JP2001038632A - 砥 石 - Google Patents

砥 石

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JP2001038632A
JP2001038632A JP11219478A JP21947899A JP2001038632A JP 2001038632 A JP2001038632 A JP 2001038632A JP 11219478 A JP11219478 A JP 11219478A JP 21947899 A JP21947899 A JP 21947899A JP 2001038632 A JP2001038632 A JP 2001038632A
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carbon
yarn
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Shigeru Hanzawa
茂 半澤
Kenji Nakano
健治 中野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種のセラミックスや金属、サーメット材料
等の複合材料の研削加工等に用いられる砥石であって、
軽量でヤング率が大きく、高速回転させた場合であって
も耐遠心力性に優れ、加工精度に優れる砥石を提供す
る。 【解決手段】 砥石11の台金12の材料として、炭素
粉末と炭化珪素と金属シリコンから選ばれた少なくとも
1つの材料と、炭素繊維とを主成分とした複合材料を用
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、各種のセラミッ
クスや金属、サーメット材料等の複合材料の研削加工等
に用いられる砥石に関する。
【0002】
【従来の技術】 従来、研削加工等に用いられる円盤型
の砥石は、その台金部分に鉄やアルミニウムといった金
属を用いたものが主流であった。しかしながら、台金に
金属を用いた場合には、砥石自体が重くなるために、砥
石の研削機械への取付け作業性が悪く、また、回転スピ
ンドルの剛性が小さいと高精度な研削を行うことができ
ないといった問題や、台金に錆が生じないように保管・
管理を行う必要がある等の種々の問題があった。
【0003】 そこで、例えば、特開平4−18974
7号公報には、カーボンファイバー等を分散した樹脂か
ら成形された台金を用いた研削砥石(メタルボンドホイ
ール)が開示されており、台金の軽量化が図られ、取り
扱いが容易になると共に、研削精度が向上し、また、ス
ピンドルの摩耗が低減され、機械寿命が長くなる旨等が
記されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、特開
平4−189747号公報に開示の研削砥石では、熱伝
導性の低いフェノール樹脂を台金の材料として用いてい
ることから、台金の剛性を高めるにも限界があり、従っ
て、高速回転時における耐遠心力が必ずしも十分とは言
えず、この場合、回転数によって加工精度に差が生ずる
といった問題が発生するおそれがある。
【0005】 また、研削加工時には水を主とした研削
液が注入されるが、ここで、この研削液には装置におけ
る錆の発生を抑制するために、所定量の有機化合物等の
防錆剤を添加して用いる場合が殆どである。このような
水及び防錆剤によって台金の樹脂に膨潤が生じ、加工精
度や寿命に悪影響が及ぶことも懸念される。
【0006】 本発明は、このような従来技術の問題点
に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ
は、熱伝導性に優れ、しかも軽量でヤング率が大きく、
高速回転させた場合であっても、耐遠心力性に優れるた
めに、加工精度の低下を生じ難い砥石を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】 即ち、本発明によれ
ば、炭素粉末と炭化珪素と金属シリコンから選ばれた少
なくとも1つの材料と、炭素繊維とを主成分とした複合
材料からなる台金を有することを特徴とする砥石、が提
供される。
【0008】 ここで、複合材料としては、主に炭素繊
維からなる束の外周を樹脂で被覆してなるヤーンを複数
本平行に配置して成形されたシートを、複数層に積層し
て非酸化雰囲気で熱処理し、金属シリコンを含浸させて
なるものが、好適に用いられる。この場合において、複
数のシートは、各シートにおけるヤーンの長さ方向が、
放射状に互いに交差するように積層することが好まし
い。更に、複数のシートを、各シートにおけるヤーンの
長さ方向が、正多角形の中心対角線となるように積層す
ることが、より好ましい。
【0009】 また、前述した複合材料としては、シー
トをn(n≧2)枚積層したときに、シートにおけるヤ
ーンの長さ方向が正(2×n)角形の中心対角線を形成
するように交差させたユニットからなるものも、好適に
用いられる。そして、m(m≧2)個の複数のユニット
を積層する場合には、積層方向の上方から見たときに、
各ユニットにおける中心対角線が正(2×n)角形を形
成するように、及び/又は新たな正(2×n×m)角形
を形成するように、それぞれ積層することも、好まし
い。本発明の砥石における台金の厚みの好適な範囲は1
0mm〜50mmの間である。
【0010】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施の形態につ
いて、図面を参照しながら説明するが、本発明が以下の
実施の形態に限定されるものでないことはいうまでもな
い。
【0011】 図1は、本発明の一実施形態である砥石
11の説明図である。砥石11においては、台金12と
して炭素粉末と炭化珪素(SiC)と金属シリコン(金
属Si)から選ばれた少なくとも1つの材料と、炭素繊
維とを主成分とした複合材料が用いられる。そして、そ
の外周に砥粒層13が形成されている。
【0012】 ここで、本発明の砥石における台金の材
料としては、より具体的には、炭素繊維/炭素粉末/S
iC/金属Si複合材料、炭素繊維/SiC/金属Si
複合材料、炭素繊維/炭素粉末/SiC複合材料、炭素
繊維/炭素粉末複合材料、炭素繊維/SiC複合材料の
いずれかが好適に用いられる。
【0013】 なお、本発明において、炭素繊維からな
る材料に金属Siを含浸させてなる複合材料を用いる場
合には、炭素繊維や有機成分から生成したカーボン粉末
と金属Siが反応してSiCを生成する場合が殆どであ
ることから、金属Siを含む場合には基本的にSiCを
も含む材料となる。
【0014】 これらの材料の中で、本発明において特
に好適に用いられる複合材料として、主に炭素繊維から
なる束の外周を樹脂で被覆してなるヤーンを複数本平行
に配置して成形されたシートを、複数層に積層して非酸
化雰囲気で熱処理し、金属シリコンを含浸させてなる炭
素繊維/SiC/金属Si系複合材料(以下、本明細書
において「CSS」と略して記すこととする)が挙げら
れる。
【0015】 ここで、CSSの代表的な構造につい
て、図2〜図4を参照しながら説明する。CSSの製造
においては、直径が10μm前後の炭素繊維を、通常、
数百本〜数万本束ねて繊維束(炭素繊維束)を形成し、
このときに少なくとも繊維束の周囲に熱可塑性樹脂等の
樹脂からなる柔軟な被膜を形成して得られる柔軟性を有
する中間材料(以下、「ヤーン」という。)を用いる。
【0016】 ここで、炭素繊維に対して、粉末状のバ
インダーピッチ、コークス類を包含させ、更に必要に応
じてフェノール樹脂粉末等を含有させることによって、
炭素繊維束を作製することも好ましい。また、炭素繊維
としては、石油ピッチ若しくはコールタールピッチを原
料としたピッチ系炭素繊維や、アクリロニトリル繊維を
原料としたPAN系炭素繊維等が好適に用いられる。
【0017】 次に、この樹脂被膜を有するヤーンを二
次元方向に配列して一方向シートとしたり、或いはヤー
ンを経糸及び緯糸として編み込んで各種クロスとする等
して、シート状に成形する。得られたシートやクロスを
積層して加熱成形すれば、所定の厚みを有する一体的な
積層体を得ることができる。この積層体の形成にあたっ
て使用される有機バインダーとしては、フェノール樹脂
やエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂及びタール、ピッチ等
が挙げられる。
【0018】 積層体上に所定量の金属Siを載置し、
不活性ガス雰囲気下にて1100℃〜1400℃(シリ
コンの融点以下)の温度に保持して、ヤーンの樹脂被膜
や有機バインダー等の有機成分を炭化させ、次いで14
50℃〜2500℃の温度に昇温させることにより、金
属Siを溶融させる。こうして、有機成分の炭化によっ
て生じた積層体等の内部空隙へ、金属Siを含浸させる
ことにより、積層体に金属Siが含浸したCSSを得る
ことができる。
【0019】 なお、積層体を単独で、不活性ガス雰囲
気下にて炭化処理して焼結体を得て、その後に、焼結体
上に金属Siを載置して金属Siの含浸処理を行っても
構わない。上述したCSSの作製方法は、あくまで一例
に過ぎず、各工程の趣旨を逸脱しない範囲で、種々に製
造方法を変更することができる。
【0020】 上述のように、その周囲に樹脂被膜を有
するヤーンの炭化工程と、金属Siの含浸とを組み合わ
せることにより、先ず、積層体の焼結体においては、ヤ
ーンの樹脂被膜は炭化し、炭素繊維束の間隙に細長い開
気孔が残り、次いで、この細長い開気孔に沿って金属S
iが積層体等の奥まで浸透する。この浸透の過程で、金
属Siは、ヤーンの樹脂被膜から生じたカーボンと反応
し始めることとなるため、炭素繊維束表面側から徐々に
炭化反応が起こり、SiCが形成されて、CSSが得ら
れる。
【0021】 つまり、高温の溶融金属Siは、炭素繊
維束に添加したカーボン粒子や、有機バインダー或いは
樹脂被膜が熱分解して生成される活性度の高いカーボン
と先ず接触反応してSiCとなる一方、炭素繊維束には
直接には接触し難い。その結果、炭素繊維束及びその炭
素繊維の構造が破壊され難くなる。
【0022】 こうして、繊維構造が維持された炭素繊
維束の間に、金属SiとSiCからなるマトリックスを
有するCSSが得られる。なお、CSSにおいては、ほ
ぼ純粋に金属Siが残留している相から、ほぼ純粋なS
iC相に至るまで、いくつかの中間相を含み得る。
【0023】 図2に、CSSにおける炭素繊維束の配
列の一形態を示す斜視図を示す。CSS7は、三次元直
交座標におけるX軸方向と長さ方向が略平行であるヤー
ン2Bを複数ほど略平行に配したシート1B・1D・1
Fと、Y軸方向と長さ方向が略平行であるヤーン2Aを
複数ほど平行に配したシート1A・1C・1Eとを、Z
軸方向である上下方向に交互に積層した構造を有してい
る。
【0024】 なお、図2においては、炭素繊維束の配
列状態を明確に記すために、含浸させた金属Si等は記
載していない。また、CSSにおいてはヤーンの樹脂被
膜は炭化し、更には少なくとも一部は金属Siと反応し
てSiCを形成していることから、厳密には、積層体に
おけるヤーンの形態と、CSSにおけるヤーンの形態は
異なるものである。しかし、以下の説明においては、こ
れらを区別することなく、いずれの場合においても、ヤ
ーンと称することとする。つまり「ヤーン」とは、焼成
前は樹脂被膜を有する炭素繊維束を指し、金属Si含浸
後は後述するSiC相に囲まれた炭素繊維束を、それぞ
れ指すものとする。
【0025】 図3(a)には、図2中のIIa−II
a線断面図を、図3(b)には図2中のIIb−IIb
線断面図をそれぞれ示す。図3の両図に示されるよう
に、ヤーン2A・2Bは、炭素繊維と、炭素繊維以外の
カーボン成分を添加した場合にはそのカーボン成分とか
らなる繊維束3からなる。シート1A〜1Fが積層され
ることによって、三次元格子形状のCSS7の炭素繊維
骨格が構成される。ヤーン2A・2Bは、シート1A〜
1Fの積層方向に加圧されているため、押し潰されて断
面略楕円形となっている。
【0026】 図4は図3(a)の一部拡大図である。
シート1A・1C・1Eにおいては、隣り合うヤーン2
Aの間隙にはマトリックス8Aが形成され、マトリック
ス8Aはヤーン2Aの表面に沿ってそれと平行にY軸方
向に延びている。一方、シート1B・1D・1Fにおい
ては、隣り合うヤーン2Bの間隙には、マトリックス8
Bが形成されており、マトリックス8Bはヤーン2Bの
表面に沿ってX軸方向に平行に延びている。
【0027】 本例では、マトリックス8A・8Bは、
それぞれ、ヤーン2A・2Bの表面を被覆するSiC相
4A・4Bと、SiC相4A・4Bよりもカーボンの含
有割合が少ない金属Si−SiC系コンポジット相5A
・5Bからなっている。SiC層4A・4Bは、主に、
ヤーン2A・2Bの樹脂被膜が炭化されて生成した活性
な炭素成分と反応して形成される。
【0028】 なお、SiC相4A・4B中は、金属S
iを一部含有していてもよい。また、本例では上下方向
に隣接するヤーン2A・2Bとの間にも、SiC相4A
・4Bが形成されている。
【0029】 マトリックス8A・8Bは、それぞれヤ
ーン2A・2Bの表面に沿って細長く、好ましくは直線
状に延びており、マトリックス8A・8Bは互いに直交
している。そして、シート1A・1C・1Eにおけるマ
トリックス8Aと、これに直交するシート1B・1D・
1Fにおけるマトリックス8Bとは、それぞれヤーン2
Aとヤーン2Bとの間隙部分で連続している。この結
果、マトリックス8A・8Bは、全体として三次元格子
を形成している。
【0030】 さて、このCSS7におけるシート1A
〜1Fの積層方向を台金12の厚み方向として円盤状に
加工し、その外周に砥粒層13を形成することで、砥石
11を得ることができる。しかしながら、CSS7を用
いた砥石11においては、図5の平面図に示すように、
ヤーン2A・2Bの長さ方向のなす角は、X−Y直交座
標系における90°となっている。
【0031】 ここで、砥石11を回転させた場合に
は、CSS7の内部構造に起因して、砥石11に生ずる
遠心力は、X軸方向とY軸方向では同じと考えてよい
が、例えば、X軸方向及びY軸方向と45°の角度をな
す方向(図5中の矢印D1で示される方向)において
は、CSS7の内部構造の異方性に起因した密度差によ
り、異なる大きさの遠心力が生ずることとなる。
【0032】 この場合、特に高速で砥石11を回転さ
せた場合には、回転にぶれが生じて、加工精度の確保が
困難となるおそれがある。従って、この問題を解消すべ
く、CSS7の内部構造の異方性を低減して、砥石11
の外周において、できるだけ均一な遠心力が生ずるよう
にすることが好ましい。
【0033】 そこで、本発明においては、複数のシー
トを、各シートにおけるヤーンの長さ方向が放射状に互
いに交差するように積層してなる複合材料を用いること
が好ましく、特に、複数のシートを、各シートにおける
ヤーンの長さ方向が、正多角形の中心対角線(多角形の
中心を通り、かつ、多角形の頂点を結ぶ線を指す。)と
なるように積層して形成された複合材料を用いることが
好ましい。
【0034】 図6は、このような複合材料を得るため
のシートの積層方法の一実施形態を示す説明図である。
先ず、1枚目のシート1Pにおけるヤーンの長さ方向
(矢印9P)はY軸と平行となっている。2枚目のシー
ト1Qにおけるヤーンの長さ方向(矢印9Q)は、Y軸
と時計回りに45°の角度をなしている。3枚目のシー
ト1Rにおけるヤーンの長さ方向は(矢印9R)は、Y
軸と直交するX軸方向(矢印9Qと時計回りに45°の
角度をなす方向)と平行であり、4枚目のシート1Sに
おけるヤーンの長さ方向(矢印9S)は、X軸と時計回
りに45°の角度をなす方向にそれぞれ積層されてい
る。
【0035】 以後、(4×t+1)(t≧1)枚目の
シートはシート1Pと、(4×t+2)(t≧1)枚目
のシートはシート1Qと、(4×t+3)(t≧1)枚
目のシートはシート1Rと、(4×t+4)(t≧1)
枚目のシートはシート1Sと、それぞれヤーンの長さ方
向が同方向となるように、順次必要枚数ほど積層してい
くことにより、各シートにおけるヤーンの長さ方向が、
正八角形の中心対角線となるように形成された複合材料
を得ることができる。
【0036】 なお、例えば、5枚目〜8枚目のシート
の積層方向は、1〜4枚目とは逆に反時計回りとしても
よい。つまり、時計回りに角度をずらした積層と反時計
回りに角度をずらした積層とを交互に繰り返して、積層
体を形成することも好ましい。また、ヤーンの長さ方向
が互いに直交する2枚の組シートを45°づつ角度をず
らしながら積層する方法を用いることもできる。いずれ
の場合であっても、矢印9A〜9Dの各方向とヤーンの
長さ方向が一致するシートは、それぞれ同数ほど積層し
て、積層体の構造を均一なものに近づけることが好まし
い。
【0037】 ところで、このようなヤーンの長さ方向
が放射状となるように、シートを積層することは、シー
トをn(n≧2)枚積層したときに、シートにおけるヤ
ーンの長さ方向が正(2×n)角形の中心対角線を形成
するように、ヤーン2の長さ方向を交差させてなるユニ
ットを形成し、更に、こうして作製したユニットをm
(m≧2)個ほど、その中心対角線が正(2×n×m)
角形を形成するように交互に積層して、複合材料を形成
する方法を用いても行うことができる。
【0038】 図7はこのようなユニットを用いた例を
示す説明図である。図7(a)は、3枚のシート1P・
1Q・1Rを、それぞれのヤーンの長さ方向(矢印9P
・9Q・9R)が、正六角形(n=3であるので、2×
n=6)の中心対角線となるように、それぞれ60°の
角度でずらしながら積層して形成されたユニット91を
示している。
【0039】 そして、図7(b)は、2個(m=2の
場合)のユニット91を用いて、各ユニット91におけ
る中心対角線が、積層方向の上方から見たときに互いに
重ならないように、かつ、新たな正多角形である正十二
角形(n=3、m=2であるので、2×n×m=12)
を形成するように、積層して形成された新たなユニット
92を示している。当然に、ユニット91の積層数は2
個に限定されるものではなく、形成されるCSSの内部
構造の均一性と厚みを考慮しつつ、適当数のユニット9
1を積層することができる。
【0040】 なお、ユニット91は、必ずしもユニッ
ト92のように、中心対角線がずれるように積層する必
要はなく、中心対角線が重なるように積層しても構わな
い。また、ユニット92を更に、その中心対角線どうし
が重なるように、或いは重ならないように積層して積層
体を得てもよい。
【0041】 更に、本発明においては、複数のユニッ
トを積層してできあがる積層体と同じ構造となるよう
に、ユニットを形成することなく、最初から複数のシー
トを積層して一体化する方法も、前述したユニットを積
層するという方法に含まれる。即ち、本発明において
は、シートやユニットの積層順やその方向は、上述した
形態の通りとしなければならないわけではなく、得られ
る複合材料の内部構造の均一性を向上させるという目的
において、任意に設定することができる。
【0042】 ところで、上述したシートやユニットの
積層にあっては、作業誤差等によって、厳密には各シー
トにおけるヤーンの長さ方向が、正多角形の中心対角線
からずれている場合も生じ得る。しかし、そのような微
小な角度のずれは、本発明において何ら悪影響を及ぼさ
ない。
【0043】 このように、各シートにおけるヤーンの
長さ方向の交差する角度が次第に小さくなるように積層
して、前述した方法により金属Siの含浸等の処理を行
い、複合材料を作製し、砥石の台金として用いた場合に
は、台金における密度分布やヤング率といった物理的な
性質についての均一性の向上が図られているために、よ
り良好な回転性能と耐久性を得ることが可能となる。
【0044】 上述したユニットの積層を含むシートの
積層によって形成される積層体の積層方向の厚み、即ち
本発明の砥石における台金の厚みの好適な範囲は10m
m〜50mmの間であり、10mmよりも薄い場合に
は、耐久性を考慮すれば、強度の点で不足であり、一
方、50mmより厚い場合には、組成や内部構造の点か
ら、十分な均一性が得られ難い問題がある。
【0045】
【発明の効果】 上述の通り、本発明の砥石によれば、
比重が小さく、しかも熱伝導性に優れ、耐膨潤性に優れ
る炭素繊維/炭素粉末/SiC/金属Siの成分系から
なる台金が用いられているために、取り扱いが容易であ
りスピンドルの摩耗も少なく、しかも耐久性に優れる等
の優れた効果が得られる。また、組成の均一化を図るこ
とによって、回転精度を向上させ、高速回転砥石として
用いた場合にも十分な加工精度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の砥石の一実施形態を示す説明図であ
る。
【図2】 本発明の砥石の台金として好適に用いられる
炭素繊維/SiC/金属Si複合材料における炭素繊維
束の配列の一形態を示す斜視図である。
【図3】 図3(a)は図2中のIIa−IIa線断面
図であり、図3(b)は図2中のIIb−IIb線断面
図である。
【図4】 図3(a)の一部拡大図である。
【図5】 図1の砥石における炭素繊維の長さ方向を示
す平面図である。
【図6】 シートの積層方法の一実施形態を示す説明図
である。
【図7】 シートにおけるヤーン(炭素繊維)の長さ方
向を変えて積層したユニットを示す平面図である。
【符号の説明】
1・1A〜1F・1P〜1S…シート、2・2A・2B
…ヤーン、3…繊維束、4A・4B…SiC相、5A・
5B…コンポジット相、7…炭素繊維/SiC/金属S
i複合材料、8A・8B…マトリックス、9P〜9S…
ヤーンの長さ方向、11…砥石、12…台金、13…砥
粒層、91・92…ユニット。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素粉末と炭化珪素と金属シリコンから
    選ばれた少なくとも1つの材料と、炭素繊維とを主成分
    とした複合材料からなる台金を有することを特徴とする
    砥石。
  2. 【請求項2】 前記複合材料が、主に炭素繊維からなる
    束の外周を樹脂で被覆してなるヤーンを複数本略平行に
    配置して成形されたシートを、複数層に積層して非酸化
    雰囲気で熱処理し、金属シリコンを含浸させてなるもの
    であることを特徴とする請求項1記載の砥石。
  3. 【請求項3】 複数の前記シートを、当該各シートにお
    けるヤーンの長さ方向が、放射状に互いに交差するよう
    に積層してなる前記複合材料を用いたことを特徴とする
    請求項2記載の砥石。
  4. 【請求項4】 複数の前記シートを、当該各シートにお
    けるヤーンの長さ方向が、正多角形の中心対角線となる
    ように積層してなる前記複合材料を用いたことを特徴と
    する請求項3記載の砥石。
  5. 【請求項5】 前記シートをn(n≧2)枚積層したと
    きに、当該シートにおけるヤーンの長さ方向が正(2×
    n)角形の中心対角線を形成するように交差させたユニ
    ットからなる前記複合材料を用いたことを特徴とする請
    求項2〜4のいずれか一項に記載の砥石。
  6. 【請求項6】 m(m≧2)個の複数の前記ユニットを
    積層する場合に、積層方向の上方から見たときに、前記
    中心対角線が正(2×n)角形を形成するように、及び
    /又は新たな正(2×n×m)角形を形成するように、
    それぞれ積層してなる部分を有する前記複合材料を用い
    たことを特徴とする請求項5記載の砥石。
  7. 【請求項7】 前記台金の厚みが、10mm〜50mm
    の範囲にあることを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    一項に記載の砥石。
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Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7438635B2 (en) 2003-10-06 2008-10-21 Oy Kwh Mirka Ab Abrasive product having parallel base and abrasive threads
CN109227415A (zh) * 2018-10-24 2019-01-18 无锡博华机电有限公司 一种复合型砂轮及其制作方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7438635B2 (en) 2003-10-06 2008-10-21 Oy Kwh Mirka Ab Abrasive product having parallel base and abrasive threads
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