JP2001037881A - 高頻度人工呼吸器 - Google Patents

高頻度人工呼吸器

Info

Publication number
JP2001037881A
JP2001037881A JP11216960A JP21696099A JP2001037881A JP 2001037881 A JP2001037881 A JP 2001037881A JP 11216960 A JP11216960 A JP 11216960A JP 21696099 A JP21696099 A JP 21696099A JP 2001037881 A JP2001037881 A JP 2001037881A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
exhaust
patient
discharge pipe
urging means
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11216960A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3775118B2 (ja
Inventor
Yasuhito Sugiura
康仁 杉浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Corp filed Critical Suzuki Motor Corp
Priority to JP21696099A priority Critical patent/JP3775118B2/ja
Publication of JP2001037881A publication Critical patent/JP2001037881A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3775118B2 publication Critical patent/JP3775118B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Respiratory Apparatuses And Protective Means (AREA)
  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸気供給流量の増加を図る。 【解決手段】 患者Xに供給する酸素を含んだ吸気に,
患者Xの呼吸周期よりも高い周期の振動空気圧を付勢し
て酸素吸入と呼気排出とを行う高頻度振動換気法を採る
高頻度人工呼吸器12において、患者Xから出された呼
気を大気中に排出する排出経路内に、呼気が大気中に排
出される方向に向かって当該呼気を能動的に流動させる
排気付勢手段80を装備した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工呼吸器に係
り、特に、高頻度人工呼吸法に適した人工呼吸器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高頻度人工呼吸器とは、酸素供給源から
分岐点を介して患者と排気口とに分岐する流体回路系を
流れる高濃度酸素を含んだ吸気(通常の流量10〜30[l/m
in],最大60[l/min])に対して高頻度(1[Hz]以上)の
振動空気圧を付勢して患者の肺内に酸素供給を行う方式
の人工呼吸器をいう。
【0003】高頻度人工呼吸器の酸素供給原理を説明す
ると、吸気の圧力振幅により、患者の肺中の二酸化炭素
を含んだ吸気(以下、呼気とする)に対して小容量の換
気(対流的なガス交換)が起ると共に、吸気の振動によ
る拡散運動の効果で、肺の中より呼気が肺の外(患者口
元)まで導き出される。後続の吸気は、上述の換気を行
うと共に肺から導き出された呼気を排気口側に送り出す
作用をも有している。これにより、患者の肺内を常に一
定の酸素濃度に維持することを可能としている。
【0004】従来例を図9に基づいて説明する。この従
来例では、患者Xに対し酸素吸入と呼気排出を行う高頻
度振動換気法(HFO)の人工呼吸器200を示すもの
である。図9は、この人工呼吸器200の全体構造を示
している。
【0005】人工呼吸器200は、吸気(空気と酸素の
混合気)を供給する吸気導入部262と、陽圧Ap及び
陰圧Anの両方の空気圧を同時に発生するブロワ252
と、ブロワ252で発生した陽圧Ap又は陰圧Anを交
互に選択して所定の振動空気圧Apnに変換するロータリ
バルブ機構254と、ロータリバルブ機構254からの
振動空気圧Apnに付勢されて作動し,吸気導入部262
から患者Xに供給される吸気に振動空気圧を付勢するダ
イヤフラム機構256とを備えている。
【0006】上述の吸気導入部262は、外気と予め準
備された酸素とを吸入し混合する吸気ユニット263
と、吸気ユニット263から送り出される空気を加湿す
る加湿器264とから構成されている。吸気ユニット2
63は、吸気の流量調節を行う図示しない調節手段が設
けられている。
【0007】一方、ロータリーバルブ機構254は、バ
ルブの回転周期を調節自在であり、調節された周期に応
じて陽圧Apと陰圧Anとを交互に選択し、所定の振動
空気圧Apnを出力する。
【0008】ダイヤフラム機構256は、ロータリーバ
ルブ機構254の下流側に位置し、振動空気圧Apnによ
りダイヤフラム膜257の振動が付勢される。このダイ
ヤフラム膜257は、吸気導入部262から供給される
吸気の通過領域に面しており、通過する吸気に振動空気
圧Apnを印加する。さらに、吸気の流動方向下流側には
三方分岐管270が配設されており、吸気の進行方向が
患者側と排気側とに分岐されている。三方分岐管270
の患者側のポートには患者の肺に吸気を送る患者用配管
271が接続されており、排気側のポートには排気管2
72が接続されている。この排気管272の終端部に
は、流量調節バルブ273が装備されており、当該流量
調節バルブ273から余剰の吸気及び呼気が排気され
る。
【0009】流量調節バルブ273は、外部操作により
その開度が調節自在であり、吸気の供給流量とバルブ開
度により、人工呼吸器200の内部の圧力が調節され
る。
【0010】また、図中の符号281〜285は、各部
の配管内圧力を検出する圧力センサである。
【0011】また、図中の符号274は、呼気に含まれ
る細菌等を濾し採るバクテリアフィルタである。高頻度
人工呼吸器200の直接呼気にさらされる各部位は、そ
の使用後に念入りな殺菌消毒作業が要求される。流量調
節バルブ273はその構造が複雑なため、直接呼気にさ
らされると、使用後における殺菌消毒作業が非常に煩雑
となっていた。従って、これを解消する対策としてバク
テリアフィルタ274が流量調節バルブ273の手前に
設けられるようになったものである。
【0012】かかるバクテリアフィルタ274の設置に
より、流量調節バルブは直接呼気にさらされないため、
煩雑な殺菌消毒作業や呼気に含まれる唾液や湿気等によ
る流量調節バルブの作動能力の低下等が回避される。
【0013】上記従来例では、人工呼吸器200を操作
するオペレータ(例えば医者)により吸気ユニット26
3で酸素濃度の高い吸気が生成され、所望の設定流量
(10〜最大60[l/min])で当該吸気が下流側に供給され
る。また、このとき、流量調節バルブ273にてバルブ
開度の調節を行われる。患者の肺へかかる平均圧力は5
〜15[cmH20]の帯域が適切であり、この流量調節バルブ
272が有するゴム製の弁部材の開放面積で排気流量を
調節し同時に人工呼吸器200の内部全体の圧力をコン
トロールすることができる。
【0014】流動する吸気は、高頻度の振動空気圧Apn
が付勢されることにより患者用配管271を介して患者
の肺内の換気を行うと共に呼気を排気管272側に送り
出す。かかる呼気及び吸気は、バクテリアフィルタ27
4及び流量調節バルブ273を介して大気中に排気され
る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した高
頻度人工呼吸器200では、口元まで振動により引き出
された呼気は、患者が呼吸により再度吸入しないよう
に、後続の吸気で常に排気口側へ押し流してやる必要が
ある。また、吸気の供給流量を増やせば、患者の肺から
生じた呼気が効率的に送り出される効果を生じる。その
ため、患者の肺内の二酸化炭素濃度が通常よりも高い場
合や酸素濃度を高く維持したい場合には、吸気の供給流
量を増やす措置が採られる(最大40〜60[l/min])。
【0016】しかし、高頻度人工呼吸器200は固体の
構造物であり、各部の配管径や配管長は一定であるた
め、流量調節バルブ273の開度が一定であれば人工呼
吸器200の総空気抵抗は一定である。また、吸気の粘
性係数は空気と高濃度酸素の混合比により決定される。
高頻度人工呼吸器200の圧力センサ281から284
までの配管長をl[m],配管直径をd[m],吸気の粘性係
数をμ,吸気の供給流量をQ[m3/s],吸気の平均流速を
U[m/s]とすると、圧力センサ281−284間の圧力
降下ΔPはハーゲン・ポアズイユの法則により次式
(1)で表される。
【0017】 ΔP=Q・128μl/πd=U・32μl/d …(1)
【0018】従って、吸気の供給量が増加すると、それ
に比例して患者に対する吸気の供給圧力が上昇すること
となる。この場合、流量調節バルブ273を全開にして
も限界が限られているので圧力上昇は免れない。
【0019】具体的な数値で説明すると、上述の高頻度
人工呼吸器200でバクテリアフィルタ274が外され
たものに対して流量を30[l/min]以上に設定して吸気
の供給を行うと、流量調節バルブ273を最大開度とし
ても内部の平均圧力が13[cmH2O]以下に下げることが
できなかった。また、バクテリアフィルタ274が装備
された状態にあっては、2〜3[cmH2O]の圧力上昇を招
き、15[cmH2O]以下に下げることができなかった。
【0020】従って、従来の高頻度人工呼吸器200
は、吸気供給量を増やすと酸素吸入に好適な供給圧力を
維持することができず、実質的に患者の様態変化により
肺内の二酸化炭素濃度が上昇したり治療の必要性により
吸気供給量を増やすことが困難であるという不都合があ
った。
【0021】さらに、バクテリアフィルタを患者回路系
に設けると、その分だけ流動抵抗が大きくなり、前述し
た呼気回路中の圧力上昇を生じる傾向はより顕著となる
ため、前述のように吸気供給量を増やして肺内の換気効
率を高めることが、さらに困難となるという不都合があ
った。
【0022】
【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合
を改善し、肺内の換気効率を自在に調節し得る高頻度人
工呼吸器を提供することを、その目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、患者に供給する酸素を含んだ吸気に,患者の呼吸周
期よりも高い周期の振動空気圧を付勢して酸素吸入と呼
気排出とを行う高頻度振動換気法を採る高頻度人工呼吸
器において、患者から出された呼気を大気中に排出する
排出経路内に、呼気が大気中に排出される方向に向かっ
て当該呼気を能動的に流動させる排気付勢手段を装備す
るという構成を採っている。
【0024】上述の構成では、吸気を患者へ供給する際
に高頻度周期の振動空気圧を付勢する。かかる振動空気
圧は、患者の自発的な呼吸周期とは無関係且つそれより
も高い周期に設定される。この高頻度で振動する吸気が
陽圧(大気圧よりも高い圧力の位相)のときには患者の
肺内に吸気が侵入し、陰圧(大気圧よりも低い圧力の位
相)のときには患者の肺から生じた二酸化炭素を含んだ
呼気を体外に吸い出す働きをする。かかる陽圧と陰圧と
が短い周期で繰り返されることにより、患者の肺内の換
気が行われ、当該肺内を一定の酸素濃度に維持すること
を可能としている。
【0025】上述の換気動作が行われる際に、排気付勢
手段は、患者から吐き出された呼気を排出経路を介して
大気中(高頻度人工呼吸器の外部)に向けて流動させ
る。この排気付勢手段の作動は、吸気の供給流量が一定
量を超える場合に限定して行っても良い。この排気付勢
手段による呼気の能動的な流動付勢により、高頻度人工
呼吸器の有する固有の流動損失による内部圧力及び患者
への供給圧力の上昇が抑制される。
【0026】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明の構成に加えて、排出経路は、その排出端部が大気
中に開放された第一の排出管とこの第一の排出管に設け
られ呼気の通過流量を自在に調節する流量調節バルブと
を備え、排気付勢手段を、第一の排出管の途中であっ
て,流量調節バルブの呼気排出方向上流側に配置すると
いう構成を採っている。
【0027】かかる構成では、上述と同様の動作に加え
て、患者から排出された呼気は流量調節バルブを介して
一定流量で大気中に排気される。このとき排気付勢手段
を併用して排気流量を調節しても良い。また、吸気供給
量が高く設定され、この流量調節バルブを最大開度とし
ても排気が不十分な場合に、排気付勢手段を作動させて
も良い。
【0028】請求項3記載の発明では、請求項2記載の
発明の構成に加えて、排気付勢手段は、流量調節バルブ
の呼気排出方向上流側であって第一の排出管の途中から
分岐する分岐配管と、その一端部が大気中に開放されそ
の内部に開放側に向けて空気流が形成される第二の排出
管と、その空気流を形成する送風手段とを備え、第二の
排出管は、その途中に一部内径が小さく設定された絞り
部を有し、分岐配管の下流側端部を、第二の排出管の絞
り部に合流させるという構成を採っている。
【0029】かかる構成では、上述と同様の動作に加え
て、排気付勢手段の送風手段が作動すると、呼気は第一
の排出管から分岐配管に侵入する。この分岐配管は、上
記の如く,内部に空気流が形成された第二の排出管にそ
の絞り部の位置で合流する構造のため、ベンチュリ効果
によって起こる絞り部の圧力低下により、呼気は分岐配
管を介して第一の排出管から第二の排出管に移動して大
気中に排出される。
【0030】請求項4記載の発明では、上記各構成に加
えて、第一の排出管から分岐配管への分岐部分が無数の
小孔を介して連通するという構成を採っている。かかる
構成では、前述した各構成と同様の動作が行われると共
に、第一の排出管から分岐配管への呼気の流動が上記小
孔を介して行われる。
【0031】請求項5記載の発明では、請求項1,2,
3又は4記載の発明と同様の構成を備えると共に、吸気
又は呼気の圧力を検出する圧力センサと、排気付勢手段
による出力調節を自在に制御する動作制御部とを備え、
この動作制御部が、圧力センサの検出圧力に対応する出
力で排気付勢手段を駆動させる第一の出力調整機能を備
えるという構成を採っている。
【0032】かかる構成では、上述した各構成と同様の
動作が行われると共に吸気が流動を開始すると、圧力セ
ンサにより圧力が検出される。動作制御部では、検出圧
力に応じた排気付勢手段の出力が記憶されており、これ
を参照して検出圧力に応じた出力で排気付勢手段が駆動
され、所定の流量で呼気の能動的な排気が行われる。
【0033】請求項6記載の発明では、請求項1,2,
3又は4記載の発明と同様の構成を備えると共に、患者
への供給前の吸気圧力を検出する第一の圧力センサと、
患者から排出された呼気の圧力を検出する第二の圧力セ
ンサと、排気付勢手段による出力調節を自在に制御する
動作制御部とを備え、この動作制御部が、各圧力センサ
の検出圧力の差に対応する出力で排気付勢手段を駆動さ
せる第二の出力調整機能を備えるという構成を採ってい
る。
【0034】上記構成では、上記各構成と同様の動作が
行われると共に、二つの圧力センサの出力圧力差から各
センサ間の気体流量を求めることができる。動作制御部
では、排気付勢手段を目標流量に設定する出力が記憶さ
れており、これを参照して流量に応じた出力で排気付勢
手段が駆動され、所定流量で呼気の能動的な排気が行わ
れる。
【0035】本発明は、上述した各構成によって前述し
た目的を達成しようとするものである。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図1乃至図
6に基づいて説明する。図1は、患者Xに供給する酸素
を含んだ吸気に,患者Xの呼吸周期よりも高い周期の振
動空気圧を付勢して酸素吸入と呼気排出とを行う高頻度
振動換気法を採る高頻度人工呼吸器12の構成を示すブ
ロック図である。
【0037】この高頻度人工呼吸器12は、酸素供給源
としての吸気導入部62と、陽圧Ap及び陰圧Anの両
方の空気圧を同時に発生するブロワ52(空気圧発生
源)と、ブロワ52で発生した陽圧Ap又は陰圧Anを
交互に選択して所定の振動空気圧Apnに変換するロータ
リバルブ機構54(振動空気圧発生機構)と、ロータリ
バルブ機構54からの振動空気圧Apnに付勢されて作動
し,吸気導入部62から患者Xに供給される酸素(厳密
には空気と混合された酸素)に振動空気圧を付勢するダ
イヤフラム機構56と、各部の動作制御を行う動作制御
部40とを備えている。
【0038】吸気導入部62は、外気と予め準備された
酸素とを吸入し混合するブレンダ621と、ブレンダ6
21から送り出される空気を加湿する加湿器622とか
ら構成されている。ブレンダ621は吸気を加湿器62
2側に流す図示しない複数の出力バルブが設けられてい
る。各種の出力バルブは、それぞれ流量が異なるもので
あり、任意の流量の出力バルブを選択することにより所
定流量の吸気の供給が行われる。なお、各出力バルブは
動作制御部40から動作信号により開閉を切り替えるア
クチュエータが併設されている。
【0039】加湿器622には、加湿器622を経た吸
気Aiを患者Xへ供給する吸気管623が接続されてい
る。吸気管623は、その途中でダイヤフラム機構56
の被加圧室563に連通されるとともに、その末端で後
述する三方分岐管170に接続されている。
【0040】ブロワ52は、その内部に空気を取り込み
またその空気を送り出すことにより陽圧と陰圧とを同時
に発生させる。その空気取り込み口は、後述するロータ
リーバルブ機構54の陰圧ポート542に接続され、空
気の送り出し口は陽圧ポート541に接続されている。
【0041】ロータリバルブ機構54は、ブロワ52か
ら陽圧が入力される陽圧ポート541と、ブロワ52か
ら陰圧が付勢される陰圧ポート542と、振動空気圧を
出力する出力ポート543と、自らの回転により出力ポ
ート543を陽圧ポート541と陰圧ポート542とに
交互に接続するロータリバルブ544と、ロータリバル
ブ544を回転させる駆動部545とから構成されてい
る。駆動部545は、図示しない電動機及び減速機から
なり、ロータリバルブ544を例えば900[rpm]で回転さ
せる。ロータリバルブ544は、一回転するごとに、ポ
ート541とポート543とのみを一回連通させ、続い
てポート542とポート543とのみを一回連通させ
る。これにより、供給される吸気に対して周波数15[Hz]
の振動空気圧Apnを付勢する。ポート543には、振動
空気圧Apnをダイヤフラム機構56へ伝達する振動空気
圧管546が接続されている。
【0042】ダイヤフラム機構56は、加圧室562及
び被加圧室563と、加圧室562と被加圧室563と
の間を仕切るとともに伸縮自在の膜状部材で形成された
ダイヤフラム561とを備えている。加圧室562は振
動空気圧管546に接続されている。加圧室562はロ
ータリーバルブ54の出力ポート543に接続されてお
り、被加圧室563は吸気管623に接続されている。
かかる構造によりロータリーバルブ54で形成された振
動空気圧はダイヤフラム561を介して吸気管623内
を流動する吸気に付勢される。
【0043】さらに、高頻度人工呼吸器12は、吸気管
623の下流側に三方分岐管170を備え、当該三方分
岐管170がさらに下流側を患者X側と排出経路側とに
分岐させている。そして、高頻度人工呼吸器12の排出
経路には、呼気中に含まれる細菌を濾し採るバクテリア
フィルタ70と呼気が大気中に排出される方向に向かっ
て当該呼気を能動的に流動させる排気付勢手段80とが
装備されている。
【0044】上述の三方分岐管170は、患者側管路1
71,酸素供給源側管路172及び呼気排出側管路17
3の三つの管路を備えており、これらの管路は全て内部
で合流している。そして、酸素供給源側管路172が吸
気管623と接続され、患者側管路171が患者Xに至
る末端吸気管605と接続されている。
【0045】さらに、呼気排出側管路173は、第一の
排出管604の一端部と接続され、この第一の排出管6
04の他端部には流量調節バルブ607が接続されてい
る。これら第一の排出管604と流量調節バルブ607
とは、患者Xの肺から出された二酸化炭素を含んだ吸気
(呼気)の通り道となり、これらが呼気を大気中に排出
する排出経路を構成する。
【0046】図2は、排出経路の周囲を一部切り欠いて
示した拡大図である。この図に示すように、流量調節バ
ルブ607は、筺体607aと排気ポート607bと流
量制御用の移動弁(制御用シリコンシート)607c
と、この移動弁607cを一定方向に沿って前後進移動
させる往復付勢機構としてのソレノイド607dとを備
えている。
【0047】第一の排出管604は、バクテリアフィル
タ70を挟んで上流側部分604aと下流側部分604
bとに分断されており、下流側部分604bの末端部は
流量調節バルブ607の筐体607aの内部に挿入され
ており、移動弁607cはこの第一の排出管604の下
流側部分604bの末端部の排気方向正面に近接して筐
体607aに装備されている。この移動弁607cの背
後側には筐体607aに支持されたソレノイド607d
が配置されており、移動弁607cを第一の排出管60
4の下流側部分の末端に対して接離させる。このソレノ
イド607dは、動作制御部40の制御信号により移動
弁607cから第一の排出管604の末端までの距離を
自在に設定することが可能である。従って、移動弁60
7cは、第一の排出管604の末端を完全に塞いだ状態
からソレノイド607dの許容する範囲内で最も離間さ
せることができ、その離間距離に応じて呼気の通過流量
を調節することが可能となっている。
【0048】バクテリアフィルタ70は、第一の排出管
604の途中に設けられており、正確には第一の排出管
604の上流側部分604aの末端部に装備されてい
る。このバクテリアフィルタ70は、主に、細菌を濾し
採るフィルタ部71と当該フィルタ部71を収容するプ
ラスティック製の容器72とから構成されている。第一
の排出管604の上流側部分604aから流入する呼気
は、まずフィルタ部71に送り込まれ、当該フィルタ部
71を通過した呼気は容器72の内部から第一の排出管
604の下流側部分604bに流れてゆく。このフィル
タ部71の通過の際に呼気中の細菌が濾し採られる。
【0049】このバクテリアフィルタ70は、使い捨て
であり、使用済みのものは排気される。従って、容器7
2の上流側の端部は、第一の排出管604の上流側部分
604aの末端部が押し込み操作又は引っ張り操作によ
り着脱自在となっている。また、容器72の下流側の端
部は、シリコンゴムジョイント73を介して第一の排出
管604の下流側部分604bの上流端部に接続されて
いる。このシリコンゴムジョイント73もまた、第一の
排出管604の下流側部分604bが押し込み操作又は
引っ張り操作により着脱自在となっている。
【0050】排気付勢手段80は、第一の排出管604
の途中であってバクテリアフィルタ70の下流側に装備
されている。この排気付勢手段80は、流量調節バルブ
607の呼気排出方向上流側であって第一の排出管60
4の途中から分岐する分岐配管81と、その一端部が大
気中に開放されその内部に開放端への空気流が形成され
る第二の排出管82と、その空気流を形成する送風手段
83とを備えている。
【0051】第一の排出管604における分岐配管81
側への分岐箇所には、管壁を貫通した無数の小孔811
が形成されている。そして、第一の排出管604の小孔
811が形成されている部分を外側から取り囲むように
して管状容器812が装着されている。この管状容器8
12と第一の排出管604の外側壁面との間にはシール
構造が施されており、各小孔811を介して第一の排出
管604の外側に流出した呼気は全てこの管状容器81
2内に到達し、直接大気中には放出されない構造となっ
ている。
【0052】分岐配管81の一端部は、この管状容器8
12に連通している。従って、第一の排出管604の各
小孔811から流出した呼気は、管状容器812内を通
過して分岐配管81内に流入する。また、分岐配管81
の他端部は、第二の排出管82の途中部分に接続されて
いる。
【0053】第二の排出管82は、前述した如くその一
端部に送風手段83を備えており、当該一端部から他端
部に向かう方向に空気流を形成することが可能となって
いる。また、第二の排出管82の途中部分における内部
には管径が徐々に小さくなる絞り部821が設けられて
おり、かかる絞り部821から空気流の流速が加速する
構造となっている。
【0054】前述した分岐配管81の他端部は、第二の
排出管82に対して絞り部821のすぐ下流側となる位
置に連通されており、分岐配管81と第二の排出管82
とはいわゆるエジェクタ構造が形成されている。従っ
て、第二の排出管82に対して分岐配管81がベンチュ
リ効果を生じる構造が採られている。即ち、第二の排出
管82の内部において、絞り部821のすぐ下流部分は
陰圧(大気圧よりも低い気圧)となっている。
【0055】一方、第一の排出管604の末端部は、流
量調節バルブ607を最大開度とした状態であっても大
気圧以下となることはない。従って、第二の排出管82
内部に空気流が形成されている状態にあっては、第一の
排出管604の上流側から流れてきた呼気は、各小孔8
11から吸い出され、管状容器812及び分岐配管81
を介して第二の排出管82内に流入し、空気流と共に大
気中に排出されることとなる。
【0056】ところで、第二の排出管82の一端部に設
けられた送風手段83は、大気を取り込み第二の排出管
82内に送り出すブロワ831と、この送り出された大
気の流量を調節する流量可変バルブ832とから構成さ
れている。この流量可変バルブ832は、動作制御部4
から受ける動作信号により通過流量が設定される。具体
的には、流量可変バルブ832としては、電空比例弁や
ニードル方式の流量制御弁とその開度を調節するステッ
ピングモータとの組み合わせが好適である。
【0057】また、図1に示すように、吸気又は呼気の
通過する経路の各部には当該通過箇所の圧力を検出する
圧力センサ91〜95が装備されている。第一の圧力セ
ンサ91は吸気導入部62のブレンダ621と加湿器6
22との間に装備され、第二の圧力センサ92はバクテ
リアフィルタ70と排気付勢手段80との間に装備さ
れ、第三の圧力センサ93は三方分岐管170の患者側
管路171に装備され、第四の圧力センサ94は吸気管
623におけるダイヤフラム機構56よりも下流側であ
って三方分岐管170の上流となる位置に装備され、第
五の圧力センサ95は三方分岐管170とバクテリアフ
ィルタ70の間に装備されている。これらの各センサ9
1〜95の検出信号は動作制御部40に出力される。
【0058】次に、動作制御部40について、図1及び
図2に基づいて説明する。この動作制御部40は、CP
U,ROM,A/D変換器を含む演算装置で構成され、
後述する高頻度人工呼吸器12の動作制御を実行するプ
ログラムが入力されている。
【0059】この動作制御部40にはオペレータによる
操作入力を受け付ける入力部401と人工呼吸器12の
操作状態を表示するディスプレイからなる表示部402
とが併設されている。
【0060】入力部401からは、メインスイッチのオ
ンオフ,吸気の供給流量の選択の入力が行われる。即
ち、動作制御部40は、ブレンダ621の各出力バルブ
のアクチュエータのドライバ(図示略)を有しており、
吸気の供給流量の選択が入力されると、ドライバを介し
て選択された流量に対応するバルブのみを開き、他のバ
ルブを閉じた状態で維持する。
【0061】また、この入力部401から後述する第一
及び第二の規定値α,βの設定入力が行われる。さらに
また、この高頻度人工呼吸器12は、振動空気圧を付勢
せずに患者Xの自発的な呼吸周期に合わせて吸気を供給
する二種類の通常の人工呼吸を行うことが可能であり
(詳細は後述)、入力部401から高頻度人工呼吸を行
うか二種類のいずれかの通常の人工呼吸を行うかを選択
することができる。
【0062】さらに、動作制御部40は、流量調節バル
ブ607のソレノイド607dのドライバを備えてお
り、ドライバを介してソレノイド607dを作動させて
移動弁607cを所定の距離だけ移動させる。また、動
作制御部40では各圧力センサ91〜95の出力信号に
応じた検出圧力を表示部402で表示する。
【0063】さらに、動作制御部40は、第三の圧力セ
ンサ93の検出圧力が予め設定された第一の規定値α
(例えば10[cmH2O])を維持するように流量調節バルブ
607のバルブ開度を調節する圧力維持機能41を備え
ている。
【0064】即ち、動作制御部40では、第三の圧力セ
ンサ93の検出信号をA/D変換し、振動空気圧Apnよ
りも微細なサンプリング間隔で得られた一定期間の複数
検出圧力を平均化し、この平均化された圧力値が第一の
規定値αを越える場合には、アクチュエータ607dを
駆動して移動弁607cを第一の排出管604の末端部
から徐々に遠ざける動作制御を行う。また、検出圧力値
が第一の規定値αを下回る場合には、移動弁607cを
第一の排出管604の末端部に徐々に近づける動作制御
を行う。これにより、第三の圧力センサ93の配設位置
における吸気又は呼気の圧力を第一の規定値αに維持さ
れる。
【0065】また、動作制御部40は、第三の圧力セン
サ93の検出圧力の平均値が予め設定された第二の規定
値β(β>α,例えば15[cmH2O])以上となると、排気
付勢手段80のブロワ831の駆動を開始し、流量調節
バルブ607のソレノイド607dを駆動して当該流量
調節バルブ607を閉じる排気切り替え機能42を備え
ている。
【0066】即ち、吸気の設定流量が高い場合には流量
調節バルブ607を最大開度(移動弁607cを第一の
排出管604から最も遠ざけた状態)としても検出圧力
を第一の規定値αに維持することができず、この場合に
検出圧力は第二の規定値βまで上昇する。そして、第二
の規定値βを超えた時点で、それまでは停止していたブ
ロワ831を駆動し、呼気を積極的に第一の排出管60
4から分岐配管81を介して第二の排出管82に導き、
当該第二の排出管82の末端から大気中に排出する。同
時に、流量調節バルブ607のアクチュエータ607d
を駆動して移動弁607cが第一の排出管604を塞ぐ
まで移動させる。
【0067】またさらに、この動作制御部40は、第三
の圧力センサ93の検出圧力に対応する出力で排気付勢
手段80を駆動させる第一の出力調整機能43をも備え
ている。
【0068】即ち、動作制御部40は、排気付勢手段8
0の流量可変バルブ83の図示しないドライバを備えて
おり、第三の圧力センサ93による検出圧力値が第一の
規定値(前述と同様)を越える場合には、流量可変バル
ブ83の開度を徐々に開く動作制御を行う。また、検出
圧力値が第一の規定値を下回る場合には、流量可変バル
ブ83の開度を徐々に小さくする動作制御を行う。これ
により、第三の圧力センサ93の配設位置における吸気
又は呼気の圧力を第一の規定値に維持される。
【0069】上記構成からなる高頻度人工呼吸器12の
動作を図1乃至図3に基づいて説明する。図3は、オペ
レータの操作を含む高頻度人工呼吸器12の動作を示す
流れ図である。
【0070】まず、入力部401でメインスイッチがオ
ンにされ、高頻度人工呼吸モードを選択する(ステップ
S1)。そして、吸気流量,第一・第二の規定値の設定
が入力されると、吸気導入部62から設定された流量で
吸気の供給が開始され、同時にブロワ52及びロータリ
ーバルブ機構54が作動を開始し吸気に対して振動空気
圧Apnが付勢される。そして、患者Xに高頻度人工呼吸
が行われ、患者Xから生じた呼気が末端吸気管605を
介して第一の排出管604に送られる。この時点では排
気付勢手段80はまだ作動しておらず、呼気は第一の排
出管604の末端と第二の排出管82の末端の双方から
大気中に排出される(ステップS2)。
【0071】吸気及び呼気の通過経路の各部に設置され
た各圧力センサ91〜95からはその検出信号が動作制
御部40に出力され、当該動作制御部40では、各検出
信号に基づいて検出圧力を算出し、表示部402に出力
する。また、第三の圧力センサ93に基づく検出圧力p
が第一の規定値αとなっているかが判定される(ステッ
プS3)。
【0072】検出圧力pがαであれば、メインスイッチ
が切られるまで、αを維持しているかが継続して見張り
続けられる(ステップS4)。
【0073】検出圧力pが第一の規定値αから外れてい
る場合には、圧力維持機能41により動作制御部40
は、流量調節バルブ607の開度を調節する。即ち、p
>αであれば流量調節バルブ607の開度が大きくさ
れ、p<αであれば流量調節バルブ607の開度が小さ
くされる(ステップS5)。
【0074】流量調節バルブ607の開度が調節される
と、再び圧力判定が行われる。即ち、第三の圧力センサ
93の検出圧力pが第二の規定値βを上回っているか否
かが判定される。これは、吸気流量が予め高く設定され
た場合、或いは使用の途中から高く変更された場合に、
流量調節バルブ607の開度を最大としても十分な呼気
流量を確保できず、検出圧力pを十分に下げられない場
合がある。このような場合には、検出圧力pは第一の規
定値αを越え、さらに第二の規定値βをも越えてしま
う。従って、流量調節バルブ607の開度調節後に再び
圧力判定を行い、流量調節バルブ607の開度調節だけ
で圧力調節がまかなわれているかが判定される(ステッ
プS6)。
【0075】これにより、検出圧力pの上昇を生じてい
ないと判定されると、ステップS3に戻り、検出圧力p
がαを維持しているかが継続的に見張られる。
【0076】また、検出圧力pが第二の規定値βを越え
ている場合には、排気切り替え機能42により、流量調
節バルブ607の圧力調節ではまかないきれないと判断
され、排気付勢手段80により積極的に呼気の排出が開
始される。即ち、排気付勢手段80のブロワ831の駆
動が開始され、第二の排出管82内に空気流が形成され
ることにより、第一の排出管604内の呼気が分岐配管
81を介して第二の排出管82側に導かれて能動的に大
気中に排出される。また、このとき、流量調節バルブ6
07では、移動弁607cを移動させて第一の排出管6
04の末端を塞いでしまう(ステップS7)。
【0077】排気付勢手段80の駆動が開始されると、
再び圧力判定が行われる。第三の圧力センサ93の検出
圧力pが第一の規定値αを維持しているかが判定される
(ステップS8)。
【0078】検出圧力pがαであれば、メインスイッチ
が切られるまで、αを維持しているかが継続して見張り
続けられる(ステップS9)。
【0079】検出圧力pが第一の規定値αから外れてい
る場合には、第一の出力調節機能43により、動作制御
部40は、流量可変バルブ832の開度を調節する。即
ち、p>αであれば流量可変バルブ832の開度が大き
くされ、p<αであれば流量可変バルブ832の開度が
小さくされる(ステップS10)。
【0080】その後、第三の圧力センサ93による検出
圧力pが第一の規定値αに落ち着いた場合には、メイン
スイッチが切られるまで、かかる圧力状態が見張られる
(ステップS8,S9)。
【0081】図4は、排気付勢手段80の作動による吸
気及び呼気の圧力の変化を示す線図である。図4(A)
は吸気導入部62から導出し振動空気圧Apnを付勢され
た直後の吸気から第四の圧力センサ94により検出した
圧力変化を示し、図4(B)は三方分岐管170の患者
側管路171内の吸気及び呼気に対して第三の圧力セン
サ93により検出した排気付勢手段80の作動前の圧力
変化を示し、図4(C)は同患者側管路171内の吸気
及び呼気に対して第三の圧力センサ93により検出した
排気付勢手段80の作動後の圧力変化を示している。
【0082】図4(A)は、吸気導入部62の近くであ
るため、排気付勢手段80の影響は受けにくく、その図
示は排気付勢手段80の作動前の状態のもののみとす
る。なお、各図4(A)〜(C)に示す点線による直線
は、図4(A)の検出圧力の平均圧力を示す。
【0083】この図4(A)に示すようなダイヤフラム
機構56のすぐ下流位置における振動空気圧Apnが患者
Xの口元である第三の圧力センサ93の配設箇所でも観
測されることが望ましい。しかし、排気付勢手段80が
作動していない状態においては、振動空気圧Apnの陰圧
時に流量調節バルブ607から大気が侵入し、図4
(B)に示すように、最低圧力が一様に上昇する。これ
に対して、図4(C)では、流量調節バルブ607が閉
じられて排気付勢手段80が作動するので、当該排気付
勢手段80を介して呼気が能動的に大気中に排出され、
大気の侵入が拒まれるので、患者Xの口元では、ダイヤ
フラム機構56により振動空気圧Apnが付勢された直後
の状態と同様の圧力振幅が観測される。
【0084】従って、高頻度人工呼吸器12では、患者
Xの肺内の換気効率を高く維持することが分かる。
【0085】また、上記構成からなる高頻度人工呼吸器
12は、高頻度ではない二種類の通常の人工呼吸を行う
ことも可能である。一方の通常の人工呼吸は、高頻度人
工呼吸器12が患者Xに対して所定周期で吸気供給と呼
気排出とを能動的に行う方式であり、これを通常換気モ
ードAとする。他方の通常の人工呼吸は、高頻度人工呼
吸器12が患者Xの呼吸意志に従って吸気供給のみを能
動的に行う方式であり、これを通常換気モードBとす
る。
【0086】図5は、通常換気モードAに従って人工呼
吸を行う場合のオペレータの操作を含む高頻度人工呼吸
器12の動作を示す流れ図である。この図5に従ってそ
の動作を説明する。
【0087】まず、入力部401で通常換気モードAを
選択する(ステップS21)。さらに、入力部401
で、換気周期と一周期当たりの吸気供給流量及び供給時
間を設定する(ステップS22)。
【0088】上記入力がされると、流量調節バルブ60
7が閉じられる(ステップS23)。そして、設定され
た吸気供給流量で設定された一定時間だけ吸気の供給が
行われる(ステップS24)。続いて排気付勢手段80
が、設定周期から設定吸気供給時間を減じた時間だけ作
動して、呼気の排出が行われる(ステップS25)。
【0089】そして、上述の吸気供給と呼気排出が、入
力部401からメインスイッチのオフが入力されるまで
繰り返し行われる(ステップS26)。
【0090】図6は、通常換気モードBに従って人工呼
吸を行う場合のオペレータの操作を含む高頻度人工呼吸
器12の動作を示す流れ図である。この図6に従ってそ
の動作を説明する。
【0091】まず、入力部401で通常換気モードBを
選択する(ステップS31)。さらに、入力部401
で、吸気供給流量と吸気開始圧力γと吸気終了圧力δ
(δ>γ)とを設定する(ステップS32)。
【0092】上記入力がされると、流量調節バルブ60
7が閉じられる(ステップS33)。そして、患者Xの
自発的な吸い込み動作により口元の検出圧力p(第三の
圧力センサ93により検出された圧力)が設定された吸
気開始圧力γを下回ると(ステップS34)、設定され
た供給流量で吸気が供給される(ステップS35)。
【0093】患者Xの自発的な吸い込み動作が終わりに
近づくと供給される吸気により口元の圧力が上昇する
(ステップS36)。そして、口元の検出圧力pが設定
された吸気終了圧力δを越えると吸気の供給流量が低下
し、一定時間経過後供給が停止される(ステップS3
7)。
【0094】そして、上述の吸気供給が、入力部401
からメインスイッチのオフが入力されるまで繰り返し行
われる(ステップS38)。
【0095】上述の如く、高頻度人工呼吸器12は、高
頻度ではない通常の人工呼吸も行うことが可能である。
なお、通常換気モードAでは、吸気供給と呼気排出とを
予め設定した周期で行っているが、これらを口元の検出
圧力の変化をトリガーとして行っても良い。
【0096】以上のように、高頻度人工呼吸器12で
は、排出経路内に排気付勢手段80を設けたため、単に
排出経路の末端が大気中に開放されている場合と比較し
て能動的に呼気排出が行われ、吸気又は呼気の配管内圧
力の上昇を回避することが可能となっている。即ち、従
来は、人工呼吸器の各配管の流動抵抗により吸気の供給
流量を大きくすると患者Xへの供給圧力が上昇する傾向
にあったが、高頻度人工呼吸器12では、流動抵抗があ
っても積極的に呼気排出が行われるため、吸気の供給圧
力の上昇も回避され、適度な供給圧力で人工呼吸を行う
ことが可能となった。特に、排出経路内にバクテリアフ
ィルタを装備すると流動抵抗が大きくなり、上述のよう
な圧力上昇を生じやすい傾向にあったが、かかる場合で
あっても、排気付勢手段80は呼気を積極的に排出する
ため、適度な供給圧力で人工呼吸を行うことが可能とな
った。
【0097】また、かかる効果に加えて、人工呼吸器内
部の圧力上昇を回避できるため、吸気又は呼気の通過経
路となる配管等の各部の寸法や形状の設計の制限が緩和
され、設計の自由度が拡大された。
【0098】また、患者Xの様態変化や治療の必要に応
じて肺内の換気効率を高めるために、吸気の供給流量を
増やすことも容易に行うことが可能となり、人工呼吸に
おける種々の局面に対応することが可能な高頻度人工呼
吸器12を提供することができる。
【0099】さらに、排気付勢手段80により、呼気が
排出される方向に流動を付勢されるため、振動空気圧A
pnが陰圧のときに排出末端からの大気の侵入が抑制さ
れ、患者Xの肺内からの呼気排出を促進し、人工呼吸に
おける換気効率の向上を図ることが可能となった。
【0100】また、排気付勢手段80により、従来の排
気経路が開放された人工呼吸器では不可能であった人工
呼吸器管内全体の陰圧状態を実現することも可能とな
り、人工呼吸における種々の局面に対応することが可能
となった。
【0101】また、高頻度人工呼吸器12では、排気切
り替え機能42により、排気付勢手段80の作動と同時
に流量調節バルブ607を閉じてしまう制御を行うた
め、より大気の侵入を効果的に防止し、さらなる換気効
率の向上を図ることが可能である。
【0102】さらに、高頻度人工呼吸器12では、流量
調節バルブ607の上流側に排気付勢手段80を配置し
ているため、呼気排出の際に流量調節バルブ607の流
動抵抗の影響を受けることがなく、従って、流れの応答
性が高く、圧力調節可能な範囲も広く確保することが可
能である。
【0103】さらに、この高頻度人工呼吸器12は、呼
気の排出を行う第一の排出管604と第二の排出管82
とを備えているため、これらを選択的に或いは組み合わ
せて使用することができ、排出流量の調節が広い範囲に
渡って行うことが可能である。また、排出管が二本ある
ので、一方に故障を生じても他方で対処することがで
き、装置の信頼性を向上することが可能である。
【0104】また、第二の排出管82は分岐配管81を
介して第一の排出管604と連結され、分岐配管81の
末端は第二の排出管82の絞り部821に接続されてい
るため、第二の排出管82内に空気流を形成することに
より、第一の排出管604内の呼気を第二の排出管82
側に導き出すことができる。かかる構造により、送風手
段83は、排出される呼気に直接さらされることがない
ため、たとえ、バクテリアフィルタ70を設けなくて
も、使用終了ごとに送風手段80の消毒、洗浄を行う必
要がなく、煩雑性が解消され、装置の作業性の向上を図
ることが可能となった。
【0105】またさらに、高頻度人工呼吸器12では、
第一の排出管604から分岐配管81への分岐部分が無
数の小孔811を介して連結されている。このような小
孔は流速が速い気体に対して空気抵抗が大きいため、乱
流の度合が大きい空気振動などは逃がしにくいので、患
者Xの肺に対して供給される吸気の振動状態を温存し、
高頻度振動を効果的に伝達することが可能である。従っ
て、換気効率を高く維持することが可能である。また、
小孔811の個数を増やすことにより、実際の開口面積
は大きく確保できるので、時間当たりに排出される呼気
流量は十分確保することが可能である。さらに、小孔8
11を通過した呼気は層流となって流れるため、空気騒
音の低減に効果がある。
【0106】さらに、高頻度人工呼吸器12では、第一
の出力調整機能43により、患者に供給される吸気圧力
に応じた出力で排気付勢手段80が駆動するため、吸気
圧力が所定の値に自在に調節され、適切な吸気圧力を維
持して人工呼吸を行うことが可能となり、人工呼吸器の
信頼性が向上される。また、圧力維持機能41について
も同様の効果を生ずる。
【0107】ここで、上記高頻度人工呼吸器12の動作
制御部40では、圧力維持機能41,排気切り替え機能
42及び第一の出力調整機能43がいずれもが第三の圧
力センサ93の検出圧力に基づいて各部の動作制御を行
うものであったが、これらの同様の制御を第一の圧力セ
ンサ91と患者から排出された呼気の圧力を検出する第
二の圧力センサ92との検出圧力の差に基づいて行って
も良い。即ち、この第一の圧力センサ91と第二の圧力
センサ92との検出圧力差が大きい場合には第三の圧力
センサの検出圧力も上昇しており、また、第一の圧力セ
ンサ91と第二の圧力センサ92との検出圧力差が小さ
い場合には第三の圧力センサ93の検出圧力も減少して
いる。従って、これら二つの圧力センサ91,92の検
出圧力の差に基づいて上記各機能41,42,43と同
様の動作制御を行うことにより、同様の効果を得ること
が可能である。
【0108】また、二つの検出圧力から流体連続の法則
によって連続した圧力勾配が得られ、これに基づいた適
切な吸気供給及び呼気排出の制御を行うことが可能であ
る。
【0109】なお、前述した排気付勢手段80では、第
二の排出管82内に形成される空気流の流量を流量可変
バルブ832の開度調節で変化させて呼気排出量の増減
を図っていた。しかし、流量可変バルブ832を排気付
勢手段80の構成から除くと共に、ブロワ831の回転
数を制御するインバータを介して回転数制御により呼気
排出量の増減を図っても良い。
【0110】また、排気付勢手段80のブロワ831に
替えて、第二の排出管82の反対側の端部に負圧を発生
するブロワを装備する構成としても良い。
【0111】次に、図7に基づいて他の高頻度人工呼吸
器12Aについて説明する。この高頻度人工呼吸器12
Aは、主に、排気付勢手段80Aの装備箇所が前述した
高頻度人工呼吸器12と異なり、他の構成についてはほ
ぼ同様となっている。従って、この高頻度人工呼吸器1
2Aについて前述した高頻度人工呼吸器12と同一の構
成については同符号を付して重複する説明は省略するも
のとする。
【0112】排気付勢手段80Aは、第一の排出管60
4Aの末端に設けられた流量調節バルブ607のさらに
下流側に装備されている。ここで、第一の排出管604
Aは、前述した第一の排出管604とほぼ同一だが、分
岐のための小孔811が設けられていない。
【0113】排気付勢手段80Aは、その一端部が流量
調節バルブ607の呼気排出口に連通し他端部が大気中
に開放された第二の排出管82Aと、当該第二の排出管
82Aの内部にその開放端への空気流を形成する送風手
段83とを備えている。
【0114】第二の排出管82Aは、一端部から他端部
にかけて連通した配管であり、その他端部に送風手段8
3のブロワ831が装備されている。ブロワ831は、
陰圧発生側のポートが第二の排出管82Aに接続されて
いる。このため、第二の排出管82Aの内部には一端部
から他端部に向けて空気流が形成される。
【0115】流量調節バルブ832は、ブロワ831の
上流側に配置されているが、下流側に配置しても良い。
【0116】次に、動作制御部40Aについて説明す
る。この動作制御部40Aは前述した動作制御部40と
ほぼ同様の機能を有するが、若干のところで異なってい
る。即ち、動作制御部40Aは、第三の圧力センサ93
の検出圧力が予め設定された第一の規定値α(例えば10
[cmH2O])を維持するように流量調節バルブ607のバ
ルブ開度を調節すると共に、流量可変バルブ832のバ
ルブ開度を最大開度に維持する圧力維持機能41Aを備
えている。
【0117】また、動作制御部40Aは、第三の圧力セ
ンサ93の検出圧力の平均値が予め設定された第二の規
定値β(β>α,例えば15[cmH2O])以上となると、排
気付勢手段80Aのブロワ831の駆動を開始し、流量
調節バルブ607のソレノイド607dを駆動して当該
流量調節バルブ607を最大開度とする排気切り替え機
能42Aを備えている。
【0118】またさらに、この動作制御部40Aは、第
三の圧力センサ93の検出圧力が予め設定された第一の
規定値α(例えば10[cmH2O])を維持するように流量可
変バルブ832のバルブ開度を調節する第一の出力調整
機能43Aを備えている。
【0119】上記構成により、高頻度人工呼吸器12A
は、高頻度人工呼吸器12とほぼ同様の動作が行われ、
且つ、同様の効果を得ることが可能である。
【0120】
【実施例】図1,図2及び図8に基づいて本願発明の実
施例を示す。この実施例では、図1に示した高頻度人工
呼吸器12を末端吸気管605の患者側端部を患者Xが
装着するのではなく、試験用のテスト肺Tに接続して高
頻度人工呼吸を行い、排気付勢手段80を用いていない
場合と用いた場合と出、その換気状態を観測した比較試
験を示すものである。図8は、その比較試験の結果を示
す線図である。
【0121】テスト肺Tは容積20[l]のプラスチックタ
ンクである。このテスト肺Tを高頻度人工呼吸器12に
接続した状態で当該テスト肺Tの内部に200[ml/min]で
炭酸ガスを常時注入する。この状態で、口元圧力(第三
の圧力センサ93の検出圧力)pを15[cmH2O]に保ちな
がら、排気付勢手段80を作動させた状態とさせない状
態とでそれぞれ高頻度人工呼吸を行なう。
【0122】排気付勢手段80を作動させないで、吸気
流量を20[l/min]とした場合、常時注入される炭酸ガス
と高頻度人工呼吸によりテスト肺Tから排出される炭酸
ガスとが平衡した時のテスト肺Tの内部の炭酸ガス濃度
は、図8の線図の左端部に示すように15[mmHg](分圧表
記)であった。
【0123】また、上記平衡状態から、炭酸ガスの注入
を止めて、全ての炭酸ガスがテスト肺より排出されるま
での時間は、図8に示すように、およそ240[s]かかっ
た。また、濃度10.5[mmHg]から6.0[mmHg]までに移行す
る際の排出速度は、約0.1[mmHg/sec]である。
【0124】さらに換気効率を上げるために、吸気供給
流量を30[l/min]にすると、口元圧力pは15[cmH2O]を越
え、口元圧力オ一バーで高頻度人工呼吸ができなかっ
た。
【0125】これに対して、排気付勢手段80を作動さ
せた場合では、吸気供給流量を30[l/min]にしても、口
元圧力pを15[cmH2O]に保つことが可能である。かかる
設定流量で高頻度人工呼吸を行なうと、テスト肺T内で
炭酸ガスが平衡した濃度は10.5[mmHg]となり、前述し
た吸気供給流量20[l/min]の時より、30%程度も低減す
ることができた。これは、高頻度人工呼吸器12で人工
呼吸を行った場合には、患者の肺内に炭酸ガスが溜まり
難いことを示唆する。
【0126】また、図8に示すように、平行状態から炭
酸ガスの注入を止めると150[s]で全ての炭酸ガスが排出
される。また、濃度10.5[mmHg]から6.0[mmHg]までに移
行する際の排出速度は、約0.15[mmHg/sec]と多い。炭
酸ガスの排出速度も50%近く上がり、炭酸ガスの換気効
率が良い。つまり以下の有効な点が確認された。 排気付勢手段を利用すると、吸気供給流量を高く設定
することが可能である。 に準じて、肺内の炭酸ガス濃度を低減することがで
きる。 に準じて、肺内の炭酸ガスの排出速度を迅速化でき
る。
【0127】
【発明の効果】請求項1記載の本願発明では、排出経路
内に排気付勢手段を設けたため、単に排出経路の末端が
大気中に開放されている場合と比較して能動的に呼気排
出が行われ、吸気又は呼気の配管内圧力の上昇を回避す
ることが可能となっている。即ち、従来は、人工呼吸器
の各配管の流動抵抗により吸気の供給流量を大きくする
と患者への供給圧力が上昇する傾向にあったが、本願発
明では、流動抵抗があっても積極的に呼気排出が行われ
るため、吸気の供給圧力の上昇も回避され、適度な供給
圧力で人工呼吸を行うことが可能となった。特に、排出
経路内にバクテリアフィルタを装備すると流動抵抗が大
きくなり、上述のような圧力上昇を生じやすい傾向にあ
ったが、かかる場合であっても、排気付勢手段は呼気を
積極的に排出するため、適度な供給圧力で人工呼吸を行
うことが可能となった。
【0128】また、かかる効果に加えて、人工呼吸器内
部の圧力上昇を回避できるため、吸気又は呼気の通過経
路となる配管等の各部の寸法や形状の設計の制限が緩和
され、設計の自由度が拡大された。
【0129】また、患者の様態変化や治療の必要に応じ
て肺内の換気効率を高めるために、吸気の供給流量を増
やすことも容易に行うことが可能となり、人工呼吸にお
ける種々の局面に対応することが可能な高頻度人工呼吸
器を提供することができる。
【0130】さらに、排気付勢手段により、呼気が排出
される方向に流動を付勢されるため、振動空気圧が陰圧
のときに排出末端からの大気の侵入が抑制され、患者の
肺内からの呼気排出を促進し、人工呼吸における換気効
率の向上を図ることが可能となった。
【0131】また、排気付勢手段により、従来の排気経
路が開放された人工呼吸器では不可能であった人工呼吸
器管内全体の陰圧状態を実現することも可能となり、人
工呼吸における種々の局面に対応することが可能となっ
た。
【0132】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明と同様の効果を有すると共に、流量調節バルブの上
流側に排気付勢手段を配置しているため、呼気排出の際
に流量調節バルブの流動抵抗の影響を受けることがな
く、従って、流れの応答性が高く、圧力調節可能な範囲
も広く確保することが可能である。
【0133】請求項3記載の発明では、請求項2記載の
発明と同様の効果を有すると共に、呼気の排出を行う第
一の排出管と第二の排出管とを備えているため、これら
を選択的に或いは組み合わせて使用することができ、排
出流量の調節が広い範囲に渡って行うことが可能であ
る。また、排出管が二本あるので、一方に故障を生じて
も他方で対処することができ、装置の信頼性を向上する
ことが可能である。
【0134】また、第二の排出管は分岐配管を介して第
一の排出管と連結され、分岐配管の末端は第二の排出管
の絞り部に接続されているため、第二の排出管内に空気
流を形成することにより、第一の排出管内の呼気を第二
の排出管側に導き出すことができる。かかる構造によ
り、送風手段は、排出される呼気に直接さらされること
がないため、たとえ、バクテリアフィルタを設けなくて
も、使用終了ごとに送風手段の消毒、洗浄を行う必要性
が緩和され、煩雑性の解消により装置の作業性の向上を
図ることが可能となった。
【0135】請求項4記載の発明では、請求項3記載の
発明と同様の効果を有すると共に、第一の排出管から分
岐配管への分岐部分が無数の小孔を介して連結されてい
る。このような小孔は流速が速い気体に対して空気抵抗
が大きいため、乱流の度合が大きい空気振動などは逃が
しにくいので、患者の肺に対して供給される吸気の振動
状態を温存し、高頻度振動を効果的に伝達することが可
能である。従って、換気効率を高く維持することが可能
である。また、小孔の個数を増やすことにより、実際の
開口面積は大きく確保できるので、時間当たりに排出さ
れる呼気流量は十分確保することが可能である。さら
に、小孔を通過した呼気は層流となって流れるため、空
気騒音の低減に効果がある。
【0136】請求項5記載の発明では、請求項1,2,
3又は4記載の発明と同様の効果を有すると共に、第一
の出力調整機能により、患者に供給される吸気圧力に応
じた出力で排気付勢手段が駆動するため、吸気圧力が所
定の値に自在に調節され、適切な吸気圧力を維持して人
工呼吸を行うことが可能となり、人工呼吸器の信頼性が
向上される。
【0137】請求項6記載の発明では、請求項1,2,
3又は4記載の発明と同様の効果を有すると共に、第二
の出力調整機能により、吸気側圧力と呼気側圧力との圧
力勾配に応じた出力で排気付勢手段が駆動するため、吸
気圧力が所定の値に自在に調節され、適切な吸気圧力を
維持して人工呼吸を行うことが可能となり、人工呼吸器
の信頼性が向上される。また、二つの検出圧力から流体
連続の法則によって連続した圧力勾配が得られ、これに
基づいた適切な呼気排出の制御を行うことが可能であ
る。
【0138】本発明は以上のように構成され機能するの
で、これによると、従来にない優れた高頻度人工呼吸器
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1の実施形態の要部を拡大し一部を切り欠い
た説明図である。
【図3】本発明の実施形態の動作を示すフローチャート
である。
【図4】図4は排気付勢手段の作動による吸気及び呼気
の圧力の変化を示す線図であり、図4(A)は吸気導入
部から導出し振動空気圧を付勢された直後の吸気から第
四の圧力センサにより検出した圧力変化を示し、図4
(B)は三方分岐管の患者側管路内の吸気及び呼気に対
して第三の圧力センサにより検出した排気付勢手段の作
動前の圧力変化を示し、図4(C)は同患者側管路内の
吸気及び呼気に対して第三の圧力センサにより検出した
排気付勢手段の作動後の圧力変化を示している。
【図5】通常換気モードAの動作を示すフローチャート
である。
【図6】通常換気モードBの動作を示すフローチャート
である。
【図7】本発明の他の実施形態を示す概略構成図であ
る。
【図8】排気付勢手段の使用の有無による比較試験の結
果を表す線図である。
【図9】従来例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
12,12A 高頻度人工呼吸器 40,40A 動作制御部 43,43A 第一の出力調整機能 80,80A 排気付勢手段 81 分岐配管 811 小孔 82,82A 第二の排出管 821 絞り部 83 送風手段 604,604A 第一の排出管 607 流量調節バルブ X 患者

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患者に供給する酸素を含んだ吸気に,患
    者の呼吸周期よりも高い周期の振動空気圧を付勢して酸
    素吸入と呼気排出とを行う高頻度振動換気法を採る高頻
    度人工呼吸器において、 前記患者から出された呼気を大気中に排出する排出経路
    内に、前記呼気が大気中に排出される方向に向かって当
    該呼気を能動的に流動させる排気付勢手段を装備したこ
    とを特徴とする高頻度人工呼吸器。
  2. 【請求項2】 前記排出経路は、その排出端部が大気中
    に開放された第一の排出管とこの第一の排出管に設けら
    れ前記呼気の通過流量を自在に調節する流量調節バルブ
    とを備え、 前記排気付勢手段を、前記第一の排出管の途中であっ
    て,前記流量調節バルブの呼気排出方向上流側に配置し
    たことを特徴とする請求項1記載の高頻度人工呼吸器。
  3. 【請求項3】 前記排気付勢手段は、前記流量調節バル
    ブの呼気排出方向上流側であって前記第一の排出管の途
    中から分岐する分岐配管と、その一端部が大気中に開放
    されその内部に前記開放端への空気流が形成される第二
    の排出管と、その空気流を形成する送風手段とを備え、 前記第二の排出管は、その途中に一部内径が小さく設定
    された絞り部を有し、 前記分岐配管の下流側端部を、前記第二の排出管の絞り
    部に合流させたことを特徴とする請求項2記載の高頻度
    人工呼吸器。
  4. 【請求項4】 前記第一の排出管から前記分岐配管への
    分岐部分が無数の小孔を介して連通することを特徴とす
    る請求項3記載の高頻度人工呼吸器。
  5. 【請求項5】 前記吸気又は呼気の圧力を検出する圧力
    センサと、前記排気付勢手段による出力調節を自在に制
    御する動作制御部とを備え、 この動作制御部が、前記圧力センサの検出圧力に対応す
    る出力で前記排気付勢手段を駆動させる第一の出力調整
    機能を備えることを特徴とする請求項1,2,3又は4
    記載の高頻度人工呼吸器。
  6. 【請求項6】 前記患者への供給前の吸気圧力を検出す
    る第一の圧力センサと、前記患者から排出された呼気の
    圧力を検出する第二の圧力センサと、前記排気付勢手段
    による出力調節を自在に制御する動作制御部とを備え、 この動作制御部が、前記各圧力センサの検出圧力の差に
    対応する出力で前記排気付勢手段を駆動させる第二の出
    力調整機能を備えることを特徴とする請求項1,2,3
    又は4記載の高頻度人工呼吸器。
JP21696099A 1999-07-30 1999-07-30 高頻度人工呼吸器 Expired - Fee Related JP3775118B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21696099A JP3775118B2 (ja) 1999-07-30 1999-07-30 高頻度人工呼吸器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21696099A JP3775118B2 (ja) 1999-07-30 1999-07-30 高頻度人工呼吸器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001037881A true JP2001037881A (ja) 2001-02-13
JP3775118B2 JP3775118B2 (ja) 2006-05-17

Family

ID=16696623

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21696099A Expired - Fee Related JP3775118B2 (ja) 1999-07-30 1999-07-30 高頻度人工呼吸器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3775118B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007229207A (ja) * 2006-03-01 2007-09-13 Saitama Univ ネーザルcpap素子
JP2008519661A (ja) * 2004-11-11 2008-06-12 アールアイシー・インベストメンツ・エルエルシー 呼気圧力調整式人工呼吸器
JP2014502895A (ja) * 2010-12-21 2014-02-06 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ 統合化送風器を持つ人工呼吸器
JP2014518725A (ja) * 2011-05-23 2014-08-07 ゾール メディカル コーポレイション 換気品質フィードバックユニットを備えた医療用換気システム
JP2020525864A (ja) * 2017-06-26 2020-08-27 メンティス インコーポレイテッド 血管内流体注入シミュレーションのためのシステムおよび方法
JP2021098061A (ja) * 2015-06-11 2021-07-01 レボリューショナリー メディカル デバイシーズ,インコーポレイテッド 換気マスク

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008519661A (ja) * 2004-11-11 2008-06-12 アールアイシー・インベストメンツ・エルエルシー 呼気圧力調整式人工呼吸器
JP2007229207A (ja) * 2006-03-01 2007-09-13 Saitama Univ ネーザルcpap素子
JP2014502895A (ja) * 2010-12-21 2014-02-06 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ 統合化送風器を持つ人工呼吸器
JP2014518725A (ja) * 2011-05-23 2014-08-07 ゾール メディカル コーポレイション 換気品質フィードバックユニットを備えた医療用換気システム
JP2021098061A (ja) * 2015-06-11 2021-07-01 レボリューショナリー メディカル デバイシーズ,インコーポレイテッド 換気マスク
JP7266625B2 (ja) 2015-06-11 2023-04-28 レボリューショナリー メディカル デバイシーズ,インコーポレイテッド 換気マスク
US11813402B2 (en) 2015-06-11 2023-11-14 Sunmed Group Holdings, Llc Ventilation mask
JP2020525864A (ja) * 2017-06-26 2020-08-27 メンティス インコーポレイテッド 血管内流体注入シミュレーションのためのシステムおよび方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3775118B2 (ja) 2006-05-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3768689B2 (ja) 人工呼吸器
JP5184534B2 (ja) 気管切開チューブ逆止弁の有無にかかわらず、患者が話すことを可能にする換気装置および方法
JP3945902B2 (ja) 人工呼吸器
JP3721912B2 (ja) 高頻度人工呼吸器
JP2021098079A (ja) 呼吸治療装置用の呼吸可能ガス入口制御装置
US8025054B2 (en) Passive respiratory therapy device
RU2585137C2 (ru) Аппарат искусственной вентиляции легких с интегрированной воздуходувкой
JP5470264B2 (ja) 呼吸治療のための患者インターフェイスアセンブリ
JP3898251B2 (ja) 人工呼吸器のダイヤフラム中立位置制御装置
JP2010502402A5 (ja)
JPH08182763A (ja) 肺換気装置の呼息回路の制御方法及び装置
EP2037991A2 (en) Ventilator adaptable for use with either a dual-limb or a single-limb circuit
US6474334B1 (en) Multiplex ventilation system
JPH1057492A (ja) 呼吸装置
JP4727832B2 (ja) 高周波発振式人工呼吸器
JP3775098B2 (ja) 高頻度人工呼吸器
JP3775118B2 (ja) 高頻度人工呼吸器
CN110464950A (zh) 一种高频呼吸机系统及通气控制方法
WO2011051908A1 (en) A conduit
JP3775138B2 (ja) 高頻度人工呼吸器
JP3802099B2 (ja) 人工呼吸器
KR102331005B1 (ko) 소형 인공호흡 장치
JP3293317B2 (ja) 人工呼吸器用呼吸振動発生装置
JP3721908B2 (ja) 高頻度人工呼吸器
JP2006061354A (ja) 酸素供給機

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050714

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050830

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051020

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060131

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060213

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 3775118

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090303

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090303

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100303

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110303

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110303

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120303

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120303

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130303

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140303

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140303

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140303

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees