JP2001041746A - 測量装置 - Google Patents

測量装置

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JP2001041746A
JP2001041746A JP11213130A JP21313099A JP2001041746A JP 2001041746 A JP2001041746 A JP 2001041746A JP 11213130 A JP11213130 A JP 11213130A JP 21313099 A JP21313099 A JP 21313099A JP 2001041746 A JP2001041746 A JP 2001041746A
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JP
Japan
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telescope
optical axis
angle
drive
rotation
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JP11213130A
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English (en)
Inventor
Tetsushi Nomoto
徹志 野本
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Nikon Corp
Nikon Gijutsu Kobo KK
Original Assignee
Nikon Corp
Nikon Gijutsu Kobo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正確な整準作業をしなくても望遠鏡光軸
を絶対水平面内及び鉛直面内に移動させることができる
自動測量装置を提供すること。 【解決手段】 直交する2平面内のそれぞれで光軸を回
動自在な望遠鏡と、前記望遠鏡の前記2平面内の回転の
角度をそれぞれ検出する第1角度検出手段及び第2角度
検出手段と、前記望遠鏡を前記2つの軸を中心としてそ
れぞれ回転させる第1回転駆動手段及び第2回転駆動手
段と、前記望遠鏡の光軸を前記望遠鏡で視準される面内
において直交する2つの方向のいずれか一方の方向に移
動させる指令を出力する駆動指令手段と、該駆動指令手
段からの指令に基づいて、前記第1回転駆動手段と前記
第2回転駆動手段とに、入力された測量装置の傾きに関
する情報に応じて決定した速度比の駆動指令信号を出力
し、前記望遠鏡の光軸を前記面上において絶対水平方向
または鉛直方向に移動させる駆動制御手段とを有するこ
とを特徴とする自動測量装置とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、望遠鏡が直交する
2つの軸を中心としてモータ等の回転駆動手段により回
転駆動される測量装置に関する。
【0002】
【従来の技術】代表的測量装置として、直交する2つの
軸を中心として回転自在な望遠鏡を有する測量装置、例
えばトータルステーション、セオドライトがある。その
外観の一例を図8に示す。測量装置100は図示しない
三脚上に整準装置101を介して設置される。整準装置
101は整準ねじ102によって測量装置100の基台
103を固定すると共に、その傾斜を調整する。測量装
置100は、基台103に垂直な第1の軸を中心として
回転自在な本体104と、本体104に対して前記第1
の軸に垂直な第2の軸を中心として回転自在な望遠鏡1
05からなる。望遠鏡105は本体104と共に前記第
1の軸を中心として回転するので、望遠鏡105は直交
する2つの軸を中心として回動自在である。前記望遠鏡
の回転中心軸は前記直交点において望遠鏡105の光軸
とも交差する。前記直交点は測量装置の設置位置を示す
測量装置の基準点である。
【0003】測量装置100は整準装置101によって
姿勢を調整され、前記第1の軸が鉛直になるように設置
される。以下、前記第1の軸を垂直軸、前記第2の軸を
水平軸と言うことがある。また、望遠鏡105の本体1
04と共にする前記第1の軸を中心とする回転を望遠鏡
の水平回転又は単に水平回転と言うことがある。さら
に、望遠鏡105の前記第2の軸を中心とする回転を上
下回転と言うことがある。
【0004】本体104の内部には、望遠鏡105の上
下回転の回転角度(高度角)を検出する高度角検出手段
及び本体104の水平回転の回転角度(水平角)を検出
する水平角検出手段として、それぞれエンコーダが組み
込まれている。前記高度角は、望遠鏡105の光軸が水
平となる位置を0度とする角度である。前記水平角は望
遠鏡105の光軸方向が所定の基準方向となる位置を0
度とする角度である。
【0005】前記高度角、水平角を検出するエンコーダ
は、それぞれの基準位置で基準位置信号を発生し、高度
角及び水平角をゼロリセットする機能を有する。高度角
の基準位置は望遠鏡の光軸方向が水平となる位置、水平
角の基準位置は望遠鏡の光軸が基台103の所定の位置
方向となる位置である。さらに、水平角、高度角を任意
の位置でそれぞれゼロリセットすることも可能である。
【0006】前記高度角と水平角とによって望遠鏡10
5の光軸の向きが示される。従って、測量装置100に
対する望遠鏡105で視準された測量対象点の方向が求
められる。なお、望遠鏡の光軸が水平角=0、高度角=
0を頂点とする半球方向にある場合を正視、逆の場合を
反視という。
【0007】トータルステーションは、前記望遠鏡10
5で視準した測量対象点までの距離を求める測距手段を
さらに備え、求めた距離と高度角及び水平角とに基づい
て前記測量対象点の座標値を求めることができる。前記
座標値は前記測量対象点を含む対象面上に設定されたロ
ーカル座標系の座標値として求めることもできる。本体
104の内部には、前記水平回転及び前記上下回転をそ
れぞれ駆動する回転駆動機構が設けられ、該各回転駆動
機構から測量装置の外部に突設された操作ノブ107、
108を回転操作することによって前記各回転が行われ
る。前記各回転がモータ駆動される測量装置において
は、本体104の内部に前記各回転駆動機構を駆動する
回転駆動手段として、モータがそれぞれ設けられてい
る。
【0008】前記各モータは図9に平面図を示した駆動
指令部120に接続されている。駆動指令部120に
は、前記各回転の回転方向に対応する駆動指令スイッチ
121〜124が設けられ、押下された駆動スイッチに
対応する方向の前記各回転が行われる。即ち、駆動指令
スイッチ121が押下されると本体104が右に水平回
転し、駆動指令スイッチ122が押下されると本体10
4が左に水平回転し、駆動指令スイッチ123が押下さ
れると望遠鏡105が高度角の正方向に上下回転し、駆
動指令スイッチ124が押下されると望遠鏡105が高
度角の負方向に上下回転する。高度角の正方向への回転
によって望遠鏡105の光軸は高度角が270(−9
0)〜90度では上方に移動し、高度角90〜270
(−90)度では下方に移動する。
【0009】上記従来の測量装置では、前述のように測
量作業の開始に先立って測量装置100の姿勢を整準装
置101によって調整する。即ち、測量装置100の本
体104に設けられた傾斜検出手段106である気泡管
の気泡が所定の位置に来るように調整する。これによっ
て、測量装置100の前記第1の軸及び前記第2の軸が
正確に鉛直及び絶対水平に調整される。したがって、駆
動指令スイッチ121〜124を押下すると望遠鏡10
5は鉛直又は絶対水平方向の軸を中心として回転する。
【0010】その結果、望遠鏡105の光軸を視準する
対象面に向けて設置し、前記駆動指令スイッチ121〜
122を押下して望遠鏡105をその高度角を維持しつ
つ水平回転させると前記面上の前記光軸は絶対水平方向
に移動し、前記駆動指令スイッチ123〜124を押下
して望遠鏡105をその水平角を維持しつつ上下回転さ
せると前記面上の前記光軸は鉛直方向に移動する。その
際、前記望遠鏡の光軸の移動方向に垂直な面内におい
て、前記望遠鏡の光軸と前記対象面とが垂直でないと前
記対象面上の前記光軸の軌跡は直線から歪む。前記歪み
量は前記垂直からのズレ量に応じて変化し、前記垂直か
らのズレ量の小さい範囲では通常無視し得る程度のもの
である。なお、前記対象面が鉛直面であれば望遠鏡10
5の高度角を0度とすることにより望遠鏡105の光軸
は鉛直面内において対象平面に垂直とすることができる
ので、前記軌跡を正確な絶対水平線とすることが容易に
実現できる。
【0011】なお、本明細書において、鉛直とは地球の
重力方向を、絶対水平とは鉛直方向に垂直な方向を意味
する。測量装置100の水平回転の回転中心軸、即ち前
記第1の軸は鉛直とは限られず、整準作業を経て鉛直と
なる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】測量作業には、測量装
置の設置位置を頻繁に変える必要がある作業が多種あ
る。そして、測量装置の位置を変えるたびに測量装置の
姿勢を調整する整準作業が必要であるため、整準作業に
多くの時間を要するという問題があった。また、測量装
置は、例えば建築物、建造物の面上の所定の相対関係に
ある点の位置を計測したり、前記面上に所定の相対関係
にある点や線、特に平行線や矩形の頂点等を設定する目
的にも用いられる。前記点や線は、多くの場合絶対水平
線、鉛直線、或いはそれらの線上の点であった。従っ
て、前記のように対象面上において望遠鏡の光軸を絶対
水平方向または鉛直方向に移動させることができる従来
の測量装置でも可能であった。
【0013】しかしながら、近年のデザイン的要求か
ら、前記点や線は絶対水平や鉛直に対して傾斜している
線、或いは前記傾斜した線上の点である場合も多く見ら
れるようになってきた。このような場合には対象面上に
おいて望遠鏡の光軸を絶対水平や鉛直に対して所定量傾
斜した方向に移動させることが必要であるが、そのよう
な作業は従来の測量装置では極めて困難である。
【0014】また、測量作業では測量装置の有するある
種の誤差をキャンセルするために、正視の状態で測量し
た後、同一の測量対象点を望遠鏡の向きを反転させた反
視の状態として再度測量する、いわゆる反転測量を行う
ことがあり、望遠鏡の上下回転によって望遠鏡の向きを
反転させる。また、トラバース測量の前視と後視とにお
いても望遠鏡の上下回転によって視準方向を反転させる
ことがある。このような場合、押下した望遠鏡上下回転
駆動指令スイッチと望遠鏡の回転方向が通常とは逆転す
る。この為、作業者の感覚とは食い違いを生ずると言う
問題点があった。
【0015】本発明の目的は、正確な整準作業をしなく
ても対象面上において望遠鏡光軸を絶対水平方向及び鉛
直方向に容易に移動させることができる測量装置を提供
することであり、また、対象面上において望遠鏡の光軸
を絶対水平又は鉛直に対して所定量傾斜した直線方向に
容易に移動させることができる測量装置を提供すること
である。
【0016】本発明の他の目的は、上下回転による視準
方向の反転に関わらず、常に作業者の感覚に一致した好
適な操作性を提供する測量装置を実現することにある。
そして、前記いずれの測量装置においても、前記望遠鏡
光軸の移動を指示する駆動指令手段は手動操作される駆
動指令手段とすることができる。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明装置は、直交する2つの軸のそれぞれを中心として光
軸を回動自在な望遠鏡と、前記望遠鏡の前記2つの軸を
中心とする回転の角度をそれぞれ検出する第1角度検出
手段及び第2角度検出手段と、前記望遠鏡を前記2つの
軸を中心としてそれぞれ回転させる第1回転駆動手段及
び第2回転駆動手段と、前記望遠鏡の光軸を前記望遠鏡
で視準される面上において所定の方向に移動させる指令
を出力する駆動指令手段と、該駆動指令手段からの指令
に基づいて、前記第1回転駆動手段と前記第2回転駆動
手段とに、入力された測量装置の傾きに関する情報に応
じて決定した速度比の駆動指令信号を出力し、前記望遠
鏡の光軸を前記面上において前記所定の方向に移動させ
る駆動制御手段とを有することを特徴とする測量装置で
ある。
【0018】または、直交する2つの軸のそれぞれを中
心として光軸を回動自在な望遠鏡と、前記望遠鏡の前記
2つの軸を中心とする回転の角度をそれぞれ検出する第
1角度検出手段及び第2角度検出手段と、前記望遠鏡を
前記2つの軸を中心としてそれぞれ回転させる第1回転
駆動手段及び第2回転駆動手段と、前記望遠鏡の光軸を
前記望遠鏡で視準される面上において直交する2つの方
向のいずれか一方の方向に移動させる指令を出力する駆
動指令手段と、該駆動指令手段からの指令に基づいて、
前記第1回転駆動手段と前記第2回転駆動手段とに、入
力された測量装置の傾きに関する情報に応じて決定した
速度比の駆動指令信号を出力し、前記望遠鏡の光軸を前
記面上において絶対水平方向または鉛直方向に移動させ
る駆動制御手段とを有することを特徴とする測量装置で
ある。
【0019】更には、直交する2つの軸のそれぞれを中
心として光軸を回動自在な望遠鏡と、前記望遠鏡の前記
2つの軸を中心とする回転の角度をそれぞれ検出する第
1角度検出手段及び第2角度検出手段と、前記望遠鏡を
前記2つの軸を中心としてそれぞれ回転させる第1回転
駆動手段及び第2回転駆動手段と、前記望遠鏡の光軸を
前記望遠鏡で視準される面上において直交する2つの方
向のいずれか一方の方向に移動させる指令を出力する駆
動指令手段と、該駆動指令手段からの指令に基づいて、
前記第1回転駆動手段と前記第2回転駆動手段とに、入
力された測量装置の傾きに関する情報と、入力されたロ
ーカル座標系の軸の方向の絶対水平または鉛直からの傾
斜角度とに応じて決定した速度比の駆動指令信号を出力
し、前記望遠鏡の光軸を前記面上において前記ローカル
座標系の2つの軸方向の一方の方向に移動させる駆動制
御手段とを有することを特徴とする測量装置である。
【0020】上記の測量装置において、前記駆動指令手
段は前記2つの方向の他方向への前記望遠鏡の光軸の移
動を指示する指令をさらに出力し、前記駆動制御手段は
前記指令に基づいて前記望遠鏡の光軸を前記2つの方向
の他方向に移動させることができる。また、上記各測量
装置において、前記測量装置の絶対水平又は鉛直に対す
る傾きを検出する傾斜検出手段をさらに備え、前記測量
装置の傾きに関する情報は前記傾斜検出手段から入力さ
れるようにすることができる。
【0021】或いは、直交する2つの軸のそれぞれを中
心として光軸を回動自在な望遠鏡と、前記望遠鏡の前記
2つの軸を中心とする回転の角度をそれぞれ検出する第
1角度検出手段及び第2角度検出手段と、前記望遠鏡を
前記2つの軸を中心としてそれぞれ回転させる第1回転
駆動手段及び第2回転駆動手段と、前記望遠鏡の光軸を
前記望遠鏡で視準される面上において所定の方向に移動
させる指令を出力する駆動指令手段と、該駆動指令手段
からの指令に基づいて、前記第1回転駆動手段と前記第
2回転駆動手段とに、前記面上の所定の基準方向を示す
直線上の複数の点を前記望遠鏡でそれぞれ視準したとき
の前記第1角度検出手段及び前記第2角度検出手段の値
に基づいた速度比の駆動指令信号を出力し、前記望遠鏡
の光軸を前記面上において前記基準方向を示す直線と平
行な方向に移動させる駆動制御手段とを有することを特
徴とする測量装置である。
【0022】前記測量装置において、前記駆動指令手段
は前記所定の方向とは異なる第2の方向への前記望遠鏡
の光軸の移動を指示する指令をさらに出力し、前記駆動
制御手段は前記指令に基づいて前記望遠鏡の光軸を前記
第2の方向に移動させるようにすることができる。さら
に、前記測量装置において、前記駆動指令手段は前記第
2の方向を前記基準方向と垂直な方向として前記望遠鏡
の光軸を移動させるようにすることができる。前記2つ
の軸方向の他方向への前記望遠鏡の光軸の移動を指示す
る指令をさらに出力し、前記駆動制御手段は前記指令に
基づいて前記望遠鏡の光軸を前記基準方向を示す直線と
垂直な方向に移動させるようにすることができる。
【0023】前記望遠鏡の光軸を前記面上において前記
基準方向を示す直線と平行な方向及びこれと垂直な方向
に容易に移動させることができる。また、別の目的を達
成する本発明は、ほぼ水平な第1の軸とこれに直交する
第2の軸のそれぞれを中心として光軸を回動自在な望遠
鏡と、前記望遠鏡の前記第1の軸を中心とする回転の角
度と前記第2の軸を中心とする回転の角度をそれぞれ検
出する第1角度検出手段及び第2角度検出手段と、前記
望遠鏡を前記第1の軸と前記第2の軸とを中心としてそ
れぞれ回転させる第1回転駆動手段及び第2回転駆動手
段と、前記第1の軸および第2の軸を中心とする望遠鏡
の回転を指示する指令を出力する駆動指令手段と、該駆
動指令手段からの指令に基づいて、前記第1回転駆動手
段と前記第2回転駆動手段とに駆動指令信号を出力する
と共に、前記第1角度検出手段が検出した角度に応じて
前記駆動指令信号の符号を反転させる駆動制御手段とを
有することを特徴とする測量装置である。
【0024】その場合、前記駆動制御手段は前記駆動指
令手段からの指令が出力されたときの前記第1角度検出
手段の値に基づいて前記駆動指令信号の符号を反転させ
ることが好ましい。上記いずれの測量装置においても、
前記駆動指令手段は手動で操作される駆動指令手段とす
ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態例の装置の基
本的構成は前記従来の測装置100と同様であり、前記
従来の測量装置100と同様の機能を有する。そこで同
じ構成部分については同一の符号で引用することによっ
て詳細な説明を省略する。なお、本実施の形態例の装置
は、水平回転及び上下回転の駆動機構を駆動する回転駆
動手段としてモータを備えている。更に、傾斜検出手段
106として測量装置の絶対水平面または鉛直面からの
傾斜角を2次元的に検出して傾斜角信号を出力する傾斜
検出手段、例えば水平面内で望遠鏡105の光軸と平行
な方向とその直角方向とに配置された、気泡の位置を電
気的に検出する2本の棒状気泡管を備えている。
【0026】前記望遠鏡105の光軸と平行な気泡管か
らの出力信号は、測量装置の任意方向への傾斜角の、望
遠鏡105の光軸方向への傾斜成分φ1を示す第1の傾
斜角信号であり、これに直角方向の気泡管からの出力信
号は前記方向と直角な方向への傾斜成分φ2を示す第2
の傾斜角信号である。前記第1の傾斜角信号と前記第2
の傾斜角信号とをまとめて、傾斜角信号という。前記傾
斜角信号と水平角検出手段で検出した水平角αとに基づ
いて、測量装置の最大傾斜の方向の方位角θと最大傾斜
角φとを求めることができる。
【0027】図1に本実施の形態例の測量装置の主要部
の構成のブロック図を示す。角度検出手段11は測量装
置の基台103に対して自在に水平回転する測量装置本
体104の回転角(水平角)を検出する水平角検出手段
111と、前記本体104に対して自在に上下回転する
望遠鏡105の回転角(高度角)を検出する高度角検出
手段112とからなる。具体的には水平角エンコーダと
高度角エンコーダとである。前記高度角エンコーダは望
遠鏡105の光軸が水平になる位置で、前記水平角エン
コーダは望遠鏡105の光軸が基台103の所定の位置
の方向となる位置で発生する基準信号によってそれぞれ
ゼロリセットされる。また、所定の操作をすることによ
って望遠鏡105の光軸を任意の方向とした位置でそれ
ぞれゼロリセットすることができる。任意の位置でのゼ
ロリセット操作がなされたときは前記基準信号によるゼ
ロリセットは行われない。
【0028】12は望遠鏡105を構成の一部として共
用する測量対象点までの距離を求める測距手段、具体的
には公知の光波測距装置である。角度検出手段11及び
測距手段12は、測量制御手段16としての演算手段1
5に接続されており、測量制御手段16は角度検出手段
11及び測距手段12を制御すると共に角度検出手段1
1及び測距手段12からの信号を処理して測量値を求
め、該求めた測量値を表示手段13に表示する。
【0029】前記測量制御手段16は、前記測量値とし
て、前記測量対象点までの距離と高度角及び水平角とに
基づいて視準した点の座標値を求めることができる。前
記座標値は視準した面上に設定されたローカル座標系の
座標値として求めることもできる。演算手段15にはテ
ンキーなどの押しボタンスイッチを有する入力手段14
が接続されている。前記入力手段14からの入力データ
は、測量制御手段16として演算手段15が実行する前
記測量値を求めるための処理方法を選択するために用い
られる。また、前記処理に用いるデータ値として用いら
れることもある。
【0030】19は前記本体104を水平回転させる水
平回転駆動手段、20は望遠鏡105を上下回転させる
上下回転駆動手段である。水平回転駆動手段19、上下
回転駆動手段20には、従来装置の駆動指令手段120
と類似の駆動指令手段18の操作に応じて駆動制御手段
17としての演算手段15から駆動指令信号が出力され
る。
【0031】前記入力手段14からの入力データは駆動
制御手段17としての演算手段15に入力され、駆動指
令信号生成のためのデータとして使用されることもあ
る。符号21で示した前記傾斜検出手段も演算手段15
に接続されている。演算手段15は傾斜検出手段21か
らの傾斜角信号、即ち傾斜角φ1、φ2と水平角検出手
段11で検出した水平角αとに基づいて最大傾斜方向の
方位角θと最大傾斜角φを算出する。図2において、L
1は鉛直な長さ1の直線である。L2は該直線L1を望
遠鏡光軸に直角な方向に角φ2傾斜させた直線である。
直線L3は前記直線L2を望遠鏡光軸に平行な方向に角
φ1傾斜させた直線である。従って直線L3は、望遠鏡
の光軸に平行な方向と直角な方向を軸方向とする3次元
座標系において直線L1が3次元的に傾斜した直線であ
り、直線L1と直線L3とを含む平面内における傾斜角
は測量装置の最大傾斜角φである。
【0032】図2を参照してφ、θを求めると、 φ=Sin−1(Sin2φ2+Cos2φ2*Sin2φ1)1/2 θ=γ+α =Tan−1(Sinφ2/Cosφ2*Sinφ1)+α =Tan−1(Tanφ2/Sinφ1)+α である。
【0033】但し、方位角θは測量装置の水平角α=0
の位置を基準(0度)とする角度である。前記算出され
たθ及びφは、測量制御手段16としての演算手段1
5、及び駆動制御手段17としての演算手段15で用い
られる。図3は、駆動指令手段18の外観を示す図であ
る。駆動指令手段18には、それぞれ異なる方向を示す
矢印が表示された4つの押しボタンスイッチ181〜1
84が設けられている。押しボタンスイッチ181、1
82はそれぞれ望遠鏡の光軸の左右方向への移動、押し
ボタンスイッチ183、184はそれぞれ望遠鏡光軸の
上下方向への移動に対応付けられている。中央の押しボ
タンスイッチ185は前記対応を反転させるスイッチで
あるが後に詳述する。
【0034】図4は、図1の装置の回転駆動に係る部分
の構成を詳細に示した図である。駆動指令部18の18
1〜184(図3参照)のいずれかの押しボタンスイッ
チが押下されると、駆動制御手段17としての演算手段
15は、押下された押しボタンスイッチ181〜184
に応じて、傾斜検出手段21からの傾斜角信号を参照し
て前記水平回転の駆動速度Vhと前記上下回転の駆動速
度Vvとを決定し、前記駆動速度を表す駆動指令値V
H、VVをD/Aコンバータ191、201に出力す
る。D/Aコンバータ191、201は入力された駆動
指令値をD/A変換したアナログ指令値Vh、Vvをモ
ータ駆動回路192、202に出力し、モータ駆動回路
192、202はそのアナログ指令値Vh、Vvに対応
する速度で水平回転モータ193、上下回転モータ20
3を駆動する。
【0035】本発明の測量装置では測量作業開始に当た
って行う整準は前記傾斜検出手段が有効に作動する状態
とする程度で良く、従来装置のように正確に行う必要は
ない。その結果、測量装置は鉛直、絶対水平に対して傾
いている。従来の測量装置では、この状態で測量装置の
望遠鏡を測量対象面に正対させ前記望遠鏡を水平回転ま
たは上下回転させると、前記望遠鏡の光軸は前記面上に
おいて絶対水平または鉛直に対して傾斜した方向に移動
することがある。なお、望遠鏡を対象面に正対させると
は、望遠鏡の光軸を測量対象面に対して垂直に設置する
ことである。
【0036】しかしながら本発明の測量装置では、測量
装置が正確に整準されていなくても、望遠鏡105の光
軸は駆動指令手段18の押しボタン181、182が押
下された時、前記測量対象面上において絶対水平方向に
移動し、押しボタン183、184が押下された時、前
記面上において鉛直上下方向に移動する。これは望遠鏡
105の水平回転と上下回転とを所定の速度比で同時に
行う事によって実現される。
【0037】以下、駆動制御手段17(演算手段15)
による前記速度比、即ち水平回転及び上下回転の駆動指
令値の決定方法を図5、図6を参照して詳述する。ま
ず、望遠鏡の光軸を絶対水平方向へ移動させるための前
記駆動指令値の決定方法を説明する。図5(A)におい
て、41は正確に整準された測量装置の望遠鏡を高度角
=0の状態で水平回転させたときの望遠鏡の光軸の回転
軌跡を示す。即ち望遠鏡の光軸は絶対水平面内で移動す
る。44はこの水平回転の中心軸であり、鉛直である。
42は水平角の基準方向であり、α=0の方向を示して
いる。この測量装置の望遠鏡の光軸を絶対水平方向に速
度Vhhで移動させるためには、測量装置を速度Vhh
で水平回転させればよい。
【0038】43は水平角α=θの方向に角φだけ傾斜
した測量装置の望遠鏡を水平回転させたときの前記望遠
鏡の光軸の回転軌跡である。前記望遠鏡の光軸は絶対水
平から角φ傾斜した面内で移動する。45はこの水平回
転の中心軸であり、方向角α=θの方向に角φだけ傾斜
している。直線61は水平角α=θ、高度角β=0の望
遠鏡の光軸の方向を示す。直線62は水平角α=θ、高
度角β=φ(−φ)の望遠鏡の光軸の方向を示す。直線
63は水平角α=θ+90(θ−90)、高度角β=0
の望遠鏡の光軸の方向を示す。
【0039】このように傾斜した測量装置の望遠鏡の光
軸の水平角α=θの位置、即ち最大傾斜の方向の位置で
の移動方向47は絶対水平方向であり、整準された測量
装置の望遠鏡の光軸の移動方向46と平行である。この
方向の測量対象面上における望遠鏡で視準した点の軌跡
は絶対水平直線である。一方、水平角α=θ+90度の
位置での望遠鏡の光軸の移動方向は、整準された測量装
置では絶対水平方向48であるが、前記傾斜した測量装
置においては角φだけ傾斜した方向49となる。この方
向の測量対象面上における望遠鏡で視準した点の軌跡は
絶対水平から角φだけ傾斜した直線である。
【0040】角φだけ傾斜した測量装置の望遠鏡の光軸
をこの位置において絶対水平方向に速度Vhhで移動さ
せるためには、ベクトル三角形A(詳細は図5(B)参
照)に示した如く、前記測量装置の速度Vhh*Cos
φでの水平回転と速度Vhh*Sinφの上下回転とを
同時に行うことが必要である。前記2つの位置の中間に
おける望遠鏡の光軸の移動方向は水平角αの変化に伴っ
て変化する。
【0041】よって、駆動制御手段17(演算手段1
5)は、望遠鏡の光軸の左右方向移動を指示する押しボ
タン181、182が押下されたとき、水平回転の駆動
速度Vh、上下回転の駆動速度Vvを式(1)で決定す
る。復号±は同順であり、押しボタン181、182に
対応する。 Vh=±Vhh・Cosφ・Cos(α−θ) Vv=±Vhh・Sinφ・Sin(α−θ) ………式(1) かくして、測量装置が絶対水平から傾斜していても望遠
鏡の光軸は絶対水平面内で移動し、測量対象面上におけ
る望遠鏡の光軸の軌跡は絶対水平直線となる。
【0042】なお、前記説明は便宜上高度角β=0とし
て説明したが、高度角をβ=0以外の所定の一定値に保
持しつつ水平回転させた場合にも前記説明を適用するこ
とができる。次に、望遠鏡の光軸を鉛直方向に移動させ
るための前記駆動指令値の決定方法を説明する。図6
(A)は、正確に視準された測量装置の望遠鏡と前記の
如く傾斜した測量装置の望遠鏡を上下回転させたとき、
それぞれの望遠鏡の光軸の軌跡が含まれる平面を示した
ものである。直線61〜63は図5(A)の61〜63
に対応している。平面64と平面65は鉛直で互いに垂
直である、平面66は平面65を直線63を回転中心と
して角φだけ回転させたものである。
【0043】正確に視準された測量装置の望遠鏡の上下
回転させたときの該望遠鏡の光軸は常に鉛直内で移動す
る。図6(A)に示した水平角α=θ、θ+180度の
位置では平面64内で、水平角α=θ+90度、θ+2
70度の位置では平面65内で移動する。鉛直面内での
望遠鏡の光軸の移動は測量対象面上において望遠鏡の光
軸を鉛直線上で移動させる。
【0044】これに対して角φだけ傾斜した測量装置の
望遠鏡の上下回転に対応する該望遠鏡の光軸の移動は、
α=θ又はθ+180度の位置では鉛直な平面64内で
あるが、α=θ+90度、θ+270度の位置では鉛直
から角φだけ傾斜した平面66内となる。鉛直から角φ
だけ傾斜した平面内での望遠鏡の光軸の移動は測量対象
面上において望遠鏡の光軸を鉛直から角φだけ傾斜した
直線上で移動させる。
【0045】図6(A)の50はα=θ+90度の位置
における平面65内の望遠鏡の光軸の移動方向を示し、
51は平面66内の望遠鏡の光軸の移動方向を示す。角
φだけ傾斜した測量装置の望遠鏡の光軸をα=θ+90
度又はθ+270度の位置で鉛直面内で速度Vvvで移
動させるためには、ベクトル三角形B(詳細は図6
(B)参照)に示した如く、前記測量装置の速度Vvv
*Sinφでの水平回転と速度Vvv*Cosφの上下
回転とを同時に行うことが必要である。そして、前記2
つの位置の中間では水平角αの変化に伴って変化する。
【0046】即ち、駆動制御手段17(演算手段15)
は、望遠鏡の光軸の上下方向移動を指示する押しボタン
183、184が押下されたとき、水平回転の駆動速度
Vh、上下回転の駆動速度Vvを式(2)で決定する。
復号は式(1)と同様である。 Vh=±Vvv・Sinφ・Sin(α−θ) Vv=±Vvv・Cosφ・Cos(α−θ) ………式(2) かくして、測量装置が絶対水平から傾斜していても望遠
鏡の光軸は鉛直平面内で移動し、測量対象面上における
望遠鏡の光軸の軌跡は鉛直な直線となる。
【0047】駆動制御手段17から前記の如くして決定
された駆動指令値を受けた水平回転駆動手段19と上下
回転駆動手段20とによって、測量装置の望遠鏡は、速
度Vhでの水平回転と速度Vvでの上下回転とで同時に
回転駆動されるので、該望遠鏡の光軸の測量対象面上で
の動きは前記2つの回転が合成され、式(1)の場合は
絶対水平な左右移動、式(2)の場合は鉛直な上下移動
となる。
【0048】これによって、建築物の壁面などに、鉛直
又は絶対水平な直線やこれらの直線上の点を容易に設定
したり、前記直線上の複数の点を効率よく視準し、それ
らの点の位置の計測を容易に行うことができる。また、
前記最大傾斜角φ及び方向角θは測量制御手段16とし
ての演算手段15にも読み込まれる。測量制御手段16
は、水平角エンコーダ111及び高度角エンコーダ11
2で検出した水平角、高度角から、最大傾斜角φと方向
角θとに基づく傾斜補正演算をして、絶対水平面内、又
は鉛直面内での水平角、高度角を算出してその結果を表
示部13に表示する。この傾斜補正演算は、測量装置の
水平回転、上下回転の回転軸方向を座標軸とする機械座
標系と、絶対水平方向と鉛直方向とを軸方向とする地球
座標系との間の座標変換に他ならない。
【0049】簡易的には、望遠鏡の光軸に垂直方向への
傾斜成分φ2を用いて水平角のみが補正される。さて、
測量対象面上において望遠鏡の光軸を移動させる方向は
絶対水平方向又は鉛直方向に限られない。例えば図7に
おいて、測量対象面500上における鉛直方向30から
角度δだけ傾斜した方向31またはその垂直方向とする
こともできる。前記傾斜した方向31およびその垂直方
向は、前記対象面上において絶対水平、鉛直から傾斜し
た直線や該直線上の点の位置を定義するためのローカル
座標系の軸方向と言える。その場合は、演算手段15に
よって前記最大傾斜角φ及び方向角θに対して角δに基
づく修正を加える。即ち、前記最大傾斜角φの前記対象
面内成分から前記角δを減じて修正最大傾斜角φ’を求
め、式(1)、(2)のφに代えて前記修正最大傾斜角
φ’を用いる。前記最大傾斜角φの前記対象面内成分は
最大傾斜角φと、その方位角θと前記対象面を視準した
ときの方位角との差に基づいて求めることができる。な
お、図7の32は測量装置本体104の基準点である。
【0050】その結果、前記対象面上において、前記望
遠鏡の光軸は、押しボタンスイッチ183、184の押
下に応じて鉛直方向から角度δだけ傾斜した方向31に
移動し、押しボタンスイッチ181、182の押下に応
じてこれに垂直な方向に沿って移動する。前記絶対水平
又は鉛直からの傾斜角δはテンキーなどの入力手段14
によって入力することができる。更には、望遠鏡で対象
面上の基準線上の複数の点を視準したときの水平角α及
び高度角βに基づいて決定することもできる。即ち図7
の点1を視準して水平角α1、高度角β1を得、点2を
視準して水平角α2、高度角β2を得たとき、基準線の
鉛直からの傾斜角δは下式で求めることができる。
【0051】δ=arcTan(Sin(β1−β2)
/Sin(α1−α2))前記角度δに基づく補正は、
駆動指令手段18の押しボタンスイッチ181及び18
2、或いは183及び184のいずれか一方の組に対応
する駆動指令信号のみに適用しても良い。前記測量対象
面上における前記望遠鏡の光軸は、適用された組の押し
ボタンスイッチの押下に応じて絶対水平又は鉛直から角
度δだけ傾斜した方向に移動し、適用されなかった組の
押しボタンスイッチの押下に応じて絶対水平方向又は鉛
直方向に移動する。
【0052】これによって、建築物の壁面などに、鉛直
又は絶対水平に対して所定角度傾斜した直線やこれに直
交する直線又はこれらの直線上の点を容易に設定した
り、前記直線上の複数の点を効率よく視準し、それらの
点の位置を容易に計測することことができる。なお、望
遠鏡の光軸と対象面とが垂直でない場合には前記のよう
に対象面上における望遠鏡の光軸の移動軌跡は直線から
歪むが、点の位置の計測の場合には前記歪み量が望遠鏡
の視野径の1/2以下の範囲であれば測量対象点を探す
作業は容易に行うことができ、その後の作業もわずかな
位置調整作業のみで済むので、従来の装置に比較して効
率的に測量作業を行うことができる。直線や直線上の点
の設定も高度角が大きくない範囲では前記歪み量が小さ
いので実用上問題にならないことが多い。
【0053】かくして、対象面上において望遠鏡の光軸
を絶対水平又は鉛直な平行線上に移動させること、或い
は絶対水平又は鉛直に対して所定の角度傾斜した平行線
上に移動させることも容易に行うことができる。そして
対象面上に前記平行線や該平行線上の点を設定したり、
前記平行線上の点の位置を計測することを容易に行うこ
とができる。
【0054】ところで、駆動指令手段18は図3に示し
たように前記上下回転の回転方向を高度角の値に応じて
自動的に切り換える回転方向自動切り換え機能の作動/
不作動を選択する自動切り換え選択スイッチ185を備
えている。これまでの説明は自動切り換え機能不作動が
選択された場合について説明した。自動切り替え機能作
動が選択されると、高度角が90度未満又は270度以
上の場合は上記に従い、高度角が90度以上270度未
満の場合は、式(1)、式(2)のVvの符号が反転さ
れる。前記自動切り替え機能は、選択スイッチ185の
選択状況を検出した演算手段15によって実現される。
なお、高度角が90度または270度付近で動作が不安
定となることを防止するため、回転駆動を開始した時の
高度角によって前記符号を反転するか否かを決定する。
【0055】自動切り替え機能が作動した場合も、前記
望遠鏡の光軸の動きは自動切り替え機能不作動の場合と
同様、絶対水平面内での左右移動又は鉛直面内での上下
移動となる。前記説明した測量装置において、駆動指令
手段18はジョイスティック式とすることができる。ジ
ョイスティック式駆動指令手段は、左右、前後方向に傾
動自在なジョイスティックを有し左右への傾動によって
測量装置の望遠鏡の光軸の左右方向への移動が、前後方
向への傾動によって望遠鏡の光軸の上下方向への移動が
指令される。そして、前記各移動の速度は前記ジョイス
ティックの傾斜角に応じて設定される。各移動の速度を
自在にコントロールできるので要部では低速として高精
度の作業を行い、さほど重要でない部分では高速として
作業時間を短縮することができる。
【0056】また、駆動指令手段18は、演算処理手段
例えばパソコンなどとすることができる。パソコンは所
定の操作に基づいて、望遠鏡の光軸を測量対象面上にお
いて左右方向または上下方向に移動させる指令を駆動制
御手段17に出力する。前記パソコンからの指令は前記
視準された面上に設定する点の座標差ΔX又はΔYとし
て与えられる場合もある。前記設定する点は望遠鏡で視
準される、前記面上における望遠鏡の光軸の位置であ
る。前記座標差ΔX又はΔYは設計データとして与えら
れる前記設定する点の座標値から求められるが、通常、
前記点の座標値は絶対水平方向及び鉛直方向を座標軸方
向とする座標系の値であるので座標差ΔXの方向は絶対
水平方向に、座標差ΔYの方向は鉛直方向に一致してい
る。
【0057】更に、前記測量装置は、前記望遠鏡の光軸
と同軸、又は平行な細い可視光線、例えばレーザービー
ムを投光する測量装置としても良い。対象面上ので前記
望遠鏡の光軸の位置を確認できるので作業が容易とな
る。なお、従来の技術の項で説明した測量装置に望遠鏡
の光軸と同軸、又は平行なレーザービームを投光する装
置を備えた測量装置は既に知られている。
【0058】
【発明の効果】本発明装置によれば、正確な整準作業を
しなくても望遠鏡光軸を絶対水平面内及び鉛直面内に移
動させることができる。前記は手動操作される駆動指令
手段によって測量装置を駆動する場合にも実現される。
更に、望遠鏡の光軸を絶対水平線/鉛直線に対して傾斜
した基準線に平行又は垂直な面内で容易に移動させるこ
とができる。
【0059】また、本発明装置によれば、高度角の値に
関わらず常に作業者の感覚に一致した好適な操作性を提
供する測量装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例の主要部のブロック図。
【図2】測量装置の最大傾斜角、その方向角の算出方法
の説明図。
【図3】図1の装置の駆動指令手段の外観図。
【図4】図1の装置の回転駆動に係る部分の詳細ブロッ
ク図。
【図5】望遠鏡光軸を絶対水平方向に駆動する駆動指令
値の決定方法の説明図。
【図6】望遠鏡光軸を鉛直方向に駆動する駆動指令値の
決定方法の説明図。
【図7】光軸の移動方向を説明する図。
【図8】測量装置の外観図。
【図9】従来の測量装置の駆動指令部の外観の平面図。
【符号の説明】
11……角度検出手段 12……測距手段 14……データ入力手段 15……演算手段 18……駆動指令手段 19……水平回転駆動手段 20……上下回転駆動手段 21……傾斜検出手段

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直交する2つの軸のそれぞれを中心とし
    て光軸を回動自在な望遠鏡と、 前記望遠鏡の前記2つの軸を中心とする回転の角度をそ
    れぞれ検出する第1角度検出手段及び第2角度検出手段
    と、 前記望遠鏡を前記2つの軸を中心としてそれぞれ回転さ
    せる第1回転駆動手段及び第2回転駆動手段と、 前記望遠鏡の光軸を前記望遠鏡で視準される面上におい
    て所定の方向に移動させる指令を出力する駆動指令手段
    と、 該駆動指令手段からの指令に基づいて、前記第1回転駆
    動手段と前記第2回転駆動手段とに、入力された測量装
    置の傾きに関する情報に応じて決定した速度比の駆動指
    令信号を出力し、前記望遠鏡の光軸を前記面上において
    前記所定の方向に移動させる駆動制御手段とを有するこ
    とを特徴とする測量装置。
  2. 【請求項2】 直交する2つの軸のそれぞれを中心とし
    て光軸を回動自在な望遠鏡と、 前記望遠鏡の前記2つの軸を中心とする回転の角度をそ
    れぞれ検出する第1角度検出手段及び第2角度検出手段
    と、 前記望遠鏡を前記2つの軸を中心としてそれぞれ回転さ
    せる第1回転駆動手段及び第2回転駆動手段と、 前記望遠鏡の光軸を前記望遠鏡で視準される面上におい
    て直交する2つの方向のいずれか一方の方向に移動させ
    る指令を出力する駆動指令手段と、 該駆動指令手段からの指令に基づいて、前記第1回転駆
    動手段と前記第2回転駆動手段とに、入力された測量装
    置の傾きに関する情報に応じて決定した速度比の駆動指
    令信号を出力し、前記望遠鏡の光軸を前記面上において
    絶対水平方向または鉛直方向に移動させる駆動制御手段
    とを有することを特徴とする測量装置。
  3. 【請求項3】 直交する2つの軸のそれぞれを中心とし
    て光軸を回動自在な望遠鏡と、 前記望遠鏡の前記2つの軸を中心とする回転の角度をそ
    れぞれ検出する第1角度検出手段及び第2角度検出手段
    と、 前記望遠鏡を前記2つの軸を中心としてそれぞれ回転さ
    せる第1回転駆動手段及び第2回転駆動手段と、 前記望遠鏡の光軸を前記望遠鏡で視準される面上におい
    て直交する2つの方向のいずれか一方の方向に移動させ
    る指令を出力する駆動指令手段と、 該駆動指令手段からの指令に基づいて、前記第1回転駆
    動手段と前記第2回転駆動手段とに、入力された測量装
    置の傾きに関する情報と、入力されたローカル座標系の
    軸の方向の絶対水平または鉛直からの傾斜角度とに応じ
    て決定した速度比の駆動指令信号を出力し、前記望遠鏡
    の光軸を前記面上において前記ローカル座標系の2つの
    軸方向の一方の方向に移動させる駆動制御手段とを有す
    ることを特徴とする測量装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3に記載の測量装
    置において、 前記駆動指令手段は前記2つの方向の他方向への前記望
    遠鏡の光軸の移動を指示する指令をさらに出力し、 前記駆動制御手段は前記指令に基づいて前記望遠鏡の光
    軸を前記2つの方向の他方向に移動させることを特徴と
    する測量装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4に記載の測量装置に
    おいて、 前記測量装置の絶対水平又は鉛直に対する傾きを検出す
    る傾斜検出手段をさらに備え、 前記測量装置の傾きに関する情報は前記傾斜検出手段か
    ら入力されることを特徴とする測量装置。
  6. 【請求項6】 直交する2つの軸のそれぞれを中心とし
    て光軸を回動自在な望遠鏡と、 前記望遠鏡の前記2つの軸を中心とする回転の角度をそ
    れぞれ検出する第1角度検出手段及び第2角度検出手段
    と、 前記望遠鏡を前記2つの軸を中心としてそれぞれ回転さ
    せる第1回転駆動手段及び第2回転駆動手段と、 前記望遠鏡の光軸を前記望遠鏡で視準される面上におい
    て所定の方向に移動させる指令を出力する駆動指令手段
    と、 該駆動指令手段からの指令に基づいて、前記第1回転駆
    動手段と前記第2回転駆動手段とに、前記面上の所定の
    基準方向を示す直線上の複数の点を前記望遠鏡でそれぞ
    れ視準したときの前記第1角度検出手段及び前記第2角
    度検出手段の値に基づいた速度比の駆動指令信号を出力
    し、前記望遠鏡の光軸を前記面上において前記基準方向
    を示す直線と平行な方向に移動させる駆動制御手段とを
    有することを特徴とする測量装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の測量装置において、 前記駆動指令手段は前記所定の方向とは異なる第2の方
    向への前記望遠鏡の光軸の移動を指示する指令をさらに
    出力し、 前記駆動制御手段は前記指令に基づいて前記望遠鏡の光
    軸を前記第2の方向に移動させることを特徴とする測量
    装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の測量装置において、 前記駆動制御手段は、前記第2の方向を前記基準方向と
    垂直な方向として前記望遠鏡の光軸を移動させることを
    特徴とする測量装置。
  9. 【請求項9】 ほぼ水平な第1の軸とこれに直交する第
    2の軸のそれぞれを中心として光軸を回動自在な望遠鏡
    と、 前記望遠鏡の前記第1の軸を中心とする回転の角度と前
    記第2の軸を中心とする回転の角度をそれぞれ検出する
    第1角度検出手段及び第2角度検出手段と、 前記望遠鏡を前記第1の軸と前記第2の軸とを中心とし
    てそれぞれ回転させる第1回転駆動手段及び第2回転駆
    動手段と、 前記第1の軸および第2の軸を中心とする望遠鏡の回転
    を指示する指令を出力する駆動指令手段と、 該駆動指令手段からの指令に基づいて、前記第1回転駆
    動手段と前記第2回転駆動手段とに駆動指令信号を出力
    すると共に、前記第1角度検出手段が検出した角度に応
    じて前記駆動指令信号の符号を反転させる駆動制御手段
    とを有することを特徴とする測量装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の測量装置において、 前記駆動制御手段は、前記駆動指令手段からの指令が出
    力されたときの前記第1角度検出手段の値に基づいて前
    記駆動指令信号の符号を反転させることを特徴とする測
    量装置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜請求項10のいずれかに記
    載の測量装置において、 前記駆動指令手段は手動操作される駆動指令手段である
    ことを特徴とする測量装置。
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