JP2001040450A - せん断端面の疲労特性に優れた高張力熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents
せん断端面の疲労特性に優れた高張力熱延鋼板およびその製造方法Info
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Abstract
板の薄肉化に対応できるような優れたせん断端面の疲労
特性を有する高張力熱延鋼板およびその製造方法を提供
する。 【解決手段】 wt%で、C:0.03〜0.2、Si:0.4以下、M
n:0.5〜2.5を含有し、かつTi:0.03〜0.2、Nb:0.01〜
0.2、V:0.01〜0.2の中から選ばれた1種または2種以上
と、Cu:0.15〜0.6、Ni:0.15〜0.4、Cr:0.1〜0.6、M
o:0.1〜0.4の中から選ばれた1種または2種以上とを含
有しており、マルテンサイトの体積率が3%以上で、パー
ライトの体積率が5%以下であるせん断端面の疲労特性に
優れた高張力熱延鋼板など。
Description
レームなどの疲労強度が要求される部品に用いられる高
張力熱延鋼板、特に、せん断端面の疲労特性に優れた69
0MPa以上の強度を有する高張力熱延鋼板に関する。
の軽減に応えるために、高張力鋼板の薄肉化が検討され
ており、種々の強化機構を用いた薄肉の高張力鋼板が開
発されている。
車両の足廻り・フレームなどの部品には、析出強化型の
高張力熱延鋼板が適用されているが、こうした部品では
絶えず繰り返し荷重を受けるので疲労強度上の問題が起
り易く、その薄肉化を阻害している。特に、ボルト締結
や水・泥抜き用の打抜き穴などのせん断加工を受ける部
品では、せん断端面の疲労強度が大きく低下し、疲労破
壊の起点になり易いので、薄肉化が困難である。それゆ
え、せん断端面の疲労特性に優れた高張力熱延鋼板が切
望されている。
方法として、例えば特開平5-179346号公報や特開平8-13
033号公報には、鋼板の金属組織をフェライト+パーラ
イト、フェライト+ベイナイト、フェライト+ベイナイ
ト+パーライトに制御する方法が開示されている。特
に、ベイナイトを含む組織にすると、打抜き破面が平滑
になり疲労強度の改善に効果的であると言われている。
5-179346号公報や特開平8-13033号公報に記載の方法で6
90MPa以上の高い強度を有する高張力熱延鋼板を製造し
た場合は、たとえベイナイトを含む組織にしても、疲労
亀裂発生抵抗を十分には低下できず、また、亀裂伝播が
ベイナイトのラス境界で起り易く亀裂伝播抵抗も低いの
で、薄肉化に対応できるような優れたせん断端面の疲労
特性が得られない。
なされたもので、690MPa以上の高い強度を有する高張力
熱延鋼板の薄肉化に対応できるような優れたせん断端面
の疲労特性を有する高張力熱延鋼板およびその製造方法
を提供することを目的とする。
0.03〜0.2、Si:0.4以下、Mn:0.5〜2.5を含有し、かつ
Ti:0.03〜0.2、Nb:0.01〜0.2、V:0.01〜0.2の中から
選ばれた1種または2種以上と、Cu:0.15〜0.6、Ni:0.1
5〜0.4、Cr:0.1〜0.6、Mo:0.1〜0.4の中から選ばれた
1種または2種以上とを含有しており、マルテンサイトの
体積率が3%以上で、パーライトの体積率が5%以下である
せん断端面の疲労特性に優れた高張力熱延鋼板により解
決される。
する高張力熱延鋼板のせん断端面の疲労特性について検
討したところ、鋼の成分と金属組織、特にマルテンサイ
トとパーライトの量が重要な役割を果たしていることが
明らかになった。
元素であるが、0.03wt%未満では強度や後述するせん断
端面の疲労強度を向上させるために有効なマルテンサイ
ト量を確保できず、また、0.2wt%を超えると後述するせ
ん断端面の疲労強度を低下させるパーライト量が増大す
るので、0.03〜0.2wt%、好ましくは0.03〜0.15wt%とす
る。
ルが多量に生成し、外観の美麗さ、塗装性、プレス加工
時の作業性などを損なうので、0.4wt%以下、好ましくは
0.2wt%以下とする。
0.5wt%未満ではその効果が得られず、また、2.5wt%を超
えると鋳造時のミクロ偏析が顕著になり、このミクロ偏
析部では変態点が低下してパーライト形成が助長され、
せん断端面の疲労強度を低下させるので、0.5〜2.5wt
%、好ましくは1.0〜1.8wt%とする。
素であり、690MPa以上の強度を確保するには、Ti:0.03
〜0.2wt%、Nb:0.01〜0.2wt%、V:0.01〜0.2wt%の中か
ら選ばれた1種または2種以上含有させることが必要であ
る。また、フェライトなどの軟質相も強化できるので、
亀裂伝播抵抗を高め、せん断端面の疲労強度の向上を図
れるのみならず、溶接熱影響部の軟化防止にも有効であ
る。なお、いずれの元素においても、その上限を定めた
理由は、それ以上含有させてもこうした効果が飽和し、
コスト上昇を招くためである。
の生成を助長する元素であるが、せん断端面の疲労強度
を向上させるために有効なマルテンサイト量を確保する
には、Cu:0.15〜0.6、Ni:0.15〜0.4、Cr:0.1〜0.6、
Mo:0.1〜0.4の中から選ばれた1種または2種以上を含有
させる必要がある。なお、それぞれの元素の上限を定め
た理由は、Cuの場合は表面性状の劣化、Crの場合は溶接
近傍の靭性の劣化、NiとMoの場合は著しいコスト上昇を
招くためである。
用い、熱延条件や熱延後の熱処理を変えて、種々のマル
テンサイトとパーライトの体積率を有する鋼板を作製し
た。そして、図2に示すようなクリアランス10%で、10mm
φの打抜き穴を設けた試験片を作製し、応力比0.1、周
波数20Hzで疲労試験を行い、疲労強度σH W (MPa)を求め
た。また、マルテンサイトとパーライトの体積率VfMとV
fPを、SEM観察しポイントカウント法で求めた。なお、6
90MPa以上の強度を有する高張力熱延鋼板においては、
このσH Wが200MPa以上であれば、薄肉化に対応できるこ
とを別途確認している。
す。VfMが3%以上で、VfPが5%以下であれば、200MPa以上
のσH Wが得られることがわかる。
上する原因は必ずしも明らかでないが、打抜き時に硬質
なマルテンサイトと軟質相との界面で板厚方向に亀裂が
優先的に生成・連結し、板厚方向と直角な方向には亀裂
が生成し難いためと思われる。また、マルテンサイト自
体の亀裂進展のブロック効果も、疲労強度を向上に寄与
していると考えられる。
強度を690MPa以上、マルテンサイトの体積率を3%以上、
パーライトの体積率を5%以下にするには、例えば、前記
成分系の鋼スラブを1200℃以上に加熱する工程と、前記
加熱されたスラブをAr3変態点以上の仕上温度で熱間圧
延する工程と、前記熱間圧延後の鋼板を350〜650℃の巻
取温度で巻取る工程とを有する製造方法により行える。
特に、強度を690MPa以上、マルテンサイトの体積率を3%
以上、パーライトの体積率を5%以下にするには、巻取温
度の条件が重要である。また、スラブを1200℃以上に加
熱するのは、熱間圧延時の仕上温度を確保するためであ
り、仕上温度をAr3変態点以上にするのは、それより低
い温度だとフェライト域圧延になって鋼板の延性が著し
く劣化するためである。
に加熱後、表2に示す熱延条件で圧延し、板厚6mmの熱延
鋼板1〜19を製造した。そして、JIS 5号試験片による
引張特性値(降伏強度YS、最大強度TS、全伸びEl)および
上記した疲労強度σH W、マルテンサイトの体積率VfM、
パーライトの体積率VfPを測定した。
鋼を用い、VfMを3%以上、VfPを5%以下に調整した鋼板
は、690MPa以上のTS、200MPa以上のσH Wを示し、優れた
せん断端面の疲労特性を有する高張力熱延鋼板であるこ
とがわかる。
いるので、690MPa以上の高い強度を有する高張力熱延鋼
板の薄肉化に対応できるような優れたせん断端面の疲労
特性を有する高張力熱延鋼板およびその製造方法を提供
できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 wt%で、C:0.03〜0.2、Si:0.4以下、M
n:0.5〜2.5を含有し、かつTi:0.03〜0.2、Nb:0.01〜
0.2、V:0.01〜0.2の中から選ばれた1種または2種以上
と、Cu:0.15〜0.6、Ni:0.15〜0.4、Cr:0.1〜0.6、M
o:0.1〜0.4の中から選ばれた1種または2種以上とを含
有しており、マルテンサイトの体積率が3%以上で、パー
ライトの体積率が5%以下であるせん断端面の疲労特性に
優れた高張力熱延鋼板。 - 【請求項2】 wt%で、C:0.03〜0.2、Si:0.4以下、M
n:0.5〜2.5を含有し、かつTi:0.03〜0.2、Nb:0.01〜
0.2、V:0.01〜0.2の中から選ばれた1種または2種以上
と、Cu:0.15〜0.6、Ni:0.15〜0.4、Cr:0.1〜0.6、M
o:0.1〜0.4の中から選ばれた1種または2種以上とを含
有する鋼スラブを製造する工程と、 前記鋼スラブを、1200℃以上に加熱する工程と、 前記加熱されたスラブを、Ar3変態点以上の仕上温度で
熱間圧延する工程と、 前記熱間圧延後の鋼板を、350〜650℃の巻取温度で巻取
る工程と、を有するせん断端面の疲労特性に優れた高張
力熱延鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11213050A JP2001040450A (ja) | 1999-07-28 | 1999-07-28 | せん断端面の疲労特性に優れた高張力熱延鋼板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11213050A JP2001040450A (ja) | 1999-07-28 | 1999-07-28 | せん断端面の疲労特性に優れた高張力熱延鋼板およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001040450A true JP2001040450A (ja) | 2001-02-13 |
Family
ID=16632707
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11213050A Pending JP2001040450A (ja) | 1999-07-28 | 1999-07-28 | せん断端面の疲労特性に優れた高張力熱延鋼板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001040450A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012026021A (ja) * | 2010-07-28 | 2012-02-09 | Jfe Steel Corp | 打抜き疲労特性に優れた構造部材の製造方法 |
WO2023007876A1 (ja) | 2021-07-27 | 2023-02-02 | 日本製鉄株式会社 | 熱延鋼板 |
-
1999
- 1999-07-28 JP JP11213050A patent/JP2001040450A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012026021A (ja) * | 2010-07-28 | 2012-02-09 | Jfe Steel Corp | 打抜き疲労特性に優れた構造部材の製造方法 |
WO2023007876A1 (ja) | 2021-07-27 | 2023-02-02 | 日本製鉄株式会社 | 熱延鋼板 |
KR20230158061A (ko) | 2021-07-27 | 2023-11-17 | 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 | 열연 강판 |
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