JP2001041287A - トーショナルダンパ - Google Patents

トーショナルダンパ

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JP2001041287A
JP2001041287A JP11211649A JP21164999A JP2001041287A JP 2001041287 A JP2001041287 A JP 2001041287A JP 11211649 A JP11211649 A JP 11211649A JP 21164999 A JP21164999 A JP 21164999A JP 2001041287 A JP2001041287 A JP 2001041287A
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JP
Japan
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elastic body
hub
mass
elastic
damper
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Application number
JP11211649A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Kano
努 鹿野
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Nok Vibracoustic Co Ltd
Original Assignee
Nok Vibracoustic Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾性体3,5の内部での熱の蓄積を防止し
て、熱による弾性体3,5の劣化を防止する。 【解決手段】 ハブ1の一側に弾性体3を介して質量体
2が弾性的に連結されたダンパ系D1と、その外周側に
あって、ハブ1の一側に弾性体5を介して質量体4が弾
性的に連結されたダンパ系D2を備え、ハブ1に弾性体
3,5と対応して円周方向へ断続した円弧状の窓部1
a,1bが開設され、弾性体3,5に各窓部1a,1b
と連続した凹部3a,5aが形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばエンジンの
クランク軸等、回転軸に発生する捩り振動を吸収するト
ーショナルダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等におけるエンジンの駆動は、吸
気、圧縮、爆発(膨張)及び排気の各行程を繰り返しな
がら行われ、ピストンの往復運動を回転運動に変換して
いるため、そのクランク軸には、回転に伴って捩り振動
(回転方向の振動)が加わる。そしてこのような捩り振
動の増大による不具合の発生を防止するため、前記クラ
ンク軸の軸端には、トーショナルダンパが取り付けられ
る。
【0003】トーショナルダンパは、基本的には、クラ
ンク軸に取り付けられるハブに、エラストマからなる弾
性体を介して環状の質量体を同心的かつ弾性的に連結し
た構成を備えており、弾性体のばね定数と、質量体の慣
性質量とによって決まる捩り方向固有振動数を有し、そ
の共振による動的吸振効果によって、特定の回転数域に
おける捩り振動を低減するものである。
【0004】この種のトーショナルダンパによる振動減
衰は、弾性体の繰り返し剪断変形による内部摩擦によっ
て、振動エネルギが熱に変換されるものであるため、こ
のような熱を効率よく放出しないと、弾性体のエラスト
マ材質が、熱の蓄積により劣化して所要の性能を得られ
なくなる恐れがある。したがって、例えばディスク型の
トーショナルダンパ(ハブが円盤状に形成されたもの)
等においては、質量体に回転時にポンプ機能を生じる多
数の放熱フィンを形成し、空冷作用により放熱性を高め
たもの(例えば特開平9−273598号公報参照)等
が知られているが、必ずしも冷却効果が十分ではなく、
すなわち弾性体に作用する歪が大きくなることによる内
部発熱量の増大に対処しきれない場合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題に鑑みてなされたもので、その技術的課題は、熱の
蓄積を防止することにより、弾性体の耐久性を向上させ
ると共に良好な捩り振動低減性能を維持することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した技術的課題は、
本発明によって有効に解決することができる。すなわち
本発明に係るトーショナルダンパは、ハブの一側に弾性
体を介して環状の質量体が弾性的に連結されたダンパ系
を備え、前記ハブに所要数の窓部が開設され、前記弾性
体に前記各窓部と連続した凹部が形成されたものであ
る。
【0007】この構成によれば、弾性体にハブの各窓部
と連続して形成された凹部には、回転に伴って、外部か
らの空気が流通する。このため、弾性体にその内部摩擦
等により発生した熱が、前記凹部内への空気の流通によ
って効率よく除去される。
【0008】
【発明の実施の形態】図1及び図2は、本発明をディス
ク型のトーショナルダンパに適用した好ましい一実施形
態を示すものである。すなわちこのディスク型のトーシ
ョナルダンパは、内周孔11においてエンジンのクラン
ク軸(図示省略)の軸端に装着されるハブ1が、金属板
で円盤状に形成されている。
【0009】ハブ1の外周部12における軸方向一側に
は、環状の第一の質量体2及びその外周側に位置する環
状の第二の質量体4が同心的に配置されており、この第
一及び第二の質量体2,4とハブ1との互いの対向面間
には、それぞれエラストマ材料からなる第一及び第二の
弾性体3,5が一体的に加硫接着されている。また、ハ
ブ1の外周部12は、内周部13に対して第一及び第二
の弾性体3,5と反対側へ相対的に偏在した湾曲形状に
形成されている。
【0010】第一の質量体2及びこれをハブ1に弾性的
に連結している第一の弾性体3は、内周側の第一のダン
パ系D1を構成しており、第二の質量体4及びこれをハ
ブ1に弾性的に連結している第二の弾性体5は、外周側
の第二のダンパ系D2を構成している。前記第一のダン
パ系D1と第二のダンパ系D2には、第一の弾性体3と
第二の弾性体5の捩り方向剪断ばね定数の相違や、第一
の質量体2と第二の質量体4の慣性質量の相違によっ
て、互いに異なる捩り方向固有振動数が与えられてい
る。
【0011】第一の弾性体3と第二の弾性体5との間に
は、溝底がハブ1の外周部12の背面近傍に達する深さ
で、円周方向に連続した環状溝6が形成されており、こ
の環状溝6を介して、第一のダンパ系D1と第二のダン
パ系D2が径方向に互いに分離され、互いに独立した動
作が可能となっている。なお、第一の弾性体3と第二の
弾性体5は、前記環状溝6の溝底部を介して互いに連続
しており、すなわち一つの金型内で同時に加硫成形・加
硫接着されたものである。
【0012】第一及び第二の質量体2,4の背面(第一
及び第二の弾性体3,5と反対側の面)には、それぞれ
内周側から外周側にかけて軸心を中心とする放射状又は
スパイラル状に延びる所要数の溝2a,4aが形成され
ている。第一及び第二の質量体2,4の背面に形成され
た溝2a,4aは、放熱面積を増大すると共に、回転に
よって空気を内周側から外周側へ送り出すポンプ作用を
生じるものである。
【0013】第二の質量体4の背面は、第一の質量体2
の背面よりも軸方向外側に位置している。このため、回
転時に、第一の質量体2に設けられた溝2aのポンプ作
用によってその内周側から外周側へ送られる空気は、第
二の質量体4の内周面に突き当たってその一部が環状溝
6内を経由して流れるようになっている。
【0014】ハブ1の外周部12には、互いに同心の円
周に沿った円弧状に延びる二列の溝状窓部1a,1b
が、円周方向等間隔で開設されている。このうち、内周
側の窓部1aの列は第一の弾性体3と対応する位置にあ
り、外周側の窓部1bの列は第二の弾性体5と対応する
位置にある。
【0015】第一及び第二の弾性体3,5には、それぞ
れハブ1における窓部1a,1bに対応して、凹部3
a,5aが形成されている。すなわちこの凹部3a,5
aは、それぞれ窓部1a,1bに沿って円弧状に延びる
ものであり、第一及び第二の弾性体3,5内を、第一及
び第二の質量体2,4との接着面近傍に達する深さで形
成されている。
【0016】窓部1aの内面には、第一の弾性体3にお
ける凹部3aの内面から延在したエラストマ膜が被着さ
れており、窓部1bの内面も同様に、第二の弾性体5に
おける凹部5aの内面から延在したエラストマ膜が被着
されている。また、図2に示されるように、各窓部1
a,1bの内周側にはそれぞれ小孔1c,1dが開設さ
れており、これら各小孔1c,1d内は第一及び第二の
弾性体3,5のエラストマの一部からなる凸部3b,5
bで埋められ、互いに加硫接着されている。そしてこの
ようにすることによって、ハブ1に対する第一及び第二
の弾性体3,5の大きな接着強度が確保されている。
【0017】上記実施形態の構成によれば、第一のダン
パ系D1と第二のダンパ系D2には互いに異なる帯域の
捩り方向固有振動数が与えられているので、共振による
動的吸振効果が広い振動数(回転数)領域で発揮され
る。そしてこの時の捩り振動入力に伴って、捩り方向に
対する繰り返し剪断変形を受ける第一及び第二の弾性体
3,5は、内部摩擦によって発熱するが、この熱の一部
は、ハブ1の外周部12の壁面を介して放熱され、第一
及び第二の質量体2,4に形成された溝2a,4aのポ
ンプ作用による空気流によって、この第一及び第二の質
量体2,4や、環状溝6からも放熱される。
【0018】また、ハブ1の正面においては、回転に伴
って正面側の空気が窓部1a,1bから凹部3a,5a
内を経由して流れ、第一及び第二の弾性体3,5の内部
の熱を除去する。前記窓部1a,1b及び凹部3a,5
aは回転方向に延びる円弧状をなすと共に、深いもので
あるため、空気の接触面積(放熱面積)が大きく、放熱
が効率よく行われる。
【0019】図1に示されるように、凹部5aは、第二
の弾性体5の径方向幅Aの中間位置よりも外周側に位置
しており、第二の弾性体5の内径と凹部5aの中心との
距離をBとすると、好ましくはB=2A/3とする。第
一の弾性体3の径方向幅と凹部3aとの位置関係につい
ても同様とする。これは、窓部1a,1b及び凹部3
a,5aを設けない場合、弾性体の温度が、その内径か
ら径方向幅のほぼ2/3の位置で最も高くなることが、
発明者の実験によって判明したからである。したがっ
て、このような位置に窓部1a,1b及び凹部3a,5
aを形成することによって、弾性体内部の熱の蓄積を有
効に防止し、冷却効率を著しく向上させて、熱によるエ
ラストマ材質の劣化及びこれによる捩り振動低減機能の
低下を防止することができる。
【0020】なお、窓部1a,1a(凹部3a,3a)
間、及び窓部1b,1b(凹部5a,5a)間の間隔は
短いほど、前記凹部3a,3a間及び凹部5a,5a間
に対する冷却効果が向上し、その数や大きさが大きいほ
ど、全体としての放熱効果は高まるが、これらは、第一
及び第二の弾性体3,5のばね定数や、ハブ1の機械的
強度等を勘案して決定する。
【0021】また、上記実施形態は、二つのダンパ系D
1,D2を有する、いわゆるダブルマスのトーショナル
ダンパについて本発明を適用したが、ハブ1に一個の質
量体を弾性体で連結した構造の、いわゆるシングルマス
のトーショナルダンパについても同様に、ハブ1に窓部
を開設し、弾性体に各窓部と連続した凹部を形成した構
成とすることが可能である。
【0022】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明のトーショ
ナルダンパによると、弾性体の内部摩擦により発生した
熱が、弾性体の内部に達するように形成した凹部からハ
ブの窓部を通じて外気中へ効率良く放出されるので、弾
性体の内部での熱の蓄積が防止され、このため熱による
弾性体のエラストマ材質の劣化が有効に防止され、耐久
性が向上すると共に、初期の捩り振動低減機能が維持さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトーショナルダンパの一実施形態
をその軸心を通る平面で切断して示す半断面図である。
【図2】上記実施形態のトーショナルダンパの部分的な
正面図である。
【符号の説明】
1 ハブ 1a,1b 窓部 1c,1d 小孔 11 内周孔 12 外周部 13 内周部 2 第一の質量体 2a,4a 溝 3 第一の弾性体 3a,5a 凹部 3b,5b 凸部 4 第二の質量体 5 第二の弾性体 6 環状溝 D1 第一のダンパ系 D2 第二のダンパ系

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハブ(1)の一側に弾性体(3,5)を
    介して環状の質量体(2,4)が弾性的に連結されたダ
    ンパ系(D1,D2)を備え、 前記ハブ(1)に所要数の窓部(1a,1b)が開設さ
    れ、 前記弾性体(3,5)に前記各窓部(1a,1b)と連
    続した凹部(3a,5a)が形成されたことを特徴とす
    るトーショナルダンパ。
JP11211649A 1999-07-27 1999-07-27 トーショナルダンパ Pending JP2001041287A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014074467A (ja) * 2012-10-05 2014-04-24 Toyota Motor Corp ギヤ装置のダンパ構造

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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