルの場合は、制御信
号C_ITが「H」レベルの期間に、負の帰還電圧VL
mがサンプリング容量C41pの入力側に印加され、正
の帰還電圧VLpがサンプリング容量C41mの入力側
に印加される。
【0106】ここで、例えば、t23の時点など、制御
信号C_ITが「H」レベルに変化する時点では、スイ
ッチSW42p・SW42mが遮断されているので、サ
ンプリング容量C41pに蓄積された電荷量と積分容量
C31pに蓄積された電荷量の合計、並びに、サンプリ
ング容量C41mに蓄積された電荷量と積分容量C31
mに蓄積された電荷量の合計は変化しない。
【0107】したがって、各回路素子の値を、C41p
=C41m、A=C41p/C31p=C41m/C3
1mと設定すると、積分出力Y(i)=Yp(i)−Y
m(i)は、以下の式(15)に示すように、 Y(i)=Y(i−1)+A・a(i)・{Vip(i)−Vim(i)} −(2・Q(i−1)−1)・A・(VLp−VLm) …(15) となる。なお、上記式(15)において、Q(i−1)
は、Y(i−1)≧0のとき、”1”となり、Y(i−
1)<0のとき、”0”となる関数である。また、各容
量C31p〜41mの大きさを同じ参照符号で示してい
る。
【0108】ここで、電圧VLp・VLmの値は、上述
の第3の実施形態と同様に、2・A・(VLp−VL
m)=D、かつ、Z=0となるように設定されており、
Vip(i)−Vim(i)=x(i)である。したが
って、積分出力Y(i)は、以下の式(16)に示すよう
に、 Y(i)=Y(i−1)+A・a(i)・x(i) −(Q(i−1)・D+Z) …(16) となり、上述の式(3)と一致する。
【0109】したがって、上述の第3の実施形態と同様
に、系列長M回だけ、累積した時点のカウンタ16bの
カウント値は、アナログ入力信号と2値符号系列との相
関値を量子化間隔|D/A|で量子化した値のインデッ
クスとなり、量子化誤差は、2・Δ/|A|未満とな
る。
【0110】さらに、本実施形態では、アナログ入力信
号x(i)が差動信号で与えられ、アナログ積分器12
fも信号Y(i)を差動信号で出力している。この結
果、単一の電圧信号で入出力する場合に比べて、S/N
比を向上させることができ、リサイクリング積分相関器
1fの演算精度をさらに向上できる。
【0111】また、本実施形態に係るリサイクリング積
分相関器1fでは、積分を示す期間に、両サンプリング
容量C41p・C41mへ帰還電圧VLp・VLmを印
加している。これにより、負帰還分を積分する経路と、
入力信号x(i)・a(i)を積分する経路とで、サン
プリング容量C41p・C41mが共用される。この結
果、それぞれのサンプリング容量を別に設ける場合に比
べて、占有面積が比較的大きくなりがちな容量の個数を
削減でき、集積度を向上できる。
【0112】ここで、他の実施形態のように、負帰還分
を積分する経路と、入力信号x(i)・a(i)を積分
する経路とで容量を共用しない場合、素子製造上のバラ
ツキによって、C11/C1=Aと、C21/C1=
A’とが一致しないと、上述の式(10)は、以下の式
(17)に示すように、 Y(i)=Y(i−1)+A・a(i)・Vin(i) −(A’/A)・(Q(i−1)・D+Z) …(17) となる。また、式(6)に対応する量子化の式は、以下
の式(18)のように、
【0113】
【数5】
【0114】となり、量子化間隔は、|(A’/A2
・D|となってしまう。したがって、上記両経路で容量
を共有しない場合、量子化間隔は、製造上のバラツキの
影響を受ける虞れがある。
【0115】これに対して、本実施形態では、上記両経
路で容量が共用されている。この結果、A=A’が常に
保証され、製造上のバラツキに拘わらず、量子化間隔を
|D/A|、すなわち、|2・VL|(=2・|Vip
−Vim|)に保つことができる。
【0116】〔第8の実施形態〕本実施形態では、上述
または後述する各実施形態に係るリサイクリング積分相
関器1(1a〜1h;復号装置21・31)を用いて、
さらに、相関演算の精度を算出する構成について、図1
4に基づいて説明する。なお、図14では、図1に示す
リサイクリング積分相関器1を使用した場合について説
明する。
【0117】本実施形態に係るリサイクリング積分相関
器1の動作は、リサイクリング積分相関器1のDCオフ
セットを測定するキャリブレーションモードと、測定さ
れたDCオフセットを補償しながら相関演算する相関演
算モードとに分けられており、特許請求の範囲に記載の
測定手段およびオフセット補償手段として、アナログ入
力信号x(i)と基準電圧Vrefとの一方を選択し
て、リサイクリング積分相関器1に入力するマルチプレ
クサ2と、DCオフセットを記憶するデジタルメモリ3
と、リサイクリング積分相関器1の出力Doutからデ
ジタルメモリ3の出力を減算して相関出力を出力するデ
ジタル減算器4と、キャリブレーションモードであるか
否かに応じて、上記出力Doutをデジタルメモリ3ま
たはデジタル減算器4へ出力するマルチプレクサ5とを
備えている。
【0118】キャリブレーションモードでは、マルチプ
レクサ2により基準電圧Vrefをリサイクリング積分
相関器1の入力信号とした状態で、リサイクリング積分
相関器1が相関値を演算し、その出力値がマルチプレク
サ5を介してデジタルメモリ3に蓄積される。ここで、
入力が基準電圧Vrefの場合の相関値は、理論的に
は、”0”であるので、キャリブレーションモードにお
けるリサイクリング積分相関器1の出力は、リサイクリ
ング積分相関器1のDCオフセットとみなすことができ
る。
【0119】次に、相関演算モードに移る。このモード
では、マルチプレクサ2は、アナログ入力信号x(i)
をリサイクリング積分相関器1へ入力するように切り換
えられ、マルチプレクサ5は、リサイクリング積分相関
器1の出力Doutをデジタル減算器4へ導くように切
り換えられる。この状態では、デジタル減算器4は、リ
サイクリング積分相関器1の出力Doutから、デジタ
ルメモリ3に記憶されたDCオフセットの値を減算し
て、相関出力として出力する。これにより、リサイクリ
ング積分相関器1のDCオフセットが補償され、さら
に、精度の高い相関出力を得ることができる。
【0120】なお、キャリブレーションモードにおける
入力信号a(i)、x(i)は、理論的に相関値を算出
可能な信号であれば、どのような信号であってもよい。
この場合は、実際に算出された出力Doutから、理論
的に算出した出力Doutを引いた値がDCオフセット
となる。ただし、入力信号a(i)を示す電圧が基準電
圧Vrefであれば、理論的な相関値が”0”なので、
実際に算出された出力Dout自体がDCオフセットと
なる。したがって、他の入力信号を用いた場合に比べて
容易にDCオフセットを算出できる。
【0121】〔第9の実施形態〕ところで、上記第8の
実施形態では、リサイクリング積分相関器の後段にデジ
タル減算器を設けて、キャリブレーションモードで測定
したDCオフセットを補償しているが、測定されたDC
オフセットに基づいて、相関演算モードの開始時にデジ
タル累算器の初期値を調整しても同様の効果を得ること
ができる。
【0122】すなわち、図15に示すように、本実施形
態では、図14に示すデジタル減算器4に代えて、デジ
タルメモリ3に記憶されたDCオフセットの値を符号反
転して、デジタル累算器16へ与える符号反転回路(初
期値設定回路)6が設けられている。
【0123】当該構成では、第8の実施形態と同様に、
キャリブレーションモードにおいて、リサイクリング積
分相関器1のDCオフセットが測定され、デジタルメモ
リ3に記憶される。さらに、相関演算モードを開始する
際、符号反転回路6は、デジタルメモリ3に記憶された
DCオフセットの値を読み出し、この値を符号反転した
値で、リサイクリング積分相関器1のデジタル累算器1
6を初期化する。これにより、リサイクリング積分相関
器1のDCオフセットが補償され、第8の実施形態と同
様に、さらに精度の高い相関出力を得ることができる。
また、この場合は、マルチプレクサ5の出力が相関値を
示すインデックスとなるので、マルチプレクサ5の後段
にデジタル減算器4を設ける場合に比べて、演算速度を
向上できる。
【0124】なお、第5および第6の実施形態のように
デジタル累算器16(16c)がQ(0)=Kとなるよ
うに初期化される構成に、上記符号反転回路6を適用し
た場合、デジタル累算器16(16c)は、デジタルメ
モリ3に格納された値をOとすると、K−Oに初期化さ
れる。この場合は、DCオフセットを補償できるだけで
はなく、量子化誤差が半減されるので、さらに演算精度
を向上できる。
【0125】〔第10の実施形態〕上記各実施形態で
は、入力信号x(i)がアナログ信号の場合を例にして
説明したが、本実施形態では、デジタル信号と符号系列
a(i)との相関を算出する場合について説明する。
【0126】すなわち、本実施形態では、上記あるいは
後述する各実施形態のいずれかに記載のリサイクリング
積分相関器1(1a〜1h)へ、入力信号x(i)とし
て、デジタル信号が入力されている。ここで、デジタル
信号であっても、信号を伝える物理量(例えば電圧)自
体は、アナログ値を取る。したがって、図17に示すよ
うに、例えば、2値の時系列のデジタル信号d(i)、
あるいは、当該デジタル信号d(i)が伝送路の影響で
歪んだ信号dd(i)などのデジタル信号を、アナログ
信号と見なして入力することによって、リサイクリング
積分相関器1(1a〜1h)は、符号系列a(i)とデ
ジタル信号との相関値を算出できる。
【0127】〔第11の実施形態〕ところで、上記各実
施形態では、符号系列の値a(i)が2値の場合を例に
して説明したが、本実施形態では、符号系列の値a
(i)が多値の場合について図18に基づき説明する。
【0128】すなわち、本実施形態に係るリサイクリン
グ積分相関器1gでは、図1に示す乗算器11として、
多値の系列の値a(i)と、入力信号x(i)とを乗算
する乗算器11gが設けられている。ここで、上述の式
(6)は、乗算器11gの係数が多値の場合であっても
成立する。したがって、デジタル累算器16が出力する
デジタル値ΣQ(i)は、入力信号と多値符号系列との
アナログ相関値Σa(i)・x(i)を量子化した値の
インデックスとなり、量子化誤差は、2・Δ/|A|未
満に抑えられる。また、ΣQ(i)は、(N−1)・M
+1個の値を取り、量子化間隔は、D/|A|である。
【0129】さらに、第1の実施形態と同様に、リサイ
クリング積分相関器1gは、負帰還ループを有している
ので、アナログ積分器12の出力信号Y(i)は、入力
信号x(i)と符号系列の値a(i)とを積和演算した
値〔Y(i−1)+A・a(i)・x(i)〕を出力す
る構成に比べて、出力信号の大きさ(絶対値)が小さく
なっている。したがって、アナログ積分器12の出力の
飽和を防止するために必要な積分容量の大きさを削減で
きる。この結果、符号系列の系列長Mが、例えば128
以上と長くなっても、アナログ積分器12の消費電力を
増大させることなく、演算速度を向上できる。
【0130】〔第12の実施形態〕本実施形態では、第
11の実施形態の具体的な構成例について、図19に基
づき説明する。なお、乗算器11gは、上述の各実施形
態のいずれの構成と組み合わせることもできるが、以下
では、図2に示すリサイクリング積分相関器1aと同
様、量子化器13が3値に量子化する構成と組み合わせ
た場合について説明する。
【0131】すなわち、本実施形態に係るリサイクリン
グ積分相関器1hでは、図2に示す各部材C11・SW
11〜SW16が、符号系列の係数値に対応する数、よ
り詳細には、係数値が取り得る”0”以外の絶対値の個
数に対応する数だけ設けられている。図19に示す例で
は、多値の符号系列の値a(i)が、”−2”、”−
1”、”0”、”1”、”2”のいずれかであり、絶対
値は、”0”を除くと、”2”、”1”の2個なので、
部材C11x・SW11x〜SW16xと部材C11y
・SW11y〜SW16yとのように、2系統設けられ
ている。
【0132】さらに、各系統のサンプリング容量C11
x・C11yの容量値は、絶対値に応じて設定されてお
り、サンプリングスイッチSW11x・SW12x(S
W11y・SW12y)は、それぞれ、制御信号C_S
P1x(C_SP1y)で制御されている。各制御信号
C_SP1x(C_SP1y)は、図4などに示す制御
信号C_SP1と同様の波形であるが、値a(i)の絶
対値に対応する系統の制御信号C_SP1x(C_SP
1y)のみが導通を指示する。
【0133】図19の例では、各部材C11x・SW1
1x〜SW16xが絶対値”1”に対応し、各部材C1
1y・SW11y〜SW16yが絶対値”2”に対応し
ている。したがって、制御信号C_SP1xは、係数を
示す値a(i)が”+1”または”−1”のとき、
「H」レベルとなり、制御信号C_SP1yは、係数を
示す値a(i)が”+2”または”−2”のとき、
「H」レベルとなる。また、サンプリング容量C11x
およびC11yの値は、C11y=2・C11xとなる
ように設定される。
【0134】また、制御信号C_PNは、値a(i)の
正負に応じて変更され、値a(i)が”+2”、”+
1”または”0”のとき、「H」レベルとなり、”−
2”または”−1”のとき、「L」レベルとなる。
【0135】上記構成では、入力信号x(i)は、多値
の符号系列の値a(i)を乗じた後、積分される。これ
により、多値の符号系列と入力信号との相関値を算出可
能なリサイクリング積分相関器1hを、比較的消費電力
の少ないスイッチドキャパシタ型のアナログ積分器12
aを用いて実現できる。
【0136】〔第13の実施形態〕本実施形態では、上
記各実施形態のリサイクリング積分相関器1(1a〜1
h)を備え、復調および逆拡散を行う復調装置につい
て、図20に基づき説明する。なお、図20では、図1
に示すリサイクリング積分相関器1を用いた場合を例示
している。
【0137】すなわち、本実施形態に係る復調装置21
には、チップレートfcの拡散符号系列a(i)で拡散
されたベースバンド信号によって、周波数frの搬送波
(キャリア)をデジタル変調した信号、あるいは、当該
信号が伝送路を通って歪みを受けた信号が、入力信号x
(t)として入力され、復調装置21は、当該入力信号
x(t)をベースバンド信号に復調できる。
【0138】具体的には、復調装置21は、図1に示す
リサイクリング積分相関器1に加えて、キャリア周波数
frの正弦波を発生する局部信号発信器22と、上記入
力信号x(t)と局部信号発信器22の出力とを乗算す
る乗算器23と、乗算器23の出力を積分するアナログ
積分器24と、アナログ積分器24の出力をサンプリン
グして、上記リサイクリング積分相関器1へ出力するサ
ンプラー25とを備えている。
【0139】当該構成では、被変調信号である入力信号
x(t)は、キャリア周波数frの正弦波と乗算された
後、アナログ積分器24により積分される。これによ
り、被変調信号が復調され、ベースバンド信号を拡散し
た信号(拡散信号)が生成される。さらに、当該信号
は、リサイクリング積分相関器1により逆拡散され、ベ
ースバンド信号が復調される。ここで、リサイクリング
積分相関器1は、上述したように、消費電力が少ないに
も拘らず、直接デジタル値を出力できる。したがって、
低消費電力で、上記被変調信号からベースバンド信号を
復調可能な復調装置21を実現できる。
【0140】〔第14の実施形態〕ところで、上記第1
3の実施形態では、被変調信号を拡散信号に復調した後
で逆拡散している。これに対して、本実施形態では、図
21に基づき、復調と逆拡散とを同時に行うことができ
る復調装置(相関器)31について説明する。
【0141】すなわち、本実施形態に係る復調装置31
は、図1に示す各部材13〜16に加えて、乗算器11
と同様の乗算器32と、アナログ積分器12と同様のア
ナログ積分器33とを備えている。さらに、サンプリン
グ周波数fsで被変調信号x(t)をサンプリングし
て、乗算器32へ入力するサンプラー34と、乗算器3
2の係数として、符号系列の値a(i)とキャリア周波
数正弦波のサンプリング値との積を出力する係数出力回
路35とが設けられている。
【0142】ここで、上記被変調信号x(t)では、キ
ャリア周波数frと、符号系列のチップレートfcとの
間には、fc=M・frの関係がある。また、キャリア
周波数frと、サンプラー34のサンプリング周波数
(速度)fsとの間には、fs=N・frの関係があ
る。したがって、係数出力回路35の出力値は、関数t
o_Int(x)が実数xを超えない最大の整数、kが
サンプリング周波数fsで増加する任意の整数を意味し
ているとすると、sin(2π・k/N)・a(to_
Int(k/(M・N)))となる。
【0143】また、to_Int(k/(M・N))
が、k/(M・N)を超えない最大の整数なので、符号
系列の値a(i)の取り得る値がE個とすると、係数出
力回路35の出力値は、たかだか、E・N個の値しか取
らない。したがって、第11および第12の実施形態と
同様、多値係数とアナログ値とを乗算する乗算器で、乗
算器32を実現できる。
【0144】本実施形態に係る復調装置31では、乗算
器32が、符号系列の値a(i)とキャリア周波数正弦
波のサンプリング値との積を被変調信号x(t)に乗算
し、アナログ積分器33以降の回路が、乗算結果を積分
する。この結果、第13の実施形態に係る復調装置21
と同様に、被変調信号x(t)をベースバンド信号に復
調できる。また、第1の実施形態と同様に、負帰還回路
15などにより負帰還ループが形成されているので、復
調装置31は、消費電力が少ないにも拘らず、ベースバ
ンド信号を直接デジタル値として出力できる。
【0145】さらに、本実施形態では、復調装置21の
乗算器23と乗算器11とが乗算器32にまとめられて
おり、アナログ積分器24とアナログ積分器12とが、
アナログ積分器33にまとめられているので、回路の構
成を簡略化できる。加えて、ベースバンドへの周波数変
換も負帰還ループ中に含まれており、周波数変換と逆拡
散とが同時に行われるので、量子化精度を向上できる。
【0146】なお、クロック信号CLK2は、量子化器
13・デジタル累算器16・デジタル遅延回路14・負
帰還回路15・アナログ積分器12などを制御するクロ
ック信号であり、サンプラー34などを制御する周波数
fsのクロック信号CLK1と同一周波数に設定しても
よいし、独立した周波数に設定してもよい。
【0147】
【発明の効果】本発明に係る相関器は、以上のように、
アナログ積分器による積分値を量子化する量子化器と、
量子化器が出力するデジタル値を累算して、演算結果を
上記相関値として出力するデジタル累算器と、量子化器
が出力するデジタル値を極性の反転したアナログ値に変
換する負帰還器とを備え、上記アナログ積分器は、アナ
ログ信号および符号系列の乗算結果と、上記負帰還器が
出力する負帰還信号との和を積分する構成である。
【0148】上記の構成では、比較的低解像度の量子化
器と負帰還器とによって負帰還ループが構成されている
ので、符号系列の系列長が長くなった場合でも、積分値
を蓄積する積分容量の大きさを増大することなく、アナ
ログ積分器の出力の飽和を防止できる。この結果、消費
電力の小さな相関器を実現できるという効果を奏する。
また、相関器の後に高解像度のAD変換器を設けること
なく、上記相関値を示すデジタル値を出力できるので、
簡単な回路で高精度な相関器を実現できるという効果を
併せて奏する。
【0149】また、本発明に係る相関器は、以上のよう
に、入力信号へ、符号系列に応じた値と、キャリア周波
数正弦波のサンプリング値との積を乗算する乗算器と、
アナログ積分器による積分値を量子化する量子化器と、
量子化器が出力するデジタル値を累算して、演算結果を
上記相関値として出力するデジタル累算器と、量子化器
が出力するデジタル値を極性の反転したアナログ値に変
換する負帰還器とを備え、上記アナログ積分器は、上記
負帰還器が出力する負帰還信号と、上記乗算器の出力と
の和を積分する構成である。
【0150】当該構成では、乗算器が、符号系列に応じ
た値とキャリア周波数正弦波のサンプリング値との積を
入力信号へ乗算し、デジタル累算器が、乗算器の出力を
積分した値をデジタル値で出力する。これにより、上記
被変調信号をベースバンド信号に復号できる。さらに、
上述の相関器と同様に、量子化器と負帰還器とによって
負帰還ループが構成されているので、アナログ積分器の
出力の飽和を防止できる。加えて、被変調信号からベー
スバンドへの周波数変換も、上記負帰還ループ内に含ま
れているので、周波数変換と逆拡散とを同時に行うこと
ができ、量子化誤差を削減できる。これらの結果、構成
が簡略で、消費電力が少なく、しかも、被変調信号から
ベースバンド信号へ復号可能な相関器を実現できるとい
う効果を奏する。
【0151】本発明に係る相関器は、以上のように、上
記各構成において、上記符号系列の各周期の最初に、上
記アナログ積分器の積分値と上記量子化器の出力が示す
値とが一致するように、両者の少なくとも一方を調整す
る初期化手段を備えている構成である。
【0152】上記構成によれば、相関演算を開始する前
の時点において、上記アナログ積分器の積分値と上記量
子化器の出力が示す値とが一致する。したがって、両者
が異なる場合に比べて、相関器の最大量子化誤差を半減
でき、さらに演算精度を向上できるという効果を奏す
る。
【0153】本発明に係る相関器は、以上のように、上
記構成において、上記初期化手段は、相関ダブルサンプ
リング動作によって、上記アナログ積分器の積分値を調
整して、当該アナログ積分器のDCオフセットおよび低
周波ノイズをキャンセルする構成である。
【0154】上記構成によれば、上記初期化手段が、相
関ダブルサンプリング動作によって、上記アナログ積分
器の出力を所定の値に設定し、低周波ノイズをキャンセ
ルするので、さらに、演算精度を向上できるという効果
を奏する。
【0155】本発明に係る相関器は、以上のように、上
記各構成において、上記入力信号を積分する経路と、上
記負帰還信号を積分する経路とが、サンプリング容量を
共用している構成である。
【0156】上記構成によれば、両経路間でサンプリン
グ容量が共用されているので、それぞれのサンプリング
容量を別に設ける場合に比べて、占有面積が比較的大き
くなりがちな容量の個数を削減でき、集積度を向上でき
るという効果を奏する。さらに、両経路のサンプリング
容量の大きさが必ず一致するので、両者の相違に起因す
る演算誤差を削減でき、さらに演算精度を向上できると
いう効果を併せて奏する。
【0157】本発明に係る相関器は、以上のように、上
記各構成において、相関演算に先立って、上記相関器の
オフセット誤差を測定する測定手段と、上記測定された
オフセット誤差に基づいて、当該オフセット誤差をキャ
ンセルするように、上記相関器の演算結果を調整するオ
フセット補償手段とを備えている構成である。
【0158】上記構成によれば、実際に使用している相
関器に固有のオフセット誤差がキャンセルされるので、
演算精度を向上できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、リサイ
クリング積分相関器の要部構成を示すブロック図であ
る。
【図2】本実施形態の他の実施形態を示すものであり、
リサイクリング積分相関器の要部構成を示す回路図であ
る。
【図3】上記リサイクリング積分相関器に設けられた論
理回路の構成例を示す回路図である。
【図4】上記リサイクリング積分相関器の動作を示すタ
イミングチャートである。
【図5】本発明の他の実施形態を示すものであり、リサ
イクリング積分相関器の要部構成を示す回路図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態を示すものであ
り、リサイクリング積分相関器の要部構成を示す回路図
である。
【図7】本発明のまた別の実施形態を示すものであり、
リサイクリング積分相関器の要部構成を示す回路図であ
る。
【図8】本発明のさらに他の実施形態を示すものであ
り、リサイクリング積分相関器の要部構成を示す回路図
である。
【図9】上記リサイクリング積分相関器の動作を示すタ
イミングチャートである。
【図10】本発明のさらに他の実施形態を示すものであ
り、リサイクリング積分相関器の要部構成を示す回路図
である。
【図11】上記リサイクリング積分相関器に設けられた
制御回路の構成例を示す回路図である。
【図12】上記リサイクリング積分相関器に設けられた
論理回路の構成例を示す回路図である。
【図13】上記リサイクリング積分相関器の動作を示す
タイミングチャートである。
【図14】本発明のさらに他の実施形態を示すものであ
り、リサイクリング積分相関器にオフセット補償回路を
加えた装置の要部構成を示すブロック図である。
【図15】本発明のまた別の実施形態を示すものであ
り、リサイクリング積分相関器にオフセット補償回路を
加えた装置の要部構成を示すブロック図である。
【図16】従来技術を示すものであり、相関器の要部構
成を示す回路図である。
【図17】本発明の他の実施形態を説明するものであ
り、アナログ信号と見なして入力されるデジタル信号を
示す波形図である。
【図18】本発明のさらに他の実施形態を示すものであ
り、符号系列の値が多値の場合のリサイクリング積分相
関器の要部構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の別の実施形態を示すものであり、リ
サイクリング積分相関器の要部構成を示す回路図であ
る。
【図20】本発明のさらに他の実施形態を示すものであ
り、リサイクリング積分相関器を備え、被変調信号を復
号する復号装置の要部構成を示すブロック図である。
【図21】本発明のまた別の実施形態を示すものであ
り、復号装置の要部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1・1a〜1h リサイクリング積分相関器(相関器) 3 デジタルメモリ(測定手段) 4 デジタル減算器(オフセット補償手段;減算
器) 6 符号反転回路(オフセット補償手段;初期値設
定回路) 11・11a・11f・11g・11h・32 乗算
器 12・12a・12d〜12f・33 アナログ積分
器 13・13a・13b 量子化器 13c ADC(量子化器;AD変換器) 15 負帰還回路(負帰還器) 16 デジタル累算器 16a アップダウンカウンタ(デジタル累算器) 16b カウンタ(デジタル累算器) 21・31 復調装置(相関器) 51 DAC(負帰還器;DA変換器) AMP31 フル差動増幅器(全差動型の増幅器) C1 積分容量 C2 積分容量(初期化手段) C3 容量(初期化手段) C11 サンプリング容量(第1サンプリング容量) C21 サンプリング容量(第2サンプリング容量) C31p 積分容量(反転側積分容量) C31m 積分容量(非反転側積分容量) C41p サンプリング容量(反転側サンプリング容
量) C41m サンプリング容量(非反転側サンプリング容
量) CMP MOSコンパレータ(比較器) CMP1 MOSコンパレータ(第1の比較器) CMP2 MOSコンパレータ(第2の比較器) SW1 スイッチ(初期化手段) SW2 マルチプレクサ(初期化手段;マルチプレ
クサ) SW3・SW4 マルチプレクサ(初期化手段) SW15・SW16 マルチプレクサ(第1マルチプレ
クサ) SW25・SW26 マルチプレクサ(第2マルチプレ
クサ) SW41p スイッチ(反転側第1スイッチ) SW41m スイッチ(非反転側第1スイッチ) SW42p スイッチ(反転側第2スイッチ) SW42m スイッチ(非反転側第2スイッチ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ダニエル センデロビッツ アメリカ合衆国,カリフォルニア州 94704−1210,バークリー ♯605,シャト ゥック アベニュー,2140

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力信号と符号系列との時間的相関値を算
    出する相関器であって、 入力信号へ、符号系列に応じた値を乗算する乗算器と、 アナログ積分器と、 アナログ積分器による積分値を量子化する量子化器と、 量子化器が出力するデジタル値を累算して、演算結果を
    上記相関値として出力するデジタル累算器と、 量子化器が出力するデジタル値を極性の反転したアナロ
    グ値に変換する負帰還器とを備え、 上記アナログ積分器は、上記負帰還器が出力する負帰還
    信号と、上記乗算器の出力との和を積分することを特徴
    とする相関器。
  2. 【請求項2】アナログ積分器を備え、符号系列により拡
    散されたベースバンド信号で変調された被変調入力を受
    けて、拡散されたベースバンド信号と符号系列に応じた
    値との時間的相関値を算出する相関器において、 さらに、入力信号へ、符号系列に応じた値と、キャリア
    周波数正弦波のサンプリング値との積を乗算する乗算器
    と、 アナログ積分器による積分値を量子化する量子化器と、 量子化器が出力するデジタル値を累算して、演算結果を
    上記相関値として出力するデジタル累算器と、 量子化器が出力するデジタル値を極性の反転したアナロ
    グ値に変換する負帰還器とを備え、 上記アナログ積分器は、上記負帰還器が出力する負帰還
    信号と、上記乗算器の出力との和を積分することを特徴
    とする相関器。
  3. 【請求項3】上記入力信号は、アナログ入力信号である
    ことを特徴とする請求項1または2記載の相関器。
  4. 【請求項4】上記入力信号は、デジタル入力信号である
    ことを特徴とする請求項1または2記載の相関器。
  5. 【請求項5】上記符号系列は、多値の符号系列であるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の相関器。
  6. 【請求項6】上記符号系列は、2値の符号系列であるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の相関器。
  7. 【請求項7】上記符号系列は、2値の符号系列であり、 上記アナログ積分器は、サンプリング期間中に、上記入
    力信号に応じて第1サンプリング容量に蓄積された電荷
    を、積分期間中に積分容量へ蓄積するスイッチドキャパ
    シタ型のアナログ積分器であり、 上記乗算器は、第1サンプリング容量の両端のうち、上
    記積分期間中に上記積分容量へ接続する端部を、上記符
    号系列の値に応じて選択する第1マルチプレクサである
    ことを特徴とする請求項1記載の相関器。
  8. 【請求項8】上記量子化器は、所定の範囲の上側と範囲
    内と下側との3値に上記積分値を量子化し、 上記負帰還回路は、上側の場合、上記積分値を減少さ
    せ、下側の場合、上記積分値を増加させると共に、 上記デジタル累算器は、上側の回数から下側の回数を引
    いた値を上記相関値として出力することを特徴とする請
    求項1または2記載の相関器。
  9. 【請求項9】上記符号系列は、2値の符号系列であり、 上記アナログ積分器は、サンプリング期間中に、上記入
    力信号に応じて第1サンプリング容量に蓄積された電荷
    を、積分期間中に積分容量へ蓄積するスイッチドキャパ
    シタ型のアナログ積分器であり、 上記乗算器は、第1サンプリング容量の両端のうち、上
    記積分期間中に上記積分容量へ接続する端部を、上記符
    号系列の値に応じて選択する第1マルチプレクサであ
    り、 上記量子化器は、所定の範囲の上端と上記積分値とを比
    較する第1の比較器と、上記範囲の下端と上記積分値と
    を比較する第2の比較器とを備え、 上記デジタル累算器は、上記第1の比較器が上側と判定
    した場合、カウント値を増加させ、上記第2の比較器が
    下側と判定した場合、カウント値を減少させるアップダ
    ウンカウンタであり、 上記負帰還器は、上側または下側と判定された場合、サ
    ンプリング期間中に、シフト量に応じた電圧が両端に印
    加される第2サンプリング容量と、 第2サンプリング容量の両端のうち、上記積分容量へ接
    続する端部を、上側か下側かに応じて選択して、上側の
    場合、上記積分値を減少させ、下側の場合、上記積分値
    を増加させる第2マルチプレクサとを備えていることを
    特徴とする請求項1記載の相関器。
  10. 【請求項10】上記量子化器は、上記積分値を所定のし
    きい値よりも、上側と下側との2値に量子化し、 上記負帰還器は、上側の場合、所定のシフト量だけ、上
    記積分値を減少させる信号を出力し、下側の場合、上記
    シフト量だけ、上記積分値を増加させる信号を出力する
    と共に、 上記デジタル累算器は、上側の回数を上記相関値として
    出力することを特徴とする請求項1または2記載の相関
    器。
  11. 【請求項11】上記符号系列は、2値の符号系列であ
    り、 上記アナログ積分器は、サンプリング期間中に、上記入
    力信号に応じて第1サンプリング容量に蓄積された電荷
    を、積分期間中に積分容量へ蓄積するスイッチドキャパ
    シタ型のアナログ積分器であり、 上記乗算器は、第1サンプリング容量の両端のうち、上
    記積分期間中に上記積分容量へ接続する端部を、上記符
    号系列の値に応じて選択する第1マルチプレクサであ
    り、 上記量子化器は、所定のしきい値と上記積分値とを比較
    する比較器を備え、 上記デジタル累算器は、上記比較器が上記しきい値より
    上と判定した場合、カウント値を増加させるカウンタを
    含み、 上記負帰還器は、サンプリング期間中に、上記シフト量
    に応じた電圧が両端に印加される第2サンプリング容量
    と、第2サンプリング容量の両端のうち、上記積分容量
    へ接続する端部を、上記しきい値より上か下かに応じて
    選択して、上側の場合、所定のシフト量だけ、上記積分
    値を減少させ、下側の場合、上記シフト量だけ、上記積
    分値を増加させる第2マルチプレクサとを備えているこ
    とを特徴とする請求項1記載の相関器。
  12. 【請求項12】上記量子化器は、4以上のレベル数に量
    子化するAD変換器であり、 上記デジタル累算器は、上記量子化器の出力を加算する
    デジタル加算器であり、 上記負帰還器は、上記AD変換器が出力するデジタル値
    を極性の反転したアナログ値に変換するDA変換器であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の相関器。
  13. 【請求項13】上記符号系列の各周期の最初に、上記ア
    ナログ積分器の積分値と上記量子化器の出力が示す値と
    が一致するように、両者の少なくとも一方を調整する初
    期化手段を備えていることを特徴とする請求項1または
    2記載の相関器。
  14. 【請求項14】上記アナログ積分器は、入出力間に配さ
    れ、積分値に応じた電荷が蓄積される積分容量を備え、 上記初期化手段は、初期化の際に、上記積分容量を短絡
    するスイッチと、初期化の際は、上記積分容量の出力側
    へ所定のオフセット電圧を印加し、相関演算の際には、
    上記積分容量の出力側と上記アナログ積分器の出力とを
    接続するマルチプレクサとを備えていることを特徴とす
    る請求項13記載の相関器。
  15. 【請求項15】上記初期化手段は、相関ダブルサンプリ
    ング動作によって、上記アナログ積分器の積分値を調整
    して、当該アナログ積分器のDCオフセットおよび低周
    波ノイズをキャンセルすることを特徴とする請求項13
    記載の相関器。
  16. 【請求項16】上記入力信号を積分する経路と、上記負
    帰還信号を積分する経路とが、サンプリング容量を共用
    していることを特徴とする請求項1または2記載の相関
    器。
  17. 【請求項17】上記アナログ積分器は、全差動型の増幅
    器と、 上記増幅器の反転入力端子と非反転出力端子との間に設
    けられた反転側積分容量と、 上記増幅器の非反転入力端子と反転出力端子との間に設
    けられた非反転側積分容量と、 上記反転入力端子に対応する反転側サンプリング容量
    と、 上記非反転入力端子に対応する非反転側サンプリング容
    量と、 上記反転側サンプリング容量の出力と上記増幅器の反転
    入力端子との間に配され、積分期間中に導通する反転側
    第1スイッチと、 サンプリング期間中に、上記反転側サンプリング容量の
    出力へ、所定の基準電圧を印加する反転側第2スイッチ
    と、 上記非反転側サンプリング容量の出力と上記増幅器の非
    反転入力端子との間に配され、積分期間中に導通する非
    反転側第1スイッチと、 サンプリング期間中に、上記非反転側サンプリング容量
    の出力へ、所定の基準電圧を印加する非反転側第2スイ
    ッチとを備え、 上記反転側および非反転側サンプリング容量の入力に
    は、サンプリング期間中、上記乗算器からの差動信号が
    印加され、積分期間中、上記負帰還器からの差動信号が
    印加されることを特徴とする請求項1または2記載の相
    関器。
  18. 【請求項18】相関演算に先立って、上記相関器のオフ
    セット誤差を測定する測定手段と、 上記測定されたオフセット誤差に基づいて、当該オフセ
    ット誤差をキャンセルするように、上記相関器の演算結
    果を調整するオフセット補償手段とを備えていることを
    特徴とする請求項1または2記載の相関器。
  19. 【請求項19】上記測定手段は、測定されたオフセット
    誤差をデジタル値として記憶するデジタルメモリを備
    え、 上記オフセット補償手段は、相関演算の際、上記相関器
    の出力から、上記デジタルメモリに記憶されたデジタル
    値を減算して、オフセット誤差をキャンセルする減算器
    を備えていることを特徴とする請求項18記載の相関
    器。
  20. 【請求項20】上記測定手段は、測定されたオフセット
    誤差をデジタル値として記憶するデジタルメモリを備
    え、 上記オフセット補償手段は、相関演算の開始時における
    上記デジタル累算器の初期値を、上記デジタル値の分だ
    け、上記オフセット誤差をキャンセルする方向へシフト
    する初期値設定回路を備えていることを特徴とする請求
    項18記載の相関器。
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