JP2001041631A - 冷却器及びこれを用いた生ビール注出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷却効率の向上を図ることのできる冷却器及
びこれを用いた生ビール注出装置を提供する。 【解決手段】 冷却器の第１の冷却管８を螺旋状の各巻
回部８ａ，８ｂが互い違いにずれるように配置すること
により、各巻回部８ａ，８ｂ同士の間隔が広くなり、第
１の冷却管８の周囲に十分な大きさの氷が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、生ビール等の飲料
を冷却する冷却器及びこれを用いた生ビール注出装置に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、飲食店等で用いられる生ビール
注出装置では、生ビール樽に炭酸ガスボンベを接続する
とともに、炭酸ガスの圧力によって生ビール樽から流出
した生ビールを冷却器によって冷却し、所定のノズルか
らジョッキ等に注出している。この生ビール注出装置に
用いられる冷却器は、冷却水を収容した断熱性の冷却水
槽と、冷却水槽内の冷却水にそれぞれ熱的に接触する第
１及び第２の冷却管とを備え、第１の冷却管に冷凍装置
の低温熱媒体を流通することによって冷却水槽内の冷却
水を冷却し、第２の冷却管を流通する生ビールを冷却水
槽内の冷却水によって冷却している。この場合、第１の
冷却管は冷却水槽の内面に沿って螺旋状に形成されてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記生ビー
ル注出装置の冷却器では、第１の冷却管内に０℃よりも
低い温度の熱媒体を流通することにより、冷却水槽内に
おける第１の冷却管の外面側に氷を形成し、第１の冷却
管に接する冷却水の温度をほぼ０℃に維持するようにし
ている。しかしながら、従来の冷却器では、螺旋状に形
成された第１の冷却管の各巻回部分の間隔が狭いため、
第１の冷却管の周囲に形成される氷を十分な大きさに成
長させることができず、冷却効率の向上を図ることが困
難であるという問題点があった。

【０００４】本発明は上記事情に鑑み、冷却効率の向上
を図ることのできる冷却器及びこれを用いた生ビール注
出装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１では、
冷却水を収容した断熱性の冷却水槽と、冷却水槽内の冷
却水にそれぞれ熱的に接触する第１及び第２の冷却管と
を備え、第１の冷却管に低温熱媒体を流通することによ
って冷却水槽内の冷却水を冷却し、第２の冷却管を流通
する所定の流体を冷却水槽内の冷却水によって冷却する
ようにした冷却器において、前記第１の冷却管を螺旋状
に形成するとともに、その螺旋状の各巻回部分を少なく
とも一部が互い違いにずれるように配置している。これ
により、第１の冷却管の各巻回部分が互い違いにずれて
いることから、各巻回部分同士の間隔が広くなる。

【０００６】また、本発明の請求項２では、生ビールを
貯蔵する生ビール貯蔵手段と、生ビール貯蔵手段に炭酸
ガスを供給するガス供給手段と、生ビール貯蔵手段から
流出した生ビールを冷却する冷却手段と、冷却手段によ
って冷却された生ビールを任意に吐出する吐出手段とを
備えた生ビール注出装置において、前記冷却手段として
請求項１記載の冷却器を備え、前記冷却器の第２の冷却
管の流入側を前記生ビール貯蔵手段側に接続し、第２の
冷却管の流出側を前記吐出手段側に接続している。これ
により、請求項１の冷却器における第１の冷却管の各巻
回部分が互い違いにずれていることから、各巻回部分同
士の間隔が広くなる。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１乃至図３は本発明の一実施形
態を示すもので、図１は生ビール注出装置の概略全体
図、図２は第１の冷却管の側面断面図、図３はその部分
拡大側面断面図である。

【０００８】この生ビール注出装置は、飲食店内等に設
置される装置本体１と、生ビールを貯蔵する生ビール樽
２と、生ビール樽２に炭酸ガスを供給するガスボンベ３
と、生ビール樽２から流出した生ビールを冷却する冷却
器４と、冷却器４によって冷却された生ビールを吐出す
るノズル５とから構成されている。

【０００９】装置本体１は内部に冷却器４を収容し、そ
の前面側にはノズル５が取付けられている。この場合、
生ビール樽２及びガスボンベ３はそれぞれ装置本体１の
外部に配置され、互いに着脱可能なホース６によって接
続されている。

【００１０】冷却器４は、冷却水を収容した断熱性の冷
却水槽７と、冷却水槽７内の冷却水にそれぞれ熱的に接
触する第１及び第２の冷却管８，９と、冷却水槽７内の
冷却水を攪拌する攪拌機１０とからなる。第１の冷却管
８は第１の冷却管８は冷却水槽７の内面に沿って螺旋状
に形成され、図示しない冷凍装置の低温冷媒を流通する
ようになっている。また、第１の冷却管８の螺旋部分は
互いに幅方向の寸法の異なる多数の巻回部８ａ，８ｂか
らなり、各巻回部８ａ，８ｂは交互に配置されている。
この場合、図２に示すように一方の巻回部８ａの幅方向
の寸法Ａ１は他方の巻回部８ｂの幅方向の寸法Ａ２より
も大きく形成されている。即ち、第１の冷却管８の各巻
回部８ａ，８ｂは互い違いにずれるように配置されてい
る。また、第２の冷却管９は一端側をノズル５に接続さ
れ、他端側は生ビールタンク１に接続されている。

【００１１】前述の如く構成された生ビール注出装置で
は、ノズル５を吐出側に操作すると、生ビール樽２の生
ビールがガスボンベ３の炭酸ガスと共に冷却器４に流入
し、冷却器４で冷却されてノズル５から吐出する。ま
た、冷却器４においては、第１の冷却管８を流通する低
温冷媒によって冷却水槽７内の冷却水が冷却され、冷却
水によって第２の冷却管４ｃ内の生ビールが冷却され
る。その際、第１の冷却管８には０℃よりも低い温度の
冷媒が流通し、これにより第１の冷却管８の外面側に氷
が形成され、冷却水槽７内の冷却水の温度がほぼ０℃に
維持される。この場合、第１の冷却管８は各巻回部８
ａ，８ｂが互い違いにずれるように配置されていること
から、各巻回部８ａ，８ｂ同士の間隔が広くなり、図３
に示すように第１の冷却管８の周囲に十分な大きさの氷
Ｂが形成される。従って、冷却器４の冷却能力を格段に
向上させることができ、生ビールの冷却に極めて有利で
ある。

【００１２】尚、前記実施形態では第１の冷却管４ｂの
側面形状のみを図示したが、第１の冷却管４ｂの平面形
状は、冷却水槽７の内面に沿って円形、四角形またはそ
の他の多角形をなしている。この場合、例えば長方形で
は各巻回部の長辺部分のみを互い違いにずれるように配
置しても冷却能力を十分に向上させることが可能であ
る。また、前記実施形態では第１の冷却管８の螺旋部分
を互いに幅方向の寸法の異なる巻回部８ａ，８ｂによっ
て形成したものを示したが、図４に示すように幅方向の
寸法Ａ３の等しい巻回部８ｃを互い違いにずれるように
配置してもよい。更に、前記実施形態では生ビール注出
装置に用いる冷却器４を示したが、本発明の冷却器は生
ビール注出装置以外の液体冷却装置にも用いることがで
きる。

【００１３】

【発明の効果】以上のように、請求項１の冷却器によれ
ば、第１の冷却管の各巻回部分同士の間隔を広くするこ
とができるので、第１の冷却管の周囲に十分な大きさの
氷を形成することができ、冷却能力を格段に向上させる
ことができる。

【００１４】また、請求項２の生ビール注出装置によれ
ば、請求項１と同様、冷却手段の冷却能力を格段に向上
させることができるので、生ビールの冷却に極めて有利
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示す生ビール注出装置の
概略全体図

【図２】第１の冷却管の側面断面図

【図３】第１の冷却管の部分拡大側面断面図

【図４】第１の冷却管の他の実施形態を示す側面断面図

【符号の説明】

２ 生ビール樽 ３ ガスボンベ ４ 冷却器 ５ ノズル ７ 冷却水槽 ８ 第１の冷却管 ８ａ 巻回部 ８ｂ 巻回部 ８ｃ 巻回部 ９ 第１の冷却管

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 冷却水を収容した断熱性の冷却水槽と、
   冷却水槽内の冷却水にそれぞれ熱的に接触する第１及び
   第２の冷却管とを備え、第１の冷却管に低温熱媒体を流
   通することによって冷却水槽内の冷却水を冷却し、第２
   の冷却管を流通する所定の流体を冷却水槽内の冷却水に
   よって冷却するようにした冷却器において、 前記第１の冷却管を螺旋状に形成するとともに、その螺
   旋状の各巻回部分を少なくとも一部が互い違いにずれる
   ように配置したことを特徴とする冷却器。
2. 【請求項２】 生ビールを貯蔵する生ビール貯蔵手段
   と、生ビール貯蔵手段に炭酸ガスを供給するガス供給手
   段と、生ビール貯蔵手段から流出した生ビールを冷却す
   る冷却手段と、冷却手段によって冷却された生ビールを
   任意に吐出する吐出手段とを備えた生ビール注出装置に
   おいて、 前記冷却手段として請求項１記載の冷却器を備え、 前記冷却器の第２の冷却管の流入側を前記生ビール貯蔵
   手段側に接続し、第２の冷却管の流出側を前記吐出手段
   側に接続したことを特徴とする生ビール注出装置。